説明

物理化学的変換及びまたは化学的変換の少なくとも1つのパラメータを決定するための方法及び装置及び相当するスクリーニング方法

キャリヤ相(P)内で変換を生じさせ得る物理化学系を構成する順次するプラグ(G)が管状のフロー部材(12)内を流動され、少なくとも1つのプラグの少なくとも1回の分析を実施し、当該分析から各パラメータを導出することを含む方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理化学的及びまたは化学的変換の少なくとも1つのパラメータを決定するための方法及び装置及び相当するスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで、“変換”とは、少なくとも2つの成分を混合するに際して生じ得る任意形式での相互作用を意味するものとする。“変換”とは、これに限定しないが、化学的及び又は物理的な反応、例えば、任意形式での変換性の化学反応、特には、重合反応、結晶化または沈殿またはゲル化、または、中でも、気液平衡の改変、のようなものであり得る。一般に、本発明の関連上、そうした変換には、電子の交換または共有、水素結合、静電相互作用、立体反発力または立体吸引力、色々な親水性及び又は疎水性の媒体、製剤安定性、凝集または、液/液、固/液または気/液の各相における相間移行、による化学的現象が含まれ得る。
【0003】
本発明の関連上、そうした変換のパラメータには、これに限定しないが、均質または異質の媒体の化学反応率、最適な化学反応収率、反応エンタルピー、時変動での化学的及び物理的反応プロセス、溶解度ダイヤグラムまたは相ダイヤグラム、がある。
変換のそうしたパラメータは、これまではマイクロ流体フロー法を用いて決定されている。
マイクロ流体フロー法は、例えば、“Fundamentals of Microfabrication:The Science of Miniaturization”CRC Press(1997)でM.Madouによる説明がある。この説明によれば、ミクロンスケール及び又はナノスケールで構成した極く少量の流体容積を取り扱い得る機械システムが使用される。そうした小スケール化と適宜の分析技法とを組み合わせることで、生物学、分析化学、化学工学、物理学といった広汎な分野における非常に多くの用途への道が開ける。
【0004】
かくして、当該技法によれば、例えば、特に小さい表面上に面積数平方センチの実験室、即ち、“チップ上実験室”を再現する多数の化学プロセスを想定し得る。J.Knight, Nature,418,474(2002)を特に参照されたい。かくして、そうした小型化により、化学工学分野における関与反応の選択肢及び収率を増大させる可能性がある。
マイクロ流体分野でのプラグ、特には液滴の使用は非常に有望である。なぜなら、極小容積、代表的には1ピコリットル及び1ナノリットルの間の容積を持つそうした液滴はその内部で化学反応を生じさせ得るからである。これは、例えば、B.Zheng,L.S.Roach,and R.Ismagilov in J.Am.Chem.Soc.125,11170(2003)に記載されている。また、マイクロ流体製造法によれば、単分散液滴を一定速度で製造し得る。
【0005】
結局、そうして形成したナノリアクターであるところの液滴は、移動距離と反応時間とが等値になるような一定割合下に流動する。換言すると、流体フロー系内の所定位置に配置した液滴は、調査対象である反応のある瞬間を表す。ラマン法、赤外線法、可視または蛍光形式の各法を組み合わせることで、反応体の非常に小さい容積部分のみを使用しつつ、最適な化学反応状況を非常に急速にスクリーニングするための反応速度論の監視、液滴組成の調節、が可能となる。
【0006】
マイクロ流体法には、上述したような数多くの利点があるが、特有の欠点、即ち、特にはソフトリソグラフィーを使用するので実施コストが比較的高くなり、マイクロ流体フロー装置がモジュール化しにくく、更には、マイクロ流体法ではある種の反応を満足裡に研究できない、という欠点がある。
【0007】
また、一般に、工業界には、新製品、例えば新規な化学物質または、新規な化学物質を含む新規な配合物及び又は化学物質の新規な組み合わせ、のような新規な特性を持つ新製品を開発するための要求が常にある。大抵の用途において、製品の物理的及び又は化学的な変換は研究及び開発プロセスで頻繁に調査されるべき重要特性である。研究及び開発のプロセスを加速させて、例えば、もっと大量又は少量の製品を試験し及び又は試験速度をもっと上げ、及び又は、先に説明した従来装置を使用したのでは非常に遅くなる、変換に関わる関連試験を高速化させる方法及び装置に対する需要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献1】“Fundamentals of Microfabrication:The Science of Miniaturization”CRC Press(1997)
【非特許文献2】J.Knight,Nature,418,474(2002)
【非特許文献3】B.Zheng,L.S.Roach,and R.Ismagilov in J.Am.Chem.Soc.125,11170(2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、変換のパラメータ決定方法であって、マイクロ流体法に関わる欠点を解消し、尚且つ、マイクロ流体法全体におけるそれと同じ可能性を提示する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的上、本発明によれば、請求項1に関わる決定方法が提供される。
