説明

現位置重合を通じて基体に付加された超吸収剤を含む高性能吸収性構造体

【課題】パーソナルケア吸収性物品及び医療用吸収性物品などに有用な安定した吸収性構造体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、2001年12月14日出願の米国特許出願第10/017,681号の一部継続出願であり、その開示内容は、引用により組み込まれる。
本発明は、パーソナルケア吸収性物品及び医療用吸収性物品などに有用な安定した吸収性構造体に関するものであり、モノマー又は触媒などを含有する1つ又はそれ以上のポリマー前駆体流を予備形成基体に付加し、前駆体流が基体と接触した後に現位置で超吸収性ポリマーを形成することにより、吸収性材料の超吸収性ポリマー成分が形成される。
【背景技術】
【0002】
超吸収性ポリマー成分を有する吸収性複合材料の製造工程は公知である。様々な工程において、予備形成超吸収性ポリマー粒子又は繊維は、ウェブ形成工程においてセルロース繊維及び熱可塑性繊維などと結合され、複合ウェブ構造体を製造する。例示的な工程は、ラウに付与された米国特許第4,818,464号、アンダーソン他に付与された米国特許第4,100,324号、ジョージャー他に付与された米国特許第5,350,624号、及びエシュウェイ他に付与された米国特許第4,902,559号に開示されている。これらの工程は、一般的に「コフォーム」工程と呼ばれる。
【0003】
更に、超吸収性ポリマーが繊維性基体に加えられる前に前駆体モノマーから単に部分的に形成される工程は公知であり、重合は、部分的に重合したモノマーが基体と接触した後に完了する。ツチヤ他に付与された米国特許第5,962,068号は、繊維性基体を含む水吸収性複合物及び水吸収性ポリマー粒子を開示している。水吸収性ポリマーは、繊維性基体に加えられる前に酸化還元開始剤の助けによって部分的に重合する。部分的に重合した材料は、滴下する方法で基体に加えられ、こうして重合反応は完了する。
公知の工程に共通する1つの特徴は、超吸収性材料を繊維性基体に加えることができる前にそれを重合又は部分的に重合するための少なくともいくつかの別々の工程段階を必要とするということである。言い換えると、いずれの工程も繊維性基体内に超吸収性ポリマーを完全に形成するわけではない。
【0004】
定義
「セルロース繊維」という用語は、木質植物又は非木質植物のような天然資源からの繊維、再生セルロース、及び、化学的、機械的、又は熱処理、又はこれらの任意の組合せの手段によるこれらの繊維からの誘導体を意味する。木質植物は、例えば、落葉樹及び針葉樹を含む。非木質植物は、例えば、綿、亜麻、アフリカハネガヤ、トウワタ、麦わら、黄麻大麻、及びバガスを含む。再生セルロース繊維は、例えば、ビスコース及びレーヨンを含む。セルロース誘導体は、例えば、微結晶性セルロース、化学的架橋結合繊維、及び化学的非架橋結合より合わせ繊維を含む。
【0005】
「平均パルプ繊維長」という用語は、フィンランドカヤーニ所在の「Kajaani Oy Electronics」から入手可能な「カヤーニ繊維分析器型番FS−100」を用いて判断したパルプの加重平均長を意味する。試験手順の下で、繊維サンプルは、繊維束又は破片がないことを確実にするために浸軟液で処理される。各繊維サンプルを温水に分散し、約0.001%濃度に希釈する。個々の試験サンプルは、希釈液から約50から500ml分量を取り出し、標準カヤーニ繊維分析手順を用いて試験される。加重平均繊維長は、以下の式で表すことができる。

Σ(Xi*i/n)
i>0
ここで、k=最大繊維長、Xi=個々の繊維長、ni=Xiの長さを有する繊維の数、及びn=測定した繊維の全数である。
【0006】
「メルトブローン繊維」という用語は、溶融した熱可塑性材料を、複数の微細な通常は円形のダイ毛細管を通して、収束する高速高温気体(例えば、空気)流の中へ溶融糸又はフィラメントとして押し出し、溶融熱可塑性材料のフィラメントが気体流によってその直径がミクロ繊維の直径までにも細められることにより形成される繊維を意味する。その後、メルトブローン繊維は、高速気体流により運ばれて集積面に堆積し、不規則に分散したメルトブローン繊維のウェブを形成する。このような工程は、例えば、ブチン他に付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。メルトブローン繊維は、連続的又は非連続的とすることができるミクロ繊維であり、一般的に直径10ミクロンよりも小さく、集積面上に堆積すると一般的に自己結合するものである。
【0007】
「スパンボンド繊維」という用語は、溶融した熱可塑性材料を円形又は他の形状を有する紡糸口金の複数の微細な毛細管からフィラメントとして押し出し、次に、押し出されたフィラメントの直径を、例えば、アッペル他に付与された米国特許第4,340,563号、ドーシュナー他に付与された米国特許第3,692,618号、マツキ他に付与された米国特許第3,802,817号、キニーに付与された米国特許第3,338,992号及び第3,341,394号、ハートマンに付与された米国特許第3,502,763号、ピーターセンに付与された米国特許第3,502,538号、及びドボ他に付与された米国特許第3,542,615号におけるように急速に縮小することにより形成される小直径繊維を意味する。スパンボンド繊維は急冷され、取出ユニットに入る際又は集積面上に堆積する際に一般的に表面は粘着性がない。スパンボンド繊維は、ほぼ連続しており、平均直径が7ミクロンよりも大きく、多くの場合に約10と30ミクロンの間とすることができる。
【0008】
「ステープル長フィラメント又は繊維」という用語は、天然であるか又はウェブに形成する前に製造フィラメントから切断され、約0.1−15cm、より一般的には約0.2−7cmの範囲の長さを有するフィラメント又は繊維を意味する。
「実質的に連続したフィラメント又は繊維」という用語は、限定はしないがスパンボンド繊維及びメルトブローン繊維を含む紡糸口金から押し出して調製されたフィラメント又は繊維であって、繊維性ウェブに形成される前にそれらの元の長さから切断されないものを意味する。実質的に連続したフィラメント又は繊維は、約15cmを超える長さから1メートルを超える長さまで、そして最大で形成される繊維性ウェブの長さまでの範囲の長さを有することができる。「実質的に連続したフィラメント又は繊維」の定義は、繊維性ウェブに形成される前には切断されないが、後に繊維性ウェブが切断される時に切断されるものを含む。
【0009】
「基体」という用語は、セルロースウェブ(例えば、ティッシュ、紙タオル、他の紙品目、厚紙、及び他の木材品目など)を含むウェットフォーム又はドライフォーム(例えば、ボンデッドカーデッドウェブ、スパンボンドウェブ、メルトブローンウェブ、交差堆積スクリム、及び空気堆積ウェブなど)とすることができる不織基体、織り基体(例えば、布又はスクリムなど)、フィルム基体、及び発泡基体などを含む。基体は、非伸張性、伸張性、非弾力性、弾力性、疎水性、及び親水性などとすることができる。
【0010】
「不織ウェブ」という用語は、交錯しているが編まれた布のような識別できる方法によらない繊維又はフィラメントの構造を有するウェブを意味する。「繊維性」ウェブは、不織ウェブ、並びに繊維が識別可能(例えば、規則的)な方法で交錯した繊維性ウェブを含む。「繊維」及び「フィラメント」という用語は、本明細書では交換可能に用いられる。不織ウェブは、例えば、メルトブローン工程、スパンボンド工程、空気堆積工程、及びボンデッドカーデッドウェブ工程のような多くの工程で形成されている。この用語はまた、空気を通過させるために穿孔されたか又は他の方法で処理されたフィルムを含む。不織布の秤量は、通常は平方ヤード当たりの材料のオンス(osy)又は平方メートル当たりのグラム(gsm)で表され、繊維直径は、通常はミクロンで表される。(osyからgsmへの換算は、osyに33.91を掛けることに注意されたい。)
