説明

特に単筒式ショックアブソーバのロッドのための密封式案内ユニット、及び該密封式案内ユニットのための環状シール組立体

【課題】ピストンのストッパ要素の組立を容易化し、ショックアブソーバの長さ及び重量を低減する。
【解決手段】弾性材料製のシールリング12と、ブッシュの端部に当接配置された第1のフランジ状部分15、及び環状シールリップと機能的に関連するスリーブ状部分16を有した金属製環状補剛構造部14と、を含んでおり、シールリングが、少なくとも1つの環状シールリップの根元部分19からラジアル方向に延在するフランジ状部分18と、フランジ状部分18と一体に形成されると共に、ピストン5に面している側面からアキシアル方向に突出して、利用時にピストン5のための制限ストッパ要素を形成するように適合された環状突出部20と、を有しており、環状補剛構造部のフランジ状部分15が、シールリング18のフランジ状部分に結合し、環状突出部20の下方に延在するユニットである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単筒式ショックアブソーバのロッドのための密封式案内ユニット、及び該密封式案内ユニットに設けられる環状シール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
単筒式液圧ショックアブソーバは、自動車業界及び他の業界で広範に亘って利用されており、ピークが100barに到達する場合がある、平均約20barと比較的高い液圧の下で動作するようになっている。特許文献1に開示されるように、利用時にショックアブソーバ本体内においてピストンが往復運動することと対照的な、ショックアブソーバ本体内に格納された加圧オイルを密封すること、及びショックアブソーバのロッドを案内することは、ロッドによって完全に係合されていることによってショックアブソーバ本体内に液密に取り付けられているブッシュと、ブッシュによって装着されているシール組立体とを備えている密封式案内ユニットを利用することによって実現される。先行技術の当該シール組立体は、別々に取り付けられる多数の要素を想定しており、これにより組立が比較的面倒且つ複雑である。他の構成要素がショックアブソーバを正常に動作させるために必要とされるので、そのような状況がさらに悪化する。他の構成要素としては、例えばショックアブソーバ本体とブッシュとの間に設けられた固定シール、及び好ましくない騒音を発生させ得る、最も厳しい場合には損傷を与え得る突発的な衝撃を受けることなく“円滑な”停止を可能にする、ピストンのための制限ストッパ要素が挙げられる。このような制限ストッパ要素は、付加的な要素であるが、必要な要素である。該制限ストッパ要素は非常に取付困難であり、とりわけアキシアル方向において嵩張る。
【0003】
特許文献2は、ショックアブソーバのロッドのためのシール組立体及び案内ユニットを開示する。当該特許文献では、固定シールは、ショックアブソーバのロッドに向かっている1つ以上の動的シールリップを備えている、シール組立体と一体化されている。しかしながら、このような解決手段は、ピストンのための制限ストッパ要素の組み立てに関する課題を解決せず、その製造コストが比較的高い。シールの“固定”部分が、シールリップを製造するために利用される同一の高性能弾性配合ゴムを用いて製造されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国実用新案登録出願第8201327号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第06425875号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、先行技術の欠点を解消した単筒式ショックアブソーバのロッドのための密封式案内ユニット、及び該密封式案内ユニットのためのシール組立体を提供することである。本発明は、特に単筒式ショックアブソーバに適用するのに適合しており、ピストンの制限ストッパ要素の組立を劇的に単純化することができ、ピストンの同一の動作行程を維持しつつショックアブソーバの長さ及び重量を低減することができ、これにより特許文献2に開示される密封式案内ユニットの組立容易性を保持することができる。本発明のさらなる目的は、製造に対する費用効果も高いショックアブソーバのための密封式案内ユニット及びシール組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1で規定する、特に単筒式ショックアブソーバのロッドのための密封式案内ユニットを提供する。さらに、本発明は、請求項8で規定する、密封式案内ユニットを提供する。