請求項2〜22には本発明の有益な機能構造に関わる事項が記載される。
請求項23には本発明に従う決定装置が記載される。
請求項24〜32には本発明の有益な機能構造に関わる事項が記載される。
請求項33には本発明に従うスクリーニング方法が記載される。
【発明の効果】
【0011】
変換のパラメータ決定方法であって、マイクロ流体法に関わる欠点を解消し、尚且つ、マイクロ流体法全体におけるそれと同じ可能性を提示する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明に従う、変換のパラメータを決定するための装置の正面図である。
【図2A】図2Aは、図1の装置の一部を構成するプラグ発生モジュールの、種々の構成部品を分解状態で示す正面図である。
【図2B】図2Bは、図1の装置の一部を構成するプラグ発生モジュールの、種々の構成部品を組み立て状態で示す正面図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施例を例示する図1と類似の正面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施例を例示する図1と類似の正面図である。
【図5A】図5Aは、所定温度を維持するための、前記各図の構成部品を組み込んだ手段の概略斜視図である。
【図5B】図5Bは、所定温度を維持するための、前記各図の構成部品を組み込んだ手段の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施例に従う、図1と類似の正面図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例に従う、図1と類似の正面図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施例に従う、図1と類似の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の方法の1実施例に従えば、管状のフロー部材の下流側のある位置で、例えば、反応の進行具合に関する情報を与える(形成された製品または残留反応体の分析検査、例えばポリマーの場合はモノマーの残留量の分析検査による)分光法(UV分光法、赤外線分光法、光散乱法、X線散乱法、ラマン分光法、蛍光分光法、等)または、光学法(顕微法、画像分析法等)により分析が実施され得る。本発明の方法を実施するために好適な分析手段が、管状のフロー部材に沿った1つ以上の所定位置でこの部材に接近して位置付けられる。
【0014】
分析手段を移動させて、流れに沿った各位置、従って、変換の各進行ステージにおける測定情報を入手しても良い。また、同一または異なる幾つかの分析手段を管に沿って配置することもできる。管に沿った幾つかの位置での情報を提供し得る単一の分析手段、例えば、恐らくは画像プロセス処理を伴う写真撮影法による光学分析手段を使用できる。本発明の、前記方法と組み合わせ得る他の方法に従えば、管状フロー部材の出口位置で、好ましくは既存の部材を出るプラグを回収/分離させることなく、例えば、クロマトグラフィー法、特には、ポリマー分析に好適で、変換製品の組成、例えば、ポリマーに関する平均分子重量、巨大分子鎖やポリマー生成物の多分散指数、のような特性に関する情報を提供する、立体排除クロマトグラフィー法による分析を直接実施し得る。
【0015】
図1には本発明に従う装置が例示され、図1では略示されるが図2A及び図2Bではもっと詳しく示されるプラグ発生モジュールを含んでいる。プラグ発生モジュールは参照番号1でその全体を示され、任意の好適な材料、特には金属またはプラスチック製の略円筒状のカプラー2を含む。カプラー2は異なる3本の通路を介して外部と連通する内容積部Vを有する。
【0016】
この目的上、カプラー2には図2A及び図2Bに示す上方チャンネル4と下方チャンネル6とが設けられる。上方チャンネル4と下方チャンネル6とは同中心構成を有し、上方チャンネル4は容積部Vのそれよりも小さい、また下方チャンネル6はそれよりも大きい各断面を有する。図2A及び図2Bで右側に示す横断方向チャンネル8をカプラー2に穿孔し、次いで、例えば、PEEK、PTFE、シリコーン、又は金属製のノズル10を、横断方向チャンネル8の出口壁に任意の好適な手段を使用して締着させる。
【0017】
以下に説明する種々の管状フロー部材をカプラー2に連結する。本発明に関しては、管状フロー部材は断面を閉鎖した細長のフロー部材であり、その横断方向プロファイルは任意形状、特には楕円又は四角形であり得る。本発明に関し、そうした部材は中実胴部、例えば、ウェハーに食刻したマイクロチャンネルのような中実胴部には設けられない。
【0018】
かくして、この部材は周囲方向薄壁により境界付けされる。管状フロー部材は、2本のウェハーポートを特には接着により相互連結したマイクロ流体構造とは異なり、単一部材から有益に作製できる。
本発明に従う各管状フロー部材は、剛性材料、例えば、スチール製であり得るが、他の実施例では半剛性の、又は可撓性の材料、例えばPTFE、シリコーン、PVC、ポリエチレン、又はPEEK等からも作製可能である。
