現像スリーブの製造方法、現像スリーブおよび現像剤担持体
【課題】 従来の凹溝付き現像スリーブは、管材の外周面への凹溝の形成工程と、管材の外周面の仕上げ工程の少なくとも2工程を要していたため、製造に時間がかかり、現像スリーブのコストアップの原因になっていた。
【解決手段】 円筒形状の管材の一端を把持して長手方向に搬送しつつ回転させ、切削ローレット工具を長手方向とは垂直な方向から管材に押し当てることにより、管材の外周面に凹溝を形成し、切削ローレット工具の近傍に設けた切削バイト工具を、長手方向とは垂直な方向から管材に押し当てることにより、凹溝の形成直後に管材の表面仕上げを行うようにした。
【解決手段】 円筒形状の管材の一端を把持して長手方向に搬送しつつ回転させ、切削ローレット工具を長手方向とは垂直な方向から管材に押し当てることにより、管材の外周面に凹溝を形成し、切削ローレット工具の近傍に設けた切削バイト工具を、長手方向とは垂直な方向から管材に押し当てることにより、凹溝の形成直後に管材の表面仕上げを行うようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザープリンタやデジタル複写機等の画像形成装置等に用いられる現像スリーブの製造方法、現像スリーブおよび現像剤担持体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な現像剤担持体は、回転自在に設けられた現像スリーブと、この現像スリーブ内に設けられたマグネットロールとを備えている。そして、かかる現像スリーブの外周面(表面)には、その長手方向に、トナーを搬送するための複数の凹溝が形成されたものがある(例えば、特許文献1〜7参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−232560号公報
【特許文献2】特開2003−155581号公報
【特許文献3】特開2002−196587号公報
【特許文献4】特開平02−050182号公報
【特許文献5】特開昭55−140858号公報
【特許文献6】特開平06−236113号公報
【特許文献7】特開昭57−096373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記した現像スリーブは、外周面への凹溝の形成加工と、外周面の仕上げ加工を別工程で行っており、現像スリーブの製造コストを上げる原因の1つになっていた。
【0005】
また、凹溝の形成加工をする装置と、仕上げ加工をする装置が異なるため、凹溝の形成加工をする場合の管材の把持(チャック)と、仕上げ加工をする場合の管材の把持が同一になることが無いので、現像スリーブの位置によって凹溝の深さが異なり、凹溝による現像剤の搬送力が現像スリーブの位置によって異なるという問題があった。
【0006】
さらに、前記した現像スリーブは、回転させた場合の長手方向の中央部の振れを小さくするために、別途、振れの矯正工程を設ける場合もあり、この場合は、現像スリーブの製造コストがさらに上がるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、凹溝の形成と表面の仕上げを同時に行う安価かつ高品質な現像スリーブを製造する方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第1発明)
第1発明は、感光体の表面に現像剤を吸着させて可視像を形成するため、内部にマグネットロールを挿入し、外周面に現像剤を移送するための複数の凹溝が形成される現像スリーブの製造方法に関する。
【0009】
そして、円筒形状の管材の一端を把持して長手方向に搬送しつつ回転させ、切削ローレット工具を長手方向とは垂直な方向から管材に押し当てることにより、管材の外周面に凹溝を形成し、切削ローレット工具の近傍に設けた切削バイト工具を、長手方向とは垂直な方向から管材に押し当てることにより、凹溝の形成の直後に管材の外周面の仕上げを行うものである。
【0010】
ここで、切削ローレット工具とは、切削により管材等の表面にローレット加工を施す工具をいう。また、ローレット(roulette)とは、ルーレット(roulette)と同義であり、回転する器具を意味する。
【0011】
かかる構成により、一つの工程で管材の外周面に対して凹溝の形成と仕上げができるので、現像スリーブの製造コストを低減することができる。また、一回の管材のチャックにより、管材の外周面に対して凹溝の形成と仕上げができるので、管材の外周面に形成した凹溝の深さがどこでも均一である高品質な現像スリーブを提供することができる。
【0012】
(第2発明)
第2発明に係る現像スリーブの製造方法は、第1発明において、切削ローレット工具を管材に押し当てる向きと、切削バイト工具を管材に押し当てる向きを略反対としたものである。
【0013】
かかる構成により、前記した第1発明の効果を得ることができるだけではなく、現像スリーブの真直度を向上させることができる。つまり、管材の外周面の加工持に、切削ローレット工具および切削バイト工具により管材を両側から挟み込んで切削する形となるので、管材を一方向に曲げる力が働かない。このため、現像スリーブを回転させた時の振れを小さくすることができる。
【0014】
(第3発明)
また、第3発明に係る現像スリーブの製造方法は、第1発明または第2発明において、管材は、管材の外径よりも若干大きな内径の孔を有するガイドブッシュの該孔から送り出され、切削ローレット工具は、ガイドブッシュの近傍に設けられたものである。
