説明

玩具

【課題】発生させる音声等を容易に変えることができるとともに、複数のデータの組み合わせに対応して音声等を発生させる場合に、同じ組み合わせでも異なる音声を発生させることにより変化に富んで面白い玩具を提供する。
【解決手段】 玩具本体22は、読取体30が個別識別情報を読み取る被識別部材21を交換可能に支持する支持部241,242,243を備えた支持体24および読取体30により個別識別情報を読み取る際に読み取り可能な読取位置を通過するように案内する案内部25を有するとともに、玩具本体22を他の玩具本体と識別するための玩具識別情報が付されている。これにより、読み取った個別識別情報と玩具識別情報の組み合わせに応じて駆動部43を駆動し、その玩具特有の態様を採ることができ、変化に富んで面白い玩具を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、玩具等の収集を目的とする物品が、単体で存在するときあるいは他の物品と複合形態で存在するときに、音声を再生するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、トレーディングカードまたはフィギュア等の物品に、物品を特定するデータであるIDや、物品が単体で存在するとき再生する音声データや、他の物品と複合形態で存在するときに再生する音声データ等を記憶する記憶手段として非接触ICタグを設け、タグリーダで非接触ICタグに記憶されているデータを読み込む。そして、読み込まれたIDや音声再生ルールに基づいて、音声を発生する。
これにより、再生ルールや音声データの内容によって発生する音声を種々に変化させて、リアリティ性、ストーリ性、ゲーム性、等の趣向を持たせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−123276号公報(図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、玩具等の収集家や愛好家は、例えば同様の玩具が多数種類存在するような場合には、一連の玩具を収集しようとする。しかし、このように複数の玩具を収集した場合でも、発声する音は変化に乏しく面白味に欠けるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、より変化に富んで面白い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の玩具は、玩具本体と、個別識別情報を付与された被識別部材と、前記被識別部材から前記個別識別情報を読み取る読取体と、を有し、前記玩具本体は、前記読取体によって読取可能な、当該玩具本体を他の玩具本体と識別するための玩具識別情報が付された玩具識別部が設けられており、前記読取体は、前記被識別部材から読み取った前記個別識別情報と、前記個別識別情報を読み取った後に前記玩具本体から読み取った前記玩具識別情報との組み合わせに応じて駆動可能な駆動部を有する。
【0008】
また、本発明に係る玩具においては、前記玩具本体は、前記被識別部材を交換可能に支持する支持部を有することとしても良い。
【0009】
また、本発明に係る玩具においては、前記支持部は複数設けられていても良い。
【0010】
また、本発明に係る玩具においては、前記玩具本体は、前記読取体が前記支持部に支持された前記被識別体の前記個別識別情報を読み取り可能な読取位置を通過するように前記読取体を案内する案内部を有しても良い。
【0011】
また、本発明に係る玩具においては、前記案内部は、前記読取位置を通過した前記読取体を、前記玩具識別情報を読み取り可能な玩具識別位置に案内可能であるようにしても良い。
【0012】
また、本発明に係る玩具においては、前記玩具体は、全ての支持部における前記読取位置および前記玩具識別位置に前記読取体を案内する案内部を有しても良い。
【0013】
また、本発明に係る玩具においては、前記駆動部は、前記読取体が読み取った前記個別識別情報が所定の組み合わせの場合には、組み合わせに対応した駆動態様を採ることとしても良い。
【0014】
また、本発明に係る玩具においては、前記駆動部は、発音部、発光部、振動部の少なくとも一つを有することとしても良い。
【0015】
また、本発明に係る玩具においては、前記個別識別情報および前記玩具識別情報がICタグに書き込まれており、前記読取体がICタグリーダであることとしても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る玩具によれば、より変化に富んで面白い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかる第1実施形態の玩具であるベルトを装着したユーザの正面図である。
【図2】本発明にかかる第1実施形態の玩具であるベルトの正面図である。
【図3】メダルホルダの正面図である。
【図4】(A)はスキャナを前方から見た斜視図、(B)はスキャナを後方から見た斜視図である。
【図5】スキャナの内部構成を示すブロック図である。
【図6】ベルトにおけるメダル読取動作を示すフローチャートである。
【図7】変身音および必殺技音の発生を示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかる第2実施形態の玩具である武器の正面図である。
【図9】武器におけるメダル読取動作を示すフローチャートである。
【図10】通常の攻撃音、必殺攻撃音の出力を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1には、本発明にかかる第1実施形態の玩具としてのベルト20を装着したユーザ10が示されている。
玩具としてのベルト20は、テレビ番組等の主人公のヒーローが装着しているベルトを模したものであり、図1のように、ユーザ10も主に腰部11に着脱可能に装着して用い、当該ヒーローになりきる「なりきり遊び」をするためのものである。当該ヒーローは、番組上、ベルトにメダルを装着して、スキャナによって、ベルトに装着されたメダルを読み取り,装着されたメダルの組み合わせに基づいて所定の態様に変身したり、様々な必殺技を出したりする設定となっており、また、スキャナからは変身時や必殺技を出す際に発音、発光等をする設定となっている。ここで、「変身」とは、ヒーローがメダルに応じて,外観を頭部、胸部、胸部の部分ごとに変化させることを言う。
