説明

特には、タンク等の流体貯蔵容器のための通風装置

本発明は、特には、タンク等の流体貯蔵容器のための換気装置に係り、換気装置は、容器の内部と環境との間に空気及び/又は流体導入接続部を形成するよう作用し且つ容器の開口に取り付け可能である、接続部分を具備する。この接続部は、シール通路(53,59,69,73)のシステムからなるラビリンス状のシールにより、少なくとも、水及び/又は清浄化学物質等の媒体の浸入に対して効果的にシールされるが、しかし実際の通風のための空気交換に対してはシールされない。更に、接続部内には、フィルタ要素(61)が備えられる。シール通路の内の少なくとも一部は、接続部分(1)に取り外し可能に固定可能である、通風室(41)に形成されており、通風室は、フィルタリーフ(61)の形で具備される、フィルタ要素のための座(79)を有しており、フィルタ要素において、フィルタリーフ(61)は、その2つの幅広い側部の少なくとも一部分によって、それが、お互いに少なくとも概略平行である主方向において、隣接して伸張する、2つの連続するシール通路(59,69)の間の仕切りを形成するような状態で保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特には、タンク等の流体貯蔵容器のための通風装置に関するものあり、該装置は、容器の内部と外部との間において空気及び流体接続部を形成するための容器の開口に取り付け可能である、接続部分を具備しており、この接続部は、少なくとも、水又は清浄用化学物質等の媒体が侵入する通路に対して、シール通路のシステムのラビリンス状のシールにより効果的にシールされるが、しかし実際の通風のための空気の交換に対してはシールされず、接続部内にはフィルタ要素が存在する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの通風装置は、例えば、WO2004/035343 A1等で既知である。これらのタンク通風装置は、侵入する環境からの汚染媒体が、タンクが出発点である油圧システム(装置)内へ侵入可能にすることを阻止するが、しかし必要な空気の交換を実施可能にすることも阻止する。劣悪な設計の容器通風は、油圧システムの追加的負荷を生じ得るので、従って例えば、油圧システム内に設置されたシステムフィルタの稼働寿命を短縮する可能性がある。特には、フィルタを具備するタンク通風装置は、その後タンク内に流入する可能性のある、空気からの固体粒子を効果的に沈殿させる必要がある。
【0003】
実際の使用において発生するタンク及び/又はエンジン汚染物質は、高圧下の蒸気ジェットデバイスによる清浄化手段により通常除去されるが、その結果、水及び/又は清浄用化学物質等の浸入媒体は、通風装置の内部、従ってタンクの内部に侵入可能であり、これは、特に、汚れ粒子が流体により同時に洗い流される場合に、タンクの貯蔵された流体の品質にとって非常に不都合であることが認識される。
【発明の開示】
【0004】
これらの状況に対して、本発明の目的は、製造するのに経済的である、単純な構造であるのに係わらず、必要な空気の交換を妨げることなく、任意のタイプの媒体の侵入に対して、信頼性のあるシールを確保するように改善された通風装置を考案することである。
【0005】
本発明に従い、この目的は、その全体として請求項1の形態を有する、通風装置により実現される。
【0006】
そこでは、請求項1の特徴部分において規定したように、ラビリンス状シールシステムのシール通路が通風室に設けられており、通風室は、該通風装置の接続部分から分離しており、該通風室は更に、通風装置に一体化されたフィルタ要素のための座を形成しており、実際の作動要素の全てが接続部分に搭載される必要があるわけではないが、しかし分離された室に設置されており、分離された室は、通風とシールのために特別に使用される構成要素として製作されるため、通風装置の製作は、非常に単純化される。接続部分は従って、比較的単純な構成要素として製作可能であり、その構成要素は、1以上の流体接続スリーブを有するタンク開口のシール可能な入口部分として、その実際の機能を有することを目的とする。同時に、フィルタリーフを含む通風装置の分離した構成要素において構造的に単純な状態でラビリンス状システムを形成する、複数のシール通路を形成することが可能になり、フィルタリーフは、本発明に従い、それが、お互いに対して隣に設けられる2つのシール通路間の仕切りとして作用するように搭載されており、このことは、設計の更なる単純化に寄与する。
【0007】
フィルタリーフのための通風室に設けられた座は、それが概略その全周においてフィルタリーフに隣接しており、角部側においてそれを固定するように形成可能であることが好ましい。フィルタリーフは、通風室の固定された構成要素を形成するため、更に単一の構成要素だけが、アセンブリの接続部分の取り付ける必要があるので、装置の据付は単純化される。
【0008】
