説明

特にキラメキ効果を持つ化粧料組成物

【課題】化粧料組成物、特に皮膚、口唇、毛髪、又は爪をメイクアップするための化粧料組成物を提供する。
【解決手段】化粧料組成物であって、化粧学的に許容される媒体中に、
・吸収現象によってある色彩を発生して、該組成物が表面に適用された場合に、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、少なくとも1種の着色剤と、ここで該組成物の彩度C*は、40又はそれ以上であり;
・該組成物を表面に適用した場合に、580〜650nmなる範囲内の主波長を持ちまた、3000 cd・m-2以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、赤色干渉性顔料と、
を含む、上記化粧料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料組成物に関連し、より詳しくは皮膚、口唇、毛髪、又は爪をメイクアップするための、化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
他の色と同様に、赤色は、干渉性の顔料により、多層構造体上での光の反射による干渉現象を通して生成することができ、ここで該多層構造体は、屈折率及び厚みが、適切に選択された、例えば酸化鉄の表面層で被覆されたシリカコア等の、複数の層の積重ね構造で構成される。
しかし、白色光をスペクトル分解した際の、赤色の位置のために、該堆積層の屈折率及び厚みに関する許容度は、他の色よりもこの赤色に関してより低い。
さらに、上記の酸化鉄層を含む、干渉性顔料を使用した場合には、その干渉性によって生成される赤色は、該表面層による吸収によって生成されるものと容易に競合し、このことは、最終的に観測される色を、観測条件及び該顔料の環境条件に敏感なものとしてしまう。
【0003】
赤色干渉性顔料単独での存在は、均一に着色されたバックグラウンドを生成できず、即ち0〜80度なる範囲で観測角が変動する場合、色彩における実質的な変化を示すことができない。
従って、赤色に着色されたハイライトと共に、均一に着色されたバックグラウンドを持つ、化粧料組成物に対する需要がある。
さらに、幾つかの観測条件に関して、例えば水平な入射照明光の存在下で、干渉によって生成される色彩は、最早可視的なものではなく、吸収によって発生する色が勝ってしまい、上記赤色干渉性顔料とは異なる、例えばオレンジがかった色となる。
幾つかのメイクアップ製品に関しては、観測方向が変化した場合に、該赤色干渉性顔料の色彩における変化を、より知覚し難くすることが望ましい可能性がある。
また、口唇又は身体又は顔面の任意の他の領域を強調するために、キラメキの外観を持つ化粧料組成物に対する需要もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の目的は、これら要求の少なくとも一つを満たすことを目的とする。
より具体的には、本発明の目的は、化粧料組成物、特に皮膚、口唇、毛髪、又は爪をメイクアップするための化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の局面において、本発明は、化粧料組成物を提供し、該化粧料組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、以下に記載する成分を含む:
・吸収現象によりある色彩を発生して、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、少なくとも1種の着色剤、ここで該組成物の彩度C*は、40又はそれ以上であり;
・580〜650nm(ナノメータ)なる範囲内の主波長を持ちまた、3000 cd・m-2(カンデラ/m2)以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、赤色干渉性顔料。
該着色剤は、少なくとも一つの顔料及び/又は発色(着色)剤を含むことができる。
着色剤が、1種又はそれ以上の顔料を含む場合、本出願人は、特に少なくとも部分的に有機である、拡散性の少なくとも1種の顔料の存在にも拘らず、赤色のハイライトを生成し得ることを示した。というのは、吸収現象により色を発生する無機顔料と比較して、同一濃度に対して、その彩度がより高い可能性があるからである。拡散性顔料の低い含有率が、干渉による赤色の生成に与える影響の程度はより低い。
【0006】
該赤色干渉性顔料の光学的な厚み(干渉を発生する層の厚みと、屈折率との積)は、干渉度1に対して、310〜430nmなる範囲、また干渉度2に対して620〜860nmなる範囲であり得る。例えば、1.4〜1.5なる範囲の屈折率を持つ化粧料用媒体に対する、0〜70度なる範囲の角度の変化を考慮することにより、2つの干渉度に対して、これらの光学的な厚みは、該赤色(620〜700nmなる範囲)をカバーする。
本発明の組成物は、着色されたバックグラウンド上に、赤色のハイライトを含む、とりわけ魅惑的な化粧学的効果を生み出すことができる。
本発明の一例において、該着色されたバックグラウンドは、該赤色干渉性顔料の表面層によって、吸収により生成されたものと、実質的に同一である。これは、観測方向が、干渉により生成した色の、例えば水平な入射照明光の存在下での知覚を可能としない場合には、該赤色干渉性顔料の知覚可能性を一層低下させる。
【0007】
好ましくは、該赤色干渉性顔料の質量基準での量は、拡散性顔料及び赤色干渉性顔料の全量の、少なくとも半分である。このような相対的な割合は、所定の結果に関して、特に好ましい。
上記局面とは独立又は組合わせることができる、本発明の更なる局面において、本発明は、化粧料組成物を提供するものであり、該化粧料組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、以下の成分を含むものである:
・吸収現象によってある色彩を発生して、好ましくは40又はそれ以上より好ましくは50以上の彩度C*と共に、主波長λ1を持つ、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、少なくとも1種の着色剤、例えば1種又はそれ以上の拡散性顔料;
・該組成物を表面に適用した場合に、主波長λ2を持ちまた、3000 cd・m-2以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、30〜80μm(マイクロメータ)なる範囲、好ましくは30〜70μmなる範囲、例えば40μm程度の寸法をもつ、干渉性の顔料であって、該波長λ2が、差異|λ12|を70nm以下とするような値である顔料。
例として、波長λ1と同様、波長λ2は580nm〜650nmの範囲にある。
【0008】
この局面によれば、本発明は、艶消しされたバックグラウンドの色と、実質的に同一のハイライトによるキラメキ効果を生成することができ、該ハイライトは、肉眼の解像度の限界にあり、これはシンチレーションを高める傾向がある。
先行するものが何であれ、本発明の局面の一つにおいて、本発明は、化粧料組成物を提供し、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に分散された、以下のような成分を含む:該組成物を表面に適用した際に、580〜650nmなる範囲内の主波長を持ち、かつ3500 cd・m-2以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、赤色干渉性顔料。この組成物は、該媒体中に、吸収によって色を発生する白色フィラー又は固形物を含まず、あるいは該組成物がこれらを含む場合には、このような固形物の総量は、該組成物の全質量に対して、1%以下である。
このことは、該干渉現象によって生み出された色が、吸収によって生み出されて色と比較して、明らかに支配的なものとすることを可能とし、また高光輝性の赤色のメイクアップを得ることが可能となる。この点に関連して、該組成物は、該媒体中に白色フィラー又は拡散性顔料を含む必要はない。
【0009】
その上、該赤色干渉性顔料以外の固形物の種類及び量は、所定の光学的特性及び表面組織の関数であり得るが、該赤色ハイライトの原因となる該干渉現象は、何れにしても有害な影響を受けることは無い。
別の一局面において、先行するものが何であれ、本発明は、化粧料組成物を提供するものであり、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に分散された、以下のような成分を含む:・該組成物を表面に適用した際に、580〜650nmなる範囲内の主波長を持ち、かつ3500 cd・m-2以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、少なくとも1種の赤色干渉性顔料;及び・該表面上に、該赤色干渉性顔料の強度以上の強度を持ち、またより好ましくは、4000 cd・m-2以上の強度を持つ、他のハイライトを生成し得る反射性粒子。
これは、該赤色干渉性顔料によって生成される赤色に影響を及ぼすことなしに、該組成物の様相を改善することを可能とする。
【0010】
特に、上記の反射性粒子は、その反射性によって、生成する組成物の透明性の改善を可能としつつ、比較的少量で使用することができる。さらに、該反射性粒子は、吸収現象によって色を発生する、公知の拡散性顔料よりも、光の吸収性が低い。
本発明の局面の別の一つにおいて、先行するものが何であれ、本発明は、化粧料組成物を提供するものであり、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、赤色干渉性顔料を含み、該赤色干渉性顔料は、該組成物を、支持体に適用した際に、3000 cd・m-2以上の強度を有し、かつ580〜650nmなる範囲内の主波長を持つ、ハイライトを生成することができ、該組成物は、100 NTU(比濁分析法による濁り度単位)以下の濁り度指数を示す。このことは、また該干渉現象によって生成された色を、正確な観測条件に対する吸着によって生成される色に比して、明らかに支配的なものとする。これらの条件が変動した場合、吸着によって生成される色が、観測者により観測できる。
【0011】
本発明の別の一局面では、本発明は、少なくとも2つの化粧料組成物のセットを提供するものであり、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に分散された、少なくとも1種の赤色干渉性顔料を含み、該赤色干渉性顔料は、対応する該組成物を、表面に適用した際に、3000 cd・m-2以上の強度を有し、かつ580〜650nmなる範囲内の主波長を持つ、ハイライトを生成することができ、該セットの該2つの組成物間の彩度における差は、2以下であり、また該2つの組成物中の該赤色干渉性顔料は、少なくとも1%だけ異なる濃度で存在する。
このセットは、3又はそれ以上の組成物を含むことができ、また適当な場合には、該セットの任意の2つの組成物について、あるいはそれらの幾つかについてのみ、上記の関係が満たされてもよい。
【0012】
このような組成物のセットは、様々な濃度の赤色ハイライトを持つことを可能とし、また予想外のことに、本出願人は、様々な濃度での、このような干渉性顔料の存在が、彩度における大幅な変さらに導かないことを観測した。
これら組成物は、実質的に同一の媒体を含むことができる。
この「実質的に同一の媒体」なる用語は、同一の化合物が、赤色干渉性顔料の量の関数として変えることのできる濃度にて、該組成物中に見出されることを意味する。
従って、化合物の含有率は、赤色干渉性顔料の量における変動を補償するために、一方の組成物と他方の組成物との間で異なっていても良い。
これらの組成物は、該赤色干渉性顔料以外の固形物を必ずしも含む必要は無い。
該セットの上記2つの組成物間において、赤色干渉性顔料の量は、少なくとも2%だけ異なっていても良い。
【0013】
以下の説明において、「組成物」なる表現は、このセットの何れか一方の組成物を意味するものであり得る。
本発明の別の局面において、本発明は、化粧料組成物を提供するものであり、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、以下の成分を含む:
・赤色の、3000 cd・m-2以上の強度及び580〜650nmなる範囲内の主波長を持つ、ハイライトを発生することができる、干渉性顔料;及び
・ゼロでない磁化率を示す、磁性体。
本発明は、該赤色干渉性顔料の、環境に対する極めて特殊な感受性を開発する。従って、該干渉性顔料の存在により、該組成物における、該磁性体の配向及び/又はその配置に対する小さな変更でさえも、本発明においては、観測可能な可視性の効果、例えば該磁性体によって多少とも隠蔽される、特に赤色干渉性顔料の存在による、上記ハイライトの強度及び/又はその濃度における変化を導き易くする。
【0014】
該組成物は、所定の乾燥時間後に、磁場の作用下での、該磁性体の配向におけるあらゆる新たな変化を防止する状態をとることができる。これは、例えばネイルワニスに適用できる。
あるいはまた、幾つかの場合において、該磁性体の配向は、任意の時点、特に該組成物が、乾燥しておらず、あるいは極めて長い乾燥時間を要する場合に、変えることができる。これは、例えばファンデーションに適用できる。
一例として、該組成物が、揮発性の溶媒を含む場合、該磁場は、該組成物の乾燥前の外観を変更するように、該組成物を堆積した後の短期間に渡り印加される。
適当な場合には、該赤色干渉性顔料が、ゼロで無い磁化率を示す場合には、該磁性体を、この顔料で構成することが可能である。
【0015】
本発明の他の局面において、本発明は、化粧料組成物を提供するものであり、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に分散された、以下の成分を含む:
・赤色の、該組成物を表面に適用した場合に、3000 cd・m-2以上の強度及び580〜650nmなる範囲内の主波長λ1を持つ、赤色のハイライトを発生することができる、干渉性第一顔料;及び
・銀色の、又は|λ12|=50nmを満足する主波長λ2を持つように着色された、反射性の第二の顔料であって、30μm以上及びより良好には40μm以上なる平均のサイズを持つ顔料。
該第二の顔料は、干渉性顔料であり得る。
本出願人は、該第二の顔料が、新たな発色作用をもたらし、一方で該組成物が、該赤色干渉性顔料の光沢の強さを保存することを可能とし、該第一及び第二の顔料が、ある程度まで、着色されたモザイクを生成し得ることに気付いた。
【0016】
強度において比較的均質な画素形成効果を達成するために、該赤色干渉性顔料及び該着色された反射性顔料に対して、同程度のハイライト部強度を持たせたい場合、該組成物を処方することは困難である可能性がある。
該着色された反射性顔料が、多層構造を持つ場合には、赤色干渉性顔料及び同一の中央部を持つ着色された反射性顔料を使用することが有利であり得る。というのは、このことが、ハイライト部強度に、より強力な影響を与える、同一の表面特性を、より一層容易に得ることを可能とするからである。
同一の中央部の使用は、また該赤色干渉性顔料及び該着色された反射性顔料が、同一の材料で行われた表面仕上げ状態を示す場合に、吸収によって発生する色と同一の色を、一層容易に得ることを可能とし、これは興味深いことであり、従って、該赤色干渉性顔料及び該着色された反射性顔料は、殆ど水平の光の照射の下で、同一の色として現れる。
【0017】
本発明の他の一局面では、本発明は、化粧料組成物を提供するものであり、該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、以下の成分を含む:
・該組成物を支持体に適用した場合に、3000 cd・m-2以上の強度及び580〜680nmなる範囲内の主波長を持つ、ハイライト部分を発生することができる、少なくとも1種の赤色干渉性顔料;及び
・少なくとも一つの外部刺激に対して感受性の、少なくとも1種の着色剤。
赤色干渉性顔料と、該X-クローム(Xchrome)着色剤との組合せ利用は、該X-クローム着色剤の状態に依存して、該組成物の少なくとも2つの異なる外観を生み出すことができる。
該X-クローム着色剤の一状態において、この着色剤が赤色を帯びる場合に、特に審美的に満足であり得る。というのは、これは、該赤色ハイライト部分のコントラストを減じる可能性があり、また該部分をより見難くする可能性があるからである。このようにして、該X-クローム着色剤の状態における変化は、より良好な該赤色ハイライト部分の知覚を可能とし、また観測者は、驚いたことに該干渉性顔料の強力な輝きを見ることができる。
【0018】
さらに、状態を変化させることによって、該X-クローム着色剤は、カラーフィルターとして、あるいは局部的に第二の照明源として機能して、該赤色干渉性顔料の環境における光の拡散に影響を与えることができる。
本発明の一実施例において、該X-クローム着色剤は、これが少なくとも2つの状態をとるように選択することができ、該状態において、その干渉現象が影響を受け、あるいは影響を受けず、若しくは異なる程度に影響を受ける。
外的な刺激に対して感受性の、該着色剤は、例えばソルバトクロミック(solvatochromic: 溶媒和発色性)の薬剤と共に適用できる、媒体中の溶液状態であり得る。これは、該X-クローム着色剤による光の拡散を阻止し、またその干渉現象を弱めることを可能とする。
【0019】
30〜80μmなる範囲の寸法、即ち肉眼による分離能と実質的に同程度の寸法、より好ましくは約40μmなる寸法を持つことは、該赤色干渉性顔料にとって、特に有利であり、また該X-クローム着色剤が、その状態の一つにおいて赤色を呈することは、該着色剤にとって、特に有利であり得る。従って、艶消し赤色バックグラウンドは、その特定の寸法のために、シンチレーションを生じ、キラメキ効果を生成するものと思われる、ハイライト部分と共に得られる。
本発明の他の一局面において、本発明は、以下の組成物を含むセットを提供する:
・ケラチン物質に適用するための第一の化粧料組成物であって、該組成物は、少なくとも1種の拡散性フィラー又は吸収によって発色することのできる着色剤;及び
・該第一の化粧料組成物上に適用され、また少なくとも1種の赤色干渉性顔料が分散されている、化粧学的に許容される媒体を含む、第二の化粧料組成物であって、該干渉性顔料は、該第二の組成物が、表面に適用された際に、3000 cd・m-2以上の強度及び580〜650nmなる範囲内の主波長を持つ、ハイライト部分を生成することができる。
【0020】
本発明のこの局面によれば、該干渉現象は、該拡散性顔料又は該フィラーの存在により妨害されない。というのは、該顔料又は該フィラーは、下方の基層中に存在し、また結果として、該赤色干渉性顔料を含有するカバー層内の、光の伝播に有害な影響を与えないからである。
該赤色干渉性顔料が分散されている、該媒体は、好ましくは透明であり、結果的に下層の堆積物を見ることを可能とする。
本発明のもう一つの局面において、本発明は、また組成物のセットを提供するものであり、該セットは以下の組成物を含む:
・少なくとも1種の赤色干渉性顔料を分散させた、化粧学的に許容される媒体を含む、基本となる組成物、ここで、該干渉性顔料は、該組成物が表面に適用された際に、3000 cd・m-2以上の強度及び580〜650nmなる範囲内の主波長を持つ、ハイライト部分を生成することができ;及び
・該基本となる組成物上に適用するための、被覆用組成物。この他の組成物は、透明であり得、また例えば光沢性を改善するのに役立ち、しかも該赤色ハイライト点において、拡大鏡効果を生成することができる。
【0021】
該被覆用組成物は、該赤色干渉性顔料が分散されている該媒体の屈折率よりも、大きな屈折率を持つ媒体を含むことができる。
該第一の組成物は、該基層を形成するためのものであり得、また引続き堆積される該第二の組成物と相溶性である、任意の処方を持つことができる。
特に、該第一の組成物は、上に定義したような、化粧学的に許容される媒体、及び少なくとも1種の着色剤又は分散性フィラーを含むことができる。
該第二の組成物は、化粧学的に許容される媒体中に分散された、該赤色干渉性顔料を含む。
該第二の組成物は、例えば該第一の組成物上に適用するためのものである。
【0022】
彩度の測定
該組成物を、少なくとも5mmなる厚みにてカップ内に堆積させた。該カップは、無限の厚みと等価な条件下で、測定を行うことを可能とする。
反射率を、小さな開口を持つ、「鏡面成分排除(specular component excluded)」モードにある、ミノルタ(Minolta) 3700-d(d65/10度)分光測色計(CREISS)を用いて、測定した。
得られる反射率スペクトルは、推奨の15:2004に従って、コミッションインターナショナルドゥレクレラージズ(Commission Internationale de l'Eclairage's) CIELab76色空間における、測色座標において表した。
【0023】
ハイライト強度の測定
ハイライトの強度を測定するために、検討すべき組成物を、例えばレネタ(LENETA)から入手した、コントラストカード上に、厚み300μmにて塗布した。
このようにして塗布した該組成物を、図1に示した配置に従って、測色カメラ1の前に配置させた。この図において、該組成物で被覆された、コントラストカード2は、該カメラ1の光学軸Xに対して直角に配置され、またこれは、該光学軸Xと角度5度をなす方向に光を発する、光源4(イルミナントD65)によって照明された。
該ハイライトは、局部的に放出される光の強度として定義される。
該カメラは、該組成物中に存在する、様々な粒子同士を、極めて明確に識別するのに十分な、数μmなる、該面xyにおける解像度を持つ。
一例として、この光学系は、INSTRUMENT SYSTEMS社から入手できる、ルミカム(LUMICAM) 1300光度計及び撮像測色計である。
【0024】
輝度の測定は、0.2〜200,000 cd・m-2なる範囲で行うことができ、その際の測定精度4%、再現性0.1%及び均一性1.5%(10×10画素を含む領域に対して)である。
該光学系は、該組成物から48cmの位置に配置された、105mmのマクロ対物レンズであり、その視野角は5度、及び焦点距離は22mmである。測定領域は、2.9×2.7mmに渡って広がっている。
感度は、100 isoであり、シャッター速度は、1/60秒であり、またアパーチャーはf:2である。
例示した実験デバイスは、該組成物のフィルム表面上における、正反射を排除することを可能とする。
得られる結果は、二次元マトリックスの形状にあり、そこで各成分Mi,jは、面xyにおける座標i, jのセルによって検出された、cd/m2単位で表された強度を表す:
【0025】
【数1】

