説明

物品管理システム

【課題】物品の保管位置情報を効率よく書き換えることができ、また、物品移動後における実際の物品の保管位置と保管位置情報にて示される保管位置とを確実に一致できる物品管理システムにおける物品の保管位置情報書換方法を提供する。
【解決手段】管理ユニット13による物品2の保管状況の管理を一時的に停止する。保管位置に設定された保管区画7から他の管理区画7へ物品2を移動する。管理ユニット13による物品2の保管状況の管理を再開し、管理ユニット13がアンテナ装置8を介して各保管区画7内の物品2のRFIDタグ4を検知する。管理ユニット13と管理サーバ27とが通信し、管理ユニット13が管理を再開した際に、物品2のRFIDタグ4を検知した保管区画7を物品2の新たな保管位置情報として管理サーバ27に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触情報記録媒体が設けられた例えばファイルや書籍等の物品を管理する物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば企業や学校、病院、店舗等の組織では、ファイルや書籍等の物品は、あらかじめ保管位置を決めて保管し、その決められた保管区画を示す保管位置情報を記録しておくことが多い。また、保管する前記物品の増加や前記組織や環境の変化等にともなって、前記物品の保管位置を変更し、その保管位置を示す保管位置情報を書き換えることが多い。
【0003】
従来、このような物品の保管位置の変更にともなう保管位置情報の書き換えを効率よく行う方法としては、文書を識別するための文書識別情報および文書の保管位置を表す保管位置情報を対応付けて記録する保管位置記録手段と、この保管位置記録手段に記録された前記保管位置情報で表される保管位置を異なる保管位置に上書きする変更手段と、前記文書識別情報を取得し、この文書識別情報に対応する保管位置情報を前記保管位置記録手段から抽出し、この保管位置情報を出力する出力手段とを有する文書管理装置において、前記文書識別情報を取得し、この取得した文書識別情報に対応する保管位置情報を前記保管位置記録手段から抽出して前記出力手段にて出力し、前記保管位置情報を前記変更手段にて異なる保管位置を表す保管位置情報に上書きする文書管理方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平2005−352674号公報(第3−7頁、図16,17)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した方法では、物品に関する保管位置情報を一旦出力し、新たな保管位置を入力して保管位置情報を書き換えるので、効率よく書き換えられない問題がある。特に複数の物品を移動する際には、移動する各物品に関して新たな保管位置を一つ一つ入力して保管位置情報を書き換えるので、効率的ではない。また、実際に移動した前記物品の保管位置と、上書きの際に入力した保管位置がずれ、実際の保管位置と保管位置情報にて示される保管位置とが異なってしまうおそれがある。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、物品の保管位置情報を効率よく書き換えることができ、また、前記物品の保管位置情報の書き換え後、実際に物品が保管される保管区画と保管位置情報にて示される保管区画とを確実に一致できる物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第一の物品管理システムは、複数の保管区画と、固有識別情報が格納された非接触情報記録媒体を有し、前記複数の保管区画のうちのいずれかに保管位置が設定された物品と、各保管区画内に配置された前記物品の非接触情報記録媒体と通信を行い、この非接触情報記録媒体から前記固有識別情報を取得するアンテナ装置と、このアンテナ装置を介して前記保管区画内の前記物品を把握し、前記物品の保管状況を管理する管理部とを具備した物品管理システムであって、前記管理部は、前記物品が保管された保管区画を他の保管区画に変更するという指示を受け付けると、前記物品の保管状況の管理を一時的に停止する管理一時停止手段と、前記保管区画の変更を終了したという情報を受け付けた際、前記物品の保管状況の管理を再開して、前記アンテナ装置を介して各保管区画内の前記物品の前記非接触情報記録媒体から各固有識別情報を取得する情報再取得手段と、
この情報再取得手段によって取得された情報に基づき各物品が存する保管区画を前記物品の新たな保管位置として保管状況の管理を再開する保管位置情報変更手段とを有するものである。
【0007】
第二の物品管理システムは、複数の保管区画と、固有識別情報が格納された非接触情報記録媒体を有し、前記複数の保管区画のうちのいずれかに保管位置が設定された物品と、各保管区画内に配置された前記物品の非接触情報記録媒体と通信を行い、この非接触情報記録媒体から前記固有識別情報を取得するアンテナ装置と、前記保管区画に保管された物品の出し入れを行う利用者の情報を取得する利用者情報取得部と、前記アンテナ装置を介して前記保管区画内の前記物品を把握し、かつ、前記利用者情報取得部からの情報に基づき前記保管区画から前記物品を取り出した利用者の情報を管理する管理部とを備えた物品管理システムであって、前記管理部は、利用者から前記物品が保管された保管区画を他の保管区画に変更するという指示を受け付けると、この利用者による前記物品の取り出しの管理を一時的に停止する特定利用者