説明

物理量検出装置

【課題】所定の物理量の検出結果の品位を保持し、かつ、検出結果を処理するCPUに負荷をかけることなく、検出結果に応じて高い応答性の確保又はノイズ成分の低減のいずれを優先させるかを選択可能な物理量検出装置を提供すること。
【解決手段】物理量検出装置1は、センサー10及びローパスフィルター20を含む。センサー10は、所定の物理量を検出し、検出した物理量の大きさに応じた電圧値の検出信号を出力する。ローパスフィルター20は、センサー10の検出信号10aに基づいて生成された制御信号50aにより、カットオフ周波数を、第1の周波数又は第1の周波数よりも低い第2の周波数に設定可能なVCVS型のローパスフィルターとして構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角速度や加速度等の所定の物理量を検出する物理量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、角速度や加速度等の物理量を検出する物理量検出装置が知られており、物理量検出装置の検出信号をホストコンピューターが処理する各種システムが実現されている。この種のシステムとして、例えば、車両の移動距離と移動方向から車両の現在位置を特定して地図上に表示するカーナビゲーションシステムが広く知られている。車両の移動距離は、例えば、車速センサーにより検出された速度を積分することにより計算することができる。一方、車両の移動方向は、例えば、ジャイロセンサーにより検出された角速度を積分することにより計算することができる。
【0003】
車両の停止時には角速度は0であるので、ジャイロセンサーの検出信号は、理想的には一定の0点電圧の信号になるが実際にはノイズ成分を含むため一定の0点電圧の信号にならない。そのため、ジャイロセンサーの検出信号から得られる角速度を積分すると、移動方向の計算結果にはノイズ成分が積分された相当量の誤差が含まれるため、実際には停止しているのに微小回転しているという計算結果が得られることになる。そこで、ジャイロセンサーの後段にノイズ成分を減衰させるためのローパスフィルターが設けられる。ノイズ成分をできるだけ減衰させるためには、ローパスフィルターのカットオフ周波数をできるだけ低くすればよい。
【0004】
一方、車両の移動時には、角速度の変量に対する高い応答性が要求される。高い応答速性を実現するためにはローパスフィルターのカットオフ周波数を高くして時定数を低くする必要がある。すなわち、車両の停止時と移動時で相反するローパスフィルターの特性が要求される。この相反する要求を満たすために、特許文献1において、ジャイロセンサーの出力信号をA/D変換したデータから車両が停止しているか移動しているかを判別し、車両が停止している時はデジタルフィルターのカットオフ周波数を低くし、車両が移動している時はデジタルフィルターのカットオフ周波数を高くするジャイロ装置が提案されている。
【特許文献1】特開平6−194170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたジャイロ装置では、デジタルフィルターによりローパスフィルターを実現している。デジタルフィルターの処理を固定小数点計算で行えば信号が劣化し、検出結果の品位を保持することが難しい。デジタルフィルターの処理を浮動小数点計算で行えば信号を劣化させないようにできるが、そのようなデジタルフィルターを専用回路で構成すると大規模回路になりコストが増大するため現実的でない。一方、CPUが浮動小数点計算を行うことによりデジタルフィルターを実現する場合は、CPUが非常に重いタスクを処理することになり、移動距離や移動方向の計算タスク等の他のタスクの処理が制限されるという問題がある。さらに、デジタルフィルターのカットオフ周波数を切り替えるためにはバッファ段数を変更する必要があるが、カットオフ周波数が低いほど多くのバッファ段数が必要になるので、カットオフ周波数が高い時(車両の移動時)でもカットオフ周波数が低い時(車両の停止時)に必要なバッファ段数分のリソースを確保しておかなければならず、リソースの有効利用の点からも問題がある。
【0006】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、所定の物理量の検出結果の品位を保持し、かつ、検出結果を処理するCPUに負荷をかけることなく、検出結果に応じて高い応答性の確保又はノイズ成分の低減のいずれを優先させるかを選択可能な物理量検出装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、所定の物理量を検出する物理量検出装置であって、前記物理量を検出し、検出した前記物理量の大きさに応じた電圧値の検出信号を出力するセンサーと、前記センサーの前記検出信号に基づいて生成された制御信号により、カットオフ周波数を、第1の周波数又は前記第1の周波数よりも低い第2の周波数に設定可能なVCVS型のローパスフィルターと、を含むことを特徴とする。