【0011】
「ポリマー」という用語は、一般的に、以下に限定はしないが、ホモポリマーと、ブロック、グラフト、ランダム、及び交互コポリマーを含むコポリマーと、ターポリマーなどと、それらの配合物及び修飾物とを含む。更に、特に別段の制限がない限り、「ポリマー」という用語は、材料の可能な全ての幾何学的立体配置を含むものとする。これらの立体配置は、以下に限定はしないが、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びアタクチック対称性を含む。
【0012】
「水和性」及び/又は「親水性」という用語は、水、合成尿、又は0.9重量パーセント水性食塩液のような液体を90℃よりも小さい空気接触角で示す繊維に言及することを意味する。接触角は、例えば「ASTM D724−89」によって判断することができる。
「熱可塑性」という用語は、熱に露出すると柔軟になって流動化し、室温まで冷やすと実質的にその元の硬化状態に戻る材料を表すように意味する。
【0013】
「超吸収性ポリマー前駆体組成物」という用語は、混合した時に化学的に反応して超吸収性ポリマーを形成する任意の及び全ての溶液を意味する。各溶液は、オリゴマー、モノマー、架橋結合試薬、中和剤、又は開始剤の任意の組合せから成ることができる。単一溶液のみが用いられる事例においては、全ての望ましい成分は、上述の溶液中にあるべきであり、開始剤は、その後の活性化段階(例えば、加熱又は照射)を必要とするはずである。2つ又はそれ以上の溶液が用いられる事例においては、開始剤は、限定はしないが化学的酸化還元対であることが最も多い。酸化ラジカル発生剤及び還元剤から成る酸化還元対を開始剤として用いる時は、酸化ラジカル発生剤及び還元剤は、別々の溶液中になければならない。酸化ラジカル発生剤又は還元剤の溶液はまた、オリゴマー、モノマー、架橋結合試薬、又は中和剤の任意の組合せを含むことができる。
【0014】
「超吸収性材料」という用語は、最も好ましい条件の下で、塩化ナトリウム0.9重量%を含有する水溶液中で材料重量の少なくとも約15倍、好ましくは材料重量の少なくとも20倍を吸収することができる水膨潤性で水不溶性の有機又は無機材料を意味する。「吸収性材料」という用語は、同じ溶液について材料重量の約5倍から約15倍よりも低く吸収することができる任意の材料を意味する。
「パーソナルケア吸収性物品」という用語は、おむつ、トレーニングパンツ、水着、吸収性下着、成人用失禁製品、及び女性用衛生製品などを含む。
【0015】
「医療用吸収性物品」という用語は、医療用吸収性衣類、ドレープ、ガウン、包帯、及びワイプなどを含む。
「運動用吸収性物品」という用語は、吸収性運動靴下、パンツ、サポーター、ブラジャー、ショーツ、シャツ、スウェットバンド、及びヘルメットライナなどを含む。
「作業着吸収性物品」という用語は、実験着、つなぎ服、及び安全帽ライナなどを含む。
「ティッシュ及びタオル物品」という用語は、顔面用及び化粧室用ティッシュ、ペーパータオル、及びウェットワイプなどを含む。
【0016】
【特許文献1】米国特許出願第10/017,681号
【特許文献2】米国特許第4,818,464号
【特許文献3】米国特許第4,100,324号
【特許文献4】米国特許第5,350,624号
【特許文献5】米国特許第4,902,559号
【特許文献6】米国特許第5,962,068号
【特許文献7】米国特許第3,849,241号
【特許文献8】米国特許第4,340,563号
【特許文献9】米国特許第3,692,618号
【特許文献10】米国特許第3,802,817号
【特許文献11】米国特許第3,338,992号
【特許文献12】米国特許第3,341,394号
【特許文献13】米国特許第3,502,763号
【特許文献14】米国特許第3,502,538号
【特許文献15】米国特許第3,542,615号
【特許文献16】米国特許第6,024,438号
【特許文献17】米国特許第6,019,457号
【特許文献18】米国特許第5,875,969号
【発明の開示】
【0017】
本発明は、繊維性ウェブ、発泡スクリム、又は他の適切な材料のような基体が最初に少なくとも部分的に形成される吸収性構造体を製造する工程に関する。次に、1つ又はそれ以上の超吸収性ポリマー前駆体組成物を繊維性ウェブに加え、重合反応を繊維性ウェブ上及び/又は繊維性ウェブ内で完全に実行することにより、超吸収性ポリマーが基体上又は基体内の所定位置に完全に形成される。
超吸収性ポリマー前駆体組成物は、基体に付加され、制御された大きさ及び間隔を有する所定の制御された位置で反応させられる。化学反応によって所定の制御された位置で前駆体組成物から超吸収性ポリマーが形成され、基体に付着される。毛細管チャンネルが、超吸収性ポリマーの制御された位置の間の基体内に設けられる。これらの位置の大きさ及び間隔は、超吸収性ポリマーが完全に膨潤した時に超吸収性ポリマーの2つの領域がそれらの間の毛細管チャンネルを塞がないように制御される。言い換えると、超吸収性ポリマーの2つの領域は、互いに接触しないことになる。
【0018】
基体は、毛細管が形成された発泡スクリム、又は、吸収性及び/又は他の親水性繊維及び任意的に熱可塑性繊維及び他の成分又は別の適切な材料を含む繊維性ウェブとすることができる。少なくとも1つ及び望ましくは2つの超吸収性ポリマー前駆体組成物が提供される。1つの超吸収性ポリマー前駆体組成物のみが提供される場合には、それは、化学反応を実行するのに必要な全ての成分(モノマー及び触媒など)を含まなければならない。2つの超吸収性ポリマー前駆体組成物が提供される場合には、それらの一方はモノマー含み、他方は重合開始剤を含むことができる。代替的に、各前駆体組成物は、化学的酸化還元対(酸化ラジカル発生剤及び還元剤)の対応する成分を含むことができ、更に、一方又は両方の前駆体組成物はまた、オリゴマー、モノマー、架橋結合試薬、及び/又は中和剤の任意の組合せを含むことができる。少なくとも後者においては、重合反応は自然に進行し、2つの前駆体組成物が結合すると開始される。
【0019】
超吸収性ポリマー前駆体組成物は、精密非接触工程を用いて所定の制御された位置で基体に加えられる。適切な非接触工程は、精密非接触印刷工程、例えばインクジェット印刷工程を含む。「精密」非接触工程は、印刷装置と基体の間のいかなる機械的接触もなしに、超吸収性ポリマー組成物を高度に制御された大きさ及び間隔の個別のミクロドメイン位置に付加することができるものである。2つの超吸収性ポリマー前駆体組成物が用いられる場合には、それらが最初に基体上又は基体内で互いに接触するように、それらを別々に加えることができる。少なくとも一方及び適切には両方の前駆体組成物は、精密非接触工程を用いて付加される。前駆体組成物及び処理条件は、超吸収性ポリマーを製造するための重合反応が基体上又は基体内で完全に進行するように選択される。
【0020】
その結果、超吸収性ポリマーは、基体又は繊維のような基体成分の表面上に直接形成される。得られる吸収性構造体は、超吸収性ポリマーが基体に付着して基体内又は基体から離れて移動しない制御されて安定した組成を有する。超吸収性ポリマー領域の制御された大きさ及び間隔のために、毛細管作用は、超吸収剤が吸収によって完全に膨潤している時でさえ領域間で維持され、ゲルブロッキングが回避される。
