玩具及びその操作入力装置
【課題】複数の操作部材を接近させることで特定の操作入力を与えることができる操作入力装置を備えた玩具を提供する。
【解決手段】玩具は、移動可能な複数の操作部材と、複数の操作部材のそれぞれの位置を検出する位置検出手段と、複数の操作部材の少なくとも一つが操作されることで、離間していた複数の操作部材が接近したことを判定する判定手段と、複数の操作部材が接近すると所定のイベントを実行するイベント実行手段とを含む。
【解決手段】玩具は、移動可能な複数の操作部材と、複数の操作部材のそれぞれの位置を検出する位置検出手段と、複数の操作部材の少なくとも一つが操作されることで、離間していた複数の操作部材が接近したことを判定する判定手段と、複数の操作部材が接近すると所定のイベントを実行するイベント実行手段とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の操作部材を備えた操作入力装置及び玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム装置などの玩具では、玩具が備える制御部に対して制御入力を与えるための各種の操作部(例:コントローラ、ジョイスティク、ボタン、トラックボール、マウス、タッチパネルなど)が提案されている。
【0003】
とりわけ、特許文献1によれば、パーソナルコンピュータ(PC)において普及しているマウスをビデオゲーム装置の入力装置として応用することが提案されている。
【特許文献1】特開2001−62145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の発明では、マウスを1台のみ利用することが提案されているにすぎない。また、一般的なゲーム装置用の操作部としては、上述したようにジョイスティックや方向キー、ボタンなどが採用されているが、これらはCPUに対してそれぞれ独立した操作入力を与えるにすぎない。中には、複数のボタンの同時押しにより特定の操作入力を与えるものもあるかもしれないが、各ボタンの操作方向は、ボタンを押し下げる方向であり、両者が接近するような方向ではない。ジョイスティックは、幾つかの方向に対して斜めに倒すことができるが、ジョイスティックの一端は固定されているため、ジョイスティックの全体を移動させることができない。このように、複数の操作部材を接近させることで特定の操作入力を与えるものは従来において存在せず、よって、複数の操作部材が接近したことを検出する装置も存在しなかった。
【0005】
ゆえに、次のような玩具を実現する手段が存在しなかった。例えば、複数の操作部材をそれぞれ異なるゲームキャラクター(アニメキャラクターなど)に見立て、複数の操作部材をくっつけるように移動させたときに、複数のゲームキャラクターが出会ったものとして会話イベントを開始するといった玩具を提供できなかった。
【0006】
そこで、本発明は、このような課題および他の課題のうち、少なくとも1つを解決することを目的とする。例えば、複数の操作部材を接近させることで特定の操作入力を与えることができる操作入力装置を備えた玩具を提供することを目的とする。なお、他の課題については明細書の全体を通して理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によれば、
移動可能な複数の操作部材と、
前記複数の操作部材のそれぞれの位置を検出する位置検出手段と、
前記複数の操作部材の少なくとも1つが操作されることで、離間していた該複数の操作部材が互いに接近したことを、前記位置検出手段により検出された各操作部材の位置に基づいて判定する判定手段と、
前記複数の操作部材が接近したと前記判定手段が判定すると、所定のイベントを実行するイベント実行手段と
を含むことを特徴とする玩具が提供される。
【0008】
第2の観点によれば、
前記複数の操作部材のいずれかに装着される、互いに異なる意匠が付与された複数のカバー部材をさらに含むことを特徴とする観点1に記載の玩具が提供される。
【0009】
第3の観点によれば、
それぞれが前記複数の操作部材のいずれか1つに装着されている複数のカバー部材を認識する認識手段と、
複数のカバー部材の組み合わせと該組み合わせに対応するイベントとを登録したテーブルと、
前記認識手段により認識された複数のカバー部材の組み合わせに対応するイベントを、前記テーブルを用いて決定するイベント決定手段と
をさらに含み、
前記イベント実行手段は、前記イベント決定手段により決定されたイベントを実行することを特徴とする観点2に記載の玩具が提供される。
【0010】
第4の観点によれば、
複数のキャラクター画像を記憶した記憶手段と、
前記認識手段により認識されたカバー部材に対応するキャラクター画像を前記記憶手段から読み出して表示部に表示させる表示制御手段をさらに含むことを特徴とする観点3に記載の玩具が提供される。
【0011】
第5の観点によれば、
前記カバー部材が装着された前記操作部材の押し下げを検出する押し下げ検出手段と、
前記カバー部材が装着された前記操作部材の押し下げが検出されると、該カバー部材に対応するキャラクター音声を出力する音声出力手段をさらに含むことを特徴とする観点4に記載の玩具が提供される。
【0012】
第6の観点によれば、
前記認識手段がカバー部材を認識できないときに、前記カバー部材を前記操作部材に装着することを促すメッセージを出力する装着促進メッセージ出力手段をさらに含むことを特徴とする観点3ないし5のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0013】
第7の観点によれば、
前記認識手段がカバー部材を認識できないときに、各操作部材に仮想的なカバー部材を割り当てる割当手段をさらに含み、
前記イベント決定手段は、前記割当手段により割り当てられた複数のカバー部材の組み合わせに対応するイベントを、前記テーブルを用いて決定することを特徴とする観点3ないし6のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0014】
第8の観点によれば、
前記複数のカバー部材のいずれか1つがそれぞれ装着された前記複数の操作部材を互いに接触させるように操作されることで実行されたイベントの回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によりカウントされた回数が所定回数に達すると、複数あるキャラクター画像のうちの1つを非表示対象から表示対象へと変更するようキャラクター画像の管理データを書き換える書き換え手段と
をさらに含むことを特徴とする観点2ないし5のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0015】
第9の観点によれば、
前記操作部材に対して装着される前記カバー部材の装着部の形状が複数のカバー部材間で異なっていることを特徴とする観点2ないし8のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0016】
第10の観点によれば、
各操作部材の装着部に設けられた複数の検出部材と、
各カバー部材の装着部に、前記複数の検出部材のいずれかに係合するように設けられた少なくとも1つの係合部材と
をさらに含み、
前記認識手段は、前記複数の検出部材のいずれが前記係合部材に係合しているかに応じていずれのカバー部材が装着されたかを認識することを特徴とする観点3ないし9のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0017】
第11の観点によれば、
前記複数の操作部材の移動方向を規制する少なくとも1つのガイドをさらに含むことを特徴とする観点1ないし10のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0018】
第12の観点によれば、
前記複数の操作部材は、同一のガイドを共用し、該同一のガイドに沿って移動することを特徴とする観点11に記載の玩具が提供される。
【0019】
第13の観点によれば、
前記位置検出手段は、
前記ガイドに沿って設けられ、前記操作部材の位置に応じてオン又はオフとなる複数のスイッチを含み、
該複数のスイッチのうちどのスイッチがオン又はオフとなったかに応じて各操作部材の位置を検出することを特徴とする観点11または12に記載の玩具が提供される。
【0020】
第14の観点によれば、
前記位置検出手段によって検出された、前記ガイドに沿ってスライドされる前記複数の操作部材の各位置を、各操作部材に装着された各カバー部材に対応したキャラクター画像を表示するための画像表示領域における各キャラクター画像の表示位置に変換する変換手段と、
前記画像表示領域に表示される障害物の位置を決定する障害物位置決定手段と、
前記障害物の位置と、前記各キャラクター画像の表示位置とが一致するか否かを判定する衝突判定手段と、
を含むことを特徴とする観点11ないし13のいずれか1項に記載された玩具が提供される。なお、前記障害物の位置と、前記各キャラクター画像の表示位置とが一致した回数を前記障害物への衝突回数として計数する計数手段と、前記衝突回数に応じた画像を出力する画像出力手段とがさらに備えられてもよい。
【0021】
第15の観点によれば、
前記イベントは、第1の操作部材に装着された第1のカバー部材に対応する第1のキャラクター画像と第2の操作部材に装着された第2のカバー部材に対応する第2のキャラクター画像とを表示させ、該第1のキャラクター画像に対応する第1のキャラクター音声と該第2のキャラクター画像に対応する第2のキャラクター音声とを出力する会話型イベントであることを特徴とする観点1ないし14のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0022】
第16の観点によれば、
移動可能な複数の操作部材と、
互いに異なる意匠が付与され、前記複数の操作部材のいずれかに1つずつ装着される複数のカバー部材と、
前記複数の操作部材のいずれかに装着されている各カバー部材を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識されたカバー部材の組み合わせに対応するイベントを決定するイベント決定手段と、
前記イベント決定手段により決定されたイベントを実行するイベント実行手段と
を含むことを特徴とする玩具が提供される。
【0023】
第17の観点によれば、
移動方向を規制するための同一のガイドに沿って移動可能な複数の操作部材と、
複数の操作部材のそれぞれの位置を検出し、検出した位置を表す情報を出力する位置検出手段と、
を含むことを特徴とする操作入力装置が提供される。
【0024】
第18の観点によれば、
ガイドは、複数の操作部材を1次元方向にのみ移動するように規制するガイドであることを特徴とする観点17に記載の操作入力装置が提供される。
【0025】
第19の観点によれば、
観点17又は18に記載の操作入力装置を接続した又は備えたことを特徴とする玩具が提供される。
【発明の効果】
【0026】
第1の観点によれば、離間していた複数の操作部材が接近したことを検出すると、所定のイベントを発生させることができるようになる。よって、例えば、複数の操作部材をそれぞれ異なるゲームキャラクター(アニメキャラクターなど)に見立て、複数の操作部材をくっつけるように操作したときに、複数のゲームキャラクターが出会ったものとして会話イベントを開始するといった玩具を提供しやすくなる。
【0027】
第2の観点によれば、各操作部材には、意匠の付与されたカバー部材を装着できるため、各操作部材がどのような意匠に対応しているかをユーザが視覚的に把握できるようになる。また、カバー部材を交換することで、各操作部材に対応する意匠も交換できるようになる利点がある。
【0028】
第3の観点によれば、操作部材に装着されたカバー部材を識別できるようになるため、カバー部材に対応したイベントを発生することが可能となる。例えば、カバー部材に付与された意匠(ゲームキャラクターなど)に対応したキャラクターによる会話音声やアニメーションをイベントとして提示できるようにもなろう。また、カバー部材を交換すればイベントも変更されるため、会話を行うキャラクターを変更できるようになろう。
【0029】
第4の観点によれば、カバー部材に応じたキャラクター画像が表示部に表示されるため、例えば、表示されたキャラクターによるアニメーションを提示できるようにもなろう。これは、ユーザが会話型イベントを楽しむ上で役に立つであろう。
【0030】
第5の観点によれば、カバー部材に応じたキャラクター音声が音声出力部から音声出力されるため、例えば、これにより、装着したマウスカバーに描かれているキャラクターの音声を聞いて楽しむことが可能となろう。
【0031】
第6の観点によれば、カバー部材の装着をユーザに促すことができるため、イベントの不発生(例:会話の不成立、出会いの未発生など)を防止できよう。
【0032】
第7の観点によれば、カバー部材が未装着であれば、仮想的にカバー部材(すなわち、キャラクター)を操作部材に割り当てることができるようになるため、ユーザがカバー部材を装着し忘れたり、紛失してしまったりしても、イベントを楽しむことが可能となる。
【0033】
第8の観点によれば、イベントを発生させることのインセンティブ(利益)として玩具上で収集対象のキャラクターを追加できるため、ユーザは、イベントを発生させるべく操作部材を接近させるようになろう。すなわち、ユーザには操作部材を接近させることで、収集対象のキャラクターを取得できるといった、新たな喜びを与えることができよう。
【0034】
第9の観点によれば、カバー部材及び操作部材の各装着部の形状を工夫することで、特定のカバー部材を特定の操作部材にのみ装着できるようになる。これは、特定の操作部材に特定のキャラクターを強制的に割り当てることも可能となるため、会話を行うキャラクターを限定することも可能となろう。例えば、第1のキャラクターは左側の操作部材にのみ割り当てられ、第2のキャラクターは右側の操作部材にのみ割り当てられるといった応用も可能となろう。
【0035】
第10の観点によれば、比較的に簡単な手法によって各操作部材に装着されたカバー部材を認識できるようになる。
【0036】
第11の観点によれば、操作部材の移動方向をガイドによって規制できるため、例えば、複数の操作部材を接近させる方向に両者を容易に移動させることが可能となる。
【0037】
第12の観点によれば、同一のガイドに沿って複数の操作部材が移動するため、複数の操作部材の接近や接触を演出しやすくなる利点がある。
【0038】
第13の観点によれば、複数の操作部材の位置を比較的に簡単な構造で検出できるようになる。