該マトリックスにおいて、mは、該検出装置のx方向における画素の数を表し、また
nは、該検出装置のy方向における画素の数を表し、
該主波長は、像形成比色計によって測定することができる。
濁り度の測定
濁り度は、懸濁状態にある粒子の存在の結果としての、液体の透明度における減少に相当し、テストすべきサンプルに光のビームを通すことによって測定する。
濁り度は、該媒体の屈折率に、また該媒体中に懸濁している物体の種類及び濃度に依存する可能性がある。
濁り度指数は、懸濁液中の粒子によって拡散された光を、濁り度計を用いて、この場合にはHACHによる、2100Pと呼ばれる濁り度計によって測定する。
【0026】
カラーパス(Color Path)の測定
本発明の組成物が、100 NTU(比濁法による濁り度単位)以下の濁り度指数を示す場合、該組成物は、比較的長いカラーパスを得ることを可能とする。というのは、懸濁液中の低い全粒子量は、高-インデックス赤色干渉性顔料の表面層の吸収によって生成された色彩の観測を、妨害しないからである。
この用語「カラーパス(Color Path)」とは、CIE 1976測色空間のa*b*面における変動を表し、例えば商品名インスツルメントシステムズ(INSTRUMENT SYSTEMS)及び照会番号GON 360ゴニオメータ(GONIOMETER)の、スペクトロゴニオレフレクトメータを使用して、測定することができる。流動状態にある該組成物を、自動塗布装置によって厚み300μmにて、商品名エリクセン(ERICHSEN)及び照会番号Typ 24/5の、コントラストカード上に塗布し、その測定を該カードの黒色バックグラウンド上で行った。
本発明の組成物のカラーパスは、入射角45度の光に対する、観測角度を、直角に対して0〜80度なる範囲にて変化させた場合、例えば少なくとも20度なる色相角hにおいて、変動Dhに相当する。
【0027】
赤色干渉性顔料
この顔料は、本発明によれば、580〜650nmなる範囲、好ましくは580〜600nmなる範囲内の主波長を持ち、かつ3000 cd・m-2以上、好ましくは3400 cd・m-2以上、より好ましくは4200 cd・m-2以上の強度を持つ、ハイライトを発生できる。該強度は、5000 cd・m-2未満であり得る。
このましくは、集団の中点における平均粒子径分布によって定義され、同様にD50としても知られている、この顔料のサイズは、30μm以上、好ましくは40μm以上、例えば30〜80μmなる範囲、及びより好ましくは30〜70μmなる範囲にある。この寸法は、肉眼の解像力と同程度である。
該顔料は、有利には一般的に平坦な形状を有し、またその厚みは、例えば5μm以下、及び好ましくは3μm以下である。
該多層構造は、場合により対称であり得、また好ましくは対称である。
該顔料は、有機又は無機材料製の、1又はそれ以上の層で被覆された、有機又は無機材料製のコアを含むことができる。
【0028】
該顔料は、例えば、酸化鉄Fe2O3の層又は他の金属酸化物、例えば酸化チタン又は酸化錫の層で被覆された、シリカ、マイカ又はガラスコアを含むことができる。
該コアを覆っている様々な層の厚みは、薄膜上での光の反射の理論によって、該反射光が、所定の主波長を持つように決定される。
好ましくは、該コアは、一般的に平坦な形状を有し、また該顔料は、強力な正反射を可能とするように、実質上平坦な主面を持つ。
該顔料は、適当な場合には、ゼロではない磁化率を持つことができる。
例示可能な、市販品として入手できる赤色干渉性顔料の一例は、MERCK社から、照会名キシロナ(XIRONA)の下で市販されている製品である。
【0029】
均一な着色されたバックグラウンド
該用語「均一に着色されたバックグラウンド」とは、肉眼で観測した場合に、連続的に着色されており、それによって観測角度が、直角に対して0〜80度なる範囲内で変化した際にも、その色彩が実質的に変化しない、バックグラウンドを意味する。
該組成物は、1種又はそれ以上の拡散性の顔料を含むことができ、該顔料は、40以上、好ましくは50以上の彩度C*を持つ、該着色されたバックグラウンドを、該赤色ハイライトの原因となる、該干渉現象の維持を可能とする比率にて、発生することを可能とする。
該拡散性顔料(1又は複数)は、赤色干渉性顔料の量が、拡散性顔料及び赤色干渉性顔料の総量の、少なくとも半分となるような量であり得る。該バックグラウンドの色彩の良好な連続性を得るために、該拡散性顔料(1又は複数)の寸法は、該赤色干渉性顔料の寸法よりも小さなものであり得る。一例として、のより良好な連続性を得、また該赤色干渉性顔料のマスキングを回避するために、該寸法は、5μm以下、好ましくは1μm以下であり得る。
【0030】
該拡散性顔料(1又は複数)は、該赤色ハイライトの原因となる、該干渉現象とは対照的に、吸収現象によって発色できるものであり得る。
該着色されたバックグラウンドが、吸収現象によって発生させられたものであるという事実は、ある程度艶消しされたバックグラウンドを与え、また大いに、該赤色ハイライトを促進し、特に該観測角度が変化した場合に、吸収によって発生する色彩は、干渉による色彩に比して、観測方向に関してそれ程敏感ではない。
該色彩は、有機物質による吸収によって生成でき、該有機物質は、酸化鉄等の無機物質よりも一層鮮明な色を生成し得る。従って、拡散性の低い顔料を使用でき、結果として光の拡散は低く、干渉による発色を促進する。
様々な拡散性の顔料を目論むことができ、また該顔料を、例えば有機顔料及びレーキから選択でき、特に以下の物質又はその混合物から選択できる:
・コチニールカルミン;
・アゾ、アンスラキノン、インジゴイド、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、又はフルオラン染料系の有機顔料;
・有機レーキ又は酸性染料の不溶性ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウム又はチタン塩、例えばアゾ、アンスラキノン、インジゴイド、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタン、又はフルオラン系染料、これらの染料は、少なくとも1種のカルボン酸又はスルホン酸基を含むこともできる。
【0031】
特に例示することのできる該有機顔料は、以下のような名称の下で知られているものである:D&Cブルー(Blue)No. 4、D&Cブラウン(Brown)No. 1、D&Cグリーン(Green)No. 5、D&CグリーンNo. 6、D&Cオレンジ(Orange)No. 4、D&CオレンジNo. 5、D&CオレンジNo. 10、D&CオレンジNo. 11、D&Cレッド(Red)No. 6、D&CレッドNo. 7、D&CレッドNo. 17、D&CレッドNo. 21、D&CレッドNo. 22、D&CレッドNo. 27、D&CレッドNo. 28、D&CレッドNo. 30、D&CレッドNo. 31、D&CレッドNo. 33、D&CレッドNo. 34、D&CレッドNo. 36、D&Cバイオレット(Violet)No. 2、D&Cイエロー(Yellow)No. 7、D&CイエローNo. 8、D&CイエローNo. 10、D&CイエローNo. 11、FD&CブルーNo. 1、FD&CグリーンNo. 3、FD&CレッドNo. 40、FD&CイエローNo. 5、FD&CイエローNo. 6。
該レーキは、有機支持体、例えばコロファン(colophane)、又はアルミニウムベンゾエート等で担持することができる。
【0032】
特に例示することのできる有機レーキは、以下のような名称の下で知られているものである:D&CレッドNo. 2アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 3アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 4アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 6アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 6バリウムレーキ、D&CレッドNo. 6バリウム/ストロンチウムレーキ、D&CレッドNo. 6ストロンチウムレーキ、D&CレッドNo. 6カリウムレーキ、D&CレッドNo. 7アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 7バリウムレーキ、D&CレッドNo. 7カルシウムレーキ、D&CレッドNo. 7カルシウム/ストロンチウムレーキ、D&CレッドNo. 7ジルコニウムレーキ、D&CレッドNo. 8ナトリウムレーキ、D&CレッドNo. 9アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 9バリウムレーキ、D&CレッドNo. 9バリウム/ストロンチウムレーキ、D&CレッドNo. 9ジルコニウムレーキ、D&CレッドNo. 10ナトリウムレーキ、D&CレッドNo. 19アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 19バリウムレーキ、D&CレッドNo. 19ジルコニウムレーキ、D&CレッドNo. 21アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 21ジルコニウムレーキ、D&CレッドNo. 22アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 27アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 27アルミニウム/チタン/ジルコニウムレーキ、D&CレッドNo. 27バリウムレーキ、D&CレッドNo. 27カルシウムレーキ、D&CレッドNo. 27ジルコニウムレーキ、D&CレッドNo. 28アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 30レーキ、D&CレッドNo. 31カルシウムレーキ、D&CレッドNo. 33アルミニウムレーキ、D&CレッドNo. 34カルシウムレーキ、D&CレッドNo. 36レーキ、D&CレッドNo. 40アルミニウムレーキ、D&CブルーNo. 1アルミニウムレーキ、D&CグリーンNo. 3アルミニウムレーキ、D&CオレンジNo. 4アルミニウムレーキ、D&CオレンジNo. 5アルミニウムレーキ、D&CオレンジNo. 5ジルコニウムレーキ、D&CオレンジNo. 10アルミニウムレーキ、D&CオレンジNo. 17バリウムレーキ、D&CイエローNo. 5アルミニウムレーキ、D&CイエローNo. 5ジルコニウムレーキ、D&CイエローNo. 6アルミニウムレーキ、D&CイエローNo. 7ジルコニウムレーキ、D&CイエローNo. 10アルミニウムレーキ、FD&CブルーNo. 1アルミニウムレーキ、FD&CレッドNo. 4アルミニウムレーキ、FD&CレッドNo. 40アルミニウムレーキ、FD&CイエローNo. 5アルミニウムレーキ、FD&CイエローNo. 6アルミニウムレーキ。
【0033】
上記の有機色素各々に対応する化学的な物質は、ザコスメティック、トイレタリー、&フレーグランスアソシエーション(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association)によって刊行された、「国際化粧料成分辞典及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)」1997版、pp. 371-386; 524-528に述べられている。この文献の内容を、参考として本件特許出願に組入れる。
該拡散性顔料は、複合顔料であり得、少なくとも部分的にシェル材料で被覆されたコアを含む。このような複合顔料は、無機コアと、少なくとも1種の有機着色性物質の、少なくとも1種の、少なくとも部分的な被覆とを含む粒子で構成できる。少なくとも1種のバインダが、有利なことに、該有機着色性物質の該無機コアに対する結合に寄与することができる。
該複合顔料粒子は、様々な形状を持つことができる。これら粒子は、特に板状又は球状、特に球状であり得、また中空又は中実であり得る。該用語「板状形状」とは、最大径対厚みの比が、5以上であるような粒子を意味する。複合顔料は、例えば1 m2/g(平方メートル/グラム)〜1,000 m2/gなる範囲、特に約10〜600 m2/gなる範囲、特に約20〜400 m2/gなる範囲の比表面積を持つことができる。この比表面積は、BET法によって測定した値である。該コアの質量割合は、該複合顔料の全質量に対して、50%を越えてもよく、また例えば50〜70%なる範囲、例えば60〜70%なる範囲であり得る。
【0034】
該連続的に着色されたバックグラウンドは、また少なくとも部分的に無機顔料又は着色剤によって製造することができる。
これは、動物、植物又は無機物起源の着色剤、特に植物又は無機物起源の、とりわけ植物起源の着色剤であり得る。該着色剤は、合成以外の天然産のものであり得る。
該着色剤は、水溶性の又は油溶性の天然産の着色剤であってもよい。
本発明に従って使用することのできる、天然産の水溶性着色剤の、特に挙げることのできる例としては、カラメル、ビート根果汁、カルミン、ベタイン(ビート根)、銅クロロフィリン、メチレンブルー、アントシアニン(エノシアニン(enocianin)、ブラックキャロット(black carrot)、ハイビスカス又はニワトコ)及びリボフラビンを挙げることができる。
本発明に従って使用可能な天然産の油溶性着色剤の、特に挙げることのできる例としては、スーダン(Sudan)レッド、β-カロテン、カロテノイド、リコペン、パーム油、スーダンブラウン、キノリンイエロー、キサントフィル(カプサンチン(capsanthin)、カプソルビン(capsorubin)又はルテイン)、及びクルクミン(curcumin)を挙げることができる。
【0035】
特に挙げることのできる、その他の天然産着色剤の例としては、花又は果実又はこれらの派生物由来のアントシアニン、天然の又は醗酵植物由来のフラボノイド及びタンニン、ユグロン、ローソン、醗酵大豆抽出物、海藻、真菌類又は微生物由来の抽出物、特許EP 1,172,091に記載されているような、位置3において置換されていないフラビリウム(Flavylium)塩、ゲスネリアフルゲンス(Gesneria fulgens)、ブレカムプロセラム(Blechum procerum)又はサクシフラガ(Saxifraga)の抽出物、及びモナスカス(Monascus)型の微小菌(micromycetes)の培地の有機又は水性-有機溶媒によって抽出することによって得ることのできる顔料を挙げることができる。
列挙可能な、合成着色剤の例は、合成油溶性着色剤、例えばDCレッド(Red) 17、DCレッド21、DCレッド27、DCグリーン(Green) 6、DCイエロー(Yellow) 11、DCバイオレット(Violet) 2及びDCオレンジ(Orange) 5を包含する。