【0007】
本発明によって、ピストンのための従来型の制限ストッパ要素を、とりわけブッシュによって必要とされる固定シールとショックアブソーバのロッドを動的に密封するための1つ以上のリップとの両方と容易に一体化させ、これによりこれら3つの要素を単一の“一体化された”シール組立体を形成することができる一方、より高品質な材料(ひいては、より高性能な材料)から成る1つ以上の動的液圧式シールリップを装着しているシールリングの一部分と、より一般的な材料から成る残り部分とを作ることができるので、性能を最大限に高めると同時に製造コストを低減することができる。
【0008】
本発明におけるシール組立体の形状によって、制限ストッパ要素の性能が維持されるばかりでなく改善され、とりわけ必要な要素(ロッド案内ブッシュ、ピストンのための制限ストッパ要素、ロッドのための動的シール、ブッシュのための固定シール)すべてをショックアブソーバに据え付けるための、アキシアル方向における嵩が劇的に小さくなるので、今日における単筒式ショックアブソーバの大きさ及び重量を著しく低減することができる一方、ピストンの同一の動作行程を維持することができる。
【0009】
最後に、本発明における密封式案内ユニットは、事前組立可能とされ、一動作で制限ストッパ要素をショックアブソーバ本体に結合可能とされる。
【0010】
これによって、さらなるコスト低減、及びブッシュ−シール組立体内に構成されている密封式案内ユニットのアキシアル方向の嵩のさらなる確実な低減を実現することができる。
【0011】
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付図面を参照しつつ、該添付図面に表わす非限定的な実施例に関する記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明における密封式案内ユニットを備えているショックアブソーバの一部分のラジアル方向における概略的な縦断面図である。
【図2】図1に表わす密封式案内ユニットに設けられた、本発明におけるシール組立体のラジアル方向における概略的な縦断面の拡大図である。
【図3】図1に表わす密封式案内ユニットと図2に表わす各シール組立体との、斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜図3において、参照符号1は、単筒式ショックアブソーバ3のロッド2のための密封式案内ユニットの全体を指示するが、単純化のために一部分のみを表わし、その他の部分は既知の構成になっている。密封式案内ユニット1は、利用時にオイルで充填されているショックアブソーバ本体4であって、ピストン5の外形を規定するショックアブソーバ本体4の内側壁6に沿ってピストン5が案内されるショックアブソーバ本体4を有している。密封式案内ユニット1は、ショックアブソーバ本体4の一端を閉塞するように、内側壁6に接触して液密状態で位置決めされ、ロッド2が滑動するアキシアル方向の対称軸線に一致する対称軸線Aを有している。
【0014】
密封式案内ユニット1は、既知の構成配置に基づいて、利用時にショックアブソーバ2の本体4の内側壁6に液密に固定されているロッド案内用環状ブッシュ7であって、利用時に軸線Aに関して対称とされ、ロッド2によって完全に係合されているロッド案内用環状ブッシュ7と、軸線Aに関して対称とされ、利用時にショックアブソーバ本体4の内側に向かって面しているブッシュ7の第1の端部10に形成されているカップ状シート9内部に組み込まれ、これによりピストン5に面しているシール組立体8とを備えている。特にシート9は、利用時に本体4及びピストン5の内側に向かって面している第1の端部10の表面11に、正面に向かって形成されている。
【0015】
シール組立体8(図2及び図3も参照)は、(さらに詳述はしないが既知の方法で)利用時にロッド2と協働するために、シールリング12自体の対称軸線でもある軸線Aに向かってラジアル方向にオーバーハング状態で突出している少なくとも1つの環状シールリップ13と、カップ状シート9に外接している環状表面によって規定されている面11に当接して配置されている、フランジ状部分15を有している例えば金属製の環状補剛構造部14と、を有しているシールリング12を備えている。補剛構造部14は、シールリング及びスリーブ状部分の両方の構造的形状によって、既知の方法でシールリング13に機能的に形成されたスリーブ状部分16をさらに呈している。
【0016】