【0039】
第14の観点によれば、複数のキャラクターに見立てた複数の操作部材を、迫り来る障害物を避けるように操作できるため、臨場感を感じながらユーザは障害物回避ゲームを楽しむことができるだろう。
【0040】
第15の観点によれば、上述したイベントが、キャラクター画像の表示と音声出力とを伴う会話型のイベントであるため、会話型のイベントを複数の操作部材の接近動作によって実現できる。すなわち、複数の操作部材が接近すれば、複数のキャラクターが出会って会話することを演出できるようになる。
【0041】
第16の観点によれば、複数の操作部材にそれぞれ装着されたカバー部材の組み合わせによって玩具上でイベントを発生できるようになる。すなわち、カバー部材を変更すれば、イベントも変更できるようになるため、極めて斬新な玩具を提供できるようになろう。なお、従来は、シリコン素材でできたキーボードカバーなど複数の操作部材の全体に装着する単一のカバーしか存在せず、操作部材ごとにカバーを被せるといった発想は見られなかった。ましてや、どのようなカバーが被せられているかを識別することもなかった。よって、複数の操作部材にそれぞれ装着されたカバー部材の組み合わせによって玩具上でイベントを発生できるようにしたことは、極めて斬新な技術思想であろう。
【0042】
第17の観点によれば、同一のガイドに沿って移動可能な複数の操作部材を備えた、従来にない極めて斬新な操作入力装置が提供できる。例えば、操作入力装置を、単一のユーザが同時に複数のゲームキャラクターを容易に操作できるようになる。従来は、単一のユーザが同時に複数のゲームキャラクターを操作するための適当な操作入力装置が存在しなかった。それゆえ、単一のユーザが同時に複数のゲームキャラクターを操作するゲーム装置や玩具も提案されてこなかった。よって、本発明の操作入力装置は、従来にないゲーム装置、玩具及びGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の開発に寄与することになろう。
【0043】
第18の観点によれば、複数の操作部材を1次元方向にのみ移動できるようになるため、操作部材の操作が極めて単純かつ容易となる。
【0044】
第19の観点によれば、斬新な操作体系を有した操作入力装置を応用した玩具が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0046】
図1は、実施形態に係る玩具の例示的な斜視図である。玩具100は、複数の操作部材の一例である左マウス101、右マウス102を備えている。左マウス101及び右マウス102は、移動方向を規制するための上ガイド103及び下ガイド104に沿って左右方向に移動できる。ここでは、2つのガイドを示しているが、ガイドは少なくとも1つあればよい。なお、ガイドを複数設けることで、マウスの支持強度を上げることができ、また、マウスの水平方向における回転を抑制することもできる。
【0047】
図1では、左マウス101及び右マウス102が同一のガイドを共用し、この同一のガイドに沿って移動するように記載されているが、それぞれ異なる専用のガイドに沿って移動してもよい。ただし、同一のガイドを移動することで、左マウス101及び右マウス102との接近や接触を演出しやすくなろう。また、図1では、直線的な2本のガイドが示されているが、他の形状であってもよい。例えば、ガイドの形状は、”く”の字形状、波線形上、折れ線形状(ジグザグ形状)など、一筆書きできるような形状であってもよい。
【0048】
表示装置105は、例えば、液晶表示デバイスなどであり、左マウス101及び右マウス102に装着されたカバー部材に対応したキャラクター画像を表示したり、各種のイベントに相当するアニメーションなどを表示したりする。
【0049】
スピーカ106は、カバー部材に対応するキャラクター音声を出力する音声出力手段の一例である。その他、発生したイベントに応じた各種の音(会話音声や効果音など)がスピーカ106から出力される。
【0050】
図2は、実施形態に係る操作部材の拡大図である。図2において、左マウス101及び右マウス102は、上ガイド103及び下ガイド104に沿ってそれぞれ外側に移動している。すなわち、図1では、左マウス101及び右マウス102が接近ないし接触しているが、図2では両者が離間している。このように、左マウス101及び右マウス102は、ガイドに沿って様々な位置に移動可能である。なお、接触とは、物理的に接触している状態だけでなく、数mmだけ離れているものの隣り合っている状態、近接している状態などを含む概念である。
【0051】
図3は、実施形態に係る玩具の例示的な斜視図である。とりわけ、図3では、左マウス101及び右マウス102に着脱交換可能なマウスカバー301、302が装着されている。マウスカバー301、302には、例えばウサギのキャラクターの絵とネコのキャラクターの絵などのようにそれぞれ異なる意匠(ここで、それぞれ異なる意匠とは、形状・色彩・模様等のうち少なくとも1つがそれぞれ異なることをいう。)が付与されている。マウスカバー301、302は、互いに異なる意匠が付与され、複数の操作部材のいずれかに装着される複数のカバー部材の一例である。なお、マウスカバーに付与されたキャラクターと、表示装置105に表示されるキャラクターとは基本的には同一である。ただし、マウスカバーにはキャラクターの顔のみが付与され、表示装置105はキャラクターの容姿のすべてが表示されてもよい。つまり、両者は同一視できるものの、絵としては異なることがある。
【0052】
図4は、実施形態に係る操作部材の平面図である。左マウス101及び右マウス102の各装着部には、装着されたカバー部材を識別するための検出部材401、402が設けられている。検出部材401、402は、押し下げ式のスイッチに結合されており、検出部材が押し下げられると、対応するスイッチがオンになる。なお、403は、装着部の形状(外形)を示している。各マウスには、マウスカバーが蓋のように嵌め合わせられるようになっている。よって、装着部は、嵌合部と呼ぶこともできよう。
【0053】
図5は、実施形態に係るカバー部材の裏側を示した図である。マウスカバー301、302の装着部には、検出部材401、402のいずれかに係合するように設けられた突起状の係合部材501、502が設けられている。
【0054】
なお、503は、装着部の形状(外形)を示しており、左マウス101及び右マウス102の装着部の形状を異なる形状とすれば、左マウス101には装着部の形状が一致するマウスカバー301だけを装着できるようになる。すなわち、右マウス102の装着部の形状に一致したマウスカバー302を、左マウス101に装着することはできない。マウスカバー302は、右マウス102にのみ装着できる。このように、操作部材に対して装着されるカバー部材の装着部の形状を複数のカバー部材間で異ならしめることで、特定のカバー部材を特定の操作部材にのみ装着できるようになる。これにより、特定の操作部材に特定のキャラクターを強制的に割り当てることが可能となるため、会話を行うキャラクターを限定することも可能となろう。なお、異なる形状には、相似形状も含まれるものとする。例えば、2つの形状ともバラの花を模したものであるものの、両者のサイズが異なっていてもよい。
【0055】
図5に示した係合部材501、502は、一種の突起であり、マウスカバーがマウスに装着されたときに、検出部材と係合して検出部材を押し下げるように形成されている。ここでは、2つの係合部材が示されているが、係合部材は少なくとも1つあればよい。なお、係合部材と検出部材の数は、認識(識別)しようとするカバー部材の数に応じて決定される。すなわち、多数のカバー部材を識別するには、多数の係合部材と検出部材が必要となる。
【0056】
図6は、実施形態に係るカバー部材の認識テーブルの一例を示す図である。ここでは、検出部材401に対応するスイッチをSW1とし、検出部材402に対応するスイッチをSW2とする。
【0057】
カバー認識テーブル601には、各スイッチのオン/オフの組み合わせと、この組み合わせが示すカバー部材の識別状態とが対応付けて登録されている。SW1及びSW2ともオフであれば、カバー部材が未装着であることを意味する。SW1がオンでSW2がオフであればマウスカバーA(キャラクターA)が装着されたことを検出できる。SW2がオンでSW1がオフであればマウスカバーB(キャラクターB)が装着されたことを検出できる。SW1及びSW2ともオンであれば、マウスカバーC(キャラクターC)が装着されたことを検出できる。ちなみに、マウスカバーA、B、Cが上述のマウスカバー301に属するものとする。なお、マウスカバー302には、マウスカバーD、E、F(それぞれキャラクターD、E、Fに対応)が属するものとする。ここでは、キャラクターA〜Fのキャラクター画像及びキャラクター音声はそれぞれ異なるものとする。
【0058】
図7は、実施形態に係るカバー部材の装着された操作部材の移動例を示す図である。図7では、キャラクターの容姿を表す絵の代わりに、アルファベットのA、Dを用いている。なお、A、Dは、キャラクターの違いを示す識別情報でもある。
【0059】
ここでは、簡略化のために、ガイドに沿って4つの移動位置(図中の1ないし4)が存在するものとする。そのうち、マウスカバー301を装着された左マウス101は、最右端(位置4)以外の左側にある3つの位置(位置1ないし3)を移動できる。左マウス101が最右端へ移動できないのは、右マウス102が移動の障害となるからである。また、マウスカバー302を装着された右マウス102は、最左端(位置1)以外の右側にある3つの位置(位置2ないし4)を移動できる。右マウス102が最左端へ移動できないのは、左マウス101が移動の障害となるからである。
【0060】
移動パターン701は、左マウス101が最左端に位置し、右マウス102が最右端に位置するパターンである。移動パターン701は、左マウス101と右マウス102とが離間している典型例である。
【0061】
移動パターン702も、左マウス101と右マウス102とが離間している典型例である。移動パターン701と比較し、移動パターン702では、右マウス102が位置3に移動している。
【0062】
移動パターン703は、左マウス101と右マウス102とが接近ないし接触している第1の典型例である。移動パターン703では、右マウス102が位置2に移動している。
【0063】
移動パターン704は、左マウス101と右マウス102とが接近ないし接触している第2の典型例である。移動パターン702と比較し、移動パターン704では、左マウス101が位置2に移動している。
【0064】
移動パターン705は、左マウス101と右マウス102とが接近ないし接触している第3の典型例である。移動パターン701と比較し、移動パターン705では、左マウス101が位置3に移動している。
【0065】
なお、図示は省略するが第6のパターンとして、左マウス101が位置2に移動し、右マウス101が位置4に配置されるパターンもある。このように、6つの移動パターンが存在する。このパターンの数は、n個の位置にm個の操作部材を配置する組み合わせ(nCm)として算出される。例えば、4個の位置に2つのマウスを配置する組み合わせは、4C2=6である。
【0066】
以上説明したように、マウスの数が2つで、位置の数が4である場合、接触位置は3通りある。各接触位置で同一のイベントが発生してもよいし、接触位置に応じて異なるイベントが発生してもよい。
【0067】
図8は、実施形態に係る位置検出機構の一例を示した図である。基板800は、上ガイド103又は下ガイド104の下方にガイドに沿って配置されている。基板800には、各位置を検出するための線路状端子803ないし810が設けられている。短絡端子801は、上側の線路状端子と下側の線路状端子とを短絡させる。左マウス101の底部から足部が延伸しており、この足部はガイドに沿って移動するが、この足部の底に短絡端子801が取り付けられている。例えば、上側の線路状端子803と下側の線路状端子804とが短絡端子801によって短絡していれば、左マウス101が位置1に存在することを認識できる。
【0068】
同様に、短絡端子802が、上側の線路状端子と下側の線路状端子とを短絡させる。例えば、上側の線路状端子809と下側の線路状端子810とが短絡端子802によって短絡していれば、右マウス102が位置4に存在することを認識できる。
【0069】
なお、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806とが短絡しているケースは、2通りある。すなわち、短絡端子801によって短絡しているケースと、短絡端子802によって短絡しているケースとである。この場合、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806よりも左側に位置する線路状端子ペアが短絡していれば、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806とが短絡端子802によって短絡していることになる。一方、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806よりも右側に位置する線路状端子ペアが短絡していれば、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806とが短絡端子801によって短絡していることになる。
【0070】
このように、線路状端子ペアと短絡端子とは一種の位置検出用スイッチ(pSW1ないしpSW4)を形成している。すなわち、どのスイッチがオンとなっているかを検出することで、各マウスの位置を認識できる。なお、pSW1ないしpSW4は、それぞれ上述した位置1ないし4に対応している。また、pSW1ないしpSW4は、操作部材の位置に応じてオン又はオフとなる、ガイドに沿って設けられた複数のスイッチの一例である。このように、複数の操作部材(マウス)の位置を比較的に簡単な構造で検出できるようになる。
【0071】
図9は、実施形態に係る制御部の一例を示した図である。制御部900は、例えば、CPUやASICなどによって実現される。また、記憶部920は、例えば、ROM、RAM及びSRAMなどにより実現される。
【0072】
位置検出部901は、移動可能な左マウス101及び右マウス102のそれぞれの位置を検出する。例えば、位置検出部901は、上述した複数の位置検出用のスイッチpSW1ないしpSW4のうち、どのスイッチがオン又はオフとなったかに応じて、各マウスの位置を検出する。
【0073】