列挙可能な、合成水溶性着色剤の例は、FDCレッド(Red) 4、DCレッド6、DCレッド22、DCレッド28、DCレッド30、DCレッド33、DCオレンジ4、DCイエロー5、DCイエロー6、DCイエロー8、FDCグリーン(Green) 3、DCグリーン5及びFDCブルー(Blue) 1を包含する。
【0036】
化粧学的に許容される媒体
上記用語「化粧学的に許容される媒体」とは、ヒトのケラチン物質に対して適用することのできる無害な媒体を表す。
この化粧学的に許容される媒体は、該組成物を適用すべき表面の性質及び該組成物を包装しようとする形状に適合すべきである。
本発明の組成物は、水性媒体相及び/又は脂肪相を含むことができる。
水性又は脂肪相
該組成物は、水又は水と親水性有機溶媒、例えばアルコール及び特に2〜5個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐した低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール又はn-プロパノール、ポリオール、例えばグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール又はペンチレングリコール、及びポリエチレングリコールとの混合物を含むことができる。
【0037】
該親水性相は、C2エーテル及び親水性C2-C4アルデヒドをも含むことができる。
水又は水と親水性有機溶媒との混合物は、本発明の組成物中に、該組成物の全質量を基準として、0〜90質量%、特に0.1〜90質量%なる範囲、好ましくは0〜60質量%、特に0.1〜60質量%なる範囲の含有率で存在する。
該組成物は、また脂肪相、特に25℃にて液体状態にある脂肪及び場合により周囲温度にて固体状態にある脂肪、例えばワックス、ペースト状の脂肪、ガム、及びこれらの混合物によって構成される、脂肪相を含むことができる。
【0038】
本発明において使用でき、特に列挙できる、通常「オイル」と呼ばれる、周囲温度にて液体状態にある脂肪は、以下の通りである:炭化水素-含有植物オイル、例えば4〜10個の炭素原子を含む脂肪酸の液状トリグリセライド、例えばヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセライド;ヒマワリ種子油、コーン油、大豆油、グレープシードオイル、ゴマ油、杏種子油、マカダミアナッツ油、カスターオイル、又はアボカド種子油;カプリルサン/カプリン酸トリグリセライド、ホホバ油、シアナッツバターオイル;無機又は合成起源の直鎖又は分岐鎖炭化水素、例えばパラフィン油、特にC8-C16イソパラフィン、例えばイソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、ワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばパーリアム(PerleamTM)、スクアラン、合成エステル及びエーテル、特に脂肪酸、例えばパーセリン(Purcellin)油、イソプロピルミリステート、2-エチルヘキシルパルミテート、2-オクチルドデシルステアレート、2-オクチルドデシルエルケート、イソステアリルステアレート;ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート、脂肪アルコールヘプタノエート、オクタノエート又はデカノエート;ポリエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエート;及びペンタエリスリトールエステル;12〜26個の炭素原子を含む脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、又はオレイルアルコール;部分的に炭化水素化された又はシリコーン化された、フッ素化オイル;シリコーンオイル、例えば周囲温度にて液体又はペーストであり得る、揮発性又は不揮発性の、線状又は環式ポリメチルシロキサン(PDMS)、例えば場合によりフェニル基を持つ、シクロメチコーン又はジメチコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチルジメチル-トリシロキサン、ジフェニルジメチコーン、フェニルジメチコーン、ポリメチルフェニルシロキサン;及びこれらの混合物。
【0039】
該オイルは、該組成物全質量に対して、0.01〜90質量%なる範囲内の量で存在し得る。
本発明の組成物は、また生理的に許容される、1又はそれ以上の有機溶媒を含むこともできる。親油性であり得る、該溶媒(1又は複数)は、該組成物全質量に対して、0〜90質量%なる範囲、好ましくは0〜60質量%なる範囲、より好ましくは0.1〜30質量%なる範囲内の量で存在し得る。
この媒体は、液状有機相を含むことができ、そこには水が、分散又は乳化されている。
該組成物は、また連続する脂肪相を持つこともでき、該脂肪相は、その全質量に対して、5%未満の水、特に1%未満の水を含むことができ、また特にこれは無水状態であってもよい。
【0040】
フィルム-形成剤
該媒体は、フィルム-形成剤、特にフィルム-形成ポリマーを含むことができる。
この「フィルム-形成剤」なる用語は、単独で、又は補助的なフィルム-形成剤の存在下において、ケラチン物質に付着する、巨視的に連続なフィルムを形成し得る薬剤を意味し、該連続フィルムは、好ましくは凝集性のフィルム、より一層好ましくはその凝集性及び機械的な諸特性が、例えば該フィルムを非-粘着性の表面、例えばテフロン(登録商標)-被覆又はシリコーン-被覆表面に流し込むことによって製造した場合には、該フィルムの単離を、あるいは単離処理を可能とするような、フィルムである。
該組成物は、水性相を含むことができ、また該フィルム-形成ポリマーは、該水性相中に存在することができる。この薬剤は、分散状態又は溶解した状態にあるポリマーであり得る。
該組成物は油相を含むことができ、また該フィルム-形成ポリマーは、該油相中に存在し得る。このポリマーは、従って分散状態又は溶解した状態で存在し得る。
使用かつ列挙できる該フィルム-形成ポリマーの例は、ラジカル重合型の、あるいは重縮合型の合成ポリマー、及び天然起源のポリマー及びこれらの混合物である。
該ラジカル重合型のフィルム-形成ポリマーは、特にビニルポリマー又はコポリマー、特にアクリル系ポリマーであり得る。
【0041】
列挙できるフィルム-形成重縮合体は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリアミド、エポキシエステル樹脂、及びポリウレアを包含する。
該ポリエステルは、公知の方法で、二塩基性カルボン酸とポリオール、特にジオールとの重縮合によって得ることができる。
該ポリエステルアミドは、ポリエステルと同様な方法で、二塩基性の酸とジアミン又はアミノアルコールとの重縮合によって得ることができる。
列挙できる油溶性フィルム-形成ポリマーの例は、ビニルエステルコポリマー(そのビニル基が、直接該エステル基の酸素原子に結合しており、かつ該ビニルエステルは、炭素原子数1〜19の、飽和状態にある、直鎖又は分岐した、該エステル基のカルボニル基に結合している炭化水素基を持つ)であって、該コポリマーはビニルエステルと、少なくとも一つの他のモノマー(既に存在するビニルエステルとは異なるもの)、オレフィン(8〜28個の炭素原子を含む)、アルキルビニルエーテル(そのアルキル基は、2〜18個の炭素原子を含む)又はメタアリルエステル(炭素原子数1〜19の、該エステル基と結合している、飽和状態にある、直鎖又は分岐した、炭化水素基を持つ)とのコポリマーである。
【0042】
該コポリマーは、ビニル型又はアリル型若しくはメタアリル型のものであり得る、架橋剤、例えばテトラアリルオキシエタン、ジビニルベンゼン、ジビニルオクタンジオエート、ジビニルドデカンジオエート又はジビニルオクタデカンジオエートを用いて架橋することができる。
列挙できるこの種のコポリマーの例は、以下の通りである:酢酸ビニル/アリルステアレート、酢酸ビニル/ビニルラウレート、酢酸ビニル/ビニルステアレート、酢酸ビニル/オクタデセン、酢酸ビニル/オクタデシルビニルエーテル、プロピオン酸ビニル/アリルラウレート、プロピオン酸ビニル/ビニルラウレート、ビニルステアレート/1-オクタデセン、酢酸ビニル/1-ドデセン、ビニルステアレート/エチルビニルエーテル、プロピオン酸ビニル/セチルビニルエーテル、ビニルステアレート/酢酸アリル、ビニル2,2-ジメチルオクタノエート/ビニルラウレート、アリル2,2-ジメチルペンタノエート/ビニルラウレート、ビニルジメチルプロピオネート/ビニルステアレート、アリルジメチルプロピオネート/ビニルステアレート、0.2%のジビニルベンゼンで架橋したプロピオン酸ビニル/ビニルステアレート、0.2%のジビニルベンゼンで架橋したビニルジメチルプロピオネート/ビニルラウレート、0.2%のテトラアリルオキシエタンで架橋した酢酸ビニル/オクタデシルビニルエーテル、0.2%のジビニルベンゼンで架橋した酢酸ビニル/アリルステアレート、0.2%のジビニルベンゼンで架橋した酢酸ビニル/オクタデセン-1及び0.2%のジビニルベンゼンで架橋したプロピオン酸アリル/アリルステアレート。
【0043】
該フィルム-形成ポリマーは、また架橋されたポリオルガノシロキサンポリマーである、シリコーンオイルに対して、一般的に可溶性又は膨潤性の、シリコーン樹脂から選択することもできる。
該フィルム-形成ポリマーは、また一般にラテックス又は擬似ラテックスとして知られる、水性相又は非水性溶媒相に分散した粒子として、該組成物中に存在し得る。該分散液の製造技術は、当業者には周知である。
本発明の組成物は、該フィルム-形成ポリマーによるフィルムの形成を促進する、可塑剤を含むことも可能である。このような可塑剤は、所定機能の実行を可能とする、当業者には周知のあらゆる化合物から選択することができる。
明らかに、ポリマーのこのリストは、網羅的なものではない。
【0044】
フィラー
本発明の組成物は、フィラー、特に無色のフィラーを該媒体中に含むことができる。
該用語「フィラー」とは、該組成物を製造した温度とは無関係に、該組成物の該媒体に対して不溶性の、任意の形状を持つ粒子を意味する。これらフィラーは、特に、該組成物のレオロジー又はテクスチャーを改善するように機能し得る。
列挙可能なフィラーの例は、特にタルク、マイカ、シリカ、カオリン、及びポリアミド(例えば、アトケム(Atochem)社から入手できるナイロン(NylonTM)又はオルガゾル(OrgasolTM))粉末を含む。
本発明の幾つかの態様において、該フィラーは、該媒体中で白色又は無色であり得る。該媒体中で白色のフィラーよりも、無色フィラーを、該媒体中で使用することが好ましい。
特に列挙することのできる、該媒体中で無色のフィラーの例は、マイカ、及び熱可塑性材料の粉末、ポリアミド(例えば、アトケム社のナイロン(登録商標)又はオルガゾル(登録商標)等)粉末、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)粉末である。
【0045】
特に列挙することのできる、該媒体中で白色のフィラーの例は、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、カオリン、シリカ、及び硫酸マグネシウムである。
該フィラーの含有率は、赤色ハイライトの原因となる該干渉現象を、何等阻害しないように選択すべきである。
活性薬剤及び他の化合物
本発明の化粧料組成物は、また1種又はそれ以上の化粧学的、皮膚科学的、衛生学的又は薬学的活性成分を含むこともできる。
本発明の組成物において使用できる、化粧学的、皮膚科学的、衛生学的又は薬学的活性成分としては、モイスチャーライザ(ポリオール、例えばグリセリン)、ビタミン類(C、A、E、F、B又はPP)、必須脂肪酸、精油、セラミド、スフィンゴ脂質、脂溶性又はナノ粒子形状のサンスクリーン、及び特別な皮膚-手当て用の活性成分(保護剤、抗菌剤、シワ取り剤等)を挙げることができる。これら活性成分は、該組成物の全質量に対して、例えば0.001〜15質量%なる範囲の濃度で使用することができる。
本発明の化粧料組成物は、化粧料において通常使用されている幾つかの成分、例えば増粘剤、界面活性剤、オリゴ-元素(oligo-elements)、モイスチャーライザ、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、香料、酸性化又は塩基性化剤、保存剤、酸化防止剤、及びUV-遮断剤、又はこれらの混合物をも含むことができる。
意図した型の用途に応じて、該化粧料組成物は、また考察中の分野において通常使用される成分を含むことができ、これらは、所定のガレノス製剤の形状に適した量で存在する。
【0046】
揮発性成分
本発明の組成物は、少なくとも1種の水性溶媒又は有機溶媒、特に揮発性有機溶媒を含むことができる。
本明細書において使用する該用語「揮発性溶媒」とは、周囲温度において液体であり、周囲温度及び大気圧下においてゼロでない蒸気圧、特に0.13Pa(パスカル)〜40,000Pa(10-3〜300mmHg)なる範囲、及び好ましくは1.3〜13,000Pa(0.01〜100mmHg)なる範囲、及びより好ましくは1.3〜1,300Pa(0.01〜10mmHg)なる範囲の蒸気圧を示す、溶媒を意味する。
該第一の組成物は、揮発性のオイルで構成される、少なくとも1種の揮発性溶媒を含むことができる。
該オイルは、シリコン化されたオイル又は炭化水素化されたオイルであり得、あるいはこのようなオイルの混合物を含むことができる。
【0047】
本明細書で使用する該用語「シリコン化(された)オイル」とは、少なくとも一つの珪素原子を含む、及び特に少なくとも一つのSi-O基を含むオイルを意味する。
該用語「炭化水素化(された)オイル」とは、主として水素及び炭素原子を含み、また場合により酸素、窒素、硫黄、及び/又はリン原子をも含むことができるオイルを意味する。
該揮発性の炭化水素化オイルは、8〜16個の炭素原子を持つ、特にC8-C16の分岐したアルカン(イソパラフィンとも呼ばれる)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとも呼ばれる)、イソデカン、イソヘキサデカン、及びアイソパー(IsoparsTM)又はパーメチル(PermethylsTM)等の名称の下に市販されているオイルから選択することができる。
【0048】
同様に使用できる揮発性オイルは、揮発性のシリコーン、例えば揮発性の直鎖又は環式のシリコーンオイル、例えば特に8 cSt(センチストークス)(8×10-6 m2/sec)なる粘度を持ち、また特に2〜10個、及び特に2〜7個の珪素原子を持つオイルであり、該シリコーンは、場合により1〜10個の炭素原子を持つアルキル又はアルコキシ基を含むことができる。本発明において、列挙可能な、適当な揮発性シリコーンオイルは、特に5〜6 cSt(5〜6×10-6 m2/sec)なる粘度を持つジメチコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びこれらの混合物である。
以下の一般式(I)で表される、揮発性のアルキルトリシロキサン線状オイルを挙げることもできる:
【0049】
【化1】

