説明

現在地特定装置、現在地特定システム、現在地特定方法、及びコンピュータプログラム

【課題】1つの発信機からの信号を複数の受信機が受信した場合であっても、その発信機が存在する唯一の区画を特定する。
【解決手段】現在地特定システムは、対象に備えられた発信機7a〜hからの信号を受信する複数の受信機9a〜fと、該複数の受信機と通信可能に接続され、上記発信機からの信号を受信した受信機に予め割り当てられている区画を、対象の現在地として特定する現在地特定装置3とを含んで構成される。現在地特定装置3は、信号を受信した受信機のIDを受信情報DBに格納し、信号を2以上の受信機が受信した場合、1以上の条件に従い、該2以上の受信機にそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、対象の現在地として特定する。上記1以上の条件は、所定の期間内に受信情報DBにIDが最も多く記録された受信機に割り当てられている区画を、対象の現在地として特定するという第1の条件を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人や物といった対象の現在地を特定するための技術に関する。特に、人や物にICタグ(RFIDタグ等)などの発信機を備えさせ、該発信機からの信号を受信機で検出し、検出状況に基づいて対象の現在地を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や社屋内にいる従業員の現在地や動線を把握したり、倉庫やオフィス内に配置された物品の所在を管理したり、店舗や美術館における顧客の動線を把握することが種々の方法で行われている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に開示されているように、イベント会場内での来場者の現在地や動線を把握するための技術として、ICタグを組み込んだ名札を来場者に配布しておき、会場の各区域に設置した受信機で受信したICタグからの信号に基づき、該ICタグを持つ来場者の現在地や動線(時間毎の位置情報)を特定する技術が知られている。
【0004】
ここで、発信機と受信機を用いて人や物の現在地や動線を特定する場合、各受信機は、検出できないエリアが生じないように、隣り合う受信機の通信可能範囲の一部が互いに重なるように配置されるのが一般的である。
【0005】
上記のように各受信機の通信可能範囲が互いに重なっている場合、1つの発信機からの信号が複数の受信機で同時に受信されるという状態が生じ得る。この場合、下記特許文献2の例では、その発信機(或いは該発信機を持つ人や物)は、該発信機からの信号を受信した各受信機の通信可能範囲の重複部分から、該発信機からの信号を受信しなかった受信機の通信可能範囲を除いた範囲に存在するものと推定される。
【特許文献1】特開2001−317958号公報
【特許文献2】特許第4061945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、人や物といった対象の現在地や動線を把握したいと望む現場では、例えば、部屋や所定範囲を区画として予め定義しておき、対象がどの区画内に存在するのかを特定することが要求される場合がある。
【0007】
しかし、前記特許文献に記載の技術は、1つの発信機からの信号が複数の受信機で受信された場合に、区画単位で発信機の現在地を特定することは想定されていないため、かかる要求に応えることができない。
【0008】
以上の課題を踏まえ、本発明は、1つの発信機からの信号を複数の受信機で受信した場合であっても、その発信機が存在する唯一の区画を特定することのできる現在地特定装置、現在地特定システム、現在地特定方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、本発明の現在地特定装置は、対象に備えられた発信機からの信号を受信する複数の受信機と通信可能に接続され、前記信号を受信した受信機に予め割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定する装置であって、前記信号を受信した受信機の識別情報を受信情報DBに格納する受信情報管理手段と、前記信号を2以上の前記受信機が受信した場合、1以上の条件に従い、前記2以上の受信機にそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、前記対象の現在地として特定する現在地特定手段とを備え、前記1以上の条件は、所定の期間内に前記受信情報DBに識別情報が最も多く記録された受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第1の条件を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の実施形態では、前記1以上の条件は、さらに、前記第1の条件に従って唯一の区画を特定できない場合において、前記期間内に識別情報が前記受信情報DBに最も多く記録された受信機のうちの1つが、前記対象の現在地として直前に特定された区画に割り当てられている受信機と一致するときは、該一致した受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第2の条件を含むことことができる。
【0011】
別の実施形態では、前記受信情報管理手段は、前記受信機が前記信号を受信した場合に、該信号の強度を、該受信機の識別情報に対応付けて前記受信情報DBに格納し、前記1以上の条件は、さらに、前記第2の条件に従って唯一の区画を特定できない場合において、前記識別情報が前記受信情報DBに最も多く記録された受信機のうち、前記期間内に前記受信情報DBに格納された最も高い信号強度に対応する受信機を求め、該受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第3の条件を含むことができる。
【0012】