【0015】
ここで、ガイドブッシュとは、管材の外径よりも若干大きな内径の孔を有し、管材を加工するための旋盤等の工作機械に固定された部品をいう。このガイドブッシュには管材の外径よりも若干大きい内径の孔があけられているので、この孔から管材を送り出すことにより、ガイドブッシュから出た直後の管材は、ガイドブッシュにより支持され、振れが小さい。
ここで、管材の外径よりも若干大きな内径とは、できるだけ管材の外径に近い内径であって、管材がその長手方向に大きな摩擦抵抗を受けることなくスムーズに搬送できる内径をいう。
【0016】
このため、ガイドブッシュの近傍に工作機械に固定された切削ローレット工具を設けることにより、ガイドブッシュにより支持された管材の外周面に切削ローレット工具を押し当てて凹溝の切削加工をすることができるので、切削形成される凹溝の深さのバラツキを無くし、一定にすることができる。
【0017】
また、切削バイト工具は切削ローレット工具の近傍に設けられているので、結果的に、ガイドブッシュにより強固に支持された管材の外周面を、切削ローレット工具および切削バイト工具により切削加工することができる。このため、凹溝の深さが長手方向において均一で、かつ、現像スリーブを回転させた時の振れが小さい現像スリーブを製造することができる。
【0018】
(第4発明)
第4発明に係る現像スリーブの製造方法は、第3発明において、ガイドブッシュは、本体と、本体の内側に位置し、管材の回転方向に従動回転可能な回転体とからなり、回転体に孔が設けられたものである。
【0019】
かかる構成により、第3発明に記載した効果が得られるだけではなく、ガイドブッシュの位置において管材の回転力を摩擦により弱めることが無いので、切削ローレット工具および切削バイト工具による加工がよりスムーズにすることができる。
【0020】
(第5発明)
第5発明に係る現像スリーブの製造方法は、第1発明から第4発明のいずれか1つの発明において、管材の他端を、管材の回転に従動して回転する回転部材で支持するものである。
【0021】
かかる構成により、管材の他端を回転部材で支持するので、管材の切削加工中に回転する管材の他端が大きく振れることが無い。このため、回転させた時の振れがより小さい現像スリーブを製造することができる。
【0022】
(第6発明)
第6発明に係る現像スリーブの製造方法は、第5発明において、前記回転部材は、管材の他端に付勢されたものである。ここで、付勢とは、バネ等の弾性部材により押し付けることをいう。
【0023】
つまり、第6発明は、管材の他端に回転部材を弾性力により押し付けるものである。かかる構成により、第5発明に記載したのと同等の効果を得ることができる。
【0024】
(第7発明)
第7発明に係る現像スリーブは、第1発明から第6発明のいずれか1つの発明により製造した現像スリーブに関するものである。
かかる現像スリーブは、現像スリーブを回転させたときの振れが小さいので、現像スリーブの内部にマグネットロールを挿入して現像剤担持体を構成し、この現像剤担持体を感光体ドラムに対向させた現像装置においては、画像形成上問題となるような感光体の表面における現像剤の濃度ムラが発生することがない。
【0025】
(第8発明)
第8発明に係る現像剤担持体は、第7発明の現像スリーブと、この現像スリーブの内部に挿入したマグネットロールとを有する現像剤担持体に関するものである。
かかる現像剤担持体は、現像スリーブを回転させたときの現像スリーブの振れが小さいので、この現像剤担持体を感光体ドラムに対向させた現像装置においては、画像形成上問題となるような感光体の表面における現像剤の濃度ムラが発生することがない。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、凹溝の形成と表面の仕上げを同時に一工程で行うことができるので、安価で高品質な現像スリーブおよび現像剤担持体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
(現像剤担持体)
図1は、本発明に係る現像剤担持体の断面図を示したものである。
図1に示すように、本発明に係る現像剤担持体1は、シャフト2と、このシャフト2の外周面に接着剤等で固定されたマグネット5と、シャフト2の両端部をベアリング4により支持したフランジ3と、フランジ3を両端で固定した現像スリーブ7とから構成されている。
【0028】
さらに詳述すると、現像スリーブ7は、アルミニウムまたはステンレス製の円筒形状の部品であり、その両端は開口しており、この開口部にフランジ3が固定されている。このフランジ3の貫通孔にはシャフト2が貫通し、このシャフト2の両端部はフランジ3に固定されたベアリング4により回転可能に支持されている。一方、現像スリーブ7内におけるシャフト2の外周面にはマグネット5が固定されており、このシャフト2およびマグネット5によりマグネットロール6が構成されている。
【0029】
また、現像スリーブ7の外周面には、図2に示すように、現像スリーブ7の長手方向に延びた複数の凹溝8が、現像スリーブ7の周方向に略同じピッチで形成されている。
【0030】
かかる構成により、複写機などの画像形成装置において、シャフト2が固定された状態でフランジ3を回転させると、フランジ3に固定された現像スリーブ7が回転する。そうすると、現像スリーブ7が回転する時に、複数の凹溝8内に現像剤が引っかかった状態で搬送されることになる。