判定部902は、離間していた左マウス101及び右マウス102が接近(接触)したことを、位置検出部901により検出された左マウス101及び右マウス102の位置に基づいて判定する。例えば、移動パターン703ないし705が検出されると、判定部902は、左マウス101及び右マウス102が接近(接触)していると判定する。
【0074】
イベント実行部903は、左マウス101及び右マウス102が接近(接触)したと判定部902が判定すると、所定のイベントを実行する。なお、イベントの一例は、会話型のイベントである。例えば、イベント実行部903は、左マウス101に装着されたマウスカバーAに対応するキャラクターAの画像と右マウス102に装着されたマウスカバーDに対応するキャラクターDの画像とを表示制御部904を通じて表示装置105に表示する。さらに、イベント実行部903は、キャラクターA(の画像)に対応するキャラクター音声とキャラクターD(の画像)に対応するキャラクター音声とを音声制御部905を通じてスピーカ106から出力する。すなわち、イベントが変われば、表示される画像(静止画、動画又はアニメーション)や音声(会話の内容や効果音)も変更されてもよい。これらの画像のデータや音声のデータは、データ群922として記憶部920に記憶されており、決定されたイベントに従って読み出されて使用される。
【0075】
認識部906は、左マウス101及び右マウス102のそれぞれに装着されたマウスカバーを認識する。例えば、認識部906は、左マウス101に取り付けられたカバー認識用のスイッチLSW1、LSW2がオンになっているかオフになっているかに応じて、マウスカバーAないしCのいずれが装着されているのかを認識する。同様に、認識部906は、右マウス102に取り付けられたカバー認識用のスイッチRSW1、RSW2がオンになっているかオフになっているかに応じて、マウスカバーDないしFのいずれが装着されているのかを認識する。図6において例示したように、認識部906は、カバー認識テーブル601を用いて、未装着状態を含め、マウスカバーを認識することができる。このように、認識部906は、それぞれが複数の操作部材のいずれか1つに装着されている複数のカバー部材を認識する認識手段の一例である。
【0076】
データ群922には、イベント決定テーブルが含まれている。イベント決定テーブルは、マウスカバー301、302の組み合わせと対応するイベントとを登録したテーブルである。イベント決定テーブルの一例については後述する。
【0077】
イベント決定部907は、認識部906により認識されたマウスカバー301、302の組み合わせに対応するイベントを、イベント決定テーブルを用いて決定する。イベント決定部907は、決定したイベントの情報をイベント実行部903へ通知する。イベント実行部903は、イベント決定部907により決定されたイベントを実行する。
【0078】
記憶部920には、全体の動作を司る制御プログラム921とデータ群922が記憶されている。CPUが制御プログラム921を実行することで各部の機能が実現される。データ群922には、複数のキャラクター画像が記憶されている。これにより、表示制御部904は、認識部906により認識されたマウスカバーに対応するキャラクター画像を記憶部920から読み出して表示装置105に表示させる。
【0079】
押し下げ検出部908は、マウスカバーを装着されたマウスが押し下げられたことを検出する。例えば、左マウス101及び右マウス102には上述したSW1、SW2に加えて、第3のスイッチLSW3、RSW3が設けられている。第3のスイッチLSW3、RSW3は、マウスカバーを装着されたマウスをユーザが押し下げるとオンとなる。マウスカバーを装着されたマウスの押し下げが検出されると、音声制御部905は、認識部906により認識されたマウスカバーに対応するキャラクター音声を生成して、スピーカ106から出力する。これにより、装着したマウスカバーに描かれているキャラクターの音声を聞いて楽しむことが可能となろう。
【0080】
音声制御部905は、認識部906がマウスカバーを認識できないとき(未装着を認識したとき)に、マウスカバーをマウスに装着することを促すメッセージをスピーカ106から出力してもよい。また、表示制御部904は、認識部906がマウスカバーを認識できないとき(未装着を認識したとき)に、マウスカバーをマウスに装着することを促すメッセージを表示装置105から出力してもよい。これにより、カバー部材の装着をユーザに促すことができるため、イベントの不発生(例:会話の不成立、出会いの未発生など)を防止できよう。なお、スピーカ106や表示装置105は、装着促進メッセージ出力手段の一例である。
【0081】
なお、イベント決定部907は、認識部906がマウスカバーを認識できないときに、各マウスに仮想的なマウスカバー(キャラクター)を割り当てる割当部を備えていてもよい。この場合、イベント決定部907は、割当部により割り当てられたマウスカバーの組み合わせに対応するイベントを、イベント決定テーブルに従って決定する。なお、一方にはマウスカバーが装着され、他方にはマウスカバーが装着されていないときも、割当部は、未装着のマウスにのみ仮想的にマウスカバーを割り当ててもよい。このように、マウスカバーが未装着であれば、仮想的にマウスカバー(すなわち、キャラクター)をマウスに割り当てることができるようになる。そのため、ユーザがマウスカバーを装着し忘れたり、紛失してしまったりしても、イベントを楽しむことができる。
【0082】
カウント部909は、それぞれマウスカバーを装着された左マウス101及び右マウス102を接触させるように操作されることで実行されたイベントの回数をカウントする。このように、カウント部909は、複数のカバー部材のいずれか1つがそれぞれ装着された複数の操作部材を互いに接触させるように操作されることで実行されたイベントの回数をカウントするカウント手段の一例である。書き換え部910は、カウント部909によりカウントされた回数が所定回数に達すると、複数あるキャラクター画像のうちの1つを非表示対象から表示対象へと変更するようキャラクター画像の管理データを書き換える。
【0083】
例えば、デフォルトで10人(匹)の収集対象キャラクターが登場し、ゲームの進行に応じて35人(匹)の収集対象キャラクターが登場するゲームを想定する。そして、45人(匹)の全員を収集できたときに、ゲームクリアとするものとする。さらに、ゲームの進行に応じて35人(匹)の収集対象キャラクターを、カウントされた回数が所定回数に達すると、追加されるキャラクターとする。このようにすれば、イベントを発生させることは玩具上で収集対象のキャラクターを追加できるといった一種のインセンティブとなるため、ユーザは、イベントを発生させるべく操作部材を接近させるようになろう。すなわち、ユーザにはマウスを接近させることで、収集対象のキャラクターを取得できるといった、新たな喜びを与えることができよう。
【0084】
図10は、実施形態に係るイベント決定テーブルの一例を示した図である。ここでは、説明の便宜上、左マウス101には、キャラクターA、Bを割り当てることができ、右マウス102には、キャラクターD、Eを割り当てることができるものとする。
【0085】
イベント決定テーブル1001には、不図示のタイマーから取得された現在時刻の「分」の1位のデータに対応した10種類のイベントが登録されている。1位のデータとは、例えば、41分における1、52分における2などである。10種類のイベントは、例えば、キャラクター同士の会話内容である。会話内容としては、「たべもの」、「なんか出た」、「寝る/手紙」、「ケンカ」、「手伝って」、「お世話」、「歌」、「おでかけ」、「勝負(勝ち)」、「勝負(負け)」、「おやつたべる」、「TV/びっくり箱」、「4人集合」、「4人お手伝い集合」などがある。
【0086】
イベント決定部907は、現在時刻に応じて1つの種類(会話主題)を特定し、さらに、認識されたキャラクター(マウスカバー)の組み合わせによって1つのイベント(具体的な会話内容)を決定する。例えば、時刻が41分であれば、1位の「1」に対応する会話主題「たべもの」が特定される。次に、キャラクターがAとDとの組み合わせであれば、具体的な会話内容及び画像を示すイベント1−1が特定される。イベント1−1は、識別情報として利用されてもよいし、データファイル名として利用されてもよい。なお、キャラクターの組み合わせがAとEとの組み合わせであれば、具体的な会話の内容と画像を示すイベント1−2が特定される。このように、キャラクターの組み合わせが異なれば、イベントの内容も異なることになる。
【0087】
なお、図10にはいくつかの例外が示されている。例えば、分の1位が「8」である会話内容「おやつたべる」では、すべてのキャラクターの画像が表示され、これらの音声が出力されるイベント12−1 allが選択される。すなわち、イベント12−1 allは、キャラクターの組み合わせに依存することのないイベントである。
【0088】
図11は、実施形態に係る制御方法の一例を示したフローチャートである。ステップS1100で、認識部906はマウスカバーの認識を実行する。ステップS1101で、認識部906はマウスカバーを認識できたか否かに応じて、マウスカバーがマウスに装着済みであるか否かを判定する。装着済みであれば、ステップS1105に進む。未装着であれば、ステップS1102に進む。
【0089】
ステップS1102で、認識部906はタイマーがタイムアウトしたか否かを判定する。タイムアウトしていなければ、ステップS1103に進む。ステップS1103で、認識部906は、表示制御部904及び音声制御部905の少なくとも一方に対してマウスカバーの装着をユーザに促すための装着促進コメントを出力する。表示制御部904は、装着促進コメントを表示装置105に表示させる。音声制御部905は、装着促進コメントをスピーカ106から出力する。その後、ステップS1101に戻る。
【0090】
一方、タイマーがタイムアウトしていれば、ステップS1104に進む。ステップS1104で、制御部900に含まれる不図示の割当部は、未装着のマウスに対し仮想的にマウスカバー(キャラクター)を割り当てる。その後、ステップS1105に進む。
【0091】
ステップS1105で、位置検出部901は、各マウスの位置を検出する。ステップS1106で、判定部902は、位置検出部901により検出された位置の情報に基づいて、左マウス101と右マウス102とが接近(接触)しているか否かを判定する。接近していなければ、ステップS1105に戻る。接近していれば、ステップS1107に進む。
【0092】
ステップS1107で、イベント決定部907は、認識されたマウスカバー(キャラクター)の組み合わせに応じてイベントを決定する。例えば、上述したイベント決定テーブル1001を用いて、キャラクターの組み合わせに応じた会話内容(会話型のイベント)が特定される。
【0093】
ステップS1108で、イベント実行部903は、決定されたイベントを実行する。すなわち、イベント決定部907から通知されるイベントの識別情報(ID)に対応したキャラクター画像やキャラクター音声を記憶部920から読み出し、表示制御部904や音声制御部905に出力する。表示制御部904は、受け取ったキャラクター画像を表示装置105から出力する。音声制御部905は、受け取ったキャラクター音声をスピーカ106から出力する。これにより、あたかも出会った複数のキャラクター達による会話を演出できる。
【0094】
ステップS1109で、カウント部909は、カウントしてきたイベントの回数が所定回数に到達しているか否かを判定する。所定回数に達していなければ、本処理を終了する。
【0095】
一方、イベントの回数が所定回数に到達していれば、カウント部909は、カウント値をゼロにリセットして、ステップS1110に進む。ステップS1110で、書き換え部910は、これまで表示対象でなかった収集対象のキャラクターを表示対象に変更すべく、キャラクターの管理データを書き換える。キャラクターの管理データは、データ群922の一部である。なお、収集対象のキャラクターは、マウスカバーに対応するキャラクターとは異なってもよい。例えば、収集対象のキャラクターは人物キャラクターであり、マウスカバーに対応するキャラクターは動物などのマスコットキャラクターである。
【0096】
以上では、非常に斬新な操作入力装置とその応用例を提案したが、その他の応用例を以下で説明する。
【0097】
一般的な操作入力装置やそれを利用したゲーム装置では、ユーザが操ることのできるゲームキャラクターは1つのみである。例えば、自動車レースでは、ユーザは1台の自動車を操縦し、2台の自動車を同時に操縦することはない。アドベンチャーゲームであっても、操作できるゲームキャラクターは1つである。なお、ロールプレイングゲームでは複数のゲームキャラクターを集めてパーティーを構成できるが、同時に複数のゲームキャラクターを操作することはできず、操作対象を切り替えながら操作できるにすぎない。
【0098】
これに対して、本発明の操作入力装置を採用すれば、ユーザ(ゲームプレイヤー)が同時に複数のゲームキャラクターを操作する玩具(ゲーム装置)を提供できる。
【0099】
図12は、実施形態に係るゲームの一例を説明するための図である。図12(a)ないし(d)には、それぞれ表示装置に表示される画像の一例と、左マウス101と右マウス102との関係が示されている。図12(a)において、1201は、左マウス101に装着されたマウスカバー301に対応するゲームキャラクターA(ウサギ)の後ろ姿の画像である。1202は、右マウス102に装着されたマウスカバー302に対応するゲームキャラクターD(ネコ)の後ろ姿の画像である。1203は、迫り来る障害物の画像である。
【0100】
障害物回避ゲームがスタートすると、制御部900は、記憶部920に格納されている所定のルール(ランダム又は規定)に従って障害物の位置を決定し、決定した位置に障害物の画像データを表示する。
【0101】
障害物がゲームキャラクターに対して迫ってくることを表現するために、制御部900は、時間の経過に従って障害物の画像を変更する。例えば、図12(b)が示すように障害物の画像のサイズが徐々に大きくなってゆく。制御部900は、対応するマウスの位置をゲームキャラクターの位置に変換し、ゲームキャラクターの画像の表示位置を変更する。
【0102】
制御部900は、ゲームキャラクターの位置と、障害物の位置とを比較し、一致していなければ障害物を回避したと判定し(図12(c))、成功を意味する音をスピーカ106から出力する。一方、ゲームキャラクターの位置と、障害物の位置とが一致していれば衝突したと判定し(図12(d))、衝突したことを意味する音をスピーカ106から出力する。