また別の実施形態では、前記1以上の条件は、さらに、前記第3の条件に従って唯一の区画を特定できない場合において、前記期間内に前記受信情報DBに記録された最も高い信号強度に対応する2以上の受信機のうち、該期間内で前記受信情報DBに識別情報が最後に記録された受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第4の条件を含むことができる。
【0013】
さらにまた別の実施形態では、前記対象の現在地として特定された区画に関する情報を特定結果DBに格納する特定結果管理手段と、前記特定結果DBの記録内容に基づき、前記対象の動線、区画における前記対象の滞留時間、又は前記動線と前記滞留時間の両方に関する情報を出力する手段とをさらに備えることができる。
【0014】
本発明の現在地特定システムは、対象に備えられた発信機からの信号を受信する複数の受信機と、該複数の受信機と通信可能に接続され、前記信号を受信した受信機に予め割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定する現在地特定装置とを含んで構成されるシステムであって、前記現在地特定装置は、前記信号を受信した受信機の識別情報を受信情報DBに格納する受信情報管理手段と、前記信号を2以上の前記受信機が受信した場合、1以上の条件に従い、前記2以上の受信機にそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、前記対象の現在地として特定する現在地特定手段とを備え、前記1以上の条件は、所定の期間内に前記受信情報DBに識別情報が最も多く記録された受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第1の条件を含む、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の現在地特定方法は、対象に備えられた発信機からの信号を受信可能な複数の受信機のうち、前記信号を受信した受信機に予め割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定する方法であって、前記信号を受信した受信機の識別情報を受信情報DBに格納するステップと、前記信号を2以上の前記受信機が受信した場合、1以上の条件に従い、前記2以上の受信機にそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、前記対象の現在地として特定するステップとを含み、前記1以上の条件は、所定の期間内に前記受信情報DBに識別情報が最も多く記録された受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第1の条件を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明のコンピュータプログラムは、上記方法を情報処理装置に実行させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、1つの発信機からの信号を複数の受信機が受信した場合であっても、その発信機が存在する唯一の区画を、その発信機を備える対象の現在地として特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の現在地特定システム1、現在地特定装置3、現在地特定方法、及びコンピュータプログラムに関する実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、現在地特定システム1の構成例を示す。
【0020】
本実施形態における現在地特定システム1は、商品配送センター内で作業を行う従業員について、現在地、動線、及び予め定義された各区画(例えば、部屋など)X1〜X6における滞留時間を特定するためのネットワークシステムである。
【0021】
具体的には、本システム1は、対象である各従業員に備えられた発信機7a〜hからの信号を受信するために、区画X1〜X6ごとに割り当てられた複数の受信機(子機)9a〜fと、該複数の受信機9a〜fと通信可能に接続され、これら受信機9a〜fのうち、発信機7a〜hからの信号を受信した受信機に予め割り当てられている区画を、各従業員の現在地として特定する現在地特定装置3とを含んで構成される。
【0022】
また、本システム1においては、受信機(子機)9a〜fは、該子機との間で無線通信可能な受信機(親機)11a,11bと、該親機の動作態様を規定している設定情報を入力/変更するための中継端末13a,13bと、LANケーブル及びLANスイッチ15を用いて構成されるネットワークとを介して現在地特定装置3に通信可能に接続されている。
【0023】
発信機7a〜hは、識別情報(発信機ID)を記憶したメモリを備え、受信機9a〜fからの要求に応じて又は自発的に、その識別情報を送信する機能を備えている。本実施形態では、発信機7a〜hとして、従業員が保有する社員証に組み込まれたRFIDタグを用いることが考えらえれる。また、商品配送センター内で予め定義した区画X1〜X6の大きさを考慮したうえで、例えば直径数m〜数百mの通信可能範囲が得られるものを採用することが考えられる。
【0024】
受信機(親機)11a,11bは、例えば商品配送センターの各階に1台ずつ設置され、同じ階に設置されている子機9a〜fの動作を制御する。例えば、発信機7a〜hに対して信号の発信を要求し、且つ発信機7a〜hから受信した信号を中継するように各子機9a〜fを制御する。また、各子機9a〜fから受信した情報と受信日時とを現在地特定装置3へ送信する。なお、本実施形態では、受信日時は、子機が発信機7a〜hに対して信号の発信を要求する日時であり、詳細には、親機の動作態様を規定する設定情報に基づいて定まるものとする。
【0025】
一方、受信機(子機)9a〜fは、本実施形態では、各区画X1〜X6に1台ずつ設けられ(例えば、部屋の天井や壁などに設置され)、発信機7a〜hからの信号に含まれる発信機IDとともに、該信号の強度を表す情報及び受信機の識別情報(受信機ID)を親機11a,11bへ送信する。