【0008】
所定の物理量は、例えば、角速度、加速度、地磁気、圧力等である。
【0009】
本発明の物理量検出装置によれば、ローパスフィルターのカットオフ周波数を第1の周波数に設定すれば高い応答性の確保を優先させることができ、ローパスフィルターのカットオフ周波数を第2の周波数に設定すればノイズ成分の低減を優先させることができる。
【0010】
また、本発明の物理量検出装置では、VCVS型のローパスフィルターを使用するので、検出信号はアナログ信号のままノイズ成分を減衰させることができる。従って、本発明の物理量検出装置によれば、検出信号の品位を保持することができるとともに、デジタルフィルターを実現するためにCPUが浮動小数点計算を行う必要がないためCPUに負荷をかけないようにすることができる。
【0011】
(2)本発明の物理量検出装置において、前記ローパスフィルターは、第1端子が前記センサーの出力端子と接続された第1の抵抗と、第1端子が前記第1の抵抗の第2端子と接続された第2の抵抗と、第1端子が前記第1の抵抗の前記第2端子と接続された第1の容量と、第1端子が前記第2の抵抗の第2端子と接続され、第2端子には基準電圧が供給される第2の容量と、第1端子が前記第2の抵抗の前記第2端子と接続された第3の容量と、非反転入力端子が前記第2の抵抗の前記第2端子と接続され、反転入力端子には出力端子が接続され、前記出力端子が前記第1の容量の第2端子と接続された差動増幅器と、第1端子が前記第3の容量の第2端子と接続され、第2端子には前記基準電圧が供給されるスイッチ回路と、を含む2次のローパスフィルターとして構成され、前記制御信号により、前記スイッチ回路の前記第1端子と前記第2端子を電気的に遮断又は接続することにより、カットオフ周波数が前記第1の周波数又は前記第2の周波数に設定されるようにしてもよい。
【0012】
(3)本発明の物理量検出装置において、前記差動増幅器は、ゲインが1であるようにしてもよい。
【0013】
(4)本発明の物理量検出装置において、前記スイッチ回路は、ドレイン端子又はソース端子がそれぞれ前記第1端子又は前記第2端子と接続され、ゲート端子に前記制御信号が供給されるMOSFETを含むようにしてもよい。
【0014】
(5)本発明の物理量検出装置は、前記センサーの前記検出信号に基づいて前記センサーが検出した前記物理量が閾値より大きいか又は小さいかを判別し、前記センサーが検出した前記物理量が前記閾値より大きい場合は前記ローパスフィルターのカットオフ周波数を前記第1の周波数に設定し、前記センサーが検出した前記物理量が前記閾値より小さい場合は前記ローパスフィルターのカットオフ周波数を前記第2の周波数に設定する前記制御信号を生成するカットオフ周波数設定部を含むようにしてもよい。
【0015】
(6)本発明の物理量検出装置において、前記カットオフ周波数設定部は、前記閾値を可変に設定可能であるようにしてもよい。
【0016】
(7)本発明の物理量検出装置は、前記ローパスフィルターの出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を含み、前記カットオフ周波数設定部は、前記デジタル信号に基づいて、前記センサーが検出した前記物理量が前記閾値より大きいか又は小さいかを判別するようにしてもよい。
【0017】
(8)本発明の物理量検出装置において、前記制御信号は、外部から供給されるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0019】
1.第1実施形態の物理量検出装置
1−1.物理量検出装置の全体構成
図1は、第1実施形態の物理量検出装置の構成を示す図である。
【0020】
第1実施形態の物理量検出装置1は、センサー10、ローパスフィルター20、AD変換部30、外部インターフェース部40、カットオフ周波数設定部50を含んで構成されている。
【0021】
センサー10は、角速度や加速度等の所定の物理量を検出する。センサー10が物理量を検出していない時は、理想的には一定の電圧V(以下、「0点電圧」という)の検出信号10aが出力される。例えば、センサー10がジャイロセンサーであれば、センサー10が角速度を検出していない時の検出信号10aは0点電圧Vの信号である。また、例えば、センサー10が加速度センサーであれば、センサー10が加速度を検出していない時の検出信号10aは0点電圧Vの信号である。しかし、実際には、図2(A)に示すように、センサー10が物理量を検出していない時はノイズ成分が重畳された検出信号10aが出力される。
【0022】
