説明

玩具車輌用の台車及び玩具車輌

【課題】 ミニカーなどのおもちゃの自動車同士をぶつけ合って遊戯する時に、現実のレースのようなクラッシュが起こるようにしてより一層のリアルさを演出することが出来るようにする。
【解決手段】 この発明では、玩具車輌を路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する弾性部材を付勢状態に納めて仮固定する仮固定手段が、衝撃によって前記弾性部材の付勢状態を開放させるように動作するようにしたので、前記仮固定手段に衝撃が加えられると玩具車輌を転倒させるなどして走行不能とし、玩具車輌にクラッシュが生じたように見せ掛けることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ストックカーレースなどのようにおもちゃの自動車同士をぶつけ合ってその過程と結果を楽しむための、玩具車輌用の台車及び玩具車輌に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりチョロQ(登録商標)のような小型のおもちゃの自動車で遊ぶことが行なわれて来ている。この種ミニカーは、勢いやゼンマイやモーター駆動で走らせる構造の物が一般的である。この場合単に自動車を走行させるに止どまらず、ストックカーレースのように走行させたり、チキンレースのように正面衝突させて相手の自動車を飛ばしたり弾き返したり転倒させたりする、比較的過激な遊戯を行なうことがあり、これを面白いと感じる子供達が多いのが実状である(時には大人も混じって楽しむことがある)。
【特許文献1】実開昭61−159992号公報
【特許文献2】実開昭63−103693号公報
【特許文献3】登録実用新案第3075091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら単にぶつけ合って遊ぶのみでは、あたかもおはじきのような衝突動作が見られるだけであって、現実のカーレースで見られるような自動車そのもののクラッシュは起こらず、リアルさがあまり感じられない。もしもこのような対戦中に現実の事故のようなクラッシュを引き起こすことが出来るのであれば、どんなにかハラハラドキドキさせられることであろう。これは遊戯している側にとってもこれを観戦している側にとっても同様である。
【0004】
登録実用新案第3075091号の「自動車玩具」は屈曲機構を備え、走行中にこの屈曲機構から略V字形状に折れ曲がることを特徴としており、走行形態に新たなバリエーションを加えることが出来るとされてはいるが、上述したような比較的過激な遊戯に用いて現実感を催させるようなものではない。
【0005】
そこでこの発明は、おもちゃの自動車同士をぶつけあって楽しむ時に、現実のレースのようなクラッシュが起こるようにして、より一層のリアルさを演出することが出来るようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、請求項1の発明では、玩具車輌を載置した時にこの玩具車輌の車輪が路面に着くように設けられた台座に、この台座を路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する弾性部材を備えており、この弾性部材を付勢状態で台座に納めて仮固定すると共に台座に衝撃が加えられた時にはこの仮固定を解除して弾性部材を弾発させる仮固定手段が設けられている玩具車輌用の台車とすることにより達成している。
【0007】
また上記の課題は、請求項2の発明では、走行可能な車輪を備えて玩具車輌を載置し得る台車に、この台車を路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する弾性部材を備えており、この弾性部材を付勢状態で台車に納めて仮固定すると共に台車に衝撃が加えられた時にはこの仮固定を解除して弾性部材を弾発させる仮固定手段が設けられている玩具車輌用の台車とすることにより達成している。
【0008】
請求項1の発明では、台座に玩具車輌を載置すると、玩具車輌の車輪が台座をよけて下方に突出し路面に着くため、両者を一体化させたままで玩具車輌を走行させることが出来る。この時に前記弾性部材は仮固定手段により台座に付勢状態で納められて仮固定されている。そして台座に衝撃が加えられると仮固定手段は前記仮固定を解除するように構成されていることから、衝突などのショックによって弾性部材が仮固定手段から外れて弾発し路面を強く叩くことになる。これにより玩具車輌は台座ごとひっくり返ったりして走行不能となる。この様子は恰かもクラッシュが起きたかのようであり、遊戯者にも観戦者にもリアルさを与えることが出来る。なお上記一体化された状態の台座は車輪を共有しているため台車と呼称して差し支えない。
【0009】