【0026】
本実施形態では、商品配送センター内の各部屋を区画X1〜X6としているが、廊下や階段のような部屋とは異なる場所における所定の範囲を区画としてもよい。また、区画は、壁や間仕切りによって物理的に区切られていなくてもよく、ある1つのスペースにおいて互いに重複しない複数の範囲を定義し、これらの各範囲を区画としてもよい。なお、図1では、商品配送センターの1階と2階に区画が3つずつ示されているが、2以上の任意の個数の区画を定義することができる。
【0027】
中継端末13a,13bは、本実施形態では、1台の受信機(親機)11a,11bに対して1つずつ設置される。また、システム管理者によって入力された情報に基づき、受信機(親機)11a,11bに設定情報を入力し及び入力済みの設定情報を変更する機能と、受信機(親機)11a,11bから受信した情報を現在地特定装置3へ中継する機能とを備える。
【0028】
図2は、現在地特定装置3のハードウェア構成を示す。
【0029】
現在地特定装置3は、中央処理装置(CPU)201、RAM202、ROM203、ハードディスクドライブ(HDD)204、入力部205、通信部206、出力部207、及びこれらを通信可能に接続するバスを用いて構成される一般的な情報処理装置を用いることが考えられる。
【0030】
HDD204は、現在地特定装置3の動作態様を規定するプログラム等の情報や、現在地特定装置3が一般的な情報処理装置として動作するのに必要なOS等の情報のほかに、後述の各DBを構成するソフトウェア及びデータ等の情報を格納する。
【0031】
入力部205としては、システム管理者等による手動操作を受け付けるキーボードやマウスが考えられる。
【0032】
通信部206は、現在地特定装置3を通信可能にネットワークに接続するための装置(LANアダプタや無線LANカードなど)である。
【0033】
出力部207としては、従業員の現在地や、商品配送センター内における従業員ごとの動線、又はそれら両方の情報などを出力するディプレイ又は/及びスピーカが考えられる。
【0034】
なお、中継端末13a,13bについても、CPU、RAM、ROM、HDD、入力部、通信部、出力部、及びこれらを通信可能に接続するBUSを備える一般的な情報処理装置によって実現される。ここでは、中継端末13a,13bのハードウェア構成の図示を省略する。
【0035】
図3は、現在地特定装置3の機能構成を示す。
【0036】
現在地特定装置3は、受信機9a〜fを備える従業員の現在地を特定するのに必要な各種の情報を格納するDBとして、従業員情報DB、区画情報DB、受信情報DB、及び特定結果DBを備える。これらDBのデータ構成については、図4〜7を参照して後述する。
【0037】
また、現在地特定装置3は、各DBと連携して従業員の現在地を特定すべく、
発信機7a〜hからの信号を受信した受信機9a〜fの受信機IDを受信情報DBに格納する受信情報管理手段301と、
所定の期間(例えば、30秒間など)において、発信機7a〜hからの信号を2以上の受信機9a〜fが受信した場合、1以上の条件に従い、その2以上の受信機9a〜fにそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、従業員の現在地として、当該期間ごとに繰り返し特定する現在地特定手段302と、
従業員の現在地として特定した区画に関する情報を特定結果DBに格納する特定結果管理手段303と、
システム管理者からの指示に応じて、従業員の現在地を表す情報をリアルタイムに出力し、又は特定結果DBの記録内容に基づき、従業員ごとの商品配送センター内における過去の位置、動線、各区画における従業員ごとの滞留時間、若しくは動線と滞留時間の両方に関する情報を出力する特定結果出力手段304と
を備える。
【0038】
これらの手段は、現在地特定装置3の記憶手段(例えば、HDD204)に格納されるプログラムがCPU201によって実行されることにより実現される。
【0039】
従業員の現在地として唯一の区画を特定するために用いる1以上の条件の内容については、各DBの内容と関連するため、各DBの説明をした後、従業員の現在地を特定する処理の内容を表す図10を説明する際に詳述する。
【0040】
図4は、従業員情報DBのデータ構成を示す。
【0041】
従業員情報DBは、商品配送センター内での現在地を特定する対象となる従業員に関する情報(従業員IDや氏名など)と、これら従業員ごとに1つずつ備えられる発信機7a〜fの発信機IDとを対応付けて格納する。
【0042】
図5は、区画情報DBのデータ構成を示す。
【0043】
区画情報DBは、商品配送センター内の部屋など、システム管理者によって予め定義された区画に関する情報(区画ID名称など)と、各区画に割り当てられ(設けられ)ている受信機(子機)9a〜fの受信機IDと、商品配送センターの見取り図(画像など)上における各区画の位置情報(座標など)とを対応付けて格納する。なお、例えば、各区画が四角形である場合、見取り図上における各区画の左上と右下の頂点の座標(例えば、ピクセル単位の値)を格納することが考えられる。
【0044】
図6A〜Eは、1つの発信機7a(例えば、発信機ID="tra001"とする)に関する受信情報DBのデータ構成の複数の例を示す。
【0045】
本実施形態では、受信情報DBは、発信機ごとに作成されるものとし、現在地特定装置3が各受信機(親機)11a,11bから受信する情報、すなわち受信日時と、対象となる1つの発信機7aからの信号を受信した各受信機(子機)9a〜fのIDと、その信号の強度を表す情報とを対応付けて格納する。信号強度を表す情報は、受信機(子機)9a〜fが検出した信号強度の値に応じて予め定義した値(例えば、0〜100の範囲に正規化した値)を用いるものとする。
【0046】
図7は、特定結果DBのデータ構成の複数の例を示す。
【0047】
