説明

物質移動方法、規則充填物、及び小さい液負荷用の物質移動装置

【課題】物質移動方法、物質移動方法を実施する規則充填物、及び物質移動方法を実施する物質移動装置を提供すること。
【解決手段】第1の流体及び第2の流体を物質移動装置内に供給するステップを含む物質移動方法であって、物質移動装置が、頂部領域、基底領域、及び物質移動領域を有する容器を含み、第1の流体が、少なくとも物質移動領域内で第2の流体と接触し、物質移動領域が、頂部領域と基底領域との間に配置され、物質移動領域が、非金属材料のファイバストランドを含む複数の隣接する織物層を有する規則充填物を含む。物質移動装置が、最大でも3m/m/hの流体負荷で運転される。規則充填物の織物は、横糸として形成される非金属材料のファイバストランドを含み、横糸は、少なくとも100g/1000mの番手を有し、横糸は、少なくとも20糸/25.4mmを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物質移動方法、物質移動方法に使用される規則充填物、及び小さい液負荷用の規則充填物を有する物質移動装置に関するものである。とりわけ、物質移動装置を吸収装置又は蒸留塔として設計することができる。
【背景技術】
【0002】
規則充填物は、例えば蒸留塔又は吸収塔などの物質移動装置内の設置物として使用される。規則充填物は、とりわけ液負荷が低い、及び/又は液体の表面張力が高い用途において、ガスと液体との間の物質移動の改善に役立つ。通常、規則充填物は、流体が滴又は膜として存在する所定の規則的な配置で配置される薄壁要素から構成される。これらの薄壁要素は、ガスが薄壁要素を貫流することができるように、物質移動装置内に配置される。ガスは、物質移動装置を貫流するとき、薄壁要素の表面上に存在する液体と接触する。この接触中に、ガス内の豊富な成分は、液体に移動することができ、又はその逆も可能である。このことは、物質移動が起こることが可能であるということを意味する。
【0003】
単位時間当たりの物質移動量は、ガス及び液体の境界表面積に比例する。境界表面積が大きくなるほど、液体によって湿らされた充填物の表面積の割合は大きくなる。
【0004】
物質移動の方法、即ち例えば蒸留方法又は吸収方法に関して、2つの流体間の物質移動表面積をできるだけ大きくするために、規則充填物が使用される。このために、一方の流体は、液体として充填物表面上を直接流れ、他方の流体は、薄壁要素によって形成された充填物通路内をガス相として反対方向に流れる。両流体は、互いに直接接触し、それらの相境界表面において、互いにエネルギー及び/又は物質を交換/移動する。このため、理想的な物質移動及び/又はエネルギー交換には、できるだけ大きい相境界表面を形成するために利用される充填物表面全体に液体が存在することが必要である。
【0005】
しかし、厳密には、この必要性は、例えば低い液負荷に対しては常に満たされるわけではない。低い液負荷は、最良の場合には、規則充填物の充填物表面が膜として湿るように、正確に極めて大量の液体が物質移動装置を通して導入されるということを意味する。これは、充填物の充填物表面全体が相境界表面を形成することを意味する。塔の表面積当たりの液体体積流量は、液負荷Lとして理解される。とりわけ、高い表面張力を有する湿潤性の悪い液体と組み合わせた液負荷の極めて小さい用途において、このことは、例えば水系(watery system)に関して、充填物表面の一部分のみが液体で湿り、それによって、エネルギー移動及び物質移動のための相境界表面が大幅に低減されるということが起きることを意味する。
【0006】
良好な湿潤性は、襞(ひだ)状織物層(pleated fabric layer)の交差通路構造(cross−passage structure)を有する規則充填物によって与えられる。そのような交差通路構造は、例えばDE1442714に記載されている。
【0007】
GB451014によれば、ファイバ間の極めて小さい距離のために高い毛細管力を有し、このために極めて良好な湿潤性を有するファイバ材料を含む織物が、特に有利であることがわかった。そのようなファイバ材料は、例えばEP531255A1によるガラス又は玄武岩から構成することができる。ファイバ材料から成る規則充填物の機械的安定性を確保するために、DE1442714若しくはDE2434082に示されるように、ファイバが、鋼又はプラスチックの線などの他の材料と共に編まれるか、又はDE1769739に詳しく示されるように、対応するフレーム構造上に拡げられる。
【0008】
織物充填物は、水系の用途に使用することも有利である。従って、水系の蒸留用として、例えば、純粋な金属織物から成る複数の充填物が、EP2119713A1に記載されている。米国特許第7411098号では、小さい織物充填物が、水系の蒸留用にも提供される。
【0009】
EP−A−1477224より、低い比流体負荷で運転される金属織物から成る交差通路充填物が知られている。比流体負荷は、充填物の比表面積aに対する流体負荷Lの比率によって決定される。EP−A−1477224によれば、L/aの比率は、最大値10l/mh未満になる。比表面積aは、充填物の表面積と充填物によって占められる体積との比率として定義される。L/aの比率は、端部負荷とも呼ばれる。一般に、大きい端部負荷は、充填物の表面の良好な湿潤性につながる。液体の特定量が、充填物の表面の小さい領域に流入するからである。しかし、充填物の表面が極めて大きい面積であり、同じ流体負荷であると端部負荷が小さくなる。通常の場合、小さい端部負荷は、利用可能となる充填物の表面の極めて乏しい湿潤性につながる。
