説明

現像ユニット、画像形成装置及び画像現像方法

【課題】トナー層を規制する部材をクラウン加工せずに、現像部材に対して均一な加圧分布を与えることが可能な現像ユニット、画像形成装置及び画像現像方法を提供すること。
【解決手段】感光媒体10に画像を現像する現像ユニット130であって、トナーが蓄えられるハウジング21と、感光媒体に対向してハウジングに第1の回転軸23aを中心に回転可能に設けられた現像部材23と、現像部材に供給されるトナーを規制して現像部材に均一なトナー層を形成し、第2の回転軸25aを中心に回転駆動される円筒状の規制部材25とを備え、第2の回転軸が第1の回転軸に対して角度θだけ外れるように配置されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ユニット、画像形成装置及び画像現像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式の画像形成装置は、所定の電位で帯電された感光媒体に光を走査して静電潜像を形成し、所定色相のトナーで現像した後、これを印刷媒体に転写及び定着させて画像を印刷する機器である。
【0003】
この電子写真方式の画像形成装置は現像剤の状態に応じて湿式と乾式に分けられるが、このうち、乾式画像形成装置はキャリアの使用有無に応じて二成分方式と一成分方式に分けられる。ここで、二成分方式は粉末状のキャリアとトナーとが混合した現像剤を用いる方式であり、一成分方式はトナーだけで構成された現像剤を用いる方式である。
【0004】
一成分現像方式の画像形成装置は、帯電及び露光により静電潜像が形成される感光媒体と、前記感光媒体にトナーを供給して画像を形成する現像ユニットとを含む。
【0005】
従来の現像ユニットの一例として、日本公開特許公報“特開平07−064394号”(特許文献1、発明の名称:現像装置、公開日:1995年3月10日)が開示されている。この開示された現像装置は、感光体ドラムに対向して配置されて静電潜像に現像剤を供給する弾性を有する現像ローラーと、この現像ローラーの表面上に接触して現像ローラーの表面上に現像剤薄層を形成するトナー層形成ローラー(以下、“規制ローラー”という。)とを含む。
【0006】
上記現像ローラーの表面に現像剤層を形成するためには、規制ローラーを現像ローラーの方向に加圧すべきであり、その方法としては規制ローラーの両端を加圧する方式を用いる。この両端加圧方式の場合、規制ローラーの軸方向に圧力分布が変化して規制ローラーの中央部で正常な規制が行われないという問題点がある。
【0007】
これを改善するために、上記特開平07−064394号公報に開示された技術においては、規制ローラーの両端の直径が中央部の直径より小さくなるように規制ローラーをクラウン加工して加圧時に軸方向の圧力分布を均一にした。
【0008】
【特許文献1】特開平07−064394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一方、上述したようにクラウン加工するためには、長さ方向約200mmに対して規制ローラーの外径の差を100μm〜200μmだけ与えなければならない。
従って、規制ローラーを鋼鉄材質とする場合は加工が難しく、コストも高くなるという問題がある。また、シャフトにクラウン加工されたゴム層をチュービングする(tubing)場合も、高コスト化をもたらすとういう短所があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、トナー層を規制する部材をクラウン加工せずに、現像部材に対して均一な加圧分布を与えることが可能な、新規かつ改良された現像ユニット、画像形成装置及び画像現像方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、感光媒体に画像を現像する現像ユニットであって、トナーが蓄えられるハウジングと、感光媒体に対向してハウジングに第1の回転軸を中心に回転可能に設けられた現像部材と、現像部材に供給されるトナーを規制して現像部材に均一なトナー層を形成し、第2の回転軸を中心に回転駆動される円筒状の規制部材とを備え、第2の回転軸が第1の回転軸に対して角度θだけ外れるように配置された現像ユニットが提供される。
【0012】
上記角度θは、次の条件式1を満たしてもよい。
<条件式1>
0.25°≦θ≦0.71°
【0013】