管理一時停止手段と、前記利用者から前記保管区画の変更を終了したという情報を受け付けた際、前記利用者に対する前記物品の保管状況の管理を再開して、前記アンテナ装置を介して各保管区画内の前記物品の前記非接触情報記録媒体から各固有識別情報を取得する情報再取得手段と、この情報再取得手段によって取得された情報に基づき各物品が存する保管区画を前記物品の新たな保管位置として保管状況の管理を再開する保管位置情報変更手段とを有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物品の保管位置情報を効率よく書き換えることができ、また、前記物品の保管位置情報の書き換え後、実際に物品が保管される保管区画と保管位置情報にて示される保管区画とを確実に一致できる物品管理システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態の構成について図1ないし図7を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1および図2に示す物品管理システム1は、保管位置が設定された例えばファイルや書籍等の複数個の物品2を管理するシステムである。
【0011】
物品2は、物品本体3を有し、物品本体3には固有識別情報(物品情報)を記録した非接触情報記録媒体であるRFID(Radio Frequency IDentification)タグ4が設けられている。なお、物品情報とは、例えば、物品内容、物品ID、保管場所、保管状態、取り出しに関するユーザ権限等、そのRFIDタグ4が対応する物品に関する情報が含まれるが、少なくとも固有識別情報としての物品IDを含んでいればよい。
【0012】
物品管理システム1は、複数個の物品2を並べて保管可能な複数の保管具としての保管棚5を備えている。各保管棚5には複数の棚段6を有し、各棚段6は物品2が出し入れ可能に保管される保管区画7が設けられている。なお、同一の棚段6内に複数の保管区画7を設けてもよい。
【0013】
物品管理システム1では、複数の保管区画7のうちのいずれかが物品2の保管位置として設定されている。
【0014】
物品管理システム1は、各保管区画7にそれぞれアンテナ装置8が設けられている。
【0015】
具体的には、アンテナ装置8は、保管棚5の各棚段6における背板部9に設けられ、同一の保管棚5に設けられた各アンテナ装置8は、マルチセレクタ10にてマルチドロップ接続されている。なお、アンテナ装置8は既設の保管棚5に後付けで設けることが可能である。アンテナ装置8は、図示しない送受信部、制御部、通信アンテナを有する。送受信部にてマルチセレクタ10側と情報を送受信し、制御部にて送受信部の送受信を制御し、通信アンテナにて誘導電磁界を形成する。通信アンテナにて形成された誘導電磁界内にRFIDタグ4が配置されると、電磁誘導作用によってRFIDタグ4に電圧が誘起され、送受信部とRFIDタグ4とが情報を通信する。
【0016】
さらに、物品管理システム1は、アンテナ装置8とリーダライタコントローラ11およびマルチセレクタ10を介して接続された管理部としての管理ユニット13と、管理ユニット13と通信可能であり、例えば一日一回、一時間に一回等のような所定のタイミングにて管理ユニット13と互いの情報の通信する管理部としての管理用PC(管理用パーソナルコンピュータ)14とを備えている。
【0017】
管理ユニット13および管理用PC14は物品2の保管状況を管理する管理部として機能するが、本実施の形態においては管理用ユニット13のみでも管理部として機能し得る。なお、管理部は、物品2が保管された保管区画7を他の保管区画7に変更するという指示を受け付けると、物品2の保管状況の管理を一時的に停止する管理一時停止手段(図示せず)と、保管区画7の変更を終了したという情報を受け付けた際、物品2の保管状況の管理を再開して、アンテナ装置8を介して各保管区画7内の物品2のRFIDタグ4から各固有識別情報を取得する情報再取得手段(図示せず)と、情報再取得手段によって取得された情報に基づき各物品2が存する保管区画7を物品2の新たな保管位置として保管状況の管理を再開する保管位置情報変更手段(図示せず)とを有する。
【0018】
管理ユニット13は、各保管棚5に設置され、アンテナ装置8を介して、対応する保管棚5内に保管された物品2のRFIDタグ4から物品IDを取得し、保管区画7内に保管された物品2の保管状況を管理する。管理用PC14は、各管理ユニット13から物品2の保管状況に関する情報を取得して、各保管棚5における物品2の保管状況を管理する。
【0019】
図3および図4に示すように、管理ユニット13は、非接触型のICカード15とユーザ情報を通信可能なICカード通信装置16と、表示手段17および操作手段18が設けられたマンマシン19と、サブ基板20と、メイン基板21とから構成されている。ICカード通信装置16およびマンマシン19はそれぞれサブ基板20と通信可能であり、また、サブ基板20とメイン基板21は通信可能である。メイン基板21は、管理用PC14およびリーダライタコントローラ11を介してアンテナ装置8と通信可能であり、サブ基板20およびメイン基板21にて情報を収集し、対応する保管棚5の物品2の保管状況を管理する。
【0020】