特定結果DBは、現在地特定装置3の現在地特定手段302によって、発信機7a〜hごとに、該発信機を備える従業員の現在地(区画X1〜X6から特定される唯一の区画)が特定された日時(特定日時)と、その特定された唯一の区画の区画IDとを対応付けて格納する。なお、現在地特定装置3の特定結果出力手段304は、後述するように、特定結果DBに併せて、従業員情報DB(図4)及び区画情報DB(図5)を参照することで、ある特定日時における従業員ごとの現在地として、唯一の区画に関する情報を取得することができる。
【0048】
図8は、受信機が発信機に対して信号の発信を要求してから、現在地特定装置3が発信機から受信した情報を受信情報DBに格納するまでの大まかな処理の内容を表すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、かかる処理の内容を説明する。
【0049】
まず、受信機(親機)11a,11bは、所定の受信タイミング(受信日時)に至ったかどうかを判断する(ST101)。本実施形態では、この受信日時は、受信機(親機)11a,11bの設定情報に基づいて決定される。例えば、設定情報には、受信日時の設定方法に関する情報として、開始時刻(例えば、[09:00:00])、時間間隔(例えば、10秒間隔)、及び終了時刻(例えば、[19:00:00])が含まれる。
【0050】
受信機(親機)11a,11bは、ST101において所定の受信日時に至ったと判断した場合(判断結果がYesの場合)、受信機(子機)9a〜fが発信機7a〜hに対して信号の発信を要求するように、制御対象となる受信機(子機)9a〜fを制御する。かかる制御により、受信機(子機)9a〜fは、発信機7a〜hに対して、信号の発信を要求する(ST102)。
【0051】
一方、受信機(親機)11a,11bは、ST101において所定の受信日時に至っていないと判断した場合(判断結果がNoの場合)、かかる受信日時に至るまで待機する。
【0052】
商品配送センター内の従業員に備えられた発信機7a〜hは、受信機(子機)9a〜fからの要求を受信すると(ST103)、自らの発信機IDを含む発信機信号を発信する(ST104)。
【0053】
受信機(子機)9a〜fは、発信機7a〜hからの発信機信号を受信すると(ST105)、該発信機信号に含まれる発信機ID、受信信号強度、及び自らの受信機IDを含む子機信号を受信機(親機)11a,11bへ送信する。
【0054】
ST105において、1つの受信機(子機)9a〜fが、複数の発信機7a〜hからの発信機信号を受信した場合、当該受信機(子機)9a〜fは、例えば、発信機信号を受信した順序で、該発信機信号中の発信機IDを含む子機信号を受信機(親機)11a,11bへ送信する。
【0055】
受信機(親機)11a,11bは、子機信号を受信すると、該子機信号に含まれる発信機ID、信号強度、及び受信機IDとともに、受信日時を含む親機信号を現在地特定装置3へ送信する(ST106)。
【0056】
現在地特定装置3の受信情報管理手段301は、受信機(親機)11a,11bから親機信号を受信したかどうかを判断する(ST107)。
【0057】
ST107の判断において、親機信号を受信したと判断した場合(判断結果がYesの場合)、受信情報管理手段301は、受信した信号に含まれる情報を受信情報DB(図6)に格納する(ST108)。
【0058】
本実施形態では、親機信号に含まれる発信機IDに基づき、該親機信号に含まれる情報を格納すべき受信情報DBが特定され、この特定された受信情報DB内の所定のフィールドに、受信日時、受信機ID、及び信号強度を表す情報が格納される。
【0059】
一方、ST107の判断において、受信機(親機)11a,11bから親機信号を受信していないと判断した場合(判断結果がNoの場合)、受信情報管理手段301は、親機信号を受信するまで待機する。
【0060】
図9は、現在地特定装置3の現在地特定手段302が、従業員の現在地を特定する処理の大まかな流れを表すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って、かかる処理の内容を説明する。
【0061】
現在地特定手段302は、従業員の現在地を特定する所定のタイミング(特定日時)に至ったかどうかを判断する(ST201)。
【0062】
特定日時は、例えば、所定の開始時刻(例えば、[09:00:00])から所定の終了時刻(例えば、[19:00:00])までの間で一定間隔で(例えば、30秒間ごとに)、繰り返し設定される。
【0063】
ST201において特定日時に至ったと判断された場合(判断結果がYesの場合)、現在地特定手段302は、発信機7a〜hの1つについて、該発信機(例えば、発信機7a)が存在する唯一の区画を、該発信機を備える従業員の現在地として特定し(ST202)、その結果を特定結果DBへ格納する(ST203)。なお、ST202の処理の具体的な内容については、図10を参照して後述する。
【0064】
ST203の後、現在地特定手段302は、当該特定日時におけるすべての従業員の現在地を特定したかどうか、すなわちすべての発信機7a〜hについて、該発信機7a〜hが存在する区画を特定したかどうかを判断する(ST204)。
【0065】
現在地特定手段302は、ST204において、すべての発信機7a〜hについて区画を特定したと判断した場合(判断結果がYesの場合)、ST201へ移行する。
【0066】
一方、ST204において、区画を特定していない発信機が存在すると判断した場合(判断結果がNoの場合)、現在地特定手段302はST202へ移行する。これにより、ST202〜ST204の処理が繰り返され、別の発信機(例えば、発信機7b)についての区画が特定され、特定結果が特定結果DBに格納される。
【0067】
図10は、現在地特定装置3の現在地特定手段302による、従業員の現在地を特定する処理(図9のST202の処理)の具体的な内容を表すフローチャートである。
【0068】