上記規制部材は現像部材と接触するようにハウジング内に設けられてもよい。
【0014】
上記規制部材の両端部の各々において、現像部材と接触する部分の中心が現像部材の回転中心に対して偏心量Mだけ外れるように規制部材が配置され、偏心量Mは、次の条件式2を満たしてもよい。
<条件式2>
0.5mm≦M≦1.3mm
【0015】
上記現像部材と接触した状態で回転可能に設けられ、トナーを現像部材に取り付ける供給部材をさらに備えてもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、画像形成装置に用いられる現像ユニットであって、回転軸を中心に回転可能に設けられた現像ローラーと、回転軸の軸方向に沿って現像ローラーを均一に加圧し、現像ローラーに供給されるトナーを規制して現像ローラーに均一なトナー層を形成する規制部材とを備え、規制部材の中心を貫通して延長した第1の仮想線と現像ローラーの中心を貫通して延長した第2の仮想線とが互いに平行しない現像ユニットが提供される。
【0017】
上記第1の仮想線が第2の仮想線に対して角度θだけ外れるように配置され、角度θは上記条件式1を満たしてもよい。上記規制部材は現像ローラーと接触するように設けられ、現像ローラーに供給されるトナーを規制してもよい。
【0018】
上記規制部材の両端部の各々において、現像ローラーと接触する部分の中心が現像ローラーの回転中心に対して偏心量Mだけ外れるように規制部材が配置され、偏心量Mは、上記条件式2を満たしてもよい。上記現像ローラーと接触した状態で回転可能に設けられ、トナーを現像ローラーに取り付ける供給ローラーをさらに備えてもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、画像形成装置であって、帯電及び露光により潜像が形成される感光媒体と、感光媒体にトナーを供給して潜像に対応する画像を形成する上記の現像ユニットと、現像ユニットで形成された画像を印刷媒体に転写する転写ユニットと、印刷媒体に転写された画像を定着させる定着ユニットとを備える画像形成装置が提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、画像現像方法であって、現像剤を供給するように配置された現像部材の長さ方向に沿って形成された現像部材の作動面を、現像部材の回転軸に対して外れる規制面が規制するステップを含むことを特徴とする画像現像方法が提供される。
【0021】
上記現像部材上の現像剤層を規制するために、規制面が規制回転軸を中心に回転して、現像部材の回転軸と規制面の規制回転軸とが互いに外れるように備えられてもよい。
【0022】
上記現像部材の回転軸が規制面の規制回転軸に対して角度θだけ外れるように配置され、角度θは上記条件式1を満たしてもよい。
【0023】
上記規制面の両端部の中心が現像部材の作動面に対して偏心量Mだけ外れるように配置され、偏心量Mは上記条件式2を満たしてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、トナー層を規制する部材をクラウン加工せずに、現像部材に対して均一な加圧分布を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
(第1の実施形態)
まず、本発明の一実施形態に係る現像ユニットについて説明する。図1〜図3を参照すると、本発明の一実施形態による現像ユニットは、トナーTが蓄えられるハウジング21、ハウジング21に設けられる現像ローラー23及び規制ローラー25を含んで構成される。
【0027】
現像ローラー23は、その一部面がハウジング21の外部に露出された状態で第1の回転軸23aを中心に回転可能にハウジング21に設けられる。この現像ローラー23は電位差により感光媒体10にトナーTを供給して可視画像を現像する。ここで、感光媒体10には帯電及び露光により潜像(latent image)が形成され、現像ローラー23は潜像に対して可視画像を現像する。
【0028】
規制ローラー25は現像ローラー23に供給されるトナーTを規制して現像ローラー23に均一なトナー層を形成する。規制ローラー25は第2の回転軸25aを中心に回転駆動して、第2の回転軸25aの長手方向全体にかけて実質的に同じ半径を有する円筒型構造を有する。従って、規制ローラー25を加工するとき、従来のクラウン加工に比べて加工が容易で、そのコストも安いという利点がある。