【0010】
しかし、金属織物から成るそのような充填物は、充填物表面上に狭い帯域の形態の膜を生成することが示される。このことは、流体負荷が小さく、及び/又は流体が大きい表面張力を有するとき、極めて小さい割合の充填物表面のみが湿ることを意味する。このことは、30mN/mを超える表面張力、特に50mN/mを超える表面張力を有することが好ましいことを意味する。
【0011】
文献EP0416649Aは、規則充填物用の織物層を記載している。この織物層により、横糸中の毛細管活性のある糸は、良好な湿潤挙動を有する。このことは、液体を水平方向に十分に配分することができることを意味する。これは、非金属材料から成る横糸によって得られる。EP0416649Aによれば、充填物又は塔充填要素は、自己分離能力を得ているので、別個の液体配分器が不要になる。出願人が行った調査によれば、EP0416649Aによる織物層は、市販の用途が見つからなかった。さらに、液体配分器は、基本的には、液体相を充填物上に均一に配分するために存在する必要がある。従って、EP0416649Aに挙げられた利点は、その実用的価値を証明したようにはみえない。従って、上述の理由により、本発明の織物層とEP0416649Aの織物層との間の比較は不可能である。
【0012】
触媒反応器用の充填物要素は、交差チャネル充填物を示す文献EP1308204A1にも示される。織物層は、交差チャネル充填物の隣接する層間に配置される。織物層は、触媒の機能に使用され、中間層として形成される。中間層は、波形状を有することができ、支持用充填物を形成する隣接する層と共に交差チャネル充填物を形成することができる。この中間層の縦糸及び横糸は、織糸を含むことができる。EP1308204A1によれば、解決すべき問題は、触媒を機能させることができる層を提供することである。従って、充填物表面の湿潤性を増大させることは必要とされない。同様の構成の織物層を予見しなければならないであろう。その織物層は、互いに相互に影響を及ぼすために接触点において互いに隣接して配置され、互いに接触させられるべきである。そのような相互作用は、EP1308204A1による充填物要素では不可能である。その理由は、隣接する織物層を予見していないからである。織物層は、規定の形状の膜間に配置される。従って、織物層は、互いに隣接して配置されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】DE1442714
【特許文献2】GB451014
【特許文献3】EP531255A1
【特許文献4】DE2434082
【特許文献5】DE1769739
【特許文献6】EP2119713A1
【特許文献7】米国特許第7411098号
【特許文献8】EP−A−1477224
【特許文献9】EP0416649A
【特許文献10】EP1308204A1
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】U.Onken、W.Arlt、「Recommended test mixtures for distillation columns」、The Institution of Chemical Engineers、1990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このため、本発明の目的は、物質移動方法、物質移動方法を実施する規則充填物、及び物質移動方法を実施する物質移動装置を提供することであり、湿った充填物表面の割合を規則充填物によって増大させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本目的は、以下のステップを含む物質移動方法によって満たされる。即ち、第1の流体及び第2の流体を物質移動装置内に供給するステップを含む物質移動方法であって、物質移動装置が、頂部領域、基底領域、及び物質移動領域を有する容器を含み、第1の流体が、少なくとも物質移動領域内で第2の流体と接触し、物質移動領域が、頂部領域と基底領域との間に配置され、物質移動領域が、非金属材料のファイバストランドを含む複数の隣接する織物層を有する規則充填物を含む。物質移動装置は、最大でも3m/mhの流体負荷で、好ましくは最大でも0.5m/mhの流体負荷で運転される。隣接する層は、互いに隣接して配置される。
【0017】
とりわけ、第1の流体又は第2の流体のうちの一方は、少なくとも30mN/m、好ましくは少なくとも50mN/mの表面張力を有する。
【0018】
上述の実施例による方法によれば、流体には、水、アミン、アミド、とりわけジメチルホルムアミド、1価若しくは多価のアルコール、とりわけ脂肪酸のアルコール、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プラスチックの単量体、とりわけMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、DMT(テレフタル酸ジメチル)、カルボン酸、とりわけ脂肪酸、エステル、とりわけ脂肪酸エステル、又は上述の成分の少なくとも2つの混合物が含まれる。
