説明

現像剤搬送装置及び画像形成装置

【課題】開口を通り過ぎる現像剤の量を低減し、開口から供給される現像剤の量のバラツキを防止して、安定した搬送を行う。
【解決手段】回転軸2aに螺旋形状の羽根部材を設けた螺旋状回転部材2を回転することにより回転軸2aの軸方向に沿って搬送パイプ1の搬送出口3に向けて現像剤を搬送する現像剤搬送装置であって、螺旋状回転部材2が有する螺旋形状の羽根部材は、回転軸2aの軸方向一方に向けて現像剤を搬送する第一の羽根部材2bと、回転軸2aの軸方向他方に向けて現像剤を搬送する第二の羽根部材2cと、からなり、搬送パイプ1の搬送出口3は、第一の羽根部材2bと第二の羽根部材2cの境界部に設けられ、螺旋状回転部材2を介して搬送パイプ1の搬送出口3に対向する壁面Aに、第一の羽根部材2bから第二の羽根部材2cに向かう現像剤の軸方向への流れを、回転軸2aの回転方向に変える抑制突部4を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤搬送部材によって現像剤を搬送する現像剤搬送装置に関し、特に、複写機、プリンタ、印刷機などに代表される画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機等の画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置として、現像剤搬送部材を用いてトナー等の現像剤を搬送する現像剤搬送装置が知られている。具体的には、現像剤搬送部材として、回転軸に螺旋形状の羽根部材を設けた螺旋状回転部材を用いて、回転軸を回転させることで螺旋形状の羽根部材によって現像剤を搬送し、開口から供給する現像剤搬送装置が知られている。このような現像剤搬送装置において、開口を通り過ぎてしまった現像剤が螺旋状回転部材の端部で壁面に押し当てられて固着する場合がある。これを防止するために、開口を通り過ぎてしまった現像剤を逆方向に搬送するように、螺旋状回転部材の端部の螺旋形状の羽根部材を、開口までの螺旋形状とは逆方向(逆巻き)の螺旋形状に構成したものが知られている。
【0003】
しかし、現像剤の搬送速度が速くなると開口を通り過ぎる現像剤の量も多くなってしまう。そのため、例えば螺旋状回転部材の軸受部分まで現像剤が到達すると、現像剤が凝集したり、現像剤が固着することで負荷重等の問題が起こってしまう。また、開口から定量的に現像剤を供給したい場合、開口を通り過ぎる現像剤の量を正確に見積もることが困難となるため、開口から現像剤を供給する精度が低下してしまう。
【0004】
そこで、特許文献1で開示されているように、逆巻きの羽根部分自体を軸受構造にしたものが提案されている。この構成によれば、軸受構造部分の逆巻きの羽根部材と壁面とが摺動しているため、開口を通り過ぎる現像剤の量を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−32769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、逆巻きの羽根部分を軸受構造とすると、その軸受の微妙な隙間(逆巻きの羽根部材と壁面との隙間)によって摺擦された現像剤が塊状となって画像不良を及ぼすおそれがある。また、壁面と羽根部材の摺擦によって削れた羽根部材や壁面の微粉が現像剤に混ざるおそれもある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、軸受の隙間で摺擦された現像剤が塊状になることや羽根部材と壁面の摺擦によって削れた微粉の現像剤への混入を防止しつつ、開口を通り過ぎる現像剤の量を低減し、安定した搬送を行うことが可能な現像剤搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、現像剤を案内する搬送路と、前記搬送路に設けられ現像剤を供給する開口と、回転軸に螺旋形状の羽根部材を設け前記搬送路において回転することにより前記回転軸の軸方向に沿って前記開口に向けて現像剤を搬送する現像剤搬送部材と、を有する現像剤搬送装置であって、前記現像剤搬送部材が有する螺旋形状の羽根部材は、前記回転軸の軸方向一方に向けて現像剤を搬送する螺旋形状を有する第一の羽根部材と、前記回転軸の軸方向他方に向けて現像剤を搬送する螺旋形状を有する第二の羽根部材と、からなり、前記搬送路の開口は、前記第一の羽根部材と前記第二の羽根部材の境界部に設けられており、前記現像剤搬送部材を介して前記搬送路の