【実施例1】
【0031】
(現像スリーブの製造装置)
本発明に係る現像スリーブを製造するための装置は、管材を周方向に回転させながら長手方向に搬送し、かつ、管材の長手方向とは垂直な方向から切削ローレット工具および切削バイト工具を管材に押し当てる機能を有する旋盤であれば良い。特に、所謂スイス式旋盤と呼ばれる旋盤が適している。
【0032】
図3にスイス式旋盤の平面図、図4にガイドフレームの正面図を示す。
スイス式旋盤9は、図3に示すように、管材10の一端を把持するチャック11を主軸軸線18方向(管材10の長手方向)に移動する主軸台12と、主軸軸線18を遮るように配置されたガイドフレーム13と、このガイドフレーム13に工具切込み送り方向(管材10の長手方向とは垂直な方向)にのみ移動可能に設けた刃物台14、15が備えられている。そして、ガイドフレーム13には、その主軸軸線18部分に管材10を挿入して通す孔19を有するガイドブッシュが装着されている。
【0033】
すなわち、スイス式旋盤9は、主軸台12の主軸軸線18方向の移動と、刃物台14、15の工具切込み方向の移動とにより、定位置に設けられているガイドブッシュ20の直近で管材10の加工が行われる。このため、刃物台14に固定された切削ローレット工具16と、刃物台15に固定された切削バイト工具17の押し当てにより管材10に加わる加工力は、その直近で管材10を回転自在に支持しているガイドブッシュ20で受け止められ、加工力による管材10の撓みや振動が防止される。
【0034】
(現像スリーブの製造方法)
前記したスイス式旋盤9を用いた場合の現像スリーブの製造方法について、以下に説明する。
まず、スイス式旋盤9の主軸台12のチャック11に管材10の一端を把持し、管材10の長手方向に管材10を搬送しつつ、管材10を周方向に回転する。
【0035】
そして、ガイドブッシュ20から管材10の他端が突出したら、刃物台14を管材10の向きに移動させて、刃物台14に固定された切削ローレット工具16を管材10に押し当て、凹溝8の加工を行う。
【0036】
尚、本実施例においては、切削ローレット工具16として、スワロフスキーオプティック社製の切削式ローレット(Quickナーリングツール)シングルホイールタイプ(A2タイプ)のストレートパターンを使用した。かかる切削ローレット工具は、回転自在で刃先が尖った1個のカッタを用いて管材の外周面を切削しながら直線状の凹溝を形成するものであり、機械や管材への負荷を最小限に抑えて管材の外周面にローレット加工を施すものである。その詳細は大河出版の雑誌(ツールエンジニア)の2003年9月号および2004年10月号に記載されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0037】
この切削ローレット工具16の近傍には刃物台15に固定された切削バイト工具17が位置しており、この切削バイト工具17を管材10に押し当てることにより、切削ローレット工具16により外周面に凹溝8が形成された直後の管材10の外周面の仕上げ加工を行うことができる。
【0038】
すなわち、管材10への凹溝8の形成と外周面の仕上げが一工程でできるので、現像スリーブ7を短時間で製造することができ、安価に現像スリーブを製造できる。また、一回の管材のチャックにより、管材の外周面に対して凹溝の形成と仕上げができるので、管材の外周面に形成した凹溝の深さがどこでも均一な高品質な現像スリーブを製造できる。
【0039】
また、図3に示したように、切削ローレット工具16を管材10に押し当てる向きと、切削バイト工具17を管材10に押し当てる向きが反対であるため、管材10の外周面を両工具により切削加工するに当たり、管材10に無理な外力(加工力)が加わることが無い。このため、真直度が高く、回転させた場合の振れが小さい現像スリーブを製造することができる。
【0040】
また、管材10は、管材10の外径よりも若干大きな内径の孔19を有するガイドブッシュの孔19から送り出されるので、刃物台14に固定された切削ローレット工具16と、刃物台15に固定された切削バイト工具17の押し当てにより管材10に加わる加工力は、その直近で管材10を回転自在に支持しているガイドブッシュ20で受け止められる。このため、加工力による管材10の撓みや振動が防止されるので、凹溝8の深さを管材10の長手方向に渡って均一にすることができる。
【0041】
尚、ガイドブッシュ20は、図5に示すように、本体21と、この本体21の内側に位置して回転自在で孔19が形成された回転体22とからなっていても良い。ガイドブッシュ20がかかる構成の場合は、管材10の回転に伴い管材10に接触している回転体22が従動回転するので、ガイドブッシュ20の位置において管材10の回転力を摩擦により弱めることが無い。このため、切削ローレット工具16および切削バイト工具17による管材10の外周面の加工精度を向上させることができる。
【実施例2】
【0042】
本発明に係る第2実施例を、図6乃至図8を用いて以下に説明する。
図6乃至図8は、スイス式旋盤の平面図である。尚、実施例1との相違点のみを詳細に説明し、実施例1と同一の部分については説明を省略する。
【0043】
本実施例2の実施例1との主な相違点は、管材10の他端を主軸軸線18方向に移動可能なセンタ押台23に固定された回転部材としてのクイル24により支持した点のみである。