まず、現在特定手段302は、1つの発信機(例えば、発信機7a)に対応する受信情報DB(図6)を参照し、特定日時から過去一定期間(例えば、30秒間)において、該発信機からの信号を2以上の受信機9a〜fが受信したかどうかを判断する(ST301)。
【0069】
1つの発信機からの信号が複数の受信機9a〜fによって受信されたかどうかは、受信情報DB(図6)のレコードのうち、所定の期間内(例えば、特定日時から過去一定期間(例えば、30秒間))のレコードを参照し、全レコードにおいて1つの受信機のIDだけが格納されているかどうかによって判断することができる。
【0070】
現在地特定手段302は、ST301において、特定日時から過去一定期間において、1つの発信機からの信号が2以上の受信機9a〜fによって受信されていないと判断した場合(判断結果がNoの場合)、該発信機からの信号を受信した唯一の受信機に予め割り当てられている区画を、該発信機を備える従業員の現在地として特定する(ST302)。
【0071】
一方、現在地特定手段302は、ST301において、特定日時から過去一定期間において、1つの発信機からの信号を2以上の受信機が受信したと判断した場合(判断結果がYesの場合)、1以上の条件に従い、その2以上の受信機にそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、該発信機を備える従業員の現在地として特定する(ST303〜ST312)。以下、このような場合における、唯一の区画の特定方法について説明する。
【0072】
まず、現在地特定手段302は、特定日時から過去一定期間内における、受信機IDごとの受信情報DBへの記録数を求め(ST303)、記録数の最も多い受信機IDが複数存在するかどうかを判断する(ST304)。
【0073】
現在地特定手段302は、ST304において、記録数の最も多い受信機IDが1つであると判断した場合(判断がNoの場合)、その受信機IDに対応する受信機に割り当てられている区画を、商品配送センター内における従業員の現在地として特定するという第1の条件に従い、唯一の区画を特定する(ST305)。
【0074】
一方、現在地特定手段302は、ST304において、記録数の最も多い受信機IDが複数存在すると判断した場合(判断がYesの場合)、上記第1の条件では唯一の区画を特定することができない。
【0075】
この場合、現在地特定手段302は、特定結果DB(図7)に直前に格納された情報(ここでは、区画ID)に対応する区画、すなわち直前の特定日時に特定された区画に割り当てられている受信機のIDを求める(ST306)。そして、特定日時から過去一定期間内に受信情報DBに記録された各受信機IDの数を求め、最も多く記録された受信機IDのすべてが、ST306で求めた受信機IDと異なるかどうかを判断する(ST307)。
【0076】
現在地特定手段302は、ST307において、特定日時から過去一定期間内に受信情報DBに最も多く記録された受信機IDのうちの1つと、ST306で求めた受信機IDとが一致すると判断した場合(判断結果がNoの場合)、該一致した受信機IDに対応する受信機に割り当てられている区画、すなわち該受信機が設けられている区画を、従業員の現在地として特定するという第2の条件に従い、唯一の区画を特定する(ST308)。
【0077】
一方、現在地特定手段302は、ST307において、特定日時から過去一定期間内に、受信情報DBに最も多く記録された受信機IDのうちの1つと、ST306で求めた受信機IDとが異なると判断した場合(判断結果がYesの場合)、上記第2の条件では唯一の区画を特定することができない。
【0078】
この場合、現在地特定手段302は、ST303で求めた受信機IDのうち、特定日時から過去一定期間内に、受信情報DB(図6)にこれら受信機IDに対応付けて記録された最も高い信号強度に対応する受信機IDを求め(ST309)、該求めた受信機IDが複数存在するかどうかを判断する(ST310)。
【0079】
現在地特定手段302は、ST310において、特定日時から過去一定期間内に受信情報DBに記録された最も高い信号強度に対応する受信機IDが複数存在しない(1つである)と判断した場合(判断結果がNoの場合)、その受信機IDに対応する受信機に割り当てられている区画を、従業員の現在地として特定するという第3の条件に従い、唯一の区画を特定する(ST311)。
【0080】
一方、現在地特定手段302は、ST310において、特定日時から過去一定期間内に受信情報DBに記録された最も高い信号強度が複数存在すると判断した場合(判断結果がYesの場合)、上記第3の条件では唯一の区画を特定することができない。
【0081】
この場合、現在地特定手段302は、ST309で求めた複数の受信機IDのうち、特定日時から過去一定期間内において、受信情報DBに最後に記録された受信機IDに対応する受信機に割り当てられている区画を、従業員の現在地として特定するという第4の条件に従い、唯一の区画を特定する(ST312)。
【0082】
次に、従業員の現在地を特定する方法を、受信情報DBの記録内容に基づいて、具体的なケースごとに説明する。なお、以下の各ケースにおいて、受信機9a〜cのIDをそれぞれ[rec001]〜[rec003]とする。
【0083】
[図6(A)のケース]
図6(A)のケースでは、特定日時を[2008/09/09 12:13:00]とし、特定日時から過去一定期間を[2008/09/09 12:12:30]〜[2008/09/09 12:13:00]とする。
【0084】
このケースでは、1つの発信機7aに関する受信情報DBのレコードのうち、特定日時から過去一定期間に対応するレコードには、1つの受信機のID(rec001)だけが記録されている。これにより、同期間内において、発信機7aからの信号は、1つの受信機9dのみによって受信されたことがわかる。
【0085】
この場合、図10のST301の判断結果がNoとなり、ST302において、区画情報DB(図5)が参照され、その受信機ID(rec001)に対応する区画X1が、発信機7a(IDが[tra001]の発信機)を備える従業員(「鈴木 ○郎」。従業員情報DB(図4)参照。)の現在地として特定される。