【0103】
図12(a)ないし(d)からわかるように、各ゲームキャラクターは、対応するマウスの位置に応じて表示位置が変更される。とりわけ、各マウスは、同一のガイドに沿って1次元方向にのみ移動するため、ゲームキャラクターがくっついていたり離れていたりすることを極めて有効に演出できる。また、マウスの移動方向が単純な方向であるため、ゲームプレイヤーにとって操作が容易であるだけでなく、複数のゲームキャラクターを同時に操りやすくなるといったメリットがある。
【0104】
図13は、実施形態に係る制御部の一例を示すブロック図である。なお、図9に示した一部の機能は説明の簡略化のために省略している。
【0105】
変換部1301は、左マウス及び右マウスの各位置を、画像表示領域における各キャラクター画像の表示位置に変換する。すなわち、ガイドに沿ってスライドされる左マウス及び右マウスの各位置が位置検出部901によって検出され、検出された各位置が、画像表示領域内での各キャラクター画像の表示位置に変換される。ここで、画像表示領域は、表示装置105における表示領域のことであり、各マウスに装着された各マウスカバーに対応したキャラクター画像が表示される。
【0106】
障害物位置決定部1302は、画像表示領域に表示される障害物の位置を決定する。障害物の位置は、制御プログラム921に従ってランダムに決定されてもよいし、予め決定されて位置が障害物位置テーブルとしてデータ群922に含まれていてもよい。
【0107】
衝突判定部1303は、障害物の位置と、各キャラクター画像の表示位置とが一致するか否かを判定する。衝突回数計数部1304は、障害物の位置と、各キャラクター画像の表示位置とが一致した回数を障害物への衝突回数として計数する。例えば、障害物の位置と各キャラクター画像の位置が仮想的な2次元平面内にある場合、この2次元平面内での各座標(x、y)が比較される。
【0108】
画像音声決定部1305は、衝突回数に応じた画像のデータや音声のデータを記憶部920のデータ群922から読み出す。例えば、画像音声決定部1305は、衝突回数が1つ増えるごとに衝突を意味する画像データや音データを読み出す。また、画像音声決定部1305は、衝突回数が規定回数に達した場合は、ゲームオーバ(攻略失敗)を意味する特別な画像データや音データを読み出す。なお、画像音声決定部1305は、障害物の回避に成功したときに、衝突回避を意味する画像データや音データを読み出してもよい。さらに、画像音声決定部1305は、衝突回数が規定回数に達せずにゲームキャラクターがゴールした場合、クリア(攻略成功)を意味する特別な画像データや音データを読み出してもよい。読み出された画像データは表示制御部904に送出され、表示装置105から出力される。同様に、読み出された音データは音声制御部905に送出され、スピーカ106から出力される。
【0109】
なお、これらの処理と並行して、画像音声決定部1305は、マウスの位置に応じてゲームキャラクターの表示位置を変更したり、障害物の表示位置やサイズを変更したりする。
【0110】
本実施形態によれば、複数のゲームキャラクターに見立てた各マウスを、徐々に接近してくる障害物を避けるように操作できるため、臨場感を感じながらユーザは障害物回避ゲームを楽しむことができるだろう。しかも、ユーザは、同時に複数のゲームキャラクターを操作できるといった、これまでにない斬新なゲームを楽しむことができよう。
【0111】
なお、上述した操作入力装置は、玩具に備えられていたが、玩具(ゲーム装置を含む。)やPCに対して接続される単体のポインティングデバイスとして提供されてもよい。
【0112】
上述した実施形態では、カバー部材を認識する具体例としてスイッチを用いる例を説明した。もちろんこれは単なる例示にすぎない。例えば、カバー部材の識別情報を示すバーコードをカバー部材に備え、バーコードを読み取るバーコードリーダを操作部材に備えてもよい。また、カバー部材の識別情報を記録した磁気記録媒体をカバー部材に備え、磁気記録媒体を読み取る磁気リーダを操作部材に備えてもよい。あるいは、例えば、カバー部材の識別情報を示すRFIDをカバー部材に備え、RFIDから識別情報を受信する受信装置を操作部材に備えてもよい。
【0113】
また、操作部材の位置を検出する機構もスイッチ以外を用いて実現されてもよい。例えば、操作部材の位置に応じて抵抗値が変化する抵抗線路を用いて位置を検出してもよい。また、操作部材の位置に応じて光の反射時間が異なることを利用して位置を検出してもよい。
【0114】
本実施形態においては複数の操作部材が離間している状態から接近した状態に変化したことを検出しているが、複数の操作部材が隣接した状態にあることを検出していることと同義である。また、複数の操作部材は、基本的に、ユーザの手によって移動されることが望ましい。例えば、第1の操作部材はユーザの左手により操作され、第2の操作部材はユーザの右手により操作される。この場合、操作入力装置に対して向かって左側に、第1の操作部材が配置され、操作入力装置に対して向かって右側に、第2の操作部材が配置される。
【0115】
また、ガイドの形状は、一本の直線、曲線又はこれらの組み合わせのみに限られることはなく、複数本の直線、曲線又はこれらの組み合わせであってもよい。例えば、ガイドの形状は、十字、円、ハートマークの外形、格子など、複数の操作部材の移動方向を規制でき、かつ、複数の操作部材の少なくとも1つを移動させることで複数の操作部材を接近ないし接触させることができるような形状であれば十分である。
【0116】
上述した実施形態では、複数の操作部材が移動面に対して平行に移動するものとして説明した。なお、操作部材が移動する移動面として、平面に変えて曲面が採用されてもよいし、平面と曲面とが組み合わされてもよい。すなわち、複数の操作部材は、立体(操作入力装置)の表面に対して平行に移動できる操作部材であればよい。基本的に、操作部材は移動面の法線方向に対しては移動する必要がないが、例外的に、移動面の法線方向に対しても押し上げられるようにしてもよい。これは、操作部材を移動面内を平行に移動させる構造を採用した上で、さらに操作部材を法線方向に押し下げることで別の操作入力を与える構造を採用することを意味する。ちなみに、アナログジョイスティックなどで法線方向に押し下げられるものがある。しかし、このような従来のアナログジョイスティックは、移動面に対して平行に移動することができず、移動面に対して斜め方向に押し倒せるにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施形態に係る玩具の例示的な斜視図である。
【図2】実施形態に係る操作部材の拡大図である。
【図3】実施形態に係る玩具の例示的な斜視図である。
【図4】実施形態に係る操作部材の平面図である。
【図5】実施形態に係るカバー部材の裏側を示した図である。
【図6】実施形態に係るカバー部材の認識テーブルの一例を示す図である。
【図7】実施形態に係るカバー部材の装着された操作部材の移動例を示す図である。
【図8】実施形態に係る位置検出機構の一例を示した図である。
【図9】実施形態に係る制御部の一例を示した図である。
【図10】実施形態に係るイベント決定テーブルの一例を示した図である。
【図11】実施形態に係る制御方法の一例を示したフローチャートである。
【図12】実施形態に係るゲームの一例を説明するための図である。
【図13】実施形態に係る制御部の一例を示すブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の操作部材を備えた操作入力装置及び玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム装置などの玩具では、玩具が備える制御部に対して制御入力を与えるための各種の操作部(例:コントローラ、ジョイスティク、ボタン、トラックボール、マウス、タッチパネルなど)が提案されている。
【0003】
とりわけ、特許文献1によれば、パーソナルコンピュータ(PC)において普及しているマウスをビデオゲーム装置の入力装置として応用することが提案されている。
【特許文献1】特開2001−62145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の発明では、マウスを1台のみ利用することが提案されているにすぎない。また、一般的なゲーム装置用の操作部としては、上述したようにジョイスティックや方向キー、ボタンなどが採用されているが、これらはCPUに対してそれぞれ独立した操作入力を与えるにすぎない。中には、複数のボタンの同時押しにより特定の操作入力を与えるものもあるかもしれないが、各ボタンの操作方向は、ボタンを押し下げる方向であり、両者が接近するような方向ではない。ジョイスティックは、幾つかの方向に対して斜めに倒すことができるが、ジョイスティックの一端は固定されているため、ジョイスティックの全体を移動させることができない。このように、複数の操作部材を接近させることで特定の操作入力を与えるものは従来において存在せず、よって、複数の操作部材が接近したことを検出する装置も存在しなかった。
【0005】
ゆえに、次のような玩具を実現する手段が存在しなかった。例えば、複数の操作部材をそれぞれ異なるゲームキャラクター(アニメキャラクターなど)に見立て、複数の操作部材をくっつけるように移動させたときに、複数のゲームキャラクターが出会ったものとして会話イベントを開始するといった玩具を提供できなかった。
【0006】
そこで、本発明は、このような課題および他の課題のうち、少なくとも1つを解決することを目的とする。例えば、複数の操作部材を接近させることで特定の操作入力を与えることができる操作入力装置を備えた玩具を提供することを目的とする。なお、他の課題については明細書の全体を通して理解できよう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によれば、
移動可能な複数の操作部材と、
前記複数の操作部材のそれぞれの位置を検出する位置検出手段と、
前記複数の操作部材の少なくとも1つが操作されることで、離間していた該複数の操作部材が互いに接近したことを、前記位置検出手段により検出された各操作部材の位置に基づいて判定する判定手段と、
前記複数の操作部材が接近したと前記判定手段が判定すると、所定のイベントを実行するイベント実行手段と
を含むことを特徴とする玩具が提供される。
【0008】
第2の観点によれば、
前記複数の操作部材のいずれかに装着される、互いに異なる意匠が付与された複数のカバー部材をさらに含むことを特徴とする観点1に記載の玩具が提供される。
【0009】
第3の観点によれば、
それぞれが前記複数の操作部材のいずれか1つに装着されている複数のカバー部材を認識する認識手段と、
複数のカバー部材の組み合わせと該組み合わせに対応するイベントとを登録したテーブルと、
前記認識手段により認識された複数のカバー部材の組み合わせに対応するイベントを、前記テーブルを用いて決定するイベント決定手段と
をさらに含み、
前記イベント実行手段は、前記イベント決定手段により決定されたイベントを実行することを特徴とする観点2に記載の玩具が提供される。
【0010】
第4の観点によれば、
複数のキャラクター画像を記憶した記憶手段と、
前記認識手段により認識されたカバー部材に対応するキャラクター画像を前記記憶手段から読み出して表示部に表示させる表示制御手段をさらに含むことを特徴とする観点3に記載の玩具が提供される。
【0011】
第5の観点によれば、
前記カバー部材が装着された前記操作部材の押し下げを検出する押し下げ検出手段と、
前記カバー部材が装着された前記操作部材の押し下げが検出されると、該カバー部材に対応するキャラクター音声を出力する音声出力手段をさらに含むことを特徴とする観点4に記載の玩具が提供される。
【0012】
第6の観点によれば、
前記認識手段がカバー部材を認識できないときに、前記カバー部材を前記操作部材に装着することを促すメッセージを出力する装着促進メッセージ出力手段をさらに含むことを特徴とする観点3ないし5のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0013】
第7の観点によれば、
前記認識手段がカバー部材を認識できないときに、各操作部材に仮想的なカバー部材を割り当てる割当手段をさらに含み、
前記イベント決定手段は、前記割当手段により割り当てられた複数のカバー部材の組み合わせに対応するイベントを、前記テーブルを用いて決定することを特徴とする観点3ないし6のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0014】
第8の観点によれば、
前記複数のカバー部材のいずれか1つがそれぞれ装着された前記複数の操作部材を互いに接触させるように操作されることで実行されたイベントの回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によりカウントされた回数が所定回数に達すると、複数あるキャラクター画像のうちの1つを非表示対象から表示対象へと変更するようキャラクター画像の管理データを書き換える書き換え手段と
をさらに含むことを特徴とする観点2ないし5のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0015】
第9の観点によれば、
前記操作部材に対して装着される前記カバー部材の装着部の形状が複数のカバー部材間で異なっていることを特徴とする観点2ないし8のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0016】
第10の観点によれば、
各操作部材の装着部に設けられた複数の検出部材と、
各カバー部材の装着部に、前記複数の検出部材のいずれかに係合するように設けられた少なくとも1つの係合部材と
をさらに含み、
前記認識手段は、前記複数の検出部材のいずれが前記係合部材に係合しているかに応じていずれのカバー部材が装着されたかを認識することを特徴とする観点3ないし9のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0017】
第11の観点によれば、
前記複数の操作部材の移動方向を規制する少なくとも1つのガイドをさらに含むことを特徴とする観点1ないし10のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0018】
第12の観点によれば、
前記複数の操作部材は、同一のガイドを共用し、該同一のガイドに沿って移動することを特徴とする観点11に記載の玩具が提供される。
【0019】
第13の観点によれば、
