説明

独立な二元エクスパンダー冷凍サイクルを使用するLNGの製造

【課題】加圧された天然ガス供給流の少なくとも一部分を、独立な冷凍サイクル内で使用される第1および第2の膨張された冷媒との熱交換接触によって冷却することを包含する液化天然ガス流を製造する方法。
【解決手段】膨張された第1の冷媒は、メタン、エタンおよび処理されそして加圧された天然ガスから選択される。膨張された第2の冷媒は窒素である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、暫定的な特許出願、2001年3月6日受理の米国特許連番60/273,531の便益を主張するものである。
【0002】
本発明は、加圧された炭化水素流を冷凍サイクルを使用することにより液化する方法に関する。一層特定的に本発明は、異なる少なくとも2つの冷媒を有する独立な二元冷凍サイクルを使用して流入炭化水素ガス流を液化する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
天然ガスのような炭化水素ガスは、運搬および貯蔵を一層容易にするようにその体積を減少するために液化される。ガスを液化するには多数の先行技術があり、そのほとんどに、機械的冷凍または1つ以上の冷媒ガスを使用する冷却サイクルが関与する。
【0004】
Dubarの米国特許第5,768,912号および第5,916,260号には、単一の窒素冷媒流によって冷凍負荷が供給される液化天然ガス製品を製造する方法が開示されている。冷媒流は、少なくとも2つの別個な流れに分割され、これらは、別個なターボエクスパンダーによって膨張されるときに、冷却される。冷却され、膨張された窒素冷媒はガス流と十字流的に熱交換され液化天然ガスが製造される。
【0005】
Fogliettaの米国特許第5,755,114号には、天然ガスの液化で有用な二元冷凍サイクルが開示されている。この二元冷凍サイクルは、駆動力として蒸発潜熱を利用する機械的冷凍サイクルに伝統的な冷媒を使用して、依存的な方式で機能するように相互に連結されている。
【0006】
Paradowskiらの米国特許第6,105,389号には、二重の冷凍サイクルもまた教示されており、このサイクルは連結され従って従属的である。Fogliettaの特許におけると同様に、Paradowskiは相変化に伴う潜熱を利用する伝統的な機械的冷凍サイクルの使用を教示している。
【0007】
Davisの米国特許第4,911,741号およびFischerらの米国特許第6,041,619号にも、蒸発潜熱を利用するために伝統的な冷媒を活用する連結した2つ以上の冷凍サイクルの使用が開示されている。
【0008】
天然ガスを液化するために簡単化された冷凍サイクルに対する需要がある。慣用の液化冷凍サイクルには、液体およびガスの冷媒相の双方のために特別な装置を必要とする冷凍サイクルに際して相変化が起きる冷媒が使用される。
【0009】
ここに開示する本発明はこれらのおよび他の必要を充足する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(本発明の概要)
本発明は、膨張された第1および第2の冷媒との熱交換接触によって流入ガス供給流の少なくとも1部分を冷却する段階を包含する液化天然ガス流を製造する低温プロセスである。膨張された第1および第2の冷媒の少なくとも1つがガス相冷凍サイクル中で循環され、そこでは冷媒がサイクル全体にわたってガス相に留まる。このようにして、液化天然ガス流が製造される。このプロセスの別な態様には、独立の二元冷凍サイクルとして操作される、膨張された第1の冷媒を有する第1の冷凍サイクルおよび膨張された第2の冷媒を有する第2の冷凍サイクルとの熱交換接触によって流入炭化水素ガス供給流の少なくとも1つを冷却する段階が包含される。膨張された第1の冷媒はメタン、エタンおよび他の炭化水素ガス、好ましくは処理された流入ガスから選択される。膨張された第2の冷媒は窒素である。これらの独立な二元冷凍サイクルは、同時に操作されてよくあるいは独立に操作されてよい。
【0011】
本発明の特質、有利性および目的および明らかになるであろう他の事柄が一層詳細に理解されるように、上記に簡潔に要約された本発明の特定的な説明は、本明細書の一部をなす添付の図面に図解される本発明の態様を参照しつつなされることができる。しかしながら、図面は本発明の好ましい態様のみを図解するものであり、従って、本発明の範囲は同様に効果的な態様も許容するので、本発明の範囲を限定すると考えてはならない。
【0012】
