説明

物理的、化学的及び/又は熱的工程を実行する装置

物理的、化学的及び/又は熱的工程を実行する装置であって、ハウジング(3)内の軸(1、2)に混合・清掃部材(5)を備え、軸(1、2)の周りを回転する際に複数の混合・清掃部材(5)が互いに噛み合い、少なくとも1つの軸(1、2)の軸方向の次の混合・清掃部材(5)が軸(1、2)の軸心(A)に対して180°回転対称となるように配置され、混合・清掃部材(5)は、外周に縁角(7)を備えた板状部材(6)から成り、縁角(7)は軸(1、2)の軸心(A)を中心とする半径(r)に沿って90°又はそれよりやや広角度で円弧状に伸張し、縁角(7)の両側には軸(1、2)に向かって伸張する側縁(8.1、8.2)が連結され、縁角(7)には1つ又は複数の棒(9.1、9.2)が取り付けられていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジング内の軸に混合・清掃部材を備え、軸の周りを回転する際に複数の混合・清掃部材が互いに噛み合い、少なくとも1つの軸の軸方向の次の混合・清掃部材が軸の軸心に対して180°回転対称となるように配置されていることを特徴とする物理的、化学的及び/又は熱的工程を実行する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような装置は混練機とも呼ばれて、多目的に用いられる。第一には、溶媒を回収する為にバッチ又は連続で時には減圧下の蒸発に用いられる。例えば、蒸留残滓であるトルエンディイソシアネートを処理するが、化学品及び薬品の残渣である毒性又は高沸点の溶剤、並びに溶液重合の溶剤、接着剤及び連結剤からの洗浄剤及びワニススラッジ、樹脂溶液、エラストマー溶液も処理される。
【0003】
更に、バッチ又は連続的に時には減圧下で、水分及び/又は溶媒を含む製品からの接触脱水が行われる。特に、顔料、染料、ファインケミカル、塩、酸化物、水酸化物、抗酸化剤などの添加剤、温度に敏感な医薬及びビタミン剤、作用剤、高分子、合成ゴム、高分子懸濁液、ラテックス、ヒドロゲル、ワックス、殺虫剤及び塩、触媒、残留物、アルカリ廃液などの化学又は医薬品からの残滓に用いられる。この方法は、例えば、塊状乳(Blockmilch)砂糖代替品、澱粉誘導体、アルギン酸塩を製造及び/又は処理する際に、産業スラッジ、オイルスラッジ、バイオスラッジ、製紙スラッジ、ラッカースラッジの処理並びにねばねばした高粘性の付着物、廃棄物及びセルロース誘導体の処理にも用いられる。
【0004】
混練においては、脱気及び/又は蒸発が行われる。このことは、ポリエステル又はポリアミド溶融物の凝縮後の高分子溶融物、合成繊維用の紡糸液並びに固体状の高分子又はエラストマー粒子又は粉末に用いられる。
【0005】
混練においては、連続で溶融状態において、特に、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセテート、ポリイミド、熱可塑性高分子、エラストマー、シリコーン、尿素樹脂、フェノール樹脂、洗剤及び肥料など高分子凝縮反応が行われることも多い。
【0006】
ポリアクリレート、ヒドロゲル、ポリオール、熱可塑性高分子、エラストマー、シンディオタクティクポリステロール及びポリアクリルアマイドを連続で重合反応を行わせることも多い。
【0007】
混練機においては、固体、液体及び多相反応が普く行われる。すなわち、フッ化水素酸、ステアリン酸、シアネート、ポリリン酸塩、シアヌル酸、セルロース誘導体、エステル類、エーテル類、ポリアセタール樹脂、スルファニル酸、銅フタロシアニン、澱粉誘導体、リン酸アンモニウム重合体、スルホン酸塩、殺虫剤及び肥料に用いられる。
【0008】
更に、固−気反応(例えばカルボキシル化)又は液−気反応が行われる。すなわち、酢酸塩、酸、例えば、BON、サリチル酸ナトリウム塩、パラヒドロキシ安息香酸塩及び薬物などへのコルベーシュミット反応に用いられる。
【0009】
液−液反応は、中和反応及びエステル交換反応において行われる。
【0010】
混練による溶解及び/又は脱気は、合成繊維、ポリアミド、ポリエステル及びセルロースの紡糸液において行われる。
【0011】
いわゆるフラッシュは、顔料の処理又は製造の際に行われる。
【0012】
固体の後凝縮は、ポリエステル及びポリアミドの製造又は処理において行われる。すなわち、例えばセルロース繊維などの繊維を溶剤と共に処理するスラリー化、塩、精密化学品、ポリオール、アルコキシドを処理する溶融物又は溶液からの結晶化、シリコーン、連結剤、フライアッシュを重合化混合するコンパウンド化又は混練、高分子懸濁液の(特に連続的)凝析処理に用いられる。