【0019】
他の実施例では、フッ化物、特には、PFA形式のフッ化物も使用できる。フロー部材はポリイミドをコーティングした溶融シリカからも作製し得る。溶融シリカは、フロー部材の内側が見えるよう、既知の態様下に、特には硫酸により部分的に除去し得る。
先ず、第1の管状フロー部材、即ち、例えば、PTFEまたはシリコーン製で代表的には10ミクロン〜50mmの間の相当内径を有する毛細管12が設けられる。また、2つの別の管状フロー部材、即ち、例えば、PEEK製の2本の毛細管13及び14が設けられる。
【0020】
毛細管13は毛細管14よりも相当直径が小さいので、以下に詳しく説明するように、作用時には毛細管14の内容積部に通される。この点に関し、毛細管13(以下、内側毛細管13とも称する)と外側毛細管14(以下、外側毛細管14とも称する)とにおける代表的な相当直径は、夫々50ミクロン及び250ミクロンである。また、外側毛細管14の層等直径は毛細管12のそれよりも小さく、内側毛細管13は、毛細管14に通されることから、その外径は周囲の即ち外側の毛細管14の内径よりも小さい。
【0021】
本明細書において、各フロー部材の“相当直径”とは、これらの部材の内壁が仮に円形断面を有するものとして、この円形断面の所定断面積値に対する内壁の直径を意味するものとする。内壁の断面が円形の場合、相当直径はこれらの部材の内径に明らかに一致する。
実際のモジュール1を製造する場合、外側の毛細管14を先ずチャンネル4に挿通し、他方、内側毛細管13を外側の毛細管14の容積部内に配置する。毛細管12もチャンバ6内に配置し、その端部を、チャンバ6を内側容積部Vから分離している肩部6’に当接させる。
【0022】
チャンネル4内でセンタリングされ且つ案内される外側の毛細管14は、肩部6’を越えて突出する位置まで挿入される。換言すれば、毛細管12と毛細管14とにおいて相対する各壁が記号Rで示す重畳領域を形成する。重畳領域は図2Bでは肩部6’の直ぐ下流側、即ち下方位置に形成される。また、内側毛細管13の下流側端部13’は外側の毛細管14の下流側端部14’と接面される。言い換えると、これら下流側の各端部は各毛細管12、13、14の主たる軸線に関して取る軸方向位置が同じである。
【0023】
また、上流側の毛細管13及び14は、それ自体は既知の、2つの流体を射出するための射出手段を収受する。各流体のための射出手段は、注射器に連結した図示しない可撓性チューブと、やはり図示されない注射器プランジャとを含む。同様に、射出手段と協動するノズル10は、例えば、注射器及び注射器プランジャ(図示せず)に連結した、追加の、同様に可撓性の、第3の流体を射出するための管を含む。
【0024】
図1を再度参照するに、下流側の毛細管12は、従来の冷媒手段を備えた袋16内に開口する。袋は毛細管12内で生じる変換を停止させるための、以下に示すような設計のものとされる。冷却用の袋16の下流側で、毛細管12は、プロセス処理用コンピューター20に接続したクロマトグラフィー形式の分析装置18と連通される。
上述した装置による決定法の実施状況を以下に説明する。
【0025】
本発明の範囲内での意味上の変換を受ける混合物を形成するに適した2つの流体A及びBが2つの毛細管13及び14内に射出される。全くの非限定例としての前記2つの流体は、従来からの、特には酸ベースの、反応またはアクリル酸またはDADMAC(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)のラジカル重合反応、酸化反応またはH22によるフェノールの酸触媒ヒドロキシル化反応さえも生じさせ得る。
【0026】
上述した最初の2つの流体の混合物とは不混和性の補助流体(またはキャリヤ相)Pをノズル10を介して射出する。これらの各流体の、代表的には射出時の流量は、例えば、500μl/時及び50mμl/時の間である。他方、2つの流体A及びBの合計流量に対する補助流体Pの比は、例えば0.5及び10の間である。
補助流体Pの流量は、例えば、2に近い比率において2つの流体A及びBの合計流量よりも多い。
【0027】
次いで、補助流体は内容積部V内、詳しくは、2つの毛細管12及び14の相対する壁により形成される環状空間内に入る。更には、上流側の毛細管13及び14の下流側端部13’及び14’の直ぐ下流側で、最初の2つの流体は混合ゾーンと称する、記号Mで示すゾーン内で相互接触状態に持ち来たされる。かくして、各毛細管13及び14を流通する2つの反応性流体はこの混合体域内のみで合流し、それ以前の部分では合流されない。
【0028】
また、重畳部分Rの直ぐ下流側で、これらの2つの流体A及びBは記号Cで表す接触ゾーンと称するゾーンで補助流体Pとの接触状態に持ち来たされる。重畳ゾーンRを介して液滴形成を観察できるので、ユーザーは操作を制御できるようになる。そうした重畳ゾーンがない場合は液滴は必ずしも透明ではないカプラー2内で形成されるのである。
補助流体Pは2つの流体A及びBとは不混和性なので、それら流体A及びBから各々成る液滴Gは接触ゾーンC内で形成される。各液滴Gはプラグを形成し、プラグ自体は本発明の意味の範囲内における物理化学系を形成する。
【0029】