【0044】
本実施例2に係る現像スリーブの製造方法は、図6に示すように、まず、スイス式旋盤9の主軸台12のチャック11に管材10の一端を把持し、管材10の長手方向に管材10を搬送しつつ、管材10を周方向に回転する。そして、ガイドブッシュ20から管材10の他端が突出したら、管材10の貫通穴にクイル24の先端を挿入し、刃物台14を管材10の向きに移動させて、刃物台14に固定された切削ローレット工具16を管材10に押し当て、凹溝8の加工を行う。
【0045】
その後の管材10の加工は、実施例1と基本的に同じである。そして、図7に示す状態になったら、切削ローレット工具16を管材10から離れる方向に移動させ、さらに切削バイト工具17を管材10のセンターに向けて移動させて、管材10を切断し、現像スリーブ8を得る。
【0046】
かかる構成により、管材10の切削加工中に、回転する管材10の他端が大きく振れることが無い。このため、回転させた時の振れがより小さい現像スリーブ7を製造することができる。
【0047】
尚、クイル24は、図8に示すように、内部にバネ等の弾性部材25を有するものであっても良い。図8においては、クイル24のみ断面にしてある。
かかる構成により、弾性部材25により常に管材10の他端にクイル24を押し付けることができるので、クイル24による管材10の他端の支持を安定させることができる。
【0048】
前記した製造方法により製造した現像スリーブ7の長手方向の中央部にピックアップテスタを当て、現像スリーブ7を回転させた場合の振れは、10〜20μmであった。このことから、本発明に係る現像スリーブの製造方法により製造した現像スリーブの内部にマグネットロールを挿入して現像剤担持体を構成し、この現像剤担持体を感光体ドラムに対向させた現像装置においては、現像スリーブの振れが原因で画像形成上問題となるような感光体の表面における現像剤の濃度ムラが発生することはないといえる。
【0049】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載から当事者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
【0050】
例えば、前記した実施例においては、ガイドブッシュ20として、孔19の内径が一定のものを示したが、これに限定されるものではなく、管材10の外径に合わせて孔19の内径を可変(調整)できるタイプのガイドブッシュであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、画像形成装置等に使用される現像スリーブおよび現像剤担持体に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】現像剤担持体の断面図である
【図2】現像剤担持体の正面図である
【図3】スイス式旋盤の平面図である(実施例1)
【図4】ガイドフレームの正面図である(実施例1)
【図5】ガイドフレームの正面図である(実施例1)
【図6】スイス式旋盤の平面図である(実施例2)
【図7】スイス式旋盤の平面図である(実施例2)
【図8】スイス式旋盤の平面図である(実施例2)
【符号の説明】
【0053】
1 現像剤担持体
7 現像スリーブ
8 凹溝
10 管材
16 切削ローレット工具
17 切削バイト工具
19 孔
20 ガイドブッシュ
21 本体
22 回転体
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザープリンタやデジタル複写機等の画像形成装置等に用いられる現像スリーブの製造方法、現像スリーブおよび現像剤担持体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な現像剤担持体は、回転自在に設けられた現像スリーブと、この現像スリーブ内に設けられたマグネットロールとを備えている。そして、かかる現像スリーブの外周面(表面)には、その長手方向に、トナーを搬送するための複数の凹溝が形成されたものがある(例えば、特許文献1〜7参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−232560号公報
【特許文献2】特開2003−155581号公報
【特許文献3】特開2002−196587号公報
【特許文献4】特開平02−050182号公報
【特許文献5】特開昭55−140858号公報
【特許文献6】特開平06−236113号公報
【特許文献7】特開昭57−096373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記した現像スリーブは、外周面への凹溝の形成加工と、外周面の仕上げ加工を別工程で行っており、現像スリーブの製造コストを上げる原因の1つになっていた。
【0005】
また、凹溝の形成加工をする装置と、仕上げ加工をする装置が異なるため、凹溝の形成加工をする場合の管材の把持(チャック)と、仕上げ加工をする場合の管材の把持が同一になることが無いので、現像スリーブの位置によって凹溝の深さが異なり、凹溝による現像剤の搬送力が現像スリーブの位置によって異なるという問題があった。
【0006】
さらに、前記した現像スリーブは、回転させた場合の長手方向の中央部の振れを小さくするために、別途、振れの矯正工程を設ける場合もあり、この場合は、現像スリーブの製造コストがさらに上がるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、凹溝の形成と表面の仕上げを同時に行う安価かつ高品質な現像スリーブを製造する方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(第1発明)
第1発明は、感光体の表面に現像剤を吸着させて可視像を形成するため、内部にマグネットロールを挿入し、外周面に現像剤を移送するための複数の凹溝が形成される現像スリーブの製造方法に関する。
【0009】
そして、円筒形状の管材の一端を把持して長手方向に搬送しつつ回転させ、切削ローレット工具を長手方向とは垂直な方向から管材に押し当てることにより、管材の外周面に凹溝を形成し、切削ローレット工具の近傍に設けた切削バイト工具を、長手方向とは垂直な方向から管材に押し当てることにより、凹溝の形成の直後に管材の外周面の仕上げを行うものである。
【0010】
ここで、切削ローレット工具とは、切削により管材等の表面にローレット加工を施す工具をいう。また、ローレット(roulette)とは、ルーレット(roulette)と同義であり、回転する器具を意味する。
【0011】
かかる構成により、一つの工程で管材の外周面に対して凹溝の形成と仕上げができるので、現像スリーブの製造コストを低減することができる。また、一回の管材のチャックにより、管材の外周面に対して凹溝の形成と仕上げができるので、管材の外周面に形成した凹溝の深さがどこでも均一である高品質な現像スリーブを提供することができる。
【0012】
(第2発明)
第2発明に係る現像スリーブの製造方法は、第1発明において、切削ローレット工具を管材に押し当てる向きと、切削バイト工具を管材に押し当てる向きを略反対としたものである。
【0013】
かかる構成により、前記した第1発明の効果を得ることができるだけではなく、現像スリーブの真直度を向上させることができる。つまり、管材の外周面の加工持に、切削ローレット工具および切削バイト工具により管材を両側から挟み込んで切削する形となるので、管材を一方向に曲げる力が働かない。このため、現像スリーブを回転させた時の振れを小さくすることができる。
【0014】
(第3発明)
また、第3発明に係る現像スリーブの製造方法は、第1発明または第2発明において、管材は、管材の外径よりも若干大きな内径の孔を有するガイドブッシュの該孔から送り出され、切削ローレット工具は、ガイドブッシュの近傍に設けられたものである。
【0015】
ここで、ガイドブッシュとは、管材の外径よりも若干大きな内径の孔を有し、管材を加工するための旋盤等の工作機械に固定された部品をいう。このガイドブッシュには管材の外径よりも若干大きい内径の孔があけられているので、この孔から管材を送り出すことにより、ガイドブッシュから出た直後の管材は、ガイドブッシュにより支持され、振れが小さい。
ここで、管材の外径よりも若干大きな内径とは、できるだけ管材の外径に近い内径であって、管材がその長手方向に大きな摩擦抵抗を受けることなくスムーズに搬送できる内径をいう。
【0016】
このため、ガイドブッシュの近傍に工作機械に固定された切削ローレット工具を設けることにより、ガイドブッシュにより支持された管材の外周面に切削ローレット工具を押し当てて凹溝の切削加工をすることができるので、切削形成される凹溝の深さのバラツキを無くし、一定にすることができる。
【0017】
また、切削バイト工具は切削ローレット工具の近傍に設けられているので、結果的に、ガイドブッシュにより強固に支持された管材の外周面を、切削ローレット工具および切削バイト工具により切削加工することができる。このため、凹溝の深さが長手方向において均一で、かつ、現像スリーブを回転させた時の振れが小さい現像スリーブを製造することができる。
【0018】
(第4発明)
第4発明に係る現像スリーブの製造方法は、第3発明において、ガイドブッシュは、本体と、本体の内側に位置し、管材の回転方向に従動回転可能な回転体とからなり、回転体に孔が設けられたものである。
【0019】
かかる構成により、第3発明に記載した効果が得られるだけではなく、ガイドブッシュの位置において管材の回転力を摩擦により弱めることが無いので、切削ローレット工具および切削バイト工具による加工がよりスムーズにすることができる。
【0020】
(第5発明)
第5発明に係る現像スリーブの製造方法は、第1発明から第4発明のいずれか1つの発明において、管材の他端を、管材の回転に従動して回転する回転部材で支持するものである。
【0021】
かかる構成により、管材の他端を回転部材で支持するので、管材の切削加工中に回転する管材の他端が大きく振れることが無い。このため、回転させた時の振れがより小さい現像スリーブを製造することができる。
【0022】
(第6発明)
第6発明に係る現像スリーブの製造方法は、第5発明において、前記回転部材は、管材の他端に付勢されたものである。ここで、付勢とは、バネ等の弾性部材により押し付けることをいう。
【0023】
つまり、第6発明は、管材の他端に回転部材を弾性力により押し付けるものである。かかる構成により、第5発明に記載したのと同等の効果を得ることができる。
【0024】
(第7発明)
第7発明に係る現像スリーブは、第1発明から第6発明のいずれか1つの発明により製造した現像スリーブに関するものである。