【0029】
ここで、規制ローラー25は、図1に示したように、現像ローラー23と接触するように形成できる。一方、2成分現像方式の場合、規制ローラーが現像ローラーに対して非接触状態でトナー層を規制することができる。
【0030】
以下、規制ローラー25が現像ローラー23と接触した場合を主に説明する。
本発明の一実施形態による現像ユニットは、現像ローラー23と規制ローラー25との間の接触圧力を接触領域全体にかけて均一にするために、第2の回転軸25aが第1の回転軸23aに対して角度θだけ外れるように配置されている。すなわち、図2に示したように、現像ローラー23と規制ローラー25の中央部Cを交差点にして第1の回転軸23aと第2の回転軸25aとが互いに外れるように配置されている。
【0031】
従って、規制ローラー25の両端部25b,25cを加圧する場合、現像ローラー23と規制ローラー25の中央部Cが先に接触した後、規制ローラー25が曲がりながら、規制ローラー25の中央部Cから両端部の方へ接触する部分が増えて接触領域全体にかけて所定の接触圧力を有する。
【0032】
ここで、接触圧力を接触領域全体にかけて均一にするためには、角度θの範囲設定が重要である。より好ましくは、角度θは次の数式1を満たす。
0.25°≦θ≦0.71° ・・・(数式1)
ここで、角度θの上限値及び下限値は現像ローラー23と規制ローラー25の直径、材質及び長さを考慮した値であり、後述する実験例1〜3の結果に基づいて設定された値である。
【0033】
すなわち、数式1の下限値を外れる場合、規制ローラー25の両端の加圧時に規制ローラー25の両端部の方にかかる圧力が中央部にかかる圧力より増えて、規制ローラー25の中央部における接触圧力分布が低くなる問題点がある。
【0034】
一方、数式1の上限値を外れる場合、規制ローラー25を両端で加圧しても、両端部の方が現像ローラー23に接触しないか、中央部より低い接触圧力で接触して、現像ローラー23上に形成されるトナー層の形成不良を招くおそれがある。また、均一な接触圧力を保持するために、規制ローラー25の両端に対する圧力が増える場合、規制ローラー25の変形が発生することもある。
【0035】
また、本発明の一実施形態による現像ユニットは、次の数式2を満たすことが好ましい。
0.5mm≦M≦1.3mm ・・・(数式2)
数式2は偏心量Mの条件範囲を制限し、偏心量Mは次のように定義される。すなわち、図2に示すように、偏心量Mは、規制ローラー25の両端部25b,25cの各々において、現像ローラー23と接触する部分における規制ローラー25の断面の中心が、現像ローラー23の回転中心に対して外れた量をいう。
従って、規制ローラー25の一端部25bと他端部25cとの間の全体偏心量は、2Mとなる。
【0036】
数式2は規制ローラー25の軸方向の長さを考慮して、数式1を他の表現方法でに表現したものである。すなわち、数式2は印刷媒体として縦方向に画像形成装置に進入するA4用紙の縦幅の210mmに合わせて規制ローラーの長さ(=L)を設定した場合において、数式3の関係を考慮して設定したものである。
θ=tan−1(2M/L) ・・・(数式3)
【0037】
数式2の条件範囲のうち、上限値と下限値の臨界的意義は、上述した数式1の臨界的意義と実質的に同じなので、その詳細説明は省略する。
【0038】
また、本発明の一実施形態による現像ユニットは、図1に示すように、ブレード27と、供給ローラー29とをさらに含むことができる。ブレード27はハウジング21の内部に設けられて規制ローラー25と接触して、ハウジング21の内部に蓄えられているトナーTの流出を防止するとともに、規制ローラー25に取り付けられたトナーTをクリーニングする。
【0039】
供給ローラー29はハウジング21の内部に設けられて現像ローラー23と接触した状態で回転しながらトナーTを供給する。供給ローラー29は、その外部面にトナーTが容易に取り付けられ、現像ローラー23との接触ニプ(nip)の幅を大きくするようにスポンジなどで構成される。
【0040】
供給ローラー29はトナーTを現像ローラー23に取り付けるとともに、トナーの供給流れが円滑になされるようにする。このようにトナー供給を円滑にするために、供給ローラー29には電源供給機(図示せず。)から所定電位のバイアス電源が印加される。このバイアス電源の印加により供給されるトナーが所定電位で帯電される。さらに、供給ローラー29は現像後に現像ローラー23に残留するトナーTをクリーニングする。