一方、センサー10が物理量を検出している時は、検出信号10aの0点電圧を基準とする電圧値が、検出した物理量に応じて変化する。図2(B)は、物理量の大きさ及び極性を1/fの周期で徐々に変化させた時の検出信号10aを示している。例えば、センサー10がジャイロセンサーであれば、検出信号10aの0点電圧を基準とする電圧値は、検出した角速度の大きさに応じて変化し、順方向(例えば、センサーの検出軸に対して時計回り)の角速度に対しては0点電圧よりも高く、逆方向(例えば、センサーの検出軸に対して反時計回り)の角速度に対しては0点電圧よりも低くなる。また、例えば、センサー10が加速度センサーであれば、検出信号10aの0点電圧を基準とする電圧値は、検出した加速度の大きさに応じて変化し、順方向(例えば、センサーの検出軸方向)の加速度に対しては0点電圧よりも高く、逆方向(例えば、センサーの検出軸と反対方向)の加速度に対しては0点電圧よりも低くなる。
【0023】
図1において、ローパスフィルター20は、A/D変換部30の前段に配置され、アンチエリアスフィルタとして機能する。すなわち、ローパスフィルター20は、検出信号10aに含まれ、A/D変換部30のサンプリングにより帯域内に折り返すノイズ成分を所定レベル以下に減衰させた信号20aを生成する。
【0024】
A/D変換部30は、ローパスフィルター20の出力信号20aを所定ビット数のデジタル信号30aに変換する。
【0025】
外部インターフェース部40は、所定ビット数のデジタル信号30aをシリアルデータに変換した信号40aをホストコンピューター2に送信する。ホストコンピューター2は、シリアルデータ信号40aに基づいて、所定の処理を行う。例えば、センサー10が角速度センサーである場合、ホストコンピューター2は、シリアルデータ信号40aに基づいてセンサー10が検出した角速度を計算し、さらに角速度を積分計算することにより回転角を取得し、センサー10が取り付けられた物体の位置や姿勢の情報をモニター(図示せず)に表示する処理を行う。
【0026】
カットオフ周波数設定部50は、ローパスフィルター20の出力信号20aに基づいて、ローパスフィルター20のカットオフ周波数をfc1(本発明における第1の周波数に相当する)又はfc2(本発明における第2の周波数に相当する)のいずれかに設定する制御信号50aを生成する。
【0027】
前記の通り、センサー10が物理量を検出していない時は、図2(A)に示すようなノイズ成分が重畳された検出信号10aが出力される。このノイズ成分を含んだ検出信号10aが変換されたシリアルデータ信号40aがホストコンピューター2に送信されると、ホストコンピューター2は微小な物理量が検出されたと判断して誤った処理を行う可能性がある。従って、センサー10が物理量を検出していない時は、シリアルデータ信号40aにはできるだけノイズデータが含まれないようにする必要がある。
【0028】
一方、センサー10が物理量を検出している時は、検出信号10aは、センサー10の感度を満たす範囲でシステムに要求される最高周波数(以下、「応答周波数」という)fを上限とする信号成分を含む必要がある。さらに、ホストコンピューター2は検出量の変化に対して速やかに応答して処理することが望まれるため、センサー10が検出信号10aを出力してからシリアルデータ信号40aが出力されるまでの時間をできるだけ短くして物理量検出装置1の応答性を高くする必要がある。
【0029】
そこで、本実施形態におけるカットオフ周波数設定部50は、センサー10の検出信号10aに基づいてセンサー10が検出した物理量が閾値より大きいか又は小さいかを判別し、センサー10が検出した物理量が閾値より大きい場合はローパスフィルター10のカットオフ周波数を応答周波数fよりも十分高い周波数fc1に設定し、センサー10が検出した物理量が閾値より小さい場合はローパスフィルター20のカットオフ周波数をDC付近の十分低い周波数fc2に設定する制御信号50aを生成する。
【0030】
ローパスフィルター20のカットオフ周波数をDC付近の十分低い周波数fc2に設定することにより、検出信号10aに含まれるノイズ成分を大幅に低減させることができる。逆に、ローパスフィルター20のカットオフ周波数を応答周波数fよりも十分高い周波数fc1に設定することにより、ローパスフィルター20の時定数が小さくなり、センサー10が検出信号10aを出力してからシリアルデータ信号40aが出力されるまでの時間を短くすることができる。
【0031】
1−2.ローパスフィルターの構成
図3は、本実施形態におけるローパスフィルターの構成例を示す図である。
【0032】
本実施形態におけるローパスフィルター20は、抵抗値Rの抵抗21(本発明における第1の抵抗に相当する)、抵抗値Rの抵抗22(本発明における第2の抵抗に相当する)、容量値Cのコンデンサー23(本発明における第1の容量に相当する)、容量値Cのコンデンサー24(本発明における第2の容量に相当する)、差動増幅器25、容量値Cのコンデンサー26、Nチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)27、抵抗28を含んで構成されたVCVS(V oltage Controlled Voltage Source)型の2次のローパスフィルターである。
【0033】
