説明

特定のジアリールヒダントインおよびジアリールチオヒダントイン化合物

特定のジアリールヒダントインおよびジアリールチオヒダントイン化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む、医薬組成物などの組成物が提供される。化合物の単離された形態および精製された形態もまた記載され、同様に、単位用量形態、実質的に純粋な化合物の組成物および化合物を含むキットもまた記載される。化合物およびその医薬組成物は、前立腺癌、パーキンソン病、アルツハイマー病などの種々の症状の予防および/もしくは処置において用途を見出し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年2月24日に出願された米国仮特許出願第61/155,119号および2009年2月27日に出願された米国仮特許出願第61/156,398号の優先権の利益を主張する。これらの出願の内容は、その全体が本明細書において参照として援用される。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
該当なし。
【0003】
発明の分野
本明細書では、3つの特定のジアリールヒダントインおよび2つの特定のジアリールチオヒダントイン化合物、ならびにこれらの5つの特別な化合物を含む医薬組成物および他の形態が提供される。パーキンソン病、アルツハイマー病および前立腺癌などの哺乳動物における症状を予防および/もしくは処置する方法もまた提供される。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
ジアリールチオヒダントイン化合物を含むジアリールヒダントイン化合物は、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記載されてきた。それにもかかわらず、前立腺癌を含む各種疾患の処置のための新規な治療がなお必要とされている。パーキンソン病およびアルツハイマー病の処置のための新規な治療もまた探索されている。
【0005】
本明細書中に詳述される(MI)〜(MV)は、特許文献1に開示される化合物RD162’の代謝物であり、そして、治療における用途を見出し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0004753号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0254933号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0111864号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の簡単な説明
化合物(MI)〜(MV)が記載される。本明細書中で提供される式(I)は、式(MI)〜(MV)の化合物を記載および意図する。化合物(MI)は、ノルエピネフリン輸送体を介して作用する。ノルエピネフリン輸送体調節物質は、鬱、アルツハイマー病、注意欠陥障害およびパーキンソン病の処置のための治療にこれまで有用であった。化合物(MII)は、プロゲステロン受容体を介して作用する。プロゲステロン受容体調節物質は、プロゲステロンが関係する治療に用いられてきた。プロゲステロン受容体調節物質は、受胎調節において妊娠を予防するか妊娠を中絶するかのいずれかのために用いるための可能性を有する。化合物(MIV)は、シグマ受容体に作用する。シグマ受容体調節物質は、これまで、鬱を処置するための治療において有用である。化合物(MI)〜(MV)は、化合物RD162’の代謝物である。RD162’は、前立腺癌の処置における用途を見出した。
【0008】
方法および組成物もまた記載される。1つの変形例では、方法は、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物を、表5および9に列挙した受容体などの受容体を調節するのに有効な量で個体に投与することを含む。式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物を単離する方法は、本明細書中に詳述される。式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物を治療に使用する方法もまた提供される。1つの局面では、治療は、パーキンソン病、アルツハイマー病もしくは前立腺癌の処置である。式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物もまた包含され、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物の単離されたおよび/もしくは精製された形態もまた包含される。式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物の単位用量形態もまた記載される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、1つの局面では、式(I)の化合物:
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0012】
従って、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)および(MV)の化合物:
【0013】
【化2】

【0014】
が記載される。薬学的に許容され得る塩などの化合物の塩もまた提供されることが理解される。
【0015】
式(I)の化合物は、前立腺癌の処置において有用であることが見出されておりそして米国特許出願公開第2007/0004753号明細書に記載されている化合物RD162’の代謝物として同定されてきた。以下の実施例に記載するように、RD162’およびその代謝物は、100μLの血漿のアセトニトリル誘導タンパク沈殿により単離された。代謝物は、55〜800amuの陽イオン飛行時間のスキャンニング測定により同定された。特定の分子は、そのフラグメンテーションによって得られた亜種が親のRD162’のパターンと一致するパターンを有する場合、潜在的なRD162’代謝物であると同定された。5つの推定される代謝物(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)および(MV)は、ラット、イヌおよび/もしくはヒトから得られた血漿中に存在した。代謝物の構造を、質量スペクトルの分析により推定し、次いで、推定上の代謝物を合成した。代謝物の分子構造を、合成した分子をラット、イヌおよびヒトの血漿サンプルから単離された構造と直接比較するLC/MS/MS共溶出実験により確認した。
【0016】
式(I)の化合物はまた、治療、例えば、前立腺癌の処置、もしくは本明細書中に詳述する受容体結合活性などの、そのような化合物の活性に相応する他の適応症の処置において用途を見出し得る。
【0017】
1つの実施態様では、式(I)の化合物(すなわち、化合物(MI)〜(MV))に関し、化合物は実質的に純粋な形態で提供される。
【0018】
1つの局面では、化合物を含む組成物であって、血液もしくは他の体液を含まない、組成物が提供される。
【0019】
別の局面では、式(I)の化合物および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物が提供される。医薬組成物は、1つもしくはそれ以上の本明細書中に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含むことができる。
【0020】
別の局面では、本明細書中に列挙される症状、特に、アルツハイマー病およびパーキンソン病などの、例えば、鬱、記憶機能不全に関連し得るような症状、ならびに前立腺癌の中からの症状を予防もしくは処置するための方法であって、それを必要とする個体に、治療上有効量の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、あるいは前述のものを含む医薬組成物を投与することを含む、方法が提供される。
【0021】
本発明はまた、例えば、前立腺癌などの本明細書中に開示された適応症の処置のためなどの治療のために投与され得る医薬の調製のための、いずれかの本発明の化合物の使用を包含する。
【0022】
さらなる局面では、本明細書中に記載の化合物を合成するために、以下に記載される代表的な合成プロトコールおよび経路を用いて、方法が提供される。
【0023】
(a)式Iの化合物:
【0024】
【化3】

【0025】
(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物、および(b)薬学的に許容され得る担体を含む、医薬組成物が提供される。式(I)の1つの局面では、Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである。式(I)の別の局面では、Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである。式(I)の特定の変形例では、化合物が、式(MI)の化合物:
【0026】
【化4】

【0027】
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。式(I)の別の変形例では、化合物が、式(MII)の化合物:
【0028】
【化5】

【0029】
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。式(I)のなおさらなる変形例では、化合物が、式(MIII)の化合物:
【0030】
【化6】

【0031】
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。式(I)のさらに別の変形例では、化合物が、式(MIV)の化合物:
【0032】
【化7】

【0033】
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。式(I)のなお別の変形例では、化合物が、式(MV)の化合物:
【0034】
【化8】

【0035】
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。
【0036】
実質的に純粋な化合物の組成物であって、化合物が、式Iの化合物:
【0037】
【化9】

【0038】
(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその塩もしくは溶媒和物である組成物もまた提供される。式(I)の1つの局面では、Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである。式(I)の別の局面では、Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである。式(I)の特定の変形例では、化合物が、式(MI)の化合物:
【0039】
【化10】

【0040】
またはその塩もしくは溶媒和物である。式(I)の別の変形例では、化合物が、式(MII)の化合物:
【0041】
【化11】

【0042】
またはその塩もしくは溶媒和物である。式(I)のなおさらなる変形例では、化合物が、式(MIII)の化合物:
【0043】
【化12】

【0044】
またはその塩もしくは溶媒和物である。式(I)のさらに別の変形例では、化合物が、式(MIV)の化合物:
【0045】
【化13】

【0046】
またはその塩もしくは溶媒和物である。式(I)のなお別の変形例では、化合物が、式(MV)の化合物:
【0047】
【化14】

【0048】
またはその塩もしくは溶媒和物である。前述した実施態様および変形例のいずれかの組成物もまた提供され、ここで、組成物は、約10重量%未満の不純物を含む。
【0049】
本発明はまた、式(I)の化合物:
【0050】
【化15】

【0051】
(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を、治療のために個体に投与する方法を包含する。式(I)の1つの局面では、Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである。式(I)の別の局面では、Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである。特定の実施態様では、治療が、前立腺癌の処置である。別の実施態様では、治療が、パーキンソン病もしくはアルツハイマー病の処置である。
【0052】
式(I)の化合物:
【0053】
【化16】

【0054】
(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含むキットもまた提供される。特定の変形例では、Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである。別の変形例では、Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである。1つの実施態様では、キットが、説明書をさらに含み、これは、1つの変形例では、化合物を前立腺癌の処置に使用するための説明書、または化合物をパーキンソン病もしくはアルツハイマー病の処置に使用するための説明書である。
【0055】
式(I)の化合物:
【0056】
【化17】

【0057】
(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む単位用量形態もまた、本明細書中で提供される。1つの実施態様では、Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである。別の実施態様では、Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである。
【0058】
単離された式(I)の化合物:
【0059】
【化18】