初期重合が起こった状態で、付加的な表面架橋結合も超吸収性ポリマー領域上で実行することができる。表面架橋結合は、吸収性構造体の吸収特性を強化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明により、予備形成基体が提供される。基体は、繊維性ウェブ、発泡スクリム、又は別の適切な材料とすることができる。基体は、例えば、吸収性及び/又は他の親水性繊維の約25−100重量%及び熱可塑性繊維の約0−75重量%、適切には、吸収性及び/又は他の親水性繊維の約50−100重量%及び熱可塑性繊維の約0−50重量%、望ましくは、吸収性及び/又は他の親水性繊維の約60−90重量%及び熱可塑性繊維の約10−40重量%を含有する不織ウェブとすることができる。基体(例えば、繊維性ウェブ)は、任意の従来の技術を使用して形成することができる。
【0022】
適切な態様においては、親水性繊維は、セルロース繊維を含む。セルロース繊維の例は、以下に限定はしないが、木質パルプ繊維、木質パルプ綿毛、巻きパルプ繊維、微結晶性セルロース、微小繊維セルロース、及び綿などを含む。他の親水性繊維もまた、吸収性ステープル長繊維と同様に用いることができる。予備形成超吸収粒子又は繊維もまた含むことができる。本発明の目的のために、超吸収性ポリマーは、以下のように現位置で形成される。
【0023】
熱可塑性繊維が用いられる時、熱可塑性繊維は、メルトブローン繊維を含むことができる。メルトブローン繊維は、以下に限定はしないが、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン、又はスチレンブタジエンブロックコポリマーなどを含む熱可塑性ポリマーから形成することができる。適切なポリオレフィンは、以下に限定はしないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンと他のアルファオレフィンとのコポリマー、プロピレンと他のアルファオレフィンとのコポリマー、ブチレンと他のアルファオレフィンとのコポリマー、及びその組合せを含む。親水性繊維、メルトブローン繊維、及び他の任意の成分を含む吸収性不織ウェブ形成の工程は、ジョージャー他に付与された米国特許第5,350,624号、ラウに付与された米国特許第4,818,464号、及びアンダーソン他に付与された米国特許第4,100,324号に開示されており、その開示内容は、引用により組み込まれている。
【0024】
熱可塑性ポリマーが用いられる時、熱可塑性ポリマーは、メルトブローン繊維に対して有用であるとして上述した任意の熱可塑性ポリマーからも形成されるスパンボンド繊維を含むことができる。親水性繊維、スパンボンド繊維、及び他の任意の成分を含む吸収性不織ウェブ形成の工程は、エシュウェイ他に付与された米国特許第4,902,559号に開示されており、その開示内容は、引用により組み込まれている。
【0025】
本発明により、1つ又はそれ以上の超吸収性ポリマー前駆体組成物を基体に付加し、基体に加えた後に化学的に反応(重合)させて吸収性ウェブ構造体が作られる。超吸収性ポリマー前駆体組成物は、基体と前駆体組成物を付加する装置との間で接触しないインクジェット印刷のような精密非接触工程を用いて加えられる。非接触(例えば、インクジェット印刷)工程は、超吸収性ポリマー前駆体組成物を、菱形、正方形、円形、三角形、多角形、及び他の特定の規則的又は不規則的幾何学形状を含む様々な規則的印刷パターンに付加することができる。完成形状は、僅かに小さ厚みの上述の形状から、例えば、多面体、球形、及び楕円体などのような完全に形成された三次元形状までに及ぶことができる。適切なインクジェット印刷工程は、コイケ他に付与された米国特許第6,024,438号、シルバーブルックに付与された米国特許第6,019,457号、及びルースIII世に付与された米国特許第5,875,969号に説明されており、その開示内容は、引用により組み込まれている。
【0026】
超吸収性ポリマー前駆体組成物は、基体上又は基体内の所定の制御された位置で超吸収性ポリマー領域を形成するために付加される。超吸収性ポリマー領域は、たとえ超吸収性ポリマー領域が最大液体吸収によって完全に膨潤している時でも超吸収性ポリマーの2つの領域が決して領域間の毛細管を塞がないように、規則的な大きさ及び間隔を有する。言い換えると、隣接する超吸収性ポリマー領域は、膨潤した時に互いに接触しないことになる。
【0027】
以上の原理を図で説明する。図1は、繊維性ウェブ基体12及び超吸収性ポリマー領域14を含む吸収性構造体10を説明するものである。超吸収性ポリマー領域14は、乾燥非膨潤状態にある。毛細管を通して水性液体が通過することができる毛細管16は、各隣接する一対の超吸収性ポリマー領域14の間に存在する。
図2は、超吸収性ポリマー領域14が多少の水性液体の吸収によって膨潤の中間段階を示すことを除いて、同じ吸収性構造体10を説明するものである。図3は、超吸収性ポリマー領域14が最大の水性液体の吸収によって最大膨潤を示すことを除いて、同じ吸収性構造体10を説明している。超吸収性ポリマー領域14が液体吸収によって膨潤する時に、超吸収性ポリマー領域の間の毛細管16はより小さくなる。しかし、図3で説明するように、たとえ最大膨潤においてさえも、隣接する超吸収性ポリマー領域14は互いに接触せず、毛細管16は閉じず又は塞がれない。
【0028】
以上の目的を達成するために、超吸収性ポリマー領域が膨潤した状態においては、規則的な領域直径を有するべきである。「領域直径」という用語は、超吸収性ポリマー領域を通して一方側から反対側へ引くことができる直線の最大の長さを意味する。「規則的領域直径」という用語は、吸収性構造体10内に現位置で形成された超吸収性ポリマー領域14の領域直径の標準偏差が、超吸収性ポリマー領域14が完全に膨潤した状態にある時の平均超吸収性ポリマー領域直径の約10%又はそれ以下、適切には約5%又はそれ以下、適切には約3%又はそれ以下であるということを意味する。超吸収性ポリマー領域14が一様な組成及び幾何学形状を有すると仮定すると、たとえ平均直径がより小さくても標準偏差(平均粒径からのパーセント変動として表される)は、乾燥非膨潤状態で同じであるべきである。標準偏差は、公知の統計技術によって判断され、正規分布曲線における平均粒径からの変動を示すものである。
【0029】
正規分布曲線に基づいて、完全に膨潤した状態(最大液体吸収を反映)における超吸収性ポリマー領域の最確直径は、吸収性構造体10内の全超吸収性領域14の中間(平均)領域直径である。統計上は、超吸収性ポリマー領域の約67%は、平均の1標準偏差以内に完全に膨潤した直径を有し、約95%は平均の2標準偏差以内、及び約99%は平均の3標準偏差以内にそれを有することになる。例えば、吸収性構造体10は、完全に膨潤した状態で、平均超吸収性領域直径が1000ミクロン、標準偏差が5%である。この例においては、超吸収性ポリマー領域の約67%は、950−1050ミクロンの間の完全に膨潤した直径を有し、約95%は、900−1100ミクロンの間の完全に膨潤した直径を有し、約99%は、850−1150ミクロンの間の完全に膨潤した直径を有するであろう。
【0030】
超吸収性ポリマー領域14は、一般的に、下記の式からほぼ判断することができる平均乾燥(非膨潤)直径を有することになる。
【0031】

【0032】
ここで、Dunswollen=領域の非膨潤直径、Dswollen=領域の完全膨潤直径、AS=超吸収性ポリマーグラム当たりの水性液体グラムで表した超吸収性ポリマーの最大吸収度、ρS=乾燥非膨潤状態の超吸収性ポリマーの密度、及びρL=水性液体の密度である。
【0033】
例えば、ASが25グラム/グラムで、ρS/ρL比が1.5の場合に、平均膨潤直径1000ミクロンを有する超吸収性領域(又は、複数の領域)は、平均非膨潤直径296ミクロンになる。膨潤直径と非膨潤直径の間の関係は、超吸収性ポリマー前駆体組成物が、非膨潤直径に基づいて制御された領域の大きさで基体に付加され、更に、領域間の制御された間隔が、完全膨潤直径に基づくべきであるという理由で重要である。