また請求項2の発明では、台車そのものに走行可能な車輪が備わっていることにより、台車と玩具車輌とを一体化した際には、玩具車輌の車輪ではなく台車の車輪で走行する。この一体化された車輌に於いても、上述したように前記仮固定手段が台座に衝撃が加えられた際に仮固定を解除すると、台車に設けられている弾性部材の弾発によって玩具車輌は台座ごとひっくり返されてしまい、見ている者にとってはクラッシュが生じたかのように映るのである。
【0010】
なお請求項1の発明に於いても、請求項2の発明に於いても、前記弾性部材が弾発して路面を強く叩いた際に、台座(台車)と玩具車輌とが分離してしまうように構成することも可能である。この場合にはクラッシュをより強く印象づけることが出来る。
【0011】
また請求項1の発明に於いても、請求項2の発明に於いても、前記弾性部材がバネであるものとすることが出来る。このバネには板バネやコイルバネを上げることが出来るが、どのような種類のバネをどのように用いるかは任意である。
【0012】
また前記弾性部材が互いに反発するように組み合わせられた磁石であるものとすることが出来る。磁極のN極対N極、またはS極対S極では相互に反発し合うため、この組み合わせを弾性部材として利用することが出来る。
【0013】
また衝撃が加えられた時に仮固定を解除する前記仮固定手段が、解除のトリガーとなる衝撃の大きさを設定可能に設けられているものとすることが出来る。これによれば、より弱い衝撃でクラッシュを生ずるようにしたり、より強い衝撃がなければクラッシュが生じにくいようにしたりを、前記仮固定手段を用いて調節することが出来るのである。
【0014】
また衝撃が加えられる箇所によって仮固定の解除に難易を生ずるように前記仮固定手段の取り付け位置が変更可能に設けられているものとすることが出来る。これは例えば台車の右側に衝撃が加わった時には前記仮固定手段がより外れにくいようにしておき、こちらの側から相手の車輌にぶつける、などの作戦が取れると言うことを意味する。逆にこちらの手の内を読まれてしまえば、対戦相手はこちらの車輌の中央部分あるいは左側を狙って来るであろう。このようにして駆け引きの余地をゲームに与えることが出来るのである。
【0015】
なお前記仮固定手段の、台座(台車)に玩具車輌を載置して一体化させる機能の実現に関しては、鈎状部材による車輌への掛止、発泡弾性材により車輌の両側を挟み込む圧迫、車輌の両側からネジで圧力を加える圧迫、などの機構を任意に採用することが出来る。
【0016】
さて上記の課題は、請求項7の発明では、玩具車輌の車輪を路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する弾性部材を車体に備えており、この弾性部材を付勢状態で台座に納めて仮固定すると共に玩具車輌に衝撃が加えられた時にはこの仮固定を解除して弾性部材を弾発させる仮固定手段が設けられている玩具車輌とすることにより達成している。
【0017】
このものは玩具車輌であって、台座(台車)を用いることなくこの発明の課題を達成する。すなわち前記弾性部材を玩具車輌に仮固定して走行させるが、車輌に衝撃が加えられた時には前記仮固定手段は弾性部材を玩具車輌から自由にしてしまう。これにより弾性部材が路面に対して弾性的に作用して、玩具車輌の車輪を路面から浮き上がらせてしまい、玩具車輌は恰かもクラッシュが起きたかのように振る舞って、走行不能となってしまうのである。
【発明の効果】
【0018】
この発明では、弾性部材を付勢状態に仮固定する仮固定手段が、衝撃によって前記弾性部材の付勢状態を開放させるように動作するようにしたので、この時点で玩具車輌にはクラッシュが生じたように見せ掛けることが出来る。
【0019】
こうしておもちゃの自動車同士をぶつけ合って楽しむ際に、現実のレースのようなクラッシュが生じてより一層リアルに感じられる、と言う効果を奏するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下この発明の実施形態を図面を参照しつつ説明するが、この発明はこれ等の実施形態にのみ限定されるものではない。
【0021】
第1実施形態
この実施形態は玩具車輌Qを載置するための台座に関するものであり、これを図1及び図2を用いて詳細に説明する。図1で表わすように台座1は玩具車輌Qを載置した時に玩具車輌Qの車輪Rが路面に着くように形成されている。台座1の後部(図1の右側)には背面板10が立設されており、この背面板10の頂部には押え具2が取り付けられている。この押え具2は背面板10に固定されているコイルスプリング21によって常に下方に付勢されている。従って図2で表わすように台座1上に玩具車輌Qを載置して、この玩具車輌Qの後方に立設されている従来のミニカーではウィリー走行のためのコインホルダーなどと呼称されている部位Pの頂部を、前記押え具2の嵌合溝20に挿入するようにして押え具2を被せると、押え具2はコイルスプリング21により下方に引かれて玩具車輌Qを台座1に固定することが出来るのである。なお符号14は背面板10の両側に設けられた溝部であり、ここに前記押え具2側の図示しない突起が嵌合されて、上下方向にガイドされるようになっている。こうして台座1はこれと一体になった玩具車輌Qの車輪Rで走行することが出来るようになる。