かかる現像スリーブは、現像スリーブを回転させたときの振れが小さいので、現像スリーブの内部にマグネットロールを挿入して現像剤担持体を構成し、この現像剤担持体を感光体ドラムに対向させた現像装置においては、画像形成上問題となるような感光体の表面における現像剤の濃度ムラが発生することがない。
【0025】
(第8発明)
第8発明に係る現像剤担持体は、第7発明の現像スリーブと、この現像スリーブの内部に挿入したマグネットロールとを有する現像剤担持体に関するものである。
かかる現像剤担持体は、現像スリーブを回転させたときの現像スリーブの振れが小さいので、この現像剤担持体を感光体ドラムに対向させた現像装置においては、画像形成上問題となるような感光体の表面における現像剤の濃度ムラが発生することがない。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、凹溝の形成と表面の仕上げを同時に一工程で行うことができるので、安価で高品質な現像スリーブおよび現像剤担持体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
(現像剤担持体)
図1は、本発明に係る現像剤担持体の断面図を示したものである。
図1に示すように、本発明に係る現像剤担持体1は、シャフト2と、このシャフト2の外周面に接着剤等で固定されたマグネット5と、シャフト2の両端部をベアリング4により支持したフランジ3と、フランジ3を両端で固定した現像スリーブ7とから構成されている。
【0028】
さらに詳述すると、現像スリーブ7は、アルミニウムまたはステンレス製の円筒形状の部品であり、その両端は開口しており、この開口部にフランジ3が固定されている。このフランジ3の貫通孔にはシャフト2が貫通し、このシャフト2の両端部はフランジ3に固定されたベアリング4により回転可能に支持されている。一方、現像スリーブ7内におけるシャフト2の外周面にはマグネット5が固定されており、このシャフト2およびマグネット5によりマグネットロール6が構成されている。
【0029】
また、現像スリーブ7の外周面には、図2に示すように、現像スリーブ7の長手方向に延びた複数の凹溝8が、現像スリーブ7の周方向に略同じピッチで形成されている。
【0030】
かかる構成により、複写機などの画像形成装置において、シャフト2が固定された状態でフランジ3を回転させると、フランジ3に固定された現像スリーブ7が回転する。そうすると、現像スリーブ7が回転する時に、複数の凹溝8内に現像剤が引っかかった状態で搬送されることになる。
【実施例1】
【0031】
(現像スリーブの製造装置)
本発明に係る現像スリーブを製造するための装置は、管材を周方向に回転させながら長手方向に搬送し、かつ、管材の長手方向とは垂直な方向から切削ローレット工具および切削バイト工具を管材に押し当てる機能を有する旋盤であれば良い。特に、所謂スイス式旋盤と呼ばれる旋盤が適している。
【0032】
図3にスイス式旋盤の平面図、図4にガイドフレームの正面図を示す。
スイス式旋盤9は、図3に示すように、管材10の一端を把持するチャック11を主軸軸線18方向(管材10の長手方向)に移動する主軸台12と、主軸軸線18を遮るように配置されたガイドフレーム13と、このガイドフレーム13に工具切込み送り方向(管材10の長手方向とは垂直な方向)にのみ移動可能に設けた刃物台14、15が備えられている。そして、ガイドフレーム13には、その主軸軸線18部分に管材10を挿入して通す孔19を有するガイドブッシュが装着されている。
【0033】
すなわち、スイス式旋盤9は、主軸台12の主軸軸線18方向の移動と、刃物台14、15の工具切込み方向の移動とにより、定位置に設けられているガイドブッシュ20の直近で管材10の加工が行われる。このため、刃物台14に固定された切削ローレット工具16と、刃物台15に固定された切削バイト工具17の押し当てにより管材10に加わる加工力は、その直近で管材10を回転自在に支持しているガイドブッシュ20で受け止められ、加工力による管材10の撓みや振動が防止される。
【0034】
(現像スリーブの製造方法)
前記したスイス式旋盤9を用いた場合の現像スリーブの製造方法について、以下に説明する。
まず、スイス式旋盤9の主軸台12のチャック11に管材10の一端を把持し、管材10の長手方向に管材10を搬送しつつ、管材10を周方向に回転する。
【0035】
そして、ガイドブッシュ20から管材10の他端が突出したら、刃物台14を管材10の向きに移動させて、刃物台14に固定された切削ローレット工具16を管材10に押し当て、凹溝8の加工を行う。
【0036】
尚、本実施例においては、切削ローレット工具16として、スワロフスキーオプティック社製の切削式ローレット(Quickナーリングツール)シングルホイールタイプ(A2タイプ)のストレートパターンを使用した。かかる切削ローレット工具は、回転自在で刃先が尖った1個のカッタを用いて管材の外周面を切削しながら直線状の凹溝を形成するものであり、機械や管材への負荷を最小限に抑えて管材の外周面にローレット加工を施すものである。その詳細は大河出版の雑誌(ツールエンジニア)の2003年9月号および2004年10月号に記載されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0037】