【0034】
本発明の目的のためには、超吸収性ポリマー領域14は、平均非膨潤(乾燥)直径約50から約1000ミクロンを有することができる。超吸収性ポリマー前駆体組成物は、ほぼ同じ非膨潤(乾燥)直径を有する領域内の基体に付加することができる。しかし、本発明は、この非膨潤領域直径の範囲に限定されない。むしろ本発明は、以下に説明するような平均完全膨潤領域直径、平均間隔、及び規則性の間の関係を満足させる吸収性構造体に関するものである。
【0035】
超吸収性ポリマー領域が完全に膨潤している時でさえ、完全非閉塞性毛細管作用を提供する吸収性構造体のためには、超吸収性ポリマー領域間の間隔は、a)規則的であり、b)平均完全膨潤超吸収性領域直径を超過しているべきである。各超吸収性ポリマー領域に対して「間隔」という用語は、超吸収性ポリマー領域と最も近い隣接超吸収性ポリマー領域とが両方とも乾燥非膨潤状態にある時に、超吸収性ポリマー領域と最も近い隣接超吸収性ポリマー領域との間の中心間距離と定められる。平均間隔は、吸収性構造体10内の全超吸収性ポリマー領域14の平均間隔である。「規則的間隔」という用語は、吸収性構造体10内の現位置で形成された超吸収性ポリマー領域14の間隔の標準偏差が、領域が乾燥非膨潤状態にある時に平均超吸収性ポリマー領域直径の約10%又はそれ以下、適切には約5%又はそれ以下、適切には約3%又はそれ以下であるということを意味する。「間隔」という用語は、中心間距離と定められるので、標準偏差(平均間隔からのパーセント偏差として表された)は、吸収性構造体10が液体及び超吸収性ポリマー領域14の膨潤を吸収する時にほぼ同じままに留まることができるが、平均間隔は、吸収性構造体の拡大によって増大する場合がある。
【0036】
例証として、吸収性構造体10内の超吸収性ポリマー領域14の平均間隔は、約150から約3000ミクロンとすることができる。しかし、本発明は、この平均間隔の範囲に限定されない。図3に示すように、膨潤した超吸収性ポリマー領域間の毛細管流を保証するために、平均間隔は、完全膨潤状態の時に、平均超吸収性ポリマー領域直径よりも少なくとも約5%大きくなければならない。平均間隔は、完全膨潤超吸収性ポリマー領域平均直径よりも少なくとも約10%大きく、又は少なくとも約15%大きいとすることができる。
【0037】
言い換えれば、超吸収性ポリマー領域14間の平均間隔Sは、平均完全膨潤直径Dswollenを少なくとも約5%だけ、適切には少なくとも約10%だけ、適切には少なくとも約15%だけ超えるものである。以上の原理を組み合わせることにより、既知の密度及び最大吸収度ASを有する現位置で形成された超吸収性ポリマー領域を用いて吸収性構造体10を設計することができる式に到達する。
【0038】

【0039】
ここで、Kは、少なくとも1.05(5%毛細管マージンに対して)、又は少なくとも1.10(10%毛細管マージンに対して)、又は少なくとも1.15(15%毛細管マージンに対して)である。
【0040】
例えば、超吸収性ポリマー領域が、平均乾燥非膨潤直径300ミクロン、最大吸収度30グラム/グラム、及び吸収される液体密度の15倍の密度を有する場合には、超吸収性ポリマー領域14間の平均間隔Sは、少なくとも以下のようになるべきである。
【0041】

【0042】
超吸収性ポリマー領域が完全に膨潤している時でさえ、毛細管作用の維持及びゲル回避は、従って、a)現位置で形成され、移動を回避するために基体に結合した超吸収性ポリマー領域の規則的サイジング、b)超吸収性ポリマー領域間の規則的な間隔、及びc)Kが少なくとも1.05、適切には少なくとも1.10、適切には少なくとも1.15である上述の式から判断した平均間隔の3つの要素に依存する。望ましい規則的直径及び間隔を有する超吸収性ポリマー領域を形成するためのこのような規則的で制御された方法における超吸収性ポリマー前駆体組成物の付加は、上述の精密非接触工程、適切にはインクジェット印刷工程を用いて達成される。
【0043】
図4及び図5は、「N」断面を有する多断面吸収性構造体20の分解組立図を説明するものである。異なる断面は、異なる濃度の超吸収性ポリマー領域14、言い換えれば、超吸収性ポリマー領域間の異なる平均間隔を有するものである。「断面」という用語は、a)多層吸収性構造体の層が別々に形成されて次に結合する多層吸収性構造体内の個々の層、b)それらの第1主要面22及び第2主要面24の間に超吸収性ポリマー領域の濃度勾配を有する単層吸収性構造体内の個々の平面的な領域又は断面の両方を含むように本明細書に説明されている。言い換えると、各断面は、別々に形成された層を意味するものとなり、又は単層吸収性構造体20の個々のZ方向領域又は部分を意味するものとなる。各断面は、一般的に、別々に形成されて次に結合する層を有する個々の層を意味することになる。超吸収性ポリマー領域14の濃度は、本明細書に説明した最低間隔限界が満足するものである限り、各断面内のX方向及びY方向でもまた異なるものとなる。
【0044】
多断面吸収性構造体20は、第1主要面22と第2主要面24とに垂直な方向であるZ方向に「N」断面を有する。図4及び図5に示すような3つの断面吸収性構造体20に対して、断面を順次N(又は3),N−1(又は2),及びN−2(又は1)とラベル付けする。少なくとも2断面を有する多断面吸収性構造体に対して、Z方向のこれ以上の吸収性断面数次第で断面を順次N(又はN−0),N−1,...,1とラベル付けする。言い換えれば、断面を(N−i)と示すことができ、ここで、iは0からN−1まで及ぶことになる。例えば、10断面吸収性構造体20において、N=10で、断面は、N,N−1,N−2,N−3,N−4,N−5,N−6,N−7,N−8,及びN−9と示されるであろう。多断面吸収性構造体20において、Z方向の断面数Nは、適切には2から約20まで、適切には3から約15まで、適切には4から約10まで及ぶものとなる。
【0045】
多断面吸収性構造体20内の個々の断面は、個々の断面上又は断面内の現位置で形成された超吸収性ポリマー領域14間の間隔に対して以下の式をそれぞれ満足させるべきである。
【0046】

【0047】
ここで、Kは、少なくとも1.05(5%毛細管マージンに対して)、又は少なくとも1.10(10%毛細管マージンに対して)、又は少なくとも1.15(15%毛細管マージンに対して)であり、Kは、多断面吸収性構造体の少なくとも2つの異なる断面によって異なるものである。
【0048】
図4で説明した本発明の一実施形態では、多断面吸収性構造体20は、第1主要面22が断面吸収性構造体20を含む吸収性物品の着用者に最も近い、第1主要面22及び第2主要面24の間に現位置で形成されたポリマー領域の濃度勾配を有する。上述のように、N断面を有する多断面吸収性構造体のZ方向断面は、i=0,1,...,(N−1)として、順次N−0,N−1,...,1、又はN−iとラベル付けすることができる。望ましい濃度勾配を達成するために、各断面における間隔係数Kを以下のように定義することができる。
K≧1.05+id
ここで、dは1つの断面から次の隣接する断面までの間隔差を示し、iは順次0からN−1まで及ぶ整数である。
【0049】
間隔差dは、a)断面数N、及びb)着用者から最も遠い断面N(i=0)と着用者から最も近い断面N−(N−1)(i=N−1)の間の望ましい濃度勾配によって異なるものとなる。各一対の隣接する断面の間の間隔差dは、約0.01から約3.0、適切には約0.03から約2.0、適切には約0.05から約1.0、適切には約0.1から約0.5に及ぶものとなる。断面数Nが比較的大きい場合には、吸収性構造体20の1つの主要面から他の主要面への適切な濃度勾配を達成するために、隣接する断面の間の間隔差dはより小さなものとなる。