【0019】
本発明による物質移動装置用の規則充填物は、頂部領域及び基底領域を有する。規則充填物は、複数の隣接する層を含む。層は、それぞれが頂部領域に面する上部側を形成し、それぞれが下部側を形成する。下部側は、基底領域に面する。層は、上部側と下部側との間に延在する壁要素を有する。壁要素は、横糸として形成される非金属材料のファイバストランドを含む織物として形成され、横糸は、少なくとも100g/1000mの番手を有し、横糸は、少なくとも20糸/25.4mmを含む。
【0020】
好ましい実施例によれば、非金属材料から成る少なくとも2つのファイバストランドは、互いに直接隣接して配置される。とりわけ、充填物の比表面積は、0m/mから最大でも500m/mまでである。
【0021】
金属線は、非金属材料のファイバストランド間に配置することができる。横糸は、縦糸によって編み込むことができ、縦糸の少なくとも一部分は、金属線から成る。非金属材料のファイバストランドは、ガラス、玄武岩、又はポリマーを含むことができる。金属線は、ステンレス鋼、チタン、ハステロイ、デュプレックス、タンタルを含むことが好ましく、又はコーティングを有することができる。とりわけ、コーティングは、腐食耐性の増大に役立つことができる。
【0022】
好ましい実施例による規則充填物は、充填物の上部側から充填物の下部側まで延在する複数の開放チャネルが形成される波状部分を有する壁を含む層を有し、これらのチャネルは、第1の波底部、第1の波頂部、及び第2の波頂部を含む。第1の波頂部及び第2の波頂部は、第1の波底部に隣接する。第1の波頂部及び第2の波頂部は、第1の頂部及び第2の頂部を有する。
【0023】
とりわけ、物質移動装置は、上述の実施例の1つによる規則充填物を含む。とりわけ、物質移動装置は、吸収装置又は蒸留塔として構成することができる。
【0024】
上述の実施例の1つによる物質移動装置は、頂部領域、基底領域、及び頂部領域と基底領域との間に配置される物質移動領域を有し、第1の流体を流体配分器によって規則充填物の上部側上に配分することができるように流体配分器を物質移動装置内に配置し、第1の流体は、規則充填物の層の壁表面上に膜として適用でき、この点において、第1の流体に対して逆流方向に流れる第2の流体と接触することができる。とりわけ、流体には、水、アミン、アミド、とりわけジメチルホルムアミド、1価若しくは多価のアルコール、とりわけ脂肪酸のアルコール、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プラスチックの単量体、とりわけMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、DMT(テレフタル酸ジメチル)、カルボン酸、とりわけ脂肪酸、エステル、とりわけ脂肪酸エステルが含まれる。とりわけ、流体は、上述の成分の少なくとも2つの混合物を含むこともできる。ここで、とりわけ、用語、多価は、用語2価も含み、即ち、ジオールも含む。
【0025】
以下の実施例の1つによる規則充填物は、これまで使用された金属織物と比較して、充填物表面活用の改善につながる。
【0026】
純粋な金属織物は、低い毛細管力を有するに過ぎないので、この織物は、横糸として構成される非金属材料のファイバストランドを有する層を含む。
【0027】
それに加えて、純粋な金属織物は、ファイバストランドの少なくとも一部分を有する織物充填物と比較して、それらを入手するのに極めて高コストになる。
【0028】
本発明は、金属線及びファイバストランドを含む織物から作成される規則充填物を有する物質移動装置を含む。本発明は、とりわけ、最大でも3m/mh、好ましくは最大でも0.5m/mhの極めて小さい流体負荷を有する蒸留用途及び吸収用途、並びに水系において、相境界表面の増大につながる。従って、本発明は、通常の規則充填物と比較して、より高いエネルギー移動及び/又は物質移動の改善を可能にする。混成織物充填物は、とりわけ、端部負荷が10l/mh未満、とりわけ2l/mh未満である用途に有利である。端部負荷のより低い境界値は、少なくとも0.2l/mhにあることが有利である。
【0029】
以下で、図面を参照して、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による規則充填物を含む物質移動装置の図である。
【図2】本発明による規則充填物の実施例の図である。
【図3】通常の規則充填物の湿潤性を示す図である。
【図4】本発明による規則充填物の湿潤性を示す図である。
【図5】先行技術で知られる充填物と比較した、本発明による充填物の液体の配分を示す図である。
【図6】本発明による充填物と先行技術との分離性能の比較を示す図である。
【図7】DMFの吸収に関して、板状金属充填物、金属織物充填物、及び混成織物充填物の比較を示す図である。
【図8】本発明による充填物の変更例を示す図である。
【実施例】
【0031】
図1は、規則充填物7を含む物質移動装置を示す。規則充填物7は、充填体を形成する少数の層10、100を含む。2つの流体相の間の物質移動の手段が、規則充填物7であると理解される。規則充填物7は、物質移動装置2内において使用される。物質移動装置は、とりわけ塔5として構成することができる。塔5は、蒸留、精留、吸収、又は脱着に使用することができる
