説明

犯罪捜査支援方法、犯罪捜査支援プログラム、捜査支援サーバ、および犯罪捜査支援システム

【課題】検索対象の移動体通信端末の位置情報に関するデータベースより犯罪の発生時刻/発生位置等との関連性の深い移動体通信端末を抽出することで犯罪捜査を支援すること。
【解決手段】移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワークに接続されるコンピュータの情報処理として、あらかじめ定められた収集時刻ごとに、対象とする移動体通信端末ごとに該移動体通信端末の位置情報を収集時刻に関連付けて収集し、犯罪ごとに、収集された情報から、犯罪の発生時刻および発生場所に近接する移動体通信端末を該犯罪と関連付け、犯罪と関連付けられた移動体通信端末のうち、複数の犯罪に共通に関連付けられた移動体通信端末を抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願に開示の技術は、移動体通信端末の位置情報を利用する犯罪捜査支援方法、犯罪捜査支援プログラム、捜査支援サーバ、および犯罪捜査支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体通信システムの位置情報を利用した各種の機能が実現されつつある(特許文献1、2など)。犯罪捜査の分野においても、被害者の現在位置の特定や重要参考人等の足取りを把握するための利用が進められてきている。
【0003】
特許文献1では、基地局とネットワークを介して携帯端末から緊急事態発生を示す緊急通報を受信すると、この時点での周辺の携帯端末の位置情報を取得する。緊急事態通報端末との位置関係が一定の範囲内にある携帯端末を被疑参考人端末とする。その被疑参考人端末のうち一定時間内における位置の変化から緊急事態通報端末から最も遠くにある被疑参考人端末を重要参考人端末とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−103907号公報
【特許文献2】特開2005−337872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した特許文献1に記載の技術では、緊急通報の受信を契機にして周辺に存在する携帯端末の位置情報を取得する。被害者による発信により緊急通報を行う場合、事件発生から緊急通報までに時間が経過してしまう場合もある。この間、容疑者が移動してしまえば取得した端末の位置情報からは容疑者を特定することは難しくなってしまう。
【0006】
本願に開示される技術は、上記の課題に鑑み提案されたものである。あらかじめ検索の対象とする移動体通信端末の位置情報を時間経過ごとに取得してデータベース化しておき、当該データベースより犯罪の発生時刻および発生位置等との関連性の深い移動体通信端末を抽出することで犯罪捜査を支援する犯罪捜査支援方法、犯罪捜査支援プログラム、捜査支援サーバ、および犯罪捜査支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示される技術に係る犯罪捜査支援方法は、移動体通信端末の位置情報を利用して行う犯罪捜査を、移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワークに接続されるコンピュータの情報処理として実行するものである。あらかじめ定められた収集時刻ごとに、対象とする移動体通信端末ごとに該移動体通信端末の位置情報を収集時刻に関連付けて収集するステップと、犯罪ごとに、情報収集のステップにより収集された情報から、犯罪の発生時刻および発生場所に近接する移動体通信端末を該犯罪と関連付けるステップと、犯罪と関連付けられた移動体通信端末のうち、複数の犯罪に共通に関連付けられた移動体通信端末を抽出するステップとを有している。
【0008】
また、本願に開示の技術に係る犯罪捜査支援プログラムは、移動体通信端末の位置情報を利用して犯罪捜査を行うために、移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワークに接続されるコンピュータに、以下のステップを実行させるものである。そのステップとは、あらかじめ定められた収集時刻ごとに、対象とする移動体通信端末ごとに該移動体通信端末の位置情報を収集時刻に関連付けて収集するステップと、犯罪ごとに、情報収集のステップにより収集された情報から、犯罪の発生時刻および発生場所に近接する移動体通信端末を該犯罪と関連付けるステップと、犯罪と関連付けられた移動体通信端末のうち、複数の犯罪に共通に関連付けられた移動体通信端末を抽出するステップとを有している。
【0009】
また、本願に開示の技術に係る捜査支援サーバは、移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワークに接続されるものである。あらかじめ定められた収集時刻ごとに事業者ネットワークにアクセスし、対象とする移動体通信端末ごとに該移動体通信端末の位置情報を収集時刻に関連付けて収集する情報収集手段と、犯罪ごとに、情報収集手段により収集された情報から、犯罪の発生時刻および発生場所に近接する移動体通信端末を該犯罪と関連付ける関連付手段と、関連付手段により、複数の犯罪に共通に関連付けられた移動体通信端末を抽出する抽出部とを備えている。
【0010】
また、本願に開示の技術に係る犯罪捜査支援システムは、移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワークと、事業者ネットワークに接続される上述の捜査支援サーバとを備えている。