ここで、Rは2〜4個の炭素原子を持つアルキル基を表し、その水素原子の1又はそれ以上は、フッ素又は塩素原子で置換することができる。
列挙可能な該一般式(I)のオイルは、以下の通りである:
・3-ブチル1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン;
・3-プロピル1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン;
・3-エチル1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン。
これらは、上記式(I)において、Rが、夫々ブチル、プロピル又はエチル基であるオイルに対応する。
フッ素化揮発性オイル、例えばノナフルオロメトキシブタン又はパーフルオロメチルシクロペンタン、及びこれらの混合物を使用することも可能である。
一例として、本発明の組成物は、該組成物の全質量に対して、0.01〜95質量%なる範囲の揮発性オイルを含むことができる。
【0050】
該組成物は、以下に列挙するものから選択される、少なくとも一つの有機溶媒を含むことができる:
・周囲温度にて液体であるケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、又はアセトン;
・周囲温度にて液体であるアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、ジアセトンアルコール、2-ブトキシエタノール、又はシクロヘキサノール;
・周囲温度にて液体であるグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、又はグリセロール;
・周囲温度にて液体であるプロピレングリコールエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルのアセテート、又はジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル;
・短鎖エステル(全体として3〜8個の炭素原子を含む)、例えば酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸n-ブチル、又は酢酸イソペンチル;及び
・周囲温度にて液体であるアルカン、例えばデカン、ヘプタン、ドデカン、又はシクロヘキサン。
【0051】
本発明の組成物は、また水又は水と、化粧料において通常使用されている親水性の有機溶媒、例えばアルコール、特に直鎖又は分岐鎖の、2〜5個の炭素原子を含む、低級モノアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール又はn-プロパノール、ポリオール、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール、又はポリエチレングリコールとの混合物を含むこともできる。該組成物は、また親水性のC2エーテル及びC2-C4アルデヒドを含むこともできる。該水又は水と親水性の有機溶媒との混合物は、該組成物の全質量に対して、0〜90質量%なる範囲、特に0.1〜90質量%なる範囲、及び好ましくは0〜60質量%なる範囲、より好ましくは0.1〜60質量%なる範囲の量で、該組成物中に存在できる。
【0052】
反射粒子
金属様光輝を持つ様々な反射性粒子が、3,000 cd・m-2以上、良好には4,000 cd・m-2以上、及び例えば5,000 cd・m-2以下の強度を持つ、ハイライトを生成するのに十分に高い、反射性を示すものと、考えることができる。
赤色干渉性顔料の質量m1対反射性粒子の質量m2の比m1/m2は、0.1〜1.5なる範囲内の値であり得る。
該粒子のサイズは、例えば10〜500μmなる範囲にあり、好ましくは10〜150μmなる範囲にある。該サイズは、有利には40μm以上であり得る。
該反射性粒子は、フレーク状であり得、結果としてその反射をより方向性の高いものとし、あるいはこれとは対照的に、該粒子は、より拡散性の反射を与えるために、実質的に球形状で存在することも可能である。
一例として、該反射性粒子は、金属様光輝を持ち、またこれらは、有利には少なくとも1種の金属又は金属酸化物で形成した、少なくとも1種の導電性の表面層を含む。
その形状とは無関係に、金属様光輝を持つ該反射性粒子は、場合により多層構造を持つことができ、多層構造を持つ場合、該粒子は、例えば好ましくは均一な厚みを持つ、特に反射性材料の、有利には金属化合物の少なくとも一つの層を持つことができる。
【0053】
金属様光輝を持つ該反射性粒子が、多層構造を持たない場合には、該粒子は、例えば少なくとも1種の金属化合物、例えば金属酸化物、特に合成によって得られる酸化鉄で作ることができる。
該反射性粒子が、多層構造を持つ場合には、該粒子は、例えば天然又は合成物質、特に合成物質を含むことができ、該合成物質は、反射性材料の少なくとも1つの層、特に少なくとも1種の金属化合物、例えば金属又は合金製の少なくとも一つの層で、少なくとも部分的に被覆されている。該支持体は、単一の材料又は多数の材料であり得、また該支持体は有機及び/又は無機物質であり得る。より具体的には、該支持体は、ガラス、セラミックス、黒鉛、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート、及びボロシリケート、合成マイカ及びこれらの混合物から選択することができるが、このリストは限定的なものではない。
【0054】
列挙可能な、金属層で被覆された無機支持体を含む反射性粒子の例は、銀で被覆されたボロシリケートの支持体を含む粒子である。フレーク形状にある、銀で被覆されたガラス支持体粒子は、トヤル(TOYAL)によって、商品名ミクログラスメタシャイン(MICROGLASS METASHINE) REFSX 2025 PSの下で市販されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金で被覆されたガラス支持体粒子は、同じ会社から、商品名クリスタルスター(CRYSTAL STAR) GF 550、GF 2525の下で市販されている。
その形状とは無関係に、金属様光輝を持つ該反射性粒子は、また少なくとも1種の金属酸化物の少なくとも一つの層で、少なくとも部分的に被覆された、合成支持体の粒子から選択することも可能であり、ここで該金属酸化物は、例えばチタンの酸化物、特にTiO2、鉄の酸化物、特にFe2O3、錫の酸化物、クロムの酸化物、硫酸バリウム及び以下の物質:MgF2、CrF3、ZnS、ZnSe、SiO2、Al2O3、MgO、Y2O3、SeO3、SiO、HfO2、ZrO2、CeO2、Nb2O5、Ta2O5、MoS2、及びこれらの混合物、及び合金から選択される。
【0055】
列挙可能なこのような粒子の例は、二酸化チタンで被覆した合成マイカ製支持体を含む粒子、又は褐色酸化鉄、酸化チタン、酸化錫、又はこれらの混合物の一種で被覆されているガラス粒子、例えばエンゲルハード(ENGELHARD)社によって、商品名レフレックス(REFLECKSTM)の下で市販されているものである。
金属様光輝を持つ反射性粒子の他の例は、その表面に金属化合物を示し、あるいは少なくとも一つの被覆された金属化合物を含み、その例示可能な例は、ニッポンシートガラス(NIPPON SHEET GLASS)社により、メタシャイン(METASHINETM) ME 2040 PS、メタシャインMC5090 PS、又はメタシャインMC280GP (2523)なる商品名の下に;エンゲルハード社によって、スフェリカルシルバーパウダ(SPHERICAL SILVER POWDERTM) DC 100、シルバーフレーク(SILVER FLAKETM) JV6、又はゴールドパウダ(GOLD POWDERTM) A1570なる商品名の下に;エナージーストラテジーアソシエーツ社(ENERGY STRATEGY ASSOCIATES INC.)によって、スターライトリフレクションズ(STARLIGHT REFLECTIONS FXMTM)なる商品名の下に;メドウブルックインベンションズ(MEADOWBROOK INVENTIONS)社によって、ブライトシルバー(BRIGHT SILVERTM) 1E 0.008X0.008なる商品名の下に;エッカート(ECKART)社によって、ウルトラミン(ULTRAMINTM)(アルミニウムパウダファインリビング(ALUMINUM POUDRE FINE LIVING)、及びコスメチックメタリックパウダビジョネールブライトシルバーシー(COSMETIC METALLIC POWDER VISIONAIRE BRIGHT SILVER SEATM)、コスメチックメタリックパウダビジョネールナチュラルゴールド(COSMETIC METALLIC POWDER VISIONAIRE NATURAL GOLDTM) (60314)、又はコスメチックメタリックパウダビジョネールハニー(COSMETIC METALLIC POWDER VISIONAIRE HONEYTM) (60316)なる商品名の下に提案されている粒子である。
【0056】
該金属様光輝を持つ反射性粒子は、例えば場合により銀又はアルミニウムで被覆された粒子と同様に、実質的に均等な様式で、可視スペクトルを反射することができ、結果的に、例えば該表面における金属化合物の種類に依存して、非-中性色(non-neutral)、黄色、ピンク、赤、ブロンズ、オレンジ、褐色、金及び/又は銅の光輝を持つ、金属光輝に導くことができる。
該金属様光輝を持つ反射性粒子は、該組成物中に、該第一の組成物の全質量を基準として、0.1〜60質量%なる範囲、具体的には1〜30質量%なる範囲、例えば3〜10質量%なる範囲の量で存在し得る。
反射性粒子が、コアを持つ多層構造を有する場合、該コアは、上記赤色干渉性顔料のコアと同一の材料で作ることができる。
【0057】
銀様の反射性顔料
この顔料は、実質的に均等な様式で、入射光のスペクトルを反射する。
列挙可能な銀様の反射性粒子の例は、エンゲルハード社によって、チミカスパークル(TIMICA SPARKLE) 110PTM、チミカシルクブランク(TIMICA SILKBLANC) 110WTM、フラメンコスーパーパール(FLAMENCO SUPERPEARL) 120 C+TM、チミカエキストララージスパークル(TIMICA EXTRA LARGE SPARKLE) 110STM、フラメンコパール(FLAMENCO PEARL) 110CTM、チミカパールホワイト(TIMICA PEARL WHITE) 110 ATM、チミカシルバースパークル(TIMICA SILVER SPARKLE) 5500/EP 94003TM、フラメンコサティンパール(FLAMENCO SSTIN PEARL) 3500TMなる商品名の下に市販されている銀様の反射性粒子;メルク(MERCK)社によって、ネイルシンプラチナ(NAILSYN PLATINUM) 60TM、キシロナシルバー(XIRONA SILVERTM)、バイロン(BIRON) LF 2000TM(ref. 117077)、チミロンスノーフレーク(TIMIRON SNOWFLAKE) MP 99TM(117470)、ローラスターピグメント(LOW LUSTRE PIGMENTTM)(17399)、チミロンダイアモンドクラスタ(TIMIRON DIAMOND CLUSTER) MP 149TM (17266)、チミロンウルトララスター(TIMIRON ULTRALUSTER) MP 111TM (117226)、チミロンパールシーン(TIMIRON PEARL SHEEN) MP 30TM (17216)、チミロンスーパーシルク(TIMIRON SUPER SILK) MP 1005TM (17203)なる商品名の下に市販されている銀様の反射性粒子;エッカート社によって、プレスティッジスパークリングシルバー(PRESTIGE SPARKLING SILVERTM) (35178)、プレスティッジスパークリングシルバースター(PRESTIGE SPARKLING SILVER STARTM) (35179)なる商品名の下に市販されている銀様の反射性粒子;サン(SUN)社により、サンシャインファインホワイト(SUNSHINE FINE WHITETM) (C80-3100)、サンシャイングリッターホワイト(SUNSHINE GLITTER WHITETM) (C80-3400)として市販されている銀様の反射性粒子;及びタイズー(TAIZHU)社により、KTZクラシックホワイト(KTZ CLASSIC WHITETM) (10-40μm)、KTZステラーホワイト(KTZ STELLAR WHITETM) (20-80μm)として市販されている銀様の反射性粒子を挙げることができる。
【0058】
着色された反射性粒子
該赤色干渉性顔料以外の、様々な着色反射性粒子をも意図しているが、これらは、3,000 cd・m-2以上、良好には4,000 cd・m-2以上、及び例えば5,000 cd・m-2以下の強度を持つ、ハイライトを生成するのに十分に高い、反射能を示すことを条件とする。
該粒子のサイズは、30μm以上、良好には40μm以上、有利には10%以内で、該赤色干渉性顔料のサイズと同程度のサイズを持ち、より均一なピクセル化(pixellization)効果を得る。特に、該サイズは、例えば30〜80μmなる範囲であり得る。
該着色反射性粒子は、該ハイライトの強度を測定するのに用いた測定条件の下で、上記の比色計を用いて測定した、該赤色干渉性顔料の主波長とは異なる、主波長、例えば580nm又はそれ以下を持つことができる。
該着色反射性顔料が、該赤色干渉性顔料と同様な材料でできたコアを持つことが有利であり得る。というのは、これにより、該反射性顔料が、10%以内で、同程度のハイライト強度を持つことが可能となるからである。
該表現「10%以内で、同程度の」とは、該反射性顔料のサイズ又はそのハイライト強度が、該赤色干渉性顔料のサイズ又はハイライト強度の、0.9〜1.1倍なる範囲にあることを示す。
【0059】
該着色反射性顔料の表面層は、該赤色干渉性顔料の表面層と同一の材料製であり得、特に該コアも同一の材料である場合には、該顔料は該表面層の厚みだけ異なっており、それによって例えば干渉現象によって、別の色を生成することが可能となる。
一例として、着色反射性顔料の割合は、該赤色干渉性顔料の割合の、0.1〜10倍なる範囲内にある。
10%以内で同様な割合の使用が、均一な効果の達成を可能とする。
該着色反射性顔料は、特にゴニオクロマチック真珠及び干渉性顔料から選択することができる。
該用語「真珠」とは、任意の形状の着色粒子を意味し、これは場合によって、ある種の軟体動物のシェル内で製造され、若しくは合成されるような、真珠光沢を持つものであり得、また干渉現象による「真珠箔」着色効果を示す。
真珠は、酸化鉄で被覆されたマイカチタン、ビスマスオキシクロリドで被覆されたマイカ、酸化クロムで被覆されたマイカチタン、有機着色剤、特に上記した型の有機着色剤で被覆されたマイカチタン、及びビスマスオキシクロリドを基本とする真珠顔料等の真珠顔料から選択することができる。これらは、またマイカ粒子であってもよく、その表面には、金属酸化物及び/又は有機着色物質の、連続する少なくとも2つの層が重層されている。
【0060】
より詳しくは、該真珠は、黄色、ピンク、赤、ブロンズ、オレンジ、褐色、金及び/又は銅の光輝を持つ色又は光輝を持つことができる。
本発明の組成物に導入するのに適した、また列挙可能な真珠の実例としての例は、エンゲルハード社によって市販されている、着色顔料:チミカスパークルゴールド(TIMICA SPARCLE GOLDTM)、クロワソンスパークルルージュ(CLOISONNE SPARCLE ROUGE) 450JTM、フラメンコスパークルゴールド(FLAMENCO SPARCLE GOLD) 220JTM、フラメンコスパークルグリーン(FLAMENCO SPARCLE GREEN) 820JTM、フラメンコスパークルオレンジ(FLAMENCO SPARCLE ORANGE) 320JTM、フラメンコスパークルブルー(FLAMENCO SPARCLE BLUE) 620JTM、クロワソンスパークルゴールド(CLOISONNE SPARCLE GOLD) 222JTM、クロワソンスパークルゴールド(CLOISONNE SPARCLE GOLD) 222JTM、クロワソンスパークルブルー-ルージュ(CLOISONNE SPARCLE BLUE-ROUGE) 650JTM、フラメンコスパークルバイオレット(FLAMENCO SPARCLE VIOLET) 520JTM、クロワソンスパークルカッパー(CLOISONNE SPARCLE COPPER) 350JTM、クロワソンスパークルブロンズ(CLOISONNE SPARCLE BRONZE) 250JTM、デュオクロムスパークル(DOUCROME SPARCLE) BY 226JTM、デュオクロムスパークル(DOUCROME SPARCLE) RY 224J/EP 98001TM、デュオクロムスパークル(DOUCROME SPARCLE) BR 426JTM、デュオクロムスパークル(DOUCROME SPARCLE) RB 624J/EP 98002TM、フラメンコスパークルレッド(FLAMENCO SPARCLE RED) 420JTM;メルク社により、市販されている着色顔料:チミロンダイアモンドクラスタ(TIMIRON DIAMOND CLUSTER) MP 149 (17266TM);タイズー(TAIZHU)社により、市販されている着色顔料:KTZウルトラシマー(ULTRA SHIMMERTM)である。
【0061】
磁性体
該表現「磁性体」とは、限定的に理解すべきではなく、ゼロでない磁化率を呈する、粒子、繊維、粒子及び/又は繊維の塊状物、任意の形状のものをカバーするものである。
本発明の組成物中の磁性体の濃度は、該干渉現象が出現して、赤色ハイライト部の生成を可能とするように、選択される。その濃度は、磁性体の種類及びその光の拡散に及ぼす影響の範囲に依存して、約0.05〜約50質量%なる範囲、例えば特に約0.1〜約40質量%なる範囲、良好には約1〜約30質量%なる範囲にある。
適用される該組成物は、磁性繊維又は他の非-球面体、例えば粒子の連鎖又は繊維の連鎖を含むことができる。
磁場が存在しない場合、該磁性体は、好ましくは如何なる残留磁性をも示さない。
【0062】
該磁性体は、磁場が永久磁石により発生したものであるか、誘導の結果であるかとは無関係に、該磁場のラインに対する感受性を示す任意の磁性材料を含むことができ、該材料は、ニッケル、コバルト、鉄、及びこれらの合金及び酸化物、特にFe3O4から選択され、同様に例えばガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、エルビウム、及びこれらの合金及び酸化物から選択される。該磁性材料は、「軟質」又は「硬質」型のものであり得る。特に、該磁性材料は、軟鉄であり得る。
該磁性体は、場合により磁性材料、例えば鉄、ニッケル、コバルト、及びこれらの合金及び酸化物、特に例えばFe3O4の少なくとも一つの層を含む多層構造を持つことができる。