【0032】
物質移動装置は、頂部領域及び基底領域を有する。規則充填物7は、頂部領域に面する上部側及び基底領域に面する下部側を形成する、少なくとも1つの層10、100を含む。層は、上部側と下部側との間に延在する壁要素を有する。
【0033】
通常、規則充填物7は、規則的に繰り返す幾何学的関係で互いに関連する複数の層10、100を含む。隣接する層の距離は、一つの例としてこの幾何学的関係を選択することができる。隣接する層間の距離は、この幾何学的関係のために周期的に同じ値を有することができる。その結果、同じか、又は少なくとも周期的に同じ離間距離によって特徴付けられる構造が、層を結合することにより生じる。周期性は、規則充填物全体で見られる。それにより、充填物は規則的な構造を得る。とりわけ、この構造は、波状部分として構成することができる。
【0034】
図1による層10、100は、波状部分を有する薄壁要素から構成される。波状部分は、周期的に繰り返す連続した隆起部分即ち波頭、及び谷状凹部即ち波底部によって特徴付けられる。この波状部分は、とりわけ、テーパ付きの端部、又は波頭、及び/又は丸みのある波底部を有するジグザグ部分を含む褶曲構造として構成することができる。層は、2つの隣接する層の波状部分が主流方向に対してある角度で傾斜するように互いに配置される。このため、隣接する層10、100の波状部分は、互いに交差して配置される。
【0035】
第1の層10及び第2の層100は、それぞれ壁要素から構成される。壁要素は、非金属材料のストランドを含む織物として構成される。ここで、その全長をそのような壁要素とすることができるか、又は、単に全長の一部をそのような壁要素として形成することができる。壁要素は、平板形状を有することができる。代替として、とりわけ、壁要素は、ジグザグ部分を有する波状部分、又は丸みのあるピーク及び谷底部を有する波状部分を有することができる。
【0036】
第1の層10及び第2の層100は、図1に示される。図1は、充填物7の上部側8を示す。充填物7の上部側8は、主流方向6に実質的に垂直に配置される。より揮発性が高い流体が流れる流れ方向は、主流方向6と呼ばれる。とりわけ、ガスは、塔内の挿入物のない場所を上方に流れる。即ち、ガスは塔5の頂部の方向に流れる。主流方向の反対方向は、より揮発性が低い流体が流れる方向である。この流体は、通常、塔の挿入物のない場所を貫流する液体、即ち塔内を自由落下して流れる液体を意味する。充填物内の層によって流れを偏向することができるので、流れ方向を、充填物内の主流方向から局部的に逸脱させることができる。
【0037】
規則充填物7の第1の層10は、波状部分を有する。複数の開放チャネル12、14、16が、波状部分によって形成される。さらに、チャネルは、第1の波底部22、第1の波頂部32、及び第2の波頂部42を含む。第1の波頂部32及び第2の波頂部42は、第1の波底部22に隣接する。第1の波頂部32及び第2の波頂部42は、第1の頂部33及び第2の頂部43を有する。第1の波底部22は、谷底部23を有する。第1の波底部22は、谷底部23を有する。第1の頂部33から波底部22の谷底部23までの垂直距離が、第2の頂部43から波底22の谷底部23までの垂直距離と等しい。
【0038】
第1の波頂部32の第1の頂部33と第1の波底22の谷底部23との間の垂直距離は、波高とも呼ばれる。波高は、この垂直距離に等しい。図示した本発明実施例による層において、波高は実質的に一定である。このことは、0.5mmの範囲にある通常の公差よりも小さい範囲に波高があることを意味する。
【0039】
規則充填物7の第2の層100は、その波状部分が、層10の部分と同様に構成されるが、主流方向に対して異なる角度で傾斜する波状部分を有する。
【0040】
図2に、本発明による規則充填物の層の壁要素の一部分を示す。個々の薄板形状の襞状層は、図1に示すように、互いに隣りに配置されるとき、交差チャネル構造を形成する。層10は、一方の織込方向では金属線から構成され、他方の織込方向では非金属材料のファイバストランド、例えばガラス又は玄武岩のファイバストランドから構成される。金属線は、縦糸であることが有利である。ファイバストランドは、横糸を形成することが有利である。ここで、金属線は、襞状層の十分な機械的な変形性及び安定性を確保する。ファイバストランドは、所望の湿潤性につながる高い毛細管力を確保する。
【0041】
横糸は、100テックスに相当する、少なくとも100g/1000mの糸強度を有する。この糸強度の横糸は、25.4mm(1インチ)当たり少なくとも20本の糸を含む。
【0042】
非金属材料のファイバストランドは、とりわけ、ガラス、玄武岩、又はポリマーのファイバストランドを含むことができる。例えば腐食などの化学的影響、例えば温度などの熱的影響、又は例えば圧力などの機械的影響に対する層の耐性を増大させるのに、非金属材料のファイバストランドに加えて金属線を編み込むことができる。金属線は、ステンレス鋼、チタン、ハステロイ、デュプレックス、タンタル、又はコーティングを含むことができる。
【0043】
湿潤性を改善するために、非金属材料の少なくとも2つのファイバストランドを、互いに直接隣接して配置することができる。
【0044】