入力端子Iは、センサー10の出力端子と接続されており、検出信号10aが供給される。入力端子Iには抵抗21の第1端子が接続されている。
【0034】
入力端子Iは、カットオフ周波数設定部50の出力端子と接続されており、制御信号50aが供給される。入力端子Iには抵抗28の第1端子が接続されている。
【0035】
抵抗21の第2端子、抵抗22の第1端子及びコンデンサー23の第1端子が互いに接続されている。また、抵抗22の第2端子、コンデンサー24の第1端子、差動増幅器25の非反転入力端子(+入力端子)及びコンデンサー26の第1端子が互いに接続されている。また、コンデンサー26の第2端子とNチャネル型MOSFET27のドレイン端子が接続されている。また、Nチャネル型MOSFET27のゲート端子と抵抗28の第2端子が接続されている。コンデンサー24の第2端子及びNチャネル型MOSFET27のソース端子には基準電圧Vrefが供給される。
【0036】
出力端子Oにはコンデンサー23の第2端子、差動増幅器25の反転入力端子(−入力端子)及び差動増幅器25の出力端子が接続されており、出力端子Oから信号20aが出力される。
【0037】
Nチャネル型MOSFET27及び抵抗28により構成される回路は、本発明におけるスイッチ回路として機能し、Nチャネル型MOSFET27は、抵抗28を介してゲート端子に供給される制御信号50aによりオン又はオフする。Nチャネル型MOSFET27は多少の逆バイアスがかかってもスイッチとして機能できるので、スイッチ回路の構成素子としてバイポーラトランジスターを使用するよりも有利である。
【0038】
Nチャネル型MOSFET27がオフの時はコンデンサー26の第2端子がフローティングになる。従って、Nチャネル型MOSFET27がオフの時のローパスフィルター20のカットオフ周波数fc1及びQファクターQは、差動増幅器25のゲインをKとすると、それぞれ次の式(1)及び式(2)で表される。
【0039】
【数1】

【0040】
【数2】

【0041】
一方、Nチャネル型MOSFET27がオンの時はコンデンサー26の第2端子には基準電圧Vrefが供給される。その結果、Nチャネル型MOSFET27のオン抵抗が無視できるほど小さいとすると、差動増幅器25の非反転入力端子(+入力端子)と基準電圧Vrefの間に容量値C+Cのコンデンサーが接続されているのと等価になる。従って、Nチャネル型MOSFET27がオンの時のローパスフィルター20のカットオフ周波数fc2及びQファクターQは、それぞれ式(1)及び式(2)におけるCをC+Cに置き換えた次の式(3)及び式(4)で表される。
【0042】
【数3】

【0043】
【数4】

【0044】
ここで、差動増幅器25のゲインKを1とすると、式(2)及び式(4)より次の式(5)及び式(6)が得られる。
【0045】
【数5】

【0046】
【数6】

【0047】
式(1)と式(3)を比較すると、Nチャネル型MOSFET27がオンの時のカットオフ周波数fc2は、Nチャネル型MOSFET27がオフの時のカットオフ周波数fc1よりも低い。
【0048】
また、式(5)と式(6)を比較すると、Nチャネル型MOSFET27がオンの時のQファクターQは、Nチャネル型MOSFET27がオフの時のQファクターQよりも低い。すなわち、図3に示したVCVS型の2次のローパスフィルター20において、Nチャネル型MOSFET27をオフからオンにすることによってカットオフ周波数がfc1からfc2に下がると、QファクターもQからQに下がる。
【0049】
図4は、本実施形態におけるローパスフィルタの周波数特性の一例を示す図である。図4において、差動増幅器25のゲインKは1である。
【0050】
G1は、Nチャネル型MOSFET27がオフの時のローパスフィルター20の周波数特性を示しており、カットオフ周波数fc1及びQファクターQは、それぞれ式(1)及び式(5)で与えられる。周波数特性がG1であれば、ローパスフィルター20のカットオフ周波数fc1は応答周波数fよりも十分高く時定数が小さい。そのため、物理量検出装置1は、高い応答性を実現することができる。
【0051】
一方、G2は、Nチャネル型MOSFET27がオンの時のローパスフィルター20の周波数特性を示しており、カットオフ周波数fc2及びQファクターQは、それぞれ式(3)及び式(6)で与えられる。周波数特性がG2であれば、ローパスフィルター20は、DC付近の周波数の信号のみを減衰させずに通過させることができる。従って、センサー10の検出信号10aに重畳されたノイズ成分は、ローパスフィルター20によって大幅に減衰する。そのため、シリアルデータ信号40aにはノイズデータがほとんど含まれなくなるので、ホストコンピュータ2が実際には物理量が検出されていないのに微小な物理量が検出されたと判断して誤った処理を行うことを防止することができる。
【0052】
前記の通り、本実施形態では、カットオフ周波数がfc1からfc2に下がるとQファクターもQからQに下がる関係がある。仮に、カットオフ周波数がfc1からfc2に下がってもQファクターがQのまま変化しないとすると、ローパスフィルター20の周波数特性はG3のようになる。また、仮に、カットオフ周波数がfc1からfc2に下がるとQファクターがQよりも高くなるとすると、ローパスフィルター20の周波数特性はG4のようになる。本実施形態では、Nチャネル型MOSFET27がオンの時のローパスフィルター20の周波数特性がG2なので、周波数特性がG3やG4の場合と比較して、fc2より低い周波数のノイズ成分をより減衰させる効果がある。
【0053】
1−3.カットオフ周波数設定部の構成
図5は、本実施形態におけるカットオフ周波数設定部の構成例を示す図である。
【0054】
本実施形態におけるカットオフ周波数設定部50は、整流回路60、平滑回路70及び比較回路80を含んで構成されている。
【0055】
本実施形態における整流回路60は、抵抗61、抵抗62、抵抗63、差動増幅器64、ダイオード65、ダイオード66及び抵抗67を含んで構成されている。
【0056】
抵抗61の第1端子及び抵抗62の第1端子は、入力端子Iと接続されている。入力端子Iは図3に示したローパスフィルター20の出力端子Oと接続されており、入力端子Iにはローパスフィルター20の出力信号20aが供給される。
【0057】
抵抗61と抵抗63の抵抗値は等しく、抵抗61の第2端子、抵抗63の第1端子及び差動増幅器64の非反転入力端子(+入力端子)が互いに接続されている。また、抵抗63の第2端子と差動増幅器64の出力端子が接続されている。また、抵抗62の第2端子、差動増幅器64の反転入力端子(−入力端子)及びダイオード65のアノード端子が互いに接続されている。また、ダイオード65のカソード端子、ダイオード66のカソード端子及び抵抗67の第1端子が互いに接続され、ダイオード66のアノード端子には基準電圧Vrefが供給される。抵抗67の第2端子は接地されている。
【0058】
ダイオード66には順方向の電流が流れるので、pn接合の順方向降下電圧をVとすると、ダイオード66のカソード端子の電圧はVref−Vになる。従って、ダイオード65のカソード端子の電圧もVref−Vになる。
【0059】
入力端子Iの電圧Vinが基準電圧Vrefよりも高い時、すなわち、Vin=Vref+ΔVの時はダイオード65に順方向の電流が流れるので、ダイオード65のアノード端子の電圧はVrefになる。従って、差動増幅器64の反転入力端子(−入力端子)及び非反転入力端子(+入力端子)の電圧もともにVrefになる。そうすると、抵抗61と抵抗63の抵抗値が等しいので、差動増幅器64の出力端子の電圧はVref−ΔV、すなわち、入力端子Iの電圧Vin(=Vref+ΔV)を基準電圧Vrefに対して折り返した電圧になる。
【0060】
一方、入力端子Iの電圧が基準電圧Vrefよりも低い時、すなわち、Vin=Vref−ΔVの時はダイオード65に電流が流れないので、ダイオード65のアノード端子の電圧は入力端子Iの電圧Vin(=Vref−ΔV)と等しくなる。従って、差動増幅器64の反転入力端子(−入力端子)及び非反転入力端子(+入力端子)の電圧もともにVin(=Vref−ΔV)になる。そのため、差動増幅器64の出力端子の電圧は入力端子Iの電圧Vin(=Vref−ΔV)と等しくなる。
【0061】
すなわち、整流回路60は、入力端子Iに供給されるローパスフィルター20の出力信号20aを基準電圧Vrefよりも低い電圧の信号に整流する。
【0062】
本実施形態における平滑回路70は、抵抗71及びコンデンサー72を含んで構成されている。抵抗71の第1端子は差動増幅器64の出力端子と接続されており、抵抗71の第2端子とコンデンサー72の第1端子が接続され、コンデンサー72の第2端子は接地されている。すなわち、抵抗71とコンデンサー72による積分回路が構成されており、従って、整流回路60の出力信号60aは、平滑回路70により平滑されて信号70aになる。
【0063】
本実施形態における比較回路80は、差動増幅器81及び可変抵抗82を含んで構成されている。差動増幅器81の非反転入力端子(+入力端子)は抵抗71の第2端子及びコンデンサー72の第1端子と接続されており、差動増幅器81の出力端子は出力端子Oと接続されている。可変抵抗82は、例えば、電源とグランドの間に複数の抵抗が直列接続された回路で実現することができ、選択信号(図示せず)に従い差動増幅器81の反転入力端子(−入力端子)が各抵抗の間のタップのいずれかと接続される。
【0064】
差動増幅器81は、非反転入力端子(+入力端子)の電圧が反転入力端子(−入力端子)の電圧よりも高い時は出力端子にハイレベルの電圧を出力し、非反転入力端子(+入力端子)の電圧が反転入力端子(−入力端子)よりも低い時は出力端子にローレベルの電圧を出力する。差動増幅器81の反転入力端子(−入力端子)には、選択信号に従って電源電圧が抵抗分圧された電圧が閾値電圧Vthとして供給され、平滑回路70の出力信号70aの電圧レベルが閾値電圧Vthと比較される。本実施形態では、可変抵抗82の抵抗値を変更することによって閾値電圧Vthを変更することができる。