前記位置検出手段は、
前記ガイドに沿って設けられ、前記操作部材の位置に応じてオン又はオフとなる複数のスイッチを含み、
該複数のスイッチのうちどのスイッチがオン又はオフとなったかに応じて各操作部材の位置を検出することを特徴とする観点11または12に記載の玩具が提供される。
【0020】
第14の観点によれば、
前記位置検出手段によって検出された、前記ガイドに沿ってスライドされる前記複数の操作部材の各位置を、各操作部材に装着された各カバー部材に対応したキャラクター画像を表示するための画像表示領域における各キャラクター画像の表示位置に変換する変換手段と、
前記画像表示領域に表示される障害物の位置を決定する障害物位置決定手段と、
前記障害物の位置と、前記各キャラクター画像の表示位置とが一致するか否かを判定する衝突判定手段と、
を含むことを特徴とする観点11ないし13のいずれか1項に記載された玩具が提供される。なお、前記障害物の位置と、前記各キャラクター画像の表示位置とが一致した回数を前記障害物への衝突回数として計数する計数手段と、前記衝突回数に応じた画像を出力する画像出力手段とがさらに備えられてもよい。
【0021】
第15の観点によれば、
前記イベントは、第1の操作部材に装着された第1のカバー部材に対応する第1のキャラクター画像と第2の操作部材に装着された第2のカバー部材に対応する第2のキャラクター画像とを表示させ、該第1のキャラクター画像に対応する第1のキャラクター音声と該第2のキャラクター画像に対応する第2のキャラクター音声とを出力する会話型イベントであることを特徴とする観点1ないし14のいずれか1項に記載の玩具が提供される。
【0022】
第16の観点によれば、
移動可能な複数の操作部材と、
互いに異なる意匠が付与され、前記複数の操作部材のいずれかに1つずつ装着される複数のカバー部材と、
前記複数の操作部材のいずれかに装着されている各カバー部材を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識されたカバー部材の組み合わせに対応するイベントを決定するイベント決定手段と、
前記イベント決定手段により決定されたイベントを実行するイベント実行手段と
を含むことを特徴とする玩具が提供される。
【0023】
第17の観点によれば、
移動方向を規制するための同一のガイドに沿って移動可能な複数の操作部材と、
複数の操作部材のそれぞれの位置を検出し、検出した位置を表す情報を出力する位置検出手段と、
を含むことを特徴とする操作入力装置が提供される。
【0024】
第18の観点によれば、
ガイドは、複数の操作部材を1次元方向にのみ移動するように規制するガイドであることを特徴とする観点17に記載の操作入力装置が提供される。
【0025】
第19の観点によれば、
観点17又は18に記載の操作入力装置を接続した又は備えたことを特徴とする玩具が提供される。
【発明の効果】
【0026】
第1の観点によれば、離間していた複数の操作部材が接近したことを検出すると、所定のイベントを発生させることができるようになる。よって、例えば、複数の操作部材をそれぞれ異なるゲームキャラクター(アニメキャラクターなど)に見立て、複数の操作部材をくっつけるように操作したときに、複数のゲームキャラクターが出会ったものとして会話イベントを開始するといった玩具を提供しやすくなる。
【0027】
第2の観点によれば、各操作部材には、意匠の付与されたカバー部材を装着できるため、各操作部材がどのような意匠に対応しているかをユーザが視覚的に把握できるようになる。また、カバー部材を交換することで、各操作部材に対応する意匠も交換できるようになる利点がある。
【0028】
第3の観点によれば、操作部材に装着されたカバー部材を識別できるようになるため、カバー部材に対応したイベントを発生することが可能となる。例えば、カバー部材に付与された意匠(ゲームキャラクターなど)に対応したキャラクターによる会話音声やアニメーションをイベントとして提示できるようにもなろう。また、カバー部材を交換すればイベントも変更されるため、会話を行うキャラクターを変更できるようになろう。
【0029】
第4の観点によれば、カバー部材に応じたキャラクター画像が表示部に表示されるため、例えば、表示されたキャラクターによるアニメーションを提示できるようにもなろう。これは、ユーザが会話型イベントを楽しむ上で役に立つであろう。
【0030】
第5の観点によれば、カバー部材に応じたキャラクター音声が音声出力部から音声出力されるため、例えば、これにより、装着したマウスカバーに描かれているキャラクターの音声を聞いて楽しむことが可能となろう。
【0031】
第6の観点によれば、カバー部材の装着をユーザに促すことができるため、イベントの不発生(例:会話の不成立、出会いの未発生など)を防止できよう。
【0032】
第7の観点によれば、カバー部材が未装着であれば、仮想的にカバー部材(すなわち、キャラクター)を操作部材に割り当てることができるようになるため、ユーザがカバー部材を装着し忘れたり、紛失してしまったりしても、イベントを楽しむことが可能となる。
【0033】
第8の観点によれば、イベントを発生させることのインセンティブ(利益)として玩具上で収集対象のキャラクターを追加できるため、ユーザは、イベントを発生させるべく操作部材を接近させるようになろう。すなわち、ユーザには操作部材を接近させることで、収集対象のキャラクターを取得できるといった、新たな喜びを与えることができよう。
【0034】
第9の観点によれば、カバー部材及び操作部材の各装着部の形状を工夫することで、特定のカバー部材を特定の操作部材にのみ装着できるようになる。これは、特定の操作部材に特定のキャラクターを強制的に割り当てることも可能となるため、会話を行うキャラクターを限定することも可能となろう。例えば、第1のキャラクターは左側の操作部材にのみ割り当てられ、第2のキャラクターは右側の操作部材にのみ割り当てられるといった応用も可能となろう。
【0035】
第10の観点によれば、比較的に簡単な手法によって各操作部材に装着されたカバー部材を認識できるようになる。
【0036】
第11の観点によれば、操作部材の移動方向をガイドによって規制できるため、例えば、複数の操作部材を接近させる方向に両者を容易に移動させることが可能となる。
【0037】
第12の観点によれば、同一のガイドに沿って複数の操作部材が移動するため、複数の操作部材の接近や接触を演出しやすくなる利点がある。
【0038】
第13の観点によれば、複数の操作部材の位置を比較的に簡単な構造で検出できるようになる。
【0039】
第14の観点によれば、複数のキャラクターに見立てた複数の操作部材を、迫り来る障害物を避けるように操作できるため、臨場感を感じながらユーザは障害物回避ゲームを楽しむことができるだろう。
【0040】
第15の観点によれば、上述したイベントが、キャラクター画像の表示と音声出力とを伴う会話型のイベントであるため、会話型のイベントを複数の操作部材の接近動作によって実現できる。すなわち、複数の操作部材が接近すれば、複数のキャラクターが出会って会話することを演出できるようになる。
【0041】
第16の観点によれば、複数の操作部材にそれぞれ装着されたカバー部材の組み合わせによって玩具上でイベントを発生できるようになる。すなわち、カバー部材を変更すれば、イベントも変更できるようになるため、極めて斬新な玩具を提供できるようになろう。なお、従来は、シリコン素材でできたキーボードカバーなど複数の操作部材の全体に装着する単一のカバーしか存在せず、操作部材ごとにカバーを被せるといった発想は見られなかった。ましてや、どのようなカバーが被せられているかを識別することもなかった。よって、複数の操作部材にそれぞれ装着されたカバー部材の組み合わせによって玩具上でイベントを発生できるようにしたことは、極めて斬新な技術思想であろう。
【0042】
第17の観点によれば、同一のガイドに沿って移動可能な複数の操作部材を備えた、従来にない極めて斬新な操作入力装置が提供できる。例えば、操作入力装置を、単一のユーザが同時に複数のゲームキャラクターを容易に操作できるようになる。従来は、単一のユーザが同時に複数のゲームキャラクターを操作するための適当な操作入力装置が存在しなかった。それゆえ、単一のユーザが同時に複数のゲームキャラクターを操作するゲーム装置や玩具も提案されてこなかった。よって、本発明の操作入力装置は、従来にないゲーム装置、玩具及びGUI(グラフィカルユーザインタフェース)の開発に寄与することになろう。
【0043】
第18の観点によれば、複数の操作部材を1次元方向にのみ移動できるようになるため、操作部材の操作が極めて単純かつ容易となる。
【0044】
第19の観点によれば、斬新な操作体系を有した操作入力装置を応用した玩具が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念および下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0046】
図1は、実施形態に係る玩具の例示的な斜視図である。玩具100は、複数の操作部材の一例である左マウス101、右マウス102を備えている。左マウス101及び右マウス102は、移動方向を規制するための上ガイド103及び下ガイド104に沿って左右方向に移動できる。ここでは、2つのガイドを示しているが、ガイドは少なくとも1つあればよい。なお、ガイドを複数設けることで、マウスの支持強度を上げることができ、また、マウスの水平方向における回転を抑制することもできる。
【0047】
図1では、左マウス101及び右マウス102が同一のガイドを共用し、この同一のガイドに沿って移動するように記載されているが、それぞれ異なる専用のガイドに沿って移動してもよい。ただし、同一のガイドを移動することで、左マウス101及び右マウス102との接近や接触を演出しやすくなろう。また、図1では、直線的な2本のガイドが示されているが、他の形状であってもよい。例えば、ガイドの形状は、”く”の字形状、波線形上、折れ線形状(ジグザグ形状)など、一筆書きできるような形状であってもよい。
【0048】
表示装置105は、例えば、液晶表示デバイスなどであり、左マウス101及び右マウス102に装着されたカバー部材に対応したキャラクター画像を表示したり、各種のイベントに相当するアニメーションなどを表示したりする。
【0049】
スピーカ106は、カバー部材に対応するキャラクター音声を出力する音声出力手段の一例である。その他、発生したイベントに応じた各種の音(会話音声や効果音など)がスピーカ106から出力される。
【0050】
図2は、実施形態に係る操作部材の拡大図である。図2において、左マウス101及び右マウス102は、上ガイド103及び下ガイド104に沿ってそれぞれ外側に移動している。すなわち、図1では、左マウス101及び右マウス102が接近ないし接触しているが、図2では両者が離間している。このように、左マウス101及び右マウス102は、ガイドに沿って様々な位置に移動可能である。なお、接触とは、物理的に接触している状態だけでなく、数mmだけ離れているものの隣り合っている状態、近接している状態などを含む概念である。
【0051】
図3は、実施形態に係る玩具の例示的な斜視図である。とりわけ、図3では、左マウス101及び右マウス102に着脱交換可能なマウスカバー301、302が装着されている。マウスカバー301、302には、例えばウサギのキャラクターの絵とネコのキャラクターの絵などのようにそれぞれ異なる意匠(ここで、それぞれ異なる意匠とは、形状・色彩・模様等のうち少なくとも1つがそれぞれ異なることをいう。)が付与されている。マウスカバー301、302は、互いに異なる意匠が付与され、複数の操作部材のいずれかに装着される複数のカバー部材の一例である。なお、マウスカバーに付与されたキャラクターと、表示装置105に表示されるキャラクターとは基本的には同一である。ただし、マウスカバーにはキャラクターの顔のみが付与され、表示装置105はキャラクターの容姿のすべてが表示されてもよい。つまり、両者は同一視できるものの、絵としては異なることがある。
【0052】
図4は、実施形態に係る操作部材の平面図である。左マウス101及び右マウス102の各装着部には、装着されたカバー部材を識別するための検出部材401、402が設けられている。検出部材401、402は、押し下げ式のスイッチに結合されており、検出部材が押し下げられると、対応するスイッチがオンになる。なお、403は、装着部の形状(外形)を示している。各マウスには、マウスカバーが蓋のように嵌め合わせられるようになっている。よって、装着部は、嵌合部と呼ぶこともできよう。
【0053】
図5は、実施形態に係るカバー部材の裏側を示した図である。マウスカバー301、302の装着部には、検出部材401、402のいずれかに係合するように設けられた突起状の係合部材501、502が設けられている。
【0054】
なお、503は、装着部の形状(外形)を示しており、左マウス101及び右マウス102の装着部の形状を異なる形状とすれば、左マウス101には装着部の形状が一致するマウスカバー301だけを装着できるようになる。すなわち、右マウス102の装着部の形状に一致したマウスカバー302を、左マウス101に装着することはできない。マウスカバー302は、右マウス102にのみ装着できる。このように、操作部材に対して装着されるカバー部材の装着部の形状を複数のカバー部材間で異ならしめることで、特定のカバー部材を特定の操作部材にのみ装着できるようになる。これにより、特定の操作部材に特定のキャラクターを強制的に割り当てることが可能となるため、会話を行うキャラクターを限定することも可能となろう。なお、異なる形状には、相似形状も含まれるものとする。例えば、2つの形状ともバラの花を模したものであるものの、両者のサイズが異なっていてもよい。
【0055】
図5に示した係合部材501、502は、一種の突起であり、マウスカバーがマウスに装着されたときに、検出部材と係合して検出部材を押し下げるように形成されている。ここでは、2つの係合部材が示されているが、係合部材は少なくとも1つあればよい。なお、係合部材と検出部材の数は、認識(識別)しようとするカバー部材の数に応じて決定される。すなわち、多数のカバー部材を識別するには、多数の係合部材と検出部材が必要となる。
【0056】
図6は、実施形態に係るカバー部材の認識テーブルの一例を示す図である。ここでは、検出部材401に対応するスイッチをSW1とし、検出部材402に対応するスイッチをSW2とする。
【0057】