代替的に、図4で説明した実施形態の間隔係数Kは、以下の式によって順次各断面から次の断面まで異なるものとなる。
K=K0+id
ここで、K0≧1.05、dは1つの断面から次の断面までの間隔係数を示し、iは順次0からN−1まで及ぶ。
【0050】
図5は、吸収性タオルなどに適切な本発明の別の実施形態を説明しているものであり、多断面吸収性構造体20は、主要面22及び主要面24の両方に近い最低濃度(領域間の最大間隔)、及び中央の中間断面内の最大濃度(領域間の最小間隔)によって特徴付けられる現位置で形成されたポリマー領域の濃度勾配を有する。望ましい濃度勾配を達成するために、各断面内のK値を以下のように定義することができる。
【0051】

【0052】
ここで、dは、1つの断面から次の断面までの間隔差を示し、Nは、i=0,1,...,N−1の時にN−iとして順次ラベル付けされたZ方向の断面数である。ここで、|(N−1)/2−i|は((N−1)/2−i)の絶対値である。
【0053】
上述の実施形態では、現位置で形成された超吸収性ポリマー領域の最大濃度(最小間隔)は、iが(N−1)/2に等しいか又はほぼ等しく、かつ|(N−1)/2−i|の値が0(Nは奇数)又は0.5(Nは偶数)である中間断面(又は隣接中間断面)内で生じると考えられる。現位置で形成された超吸収性ポリマー領域の最小濃度(最大間隔)は、iが0又はN−1に等しく、かつ|(N−1)/2−i|の値が最大になる最も外側の断面内で生じると考えられる。更に、濃度差dの値は、上述のように吸収性構造体20内の望ましい勾配角度及び断面数Nによって異なるものとなる。
代替的に、図5で説明した実施形態の間隔係数Kは、順次各断面から次の断面まで異なるものとなり、以下の式により、1つ又は複数の中央断面で最小値、及び両最外側断面で最大値に達する。
【0054】

【0055】
ここで、K0≧1.05であり、dは、1つの断面から次の断面までの間隔差を示し、Nは、i=0,1,...,N−1の時にN−iとして順次ラベル付けされたZ方向断面数である。
【0056】
単一の超吸収性ポリマー前駆体組成物だけが用いられる場合には、超吸収性ポリマー前駆体組成物は、超吸収性ポリマーを作るために用いられた全ての反応剤(モノマー、触媒、その他)を含む必要がある。すなわち、本発明の目的のためには、唯一の前駆体組成物の使用は、化学反応を前駆体組成物が繊維性ウェブに接触するまで遅らせることができる状態に限定され、積極的活性化段階(例えば、加熱又は放熱などを通して)が化学反応を開始するのに必要である事例を含むことになる。超吸収性ポリマー前駆体組成物が互いに接触した時だけに自然に反応する少なくとも2つの超吸収性ポリマー前駆体組成物の使用は、本発明の目的のためには望ましいものである。これは、超吸収性ポリマー前駆体組成物が両方とも繊維性ウェブ上又はウェブ内に存在する時にのみ超吸収性ポリマー前駆体組成物が最初に互いに接触するように2つの超吸収性ポリマー前駆体組成物を別々に維持することができ、異なるインクジェット噴霧又は浸漬ノズルなどを用いて別々に付加することができるからである。
【0057】
1つの適切な実施形態では、第1超吸収性ポリマー前駆体組成物は、モノマー、架橋結合剤、及び還元剤を含む。第2超吸収性ポリマー前駆体組成物は、モノマー、架橋結合剤、及び酸化剤を含む。第2超吸収性ポリマー前駆体組成物内のモノマーは、第1超吸収性ポリマー前駆体組成物内のモノマーと同じとすることができ、又は第1超吸収性ポリマー前駆体組成物内のモノマーと共重合可能である異なるモノマーとすることができる。第1前駆体組成物及び第2前駆体組成物が基体上又は基体内で結合すると、それらは、自然に反応して超吸収性ポリマー領域を形成する。
【0058】
広範な超吸収性ポリマー前駆体組成物を本発明の方法に用いることができる。少なくとも1つのポリマー組成物は、モノマーを含むことができる。適切な超吸収剤形成モノマーは、以下のモノマー及びそれらの組合せを含むことができる。
1.カルボキシル基含有モノマー:(メタ)アクリル酸(アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。同じ表記法が以下で用いられる)、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ソルビン酸、イタコン酸、及び桂皮酸のようなモノエチレン化不飽和モノ又はポリカルボン酸、
2.カルボン酸無水物基含有モノマー:モノエチレン化不飽和ポリカルボン酸無水物(無水マレイン酸など)、
3.カルボン酸塩含有モノマー:モノエチレン化不飽和モノ又はポリカルボン酸(ソジウム(メタ)アクリレート、トリメチルアミン(メタ)アクリレート、トリエタノールアミン(メタ)アクリレート、ソジウムマレエート、メチルアミンマレエートなど)の水溶性塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、その他)、
4.スルホン酸基含有モノマー:脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸(ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸など)、(メタ)アクリルスルホン酸[スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリルオキシプロピルスルホン酸など]、
5.スルホン酸塩基含有モノマー:アルカリ金属塩、アンモニウム塩、上述のようなスルホン酸基含有モノマーのアミン塩、
6.ヒドロキシ基含有モノマー:モノエチレン化不飽和アルコール[(メタ)アリルアルコールなど]、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールモノ(メタ)アリルエーテル(ヒドロキシ基がエーテル化又はエステル化される場合がある)のようなポリオール(アルキレングリコール、グリセロール、ポリオキシアルキレンポリオール)のモノエチレン化不飽和エーテル又はエステル、
7.アミド基含有モノマー:ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミド、バルキル(メタ)アクリルアミド(N−メチルアクリルアミド、ベクシルアクリルアミドなど)、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミドなど)、N−ヒドロキアルキル(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど]、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなど]、ビニルラクタム(N−ビニルピロリドンなど)、
8.アミノ基含有モノマー:モノエチレン化不飽和モノ又はジカルボン酸[ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルフマレートなど]のアミノ基含有エステル(ジアルキルアミノアルキルエステル、ジヒドロキシアルキルアミノアルキルエステル、モルホリノアルキルエステルなど)、ビニルピリジン(2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピリジンなど)のような複素環式ビニル化合物、N−ビニルイミダゾール、