該磁性体は、好ましくは例えば扁長形状を呈する、非-球形の形状にある。従って、該磁性体が、磁場の作用下に置かれた場合、これらは、該磁場ラインと整合して、その長手方向に沿って配向する傾向を持ち、またこれらは、該組成物の外観の変化をもたらす、配向における変化を被る。
【0063】
該磁性体が、実質的に球形の粒子である場合には、その外観は、好ましくは不均一であり、従って配向における変化が、外観における変化をもたらす。
その形状とは無関係に、該磁性体のサイズは、例えば1nm〜10mmなる範囲、好ましくは10nm〜5mmなる範囲、及びより好ましくは100nm〜1mmなる範囲、例えば0.5μm〜300μmなる範囲又は1〜150μmなる範囲であり得る。
該磁性体が、扁長形状を示さない、あるいはかなり小さな形状因子を持つ扁長形状を示す粒子である場合、該粒子のサイズは、例えば1mm未満である。
該磁性体は、例えば磁性顔料である。
【0064】
磁性顔料
特に適した顔料は、酸化鉄Fe3O4を含有する真珠である。その例として、磁性を示す顔料は、メルク社により、コロロナブラックスターブルー(COLORONA BLACKSTAR BLUE)、コロロナブラックスターグリーン(COLORONA BLACKSTAR GREEN)、コロロナブラックスターゴールド(COLORONA BLACKSTAR GOLD)、コロロナブラックスターレッド(COLORONA BLACKSTAR RED)、クロワソンヌアンティークスーパーグリーン(CLOISONNE NU ANTIQUE SUPER GREEN)、ミクロナマットブラック(MICRONA MATTE BLACK) (17437)、マイカブラック(MICA BLACK) (17260)、コロロナパチナシルバー(COLORONA PATINA SILVER) (17289)、及びコロロナパチナゴールド(COLORONA PATINA GOLD) (117288)なる商品名の下に市販されている顔料;あるいは実際にエンゲルハード社によって、フラメンコトワイライトレッド(FLAMENCO TWILIGHT RED)、フラメンコトワイライトグリーン(FLAMENCO TWILIGHT GREEN)、フラメンコトワイライトゴールド(FLAMENCO TWILIGHT GOLD)、フラメンコトワイライトブルー(FLAMENCO TWILIGHT BLUE)、チミカヌアンティークシルバー(TIMICA NU ANTIQUE SILVER) 110AB、チミカヌアンティークゴールド(TIMICA NU ANTIQUE GOLD) 212GB、チミカヌアンティークカッパー (TIMICA NU ANTIQUE COPPER) 340AB、チミカヌアンティークブロンズ(TIMICA NU ANTIQUE BRONZE) 240AB、クロワソンヌアンティークグリーン(CLOISONNE NU ANTIQUE GREEN) 828CB、クロワソンヌアンティークブルー(CLOISONNE NU ANTIQUE BLUE) 626CB、ジェムトンムーンストーン(GEMTONE MOONSTONE) G004、クロワソンヌアンティークレッド(CLOISONNE NU ANTIQUE RED) 424クローマ-ライト(CHROMA-LITE)、ブラック(BLACK) (4498)、クロワソンヌアンティークルージュフランブ(CLOISONNE NU ANTIQUE ROUGE FLAMBE) (コード440XB)、クロワソンヌアンティークブロンズ(CLOISONNE NU ANTIQUE BRONZE) (240XB)、クロワソンヌアンティークゴールド(CLOISONNE NU ANTIQUE GOLD) (222CB)、及びクロワソンヌアンティークカッパー(CLOISONNE NU ANTIQUE COPPER) (340XB)なる商品名の下に市販されている顔料である。
【0065】
同様に列挙可能な、本発明の組成物の処方に加えるのに適した、磁性顔料の例は、黒色酸化鉄粒子、例えばBASFによってシコビットヌワール(SICOVIT noir) E172なる商品名の下で市販されているものである。
該磁性顔料は、また金属の鉄、特に不活性化された軟鉄、例えば米国特許第6,589,331号に記載されている方法を実施することによりカルボニル鉄から得ることのできるものである。該特許の内容を、参考としてここに組入れる。該粒子は、酸化物表面層を含むことができる。
該磁性体は、フレーク形状をとることができる。
該磁性体のサイズは、10μm以下、あるいはまた1μm以下であり得る。
該磁性体のサイズは、また30〜80μmなる範囲内であり得、これは、該赤色干渉性顔料が、同程度のサイズを示す場合には、結果的に磁場の作用下で変動し得る、画素形成効果の達成を可能とする。
【0066】
磁性繊維
該用語「繊維」とは、一般には、例えば3.5〜2500なる範囲又は5〜500なる範囲、例えば5〜150なる範囲の形状因子を示す、扁長型の物体を意味する。該形状因子は、比:L/Dで定義され、ここでLは該繊維の長さであり、またDは該繊維の最大の断面に内接する円の径である。
一例として、該繊維の断面は、2nm〜500μmなる範囲、例えば100nm〜100μmなる範囲、あるいは1μm〜50μmなる範囲の径を持つ円を内接させることができる。
一例として、該繊維は、1μm〜10mmなる範囲、例えば0.1〜5mmなる範囲、あるいはさらに0.3〜3.5mmなる範囲の長さを持つことができる。
一例として、該繊維は、0.15〜30デニール(長さ9kmの糸の、グラム数で表した重さ)なる範囲、例えば0.18〜18デニールなる範囲の重さを示すことができる。
該繊維の断面は、任意の形状、例えば円形、又は多角形、特に四角、六角、又は八角形であり得る。
該組成物は、ばらばら又は相互に連結された、例えば編組状態にある、中実又は中空繊維を含むことができる。
【0067】
本発明の組成物は、例えば研磨によって鈍くされた及び/又は丸くした端部をもつ繊維を含むことができる。
該繊維の形状は、該組成物中に挿入する際に、大幅に改質する必要は無く、該繊維は、初期には直線状であり、かつその形状を維持するために十分に剛性である。一変形において、該繊維は、該組成物中で、これらが実質的に変形され得るように、可撓性を示すことができる。
該繊維は、100%までであり得る、ゼロでない量にて、軟質磁性物質、硬質磁性物質、特に鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、又はマンガン、及びこれらの合金並びに酸化物、特に例えばFe3O4、希土類元素、硫酸バリウム、モリブデンを含んでいてもよい鉄-珪素合金、Cu2MnAl、MnBi又はこれらの混合物(このリストは、限定的なものではない)を主成分とするものから選択される、磁性物質を含むことができる。
【0068】
該組成物が、磁性粒子を含有する繊維を含む場合、該磁性粒子は、該繊維の少なくとも表面に存在し、あるいは該繊維の表面のみに存在し、あるいは該繊維の内部のみに存在し、あるいはこれらは、例えば実質的に均一な様式で、該繊維内に分散されていてもよい。
一例として、各繊維は、非磁性のコアを含むことができ、その表面上には、多数の磁性粒子を有する。
各繊維は、また内部に分散された多数の磁性粒子を含む、合成マトリックスを含むこともできる。
適当な場合には、磁性粒子で満たされた合成物質自体を、非磁性の膜によって覆うこともできる。一例として、このような膜は、該磁性物質を、周囲環境から隔離するバリアを構成し、及び/又は該膜は色彩を与えることができる。各繊維は、一体式磁性コアを含むことができ、かつ非磁性の膜で覆うことができ、あるいは一体式非磁性コアを含むことができ、かつ磁性膜で覆うことができる。
【0069】
該組成物は、1種又はそれ以上のポリマー材料、特に熱可塑性及び/又はエラストマー樹脂を、押出し又は同時押出しすることによって作られた、繊維を含むことができる。該押出材料の一つは、分散された磁性粒子のフィラーを含むことができる。
各繊維は、ポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(PET);アセテート;ポリオレフィン、特にポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP);ポリ塩化ビニル(PVC);ポリエステルブロックアミド;可塑化されたリルサン(RilsanTM);エラストマー、特にポリエステルエラストマー、ポリエチレン(PE)エラストマー、シリコーンエラストマー、ニトリルエラストマー;又はこれら材料の混合物(このリストは限定的なものではない)から選択される、合成物質を含むことができる。
該組成物は、各々磁性コアを含む、複合繊維を含むことができ、該コアは、少なくとも部分的に、少なくとも1種の非磁性、合成、又は天然産の物質によって被覆されている。一例として、該磁性コアは、その周りを、非磁性物質製の膜を同時押出することによって、被覆することができる。
【0070】
あるいはまた、該コアは、ある別の方法で、例えばその場での重合によって、被覆することもできる。
該コアは、単一の片々であっても、又はマトリックス中に分散された磁性粒子のフィラーを含むこともできる。
該組成物は、また非磁性の、合成又は天然のコアを、磁性粒子で満たされた合成物質で被覆することにより得られる複合繊維を含むことができ、ここで該コアは、木材;レーヨン;ポリアミド;植物性物質;又はポリオレフィン、特にポリエチレン、ナイロン(NylonTM)、ポリイミド-アミド、又はアラミド(このリストは限定的なものではない)から作られた繊維で構成される。
該組成物は、また磁性複合粒子、特に磁性ラテックスを含むこともできる。
【0071】
磁性複合粒子
磁性複合粒子は、有機又は無機マトリックス及び磁性粒子によって構成される複合材料である。従って、その表面及び/又はその内部に、該磁性複合粒子は、磁性物質の粒子を含むことができる。該複合粒子は、有機又は無機マトリックスで覆われた、磁性コアにより、あるいは磁性マトリックスで覆われた、有機又は無機コアによって作ることができる。
該磁性複合粒子は、例えば上記磁性材料の一種を含む。
該磁性複合粒子のサイズは、例えば1nm〜1mmなる範囲、好ましくは100nm〜500μmなる範囲、及びより好ましくは500nm〜100μmなる範囲にある。該用語「サイズ(粒径)」とは、粒子集団の半分の、統計的粒子径分布によって与えられる、「D50」と呼ばれるサイズである。
2004年3月23日付のC. GOUBAULTによる論文(ここに参考として組入れる)は、その第1章において、磁性複合粒子の該課題に関する公知技術に言及しており、また該磁性複合粒子の製造において使用するのに適した製法、即ち該磁性粒子と該マトリックスとを別々に合成する方法、該マトリックスと接触した状態で、該磁性粒子を合成する方法、又は該磁性粒子の存在下で、該マトリックスを合成する方法を列挙している。
【0072】
キスカー(KISKER)は、シリカを含む無機-マトリックス複合粒子を販売している。ダイナル(DYNAL)、セラジン(SERADYN)、エスタポール(ESTAPOL)及びアデムテック(ADEMTECH)は、本発明において使用するのにも適している、有機-マトリックス磁性複合粒子を提案している。
より詳しくは、M1-070/60なる照会番号にて、エスタポール社は、ポリスチレンマトリックス中に均一に分散されたフェライト粒子によって構成される、磁性ラテックスを販売している。このラテックスは、65%の酸化鉄を含んでおり、該ポリスチレン粒子の平均粒径は、890nmであり、またこの材料の乾燥物質の質量基準での含有率は、10%である。
【0073】
フェロ流体(Ferrofluid)
本発明の組成物Pは、フェロ流体、即ち磁性粒子、特に磁性ナノ粒子の、安定なコロイド状懸濁液を含むことができる。
例えば、数十nmなる大きさのサイズを持つ該粒子を、界面活性剤又は分散剤によって、あるいは静電相互作用を利用して、溶媒(水、オイル、有機溶媒)に分散させる。
一例として、該フェロ流体は、フェライト又は他の磁性粒子を、ナノ粒子が得られるまで粉砕し、該粒子によって吸収され、かつ該粒子を安定化する、界面活性剤を含有する流体中に分散させることにより製造でき、あるいはまた該フェロ流体は、金属イオン溶液を、塩基性媒体中で沈殿させることにより製造することも可能である。
該フェロ流体の各粒子は、該粒子のサイズ、及び該磁性物質の性質によって決まる磁気モーメントを呈する。
磁場の作用下で、該粒子の磁気モーメントは、該磁場のラインに沿って配列する傾向にあり、該液体中に、ゼロでない磁化が表れる。磁場が取除かれると、ヒステリシスは見られず、また磁化はゼロまで降下する。
【0074】
磁場の閾値を越えると、該液体中における巨視的な変化、例えばピークの出現、又はレオロジー特性における変化を生じる可能性がある。
該用語「フェロ流体」は、また溶媒中にフェロ流体の液滴を含むエマルションをも包含する。従って、各液滴は、安定な懸濁液として、コロイド状の磁性粒子を含む。このことは、任意の型の溶媒中に、フェロ流体を含めることを可能とする。該フェロ流体中の、懸濁状態にある該磁性粒子のサイズは、例えば1nm〜10μmなる範囲、好ましくは1nm〜1μmなる範囲、及びより好ましくは1nm〜100nmなる範囲内であり得る。該用語「サイズ」とは、粒子集団の半分の、統計的粒子径分布によって与えられる、「D50」と呼ばれるサイズである。
特に例示できるのは、以下のような名称の下に、リキッドリサーチ社(Liquids Research LTD)によって市販されているフェロ流体である:
・WHKS1S9 (A、B、又はC):これは、径10nmの粒子を含む、マグネタイト(Fe3O4)を含有する、水性のフェロ流体である;
・WHJS1 (A、B、又はC):これは、径10nmのマグネタイト(Fe3O4)粒子を含む、イソパラフィンを主成分とするフェロ流体である;
・BKS25 デキストラン:これは、デキストランによって安定化された、径9nmのマグネタイト(Fe3O4)粒子を含む、水性のフェロ流体である。
【0075】
粒子及び/又は磁性繊維の連鎖
本発明の組成物は、1nm〜10mmなる範囲、例えば10nm〜5mmなる範囲、あるいは100nm〜1mmなる範囲、あるいはさらに0.5μm〜3.5mmなる範囲、例えば1μm〜150μmなる範囲の値であり得る最大寸法、例えば長さを持つ、粒子又は繊維の凝集体を含むことができる。
一例として、磁性粒子の連鎖は、刊行物「永続的に結合された単分散常磁性連鎖(Permanently linked monodispersed paramagnetic chains)」E.M. Furst, C. Suzuki, M. Fermigier, A.P. Gast, Langmuir, 1998, 14:7334-7336;「磁性粒子の懸濁液(Suspensions of magnetic particles)」M. Fermigier, A.Y. Grasselli, Bulletin of the SFP (105), 1996 (7月);及び「マイクロメカニカルセンサーとしての可撓性磁性繊維(Flexible magnetic filaments as micromechanical sensors)」C. Goubault, P. Jop, M. Fermigier, J. Baudry, E. Bertrand, J. Bibette, Phys. Rev. Lett., 2003, 91(26):260802-1〜260802-4 (2003)に記載されているように、コロイド状磁性粒子を組立てることによって、得ることができる。該刊行物の内容を、参考としてここに組入れる。
【0076】
特に、これらの論文は、表面に官能基を持つ酸化鉄粒子を含む、ポリスチレンマトリックスを含有し、また化学反応に従って、永続的に一緒に結合した、特に隣接粒子の表面間で共有結合した、磁性ラテックス粒子の連鎖を得るためには、どのように進めるべきかを記載しており、また物理的な相互作用によって一緒に結合した、フェロ流体-エマルション液滴の連鎖を得る方法も、記載されている。このようにして得た、永久的な連鎖の長さ及び径は、調節することができる。このような磁性連鎖は、磁場の作用下で、配向させ、また置換えることのできる、異方性の磁性物体を構成する。
該磁性連鎖の寸法は、上記磁性繊維のものと同一の条件を満足することができる。
X-クローム(Xchrome)着色剤
上記のように、該X-クローム着色剤は、これが少なくとも一つの状態を取るように選択することができ、該状態において、該着色剤は、赤色又は該赤色干渉性顔料との干渉により生成される色に近い色、あるいはこれとは対照的な、異なる色を発生する。
該用語「〜に近い色」とは、その主波長が、実質的に同じであり、上記の像形成比色計で測定した場合に、580nm〜650nmなる範囲にあるものを意味する。
【0077】
該X-クローム着色剤は、また一つの状態において、該干渉性顔料の表面層における吸収によって発生する色に近い色を帯びるように選択することができる。これは、該着色剤の状態が変化した場合に、観測者の注意を、該赤色のハイライトに向けさせるために、該干渉性顔料を、該バックグラウンド色中に埋め込むことを可能とする。
これらは、フォトクロミック着色剤であり得る。
フォトクロミック着色剤
一般に、フォトクロミック着色剤は、これが紫外光で照明された、又は照明されなかった場合に、色相を変化して、最早光で照明されていない、又は照明された場合に、その初期の色を再現する特性を持つ、あるいは非着色状態から着色状態に移行し、若しくはその逆の変化を示す着色剤である。換言すれば、このような薬剤は、このものが、所定量のUV輻射を含む光で照明されたか否かに依存して、異なる色相を持つ。
【0078】
低強度の光の存在下で、該フォトクロミック着色剤は、実質的に非着色状態をとり、結果として該赤色のハイライトの強度が、該フォトクロミック着色剤によって不当に減衰されることがないようにすることができる。
高強度の照明の存在下で、該フォトクロミック着色剤は、着色状態、例えば暗い色相又は赤色の状態をとって、該赤色のハイライトの強度を減衰することができ、従ってこれは低強度の照明の存在下での明度よりも低い明度として現れる可能性がある。この効果は、該観測者を驚嘆させる可能性があり、またそのメイクアップを特に魅力的なものとする可能性がある。
該フォトクロミック着色剤は、少なくとも5なる差異ΔEを持つことができる。ΔEは、該フォトクロミック物質において観測される、その励起状態、即ちUV輻射の存在下における状態と、その非-励起状態、即ちUV輻射の不在下における状態との間の色相における差異を表す。
【0079】
米国特許出願US-A-2004/0228818に記載されているフォトクロミック剤の例、特にこの文献に提示されているテストを用いて測定されたような、5を越えるΔEを持つものを、有用な参考として挙げることができ、その内容を、参考としてここに組入れる。
フォトクロミック着色剤の例は、以下の式(I)を持つ、2H-ナフト-[2,1-b]-ピラン型又は以下の式(II)を持つ、3H-ナフト-[2,1-b]-ピラン型のナフトピラン誘導体である:
【0080】
【化2】