カバー認識テーブル601には、各スイッチのオン/オフの組み合わせと、この組み合わせが示すカバー部材の識別状態とが対応付けて登録されている。SW1及びSW2ともオフであれば、カバー部材が未装着であることを意味する。SW1がオンでSW2がオフであればマウスカバーA(キャラクターA)が装着されたことを検出できる。SW2がオンでSW1がオフであればマウスカバーB(キャラクターB)が装着されたことを検出できる。SW1及びSW2ともオンであれば、マウスカバーC(キャラクターC)が装着されたことを検出できる。ちなみに、マウスカバーA、B、Cが上述のマウスカバー301に属するものとする。なお、マウスカバー302には、マウスカバーD、E、F(それぞれキャラクターD、E、Fに対応)が属するものとする。ここでは、キャラクターA〜Fのキャラクター画像及びキャラクター音声はそれぞれ異なるものとする。
【0058】
図7は、実施形態に係るカバー部材の装着された操作部材の移動例を示す図である。図7では、キャラクターの容姿を表す絵の代わりに、アルファベットのA、Dを用いている。なお、A、Dは、キャラクターの違いを示す識別情報でもある。
【0059】
ここでは、簡略化のために、ガイドに沿って4つの移動位置(図中の1ないし4)が存在するものとする。そのうち、マウスカバー301を装着された左マウス101は、最右端(位置4)以外の左側にある3つの位置(位置1ないし3)を移動できる。左マウス101が最右端へ移動できないのは、右マウス102が移動の障害となるからである。また、マウスカバー302を装着された右マウス102は、最左端(位置1)以外の右側にある3つの位置(位置2ないし4)を移動できる。右マウス102が最左端へ移動できないのは、左マウス101が移動の障害となるからである。
【0060】
移動パターン701は、左マウス101が最左端に位置し、右マウス102が最右端に位置するパターンである。移動パターン701は、左マウス101と右マウス102とが離間している典型例である。
【0061】
移動パターン702も、左マウス101と右マウス102とが離間している典型例である。移動パターン701と比較し、移動パターン702では、右マウス102が位置3に移動している。
【0062】
移動パターン703は、左マウス101と右マウス102とが接近ないし接触している第1の典型例である。移動パターン703では、右マウス102が位置2に移動している。
【0063】
移動パターン704は、左マウス101と右マウス102とが接近ないし接触している第2の典型例である。移動パターン702と比較し、移動パターン704では、左マウス101が位置2に移動している。
【0064】
移動パターン705は、左マウス101と右マウス102とが接近ないし接触している第3の典型例である。移動パターン701と比較し、移動パターン705では、左マウス101が位置3に移動している。
【0065】
なお、図示は省略するが第6のパターンとして、左マウス101が位置2に移動し、右マウス101が位置4に配置されるパターンもある。このように、6つの移動パターンが存在する。このパターンの数は、n個の位置にm個の操作部材を配置する組み合わせ(nCm)として算出される。例えば、4個の位置に2つのマウスを配置する組み合わせは、4C2=6である。
【0066】
以上説明したように、マウスの数が2つで、位置の数が4である場合、接触位置は3通りある。各接触位置で同一のイベントが発生してもよいし、接触位置に応じて異なるイベントが発生してもよい。
【0067】
図8は、実施形態に係る位置検出機構の一例を示した図である。基板800は、上ガイド103又は下ガイド104の下方にガイドに沿って配置されている。基板800には、各位置を検出するための線路状端子803ないし810が設けられている。短絡端子801は、上側の線路状端子と下側の線路状端子とを短絡させる。左マウス101の底部から足部が延伸しており、この足部はガイドに沿って移動するが、この足部の底に短絡端子801が取り付けられている。例えば、上側の線路状端子803と下側の線路状端子804とが短絡端子801によって短絡していれば、左マウス101が位置1に存在することを認識できる。
【0068】
同様に、短絡端子802が、上側の線路状端子と下側の線路状端子とを短絡させる。例えば、上側の線路状端子809と下側の線路状端子810とが短絡端子802によって短絡していれば、右マウス102が位置4に存在することを認識できる。
【0069】
なお、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806とが短絡しているケースは、2通りある。すなわち、短絡端子801によって短絡しているケースと、短絡端子802によって短絡しているケースとである。この場合、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806よりも左側に位置する線路状端子ペアが短絡していれば、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806とが短絡端子802によって短絡していることになる。一方、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806よりも右側に位置する線路状端子ペアが短絡していれば、上側の線路状端子805と下側の線路状端子806とが短絡端子801によって短絡していることになる。
【0070】
このように、線路状端子ペアと短絡端子とは一種の位置検出用スイッチ(pSW1ないしpSW4)を形成している。すなわち、どのスイッチがオンとなっているかを検出することで、各マウスの位置を認識できる。なお、pSW1ないしpSW4は、それぞれ上述した位置1ないし4に対応している。また、pSW1ないしpSW4は、操作部材の位置に応じてオン又はオフとなる、ガイドに沿って設けられた複数のスイッチの一例である。このように、複数の操作部材(マウス)の位置を比較的に簡単な構造で検出できるようになる。
【0071】
図9は、実施形態に係る制御部の一例を示した図である。制御部900は、例えば、CPUやASICなどによって実現される。また、記憶部920は、例えば、ROM、RAM及びSRAMなどにより実現される。
【0072】
位置検出部901は、移動可能な左マウス101及び右マウス102のそれぞれの位置を検出する。例えば、位置検出部901は、上述した複数の位置検出用のスイッチpSW1ないしpSW4のうち、どのスイッチがオン又はオフとなったかに応じて、各マウスの位置を検出する。
【0073】
判定部902は、離間していた左マウス101及び右マウス102が接近(接触)したことを、位置検出部901により検出された左マウス101及び右マウス102の位置に基づいて判定する。例えば、移動パターン703ないし705が検出されると、判定部902は、左マウス101及び右マウス102が接近(接触)していると判定する。
【0074】
イベント実行部903は、左マウス101及び右マウス102が接近(接触)したと判定部902が判定すると、所定のイベントを実行する。なお、イベントの一例は、会話型のイベントである。例えば、イベント実行部903は、左マウス101に装着されたマウスカバーAに対応するキャラクターAの画像と右マウス102に装着されたマウスカバーDに対応するキャラクターDの画像とを表示制御部904を通じて表示装置105に表示する。さらに、イベント実行部903は、キャラクターA(の画像)に対応するキャラクター音声とキャラクターD(の画像)に対応するキャラクター音声とを音声制御部905を通じてスピーカ106から出力する。すなわち、イベントが変われば、表示される画像(静止画、動画又はアニメーション)や音声(会話の内容や効果音)も変更されてもよい。これらの画像のデータや音声のデータは、データ群922として記憶部920に記憶されており、決定されたイベントに従って読み出されて使用される。
【0075】
認識部906は、左マウス101及び右マウス102のそれぞれに装着されたマウスカバーを認識する。例えば、認識部906は、左マウス101に取り付けられたカバー認識用のスイッチLSW1、LSW2がオンになっているかオフになっているかに応じて、マウスカバーAないしCのいずれが装着されているのかを認識する。同様に、認識部906は、右マウス102に取り付けられたカバー認識用のスイッチRSW1、RSW2がオンになっているかオフになっているかに応じて、マウスカバーDないしFのいずれが装着されているのかを認識する。図6において例示したように、認識部906は、カバー認識テーブル601を用いて、未装着状態を含め、マウスカバーを認識することができる。このように、認識部906は、それぞれが複数の操作部材のいずれか1つに装着されている複数のカバー部材を認識する認識手段の一例である。
【0076】
データ群922には、イベント決定テーブルが含まれている。イベント決定テーブルは、マウスカバー301、302の組み合わせと対応するイベントとを登録したテーブルである。イベント決定テーブルの一例については後述する。
【0077】
イベント決定部907は、認識部906により認識されたマウスカバー301、302の組み合わせに対応するイベントを、イベント決定テーブルを用いて決定する。イベント決定部907は、決定したイベントの情報をイベント実行部903へ通知する。イベント実行部903は、イベント決定部907により決定されたイベントを実行する。
【0078】
記憶部920には、全体の動作を司る制御プログラム921とデータ群922が記憶されている。CPUが制御プログラム921を実行することで各部の機能が実現される。データ群922には、複数のキャラクター画像が記憶されている。これにより、表示制御部904は、認識部906により認識されたマウスカバーに対応するキャラクター画像を記憶部920から読み出して表示装置105に表示させる。
【0079】
押し下げ検出部908は、マウスカバーを装着されたマウスが押し下げられたことを検出する。例えば、左マウス101及び右マウス102には上述したSW1、SW2に加えて、第3のスイッチLSW3、RSW3が設けられている。第3のスイッチLSW3、RSW3は、マウスカバーを装着されたマウスをユーザが押し下げるとオンとなる。マウスカバーを装着されたマウスの押し下げが検出されると、音声制御部905は、認識部906により認識されたマウスカバーに対応するキャラクター音声を生成して、スピーカ106から出力する。これにより、装着したマウスカバーに描かれているキャラクターの音声を聞いて楽しむことが可能となろう。
【0080】
音声制御部905は、認識部906がマウスカバーを認識できないとき(未装着を認識したとき)に、マウスカバーをマウスに装着することを促すメッセージをスピーカ106から出力してもよい。また、表示制御部904は、認識部906がマウスカバーを認識できないとき(未装着を認識したとき)に、マウスカバーをマウスに装着することを促すメッセージを表示装置105から出力してもよい。これにより、カバー部材の装着をユーザに促すことができるため、イベントの不発生(例:会話の不成立、出会いの未発生など)を防止できよう。なお、スピーカ106や表示装置105は、装着促進メッセージ出力手段の一例である。
【0081】
なお、イベント決定部907は、認識部906がマウスカバーを認識できないときに、各マウスに仮想的なマウスカバー(キャラクター)を割り当てる割当部を備えていてもよい。この場合、イベント決定部907は、割当部により割り当てられたマウスカバーの組み合わせに対応するイベントを、イベント決定テーブルに従って決定する。なお、一方にはマウスカバーが装着され、他方にはマウスカバーが装着されていないときも、割当部は、未装着のマウスにのみ仮想的にマウスカバーを割り当ててもよい。このように、マウスカバーが未装着であれば、仮想的にマウスカバー(すなわち、キャラクター)をマウスに割り当てることができるようになる。そのため、ユーザがマウスカバーを装着し忘れたり、紛失してしまったりしても、イベントを楽しむことができる。
【0082】
カウント部909は、それぞれマウスカバーを装着された左マウス101及び右マウス102を接触させるように操作されることで実行されたイベントの回数をカウントする。このように、カウント部909は、複数のカバー部材のいずれか1つがそれぞれ装着された複数の操作部材を互いに接触させるように操作されることで実行されたイベントの回数をカウントするカウント手段の一例である。書き換え部910は、カウント部909によりカウントされた回数が所定回数に達すると、複数あるキャラクター画像のうちの1つを非表示対象から表示対象へと変更するようキャラクター画像の管理データを書き換える。
【0083】
例えば、デフォルトで10人(匹)の収集対象キャラクターが登場し、ゲームの進行に応じて35人(匹)の収集対象キャラクターが登場するゲームを想定する。そして、45人(匹)の全員を収集できたときに、ゲームクリアとするものとする。さらに、ゲームの進行に応じて35人(匹)の収集対象キャラクターを、カウントされた回数が所定回数に達すると、追加されるキャラクターとする。このようにすれば、イベントを発生させることは玩具上で収集対象のキャラクターを追加できるといった一種のインセンティブとなるため、ユーザは、イベントを発生させるべく操作部材を接近させるようになろう。すなわち、ユーザにはマウスを接近させることで、収集対象のキャラクターを取得できるといった、新たな喜びを与えることができよう。
【0084】
図10は、実施形態に係るイベント決定テーブルの一例を示した図である。ここでは、説明の便宜上、左マウス101には、キャラクターA、Bを割り当てることができ、右マウス102には、キャラクターD、Eを割り当てることができるものとする。
【0085】
イベント決定テーブル1001には、不図示のタイマーから取得された現在時刻の「分」の1位のデータに対応した10種類のイベントが登録されている。1位のデータとは、例えば、41分における1、52分における2などである。10種類のイベントは、例えば、キャラクター同士の会話内容である。会話内容としては、「たべもの」、「なんか出た」、「寝る/手紙」、「ケンカ」、「手伝って」、「お世話」、「歌」、「おでかけ」、「勝負(勝ち)」、「勝負(負け)」、「おやつたべる」、「TV/びっくり箱」、「4人集合」、「4人お手伝い集合」などがある。
【0086】
イベント決定部907は、現在時刻に応じて1つの種類(会話主題)を特定し、さらに、認識されたキャラクター(マウスカバー)の組み合わせによって1つのイベント(具体的な会話内容)を決定する。例えば、時刻が41分であれば、1位の「1」に対応する会話主題「たべもの」が特定される。次に、キャラクターがAとDとの組み合わせであれば、具体的な会話内容及び画像を示すイベント1−1が特定される。イベント1−1は、識別情報として利用されてもよいし、データファイル名として利用されてもよい。なお、キャラクターの組み合わせがAとEとの組み合わせであれば、具体的な会話の内容と画像を示すイベント1−2が特定される。このように、キャラクターの組み合わせが異なれば、イベントの内容も異なることになる。