【0041】
以下、本発明の一実施形態による現像ユニットの実験例1〜3について説明する。
本実験結果を調べるために、図4に示したようなクラウン加工された規制ローラー30を用意し、この規制ローラー30の深さと本発明の一実施形態による現像ユニットの偏心量Mとの関係を図5に示した。
【0042】
図4を参照すると、比較例による規制ローラーはクラウン形状のローラーであり、両端部の直径をR、中央部の直径をRとするとき、現像ユニットの深さDは、(R−R)/2と定義される。
【0043】
まず、本実験は一成分現像方式に適用される現像ユニットに対してなされたが、その具体的な実験条件は次のとおりである。
【0044】
<実験例1>
用いられた現像ローラーはSUS材質の直径14mmのシャフトに1.0mm厚さのゴム層を形成し、16mmの外径を有する。この現像ローラーの表面粗度Rzは約6〜14μmである。また、用いられた規制ローラーはSUS材質の直径10mmを有し、そのRzが約1〜2μmである。ここで、現像ローラーの表面粗度Rzが小さければ、現像ローラー上のトナー層が薄くなり、規制ローラーのRzが高ければ、現像ローラー上のトナー層の厚さが不均一になるため、これを考慮してRz値を設定した。
【0045】
<実験例2>
用いられた現像ローラーはSUS材質の直径14mmのシャフトに1.0mm厚さのゴム層を形成し、16mmの外径を有する。この現像ローラーの表面粗度Rzは約6〜14μmである。また、用いられた規制ローラーはSUS材質の直径10mmのシャフトに1.0mm厚さのゴム層を形成した構造を有する。この規制ローラーは外周面をクラウン加工せず、実質的に同じ直径の円筒型構造で加工したが、その外周面にはナイロン材質でチュービング(tubing)した。また、Rzは約1.5μmに設定した。
【0046】
<実験例3>
用いられた現像ローラーはSUS材質の直径14mmのシャフトに3.0mm厚さのゴム層を形成し、20mmの外径を有する。ゴム層はAsker−A単位で50度の軽度を有し、10μmのRz値を有する。また、用いられた規制ローラーは、実験例1の場合のようなSUSハード型の規制ローラーまたは実験例2の場合のようなチュービング型の規制ローラーと同一である。
【0047】
実験例1〜3のように、現像ローラー及び規制ローラーの規格を設定して実験した場合、図5のr8で表示した結果が得られた。すなわち、偏心量Mが1.25mmの場合、比較例のクラウン深さ(D)100μmに対応する効果があり、現像ローラー上でトナー層の厚さ及び帯電量の分布が均一な結果が得られた。
【0048】
特に、実験例3の場合は実験例1及び2に比べて厚いゴム層を有する現像ローラーを構成したが、偏心量Mを1.25mmより小さい値、たとえば、1.0mm程度に設定しても、実験結果から現像ローラー上のトナー層の厚さ及び帯電量の分布が均一になることがわかる。
【0049】
図5のr6,r10は、現像ローラーの外径をそれぞれ12mm(半径6mm)、20mm(半径10mm)に設定した場合の結果を示している。この場合、偏心量Mと深さDとの間の関係において実験例と類似していることがわかる。従って、これを考慮して偏心量Mを設定することによって、規制ローラーを回転軸の長さ方向に外径の同じ円筒型構造にしても、比較例による規制ローラーのようなクラウン構造を採用した場合と実質的に同じ結果が得られる。
【0050】
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態に係る現像ユニットについて説明する。図6〜図8を参照すると、本発明の他の実施形態による現像ユニットは、トナーTが蓄えられるハウジング41、ハウジング41に設けられた現像ローラー43及び規制ブレード45を含んで構成される。
【0051】
現像ローラー43は、その一部面がハウジング41の外部に露出されたまま、回転軸43aを中心に回転可能にハウジング41に設けられ、感光媒体10にトナーTを供給して可視画像を現像する。
【0052】
規制ブレード45は、現像ローラー43に供給されるトナーTを規制して現像ローラー43に均一なトナー層を形成する。
ここで、規制ブレード45は、図6に示したように、現像ローラー43と接触するように形成できる。一方、2成分現像方式の場合、規制ブレードが現像ローラーに対して非接触状態でトナー層を規制することができる。以下、規制ブレード45が現像ローラー43と接触した場合を主に説明する。