ICカード15は、RFIDに用いられる非接触情報記録媒体の一種であり、ICカード15の固有の情報であるカードIDやICカード15が付与される利用者のユーザ情報が記録されたICチップ(図示せず)が設けられたカード体であり、特定の利用者に付与される。すなわち、各利用者は、所定のICカード15を所有していることとなる。なお、ユーザ情報とは、例えば、ユーザ登録名、ユーザ登録番号、所属部署、ユーザ権限等のそのICカード15が付与された利用者に関する情報であり、ユーザ情報をカードIDと対応させて管理用PC14が記憶していてもよい。すなわち、管理用PC14が、管理ユニット13を介してICカード15からカードIDを所得し、このカードIDに対応したユーザ情報を検索することで、ICカード15の所有者を把握する構成にしてもよい。当然、ICカード15にユーザIDのみが記憶されていてもよい。
【0021】
ICカード通信装置16は、外面に通信面22を有するアンテナ部23を備え、通信面22より外面側には、鉛直方向の上端部が通信面22から離間する方向へ回動可能に取り付けられ、ICカード15を保持するカード保持板24が設けられている。
【0022】
アンテナ部23は、図示しない送受信部、制御部、通信アンテナを有し、アンテナ装置8と同様にICカード15と通信を行い、ICカード15から情報を取得する。
【0023】
カード保持板24は、略矩形状で、上端部が通信面22から離間する方向へ回動可能に取り付けられている。ICカード15は、通信面22とカード保持板24との間に挿入され、通信面22上に保持される。
【0024】
管理ユニット13は、アンテナ装置8を用いて常時RFIDタグ4と通信を行い、各保管区画7にどの物品2が保管されているかを把握する。そして、物品2が保管区画7から取り出された際、ICカード通信装置16に、カード保持板24と通信面22との間に配置されたICカード15と通信を行わせ、ICカード15に格納された情報(本例ではユーザ情報)を取得する。これにより、各保管区画7に保管されている物品2の情報を管理できるとともに、保管区画7から物品2が取り出された際にICカード通信装置16にセットされていたICカード15が何であるかということを管理できる。ICカード15は上記の通り各利用者にユニークであるため、管理ユニット13は、保管区画7から物品2が取り出された際の利用者を特定することができる。このように管理ログを取れば、後日、物品2をいつ誰が取り出したか、閲覧したかを把握することができる。
【0025】
また、管理ユニット13は、取出権限のない者によって物品2が保管区画7から取り出されたことやICカード15をICカード通信装置16にセットされない状態で物品2が保管区画7から取り出されたこと等のいわゆる不正取り出しを把握することもできるため、不正取り出しを検知した際に図示しないスピーカ部を用いて警報を発したり、表示手段17にエラー表示したり、その旨を管理用PC14に通知するといった処理を行うことができる。当然、物理的な不正取り出し防止手段(例えば保管棚5が設けられた部屋の自動扉)を用いて不正取り出しを防止するように構成することもできる。
【0026】
管理用PC14は、各保管棚5に設置された各管理ユニット13と通信することにより、各管理ユニット13にて管理される物品2の保管状況の情報を収集して管理DB(管理データベース)を構築する。
【0027】
管理用PC14は、物品2や物品2の保管に関する情報を記録して管理DBを構築する管理サーバ27と、管理DBの情報を出力表示する表示手段28と、物品の検索や物品の保管状況に関する情報を変更する際等に使用する入力手段29と、物品2およびICカード15と通信可能な管理用RFID通信装置30とが設けられている。なお、管理DBに記録される物品2や物品2の保管に関する情報としては、物品2の保管位置、物品2の保管状況、ユーザ権限、物品2の貸出先、物品2の貸出期限等がある。したがって、管理DBを参照すれば、物品2が保管されている保管区画7、物品2の保管状況(貸し出し中か否か等)、物品2を過去に取り出した者の一覧(ログ)、不正取り出しされた物品2の一覧(ログ)などの情報が得られる。また、ICカード15(カードID)と利用者とを対応づける情報や物品2毎の利用者の閲覧権限情報等の各管理ユニット13で用いる情報を作成し、この情報を各管理ユニット13へ定期的に送信するなどすれば、管理ユニット13毎にこれらの情報を設定する必要がなくなり、また、各管理ユニット13で共通の(すなわちずれのない)情報に基づいた処理を行うことが可能となる。
【0028】
物品管理システム1は、例えば部署毎に設置され、物品の保管状況に関する情報を閲覧したり、所望の物品を検索したりするための複数の閲覧用PC(閲覧用パソコン)31,31や物品2に関する情報を印刷するプリンタ32、ラベルライタ33等を備えている。上記したように管理ユニット13が不正取り出しを検出した際、その旨を管理用PC14に通知するようにした場合には、管理用PC14は、その旨を自身で報知するだけでなく、閲覧用PC31やプリンタ32等を用いて利用者に提示してもよい。
【0029】
管理ユニット13、管理用PC14、閲覧用PC31,31、プリンタ32、ラベルライタ33は、ネットワーク34を介して接続されてそれぞれが通信可能となっている。
【0030】
次に、物品管理システム1による物品2の管理方法について説明する。
【0031】