結局、2つの流体A及びBの各流量を個別に設定し、他方、補助流体Pの流体を設定することで、毛細管13及び14の直ぐ下流側の位置に分散相の単分散液滴Gを形成させ得る。これらの液滴は、記号fで表す一定周波数下に放出されるので容積vは式:v=q/fで与えられる。ここで、qは流体A及びBの合計流量と等値とする。換言すれば、例えば、発光ダイオードを発光させる簡単なレーザーポインターを使用して、それよりもずっと複雑な画像プロセス処理法を用いること無く液滴Gの容積vを入手できる。かくして、所定の幾何形状、主には毛細管12、13又は14の一定直径に関して、各不混和性の流体の流量を単に変更するのみでサイズの異なる液滴を形成できる。
【0030】
そのように形成した各液滴Gは下流側の毛細管12を通して流動し、この毛細管12内で先に説明した変換を生じる。変換は、液滴Gが毛細管に沿って進むに従い、変換の度合いに応じて進み、最初の流体A及びBにより形成された混合物の性質が徐々に変化する。言い換えると、最近形成された液滴、つまり、図1で最も左側に位置付けられる、2つの流体A及びBを含む液滴ではそれらの液体は実質的に混合されておらず、液滴が下流側に移動するほど、液滴内の2つの流体は良好に混合されるようになる。研究対象となる変換は最も下流側の位置においてさえ増進される。
【0031】
この点に関し、変換の固有時間尺度は2つの流体の混合時間よりも相当長い方が有益である。これにより、本発明に従う方法が、遅い化学反応のような遅い変換の研究用に特に適していることが分かる。
本発明の説明の前段で述べたマイクロ流体法の場合におけるように、こうして形成された液滴Gは一定速度で流れる小型の反応体を形成し、かくして、その移動距離と反応時間との間には等値関係も存在する。図1では、軸XXの原点0はゾーンM、つまり液滴Gの形成に相当する。従って、毛細管12に沿った所定位置、つまりこの基準系の横座標は、液滴Gの変換のある瞬間を表している。
【0032】
2つの流体A及びBを、そのいずれもが補助流体Pと接触する接触ゾーンCと実質的に一致する混合ゾーンM内で混合させるのが有益である。結局、液滴Gの形成以前には最初の2つの流体A及びBは接触せず、従って、変換に関連する原点0の位置は、これら2つの流体A及びBが下流側の毛細管12に入る瞬間に相当する。つまり、図1を参照するに、軸X−X上の距離における0位置は特に明瞭に確認される。
【0033】
従って、本発明に従い実施される変換は非常に精密に研究される。更に、本発明によれば、仮に中実製品が形成される結果生じる化学反応を調査することで、閉塞作用が防止される。2つの反応体を仮に液滴形成以前に相互接触状態で配置すると、先に言及した固体部分は相当するフロー部材における障害物となり得る。
【0034】
液滴Gが、毛細管12の、冷却用の袋16内の帯域に入ると、これらの液滴の受ける変換は袋16内の低温による冷却効果により停止する。この条件下に、袋16の下流側を流れる全ての液滴G1は同じ性質を有し、相当する反応時間はt1である。反応時間t1それ自体は、毛細管12が袋16に入る位置に相当する横座標X1(図1参照)に関連する。
【0035】
この条件下に、袋16の下流側では、液滴とキャリヤ相との間の密度差による沈殿作用が生じる。かくして、分離した液滴はクロマトグラフ18による分析に好適である。次いで、コンピューター20がクロマトグラフ18から送られるデータをプロセス処理し、先に述べた変換の少なくとも1つの所望のパラメータを決定する。
【0036】
更に、各成分を構成する流体A及びBの流量を変化させれば、袋16の横座標X1に関連する時間t1、つまり液滴形成からの経過時間に相当する時間t1も変化する。その結果、異なるステージで、しかし冷却用の袋16を移動させることなく、変換を分析可能である。かくして、所定長さ、例えば1メートルの毛細管12の場合、そうした流量を変化させるだけで滞留時間を5分及び1時間の間で変化させ得る。
【0037】
図8には本発明の他の実施例が示される。本実施例では、図1に示すと類似の機械的構成部品は100番単位とした同じ参照番号で示される。
本実施例の装置は、先ず、何本かの毛細管を、これらの毛細管内の流体が混合しないようにして束ねた上流側部材100を有する。上流側部材100は中空であり、全体に十字型形を有し、3つの入口1001、1002、1003を備える。毛細管113及び114が、最初の2つの入口1001及び1002を開始位置及び1つの出口1004とする中空の胴部に通される。
【0038】
しかしながら、先の実施例とは異なり、毛細管113及び114は同中心ではなく相互に並置され、かくして出口1004を貫いて伸延する。毛細管114は部材100の中空胴部内に直角の曲げ部を有する。第3の入口1003は、以下にその機能を説明するノズル110’と連通する。
上流側に位置する部材100の出口1004は、毛細管113及び114よりも大きなサイズの第3の毛細管115内に入り、かくして、出口1004と、毛細管113及び114とは相互に並置され、他方、毛細管115の周囲壁によって包囲される。
【0039】
これら3本の毛細管113〜115は、図1のモジュール1と類似のモジュール101に入る。モジュール101は、特に、カプラー102とノズル110とを含む。
モジュール101の下流側には、その周囲に位置付けられる毛細管115のそれよりも大直径の、毛細管12と類似の毛細管112が配置される。先の実施例と同様に、3本の毛細管113〜115の下流側の各端部113’、114’、115’は相互に接面、つまり、軸線上で同じ位置にある。加えて、毛細管112及び115の相対する各壁が記号R’で表す重畳部を形成する。
【0040】