【0053】
規制ブレード45の配置において、規制ブレード45の接触端部46の中心をなす線分46aが、現像ローラー43の回転軸43aの長さ方向に対して角度θだけ外れるように配置されることを特徴とする。ここで、線分46aは、現像ローラー43の一端部43bと接触する規制ブレード45の接触端部46の中心と、現像ローラー43の他端部43cと接触する規制ブレード45の接触端部46の中心とを連結した線をいう。
【0054】
すなわち、図7に示したように、現像ローラー43と規制ブレード45の中央部Cを交差点にして回転軸43a(第2の仮想線)と線分46a(第1の仮想線)とが互いに外れるように配置されている。従って、規制ブレード45の両端部を加圧する場合、現像ローラー43と規制ブレード45の中央部Cが先に接触した後、規制ブレード45が曲がりながら規制ブレード45の中央部Cから両端部の方へ接触する部分が増えて、接触領域全体にかけて所定の接触圧力を有する。
【0055】
ここで、接触圧力を接触領域全体にかけて均一にするためには、角度θの範囲設定が重要である。より好ましくは、角度θは数式1を満たす。
また、本発明の他の実施形態による現像ユニットは、数式2を満たすことが好ましい。
数式2は偏心量Mの条件範囲を制限し、本実施形態において、偏心量Mは次のように定義される。すなわち、偏心量Mは規制ブレード45の両端部の各々における接触端部46の中心が、現像ローラー43の回転中心に対して外れる量をいう。従って、規制ブレード45の一端部45bと他端部45cとの間の全体偏心量は、2Mとなる。
【0056】
さらに、本発明の他の実施形態による現像ユニットは、供給ローラー47をさらに含むことができる。供給ローラー47はハウジング41の内部に設けられて現像ローラー43と接触した状態で回転しながらトナーTを供給する。供給ローラー47は、その外部面にトナーTが容易に取り付けられ、現像ローラー43との接触ニプ(nip)の幅を大きくするようにスポンジなどで構成される。供給ローラー47の構成は、本発明の一実施形態による現像ユニットに採用された供給ローラー(図1の29)の構成と実質的に同じなので、その詳細説明は省略する。
【0057】
次に、本発明の実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置について説明する。図9を参照すると、電子写真方式の画像形成装置は、キャビネット110、このキャビネット110の内部に備えられる感光媒体(感光ドラム)120、光走査ユニット125、転写ユニット(転写ベルト)127、現像ユニット130及び定着ユニット150を含む。
【0058】
感光媒体120は帯電ローラー123により帯電され、光走査ユニット125から走査されたビームにより露光されて静電潜像の形成される媒体である。感光媒体120は、示したように、円筒形状の金属材ドラムと、その外周に形成された光導電性層を備えた感光ドラムとで構成される。
【0059】
帯電ローラー123は、感光媒体120を均一な電位で帯電させる帯電機の一例である。この帯電ローラー123は感光媒体120と接触または非接触状態で回転しながら、電荷を供給して感光媒体120の光導電層の均一な電位を有するようにする。ここで、帯電ローラー123の代わりに、コロナ帯電機(図示せず)を用いることも可能である。
【0060】
光走査ユニット125は均一な電位で帯電された感光媒体120に光を走査して画像情報に当たる静電潜像を形成する。
【0061】
現像ユニット130は、カラーに応じて分けられる第1〜第4の現像ユニット130C,130M,130Y,130Kを含む。第1〜第4の現像ユニット130C,130M,130Y,130Kの各々には、シアンC、マゼンタM、イエローY及びブラックK色相の固体粉末状のトナーがそれぞれ収容される。第1〜第4の現像ユニット130C,130M,130Y,130Kの各々は、感光媒体120にトナーを供給して感光媒体120に形成された静電潜像に対してトナー画像を形成させる現像ローラー135を含む。ここで、現像ローラー135と感光媒体120との間には数十〜数百ミクロン程度の現像ギャップが形成されて非接触式で現像する。第1〜第4の現像ユニット130C,130M,130Y,130Kを通して感光媒体120を現像するにおいて、感光媒体120の一回転ごとに一つの色相に対応する現像ユニットの現像ローラー135だけが現像に寄与する。