【0086】
[図6(B)のケース]
図6(B)のケースでは、特定日時を[2008/09/10 13:13:00]とし、特定日時から過去一定期間を[2008/09/10 13:12:30]〜[2008/09/10 13:13:00]とする。
【0087】
このケースでは、特定日時から過去一定期間において、発信機7aからの信号が、2以上の受信機(IDが[rec001],[rec002],[rec0003]の3つの受信機)によって受信されている。この場合、図10のST301の判断がYesとなり、ST303において、同期間内における受信機IDごとの受信情報DBへの記録数(rec001が4つ、rec002が3つ、rec0003が2つ)が求められると、記録数の最も多い受信機IDはrec001だけであるということがわかる。
【0088】
その結果、ST304の判断がNoとなり、ST305において、第1の条件に従って、当該記録数の最も多い受信機ID(rec001)に対応する区画X1が、発信機7aを備える従業員(鈴木 ○郎)の現在地として特定される。
【0089】
[図6(C)のケース]
図6(C)のケースでは、特定日時を[2008/09/11 14:13:00]とし、特定日時から過去一定期間を[2008/09/11 14:12:30]〜[2008/09/11 14:13:00]とする。
【0090】
このケースでは、特定日時から過去一定期間において、最も多い記録数(3つ)の受信機IDが複数存在し(rec001とrec003の2つが存在し)ており、前述の第1の条件では従業員の現在地を特定できない。
【0091】
このケースでは、まず、ST306において、特定結果DB(図7(A))が参照され、直前の特定日時(14:12:30)で特定された区画(IDがX1の区画)が求められ、該求めた区画のID(X1)を区画情報DB(図5)に照合することにより、該区画X1に割り当てられている受信機ID(rec001)が求められる。
【0092】
そして、ST307において、現在の特定日時から過去一定期間内に受信情報DBに最も多く記録された受信機ID(rec001,rec003)のうちの1つ(rec001)が、ST306で求めた受信機ID(rec001)と一致すると判断される。この結果、ST308において、第2の条件に従って、IDがrec001である受信機9aに割り当てられている区画X1が、当該特定日時における、発信機7aを備える従業員(鈴木 ○郎)の現在地として特定される。
【0093】
[図6(D)のケース]
図6(D)のケースでは、特定日時を[2008/09/12 15:13:00]とし、特定日時から過去一定期間を[2008/09/12 15:12:30]〜[2008/09/12 15:13:00]とする。
【0094】
このケースでは、特定日時から過去一定期間において、最も多い記録数(3つ)の受信機IDが複数存在し(rec002とrec003の2つが存在し)、且つ該複数の受信機IDは、いずれも直前の特定日時(15:12:30)で特定された区画X1(図7(B)参照。)に割り当てられている受信機9aのID(rec001。図5参照。)とは異なる。この場合、前述の第1及び第2の条件では従業員の現在地を特定することができない。
【0095】
この場合、ST309において、ST303で求めた受信機IDのうち、特定日時から過去一定期間内に、受信情報DBにこれら受信機IDに対応付けて記録された最も高い信号強度(15.7)に対応する受信機ID(rec002)が求められ、当該最も高い信号強度に対応する受信機IDが1つの受信機に関するものだけであることがわかる(ST310の判断がNo)。その結果、ST311において、第3の条件に従い、ST309で求めた受信機ID(rec002)を持つ受信機9bに割り当てられている区画X2が、発信機7aを備える従業員(鈴木 ○郎)の現在地として特定される。
【0096】
[図6(E)のケース]
図6(E)のケースでは、特定日時を[2008/09/13 16:13:00]とし、特定日時から過去一定期間を[2008/09/13 16:12:30]〜[2008/09/13 16:13:00]とする。
【0097】
図6(E)のケースでは、特定日時から過去一定期間において、記録数の最も多い受信機IDが複数存在し(記録数が3つである2つの受信機ID[rec002],[rec003]が存在し)、該複数の受信機IDは、いずれも、直前の特定日時(16:12:30)に特定された区画X1(図7(C)参照)に割り当てられている受信機9aのID(rec001。図5参照。)とは異なり、且つ上記複数存在する受信機IDのうち、これら受信機IDに対応付けて記録された最も高い信号強度(15.7)に対応する受信機のIDが複数存在する(rec002とrec003の2つ存在する)。この場合、前述の第1乃至3の条件では従業員の現在地を特定することができない。
【0098】
この場合、ST312において、第4の条件に従い、ST309で求めた複数の受信機ID(rec002,rec003)のうち、当該期間内で受信情報DBに最後に記録された受信機ID(rec002)が求められ、該求めた受信機IDを持つ受信機9bに割り当てられている区画X2が、発信機7aを備える従業員(鈴木 ○郎)の現在地として特定される。
【0099】
図11は、現在地特定装置3に接続されたディスプレイ上に、商品配送センター内における従業員の現在地をリアルタイムで表示している状態を示す。
【0100】
現在地特定装置3の特定結果出力手段304は、特定結果DBを参照し、現在地特定手段302が特定した各区画IDを区画情報DBと照合することにより、図のように、商品配送センターの見取り図上に、各従業員の名前を付した画像を配置することで、各従業員の現在地を表示する。なお、従業員の現在地をリアルタイムに表示する場合、対象となる情報(各従業員が存在する区画のID)は、現在地特定手段302が特定した情報をそのまま用いてもよい。