液滴は毛細管112内で以下のようにして形成される。混合物形成に好適な2つの流体A及びBが毛細管113及び114内に射出される。次いで、ノズル110’から部材100の中空胴部を介して毛細管115内に流体Cを射出する。
流体Cは流体A及びBと反応する第3の反応体であり得る。変更例として、流体Cは、触媒又は緩衝剤のような、反応体の実際の性質上は影響がないが、比率のようなパラメータについてのみ影響するアジュバント溶液であり得る。
【0041】
次いで、図1に示す実施例におけるように、3つの流体A、B、Cと不混和性の補助流体Pをノズル110を介して射出する。この条件下に、液滴G’が重畳領域R’の直ぐ下流側で、図1を参照して説明したそれと類似態様下に形成される。
変更例として、毛細管113または114のような少なくとも1つの他の毛細管を、周囲方向に位置付けた毛細管115の内側に配置し得る。各毛細管は相互に、反応に対して反応性又はアジュバントな追加の流体を流動させるために使用され得る。
【0042】
図8に示す実施例はコンパクトさの点で固有の利点を持つ。かくして、毛細管113及び114のような小断面の少なくとも2つの毛細管を、もっと断面の大きい単一の毛細管115内に横並び状態で使用することもできる。
図3には、冷却用の袋16又はクロマトグラフ18の何れをも使用しない本発明の他の実施例が示される。この実施例では、分析は結局は図1に示す実施例のようにライン外では実施されず、ビーム形式の分析装置を介してライン内で実施される。ビーム形式の分析装置はこの実施例ではコンピューター120に接続したラマン分析装置118であり、この装置のビーム119は下流側の毛細管12上に配向される。
【0043】
かくして、図3の実施例では、変換が生じるゾーン内で分析が実施され、図1に示す最初の実施例ではこの変換が停止した後で分析が実施される。毛細管12の同じ位置にビーム116が差し向けられ、この位置を通して順次流れる幾つかのプラグが分析される。かくして、この所定位置での変換の進み具合に関する有意量の情報を入手できる。
【0044】
あるいは、ビーム119を軸方向に移動させて毛細管12の横座標を入手し、その結果として異なる変換時間を入手し得る。分析を実施するところの変換時間を、ビーム119の位置を変更せずに変更させるよう、液滴Gを形成する流体A及びBの流量を第1の実施例におけるように変更することも可能である。
【0045】
上述した各ステップを終了すると、物理化学系の変換の少なくとも1つのパラメータを決定できる。次いで、各ステップのシーケンスを、他の物理化学系及び又はその他の運転条件を含む他の変換について再開する。これらの各ステップは変換の全範囲に関して反復実施されるので、スクリーニング法を実施すれば目的用途に依存する有益な変換の少なくとも1つを認識できる。
【0046】
図4には本発明の更に他の実施例が例示される。本実施例も、先に説明したと類似態様下に最初の液滴G0が形成される毛細管12を含んでいる。最初の液滴G0に導入するべき少なくとも1つの別の成分が、毛細管12に差した針30を介して液滴に注入される。これにより最終液滴Gが形成され、この最終液滴が前述の実施例に従う様式下にプロセス処理される。
【0047】
図4に示す実施例は特に重合反応に適したものである。従って、最初の液滴G0の各々は第1のモノマーと重合開始剤とから形成され得る。次いで第2のモノマーを針30を介して射出してコポリマーブロックを形成させることが出来る。やはり針30を介して、特には開始剤がもはや作用しない場合に開始剤を追加することが出来る。
針30のような何本かの針を主たる毛細管12の連続する各位置に刺すことも可能である。また、各針30は横断方向寸法の小さい管で置換しても良い。
【0048】
毛細管12に連結した針30は本発明の他の実施例でも使用される。そうした実施例(図示せず)では毛細管12から液滴サンプルを採集する。この目的上、針30は、それら液滴を損傷させないように十分大きい直径を有する。
針30は液滴内で生じる反応を阻止し得る生成物をも含有する。この条件下に、相当する流量を変更することで、サンプリングの瞬間における液滴の滞留時間を調節できる。かくして、液滴内で生じる反応の異なるステージに相当する色々のサンプルを採取できる。
【0049】
図5A及び図5Bには本発明の他の実施例が例示され、本実施例では毛細管12が可撓性材料から作製されると共に、この毛細管12を所定温度に維持するべく、ヒーター50と関連付けされている。ヒーター50は円筒形状を有し、軸方向の2つの各端部位置で開放された内側容積部Vを画定する(ヒーターが略示される図5A参照)。
内容積部は壁52により境界付けされ、毛細管を収受する溝55がこの壁の外側周囲に食刻される。各溝は例えば螺旋状に形成される。直径の異なる毛細管を収受するために好適な異なる溝を食刻することも出来る。
【0050】
例えば、温度調節が最適化されるよう、アルミニューム製の外側フランジ54(図5B参照)をヒーター50を囲むようにして壁52の上部に配置する。この外側フランジ54により、可撓性の毛細管12は円筒状の壁52と接触する位置に維持されるようになる。
ヒーター50の各開放端は、伝熱流体を閉回路内で循環させるべく、それ自体は既知の形式のクライオスタット56(図5B参照)に接続される。従って、伝熱流体は可撓性の毛細管12の温度を、調査目的の変換が所定の温度条件下に発生するよう、所定温度に維持する。外側フランジ54は、可撓性の毛細管12が見えるようにするための中央窓58を画定する。この条件下に、ライン内分析による変換を光学的に特徴付けすることが可能である。