物品管理システム1は、基本的に各管理ユニット13が管理下の保管区画7の状況を把握して管理するが、上記のように管理用PC14と情報を通信して例えば新規に登録された利用者の情報(カードIDやこれに対応付けられた閲覧権限情報など)を最新のものにする。また、管理用PC14において全ての保管区画7の状況等を把握できるように管理状況を報告する。これらの処理を行うための通信は、常時行う必要はなく、定期的に通信を行い、その際差分データについてやりとりを行うようにすれば、特に既存のネットワーク34を用いる場合にこれに大きな付加をかけずに済む。したがって、以下では一つの管理ユニット13における動作に着目して説明を行う。
【0032】
図5は、物品2が保管区画7内から取り出された際の、この保管区画7に対応した管理ユニット13の処理の流れを示すフローチャートである。
【0033】
管理ユニット13は、アンテナ装置8を介して保管棚5の各保管区画7に保管された各物品2のRFIDタグ4と常時通信し、保管区画7内の物品2の物品情報を取得して(ステップ1)、対応している保管区画7内にある物品を把握する。
【0034】
今回取得した保管区画7内の物品情報を一時的に保存し、今回取得した物品情報と前回取得した物品情報とを比較し(ステップ2)、対応する保管区画7内の物品の保管状況に変化があったか否かを判断する(ステップ3)。
【0035】
変化があった場合、すなわち、物品2が保管区画7から取り出された場合、管理DBから取得した前回の物品情報から今回取得した物品情報を差し引き、取り出された物品2を特定する(ステップ4)。
【0036】
管理ユニット13は、ICカード通信装置16がICカード15と通信可能か否かを判断する(ステップ5)。この際、管理DBに登録されているICカード15がICカード通信装置16の通信面22上に配置されている場合のみ通信可能と判断する。
【0037】
ICカード通信装置16がICカード15と通信可能である場合は、ICカード15からユーザ情報を取得して(ステップ6)利用者を特定し、利用者にユーザ権限(取出権限)があるか否かを判断する(ステップ7)。
【0038】
利用者にユーザ権限がある場合には、管理ユニット13は、物品2が保管区画7から適正に取り出されたことを示す適正取出ログを記録して、ログ管理する(ステップ8)。
【0039】
上記の通り管理ユニット13は、管理用PC14と定期的に通信を行い(ステップ9)、通信が確立した際、差分情報として上記ログの更新に伴う情報を管理用PC14に送信する。
【0040】
管理用PC14は、例えば物品の保管状況を保管中から貸し出し中に変更し、物品2を取り出した利用者を記録し、貸出期限を記録する等して管理DBを更新する(ステップ10)。
【0041】
未登録のICカード15が通信面22上に配置されたり、ICカード15が通信面22上に配置されていなかったりして、ICカード通信装置16とICカード15とが通信不可と判断した場合(ステップ5/NO)や、ICカード15が通信可能であっても、利用者にユーザ権限がないと判断した場合(ステップ7/NO)は、これらの旨を管理ユニット13の表示手段17に表示して報知(ステップ11)する。表示手段17にて報知すると同時に警告音が発生するよう設定する等してもよい。
【0042】
また、管理ユニット13は、保管区画7に上記物品2が存在しないことのログおよびその存在しない理由が不正に取り出されたことを示す不正取出ログを記録する(ステップ12)。
【0043】
管理ユニット13は、管理用PC14と通信して不正取り出しが発生した旨等の情報を送信し(ステップ13)、管理用PC14は、この情報に基づいた処理(閲覧用PC31に上記情報を電子メールなどで送信する処理)を行う。
【0044】
管理用PC14は、上記不正取り出しが発生した旨等の情報に基づいてログ管理や管理DBの更新を行ってもよく、また、その場では行わずに定期的な通信時における差分データに基づいてこれらの処理を行ってもよい。
【0045】
なお、本実施の形態では、物品2の取り出しに対して、保管状況や貸出期限等を更新して物品を管理する構成としたが、このような構成には限定されず、物品2の取り出しを検知して、その取り出しが適正か否かを判断し、判断結果を報知できる構成であればよい。
【0046】
図6は、物品2が保管区画7内へ返却された際の処理の流れを示すフローチャートである。
【0047】
物品2が保管棚5の保管区画7へ返却されると(ステップ21)、管理ユニット13はアンテナ装置8を介して返却された物品2のRFIDタグ4を検知し、物品2を特定して物品情報を取得する(ステップ22)。
【0048】
物品情報から、物品2が返却された保管区画7と保管位置情報にて示される保管区画7とが一致しているか否か、すなわち、返却位置が正しいか否かを判断し(ステップ23)、返却位置が正しい場合は、正しく返却されたという正返却ログを記録する(ステップ24)。管理用PC14との定期通信時(ステップ25)に上記の通り差分情報を送信する。管理用PC14は、この差分情報に基づき、物品2の保管状況を貸し出し中から保管中に変更する等して管理DBを更新する(ステップ26)。
【0049】
管理ユニット13は、物品2の返却位置が正しくない誤返却であると判断した場合(ステップ23/NO)、その旨が表示手段17にて報知する(ステップ27)。当然、他の手段によって利用者に返却位置が正しくないことを報知してもよく、複数の報知手段を組み合わせてもよい。返却位置が正しい位置に戻された場合には、管理ユニット13は報知を中止し、ステップ24に移行する。
【0050】
管理ユニット13は、所定時間返却位置が正しくない状態を検出した場合、検出位置が正しくない旨のログを取り(ステップ28)、管理用PC14にその旨を通信する(ステップ29)。管理用PC14は、管理用DBを更新して上記物品2が所定外の保管区画7に存することを閲覧者が把握可能にする。
【0051】
このように物品管理システム1では、通常時、保管区画7内からの物品2の取り出しや保管区画7内への物品2の返却が適正なものか不正なものかを判断して物品2を管理する。
【0052】
物品管理システム1は、誤返却に対して、管理ユニット13の表示手段17にて正しい返却位置を表示し、誤返却した利用者に正しい返却位置に返却し直すように促す構成にしてもよい。
【0053】
また、物品管理システム1は、誤返却と判断すると、管理担当者に誤返却を報知し、管理担当者に正しい位置に返却し直すように促す構成にしてもよい。
【0054】
次に、物品管理システム1において物品2の保管位置(保管区画7)を移動(変更)する方法(物品2の保管位置情報書換方法)について説明する。保管位置情報の書き換えとは、物品2の保管位置として設定され保管されている保管区画7を他の保管区画7に変更して保管位置情報を書き換える処理である。
【0055】
図7は、物品2の保管位置情報を書き換える際のフローチャートである。
【0056】
利用者は、付与されたICカード15をカード保持板24と通信面との間に配置してICカード通信装置16に通信させ(ステップ31)、操作手段18にて管理ユニット13に対して物品2の保管位置変更作業を行う旨を通知する。この作業が管理ユニット13が対応する保管区画7に存する物品2についての作業のみである場合には管理ユニット13は以下の処理を行う。なお、他の管理ユニット13が対応する保管区画7に存する物品2についても移動を行う場合や他の保管区画7へ物品2を移動させる場合には、管理ユニット13は管理用PC14と通信し、管理用PC14が作業が行われる保管区画7を管理する管理ユニット13を統制下において下記と同等の処理を行う。ここでは説明を容易にするため、一つの管理ユニット13が対応する保管区画7内で各物品2の位置を変更する場合の処理を説明する。
【0057】
管理ユニット13は、ステップ31によって物品2の位置の変更作業を行う利用者を判別し、変更作業ログをとる。なお、利用者毎に変更作業を行う権限を設定し、特定の利用者のみ変更作業を行えるようにする場合には、変更作業を行う権限を有する利用者であるか否かを判断し、権限を有する場合にのみ次の処理に進む。変更作業用のICカードを発行しておき、変更作業用のICカードがステップ31でかざされた場合にのみ下記処理が実行されるようにしてもよい。
【0058】
管理ユニット13は、変更作業をするという指示を受け付けると、管理一時停止手段にて、アンテナ装置8を用いた物品2のRFIDタグ4との通信を停止して管理を一時的に停止する(ステップ32)。
【0059】
したがって、物品2を保管位置に設定されていた保管区画7から他の保管区画7に移動可能となるので、利用者に物品2の保管位置を移動させる(ステップ33)。すなわち、この作業の間は管理ユニット13による保管状況の管理が停止しているため、管理ユニット13による物品2の位置管理、ログ管理、不正な作業に対する報知等が行われないので、利用者は物品2を自由に移動できる。
【0060】
管理ユニット13は、利用者に対し、物品2の移動作業を終了した際にICカード15をICカード通信装置16と通信不能な位置に配置するよう(カード保持板24から取り外すよう)表示手段17に表示し、ICカード通信装置16がICカード15と通信可能か否かを常時検出する。ICカード通信装置16がICカード15と通信不能になった際(保管区画7の変更を終了したという情報を受け付けた際)、管理状態を通常状態に切り替え、物品2の保管状況の管理を再開する(ステップ34)。
【0061】
アンテナ装置8を介して各保管区画7内の物品2のRFIDタグ4と通信を行い(ステップ35)、情報再取得手段にて各固有識別情報を取得し、情報再取得手段にて取得した情報に基づき各物品2が存する保管区画7を新たな保管位置情報として保管位置変更手段にて変更する。
【0062】
管理ユニット13は、管理用PC14と通信を行い、新たな保管位置情報を通知し、管理用PC14は、管理DBを更新する(ステップ36)。
【0063】
なお、上記移動作業において作業前に管理していた物品2が作業後に検出できない場合には、その旨を表示手段17や管理用パソコン14を介して利用者や管理者に通知する。移動作業者が物品2を保管するのを忘れていた場合には利用者は新たにその物品2を保管区画7に配置させ、配置されたことを検出すると物品2が保管された保管区画7の情報を取得し、処理を終了する。所定期間物品2が戻されない場合には、管理ユニット13や管理用PC14はその旨のログを取る。
【0064】
このような物品管理システム1によれば、管理ユニット13による物品2の保管状況の管理を一時的に停止し、停止中に物品2を保管位置に設定された保管区画7から他の保管区画7へ移動し、管理ユニット13による物品2の保管状況の管理を再開した際に、管理ユニット13がアンテナ装置8を介して各保管区画7内の物品2のRFIDタグ4を検知し、物品2が保管されている保管区画7を物品2の新たな保管位置情報として記録するので、物品2の保管位置情報を効率よく書き換えることができる。特に、複数の物品2を移動させる際には、各物品2について一々保管位置情報を入力し直す等の作業を行う必要がなく、物品2の保管位置情報を効率よく書き換えることができる。
【0065】
