説明

玩具花火包装体

【課題】台紙からの玩具花火の取り外しが容易で、かつ製造の容易な玩具花火包装体を提供する。
【解決手段】少なくとも表側面の中央領域が透明素材で形成されている外袋5に、玩具花火2aを内包する複数個の内袋3aを台紙1上に、離脱可能に仮固定した状態で収容してなる玩具花火包装体であって、該内袋3aの台紙1上への仮固定が、内袋3aの裏面と台紙1の表面との間に介在する粘着層4aによりなされていることを特徴とする玩具花火包装体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具花火の包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数種類の玩具花火を、一つの透明な外袋にまとめて収容し、玩具花火の包装体としてセット販売することが行なわれている。玩具花火の包装体は、外袋に収容された玩具花火がまとまりよく見えるように、玩具花火を台紙の上に離脱可能に仮固定した状態で外袋に収納するのが一般的である。
【0003】
玩具花火を台紙に仮固定する方法としては、玩具花火もしくは玩具花火を内包した内袋を台紙の上に配置して、その周囲に粘着テープを巻き付ける方法が知られている。特許文献1には、玩具花火を内包する複数個の内袋を台紙の上に配置して、その周囲に粘着テープを巻き付けて仮固定した玩具花火包装体が記載されている(特許文献1の図2を参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3102657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように玩具花火の台紙への仮固定を粘着テープの巻き付けにより行なうと、巻き付けた粘着テープを剥がし取るのが煩雑となる。このため、玩具花火を使用する際に、台紙から玩具花火を取り外しにくいという問題がある。また、粘着テープを巻き付ける際に、玩具花火もしくは玩具花火を内包した内袋の配置場所がずれてしまうと、その配置場所を修正しにくいため、粘着テープの巻き付け作業には細心の注意が必要となる。
従って、本発明の目的は、台紙からの玩具花火の取り外しが容易で、かつ製造の容易な玩具花火包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも表側面の中央領域が透明素材で形成されている外袋に、玩具花火を内包する複数個の内袋を台紙上に、離脱可能に仮固定した状態で収容してなる玩具花火包装体であって、該内袋の台紙上への仮固定が、内袋裏面と台紙表面との間に介在する粘着層によりなされていることを特徴とする玩具花火包装体にある。
【0006】
本発明の好ましい態様は、次の通りである。
(1)粘着層が、両面粘着テープから形成されている。
(2)内袋裏面に予め付設した粘着層により内袋の台紙への仮固定がなさている。
(3)台紙に仮固定した複数個の内袋の表側面の上にさらに、玩具花火を内包する内袋がその内袋の裏面に形成されている粘着層を介して離脱可能に仮固定されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の玩具花火包装体は、台紙に仮固定されている玩具花火を内包する複数個の内袋を、それぞれ単独で台紙から取り外すことができるので、台紙からの玩具花火の取り外しが容易となる。また、玩具花火を内包する複数個の内袋を、それぞれ単独で台紙に仮固定させることができるので、製造が容易になる。さらに、本発明の玩具花火包装体は、仮固定のための粘着具が外部から見えないので見栄えがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の玩具花火包装体について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に従う玩具花火包装体の正面図である。図2は、図1のY−Y線断面図である。図3は、図1のX−X線断面図である。
【0009】
図1乃至図3において、玩具花火包装体は、台紙1、台紙1の上に離脱可能に仮固定されている玩具花火2aを内包した複数個の内袋3a、その台紙の上に仮固定されている内袋3aの上に離脱可能に仮固定されている玩具花火2bを内包する複数個の内袋3b、そしてこれらを収容する外袋5から構成されている。台紙側の複数個の内袋2aは、それぞれ単独で、台紙1との間に介在する粘着層4aにより仮固定されている。また、表面側の内袋3bは、それぞれ単独で、台紙側の内袋3aとの間に介在する粘着層4bにより仮固定されている(図2及び図3を参照)。
【0010】
台紙1と台紙側の内袋3aとの間に介在する粘着層4aは、内袋3aの裏面に形成されている(内袋裏面に強く粘着している)ことが好ましい。また、台紙側の内袋3aと表面側の内袋3bとの間に介在する粘着層4bは、内袋3bの裏面に形成されていることが好ましい。粘着層を内袋裏面に付設し、内袋を台紙(もしくは台紙に仮固定した内袋)から取り外したときには、粘着層が内袋裏面に粘着するようにすることで、未使用の玩具花火を再度内袋に収容して、台紙に仮固定することが可能となる。
【0011】
粘着層4a、4bは、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ホットメルト系粘着剤、液状硬化型粘着剤などの粘着剤、あるいは両面粘着テープから形成することができる。粘着層は、常温で粘着力を発揮する粘着剤又は両面粘着テープから形成することが好ましく、両面粘着テープから形成することが特に好ましい。
【0012】
玩具花火を内包する内袋の台紙(もしくは台紙に仮固定した内袋)への仮固定は、例えば、内袋の裏面に粘着剤を塗布して、あるいは両面粘着テープを貼り付けて、内袋の裏面に粘着層を付設し、次いで内袋に玩具花火を収容した後、内袋の裏面を台紙(もしくは台紙に仮固定した内袋)に適当な荷重で押し付けて粘着させることにより行なうことができる。
【0013】
本発明の玩具花火包装体において、台紙1には、厚紙、ボール紙などの通常の玩具花火包装体に用いられている板紙を用いることができる。台紙の表面には、玩具花火の使用方法や注意事項が印刷されていてもよい。
【0014】
内袋3a、3bは、その中に内包されている玩具花火が外部から見えるように少なくとも表面が透明な素材で形成されている。内袋の裏面には、玩具花火の使用方法や注意事項が印刷されていてもよい。内袋の素材の例としては、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。
【0015】
内袋に内包される玩具花火2a、2bの例としては、白馬、山桜、橙色尾花、紫尾花、山吹、尾瀬、みかん花、銚子、成田、喜花などを挙げることができる。
【0016】
外袋5は、その中に収容されている玩具花火が外部から見えるように少なくとも表側面の中央領域が透明素材で形成されている。外袋の表側面には、購買意欲を向上させるために商品名やキャラクターが印刷されていてもよい。また、外袋の表側面には、玩具花火の使用方法や注意事項が印刷されていてもよい。外袋の素材の例としては、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に従う玩具花火包装体の正面図である。
【図2】図1のY−Y線断面図である。
【図3】図1のX−X線断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 台紙
2a、2b 玩具花火
3a、3b 内袋
4a、4b 粘着層
5 外袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表側面の中央領域が透明素材で形成されている外袋に、玩具花火を内包する複数個の内袋を台紙上に、離脱可能に仮固定した状態で収容してなる玩具花火包装体であって、該内袋の台紙上への仮固定が、内袋裏面と台紙表面との間に介在する粘着層によりなされていることを特徴とする玩具花火包装体。
【請求項2】
粘着層が、両面粘着テープから形成されている請求項1に記載の玩具花火包装体。
【請求項3】
内袋裏面に予め付設した粘着層により内袋の台紙への仮固定がなさている請求項1に記載の玩具花火包装体。
【請求項4】
台紙に仮固定した複数個の内袋の表側面の上にさらに、玩具花火を内包する内袋がその内袋の裏面に形成されている粘着層を介して離脱可能に仮固定されている請求項1に記載の玩具花火包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−170755(P2007−170755A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370115(P2005−370115)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(505474359)株式会社スターマイン (1)
【Fターム(参考)】