開口に対向する面に、前記第一の羽根部材から前記第二の羽根部材に向かう現像剤の軸方向への流れを、前記回転軸の回転方向に変える変換部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開口を通り過ぎる現像剤の量を低減することが可能となり、開口から供給される現像剤の量のバラツキを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係る現像剤搬送装置の斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る現像剤搬送装置の側面図である。
【図3】第1実施形態に係る現像剤搬送装置の抑制突部の形状を示す図であり、(a)は抑制突部を搬送方向から見た断面図、(b)は抑制突部を搬送方向と直交する幅方向からみた断面図である。
【図4】抑制部材の形状を示す図である。
【図5】中間転写方式の画像形成装置の断面図である。
【図6】第2実施形態に係る現像剤搬送装置の斜視図である。
【図7】第2実施形態に係る現像剤搬送装置の側面図である。
【図8】第2実施形態に係る現像剤搬送装置の抑制溝部の形状を搬送方向から見た断面図である。
【図9】(a)は一般的な現像剤補給装置を示す図であり、(b)は搬送出口を通り過ぎる過程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る現像剤搬送装置を備えた画像形成装置について説明する。まず画像形成装置について説明し、次に現像剤搬送装置について説明する。
【0013】
<画像形成装置について>
まず、図5を用いて画像形成装置の動作について説明する。図5に示した画像形成装置60は電子写真方式を用いたカラーの画像形成装置である。ここでは、画像形成装置60として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)の4色の画像形成部を中間転写ベルト上に並べて配置した、所謂中間転写タンデム方式の画像形成装置を例示している。図5は前記画像形成装置の断面図であり、厚紙対応力や生産性に優れる点から近年主流になっている。
【0014】
<転写材の搬送プロセス>
転写材Sは転写材収納庫61内のリフトアップ装置62上に積載される形で収納されており、給送手段63により画像形成タイミングに合わせて1枚ずつ給送される。ここで、給送手段63は給送ローラ等による摩擦分離を利用する方式と、エアによる分離吸着を利用する方式が挙げられるが、図5では後者を用いた構成を例示している。前記給送手段63により送り出された転写材Sは搬送ユニット64が有する搬送パス64aを通過し、レジストレーション装置65へと搬送される。前記レジストレーション装置65において斜行補正やタイミング補正を行った後、転写材Sは二次転写部へと送られる。二次転写部は、対向する二次転写内ローラ603および二次転写外ローラ66により形成される転写材Sへのトナー像転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることで転写材S上にトナー像を吸着させる。
【0015】
<画像の作像プロセス>
以上説明した二次転写部までの転写材Sの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部まで送られて来る画像の形成プロセスについて説明する。画像形成部613は、主に感光体608、露光装置611、現像装置610、一次転写装置607、および感光体クリーナ609等から構成される。予め帯電手段により表面を一様に帯電され、図中矢印m方向に回転する感光体608に対し、送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置611が駆動され、回折手段612等を適宜経由して潜像が形成される。感光体608上に形成された静電潜像は、現像装置610によるトナー現像を経て、感光体608上にトナー像として顕在化する。その後、一次転写装置607により所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられ、中間転写ベルト606上にトナー像が転写される。その後、感光体608上に残った転写残トナーは感光体クリーナ609により回収され、再び次の画像形成に備える。
【0016】