【0062】
現像ユニット130の各々は、ハウジング、現像ローラー及び規制部材を含んで構成される。ここで、規制部材は規制ローラーまたは規制ブレードで構成される。
現像ユニット130の各々の構成は、図1〜図8を参照して説明した本発明の実施形態による現像ユニットの構成と実質的に同じなので、その詳細説明は省略する。
【0063】
転写ユニット127は感光媒体120に現像された画像が転写され、これを印刷媒体Pに転写する。この転写ユニット127には、感光媒体120に順次に形成される各色相のトナー画像が順次に転写されて重なることにより、カラー画像が形成される。
【0064】
また、画像形成装置は、第1及び第2のクリーニングユニット141,143、除電ランプ147、電源供給機149、給紙ユニット160を含む。
【0065】
第1のクリーニングユニット141は、トナー画像が転写ユニット127に転写された後に、感光媒体120の外周面に残留する廃トナーを取り除く。第2のクリーニングユニット143は、転写ユニット127に転写された画像が印刷媒体に二次的に転写された後に、転写ユニット127に残留する廃トナーを取り除く。
【0066】
除電ランプ147は帯電前に感光媒体120の外周面に残留する電荷を取り除く。すなわち、この除電ランプ147は、感光媒体120の外周面に所定光量の光を照査して感光媒体120の表面に残留する電荷を取り除く。
【0067】
電源供給機149は、現像バイアス電源、現像防止バイアス電源、第1及び第2の転写バイアス電源及び帯電バイアス電源を提供する。ここで、現像バイアス電源は、第1〜第4の現像ユニット130C,130M,130Y,130Kの各々から感光媒体120にトナーを現像させる。また、現像防止バイアス電源は、現像に寄与する特定色相以外の現像ユニットから感光媒体120へのトナー現像を防止する。
【0068】
第1の転写バイアス電源は感光媒体120から転写ユニット127へのトナー画像転写に用いられ、第2の転写バイアス電源は転写ユニット127から印刷媒体Pへのトナー画像転写に用いられる。また、帯電バイアス電源は帯電ローラー123に印加される。
【0069】
定着ユニット150は印刷媒体Pに転写されたトナー画像を定着させ、互いに所定の圧力で噛み合い回転する一対の定着ローラー151,153を含む。この一対の定着ローラー151,153のうち、少なくともいずれか一つの定着ローラーには加熱源(図示せず)が備えられている。従って、画像の転写された印刷媒体Pが定着ユニット150を通過しながら熱と圧力によりトナー画像が印刷媒体Pに定着されることによって、画像の印刷が完了する。
【0070】
給紙ユニット160は供給される印刷媒体Pの積載空間である。この給紙ユニット160から給紙された印刷媒体Pは、用紙移送ユニット170を通して転写ユニット127と加圧ローラー129との間の経路に移送される。また、画像の印刷された用紙は、排出ローラー179を通してキャビネット110の外部に排出される。
【0071】
次に、本発明の実施形態に係る画像現像方法について説明する。図10は、本発明の一実施形態による画像現像方法を示したフローチャートである。以下、図1及び図10を参照しながら、本発明の実施形態による画像現像方法について説明する。
【0072】
まず、現像ユニットの現像ローラー23のような現像部材が感光媒体にトナーTを供給するように備えられる(S10)。図1に示したように、現像ローラー23は第1の回転軸23aを中心に回転する。
【0073】
次に、現像ユニットの規制ローラー25のような規制部材が現像部材を規制(例えば、トナー層の厚さを制限)するように備えられる(S20)。規制ローラー25は、その現像ローラー23の上に均一なトナー層を形成するために現像ローラー23に供給されるトナーTを規制する。規制ローラー25は第2の回転軸25aを中心に回転し、第2の回転軸25aの長さ方向全体にかけて実質的に同じ半径を有する円筒型構造をなす。
【0074】
その後、現像部材の作動面を規制するように、規制部材の規制面(例えば、平板面、円筒型表面の接触部など)は現像部材の回転軸に対して外れるように配列される(S30)。現像部材の作動面は、現像部材の長さ(例えば、印刷媒体Pの幅方向に平行する)方向に沿って形成されている。
【0075】
図1に示したように、現像ローラー23の作動面は第1の回転軸23aに平行する。