この切削ローレット工具16の近傍には刃物台15に固定された切削バイト工具17が位置しており、この切削バイト工具17を管材10に押し当てることにより、切削ローレット工具16により外周面に凹溝8が形成された直後の管材10の外周面の仕上げ加工を行うことができる。
【0038】
すなわち、管材10への凹溝8の形成と外周面の仕上げが一工程でできるので、現像スリーブ7を短時間で製造することができ、安価に現像スリーブを製造できる。また、一回の管材のチャックにより、管材の外周面に対して凹溝の形成と仕上げができるので、管材の外周面に形成した凹溝の深さがどこでも均一な高品質な現像スリーブを製造できる。
【0039】
また、図3に示したように、切削ローレット工具16を管材10に押し当てる向きと、切削バイト工具17を管材10に押し当てる向きが反対であるため、管材10の外周面を両工具により切削加工するに当たり、管材10に無理な外力(加工力)が加わることが無い。このため、真直度が高く、回転させた場合の振れが小さい現像スリーブを製造することができる。
【0040】
また、管材10は、管材10の外径よりも若干大きな内径の孔19を有するガイドブッシュの孔19から送り出されるので、刃物台14に固定された切削ローレット工具16と、刃物台15に固定された切削バイト工具17の押し当てにより管材10に加わる加工力は、その直近で管材10を回転自在に支持しているガイドブッシュ20で受け止められる。このため、加工力による管材10の撓みや振動が防止されるので、凹溝8の深さを管材10の長手方向に渡って均一にすることができる。
【0041】
尚、ガイドブッシュ20は、図5に示すように、本体21と、この本体21の内側に位置して回転自在で孔19が形成された回転体22とからなっていても良い。ガイドブッシュ20がかかる構成の場合は、管材10の回転に伴い管材10に接触している回転体22が従動回転するので、ガイドブッシュ20の位置において管材10の回転力を摩擦により弱めることが無い。このため、切削ローレット工具16および切削バイト工具17による管材10の外周面の加工精度を向上させることができる。
【実施例2】
【0042】
本発明に係る第2実施例を、図6乃至図8を用いて以下に説明する。
図6乃至図8は、スイス式旋盤の平面図である。尚、実施例1との相違点のみを詳細に説明し、実施例1と同一の部分については説明を省略する。
【0043】
本実施例2の実施例1との主な相違点は、管材10の他端を主軸軸線18方向に移動可能なセンタ押台23に固定された回転部材としてのクイル24により支持した点のみである。
【0044】
本実施例2に係る現像スリーブの製造方法は、図6に示すように、まず、スイス式旋盤9の主軸台12のチャック11に管材10の一端を把持し、管材10の長手方向に管材10を搬送しつつ、管材10を周方向に回転する。そして、ガイドブッシュ20から管材10の他端が突出したら、管材10の貫通穴にクイル24の先端を挿入し、刃物台14を管材10の向きに移動させて、刃物台14に固定された切削ローレット工具16を管材10に押し当て、凹溝8の加工を行う。
【0045】
その後の管材10の加工は、実施例1と基本的に同じである。そして、図7に示す状態になったら、切削ローレット工具16を管材10から離れる方向に移動させ、さらに切削バイト工具17を管材10のセンターに向けて移動させて、管材10を切断し、現像スリーブ8を得る。
【0046】
かかる構成により、管材10の切削加工中に、回転する管材10の他端が大きく振れることが無い。このため、回転させた時の振れがより小さい現像スリーブ7を製造することができる。
【0047】
尚、クイル24は、図8に示すように、内部にバネ等の弾性部材25を有するものであっても良い。図8においては、クイル24のみ断面にしてある。
かかる構成により、弾性部材25により常に管材10の他端にクイル24を押し付けることができるので、クイル24による管材10の他端の支持を安定させることができる。
【0048】
前記した製造方法により製造した現像スリーブ7の長手方向の中央部にピックアップテスタを当て、現像スリーブ7を回転させた場合の振れは、10〜20μmであった。このことから、本発明に係る現像スリーブの製造方法により製造した現像スリーブの内部にマグネットロールを挿入して現像剤担持体を構成し、この現像剤担持体を感光体ドラムに対向させた現像装置においては、現像スリーブの振れが原因で画像形成上問題となるような感光体の表面における現像剤の濃度ムラが発生することはないといえる。
【0049】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載から当事者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
【0050】
例えば、前記した実施例においては、ガイドブッシュ20として、孔19の内径が一定のものを示したが、これに限定されるものではなく、管材10の外径に合わせて孔19の内径を可変(調整)できるタイプのガイドブッシュであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、画像形成装置等に使用される現像スリーブおよび現像剤担持体に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】現像剤担持体の断面図である
【図2】現像剤担持体の正面図である
【図3】スイス式旋盤の平面図である(実施例1)