なお、以上説明した画像形成部613は図5の場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)の4セット存在し、現像剤の色が異なる以外は同様の構成となっている。勿論、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
【0017】
次に、前記中間転写ベルト606について説明する。前記中間転写ベルト606は駆動ローラ604、テンションローラ605および二次転写内ローラ603等のローラによって張架され、図中矢印n方向へと回転駆動される。先述のY、M、CおよびBkの各画像形成部613により並列処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト606上に一次転写された上流色のトナー像上に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト606上に形成され、二次転写部へと搬送される。
【0018】
<二次転写以降のプロセス>
以上、それぞれ説明した転写材Sの搬送プロセスおよび画像形成プロセスを以って、前記二次転写部において転写材S上にフルカラーのトナー像が二次転写される。その後、転写材Sは定着前搬送部67により定着装置68へと搬送される。定着装置68は、対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えて転写材S上にトナー像を溶融固着させる。このようにして得られた定着画像を有する転写材Sは分岐搬送装置69により、そのまま排出トレイ600上に排出されるか、もしくは両面画像形成を要する場合には反転搬送装置601へと搬送されるかの経路選択が行われる。両面画像形成を要する場合、反転搬送装置601へと送られた転写材Sはスイッチバック動作を行うことで先後端を入れ替え、両面搬送装置602へと搬送される。その後、給送手段63により搬送されてくる後続ジョブの転写材とのタイミングを合わせて、搬送ユニット64が有する再給送パス64bから合流し、同様に二次転写部へと送られる。裏面(2面目)の画像形成プロセスに関しては、先述の表面(1面目)の場合と同様なので説明は省略する。
【0019】
<現像剤搬送装置>
次に、現像剤搬送部材を用いて現像剤を搬送する現像剤搬送装置について詳しく説明する。ここでは、現像剤搬送装置として、現像装置610に現像剤を補給する現像剤補給装置を例示して説明する。
【0020】
まず、一般的に用いられる構成の現像剤補給装置を図9に示す。現像剤補給装置10は、図9(a)に示すように、現像剤を蓄えておくホッパー部8と現像剤を案内する搬送パイプ(搬送路)1を備えており、回転軸2aに螺旋形状の羽根部材2bを設けた螺旋状回転部材(現像剤搬送部材)2が設けられている。またホッパー部8には現像剤を撹拌する撹拌部材7が設けられている。
【0021】
螺旋状回転部材2は、その端部が軸受(シール部)6によって回転可能に支持されている。螺旋状回転部材2は、回転軸2aを回転させることで螺旋形状の羽根部材2bが連れ回り、この螺旋形状の羽根部材2bの回転によって現像剤を搬送する。搬送パイプ1の端部には、現像剤を現像装置に供給(補給)するための搬送出口(開口)3が設けられている。螺旋状回転部材2は、搬送パイプ1において回転することにより回転軸2aの軸方向に沿って現像剤を搬送し、搬送出口3から現像装置610へと現像剤を供給する。
【0022】
このとき、螺旋状回転部材2の搬送出口3に近い側の端部では、搬送出口3で完全に落下することができず、搬送出口3を行き過ぎてしまう現像剤がある。この行き過ぎてしまった現像剤を搬送出口3へと戻すために、螺旋状回転部材2は前記螺旋形状の羽根部材2bとは逆巻きの螺旋形状の羽根部材2cを有している。すなわち、螺旋状回転部材2は、回転軸2aの軸方向一方に向けて現像剤を搬送する螺旋形状を有する第一の羽根部材2bと、回転軸2aの軸方向他方に向けて現像剤を搬送する螺旋形状を有する第二の羽根部材2cを有している。この螺旋形状の羽根部材2cによって、搬送出口3を行き過ぎた現像剤が再び搬送出口3へ戻され、軸受部やシール部に押し付けられることがなく、固着や粉体漏れといった問題を防ぐことができる。なお、搬送出口3は、第一の羽根部材2bと第二の羽根部材2cの境界部に設けられている。
【0023】