本発明では、シールリング12は、環状シールリップ13の根元部分19からラジアル方向に延在しているフランジ状部分18と、フランジ状部分18と一体形成されていると共に、該フランジ状部分から、利用時にピストン5に面している該フランジ状部分の側面からアキシアル方向に突出して延在している環状突出部20とを共に有している。特に、補剛構造部14のフランジ状部分15は、環状突出部20の反対側において、(例えば硫化ステップの際に接着することによって)シールリング12のフランジ状部分18に機械的に結合されており、該フランジ状部分に少なくとも部分的に埋設されている。
【0017】
上述の内容から、必要な状況であるならばシール組立体8の密封性能を高めるために、実施可能な変形例(簡便のため図示しない)では、シール組立体8は、軸線Aに沿って連なって配置されていると共に軸線Aに向かって根元部分19から延在している、2つ以上のシールリップ13を備えている場合がある。
【0018】
本発明の一の実施態様では、フランジ状部分15の大きさは、環状突出部20全体とブッシュ7の第1の端部10との間に挿置されるように、フランジ状部分の外周縁部21と共に環状突出部を少なくとも囲むまで、環状突出部20の下方においてラジアル方向に延在しているようになっている。本発明では、環状突出部20は、利用時にピストン5のための制限ストッパ要素となるように形成されている。
【0019】
この目的を達成するために、環状突出部20は、図示の当該実施例では、シリンドリカル状に湾曲した表面22によって、シールリング12の第2のフランジ状部分18の反対側にセミトロイダル状ドームとして形成されている。該シリンドリカル状に湾曲した表面には、それぞれが径方向ノッチを形成するように適合されている少なくとも2つの凹所23が、好ましくは角度的に対称な位置に形成されており、該シリンドリカル状に湾曲した表面は、環状突出部20の連続性を妨げている。このような凹所23は、好ましくは鞍状であり、環状突出部20によって形成されている限界ストッパ要素を介在させた状態において、ピストン5がブッシュ7に当接した場合に、言い換えればピストン5が環状突出部20に直接当接した場合に、ショックアブソーバ本体4の内側に充填されるオイルのためのレリーフを構成することを目的としている。また、この場合には、シール組立体8の実施可能な変形例(簡便のため図示しない)では、3つ以上の、例えば3つや4つの凹所23が、如何なる場合にも軸線Aを中心として等角に離隔配置されている環状突出部20に形成されている。
【0020】
好ましくは、シールリング12は、環状突出部20の軸線方向長さと略同一の軸線方向長さを有している中央部分24であって、シール組立体8を環状ブッシュ7に係止するためにカップ状シート9内において締り嵌めによって結合するようにスリーブ状に形成されている中央部分24を備えている。
【0021】
シールリング12のスリーブ状部分24は、環状リップ13の反対側から軸線方向に延在しており、該環状リップの根元部分19を含んでおり、補剛構造部14のスリーブ状部分16を内蔵している。特に、スリーブ状部分16は、対称軸線Aに対して傾斜して、且つ、シールリング12の環状突出部20及びスリーブ状部分24の相互に隣り合っている両フランク25,26に共通する接線に対して略平行な方向(図2参照)において、フランジ状部分15のラジアル方向内縁部分からオーバーハングした状態で延在している。該接線は、図2において一点鎖線Bによって示されている。
【0022】
環状突出部20は、当接しているピストン5によって付勢された状態において必要な変形をするように形成されている。特に環状突出部のラジアル方向における高さ及び幅は、ピストン5が環状突出部20上に配置され、環状突出部20を押圧する場合に、力−変形の設計曲線が守られるように形成されている。
【0023】
本発明の他の実施態様では、シールリング12のフランジ状部分18は、該環状ブッシュの表面11を完全に覆うように、環状ブッシュ7の第1の端部10の外周縁部27に至るまでラジアル方向に延在している。さらに、該フランジ状部分は、接頭状とされた後に自身の一端において厚肉化されていると共に略トロイダル状の固定シールを形成するように形成されている、ラジアル方向外縁部28を有している。ラジアル方向外縁部28は、利用時にショックアブソーバ本体4の内側壁6と液密状態で協働するように適合されている。さらに、該ラジアル方向外縁部は、環状ブッシュ7の第1の端部10の外周縁部27に形成された環状溝部29(図1参照)内に嵌め込み式で取り付けられる。
【0024】
このようにして、シールリング12は、環状突出部20の両側25,30において、すなわち対称軸線Aに関する該環状突出部の最内周面及び最外周面それぞれにおいて環状ブッシュ7の第1の端部10に拘束されている。