【0013】
混練において、別のバッチ又は連続の操作、例えば、加熱、乾燥、溶融、結晶化、混合、脱気、反応を組み合わせてもよい。それによって、高分子、エラストマー、無機製品、残滓、薬物、食料品、印刷用インクが製造又は処理される。
【0014】
混練機において、減圧昇華又は凝縮もでき、例えば、アントラキノン、金属塩化物、金属有機結合などの中間製品が精製される。更に医薬中間体の製造も可能である。
【0015】
例えばアントラキノン、精密化学製品などの有機中間製品では、担体ガスが連続的に凝縮される。
【0016】
上述のような混練機は例えば、特許文献1に記載されている。その混練機では、ハウジング内に2つの平行な軸が逆又は同一方向に回転している。そこでは、円板に取り付けられた混合棒が一緒に作動している。混合棒は、混合する機能以外に、ハウジングの製品が触れる面、軸及び円板をできるだけ清浄にして且つ混合されない部分が無いようにする役割がある。特に、極めて緊密、熱硬化且つ表面の硬い製品では、混合棒及び軸への機械的負荷に対して混合棒の縁が良好に作動する役割がある。これらの力点は、特に混合棒に負荷が掛かる領域に出現し、それにより製品が劣化する。そのような領域は、例えば軸に取り付けた円板である。
【0017】
特許文献2にも上述の混練機が記載され、混練棒が軸方向にできるだけ伸張するように担持部材が混練棒の領域に凹部を形成している。このような混練機には、ハウジング及び軸の製品に触れる面を自浄する作用があるが、担持部材は混練棒の軌跡を受け入れる必要があるので形状が複雑になる。そのため、第一に製造コストが高くなり、第二に軸及び担持部材に局所的に応力が集中することになる。主として鋭角の凹部及び厚みが変化する点、特に担持部材が軸に溶接されている領域に生ずる応力集中が、軸及び担持部材の疲労に基づく割れの引き金となる。
【0018】
基本的には、一軸と二軸の混練機は異なったものである。多軸の混練機は特許文献3に記載されている。その混練機には、第一の軸に円板が備えられ、円板の間に軸方向に配列された混練棒が配置されている。円板の間には他の軸の枠状に形成された混合・混練部材が噛み合っている。この、混合・混練部材が、第一の軸の円板と混練棒を清浄にしている。2つの軸の混練棒が、ハウジングの内壁を清浄にしている。
【0019】
この二軸の混練機には、2つの軸のハウジングが連結する領域において断面が八角形なので、強度が低い部位があるとの欠点がある。粘性の高い製品の加工及び/又は加圧下での工程では、この領域に大きな応力が生じるが、費用の掛かる構造的対策のみよって解決される。
【0020】
二軸の混練機には更に次のような問題点がある。
圧力に対して軸の密閉又は高度の減圧に対する密閉
ハウジングの爆発に対する安全性
ハウジングの真円性
ハウジングの密閉
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】欧州特許第0517068B1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19940521A1号明細書
【特許文献3】スイス特許出願公開第506322号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、上記の製品の処理及び製品に接触した面の清掃並びに製品の排出ができる改良された混練機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
混合・清掃部材は板状部材により構成され、板状部材は外側に縁角を備え、縁角は半径に沿って約90°又はややそれを上回る円弧状で軸心の周りに伸張し、縁角の両端に軸に向かって伸張する側縁が連結され、縁角には1つ又は複数の棒が備えられように構成された装置により上記課題が解決される。
【0024】
本発明による構成では、従来のような清掃軸と静止軸間の区別が無くなる。2つの軸に備えられた混合・清掃部材は、混合と同時に清掃の役割を有している。これにより、製品が接触した面及び部材を十分に清掃できるようになる。このことは、ハウジングの内面、混合・清掃部材自身並びに軸の外被にも当てはまる。
【0025】
2つの軸に備えられた混合・清掃部材は同一であることが好ましい。これにより、製造・保守が簡単になるのみならず、混合・清掃部材の一部である例えば、棒などの作動部材への負荷が均一になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による機械的、化学的及び/又は熱的工程を実行する装置の前面の板を除いた状態の正面図
【図2】図1の装置の部分縦断面図