【0019】
まず、図2に示すように、ベルト20には、例えば3枚のメダル21(第1メダル211,第2メダル212,第3メダル213)が交換可能に装着できる。各メダル211,212,213はそれぞれ、番組上の設定としては、ヒーローの頭部、胸部、脚部の変身態様を指示するものである。例えば、番組上、ヒーローが頭部、胸部、脚部が各々6種類づつ変化できる設定である場合(すなわち、6×6×6=216種類の態様に変身できる設定)、には第1メダル211,第2メダル212,第3メダル213も6種類ずつ用意される。
なお、以後の説明において、メダルを総称する場合には,メダル21で表示し、各メダルを区別する場合には、第1メダル211,第2メダル212,第3メダル213で表示することとする。
【0020】
メダル21には、個別識別情報を記憶したICタグ26が埋め込まれており、表面には露出していない。ICタグ26としては、RFID(Radio Frequency Identification)タグを用いることができる。特に、スキャナ30からの電波をエネルギー源として動作するパッシブタイプのものを用いることにより、電池を内蔵する必要がなく、安価で且つほぼ恒久的に作動することができる。また、ICタグ26は、スキャナ30からの電波を受けて動作し、記憶している個別器識別情報を表す信号を発する。
【0021】
メダル21の個別化は様々な観点から行われて良い。例えば、ゴールドメダルやシルバーメダルのように、色によってICタグに記憶されている個別識別情報が異なるようにしても良い。また、番組上の設定としてメダルが指示するヒーローの変身態様に応じて、ICタグに記憶されている個別識別情報を異ならせても良い。例えば、動物の「タカ」をモチーフとした変身態様を指示するメダルと、動物の「トラ」をモチーフとした変身態様を指示するメダルと、虫の「バッタ」をモチーフとした変身態様を指示するメダルとでは、それぞれICタグに記憶されている個別識別情報を異ならせるといったことが考えられる。その場合、メダルの表面には、変身の態様を示す、例えばタカ、トラ、バッタ等の図柄を設けても良い。また、裏面には、それぞれのメダルが変身態様を指示する部位、すなわち、頭部、胸部、脚部のいずれかを表す図柄を設けることができる。これにより、メダル21の外見から個別識別情報を知ることができる。なお、本実施例においては、メダル21の個別識別情報によって、メダルの色(金か銀)、番組上の設定としてメダルが指示する変身態様のモチーフ(「タカ」、「トラ」、「バッタ」のような動物、虫の種類)が指定されるようになっている。
【0022】
図2に示すように、ベルト20は、ユーザ10が装着する玩具本体であるベルト本体22と、メダル21を交換可能に支持する支持部としてのスロット241,242,243を有する支持体であるメダルホルダ24(図3参照)と、スキャナ30をベルト本体22に着脱可能に収容するスキャナホルダ23と、複数のメダル21を着脱可能に保管しておくメダル保管部28を有する。メダルホルダ24は、ベルト20のバックル221に一体的に設けることができる。スキャナホルダ23は、スキャナ30を引っ掛けて保持する保持部231が設けられている。メダル保管部28は使用予定のメダル21を保持しておき、使用するメダル21を取り出してメダルホルダ24へ装着する。あるいは、メダルホルダ24から取り出した使用後のメダル21を保管しておく。スキャナホルダ23およびメダル保管部28は、ベルト本体22の任意の場所に取り付けることができるようになっている。
【0023】
図3にも示すように、メダルホルダ24は、複数個(本実施例では3個)のメダル211,212,213を交換可能に挿入できるように、複数個のスロット241,242,243を有する。すなわち、スロット241、242、243はメダル211、212、213を支持する支持部として機能する。また、メダルホルダ24には、ベルト20を他の玩具と識別するための玩具識別情報が付された玩具識別IC27が設けられている。玩具識別IC27は、スキャナ30からの電波を受けて、これをエネルギー源として動作し、付されている玩具識別情報を表す信号を発する。また、玩具識別情報による玩具間の個別化は、用途、形状、小売価格、番組内での役割、生産日時等、様々な観点から行われて良い。例えば、ベルト20と後述する武器50のように「なりきり遊び」上の役割で分け、それぞれ異なる玩具識別情報が付された玩具識別ICを内蔵させるようにしても良い。また、「なりきり遊び」上の役割としては同じ「ベルト」であっても、形状が違えば、玩具識別ICに付している玩具識別情報を異ならせても良い。このことによって、番組上、別々のヒーローが装着しているベルトはそれぞれ別の玩具として個別化でき、または、同じヒーローが装着しているベルトであっても番組内の設定としてパワーアップ前のベルトと、パワーアップ後のベルトとしてそれぞれ別の玩具として個別化することができる。本実施例においては、少なくともベルト20に内蔵されている玩具識別IC27に付された玩具識別情報は、玩具識別IC27を内蔵している玩具がベルト20であることを表している。
【0024】
メダルホルダ24には、スキャナ30がメダルホルダ24に支持されたメダル21の個別識別情報を読み取り可能な読取位置を通過するように、スキャナ30を案内する案内部25を有する。案内部25は、断面L字形状の部材が、メダルホルダ24の表面から突出するように、スロット241,242,243の近傍に設けられている。なお、本実施例においては、案内部21は、スロット241、242、243が並んでいる方向とほぼ平行に設けられている。また、案内部25およびメダルホルダ24は、ユーザ10による個別識別情報の読み取り時にスキャナ30の移動が容易になるように、ベルト本体22に対して傾斜(例えば、約24°)させることが可能となる様にベルト本体22に対して設けられている。