【0065】
出力端子Oは図3に示したローパスフィルター20の入力端子Iと接続されており、出力端子Oから出力される信号80aが図1における制御信号50aになる。
【0066】
1−4.物理量検出装置の動作
図6(A)〜図6(E)は、センサー10の検出信号10a、ローパスフィルター20の出力信号20a、整流回路60の出力信号60a、平滑回路70の出力信号70a、比較回路80の出力信号80aの各波形の一例を示す図である。
【0067】
図6(A)〜図6(E)において、物理量検出装置1には、時刻T以前は物理量が加えられず、時刻T以降は物理量検出装置1に加えられる物理量の大きさ及び極性が応答周波数fで周期的に変化しているものとする。
【0068】
時刻T以前において、センサー10は物理量を検出していないため、図6(A)に示すように、センサー10の検出信号10aにはノイズ成分が含まれている。ローパスフィルター20のカットオフ周波数はfc2であり周波数特性は図4に示したG2になっているので、検出信号10aに含まれるノイズ成分はローパスフィルター20によって減衰される。従って、図6(B)に示すように、ローパスフィルター20の出力信号20aは一定電圧Vrefの信号になっている。従って、図6(C)及び図6(D)に示すように、整流回路60の出力信号60a及び平滑回路70の出力信号70aも一定電圧Vrefの信号になっている。そして、図6(D)に示すように、平滑回路70の出力信号70aの電圧Vrefが閾値電圧Vthよりも高いので、図6(E)に示すように、比較回路80の出力信号80aは一定電圧V(ハイレベル)の信号になっている。
【0069】
時刻Tにおいてセンサー10が物理量を最初に検出すると、図6(A)に示すように、センサー10は、時刻T以降、0点電圧Vを中心として振幅2V、周波数fの検出信号10aを出力する。周波数fは周波数特性G2の減衰域に含まれるので、ローパスフィルター20は、図6(B)に示すように、Vrefを中心として振幅2V、周波数fの出力信号20aを出力する。従って、時刻T〜Tにおいて、整流回路60の出力信号60a及び平滑回路70の出力信号70aは、それぞれ図6(C)及び図6(D)に示すような信号になる。図6(D)に示すように、時刻TとTの間で平滑回路70の出力信号70aの電圧Vrefが閾値電圧Vthより低くなるので、図6(E)に示すように、時刻Tあたりで比較回路80の出力信号80aは一定電圧V(ローレベル)の信号になる。
【0070】
時刻Tにおいて比較回路80の出力信号80a、すなわち、制御信号50aが一定電圧V(ローレベル)の信号になると、ローパスフィルター20のカットオフ周波数がfc2からfc1に切り替わり周波数特性が図4に示したG1に変更される。周波数fは周波数特性G1の通過域に含まれるので、ローパスフィルター20の出力信号20aの振幅はセンサー10の検出信号10aの振幅とほぼ同じになる。すなわち、図6(B)に示すように、ローパスフィルター20は、時刻T以降、Vrefを中心として振幅2V、周波数fの出力信号20aを出力する。従って、時刻T以降、整流回路60の出力信号60a及び平滑回路70の出力信号70aは、それぞれ図6(C)及び図6(D)に示すような信号になる。図6(D)に示すように、時刻T以降も平滑回路70の出力信号70aの電圧Vrefが閾値電圧Vthより低くなるので、図6(E)に示すように、比較回路80の出力信号80aは一定電圧V(ローレベル)であり、ローパスフィルター20のカットオフ周波数はfc1のまま変更されない。
【0071】
1−5.第1実施形態の効果
第1実施形態の物理量検出装置1では、カットオフ周波数設定部50は、ローパスフィルター20の出力信号20aを整流、平滑した信号70aの電圧レベルを比較回路80により閾値電圧Vthと比較することにより制御信号50aを生成する。従って、閾値電圧Vthが適切に調整されていれば、制御信号50aはセンサー10が物理量を検出しているか否かに対応してハイレベル又はローレベルになる。そして、ローパスフィルター20のカットオフ周波数は、制御信号50aによりNチャネル型MOSFET27をオフ又はオンすることにより、それぞれ応答周波数fよりも十分高い周波数fc1又はDC付近の十分低い周波数fc2に設定される。すなわち、本実施形態の物理量検出装置1によれば、センサー10により物理量が検出されている時はローパスフィルター20のカットオフ周波数がfc1に設定されるため高い応答性の確保を優先させることができ、センサー10により物理量が検出されていない時はローパスフィルター20のカットオフ周波数がfc2に設定されるため検出信号10aに含まれるノイズ成分の低減を優先させることができる。
【0072】