【発明の効果】
【0011】
本願に開示の技術に係る犯罪捜査支援方法、犯罪捜査支援プログラム、捜査支援サーバ、および犯罪捜査支援システムによれば、収集時刻ごとに移動体通信端末の位置情報を収集するので、犯罪発生時刻に対応した時間帯での犯罪発生地点の周辺に存在する移動体通信端末の位置情報を取得することができる。複数の犯罪に共通する容疑者を類推することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態の犯罪捜査支援システムのシステム構成図である。
【図2】実施形態の捜査支援サーバの構成図である。
【図3】格納されている移動体通信端末の加入者データの一例である。
【図4】位置情報関係のデータの一例である。
【図5】格納されている移動体通信端末の位置情報データの一例である。
【図6】犯罪データ入力画面の一例である。
【図7】犯罪データ分析関係のデータの一例である。
【図8】犯罪データ分析画面の一例である。
【図9】INDEXを付加した位置情報データの一例である。
【図10】INDEXを付加した犯罪位置情報データの一例である。
【図11】犯罪位置情報データの一例である。
【図12】複数犯罪に関連する被疑移動体通信端末の有無を分析するフローである。
【図13】格納されている基地局データの一例である。
【図14】移動体通信端末の位置情報データを収集するフローである。
【図15】移動体通信端末の位置情報データを蓄積するフローである。
【図16】犯罪データを入力/分析するフローである。
【図17】保存位置情報データ(1)の一例である。
【図18】保存位置情報データ(2)の一例である。
【図19】入力された犯罪データと移動体通信端末との関連付けを行うフロー(前半部)である。
【図20】入力された犯罪データと移動体通信端末との関連付けを行うフロー(後半部)である。
【図21】犯罪データ関係のデータの一例である。
【図22】被疑端末情報出力関連のデータの一例である。
【図23】被疑端末情報出力画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、実施形態の犯罪捜査支援システムのシステム構成図である。移動体通信端末T1〜T5および基地局B1〜B3を備えて通信網を構築する事業者ネットワーク1と、事業者ネットワーク1に接続されて複数の犯罪に関する捜査支援を行う捜査支援サーバ2とを備えている。
【0014】
事業者ネットワーク1により構築される通信網は以下のとおりである。すなわち、所定範囲の地理的エリアがセルC11〜C33として区画され、複数のセルを束ねて基地局が管轄する。図1では、基地局B1はセルC11〜C13を管轄し、基地局B2はセルC21〜C23を管轄し、基地局B3はセルC31〜C33を管轄する。基地局B1〜B3間での相互に通信が行われることにより、移動体通信端末T1〜T5による通信網を構築する事業者ネットワーク1とされる。
【0015】
ここで、移動体通信端末T1〜T5は、例えば携帯電話である。この場合、個々の移動体通信端末を識別するID(以下の説明では、端末IDと称す)は、携帯電話番号である。
【0016】
図2には捜査支援サーバ2の構成を示す。捜査支援サーバ2は、移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワーク1に接続される。捜査支援サーバ2は、事業者ネットワーク1よりネットワークに存在する移動体通信端末の位置情報を収集して、犯罪との時間的および地理的な関連性を分析することで、複数の犯罪に共通する容疑者の所有する移動体通信端末を特定する。
【0017】
位置情報データ収集部21では、加入者データ格納部26から加入者データ(P20)を読み出して、事業者ネットワーク1に対して図4(A)に示すメッセージID(1)と端末IDとで構成する位置情報要求(P10)を発して、図4(B)に示すメッセージID(2)、端末ID、基地局ID、セルID及び収集時刻で構成される位置情報データ(P11)を収集する。位置情報データ収集部21は、位置情報データ(P11)を収集することで、事業者ネットワーク1に存在する移動体通信端末の位置情報(基地局ID、セルID、収集時刻)を取得する。この場合、加入者データ格納部26に格納されている移動体通信端末IDである加入者データ(P20)を読み出す。図3は、移動体通信端末IDの一例を示す。図3では、移動体通信端末T1〜T5を識別するIDとして携帯電話番号で構成している。
【0018】
ここで、加入者データ格納部26に格納されている移動体通信端末IDは、犯罪捜査の対象とされる端末の移動体通信端末IDである。捜査支援の条件に応じて適宜選択することができる。例えば、捜査対象のエリアにおいて通信事業を行っているすべての事業者ネットワークに接続されるすべての移動体通信端末を対象とする場合、特定事業者のネットワークに接続される移動体通信端末を対象とする場合、あるいは捜査上必要と認められる人物の所有する移動体通信端末を対象とする場合等、捜査上の必要性に応じて適宜選択することもできる。
【0019】
位置情報データ収集部21は、位置情報データ(P11)で取得した位置情報を蓄積するために、位置情報データ蓄積部24へ図4(C)に示すメッセージID(3)、端末ID、基地局ID、セルID及び収集時刻で構成される位置情報データ蓄積要求(P30)を発する。位置情報データ蓄積部24では、位置情報データ蓄積要求(P30)に基づいて、移動体通信端末毎の位置情報を位置情報データ(P40)の書き込みにより、位置情報データ格納部27に蓄積する処理を行う。この蓄積処理は、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データ(P40)を、必要に応じて読み出し位置情報データの更新を図りながら行われる。また、位置情報要求(P10)、位置情報データ(P11)及び位置情報データ蓄積要求(P30)は、加入者データ格納部26に格納されている加入者単位で実施される。
【0020】
ここで、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データの一例を図5に示す。位置情報データは、移動体通信端末ごとの識別子である端末ID、基地局ID、セルID、位置情報収集時刻を含み、更に、図9に示す通り、後述する犯罪との関連付けを示す犯罪位置情報データINDEXを含むデータを1つの単位(レコード)とする。
【0021】
犯罪データ入力について、以下に例示する。捜査官3が端末4にて、図6のような画面で、メニューとしてデータ入力ボタンを押す。犯罪発生時刻に2009/01/01 00:00:00、罪名に放火、犯罪発生位置情報として経度に35.41.30、緯度に134.33.31を入力し、入力ボタンを押す。これにより犯罪データを入力する。端末4は、入力ボタンを押した後に、犯罪捜査支援サーバ2へ図7(D)に示すように、メッセージID(4)、犯罪発生時刻、罪名、経度、緯度となるデータ形式で、犯罪データ入力(P50)がなされる。犯罪データ入力部22では、捜査官3が端末4を使用して入力した犯罪データ入力(P50)の処理指令を受け付ける。
【0022】
犯罪データ分析について、以下に例示する。捜査官3が端末4にて、図8の犯罪データ分析画面の罪名:放火、開始:20090101000000〜終了:20090102000000と入力し、分析ボタンを押す。
【0023】
犯罪データ分析が要求された場合を、図9の位置情報データおよび図10の犯罪発生位置情報データを用いて詳細を説明する。
【0024】
図9の位置情報データと図10の犯罪発生位置情報データは、図5の位置情報データ構成と図11の犯罪位置情報データ構成に、説明の便宜上INDEXを付与したものである。図12のS73では、図10の犯罪位置情報データのINDEX=1のレコードにある位置情報データINDEX=2を読み出し、図9の位置情報データのINDEX=2のレコードの端末IDを読みだすことになる。
【0025】
このとき端末IDは、09012345678が求まることとなる。次に、図12のR11Sのループ11の処理に入る。図9の位置情報データのINDEX=1から順にS75で端末IDが一致するレコードを検索する。一致した場合は、S77の判定を行う。現時点でループ10は図10の犯罪位置情報データのINDEXは1を指している。このとき、ループ11を実行すると図9の位置情報データのINDEX=2とINDEX=5が検索により見つかることとなるが、図9の位置情報データのINDEX=2のレコードについては、S77判定の位置情報データの犯罪位置情報データINDEXがループ10のINDEXと同じと判定され複数の犯罪に関連する端末IDとは判断されない。しかし、図9の位置情報データのINDEX=5のとき図12のS77判定の位置情報データの犯罪位置情報データINDEXが2となっており、ループ10のINDEX=1とは不一致となり端末ID=09012345678が複数の犯罪に関与している可能性があると類推できる。
【0026】
ここで、基地局データ格納部28に格納されている基地局データの一例を図13に示す。基地局IDおよびセルIDごとに区画される地理上の経度・緯度を含む経緯度情報を含むデータである。
【0027】
また、犯罪位置情報データ格納部29に格納されている犯罪位置情報データの一例を図11に示す。犯罪ごとに、その罪名、発生時刻、犯罪が発生した基地局IDおよびセルIDから成る位置情報を含み、更に、図10に示すように、移動体通信端末の位置情報データとの関連付けを示す位置情報データINDEXを含むデータである。
【0028】
また、犯罪データ分析要求指令(P60)を受けたデータ分析部25は、犯罪位置情報データ格納部29から犯罪位置情報データ(P111)を読み出すと共に、位置情報データ格納部27から位置情報データ(P90)を読み出す。互いに関連付けられた犯罪データと位置情報データとの関連付け情報に応じて、複数犯罪に共通して関連付けられる移動体通信端末の位置情報データを特定する。
【0029】
ここで、データ分析部25には一時記憶領域25Aが備えられている。データの関連付け処理、分析処理に使用される一時記憶領域である。
【0030】
特定された移動体通信端末に関する情報は、データ分析部25から被疑端末情報出力部23に向けて発せられる被疑端末情報出力要求指令(P80)に応じて、被疑端末情報出力部23から、被疑端末情報出力(P70)として端末4に出力される。
【0031】
次に、実施形態の犯罪捜査支援システムの処理内容を、図12、図14〜16のフローに基づき、必要に応じて、図1〜3、図5、図13を参照しながら説明する。
【0032】
図14のフローは、加入者データ格納部26に格納されている情報収集対象の移動体通信端末について、位置情報データを収集するフローである。
【0033】
収集フローの開始に際し、先ず、捜査支援サーバ2は、位置情報を収集する時刻が設定される(S1)。設定の後、ループ処理1を開始する(R1S)。ループ処理1は、設定された位置情報収集時刻ごとに位置情報を収集するための無限ループである。現在の時刻を取得し(S3)、位置情報収集時刻として設定されている時刻であるか否かの確認処理を継続する(S5:NO)。
【0034】
現在時刻が設定された時刻であれば(S5:YES)、ループ処理2を開始する(R2S)。ループ処理2は、加入者データ格納部26に格納されている情報収集対象の移動体通信端末ごとに行われる。
【0035】
捜査支援サーバ2は、加入者データ格納部26から加入者データ(P20)を読み出す(S7)。読み出された加入者データ(P20)は情報収集対象の移動体通信端末IDを含む情報である。図3では、一例として、携帯電話番号に対して符号T1〜T5が付与されている。以下の説明では、移動体通信端末IDとして符号T1〜T5を使用して説明する。
【0036】
捜査支援サーバ2は、読み出された加入者データ(P20)により指示される移動体通信端末T1〜T5について、位置情報データ収集部21から位置情報要求指令(P10)が事業者ネットワーク1に対して送信される(S9)。これに応じて事業者ネットワーク1からは、該当する移動体通信端末T1〜T5についての位置情報が返信される。位置情報データ収集部21は返送された位置情報を受信する(S11)。
【0037】
位置情報データ収集部21は位置情報を受信すると、位置情報データ蓄積部24に対して位置情報データ蓄積要求指令(P30)を発し、図15の位置情報データ蓄積処理フローへ移行する(S13、A)。また、位置情報データ収集部21は加入者数分の最後の位置情報を受信すると、ループ2の処理を終了する(R2E)。位置情報データ蓄積処理フローについては図15に後述する。
【0038】
ループ処理2では、処理(S7)から処理(S13)までの処理が行われる。ループ処理2は、移動体通信端末T1〜T5の各々に対して、設定時刻に応じて位置情報を取得し蓄積する処理が行われる。
【0039】
ループ処理2が終了した後、位置情報収集時刻の設定時間を更新して(S17)、ループ処理1が終了する(R1E)。これにより、位置情報を収集する時刻が更新されると共に、ループ処理1により、現在時刻と更新された設定時刻との比較が継続され、設定時刻になることに応じて、上記した位置情報の収集・蓄積動作が繰り返される。
【0040】
図15のフローは、位置情報データ蓄積フローである。位置情報データ蓄積要求指令(P30)が発せられると(図14のS13)、位置情報データ蓄積部24は位置情報データ格納部27に位置情報データ(P40)の書き込みを行う(S21)。これにより、図5の位置情報データが書き込まれる。
【0041】
書き込みの後、ループ処理3が開始される(R3S)。ループ処理3は、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データごとに行われる。位置情報データ格納部27から位置情報データ(P90)を読み出し(S23)、読み出された位置情報データ(P90)について、位置情報データ格納部27に格納されている期間、および犯罪との関連付けの有無についての判断を行う(S25)。蓄積期間が一定の期間を経過し、かつ犯罪との関連付けがないと判断される場合(S25:YES)、位置情報データ格納部27から当該位置情報データを削除して(S27)、ループ処理3を終了する(R3E)。一方、蓄積期間が一定期間経過していないか、または犯罪との関連付けがある場合には(S25:NO)、その位置情報データは位置情報データ格納部27に残して、ループ処理3を終了する(R3E)。ループ処理3の終了後は、ループ処理2(図14)に戻る。
【0042】
ループ処理3では、処理(S23)から処理(S27)までの処理が行われる。ループ処理3は、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データごとに行われる。例えば、図5に示される位置情報データの各々のレコードについて処理が行われる。同じ移動体通信端末ではあっても、設定される位置情報収集時刻(図14のS1)に応じて複数回にわたってデータが蓄積されるところ、一定の期間が経過した古い位置情報データであって、犯罪とは無関係な位置情報データについては、犯罪捜査に無関係であると判断し、位置情報データ格納部27から削除される。位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データを犯罪との関連性を検証すべきデータを中心に蓄積することができる。
【0043】
ループ処理3に基づき、図5では、例えば、上から1番目のレコードに記載されている移動体通信端末T4(図3、参照)が削除される。データの収集時刻が2008年12月31日と古く、犯罪位置情報データINDEXの欄に犯罪との関連付け情報がないからである。
【0044】
図16は、犯罪データ入力/分析フローを示す。図16のフローについて、以下にとおり説明する。犯罪データ入力部22は、入力情報分析を行い(S31)、入力される処理指令が、図7(D)のメッセージID(4)となれば、その処理指令は、データ入力要求となり(S33:YES)、データ分析部25へ図7(E)に示す犯罪データ・位置情報データ関連付け要求(P61)を行う(S35)。
【0045】
データ分析部25は、犯罪データ・位置情報データ関連付け要求(P61)を受けると、データの関連付け処理が行われるルーチンに移行する(S37)。データ分析部25は、犯罪データ・位置情報データ関連付け要求指令(P61)を受け、基地局データ格納部28から基地局データ(P101)を読み出して、犯罪が発生した位置情報が基地局データの基地局ID、セルIDごとの経度高と経度低、および緯度高と緯度低での範囲内にあるかを判断し、対応する基地局ID、セルIDを求める。そして、データ分析部25は、位置情報データ格納部27からの位置情報データ(P90)の読み出しにより、位置情報データを順次読み出し、求めた基地局ID、セルIDと同一となる位置情報データを図17に示す保存位置情報データ(1)として一時記憶領域25Aに保存する。
【0046】
次に、データ分析部25は、犯罪発生時刻の前日までの位置情報データを図5の位置情報データから抽出し、その抽出された位置情報データと保存位置情報データ(1)とを比較する。データ分析部25では、位置情報データと保存位置情報データ(1)と比較して、端末ID、基地局ID、セルID、収集時刻で一致したデータがあれば、そのデータは犯罪と関係しないと判断し、保存位置情報データ(1)から削除する。犯罪と関係しないデータが保存位置情報データ(1)から削除された残余の保存位置情報データ(2)を図18に示す。
【0047】
データ分析部25は、図18の保存位置情報データ(2)の収集時刻が犯罪発生時刻に最も近い位置情報データを求め、図7(E)に示す情報を基に罪名、犯罪発生時刻、犯罪発生基地局ID、犯罪発生セルIDを犯罪位置情報データ(P110)により、犯罪位置情報データ格納部29に記録するとともに、記憶したデータに対する位置情報データINDEXに図10に示す保存位置情報データのINDEXを記録する。また、データ分析部25は、犯罪位置情報データのレコード順を示すINDEXを、該当する位置情報データ(図9)の犯罪位置情報INDEXに付与した位置情報データ(P91)として、位置情報データ格納部27に記憶する。これにより、データ相互の関連付けを行う。図16の処理(S37)によるデータの関連付け処理ルーチンは、図19、20に示されるフローである。
【0048】
先ず、ループ処理4が開始される(R4S)。ループ処理4は、基地局データ格納部28に格納されている基地局データごとに行われる。尚、基地局データは図13に例示されている。
【0049】
データ分析部25は基地局データ格納部28から基地局データ(P101)を読み出し(S51)、読み出された基地局/セルの経緯度情報と入力された犯罪の位置情報(経緯度情報)とを比較する(S53)。犯罪の位置情報が比較された基地局/セルのエリア外であれば(S53:範囲外)、新たな基地局データ(P101)を読み出して比較を繰り返す。犯罪データの位置情報が比較された基地局/セルのエリア内であれば(S53:範囲内)、ループ処理5を開始する(R5S)。ループ処理5は、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データ(図9参照)ごとに行われる。
【0050】
位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データ(P90)を読み出し(S55)、処理(S53)により取得した犯罪発生位置を含む基地局/セルIDと位置情報データ(P90)の基地局/セルIDとを比較する(S57)。不一致であれば(S57:不一致)、新たな位置情報データ(P90)を読み出して比較を繰り返す。一致であれば(S57:一致)、一致した位置情報データを一時記憶領域25Aに一時的に記憶する(S59)。処理(S59)を経てループ処理5は終了する(R5E)。ループ処理5は、処理(S55)から処理(S59)までの処理を、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データの数、繰り返す。その後、ループ処理4が終了する(R4E)。ループ処理4は、処理(S51)から処理(R5E)までの処理を、基地局データ格納部28に格納されている基地局データの数、繰り返す。尚、以下の説明では、一時記憶領域25Aに一時的に記憶されている位置情報データを保存位置情報データ(1)と称する。
【0051】
次に、ループ処理6が開始され(R6S)、引き続きループ処理7が開始される(R7S)。ループ処理6は、保存位置情報データ(1)ごとに行われる。ループ処理7は、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データのうち、データの取得日が犯罪発生日より前であるデータについて行われる。
【0052】
保存位置情報データ(1)の移動体通信端末IDおよび基地局/セルIDと、位置情報データの移動体通信端末IDおよび基地局/セルIDとを比較する(S61)。不一致であれば(S61:不一致)、新たな位置情報データ(P90)を読み出して比較を繰り返す。一致であれば(S61:一致)、比較対象となっている保存位置情報データ(1)を一時記憶領域25Aから削除する(S63)。この後、ループ処理7は終了する(R7E)。ループ処理7は、処理(S61)から処理(S63)までの処理を、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データのうち、データの取得日が犯罪発生日より前である位置情報データについて繰り返す。更にこの後、ループ処理6が終了する(R6E)。ループ処理6は、ループ処理7を包含し、保存位置情報データ(1)について繰り返す。
【0053】
これにより、保存位置情報データ(1)のうち、犯罪発生日より前から犯罪の発生位置(基地局/セルID)とエリア(基地局/セルID)が同じデータが削除される。犯罪の発生以前から犯罪の発生位置と同じエリアに存在する移動体通信端末は、犯罪との関連性が薄いと考えられる。こうした位置情報データを削除することにより、犯罪との関連性のある可能性のある移動体通信端末を絞り込むことができる。削除により保存位置情報データ(2)が残される。
【0054】
次に、ループ処理8が開始される(R8S)。ループ処理8は、保存位置情報データ(2)ごとに行われる。ループ処理8では、先ず、一時記憶領域25Aに一時的に記憶されている保存位置情報データ(2)のうち、データの収集時刻が犯罪発生時刻に最も近い保存位置情報データを取得する(S65)。この後、ループ処理8は終了する(R8E)。ループ処理8は、処理(S65)を、保存位置情報データ(2)について繰り返す。
【0055】
その後、犯罪位置情報データ格納部29に格納されている犯罪位置情報データのうち位置情報データに関連付けられたデータを、関連付けられた位置情報データの犯罪位置情報データINDEXに書き込む(S67)。また、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データのうち犯罪位置情報データに関連付けられたデータを、関連付けられた犯罪位置情報データの位置情報データINDEXに書き込む(S69)。
【0056】
処理(S67)、(S69)の一例を図9、10に示す。図10の上から1番目レコードにある「放火」は、位置情報データINDEXに位置情報データの上から2番目のレコード「2」が関連付けられている。合わせて、図9の上から2番目のレコードには、犯罪位置情報データINDEXに犯罪位置情報データの上から1番目のレコード「1」が関連付けられている。基地局IDがB1でありセルIDがC11であって同じであり、犯罪発生時刻の2009年1月1日19時20分05秒と位置情報データの収集時刻2009年1月1日19時20分00秒とが近接することにより、両者は関連付けられている。また、図10の上から2番目のレコードにある「放火」は、位置情報データINDEXに位置情報データの上から5番目および9番目のレコード「5」、「9」が関連付けられている。合わせて、図9の上から5番目および9番目のレコードには、犯罪位置情報データINDEXに犯罪位置情報データの上から2番目のレコード「2」が関連付けられている。基地局IDがB1でありセルIDがC11であって同じであり、犯罪発生時刻の2009年1月1日20時00分03秒と位置情報データの収集時刻2009年1月1日20時00分00秒とが近接することにより、両者は関連付けられている。
【0057】
また、ループ処理6に基づき、図9の位置情報データにおいて、図9の上から8番目のレコードである移動体通信端末T4が犯罪データとの関連付けから除外される。移動体通信端末T4は、図10の上から2番目のレコードにある「放火」と関連付けられるものの、図9の上から1番目のレコードが、関連付けされる可能性のある「放火」の発生日の前日のデータであるからである。
【0058】
図9では、上から2番目および5番目のレコードである移動体通信端末T1が、犯罪位置情報データ格納部29に格納されている2つの「放火」に共通して関連付けられる移動体通信端末として特定される。捜査官3が端末4にて、図8のような画面で、メニューとしてデータ分析ボタンを押し、罪名に放火、分析期間として、開始を2009/01/01 00:00:00、終了を2009/01/02 00:00:00を入力し、分析ボタンを押す。端末4は、分析ボタンを押した後に、犯罪捜査支援サーバ2へ図21(A)に示すように、メッセージID(6)、罪名、開始、終了となるデータ形式で、犯罪データ分析(P51)がなされる。
【0059】
犯罪データ入力部22では、捜査官3が端末4を使用して入力した犯罪データ分析(P51)の処理指令を受け付ける。犯罪データ入力部22は、入力情報分析を行い(S31)、入力される処理指令が、図21(A)のメッセージID(6)となれば、その処理指令は、犯罪データ分析要求となり(S33)、データ分析部25へ図21(B)に示す犯罪データ分析要求(P60)を行う(S39)。
【0060】
データ分析部25は、犯罪データ分析要求(P60)を受けると、データ分析処理が行われるルーチンに移行する(S41)。データ分析部25は、罪名と期間を検索キーとして犯罪位置情報データ格納部29から犯罪位置情報データ(P111)により、犯罪位置情報データを読み出し、犯罪データ分析要求(P60)で指定された罪名と一致し、指定された期間内の犯罪発生時刻となるデータを取り出し、そのデータに記録されている位置情報データINDEXから、位置情報データINDEXに対応する位置情報データから、端末IDを取得する。
【0061】
データ分析部25は、取得された端末IDをキーとして、位置情報データ(P90)により読み出された位置情報データから、端末IDが一致するレコードを抽出し、抽出されたレコードの犯罪発生位置情報データINDEXが設定していないか調べる。
【0062】
データ分析部25は、取得された端末IDが複数の犯罪発生位置情報データINDEXと関連付けがある場合、その端末IDが複数の犯罪に共通して存在する端末であると判断し、被疑端末情報出力要求(P80)によって被疑端末情報出力部23に通知する。
【0063】
被疑端末情報出力部23では、データ分析部25から、図22(A)に示すメッセージID(8)と被疑端末情報とそれに関連付けられた犯罪情報数や犯罪情報(罪名、犯罪発生時刻、経度、緯度)から構成される被疑端末情報出力要求(P80)を受けて、図22(B)に示す被疑端末情報出力(P70)として端末4へ通知する。端末4では、図23の被疑端末情報出力画面に示すように被疑端末の情報が出力される。
【0064】
また、図16の処理(S41)によるデータの分析処理ルーチンは、図12に示されるフローである。図12のフローでは、先ず、ループ処理9が開始される(R9S)。ループ処理9は、犯罪位置情報データ格納部29に格納されている図11に示す犯罪位置情報データごとに行われる。
【0065】
端末4から入力された犯罪データのうち、罪名と犯罪発生時刻とが一致あるいは類似、近接している犯罪位置情報データ(P111)を抽出する(S71)。この後、ループ処理9は終了する(R9E)。ループ処理9は、犯罪位置情報データ格納部29に格納されている犯罪位置情報データの数だけ、処理(S71)を繰り返す。
【0066】
次に、ループ処理10が開始される(R10S)。ループ処理10は、犯罪位置情報データの位置情報データINDEXに記載の位置情報データごとに行われる。
【0067】
位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データ(P90)から、位置情報データINDEXにより関連付けされている位置情報データを検索する(S73)。その後、ループ処理11が開始される(R11S)。ループ処理11は、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データごとに行われる。位置情報データINDEXより取得された位置情報データの移動体通信端末IDと、位置情報データ格納部27から読み出されたそれ以外の位置情報データ(P90)の移動体通信端末IDとを比較し(S75)、一致するものについては(S75:一致)後者の位置情報データについて犯罪位置情報データINDEXに関連付けがされているか確認する(S77)。関連付けがされていれば(S77:有り)、対象となっている移動体通信端末IDを複数の犯罪に関連する端末として特定する(S79)。
【0068】
比較結果が不一致である場合(S75:不一致)、および比較結果が一致するものの犯罪位置情報データINDEXに関連付けがなされていない場合(S77:なし)には、新たな位置情報データについてループ処理11であるS75、S77の処理を繰り返し、位置情報データINDEXにより関連付けされている位置情報データ以外のすべての位置情報データについて処理を行った後、ループ処理11は終了する(R11E)。更に、すべての位置情報データINDEXに関連付けのある位置情報データについて処理を行った後、ループ処理10は終了する(R10E)。
【0069】
その後、被疑端末情報出力要求指令(P80)を被疑端末情報出力部23に向けて出力する(S81)。被疑端末情報出力部23では、被疑端末情報出力処理を行う(S83)。
【0070】
ここで、移動体通信端末の位置情報データを収集するフロー(図14)は、移動体通信端末の位置情報を収集時刻に関連付けて収集するステップの一例である。また、入力された犯罪データと移動体通信端末との関連付けを行うフロー(図19、20)は、犯罪の発生時刻および発生場所に近接する移動体通信端末を犯罪と関連付けるステップの一例であり、関連付手段の一例である。また、複数犯罪に関連する被疑移動体通信端末の有無を分析するフロー(図12)は、犯罪と関連付けられた移動体通信端末のうち、複数の犯罪に共通に関連付けられた移動体通信端末を抽出するステップの一例であり、抽出部の一例である。
【0071】
また、移動体通信端末の位置情報データを蓄積するフロー(図15)は、収集された移動体通信端末の位置情報を含む情報を記憶するステップの一例である。また、ループ処理3(図15)は、記憶された情報のうち、収集時刻から規定の時間が経過し、かつ、犯罪との関連付けがない移動体通信端末の情報を、削除するステップの一例であり、データ更新手段の一例である。
【0072】
また、基地局データ格納部28に格納されている基地局データ(図13)が、通信区画と経緯度情報とを関連付けるステップの一例であり、通信区画データベースの一例である。また、処理(S51)、(S53)(図19)は、経緯度情報で指定される犯罪の発生場所を通信区画に対応付けるステップの一例であり、区画割付手段の一例である。
【0073】
また、加入者データ格納部26に格納されている加入者データ(図3)が、情報収集の対象である移動体通信端末のIDを、あらかじめ記憶するステップの一例であり、対象端末データベースの一例である。
【0074】
また、ループ処理6(図20)は、犯罪の発生前または発生後の少なくとも何れか一方の期間に、同じ位置情報を有する移動体通信端末については、該犯罪との関連付けを解除するステップの一例であり、解除手段の一例である。
【0075】
また、位置情報収集部21は、情報収集手段の一例である。また、位置情報データ格納部27は、位置情報データベースの一例である。
【0076】
以上、詳細に説明したように、実施形態によれば、収集時刻ごとに移動体通信端末の位置情報を収集すると共に、一定の期間を経過し犯罪との関連付けがされていない移動体通信端末の位置情報データについては削除するので、位置情報データ格納部27に格納されている位置情報データは常時更新されて、犯罪との関連付けを行うことができる。犯罪発生時から通報までに時間を要したとしても、犯罪発生時と同じ時間帯に現場周辺に存在する移動体通信端末の位置情報データを常時更新しながら格納しておくことができ、犯罪との関連付けを行うことができる。
【0077】
この場合、犯罪発生より前から存在していた移動体通信端末については、犯罪の有無に関わりなくそのエリアに存在する端末であると考えられる。こうした移動体通信端末を犯罪との関連付の対象から除外するので、犯罪と関連する移動体通信端末を抽出することができる。
【0078】
更に、犯罪と関連付けられた移動体通信端末から、複数の犯罪に共通に関連付けられている移動体通信端末を抽出することができる。複数の犯罪に共通する移動体通信端末を特定して容疑者を類推することができる。
【0079】