さらに、図2に示すように、有利には3つ、特に好ましくは5つのファイバストランドを互いに直接隣接させて配置することができる。金属線は、非金属材料の複数のファイバストランドの間に次々に配置することができる。3つのファイバストランドを互いに直接隣接させて配置するとき、混成織物充填物は、とりわけ3軸織物として構成される。5つのファイバストランドを互いに直接隣接させて配置するとき、混成織物は、とりわけ5軸織物として構成される。
【0045】
横糸は、縦糸によって編み込まれ、縦糸の少なくとも一部が金属線として構成される。横糸の方向が主流方向に生じるのが好ましい。
【0046】
図3及び図4に示すように、織物層がどれほど湿るかが、水の細流を使用した湿潤試験で明らかになる。純粋な金属織物を有する襞無し層及び本発明による織物の襞無し層が、垂直に渡され、水の細流が、上部境界で選択的に供給される。ここで、襞無しとは、層が平坦面を有することを意味する。図3に示すように、純粋な金属織物のこの層に関して、水の細流は、主として織物表面上を移動し、織物に吸収されないことがわかった。細流の拡がりは小さく、細流幅は、流れる長さ全体にわたって供給点における幅と実質的に一致する。
【0047】
これとは対照的に、図4に示されるように、ファイバストランドを有する織物層の織物上で細流の拡がりが起こる。水は、供給点から織物に吸い込まれ、織物内及び織物上に拡がる。流れは、織物の表面上で起こるだけでなく、主として織物の内部でも起こる。この供給において、この状況は、より大きい相境界表面積、及び充填物内の液体の滞留時間の増大を意味する。
【0048】
液体の体積流量が増大すると、それに応じて、余分の液体は、織物の外表面に沿って流れる。これにより、織物上の液体の滞留時間は、最高で数分から数秒まで減少する。従って、とりわけ、物質移動の速度が液体の滞留速度に実質的に依存する系では、物質移動は、起こる可能性がないか、又は部分的に起こるだけである。その結果、より大きい充填物高さを必要とするか、又は複数の充填物を配置しなければならない。そのような系は、流動限界とも呼ばれるが、それは、単位時間当たりの物質移動量を決定するのが、液体中への移動要素の滞留時間であるからである。
【0049】
図5は、金属織物、及びグラスファイバのファイバストランドを含む横糸を有する混成織物の規則充填物の複数の襞状層の下部側における液体流量の配分を示す。ここで、波状部分を有する層は、図1に関して説明するような襞状層として理解される。流れる液体は、大きい表面張力を有することが好ましいが、その液体は、とりわけ水とすることができる。層の端部長さにわたる液体の配分を横軸上に表す。端部長さは、層の幅、即ち、主流方向に対して垂直方向の平面内の層の拡がりである。主流方向は、物質移動装置の長手方向軸の方向を意味する。
【0050】
端部長さのある領域において、集められて測定される水量が、縦軸に示されている。液体の供給点は、横軸の実質的に中央にある。垂直線は、充填物層上に液体を導入する位置、即ち図3又は図4の供給点と同様の位置を示す。
【0051】
金属織物に関する液体配分を実線で示し、混合織物に関する液体配分を点線で示している。液体流は、図3又は図5に示される交差チャネル構造の傾斜チャネルによって偏向される。興味深いことに、液体は、金属織物上の主流方向から、実際に液体が供給される襞状層の開放チャネルの方向への偏向を受けるだけである。隣接する層への液体流の移動は起こらない。液体の配分は、図3に示す流れ挙動に相当する狭い領域にある。
【0052】
混成織物上の液体は、好ましい方向に従ってそれ自体を配分しない。むしろ、端部の左半分及び右半分上に、並びに隣接するチャネルの傾斜上に実質的に等しい割合で比較的均一に配分が起こる。このことから、液体は、ファイバストランドによって拡がりが改善されるという結論を導くことができる。ファイバストランドは、液体によって湿り、液体流は、ファイバストランド内及び充填物の層表面上に形成される。隣接する層は、接触点で液体をより容易に吸収する。従って、液体は、ある層から隣接する層により容易に到達することができ、このため、層にわたってより十分に配分される。
【0053】
この吸引効果は、金属織物充填物には存在しない。このため、この織物内に流体流の不十分な配分しか起こらない。このことは、図5における金属織物に関する液体の片側配分によって確認される。
【0054】
250mmの内径及び数メートルの充填物高さを有する蒸留塔内で別のテストが実行される。極めてよく知られているテスト系、cis/trans−デカリン(U.Onken、W.Arlt、「Recommended test mixtures for distillation columns」、The Institution of Chemical Engineers、1990)が、1kPa(10ミリバール)の水頭圧及び総還流(total reflux)で蒸留により分離される。この低水頭圧、それに対応するこの高真空における特徴は、最大でも3m/mh、好ましくは最大でも0.5m/mhの範囲の極めて小さい流体負荷の発生である。図6に示す通り、等しい幾何形状の純粋な金属織物充填物に対して、ファイバストランドを有するファイバ充填物による分離性能の大幅な改善が、とりわけこの範囲で見られる。図6は、塔内のより揮発性のある流体の速度(Fファクタによって表される)に対する、1メートル当たりの分離ステップ数NTSMを示す。Fファクタは、第2の流体の密度と第2の流体が物質移動装置を貫流する速度との積の平方根によって与えられる。ここで、第2の流体は、より揮発性のある流体である。その流れ方向は、物質移動装置の基底領域から頂部領域へ向かう。実線は、純粋な金属織物として構成される規則充填物に関する1メートル当たりの分離ステップ数(NTSM)を示し、点線は、ファイバストランドを有する織物として構成される、等しい幾何学的寸法及び形状を有する規則充填物に関するNTSMを示す。