本発明は、独立な二元冷媒サイクルを採用する、炭化水素ガス、好ましくは加圧された天然ガスを液化するための改良された方法に関する。好ましい態様において、本方法は膨張された窒素冷媒を使用する第1の冷凍サイクルおよび第2の膨張された炭化水素を使用する第2の冷凍サイクルを有する。第2の膨張された炭化水素冷媒は加圧されたメタンまたは処理された流入ガスであってよい。
【0013】
ここで用いるとき『流入ガス』という用語は、メタン、例えば85容積%から実質的になる炭化水素ガスであって、残部がエタン、より高級な炭化水素、窒素および他の痕跡ガスであるものを意味する。
【0014】
本発明の好ましい態様の詳細な説明は、周囲温度で約800psiaの初期圧力を有する加圧された流入ガスの液化に関してなされる。流入ガスは周囲温度で約500psia〜約1200psiaの初期圧力を有するのが好ましい。ここに論じるように、好ましくは等エントロピー膨張による膨張段階はターボエクスパンダー、ジュールトムソン膨張弁、液体エクスパンダーなどによって実施されることができる。また、エクスパンダーは、ガス膨張によって圧縮仕事を生むように対応する段階的圧縮装置に連結されてよい。
【0015】
ここで図面の図1を参照するとして、加圧された流入ガス流、好ましくは加圧天然ガス流が本発明の工程に導入される。例解する態様において、流入ガス流は約900psiaの圧力および周囲温度にある。流入ガス流11は、乾燥、アミン抽出などのような既知の方法によって二酸化炭素、硫化水素などのような酸性ガスを除去するために、処理装置71内で処理される。前処理装置71は、天然ガス流から水を除去するための慣用的設計の脱水装置としても働く。低温プロセスで慣用される常套的方法に従うとき、このプロセスにおいて引き続いて出会う低温の管および熱交換器の凍結および閉塞を防止するために流入ガス流から水が除去されることができる。ガス乾燥剤および分子篩を収納する慣用の脱水装置が使用される。
【0016】
処理された流入ガス流12は1つ以上の単位操作によって予備冷却されることができる。流れ12は冷却器72内で冷却水によって予備冷却されてよい。流れ12は慣用の機械的冷凍手段73によってさらに予備冷却され、処理された流入ガス流20として液化の用意がととのっている予備冷却されそして処理された流れ19がつくられる。
【0017】
処理された流入ガス流20は、液化天然ガス製造施設の冷凍部門70に供給される。流れ20は、第1の冷凍サイクル81および第2の冷凍サイクル91との向流熱交換接触によって、熱交換器75内で冷却されそして液化される。これらの冷凍サイクルは、流入ガス流を液化するのに必要な冷凍負荷に応じて独立にそして/あるいは同時に操作されるように設計される。
【0018】
好ましい態様で、第1の冷凍サイクル81では膨張されたメタン冷媒が使用され、また第2の冷凍サイクル91では膨張された窒素冷媒が使用される。第1の冷凍サイクル81では、膨張されたメタンが冷媒として使用される。膨張された低温のメタン流44は、好ましくは約−119°Fおよび約200psiaで熱交換器75に流入し、そして処理された流入ガス20および圧縮されたメタン流40と十字流的に熱交換される。メタン流44は、熱交換器75内で温められ次いで流れ46として1つ以上の圧縮段階に流入する。温かいメタン流46は第1の圧縮段階において、メタンブースター圧縮機92内で部分的に圧縮される。次いで、流れ46は第2の圧縮段階において、約500〜1400psiaまでメタン循環圧縮機96内で再び圧縮される。流れ46は熱交換器94および98内で水冷されそして圧縮されたメタン流40として熱交換器75内に流入する。流れ40は熱交換器75に約90°Fおよび約1185psiaで流入する。流れ40は膨張された低温のメタン流44との十字流的熱交換によって約20°Fおよび約995psiaまで冷却されそして冷却されたメタン流42として熱交換器75から流出する。流れ42はエクスパンダー90内で約−110から−130°Fまで、好ましくは約−119°Fまでおよび約200psiaまで等エントロピー的に膨張されるのが望ましい。
【0019】