従って、スキャナ30を案内部25に沿って移動させることにより、スキャナ30は、メダル21の個別識別情報を読み取り可能な読取位置を通過でき、メダル21のICタグ26から個別識別情報を読み取ることができる。また、スキャナ30を案内部に沿って移動させることにより、スキャナ30は、メダル21のICタグ26から個別識別情報を読み取った後に、メダルホルダ24の玩具識別IC27から玩具識別情報を読み取ることができる玩具識別位置に案内される。このことにより、スキャナ30は、メダル21のICタグ26から個別識別情報を読み取った後に玩具識別IC27から玩具識別情報を自然に読み取ることができる。
【0025】
図4に示すように、スキャナ30は全体円板形状をしており、表面にはユーザ10の手を挿入してスキャナ30を把持する取っ手31を有する。取っ手31の内側には、タグリーダとしての機能を開始するための読取開始スイッチ32が設けられている。読取開始スイッチ32は、取っ手31を把持することによりONとされて、一旦ONされるとスキャナ30は一定時間メダル21の個別識別情報や玩具識別IC27の玩具識別情報を読み取り可能となる。従って、読取開始スイッチ32をONとして一定時間内に読取を行わないと、自動的にOFFとなって、読み取りできなくなり、電池の消耗を防ぐことができる。また、表面には、所定の台詞や,起動音、変身音、必殺技音等の音を発するスピーカ等の発音部34、光を発するLED等からなる発光部35が設けられ、内部にはスキャナ30を振動させる振動部36が設けられている(図5参照)。
なお、表面には、ヒーローのイメージに対応した模様を付しておくのが望ましい。
【0026】
スキャナ30の裏面には、ベルト本体22のスキャナホルダ23の保持部231(図2参照)に引っ掛けて保持するための係止部33を有する。係止部33は、上端部331を中心として裏面から離れる方向(図4(B)中矢印A方向)へ回動可能となっており、スキャナホルダ23に取り付ける際には回動するが、常時はバネ部材(図示省略)により裏面側へ付勢されている。これにより、スキャナホルダ23に係止されたスキャナ30は、脱落することなく保持される。
【0027】
また、スキャナ30の裏面には、送信アンテナ371および受信アンテナ372が設けられている。送信アンテナ371は、スキャナ30によってメダル21の個別識別情報を読み取る際に、後述する制御部40により制御されてメダル21のICタグ26に向けて電波を発するものであり、受信アンテナ372は、当該電波を受けてICタグ26から発せられた信号を受信する。また、送信アンテナ371は、スキャナ30によって玩具識別IC27の玩具識別情報を読み取る際に、後述する制御部40により制御されて玩具識別IC27に向けて電波を発するものであり、受信アンテナ372は当該電波を受けて玩具識別IC27から発せられた信号を受信する。
【0028】
図5には、ICタグリーダであるスキャナ30の内部構成が示してある。図5に示すように、スキャナ30の内部には、制御部40および電池41が設けられており、読取開始スイッチ32を介して接続されている。従って、読取開始スイッチ32をONにすると、所定時間だけ制御部40に電流が流れて、制御を開始する。
【0029】
制御部40には送信アンテナ371および受信アンテナ372が接続されており、読取開始スイッチ32がONされると、ICタグ26、玩具識別IC27に対して電波を発するよう送信アンテナ37を制御し、また、受信アンテナ372で受信されたメダル21のICタグ26から発せられた信号、メダルホルダ24の玩具識別IC27から発せられた信号のそれぞれが表す個別識別情報、玩具識別情報を判断し、後述するメモリ42の一時記憶領域に記憶させる(すなわち、個別識別情報、玩具識別情報を読み込む)。制御部40には、メモリ42が接続されており、所定の台詞,起動音、変身音、必殺技音等の音を発音部34から発生させるための音声データや、発光部35を所定のパターンで発光させるための発光データ、振動部36を所定のパターンで振動させるための振動データが記憶されている。また、少なくとも予め、所定のメダル21の個別識別情報の組み合わせおよびこれらの組み合わせに対する発音部34、発光部35、振動部36の動作データが記憶されているが、これに限られず、本実施例で後出する様々な音声データ、発光データ(発光パターンのデータ)、振動データを記憶しているのは勿論、考えられる様々なデータを記憶させておくことができる。また、メモリ42は、読み込まれたメダル21の個別識別情報および玩具識別情報を一時的に記憶する一時記憶領域を有している。制御部40には、駆動部43が接続されており、駆動部43には前述の発音部34,発光部35,振動部36が接続されている。
【0030】
次に、ベルト20におけるユーザ10の操作と、それに応じたベルト20の動作について説明する。
まず、図6に基づいて、メダル21の読取操作について説明する。スタートしたら(ステップSAS)、メダル保管部28に保管されている所望のメダル21を取り出して、メダルホルダ24のスロット241,242,243に装着する(ステップSA1)。所望の枚数のメダル21を装着し(ステップSA2)、装着が完了したら、スキャナ30をスキャナホルダ23から取り出す(ステップSA3)。スキャナ30の取っ手31に手を入れて把持することにより読取開始スイッチ32をONとする(ステップSA4)。これにより、制御部40は送信アンテナ371を駆動して、ICタグ26、玩具識別IC27に対する電波を発するよう送信アンテナ37を制御する。また、同時に制御部40はメモリ42から待機音を発生するための音声データを読み出し、発音部34を駆動して待機音を発し(ステップSA5)、ユーザ10はスキャナ30によってメダル21の個別識別情報、メダルホルダ24の玩具識別情報の読み取りが可能であることを知ることができる。待機音としては、例えば、「キュイーン」のような音を採用することができる。このとき、制御部40はメモリ42に記憶されているデータに基づいて、待機音に対応して、発光部35が光を発し、振動部36が振動するように制御するのが望ましい。
【0031】
ユーザ10が、待機音が発せられて(すなわち、読取開始スイッチ32がONとなって)から所定時間以内に読み取りを開始しない場合(ステップSA6)には、制御部40は読取開始スイッチ32をOFFにして終了する(ステップSA7)。逆にユーザ10が所定時間以内に読み取りを開始したときには、すなわち、ユーザ10は所定時間以内にスキャナ30をメダルホルダ24の案内部25に沿って移動させたことになる(ステップSA8)。制御部40は、1枚のメダル21を読み取るごとにメダル21を認識する(ステップSA9)。すなわち、個別識別情報、玩具識別情報を読取可能な状態のスキャナ30がメダル21の個別識別情報を読み取り可能な読取位置(本実施例においては、案内部25の上方であって各スロット241,242,243の近傍の位置)を通過すると、スキャナ30の送信アンテナ371から発せられている電波によって、メダル21内のICタグ26に電流が流れ、ICタグ26は信号を発する。ICタグ26から発せられた信号は、受信アンテナ372により受信される。制御部40は当該受信アンテナ372が受信した信号が表す個別識別情報を判断する。すなわち、メダル21の個別識別情報を読み取る。メダル21の個別識別情報を読み取ったとき、制御部40は、メモリ42からメダル認識音の音声データを読み出し、発音部34を駆動してメダル認識音を発するとともに、読み取った個別識別情報を、メモリ42の一時記憶領域に記憶する。メダル認識音としては、例えば、ゴールドメダルを読み取る場合には「キーン」、シルバーメダルを読み取る場合には「ギーン」のような音を用いることができる。また、読み取った個別識別情報は、メモリ42の一時記憶領域に記憶されているので、メダル21を2枚読み取ったときは、制御部40は、読み取った2枚のメダル21の個別識別情報がゴールドメダルを表すものであるか否かを判断することができる。ゴールドメダルの個別識別情報が2枚読み取られたと判断されたときは、制御部40は、2枚目のゴールドメダルの個別識別情報を読み取ったときに発せられるメダル認識音について、1枚目のゴールドメダルの個別識別情報を読み取ったときに発せられるメダル認識音から半音上げる等の変化をさせても良い。このとき、制御部40はメモリ42に記憶されているデータに基づいて、スキャン音に対応して、発光部35が光を発し、振動部36が振動するように制御するのが望ましい。
【0032】
そして、スキャナ30を案内部25に沿って動かし、メダル21の個別識別情報を読み取り可能な読取位置を通過させ、スロット241,242,243に挿入されている全てのメダル211、212、213の個別識別情報を読み取ったら、引き続いてメダルホルダ24に取り付けられている玩具識別IC27を読み取る(ステップSA10)。すなわち、スキャナ30を案内部25に沿って移動させることにより、メダル21の個別識別情報を読み取った後、スキャナ30は玩具識別IC27の玩具識別情報を読み取り可能な玩具識別位置に案内され、このときスキャナ30の送信アンテナ371から発せられている電波によって、玩具識別IC27に電流が流れ、玩具識別IC27は信号を発する。玩具識別IC27から発せられた信号は、受信アンテナ372により受信される。制御部40は当該受信アンテナ372が受信した信号が表す玩具識別情報を判断し、本実施例の場合、ベルト20であることを判断する。このように、スキャナ30を案内部25に沿って移動させることにより、メダル21の個別識別情報を読み取った後、玩具識別IC27の玩具識別情報も自然な操作で読み込まれ、制御部40はスキャナ30とともに遊ばれている玩具がベルト20であることを認識することができる。また、制御部40は、読み取った玩具識別情報をメモリ42の一時記憶領域に記憶させる。
【0033】
玩具識別IC27の玩具識別情報が読み取られると、制御部40はメモリ42から、メダル21の個別識別情報および玩具識別情報の読み取りを完了した読取完了音(スキャン完了音)を発生するための音声データを読み出し、発音部34を駆動して読取完了音を発生させる(ステップSA11)。なお、読取完了音を発生するための音声データは、メモリ42内において、玩具識別IC27の玩具識別情報毎に複数記憶されており、制御部40はメモリ42内の一時記憶領域内に記憶されている、直近で読み取った玩具識別情報を参照して、これに対応する読取完了音を発生するための音声データをメモリ42から読み出している。すなわち、本実施例においては、ベルト20の玩具識別情報に対応した読取完了音の音声データが読み出されている。例えば、「ズキューン」のような音を用いることができる。もちろん、このとき、制御部40はメモリ42に記憶されているデータに基づいて、読取完了音に対応して、発光部35が光を発し、振動部36が振動するように制御するのが望ましい。また、読取完了音は、玩具識別情報に対応したものであるから、これがベルト20以外の玩具識別情報であれば、異なった音声が出力されることは勿論である。次に、制御部40はメモリ42内の一部記憶領域に記憶された、読み取った第1メダル211、第2メダル212、第3メダル213の個別識別情報を参照して、各々の個別識別情報が指定するモチーフ(例えば、タカ、トラ、バッタ)を判断し、メモリ42に記憶されている当該モチーフに対応する音声(例えば、モチーフがタカならば「タカ」という音声、トラならば「トラ」という音声、バッタならば「バッタ」という音声)を発生するための音声データをメモリ42から読み出し、発音部34を駆動して音声を発生させる。以上で、読取を完了する(ステップSAE)。
【0034】
次に、図7に基づいて、読み取ったメダル21の個別識別情報に基づく動作について説明する。
番組の設定上、ヒーローはスキャナで読み取ったメダルの内容に応じて変身態様が変化し(例えば、頭部、胸部、脚部の変身態様がメダルが指定するモチーフに応じて変化する)、スキャナからは変身音が発せられる。これを再現するべく、まず制御部40は、メモリ42の一時記憶領域に記憶された玩具識別IC27の玩具識別情報を参照する(ステップSB1)。そして、本実施例の場合は、メモリ42の一時記憶領域に記憶された玩具識別情報はベルト20を表しているので、「メダル211,212,213の個別識別情報の組合せ」が、予めベルト20用としてメモリ42に記憶してある「所定のメダル21の個別識別情報の組合せ」と比較して、一致するかどうかを判断する。(ステップSB2)。読み取ったメダル21の個別識別情報の組合せが所定の組合せに一致しないと判断された場合(読み取られたメダル21の個別識別情報の個数が、所定の組合せを構成する個数に満たない場合(例えば、所定の組み合わせが個別識別情報3個分(メダル3枚分)の組合せからなる場合、読み取られた個別識別情報が1個または2個(メダル1枚分または2枚分)しかない場合)を含む)、制御部40はメモリ42から通常の変身音、例えば「ドゥイーン」等を発生するための音声データを読み出し、発音部34を駆動して音声を出力させる(ステップSB3)。
【0035】
一方、ステップSB2において所定の組合せに一致すると判断された場合には、制御部40は、その所定の組合せ用にメモリ42に記憶してある特殊な変身音,例えばメダル211,212,213が「タカ」、「トラ」、「バッタ」である場合には、頭文字をとって「タ・ト・バ、タトバ、タ・ト・バ」を発生するためのデータをメモリ42から読み出し、発音部34を駆動して音声を出力させる(ステップSB4)。このとき、制御部40は、メモリ42に記憶されているデータに基づいて、変身音に対応して、発光部35が光を発し、振動部36が振動するように制御するのが望ましい。
なお、メダルホルダ24に装着するメダル211,212,213の順番は問わず、読み取った個別識別情報の組合せが同じであれば、同じ組合せであると判断する(すなわち、タカ、トラ、バッタという順番で個別識別情報が読み取られていたとしても、タカ、バッタ、トラという順番で読み取られていたとしても、これらは同じタカ、トラ、バッタの個別識別情報の組合せと判断する)ようにすれば、使用者が子供であって,順番を間違えてメダルホルダ24に装着されたとしても、特殊な変身音の出力を楽しむことができる。
【0036】
また、ユーザ10が、通常の変身音または特殊な変身音の出力後、所定時間(例えば、3分)以内に再度スキャナ30でメダル21の個別識別情報、玩具識別IC27の玩具識別情報を読み取ることもあり得る(ステップSB5)。もし、ユーザ10が所定時間以内に再度スキャナ30でメダル21の個別識別情報、玩具識別IC27の玩具識別情報を読み取った場合、前述したのと同様に、1枚のメダルを読み取るごとにメダルを認識し(ステップSB6)、玩具識別IC27を読み取る(ステップSB7)。そして制御部40はメモリ42内の一時記憶領域に記憶されていた個別識別情報、玩具識別情報と、新しく読み取って一時記憶領域に記憶された個別識別情報、玩具識別情報を比較して、一致しているか否かを判断する(ステップSB8)。一致していると判断した場合は、メダル21を交換することなく再度読取を行ったことになるため、それに応じた読取完了音を発生する音声データをメモリから読み出し、発音部34を駆動して読取完了音を出力させる(ステップSB9)。さらに制御部40は、メダル21を交換することなく再度読取を行ったことに応じて、今度は変身音ではなく、メモリ42から必殺技音、例えば「スキャニングチャージ ライダーキック」という音声を発するための音声データを読み出し、発音部34を駆動して音声を出力させる(ステップSB10)。以上で、終了する(ステップSB11)。
一方、制御部40は、ステップSB5で所定時間内に個別識別情報等の再読取がない場合は、メモリ42の一時記憶領域に記憶されている個別識別情報等を消去して終了する(ステップSB12)また、ステップSB8で、メモリ42内の一時記憶領域に記憶されていた個別識別情報、玩具識別情報と、新しく読み取って一時記憶領域に記憶された個別識別情報、玩具識別情報とが一致しないと判断された場合は、ユーザ10がメダル21を交換して、あらためて読取を行ったことになるため、新しく読み取られた個別識別情報、玩具識別情報でメモリ42内の一時記憶領域に記憶されていた個別識別情報、玩具識別情報を上書更新し、図6のステップSA11へと戻り(矢印A)、新しく読み取られた玩具識別情報に応じた読取完了音を出力する。
【0037】
以上、説明した本発明にかかる第1実施形態のベルト20によれば、ベルト本体22は、スキャナ30が個別識別情報を読み取るメダル211,212,213を交換可能に支持するスロット241,242,243を有するので、メダル211,212,213を交換することにより読み取る個別識別情報を容易に変えることができる。
また、玩具本体22には、スキャナ30により個別識別情報を読み取る際に、スキャナ30が個別識別情報を読み取り可能な読取位置を通過するように案内する案内部25を有するので、スキャナ30により確実に個別識別情報を読み取ることができる。
また、玩具本体22には、当該玩具本体22を他の玩具本体と識別するための玩具識別情報が付された玩具識別IC27が設けられており、スキャナ30は案内部25に沿って移動することにより、確実に玩具本体22の識別ができる。これにより、読み取った個別識別情報と玩具識別情報の組み合わせに応じて駆動部43を駆動し、そのベルト20特有の態様を採ることができ、変化に富んで面白いベルト20を提供することができる。
【0038】
また、メダルホルダ24はメダル211,212,213を交換可能に支持するスロット241,242,243を複数有するので、複数のメダル21を用いることができる。また、案内部25は、全てのスロット241,242,243のメダル21の個別識別情報を読み取り可能な読取位置にスキャナ30を案内するので、全てのメダル21の個別識別情報を確実に読み込むことができる。
【0039】
また、スキャナ30が読み取った複数個の個別識別情報が所定の組み合わせの場合には、駆動部43が、組み合わせに対応した特殊な駆動態様を採るので、使用者等に驚きを与えることができる。
【0040】
また、駆動部43は、発音部34、発光部35、振動部36の少なくとも一つを駆動して、音声、光、振動またはこれらの組み合わせを表現することができるので、使用者等に驚きを与えることができる。
【0041】