ここで、R1は、(i) 水素原子;(ii) 1〜30個の炭素原子を持ち、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含み、及び/又は場合によりハロゲン化された、又はパーハロゲン化された、直鎖又は分岐した、あるいは環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基;(iii) 結合「f」又は「gh」の一方と基R7とで形成される炭化水素環;又は(iv) -COOR4、-C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4、及びSR4から選択される基、ここでR2及びR3は、各々独立に、1〜20個の炭素原子を持ち、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、直鎖又は分岐した、あるいは環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基を表し、あるいはこれらが結合している窒素原子と共に、3〜10個の炭素原子を持ち、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個の他のヘテロ原子を含む、飽和又は不飽和の炭化水素ヘテロ環を表し、該環は、場合により1〜20個の炭素原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、直鎖又は分岐した、あるいは環式の、飽和又は不飽和の、少なくとも一つの炭化水素基で置換されており;R4は、1〜20個の炭素原子を含み、及び/又は場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、直鎖又は分岐した、あるいは環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基を表し;
R5及びR6は、各々独立に、以下に列挙するものから選択される基を表し:
(i) 以下の式(IIA)又は(IIB)を持つ飽和環式アミノアリール基:
【0081】
【化3】

ここで、N及びXを含む該環は、窒素原子を含めて、全体で3〜30個の原子を含む、飽和環であり、該窒素以外の原子は、炭素原子及び/又はO、S、Si、Pから選択されるヘテロ原子であり、及び/又はNH、よび-NRから選択される基を表し、ここでRは、1〜20個の炭素原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、直鎖、分岐、又は環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基を表し;
(ii) 以下の式(III)を持つインドリノアリール基:
【0082】
【化4】

