玉計数装置
【課題】計数手段の交換や清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる玉計数装置を提供すること。
【解決手段】パチンコ台(遊技台)50の下皿51下方に配設され、該下皿51から排出される賞球(遊技玉)Sを受ける玉受皿1と、
前記玉受皿1で受けた前記賞球Sを前記パチンコ台50の背面側へ移送する回収通路3と、
該回収通路3と前記玉受皿1とを連結し、前記玉受皿1にて受けた賞球Sを前記回収通路3へと移送する回収連結通路2と、
前記玉受皿1にて受けた賞球Sの個数を計数する計数センサ(計数手段)12と、
を備えた玉計数装置において、
前記計数センサ12を前記回収連結通路2に配置する。
【解決手段】パチンコ台(遊技台)50の下皿51下方に配設され、該下皿51から排出される賞球(遊技玉)Sを受ける玉受皿1と、
前記玉受皿1で受けた前記賞球Sを前記パチンコ台50の背面側へ移送する回収通路3と、
該回収通路3と前記玉受皿1とを連結し、前記玉受皿1にて受けた賞球Sを前記回収通路3へと移送する回収連結通路2と、
前記玉受皿1にて受けた賞球Sの個数を計数する計数センサ(計数手段)12と、
を備えた玉計数装置において、
前記計数センサ12を前記回収連結通路2に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台の下皿下方に配設された玉受皿に受けられた遊技玉を回収する過程でその個数を計数するための玉計数装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、パチンコ台(遊技台)において遊技客が獲得した賞球は専用のケースに収納され、このケースを賞球計数装置或いは景品交換所まで運び、獲得した賞球の個数を計数することが行われていた。
【0003】
ところが、賞球の獲得量が多い場合、それに比例してケース重量が重くなり、重いケースを賞球計数装置或いは景品交換所まで運ぶ作業には多大な労力を要し、又、賞球が収容された複数のケースを遊技客の足元周辺に積み上げると他の遊技客や遊技場店員の通行の邪魔となる。
【0004】
更に、賞球がケースに収容されたままの状態では、この賞球は遊技に供せられないため、遊技場全体で必要なパチンコ玉の個数が多くなるという問題もある。
【0005】
そこで、遊技客が獲得した賞球をパチンコ台に隣設する玉貸機の内部を通過し、該パチンコ台背面側の遊技島内へ移送して回収するとともに、賞球を移送する過程でその個数を計数し、計数された個数をカードやICコイン等の媒体に記憶させて該媒体を遊技客に提供し、遊技客は提供された媒体を景品交換所に持ち込んで所望の景品と交換するというシステムが提案されている。
【0006】
ところで、上記システムにおいて賞球の個数の計数には、主に金属製の賞球を電磁気的に検知する計数センサが使用されるが、この計数センサを外部から意図的に動作させて計数値を歩進させる不正行為が可能となる。例えば、柔軟性の高い金属棒状体を計数センサに複数回通して計数値を歩進させる不正行為が可能となる。
【0007】
そこで、特許文献1には、玉貸機内部に設置した賞球搬送樋の一部にスパイラル・シャフトを設け、スパイラル・シャフトに導入される最初の賞球をスイッチが検知するとモータを起動してスパイラル・シャフトを回転駆動し、該スパイラル・シャフトによって賞球を強制的に移送する提案がなされている。この構成によれば、賞球受皿から金属棒状体が差し込まれても、該金属棒状体の先端がスパイラル・シャフトの螺条に当接し、これが障害となって金属棒状体のそれ以上の前進が阻止されるため、金属棒状体が計数センサまで達することができず、不正行為を行うことが不可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−148361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1において提案された構成では、スパイラル・シャフトやこれを回転駆動するモータ及びギヤ等の回転伝達機構、スイッチ等が必要となるために構造が複雑化するとともに、コストアップを招くという問題がある。
【0010】
又、遊技台に隣設された玉貸機の内部に計数センサが配置されているため、該計数センサが故障した場合には、その交換や修理等のメンテナンスが困難である。又、賞球の通過によって計数センサが汚れた場合には、該計数センサの清掃が困難であるという問題もある。
【0011】
従って、本発明の第1の目的とする処は、計数センサの交換や清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる玉計数装置を提供することにある。
【0012】
又、本発明の第2の目的とする処は、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる玉計数装置を提供することにある。
【0013】
ところで、特許文献1において提案されたものを含む従来の玉計数装置においては、賞球搬送樋に賞球を横2列で移送させて計数及び回収する構成が採用されていたため、賞球搬送樋の幅寸法が大きくなり、該賞球搬送樋や基板等の電子部品を玉貸機内部に組み込む際に制限を受けるという問題があった。
【0014】
従って、本発明の第3の目的とする処は、玉貸機内部の回収通路幅を狭くして該回収通路や基板等の電子部品を玉貸機内部へ容易に組み込むことを可能とする玉計数装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
遊技台の下皿下方に配設され、該下皿から排出される遊技玉を受ける玉受皿と、
前記玉受皿で受けた前記遊技玉を前記遊技台背面側へ移送する回収通路と、
該回収通路と前記玉受皿とを連結し、前記玉受皿にて受けた遊技玉を前記回収通路へと移送する回収連結通路と、
前記玉受皿にて受けた遊技玉の個数を計数する計数手段と、
を備えた玉計数装置において、
前記計数手段を前記回収連結通路に配置したことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記回収連結通路を、前記玉受皿から遊技玉を受け入れる導入通路と該導入通路に連なる計数通路とで構成し、該計数通路に前記計数手段を設けるとともに、前記計数通路を前記導入通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記計数手段を前記計数通路の終端近傍に配置したことを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記計数手段を前記導入通路終端の前記計数通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記回収連結通路を前記回収通路よりも上方に配置して両通路間に段差を設けるとともに、前記計数手段を前記回収連結通路終端の前記回収通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記回収通路を前記回収連結通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けるとともに、両通路に遊技玉の移送方向に下がる斜面を形成し、前記回収連結通路の終端から前記回収通路へと落下する遊技玉を方向転換させて回収通路の斜面に沿って移送するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、玉貸機の外部に配設される回収連結通路に計数手段を配置したため、該計数手段の交換や修理、清掃等のメンテナンスを、玉貸機を分解することなく容易且つ迅速に行うことができる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、回収連結通路を導入通路と計数通路とで構成し、計数通路に計数手段を設けるとともに、計数通路を導入通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けたため、導入通路から金属棒状体を差し込んで不正行為を行おうとしても、金属棒状体は導入通路よりも下方に位置する計数通路に設けられた計数手段まで達することができず、計数手段を動作させることができないために簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、計数手段を導入通路から最も遠い計数通路の終端近傍に配置したため、金属棒状体が計数手段に届きにくく、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、計数手段を導入通路終端の計数通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するよう構成したため、導入通路での遊技球の移送方向(金属棒状体の差し込み方向)と計数手段への遊技球の通過方向(落下方向)とが直交するため、金属棒状体を計数手段に通過させて該計数手段を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、計数手段を回収連結通路終端の回収通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するよう構成したため、回収連結通路での遊技玉の移送方向(金属棒状体の差し込み方向)と計数手段への遊技玉の通過方向(落下方向)とが直交するため、金属棒状体を計数手段に通過させて該計数手段を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、回収連結通路を例えば横2列で移送される遊技玉は回収連結通路の終端から下方の回収通路に落下した後、方向転換して回収通路に沿って移送されるため、回収連結通路と回収通路とを直角に連結することができるとともに、遊技玉を回収通路に例えば1列で流すことができ、回収通路の幅を回収連結通路の幅よりも狭くすることができ、回収通路や基板等の電子部品を玉貸機内部へ容易に組み込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置を備えたパチンコ台の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の破断正面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の破断斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の回収連結通路の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の回収連結通路の正面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断正面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の破断正面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の破断斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の回収連結通路の平面図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の回収連結通路の正面図である。
【図13】図12のB−B線断面図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の破断正面図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の破断斜視図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の玉受皿と回収連結通路の斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の回収連結通路の平面図である。
【図19】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の回収連結通路の正面図である。
【図20】図19のC−C線断面図である。
【図21】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0029】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る玉計数装置を備えたパチンコ台の斜視図、図2は本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の破断正面図、図3は同玉計数装置の破断斜視図、図4は同玉計数装置の回収連結通路の平面図、図5は同回収連結通路の正面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断正面図、図8は同破断斜視図である。
【0030】
図1に示すように、遊技場等に設置されているパチンコ台50の側部には玉貸機60が隣設されている。そして、パチンコ台50の前面に設けられた下皿51の下方には矩形ボックス状の玉受皿1が配置されており、本発明に係る玉計数装置は、前記玉受皿1と、前記玉貸機60の内部下方に設置された回収通路3(図3参照)と、該回収通路3と玉受皿1とを連結する回収連結通路2とで構成されている。
【0031】
而して、本発明に係る玉計数装置は、遊技客が獲得してパチンコ台50の下皿51に貯留された賞球S(図7及び図8参照)を玉受皿1へと落下させて受け、この玉受皿1にて受けられた賞球Sを回収連結通路2から回収通路3へと移送し、これを移送する過程でその個数を計数してパチンコ台50の背面側の遊技島内へと回収する装置である。
【0032】
上記玉受皿1は矩形ボックス状に成形されており、図2及び図3に示すように、これには回収連結通路2に向かって下がるよう傾斜した玉受通路4が形成されている。そして、図1及び図8に示すように、玉受皿1の上面には玉受通路4に向かって下がるよう傾斜した斜面状の玉受面5が形成されている。尚、図3に示すように、玉受通路4には溝状のレール6が長手方向に沿って形成されており、玉受通路4は玉受皿1の回収連結通路2側の側壁に形成された矩形の開口部7(図8参照)まで延びている。
【0033】
回収連結通路2は、玉受皿1から側方へ延びるよう形成されており、玉受皿1の玉受通路4から賞球Sを受け入れる導入通路8と該導入通路8に連なる計数通路9とで構成されている。図2及び図3に示すように、導入通路8と計数通路9は賞球Sの移送方向(図2の左方)に向かって下がるよう傾斜しており、計数通路9は導入通路8よりも下方に配置され、両通路8,9間には、賞球Sの直径以上の高さを有する段差が設けられている。
【0034】