【0055】
金属織物充填物についても、非金属材料のファイバストランドを有する織物充填物についても、Fファクタが小さくなるほど、1メートル当たりの理論的な分離ステップ数が増大することは確かである。
【0056】
非金属材料のファイバストランドを有する織物充填物は、1メートル当たりの理論的な分離ステップ数が高いということによって特徴付けられる。それにより、この規則充填物によって、より高い分離効率が達成されるということが示される。
【0057】
別の用途例は、CO吸収装置の洗浄部である。そのような吸収装置は、通常、吸収塔として構成される。排ガス流からCOを分離する吸収塔に、アミンがしばしば使用される。これらのアミンは、実際に低蒸気圧を有するが、使用するアミンの蒸気圧に応じてCOのない排ガス中にも低濃度で見られる。この不要なアミン排出物を低減するために、いわゆる洗浄部がそのような吸収塔の終端部に取り付けられる。洗浄部は、水を使って排ガス流からアミンを再び流し去る。
【0058】
そのような洗浄部は、通常、規則充填物を十分に湿らすために、規則充填物内において高い水負荷で作用する。高い水負荷を確保するために、循環路内に水が導入される。この循環路は、再循環(ポンプ循環)とも呼ばれる。水バランスを維持し、大量の排水流が生じないように、新鮮水の供給を低く維持しなければならない。ここで、液体は、規則充填物の下端部で集められ、側方流として除去され、大部分が液体配分器により規則充填物の上端部で規則充填物上に均一に再配分される。ガス流は、アミンを含んだ水性液の再導入によって任意の低いアミン濃度まで浄化することはできない。上述の洗浄部を専ら新鮮水で運転すべきとき、得られる流体負荷が極めて小さいので、極めて大きい充填物高さになるであろう。大きい充填物高さが必要とされることによって、圧力損失も増大するであろう。大きい充填物高さは、上述の用途においてより高い運転コストにつながる。
【0059】
ここで、本発明による規則充填物により極めて小さい流体負荷で、これらの洗浄部を効率的に運転することができる。十分確実に湿らせるために、規則充填物を通して、正確に大量の水を導入する。流体負荷は、0.03m/mhから0.5m/mhの間にある。量は低減されているがアミンの含まれない水の方が、上述の再循環に比べて、流出ガス流中に大幅に低いアミン濃度を達成することができる。アミンは、極めて低い蒸気圧を有し、極めて水溶性が高いからである。それに加えて、洗浄部の圧力損失は、本発明による規則充填物の使用により最小限まで低減される。さらに、循環ポンプを必要とせず、規則充填物の下端部で液体を集め、除去する必要がないので、投資コスト及び運転コストに関して、さらなる節約になる。
【0060】
別の好ましい実施例によれば、水中で大気からのジメチルホルムアミド(DMF)の吸収が実行される。DMFは水溶性が高いので、わずかな量の水だけが吸収に必要である。吸収を実行するのに、DMFを含むガスを水と接触させる。水とガスとの間の接触面が大きくなるほど、DMFは、ガスから水に迅速に移動することができる。この接触面は、物質移動表面に相当する。ここではDMFである物質は、物質移動表面全体の上をガスから水に輸送される。物質移動表面は、通常、規則充填物により利用可能になる。水は、規則充填物の表面を保護する薄膜を形成するので、規則充填物に沿ってそれ自体を配分する。
【0061】
この測定の結果を図7に示す。図7は、様々な充填物タイプに関する吸収率(A/m)の関数としての1メートル当たりの移動単位数(NTUM)を示す。吸収率は、平衡図(x−y図)中の動作線の傾きAと平衡線mとの間の比率を提供する。これにより、動作線の傾きAは、重い揮発性流体のモル流量と軽い揮発性流体のモル流量との比率から計算される。
【0062】
本発明による規則充填物であり以下でGlasGと称される混成織物充填物、以下でMetallGと称される金属織物充填物、及び以下でBlechPと称される板状金属充填物が、充填物の種類として使用された。
【0063】
以下の表は、使用する充填物タイプの比表面積を提供する。
【0064】
【表1】

【0065】
混成織物充填物が、金属織物充填物と同様の吸収効率を有することをグラフは示す。しかし、混成織物充填物のこの効率は、実質的に半分の比表面積で達成される。
【0066】
それと比較して、板状金属充填物は、混成織物充填物と同じ比表面積に対して、1メートル当たりの分離ステップ数又はNTUM(1メートル当たりの移動単位数)が低減されている。このことは、板状金属充填物の湿潤性が不十分であるということによって説明することができる。
【0067】