ここで、R10及びR11は、各々独立に、以下に示す基から選択され:(i) 1〜30個の炭素原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含み、及び/又は場合によりハロゲン化された、又はパーハロゲン化された、直鎖、分岐、又は環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基;(ii) ハロゲン原子;(iii) -CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO2(ニトロ)基;(iv) 水素原子;(v) -(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4、及びSR4から選択される基、ここでR2、R3及びR4は、上に与えたものと同一の意味を持ち;(vi) 基R10及びR11は、一緒に、全体で5〜8個の原子(該インドリン環の原子を含む)を含む、飽和又は不飽和の炭化水素環を形成することができ、該原子は、C、O、S及び/又はNR(ここで、RはH又は1〜20個の炭素原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、直鎖、分岐、又は環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基を表す)から選択される;
(iii) 以下の式(IV)をもつ基:

【0083】
【化5】

ここで、m及びpは、独立に、2〜5なる範囲内の整数であり;
(iv) 以下の式(VA)、(VB)又は(VC)で表される不飽和環式アミノアリール基:
【0084】
【化6】

ここで、R8及びR9は、各々独立に、以下に示す基から選択され:(i) 1〜30個の炭素原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含み、及び/又は場合によりハロゲン化された、又はパーハロゲン化された、直鎖、分岐、又は環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基;(ii) ハロゲン原子;(iii) -CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO2(ニトロ)基;(iv) 水素原子;(v) -C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4、及びSR4から選択される基、ここでR2、R3及びR4は、上に与えたものと同一の意味を持つ;
(v) 1〜30個の炭素原子を含み、場合によってN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、直鎖、分岐、又は環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基;及び特に-CONR2R3、-C6H4-NR2R3、及びC6H4-OR4から選択される基、ここでR2、R3及びR4は、上に与えたものと同一の意味を持つ;
R7は、以下に列挙する基から選択される:(i) 1〜30個の炭素原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含み、及び/又は場合によりハロゲン化された、又はパーハロゲン化された、直鎖、分岐、又は環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基;(ii) ハロゲン原子;(iii) -CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO2(ニトロ)基、-N=N-(アゾ)、=NH(イミノ)、-CONH2(アミド)基;(iv) 水素原子;(v) -C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4、及びSR4から選択される基、ここでR2、R3及びR4は、上に与えたものと同一の意味を持ち;(vi) 基R7は、またR1と共に、「i」、「j」、「k」又は「g,h」結合の一つと一緒に、あるいはR1と共に、「f」結合と一緒に、全体として3〜8個の原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、飽和炭化水素環を形成することができ;
【0085】
R'1は、以下に列挙するものから選択される基を表し:(i) 水素原子;(ii) 1〜30個の炭素原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含み、及び/又は場合によりハロゲン化された、又はパーハロゲン化された、直鎖、分岐又は環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基;(iii) -C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4、及びSR4から選択される基、ここでR2、R3及びR4は、上に与えたものと同一の意味を持つ;
R'2は、以下に列挙するものから選択される基を表し:(i) 1〜30個の炭素原子を含み、場合によりN、O、S、Si、及びPから選択される1〜5個のヘテロ原子を含み、及び/又は場合によりハロゲン化された、又はパーハロゲン化された、直鎖、分岐、又は環式の、飽和又は不飽和の炭化水素基;(ii) ハロゲン原子;(iii) -CN(ニトリル)、-COOH(カルボキシレート)、-NO2(ニトロ)基、-N=N-(アゾ)、=NH(イミノ)、-CONH2(アミド)基;(iv) 水素原子;(v) -C(O)NR2R3、-NR2R3、-OR4、及びSR4から選択される基、ここでR2、R3及びR4は、上に与えたものと同一の意味を持つ。
列挙可能なフォトクロミック剤の更なる例は、以下の式を持つジアリールエテン及びその誘導体:
【0086】
【化7】