また、個別識別情報および玩具識別情報を微小なICタグ26,玩具識別IC27に書き込んでいるので、メダル21やメダルホルダ24のデザインを変えることなくICタグ26や玩具識別IC27を所望の位置に埋め込むことができる。また、スキャナ30は、メダル21のICタグ26およびベルト本体22の玩具識別IC27に非接触あるいは接触して、情報を読み取る。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる第2実施形態の玩具としての武器50について説明する。なお、前述した第1実施形態にかかるベルト20と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
図8に示すように、玩具としての武器50は、番組の設定上、ヒーローが戦闘の際に使用するものを模したものであり、武器本体51およびメダル21を有する。そして、武器本体51に個別識別情報を付与された被識別部材であるメダル21を装着して、読取体であるスキャナ30により装着されたメダル21から個別識別情報を読み取り,読み取られた情報に基づいて所定の態様を採る。
【0043】
武器本体51は、ユーザ10が把持する柄部52と、柄部52に連続する刃部53を有する。刃部53には、メダル21を交換可能に支持する支持体としてのスロット54が設けられており、スロット54の先端には、メダル21を収容する支持部としての収容室541,542,543が設けられている。なお、収容室541、542、543は互いに連通しており、メダル21は収容室間を移動可能である。スロット54のメダル挿入口近傍には、スロット54に挿入されたメダル21の枚数をカウントするマイクロスイッチ55が設けられており、スロット54に挿入されたメダル21がマイクロスイッチ55をONした回数に応じて、後述する駆動制御部は挿入されたメダル21の枚数を把握している。
【0044】
刃部53の側面には、収容室541,542,543に沿って案内部56が設けられている。案内部56の先端付近には,第1実施例で示したベルト20ではなく、武器50であることを表す玩具識別情報が付された玩具識別IC57が設けられている。玩具識別IC57は、外部から視認できないように埋め込まれている。
【0045】
また、武器50は駆動制御部、駆動制御部と接続したメモリ、電池(いずれも図示省略)を有しており、また、駆動制御部は、柄部52に設けられた駆動スイッチ59、スピーカ等を備え音声を発生する発音部61、LED等を備え発光する発光部62、および、前述したマイクロスイッチ55と接続されている。また、案内部56の基端側には、スキャナ30を案内部56に載せたときに、スキャナ30と接触してONになる物理スイッチ58が設けられており、駆動制御部は、この物理スイッチ58とも接続されている。また、メモリは、駆動制御部が発音部61、発光部62を駆動して音声出力、発光をさせるための音声データ、発光パターンデータを記憶しており、また、前述のマイクロスイッチ55がONになった回数(すなわち、挿入されたメダル21の枚数)を記憶するカウント記憶領域を有する。さらに、メモリは、物理スイッチ58がONにされたことを記憶すする物理スイッチ状態記憶領域を有しており、駆動制御部は、物理スイッチ58が押し下げられONされると、この物理スイッチ状態記憶領域に物理スイッチ58がONされたことを表す情報を記憶する。ただし、駆動制御部は、物理スイッチ58がONされたことを表す情報を記憶させた後、所定時間経過した場合は、当該情報を消去する。
【0046】
以上のような構成において、ユーザ10が駆動スイッチ59を押すと、これに応じて、駆動制御部はメモリに記憶されたデータを読み出して、当該読み出したデータに基づいて、発音部62、発光部64を駆動して音声出力、発光を行わせる。なお、音声データ、発光パターンのデータを、マイクロスイッチ55がONになった回数(挿入されたメダル21の枚数)に応じてメモリに複数記憶しておき、駆動スイッチ59が押されたときに、メモリ内のカウント記憶領域を参照して、マイクロスイッチ55がONになった回数(挿入された、メダル61の枚数)に応じたデータをメモリから読み出すようにしても良い。例えば、マイクロスイッチ55がONになった回数(挿入されたメダル21の枚数)が多ければ多いほど、より迫力のある音とする等が考えられる。また、さらに上述の音声データ、発光パターンのデータを、物理スイッチ状態記憶領域に物理スイッチ58がONされたことを表す情報が記憶されているか否かに応じてメモリに複数記憶させておき、ユーザ10が駆動スイッチ59を押すと、これに応じて、駆動制御部は、物理スイッチ状態記憶領域を参照して、物理スイッチ状態記憶領域に物理スイッチ58がONされたことを表す情報が記憶されているか否かに応じたデータをメモリから読み出すようにしても良い。このことにより、武器50においてスキャナ30による読取動作が行われたか否かに応じて、メモリから読み出すデータが変化するので、例えば、スキャナ30による読取動作が行われていない場合(物理スイッチ状態記憶領域に物理スイッチ58がONされたことを表す情報が記憶されていない場合)は、通常の攻撃音が出力され、スキャナ30による読取動作が行われた後の場合(物理スイッチ状態記憶領域に物理スイッチ58がONされたことを表す情報が記憶されている場合)は、必殺技を表す、より迫力のある必殺攻撃音を出力させる等が可能となる。また、このとき、通常の攻撃音、必殺攻撃音について、それぞれマイクロスイッチ55がONになった回数(挿入されたメダル21の枚数)に応じて前述のように変化させても良い。
【0047】
次に、図9に基づいて、武器50におけるユーザ10によるメダル21の読取動作、それに伴うスキャナ30の動作、武器50の動作、必殺技音の発生について説明する。
スタートしたら(ステップSCS)、ベルト20のメダル保管部28に保管されているメダル21を取り出して、武器50のスロット54に順次挿入する(ステップSC1)。挿入したメダル21の枚数を、マイクロスイッチ55がカウントする(ステップSC2)。より詳細にいえば、マイクロスイッチ55がメダル21の通過によってONされる毎に、マイクロスイッチ55に接続されている駆動制御部がメモリ内のカウント記憶領域を更新することで、挿入したメダル21の枚数をカウントしている。所望の枚数のメダル21を装着し、装着が完了したら(ステップSC3)、スキャナ30をベルト20のスキャナホルダ23から取り出す(ステップSC4)。