【図4】ガイドフレームの正面図である(実施例1)
【図5】ガイドフレームの正面図である(実施例1)
【図6】スイス式旋盤の平面図である(実施例2)
【図7】スイス式旋盤の平面図である(実施例2)
【図8】スイス式旋盤の平面図である(実施例2)
【符号の説明】
【0053】
1 現像剤担持体
7 現像スリーブ
8 凹溝
10 管材
16 切削ローレット工具
17 切削バイト工具
19 孔
20 ガイドブッシュ
21 本体
22 回転体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体の表面に現像剤を吸着させて可視像を形成するため、内部にマグネットロールを挿入し、外周面に現像剤を移送するための複数の凹溝が形成される現像スリーブの製造方法において、
円筒形状の管材の一端を把持して長手方向に搬送しつつ回転させ、
切削ローレット工具を該長手方向とは垂直な方向から前記管材に押し当てることにより、前記管材の外周面に前記凹溝を形成し、
前記切削ローレット工具の近傍に設けた切削バイト工具を、該長手方向とは垂直な方向から前記管材に押し当てることにより、前記凹溝の形成直後に前記管材の表面仕上げを行うことを特徴とする現像スリーブの製造方法
【請求項2】
前記切削ローレット工具を前記管材に押し当てる向きと、前記切削バイト工具を前記管材に押し当てる向きが略反対である請求項1に記載の現像スリーブの製造方法
【請求項3】
前記管材は、前記管材の外径よりも若干大きな内径の孔を有するガイドブッシュの該孔から送り出され、
前記切削ローレット工具は、該ガイドブッシュの近傍に設けられた請求項1または請求項2に記載の現像スリーブの製造方法
【請求項4】
前記ガイドブッシュは、本体と、該本体の内側に位置し、前記管材の回転方向に従動回転可能な回転体とからなり、
該回転体に前記孔が設けられた請求項3に記載の現像スリーブの製造方法
【請求項5】
前記管材の他端を、前記管材の回転に従動して回転する回転部材で支持する請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の現像スリーブの製造方法
【請求項6】
前記回転部材は、前記管材の他端に付勢された請求項5に記載の現像スリーブの製造方法
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の現像スリーブの製造方法により製造した現像スリーブ
【請求項8】
請求項7に記載の現像スリーブと、
該現像スリーブの内部に挿入したマグネットロールとを有する現像剤担持体
【請求項1】
感光体の表面に現像剤を吸着させて可視像を形成するため、内部にマグネットロールを挿入し、外周面に現像剤を移送するための複数の凹溝が形成される現像スリーブの製造方法において、
円筒形状の管材の一端を把持して長手方向に搬送しつつ回転させ、
切削ローレット工具を該長手方向とは垂直な方向から前記管材に押し当てることにより、前記管材の外周面に前記凹溝を形成し、
前記切削ローレット工具の近傍に設けた切削バイト工具を、該長手方向とは垂直な方向から前記管材に押し当てることにより、前記凹溝の形成直後に前記管材の表面仕上げを行うことを特徴とする現像スリーブの製造方法
【請求項2】
前記切削ローレット工具を前記管材に押し当てる向きと、前記切削バイト工具を前記管材に押し当てる向きが略反対である請求項1に記載の現像スリーブの製造方法
【請求項3】
前記管材は、前記管材の外径よりも若干大きな内径の孔を有するガイドブッシュの該孔から送り出され、
前記切削ローレット工具は、該ガイドブッシュの近傍に設けられた請求項1または請求項2に記載の現像スリーブの製造方法
【請求項4】
前記ガイドブッシュは、本体と、該本体の内側に位置し、前記管材の回転方向に従動回転可能な回転体とからなり、
該回転体に前記孔が設けられた請求項3に記載の現像スリーブの製造方法
【請求項5】
前記管材の他端を、前記管材の回転に従動して回転する回転部材で支持する請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の現像スリーブの製造方法
【請求項6】
前記回転部材は、前記管材の他端に付勢された請求項5に記載の現像スリーブの製造方法
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の現像スリーブの製造方法により製造した現像スリーブ
【請求項8】
請求項7に記載の現像スリーブと、
該現像スリーブの内部に挿入したマグネットロールとを有する現像剤担持体
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2010−26425(P2010−26425A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−190714(P2008−190714)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(000251288)鈴鹿富士ゼロックス株式会社 (156)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(000251288)鈴鹿富士ゼロックス株式会社 (156)
【Fターム(参考)】
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