【0025】
性能を最適化するように適合されている形状を完成させるために、環状突出部20は、表面11の反対側の側面から延在している(すなわち、表面11の反対側に面している)ように形成されており、第1の端部10のカップ状シート9に直接外接しているラジアル方向位置に、すなわちカップ状シート9の近傍又は外側の位置に形成されている。
【0026】
本発明のさらなる補助的でない特徴では、シールリング12は、少なくとも2つの異なるエラストマー配合物で一体に形成されている。第1の成分は、少なくともシールリップ13(又は存在するならば、複数のシールリップ13)を形成するために利用される。この第1の成分は、弾性材料に基づく。該弾性材料としては、例えばHNBR(水素化ニトリルゴム)、FMK(フッ素ゴム、ASTM D1418によって規定される特徴;記号FMKは、フッ素の含有率が互いに相違すると共に、フッ化ビニリデンを主成分とし、例えばTFEとして知られているテトラフルオロエチレンやHFPとして知られているヘキサフルオロプロピレンを他の成分として加えたフッ素ゴム類を示す)が挙げられる。
【0027】
上述に加えて、第1の成分と相違する少なくとも1つの第2の成分が、少なくとも環状突出部20と対応するフランジ状部分18とを形成するために利用される。該フランジ状部分は、該環状突出部と一体に形成されている。この第2の成分は、例えばニトリルゴム基である。
【0028】
これら2つ(又はそれ以上)の成分を一体にするために、出願人の既知の方法によって、相違する成分から作られたシールリング12の部品が、加硫処理前の状態すなわち“未処理”の状態において補剛構造部14と共に同一の型に導入された後に、圧縮成型され加硫処理される。
【0029】
好ましくは、比較的高剛性な合成プラスチック材料からワッシャの形態に作られた平坦なリング31が、カップ状シート9の底壁とシールリング12との間に配置されている。リング31は、ラジアル方向において、カップ状シート9の底壁の延在部分の略全体に延在しており、補剛構造部から自由な状態で、該底壁とシールリング12のスリーブ状部分24の終端部との間に挿入されている。
【0030】
本発明における密封式案内ユニット1が、ブッシュ7を通じて完全に挿入されている、例えばロッド2のための低摩擦係数の案内スリーブ37や第1の端部の反対側すなわちブッシュ7の外側に取り付けられているダストブーツ38のような、通常の補機と組み合わせ可能であることは明白である。
【符号の説明】
【0031】
1 密封式案内ユニット
2 ロッド
3 単筒式ショックアブソーバ
4 ショックアブソーバ本体
5 ピストン
6 内側壁
7 環状ブッシュ
8 シール組立体
9 カップ状シート
10 第1の端部
11 表面
12 シールリング
13 環状シールリップ
14 環状補剛構造部
15 フランジ状部分
16 スリーブ状部分
18 フランジ状部分
19 根元部分
20 環状突出部
21 外周縁部
22 表面
23 凹所
24 中央部分
25 第1のフランク
26 第2のフランク
27 外周縁部
28 ラジアル方向外縁部
29 環状溝部
37 案内スリーブ
38 ダストブーツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単筒式ショックアブソーバ(3)のロッド(2)のための密封式案内ユニット(1)であって、
− 前記ロッドを案内するための環状のブッシュ(7)であって、利用時に前記ショックアブソーバの本体(4)の内側壁(6)に液密に固定されていると共に、前記ロッド(2)によって完全に係合されている前記ブッシュ(7)と、
− 前記ショックアブソーバの前記本体内部において滑動すると共に前記ロッドと一体になっている、ピストン(5)に利用時に面している前記ブッシュの第1の端部(10)に形成されているカップ状シート(9)内に組み込まれているシール組立体(8)と、
を備えている前記密封式案内ユニット(1)において、
前記シール組立体(8)が、
弾性材料から作られているシールリング(12)であって、利用時に前記ロッドと協働するために、ラジアル方向においてオーバーハングした状態で前記シールリングの対称軸線(A)に向かって突出している少なくとも1つの環状シールリップ(13)を有しているシールリング(12)と、
第1のフランジ状部分(15)と前記環状シールリップ(13)に機能的に関連しているスリーブ状部分(16)とを備えている、例えば金属製の環状補剛構造部(14)と、
を備えており、
前記第1のフランジ状部分(15)が、前記ブッシュの前記第1の端部(10)の表面(11)に当接して配置されており、