また、管理ユニット13が管理を再開した際に物品2のRFIDタグ4を検知した保管区画7が物品2の新たな保管位置情報として記録されるので、物品2の保管位置情報の書き換え後、実際に保管された物品2の保管区画7と、記録された保管位置情報にて示される保管区画7とを確実に一致でき、物品2の管理の確実性が良好である。
【0066】
上記実施の形態からは、複数の保管区画と、非接触情報記録媒体を有し、前記複数の保管区画のうちのいずれかに保管位置が設定された物品と、各保管区画に対応して設けられ、対応した保管区画内の前記物品の非接触情報記録媒体を検知するアンテナ装置と、このアンテナ装置を介して前記保管区画内の前記物品を把握し、前記物品の保管状況を管理する管理ユニットと、この管理ユニットと通信可能であり、前記物品の保管位置に設定された保管区画を保管位置情報として記録する記録手段を有する管理手段とを具備する物品管理システムにおける物品の保管位置情報書換方法であって、前記管理ユニットによる前記物品の保管状況の管理を一時的に停止し、保管位置に設定された保管区画から他の管理区画へ前記物品を移動し、前記管理ユニットによる前記物品の保管状況の管理を再開して、前記管理ユニットが前記アンテナ装置を介して各保管区画内の前記物品の前記非接触情報記録媒体を検知し、前記管理ユニットと前記管理手段とが通信し、前記管理ユニットが管理を再開した際に前記物品の前記非接触情報記録媒体を検知した保管区画を前記物品の新たな保管位置情報として記録手段に記録する物品管理システムにおける物品の保管位置情報書換方法も当然に導出される。
【0067】
ネットワーク34がダウンし難く、より確実に物品2の保管位置情報を書き換えることができる。また、ネットワーク34がダウンしても、物品2の取り出しや返却に関する管理だけであれば、管理ユニット13のみにて管理できる。
【0068】
物品管理システム1は、物品2が取り出された際に、登録されたICカード15と通信できない場合や、ユーザ権限のない取り出し等のような不正な取り出しを検知した場合に、不正取出ログを記録してログ管理するので、情報漏洩等の不正があった際に情報漏洩元を捜索し易い。また、保管位置の変更作業の際にもログを取るため、情報漏洩元を特定できる可能性が極めて高い。
【0069】
上記物品管理システム1および物品2の保管位置情報書換方法は、ファイルや書籍等のような複数のものが並列した状態で保管される物品の管理に好適である。さらに、外観が特に類似しているものが多いファイルの管理により好適である。
【0070】
なお、本実施の形態では、物品2の保管位置情報を書き換える際に、管理ユニット13による管理を一時的に停止すると、物品2の取り出しや返却のログ管理を行わない構成としたが、通常の貸し出しや返却のログとは別に、物品2を移動させるための取り出しや返却を示す移動ログを取得してログ管理する構成にしてもよい。このような構成にすることにより、例えば物品2が不正に持ち出されること等による情報漏洩があった際に情報漏洩元を捜索し易い。物品2の保管位置の変更作業の際に情報が漏洩する可能性より、物品2の貸し出しにより情報が漏洩する可能性の方が高いため、貸し出しや返却のログと移動ログとを区分けすることで情報漏洩元の特定をより容易にできる。
【0071】
上記の実施の形態では移動作業中は管理ユニット13による管理を一時的に停止したが、アンテナ装置8を用いて物品2の位置を常時把握して移動作業ログをとってもよい。すなわち、移動作業中は不正取り出し時の処理等を停止するだけで、アンテナ装置8を用いた物品2の位置把握は続けてもよい。
【0072】
利用者の特定をICカード15にて行ったが、生体認証技術を用いたり、利用者にユニークなパスワードを付与して当スワードを操作手段18によって入力させるなどして利用者を特定することも当然に可能である。
【0073】
上記の実施の形態では移動作業中は、管理ユニット13による管理を一時的に停止し不正取り出しフローを中止するとしたが、取り出し作業を可能としつつ不正取り出しフローも機能し得るように構成することもできる。例えば、一の利用者から保管位置の変更処理を開始する旨の指示を受けた際、その利用者に、変更処理を行う保管区画7に対応した管理ユニット13にICカード15をセットさせる。すると、ICカード15がセットされた管理ユニット13においては不正取り出しフローは中止されるが、他の管理ユニット13では不正取り出しフローは続行される。この利用者によってICカード15が管理ユニット13から外された際、上記の通りに物品2の位置情報を変更し、この管理ユニット13は不正取り出しフローを再開する。他の管理ユニット13に上記の利用者のICカード15がセットされた場合には、この管理ユニット13においては移動処理が開始されるが、さらに他の管理ユニット13においては不正取り出しフローが続行される。最後に上記一の利用者から移動処理を終了する旨の指示を受けると、全ての管理ユニット13は不正取り出しフロー(通常の処理)を行うこととなる。
【0074】
移動処理を行う際、ICカード15がセットされた管理ユニット13の管理下の保管区画7においてのみ移動処理を行えるようにするのではなく、他の管理ユニット13、好ましくは物理的に隣接する保管区画7に対応する管理ユニット13においても移動処理フローが実行されるようにしてもよい。特に物理的に隣接する保管区画7(隣接する保管棚5)間では相互に物品2の位置を変更する可能性が高いが、このように構成すれば、一つの管理ユニット13にICカード15をセットするだけで複数の管理ユニット13が管理する保管区画7において物品2の移動作業を行うことができる。なお、他の管理ユニット13における全ての保管区画7において移動作業を行えるようにするのではなく、一部の保管区画7のみで移動作業を行えるようにしてもよい。このように設定すれば、他の管理ユニット13は、対応する保管区画7において通常のフローを実行することができる。なお、上記の通り全ての管理ユニット13において移動処理フローを行えるようにしてもよい。