ここで現像剤が搬送出口3で完全に落下することができない理由を考えてみる。図9(b)に示すように、搬送出口3に近い領域の現像剤は搬送出口3から自然と排出される。しかしながら、搬送出口3から離れた領域の現像剤は、搬送出口3から排出されずに、螺旋状回転部材2の羽根部材2bに連れ回るように搬送されて、現像剤の搬送パイプ1内の上部付近に搬送されてしまう。つまり図9(a)に示すように、現像剤は、搬送出口3と対向する搬送パイプ1の壁面Aに搬送されてしまい、さらにその搬送パイプ1の壁面Aを伝ってさらに搬送されてしまう。そのため、現像剤を搬送出口3から完全に落下させることができない。さらに、搬送速度が上昇すると、慣性の影響もあり、より搬送方向へ運ばれる力が強くなるため、搬送出口3を行き過ぎる現像剤の量も多くなってしまう。
【0024】
このとき、現像剤が搬送出口3を行き過ぎることを防止する手段として、回転軸の螺旋形状の羽根部材の間にリブを設け、現像剤の搬送方向を強制的に円周方向へと変換し、現像剤の搬送速度を遅くする構成を適用することも考えられる。しかしながら、回転軸の回転とともにリブ自体が回転してしまうため、搬送出口3に対向する壁面での現像剤の流れを常に抑制することは困難である。また、現像剤の搬送方向が円周方向へ向くことで、搬送出口3に向かわせる力が増えるが、逆に現像剤を搬送出口3に対向する壁面へと向かわせる力も増えるため、現像剤が搬送出口を行き過ぎる量を効果的に低減することは困難である。
【0025】
そこで、本実施形態では、図1、図2、図3に示すように、螺旋状回転部材2を介して搬送パイプ1の搬送出口3に対向する壁面Aに、第一の羽根部材2bから第二の羽根部材2cに向かう現像剤の軸方向への流れを、回転軸2aの回転方向に変える変換部材としての抑制突部4を設けている。この抑制突部4は、その先端が、螺旋状回転部材2の螺旋形状の羽根部材2bと羽根部材2cの間に侵入するように突出して設けられている。すなわち、本実施形態では、第一の羽根部材2bと第二の羽根部材2cの境界部である搬送パイプ1の搬送出口3に対向する壁面Aに、変換部材としての抑制突部4が設けられている。
【0026】
この抑制突部4を、搬送出口3に対向する壁面のみでなく、搬送出口3を除く搬送パイプ1の全周に設けることも考えられるが、この場合、その抑制突部4に現像剤が固着してしまうおそれがある。さらには逆巻きの羽根部材2cの領域まで侵入する現像剤を100%防ぐことは困難である。そのため、逆巻きの羽根部材2cの領域に侵入した現像剤を搬送出口3に戻しづらくなり、逆巻きの羽根部材2cの領域に現像剤が蓄積されてしまうおそれがある。
【0027】
そのため、前述したように、抑制突部4は、螺旋状回転部材2の回転方向において、搬送パイプ1の搬送出口3から最も離れた位置(対向側の壁面A)のみに設けられている。これにより、搬送出口3から排出されづらい対向側への現像剤の流れのみを抑制することができる。
【0028】
また、抑制突部4の円周方向への侵入量は、螺旋状回転部材2の回転軸2aに近くなるほど抑制効果は高くなるが、回転軸2aに近すぎることによる現像剤の凝集や摺擦による凝固がない範囲にする必要がある。これによって、図3(a)に示すように、抑制突部4によって搬送出口3の対向側で螺旋状回転部材2の羽根部材2bに連れ回ろうとする現像剤の流れを抑制することができる。そして、その流れから脱した現像剤は抑制突部4の直下が搬送出口3となっているため、搬送出口3に向かいやすくなり、搬送出口3を行き過ぎる現像剤の量を低減することができる。
【0029】
さらに、抑制突部4に現像剤が付着し固まるのを防ぐために、抑制突部4は現像剤が付着しにくいように加工されたものが好ましい。例えば抑制突部4は、表面がフッ素でコートされたものが望ましい。
【0030】
また、図4に示すように、抑制突部4が搬送方向に対して鉛直の壁状になっていると、搬送されてきた現像剤が抑制突部4に押し付けられ、現像剤が固着してしまうおそれがある。そこで、図3(a)および図3(b)に示すように、抑制突部4は、搬送パイプ1の搬送出口3に対向する壁面Aから先端に行くに向かうにしたがって細くなる角度θを設けた形状にしている。これにより、羽根部材の形状に倣う螺旋方向の現像剤の流れを搬送出口に向かうように緩やかに変換させることができ、抑制突部4に現像剤が付着してしまうのを低減することができる。
【0031】
以上の構成によって、搬送出口3を行き過ぎる現像剤の量を低減することが可能となり、搬送出口3から排出される現像剤の量のバラツキを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0032】
〔第2実施形態〕