【0087】
なお、図10にはいくつかの例外が示されている。例えば、分の1位が「8」である会話内容「おやつたべる」では、すべてのキャラクターの画像が表示され、これらの音声が出力されるイベント12−1 allが選択される。すなわち、イベント12−1 allは、キャラクターの組み合わせに依存することのないイベントである。
【0088】
図11は、実施形態に係る制御方法の一例を示したフローチャートである。ステップS1100で、認識部906はマウスカバーの認識を実行する。ステップS1101で、認識部906はマウスカバーを認識できたか否かに応じて、マウスカバーがマウスに装着済みであるか否かを判定する。装着済みであれば、ステップS1105に進む。未装着であれば、ステップS1102に進む。
【0089】
ステップS1102で、認識部906はタイマーがタイムアウトしたか否かを判定する。タイムアウトしていなければ、ステップS1103に進む。ステップS1103で、認識部906は、表示制御部904及び音声制御部905の少なくとも一方に対してマウスカバーの装着をユーザに促すための装着促進コメントを出力する。表示制御部904は、装着促進コメントを表示装置105に表示させる。音声制御部905は、装着促進コメントをスピーカ106から出力する。その後、ステップS1101に戻る。
【0090】
一方、タイマーがタイムアウトしていれば、ステップS1104に進む。ステップS1104で、制御部900に含まれる不図示の割当部は、未装着のマウスに対し仮想的にマウスカバー(キャラクター)を割り当てる。その後、ステップS1105に進む。
【0091】
ステップS1105で、位置検出部901は、各マウスの位置を検出する。ステップS1106で、判定部902は、位置検出部901により検出された位置の情報に基づいて、左マウス101と右マウス102とが接近(接触)しているか否かを判定する。接近していなければ、ステップS1105に戻る。接近していれば、ステップS1107に進む。
【0092】
ステップS1107で、イベント決定部907は、認識されたマウスカバー(キャラクター)の組み合わせに応じてイベントを決定する。例えば、上述したイベント決定テーブル1001を用いて、キャラクターの組み合わせに応じた会話内容(会話型のイベント)が特定される。
【0093】
ステップS1108で、イベント実行部903は、決定されたイベントを実行する。すなわち、イベント決定部907から通知されるイベントの識別情報(ID)に対応したキャラクター画像やキャラクター音声を記憶部920から読み出し、表示制御部904や音声制御部905に出力する。表示制御部904は、受け取ったキャラクター画像を表示装置105から出力する。音声制御部905は、受け取ったキャラクター音声をスピーカ106から出力する。これにより、あたかも出会った複数のキャラクター達による会話を演出できる。
【0094】
ステップS1109で、カウント部909は、カウントしてきたイベントの回数が所定回数に到達しているか否かを判定する。所定回数に達していなければ、本処理を終了する。
【0095】
一方、イベントの回数が所定回数に到達していれば、カウント部909は、カウント値をゼロにリセットして、ステップS1110に進む。ステップS1110で、書き換え部910は、これまで表示対象でなかった収集対象のキャラクターを表示対象に変更すべく、キャラクターの管理データを書き換える。キャラクターの管理データは、データ群922の一部である。なお、収集対象のキャラクターは、マウスカバーに対応するキャラクターとは異なってもよい。例えば、収集対象のキャラクターは人物キャラクターであり、マウスカバーに対応するキャラクターは動物などのマスコットキャラクターである。
【0096】
以上では、非常に斬新な操作入力装置とその応用例を提案したが、その他の応用例を以下で説明する。
【0097】
一般的な操作入力装置やそれを利用したゲーム装置では、ユーザが操ることのできるゲームキャラクターは1つのみである。例えば、自動車レースでは、ユーザは1台の自動車を操縦し、2台の自動車を同時に操縦することはない。アドベンチャーゲームであっても、操作できるゲームキャラクターは1つである。なお、ロールプレイングゲームでは複数のゲームキャラクターを集めてパーティーを構成できるが、同時に複数のゲームキャラクターを操作することはできず、操作対象を切り替えながら操作できるにすぎない。
【0098】
これに対して、本発明の操作入力装置を採用すれば、ユーザ(ゲームプレイヤー)が同時に複数のゲームキャラクターを操作する玩具(ゲーム装置)を提供できる。
【0099】
図12は、実施形態に係るゲームの一例を説明するための図である。図12(a)ないし(d)には、それぞれ表示装置に表示される画像の一例と、左マウス101と右マウス102との関係が示されている。図12(a)において、1201は、左マウス101に装着されたマウスカバー301に対応するゲームキャラクターA(ウサギ)の後ろ姿の画像である。1202は、右マウス102に装着されたマウスカバー302に対応するゲームキャラクターD(ネコ)の後ろ姿の画像である。1203は、迫り来る障害物の画像である。
【0100】
障害物回避ゲームがスタートすると、制御部900は、記憶部920に格納されている所定のルール(ランダム又は規定)に従って障害物の位置を決定し、決定した位置に障害物の画像データを表示する。
【0101】
障害物がゲームキャラクターに対して迫ってくることを表現するために、制御部900は、時間の経過に従って障害物の画像を変更する。例えば、図12(b)が示すように障害物の画像のサイズが徐々に大きくなってゆく。制御部900は、対応するマウスの位置をゲームキャラクターの位置に変換し、ゲームキャラクターの画像の表示位置を変更する。
【0102】
制御部900は、ゲームキャラクターの位置と、障害物の位置とを比較し、一致していなければ障害物を回避したと判定し(図12(c))、成功を意味する音をスピーカ106から出力する。一方、ゲームキャラクターの位置と、障害物の位置とが一致していれば衝突したと判定し(図12(d))、衝突したことを意味する音をスピーカ106から出力する。
【0103】
図12(a)ないし(d)からわかるように、各ゲームキャラクターは、対応するマウスの位置に応じて表示位置が変更される。とりわけ、各マウスは、同一のガイドに沿って1次元方向にのみ移動するため、ゲームキャラクターがくっついていたり離れていたりすることを極めて有効に演出できる。また、マウスの移動方向が単純な方向であるため、ゲームプレイヤーにとって操作が容易であるだけでなく、複数のゲームキャラクターを同時に操りやすくなるといったメリットがある。
【0104】
図13は、実施形態に係る制御部の一例を示すブロック図である。なお、図9に示した一部の機能は説明の簡略化のために省略している。
【0105】
変換部1301は、左マウス及び右マウスの各位置を、画像表示領域における各キャラクター画像の表示位置に変換する。すなわち、ガイドに沿ってスライドされる左マウス及び右マウスの各位置が位置検出部901によって検出され、検出された各位置が、画像表示領域内での各キャラクター画像の表示位置に変換される。ここで、画像表示領域は、表示装置105における表示領域のことであり、各マウスに装着された各マウスカバーに対応したキャラクター画像が表示される。
【0106】
障害物位置決定部1302は、画像表示領域に表示される障害物の位置を決定する。障害物の位置は、制御プログラム921に従ってランダムに決定されてもよいし、予め決定されて位置が障害物位置テーブルとしてデータ群922に含まれていてもよい。
【0107】
衝突判定部1303は、障害物の位置と、各キャラクター画像の表示位置とが一致するか否かを判定する。衝突回数計数部1304は、障害物の位置と、各キャラクター画像の表示位置とが一致した回数を障害物への衝突回数として計数する。例えば、障害物の位置と各キャラクター画像の位置が仮想的な2次元平面内にある場合、この2次元平面内での各座標(x、y)が比較される。
【0108】
画像音声決定部1305は、衝突回数に応じた画像のデータや音声のデータを記憶部920のデータ群922から読み出す。例えば、画像音声決定部1305は、衝突回数が1つ増えるごとに衝突を意味する画像データや音データを読み出す。また、画像音声決定部1305は、衝突回数が規定回数に達した場合は、ゲームオーバ(攻略失敗)を意味する特別な画像データや音データを読み出す。なお、画像音声決定部1305は、障害物の回避に成功したときに、衝突回避を意味する画像データや音データを読み出してもよい。さらに、画像音声決定部1305は、衝突回数が規定回数に達せずにゲームキャラクターがゴールした場合、クリア(攻略成功)を意味する特別な画像データや音データを読み出してもよい。読み出された画像データは表示制御部904に送出され、表示装置105から出力される。同様に、読み出された音データは音声制御部905に送出され、スピーカ106から出力される。
【0109】
なお、これらの処理と並行して、画像音声決定部1305は、マウスの位置に応じてゲームキャラクターの表示位置を変更したり、障害物の表示位置やサイズを変更したりする。
【0110】
本実施形態によれば、複数のゲームキャラクターに見立てた各マウスを、徐々に接近してくる障害物を避けるように操作できるため、臨場感を感じながらユーザは障害物回避ゲームを楽しむことができるだろう。しかも、ユーザは、同時に複数のゲームキャラクターを操作できるといった、これまでにない斬新なゲームを楽しむことができよう。
【0111】
なお、上述した操作入力装置は、玩具に備えられていたが、玩具(ゲーム装置を含む。)やPCに対して接続される単体のポインティングデバイスとして提供されてもよい。
【0112】
上述した実施形態では、カバー部材を認識する具体例としてスイッチを用いる例を説明した。もちろんこれは単なる例示にすぎない。例えば、カバー部材の識別情報を示すバーコードをカバー部材に備え、バーコードを読み取るバーコードリーダを操作部材に備えてもよい。また、カバー部材の識別情報を記録した磁気記録媒体をカバー部材に備え、磁気記録媒体を読み取る磁気リーダを操作部材に備えてもよい。あるいは、例えば、カバー部材の識別情報を示すRFIDをカバー部材に備え、RFIDから識別情報を受信する受信装置を操作部材に備えてもよい。
【0113】
また、操作部材の位置を検出する機構もスイッチ以外を用いて実現されてもよい。例えば、操作部材の位置に応じて抵抗値が変化する抵抗線路を用いて位置を検出してもよい。また、操作部材の位置に応じて光の反射時間が異なることを利用して位置を検出してもよい。
【0114】
本実施形態においては複数の操作部材が離間している状態から接近した状態に変化したことを検出しているが、複数の操作部材が隣接した状態にあることを検出していることと同義である。また、複数の操作部材は、基本的に、ユーザの手によって移動されることが望ましい。例えば、第1の操作部材はユーザの左手により操作され、第2の操作部材はユーザの右手により操作される。この場合、操作入力装置に対して向かって左側に、第1の操作部材が配置され、操作入力装置に対して向かって右側に、第2の操作部材が配置される。
【0115】
また、ガイドの形状は、一本の直線、曲線又はこれらの組み合わせのみに限られることはなく、複数本の直線、曲線又はこれらの組み合わせであってもよい。例えば、ガイドの形状は、十字、円、ハートマークの外形、格子など、複数の操作部材の移動方向を規制でき、かつ、複数の操作部材の少なくとも1つを移動させることで複数の操作部材を接近ないし接触させることができるような形状であれば十分である。
【0116】
上述した実施形態では、複数の操作部材が移動面に対して平行に移動するものとして説明した。なお、操作部材が移動する移動面として、平面に変えて曲面が採用されてもよいし、平面と曲面とが組み合わされてもよい。すなわち、複数の操作部材は、立体(操作入力装置)の表面に対して平行に移動できる操作部材であればよい。基本的に、操作部材は移動面の法線方向に対しては移動する必要がないが、例外的に、移動面の法線方向に対しても押し上げられるようにしてもよい。これは、操作部材を移動面内を平行に移動させる構造を採用した上で、さらに操作部材を法線方向に押し下げることで別の操作入力を与える構造を採用することを意味する。ちなみに、アナログジョイスティックなどで法線方向に押し下げられるものがある。しかし、このような従来のアナログジョイスティックは、移動面に対して平行に移動することができず、移動面に対して斜め方向に押し倒せるにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】実施形態に係る玩具の例示的な斜視図である。
【図2】実施形態に係る操作部材の拡大図である。
【図3】実施形態に係る玩具の例示的な斜視図である。
【図4】実施形態に係る操作部材の平面図である。
【図5】実施形態に係るカバー部材の裏側を示した図である。
【図6】実施形態に係るカバー部材の認識テーブルの一例を示す図である。
【図7】実施形態に係るカバー部材の装着された操作部材の移動例を示す図である。
【図8】実施形態に係る位置検出機構の一例を示した図である。
【図9】実施形態に係る制御部の一例を示した図である。
【図10】実施形態に係るイベント決定テーブルの一例を示した図である。
【図11】実施形態に係る制御方法の一例を示したフローチャートである。
【図12】実施形態に係るゲームの一例を説明するための図である。
【図13】実施形態に係る制御部の一例を示すブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能な複数の操作部材と、
前記複数の操作部材のそれぞれの位置を検出する位置検出手段と、
前記複数の操作部材の少なくとも1つが操作されることで、離間していた該複数の操作部材が互いに接近したことを、前記位置検出手段により検出された各操作部材の位置に基づいて判定する判定手段と、
前記複数の操作部材が接近したと前記判定手段が判定すると、所定のイベントを実行するイベント実行手段と
を含むことを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記複数の操作部材のいずれかに装着される、互いに異なる意匠が付与された複数のカバー部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