【図3】本発明による機械的、化学的及び/又は熱的工程を実行する別の装置の前面の板を除いた状態の正面図
【図4】図3の装置の部分縦断面図
【図5】混練機内において共動する2つの軸の実施例の正面模式図
【図6】混練機内において共動する2つの軸の他の実施例の正面模式図
【図7】図1及び図2の混練機の一部を展開して示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の特徴は、混合・清掃部材の構成にある。ぞれぞれの混合・清掃部材は、1つの板状部材及び板状部材に備えられた軸方向に伸張する少なくとも1つの棒から成る。板状部材は、軸の周りに互いに180°の回転対称に配置されて混練空間を形成すると共に、他方では混練空間の区画するように構成することが好ましい。これにより、投入口からの製品は、径方向を前後した迷路状の流れとなり、排出口へと導かれる。これにより、従来には認められなかった径方向の最適な混合が可能となる。
【0028】
更に、混合・清掃部材の板状部材を設置することにより、気体の通過する空間が形成され、蒸発した溶剤などの排出を著しく改善することになる。
【0029】
別の好適な実施例では、板状部材は軸の軸心から所定の半径に沿った外側に縁角を備えている。この縁角は約90°か、ややそれを上回る角度で円弧状に板状部材を廻っている。
【0030】
板状部材の縁角の両端に棒を備えることが好ましい。2つの棒の間に中間の棒が備えられると、更に清掃が改善される。
【0031】
2つの軸が同一の回転数で回転するように構成された混合・清掃部材が好ましい。同一回転数にすると、いわゆるロール効果に至らないばかりでなく、特に高粘度の製品を扱う場合に製品が閉塞されない。
【0032】
更に、2つの軸及び混合・清掃部材を同一形状とすると、製品の流れが均一になることが判明した。更に、自己清掃効果が高まるような構成により、滞留時間分布が改善(短縮)されると同時に混合・混練作用が強化される。
【0033】
選択された混合・清掃部材に対応して、搬送部材、特に棒を調整すれば、極めて良好な逆混合が得られる可能性がある。このように選択された構成は、バッチ式装置にも理想的である。
【0034】
更に、自己保全のためには、軸は断面が円形でなく多角形で、特に四角形又は六角形に形成することも考えられる。辺をアーチ状にすると、四角形が丸味を帯びる。これによって、板状部材上の棒と共動することにより清掃が改善される。この断面が多角形の軸は、特に高価で表面が硬いか又は極めて粘度の高い製品に提供される。
【0035】
本発明において、保全に関連する部材は、排出の構成に関連する。排出口は、軸と共に回転する排出部材に対応して配置されるべきである。排出部材とは、例えば、切断歯と刃を備えた星型排出輪のことであり、これにより製品が切り取られ排出口へと押し込まれる。星型排出輪の働きは偏向板により促進される。
【0036】
調節可能な偏向板と組み合わせた星型排出輪は、定常的に製品を排出することを考慮したものである。この場合、軸の形状には関係なく、切断歯の数によって軸の1回転当たりの排出回数が決まる。これにより、一軸又は二軸スクリュウのように排出部材の最適化ができる。このように選択された排出装置は、連続逆混合工程において、充填レベル制御を可能とする。この排出装置は、高粘度の製品に適しており、軸流と呼ばれている。
【0037】
星型排出輪の代わりに、軸に幾つかの楕円形状の積層板を備えてもよい。積層板はそれぞれが軸の周りを回転するので扇形となる。
【0038】
更に、軸の下方に配置されている排出口に加え、1つ又は2つの排出口を2つの軸の間に配置することが好ましい。この場合、2つの軸に排出部材が取り付けられているので、軸の回転により、より多量の製品が排出口を通って排出される。
【0039】
本発明の範囲において、排出口をハウジングの正面壁に備えてもよい。同様に、排出口を円筒状のハウジング壁に備えることも可能である。この場合、操作は軸方向及び/又は径方向に調整可能であるのに対して、排出口はある配置と同様に別の配置とすることも可能である。
【0040】
所望の製品の充填レベルを保つ為に、排出口に邪魔板を配置することが適切であることが判明した。
【0041】
更に、排出口に一軸又は多軸の排出スクリュウを配置することも可能である。排出スクリュウは、下方又は主軸に垂直に配置することも可能である。この排出スクリュウは、ハウジング内を空にするのにも用いられる。ハウジングを空にするには、邪魔板の下部域を開放する必要がある。ハウジングを空にするために、1つ又は複数の閉鎖可能な開口部をハウジング壁に配置するのも可能である。ハウジングを空にする排出も製品を排出するのと同じ開口部で行うことが好ましい。
【0042】
装置又はハウジングに、ハウジングの内容量/滞留量を算出する重量測定セルを備えることも考えられる。本発明では、この内容量/滞留量は、排出スクリュウの回転数によって制御可能である。すなわち、ハウジングの内容量を増す場合には、排出スクリュウの回転数を落とし、逆の場合には回転数を上げればよい。
【0043】
重量測定セルからの信号によって排出スクリュウの回転数を制御することによって、装置内の充填度を一定に保つことができる。充填度が減少しそうな場合には、排出スクリュウの回転数を落とし、充填度が増大しそうな場合には、排出スクリュウの回転数を上げて排出を促進させる。
【0044】
更に、一軸又は多軸の投入スクリュウにより、固体をハウジング内に投入することも考えられる。この投入スクリュウは、ハウジング壁と同一平面とし、例えば、側面又は前面板を通して投入される。
【0045】
場合によっては、排出時に残っている排ガスは、ハウジング壁の開口部を通して製品と共に流出させるべきである。これのガスは、製品から除去して連結された排水管に排出される。
【0046】
本発明は、全体としては、優れた自己清掃機能のため、塊状物が生成しない混練機に関する。これによって、部分的に充填された混練機を操作することが可能となったので、固体を投入するのに十分な空間が使えるようになった。本発明により、混練機内が局所的に許容できない負荷が掛かることが無くなった。
【0047】
以下、本発明の利点、特徴及び詳細について、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0048】
図1、2の混練機Pには、ハウジング3内に2つの軸1、2が備えられ、軸1、2及びハウジング3は温度制御された媒体によって満たされている。更に、ハウジング3は2重外被構造に形成されている。ハウジング3の前面は前面板4により閉鎖されている。
【0049】
軸1、2には、同一形状の混合・清掃部材5が備えられている。混合・清掃部材は、縁角7を備えた板状部材6からなり、縁角7は軸1(又は2)の軸心Aを中心とする半径rに沿って約90°の円弧状に伸張している。縁角7から軸1(又は2)へとアーチ状の側縁8.1、8.2が伸張している。このように構成された板状部材は互いに180°の回転対称になるように軸1(又は2)の周りに配置されている。
【0050】
図から明らかなように、縁角7には、軸心Aにほぼ平行(図7の展開図では斜めに取り付けられているが)に2つの棒9.1、9.2が取り付けられている。これにより、加工すべき製品の搬送性に影響を及ぼす。
【0051】
次に本発明の混練機の作用にについて説明する。
【0052】
処理すべき製品は投入口10よりハウジング3の内部に達して軸1、2上の回転している混合・清掃部材5に捕獲される。そこで製品は混合・清掃部材5により強力に混練且つ切断されるので、他の製品、添加物、溶媒、触媒、開始剤などと十分に混合される。本発明では、従来の混練機のように静止翼を備えた静止軸と清掃部材を備えた清掃軸との区別はない。本発明では、混合・清掃部材5を備えた軸1、2は、同一量の製品の混練及び他の軸又はハウジングの内壁又は他の軸の混練・清掃部材の清掃を引き受ける。上述した板状部材の配置及びその形状により、径方向の最適な混合が実現され、特に、図2に矢印11.1、11.2で示すように、いわゆる迷路効果が可能となる。ここでは、2つの軸は同じ大きさで、時計周りに回転していることを前提としている。
【0053】
混練された製品が前面板4の方へ移動して、破線で示した排出口12へと向かう。製品の排出は、偏向板13と星型排出輪14によって行われる。偏向板13はハウジングに静止して固定されているのに対し、星型排出輪14は軸1と共に回転する。排出星型輪14には、多数の切断歯16が備えられ、混練された製品を排出口12へと押し込むように構成されている。切断歯16は、回転方向に刃17を備えている。これにより、製品の流れの一部が切り取られ、排出口12へと押し込まれる。
【実施例2】
【0054】
図3、4には、別の排出口の例が示されている。この例では、排出口12に加えて、軸1、2の間に2つの排出口12.1、12.2が備えられている。ここでは、星型排出輪の代わりに、図3に示すように軸1、2には楕円状の積層板15.1、15.2が備えられている。この構成により、混練された製品の一部の排出が確実に行われる。排出口12は、積層板15.1が1回転すると2回押し込まれることになる。それに対して排出口12.1、12.2は、積層板15.1並びに15.2によって拭われので、それぞれの積層板が1回転すると4回押し込まれることになる。この構成により、混練された製品の排出量の制御が可能となる。
【実施例3】
【0055】
図5には、2つの棒9.1と9.2の間に第3の棒9.3が備えられた例が示されている。これにより、対向する板状部材及び特に対向する軸の清掃が改善される。図では、改善される部分が斜線で示されている。
【実施例4】
【0056】
図6から判るように、軸1.1又は軸2.1は断面が多角形でもよい。これにより、棒9.1及び棒9.2が共動することにより軸1.1又は軸2.1の外被の清掃が改善される。図では、改善される部分が格子状陰影で示されている。
【符号の説明】
【0057】
1 軸
2 軸
3 ハウジング
4 前面板
5 混合・清掃部材
6 板状部材
7 縁角
8 側縁
9 棒
10 投入口
11 (製品の流れを示す)矢印
12 排出口
13 偏向板
14 星型排出輪
15 積層板
16 切断歯
17 刃
A 軸心
P 混練機
r 半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的、化学的及び/又は熱的工程を実行する装置であって、
ハウジング(3)内の軸(1、2)に混合・清掃部材(5)を備え、軸(1、2)の周りを回転する際に複数の混合・清掃部材(5)が互いに噛み合い、少なくとも1つの軸(1、2)の軸方向の次の混合・清掃部材(5)が軸(1、2)の軸心(A)に対して180°回転対称となるように配置され、
混合・清掃部材(5)は、外周に縁角(7)を備えた板状部材(6)から成り、
縁角(7)は軸(1、2)の軸心(A)を中心とする半径(r)に沿って90°又はそれよりやや広角度で円弧状に伸張し、
縁角(7)の両側には軸(1、2)に向かって伸張する側縁(8.1、8.2)が連結され、縁角(7)には1つ又は複数の棒(9.1、9.2)が取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
2つに軸(1、2)に同一の混合・清掃部材(5)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
2つの棒(9.1、9.2)の間に中間棒(9.3)が備えられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
物理的、化学的及び/又は熱的工程を実行する装置であって、
ハウジング(3)内の軸(1、2)に互いに隔たって板状の複数の混合・清掃部材(5)を備え、
軸(1、2)上の複数の混合・清掃部材(5)は、板状部材の表面及び軸の外表面を清掃するように、軸心の周りを回転する際に互いに噛み合い、
軸(1、2)の断面が多角形に形成されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
軸(1、2)の断面は、辺がアーチ状の四角形又は六角形に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
製品の物理的、化学的及び/又は熱的工程を実行する装置であって、
ハウジング(3)内に排出口(12)、軸(1、2)及び混合・清掃部材(5)を備え、
複数の混合・清掃部材(5)が軸(1、2)上に備えられ、軸心の周りを回転する際に互いに噛み合い、
排出口(12)は前面板(4)又はハウジング(3)に円筒部分に配置され、排出口(12)には、軸(1、2)及び/又は混合・清掃部材(5)と共に回転する排出部材(14、15)が備えられていることを特徴とする装置。
【請求項7】
排出口(12)の前面に軸(1、2)に星型排出輪(14)が備えられていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
星型排出輪(14)に偏向板(13)が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
偏向板(13)はハウジング(3)に固定されていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
偏向板(13)は、装置の操作中には調整可能であることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
星型排出輪(14)には、製品を排出口(12)へと搬出/移動させる複数の切断歯(16、17)が備えられていることを特徴とする請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記排出部材は、軸(1、2)に取り付けられた少なくとも1つの積層板(15)から成ることを特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
積層板(15)は楕円状に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
それぞれの軸(1、2)には1つの積層板(15.1、15.2)が取り付けられていることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の装置。
【請求項15】
複数の排出口(12、12.1、12.2)がハウジング(3)の前面板(4)に配置されていることを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つの排出口(12.1、12、2)が軸(1、2)の間に備えられていることを特徴とする請求項12ないし請求項15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
ハウジング壁に配置された排出口は、装置の操作中には軸方向及び/又は径方向に調整可能であることを特徴とする請求項6ないし請求項16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
製品の充填レベルを調整するために、排出口には邪魔板が配置されていることを特徴とする請求項6ないし請求項17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
排出口には一軸又は多軸の排出スクリュウが配置されていることを特徴とする請求項6ないし請求項18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
装置には重量測定セルが配置され、前記排出スクリュウの回転数によって装置内の内容量/滞留量が制御可能であることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記重量測定セルの信号により前記排出スクリュウの回転数を制御することにより、装置内の充填度を一定に保つことを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記排出スクリュウは下方に位置し主軸に垂直に配置され且つ/又は前記ハウジングを空にするために用いられることを特徴とする請求項19ないし請求項21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
ハウジング(3)を空にするために、邪魔板の下部域が開放可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記ハウジング壁には、前記ハウジングを空にするための1つ又は複数の開口部が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
ハウジングを空にする排出と製品の排出が同じ開口部で行われることを特徴とする請求項1ないし請求項24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
ハウジング(3)内に固体を投入するために、前記ハウジング壁と同一平面に1軸又は多軸の投入スクリュウが備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
装置の自己清掃が良好なため塊状物が生成せず、そのため装置が部分的に充填された状態でも操作が可能であるので、装置内に局所的に許容できない負荷が掛かることなく固体を投入するのに十分な空間が使えるようなることを特徴とする請求項1ないし請求項26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
装置内の排ガスはハウジング壁の開口部を通して製品と共に流出させて製品から除去して連結された排水管に排出されることを特徴とする請求項1ないし請求項27のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−502787(P2012−502787A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527255(P2011−527255)
【出願日】平成21年9月21日(2009.9.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006796
【国際公開番号】WO2010/034446
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(508291766)リスト ホールディング アーゲー (7)
【Fターム(参考)】