また、第1実施形態では、ローパスフィルター20は、VCVS型の2次のローパスフィルターとして構成されており、かつ、Nチャネル型MOSFET27がオンするとコンデンサー24とコンデンサー26が並列接続されるように構成されている。そのため、差動増幅器25のゲインKを1にすれば、カットオフ周波数がfc2の時のQファクターQが、カットオフ周波数がfc1の時のQファクターQよりも小さくなる。従って、第1実施形態の物理量検出装置1によれば、センサー10により物理量が検出されていない時は検出信号10aに含まれるノイズ成分の低減効果をより大きくすることができる。
【0073】
さらに、第1実施形態の物理量検出装置1によれば、カットオフ周波数設定部50の比較回路80における閾値電圧Vthが変更可能であるので、サンプル毎に閾値電圧Vthを調整することにより、ローパスフィルター20のカットオフ周波数の切り替えタイミングのサンプル間ばらつきを小さくすることができる。
【0074】
2.第2実施形態の物理量検出装置
図7は、第2実施形態の物理量検出装置の構成を示す図である。
【0075】
第2実施形態の物理量検出装置1では、カットオフ周波数設定部50は、A/D変換部30が出力するデジタル信号30aに基づいて制御信号50aを生成する。
【0076】
より具体的には、カットオフ周波数設定部50は、A/D変換部30が出力するデジタル信号30aをデコードした一定時間のデータを、ROM等の記憶部90に記憶されている比較データ90aと照合し、センサー10が検出した物理量が閾値より大きいか又は小さいかを判別する。そして、カットオフ周波数設定部50は、センサー10が検出した物理量が閾値より大きい場合は、制御信号50aをローレベルにしてローパスフィルター20のカットオフ周波数をfc1に設定し、センサー10が検出した物理量が閾値より小さい場合は、制御信号50aをハイレベルにしてローパスフィルター20のカットオフ周波数をfc2に設定する。
【0077】
カットオフ周波数設定部50は、例えば、CPUがROM等に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。
【0078】
第2実施形態の物理量検出装置1によれば、一定時間のデータの推移に基づいて、ローパスフィルター20のカットオフ周波数の切り替えをより詳細に制御することができる。
【0079】
3.第3実施形態の物理量検出装置
図8は、第3実施形態の物理量検出装置の構成を示す図である。
【0080】
第3実施形態の物理量検出装置1は、第2実施形態と異なり、A/D変換部30、外部インターフェース部40及びカットオフ周波数設定部50を含んでいない。物理量検出装置1のローパスフィルター20の出力端子に接続されたマイクロコンピューター3に含まれるA/D変換回路330、外部インターフェース回路340、CPU350及びROM390が、それぞれ第2実施形態におけるA/D変換部30、外部インターフェース部40、カットオフ周波数設定部(CPU)50及び記憶部90と同じ機能をする。
【0081】
従って、第3実施形態の物理量検出装置1は、外部から供給された制御信号50aに基づいて、ローパスフィルター20のカットオフ周波数を切り替える。
【0082】
第3実施形態の物理量検出装置1によれば、制御信号50が物理量検出装置1の外部から供給されるので、ローパスフィルター20のカットオフ周波数の切り替え論理を簡単に変更することができる。
【0083】
なお、角速度を検出する第1実施形態〜第3実施形態の物理量検出装置(角速度検出装置)は、デジタルカメラ、携帯電話機、携帯型情報端末、カーナビゲーションシステム、移動体やロボットの姿勢検出、姿勢制御を行う装置、バーチャルリアリティー等に使用されるヘッドマウントディスプレイ、頭の姿勢角度を検出するトラッカー、3Dゲームパッド等を使用するゲーム機等の種々の電子機器に組み込むことができる。
【0084】
なお、本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0085】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】第1実施形態の物理量検出装置の構成を示す図。
【図2】本実施形態におけるセンサーの検出信号の一例を示す図。
【図3】本実施形態におけるローパスフィルターの構成例を示す図。
【図4】本実施形態におけるローパスフィルタの周波数特性の一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるカットオフ周波数設定部の構成例を示す図。
【図6】本実施形態におけるカットオフ周波数設定部の各ノードにおける信号波形の一例を示す図。
【図7】第2実施形態の物理量検出装置の構成を示す図。
【図8】第3実施形態の物理量検出装置の構成を示す図。
【符号の説明】
【0087】