容器、即ち、特にはタンク開口に取り付けるための接続部分が固定フランジを有しており、固定フランジは、容器の開口の角部に対して前記フランジの周辺領域をシールする、シール要素のためのシール面を有する、実施の形態において、その周辺領域から所定の距離にある前記フランジは、シール要素を迂回させて、容器の内部からラビリンス状のシステムの第1のシール通路へ導く、少なくとも1つの内側接続通路を有するように構成可能である。
【0009】
この実施の形態において、第1のシール通路は、接続通路に接続されており、接続部分に形成されており、接続部分において横方向に設けられていて且つそれに対して通風室が好適には共にねじ止めすることにより取り付け可能である、取付平面に沿ってフランジのシール平面に対して垂直に伸張することが好ましい。
【0010】
通風室は、一方の側部で開いていて且つ概略矩形形状である、ハウジングであり、ハウジングは、接続部分の取付平面に取り付け可能である、シールの中間層を有する開放側部を有する。
【0011】
本発明に従い、通風装置の重要な構成要素は、接続部分に取り付け可能である通風室に形成されるので、お互いに次の位置に配置される4つのシール通路を有するラビリンス状のシールシステムは、単純な設計で実施可能であるので、特に、外部媒体の侵入に対して高度の安全性が確保される。
【0012】
特に好適な一実施の形態において、通風室のための取付平面は、肩部に設けられており、肩部は、外側に突き出ており、接続部分の本体、即ち、接続部分の中央中空の円筒状スリーブ部分、から外側に向かって半径方向に伸長しており、従って、通風室を形成する接続部分の外壁の一部のための取付平面は、スリーブ部分に対して外側に偏って(オフセット)おり、取付平面を形成する、この壁部は、スリーブ部分の対面する外面から所定の距離で伸張する、平らな内面を有するので、その間に、第1のシール通路を形成していて且つフランジから離れる端部において閉じていてフランジに隣接する端部において開く、中間空間が、形成されており、中間空間は、フランジの接続通路に接続する。
【0013】
本発明は、特には図面に示される実施の形態を使用して以下で説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図面中、参照番号1は、接続部分を全体として指示しており、前記接続部分は、丸い中空体3の形の中央スリーブ部分を有する、金属ダイカスト(鋳造金型)であり、丸い中空体3は、上部開放端部5から下部取付フランジ7へ伸張する。図面には図示されないタンクの開口のフランジ7は、図2だけに図示される、ネジ穴9により共にねじ込むことによりタンク壁にねじ止め可能であり、フランジ7に対する開口の角部は、フランジ7の周辺領域上のシール面13に沿って伸張する、シール要素11によりシールされる。フランジ7に離れて面する、接続部分1の上端部5は、ネジカバー15とカバーシール17により密着してシール可能である。ネジカバー15の頂部の中央領域において、これらのカバーにとって従来型である設計及び構成の回転ハンドルのための作用面を形成する、4つの突起台部19が設けられる。
【0015】
ここに図示される実施の形態において、その内壁上のスリーブ部分3の下端領域の付近の接続部分1のスリーブ部分3は、タンク頂部フィルタ25のための座として内側に半径方向に突き出る、環状の肩部23を形成しており、前記タンク頂部フィルタ25のための座は、その間に挿入されるOリング31によりネジカバー15とフィルタ本体27との間で締結される圧縮バネ29により、環状の肩部23に対して設置される。スリーブ部分3の内部への、更に従ってフィルタ本体27の外側への流体のための供給部として、接続部分1は、内ネジ35を有する横方向の接続スリーブ33を有する。
【0016】
接続スリーブ33に直径方向で対向する側部において、接続部分1は、肩部37を有しており、肩部37は、スリーブ部分3から離れて半径方向外側に突き出ており、その外側面において、通風室41を取り付けるための接触面を形成する、取付平面39を形成する。通風室41は、肩部37のねじ切られた孔44にねじ込まれる、固定ネジ43により、取付平面39に固定可能であり、シール45は、取付平面39を有する接触面に対するシールとして意図される。
【0017】
図1が示すように、シール要素11の内側長手方向角部と、スリーブ部分3の端部領域21との間において、容器又はタンクの内部と通風装置との間の接続部用の入口点(又は、侵入点)47が設けられる。この接続部は、スリーブ部分3の端部21の外側周辺に沿ってフランジ7の内側に伸張する、接続通路52により形成される。既に述べられたように、通風装置の通風室41は、スリーブ部分3から外側へ偏る肩部37に取り付けられる。外側に移動されていて且つ取付平面39を形成する、壁部の内面49は従って、スリーブ部分3の外面51から所定の距離で設置されるので、第1のシール通路53は、それらの間に形成されて、接続通路52に接続し、従って容器又はタンクの内部に接続し、シール要素11を迂回しており、これについて侵入点47を参照のこと。
【0018】