【0022】
一方台座1の底部には、くの字スプリング3がその巻線バネの部位で台座1側の軸受け13に取り付けられ、通常は図2の破線で示したように路面方向に開いているように構成されている。このくの字スプリング3は台座1の前部のガイド11でスライド自在に支持された仮固定具4の掛止部40に掛止されると、付勢状態のまま台座1の底部に副う形で仮固定される。なお仮固定具4は図示しないバネによって常に前方に付勢されるように構成されている。従ってこのバネ力に抗して仮固定具4を後方へ押すと前記くの字スプリング3が仮固定具4の掛止部40から外れて、路面方向に勢い良く反発して台座1を玩具車輌Qごと路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する。なお符号12は台座1の前部の腕部の両側に取り付けられた飾りである。
【0023】
このように構成された台車1上に玩具車輌Qをセットして、同様に準備された対戦相手の玩具車輌に恰かもチキンレースのように正面衝突させて遊ぶのであるが、ここで衝突によって仮固定具4に衝撃が加えられて後方へ押されると、前記くの字スプリング3が仮固定具4の掛止部40から外れてくの字スプリング3の付勢状態を開放する。こうして弾発したくの字スプリング3により台座1は玩具車輌Qごと転倒するなどして走行不能となるのである。従ってこのような情勢に対戦相手の玩具車輌を持ち込むと勝利である。
【0024】
第2実施形態
この実施形態のくの字スプリング3部分を図3を用いて説明するが、この実施形態では衝撃が加えられた時に仮固定を解除する仮固定手段が、解除のトリガーとなる衝撃の大きさを設定可能に設けられている点に特徴を有するものである。全体構成は上述した第1実施形態のそれに倣うが、仮固定具4に付いて特徴ある改良が加えられている。すなわち仮固定具4は掛止部40までの間に調節杆41とダイヤル42とを備えて、この間の長さ調節が出来るように構成されている。調節杆41にはネジが螺刻されており、このネジにダイヤル42のネジが螺合されている。
【0025】
従ってダイヤル42を右方向へ回転させると、調節杆41が引かれて仮固定具4の全長が短くなる。すると前記掛止部40がくの字スプリング3への掛止力を強めるために、掛止部40が外れにくくなって衝撃により強いものとなる。この逆にダイヤル42を左方向へ回転させると調節杆41が押し出されて仮固定具4の全長が長くなり、より少ない衝撃で掛止部40が外れやすくなる。このようにして耐衝撃レベルを可変することが出来るのである。なお図中符号15は、前記くの字スプリング3の巻線バネの部位を台座1側の軸受け13に取り付けるためのピンを指す。
【0026】
第3実施形態
この実施形態のくの字スプリング3部分を図4を用いて説明するが、この実施形態では衝撃が加えられた部位によって仮固定を解除し得る力の大きさが異なるようになっており、これを設定可能に設けた点に特徴を有するものである。全体構成は上述した第1実施形態のそれに倣うが、仮固定具43が左右方向に(図の上下方向に)スライド出来るように設けられている。すなわち台座1前部の腕部16に左右方向にスライド孔17が開孔されており、ここに仮固定具43の前端部がボタン45のピンでスライド自在に取り付けられている。なお図中符号44は仮固定具43を指先でつまんで移動させるためのつまみである。また符号5は上述した第1実施形態に於ける仮固定具4の前端部を模したダミーである。
【0027】
今、図4で示すように仮固定具43を右端へ移動させると、くの字スプリング3はその右端部分を掛止部40で掛止されることになる。この状態は台座の前部右側に加わる衝撃に対しては掛止部40が比較的外れやすく、くの字スプリング3が弾発しやすいことを意味する。逆に前部中央や前部左側には仮固定具43が位置していないことによって、こちらの側に加わる衝撃に対しては掛止部40が比較的外れにくいのである。すなわち衝撃が加えられる箇所により仮固定の解除に難易を生ずるようにしたのである。
【0028】
これはこの対戦に駆け引きを導入するための改良である。対戦相手には仮固定具43の位置を知られないようにしてセットするのである。そして例えば図4の状態にセットしたならば相手の車輌に対してはこちらの台座の中央か左側を当てるように遊戯するのである。しかしながら相手はこれを読んでいるかも知れないのである。またこちらとしては相手の設定を読まなくてはならない。従って設定を読むのがお互いに難しくなるように、仮固定具43とそのつまみ44とが台座の裏側に位置するように設けられているのである。