前記表面(11)が、前記カップ状シート(9)を外接しており、
前記シールリング(12)が、
少なくとも1つの前記環状シールリップ(13)の根元部分(19)からラジアル方向に延在している第2のフランジ状部分(18)と、
前記シールリング(12)の前記第2のフランジ状部分(18)と一体に形成されていると共に、前記第2のフランジ状部分(18)から、すなわち利用時に前記ピストン(5)に面している前記第2のフランジ状部分(18)の側面からアキシアル方向に突出して延在している環状突出部(20)と、
を有しており、
前記第1のフランジ状部分(15)が、前記環状突出部(20)の反対側において前記第2のフランジ状部分(18)に結合されており、前記第2のフランジ状部分(18)内に少なくとも部分的に埋設されており、前記第1のフランジ状部分(15)の外周縁部(21)が前記環状突出部(20)を少なくとも外接するように前記環状突出部(20)の下方に延在しており、これにより前記第1のフランジ状部分(15)が、前記環状突出部(20)全体と前記ブッシュの前記第1の端部(10)との間に挿置されており、前記環状突出部(20)が、利用時に前記ピストン(5)のための制限ストッパ要素となるように形成されていることを特徴とする密封式案内ユニット(1)。
【請求項2】
前記第2のフランジ状部分(18)が、前記ブッシュ(7)の前記第1の端部(10)の外周縁部(27)に至るまでラジアル方向に延在しており、前記ブッシュの前記第1の端部の前記表面(11)を完全に覆っており、
前記第2のフランジ状部分(18)が、ラジアル方向において厚肉化された外縁部(28)を有しており、略トロイダル状の固定シールを形成する形体とされ、利用時に前記ショックアブソーバ(4)の前記内側壁(6)と液密に協働するように適合されていることを特徴とする請求項1に記載の密封式案内ユニット(1)。
【請求項3】
前記外縁部(28)が、前記ブッシュの前記第1の端部の前記外周縁部(27)に形成されている環状溝部(29)内に嵌め込み式で取り付けられており、
これにより前記シールリング(12)が、前記環状突出部(20)の両側(25,30)において、すなわち前記シールリングの前記対称軸線(A)に関して最内周面及び最外周面それぞれにおいて、前記ブッシュの前記第1の端部に拘束されていることを特徴とする請求項2に記載の密封式案内ユニット(1)。
【請求項4】
前記環状突出部(20)が、前記ブッシュの前記第1の端部(10)の前記表面の反対側から延在しており、前記ブッシュの前記第1の端部(10)の前記カップ状シート(9)を直接外接しているラジアル方向位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の密封式案内ユニット(1)。
【請求項5】
前記シールリング(12)が、前記環状突出部(20)のアキシアル方向長さと略同一とされるアキシアル方向長さを有しているスリーブ状の中央部分(24)を備えており、
前記中央部分(24)が、前記ブッシュの前記第1の端部の前記カップ状シート(9)内に締り嵌めによって結合されるように形成されており、少なくとも1つの前記環状シールリップ(13)の反対側からアキシアル方向に延在しており、前記環状シールリップ(13)の前記根元部分(19)を含んでおり、
前記中央部分(24)が、前記環状補剛構造部の前記スリーブ状部分(16)を内蔵しており、
前記対称軸線(A)に対して傾斜して、及び、前記シールリングの前記環状突出部(20)及び前記スリーブ状部分(24)の互いに隣り合っている両側面(25,26)に共通する接線(B)に対して略平行な方向に、前記環状補剛構造部の前記フランジ状部分(15)のラジアル方向内縁部からオーバーハングした状態で延在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の密封式案内ユニット(1)。
【請求項6】
前記環状突出部(20)が、シリンドリカル状に湾曲した表面(22)によって、前記第2のフランジ状部分(18)の反対側にセミトロイダル状ドームとして形成されており、
前記シリンドリカル状に湾曲した表面には、前記環状突出部(20)の連続性を妨げている径方向ノッチそれぞれを形成するように適合されている少なくとも2つの凹所(23)が、好ましくは角度的に対称な位置に形成されており、
前記凹所(23)が、好ましくは鞍状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の密封式案内ユニット(1)。
【請求項7】
前記シールリング(12)が、少なくとも2つの相違するエラストマー配合物で一体に形成されており、