9.4級アンモニウム塩基含有モノマー:N,N,N−トリアルキル−N−(メタ)アクリロイルオキシアルキルアンモニウム塩[N,N,N−トリメチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチルアンモニウムクロリド、N,N,N−トリエチル−N−(メタ)アクリロイルオキシエチルアンモニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(メタ)−アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなど]、及び
10.エーテル基含有モノマー:メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジメタシレート。
【0059】
本発明の方法に対して適切な特定の超吸収剤形成モノマーは、以下に限定はしないが、脂肪族不飽和モノカルボン酸又はその塩、特にアクリル酸又はその塩のような不飽和モノカルボン酸又はその塩、メタクリン酸又はその塩、又はマレイン酸又はその塩のような不飽和ジカルボン酸又はその塩、イタコン酸又はその塩を含み、それらは単独又は併用で用いることができる。
これらの中からアクリル酸又はその塩及びメタクリン酸又はその塩は有用であり、特にアクリル酸又はその塩が有用である。
【0060】
本発明において水吸収ポリマーを提供する重合可能なモノマーは、好ましくは上述のような脂肪族不飽和カルボン酸又はその塩であり、従って、これらの重合可能なモノマーの水溶液は、適切には、本質的に脂肪族不飽和カルボン酸又はその塩を含有する水溶液である。本明細書で用いられる場合、「本質的に脂肪族不飽和カルボン酸又はその塩を含有する」という表現は、脂肪族不飽和カルボン酸又はその塩が、重合可能なモノマー全量に基づいて約50モル%又はそれ以上、適切には約80モル%又はそれ以上含まれることを意味する。
【0061】
脂肪族不飽和カルボン酸の適切な塩は、通常は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩などのような水溶性塩を含む。中和は目的によって適切に選択されるが、20−90モル%のカルボキシル基は、アクリル酸の場合は、アルカリ金属又はアンモニウム塩で中和されるのが望ましい。アクリルモノマーの部分的中和が20モル%よりも小さい場合には、得られる水吸収ポリマーは低い水吸収度を有する傾向にある。
アクリルモノマーは、アルカリ金属水酸化物又は重炭酸塩又はアンモニウム水酸化物など、好ましくは、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物で中和することができる。
【0062】
超吸収剤形成モノマーは、上述のいずれのモノマーとも一緒に重合可能であるコポリマーもまた含むことができる。コポリマーは、一次モノマーとして同じ超吸収性ポリマー前駆体組成物の一部を形成することができ、又は異なる超吸収性ポリマー前駆体組成物の一部となることもでき、かつ同じ流れ又は異なる流れを用いて繊維性混合物に加えることができる。一次モノマーが脂肪族不飽和カルボン酸である場合には、適切なコポリマーは、以下に限定はしないが、(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はアクリレートキャップドウレタンを含むごく僅かな水溶性モノマーのような二次モノマーを含み、メチルアクリレート又はエチルアクリレートのようなアクリルアルキルエステルを本発明において得られる水吸収ポリマーの性能に影響しない範囲内の量で共重合することもできる。本明細書で用いられる場合、「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル」及び「メタクリ」の両方を意味する。
【0063】
2つの超吸収性ポリマー前駆体組成物が上述のように一体化して酸化還元系に入る場合には、架橋結合剤(架橋剤)はまた、第1超吸収性ポリマー前駆体組成物内及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物内にも存在する。架橋剤は、一般的に、得られる超吸収性ポリマーの水吸収性能を改良するものである。第1超吸収性ポリマー前駆体組成物内で用いられた架橋剤は、第2超吸収性ポリマー前駆体組成物内で用いられた架橋剤と同じであるか又は異なるものとすることができる。架橋剤は、モノマーの重量に基づいて約0.001から約1重量%、特に約0.01から約0.5重量%で第1及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物内に存在することができる。
【0064】
有用な架橋剤は、N、N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなモノマーと共重合可能なジビニル化合物と、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルのようなポリグリシジルエーテルを含むカルボン酸と反応することができる2つ又はそれ以上の官能基を有する水溶性化合物とを含む。その中でも、N、N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドが特に有用である。
【0065】
第1超吸収性ポリマー前駆体組成物もまた還元剤を含む。還元剤は、第2超吸収性ポリマー前駆体組成物内で酸化剤と酸化還元系を形成することができるべきである。還元剤は、第1前駆体組成物内の超吸収剤形成モノマーの重量に基づいて約0.001から約10重量%、適切には約0.01から約2重量%存在することができる。適切な還元剤は、亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸水素ナトリウムのような亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、コバルトアセテート、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸アンモニウム鉄、メタ重亜硫酸ナトリウム、3級アミン又はジアミン、L−アスコルビン酸又はL−アスコルビン酸アルカリ金属塩、その他を含む。その中でも、L−アスコルビン酸又はL−アスコルビン酸アルカリ金属塩が特に適切である。
【0066】
第2超吸収性ポリマー前駆体組成物もまた酸化剤を含む。酸化剤は、第1超吸収性ポリマー前駆体組成物内で還元剤と酸化還元系を形成することができるべきである。酸化剤は、第2前駆体組成物内の超吸収剤形成モノマーの重量に基づいて約0.001から約10重量%、適切には約0.01から約2重量%存在することができる。適切な酸化剤は、水素ラジカル発生剤及び還元剤を含む。このような酸化剤は、過酸化水素、臭素酸カリウム、N−ブロモサクシンイミド、アンモニウム過硫酸塩、過硫酸ナトリウム、又は過硫酸カリウムのような過硫酸塩、1−ブチル過酸化水素又はクメン過酸化水素のような過酸化水素を含む過酸化物、2級セリウム塩、過マンガン酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、その他を含み、その中でも、過酸化水素が特に適切である。
【0067】
第1及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物を有機溶媒又は無機溶媒、適切には水の中に供給することができる。上述のように、本質的に脂肪族不飽和カルボン酸又はその塩を含有する重合可能なモノマー水溶液中の重合可能なモノマーの濃度は、約20%又はそれ以上、特に約25%又はそれ以上である。重量で約20%よりも小さい濃度は、過度の希釈が、付加される得られる水吸収ポリマーを余りに薄くし、得られる水吸収容量を不十分にする場合があるので余り望ましくない。モノマー濃度は、重合反応溶液の処理に関する限り、重量で最大約80%までの範囲とすることができる。粘性修飾剤及び/又は界面活性剤もまた溶液に加えることができる。
【0068】
第1及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物は、第1及び第2前駆体組成物が接触する前に第1及び第2前駆体組成物を結合することなく同じ位置において第1及び第2前駆体組成物を付加することができる任意の精密非接触工程を用いて、基体に付加することができる。第1及び第2前駆体組成物が異なる位置で基体に付加される場合には、第1及び第2前駆体組成物は、互いに結合又は反応することができず、超吸収性ポリマーの領域を形成することができない。第1及び第2前駆体組成物が、第1及び第2前駆体組成物が基体に接触する前に互いに結合する場合には、現位置超吸収性ポリマー形成の利点は、超吸収性ポリマーが基体から離れて形成されるという程度まで失われるであろう。現位置超吸収性重合(特に、基体上の固定位置への接着)の利点は、a)第1及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物が、第1及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物が最初に基体に接触するのとほぼ同時に最初に互いに接触する時、又はb)一方の超吸収性ポリマー前駆体組成物が最初に基体に付加され、次に他方が同じ位置に付加される時に最も良く達成される。
【0069】
上述の酸化還元系におけるように2つの超吸収性ポリマー前駆体組成物が用いられる場合には、それらは、両方ともインクジェット印刷工程のような精密非接触工程を用いて同じ制御されて離間した位置に加えることができる。代替的に、超吸収性ポリマー前駆体組成物の一方だけを精密非接触工程を用いて制御されて離間した位置に加えることができる。この場合には、他方の超吸収性ポリマー前駆体組成物は、コーティング、浸漬、噴霧、又は別の一様な非接触被覆工程によって加えることができる。後者の場合には、第1及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物は、両方の超吸収性ポリマー前駆体組成物が共存する制御されて離間した位置においてのみ互いに化学的に反応して領域を形成することになる。
【0070】
第1及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物は別々に加えられ、これは、第1及び第2超吸収性ポリマー前駆体組成物が、基体に加えられる前に互いに混合されず又はその他の方法で互いに接触しないことを意味する。モノマー、架橋結合剤、酸化剤、及び還元剤は、超吸収性ポリマーを作るための重合反応が前駆体組成物が互いに接触した時に基体上又は基体内で自然に進行するように選択される。
第1及び第2超前駆体組成物は、制御されて離間した位置で互いに化学的に反応し、基体に接着する個別の離間した超吸収性ポリマーの領域を形成する。基体が繊維性ウェブである場合には、超吸収性材料の領域を基体内の繊維上又は繊維の周囲に形成し、繊維に接着することができる。超吸収性ミクロドメインは、乾燥して非膨潤時に約50から約1000ミクロンの平均直径を有することができる。上述のように、本発明の吸収性構造体10は、この大きさの範囲に限定されない。個々の超吸収性ポリマー領域は、乾燥及び非膨潤時に、最も近い隣接領域から中心間で平均約150から約3000ミクロン離間することができる。上述のように、本発明の吸収性構造体は、この特定の間隔に限定されない。ミクロドメイン間の間隔及び超吸収性ポリマー領域の完全膨潤の大きさは、超吸収性ポリマー領域が最大容量まで膨潤している時でさえ、吸収性構造体が液体取り込み及び分布を妨げないようにするために調整される。ミクロドメインのパターン、大きさ、浸透深さ、及び間隔は、非接触印刷装置の設計及び作動条件によって異なるであろう。現位置重合のより、領域の位置は固定され、超吸収性ポリマーの領域は、固定された位置で基体に堅く付着する。
【0071】
吸収性構造体に対する望ましい組成物を生成するには、処理条件及び給送速度なども調整すべきである。例えば、基体が繊維性ウェブである場合には、処理条件及び給送速度を調整して、以下の組成を有する吸収性構造体を生成することができる。
【0072】

【0073】
現位置で形成することができる超吸収性ポリマーの例は、以下に限定はしないが、ポリ(アクリル酸)及びポリ(メタクリン酸)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルエーテル)、ビニルエーテル及びアルファオレフィンとの無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルモルホリノン)、及びそれらの混合物及びコポリマーを含む。
本発明の吸収性構造体は、特にパーソナルケア吸収性物品、医療用吸収性物品、ティッシュ及びタオル物品における吸収性コア材料として、広範な吸収性物品に有用である。パーソナルケア吸収性物品は、おむつ、トレーニングパンツ、水着、吸収性下着、乳児用ワイプ、成人用失禁製品、及び女性用衛生製品などを含む。医療用吸収性物品は、医療用吸収性衣類、ドレープ、ガウン、包帯、創傷被覆材、アンダーパッド、及びワイプなどを含む。ティッシュ及びタオル吸収性物品は、顔面用及び化粧室用ティッシュ、台所タオルのようなペーパータオル、外出用タオル、及びウェットワイプなどを含む。
【0074】
吸収容量を判断するための試験方法
以下の試験は、式に用いるための超吸収性ポリマーの最大吸収度ASを判断するのに用いることができる。本明細書で用いる場合、「遠心保持容量(CRC)」は、制御された条件の下で遠心分離を受けた後に保持された超吸収性材料の吸収容量の尺度である。CRCは、試験される材料のサンプルを、試験溶液(0.9%NaCl溶液)をサンプルによって自由に吸収させる間サンプルを含むことになる水透過性袋の中に置くことによって測定することができる。ヒートシール可能なティーバッグ材料(米国コネチカット州ウィンザーロックス所在の「Dexter Nonwovens」から品目番号1234Tとして入手可能)は、ほとんどの用途に十分に機能する。袋は、袋材料の5インチ×3インチサンプルを半分に折り畳み、2.5インチ×3インチの矩形ポーチを形成するために2つの開口縁部をヒートシールすることにより形成される。ヒートシールは、材料の縁部の内側約0.25インチとすべきである。サンプルがポーチに入れられた後に、残ったポーチの開口縁部もまたヒートシールされる。空の袋もまた対照としてサンプル袋と共に試験することになる。サンプルの大きさは、ティーバッグが材料の膨潤を制限しないように、一般的にはシールした袋の区域(約2インチ×2.5インチ)よりも小さい寸法を用いて選択される。約0.2gの乾燥超吸収性ポリマーのサンプルの大きさが適切である。3つのサンプル袋が各材料に対して試験される。
【0075】
密封した袋は、0.9%NaCl溶液の平鍋に漬けられる。湿らした後に、サンプルを30分間溶液中に入れたままに残し、その時点で、サンプルは溶液から取り出されて一時的に非吸収性の平面上に置かれる。
湿った袋は、次に、サンプルに350Gの力を掛けることができる適切な遠心分離機のかごに入れられる。(適切な遠心分離機は、ドイツハナウ所在の「Heraeus Infosystems GmbH」から入手可能な「Heraeus LABOFUGE 400」、「Heraeus Instruments」製、部品番号75008157である。)袋を1600rpmで3分間遠心分離する(目標350Gの力)。袋を取り出して計量する。袋材料だけによって保持された流体を考慮に入れた、材料によって吸収されて保持された流体の量が、材料グラム当たりの流体グラムで表した材料の「遠心保持容量」である。