【0075】
物品管理システム1は、上記の物品2の保管位置情報書換において、物品2の位置管理、ログ管理、不正な作業に対する報知等を行わず、物品2は自由に移動できる構成としたが、ユーザ権限は管理し、権限のない物品2が触られたか(アクセスされた可能性があるか)を検証するためのログを記録する構成にしてもよい。このような構成にすることにより、物品2の移動中の不正な取り出しを検知できる。
【0076】
物品管理システム1において、管理対象物である物品2がファイル等のような背見出しが設けられたもので、背見出しに保管位置が記載されている場合等は、物品2の移動にともなって背見出しの記載内容を変更する必要がある。そこで、上記の物品2の保管位置を変更させた際に、自動的にプリンタ32やラベルライタ33にて背見出しを印刷させたり、管理担当者または利用者(変更者)に背見出しの書き換えを促したりする構成にしてもよい。このような構成にすることにより、物品2の保管位置の変更にともなう詳細な変更も容易にできる。
【0077】
上記の物品2の保管位置情報書換方法では、物品2をアンテナ装置8が設けられておらず、管理ユニット13にて管理されていない非管理保管棚への移動が可能な構成としてもよい。このような構成では、物品2の移動後、まず、管理ユニット13にて物品2のRFIDタグ4を検知できず、物品2がなくなっていることを検出する。そして、管理担当者または利用者(移動者)に物品2がなくなっていることを報知し、管理担当者または利用者(移動者)が、物品2の保管位置を非管理保管棚と入力し、保管位置情報を書き換える。また、非管理保管棚に保管された非管理物品についても管理可能な構成としてもよい。この構成では、非管理物品にRFIDタグ4を設け、管理用RFID通信装置30にて非管理物品のRFIDタグ4と通信し、どの非管理保管棚に保管されているかを管理DBに記録して管理する。このような構成にすることにより、より広い範囲で多くの物品2を管理できるので好ましい。
【0078】
物品管理システム1は、管理用RFID通信装置30にRFIDタグ4を通信して、物品2の物品情報の追加や変更をしたり、管理用RFID通信装置30に未使用のRFIDタグ4を通信して、未登録の物品2の物品情報を新規登録したりする物品情報登録処理を行うことができる構成としてもよい。
【0079】
また、未登録のRFIDタグ4が設けられた物品2が、複数の保管区画7のうちのいずれかに配置された際に、その保管区画7を保管位置として物品情報登録処理を開始する構成としてもよい。
【0080】
物品管理システム1は、管理用PC14にて、管理用RFID通信装置30にICカード15を通信させてユーザ情報の追加や変更を登録したり、管理用RFID通信装置30に未使用のICカード15を通信させて未登録の利用者のユーザ情報を新規登録したりするユーザ情報登録処理を行うことができる構成としてもよい。
【0081】
物品管理システム1は、物品2を保管区画7から取り出す前にICカード15を通信させて、所定の物品2を借りるための予約(前宣言)をできる構成としてもよい。
【0082】
物品管理システム1は、例えば貸出期限の前日等の所定のタイミングで利用者や管理担当者に電子メール等により貸出期限が迫っていることを報知する貸出期限徒過報知処理を行うことができる構成としてもよい。
【0083】
物品管理システム1は、管理DBに保管棚5の保管区画7の幅や棚の段数等の棚情報を記録し、物品情報として物品2の幅を記録して、棚情報と物品情報とから、どの保管棚5のどの保管区画7にどの物品2を保管するかを提案する構成にしてもよい。この構成では、新規の物品2を新たに保管する際や物品2を移動する際等に保管場所が提案される。保管場所の提案に際しては、新規の物品2の物品情報を管理DBに登録すると、棚情報、保管棚5の収納状況、物品情報に基づいて、新規の物品2が保管可能な保管場所を物品管理システム1が判断して提示する。そして、この提示された場所の中から利用者に保管場所を選択させ、選択された場所をその物品2の保管場所情報として登録する構成や、上記の物品2の保管位置情報書換方法と同様の方法により保管場所情報を記録する構成である。また、保管場所の提案に際しては、棚情報、保管棚5の収納状況、物品情報に基づいて関連する物品2が連続して保管されるか、または、関連する物品ができるだけ近くに保管されるように保管レイアウトを計算し、物品2の移動や新規の物品の保管を促す構成としてもよい。
【0084】
物品管理システム1は、保管区画7毎に優先度を設定できる構成としてもよい。この構成では、保管棚5の設置場所や保管棚5における保管区画7の高さ等に基づき、物品2が出し入れし易い保管区画7の優先度を高く設定して、使用頻度に応じて物品管理システム1が保管場所の最適プランを提案する。なお、保管区画7の優先度の設定は、自動で設定される構成でも、管理担当者や利用者にて手動で設定される構成であってもよい。
【0085】
物品管理システム1は、貸出先である部署や利用者等の貸出傾向に応じて物品2の保管場所の移動を提案する構成にしてもよい。この構成では、ある部署に設置された保管棚5に保管された物品2の他部署員による貸出頻度が、所定の値以上になった場合、その使用頻度が多い部署の保管棚5に保管場所を移動するように提案する。