そして、図2〜図6に示すように、回収連結通路2の導入通路8の一端(賞球Sの移送方向上流端)は玉受皿1の玉受通路4に接続されており、導入通路8と計数通路9には連続する溝状のレール10が長手方向に形成され、これらのレール10は玉受皿1の玉受通路4に形成された前記レール6に接続されている。尚、計数通路9は、該計数通路9の幅方向中央に備えた案内壁11によって2列に区画される。
【0035】
図4及び図5に示すように、計数通路9の終端(下流端)近傍には計数手段を構成する計数センサ12が長手方向に位置をずらした状態でそれぞれ配置されている。このように、2つの計数センサ12の設置位置を長手方向にずらすことによって、該計数センサ12の横方向の設置スペースを縮小することができるとともに、各計数センサ12の検知タイミングの同期による誤検知を防ぐことができる。本実施の形態において、各計数センサは、金属製の賞球Sの通過を電磁気的に検知してその賞球Sの個数を計数する貫通型近接スイッチで構成されている。
【0036】
又、図2及び図3に示すように、計数通路9の上方には水平なガイド壁13が前記案内壁11に当接する状態で設置されており、このガイド壁13の上流部には垂直に起立するストッパ部13aが形成されている。そして、ガイド壁13の上流端と導入通路8の下流端との間には、賞球Sが通過し得る程度の大きさの隙間が形成されている。
【0037】
そして、図3に示すように、計数通路9の末端(下流端)は案内壁11を隔てて2つの開口部14が開口しており、これらの開口部14の下流側には一段下がった斜面15が形成されている。この斜面15は奥側(回収通路3側)に向かって下がるよう傾斜している。
【0038】
前記玉貸機60の内部に設置された前記回収通路3は、図3に示すように、回収連結通路2の末端(下流端)から奥側(パチンコ台50の背面側)に向かって直角に延設されており、奥側に向かって下がるよう傾斜している。そして、回収通路3の上流端は回収連結通路2に設けられた計数通路9の末端(下流端)に形成された前記斜面15に接続されている。
【0039】
而して、遊技客がパチンコ台50において獲得した賞球Sは下皿51に貯留されるが、この下皿51に貯留された賞球Sは遊技客のレバー操作等によって下皿51から玉受皿1の玉受面5上に落下して受けられ、玉受面5の傾斜に沿って転動して玉受通路4上に落下する。すると、この賞球Sは、図7及び図8に示すように、玉受皿1の玉受通路4の傾斜によって溝状のレール6に沿って回収連結通路2側へと移送され、玉受皿1の側壁に開口する開口部7(図8参照)から回収連結通路2へと受け渡される。
【0040】
回収連結通路2においては、賞球Sは、導入通路8の傾斜によって溝状のレール10に沿って列を成して下流側へと移送され、導入通路8の末端から計数通路9との段差部分を落下して計数通路9へと受け渡され、計数通路9の傾斜によってレール10に沿って、案内壁11によって横2列を成して下流側へと移送され、計数通路9の末端近傍に設けられた計数センサ12を通過することによって検知された後、計数通路9の末端の開口部14から下方の斜面15へと落下する。そして、斜面15へと落下した賞球Sは、その進行方向が直角に方向転換された後、回収通路3の傾斜によって該回収通路3を奥側に向かって移送されて回収される。ここで、賞球Sが斜面15へ落下する高さは該賞球Sの直径以上に設定されており、このように設定することによって、斜面15に落下した賞球Sに開口部14から落下してくる賞球Sが上方より当接してこれらが列状を成して回収通路3へと移送される。又、回収通路3の幅は賞球Sが1列を成して移送されるよう回収連結通路2の幅よりも狭く設定されている。
【0041】
以上の過程を経て賞球Sは計数センサ12によって計数されながら図1に示すパチンコ台50の背面側の遊技島内へと回収される。本実施の形態では、玉貸機60の外部に配設される回収連結通路2に計数手段である計数センサ12を配置したため、該計数センサ12の交換や修理、清掃等のメンテナンスを玉貸機60を分解することなく容易且つ迅速に行うことができる。
【0042】
又、本実施の形態では、回収連結通路2を導入通路8と計数通路9とで構成し、計数通路9に計数センサ12を設けるとともに、計数通路9を導入通路8よりも下方に配置して両通路8,9間に賞球Sの直径以上の高さを有する段差を設けたため、導入通路8から、例えば、金属棒状体を差し込んで不正行為を行おうとしても、金属棒状体は導入通路8よりも下方に位置する計数通路9に設けられた計数センサ12まで達することができず、金属棒状体は、その先端が計数通路9の上方に設けられたガイド壁13のストッパ部13aに当接し、それ以上の進入が阻止される。このため、金属棒状体を用いて計数センサ12を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。そして、本実施の形態では、計数センサ12を導入通路8から最も遠い計数通路9の終端近傍に配置したため、金属棒状体が計数センサ12に届きにくく、不正行為を確実に防ぐことができる。
【0043】
更に、本実施の形態では、回収連結通路2を横2列で移送される賞球Sは計数通路9の終端から下方の斜面15に落下した後、その移送方向が直角に方向転換されて回収通路3に沿って移送されるため、回収連結通路2と回収通路3とを直角に連結することができるとともに、賞球Sを回収通路3に略1列で流すことができ、回収通路3の幅を回収連結通路2の幅よりも狭くすることができ、回収通路3や基板等の不図示の電子部品を玉貸機60の内部へ容易に組み込むことが可能となる。
【0044】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図9〜図14に基づいて説明する。
【0045】
図9は本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の破断正面図、図10は同玉計数装置の破断斜視図、図11は同玉計数装置の回収連結通路の平面図、図12は同回収連結通路の正面図、図13は図12のB−B線断面図、図14は玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図であり、これらの図においては図1〜図8において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0046】
本実施の形態は、計数手段である計数センサ12を回収連結通路2の導入通路8の終端と計数通路9との段差部に配置し、該段差部を落下する賞球Sを計数するようにしたことを特徴とし、他の構成は前記実施の形態1のそれと同じである。
【0047】
即ち、図11及び図12に示すように、導入通路8の溝状のレール10の終端部には円孔状の玉落下口16がそれぞれ形成されており、各玉落下口16の下方に計数センサ12がそれぞれ設置されている。
【0048】
而して、本実施の形態においても、遊技客が図1に示すパチンコ台50において獲得した賞球Sは下皿51に貯留され、この下皿51に貯留された賞球Sは玉受皿1に落下して受けられる。すると、この賞球Sは、図14に示すように、玉受皿1の玉受通路4を列を成して回収連結通路2側へと移送され、玉受皿1の側壁に開口する開口部7(図14参照)から回収連結通路2へと受け渡される。
【0049】