【0048】
スキャナ30の取っ手31に手を入れて把持することにより読取開始スイッチ32をONにすると、第1実施例同様、制御部40は送信アンテナ371を駆動してICタグ26、玩具識別IC57に対して電波を発するよう送信アンテナ37を制御する。また、同時に制御部40はメモリ42から待機音の音声データを読み出し、発音部34を駆動して待機音を発し、ユーザ10はスキャナ30によってメダル21の個別識別情報、玩具識別IC57の玩具識別情報の読み取りが可能であることを知ることができる。そして、ユーザ10が、この状態でスキャナ30を案内部56に沿って移動する(ステップSC5)。このとき、スキャナ30が物理スイッチ58に接触してこれをONとし(ステップSC6)、物理スイッチ58と接続された武器50の駆動制御部は、メモリ内の物理スイッチ状態記憶領域に物理スイッチ58がONになったことを表す情報を記憶させる。そして、メダル21のICタグ26および武器50の玩具識別IC57を読み取る(ステップSC7)。すなわち、第1実施例と同様に、個別識別情報、玩具識別情報を読取可能な状態のスキャナ30がメダル21の個別識別情報を読み取り可能な読取位置(本実施例においては、案内部56の上方であって収容室541,542,543の近傍の位置)を通過すると、スキャナ30の送信アンテナ371から発せられている電波によって、メダル21内のICタグ26に電流が流れ、ICタグ26は信号を発する。ICタグ26から発せられた信号は、受信アンテナ372により受信される。制御部40は当該受信アンテナ372が受信した信号が表す個別識別情報を判断する。すなわち、メダル21の個別識別情報を読み取る。また、メダル21の個別識別情報を読み取ったとき、制御部40は、メモリ42からスキャン音の音声データを読み出し、発音部34を駆動してメダル認識音を発するとともに、読み取った個別識別情報を、メモリ42の一時記憶領域に記憶する。そして、メダル21の個別識別情報を読み取り可能な読取位置を通過させ、収容室541,542,543に挿入されている全てのメダル21の個別識別情報を読み取った後、スキャナ30は案内部56により玩具識別IC57の玩具識別情報を読み取り可能な玩具識別位置に案内され、このときスキャナ30の送信アンテナ371から発せられている電波によって、玩具識別IC57に電流が流れ、玩具識別IC57は信号を発する。玩具識別IC57から発せられた信号は、受信アンテナ372により受信される。制御部40は当該受信アンテナ372が受信した信号が表す玩具識別情報を判断し、本実施例の場合、武器50であることを判断する。また、制御部40は、読み取った玩具識別情報をメモリ42の一時記憶領域に記憶させる。
【0049】
その後、制御部40は、メモリ42の一時記憶領域に記憶されている玩具識別IC57の玩具識別情報(すなわち、武器50であることを表す玩具識別情報)を参照して、メモリ42から、武器50であることを表す玩具識別情報に対応する読取完了音を発生させるためのデータを読み出し、発音部34を駆動して読取完了音を発生させる(ステップSC8)。なお、武器50であることを表す玩具識別情報に対応する読取完了音は、ベルト20を表す玩具識別情報に対応する読取完了音とは異なる音(例えば、より低音の音等)である。したがって、読み取られたメダル21の個別識別情報が同じであっても、その後に読み取られる玩具識別情報がベルト20のものであるか、武器50であるかによって、読取完了音を異ならせることができる。また、本実施例のように、メダル21を支持部によって玩具に支持させる構成とするならば、読取動作時にメダル21を支持している玩具に応じて、読取完了音を異ならせることができる。また、以後のスキャナ30の動作は、以下に示すように第1実施例のベルト20で読取操作を行った場合とは、異なる動作をする。すなわち、スキャナ30は、読み取った玩具識別情報に応じて読取完了音が変化するだけでなく、読取完了音以後の動作についても変化するようになっている。
【0050】
さて、読取完了音出力後について図10を参照して説明する。制御部40は、メモリ42内の一時記憶領域を参照し(ステップSD1)、記憶されているメダル21の個別識別情報の個数を判断し(ステップSD2)、当該個別識別情報の個数に応じた必殺技音を発生するデータをメモリ42から読み出し、発音部34を駆動して、必殺技音を出力させる(ステップSD3)。すなわち、記憶されている個別識別情報が1個の場合(すなわち、個別識別情報が読み取られたメダル21が1枚の場合)、「シングル スキャニングチャージ」という音声を発生し、2個の場合は「ダブル スキャニングチャージ」、3個の場合は「トリプル スキャニングチャージ」という音声を発生する。このように、スキャナ30は、第1実施例のベルト20で読取動作をした場合の動作(各メダルのモチーフに応じた音声を出力し、そのメダルの組合せに応じた変身音を出力する等)とは異なる動作を行う。
【0051】
なお、必殺技音を発生した後、ユーザ10が武器50の駆動スイッチ59がONされると(ステップSD4)、武器50の駆動制御部はメモリ内の物理スイッチ状態記憶領域を参照し、物理スイッチ58がONになったことを表す情報が記憶されているか否かを判断する(ステップSD5)。もし、物理スイッチ58がONされたことを表す情報が記憶されていると判断した場合は、物理スイッチ58がONされたことを表す情報が記憶されていることに応じたデータ(例えば、必殺攻撃を演出するためのデータ等)をメモリから読み出し、当該読み出されたデータに基づいて、発音部61、発光部62を駆動して音声出力、発光を行わせる(ステップSD6)。また、ステップSD5で物理スイッチ58がONされたことを表す情報が記憶されていないと判断した場合は、物理スイッチ58がONされたことを表す情報が記憶されていないことに応じたデータ(例えば、通常の攻撃を演出するためのデータ等)をメモリから読み出し、当該読み出されたデータに基づいて、発音部61、発光部62を駆動して音声出力、発光を行わせる(ステップSD7)。このことにより、スキャナ30がメダル21の個別識別情報を読み取る前(物理スイッチ58が押される前)、すなわち、スキャナ30から必殺技音が発生される前と、読み取った後(物理スイッチ58が押された後)、すなわち、スキャナ30から必殺技音が発生された後とで、ユーザ10が駆動スイッチ59を押したときに武器50から発生する音等を変化させることができ、すなわち、前者のときは必殺攻撃音ではなく通常の攻撃音、後者のときは必殺技を表すより迫力のある必殺攻撃音にする等である。