本実施形態による現像方法において、規制部材に力が加えられると(例えば、両端部25b,25cを加圧すると)、規制面と作動面との間(例えば、現像ローラー23と規制ローラー25との間)の接触領域における接触圧力を均一または実質的に均一にすることができる。例えば、規制ローラー25の両端部を加圧する場合、現像ローラー23と規制ローラー25の中央部Cが先に接触し、規制ローラー25が曲がりながら規制ローラー25の中央部Cから両端部の方に接触する部分が増えて、接触領域全体にかけて所定の接触圧力を有する。
【0076】
これにより、ステップS30において現像ローラー23上の現像剤(例えば、トナー)は均一または実質的に均一になる。上記で示したように、平行関係から規制部材を配列する方法は、数式1を満たすように角度θを設定するステップ、又は数式2を満たすように偏心量Mを設定するステップを含むことができる。
【0077】
本実施形態によれば、現像ローラーに形成されるトナー層(現像剤層)を規制する規制部の構造を改善しており、上述したように、本実施形態による現像ユニット、これを採用した画像形成装置及び画像現像方法は、トナー層を規制する部材をクラウン加工せずに、現像ローラーと規制部材(すなわち、規制ローラー又は規制ブレード)との間に均一な加圧分布を与える。従って、均一な加圧分布を得るための従来の現像ユニットに比べて規制部材の加工が容易で生産性を向上させることができ、製造コストを低減させるという利点がある。
【0078】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施形態による現像ユニットを示す概略的な断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による現像ユニットの現像ローラーと規制ローラーとの配置関係を示す概略的な平面図である。
【図3】本発明の一実施形態による現像ユニットの現像ローラーと規制ローラーとの配置関係を示す概略的な側面図である。
【図4】比較例によるクラウン形状の規制ローラーを示す平面図である。
【図5】比較例による現像ユニットの深さ(D)と本発明の一実施形態による現像ユニットの偏心量(M)との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の他の実施形態による現像ユニットを示す概略的な断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態による現像ユニットの現像ローラーと規制ブレードとの配置関係を示す概略的な平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態による現像ユニットの現像ローラーと規制ブレードとの配置関係を示す概略的な側面図である。
【図9】本発明の実施形態による現像ユニットを採用した画像形成装置を示す概略的な断面図である。
【図10】本発明の実施形態による画像現像方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
10 感光媒体
21 ハウジング
23 現像ローラー
23a 第1の回転軸
25,30 規制ローラー
25a 第2の回転軸
27 ブレード
29 供給ローラー
41 ハウジング
43 現像ローラー
43a 回転軸
45 規制ブレード
47 供給ローラー
110 キャビネット
120 感光媒体
123 帯電ローラー
125 光走査ユニット
127 転写ユニット
130 現像ユニット
135 現像ローラー
141 第1のクリーニングユニット
143 第2のクリーニングユニット
147 除電ランプ
149 電源供給機
150 定着ユニット
151,153 定着ローラー
160 給紙ユニット
170 用紙移送ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光媒体に画像を現像する現像ユニットであって、
トナーが蓄えられるハウジングと、
前記感光媒体に対向して前記ハウジングに第1の回転軸を中心に回転可能に設けられた現像部材と、
前記現像部材に供給される前記トナーを規制して前記現像部材に均一なトナー層を形成し、第2の回転軸を中心に回転駆動される円筒状の規制部材と、
を備え、
前記第2の回転軸が前記第1の回転軸に対して角度θだけ外れるように配置されたことを特徴とする、現像ユニット。
【請求項2】
前記角度θは、次の条件式1を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の現像ユニット。