本明細書に開示した本発明の実施形態は、現時点で好ましいものであるが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更及び改良を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲により示されており、均等物の意味及び範囲に該当する全ての変更は、本発明の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】基体上又は基体内の非膨潤状態の超吸収性ポリマー領域を示す本発明の吸収性構造体の斜視図である。
【図2】基体上又は基体内の中間膨潤状態の超吸収性ポリマー領域を示す本発明の吸収性構造体の斜視図である。
【図3】基体上又は基体内の最大膨潤状態の超吸収性ポリマー領域を示す本発明の吸収性構造体の斜視図である。
【図4】本発明の多断面吸収性構造体の分解組立図である。
【図5】本発明の多断面吸収性構造体の分解組立図である。
【符号の説明】
【0077】
10 吸収性構造体
12 繊維性ウェブ基体
14 超吸収性ポリマー領域
16 毛細管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体上又は基体内の所定位置に形成され、該基体に結合された多数の超吸収性ポリマー領域と、
を含み、
前記超吸収性ポリマー領域は、平均非膨潤領域直径Dunswollenと、10%又はそれ以下の非膨潤領域直径標準偏差とを有し、
前記超吸収性ポリマー領域はまた、以下の式:

で定義された平均非膨潤間隔Sを有し、ここで、Kは、少なくとも1.05であり、ASは、超吸収剤のグラム当たりの吸収された水性液体のグラムで表された超吸収剤の最大吸収度であり、ρSは、乾燥非膨潤状態の超吸収剤の密度であり、ρLは、吸収される水性液体の密度である、
ことを特徴とする吸収性構造体。
【請求項2】
前記超吸収性ポリマー領域は、平均完全膨潤直径Dswollen、10%又はそれ以下の膨潤直径標準偏差、及び10%又はそれ以下の非膨潤間隔標準偏差を有し、
前記平均非膨潤直径は、更に、以下の式:
S=KDswollen
を満足する、
ことを特徴とする請求項1に記載の吸収性構造体。
【請求項3】
前記平均非膨潤直径は、50から1000ミクロンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸収性構造体。
【請求項4】
前記平均膨潤直径は、150から3000ミクロンであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吸収性構造体。
【請求項5】
Kは、少なくとも1.10であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性構造体。
【請求項6】
Kは、少なくとも1.15であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吸収性構造体。
【請求項7】
前記非膨潤直径標準偏差は、5%又はそれ以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吸収性構造体。
【請求項8】
前記超吸収性ポリマー領域は、5%又はそれ以下の非膨潤間隔標準偏差を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の吸収性構造体。
【請求項9】
構造体の第1主要面と第2主要面の間に複数Nの断面を含み、該断面の各々は、請求項1に記載の吸収性構造体を含み、
Kは、前記断面の各々に対して少なくとも1.05であり、該断面の少なくとも2つに対しては異なっている、
ことを特徴とする多断面吸収性構造体。
【請求項10】
前記複数の断面は、i=0,1,...,(N−1)の時にN−iとして順次指定され、
前記Kの値は、i=0に対応する断面における値よりもi=(N−1)に対応する断面における値の方が相対的に高い、
ことを特徴とする請求項9に記載の多断面吸収性構造体。
【請求項11】
各断面における前記Kの値は、
K≧1.05+id
として定義され、ここで、dは、0.01から3.0の間隔差を表し、iは、順次ゼロからN−1に及ぶ整数である、
ことを特徴とする請求項10に記載の多断面吸収性構造体。
【請求項12】
各断面の前記Kの値は、
K=K0+id
として定義され、ここで、K0≧1.05であり、dは、0.01から3.0の間隔差を表し、iは、順次ゼロからN−1に及ぶ整数である、
ことを特徴とする請求項10に記載の多断面吸収性コア。
【請求項13】
前記複数の断面は、i=0,1,...,(N−1)の時にN−iとして順次指定され、
前記Kの値は、1つ又は複数の中間断面における値よりもi=0及びi=(N−1)に対応する最の外側の断面における値の方が相対的に高い、
ことを特徴とする請求項9に記載の多断面吸収性構造体。
【請求項14】
各断面における前記Kの値は、

として定義され、ここで、dは0.01から3.0の間隔差を表し、iは、順次ゼロからN−1まで及ぶ、
ことを特徴とする請求項13に記載の多断面吸収性構造体。
【請求項15】
各断面における前記Kの値は、

として定義され、ここで、K0≧1.05であり、dは、0.1から3.0の間隔差を表し、iは、順次ゼロからN−1に及ぶ整数である、
ことを特徴とする請求項13に記載の多断面吸収性コア。
【請求項16】
dは、0.03から2.0であることを特徴とする請求項11、請求項12、請求項14、及び請求項15のいずれか1項に記載の多断面吸収性構造体。
【請求項17】
dは、0.05から1.0であることを特徴とする請求項11、請求項12,請求項14,及び請求項15のいずれか1項に記載の多断面吸収性構造体。
【請求項18】
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の吸収性構造体を製造する方法であって、
超吸収剤形成モノマーと架橋結合剤と還元剤とを含む第1の超吸収性ポリマー前駆体組成物を準備する段階と、
超吸収剤形成モノマーと架橋結合剤と酸化剤とを含む第2の超吸収性ポリマー前駆体組成物を準備する段階と、
予備形成基体を準備する段階と、
前記第1及び第2の超吸収性ポリマー前駆体組成物の少なくとも一方を、精密非接触工程を用いて複数の離間した位置で前記基体のウェブに付加する段階と、
前記第1及び第2の超吸収性ポリマー前駆体組成物の他方を、非接触工程を用いて前記基体に付加する段階と、
前記第1及び第2の超吸収性ポリマー前駆体組成物を前記複数の離間した位置で化学的に反応させ、前記基体に付着する超吸収性ポリマーの複数の個別の離間した領域を形成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記第1及び第2の超吸収性ポリマー前駆体組成物の他方は、前記複数の離間した位置で前記基体に付加されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1及び第2の超吸収性ポリマー前駆体組成物の少なくとも一方は、インクジェット印刷工程を用いて付加されることを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−511245(P2007−511245A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532357(P2006−532357)
【出願日】平成16年3月30日(2004.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/009730
【国際公開番号】WO2004/105823
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】