それぞれが前記複数の操作部材のいずれか1つに装着されている複数のカバー部材を認識する認識手段と、
複数のカバー部材の組み合わせと該組み合わせに対応するイベントとを登録したテーブルと、
前記認識手段により認識された複数のカバー部材の組み合わせに対応するイベントを、前記テーブルを用いて決定するイベント決定手段と
をさらに含み、
前記イベント実行手段は、前記イベント決定手段により決定されたイベントを実行することを特徴とする請求項2に記載の玩具。
【請求項4】
複数のキャラクター画像を記憶した記憶手段と、
前記認識手段により認識されたカバー部材に対応するキャラクター画像を前記記憶手段から読み出して表示部に表示させる表示制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の玩具。
【請求項5】
前記カバー部材が装着された前記操作部材の押し下げを検出する押し下げ検出手段と、
前記カバー部材が装着された前記操作部材の押し下げが検出されると、該カバー部材に対応するキャラクター音声を出力する音声出力手段をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の玩具。
【請求項6】
前記認識手段がカバー部材を認識できないときに、前記カバー部材を前記操作部材に装着することを促すメッセージを出力する装着促進メッセージ出力手段をさらに含むことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項7】
前記認識手段がカバー部材を認識できないときに、各操作部材に仮想的なカバー部材を割り当てる割当手段をさらに含み、
前記イベント決定手段は、前記割当手段により割り当てられた複数のカバー部材の組み合わせに対応するイベントを、前記テーブルを用いて決定することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項8】
前記複数のカバー部材のいずれか1つがそれぞれ装着された前記複数の操作部材を互いに接触させるように操作されることで実行されたイベントの回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によりカウントされた回数が所定回数に達すると、複数あるキャラクター画像のうちの1つを非表示対象から表示対象へと変更するようキャラクター画像の管理データを書き換える書き換え手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項9】
前記操作部材に対して装着される前記カバー部材の装着部の形状が複数のカバー部材間で異なっていることを特徴とする請求項2ないし8のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項10】
各操作部材の装着部に設けられた複数の検出部材と、
各カバー部材の装着部に、前記複数の検出部材のいずれかに係合するように設けられた少なくとも1つの係合部材と
をさらに含み、
前記認識手段は、前記複数の検出部材のいずれが前記係合部材に係合しているかに応じていずれのカバー部材が装着されたかを認識することを特徴とする請求項3ないし9のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項11】
前記複数の操作部材の移動方向を規制する少なくとも1つのガイドをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項12】
前記複数の操作部材は、同一のガイドを共用し、該同一のガイドに沿って移動することを特徴とする請求項11に記載の玩具。
【請求項13】
前記位置検出手段は、
前記ガイドに沿って設けられ、前記操作部材の位置に応じてオン又はオフとなる複数のスイッチを含み、
該複数のスイッチのうちどのスイッチがオン又はオフとなったかに応じて各操作部材の位置を検出することを特徴とする請求項11または12に記載の玩具。
【請求項14】
前記位置検出手段によって検出された、前記ガイドに沿ってスライドされる前記複数の操作部材の各位置を、各操作部材に装着された各カバー部材に対応したキャラクター画像を表示するための画像表示領域における各キャラクター画像の表示位置に変換する変換手段と、
前記画像表示領域に表示される障害物の位置を決定する障害物位置決定手段と、
前記障害物の位置と、前記各キャラクター画像の表示位置とが一致するか否かを判定する衝突判定手段と、
を含むことを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1項に記載された玩具。
【請求項15】
前記イベントは、第1の操作部材に装着された第1のカバー部材に対応する第1のキャラクター画像と第2の操作部材に装着された第2のカバー部材に対応する第2のキャラクター画像とを表示させ、該第1のキャラクター画像に対応する第1のキャラクター音声と該第2のキャラクター画像に対応する第2のキャラクター音声とを出力する会話型イベントであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項16】
移動可能な複数の操作部材と、
互いに異なる意匠が付与され、前記複数の操作部材のいずれかに1つずつ装着される複数のカバー部材と、
前記複数の操作部材のいずれかに装着されている各カバー部材を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識されたカバー部材の組み合わせに対応するイベントを決定するイベント決定手段と、
前記イベント決定手段により決定されたイベントを実行するイベント実行手段と
を含むことを特徴とする玩具。
【請求項17】
移動方向を規制する同一のガイドに沿って移動可能な複数の操作部材と、
前記複数の操作部材のそれぞれの位置を検出し、検出した位置を表す情報を出力する位置検出手段と、
を含むことを特徴とする操作入力装置。
【請求項18】
前記ガイドは、前記複数の操作部材を1次元方向にのみ移動するように規制するガイドであることを特徴とする請求項17に記載の操作入力装置。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の操作入力装置を接続した又は備えたことを特徴とする玩具。
【請求項1】
移動可能な複数の操作部材と、
前記複数の操作部材のそれぞれの位置を検出する位置検出手段と、
前記複数の操作部材の少なくとも1つが操作されることで、離間していた該複数の操作部材が互いに接近したことを、前記位置検出手段により検出された各操作部材の位置に基づいて判定する判定手段と、
前記複数の操作部材が接近したと前記判定手段が判定すると、所定のイベントを実行するイベント実行手段と
を含むことを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記複数の操作部材のいずれかに装着される、互いに異なる意匠が付与された複数のカバー部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の玩具。
【請求項3】
それぞれが前記複数の操作部材のいずれか1つに装着されている複数のカバー部材を認識する認識手段と、
複数のカバー部材の組み合わせと該組み合わせに対応するイベントとを登録したテーブルと、
前記認識手段により認識された複数のカバー部材の組み合わせに対応するイベントを、前記テーブルを用いて決定するイベント決定手段と
をさらに含み、
前記イベント実行手段は、前記イベント決定手段により決定されたイベントを実行することを特徴とする請求項2に記載の玩具。
【請求項4】
複数のキャラクター画像を記憶した記憶手段と、
前記認識手段により認識されたカバー部材に対応するキャラクター画像を前記記憶手段から読み出して表示部に表示させる表示制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の玩具。
【請求項5】
前記カバー部材が装着された前記操作部材の押し下げを検出する押し下げ検出手段と、
前記カバー部材が装着された前記操作部材の押し下げが検出されると、該カバー部材に対応するキャラクター音声を出力する音声出力手段をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の玩具。
【請求項6】
前記認識手段がカバー部材を認識できないときに、前記カバー部材を前記操作部材に装着することを促すメッセージを出力する装着促進メッセージ出力手段をさらに含むことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項7】
前記認識手段がカバー部材を認識できないときに、各操作部材に仮想的なカバー部材を割り当てる割当手段をさらに含み、
前記イベント決定手段は、前記割当手段により割り当てられた複数のカバー部材の組み合わせに対応するイベントを、前記テーブルを用いて決定することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項8】
前記複数のカバー部材のいずれか1つがそれぞれ装着された前記複数の操作部材を互いに接触させるように操作されることで実行されたイベントの回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によりカウントされた回数が所定回数に達すると、複数あるキャラクター画像のうちの1つを非表示対象から表示対象へと変更するようキャラクター画像の管理データを書き換える書き換え手段と
をさらに含むことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項9】
前記操作部材に対して装着される前記カバー部材の装着部の形状が複数のカバー部材間で異なっていることを特徴とする請求項2ないし8のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項10】
各操作部材の装着部に設けられた複数の検出部材と、
各カバー部材の装着部に、前記複数の検出部材のいずれかに係合するように設けられた少なくとも1つの係合部材と
をさらに含み、
前記認識手段は、前記複数の検出部材のいずれが前記係合部材に係合しているかに応じていずれのカバー部材が装着されたかを認識することを特徴とする請求項3ないし9のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項11】
前記複数の操作部材の移動方向を規制する少なくとも1つのガイドをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項12】
前記複数の操作部材は、同一のガイドを共用し、該同一のガイドに沿って移動することを特徴とする請求項11に記載の玩具。
【請求項13】
前記位置検出手段は、
前記ガイドに沿って設けられ、前記操作部材の位置に応じてオン又はオフとなる複数のスイッチを含み、
該複数のスイッチのうちどのスイッチがオン又はオフとなったかに応じて各操作部材の位置を検出することを特徴とする請求項11または12に記載の玩具。
【請求項14】
前記位置検出手段によって検出された、前記ガイドに沿ってスライドされる前記複数の操作部材の各位置を、各操作部材に装着された各カバー部材に対応したキャラクター画像を表示するための画像表示領域における各キャラクター画像の表示位置に変換する変換手段と、
前記画像表示領域に表示される障害物の位置を決定する障害物位置決定手段と、
前記障害物の位置と、前記各キャラクター画像の表示位置とが一致するか否かを判定する衝突判定手段と、
を含むことを特徴とする請求項11ないし13のいずれか1項に記載された玩具。
【請求項15】
前記イベントは、第1の操作部材に装着された第1のカバー部材に対応する第1のキャラクター画像と第2の操作部材に装着された第2のカバー部材に対応する第2のキャラクター画像とを表示させ、該第1のキャラクター画像に対応する第1のキャラクター音声と該第2のキャラクター画像に対応する第2のキャラクター音声とを出力する会話型イベントであることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項16】
移動可能な複数の操作部材と、
互いに異なる意匠が付与され、前記複数の操作部材のいずれかに1つずつ装着される複数のカバー部材と、
前記複数の操作部材のいずれかに装着されている各カバー部材を認識する認識手段と、
前記認識手段により認識されたカバー部材の組み合わせに対応するイベントを決定するイベント決定手段と、
前記イベント決定手段により決定されたイベントを実行するイベント実行手段と
を含むことを特徴とする玩具。
【請求項17】
移動方向を規制する同一のガイドに沿って移動可能な複数の操作部材と、
前記複数の操作部材のそれぞれの位置を検出し、検出した位置を表す情報を出力する位置検出手段と、
を含むことを特徴とする操作入力装置。
【請求項18】
前記ガイドは、前記複数の操作部材を1次元方向にのみ移動するように規制するガイドであることを特徴とする請求項17に記載の操作入力装置。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の操作入力装置を接続した又は備えたことを特徴とする玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−279144(P2009−279144A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133401(P2008−133401)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【特許番号】特許第4335956号(P4335956)
【特許公報発行日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【出願人】(597047130)株式会社ウィズ (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【特許番号】特許第4335956号(P4335956)
【特許公報発行日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【出願人】(597047130)株式会社ウィズ (19)
【Fターム(参考)】
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