【0101】
図12は、現在地特定装置3に接続されたディスプレイ上に、商品配送センター内における1人の従業員の動線と、各区画に到着した時刻とを表示している状態を示す。
【0102】
現在地特定装置3の特定結果出力手段304は、システム管理者からの指示に応じて、図のように、商品配送センターの見取り図上に、1人の従業員(図では「田中 ○郎」)について、区画同士を矢印で結ぶことで動線を示し、各区画内に時間を表示することで各区画に到着した時刻を示す。
【0103】
例えば、特定結果出力手段304は、システム管理者が指定した従業員(ここでは「田中 ○郎」)が備える発信機のIDを従業員情報DB(図4)から取得し、特定結果DBから特定日時ごとに該取得した発信機IDに対応して記録されている区画IDを取得することにより、該従業員の動線と各区画への到着時刻とを出力することができる。
【0104】
図13は、現在地特定装置3に接続されたディスプレイ上に、商品配送センター内における1人の従業員について、各区画における滞留時間を表示している状態を示す。
【0105】
現在地特定装置3の特定結果出力手段304は、システム管理者からの指示に応じて、システム管理者が特定した従業員(ここでは「鈴木 ○郎」)が備える発信機のIDを従業員情報DB(図4)から取得し、特定結果DBから特定日時ごとに該取得した発信機IDに対応して記録されている区画IDを取得し、該従業員の各区画における滞留時間を求め、出力することができる。
【0106】
図14は、現在地特定装置3に接続されたディスプレイ上に、商品配送センター内における1人の従業員について、動線と、各区画における滞留時間と、各区画に到着した時刻とを表示している状態を示す。
【0107】
図のように、現在地特定装置3の特定結果出力手段304は、上述した動線、滞留時間、及び到着時刻を組み合わせた情報を出力することができる。なお、動線、滞留時間、及び到着時刻は、いずれか2つを組み合せて出力することも可能である。
【0108】
以上、現在地特定システム1、現在地特定装置3、現在地特定方法、及びコンピュータプログラムに関する実施形態を説明したが、以下のように変形させることも可能である。
【0109】
[変形例]
実施形態の現在地特定システム1に含まれる中継端末13a,13b(図1)は省略してもよい。但し、この場合、受信機(親機)11a,11bがネットワークに直接的に接続する機能を備えている必要がある。
【0110】
発信機7a〜hは、倉庫に格納される物品や、オフィス内にある電子機器や書類等の物品に備えることもできる。これら物品の現在地等の情報は、実施形態で従業員の現在地等に関して説明した方法と同じ方法で求めることができる。
【0111】
受信機(親機)11a,11bを省略することも可能である。この場合、各受信機(子機)9a〜fには、その動作態様を定義する設定情報が個別に格納される。例えば、設定情報は、中継端末13a,13b又は現在地特定装置3から入力/変更できるように構成することが考えられる。そして、各受信機(子機)9a〜fは、発信機7a〜hから受信した情報を、中継端末13a,13bを介して又は直接的に現在地特定装置3へ渡すことが考えられる。
【0112】
現在地特定システム1で用いている各DB(図3〜7)については、その機能を実現し得る態様で、相互に組み合わせてもよいし、各々を更に細分化してもよい。また、これらDBについては、現在地特定装置3の外部記憶装置内に構築してもよいし、現在地特定装置3と通信可能に接続されるネットワーク上の任意の情報処理装置内に構築してもよい。さらに、各DBは、複数の装置内に分散して構築されていてもよい。
【0113】
前述の実施形態において、現在地特定装置3が備える各手段(図3)は、一又は複数の手段にまとめて構成されていてもよいし、更に細分化されていてもよい。さらに、これらの手段が、通信可能に接続された複数の装置内に分散して設けられていてもよい。
【0114】
現在地特定装置3は、ウェブサーバとして機能させることも可能である。例えば、LANスイッチ15にルータを接続し、該ルータを介してインターネット等の外部のネットワークに通信可能に接続することにより、システム管理者は、ウェブブラウザや専用のブラウザを用いて、商品配送センター内における従業員の現在地などの情報や、さらには別の施設内に設けた現在地特定システムから受信した情報を、商品配送センターとは異なる場所で外部ネットワークに接続して一元的に把握することができる。
【0115】
前述の実施形態では、受信情報DB(図6)に格納される信号強度に関する情報は、信号強度に応じて予め定義した値(0〜100の範囲に正規化した値)を用いているが、信号強度の値をそのまま用いることもできる。
【0116】
現在地特定装置3の現在地特定手段302が従業員の現在地を特定するタイミング(特定日時)は、受信日時と異なっていてもよい。
【0117】
前述の実施形態では、受信機(子機)9a〜fを各区画X1〜X6に1台ずつ設けているが、1つの区画内に複数設けてもよい。
【0118】
前述の実施形態では、特定日時は、特定日時ごとに定まる特定日時から過去一定期間(例えば30秒間)が重複しないように、当該一定期間と同じ時間(30秒間)を空けて設定されているが、特定日時は任意の時間間隔で設定されていてもよい。従って、特定日時ごとに定まる特定日時から過去一定期間(例えば、ある特定日時から過去一定期間[15:15:30]〜[15:16:00]と、次の特定日時から過去一定期間[15:15:40]〜[15:16:10])は、その一部(この例では[15:15:40]〜[15:16:00]の期間)が互いに重複していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】現在地特定システムの構成例を示す図。
【図2】現在地特定装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】現在地特定装置の構成を示す図。