尚、実施形態に開示された態様以外にも、種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、位置情報データ収集部21が捜査支援サーバ2に備えられるとして説明したが、これに限定されるものではない。事業者ネットワーク1に備えられるとすることもできる。
また、ループ処理7(図20)は、犯罪と関連付けられたとしても犯罪の発生前から存在している移動体通信端末については犯罪との関連付け対象から除外する処理である。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。犯罪の発生後にも存在する移動体通信端末についても対象から除外することも考えられる。こうした移動体通信端末は、犯罪とは関係なく犯罪の発生エリアに存在する移動体通信端末であると評価できるからである。
【符号の説明】
【0080】
1 事業者ネットワーク
2 捜査支援サーバ
3 捜査官
4 端末
22 犯罪データ入力部
23 被疑端末情報出力部
24 位置情報データ蓄積部
25 データ分析部
25A 一時記憶領域
26 加入者データ格納部
27 位置情報データ格納部
28 基地局データ格納部
B1〜B3 基地局
C11〜C33 セル
T1〜T5 移動体通信端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信端末の位置情報を利用して行う犯罪捜査を、コンピュータの情報処理として実行する犯罪捜査支援方法であって、
移動体通信端末の位置情報およびその位置情報を取得した時刻から、第一の犯罪の発生時刻および発生場所に近接する前記移動体通信端末を該第一の犯罪と関連付けるステップと、
移動体通信端末の位置情報およびその位置情報を取得した時刻から、第二の犯罪の発生時刻および発生場所に近接する前記移動体通信端末を該第二の犯罪と関連付けるステップと、
該第一および第二の犯罪に共通に関連付けられた前記移動体通信端末を抽出するステップとを有することを特徴とする犯罪捜査支援方法。
【請求項2】
あらかじめ定められた収集時刻ごとに、対象とする移動体通信端末ごとに該移動体通信端末の位置情報を前記収集時刻に関連付けて収集するステップと、
前記情報収集のステップにより収集された前記情報を記憶するステップと、
前記記憶された情報のうち、前記収集時刻から規定の時間が経過し、かつ、前記犯罪との関連付けがない前記移動体通信端末の情報を、削除するステップとを有することを特徴とする請求項1に記載の犯罪捜査支援方法。
【請求項3】
移動体通信端末の位置情報を利用して犯罪捜査を行うために、前記移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワークに接続されるコンピュータに、
移動体通信端末の位置情報およびその位置情報を取得した時刻から、第一の犯罪の発生時刻および発生場所に近接する前記移動体通信端末を該第一の犯罪と関連付けるステップと、
移動体通信端末の位置情報およびその位置情報を取得した時刻から、第二の犯罪の発生時刻および発生場所に近接する前記移動体通信端末を該第二の犯罪と関連付けるステップと、
該第一および第二の犯罪に共通に関連付けられた前記移動体通信端末を抽出するステップとを実行させることを特徴とする犯罪捜査支援プログラム。
【請求項4】
移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワークに接続される捜査支援サーバであって、
移動体通信端末の位置情報およびその位置情報を取得した時刻から、第一の犯罪の発生時刻および発生場所に近接する前記移動体通信端末を該第一の犯罪と関連付け、移動体通信端末の位置情報およびその位置情報を取得した時刻から、第二の犯罪の発生時刻および発生場所に近接する前記移動体通信端末を該第二の犯罪と関連付ける関連付け部と、
該第一および第二の犯罪に共通に関連付けられた前記移動体通信端末を抽出する抽出部とを備えることを特徴とする捜査支援サーバ。
【請求項5】
あらかじめ定められた収集時刻ごとに、該移動体通信端末の位置情報を前記収集時刻に関連付けて収集する情報収集手段と、
前記情報収集手段により収集された前記情報を格納する位置情報データベースと、
前記位置情報データベースに格納される前記移動体通信端末のうち、前記収集時刻から規定の時間が経過し、かつ、前記犯罪との関連付けがない前記移動体通信端末は、前記位置情報データベースから削除するデータ更新手段とを備えることを特徴とする請求項4に記載の捜査支援サーバ。
【請求項6】
移動体通信端末による通信網を構築する事業者ネットワークと、
前記事業者ネットワークに接続される捜査支援サーバとを備え、
前記捜査支援サーバは、
移動体通信端末の位置情報およびその位置情報を取得した時刻から、第一の犯罪の発生時刻および発生場所に近接する前記移動体通信端末を該第一の犯罪と関連付け、移動体通信端末の位置情報およびその位置情報を取得した時刻から、第二の犯罪の発生時刻および発生場所に近接する前記移動体通信端末を該第二の犯罪と関連付ける関連付け部と、
該第一および第二の犯罪に共通に関連付けられた前記移動体通信端末を抽出する抽出部とを備えることを特徴とする犯罪捜査支援システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−48630(P2011−48630A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196587(P2009−196587)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】