MetallG対BlechPの比表面積の比率が2対1であるとしたら、金属織物充填物についての1メートル当たりの理論的な分離ステップ数NTUM(MetallG)は、1メートル当たりの理論的な分離ステップ数NTUM(BlechP)の約2倍の大きさとなることが予想されるであろう。しかし、金属織物充填物についての1メートル当たりの理論的な分離ステップ数NTUM(MetallG)は、実際には、板状金属充填物(BlechP)についての1メートル当たりの理論的な分離ステップ数NTUMの1.6倍となるだけである。このことは、金属織物MetallGのより小さい端部負荷によって、比表面積の活用が不十分であるということによって説明することができる。
【0068】
板状金属充填物BlechPの端部負荷は、金属織物充填物のタイプMetallGよりも大きい。その理由は、流体負荷Lは両方の場合で同じに維持されるが、BlechPの表面積がMetallGの表面積よりも大幅に小さいためである。このことは、序論で述べた先行技術にも記載されている。
【0069】
この理論によれば、比表面積が等しいとき、NTUM(GlasG)は、NTUM(BlechP)と同じにならなければならない。しかし、図7に従って得られる結果によると、これらの充填物の間で、NTUMは1.5倍である。この倍数を比表面積の差によって明確に説明することはできない。したがって、非金属材料のファイバストランドを含み、これによって湿潤性が改善された織物の使用によって、この改善が達成されたに違いない。
【0070】
混成織物充填物のタイプGlasGに関して、横糸として使用される糸は、次に続くリストに述べるような番手を有する。即ち、グラスファイバ(GF、136テックス)は136g/1000mの番手を有し、又は玄武岩ファイバ(BF、577テックス)は577g/1000mの番手を有する。織物の構成に関するストランドの配置を以下のリストに説明する。
【0071】
第1の変更例によれば、織物は、上述した番手を有するグラスファイバ(GF)から構成され、グラスファイバ間に周期的に配置されたステンレス鋼の金属線を含む。金属線の線厚さは、0.16mmである。この配置における織物の密度は、0.616kg/mになる。この場合に、縦糸方向に70.6糸/25.4mm(1インチ)が配置され、横糸方向に40.9糸/25.4mm(1インチ)が配置される。
【0072】
第2の変更例によれば、織物は、上述した番手を有する玄武岩ファイバ(BF)及び玄武岩ファイバ間に周期的に配置されたステンレス鋼の金属線から構成される。金属線の線厚さは0.16mmになる。この配置における織物の密度は、0.923kg/mになる。この場合に、縦糸方向に70.6糸/25.4mm(1インチ)が配置され、横糸方向に25.7糸/25.4mm(1インチ)が配置される。
【0073】
驚くことに、上述の2つのファイバストランドの少なくとも1つを含む織物に関して、実質的に2倍の比表面積を有する金属織物充填物(MetallG)と、1メートル当たりの理論的な分離ステップ数が実質的に同じ高さであるということを見出すことができる。
【0074】
混成織物充填物の特に有利な実施例を図8に示す。図8に示す混成織物充填物の層は、下部境界領域、中間領域、及び上部境界領域を有する。層が規則充填物の一部分として物質移動装置に挿入されるとき、境界領域は、層の上部側及び下部側に配置される。境界領域は、主流方向に対する角度が中間領域における角度よりも小さくなるように構成される。とりわけ、この角度は、主流方向に対して中間領域のチャネルの傾斜角度に達するまで、最小値から連続的に増大させることができる。対応する境界領域の流れ抵抗は、上部及び下部の境界領域の特定の構造により中間領域において低減する。角度の最小値は、とりわけ0°になることができ、その結果、端部でのチャネルの湾曲における接線は、主流方向に平行となる。
【0075】
非金属材料のファイバストランドと金属線との様々な組合せを図8にさらに示す。例えば、ファイバストランド51、52は、金属線50と交互に配置することができる。これに代わって、図2で既に示したように、ファイバストランド53、54、55、56、57を互いに直接隣接させて配置することができる。5つよりも少ない数のファイバストランドを互いに隣接させて配置することもでる。例えば、図8において58、59、60で示す3つのファイバストランド、又は図8において61、62で示す2つのファイバストランドを互いに隣接させて配置することができる。
【0076】
従って、結論として、通常の規則充填物において液体自体を配分することが不十分な液体に対して、混成織物充填物が極めて適していることを示した。さらに、混成織物充填物は、極めて低い流体負荷を有する用途に適している。
【符号の説明】
【0077】
2 物質移動装置
5 塔
6 主流方向
7 規則充填物
8 規則充填物の上部側
10 第1の層
12 開放チャネル
14 開放チャネル
16 開放チャネル
22 第1の波底部
23 谷底部
32 第1の波頂部
33 第1の頂部
42 第2の波頂部
43 第2の頂部
50 金属線
51 ファイバストランド
52 ファイバストランド
53 ファイバストランド
54 ファイバストランド
55 ファイバストランド
56 ファイバストランド
57 ファイバストランド
58 ファイバストランド
59 ファイバストランド
60 ファイバストランド
61 ファイバストランド
62 ファイバストランド