【0029】
第4実施形態
この実施形態は玩具車輌Qを載置するための台座に関するものである。図5で表わすように台座1には、玩具車輌Qを載置した時に玩具車輌Qの車輪Rが路面に着くようにするための車輪孔18が設けられている。また台座1の左右両側には、玩具車輌を挟んで固定するためのウレタン製の挟持具19が取り付けられている。台座1の底部には、くの字スプリング3がその巻線バネの部位で台座1側の軸受け13に取り付けられている。このくの字スプリング3は、台座1の前部のガイド11でスライド自在に支持された仮固定具4の掛止部40に掛止されると付勢状態のまま台座1の底部に副う形で仮固定されるようになっている。なお仮固定具4は、図示しないバネによって常に前方に付勢されるように構成されている。
【0030】
前記くの字スプリング3の取り扱い方法は上述した第1実施形態のそれに倣うが、この第4実施形態で特徴的な点は台座1への玩具車輌のセット方法にある。すなわち玩具車輌を左右の挟持具19の間に押し込むようにすると、玩具車輌はウレタン製の挟持具19の弾力によってピタリと固定されるのである。なお挟持具19の代わりとしては、左右両側の前後の計4ヵ所にネジを設け、このネジを締めることで玩具車輌を挟持するような構成も可能である。
【0031】
また車輪孔18を設けることなく、玩具車輌を載置した台座1を走行させるための車輪をこの台座1に取り付けるようにする構成が可能である。これによれば台座1の車輪が路面に着いて、載置された玩具車輌共々台座1を走行させることが出来るのである。従ってこの場合の台座1は車輪を備えた台車なのである。
【0032】
第5実施形態
この実施形態では、上述したくの字スプリング3の代わりにコイルスプリング60を用いた構成を説明する。図6(a)はこの実施形態を斜視図で表わしたものであり、図6(b)は底面図で表わしたものである。底部を開放した筒部6のこの底部開口部にシャッター板61をスライド自在に取り付けて成り、このシャッター板61にはその左側に開孔部62が設けられている。また筒部6の内部にはこれより全長の長いコイルスプリング60が納められている。
【0033】
コイルスプリング60を縮めて筒部6内に納めて、この開口部にシャッター板61の開孔部62がない部位を位置させることにより、コイルスプリング60を筒部6内に付勢状態で閉じ込めておくことが出来る。ここでシャッター板61をスライドさせて開孔部62の位置が筒部6の開口部の位置に来るようにすると、前記コイルスプリング60が勢いよく筒部6の開口部から飛び出して路面を強打することになる。従って台座は転倒して玩具車輌は走行不能となる。
【0034】
この実施形態から理解されることは、台座を路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する弾性部材にどのようなものを採用するかは、任意設計事項なのである。
【0035】
第6実施形態
この実施形態では、上述したくの字スプリング3の代わりに磁石70を用いた構成を説明する。図7はこの説明図であるが、開口部の周囲に鍔部74を有してこの鍔部74の一側に板状のアーム71を取り付けたケース7を2つ互いの開口部側を向かい合わせるようにしてアーム71の端部で接合して成るものであり、各々のケース7内に同極(図7ではN極)を向かい合わせるようにした磁石70が納められている。この磁石70,70の反発力に抗して2つのケース7を密着させた時に、これ等の鍔部74を挟み付けるための掛止溝73を有する突き当て具72が設けられて仮固定手段が構成されている。
【0036】
上述したように磁石70,70の反発力に抗して2つのケース7を密着させた時に、これ等の鍔部74に前記突き当て具72の掛止溝73を掛合させておく。ここで突き当て具72に衝撃が加えられて突き当て具72が図7の左方向へ引かれると掛止溝73が鍔部74,74から外れてしまう。すると磁石70,70の反発力によって2つのケース7,7は勢い良く離反する。この時の力を利用して図示しない台座や台車を転倒させるのである。
【0037】
第7実施形態
この実施形態は玩具車輌そのものに関するものであり、これを図8の底面図を用いて詳細に説明する。図8はミニカー8の底面図であるが、ミニカー8はその前後端部にバンパー80を備えている。実はこのバンパー80は仮固定手段であり、バンパー80はミニカー8の底面でT字形状を呈しており、2つのバンパー80,80は上述の第1実施形態の仮固定具4に相当して各々掛止部82を備えており、ミニカー8側のガイド81でスライド自在に支持されている。またミニカー8の底部には2つのスプリング9が互いに向かい合わせとなるようにしてその巻線バネの部位で軸受け83に取り付けられ、付勢されていない状態では路面方向に開いているように構成されている。2つのスプリング9は各々相当の前記掛止部82に掛止されると、付勢状態のままミニカー8の底面に副う形で仮固定される。なお前記ガイド81は比較的きつくバンパー80を支持しているため、前後方向へ引かれるとそのままの状態で掛止部82がスプリング9を掛止しておくことが出来るようになっている。