【0051】
従って、図5A及び図5Bに示す実施例は変換に対して使用し得、その際の所望温度を例えば−20〜200°Cに維持できる。ライン内分析を実施可能な分析法には、例えば、ラマン分光法あるいは赤外線サーモグラフィーがある。また、円筒状の壁52の周囲に非常に長い可撓性の毛細管12を配置しても良い。この条件下に、円筒状の壁にそうして巻装した可撓性の毛細管の相当部分において達成され得る滞留時間は数時間までのものとなる。
【0052】
図6には、毛細管12に毛細管13及び14が横方向から入る構成の、本発明の他の実施例が例示される。この状況下では、接触ゾーンC’と一致する混合ゾーンM’が、毛細管13及び14の相対する各端部間に位置付けられる。
図7には、毛細管13が、外側の毛細管14の下流側部分とは接面されない、本発明の他の実施例が例示される。言い換えると、端部13’は端部14’よりも上流側に位置付けられ、流体A及びBから形成される混合物Mは端部14’に近い位置を流動する。これにより、液滴を形成する各反応体が、液滴が実際に形成されるよりも前に相互接触状態に持ち来たされる。
【0053】
図8を参照するに他の実施例が示され、毛細管113及び又は毛細管114は外側の毛細管115の下流側の端部115’と接面される必要がない。この条件下に、混合物は液滴G’が形成される以前に、流体C及び流体A及び又は流体Bの間に混合物が形成される。言い換えると、混合ゾーンは毛細管115の端部よりも下流側に位置付けられる。
【0054】
図8に関して説明したそれとは異なる態様下において、2つ以上の成分から液滴Gを形成することが出来る。かくして、各々がそうした成分の1つを流動させる何本かの同中心の毛細管を使用できる。図1に示す実施例におけるように同中心の毛細管を2本だけ使用し、他方、これらの管の少なくとも一方に少なくとも2つの反応体を流動させることも可能である。
毛細管12は50cm〜10メートル、好ましくは1〜4メートルの長さを有し得る。この条件下に、各液滴の滞留時間は、例えば、2分〜10時間の間のものとなる。
【0055】
しかしながら、変換速度が特に遅い重合形式の場合、所定の瞬間における毛細管13及び14を介しての反応体の射出を停止させ得る。この条件下に、毛細管12内の液滴は変換が継続して生じている間は不動化される。次いで、変換を進行させるこの不動化時間後、上流側の毛細管13及び14を通して再度反応体を射出し、毛細管12を通る各液滴の流れを再開させる。
【0056】
上述した各運転操作の少なくとも幾つかを、コンピューター形式の計算手段により制御し得る。この条件下に、コンピューターは特には、毛細管12に沿って流れる連続するプラグ成分の自動生成、ヒーター50の温度監視、分析データの入手、サンプルの自動収集、が可能である。
また、本発明の別の実施例は、上述した、技術的に互換性のある全ての又は幾つかの特性を含むプラグを生成する他の(図示せず)方法及び装置に対しても適用可能である。この場合、それらのプラグの分析及び変換の特性決定は随意的なものとなる。この実施例は、特には、試作品標本の準備、または工業スケール製品、特には、ポリマー、特にはラジカル重合による製品のために使用できる。
【0057】
本発明によれば上述した課題が解決される。
本願発明には、本明細書の前段部分で説明した従来のマイクロ流体法の欠点に対する利点が有る。
詳しくは、マイクロ流体装置はその構成上、実質的な金融投資や当該分野に関わる高度な専門知識を必要とする高価なソフトリソグラフィー法が必要であり、これが、現在の大抵の工業的研究室でこの法が用いられない理由となっている。
【0058】
また、マイクロ流体チップは、これをモジュール化するためにはその流体回路の一部を改変した新たに作製する必要がある。
加えて、マイクロ流体装置は非常に小さいので、これに対応して分析用具を小型化する必要がある。そうした小型化は常に容易とは限らず、実質的な追加コストをも要する。
【0059】
従来サイズのマイクロ流体チップにおけるプラグの滞留時間は比較的短いので、遅い化学反応の速度論、数分〜数時間の範囲の固有時間、を調査する上での妨げとなる。
また、系内でプラグを移動させ、停止させ、ルーチングさせる弁形式の機械部材が必要である。マイクロ流体スケールでそうした部材を使用するのは非常に難儀である。
本発明によれば、そうした色々の欠点が解消される。なぜなら、本発明では“ミリ流体”形式のずっと大きなスケールで流れが生じ、それにより、実質的にずっと代用積のプラグ及び流量を入手し得るからである。更には、本発明で使用するフロー部材はウェハー形式の中実胴部内に設けられないのでコスト面で有利である。
【0060】
マイクロ流体スケールよりもずっと大きなスケールを、モジュール化し得るフロー部材と組み合わせて使用することで、プラグの滞留時間を引き延ばすことが可能である。
これは、遅い化学反応を調査する目的上特に有益である。
本発明に従う“ミリ流体”フローによれば、マイクロ流体フロー手段によるだけでは入手し得ない複雑なプラグを生成するといった目的を達成し得る。この条件下に、本発明によれば、特には、単なるマイクロ流体フロー態様下においては生成し得ない二重エマルジョンを生じさせ得る。
【0061】
本発明で使用する流体の流量は代表的には1〜1000mL/時、即ち、一日当たり数十ミリリットル〜数十リットルの間である。比較上、マイクロ流体法で可能とされる流量は相当に少なく、一日当たりでは数十ミリリットル未満である。
本発明は、提供される情報に基づき、化学物質生成のためのプロセスの設計、新規な化学物質、特には新規なポリマー、重合製品及び又は重合プロセスの設計に際して有益に使用され得る。また本発明は簡単に使用でき、使用する反応体の数や順序を変える多数のオプションを持ち、かくして、ある反応体を、その他の反応体(例えば、触媒または開始剤またはコモノマー、または、第2の合成ステップで使用した反応体)の導入後に導入し、必要に応じて、マイクロ流体反応体設計または機器を実質的に改変することなく、幾つかの導入位置(または瞬間)を試すことができる。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0062】
2 カプラー
4 上方チャンネル
6 下方チャンネル
6’ 肩部
8 横断方向チャンネル
10 ノズル
12、13、14 毛細管
13’、14’ 下流側端部
16 袋
18 分析装置
20 プロセス処理用コンピューター
30 針
50 ヒーター
52 壁
54 外側フランジ
55 溝
56 クライオスタット
58 中央窓
100 上流側部材
1001、1002、1003 入口
112、113、114、115 毛細管
119 ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理化学的及び又は化学的変換の少なくとも1つの特性を決定するための方法であって、
前記変換を受け得る物理化学系から形成された連続するプラグ(G;G’)を、下流側の管状ブロー部材(12;112)に沿ってキャリヤ相(P)内を流動させ、
少なくとも1つの前記プラグの分析を少なくとも1回実施してパラメータを導出する方法。
【請求項2】
物理化学系が少なくとも2つの成分(A、B;A、B、C)から形成され、当該2つの成分が、上流側の少なくとも2つの管状フロー部材(13、14;113、114、115)にして、下流側の管状ブロー部材(12;112)内を通過する上流側の管状フロー部材に沿って流動される請求項1の方法。
【請求項3】
物理化学系が少なくとも3つの成分(A、B、C)を含み、各成分が、相当する上流側の管状フロー部材(113、114、115)を通して流れる請求項2の方法。
【請求項4】
物理化学系が、変換用の、触媒または緩衝剤のような少なくとも1つのアジュバント(C)を含む請求項3の方法。
【請求項5】
上流側の少なくとも3つの管状フロー部材(113、114、115)が設けられ、その少なくとも2つ(113、114)が、その周囲に配置した管状フロー部材(115)の内側に横並びに配置される請求項3または4の方法。
【請求項6】
各管状フロー部材が10ミクロン〜50mm、好ましくは50ミクロン〜5mm、最も好ましくは100ミクロン〜1mmの間の等しい直径を有する請求項1〜5の何れかの方法。
【請求項7】
成分(A、B、C)の少なくとも二つが混合ゾーン(M)内で、これらの成分が前記混合ゾーン(M)と実質的に一致する接触ゾーン(C)内でキャリヤ相(P)と接触状態に持ち来たされると実質的に同時に、混合ゾーン(M)内で混合される請求項2〜6の何れかの方法。
【請求項8】
上流側の管状フロー部材の少なくとも2つ(13、14)と、下流側の管状フロー部材(12)とが同中心を有する請求項2〜7の何れかの方法。
【請求項9】
接触ゾーン(C)が、下流側の管状フロー部材(12;112)と、この下流側の管状フロー部材の周囲の上流側の管状フロー部材(14;115)との間の重畳部分(R;R’)の直ぐ下流側の位置に位置付けられる請求項7または8の方法。
【請求項10】
プラグ(G)内で生じる変換が、特には冷却体(16)により停止させ、ライン外、特にはクロマトグラフ(18)での分析を少なくとも1回実施することを含む請求項1〜9の何れかの方法。
【請求項11】
下流側の管状フロー部材(12)内で変換が停止される請求項10の方法。
【請求項12】
プラグサンプルが下流側の管状フロー部材から採取され、次いで変換が停止される請求項10の方法。
【請求項13】
例えばラマン形式の分析装置(118)のビーム(119)を、変換が継続して生じる下流側の管状フロー部材(12)のゾーン上に差し向ける請求項1〜9の何れかの方法。
【請求項14】
ビーム(119)が下流側の管状フロー部材(12)の同じ1つの位置に差し向けられ、当該位置を連続的に通過する幾つかのプラグが分析される請求項13の方法。
【請求項15】
下流側の管状フロー部材(12)の少なくとも一部を、所定温度に維持するための装置(50)内に配置する請求項1〜14の何れかの方法。
【請求項16】
下流側の管状フロー部材(12)内で少なくともあるプラグが不動化され、それにより、当該プラグを動かさずに変換が継続され得、次いで、当該待ち時間における観察後、当該プラグが当該下流側の管状フロー部材(12)内での流動を再開される請求項1〜15の何れかの方法。
【請求項17】
初期のプラグ(G0)が、特には第1モノマーと、重合開始剤とを含み、管状のフロー部材を通して流動され、少なくとも1つの別の成分、特には他のモノマー及び又は追加料の開始剤が初期の各プラグに付加され、かくして最終的なプラグ(G)が形成される請求項1〜16の何れかの方法。
【請求項18】
プラグ(G)が下流側の管状フロー部材(12)を通して、1mL/時及び1000mL/時、好ましくは5mL/時及び100mL/時の間の流量下に流動される請求項1〜17の方法。