100 第2の層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体及び第2の流体を物質移動装置内に供給するステップを含む物質移動方法であって、前記物質移動装置が、頂部領域、基底領域、及び物質移動領域を有する容器を含み、前記第1の流体が、少なくとも前記物質移動領域内で前記第2の流体と接触し、前記物質移動領域が、前記頂部領域と前記基底領域との間に配置され、前記物質移動領域が、非金属材料のファイバストランドを含む複数の隣接する織物層を有する規則充填物を含む、物質移動方法において、前記物質移動装置が、最大でも3m/m/hの流体負荷で運転されることを特徴とする、物質移動方法。
【請求項2】
前記物質移動装置が、最大でも0.5m/m/hの流体負荷で運転される、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
前記第1の流体又は前記第2の流体のうちの一方が、少なくとも30mN/m、好ましくは少なくとも50mN/mの表面張力を有する、請求項1又は請求項2に記載された方法。
【請求項4】
前記流体には、水、アミン、アミド、とりわけジメチルホルムアミド、1価若しくは多価のアルコール、とりわけ脂肪酸のアルコール、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プラスチックの単量体、とりわけMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、DMT(テレフタル酸ジメチル)、カルボン酸、とりわけ脂肪酸、エステル、とりわけ脂肪酸エステル、又は上述の成分の少なくとも2つの混合物が含まれる、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載された方法。
【請求項5】
頂部領域及び基底領域を有する物質移動装置用の規則充填物であって、前記規則充填物は、複数の隣接する層を含み、前記層は、それぞれが前記頂部領域に面する上部側を形成し、それぞれが前記基底領域に面する下部側を形成しており、前記層は、前記上部側と前記下部側との間に延在する壁要素を有する、規則充填物において、前記壁要素は、横糸として形成される非金属材料のファイバストランドを含む織物として形成され、前記横糸は、少なくとも100g/1000mの番手を有し、前記横糸は、少なくとも20糸/25.4mmを含むことを特徴とする、規則充填物。
【請求項6】
非金属材料から成る少なくとも2つのファイバストランドが、互いに直接隣接して配置される、請求項5に記載された規則充填物。
【請求項7】
前記充填物の比表面積が、0m/mから最大でも500m/mまでである、請求項5又は請求項6に記載された規則充填物。
【請求項8】
金属線が、非金属材料の前記ファイバストランドの間に配置される、請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載された規則充填物。
【請求項9】
前記横糸が、縦糸によって編み込まれ、前記縦糸の少なくとも一部分が、金属線から成る、請求項5から請求項8までのいずれか一項に記載された規則充填物。
【請求項10】
非金属材料の前記ファイバストランドは、ガラス、玄武岩、又はポリマーを含む、請求項5から請求項9までのいずれか一項に記載された規則充填物。
【請求項11】
前記金属線が、ステンレス鋼、チタン、ハステロイ、デュプレックス、タンタルを含み、又はコーティングを有する、請求項6から請求項10までのいずれか一項に記載された規則充填物。
【請求項12】
前記層の前記壁が、前記充填物の前記上部側から前記充填物の前記下部側まで延在する複数の開放チャネルが形成される波状部分を有し、前記チャネルが、第1の波底部、第1の波頂部、及び第2の波頂部を含み、前記第1の波頂部及び前記第2の波頂部が、前記第1の波底部に隣接し、前記第1及び第2の波頂部が、第1の頂部及び第2の頂部を有する、請求項5から請求項11までのいずれか一項に記載された規則充填物。
【請求項13】
請求項5から請求項12までのいずれか一項に記載された規則充填物を含む、物質移動装置。
【請求項14】
吸収装置又は蒸留塔として構成される、請求項13に記載された物質移動装置。
【請求項15】
頂部領域、基底領域、及び前記頂部領域と前記基底領域との間に配置される物質移動領域を有し、第1の流体を流体配分器によって前記規則充填物の前記上部側上に配分することができるように前記流体配分器を前記物質移動装置内に配置し、前記第1の流体は、前記規則充填物の前記層の前記壁表面上に膜として適用でき、この点において、前記第1の流体に対して逆流方向に流れる第2の流体と接触することができる、請求項13又は請求項14に記載された物質移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−130911(P2012−130911A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−279220(P2011−279220)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(505150095)スルザー ケムテック アクチェンゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】