【0038】
さて前後2ヶ所のスプリング9,9を各々掛止部82に掛止させると準備完了である。これと同様に準備された対戦相手の玩具車輌と恰かもチキンレースのように正面衝突させて遊ぶのであるが、ここで衝突によってバンパー80に衝撃が加えられて内方へスライドさせられると、前記掛止部82がスプリング9を外してしまうため、スプリング9はその付勢状態を開放するように跳ねる。こうして弾発したスプリング9によりミニカー8は転倒するなどして走行不能となるのである。このような動作はミニカー8の前後のバンパー80に係るスプリング9で独立して起こるようになっている。なお一度弾発したスプリング9をセットするには、スプリング9を反発力に抗して寝かせるようにし、バンパー80を外方へ引いてその掛止部82で寝かせた状態のスプリング9を掛止するようにする。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明の構成は自動車などの玩具車輌用に止どまらず、走行可能な玩具全般に広く利用可能である。また走行には車輪を用いるのみならず、空気圧などによって浮上走行するタイプのものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】 第1実施形態の斜視図である。
【図2】 同実施形態の使用状態説明図である。
【図3】 第2実施形態のくの字スプリング3部の平面図である。
【図4】 第3実施形態のくの字スプリング3部の平面図である。
【図5】 第4実施形態の斜視図である。
【図6】 第5実施形態のコイルスプリング60部の説明図である。
【図7】 第6実施形態のスプリング71部の説明図である。
【図8】 第7実施形態の玩具車輌の底面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 台座
10 背面板
11 ガイド
12 飾り
13 軸受け
14 溝部
15 ピン
16 腕部
17 スライド孔
18 車輪孔
19 狭持具
2 押え具
20 嵌合溝
21 コイルスプリング
3 くの字スプリング
4 仮固定具
40 掛止部
41 調節杆
42 ダイヤル
43 仮固定具
44 つまみ
45 ボタン
5 ダミー
6 筒部
60 コイルスプリング
61 シャッター板
62 開孔部
7 ケース
70 磁石
71 アーム
72 突き当て具
73 掛止溝
74 鍔部
8 ミニカー
80 バンパー
81 ガイド
82 掛止部
83 軸受け
9 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具車輌を載置した時にこの玩具車輌の車輪が路面に着くように設けられた台座に、この台座を路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する弾性部材を備えており、この弾性部材を付勢状態で台座に納めて仮固定すると共に台座に衝撃が加えられた時にはこの仮固定を解除して弾性部材を弾発させる仮固定手段が設けられていることを特徴とする、玩具車輌用の台車。
【請求項2】
走行可能な車輪を備えて玩具車輌を載置し得る台車に、この台車を路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する弾性部材を備えており、この弾性部材を付勢状態で台車に納めて仮固定すると共に台車に衝撃が加えられた時にはこの仮固定を解除して弾性部材を弾発させる仮固定手段が設けられていることを特徴とする、玩具車輌用の台車。
【請求項3】
前記弾性部材がバネである請求項1または請求項2に記載の玩具車輌用の台車。
【請求項4】
前記弾性部材が互いに反発するように組み合わせられた磁石である、請求項1または請求項2に記載の玩具車輌用の台車。
【請求項5】
衝撃が加えられた時に仮固定を解除する前記仮固定手段が、解除のトリガーとなる衝撃の大きさを設定可能に設けられている、請求項1または請求項2に記載の玩具車輌用の台車。
【請求項6】
衝撃が加えられる箇所によって仮固定の解除に難易を生ずるように前記仮固定手段の取り付け位置が変更可能に設けられている、請求項1または請求項2に記載の玩具車輌用の台車。
【請求項7】
玩具車輌の車輪を路面から弾性的に浮き上がらせるように動作する弾性部材を車体に備えており、この弾性部材を付勢状態で台座に納めて仮固定すると共に玩具車輌に衝撃が加えられた時にはこの仮固定を解除して弾性部材を弾発させる仮固定手段が設けられていることを特徴とする、玩具車輌。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate