説明

物理蒸着用ターゲット構造物

【課題】ターゲットの動きおよびPVDプロセスで起こる擦れを減少させるターゲット構造物および方法を提供する。
【解決手段】ターゲット構造物であって、ターゲット構造物の前面に配置されたスパッタ面を含むスパッタ領域と、スパッタ領域に対して横方向外方に向かい、かつ、スパッタ領域から前記構造物の外縁まで延びる前面を有するフランジ領域22と、フランジ領域22の前面の少なくとも一部を覆う保護層50とを備える。保護層50が約0.00254cm(0.001インチ)から約0.254cm(0.1インチ)の厚さであり、保護層50はフランジ領域22の前面に較べて低摩擦係数を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物理蒸着用ターゲット構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
物理蒸着法(PVD)は、半導体基板を含むがこれに限定されない様々な基板全体にわたって材料の薄い層を形成するために、一般に使用されている。図1は、PVDプロセスを図示する。PVDターゲット14(また、スパッタ用ターゲットとも呼ばれる)に近接して位置付けされた基板12を有する例示のPVDシステム10が示されている。システム10は、図示されたターゲット14のようなモノリシック(monolithic)ターゲット構造物を使用することができ、ここで「モノリシック」とは、ターゲットが単一の材料片から機械加工され、すなわち作られ、そして、ターゲット用バッキングプレートと組み合わせることなく使用されることを意味する。あるいはまた、ターゲット構造物は、ターゲットおよびバッキングプレートを含むターゲット組立品であることもある(以下で、さらに述べる)。システム10は、特定の型のシステムまたは装置に限定されない。ターゲット14またはこれに代わるターゲット/バッキングプレート組立品は、所望のスパッタ装置の中にターゲットを保持するのに適したいくつかの構成のどれでも取ることができる。
【0003】
ターゲット14は、任意の適切な構成物を備えることができ、図示の用途では導電材料を備える。理解すべきことであるが、ターゲットは、所望の膜を形成するために任意の適切な構造物を備えることができ、したがって、例えばセラミック材料のような非導電材料を備えることもできる。
【0004】
ターゲット14の露出表面16は、スパッタ面と呼ばれることがある。スパッタ中に、例えばRFプラズマで生成された高エネルギー粒子が表面16に衝突する。衝突によって、ターゲット14からの材料のはじき出しが生じる。解放された材料は、矢印18で図示されている。解放された材料は、基板12の上の表面全体にわたって薄い膜20を形成する。
【0005】
本説明の目的のために、スパッタ面16を含むターゲット14の側は、ターゲットの前側と呼ぶことができる。同様に、反対側のターゲット表面17はターゲット14の裏側にある、と言うことができる。
【0006】
スパッタプロセス中に、基板12は、一般に、スパッタ装置(図示しない)の中に取り付けられたターゲット14の表面16に対してこれから画定された距離のところに配置されている。図1に示すターゲット14のようなターゲット、またはこれに代わるターゲット/バッキングプレート組立品がPVDチャンバ内に取り付けられたとき、ターゲットおよび/またはバッキングプレートの1つまたは複数の表面の一部が、PVD装置のインターフェース表面と接触することができる。
【0007】
図2を参照すると、取付け用フランジ領域22で取り囲まれたスパッタ面16を有するモノリシックターゲットが示されている。ターゲット14は、取付け用孔24を設けることによって、取り付けられる形態にされている。取付け用孔24は、いくつかの例では、取付け用ボルトを使用して取り付けるためにネジが切ってあってもよい。フランジ領域22は、図示のように4つの孔を備えることができるが、使用されるPVDシステムの特定の取付け構成に適切であるように任意の数の取付け用孔を備えることができる。あるいはまた、孔24が使用されず、したがってまったく孔がないようにフランジ領域22が構成されることがある場合(図示しない)、ターゲット14は、締付けまたは別の構成を使用して取り付けることができる。
【0008】
図3を参照すると、図2の線3−3に沿ったターゲット14の断面側面図が示されている。取付け用孔24は、ターゲット28の前側からフランジ領域を通って裏側30まで延びている。上で述べたように、取付け用孔24の数および配置は、システムのターゲット取付け構成に依存して変化することができる。したがって、ターゲットの縁32からの取付け用孔24の配置位置までの相対的距離は、図3に示すものと異なることがある。
【0009】
図2および3の各々に示すように、ターゲット14は、ターゲットのスパッタ部の半径に関連した内径R1および「C」で指した中心軸から周囲表面32に延びる全半径R2を有し、半径R2は、ターゲットのスパッタ部だけでなくフランジ領域22も含んでいる。ターゲット14は、Oリング用溝すなわち溝26をフランジ領域内に備えることができる。特定の取付け構成では、Oリング用溝26は、フランジ領域22の前側に開口として存在している。理解すべきことであるが、本発明は、例えばターゲットの縁32からある距離離れたところにあるような、図2および3に示す配置と異なるOリング用溝26の代替え配置を有するターゲットを包含する。
【0010】
スパッタ装置内に取り付けると、フランジ領域22の部分は、一般に、蒸着装置の1つまたは複数のインターフェース表面に接触することができる。図4は、スパッタ用ターゲットの例示のフランジ領域の拡大図を示す。一般的な取付け構成では、フランジ領域22の前面の少なくとも一部分が、ターゲットとスパッタ装置の壁との間に配置されたセラミックリングのインターフェースとなることがある。Oリング(図示しない)は、取付け時にOリング用溝26の中に配置される。そのようなOリングは、フランジ領域とセラミックリングまたは他の接触表面とに接触し、その間に封止を形成する。
【0011】
しばしば、従来のターゲットは、ターゲットの使用中に、フランジ領域22の前側の表面の少なくとも一部で目に見える擦れの形跡を示す。ターゲット表面間の擦れは、ターゲットおよび/またはインターフェース表面の損傷をもたらすことがあり、さらに、結果として得られる膜を汚染することがある粒子を生成することがある。
【0012】
図4に例示したような従来のターゲット設計では、溝の内側の角37からターゲットのスパッタ領域の方に向かって延びる内側フランジ表面36は、Oリング用溝26の外側の角38から取付け用孔24の方に向かって延びる表面40のような、より外側に配置された表面に比べて、いくらか後退している。留意されたいことであるが、表面の後退の量、すなわち従来のターゲットの平行な表面36と40の間のオフセット(段差)の量は、特定の値に限定されず、例えば約0.0254cm(0.01インチ)であってもよい。そのようなターゲット構成では、擦れ、きず、および/または切れ目は、主に、角38および/または表面40の部分全体にわたって生じることがある。
【0013】
取り付けられたターゲットとセラミックリングとの擦れは、いくつかの原因による。スパッタサイクル中の高エネルギー粒子の衝突時に、粒子のエネルギーの一部が熱エネルギーとしてターゲット材料中に放散される。したがって、ターゲット14の温度は、スパッタプロセス中に上昇する。いくつかのPVDシステムは、一般に水の流れを有する冷却回路を使用して、熱エネルギーの一部をターゲットまたはターゲット/バッキングプレート組立品の裏側から除去するように構成されている。その結果、蒸着中にターゲット全体が高温になり、ターゲット面はターゲットの裏側よりも相当に熱くなっている。ターゲット内の温度差は、ターゲット全体にわたる熱膨張量の変化をもたらし、結果として、動きを引き起こすことがある。裏側で加圧水冷却が使用され、反対側のスパッタ面に真空が存在しているシステムでは、ターゲットのそのような動きは増大することがある。
【0014】
ターゲットの取付けおよび、特定の例では、冷却システムで使用される冷却流体の重さは、Oリングの激しい変形をもたらし、フランジ領域の表面と装置の内部対向表面との間の接触の可能性は増加する。結果として生じた擦れは、セラミック材料によるターゲットの汚染および、ターゲットだけでなくセラミックリングの損傷にもつながることがある。ターゲットの汚染は、今度は、蒸着層の汚染につながることがあり、それによって層の品質が低下する。これらのマイナスの効果は、より大きなターゲットまたはターゲット組立品が使用される場合に大きくなることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ターゲットの動きおよびPVDプロセスで起こる擦れを減少させるターゲット構造物および方法を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一態様において、本発明はターゲット構造物を包含し、ターゲット構造物は、該ターゲット構造物の前面に配置されたスパッタ面を有するスパッタ領域と、スパッタ領域に対して横方向に外に向かうフランジ領域とを含む。フランジ領域は、スパッタ領域から構造物の外縁まで延びる前面を有する。この前面の少なくとも一部を覆って保護層が存在している。
【0017】
一態様で、本発明は、スパッタ領域に対して横方向に外に向かうフランジ領域を有するスパッタ用ターゲット構造物を包含する。フランジ領域は、スパッタ領域からターゲット構造物の外縁まで延びる前面を有する。フランジ領域は、第1の高さを画定する前面の平面部分と、少なくともこの平面部分によってスパッタ領域から分離され前面内に配置された溝とを備える。前面の傾斜部分が、平面部分に対して溝から横方向に外に向かって配置されており、この傾斜部分は平面部分に対して傾いている。
【0018】
一態様で、本発明は、フランジ領域内に配置されたOリング用溝を有するターゲット構造物を包含する。Oリング用溝は、底部表面と、オリフィスと、底部表面からオリフィスまで延びる第1の側壁と、該第1の側壁に対向する第2の側壁とを有している。溝の中の第1の角の角度は、第1の側壁と底部表面とによって画定されている。第2の角の角度は、第2の側壁と底部表面とによって画定され、第1の角および第2の角の角度は同等でない。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照して以下で説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一態様は、スパッタ蒸着中に起こることがあるターゲット擦れを克服するか、または最小限にする方法およびターゲット構成を開発することである。本発明のこの態様は、図5〜19を参照して説明される。最初に図5を参照すると、本発明の一態様に従って構成されたフランジ領域22を有するターゲット14の側面図が示される。図5のターゲットは、図2〜4のモノリシックターゲットに関して述べたものと同様な特徴を有する。同様な特徴は、先行する図面におけるものと同一の識別表示をされ、そして、修正されたか、または新しい特徴は、下付き字か新しく割り当てられた固有の識別番号で表示されている。
【0021】
図5に示すように、保護材料被覆42を、フランジ領域の前面の1つまたは複数の部分36、40に付けることができる。被覆層42は、好ましくは、覆われていないフランジ表面に比べて摩擦係数を減少させることができる保護材料を含む保護被覆とすることができる。特定の例では、被覆42は、さらに局部的な強度を高めるものとすることができる。
【0022】
被覆層42の例示の被覆材料には、テフロン(登録商標)または合成樹脂の被覆材料があるが、これらに限定されない。別の態様として、被覆層42は、金属、セラミック、合成樹脂、テフロン(登録商標)、またはこれらの組合せであって、低摩擦係数を有する適切な滑剤で被覆されたものを含むことができる。特定の例では、被覆層42は、好ましくは、絶縁材料を含むことができる。使用することができる例示の絶縁材料は、例えば、低摩擦係数を有する高性能重合体または絶縁セラミックを含み、好ましくは、テフロン(登録商標)に似た特性を有するものとすることができる。
【0023】
被覆層42は、例えば、被覆材料を表面40および表面36に直接付けるように直接被覆技術を使用して設けることができる。別の態様として、保護層42は、フランジ領域22の前面に付着することができる別体のテフロン(登録商標)、合成樹脂または潤滑金属ステッカ、フォイルまたはスペーサとして設けることができる。
【0024】
被覆42は、特定の厚さに限定されず、例えば、約0.00254cm(0.001インチ)から約0.254cm(0.1インチ)であってもよい。特定の用途および/または特定のPVDシステム構成では、被覆層42は、好ましくは、約0.0127cm(0.005インチ)の厚さを有することができる。しかし、被覆の厚さは、被覆層によるOリング封止との干渉を起こさないようにするために、Oリングによって作り出される間隙よりも小さくなければならない。
【0025】
材料42は、図5に示すように、フランジ領域の全前面を覆うように設けることができ、あるいはまた、図6に例示するように、フランジ領域の前面の一部だけを覆うように設けることもできる。図6に図示するように、第1の表面部分36は被覆されないままであってもよいが、一方で、被覆層42は、Oリング用溝26の外側の角38からターゲット構造物の外縁32まで延びるように第2の表面部分40の上に付けられている。あるいはまた、被覆42は、外縁32までの全距離にわたっては延びないように、表面40の全体よりも小さく付けることができる。例えば、被覆42は、角38から開口24まで延びるようにしてもよい(図示しない)。
【0026】
被覆42は、フランジ領域の周全体のまわりに被覆材料の連続したリングを形成するように設けることができ、または、例えば断続的な部分のように、周全体よりも小さく覆うように設けることができる。例えば、被覆42は、フランジの15度角扇形部分を交互に覆うように断続的に設けることができ、被覆間に介在する15度角扇形部分は被覆されないままになる。
【0027】
上述した保護被膜は、独立して使用することができるし、後述するように、1つまたは複数の修正された接触表面領域および/または体積の減少されたOリング用溝と組み合わせて使用することもできる。
【0028】
図7を参照すると、上で述べた被覆層の代替えとして使用することができる例示の保護リング50が示されている。図7に示すような保護リング50は、フランジ領域とPVD装置のインターフェース表面の間でスペーサとして作用する保護材料の平らな、または実質的に平らなリングであるとして、説明することができる。リング50は、(フランジ領域の周方向断続的被覆の態様を含めて)上で述べた保護被覆と同様なやり方で、ターゲットのフランジ領域の前面領域のすべてかまたは一部を覆うように構成することができる。リング50は、図7および8に示すようにターゲット構造物の半径と同等な半径R2を有してもよい。あるいはまた、保護リングは、構造物の外縁までの距離全体よりも小さく延びるものとしてもよく、保護リングの外径はターゲット構造物の全直径よりも小さくてもよい(図示しない)。
【0029】
保護リング50は、ターゲット構造物のスパッタ領域の半径(図2および3に示すR1)と同等であってもよい内側半径R3を有することができる。あるいはまた、特定のフランジ領域の前面の全体よりも小さい領域を覆うリングを作るように、R3を大きくすることもできる。特定のターゲット構造物が取付け用孔を備える場合、保護リング50は、保護リングを貫通して延びる開口54を有するようにすることができる。開口54の数および間隔は、好ましくは、フランジ領域に存在する取付け用孔に対応しかつ整合するように構成することができる。
【0030】
図8を参照すると、図7に示したもののような保護リング50を組み込んだ例示のターゲット構造物のフランジ領域22が示されている。図8に示すように、保護リング50は、Oリング用溝26の外側の角38からターゲットの縁32まで延びる表面40を少なくとも覆うように設けることができる。開口54は、図示のように取付け用孔24と整合するようにすることができる。特定の用途では、保護リング50は、図8に示すようなOリング用溝26に部分的に重なる内径縁面52を有するように設けることができる。重なり距離「d」は、リング50の内径縁面52とフランジ領域の外方の角38との間の距離として画定することができる。距離「d」は、特定の値に限定されず、好ましくは、溝26へのOリング挿入および物理蒸着作業中の適切なOリング機能を可能にするように選ぶことができる。
【0031】
リング50は、特定の材料に限定されず、好ましくは、例えば、保護被覆42に関連して上で述べた材料のどれかであってもよい。リング50は、フランジ表面40から取り外し可能であってもよく、または、特定の例では、例えば、適切な接着材料で表面40に貼ることができる。リング50は、特定の厚さに限定されず、例えば、厚さ約0.00254cm(0.001インチ)から約0.254cm(0.1インチ)であってもよい。例えば300mmターゲットの設計のような特定のターゲット構造物では、リング50は、好ましくは、約0.0127cm(0.005インチ)の厚さを有することができる。
【0032】
保護リング50をターゲット構造物に位置付けし、安定化し、または固定するために使用することができる代替えのリング構成は、図9〜11を参照して説明する。
【0033】
最初に図9を参照すると、半径方向の位置52(図7に示す例示のリングの内径縁面に対応する)から延びる1つまたは複数の挿入可能な延長部分56を有する代替えの保護リング構成50が示されている。延長部分56は、図9Bに示すように単一の連続した延長部分56bであってもよく、あるいはまた、図9Aに示すように1つまたは複数の挿入可能なタブ部分56aであってもよい。複数の間隔を開けて配置されたタブ56aが使用される場合、使用されるタブの数は、特定の数に限定されない。タブ56aは、図9Aに示すように長方形または実質的に長方形であってもよく、または任意の他の適切な形であってもよい。使用されるタブの大きさおよび間隔は変わってもよい。
【0034】
延長部分56a、56bは、好ましくは、図10に示すようなターゲット構造物のOリング用溝に挿入するように、または少なくとも部分的に挿入するように構成することができる。図10に示すように、延長部分56は、タブまたは連続した延長領域のOリング用溝26への挿入を可能にするように、曲がるか折り重なるように構成することができる。保護リングの挿入部分がOリングとOリング用溝の側壁との間に配置されるように、Oリングは、溝26の中に配置することができる。延長部分56の長さは、特定の値に限定されず、好ましくは、開口26内に収納されたOリングの機能を妨害するかまたは著しく影響することなく、表面40の上にリング50を安定させ、かつ/または固定できるほどに十分な長さであることができる。さらに、延長部分の厚さは、先細りにするか、そうでなければOリング挿入を容易にするようにタブすなわち延長部分の長さに沿って変えることができる。少なくともそのような構造物が蒸着装置内に取り付けられたとき、開口26へのOリング挿入(図示しない)は、好ましくは、ターゲット構造物上のリング50を増大させるように、すなわち安定させるように、延長56に十分な力を与える。
【0035】
上で述べた延長部分/挿入構成の他に、本発明は、さらに、図11に示すように取付け用孔24に挿入可能であってもよい同様な延長部分57(連続またはタブ)を孔54の中で使用することを考えている。そのような代替えの挿入可能部分は、独立して、または図10に示す延長部分56に追加して、使用することができる。
【0036】
上で述べた、平らにされたリングすなわち板型保護リング構成の他に、本発明は、さらに、代替えリング設計も考えられる。そのような代替えリングまたはスペーサ構成には、例えば、ワッシャ型またはOリング型の構成がある。
【0037】
上で述べたものに対して代替えの適切な構成および方法を使用して、上で述べたものに加えて、または代替え的に、ターゲット構造物に対して保護リング50を位置付けし、安定させ、かつ/または固定することができる。そのような方法には、例えば、保護リング50の挿入のために、ターゲット表面内に凹んだ(後退した)領域を加工するか、そうでなければ最初から作ることがあり得る。保護リングがターゲット表面をインターフェース装置表面から間隔を開けて効果的に配置し、ターゲットの有害な接触および擦れを最小限にすることができるような凹み(後退部分)を構成することが好ましい。様々なホルダおよび/または位置決めデバイスもまた、単独で、または上で述べた構成との組合せで使用することができる。例えば、保護リングは、1つまたは複数のピン、スタッド、または他の留め具で備え付けることができる。適切な受入れ孔は、対応する留めデバイスを受け入れるようにフランジ領域内に設けることができる。
【0038】
上で述べた構成の他に、本発明は、さもなくばターゲット構造物とインターフェース接続するであろう表面の一部またはすべてに保護リングを位置付けし、かつ/または付着することを考えている。例えば、保護リングは、PVD装置(図示しない)内に取り付けられたときのターゲット構造物とインターフェース接続するセラミックリング(上で述べた)のインターフェース表面を覆い、かつ/またはこのインターフェース表面に取り付けられてもよい。使用することができる例示の安定化および/または固定技術には、ターゲット構造物に付けられるような保護リングに関して上で述べたものがある。
【0039】
次に図12を参照すると、ターゲットの擦れを最小限にするか、または克服する本発明の代替えの態様が示され、これは、独立して、または上で述べた本発明の被覆またはリング/スペーサの態様に追加して使用することができる。
【0040】
図12に示すように、表面40が表面部分36に対して傾斜した(平行でない)第1の部分40aを有するように、フランジ領域22は修正されている。傾斜表面部分40aは、表面36および破線で示した仮想表面40に対して傾いている。表面40aと仮想面40の間の結果として得られた角度は、特定の値に限定されないが、例えば、約0.5度から約5.0度であってもよい。特定の例では、そのような角度は、例えば、約1.5度である。
【0041】
溝26の外側の角38の第1の点から取付け用孔24との交点の第2の点までの測定された仮想面40の例示の長さは、約0.2032(0.08)から約0.3048cm(0.12インチ)であってもよい。表面40aは、好ましくは、取付け用孔24aとの交点が図示のようにXaで測定されるように傾斜させることができ、そのような測定値は仮想面40に対する傾斜表面40aの最大高さに対応している。特定の用途では、高さXaは、約0.0254cm(0.01インチ)である。図12に示すターゲットのフランジ領域は、第2の点(表面40aと取付け用孔24の交点)で、第1の点(角38)の厚さに対してXaだけ薄くなっているとして説明することができる。特定の例では、フランジ領域22は、第2の点で、表面36を備えるフランジの半径方向領域よりも薄い。
【0042】
図12に示すように、角38と取付け用孔の間の全表面40aを傾斜させることができる。理解すべきことであるが、表面の1つまたは複数の部分が表面36に対して平行である構成、および角38と取付け用孔24の間の表面の様々な部分が互いに異なる傾斜を備える構成(図示しない)とを、本発明は包含する。傾斜した表面40aは、平面であるように示されているが、いくつかの例では、表面40aまたはそれの部分は、曲がっているか、または特定の形に外径が形状付けられている(輪郭付けられている)ことがある(図示しない)。
【0043】
傾斜表面40aは、例えば、ターゲット14の製作中かまたは製作後かのどちらかでターゲットを機械加工して形成することができる。
【0044】
フランジ領域22とインターフェース装置表面および/または介在するセラミックリングの表面との間の接触を減少させるか、または最小限にするように、図12に示す40aのような傾斜表面を設けることが有利であることがある。それによって、接触の減少することにより、擦れ、ターゲット場所および/またはターゲット汚染を最小限にすることができる。
【0045】
図13を参照すると、フランジ領域22の代替えの修正が示され、この場合には、表面40の第1の部分40b1は従来のターゲットのような元の位置を維持し、第2の部分40b2は部分40b1に対して凹んでいる(後退している)。理解すべきことであるが、図13に示す部分40b1と40b2の相対的な表面積は例示であり、本発明は、部分40b1と部分40b2との表面積のどんな比も包含する。
【0046】
代替え例として説明する図13に示す構成は、Oリング表面の角38と開口24の間に部分的に延びる凹み(後退部分)または溝領域を有している。そのような溝の深さは、特定の値に限定されないが、好ましくは、例えば約0.0254cm(0.01インチ)以下であってもよい。さらに、本発明は、部分40b1および40b2で示した2つの段付き表面でなく、3以上の段が使用される構成も考えている(図示しない)。その上、本発明は、表面40b2の一部だけが表面40b1に対して凹んでいる(後退している)構成を包含する(図示しない)。
【0047】
フランジ領域22内の擦れを減少させるか最小限にするように設計された別の代替えターゲット構成を図14に示す。図示のように、取付け用孔24との交点から仮想面40に対して上方に遠ざかるように傾斜する傾斜表面40cを使用することができる。面40に対する表面40cの傾斜は、特定の値に限定されない。その上、表面40cの1つまたは複数の部分が、他の部分に対して異なって傾斜していてもよい(図示しない)。
【0048】
フランジ領域22内の擦れを減少させるか最小限にする追加の代替え構成を図15に示す。図示のように、表面領域40d内に一連の溝41を設けることができる。溝41の数は、例えば、図示のように4つであってもよく、または、代わりに、4よりも少なくても、または多くてもよい(図示しない)。溝41の深さ、幅、間隔およびアスペクト比は特定の値に限定されない。溝41の例示の深さは、例えば、0.0254cm(0.01インチ)以下であることがある。
【0049】
本発明に従ったターゲット擦れ減少の追加の態様は、図16を参照して説明する。図16は、本発明に従ったターゲット/バッキングプレート組立品60を備える例示のターゲット構造物を示す。組立品60は、ターゲット部分15およびバッキングプレート部分100を備える。組立品60は、上で説明したモノリシックターゲットに関して述べたものと同様な特徴部分を有する。同様な特徴部分には同様な識別番号を付し、図16のバッキングプレートで生じる特徴部分の番号付けは、前の図で説明したモノリシックターゲットの特徴部分の番号に比べて100だけ大きな識別番号となるようにしている。
【0050】
図16に示すように、ターゲット15は、境界線117でバッキングプレート100に物理的に接触することができる。ターゲット15は、例えば拡散接合でバッキングプレート100に結合することができる。あるいはまた、ターゲット15をバッキングプレート100に物理的に接合する結合材料が境界117に存在してもよい(図示しない)。本発明は、また、ターゲット15が代替え方法でバッキングプレート100に保持される代替えターゲット構造物も考えている。
【0051】
図16に示すターゲット組立品60は、バッキングプレート100に存在するフランジ領域122を示し、このフランジ領域122は、蒸着装置内に組立品を取り付けるために使用することができる。Oリング用溝126および取付け用孔124の存在、または欠如および/または位置付けは、説明した様々なモノリシックターゲットを参照して上で説明した通りであってもよい。図16に示すバッキングプレート100のフランジ領域122は、傾斜表面領域140aを組み込んでいる。そのような傾斜領域は、図12に関連して説明したモノリシックターゲットの態様に従ってもよい。
【0052】
具体的に示さないが、バッキングプレート100が、上で説明したような図13、14および15に示すモノリシックターゲットについて上で述べたものと同様な修正をなしたフランジ表面を有している実施形態を、本発明が包含することは理解すべきことである。さらに、フランジ領域122の表面に修正がなされていようが、なされていまいが、モノリシックターゲットに関して上で述べた保護リング/スペーサ態様および/または保護被覆態様は、また、図16に示すもののようなターゲット組立品、または図16に示すものと同様なターゲット組立品と共に使用することもできる。モノリシックターゲットに関して以下で説明する本発明の追加の態様は、また、独立して、またはフランジ領域内の表面修正および/または保護材料に追加してかのどちらかで、ターゲット/バッキングプレート組立品に組み込むことができる。
【0053】
図17を参照すると、本発明の別個の態様が示されている。図4に関連して留意されたいことであるが、従来のターゲットのOリング用溝26は、フランジ表面領域36および/または40に実質的に平行で、かつ裏側表面17に平行であることもある開口底部表面27を有することができる。図4に示すOリング用溝は、また、底の2つの角が互いに鏡像であるように同等な角度の、溝の底に存在する、内部の角を有している。再び図17に目を向けると、本発明に従って修正されたOリング用溝を有するフランジ領域22が示されている。Oリング用溝26は、第1の側壁表面70、反対側の第2の側壁表面72、および第1と第2の側壁表面の間に延びる底部表面74を有する。溝へのオリフィス76は、フランジ表面36と40の間に設けられている。オリフィス幅w1は、第1の外の角38と第2の外の角37の間の横方向距離として画定される。一般に、w1は溝26の最小幅に対応する。特定の例では、溝26は、図示のように、開口の底または底の近くに最大幅w2を有することができる。
【0054】
図17に示すように、底部表面74と第1の側壁表面70との間の交点に存在する第1の底の角すなわち内部の角71は、底部表面74と第2の側壁表面72との間の交点に存在する第2の底の角すなわち内部の角73の鏡像ではない。第1の内部の角の角度αは、底部表面と第1の側壁表面70に対応する面とによって画定される。第2の内部の角の角度βは、同様に、底部表面と第2の側壁表面72とによって画定される。角度αおよびβは、互いに同等な角度でない。好ましくは、第1の角71は、相対する角度βよりも大きな角度αを有している。好ましくは、図4に示す構成に比べて、特に第1の角の領域でOリング用溝の体積を減少させるように、2つの角度の差が作られる。
【0055】
角度αおよびβの相対的な大きさは、特定の値に限定されないが、PVD装置にターゲットを取り付けたときに、Oリングに対する圧力すなわち締付けの増大を可能にするように、角71の領域の体積が十分に小さいことが好ましいことがある。例えば、従来の溝に比べて溝26の体積を減少させて、封止締付けを増大させ、それによって、スパッタ装置が備えるインターフェース表面または介在するセラミックリングと金属フランジ表面の接触を最小限にすることが有利であることがある。
【0056】
図17は、実質的に平面の側壁および実質的に平面の底部表面74を示すが、本発明は、代替えのOリング用溝の構成と共に使用するために、角度修正された角の態様の適応を考えている。例えば、溝側壁の一方または両方、または溝側壁の一部は、非平面、または外形を形状付けられた(輪郭付けられた)ものでもよく、または、そうでなければ、図示の側壁に比べて修正されていてもよい。同様に、図17に示す実質的に滑らかに丸くされた角に比べて、代替えの角形成または外形の形状付け(輪郭付け)をすることができる。
【0057】
本発明に従って体積の減少および封止締付けの増大を達成する代替えOリング用溝構成を図18および19に例示する。図18に示すように、本発明に従った溝26の底部表面74は非平面であってもよい。言い換えると、表面74の一部は、表面74の他の部分に対して高くする、すなわち持ち上げることができる。好ましい態様では、表面74の非平面性は、図4に示すような平坦なすなわち平らな表面に比べて、Oリング用溝26の体積を減少させるように形成することができる。図18に示すように、底部表面74は、2つの反対側に傾斜した部分を備えることができる。特定の例では、溝26は、底部表面74の中間点(角71および73の各々からほぼ等距離)に、または中間点近くに、最小深さ「h」を有することができ、そのような深さはフランジ表面36で画定される高さに対して決定される。
【0058】
Oリング用溝26の代替えの形を図19に示す。図示のように、底部表面74は、Oリング用溝内の体積を減少させるように外形を形状付ける(輪郭付ける)、すなわち丸みを付けることができる。図19の溝構成は、図18に示すものと同様な2つの相対する側壁の間の中間点に、または中間点近くに最小深さを有している。理解すべきことであるが、本発明は、底部表面74の代替え構成を考えている。例えば、表面74は、最小の高さに配置された平面部分を備えることができ、この平面部分は、中間点から角71および73の一方または両方に向かって横方向に延びている(図示しない)。本発明の精神から逸脱することなく、Oリングの体積を減少させるように様々な追加および/または代替えのOリング用溝形状修正を組み込むことができる。
【0059】
上述のフランジ領域構成の他に、本発明は、本発明の特徴の組合せの使用を考えている。例えば、フランジ領域は、図17〜19に関して説明したような減少した体積のOリング用溝を有するように組み立てることができ、さらに、図12〜15に関して上で説明したもののどれかのような傾斜の付いた、段の付いた、または溝の付いた接触表面領域を備えることができる。保護被覆および/または保護リングは、上述の表面修正およびOリング体積のどれかと組み合わせて使用することができる。
【0060】
本発明は、平面円形ターゲットに関連して説明したが、本発明の概念は、他のターゲット形状に等しく応用可能である。説明した発明のターゲットの特徴は、有利なことには、ターゲットまたはターゲット組立品とインターフェース装置表面との間で起こる接触擦れを減少させることができる。本発明のターゲット構成および表面保護方法は、擦れで生じる粒子発生を減少させるか、またはなくすることができる。本発明に従ったターゲットを使用することで、高価なセラミック、Oリングおよび/または装置表面を保全し、ターゲット汚染を減少させるかまたは防止することができ、さらに、膜品質および再現性の向上をもたらすことができる。
【0061】
上記のように本願発明の第1の側面は、
ターゲット構造物であって、
前記ターゲット構造物の前面に配置されたスパッタ面を含むスパッタ領域と、
前記スパッタ領域に対して横方向外方に向かい、かつ、前記スパッタ領域から前記構造物の外縁まで延びる前面を有するフランジ領域と、
前記フランジ領域の前面の少なくとも一部を覆う保護層とを備え、
前記保護層が約0.00254cm(0.001インチ)から約0.254cm(0.1インチ)の厚さであり、前記保護層は前記フランジ領域の前面に較べて低摩擦係数を有する、ターゲット構造物である。
【0062】
本願発明の第2の側面は、前記保護層が、材料のリングである、上記のターゲット構造物である。
本願発明の第3の側面は、前記材料の前記リングが、前記フランジ領域により受け入れられる留め具により、前記前面に貼られている、上記のターゲット構造物である。
本願発明の第4の側面は、前記フランジ領域の前記前面の中にOリング用溝をさらに備え、前記保護層が、前記Oリング用溝から前記ターゲット構造物の外縁に向かって横方向外方に延びている、上記のターゲット構造物である。
本願発明の第5の側面は、前記フランジ領域を通して延びる開口をさらに備え、前記開口が前記Oリング用溝と前記外縁との間に配置され、さらに前記保護層が前記開口と整合した孔を含む、上記のターゲット構造物である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】物理蒸着システムを示す概略断面図であり、基板に近接した物理蒸着用ターゲット構造物を示す。
【図2】一般的なPVDターゲット構造物を示す概略図である。
【図3】一般的なPVDターゲット構造物を示す断面図である。
【図4】図3に示す物理蒸着用ターゲットを示す部分拡大図である。
【図5】本発明の一態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図6】図5に対して代替え態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図7】本発明の一態様に従った保護リングを示す概略上面図である。
【図8】本発明の一態様に従った保護リングを組み込んだターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図9】図9Aは、図7に示すものに対して代替え保護リング構成を示す概略部分上面図である。 図9Bは、図7に示すものに対して代替え保護リング構成を示す概略部分上面図である。
【図10】図9に従った保護リングを組み込んだターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図11】本発明の代替え態様に従ったターゲット構造物および組み込まれた保護リングを示す概略部分断面図である。
【図12】本発明の他の態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図13】図12に示すものに対して本発明の代替え態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図14】図12に示すものに対して本発明の他の代替え態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図15】図12に示すものに対して本発明の他の代替え態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図16】本発明の一態様に従ったPVDターゲット/バッキングプレート構造物を示す概略断面側面図である。
【図17】本発明の他の態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図18】図17に示すものに対して本発明の代替え態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。
【図19】図17に示すものに対して本発明の他の代替え態様に従ったターゲット構造物を示す概略部分断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット構造物であって、
前記ターゲット構造物の前面に配置されたスパッタ面を含むスパッタ領域と、
前記スパッタ領域に対して横方向外方に向かい、かつ、前記スパッタ領域から前記構造物の外縁まで延びる前面を有するフランジ領域と、
前記フランジ領域の前面の少なくとも一部を覆う保護層とを備え、
前記保護層が約0.00254cm(0.001インチ)から約0.254cm(0.1インチ)の厚さであり、前記保護層は前記フランジ領域の前面に較べて低摩擦係数を有する、ターゲット構造物。
【請求項2】
前記保護層が、材料のリングである、請求項1に記載のターゲット構造物。
【請求項3】
前記材料の前記リングが、前記フランジ領域により受け入れられる留め具により、前記前面に貼られている、請求項2に記載のターゲット構造物。
【請求項4】
前記フランジ領域の前記前面の中にOリング用溝をさらに備え、前記保護層が、前記Oリング用溝から前記ターゲット構造物の外縁に向かって横方向外方に延びている、請求項1に記載のターゲット構造物。
【請求項5】
前記フランジ領域を通して延びる開口をさらに備え、前記開口が前記Oリング用溝と前記外縁との間に配置され、さらに前記保護層が前記開口と整合した孔を含む、請求項1に記載のターゲット構造物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−255218(P2012−255218A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−188231(P2012−188231)
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【分割の表示】特願2006−552243(P2006−552243)の分割
【原出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】