1 物理量検出装置、2 ホストコンピューター、3 マイクロコンピューター、10 センサー、10a 検出信号、20 ローパスフィルター、20a ローパスフィルターの出力信号、21 抵抗、22 抵抗、23 コンデンサー、24 コンデンサー、25 差動増幅器、26 コンデンサー、27 Nチャネル型MOSFET、28 抵抗、30 A/D変換部、30a A/D変換部の出力信号、40 外部インターフェース部、40a シリアルデータ信号、50 カットオフ周波数設定部、50a 制御信号、60 整流回路、60a 整流回路の出力信号、61 抵抗、62 抵抗、63 抵抗、64 差動増幅器、65 ダイオード、66 ダイオード、67 抵抗、70 平滑回路、70a 平滑回路の出力信号、71 抵抗、72 コンデンサー、80 比較回路、80a 比較回路の出力信号、81 差動増幅器、82 可変抵抗、90 記憶部、90a 比較データ、330 A/D変換回路、340 外部インターフェース回路、350 CPU、390 ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の物理量を検出する物理量検出装置であって、
前記物理量を検出し、検出した前記物理量の大きさに応じた電圧値の検出信号を出力するセンサーと、
前記センサーの前記検出信号に基づいて生成された制御信号により、カットオフ周波数を、第1の周波数又は前記第1の周波数よりも低い第2の周波数に設定可能なVCVS型のローパスフィルターと、を含むことを特徴とする物理量検出装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ローパスフィルターは、
第1端子が前記センサーの出力端子と接続された第1の抵抗と、第1端子が前記第1の抵抗の第2端子と接続された第2の抵抗と、第1端子が前記第1の抵抗の前記第2端子と接続された第1の容量と、第1端子が前記第2の抵抗の第2端子と接続され、第2端子には基準電圧が供給される第2の容量と、第1端子が前記第2の抵抗の前記第2端子と接続された第3の容量と、非反転入力端子が前記第2の抵抗の前記第2端子と接続され、反転入力端子には出力端子が接続され、前記出力端子が前記第1の容量の第2端子と接続された差動増幅器と、第1端子が前記第3の容量の第2端子と接続され、第2端子には前記基準電圧が供給されるスイッチ回路と、を含む2次のローパスフィルターとして構成され、前記制御信号により、前記スイッチ回路の前記第1端子と前記第2端子を電気的に遮断又は接続することにより、カットオフ周波数が前記第1の周波数又は前記第2の周波数に設定されることを特徴とする物理量検出装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記差動増幅器は、ゲインが1であることを特徴とする物理量検出装置。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記スイッチ回路は、
ドレイン端子又はソース端子がそれぞれ前記第1端子又は前記第2端子と接続され、ゲート端子に前記制御信号が供給されるMOSFETを含むことを特徴とする物理量検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記センサーの前記検出信号に基づいて前記センサーが検出した前記物理量が閾値より大きいか又は小さいかを判別し、前記センサーが検出した前記物理量が前記閾値より大きい場合は前記ローパスフィルターのカットオフ周波数を前記第1の周波数に設定し、前記センサーが検出した前記物理量が前記閾値より小さい場合は前記ローパスフィルターのカットオフ周波数を前記第2の周波数に設定する前記制御信号を生成するカットオフ周波数設定部を含むことを特徴とする物理量検出装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記カットオフ周波数設定部は、
前記閾値を可変に設定可能であることを特徴とする物理量検出装置。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記ローパスフィルターの出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換部を含み、
前記カットオフ周波数設定部は、
前記デジタル信号に基づいて、前記センサーが検出した前記物理量が前記閾値より大きいか又は小さいかを判別することを特徴とする物理量検出装置。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記制御信号は、外部から供給されることを特徴とする物理量検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−133767(P2010−133767A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308425(P2008−308425)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】