<条件式1>
0.25°≦θ≦0.71°
【請求項3】
前記規制部材は前記現像部材と接触するように前記ハウジング内に設けられることを特徴とする、請求項2に記載の現像ユニット。
【請求項4】
前記規制部材の両端部の各々において、前記現像部材と接触する部分の中心が前記現像部材の回転中心に対して偏心量Mだけ外れるように前記規制部材が配置され、
前記偏心量Mは、次の条件式2を満たすことを特徴とする、請求項3に記載の現像ユニット。
<条件式2>
0.5mm≦M≦1.3mm
【請求項5】
前記現像部材と接触した状態で回転可能に設けられ、前記トナーを前記現像部材に取り付ける供給部材をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の現像ユニット。
【請求項6】
画像形成装置に用いられる現像ユニットであって、
回転軸を中心に回転可能に設けられた現像ローラーと、
前記回転軸の軸方向に沿って前記現像ローラーを均一に加圧し、前記現像ローラーに供給される前記トナーを規制して前記現像ローラーに均一なトナー層を形成する規制部材と、
を備え、
前記規制部材の中心を貫通して延長した第1の仮想線と前記現像ローラーの中心を貫通して延長した第2の仮想線とが互いに平行しないことを特徴とする、現像ユニット。
【請求項7】
前記第1の仮想線が前記第2の仮想線に対して角度θだけ外れるように配置され、前記角度θは次の条件式1を満たすことを特徴とする、請求項6に記載の現像ユニット。
<条件式1>
0.25°≦θ≦0.71°
【請求項8】
前記規制部材は前記現像ローラーと接触するように設けられ、前記現像ローラーに供給されるトナーを規制することを特徴とする、請求項7に記載の現像ユニット。
【請求項9】
前記規制部材の両端部の各々において、前記現像ローラーと接触する部分の中心が前記現像ローラーの回転中心に対して偏心量Mだけ外れるように前記規制部材が配置され、
前記偏心量Mは、次の条件式2を満たすことを特徴とする、請求項8に記載の現像ユニット。
<条件式2>
0.5mm≦M≦1.3mm
【請求項10】
前記現像ローラーと接触した状態で回転可能に設けられ、前記トナーを前記現像ローラーに取り付ける供給ローラーをさらに備えることを特徴とする、請求項9に記載の現像ユニット。
【請求項11】
画像形成装置であって、
帯電及び露光により潜像が形成される感光媒体と、
前記感光媒体にトナーを供給して前記潜像に対応する画像を形成する請求項1〜10のうちのいずれかによる現像ユニットと、
前記現像ユニットで形成された画像を印刷媒体に転写する転写ユニットと、
前記印刷媒体に転写された画像を定着させる定着ユニットと、
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項12】
画像現像方法であって、
現像剤を供給するように配置された現像部材の長さ方向に沿って形成された前記現像部材の作動面を、前記現像部材の回転軸に対して外れる規制面が規制するステップを含むことを特徴とする、画像現像方法。
【請求項13】
前記現像部材上の現像剤層を規制するために、前記規制面が規制回転軸を中心に回転して、前記現像部材の回転軸と前記規制面の規制回転軸とが互いに外れるように備えられることを特徴とする、請求項12に記載の画像現像方法。
【請求項14】
前記現像部材の回転軸が前記規制面の規制回転軸に対して角度θだけ外れるように配置され、前記角度θは次の条件式1を満たすことを特徴とする、請求項13に記載の画像現像方法。
<条件式1>
0.25°≦θ≦0.71°
【請求項15】
前記規制面の両端部の中心が前記現像部材の作動面に対して偏心量Mだけ外れるように配置され、前記偏心量Mは次の条件式2を満たすことを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の画像現像方法。
<条件式2>
0.5mm≦M≦1.3mm


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−310297(P2008−310297A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97243(P2008−97243)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】