回収連結通路2においては、賞球Sは導入通路8をレール10によって横2列を成して下流側へと移送され、導入通路9の終端部に形成された玉落下口16から計数通路9との段差部分を落下するが、この落下する過程で段差部分に設置された計数センサ12によって賞球Sが検知されて計数される。そして、計数センサ12によって検知された賞球Sは、計数通路9へと受け渡され、計数通路9を横2列を成して下流側へと移送され、計数通路9の末端から下方の斜面15へと落下する。そして、斜面15へと落下した賞球Sは、その進行方向が直角に方向転換された後、回収通路3の傾斜によって該回収通路3を奥側に向かって移送されて回収される。
【0050】
以上の過程を経て賞球Sは計数センサ12によって計数されながらパチンコ台50の背面側の遊技島内へと回収されるが、本実施の形態では、計数センサ12を導入通路8の終端の計数通路9との段差部に配置し、該段差部を落下する賞球Sを計数するよう構成したため、導入通路8での賞球Sの移送方向(金属棒状体の差し込み方向)と計数センサ12への賞球Sの通過方向(落下方向)とが直交するため、金属棒状体を計数センサ12に通過させて該計数センサ12を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を確実に防ぐことができる。
【0051】
その他、本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0052】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図15〜図21に基づいて説明する。
【0053】
図15は本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の破断正面図、図16は同玉計数装置の破断斜視図、図17は同玉計数装置の玉受皿と回収連結通路の斜視図、図18は同玉計数装置の回収連結通路の平面図、図19は同回収連結通路の正面図、図20は図19のC−C線断面図、図21は玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図であり、これらの図においても図1〜図8において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0054】
本実施の形態は、回収連結通路2を回収通路3よりも上方に配置して両通路2,3間に段差を設けるとともに、計数手段である計数センサ12を回収連結通路2の終端の回収通路3との段差部に配置し、該段差部を落下する賞球Sを計数するようにしたことを特徴とし、他の構成は前記実施の形態1,2のそれと同じである。
【0055】
即ち、図17〜図19に示すように、回収連結通路2の横2列のレール10の終端部には円孔状の玉落下口16がそれぞれ形成されており、各玉落下口16の下方に計数センサ12がそれぞれ設置されている。
【0056】
而して、本実施の形態においても、遊技客が図1に示すパチンコ台50において獲得した賞球Sは下皿51に貯留され、この下皿51に貯留された賞球Sは玉受皿1に落下して受けられる。すると、この賞球Sは、図21に示すように、玉受皿1の玉受通路4を横2列を成して回収連結通路2側へと移送され、玉受皿1の側壁に開口する開口部7(図21参照)から回収連結通路2へと受け渡される。
【0057】
回収連結通路2においては、賞球Sは回収連結通路2を横2列を成して下流側へと移送され、回収連結通路2の末端に形成された玉落下口16から回収通路9との段差部分を落下するが、この落下する過程で段差部分に設置された計数センサ12によって賞球Sが検知されて計数される。そして、計数センサ12によって検知された賞球Sは、下方の斜面15へと落下し、斜面15へと落下した賞球Sは、その進行方向が直角に方向転換された後、回収通路3の傾斜によって該回収通路3を奥側に向かって移送されて遊技島内に回収される。
【0058】
尚、図18に示すように、本実施の形態では2つの玉落下口16の位置が賞球Sの搬送方向(図18の左右方向)にずれている。これは、賞球Sがこれらの玉落下口16をそれぞれ通過して回収通路3に移送される際に、賞球S同士が衝突して回収通路4で玉詰まりが生ずることを防ぐためである。
【0059】
以上の過程を経て賞球Sは検知センサ12によって計数されながら図1に示すパチンコ台50の背面側の遊技島内へと回収される。本実施の形態では、計数センサ12を回収連結通路2の終端の回収通路3との段差部に配置し、該段差部を落下する賞球Sを計数するよう構成したため、回収連結通路2での賞球Sの移送方向(金属棒状体の差し込み方向)と計数センサ12への賞球Sの通過方向(落下方向)とが直交するため、金属棒状体を計数センサ12に通過させて該計数センサ12を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を確実に防ぐことができる。
【0060】
その他、本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0061】
尚、以上の実施の形態では、回収通路3は玉貸機60の内部下方に設置されたものとしたが、該回収通路3は玉貸機60の外部別体として設置しても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 玉受皿
2 回収連結通路
3 回収通路
4 玉受通路
5 玉受面
6 レール
7 開口部
8 導入通路
9 計数通路
10 レール
11 案内壁
12 計数センサ(計数手段)
13 ガイド壁
13a ガイド壁のストッパ部
14 開口部
15 斜面
16 玉落下口
50 パチンコ台(遊技台)
51 下皿
60 玉貸機
S 賞球(遊技玉)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台の下皿下方に配設された玉受皿に受けられた遊技玉を回収する過程でその個数を計数するための玉計数装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、パチンコ台(遊技台)において遊技客が獲得した賞球は専用のケースに収納され、このケースを賞球計数装置或いは景品交換所まで運び、獲得した賞球の個数を計数することが行われていた。
【0003】
ところが、賞球の獲得量が多い場合、それに比例してケース重量が重くなり、重いケースを賞球計数装置或いは景品交換所まで運ぶ作業には多大な労力を要し、又、賞球が収容された複数のケースを遊技客の足元周辺に積み上げると他の遊技客や遊技場店員の通行の邪魔となる。
【0004】
更に、賞球がケースに収容されたままの状態では、この賞球は遊技に供せられないため、遊技場全体で必要なパチンコ玉の個数が多くなるという問題もある。
【0005】
そこで、遊技客が獲得した賞球をパチンコ台に隣設する玉貸機の内部を通過し、該パチンコ台背面側の遊技島内へ移送して回収するとともに、賞球を移送する過程でその個数を計数し、計数された個数をカードやICコイン等の媒体に記憶させて該媒体を遊技客に提供し、遊技客は提供された媒体を景品交換所に持ち込んで所望の景品と交換するというシステムが提案されている。
【0006】
ところで、上記システムにおいて賞球の個数の計数には、主に金属製の賞球を電磁気的に検知する計数センサが使用されるが、この計数センサを外部から意図的に動作させて計数値を歩進させる不正行為が可能となる。例えば、柔軟性の高い金属棒状体を計数センサに複数回通して計数値を歩進させる不正行為が可能となる。