【0052】
また、駆動スイッチ59がユーザ10によってONされたとき、駆動制御部はメモリ42の物理スイッチ状態記憶領域と同時にカウント記憶領域を参照するようにして、メモリ42から読み出すデータを、さらにカウント記憶領域に記憶されたマイクロスイッチ55がONになった回数(挿入された、メダル61の枚数)に応じたデータとすることもできる。このことにより、制御部40は、メモリ42から物理スイッチ状態記憶領域に物理スイッチ59がONされたことを表す情報が記憶されていることに応じ、かつ、カウント記憶領域に記憶されたマイクロスイッチ55がONになった回数に応じたデータを読み出すことができるようになる。カウント記憶領域に記憶されたマイクロスイッチ55がONになった回数と、スキャナ30のメモリ42の一時記憶領域に記憶されている読み取られたメダル21の個別識別情報の個数とは一致するはずであるため、スキャナ30で個別識別情報の個数に応じた音声(例えば、3個記憶されていた場合の音声である「トリプル スキャニングチャージ」)が出力された後、駆動スイッチ59をユーザ10がONすると武器50から出力される必殺攻撃音も、挿入されたメダル21の枚数(例えば、マイクロスイッチ55がONになった回数が3回)に応じたものとなるので、スキャナ30で出力される音声と、武器50で出力される音声とをどちらもメダル21の枚数に応じたものとすることができる。
【0053】
以上、説明した本発明にかかる第2実施形態の武器50によれば、前述した第1実施形態のベルト20と同様の効果を得ることができ、メダル21を交換することにより付与される個別識別情報を容易に変えることができ、変化に富んで面白い武器50を提供することができる。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係る玩具は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。
【0055】
また、前述した実施形態では、3枚のコイン21を用いる場合を例示したが、コイン21の枚数は限定しない。また、変身の組合せも任意に設定することができる。
また、前述した実施形態では、RFIDタグを用いて非接触でスキャンする場合を例示したが、接触式にも適用可能である。
さらに、コイン21のICタグ26としてパッシブタイプを例示したが、コイン21の内部に電池を内蔵するアクティブタイプを使用することも可能である。
【符号の説明】
【0056】
20 ベルト(玩具)
21 メダル(被識別部材)
22 ベルト本体(玩具本体)
24 メダルホルダ(支持体)
241,242,243 スロット(支持部)
25 案内部
27、57 玩具識別IC(玩具識別部)
30 スキャナ(読取体)
34 発音部
35 発光部
36 振動部
43 駆動部
50 武器(玩具)
51 武器本体(玩具本体)
54 スロット(支持体)
541,542,543 収容室(支持部)
56 案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具本体と、
個別識別情報を付与された被識別部材と、
前記被識別部材から前記個別識別情報を読み取る読取体と、を有し、
前記玩具本体は、前記読取体によって読取可能な、当該玩具本体を他の玩具本体と識別するための玩具識別情報が付された玩具識別部が設けられており、
前記読取体は、前記被識別部材から読み取った前記個別識別情報と、前記個別識別情報を読み取った後に前記玩具本体から読み取った前記玩具識別情報との組み合わせに応じて駆動可能な駆動部を有することを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記玩具本体は、前記被識別部材を交換可能に支持する支持部を有することを特徴とする請求項1記載の玩具。
【請求項3】
前記支持部は複数設けられていることを特徴とする請求項2記載の玩具。
【請求項4】
前記玩具本体は、前記読取体が前記支持部に支持された前記被識別体の前記個別識別情報を読み取り可能な読取位置を通過するように前記読取体を案内する案内部と、を有することを特徴とする請求項2または3記載の玩具。
【請求項5】
前記案内部は、前記読取位置を通過した前記読取体を、前記玩具識別情報を読み取り可能な玩具識別位置に案内可能である、ことを特徴とする請求項4記載の玩具。
【請求項6】
前記玩具体は、全ての支持部における前記読取位置および前記玩具識別位置に前記読取体を案内する案内部を有することを特徴とする請求項3に記載の玩具。
【請求項7】
前記駆動部は、前記読取体が読み取った前記個別識別情報が所定の組み合わせの場合には、組み合わせに対応した駆動態様を採ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項8】
前記駆動部は、発音部、発光部、振動部の少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の玩具。
【請求項9】
前記個別識別情報および前記玩具識別情報がICタグに書き込まれており、前記読取体がICタグリーダであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−10760(P2012−10760A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147809(P2010−147809)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【特許番号】特許第4707157号(P4707157)
【特許公報発行日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】