第2の冷凍サイクル91においては、膨張された低温の窒素流34は好ましくは約−260°Fおよび約200psiaで熱交換器75内に流入し、そして処理された流入ガス流20および圧縮された窒素流30と十字流的に熱交換される。窒素流34は熱交換器75内で温められ、次いで流れ36として1つ以上の圧縮段階に流入する。温かい窒素流36は窒素ブースター圧縮機82内で部分的に圧縮され、次いで窒素循環圧縮機86内で約500〜1200psiaまで再度圧縮される。流れ36は熱交換器84および88内で冷却されそして圧縮された窒素流30として熱交換器75内に流入する。流れ30は約90°Fおよび好ましくは約1185psiaで熱交換器75に流入する。流れ30は、低温の膨張された窒素流34との十字流的熱交換によって好ましくは約−130°Fおよび約1180psiaまで冷却され、そして冷却された窒素流32として熱交換器75から流出する。流れ32はエクスパンダー80内で約−250〜−280°F、好ましくは約−260°Fまでおよび約200psiaまで等エントロピー的に膨張されるのが好ましい。流れ32は低温の膨張された窒素流れ34として熱交換器75に流入する。
【0020】
第1および第2の独立な二元冷凍サイクルは、約−240から−260°F、好ましくは約−255°Fまでに流入ガス流20を冷却しそして液化するように独立に働く。液化されたガス流22は、約15psiaから50psiaまで、好ましくは約20psiaまでの圧力でエクスパンダー77内で等エントロピー的に膨張されて、液化されたガス生成物流24が生成される。
【0021】
生成物流24は、窒素および他の痕跡量のガスを含有してよい。これらの好ましくないガスを除去するために、窒素ストリッパーのような窒素除去装置99に流れ24が導入され、処理された生成物流26および窒素に富むガス27が生成される。窒素に富むガス27は、低圧の燃料ガスのために使用されてよく、あるいは再圧縮されそして流入ガス流11に合わせて循環されてよい。
【0022】
好ましい他の態様では、処理された流入ガスは工程によって必要になる冷凍負荷の少なくとも一部分を供給するために使用されてよい。図2に示すように、第1の冷凍サイクル191には、膨張された炭化水素ガス混合物が冷媒として使用される。炭化水素ガス混合物冷媒は、メタン、エタンおよび流入ガスから選択される。第2の冷凍サイクルは上記に論じたように操作される。従って、窒素流および/または流入ガス流は、冷媒サイクル全体を通じてガス相冷媒として使用される。ここでは、冷凍サイクルのための駆動力として冷媒の顕熱が利用される。図2は、少なくとも1つのガス相冷凍サイクルの使用を例解するが、2つの冷媒サイクルの間に依存関係を生む1つのサイクル内で流入ガス流が冷媒として使用されるという点で、冷凍サイクルは相互に独立していない。
【0023】
第1の冷凍サイクル191では、膨張された低温の炭化水素ガス混合物144は、好ましくは約−119°Fおよび200psiaで熱交換器75内に流入し、そして液化されるべき流入ガス混合物174と十字流的に熱交換される。ガス混合物流144は、熱交換器75内で温められ、次いで流れ146として1つ以上の圧縮段階に流入する。温かいガス混合物流146は第1の圧縮段階において、メタンブースター圧縮機92内で部分的に圧縮される。次いで、流れ146は第2の圧縮段階において、約500〜1400psiaの圧力までメタン循環圧縮機96内で再び圧縮される。流れ146は熱交換器94および98内で圧縮されたガス混合物流140として水冷される。処理された流入ガス120は圧縮されたガス混合物140と混合されて液化すべき流れ174が生成されるのが好ましい。また、処理された流入ガス120は1つ以上の圧縮段階に流入する前に流れ146と混合されてもよい。流れ174は好ましくは約90°Fおよび約1000psiaで熱交換器75に流入する。流れ174は、膨張された低温のガス混合物流144との十字流的な熱交換によって好ましくは約20°Fおよび約995psiaまで冷却され、そして冷却されたガス混合物流142として熱交換器75から流出する。流れ142はエクスパンダー90内で約−110〜−130°F、好ましくは約−119°Fまでおよび約200psiaまで等エントロピー的に膨張されるのが好ましい。流れ142は膨張された低温のガス混合物流144として熱交換器75に流入する。
【0024】
第1および/または第2の二元冷凍サイクルは、流入ガス混合物174を約−240から約−260°F、好ましくは約−255°Fまでに冷却しそして液化するように働く。液化されたガス混合物流176はエクスパンダー77内で約15〜50psia、好ましくは約20psiaの圧力まで等エントロピー的に膨張されて、液化されたガス混合物の生成物流180が生成されるのが好ましい。
【0025】