【0086】
物品管理システム1は、物品2の貸出頻度に応じて貸出期限の変更を提案する構成にしてもよい。この構成では、物品2の実際の貸出平均日数が、あらかじめ設定された貸出期限の日数を越えている場合、貸出期限の変更を提案し、貸出実体に合った保管を促すことができる。
【0087】
物品管理システム1では、保管棚5に設置された管理ユニット13が、保管棚5の一部に載置されただけの構成でも、保管棚5に対して鍵等のロック手段にて固定された構成でもよい。そして、保管棚5に管理ユニット13が載置されただけの場合は、ユニット用RFIDタグを設け、物品管理システム1にて管理ユニット13の設置状態も管理可能な構成にしてもよい。このような構成にすることで、管理ユニット13の盗難が報知可能であり、盗難を防止できる。
【0088】
なお、本実施の形態に記載された物品2の保管位置情報書換方法は、上記の物品管理システム1に適用することで、より確実に物品2を管理できるので好ましいが、物品管理システム1にのみ適用可能なものではなく、RFIDを用いた管理システムであれば適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の一実施の形態に係る物品管理システムの構成図である。
【図2】同上物品管理システムのブロック図である。
【図3】同上物品管理システムにおける管理ユニットを示す斜視図である。
【図4】同上物品管理システムにおける管理ユニットのブロック図である。
【図5】同上物品管理システムにおいて物品が保管区画内から取り出された際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】同上物品管理システムにおいて物品が保管区画内へ返却された際の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】同上物品管理システムにおける物品の保管位置情報書換方法の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1 物品管理システム
2 物品
4 非接触情報記録媒体としてのRFIDタグ
7 保管区画
8 アンテナ装置
13 管理部としての管理ユニット
14 管理部としての管理用PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の保管区画と、
固有識別情報が格納された非接触情報記録媒体を有し、前記複数の保管区画のうちのいずれかに保管位置が設定された物品と、
各保管区画内に配置された前記物品の非接触情報記録媒体と通信を行い、この非接触情報記録媒体から前記固有識別情報を取得するアンテナ装置と、
このアンテナ装置を介して前記保管区画内の前記物品を把握し、前記物品の保管状況を管理する管理部とを具備した物品管理システムであって、
前記管理部は、
前記物品が保管された保管区画を他の保管区画に変更するという指示を受け付けると、前記物品の保管状況の管理を一時的に停止する管理一時停止手段と、
前記保管区画の変更を終了したという情報を受け付けた際、前記物品の保管状況の管理を再開して、前記アンテナ装置を介して各保管区画内の前記物品の前記非接触情報記録媒体から各固有識別情報を取得する情報再取得手段と、
この情報再取得手段によって取得された情報に基づき各物品が存する保管区画を前記物品の新たな保管位置として保管状況の管理を再開する保管位置情報変更手段とを有する
ことを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
複数の保管区画と、
固有識別情報が格納された非接触情報記録媒体を有し、前記複数の保管区画のうちのいずれかに保管位置が設定された物品と、
各保管区画内に配置された前記物品の非接触情報記録媒体と通信を行い、この非接触情報記録媒体から前記固有識別情報を取得するアンテナ装置と、
前記保管区画に保管された物品の出し入れを行う利用者の情報を取得する利用者情報取得部と、
前記アンテナ装置を介して前記保管区画内の前記物品を把握し、かつ、前記利用者情報取得部からの情報に基づき前記保管区画から前記物品を取り出した利用者の情報を管理する管理部とを備えた物品管理システムであって、
前記管理部は、
利用者から前記物品が保管された保管区画を他の保管区画に変更するという指示を受け付けると、この利用者による前記物品の取り出しの管理を一時的に停止する特定利用者管理一時停止手段と、
前記利用者から前記保管区画の変更を終了したという情報を受け付けた際、前記利用者に対する前記物品の保管状況の管理を再開して、前記アンテナ装置を介して各保管区画内の前記物品の前記非接触情報記録媒体から各固有識別情報を取得する情報再取得手段と、
この情報再取得手段によって取得された情報に基づき各物品が存する保管区画を前記物品の新たな保管位置として保管状況の管理を再開する保管位置情報変更手段とを有する
ことを特徴とする物品管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−18362(P2010−18362A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178506(P2008−178506)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000129437)株式会社キングジム (241)
【Fターム(参考)】