少なくとも1つの前記シールリップ(13)を形成するための第1のエラストマー配合物が、HNBR及びFMKのうちから選定される弾性材料に基づき、
少なくとも前記シールリングの前記環状突出部(20)と対応する前記フランジ状部分(18)とを形成するための少なくとも1つの第2のエラストマー配合物が、ニトリルゴム基とされることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の密封式案内ユニット(1)。
【請求項8】
特に利用時にショックアブソーバ本体(4)内を滑動するピストン(5)に関連する単筒式ショックアブソーバ(3)のロッド(2)のためのシール組立体(8)であって、
弾性材料から作られているシールリング(12)であって、利用時に前記ロッド(2)と協働するために、ラジアル方向においてオーバーハングした状態で前記シールリングの対称軸線(A)に向かって突出している少なくとも1つの環状シールリップ(13)を有している前記シールリング(12)と、
前記環状シールリップ(13)と機能的に関連しているスリーブ状部分(16)と、第1のフランジ状部分(15)を形成するように適合されているアセンブリ部分と、を有している例えば金属製の環状補剛構造部(14)と、
を備えている前記シール組立体(8)において、
前記シールリング(12)が、
少なくとも1つの前記環状シールリップ(13)の根元部分(19)からラジアル方向に延在している第2のフランジ状部分(18)と、
前記シールリング(12)の前記第2のフランジ状部分(18)と一体に形成されていると共に、前記第2のフランジ状部分(18)から、利用時に前記ピストン(5)に面している前記第2のフランジ状部分(18)の側面からアキシアル方向にオーバーハングした状態で延在している環状突出部(20)と、
を有しており、
前記第1のフランジ状部分(15)が、前記環状突出部(20)の反対側において前記第2のフランジ状部分(18)に結合されており、前記第2のフランジ状部分(18)内に少なくとも部分的に埋設されており、前記第1のフランジ状部分(15)の外周縁部(21)が前記環状突出部(20)を少なくとも外接するように前記環状突出部(20)の下方に延在しており、これにより前記第1のフランジ状部分(15)が、前記環状突出部(20)全体と前記ブッシュの前記第1の端部(10)との間に挿置されており、前記環状突出部(20)が、利用時に前記ピストン(5)のための制限ストッパ要素となるように形成されていることを特徴とするシール組立体(8)。
【請求項9】
前記環状突出部(20)が、シリンドリカル状に湾曲した表面(22)によって、前記第2のフランジ状部分(18)の反対側にセミトロイダル状ドームとして形成されており、
前記シリンドリカル状に湾曲した表面には、前記環状突出部の連続性を妨げている径方向ノッチそれぞれを形成するように適合されている少なくとも2つの凹所(23)が、好ましくは角度的に対称な位置に形成されており、
前記環状突出部(20)が、前記シールリングの中央部分(24)のアキシアル方向長さと略同一とされるアキシアル方向長さを有しており、
前記中央部分(24)が、スリーブ状とされ、少なくとも1つの前記環状シールリップ(13)の反対側からアキシアル方向に延在しており、前記環状シールリップ(13)の前記根元部分(19)を含んでおり、前記スリーブ状部分(16)を内蔵しており、前記対称軸線(A)に対して傾斜して、前記第1のフランジ状部分のラジアル方向内縁部からオーバーハングした状態で延在していることを特徴とする請求項8に記載のシール組立体(8)。
【請求項10】
前記シールリング(12)が、2つの異なるエラストマー配合物で一体に形成されており、
少なくとも1つの前記シールリップ(13)を形成するための第1のエラストマー配合物が、HNBR及びFMKのうちから選定される弾性材料に基づき、
少なくとも前記環状突出部(20)と対応する前記フランジ状部分(18)とを形成するための少なくとも1つの第2のエラストマー配合物が、ニトリルゴム基とされることを特徴とする請求項8又は9に記載のシール組立体(8)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−52658(P2012−52658A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−171827(P2011−171827)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(508282993)アクティエボラゲット・エスコーエッフ (42)
【Fターム(参考)】