【請求項19】
下流側の管状フロー部材(12)が、50cm〜10m、特には1〜4mの間の長さを有する請求項1〜18の方法。
【請求項20】
導出されるパラメータが変換の度合い、例えば、反応生成物の消滅割合、主たる反応による生成物の生成割合、または、当該主たる反応による副産物の生成割合、である請求項1〜19の何れかの方法。
【請求項21】
幾つかのプラグの組成及び又は温度維持用の装置の温度が、計算手段によって制御され及び又は種々の分析結果が前記計算手段により要求される請求項1〜20の何れかの方法。
【請求項22】
少なくとも1つの管状のフロー部材が可撓性を有する請求項1〜21の何れかの方法。
【請求項23】
物理化学的及び又は化学的変換の少なくとも1つのパラメータを決定するための装置であって、
下流側の管状フロー部材(12;112)にして、その等価的直径が10ミクロン〜50mm、好ましくは50ミクロン〜5mm、最も好ましくは100ミクロン〜1mmの間である下流側の管状フロー部材と、
当該下流側の管状のフロー部材(12;112)内でキャリヤ相(P)によって分離された順次するプラグ(G;G’)を生じさせるための手段(10、13、14;110、113、114、115)と、
当該プラグを分析するための分析手段(18;118)と、
各パラメータを決定するための手段(20;120)と、
を含む装置。
【請求項24】
下流側の管状フロー部材(12)が、手段(16)と連通する状態下に配置され、手段(16)が、特には冷却手段によって変換を停止させ得、前記下流側の管状フロー部材(12)が外部の分析装置(18)、特にはクロマトグラフ形式の分析装置内に入る請求項23の装置。
【請求項25】
分析手段が、下流側の管状フロー部材(12)上に差し向けるために好適なビーム(119)を有する分析装置(118)、例えば、ラマン形式の分析装置を含む請求項23の装置。
【請求項26】
プラグ(G)を生じさせるための手段が少なくとも1つの上流側の管状フロー部材(13、14;113、114、115)を含み、当該手段の各々が、物理化学系の成分を供給するための好適なものであり、上流側の各管状フロー部材が下流側の管状のフロー部材(12;112)内に入り、前記プラグ(G)を生じさせるための手段が、キャリヤ相(P)を供給するための手段(10;110)を更に含み、該手段もまた下流側の管状フロー部材(12)に入る請求項23〜25の何れかの装置。
【請求項27】
プラグの各成分が混合される混合ゾーン(M)を画定する下流側端部(13’、14’)を有する少なくとも2つの上流側の管状フロー部材(13、14)が設けられ、前記下流側端部(13’、14’)が、前記混合ゾーン(M)と略一致する接触ゾーン(C)内で下流側の管状フロー部材(12)に入る請求項26の装置。
【請求項28】
下流側の管状フロー部材(12)の長さが50cm〜10m、特には1〜4mの間である請求項23及び24の何れかの方法。
【請求項29】
下流側の管状フロー部材(12)の少なくとも一部が配置された付近の所定温度を維持するための部材(50)を更に含む請求項23〜28の何れかの装置。
【請求項30】
下流側の管状フロー部材(12)の少なくとも一部が配置された付近の所定温度を維持するための部材が、伝熱流体を収受するための内側容積部(V)を画定する中空胴部(50)であり、前記内側容積部が、下流側の管状フロー部材(12)の少なくとも一部が配置される位置の周囲の壁(52)によって境界付けされる請求項29の装置。
【請求項31】
一連の溝(53)の少なくとも1つが壁(52)内に切削され、一連の各溝により、下流側の管状のフロー部材(12)の相当する横断方向寸法が収受され得る請求項30の装置。
【請求項32】
壁(52)の周囲に配置した下流側の管状フロー部材の一部が周囲のフランジ(54)によって包囲され、該フランジには分析装置によって見えるようにするための窓(58)を設けた請求項30及び31の何れかの装置。
【請求項33】
物理化学系の幾つかの変換をスクリーニングする方法であって、
物理化学系及び又は運転条件を改変することにより異なる幾つかの変換を実施し、請求項1〜16の何れかに記載の方法に従い、各変換の少なくとも1つのパラメータを決定し、少なくとも1つの好ましいパラメータを有する少なくとも1つの好ましい変換を認識するスクリーニング方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−506187(P2010−506187A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531881(P2009−531881)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001685
【国際公開番号】WO2008/043922
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(508076598)ロディア オペレーションズ (98)
【氏名又は名称原語表記】RHODIA OPERATIONS
【住所又は居所原語表記】40 rue de la Haie Coq F−93306 Aubervilliers FRANCE
【出願人】(506256242)ユニヴェルシテ ドゥ ボルドー アン (6)
【Fターム(参考)】