第1のシール通路の境界をなす内面49を有する壁部55は、フランジ7から離れるその上部領域において、第2のシール通路59に導く、出口57を有しており、第2のシール通路59は、第1のシール通路53と同じ状態で、フランジ7のシール平面に基本的に垂直に伸張しており、それの次にある第1のシール通路53に基本的に平行である。この第2のシール通路59は、一方で、壁部55に隣接しており、もう一方でフィルタリーフ(葉状体)61に隣接しており、フィルタリーフ61は、外形において矩形であり、突起63に隣接しており、突起63は、その一方の幅広い側部を有する壁部55のねじ切られた孔44を囲む一方で、フィルタリーフ61のもう一方の幅広い側部は、通風室の内壁67に平行なフィルタリーフ61から所定の距離で伸張する、通風室41の内壁67の突起65に隣接する。フィルタリーフ61は、このようにして、壁部55及び内壁67の両者から所定の距離で、内壁67と共に保持されており、フィルタリーフ61は、第2のシール通路59に平行に順に伸張する、第3のシール通路69を形成しており、後者の(第2と第3の)シール通路の間の接続部は、フィルタリーフ61を通り形成される、流体接続通路により決定される。
【0019】
順に上部領域において、内壁67は、通風室41の外壁75の内側と内壁67の外側との間の中間空間への出口71を形成しており、それにより第4のシール通路73が形成されており、それは、それの次に設置されるシール通路への位置的方向と同様な位置的方向を有しており、第4のシール通路73は、外部に開く、下部端部77を有する。
【0020】
通風室41が取付平面39にねじ止めされた場合に、その概略中央の領域のフィルタリーフ61は、突起63との接触により壁部55に保持される。通風室41が接続部分1から取り外されると、フィルタリーフ61は、通風室41に固定される。この目的のために、フィルタリーフ61のための通風室41の開放端部の領域に設けられる、座79は、それが基本的に、適合部を有するその周辺領域全体にわたってフィルタリーフ61に隣接するので、フィルタリーフ61のための座79が、フィルタリーフ61を固定するように作用するように製作される。設置プロセスに関して、従って、フィルタリーフ61は通風室41と共に、固定ネジ43を使用して共にねじ止めすることにより、取付平面39を形成する、壁部55に取り付け可能な均一な構成要素を形成する。この場合において、固定ネジ43は、外壁75と内壁67において、通風室41の概略中央領域に設置される、貫通孔を介して、ねじ切られた孔44内に伸張する。図1と2の比較が示すように、外形において通風室41は、それに保持されるフィルタリーフ61の矩形外形に従って、概略矩形である。接続部分1のように、通風室41は、金属ダイカストとして製作される。図1に示すように、この関係において、第1のシール通路53と第4のシール通路73に隣接する壁は、少しだけ分岐して成形プロセスを容易にする。図1で同様に示されるように、それに対応して、スリーブ部分3はその内面において、スリーブ部分3の内側空洞の内側幅が、シールカバー15に隣接する、上端部5から環状の肩部23まで伸びて、小さな範囲で減少されるように形成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明に従う通風装置の一実施の形態の断面を示しており、図2のI−Iで示される切断面に対応する。
【図2】図2は、図1のものに比べて、より小さいスケールで示された実施の形態の頂面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特には、タンク等の流体貯蔵容器のための換気装置であって、
前記容器の内部と環境との間に空気及び流体導入接続部を形成するために、前記容器の開口に取り付け可能である、接続部分を具備しており、
この接続部は、シール通路(53,59,69,73)のシステムのラビリンス状のシールにより、少なくとも、水又は清浄化学物質等の浸入する媒体の通路に対して効果的にシールされるが、しかし実際の通風のための空気交換に対してはシールされず、前記接続部内には、フィルタ要素(61)が備えられる、通風装置において、
前記シール通路の内の少なくとも一部は、前記接続部分(1)に取り外し可能に固定可能である、通風室(41)に形成されており、
前記通風室は、フィルタリーフ(61)として形成される、前記フィルタ要素のための座(79)を有しており、前記フィルタ要素において、前記フィルタリーフは、その2つの幅広い側部の少なくとも一部分によって、それが、お互いに少なくとも概略平行である主方向において、お互いに対して次の位置で伸張する、2つの連続するシール通路(59,69)の間の仕切りを形成するように保持されることを特徴とする通風装置。
【請求項2】
前記通風室(41)の前記座(79)は、概略その全周において前記フィルタリーフ(61)に隣接しており、角部側においてそれを固定することを特徴とする請求項1に記載の通風装置。
【請求項3】
前記容器に取り付けるための前記接続部分(1)は、固定フランジ(7)を有しており、前記固定フランジ(7)は、前記固定フランジ(7)の周辺領域を前記容器の開口の角部に対してシールする、シール要素(11)のためのシール面(13)を有しており、