第2実施形態では、図6、図7、図8に示すように、搬送出口3の対向側の壁面Aに変換部材としての抑制溝部5が設けられている。すなわち、本実施形態では、第一の羽根部材2bと第二の羽根部材2cの境界部である搬送パイプ1の搬送出口3に対向する壁面Aに、変換部材としての抑制溝部5が設けられている。
【0033】
第1実施形態においても述べたように、逆巻きの羽根部材2cの領域まで侵入する現像剤は搬送出口3から離れた領域の壁面を伝って侵入する。しかしながら、その搬送パイプ1の壁面に変換部材としての抑制溝部5を設けることで、壁面を伝っていた現像剤が伝う経路を失い、逆巻きの羽根部材2cの領域に到達する現像剤が低減する。そのため、現像剤はそのまま羽根部材2bに連れ回り、重力によって搬送出口3に落下する経路に向かいやすくなる。また、抑制溝部5の回転軸の回転方向の長さは任意に設定できる。そのため、搬送出口3の手前から抑制溝部5を設けることも可能であり、抑制溝部5の長さは螺旋状回転部材2の形状や現像剤の凝集度によって最適な長さに設定することができる。
【0034】
以上の構成によっても、前述した実施形態と同様に、搬送出口3を行き過ぎる現像剤の量を低減することが可能となり、搬送出口3から排出される現像剤の量のバラツキを防止でき、安定した搬送を行うことができる。
【0035】
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、感光体から除去した現像剤をその収容部に向けて搬送する現像剤搬送装置に適用しても良い。その他、搬送路において現像剤搬送部材が回転することにより現像剤を搬送し、搬送路に設けた開口から現像剤を供給する現像剤搬送装置であれば本発明は有効である。
【0036】
また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に用いられる現像剤搬送装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0037】
A …壁面
S …転写材
1 …搬送パイプ
2 …螺旋状回転部材
2a …回転軸
2b …羽根部材
2c …羽根部材
3 …搬送出口
4 …抑制突部
5 …抑制溝部
6 …軸受(シール部)
7 …撹拌部材
8 …ホッパー部
10 …現像剤補給装置
60 …画像形成装置
608 …感光体
610 …現像装置
613 …画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を案内する搬送路と、前記搬送路に設けられ現像剤を供給する開口と、回転軸に螺旋形状の羽根部材を設け前記搬送路において回転することにより前記回転軸の軸方向に沿って前記開口に向けて現像剤を搬送する現像剤搬送部材と、を有する現像剤搬送装置であって、
前記現像剤搬送部材が有する螺旋形状の羽根部材は、前記回転軸の軸方向一方に向けて現像剤を搬送する螺旋形状を有する第一の羽根部材と、前記回転軸の軸方向他方に向けて現像剤を搬送する螺旋形状を有する第二の羽根部材と、からなり、
前記搬送路の開口は、前記第一の羽根部材と前記第二の羽根部材の境界部に設けられており、
前記現像剤搬送部材を介して前記搬送路の開口に対向する面に、前記第一の羽根部材から前記第二の羽根部材に向かう現像剤の軸方向への流れを、前記回転軸の回転方向に変える変換部材を設けたことを特徴とする現像剤搬送装置。
【請求項2】
前記変換部材は、前記第一の羽根部材と前記第二の羽根部材の境界部である前記搬送路の開口に対向する面に設けられた突部であることを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
【請求項3】
前記突部は、前記開口に対向する面から先端に向かうにしたがって細くなる形状であることを特徴とする請求項2に記載の現像剤搬送装置。
【請求項4】
前記変換部材は、前記第一の羽根部材と前記第二の羽根部材の境界部である前記搬送路の開口に対向する面に設けられた溝部であることを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送装置。
【請求項5】
前記変換部材は、表面がフッ素でコートされていること特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の現像剤搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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