【0060】
(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物もまた提供される。1つの局面では、Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである。別の局面では、Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである。
【0061】
他の目的および利点は、次の詳細な説明の考慮から、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0062】
発明の詳細な説明
定義
他に明確に断りのない限り、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」などは、1つ以上を意味する。
【0063】
本明細書中における「約」値もしくはパラメータへの参照は、その値もしくはパラメータそれ自身に関する実施態様を含む(かつ、記載する)。例えば、「約X」との記載は、「X」の記載を含む。
【0064】
本明細書中に記載される「薬学的に許容され得る」とは、生物学的にもしくはそれ以外で望ましくないものではない材料を意味し、例えば、材料は、重大な望ましくない生物学的悪影響を引き起こしたり、もしくは組成物に含まれるいずれかの他の成分と有害な様式で相互作用したりすることなく、患者に投与される医薬組成物に配合され得る。薬学的に許容され得る担体もしくは賦形剤は、好ましくは、毒物学的および製造試験の必要とされる基準を満たすか、ならびに/もしくは米国食品医薬品局により作成された不活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれる。
【0065】
「薬学的に許容され得る塩」とは、遊離の(非塩)化合物の生物学的活性を少なくとも幾分保持し、そして、個体に薬物もしくは医薬品として投与することができる塩である。薬学的に許容され得る塩は、イオン性相互作用を意図し、共有結合は意図しない。このような塩には、例えば、以下のものが挙げられる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と共に形成されるか、もしくは酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸などの有機酸と共に形成される、酸添加塩;(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンもしくはアルミニウムイオンで置換されるか、または有機塩基に配位結合するかのいずれかの場合に形成される、塩。許容され得る有機塩基は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを含む。許容され得る無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどを含む。薬学的に許容され得る塩のさらなる例は、Bergeら、Pharmaceutical Salts,J.Pharm.Sci.1977 Jan;66(1):1−19に列挙されるものを含む。薬学的に許容され得る塩は、製造プロセスにおいてインサイチュで調製することができるか、または本発明の精製された化合物を、その遊離の酸もしくは塩基の形態で、それぞれ適切な有機もしくは無機の塩基もしくは酸と別々に反応させ、このように形成された塩を、引き続く精製により単離することにより、調製することができる。薬学的に許容され得る塩への参照は、その溶媒添加形態もしくは結晶形態、特に、溶媒和物もしくは多形を含むことが理解されるべきである。溶媒和物は、化学量論的もしくは非化学量論的な量のいずれかの溶媒を含み、そして、結晶化のプロセスの間にしばしば形成される。水和物は、溶媒が水である場合に形成され、もしくは、アルコール和物は、溶媒がアルコールである場合に形成される。多形は、同じ元素組成の化合物の異なる結晶充填配置を含む。多形は、通常、異なるX線回折パターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形、光学的および電気的特性、安定性ならびに溶解性を有する。再結晶化溶媒、結晶化の速度、および保管温度などの種々の因子もまた、単結晶形を優位にさせ得る。
【0066】
用語「賦形剤」は、本明細書中で「担体」と交換可能に用いられ、そして、本明細書中で用いられるように、本発明の化合物を有効成分として含む錠剤などの薬物もしくは医薬品の製造において用いられ得る不活物質もしくは不活性物質を意図する。用語賦形剤には種々の物質が包含され得、結合剤、崩壊剤、コーティング、圧縮/カプセル化助剤、クリームもしくはローション、滑沢剤、非経口投与用溶液、チュアブル錠用材料、甘味料もしくは香料、懸濁/ゲル化剤、または湿式造粒剤として用いられる任意の物質が限定されることなく含まれ得る。結合剤には、例えば、カルボマー、ポビドン、キサンタンガムなどが含まれる;コーティングには、例えば、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ゲランガム、マルトデキストリン、腸溶コーティングなどが含まれる;圧縮/カプセル化助剤には、例えば、炭酸カルシウム、デキストロース、フルクトースdc(dc=「直接圧縮可能」)、ハニーdc、ラクトース(無水物もしくはモノ水和物、必要に応じて、アスパルテーム、セルロースもしくは微結晶セルロースとの組み合わせ)、デンプンdc、スクロースなどが含まれる;崩壊剤には、例えば、クロスカルメロースナトリウム、ゲランガム、デンプングリコール酸ナトリウムなどが含まれる;クリームもしくはローションには、例えば、マルトデキストリン、カラギーナンなどが含まれる;滑沢剤には、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウムなどが含まれる;チュアブル錠剤用の材料には、例えば、デキストロース、フルクトースdc、ラクトース(モノ水和物、必要に応じて、アスパルテームもしくはセルロースとの組み合わせ)などが含まれる;懸濁/ゲル化剤には、例えば、カラギーナン、デンプングリコール酸ナトリウム、キサンタンガムなどが含まれる;甘味料には、例えば、アスパルテーム、デキストロース、フルクトースdc、ソルビトール、スクロースなどが含まれる;そして、湿式造粒剤には、例えば、炭酸カルシウム、マルトデキストリン、微結晶セルロースなどが含まれる。
【0067】
他に明確に断りのない限り、本明細書中で用いる「個体」は、ヒト、ウシ、霊長動物、ウマ、イヌ、ネコ、ブタおよびヒツジなどの動物を含む哺乳動物を意図するが、これらに限定されない。従って、本発明は、ヒトの医学ならびに農業用動物および家庭用ペットにおける使用を含む獣医学的状況の両方において、用途を見出す。
【0068】
用語「有効量」もしくは「治療有効量」は、化合物の、所定の治療形態において効果的であるはずであるような量を意図する。当該分野で理解されるように、有効量は、1回もしくはそれ以上の用量であり得、例えば、所望される処置の終点を達成するために、単回用量もしくは複数回用量が必要とされ得る。この効果の大きさを測定するため、精製された酵素を用いるインビトロアッセイ、細胞に基づくアッセイ、動物モデル、もしくはヒト試験などの標準的方法を用いることができる。
【0069】
本明細書中で用いられるように、「処置」もしくは「処置すること」は、臨床的結果を含む、有益なもしくは所望される結果を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益なもしくは所望される臨床的結果は、症候の緩和および/もしくは症候の程度の縮小および/もしくは疾患もしくは症状に伴う症候の悪化の予防を含むが、これらに限定されない。
【0070】
本明細書中に記載される、受容体「調節物質」である化合物は、リガンドに結合するかもしくはリガンドの受容体への結合を阻害するか、または受容体の活性を低減もしくは除去もしくは増加もしくは増強もしくは模倣する化合物を意図しかつ包含する。このように、「受容体調節物質」は、受容体アンタゴニストおよび受容体アゴニストの両方を包含する。
【0071】
本明細書中で用いられるように、「単位用量形態」は、単回用量として適切な物理的に区別された単位であって、各単位が所望の治療上の効果を生じさせるために計算された所定量の有効成分を必要な医薬担体と共に含む、単位を意味する。
【0072】
「実質的に純粋な」化合物の組成物は、組成物が、約35%未満の、もしくは約20%未満の、もしくは約15%未満の、または好ましくは約10%未満の、またはより好ましくは約5%未満の、またはさらにより好ましくは約3%未満の、および最も好ましくは約1%未満の不純物を含むことを意図する。
【0073】
いずれの実施態様も、言語「含む(comprising)」を用いて本明細書中に記載され、「からなる(consisting of)」および/もしくは「から実質的になる(consisting essentially of)」に基づいて記載された他の類似の実施態様もまた提供されることが理解される。
【0074】
化合物および組成物
特定の局面では、化合物、およびこのような化合物を含む組成物、例えば、医薬組成物が、本明細書中で提供される。化合物および組成物は、治療、例えば、前立腺癌、パーキンソン病もしくはアルツハイマー病の処置において、用途を見出し得る。実質的に純粋な化合物の組成物もまた提供され、同様に、単離された化合物および合成化合物もまた提供される。化合物の単位用量形態もまた提供される。
【0075】
式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)および/もしくは(MV)の化合物の化合物を単離する方法、例えば、化合物を血液もしくは他の体液から単離する方法が、本明細書中に詳述される。式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物もまた包含され、同様に、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物の単離されたおよび/もしくは精製された形態もまた包含される。
【0076】
本発明の1つの局面では、式(MI)、(MII)、(MIII)および(MIV)の化合物ならびにその塩が記載される。式(MV)の化合物もまた提供される。式(MI)、(MII)、(MIII)もしくは(MIV)の化合物は単離された形態で存在し得、単離された形態を含む組成物もまた包含される。化合物(MV)の単離された形態もまた提供される。式(MI)、(MII)、(MIII)もしくは(MIV)の化合物は、精製された形態で存在し得、化合物を精製された形態で含む組成物は、本明細書中で詳述される。化合物(MV)の精製された形態および(MV)を精製された形態で含む組成物もまた提供される。
【0077】
1つの局面では、式(I)の化合物を含む組成物であって、血液もしくは他の体液を含まない、組成物が提供される。1つの局面では、式(I)の化合物の精製された形態を含む組成物が提供される。このような組成物は、薬学的に許容され得る担体などの他の成分を含み得る。別の局面では、式(I)の化合物の実質的に純粋な形態の組成物であって、約15%、10%、5%、3%および1%のいずれか未満の不純物を含み、この不純物が、例えば、式(I)の化合物でも血液もしくは他の体液でもあり得ない、組成物が提供される。1つの局面では、実質的に純粋な化合物の組成物は、(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)および(MV)のいずれか1つのみを含む。
【0078】
化合物(MI)は、式:
【0079】
【化19】

【0080】
の化合物である。
【0081】
化合物(MII)は、式:
【0082】
【化20】

【0083】
の化合物である。
【0084】
化合物(MIII)は、式:
【0085】
【化21】

【0086】
の化合物である。
【0087】
化合物(MIV)は、式:
【0088】
【化22】

【0089】
の化合物である。
【0090】
化合物(MI)〜(MIV)は、薬学的に許容され得る塩などの塩として存在し得る。
【0091】
化合物(MV)は、式:
【0092】
【化23】

【0093】
の化合物であり、薬学的に許容され得る塩などの塩としても存在し得る。
【0094】
本発明の別の局面では、式(I)の化合物:
【0095】
【化24】

【0096】
(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)である化合物、またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物が提供される。
【0097】
従って、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)および(MV)の化合物:
【0098】
【化25】

【0099】
が提供され、そして、本明細書中に記載の組成物および方法において用いられ得る。
【0100】
1つの実施態様では、式(I)の化合物に関して、Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである。従って、1つの変形例では、式(I)の化合物が、式(MI)もしくは(MII)の化合物:
【0101】
【化26】

【0102】
である。
【0103】
別の実施態様では、式(I)の化合物に関して、Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである。従って、1つの変形例では、式(I)の化合物が、式(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物:
【0104】
【化27】

【0105】
である。
【0106】
1つの特定の実施態様では、式(I)の化合物に関して、Xが、Sであり、そして、Rが、OHである。従って、1つの変形例では、式(I)の化合物が、式(MI)の化合物:
【0107】
【化28】

【0108】
である。
【0109】
別の特定の実施態様では、式(I)の化合物に関して、Xが、Sであり、そして、Rが、NHである。従って、1つの変形例では、式(I)の化合物が、式(MII)の化合物:
【0110】
【化29】

【0111】
である。
【0112】
さらに別の特定の実施態様では、式(I)の化合物に関して、Xが、Oであり、そして、Rが、NHである。従って、1つの変形例では、式(I)の化合物が、式(MIII)の化合物:
【0113】
【化30】

【0114】
である。
【0115】
さらに別の特定の実施態様では、式(I)の化合物に関して、Xが、Oであり、そして、Rが、NHMeである。従って、1つの変形例では、式(I)の化合物が、式(MIV)の化合物:
【0116】
【化31】

【0117】
である。
【0118】
さらに別の特定の実施態様では、式(I)の化合物に関して、Xが、Oであり、そして、Rは、OHである。従って、1つの変形例では、式(I)の化合物が、式(MV)の化合物:
【0119】
【化32】

【0120】
である。
【0121】
本発明の別の局面では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物の薬学的に許容され得る塩が本明細書中で提供される。1つの実施態様では、薬学的に許容され得る塩は、式(MI)もしくは(MII)の化合物の薬学的に許容され得る塩である。別の実施態様では、薬学的に許容され得る塩は、式(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物の薬学的に許容され得る塩である。
【0122】
式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)および(MV)の化合物ならびにその塩が記載される。従って、化合物(MI)〜(MV)は、薬学的に許容され得る塩などの塩として存在し得る。式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物は、単離された形態で存在し得、そして、単離された形態を含む組成物が包含される。式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物は、精製された形態で存在し得、そして、精製された形態の化合物を含む組成物が本明細書中に詳述される。
【0123】
式(I)の実質的に純粋な化合物もしくはその塩の組成物が提供される。1つの局面では、組成物は、化合物(MI)もしくは(MII)の実質的に純粋な組成物である。別の局面では、実質的に純粋な(MIII)、(MIV)もしくは(MV)またはその塩の組成物が記載される。実質的に純粋な組成物は、1つの局面では、約10重量%もしくは5重量%もしくは1重量%のいずれか未満の不純物を含む。
【0124】
従って、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩を含む組成物、例えば、実質的に純粋な化合物の組成物が提供される。いくつかの実施態様では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩を含む組成物は、実質的に純粋な形態で存在する。1つの変形例では、「実質的に純粋な」は、約35%未満の不純物を含む組成物を意図し、ここで、不純物とは、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩以外の化合物を示す。1つの変形例では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)またはその塩の実質的に純粋な化合物の組成物であって、約25%未満の不純物を含む、組成物が提供される。別の変形例では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩の実質的に純粋な化合物の組成物であって、約20%未満の不純物を含む、組成物が提供される。さらに別の変形例では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩の実質的に純粋な化合物の組成物であって、約10%未満の不純物を含む、組成物が提供される。さらなる変形例では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩の実質的に純粋な化合物の組成物であって、約5%未満の不純物を含む、組成物が提供される。別の変形例では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩の実質的に純粋な化合物の組成物であって、約3%未満の不純物を含む、組成物が提供される。さらに別の変形例では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩の実質的に純粋な化合物の組成物であって、約1%未満の不純物を含む、組成物が提供される。さらなる変形例では、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩の実質的に純粋な化合物の組成物であって、約0.5%未満の不純物を含む、組成物が提供される。1つの局面では、%純度は、重量百分率により決定される百分率純度を意図する。
【0125】
式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩および薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物が提供される。本発明の別の局面では、薬学的に許容され得る担体および治療上有効量の式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物が本明細書中で提供される。
【0126】
1つの実施態様では、医薬組成物に関し、担体もしくは賦形剤が非経口投与に適している。1つの実施態様では、医薬組成物に関し、担体が経口投与に適している。1つの実施態様では、医薬組成物に関し、担体が局所投与に適している。
【0127】
1つの実施態様では、医薬組成物は、式(MI)もしくは(MII)の化合物を含む。別の実施態様では、医薬組成物は、式(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物を含む。1つの局面では、医薬組成物は、式(MI)もしくは(MII)の化合物を含まない。別の局面では、医薬組成物は、式(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物を含まない。
【0128】
1つの実施態様では、式(MI)もしくは(MII)の化合物の実質的に純粋な形態の医薬組成物が提供される。別の実施態様では、式(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物の実質的に純粋な形態の医薬組成物が提供される。
【0129】
式(I)の化合物は、経口、粘膜(例えば、鼻、舌下、膣、口腔もしくは直腸)、非経口(例えば、筋肉内、皮下もしくは静脈内)、局所または経皮送達を含む任意の利用可能な送達経路のための適切な担体と共に製剤化され得る。式(I)の化合物は、適切な担体と共に製剤化されて、以下のものを含む送達形態を提供し得るが、これらに限定されない:錠剤、カプレット、カプセル(硬質ゼラチンカプセルおよび軟質弾性ゼラチンカプセルなど)、カシェ、トローチ、ロゼンジ、ガム、分散物、坐剤、軟膏、パップ(湿布)、ペースト、粉末、包帯剤、クリーム、溶液、パッチ、エアロゾル(例えば、経鼻スプレーもしくはインヘラー)、ゲル、懸濁液(例えば、水性もしくは非水性液体懸濁液、水中油型エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョン)、溶液およびエリキシル。
【0130】
医薬製剤は、式(I)の化合物を有効成分として、当該分野で公知の薬理学的に許容され得る担体と合わせることにより調製され得る。システムの治療上の形態(例えば、経口錠剤)に応じて、担体は各種形態で存在し得る。さらに、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤(re−wetting agents)、乳化剤(emulgators)、甘味料、色素、調整剤、緩衝化剤、コーティング剤もしくは酸化防止剤を含み得る。式(I)の化合物を有効成分として含む製剤はまた、有益な治療上の特性を有する他の物質を含み得る。治療の形態は、通常の標準的な用量で表され得、そして、公知の医薬的方法で調製され得る。適切な製剤は、例えば、本明細書中に参考として援用するRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Philadelphia,PA,21sted.(2005)中に見出すことができる。
【0131】
式(I)の化合物の、医薬組成物もしくは他の組成物、例えば、単位用量形態における量は、有効量であり得る。1つの変形例では、医薬組成物などの組成物は、式(I)の化合物を、約10ng〜約1,500mgもしくはそれ以上の量で用量形態中に含む。
【0132】
適切な容器に入れた本発明の化合物、またはその塩もしくは溶媒和物を含む製品が提供される。容器は、バイアル、瓶、アンプルなどであり得る。
【0133】
本明細書中で提供される方法およびキットは、あたかも1つ1つの実施態様が特別にかつ個別に列挙されているかのように、本明細書中に詳述した化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含み得る。同様に、本明細書中で提供される方法およびキットは、あたかも1つ1つの実施態様が特別にかつ個別に列挙されているかのように、医薬組成物などの本明細書中に詳述した組成物を含み得る。
【0134】
方法
式(I)の化合物(すなわち、化合物(MI)〜(MV))は、1つもしくはそれ以上の分子標的で活性であり、従って、治療における用途を見出し得る。化合物(MI)〜(MV)またはその塩もしくは溶媒和物は、表5および9の受容体を調節するのに用いられ得、そして、このような受容体を調節する方法は、本明細書中に包含される。
【0135】
式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、あるいは前述のもののいずれかを含む医薬組成物を個体に投与することを含む、治療方法が提供される。1つの変形例では、方法が、式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物を、表5および9に列挙される受容体などの受容体を調節するために有効な量で個体に投与することを含む。1つの局面では、個体においてノルエピネフリン輸送体を調節する方法であって、式(MI)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。別の局面では、個体においてプロゲステロン受容体を調節する方法であって、式(MII)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。別の局面では、個体においてシグマ受容体を調節する方法であって、式(MIV)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。
【0136】
いくつかの実施態様では、受容体を調節する本明細書中に記載の化合物(受容体調節物質)は、本明細書中に記載のアッセイにおいて決定されるように、リガンドの結合を、少なくとも約または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%もしくは100%のいずれか1つ阻害する。いくつかの実施態様では、受容体調節物質は、受容体の活性を、受容体調節物質での処置前の同じ被験体における対応する活性と比較して、もしくは受容体調節物質を投与されていない他の被験体の対応する活性と比較して、少なくとも約または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%もしくは100%のいずれか1つ低減させる。いくつかの実施態様では、受容体調節物質は、受容体の活性を、受容体調節物質での処置前の同じ被験体における対応する活性と比較して、もしくは受容体調節物質を投与されていない他の被験体の対応する活性と比較して、少なくとも約もしくは約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%もしくは100もしくは200%もしくは300%もしくは400%もしくは500%もしくはそれ以上のいずれか1つ増強させる。いくつかの実施態様では、受容体調節物質は、受容体の活性部位(例えば、リガンドに対する結合部位)に結合可能である。いくつかの実施態様では、受容体調節物質は、受容体のアロステリックな部位に結合可能である。
【0137】
本発明の別の局面では、個体において本明細書中に開示される疾患もしくは症状を予防もしくは処置する方法であって、有効量の式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩、あるいは前述のもののいずれかを含む医薬組成物を個体に投与することを含む、方法が、本明細書中で提供される。
【0138】
本発明の別の局面では、前立腺癌を処置する方法であって、それを必要とする個体に、治療上有効量の式(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物またはその塩、あるいは前述のもののいずれかを含む医薬組成物を投与することを含む、方法が、本明細書中で提供される。個体において前立腺癌を処置する方法に関する1つの特定の実施態様では、化合物が、式(MI)もしくは(MII)の化合物であるか、またはその塩もしくは溶媒和物である。個体において前立腺癌を処置する方法に関する1つの特定の実施態様では、化合物が、式(MIII)、(MIV)もしくは(MV)の化合物であるか、またはその塩もしくは溶媒和物である。個体において前立腺癌を処置する方法に関する1つの特定の実施態様では、化合物が、式(MII)、(MIII)もしくは(MIV)の化合物であるか、またはその塩もしくは溶媒和物である。
【0139】
1つの実施態様では、処置方法に関し、疾患もしくは症状が、パーキンソン病およびアルツハイマー病から選択される。従って、1つの実施態様では、パーキンソン病を処置する方法であって、治療上有効量の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。別の実施態様では、アルツハイマー病を処置する方法であって、治療上有効量の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。
【0140】
特定の実施態様では、パーキンソン病を処置する方法であって、それを必要とする個体に、式(MI)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、あるいは前述のもののいずれかを含む医薬組成物を投与することを含む、方法が提供される。別の実施態様では、アルツハイマー病を処置する方法であって、それを必要とする個体に、式(MI)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、あるいは前述のもののいずれかを含む医薬組成物を投与することを含む、方法が提供される。
【0141】
前立腺癌、脱毛症、肝細胞癌種もしくは尋常性ざ瘡を処置する方法であって、治療上有効量の式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法もまた提供される。1つの局面では、方法が、式(MI)、(MII)、(MIII)もしくは(MIV)の化合物を投与することを含む。1つの実施態様では、方法が、前立腺癌を処置する方法である。別の実施態様では、方法が、脱毛症を処置する方法である。さらに別の実施態様では、方法が、肝細胞癌種を処置する方法である。さらに別の実施態様では、方法が、尋常性ざ瘡を処置する方法である。
【0142】
特定の変形例では、前立腺癌、脱毛症、肝細胞癌種もしくは尋常性ざ瘡を処置する方法であって、式(MI)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。別の変形例では、前立腺癌、脱毛症、肝細胞癌種もしくは尋常性ざ瘡を処置する方法であって、式(MII)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。さらなる実施態様では、前立腺癌、脱毛症、肝細胞癌種もしくは尋常性ざ瘡を処置する方法であって、式(MIII)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。別の実施態様では、前立腺癌、脱毛症、肝細胞癌種もしくは尋常性ざ瘡を処置する方法であって、式(MIV)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物を個体に投与することを含む、方法が提供される。
【0143】
別の変形例では、雌性の個体の受胎調節方法であって、式(MII)の化合物を個体に投与することを含む、方法が提供される。1つの変形例では、化合物が、妊娠を予防する量で個体に投与される。別の変形例では、化合物が、妊娠を中絶する量で個体に投与される。1つの変形例では、化合物(MII)が、妊娠している雌性の個体に与えられる。別の変形例では、化合物(MII)が、妊娠していない雌性の個体に与えられる。
【0144】
さらなる変形例では、鬱を処置する方法であって、治療上有効量の式(MIV)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、あるいは前述のもののいずれかを含む医薬組成物を個体に投与することを含む、方法が提供される。
【0145】
さらなる変形例では、注意欠陥障害を処置する方法であって、治療上有効量の式(MI)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物、あるいは前述のもののいずれかを含む医薬組成物を個体に投与することを含む、方法が提供される。
【0146】
提供された方法のいずれかにおいて、1つの局面では、個体がヒトである。
【0147】
1つの実施態様では、本発明の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩を用いる疾患もしくは症状の処置は、全く副作用を伴わないか、もしくは疾患もしくは症状の現在利用可能な治療に伴う副作用よりも少ない副作用を伴い、そして/または、個体のクオリティ・オブ・ライフを改善する。
【0148】
式(I)の化合物に関与する処置計画は、化合物を、ヒトなどの個体に、約0.01〜約10mg/kg体重の間の用量で、少なくとも1日1回、および、治療の効果を達成するのに必要とされる期間にわたって投与することに関与し得る。他の変形例では、式(I)の化合物の1日用量(もしくは他の投与頻度)は、約0.01mg/kgと約8mg/kgの間;または約0.01mg/kgと約6mg/kgとの間;または約0.01mg/kgと約4mg/kgとの間;または約0.01mg/kgと約2mg/kgとの間;または約0.01mg/kgと約1mg/kgとの間;または約0.03mg/kgと約10mg/kgとの間;または約1mg/kgと約10mg/kgとの間;または約2mg/kgと約10mg/kgとの間;または約4mg/kgと約10mg/kgとの間;または約6mg/kgと約10mg/kgとの間;または約8mg/kgと約10mg/kgとの間;または約0.1mg/kgと約5mg/kgとの間;または約0.lmg/kgと約4mg/kgとの間;または約0.5mg/kgと約5mg/kgとの間;または約1mg/kgと約5mg/kgとの間;または約1mg/kgと約4mg/kgとの間;または約2mg/kgと約4mg/kgとの間;または約1mg/kgと約3mg/kgとの間;または約1.5mg/kgと約3mg/kgとの間;または約2mg/kgと約3mg/kgとの間;または約0.03mg/kgと4mg/kgとの間;または約0.03mg/kgと2mg/kgとの間;または約0.05mg/kgと10mg/kgの間;または約0.05mg/kgと8mg/kgとの間;または約0.05mg/kgと4mg/kgとの間;または約0.05mg/kgと約3mg/kgとの間;または約10kgと約50kgとの間;または約10mg/kgと約100mg/kgとの間もしくは約10mg/kgと約250mg/kgとの間;または約50mg/kgと約100mg/kgとの間もしくは約50mg/kgと200mg/kgとの間;または約100mg/kgと約200mg/kgとの間もしくは約200mg/kgと約500mg/kgとの間;または約100mg/kgを超える用量;または約500mg/kgを超える用量である。
【0149】
式(I)の化合物は、有効な投与計画に従って、所望される期間もしくは持続期間、例えば、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約1ヶ月、少なくとも約2ヶ月、少なくとも約3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、または少なくとも約12ヶ月もしくはそれ以上にわたって、個体に投与され得る。1つの変形例では、式(I)の化合物は、毎日のもしくは断続的なスケジュールで、個体の生命の持続期間にわたって個体に投与される。
【0150】
式(I)の化合物の投与頻度は、毎週約1回の投与であることができる。式(I)の化合物の投与頻度は、1日に約1回の投与、1日に2回の投与、もしくは1日に3回の投与であることができる。式(I)の化合物の投与頻度は、1週間に約3回の投与、もしくは1週間に約4回の投与、もしくは1週間に約2回の投与であることができる。式(I)の化合物の投与頻度は、毎週約1回を超えるが約毎日の投与より少なくすることができる。式(I)の化合物の投与頻度は、毎月約1回の投与であることができる。式(I)の化合物の投与頻度は、毎週約2回の投与であることができる。式(I)の化合物の投与頻度は、毎月約1回を超える投与であるが毎週約1回未満の投与であることができる。式(I)の化合物の投与頻度は、断続的であることができる(例えば、7日間にわたって1日1回投与、その後7日間にわたって投与なし、これを約2ヶ月、約4ヶ月、約6ヶ月もしくはそれ以上などの期間にわたり、任意の14日間の期間にわたって繰り返す)。式(I)の化合物の投与頻度は、連続的であることができる(例えば、連続する週にわたる毎週1回の投与)。いずれの投与頻度も、本明細書中に記載のいずれかの化合物またはその塩もしくは溶媒和物を、本明細書中に記載のいずれかの用量と共に用いることができる。
【0151】
キット
本発明は、式(I)の化合物を含むキットをさらに提供する。キットは、必要に応じて、一式の説明書、通常は書面による説明書を含み得るが、説明書を含む電子記憶媒体(例えば、磁気ディスケットもしくは光学ディスク)もまた許容され得る。キットに含まれる説明書は、通常、成分およびそれらの個体への投与についての情報、例えば、用量、投与スケジュールおよび投与の経路に関する情報を含む。いくつかの実施態様では、キットは、(a)式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩;および(b)本明細書中に記載の症状もしくは障害、例えば、前立腺癌、アルツハイマー病およびパーキンソン病に使用するための説明書を含む。キットは、本明細書中に記載の1つ以上のいずれかの用途に用いられ得、従って、いずれか1つ以上の前述した用途(例えば、本明細書中に開示されたいずれかの適応症を処置することならびに/または予防することならびに/または発症および/もしくは進展を遅らせること)についての説明書を含み得る。
【0152】
いくつかの実施態様では、式(I)の化合物のキット中における量は、所望される治療上の結果(例えば、処置すべき適応症の1つ以上の症候の、重篤度もしくは持続時間を低減すること、重篤度を安定化すること、または除去すること)を生じるのに十分な量である。
【0153】
キットは、通常、適切な包装を含む。キットは、本明細書中に記載のいずれかの化合物(単数または複数)を含む1つ以上の容器を含み得る。適切な包装は、バイアル、ボトル、瓶、フレキシブル包装(例えば、プラスチックバッグ)などを含むが、これらに限定されない。各成分(1つより多い成分が存在する場合)は、別の容器に包装することができるか、もしくは、交差反応性および保存期間が許すのであれば、いくつかの成分を1つの容器内で合わせることもできる。キットは、必要に応じて、賦形剤などのさらなる成分を提供し得る。
【0154】
容器は、単位用量形態、バルク包装(例えば、複数回用量包装)もしくは下位単位用量(sub−unit doses)であり得る。処置すべき適応症を有する個体の有効な処置を、例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月もしくはそれ以上などの長期間にわたって提供するのに十分な用量の式(I)の化合物を含むキットが提供され得る。キットはまた、複数の単位用量の化合物および使用のための説明書を含み得、そして、薬局(例えば、病院薬局および調剤薬局)での保管および使用に十分な量で包装され得る。
【0155】
本発明の化合物の調製および単離方法
ジアリールヒダントイン化合物を生じる合成方法は、米国特許出願公開第2007/0004753号明細書、同2007/0254933号明細書および同2009/0111864号明細書(これらはその全体、および特に合成方法について参照することにより、本明細書中で援用される)に記載されている。化合物(MI)〜(MV)はまた、本明細書中の実施例で詳述する方法に従って作製され得る。
【実施例】
【0156】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されるが、本発明を限定するものではない。
【0157】
実施例1.ラット血漿からの化合物の単離および同定。
【0158】
雄性および雌性のSprague Dawleyラットにおける26週の経口毒性学の試験の高用量群から得られた定常状態血漿サンプルにおいて、RD162’の代謝物を単離および同定した。
【0159】
ラット血漿サンプルを、およそ−20℃もしくはそれ以下で保管した。サンプルを、RD162’を投与された被検体から得た。各サンプル(100μL)を3倍容量(300μL)のアセトニトリルを用いて沈殿させることにより、試験用サンプルをHPLC注入用に調製した。サンプルを、16,000gで5分間遠心分離した。遠心分離後、380μLの各上清を新しい管に移し、Speed−Vac中で蒸発乾燥させた。蒸発させたサンプルを、50μLの0.2%ギ酸水溶液に再構成した。
【0160】
サンプルを、以下のLC/MS/MS条件を用いて分析した:HPLC:Shimadzu VP System;移動相:水中0.2%ギ酸(A)およびメタノール中0.15%ギ酸(B);カラム:1×50mm TITAN C18カラム(Peeke Scientific);注入容量:20μL;グラジエント:5〜75% B(30分間);流速:100μL/分;質量分析装置:Applied Biosystems/MDS SCIEX Q−STAR;インターフェース:約1/10でイオンスプレー分裂;親イオンスキャン:100〜900amuでTOFポジティブ;生成物イオンスキャン:親イオンスキャンにおいて60〜900amuの最も強いイオンから得られたTOF生成物イオン;TOF較正:レニン基質を用いて外部から較正した。
【0161】
サンプルを注入のために調製し、同日に分析した。表1に、この分析の結果をまとめる。
【0162】
【表1】

【0163】
実施例2.イヌ血漿における化合物の単離および同定
雄性ビーグル犬における13週の経口毒性学試験の高用量群から得られた定常状態血漿サンプルにおいて、RD162’の代謝物を単離および同定した。
【0164】
イヌ血漿サンプルを、およそ−20℃もしくはそれ以下で保管した。サンプルを、RD162’を投与した被検体から得た。各サンプル(100μL)を3倍容量(300μL)のアセトニトリルを用いて沈殿させることにより、試験サンプルをHPLC注入用に調製した。サンプルを、16,000gで5分間遠心分離した。遠心分離後、380μLの各上清を新しい管に移し、Speed−Vac中で蒸発乾燥させた。蒸発させたサンプルを、50μLの0.2%ギ酸水溶液に再構成した。
【0165】
サンプルを、以下のLC/MS/MS条件を用いて分析した:HPLC:Shimadzu VP System;移動相:水中0.2%ギ酸(A)およびメタノール中0.15%ギ酸(B);カラム:1×50mm TITAN C18カラム(Peeke Scientific);注入容量:20μL;グラジエント:5〜75% B(30分間);流速:100μL/分;質量分析装置:Applied Biosystems/MDS SCIEX Q−STAR;インターフェース:約1/10でイオンスプレー分裂;親イオンスキャン:親イオンスキャン:100〜900amuでTOFポジティブ;生成物イオンスキャン:親イオンスキャンにおいて60〜900amuの最も強いイオンから得られたTOF生成物イオン;TOF較正:レニン基質を用いて外部から較正した。
【0166】
サンプルを注入用に調製し、同日に分析した。表2に、この分析の結果をまとめる。
【0167】
【表2】

【0168】
実施例3.ヒト血漿における化合物の単離および同定。
【0169】
RD162’を服用している前立腺癌患者の定常状態血漿サンプルにおいて、RD162’の代謝物を単離および同定した。定常状態ヒトサンプルは、240mg/日での処置のおよそ84日目に得られた5つのCmaxサンプルからなった。
【0170】
ヒト血漿サンプルを、およそ−20℃もしくはそれ以下で保管した。サンプルを、RD162’を投与されている被検者から得た。各サンプル(100μL)を3倍容量(300μL)のアセトニトリルを用いて沈殿させることにより、試験用サンプルをHPLC注入用に調製した。サンプルを、16,000gで5分間遠心分離した。遠心分離後、380μLの各上清を新しい管に移し、Speed−Vac中で蒸発乾燥させた。蒸発させたサンプルを、50μLの0.2%ギ酸水溶液に再構成した。
【0171】
サンプルを、以下のLC/MS/MS条件を用いて分析した:HPLC:Shimadzu VP System;移動相:水中0.2%ギ酸(A)およびメタノール中0.15%ギ酸(B);カラム:1×50mm TITAN C18カラム(Peeke Scientific);注入容量:20μL;グラジエント:5〜75% B(30分間);流速:100μL/分;質量分析装置:Applied Biosystems/MDS SCIEX Q−STAR;インターフェース:約1/10でイオンスプレー分裂;親イオンスキャン:100〜900amuでTOFポジティブ;生成物イオンスキャン:親イオンスキャンにおいて60〜900amuの最も強いイオンから得られたTOF生成物イオン;TOF較正:レニン基質を用いて外部から較正した。
【0172】
サンプルを注入用に調製し、同日に分析した。表3は、この分析の結果をまとめる。
【0173】
【表3】

【0174】
実施例4:ヒト血漿における化合物の定量
ヒト血漿における代謝物の濃度を推定するため、(MI)、(MII)および(MIII)についてのLC/MS/MSアッセイが適格であるとし、RD162’を1日当たり150〜480mgでおよそ3ヶ月にわたって投与された18名の前立腺癌患者から得られた血漿を分析するのに用いた。この分析の結果(表4)は、(MI)および(MII)が血漿中に高濃度で存在し、そして、(MIII)が低濃度で存在していたことを示した。
【0175】
【表4】

【0176】
上記データを導くために用いた方法は、以下のとおりである。RD162’代謝物((MI)、(MII)、(MIII))のエレクトロスプレーLC/MS/MSアッセイ:
濃度決定のための血漿抽出手順:ヒト血漿サンプル(50μL)を、10mLガラス管に添加した。10μL容積のISストック溶液を管に添加し、次いで、pH3.0の1Mリン酸緩衝液(400μL)を添加した。混合物をボルテックスし、テトラブチルメチルエーテル(5mL)を添加した。管を30秒ボルテックスし、次いで、4540gで10分間遠心分離した。溶媒をガラス管に移し、気流下で、35〜40℃で乾燥させた。サンプルを100μLのメタノール:水中0.1%ギ酸(7:3)で再構成し、30秒間ボルテックスし、5分間超音波処理した。サンプルをHPLCサンプルバイアルに移し、4540gで5分間遠心分離した。次いで、20μL容積を、アッセイ用のLC/MS/MSシステムに注入した。
【0177】
RD162’代謝物((MII)および(MIII))についてのLC/MS/MSパラメータ:陽イオンモード機器パラメータ−機能1;極性:ES+;データタイプ:MRMデータ;機能タイプ:8チャンネルのMRM。
【0178】
【化33】

【0179】
HP1100 LCポンプ初期条件:HPLCカラム:ACE C18、5μM、150×内径2.1mm。溶媒:A% 40.0;B% 60.0;C% 0.0;D% 0.0;バルブAはチャンネル1に設定する;バルブBはチャンネル1に設定する。フロー:0.300mL/分;停止時間:9.0分;最小圧力:0bar;最大圧力:300bar;オーブン温度左:30.0℃;オーブン温度右:30.0℃。
【0180】
【化34】

【0181】
RD162’代謝物(MI)についてのLC/MS/MSパラメータ
機器パラメータ−機能1:極性ES−;データタイプ:MRMデータ;機能タイプ:5チャンネルのMRM。
【0182】
【化35】

【0183】
HPLCカラム:ACE C18、5μM、150×内径2.1mm;HP1100 LCポンプモード:アイソクラチック;アイソクラチック溶媒条件:A% 25.0;B% 75.0;C% 0.0;D% 0.0;バルブAをチャンネル1に設定した;バルブBをチャンネル1に設定した;フロー:0.300mL/分;停止時間:4.5min;最小圧力:0bar;最大圧力:300bar:オーブン温度左:30.0℃;オーブン温度右:30.0℃。
【0184】
本発明の化合物の合成
実施例5.4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ安息香酸(化合物(MI))の調製:
【0185】
【化36】

【0186】
4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドを濃HCl中に懸濁し、圧力容器中、120℃で48時間加熱した。反応を薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターした。反応混合物を室温まで冷却した。残渣を濾過し、シリカゲルクロマトグラフィー(100〜200メッシュ、溶出液:0〜5%メタノール−ジクロロメタン)で精製した。MS(m/z):452(M+1)。HPLC:カラム、YMC ODS AQ、4.6×250mm、5μm、移動相A:10mM酢酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル、グラジエント、アイソクラチック:55% A:45% B、保持時間、3.804分、HPLC純度、95.82%、流速、1mL/分。1H NMR (CDCl3, Freebase): δ (ppm) 8.22 (t, 1H), 8.0 (d, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.82 (d, 1H), 7.2 (m, 2H) 1.6 (s, 6H).
実施例6.4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロベンズアミド(化合物(MII))の調製。
【0187】
実施例6a.4−ブロモ−2−フルオロベンズアミドの調製:
【0188】
【化37】

【0189】
DCM(15mL)中の4−ブロモ−2−フルオロ安息香酸(1.5g、6.84mmol)の攪拌溶液に、塩化オキサリル(3.45g、27.39mmol)を0℃で滴下した。添加が完了した後、2〜3滴のDMFを0℃で添加し、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を乾燥THF(20mL)中に溶解させた。この溶液に、アンモニア水(50mL)を0℃で添加した。反応混合物を室温まで加温し、そして室温で30分間攪拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をトルエンと共沸させて1.3gの生成物を得た。1H NMR (CDCl3, Freebase): δ (ppm) 8.0 (t, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 6.60 (bs, 1H), 5.9 (bs, 1H).
実施例6b.2−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−2−メチルプロパン酸の調製:
【0190】
【化38】

【0191】
4−ブロモ−2−フルオロベンズアミド(0.5g、2.29mmol)、2アミノイソ酪酸(0.354g、3.54mmol)、CuI(87mg、0.458mmol)およびKCO(0.790g、5.72mmol)をDMF(5mL)中で混合した。HO(0.5mL)およびTEA(11mg、0.1mmol)を添加し、次いで2−アセチルシクロヘキサノン(60mg、0.428mmol)を添加した。反応混合物を、95〜100℃に48時間加熱した。反応混合物をHO(20mL)で希釈し、水性層を酢酸エチル(20mL)で洗浄した。水性層を1Mクエン酸でpH4に酸性化し、生成物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、生成物を得た。1H NMR (DMSO, Freebase): δ (ppm) 7.55-7.45 (t, 1H), 7.20 (bs, 1H), 7.05 (bs, 1H), 6.80 (bs, 1H), 6.35-6.30 (d, 1H), 6.18-6.10 (d, 1H), 1.42 (s, 6H).
実施例6c.メチル2−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−2−メチルプロパノアートの調製:
【0192】
【化39】

【0193】
2−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−2−メチルプロパン酸およびKCO(1.5当量)のDMF(10倍)中溶液を、室温で10分間攪拌した。MeI(1.5当量)を添加し、反応混合物を55〜60℃で2時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製した。1H NMR (CDCl3, Freebase): δ (ppm) 7.9 (t, 1H), 6.5 (bs, 1H), 6.4 (d, 1H), 6.2 (d, 1H), 5.6 (bs, 1H), 4.6 (bs, 1H), 3.75 (s, 3H), 1.6 (s, 6H).
実施例6d.4−イソチオシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルの調製:
【0194】
【化40】

【0195】
チオホスゲン(10g、87.71mmol)を水に溶解し、室温で10分間攪拌した。4−アミノ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリルを室温で分割添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、12gの生成物を得た。1H NMR (CDCl3): δ (ppm) 7.84 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.48 (d, 1H).
実施例6e.4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロベンズアミド(化合物(MII))の調製:
【0196】
【化41】

【0197】
乾燥DMSO(1mmol当たり5mL)中のメチル2−(4−カルバモイル−3−フルオロフェニルアミノ)−2−メチルプロパノアートおよび2−(トリフルオロメチル)−4−イソチオシアナトベンゾニトリル(1.5当量)の溶液を、80〜82℃に12時間加熱した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、残渣を40%アセトン−ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。MS(m/z):451(M+1)。HPLC:カラム、YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:10mM酢酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル、グラジエント、10%のBを2分まで、10%〜90%のBを3分間、3分間保持、90%〜10%のBを5分間、保持時間、2.782分、HPLC純度、99.4%、流速、1mL/分。1H NMR (CDCl3, Freebase): δ (ppm) 8.3 (t, 1H), 8.0 (d, 1H) 7.98 (s, 1H), 7.8 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.2 (d, 1H), 6.65 (d, 1H), 6.0 (s, 1H), 1.62 (s ,6H).
実施例7.4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロベンズアミド(化合物(MIII))の調製:
【0198】
【化42】

【0199】
エタノール(60mL)中の4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロベンズアミド(化合物(MII))(1.48g、3.4mmol)の溶液に、30%H水(30mL)を室温で添加した。溶液を1時間加熱還流した。エタノールを除去した後、ブライン(100mL)を添加し、水性層を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。MS(m/z):435(M+1)。HPLC:カラム、YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:10mM酢酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル、グラジエント、10%Bを2分まで、10%〜90%のBを6分間、10分間保持、90%〜10%のBを4分間、保持時間、9.548分、HPLC純度、98.08%、流速、1mL/分。1H NMR (CDCl3, Freebase): δ (ppm) 8.3 (t, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.2 (d, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.25 (m, 2H), 6.65 (bd, 1H), 5.9 (bs, 1H) 1.65 (s, 6H).
実施例8.4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(化合物(MIV))の調製:
【0200】
【化43】

【0201】
エタノール(60mL)中の4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ−N−メチルベンズアミド(1.52g、3.4mmol)の溶液に、30%H水(30mL)を室温で添加した。溶液を1時間加熱還流した。エタノールを除去した後、ブライン(100mL)を添加し、水性層を酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。MS(m/z),449(M+1)。HPLC:カラム、YMC ODS A、4.6×150mm、5μm、移動相A:10mM酢酸アンモニウム、移動相B:アセトニトリル、グラジエント、10%Bを2分まで、10%〜90%のBを3分間、3分間保持、90%〜10%のBを5分間、保持時間、8.976分、HPLC純度、98.46%、流速、1mL/分。1H NMR (CDCl3, Freebase): δ (ppm) 8.22 (t, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.04 (d, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.28 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 6.70 (m, 1H), 3.05 (d, 3H), 1.65 (s, 6H).
実施例9.4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ安息香酸(化合物(MV))の調製:
【0202】
【化44】

【0203】
塩化チオニル(0.5mL、67.7mmol)中の4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−4−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ安息香酸(50mg、0.11mmol)の溶液を90℃で15時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥させた。氷水(20mL)を残渣に添加し、生成物を酢酸エチル(60mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて粗生成物を得、これを逆相HPLCで精製して、4−(3−(4−シアノ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)−5,5−ジメチル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−フルオロ安息香酸を得た。1H NMR DMSO-d6 (FREE BASE): δ (ppm) 8.39 (d, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.1 (d, 1H), 8.0 (t, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.4 (d, 1H), 1.58 (s, 6H).
試験化合物の生物学的活性
以下の実施例は、化合物(MI)〜(MIV)の生物学的活性を例示する。以下に記載されるような標準的な結合および酵素アッセイは、例えば、Cerep,Inc.(Redmond,WA,USA);MDS Pharma Services(King of Prussia,PA,USA);NovaScreen Biosciences/Caliper Life Sciences(Mountain View,CA,USA);およびEuroScreen FAST(Gosselies,Belgium)などの業者により実施することができる。
【0204】
定義:
以下の受容体の略号を、以下の実施例で用いる:アデノシンはA、A2aおよびA;アドレナリン作動性はαおよびα;アンギオテンシンはATおよびAT;ベンゾジアゼピンはBZD;ブラジキニンはBおよびB;カンナビノイドはCBおよびCB;コレシストキニンはCCKおよびCCK;コルチコトロピン放出因子はCRF;ドーパミンはD、D2S、D、D4.4;エンドセリンはETおよびET;γ−アミノ酪酸はGABA;イオノトロピックγ−アミノ酪酸はGABA;α−アミノ−3−ヒドロキシル−5−メチル−4−イソオキサゾールプロピオン酸はAMPA;N−メチル−D−アスパラギン酸はNMDA;ヒスタミンはH、HおよびH;ロイコトリエンはLTBおよびLTD;性腺刺激ホルモン放出ホルモンはGnRH;メラノコルチンはMC;ムスカリン性はM;ニューロキニンはNK、NKおよびNK;ニューロペプチドはY;ノシセプチンオピオイドはNOP;フェンシクリジンはPCP;プリン作動性はP2XおよびP2Y;セロトニンは5−HT;ソマトスタチンはsst;グルココルチコイドはGR;エストロゲンはER;プロゲステロンはPR;甲状腺ホルモンはTR;甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンはTRH;バソプレッシンはV1aおよびV;ATP感受性KはKATP;電位依存性KはK;ならびに小コンダクタンスCa2+−依存性はSKCa。以下の酵素略号は、以下の実施例で用いられる:ホスホジエステラーゼはPDE1B、PDE2A、PDE3A、PDE4D、PDE5;プロテインキナーゼCαはPKCα;カテコール−O−メチルトランスフェラーゼはCOMT;モノアミンオキシダーゼはMAO−AおよびMAO−B;ならびにフェニルエタノールアミン−N−メチルトランスフェラーゼはPNMT。
【0205】
実施例B1.インビトロ薬理学:化合物(MI)−(MIV)の結合活性
化合物(MI)〜(MIV)を、表5に示す標的に対して10μMでスクリーニングすることにより評価した。本発明の化合物の活性を測定するのに用いられる放射性リガンド結合アッセイ方法は、当業者に熟知されているであろう。各結合アッセイについて、通常の手順および実験的条件を表5および6にそれぞれまとめる。各アッセイの場合において、例えば、細胞タイプ、リガンド、参照化合物などのアッセイ要素は、このようなアッセイの専門家に熟知されているであろう。
【0206】
【表5−1】

【0207】
【表5−2】

【0208】
【表6−1】

【0209】
【表6−2】

【0210】
【表6−3】

【0211】
結果の分析および発現:本発明の化合物を生化学アッセイで試験し、特異的結合の百分率阻害を決定した。受容体への特異的リガンド結合を、総結合と過剰な非標識リガンドの存在下で決定される非特異的結合との間の差異であると定義する。結果は、試験化合物の存在下で得られたコントロール特異的結合(100−((測定した特異的結合/コントロール特異的結合)×100))の百分率阻害として表される。アッセイの結果を、表7にまとめる。
【0212】
【表7−1】

【0213】
【表7−2】

【0214】
インビトロ薬理学の結果:50%を超える阻害(もしくは基礎条件で実行されるアッセイに対する刺激)を示す結果は、通常、試験化合物の顕著な効果を表すと考えられる。20%と50%との間の阻害(もしくは刺激)を示す結果は、通常、弱〜中程度の効果を示す。20%未満の阻害(もしくは刺激)を示す結果は、通常、さらに弱いと考えられる。
【0215】
選択された標的の生物学は、以下のようにまとめられる。アデノシンA3受容体:心臓性、炎症性および神経性細胞機能において不完全に定義された役割を有するGタンパク質結合受容体(Fishmanら、“Pharmacology and therapeutic applications of A3 receptor subtype.”Curr.Top.Med.Chem.(2003),3(4):463−9);カンナビノイドCB受容体:侵害受容、および免疫細胞機能に関与するGタンパク質結合受容体(Jhaveriら、“Cannabinoid CB receptor−mediated anti−nociception in models of acute and chronic pain.”Mol Neurobiol.(2007),36(1):26−35;Marriottら、“Recent advances in the development of selective ligands for the cannabinoid CB(2)receptor.”Curr.Top.Med.Chem.(2008),8(3):187−204);Clchannel(rat):GABA−gated chloride channel regulates neuronal cell activity(Treiman,D.“GABAergic Mechanisms in Epilepsy.”Epilepsia(2001),42(3):8-12);アドレナリン作動性α1(非選択的、ラット):カテコールアミンのGタンパク質結合受容体。これらの受容体は、平滑筋の収縮および神経伝達物質の放出を調節する(Michelottiら、“Alpha 1−Adrenergic receptor regulation:basic science and clinical implications.”Pharmacol.Ther.(2000),88(3):281−309);シグマ(非選択的):鬱に関連する挙動を調節する膜結合CNS受容体(Stahl,S.“Antidepressant Treatment of Psychotic Major Depression:Potential Role of the Sigma Receptor.”CNS Spectr.(2005),10(4):319−323);ノルエピネフリン輸送体:ノルアドレナリンおよびより少ない程度のドーパミンになるまで、後の使用までの保管のために、シナプスから神経細胞内小胞へと輸送して戻す(Mandelaら、“The Norepinephrine Transporter and Its Regulation.”J.Neurochemistry(2006),97(2):310−333);プロゲステロンPR:全ての主要な生理学的系で発現し、子宮/卵巣、小脳、脊髄および視床下部で最大(Edwardsら、“Progesterone receptor transcription and non−transcription signaling mechanisms.”Steroids(2003),68(10−13):761−770)。
【0216】
実施例B2:インビトロ薬理学:ヒトアンドロゲン受容体(AR)結合。
【0217】
組織の調製:ヒトアンドロゲン受容体を、T−175フラスコからのトリプシン処理により培養および採取したLNCAP細胞中で発現させた。冷凍ペレットを解凍し、超音波処理により再懸濁し、次いで適切な濃度に希釈した。ホモジネートを、48,000gで10分間、4℃で遠心分離した。上清を用いた。タンパク質を決定した。組織をアッセイ緩衝液で0.325mg/mLに希釈して、各管が65μgのタンパク質を受け入れるように、すなわち、最終アッセイ濃度が0.260mg/mLとなるようにした。
【0218】
材料および試薬:[H]−メチルトリエノロンを、25mM HEPES pH7.4(1.0mMのEDTA、10mMのモリブデン酸ナトリウム、10%のグリセロール、0.5mMのPMSFを含有)中5nMの濃度に希釈し、アッセイにおける最終放射性リガンド濃度が0.5nMとなるようにした。非特異的結合は、2x10−7Mのメチルトリエノロン(R1881)の存在下で残存する結合であると定義される。参照化合物はメチルトリエノロン(R1881)であり、以下の最終濃度で実行された:2×10−11、5×10−11、1×10−10、2×10−10、5×10−10、1×10−9、2×10−9、5×10−9、1×10−8、2×10−8、5×10−8および1×10−7M。
【0219】
緩衝液:25mM HEPES pH7.4;1.0mM EDTA;10mMモリブデン酸ナトリウム;10%グリセロール;0.5mM PFSM(残りの緩衝液に添加する前に、まず、PMSFをEtOH中に溶解した)。
【0220】
結合反応:(Liaoら、“The Use of a Hydroxylapatite−Filter Steroid Receptor Assay Method in the Study of the Modulation of Androgen Receptor Interaction.”J.Steroid Biochem.(1984),20:11−17(改変有り))。各バイアルは、以下の成分を受け入れた:試験/参照化合物もしくはビヒクル(25μL);[H]−メチルトリエノロン(25μL);組織懸濁液(200μL)。結合反応を、組織を添加することにより開始し、0〜4℃で(冷蔵庫中で)18〜22時間インキュベートした(一晩)。管の内容物を0.1%PEIで処理したGF/Bフィルター上で迅速濾過することにより、結合反応を終了させた。アッセイ管を、氷冷した25nMのHEPESで1回すすぎ、次いで、6×1mL/管の同じ洗浄緩衝液で迅速にすすいだ。フィラー(filers)を少なくとも1時間シンチレーションカクテル中に浸漬した後、フィルター上で捕捉された放射活性を液体シンチレーション分光光度法により評価した。非特異的結合は、2×10−7Mの未標識メチルトリエノロン(R1881)の存在下で残存する放射活性の量であると定義される。特異的結合を、総結合と非特異的結合との間の差異から計算した。IC50値は、特異的結合を、試験化合物濃度の関数としてプロットすることにより決定した。Ki値は、Cheng−Prusoffの式(Ki=IC50/(1+(L/K))(式中、L=アッセイ中における放射性リガンドの濃度であり、K=独立して決定される受容体の放射性リガンドの親和性である)を用いて、IC50値から直接得た。アッセイの結果の例を、表8に示す。
【0221】
【表8】

【0222】
表8中のデータは、化合物MII〜MIVが、アンドロゲン受容体に対する活性を有することを示す。
【0223】
実施例B3:インビトロ薬理学:酵素アッセイ
以下に提供する酵素アッセイは、当業者に熟知されているであろう。各酵素アッセイについて、通常の手順および実験条件を、表9および10にそれぞれまとめる。
【0224】
【表9】

【0225】
【表10】

【0226】
結果の分析および発現:結果を、試験化合物の存在下で得られたコントロールの特異的活性((測定した特異的活性/コントロールの特異的活性)×100)の百分率として表す。結果を表11に示す。
【0227】
【表11】

【0228】
実施例B4:アンドロゲン受容体核転座アッセイ。
【0229】
細胞の取り扱い:PathHunter NHRPro細胞株を、標準的手順に従って、T25フラスコ中の冷凍庫ストックから伸長させ、アッセイの前に選択的成長培地中で保持した。細胞が健康でかつ正常に成長していることを確立した時点で、細胞をトリプシン非含有細胞解離緩衝液を用いてフラスコから移し、化合物プロファイリング用の白色壁を有する底が透明な384ウェルマイクロプレートに播種した。プロファイリングのために、細胞を、ウェル当たり細胞10,000個の密度で、合計50μLの容積で播種し、化合物添加の前に一晩付着および回収した。培地は、存在するホルモンのレベルを低下させるため、チャコール−デキストランで濾過した血清を含んでいる。
【0230】
スクリーニングモード:化合物を、アゴニストおよびアンタゴニストモードで、以下の用量応答で試験した:60、20、6.67、2.22、0.74、0.25、0.08、0.03、0.009および0.003μM、二重、3倍段階希釈、ならびにEC50およびIC50出力の取得。
【0231】
アゴニストフォーマット:5.5μLの10X化合物を合計容量1%の最終DMSO濃度で各ウェルに添加できるように、化合物ストックの中間希釈物を生成した。アゴニストモードでの化合物プロファイリングのため、細胞を、化合物の存在下、37℃で5時間インキュベートした。
【0232】
アンタゴニストフォーマット:化合物を用いた以下のアンタゴニスト試験のために、アゴニスト用量曲線を実施してEC80値を決定した。5.5μLの10Xアゴニストを、等濃度のビヒクルの存在下で各ウェルに添加した。EC80アゴニスト濃度を、アゴニスト用量曲線から直接決定した。アンタゴニストを決定するため、細胞をアンタゴニストでプレインキュベートし、次いでEC80濃度でアゴニストチャレンジを行った:5.5μLの10X化合物を細胞に添加し、そして37℃で1時間インキュベートした;5.5μLの11XEC80アゴニストを細胞に添加し、そして37℃で5時間インキュベートした。
【0233】
シグナル検出:適切な化合物インキュベーション後、30μL(50%v/v)のPathHunter Detection試薬カクテルをアゴニストおよびアンタゴニストアッセイのそれぞれのために単独で添加することにより、アッセイシグナルを発生させ、次いで、室温で1時間インキュベーションした。化学発光シグナル検出用のPerkinElmer ViewLux(商標)機器を用いて、以下のシグナル発生をマイクロプレートから読み取った。
【0234】
データ分析:化合物の存在および非存在下における用量曲線を、GraphPad Prismを用いてプロットした。アッセイ結果のまとめを、表12に提供する。
【0235】
【表12】

【0236】
実施例B5:GABA機能アッセイ。
【0237】
本研究の目的は、ヒトイオノトロピックGABA受容体でのMI〜MIVの機能的効果を評価することであった。ヒトGABAα1β3およびα1β3γ2受容体を、アフリカツメガエル卵母細胞において発現させた。急な曝露の効果を用いて、化合物の可能性のあるアゴニスト的作用を評価する一方、GABAを用いる予備および同時曝露を用いて、化合物の可能性のある阻害効果を評価した。
【0238】
卵母細胞調製:全ての実験は、cDNA発現の方法を用いてアフリカツメガエル卵母細胞中で発現したヒトGABAで行った。アフリカツメガエル卵母細胞を準備し、標準的手順を用いて注入した。簡便には、深く麻酔し、ジュネーブ州からの動物の権利規則(the animal rights rule from the Geneva canton)に従って穴をあけた雌のアフリカツメガエルから卵巣を採取した。卵巣の小片を、即時調製のために単離し、一方、残りの部分を、4℃で、NaCl(88mM)、KCl(1mM)、NaHCO(2.4mM)、HEPES(10mM)、MgSO.7HO(0.82mM)、Ca(NO.4HO(0.33mM)、CaCl.6HO(0.41mM)を含む無菌Barth溶液(pH7.4)に入れ、20μg/mLのカナマイシン、100単位/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシンを補充した。全ての記録は18℃で行い、そして、細胞は、NaCl(82.5mM)、KCl(2.5mM)、HEPES(5mM)、CaCl.2HO(1.8mM)、MgCl.6HO(1mM)を含むOR2培地(pH7.4)を用いて灌流した。
【0239】
電気生理学的記録:GABAによって引き起こされた電流を、標準的な二電極電圧クランプ形態(two−electrode voltage−clamp configuration)(TVEC)を備えた自動化プロセスを用いて記録した。特に断りのない限り、細胞は−80mVで保持した。データを捕捉し、Matlab(Mathworks Inc.)下で実行されるHiQScreenの専用データ取得分析ソフトウェアを用いて分析した。
【0240】
アゴニスト調製:GABAを水中の濃ストック溶液(10−1M)として調製し、次いで、記録媒体中で希釈して、所望の試験濃度を得た。化合物をDMSO中のストック溶液(10-2M)として調製し、次いで、記録媒体中で希釈し、所望の試験濃度を得た。残存するDMSOは、アフリカツメガエル卵母細胞の機能に影響を及ぼさないことが示された濃度である1%の濃度を超えなかった。
【0241】
データ分析および統計:統計的分析のため、値を、Excel(Microsoft)もしくはMatlab(Mathworks Inc.)のいずれかで算出した。統計的有意性を得るため、全ての実験は、少なくとも3つの細胞を用いて行った。値は、平均+標準誤差として表す。
【0242】
実験的手順:ヒトGABAサブユニットをコードするcDNAの注入を、少なくとも100個の卵母細胞において、専用の自動注入装置(Hoggら、J.Neurosci.Methods,2008)を用いて行い、少なくとも2日後に、受容体発現を試験した。卵母細胞に2つの電極を挿し込み、それらの膜電位を、実験の間にわたって、固定値(−80mV)に維持した。
【0243】
MI〜MIVのアゴニスト活性の測定:MI〜MIVのGABA受容体機能への効果を、単回曝露(30秒)のプロトコールにより評価した。本プロトコールにおいて、細胞をまずGABAの参照試験パルス(10μM、5秒)を用いてチャレンジし、その応答をコントロールとして用いる。GABAを除去し、次いで、細胞を試験化合物に30秒間曝露し、この間にタイムチャンネルの記録を測定する。最後に、試験化合物を除去し、インキュベーションの終了時に、GABAを再適用する(3μM、5秒)。MI〜MIVが存在する場合に30秒の期間内に取った記録は、検出可能な内部電流を示さなかったが、このことは、これらの化合物がα1β3GABA受容体を活性化しないことを示す。M4についても同様に、α1β3γ2GABA受容体におけるアゴニスト活性を試験した。α1β3GABA受容体について得られた結果と同様に、M4はα1β3γ2GABA受容体においていかなる検出可能な内部電流も引き起こさなかったが、このことは、これらの化合物がGABA受容体のいずれの形態も活性化しないことを示す。
【0244】
MI〜MIVのアンタゴニスト活性の測定:MI〜MIVの可能性のある阻害効果を評価するために、濃度阻害プロトコールを設計した。このプロトコールにおいて、強力なGABA応答を発現する卵母細胞を、精査下で所定濃度の化合物に45秒間曝露し、化合物の存在下で適用した固定のGABA濃度に対する応答を記録する。簡便な洗浄によりGABAを除去した後、同じ濃度でさらに45秒にわたって細胞を戻し、次いで、プロセスをより高い濃度の化合物を用いて繰り返す。卵母細胞を連続的に試験化合物に曝露しながら、累積効果を最高濃度について観察する。本アッセイにおけるポジティブコントロールであるアンタゴニストであるtert−ブチルビシクロホスホロチオネート(TBPS)は、α1β3受容体における濃度依存的阻害効果を実証した。TBPSについて得られたIC50は、0.6±0.06μMであった。このIC50値は、文献[Hamannら、Mol.Pharmacol.(1990),37(4):578−582]で報告されたものと一致する。
【0245】
結果:M1は、α1β3受容体およびα1β3γ2受容体の濃度依存性阻害を、20.7±6μMおよび68.3±6.0μMの得られたIC50値で実証した。最高濃度では、ほぼ完全な阻害(75±18.4%)が達成された。M2は、α1β3受容体の濃度依存性阻害を、2.3±0.3μMの得られたIC50値で実証した。最高濃度では、ほぼ完全な阻害(80±10%)が達成された。M3は、α1β3受容体の濃度依存性阻害を、4.0±3.15μMの得られたIC50値で実証した。最高濃度では、部分的な阻害(57±7%)が達成された。M4は、α1β3受容体の濃度依存性阻害を、1.55±0.19μMの得られたIC50値で実証した。最高濃度では、ほぼ完全な阻害(78±3%)が達成された。
【0246】
まとめ:アゴニスト効果:MI〜MIVへの短い曝露は、α1β3もしくはα1β3γ2GABA受容体のいずれにおいても検出可能な内部電流を引き起こさなかったが、このことは、これらの化合物が、GABA受容体のこれらの2つの形態のいずれも活性化しないことを示す。アンタゴニスト効果:MI〜MIVは、表13にまとめたIC50値および%阻害値で、α1β3GABA受容体に拮抗した。μMの範囲で阻害が観察されたので、これらのデータは、MI〜MIVがGABA受容体の機能的アンタゴニストであることを示す。
【0247】
【表13】

【0248】
実施例B6.ラット血漿における(MI)〜(MV)の同定。
【0249】
非放射標識RD162’および放射標識RD162’([14C]RD162’)の混合物を100mg/kg/日(総RD162’)および250μCi/kg/日([14C]放射活性)で経口投与された3匹の雄性Sprague Dawleyラットから得た定常状態血漿サンプルにおいて、RD162’の代謝物を単離および同定した。ラットは、1日1回、連続する7日間にわたって投与された;7日目の投与の4時間後、全ての3匹のラットから、血漿を採取した。血漿サンプルを、およそ−70℃もしくはそれ以下で保存した。
【0250】
[14C]RD162’は、57.6mCi/mmolの特異的活性を有し、そして、HPLC分析で98%超純粋であった。[14C]原子の位置を以下に示すが、ここで、*は放射標識の位置を示す。
【0251】
【化45】

【0252】
3匹の動物から得た血漿サンプルを合わせて1:1:1混合物とし(「プールされたラット血漿」と呼ぶ)、RD162’およびその代謝物の濃度を分析した。プールされたラット血漿中での[14C]RD162’および[14C]RD162’代謝物の同定は、参照標準を用いるHPLC共溶出および質量スペクトル分析に基づいた。陽イオンエレクトロスプレーLC/MSおよびLC/MS/MSを用いて、代謝物を分析した。
【0253】
HPLC分析用のプールされたラット血漿を調製するため、およそ1gの血漿サンプルをアセトニトリルと合わせ(ACN、サンプル:ACN、1:3、v:v)、ボルテックス混合し、冷水中で超音波処理し、遠心分離し、上清を除去した。抽出を2回繰り返し、各上清を合わせた。重複するアリコートを液体シンチレーション計数(LSC)により分析して、抽出回収率を決定したが、これは100%であった。合わせた上清を蒸発乾燥させ、逆浸透(RO)水:ACN:メタノール(MeOH、50:45:5、v:v:v)中の1mLの0.1%ギ酸中で再構成した。サンプルをボルテックス混合し、超音波処理し、微量遠心分離し、重複するアリコートをLSCにより分析して、再構成回収率を決定したが、これは98.1%であった。再構成したサンプルをHPLCにより分析して、10秒間隔で採取されそして個体シンチレーション計数により分析された画分を有する代謝物プロファイルを決定した。
【0254】
調製したサンプルを、以下のLC/MS/MS条件を用いて分析した:HPLC:Hewlett Packard 1100シリーズ;移動相:逆浸透水中の0.1%ギ酸(A)およびアセトニトリル(B);カラム:Agilent Eclipse XDB−C18、4.6×150mm、5μm;ガードカラム:Phenomenex Security Guard Cartridge C18、3×4mm;カラム温度:20℃;グラジエント:40分間で20〜80%のB;流速:1.5mL/分。
【0255】
共溶出実験のため、溶出時間を、RD162’およびその代謝物について決定した。RD162’および代謝物(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)および(MV)をHPLC上に注入し、カラムからの溶出の時間を、254nmでの紫外光検出により測定した。その結果得られた保持時間を表14にまとめ、これを用いて、実体を定性的に決定した。
【0256】
【表14】

【0257】
(MI)、(MII)、(MIII)、(MIV)および(MV)の構造は、質量スペクトル分析により確認した。
B7.IC50値および/もしくはEC50値の決定。
【0258】
本発明の化合物は、濃度反応曲線からIC50値および/もしくはEC50値を決定することにより、さらに評価され得る。IC50値および/もしくはEC50値を決定する方法は、公知の方法に従って行われ得る。
【0259】
上記発明は、理解を明確にすることを目的として、例示および実施例により幾分詳細に記載されてきたが、特定の小さな変化および改変が実施されるであろうことは、当業者に明らかである。従って、記載および実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0260】
刊行物、特許、特許出願および公開された特許出願などの、全体にわたる全ての参考文献は、その全体が、参照として本明細書中に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式Iの化合物:
【化46】

(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物、および
(b)薬学的に許容され得る担体
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記化合物が、式(MI)の化合物:
【化47】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記化合物が、式(MII)の化合物:
【化48】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記化合物が、式(MIII)の化合物:
【化49】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記化合物が、式(MIV)の化合物:
【化50】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記化合物が、式(MV)の化合物:
【化51】

またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
実質的に純粋な化合物の組成物であって、該化合物が、式Iの化合物:
【化52】

(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその塩もしくは溶媒和物である、組成物。
【請求項10】
Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
前記化合物が、式(MI)の化合物:
【化53】

またはその塩もしくは溶媒和物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記化合物が、式(MII)の化合物:
【化54】

またはその塩もしくは溶媒和物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
前記化合物が、式(MIII)の化合物:
【化55】

またはその塩もしくは溶媒和物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
前記化合物が、式(MIV)の化合物:
【化56】

またはその塩もしくは溶媒和物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
前記化合物が、式(MV)の化合物:
【化57】

またはその塩もしくは溶媒和物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、約10重量%未満の不純物を含む、請求項9〜16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
式Iの化合物:
【化58】

(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を、治療のために個体に投与する、方法。
【請求項19】
Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記治療が、前立腺癌の処置である、請求項18〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記治療が、パーキンソン病もしくはアルツハイマー病の処置である、請求項18〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
式Iの化合物:
【化59】

(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む、キット。
【請求項24】
Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである、請求項23に記載のキット。
【請求項26】
前記キットが、使用のための説明書をさらに含む、請求項23〜25のいずれかに記載のキット。
【請求項27】
前記説明書が、前記化合物を前立腺癌の処置に使用するためのものである、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記説明書が、前記化合物をパーキンソン病もしくはアルツハイマー病の処置に使用するためのものである、請求項26に記載のキット。
【請求項29】
式Iの化合物:
【化60】

(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物を含む、単位用量形態。
【請求項30】
Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである、請求項29に記載の単位用量形態。
【請求項31】
Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである、請求項29に記載の単位用量形態。
【請求項32】
単離された式Iの化合物:
【化61】

(式中、Xは、SもしくはOであり、そして
XがSである場合、Rは、OHもしくはNHであり、そして
XがOである場合、Rは、OH、NHもしくはNHMeである)
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物。
【請求項33】
Xが、Sであり、そして、Rが、OHもしくはNHである、請求項32に記載の単離された化合物。
【請求項34】
Xが、Oであり、そして、Rが、OH、NHもしくはNHMeである、請求項32に記載の単離された化合物。

【公表番号】特表2012−518661(P2012−518661A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551318(P2011−551318)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/025283
【国際公開番号】WO2010/099238
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511205611)メディベイション プロステイト セラピューティクス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】