その周辺領域から所定の距離にある前記固定フランジ(7)は、前記シール要素(11)を迂回して前記容器の内部から前記ラビリンス状のシステムの第1のシール通路(53)へ導く、少なくとも1つの接続通路(52)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の通風装置。
【請求項4】
前記第1のシール通路(53)は、前記接続部分(1)に形成されており、前記接続部分(1)において横方向に設けられていてそれに対して前記通風室(41)が取り付け可能である、取付平面(39)に沿って前記フランジ(7)のシール平面に垂直な方向で伸張することを特徴とする請求項3に記載の通風装置。
【請求項5】
前記通風室(41)は、共にねじ止めすることにより、前記接続部分(1)の前記取付平面(39)に取り付け可能であることを特徴とする請求項4に記載の通風装置。
【請求項6】
前記通風室(41)は、一方の側部で開いていて且つ実質的に矩形形状である、ハウジングであり、前記ハウジングは、前記接続部分(1)の前記取付平面(39)に取り付け可能である、シール(45)の中間層を有する開放側部を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の通風装置。
【請求項7】
前記通風室(41)の前記取付平面(39)を形成する、前記接続部分(1)の外壁の一部(55)及び前記フィルタリーフ(61)の第1の幅広い側部は、それらの間に位置する第2のシール通路(59)に隣接しており、
前記第1のシール通路(53)を前記第2のシール通路(59)から分離する、接続部分(1)の外壁は、少なくとも1つの出口(57)を有することを特徴とする請求項6に記載の通風装置。
【請求項8】
所定の距離で前記第2の幅広い側部に平行に伸張する、前記通風室(41)の内側の中間壁(67)及び前記フィルタリーフ(61)の第2の幅広い側部は、それら自体の間の第3のシール通路(69)に隣接しており、
前記中間壁(67)は、出口(71)を有することを特徴とする請求項7に記載の通風装置。
【請求項9】
前記中間壁(67)及び前記中間壁から所定の距離に位置する前記通風室(41)の外壁(75)は、それらの間に、前記接続部分(1)のフランジ(7)に面するその端部(77)において開いていて且つ前記中間壁(67)において前記出口(71)を介して前記第3のシール通路(69)に接続する、第4のシール通路(73)に隣接することを特徴とする請求項8に記載の通風装置。
【請求項10】
2つの連続するシール通路の間の出口(57,71)が、前記接続部分(1)の前記フランジ(7)から離れる前記シール通路の領域において設けられることを特徴とする請求項9に記載の通風装置。
【請求項11】
前記接続部分(1)は、中央円形スリーブ部分(3)を有しており、
前記中央円形スリーブ部分(3)は、前記フランジ(7)に対して所定の距離の位置にあって且つシールカバー(15)によりシール可能である、一方の端部(7)を有しており、更に内壁において前記フランジ(7)により近い領域において、前記容器内に保持可能なタンク頂部フィルタ(25)のための座を形成するために、内側に向かって半径方向に突き出る、環状の肩部(23)を有することを特徴とする請求項3から10のいずれか一項に記載の通風装置。
【請求項12】
前記肩部(37)において前記通風室(41)の前記取付平面(39)を形成する、前記接続部分(1)の外壁の一部分(55)が設けられており、前記肩部(37)は、前記スリーブ部分(3)から離れて、外側に向かって半径方向に突き出ており、
前記取付平面(39)を形成する、前記壁部(55)は、前記スリーブ部分(3)の対面する外面(51)から所定の距離で伸張する、平らな内面(49)を有するので、その間に、前記第1のシール通路(53)を形成していて且つ前記フランジ(7)から離れる端部において閉じていて前記フランジ(7)に隣接する端部において開く、中間空間が、形成されており、
前記中間空間は、前記シール要素(11)を迂回する、接続通路(57)に接続することを特徴とする請求項11に記載の通風装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−537715(P2008−537715A)
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502259(P2008−502259)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000652
【国際公開番号】WO2006/099908
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(500082609)ハイダック フィルターテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (26)
【Fターム(参考)】