上記に示したとおり、二元冷凍サイクルの各々での冷媒ガスは、それら各々のブースター圧縮機および/または循環圧縮機に送られ、冷媒が再圧縮される。工程内のブースター圧縮機および/または循環圧縮機は対応するまたは操作可能に連結されたターボエクスパンダーによって駆動されることができる。加えて、ブースター圧縮機は、ポスト−ブースト(post−boost)方式で操作されまた冷媒ガスに約50〜100psiaの追加的圧縮を供給するために循環圧縮機の下流に位置されてよい。ブースター圧縮機はプレ−ブーステッド(pre−boosted)方式で操作されまた、最終の循環圧縮機に送られる前に冷媒ガスを約50〜100psiaまで部分的に圧縮するために、循環圧縮機の上流に位置されてもよい。
【0026】
図3は、先行技術での液化プロセスに関する昇温および冷却曲線を例示する。窒素冷媒の昇温曲線は本質的に、勾配を有する直線であり、この勾配は、熱交換器の高温端で窒素冷媒の昇圧曲線と供給ガスの冷却曲線との間の近接化が密になるまで、窒素冷媒の循環速度を変化させることにより調整される。これによって、液化工程の操作の上限を設定される。従って、この先行技術での方法を用いることにより、熱交換器の高温端および低温端の双方での異なる曲線の間の近接化を比較的密にすることができる。しかしながら、各曲線がその中間部分で形状が異なるので、工程の全温度範囲にわたって2つの曲線の間の近接化を密に保つことはできない。つまり、2つの曲線はそれらの中間部分で互いに離れる。窒素冷媒の昇温曲線は直線に近付くが、供給ガスおよび窒素の冷却曲線は、複雑な形状を有しまた窒素冷媒の直線状の昇温曲線から著しく離れる。直線状の昇温曲線と複雑な冷却曲線との間の離隔は、工程全般を操作する際の熱力学的に非効率性または損失仕事の指標でありまたこれを表す。このような非効率性または損失仕事は、混合冷媒サイクルのような他のプロセスと比較するとき、窒素冷媒サイクルの使用の動力消費がより大きいことの理由の一部である。
【0027】
図4は、本発明の好ましい態様に関する昇温および冷却曲線を例示する。本発明は、高圧のメタン、エタンおよび/または流入ガスのような炭化水素ガス混合物を膨張する際に冷却能力を活用することによる先行技術のガス液化方法と比較して、熱力学的効率が改良されあるいは損失仕事が減少していることを例証する。加えて熱力学的効率は、本発明の二元冷凍サイクルおよび/または独立な二元冷凍サイクルは、既知の圧力、温度および組成の所与の流入ガス流を液化するのに必要な特定の冷凍負荷を調整しそして/あるいはこれに順応することができる。つまり、要求されるより大きい冷凍負荷を供給する必要はない。その結果、昇温および冷却曲線は、温度勾配、従って冷媒と流入ガス流との間の熱力学的損失を減少するために、一層密にマッチされる。
【0028】
図1に示す工程においては、独立な二元エクスパンダー冷凍サイクルの簡単化された流れ図が示される。この図は、窒素流および/またはメタン流を冷媒として利用する本発明の独立な冷凍サイクルを明らかにする。別な態様(図示されていない)は、独立なサイクルの一方または双方で伝統的な冷媒を使用することを包含する。図1に示す例では、昇温曲線は、流入ガスを液化するために必要な冷凍負荷を2つの冷凍サイクルに分割することにより、離散した2つの部分に分かれる。第1のサイクルでは、メタン冷媒のような炭化水素ガス混合物が、より低い温度でのより低い圧力まで望ましくはターボエクスパンダー内で膨張される。より低い圧力および温度まで望ましくはターボエクスパンダー内で窒素冷媒が膨張される第2のサイクルが用いられまたこれによってガス流の一層の冷却がなされる。第2のサイクルでの冷凍の流量は昇温曲線の勾配が冷却曲線の勾配と大体同じであるように選定される。冷却工程の最後の部分における冷却曲線の形状および勾配のため、本発明では冷凍負荷の大部分をまかなうのは窒素サイクルである。この結果、約5°Fという最小の温度接近が熱交換器全般にわたって達成される。
【0029】
本発明は重要な有利性を有する。第1に、この方法は窒素および/またはガス冷媒との間の関係を調整し、それによって熱力学的に一層効率的にすることにより供給流入ガスの質の差に適合することができる。第2に循環する冷媒はガス相である。これによって、液体分離器または液体貯槽の必要が無くなり、また随伴的な環境安全への影響が無くなる。ガス相冷媒は、熱交換器の製作および設計を単純化する。
【0030】
独立な二元サイクルにおいて冷媒として窒素、およびメタンまたは他の炭化水素のような第2の冷媒が使用される、天然ガスのような炭化水素を液化する方法に特に関して本発明を説明しそして/あるいは例解してきたが、本発明の範囲は上記した態様に限定されないことに留意すべきである。本発明の範囲には、改善された応用においてまたは特定的に述べた応用以外の他の応用において、窒素を使用するそして/あるいは他のガスを使用するプロセスの他の方法および応用が含まれることは、当業者には明白であるにちがいない。その上、当業者は、上記に説明した本発明は特定的に述べたもの以外の変形および変改を受けることができることを理解するであろう。本発明はその趣意および範囲に属するこのようなすべての変形および変改を包含することが理解される。本発明の範囲は明細書によって限定されず、別記の特許請求の範囲によって規定されることが意図される。
【0031】
本発明に関して、更に以下の内容を開示する。
(1) 第1および第2の膨張された冷媒との熱交換接触によって流入ガス供給物流の少なくとも1つを冷却する段階を含み、第1および第2の膨張された冷媒の少なくとも1つが、ガス相の冷凍サイクルで循環されることにより液化天然ガス流が製造される、流入ガス供給流から液化天然ガス流を製造する方法。
(2) 膨張された第1の冷媒がメタン、エタンおよび流入ガスからなる群から選択される(1)または(12)に記載の方法。
(3) 膨張された第2の冷媒が窒素である(1)または(2)に記載の方法。
(4) 膨張された第1および第2の冷媒が複数の独立な冷凍サイクルで使用される(1)、(2)または(3)に記載の方法。
(5) 膨張された第1または第2の冷媒が、膨張弁、ターボ−エキスパンダーおよび液体エキスパンダーからなる群から選択される機器中で膨張される(1)または(12)の液化天然ガス流を製造する方法。
(6) 液化天然ガス流が約−240°F〜約−260°Fの温度に冷却される(1)に記載の方法。
(7) 流入ガス流が約50psia〜約1200psiaの流入圧力にある(1)に記載の方法。
(8) 第1および第2の冷媒に関する冷却曲線が、流入ガス供給物流に関する冷却曲線に少なくとも約5°Fまで近接する(1)に記載の方法。
(9) 冷却段階が、機械的冷凍サイクルによる流入ガス供給物流の少なくとも一部の冷却を含む(1)に記載の方法。
(10) プロパンおよびプロピレンからなる群から選択される冷媒が機械的冷凍サイクルに含まれる(9)に記載の方法。
(11) 冷却段階が、冷却水による流入ガス供給物流の少なくとも一部の冷却を含む(1)または(9)に記載の方法。
(12) 窒素冷凍サイクルとは独立に操作される第1の冷凍サイクルとの熱交換接触によって流入ガス供給物流の少なくとも一部分を冷却する
段階を包含し、
該第1の冷凍サイクルが:
冷媒流中の第1の冷媒を膨張させて低温の冷媒蒸気流をつくり;
低温の冷媒蒸気流との熱交換接触によって流入供給物ガス流の少なくとも一部分を冷却し;
低温の冷媒蒸気流を圧縮して圧縮冷媒蒸気流をつくり;そして
低温の冷媒蒸気流との熱交換接触によって圧縮冷媒蒸気流の少なくとも一部分を冷却する;
段階を含み、また、
該窒素冷凍サイクルが:
窒素を含む第2の冷媒を膨張させて低温の窒素蒸気流をつくり;
低温の窒素蒸気流との熱交換接触によって流入供給物ガス流の少なくとも一部分を冷却し;
低温の窒素蒸気流を圧縮して圧縮窒素蒸気流をつくり;そして
低温の窒素蒸気流との熱交換接触によって圧縮窒素蒸気流の少なくとも一部分を冷却する;
段階を含み、
これによって液化天然ガス流が製造される
流入ガス供給物流から液化天然ガス流を製造する方法。
(13) 第1の冷凍サイクルの圧縮段階が、流入ガス供給物流の少なくとも一部分を圧縮冷媒蒸気流と混合して冷媒流をつくることを包含する(2)または(12)に記載の方法。
(14) 第1の冷凍サイクルが、約−110°F〜−130°Fの温度まで冷媒流を膨張させることを包含する(12)または(13)に記載の方法。
(15) 約−250°F〜−280°Fの温度まで窒素を膨張させる、(3)または(12)に記載の方法。
(16) 窒素冷凍サイクルの圧縮窒素蒸気流が約500psia〜約1200psiaの圧力まで圧縮される(12)に記載の液化天然ガス流を製造する方法。
(17) 第1の冷凍サイクルの圧縮冷媒蒸気流が約500psia〜約1400psiaの圧力まで圧縮される(12)に記載の液化天然ガス流を製造する方法。
(18) 液化天然ガス流から窒素および他の痕跡量のガスを除去する段階をさらに包含する(1)または(12)に記載の液化天然ガス流を製造する方法。
(19) 液化天然ガス流を約15psia〜約50psiaの圧力まで膨張させる段階をさらに包含する(1)または(12)に記載の方法。
(20) 膨張された第1および第2の冷媒との熱交換接触によって流入ガス供給物流の少なくとも一部分を冷却する段階を包含し、膨張された第1および第2の冷媒が独立な複数の冷凍サイクルで使用され、これによって液化天然ガス流が製造される、流入ガス供給物流から液化天然ガス流を製造する方法。
(21) 膨張された第1の冷媒がメタンおよびエタンから本質的になる群から選択され、また膨張された第2の冷媒が窒素である(20)に記載の方法。
(22) 冷媒がサイクル全体にわたってガス相のままに留まるように、独立な冷凍サイクルが少なくとも1つのガス相冷凍サイクルを包含する(20)に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】独立な二元エクスパンダー冷凍サイクルの簡略化された流れ図である。この図面は窒素流および/またはメタン流を冷媒として利用する本発明の独立な冷凍サイクルを図解する。
【図2】窒素流および/または流入ガス流が冷凍サイクルを通じてガス相の冷媒として使用される図1の本発明の別な態様の簡略化された流れ図である。
【図3】先行技術方法に関して、窒素の昇温曲線およびLNG/窒素の冷却曲線を比較するプロットである。
【図4】本発明に関して、冷媒の昇温曲線およびLNG/窒素/メタンの冷却曲線を比較するプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の膨張された冷媒との熱交換接触によって流入ガス供給物流の少なくとも1つを冷却する段階を含み、第1および第2の膨張された冷媒の少なくとも1つがガス相冷凍サイクルで循環され、それにより液化天然ガス流が製造される、流入ガス供給流から液化天然ガス流を製造する方法であって、
前記第1の冷媒と第2の冷媒は独立である、前記の方法
【請求項2】
膨張された第1の冷媒がメタン、エタンおよび流入ガスからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
膨張された第2の冷媒が窒素である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
膨張された第1および第2の冷媒が膨張弁、ターボエクスパンダー及び液体エクスパンダーから成る群から選択される機器中で膨張される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
液化天然ガス流が−240°F(−151.1℃)〜−260°F(−162.2℃)の温度に冷却される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
流入ガス流が500psia(3.44MPa)〜1200psia(8.68MPa)の流入圧力にある請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1および第2の冷媒に関する昇温曲線が、流入ガス供給物流に関する冷却曲線に少なくとも5°F(2.8℃)まで近接する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
冷却段階が、機械的冷凍サイクルによる流入ガス供給物流の少なくとも一部の冷却を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロパンおよびプロピレンからなる群から選択される冷媒が機械的冷凍サイクルに含まれる請求項8に記載の方法。
【請求項10】
冷却段階が、冷却水による流入ガス供給物流の少なくとも一部の冷却を含む請求項1または8に記載の方法。
【請求項11】
流入ガス供給物流の少なくとも一部分を冷却することが、少なくとも1つの前記ガス相冷凍サイクルとの熱交換接触によって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1および第2の膨張された冷媒の少なくとも1つが完全にガス相冷凍サイクルで循環される、請求項1に記載の方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−1554(P2011−1554A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171738(P2010−171738)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【分割の表示】特願2002−569650(P2002−569650)の分割
【原出願日】平成14年3月6日(2002.3.6)
【出願人】(503314554)ラマス テクノロジー、インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】