【0007】
そこで、特許文献1には、玉貸機内部に設置した賞球搬送樋の一部にスパイラル・シャフトを設け、スパイラル・シャフトに導入される最初の賞球をスイッチが検知するとモータを起動してスパイラル・シャフトを回転駆動し、該スパイラル・シャフトによって賞球を強制的に移送する提案がなされている。この構成によれば、賞球受皿から金属棒状体が差し込まれても、該金属棒状体の先端がスパイラル・シャフトの螺条に当接し、これが障害となって金属棒状体のそれ以上の前進が阻止されるため、金属棒状体が計数センサまで達することができず、不正行為を行うことが不可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−148361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1において提案された構成では、スパイラル・シャフトやこれを回転駆動するモータ及びギヤ等の回転伝達機構、スイッチ等が必要となるために構造が複雑化するとともに、コストアップを招くという問題がある。
【0010】
又、遊技台に隣設された玉貸機の内部に計数センサが配置されているため、該計数センサが故障した場合には、その交換や修理等のメンテナンスが困難である。又、賞球の通過によって計数センサが汚れた場合には、該計数センサの清掃が困難であるという問題もある。
【0011】
従って、本発明の第1の目的とする処は、計数センサの交換や清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる玉計数装置を提供することにある。
【0012】
又、本発明の第2の目的とする処は、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる玉計数装置を提供することにある。
【0013】
ところで、特許文献1において提案されたものを含む従来の玉計数装置においては、賞球搬送樋に賞球を横2列で移送させて計数及び回収する構成が採用されていたため、賞球搬送樋の幅寸法が大きくなり、該賞球搬送樋や基板等の電子部品を玉貸機内部に組み込む際に制限を受けるという問題があった。
【0014】
従って、本発明の第3の目的とする処は、玉貸機内部の回収通路幅を狭くして該回収通路や基板等の電子部品を玉貸機内部へ容易に組み込むことを可能とする玉計数装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
遊技台の下皿下方に配設され、該下皿から排出される遊技玉を受ける玉受皿と、
前記玉受皿で受けた前記遊技玉を前記遊技台背面側へ移送する回収通路と、
該回収通路と前記玉受皿とを連結し、前記玉受皿にて受けた遊技玉を前記回収通路へと移送する回収連結通路と、
前記玉受皿にて受けた遊技玉の個数を計数する計数手段と、
を備えた玉計数装置において、
前記計数手段を前記回収連結通路に配置したことを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記回収連結通路を、前記玉受皿から遊技玉を受け入れる導入通路と該導入通路に連なる計数通路とで構成し、該計数通路に前記計数手段を設けるとともに、前記計数通路を前記導入通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記計数手段を前記計数通路の終端近傍に配置したことを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記計数手段を前記導入通路終端の前記計数通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記回収連結通路を前記回収通路よりも上方に配置して両通路間に段差を設けるとともに、前記計数手段を前記回収連結通路終端の前記回収通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、前記回収通路を前記回収連結通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けるとともに、両通路に遊技玉の移送方向に下がる斜面を形成し、前記回収連結通路の終端から前記回収通路へと落下する遊技玉を方向転換させて回収通路の斜面に沿って移送するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1記載の発明によれば、玉貸機の外部に配設される回収連結通路に計数手段を配置したため、該計数手段の交換や修理、清掃等のメンテナンスを、玉貸機を分解することなく容易且つ迅速に行うことができる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、回収連結通路を導入通路と計数通路とで構成し、計数通路に計数手段を設けるとともに、計数通路を導入通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けたため、導入通路から金属棒状体を差し込んで不正行為を行おうとしても、金属棒状体は導入通路よりも下方に位置する計数通路に設けられた計数手段まで達することができず、計数手段を動作させることができないために簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、計数手段を導入通路から最も遠い計数通路の終端近傍に配置したため、金属棒状体が計数手段に届きにくく、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、計数手段を導入通路終端の計数通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するよう構成したため、導入通路での遊技球の移送方向(金属棒状体の差し込み方向)と計数手段への遊技球の通過方向(落下方向)とが直交するため、金属棒状体を計数手段に通過させて該計数手段を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、計数手段を回収連結通路終端の回収通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するよう構成したため、回収連結通路での遊技玉の移送方向(金属棒状体の差し込み方向)と計数手段への遊技玉の通過方向(落下方向)とが直交するため、金属棒状体を計数手段に通過させて該計数手段を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、回収連結通路を例えば横2列で移送される遊技玉は回収連結通路の終端から下方の回収通路に落下した後、方向転換して回収通路に沿って移送されるため、回収連結通路と回収通路とを直角に連結することができるとともに、遊技玉を回収通路に例えば1列で流すことができ、回収通路の幅を回収連結通路の幅よりも狭くすることができ、回収通路や基板等の電子部品を玉貸機内部へ容易に組み込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置を備えたパチンコ台の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の破断正面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の破断斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の回収連結通路の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の回収連結通路の正面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断正面図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の破断正面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の破断斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の回収連結通路の平面図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の回収連結通路の正面図である。
【図13】図12のB−B線断面図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の破断正面図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の破断斜視図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の玉受皿と回収連結通路の斜視図である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の回収連結通路の平面図である。
【図19】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の回収連結通路の正面図である。
【図20】図19のC−C線断面図である。
【図21】本発明の実施の形態3に係る玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0029】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る玉計数装置を備えたパチンコ台の斜視図、図2は本発明の実施の形態1に係る玉計数装置の破断正面図、図3は同玉計数装置の破断斜視図、図4は同玉計数装置の回収連結通路の平面図、図5は同回収連結通路の正面図、図6は図5のA−A線断面図、図7は玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断正面図、図8は同破断斜視図である。
【0030】
図1に示すように、遊技場等に設置されているパチンコ台50の側部には玉貸機60が隣設されている。そして、パチンコ台50の前面に設けられた下皿51の下方には矩形ボックス状の玉受皿1が配置されており、本発明に係る玉計数装置は、前記玉受皿1と、前記玉貸機60の内部下方に設置された回収通路3(図3参照)と、該回収通路3と玉受皿1とを連結する回収連結通路2とで構成されている。
【0031】
而して、本発明に係る玉計数装置は、遊技客が獲得してパチンコ台50の下皿51に貯留された賞球S(図7及び図8参照)を玉受皿1へと落下させて受け、この玉受皿1にて受けられた賞球Sを回収連結通路2から回収通路3へと移送し、これを移送する過程でその個数を計数してパチンコ台50の背面側の遊技島内へと回収する装置である。
【0032】
上記玉受皿1は矩形ボックス状に成形されており、図2及び図3に示すように、これには回収連結通路2に向かって下がるよう傾斜した玉受通路4が形成されている。そして、図1及び図8に示すように、玉受皿1の上面には玉受通路4に向かって下がるよう傾斜した斜面状の玉受面5が形成されている。尚、図3に示すように、玉受通路4には溝状のレール6が長手方向に沿って形成されており、玉受通路4は玉受皿1の回収連結通路2側の側壁に形成された矩形の開口部7(図8参照)まで延びている。
【0033】
回収連結通路2は、玉受皿1から側方へ延びるよう形成されており、玉受皿1の玉受通路4から賞球Sを受け入れる導入通路8と該導入通路8に連なる計数通路9とで構成されている。図2及び図3に示すように、導入通路8と計数通路9は賞球Sの移送方向(図2の左方)に向かって下がるよう傾斜しており、計数通路9は導入通路8よりも下方に配置され、両通路8,9間には、賞球Sの直径以上の高さを有する段差が設けられている。
【0034】
そして、図2〜図6に示すように、回収連結通路2の導入通路8の一端(賞球Sの移送方向上流端)は玉受皿1の玉受通路4に接続されており、導入通路8と計数通路9には連続する溝状のレール10が長手方向に形成され、これらのレール10は玉受皿1の玉受通路4に形成された前記レール6に接続されている。尚、計数通路9は、該計数通路9の幅方向中央に備えた案内壁11によって2列に区画される。
【0035】
図4及び図5に示すように、計数通路9の終端(下流端)近傍には計数手段を構成する計数センサ12が長手方向に位置をずらした状態でそれぞれ配置されている。このように、2つの計数センサ12の設置位置を長手方向にずらすことによって、該計数センサ12の横方向の設置スペースを縮小することができるとともに、各計数センサ12の検知タイミングの同期による誤検知を防ぐことができる。本実施の形態において、各計数センサは、金属製の賞球Sの通過を電磁気的に検知してその賞球Sの個数を計数する貫通型近接スイッチで構成されている。
【0036】
又、図2及び図3に示すように、計数通路9の上方には水平なガイド壁13が前記案内壁11に当接する状態で設置されており、このガイド壁13の上流部には垂直に起立するストッパ部13aが形成されている。そして、ガイド壁13の上流端と導入通路8の下流端との間には、賞球Sが通過し得る程度の大きさの隙間が形成されている。
【0037】
そして、図3に示すように、計数通路9の末端(下流端)は案内壁11を隔てて2つの開口部14が開口しており、これらの開口部14の下流側には一段下がった斜面15が形成されている。この斜面15は奥側(回収通路3側)に向かって下がるよう傾斜している。
【0038】
前記玉貸機60の内部に設置された前記回収通路3は、図3に示すように、回収連結通路2の末端(下流端)から奥側(パチンコ台50の背面側)に向かって直角に延設されており、奥側に向かって下がるよう傾斜している。そして、回収通路3の上流端は回収連結通路2に設けられた計数通路9の末端(下流端)に形成された前記斜面15に接続されている。
【0039】
而して、遊技客がパチンコ台50において獲得した賞球Sは下皿51に貯留されるが、この下皿51に貯留された賞球Sは遊技客のレバー操作等によって下皿51から玉受皿1の玉受面5上に落下して受けられ、玉受面5の傾斜に沿って転動して玉受通路4上に落下する。すると、この賞球Sは、図7及び図8に示すように、玉受皿1の玉受通路4の傾斜によって溝状のレール6に沿って回収連結通路2側へと移送され、玉受皿1の側壁に開口する開口部7(図8参照)から回収連結通路2へと受け渡される。
【0040】
回収連結通路2においては、賞球Sは、導入通路8の傾斜によって溝状のレール10に沿って列を成して下流側へと移送され、導入通路8の末端から計数通路9との段差部分を落下して計数通路9へと受け渡され、計数通路9の傾斜によってレール10に沿って、案内壁11によって横2列を成して下流側へと移送され、計数通路9の末端近傍に設けられた計数センサ12を通過することによって検知された後、計数通路9の末端の開口部14から下方の斜面15へと落下する。そして、斜面15へと落下した賞球Sは、その進行方向が直角に方向転換された後、回収通路3の傾斜によって該回収通路3を奥側に向かって移送されて回収される。ここで、賞球Sが斜面15へ落下する高さは該賞球Sの直径以上に設定されており、このように設定することによって、斜面15に落下した賞球Sに開口部14から落下してくる賞球Sが上方より当接してこれらが列状を成して回収通路3へと移送される。又、回収通路3の幅は賞球Sが1列を成して移送されるよう回収連結通路2の幅よりも狭く設定されている。
【0041】
以上の過程を経て賞球Sは計数センサ12によって計数されながら図1に示すパチンコ台50の背面側の遊技島内へと回収される。本実施の形態では、玉貸機60の外部に配設される回収連結通路2に計数手段である計数センサ12を配置したため、該計数センサ12の交換や修理、清掃等のメンテナンスを玉貸機60を分解することなく容易且つ迅速に行うことができる。
【0042】
又、本実施の形態では、回収連結通路2を導入通路8と計数通路9とで構成し、計数通路9に計数センサ12を設けるとともに、計数通路9を導入通路8よりも下方に配置して両通路8,9間に賞球Sの直径以上の高さを有する段差を設けたため、導入通路8から、例えば、金属棒状体を差し込んで不正行為を行おうとしても、金属棒状体は導入通路8よりも下方に位置する計数通路9に設けられた計数センサ12まで達することができず、金属棒状体は、その先端が計数通路9の上方に設けられたガイド壁13のストッパ部13aに当接し、それ以上の進入が阻止される。このため、金属棒状体を用いて計数センサ12を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を防ぐことができる。そして、本実施の形態では、計数センサ12を導入通路8から最も遠い計数通路9の終端近傍に配置したため、金属棒状体が計数センサ12に届きにくく、不正行為を確実に防ぐことができる。
【0043】
更に、本実施の形態では、回収連結通路2を横2列で移送される賞球Sは計数通路9の終端から下方の斜面15に落下した後、その移送方向が直角に方向転換されて回収通路3に沿って移送されるため、回収連結通路2と回収通路3とを直角に連結することができるとともに、賞球Sを回収通路3に略1列で流すことができ、回収通路3の幅を回収連結通路2の幅よりも狭くすることができ、回収通路3や基板等の不図示の電子部品を玉貸機60の内部へ容易に組み込むことが可能となる。
【0044】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図9〜図14に基づいて説明する。
【0045】
図9は本発明の実施の形態2に係る玉計数装置の破断正面図、図10は同玉計数装置の破断斜視図、図11は同玉計数装置の回収連結通路の平面図、図12は同回収連結通路の正面図、図13は図12のB−B線断面図、図14は玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図であり、これらの図においては図1〜図8において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0046】
本実施の形態は、計数手段である計数センサ12を回収連結通路2の導入通路8の終端と計数通路9との段差部に配置し、該段差部を落下する賞球Sを計数するようにしたことを特徴とし、他の構成は前記実施の形態1のそれと同じである。
【0047】
即ち、図11及び図12に示すように、導入通路8の溝状のレール10の終端部には円孔状の玉落下口16がそれぞれ形成されており、各玉落下口16の下方に計数センサ12がそれぞれ設置されている。
【0048】
而して、本実施の形態においても、遊技客が図1に示すパチンコ台50において獲得した賞球Sは下皿51に貯留され、この下皿51に貯留された賞球Sは玉受皿1に落下して受けられる。すると、この賞球Sは、図14に示すように、玉受皿1の玉受通路4を列を成して回収連結通路2側へと移送され、玉受皿1の側壁に開口する開口部7(図14参照)から回収連結通路2へと受け渡される。
【0049】
回収連結通路2においては、賞球Sは導入通路8をレール10によって横2列を成して下流側へと移送され、導入通路9の終端部に形成された玉落下口16から計数通路9との段差部分を落下するが、この落下する過程で段差部分に設置された計数センサ12によって賞球Sが検知されて計数される。そして、計数センサ12によって検知された賞球Sは、計数通路9へと受け渡され、計数通路9を横2列を成して下流側へと移送され、計数通路9の末端から下方の斜面15へと落下する。そして、斜面15へと落下した賞球Sは、その進行方向が直角に方向転換された後、回収通路3の傾斜によって該回収通路3を奥側に向かって移送されて回収される。
【0050】
以上の過程を経て賞球Sは計数センサ12によって計数されながらパチンコ台50の背面側の遊技島内へと回収されるが、本実施の形態では、計数センサ12を導入通路8の終端の計数通路9との段差部に配置し、該段差部を落下する賞球Sを計数するよう構成したため、導入通路8での賞球Sの移送方向(金属棒状体の差し込み方向)と計数センサ12への賞球Sの通過方向(落下方向)とが直交するため、金属棒状体を計数センサ12に通過させて該計数センサ12を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を確実に防ぐことができる。
【0051】
その他、本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0052】
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図15〜図21に基づいて説明する。
【0053】
図15は本発明の実施の形態3に係る玉計数装置の破断正面図、図16は同玉計数装置の破断斜視図、図17は同玉計数装置の玉受皿と回収連結通路の斜視図、図18は同玉計数装置の回収連結通路の平面図、図19は同回収連結通路の正面図、図20は図19のC−C線断面図、図21は玉計数装置での賞球の回収と計数の状態を示す破断斜視図であり、これらの図においても図1〜図8において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0054】
本実施の形態は、回収連結通路2を回収通路3よりも上方に配置して両通路2,3間に段差を設けるとともに、計数手段である計数センサ12を回収連結通路2の終端の回収通路3との段差部に配置し、該段差部を落下する賞球Sを計数するようにしたことを特徴とし、他の構成は前記実施の形態1,2のそれと同じである。
【0055】
即ち、図17〜図19に示すように、回収連結通路2の横2列のレール10の終端部には円孔状の玉落下口16がそれぞれ形成されており、各玉落下口16の下方に計数センサ12がそれぞれ設置されている。
【0056】
而して、本実施の形態においても、遊技客が図1に示すパチンコ台50において獲得した賞球Sは下皿51に貯留され、この下皿51に貯留された賞球Sは玉受皿1に落下して受けられる。すると、この賞球Sは、図21に示すように、玉受皿1の玉受通路4を横2列を成して回収連結通路2側へと移送され、玉受皿1の側壁に開口する開口部7(図21参照)から回収連結通路2へと受け渡される。