・以下の式で表されるジヒドロアズレン/ビニルヘプタフルベン及びその誘導体:
【0087】
【化8】

・以下の式を持つスピロナフトキサジン(spyronaphthoxazine)及びその誘導体:
【0088】
【化9】

該フォトクロミック剤は、有機又は無機化合物であり得る。該フォトクロミック剤が、有機化合物である場合、その色彩変化は、一般的により迅速かつ強力であり得る。
列挙可能なフォトクロミック剤の例は、300nm〜360nmなる範囲の波長を持つUV輻射光によって活性化した場合に、可逆的に色彩を変化させる、PPG社からのフォトゾル(PhotosolTM)、J. ROBINSON社からのリバーサコル(ReversacolTM)、及びCATALYST & CHEMICALS社からのフォトゲニカ(PhotogenicaTM)である。
サーモクロミック剤
サーモクロミック剤は、温度の関数として色彩を変えることのできる顔料又は着色剤である。
該サーモクロミック剤は、例えば温度が所定の値、例えば約15℃又は約30℃を越えると、該サーモクロミック剤の性質に依存して、失われる色彩を持つ。
該サーモクロミック剤は、溶媒を含むポリマー製のカプセルを含むことができ、該溶媒は、それが溶融状態にあるか否かに依存して、化合物と接触して、その光吸収特性の変更を可能とする。
該色彩変化は、可逆的である。
一例として、KROMACHEM LTDによりクロマファースト(KromafastTM)イエロー5GX(Yellow)5GX 02なる商品名の下に市販されている、あるいはCHROMAZONEからの、粉末又は分散液としての、クロマゾン(ChromazoneTM)又はサーモバッチ(ThermobatchTM)又はサーモスター(ThermostarTM)を使用することが可能である。
【0089】
ピエゾクロミック(piezochromic)及びトリボクロミック(tribochromic)剤
ピエゾクロミック剤は、機械的な力の存在下で色彩を変えることができる。
列挙可能なピエゾクロミック剤の例は、ジフェニルフラビレン(diphenylflavylene)である。
トリボクロミック剤は、ピエゾクロミック剤に見られるよりも一層持続的に、機械的な力の存在下で、色彩を変えることができる。
これについては、国際特許出願WO-A-94/26729を参照することができる。その内容を、参考としてここに組入れる。
メカノルミネッセンス剤
これらの薬剤は、機械的な応力、例えば圧縮力、剪断力、又は摩擦力の作用を受けた場合に、光を発することのできるものである。
該メカノルミネッセンス剤は、好ましくは化粧料用の媒体に不溶性の、粒子形状にある。その平均粒径は、例えば0.01〜50μmなる範囲、及び好ましくは0.1〜10μmなる範囲内にある。
【0090】
列挙可能なメカノルミネッセンス物質は、以下の通りである:
a) ランタノイドの錯体及びキレート、例えば刊行物:US-A-6,071,632、US-A-2002/0015965及びWO-A-09/016429に記載されているもの:これら刊行物の内容をここに参考として組入れる。該希土類元素は、好ましくはユウロピウム、テルビウム、サマリウム、及びジスプロシウムから選択される。これら材料において、ジケトンを、三価ランタノイド塩に対するリガンドとして使用する。これら材料は、有機媒体中にある。
b) 希土類元素イオンでドープした、アルミネート、シリケート及びアルミノシリケート、例えばUS-A-6,280,655、EP-A-01318184、JP-A-2002/194349、JP-A-2004/59746に記載されているもの:これら刊行物の内容をここに参考として組入れる。特に、(Sr, Mg, Ba, Zn, Ca)Al2O4、(SrLa, SrY)Al3O7、(Sr2, SrMg, SrCa, SrBa)Al6O11、Sr2(Mg, Al)(Al, Si)SiO7、Sr(Zn, Mn, Fe, Mg)Si2O6。該括弧内に示された元素は、部分的に又は完全に互換的である。希土類イオン、例えばセリウム、ユウロピウム、サマリウム、ネオジム、ガドリニウム、ジスプロシウム及びテルビウムは、単独で又は混合物として使用することができる。ユウロピウム及びジスプロシウムが好ましい。
【0091】
c) 場合により遷移金属イオン又は希土類元素イオンでドープした、硫化亜鉛、硫化マンガン、硫化銅、硫化カドミウム又は酸化亜鉛、例えば刊行物:US-A-6,117,574及びJP-A-2004/43656に記載されているもの:これら刊行物の内容をここに参考として組入れる。好ましい遷移金属イオンは、銅又はマンガンイオンである。好ましい希土類元素イオンは、ユウロピウム及びセリウムイオンである。これら物質の中では、ZnS:Mnが好ましい。
上記b)及びc)に掲載した物質は、乾式混合後、熱処理及び高温焼結処理を含む固相反応により、あるいは乾燥、加熱及び焼結処理を伴う、ゾル-ゲル法によって合成することができる。一例として、該焼結温度は、1,000℃を越える。
上記b)に掲載した物質が、好ましい。中でも、特に希土類金属でドープした、SrAl2O4及びSrMgAl10O17が好ましい。
希土類金属イオンでドープした、メカノルミネッセンス物質SrAl2O4は、タイコリフラクトリーズ社(TAIKO Refractories Co., Ltd.)によって、照会名タイコ(TAIKO)-M1-1として市販されている。この顔料の粒子は、5〜10μmなる範囲の径を有し、また弱い機械的な応力の作用下で、緑色発光性を持つ。
【0092】
ソルバトクロミック(solvatochromic)剤
ソルバトクロミック剤は、溶媒の存在下で色彩を変えることができる。DCレッド27は、その一例であり、この化合物は、無水処方中では、色彩を持たず、水を加えるとピンク色を発現する。
ガレノス製剤
本発明の化粧料組成物は、該赤色のハイライトを保存することを条件として、通常局所塗布のために使用される、任意のガレノス製剤型、特に無水形状、油性又は水性溶液としての、固体又は半固体形状、油性又は水性ゲル、水中油型又は油中水型エマルション、多層エマルション、オイル/水界面に位置するビヒクルによる水中油型分散液、マスプレイであり得る。
本発明の化粧料組成は、特にメイクアップ製品、リップスティック、リキッドグロス(liquid gloss)、リップスティックペースト、頬紅、リップペンシル、ファンデーション、コンシーラ(concealer)又はアイコンツール(eye contour)製品、アイライナー、マスカラ、ネイルポリッシュ(nail polish)、アイシャドウ、又はボディー又はヘアメイクアップ製品を作ることができる。
本発明の組成物は、従来の化粧料の製造方法を用いて、得ることができる。
【0093】
包装及び適用形式
本発明の組成物は、任意の容器に収容し、又はこの目的のために与えられた任意の表面上に収容できる。
本発明の組成物は、固体形状、特にケーキ又はパール(pearls)若しくは粉末、半固体、液体、ペースト又は流動性の高い又は低いクリーム形状を持つことができる。
該組成物は、フロック加工した又はフロック加工してない、アプリケータ、例えば発泡体、チップ、ブラシ、フェルトチップ、スパチュラ、フリット、ブラシ、櫛、織り又は不織り布を用いて適用することができる。
この適用は、また指で、又は該組成物を直接メイクアップするための表面に置くことによって、例えば摩擦又は噴霧により、又はピエゾ電気デバイスを用いて射出することにより、あるいは中間的な表面上に堆積させた該組成物の層を、転写することによって、行うことができる。
該組成物は、例えば1〜10μmなる範囲の厚みにまで、適用することができる。
一例として、該組成物の適用は、例えば1 mg/cm2〜5 mg/cm2なる範囲の密度にて、行うことができる。
適当な場合には、該組成物は、他の組成物の層(上塗り層)で覆われた下塗りとして、あるいは別の組成物の層上に、上塗り層として、あるいは例えば保持性及び/又は光沢を高めるために、下塗りと上塗り層との間に適用することができる。
【0094】
磁気デバイス
本発明は、また上に定義した組成物と、該磁性体の配向を変更し及び/又は改善することを可能とする、磁場を発生するための、少なくとも一つの磁気デバイスとを含む、キットをも提供する。
該磁気デバイスは、永久磁石又は場合により、例えば再充電可能な少なくとも一つの電池によって動作する電磁石を含むことができる。電池に関連して、該磁気デバイスは、選択的に通電することにより、電磁石を動作させ得るように、スイッチを含むことができる。
該磁気デバイスは、時間と共に変動する配向を持つ磁場を生成するように、配列することができる。該磁気デバイスが、磁石を含む場合、該デバイスは、例えば該磁石の回転を可能とする、モータを含むことができる。一変形において、該磁気デバイスは、周期的に通電した場合に、回転磁場を生成するように配置された、複数のソレノイドを含むことができる。
【0095】
一例として、回転磁場は、円対称性を示すパターン、例えば鮮明な球状の印象を与えるパターンを得ることを可能とする。
該電磁石は、利用者の望むように、連続的又は断続的に通電することができる。特に、該磁気デバイスは、該電磁石を通電する必要がないように配置でき、一方該磁気デバイスは、該第一の組成物で被覆した表面と、正確に近接して配置されなくてもよい。
該磁場は、例えば少なくとも50ミリテスラ(mT)及び好ましくは少なくとも0.2 T、及び好ましくは少なくとも1 T(10,000ガウス)である。
磁場の適用を容易にするために、該磁気デバイスは、該組成物が堆積されている表面に相対的に、該デバイスを配置することを可能とする部材を含むことができる。これにより、該磁気デバイスが、偶発的に該組成物と接触するのを阻止し、及び/又は考察中の領域に形成された該パターンの芯出しすることが可能となる。
【0096】
本発明の実施において、該磁気デバイスは、該化粧料組成物の適用に使用する、アプリケータに固定される。これにより、ユーザーが取扱う必要のある物体数が減少し、かつメイクアップの適用を容易にすることができる。
本発明の別の実施において、該磁気デバイスは、第二端部を持つロッドの第一端部に取り付けられた磁石を含み、該第二端部は、該化粧料組成物の適用に使用する、アプリケータのハンドル部と接続されている。
該磁場は、また交互に配置されたN及びS極を含む磁気構造体、特に可撓性の構造体によって及ぼすことができる。一例として、このような構造体は、繰返しパターン、例えばストライプ(縞模様)を、該組成物上に形成することを可能とする。
メイクアップ法
本発明は、またケラチン物質のメイクアップを行う方法を提供することでもあり、該方法は、少なくとも1種の化粧料組成物と、吸収現象によってある色彩を発生して、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、少なくとも1種の着色剤と、ここで該組成物の彩度C*は、40又はそれ以上であり、及び該組成物が適用された場合に、580〜650nmなる範囲内の主波長を持ち、また3000 cd・m-2以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、赤色干渉性顔料の使用を含む。
【0097】
該着色剤及び該赤色干渉性顔料は、同一の組成物を介して適用することができる。
該着色剤及び該赤色干渉性顔料は、また夫々該着色剤及び該赤色干渉性顔料を含有する、2種の異なる組成物を介して適用することも可能である。もう一つのこの局面において、本発明は、またケラチン質物質に、少なくとも一つの化粧料組成物を用いて、少なくとも1種の第一の干渉性顔料及び反射性の粒子を適用することからなる、メイクアップ法を提供するものであり、該干渉性顔料は、該組成物を表面に適用した際に、3,000 cd・m-2以上の強度、及び580〜650nmなる範囲に主波長を持つ、赤色ハイライトを生成し得るものであり、また該反射性顔料は、該表面上に、該赤色干渉性顔料の強度以上の強度を持つ、他のハイライト部を生成することを可能とする。
該第一の干渉性顔料及び該反射性の粒子は、同一の組成物を用いて適用することができる。
該第一の干渉性顔料及び該反射性の粒子は、また2種の異なる組成物を用いて、交互に適用することも可能であり、該2種の組成物は、夫々該第一の干渉性顔料及び少なくとも1種の外部刺激に対して感受性の着色剤を含む。
もう一つのこの局面において、本発明は、またメイクアップ製品を、ケラチン質物質に適用する方法を提供するものであり、この方法は、以下の諸工程を含む:
1) 該ケラチン質物質に、上に定義したような組成物の層を適用する工程;
2) 該堆積物を、磁場の作用下に置き、結果的にこのようにして堆積させた該層内の、該磁性体の少なくとも一部の配向及び/又は位置を、変更させる工程。
【0098】
本発明は、またメイクアップ法を提供することにあり、この方法は、該ケラチン質物質に適用するための、少なくとも1種の化粧料組成物及び、赤色であって、ハイライトを発生することのできる干渉性顔料、及びゼロでない磁化率を呈する磁性体を使用することからなり、該ハイライトは、3,000 cd・m-2以上の強度、及び580〜650nmなる範囲に主波長を持つ。
該赤色干渉性顔料及び該磁性体は、同一の組成物を用いて適用することができる。
あるいはまた、該赤色干渉性顔料及び該磁性体は、夫々該赤色干渉性顔料及び該磁性体を含む2種の異なる組成物を使用して適用することも可能である。
もう一つのこの局面において、本発明は、また以下に記載する成分を、該ケラチン質物質に適用することからなる、メイクアップ法を提供することにあり、該方法は、少なくとも1種の化粧料組成物と、赤色であって、一度適用された場合には、3,000 cd・m-2以上の強度、及び580〜650nmなる範囲に主波長を持つハイライトを発生することのできる少なくとも1種の干渉性顔料と、銀色の、又は|λ12|=50nmとなるような、主波長λ2を持つように着色された、少なくとも1種の反射性第二顔料とを使用し、該第二の顔料は、30μm以上及びより良好には40μm以上なる平均のサイズを持つ。
【0099】
該赤色干渉性顔料及び該反射性の第二の顔料は、同一の組成物を用いて適用することができる。
また、該赤色干渉性顔料及び該反射性第二顔料は、夫々該赤色干渉性顔料及び該反射性第二顔料を含む、2種の異なる組成物を使用して、適用することも可能である。
もう一つのこの局面において、本発明は、また以下の成分を、該ケラチン質物質に適用することからなる、メイクアップ法を提供することにあり、この方法は、少なくとも1種の化粧料組成物と、適用後に、3,000 cd・m-2以上の強度、及び580〜650nmなる範囲に主波長を持つハイライトを発生することのできる、少なくとも1種の、赤色干渉性顔料、及び少なくとも1種の外的な刺激に対して感受性の、少なくとも1種の着色剤を使用する。
該赤色干渉性顔料及び少なくとも1種の外的な刺激に対して感受性である、該着色剤は、同一の組成物を用いて適用することができる。
また、該赤色干渉性顔料及び少なくとも1種の外的な刺激に対して感受性である、該着色剤は、夫々該赤色干渉性顔料及び少なくとも1種の外的な刺激に対して感受性である、該着色剤を含む、2種の異なる組成物を使用して適用することも可能である。
【0100】
キット
本発明は、またメイクアップ用のキットを提供するものであり、該キットは以下に記載する成分を含む:
・第一の組成物:化粧学的に許容される媒体中に、吸収現象によってある色彩を発生して、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、少なくとも1種の着色剤、特に拡散性顔料又は着色剤を含む第一の組成物、ここで該組成物の彩度C*は、40又はそれ以上であり;及び
・第二の組成物:該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、該組成物が表面に適用された場合に、580〜650nmなる範囲内の主波長を持ち、かつ3000 cd・m-2以上の強度を持つハイライトを生成し得る、赤色干渉性顔料を含有する。
もう一つのこの局面において、本発明は、またメイクアップ用のキットを提供し、該キットは以下に記載する成分を含む:
・第一の組成物:この組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、該組成物が表面に適用された場合に、3,000 cd・m-2以上の強度、及び580〜650nmなる範囲の主波長を持つ、赤色ハイライトを発生することのできる、少なくとも1種の第一の干渉性顔料を含む;及び
・第二の組成物:該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、該赤色干渉性顔料による強度以上の強度を持つ、他のハイライトを該表面上に発生することのできる、反射性の粒子を含む。
【0101】
もう一つのこの局面において、本発明は、またメイクアップ用のキットを提供するものであり、該キットは以下に記載する成分を含む:
・第一の組成物:この組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、赤色であって、3,000 cd・m-2以上の強度、及び580〜650nmなる範囲の主波長を持つ、ハイライトを生成し得る、少なくとも一つの干渉性顔料を含み;及び
・第二の組成物:該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、ゼロでない磁化率を呈する磁性体を含む。
該第二の組成物は、該第一の組成物の上又は下に適用できる。
もう一つのこの局面において、本発明は、またメイクアップ用のキットを提供するものであり、該キットは以下に記載する成分を含む:
・第一の組成物:この組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、赤色であって、該組成物が、表面に適用された場合に、3,000 cd・m-2以上の強度、及び580〜650nmなる範囲の主波長を持つ、赤色ハイライトを生成し得る、少なくとも一つの干渉性顔料を含み;及び
・第二の組成物:該組成物は、銀色の、又は|λ12|=50nmとなるような、主波長λ2を持つように着色された、少なくとも1種の反射性第二顔料を含み、該第二の顔料は、30μm以上及びより良好には40μm以上なる平均のサイズを持つ。
【0102】
もう一つのこの局面において、本発明は、またメイクアップ用のキットを提供するものであり、該キットは以下に記載する成分を含む:
・第一の組成物:この組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、該組成物が、支持体に適用された場合に、3,000 cd・m-2以上の強度、及び580〜650nmなる範囲の主波長を持つ、ハイライトを生成し得る、少なくとも一つの赤色干渉性顔料を含み;及び
・第二の組成物:該組成物は、化粧学的に許容される媒体中に、少なくとも1種の外的な刺激に対して感受性の、少なくとも1種の着色剤を含む。
【0103】
以下に示される量は、質量基準の値である。
例1(リップグロス)
【0104】
【表1】

*:酸化鉄:Fe2O3の層で被覆された、シリカコアを含む干渉性顔料であり、キシロナルルージュ(XIRINA LE ROUGE)なる名称の下で、メルク社から入手できる。
【0105】
このようなリップスティックは、肉眼の解像力の限界にて、赤色のハイライトを伴う、キラキラする外観を持ち、これは、同一の色の艶消しされたバックグラウンド上でちらつく。
このメイクアップは、特に魅力的であり、またこれが適用された口唇容量の強調を可能とする。
例2〜8(リップスティック)
【0106】
【表2】

*:例1と同じ。
【0107】
割合X及びYを、以下の表に与える:
【0108】
【表3】

【0109】
対応する測色測定の結果を、図2に示した。
この図を検討すると、赤色干渉性顔料の存在と関連する該色彩は、例5から始まる、顔料の全含有率の50%を越える、拡散性顔料の含有率に対して、最早支配的ではない。従って、好ましくは、該赤色干渉性顔料の割合は、該顔料の全質量に対して、少なくとも50%である。
明らかに、本発明は、上に与えた例に限定されるものではない。上記用語「aを含む(comprising a)」とは、「少なくともaを含む」と、同義であり、また「〜なる範囲(in the range)」とは、限界値をも含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】ハイライトの強度を測定するための配置を説明する図である。
【図2】例2〜8の製品に関する、比色測定の結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料組成物であって、化粧学的に許容される媒体中に、
・吸収現象によってある色彩を発生して、該組成物が表面に適用された場合に、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、少なくとも1種の着色剤、ここで該組成物の彩度C*は、40又はそれ以上であり;及び
・該組成物を表面に適用した場合に、580〜650nmなる範囲内の主波長を持ちまた、3000 cd・m-2以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、赤色干渉性顔料;
を含むことを特徴とする、上記化粧料組成物。
【請求項2】
該着色剤が、1又はそれ以上の拡散性顔料を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該赤色干渉性顔料の量が、該拡散性顔料及び該赤色干渉性顔料の全量の、少なくとも半分に相当する、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
該拡散性顔料の寸法が、該干渉性顔料の寸法以下である、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
該干渉性顔料の表面が酸化鉄の層を持つ、請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物。
【請求項6】
該干渉性顔料が、無機コア、特にシリカ、ガラス、又はマイカ製のコアを含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の組成物。
【請求項7】
該連続の、着色されたバックグラウンドが、580〜650nmなる範囲内の主波長を持つ、請求項1〜6の何れか1項に記載の組成物。
【請求項8】
化粧料組成物であって、化粧学的に許容される媒体中に、
・吸収現象によってある色彩を発生して、主波長λ1を持つ、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、少なくとも1種の着色剤と、
・該組成物を表面に適用した場合に、主波長λ2を持ちまた、3000 cd・m-2以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、30〜80μmなる範囲、より好ましくは30〜70μmなる範囲の寸法をもつ、干渉性の顔料とを含み、該波長λ2が、差異|λ12|を70nm以下とするような値であることを特徴とする、上記組成物。
【請求項9】
メイクアップ方法であって、少なくとも1種の化粧料組成物;吸収現象によってある色彩を発生して、該組成物が表面に適用された場合に、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、少なくとも1種の着色剤、ここで該組成物の彩度C*は、40又はそれ以上であり;及び該組成物を適用した場合に、580〜650nmなる範囲内の主波長を持ちまた、3000 cd・m-2以上の強度を有する、ハイライトを生成し得る、赤色干渉性顔料を使用して、これらをケラチン質物質に適用することからなることを特徴とする、上記メイクアップ法。
【請求項10】
メイクアップ用のキットであって、以下の成分:
・化粧学的に許容される媒体中に、吸収現象によってある色彩を発生して、均一に着色されたバックグラウンドを生成する、着色剤を含む第一の組成物と、ここで該組成物の彩度C*は、40又はそれ以上であり;及び
・第二の組成物であって、これが表面に適用された場合に、化粧学的に許容される媒体中に、580〜650nmなる範囲内の主波長を持ち、かつ3000 cd・m-2以上の強度を持つハイライトを生成し得る、赤色干渉性顔料を化粧学的に許容される媒体中に含有する組成物、
を含むことを特徴とする、上記キット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−31174(P2008−31174A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−213123(P2007−213123)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】