【0057】
回収連結通路2においては、賞球Sは回収連結通路2を横2列を成して下流側へと移送され、回収連結通路2の末端に形成された玉落下口16から回収通路9との段差部分を落下するが、この落下する過程で段差部分に設置された計数センサ12によって賞球Sが検知されて計数される。そして、計数センサ12によって検知された賞球Sは、下方の斜面15へと落下し、斜面15へと落下した賞球Sは、その進行方向が直角に方向転換された後、回収通路3の傾斜によって該回収通路3を奥側に向かって移送されて遊技島内に回収される。
【0058】
尚、図18に示すように、本実施の形態では2つの玉落下口16の位置が賞球Sの搬送方向(図18の左右方向)にずれている。これは、賞球Sがこれらの玉落下口16をそれぞれ通過して回収通路3に移送される際に、賞球S同士が衝突して回収通路4で玉詰まりが生ずることを防ぐためである。
【0059】
以上の過程を経て賞球Sは検知センサ12によって計数されながら図1に示すパチンコ台50の背面側の遊技島内へと回収される。本実施の形態では、計数センサ12を回収連結通路2の終端の回収通路3との段差部に配置し、該段差部を落下する賞球Sを計数するよう構成したため、回収連結通路2での賞球Sの移送方向(金属棒状体の差し込み方向)と計数センサ12への賞球Sの通過方向(落下方向)とが直交するため、金属棒状体を計数センサ12に通過させて該計数センサ12を動作させることができず、簡単な構成で安価に不正行為を確実に防ぐことができる。
【0060】
その他、本実施の形態においても、前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0061】
尚、以上の実施の形態では、回収通路3は玉貸機60の内部下方に設置されたものとしたが、該回収通路3は玉貸機60の外部別体として設置しても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 玉受皿
2 回収連結通路
3 回収通路
4 玉受通路
5 玉受面
6 レール
7 開口部
8 導入通路
9 計数通路
10 レール
11 案内壁
12 計数センサ(計数手段)
13 ガイド壁
13a ガイド壁のストッパ部
14 開口部
15 斜面
16 玉落下口
50 パチンコ台(遊技台)
51 下皿
60 玉貸機
S 賞球(遊技玉)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台の下皿下方に配設され、該下皿から排出される遊技玉を受ける玉受皿と、
前記玉受皿で受けた前記遊技玉を前記遊技台背面側へ移送する回収通路と、
該回収通路と前記玉受皿とを連結し、前記玉受皿にて受けた遊技玉を前記回収通路へと移送する回収連結通路と、
前記玉受皿にて受けた遊技玉の個数を計数する計数手段と、
を備えた玉計数装置において、
前記計数手段を前記回収連結通路に配置したことを特徴とする玉計数装置。
【請求項2】
前記回収連結通路を、前記玉受皿から遊技玉を受け入れる導入通路と該導入通路に連なる計数通路とで構成し、該計数通路に前記計数手段を設けるとともに、前記計数通路を前記導入通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けたことを特徴とする請求項1記載の玉計数装置。
【請求項3】
前記計数手段を前記計数通路の終端近傍に配置したことを特徴とする請求項2記載の玉計数装置。
【請求項4】
前記計数手段を前記導入通路終端の前記計数通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するようにしたことを特徴とする請求項2記載の玉計数装置。
【請求項5】
前記回収連結通路を前記回収通路よりも上方に配置して両通路間に段差を設けるとともに、前記計数手段を前記回収連結通路終端の前記回収通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するようにしたことを特徴とする請求項1記載の玉計数装置。
【請求項6】
前記回収通路を前記回収連結通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けるとともに、両通路に遊技玉の移送方向に下がる斜面を形成し、前記回収連結通路の終端から前記回収通路へと落下する遊技玉を方向転換させて回収通路の斜面に沿って移送するようにしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の玉計数装置。
【請求項1】
遊技台の下皿下方に配設され、該下皿から排出される遊技玉を受ける玉受皿と、
前記玉受皿で受けた前記遊技玉を前記遊技台背面側へ移送する回収通路と、
該回収通路と前記玉受皿とを連結し、前記玉受皿にて受けた遊技玉を前記回収通路へと移送する回収連結通路と、
前記玉受皿にて受けた遊技玉の個数を計数する計数手段と、
を備えた玉計数装置において、
前記計数手段を前記回収連結通路に配置したことを特徴とする玉計数装置。
【請求項2】
前記回収連結通路を、前記玉受皿から遊技玉を受け入れる導入通路と該導入通路に連なる計数通路とで構成し、該計数通路に前記計数手段を設けるとともに、前記計数通路を前記導入通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けたことを特徴とする請求項1記載の玉計数装置。
【請求項3】
前記計数手段を前記計数通路の終端近傍に配置したことを特徴とする請求項2記載の玉計数装置。
【請求項4】
前記計数手段を前記導入通路終端の前記計数通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するようにしたことを特徴とする請求項2記載の玉計数装置。
【請求項5】
前記回収連結通路を前記回収通路よりも上方に配置して両通路間に段差を設けるとともに、前記計数手段を前記回収連結通路終端の前記回収通路との段差部に配置し、該段差部を落下する遊技玉を計数するようにしたことを特徴とする請求項1記載の玉計数装置。
【請求項6】
前記回収通路を前記回収連結通路よりも下方に配置して両通路間に段差を設けるとともに、両通路に遊技玉の移送方向に下がる斜面を形成し、前記回収連結通路の終端から前記回収通路へと落下する遊技玉を方向転換させて回収通路の斜面に沿って移送するようにしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の玉計数装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−45636(P2011−45636A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198058(P2009−198058)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(591164554)シルバー電研株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(591164554)シルバー電研株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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