【図4】従業員情報DBのデータ構成を示す図。
【図5】区画情報DBのデータ構成を示す図。
【図6】1つの発信機に関する受信情報DBのデータ構成の複数の例を示す図。
【図7】特定結果DBのデータ構成の複数の例を示す図。
【図8】受信機が発信機に対して信号の発信を要求してから、現在地特定装置が発信機から受信した情報を受信情報DBに格納するまでの大まかな処理の内容を表すフローチャート。
【図9】現在地特定装置の現在地特定手段が、従業員の現在地を特定する処理の大まかな流れを表すフローチャート
【図10】現在地特定装置の現在地特定手段による、従業員の現在地を特定する処理の具体的な内容を表すフローチャート。
【図11】現在地特定装置に接続されたディスプレイ上に、商品配送センター内における従業員の現在地をリアルタイムで表示している状態を示す図。
【図12】現在地特定装置に接続されたディスプレイ上に、商品配送センター内における1人の従業員の動線と、各区画に到着した時刻とを表示している状態を示す図。
【図13】現在地特定装置に接続されたディスプレイ上に、商品配送センター内における1人の従業員について、各区画における滞留時間を表示している状態を示す図。
【図14】現在地特定装置に接続されたディスプレイ上に、商品配送センター内における1人の従業員について、動線と、各区画における滞留時間と、各区画に到着した時刻とを表示している状態を示す図。
【符号の説明】
【0120】
1 現在地特定システム
3 現在地特定装置
7a〜h 発信機
9a〜f 受信機(子機)
11a,11b 受信機(親機)
13a,13b 中継端末
15 LANスイッチ
201 中央処理装置(CPU)
202 RAM
203 ROM
204 ハードディスクドライブ(HDD)
205 入力部
206 通信部
207 出力部
X1〜X6 区画

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に備えられた発信機からの信号を受信する複数の受信機と通信可能に接続され、前記信号を受信した受信機に予め割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定する現在地特定装置であって、
前記信号を受信した受信機の識別情報を受信情報DBに格納する受信情報管理手段と、
前記信号を2以上の前記受信機が受信した場合、1以上の条件に従い、前記2以上の受信機にそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、前記対象の現在地として特定する現在地特定手段と
を備え、前記1以上の条件は、所定の期間内に前記受信情報DBに識別情報が最も多く記録された受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第1の条件を含むことを特徴とする現在地特定装置。
【請求項2】
前記1以上の条件は、さらに、前記第1の条件に従って唯一の区画を特定できない場合において、前記期間内に識別情報が前記受信情報DBに最も多く記録された受信機のうちの1つが、前記対象の現在地として直前に特定された区画に割り当てられている受信機と一致するときは、該一致した受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第2の条件を含むことを特徴とする請求項1に記載の現在地特定装置。
【請求項3】
前記受信情報管理手段は、前記受信機が前記信号を受信した場合に、該信号の強度を、該受信機の識別情報に対応付けて前記受信情報DBに格納し、
前記1以上の条件は、さらに、前記第2の条件に従って唯一の区画を特定できない場合において、前記識別情報が前記受信情報DBに最も多く記録された受信機のうち、前記期間内に前記受信情報DBに格納された最も高い信号強度に対応する受信機を求め、該受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第3の条件を含むことを特徴とする請求項2に記載の現在地特定装置。
【請求項4】
前記1以上の条件は、さらに、前記第3の条件に従って唯一の区画を特定できない場合において、前記期間内に前記受信情報DBに記録された最も高い信号強度に対応する2以上の受信機のうち、該期間内で前記受信情報DBに識別情報が最後に記録された受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第4の条件を含むことを特徴とする請求項3に記載の現在地特定装置。
【請求項5】
前記対象の現在地として特定された区画に関する情報を特定結果DBに格納する特定結果管理手段と、
前記特定結果DBの記録内容に基づき、前記対象の動線、区画における前記対象の滞留時間、又は前記動線と前記滞留時間の両方に関する情報を出力する手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現在地特定装置。
【請求項6】
対象に備えられた発信機からの信号を受信する複数の受信機と、該複数の受信機と通信可能に接続され、前記信号を受信した受信機に予め割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定する現在地特定装置とを含んで構成される現在地特定システムであって、
前記現在地特定装置は、
前記信号を受信した受信機の識別情報を受信情報DBに格納する受信情報管理手段と、
前記信号を2以上の前記受信機が受信した場合、1以上の条件に従い、前記2以上の受信機にそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、前記対象の現在地として特定する現在地特定手段と
を備え、前記1以上の条件は、所定の期間内に前記受信情報DBに識別情報が最も多く記録された受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第1の条件を含む、
ことを特徴とする現在地特定システム。
【請求項7】
対象に備えられた発信機からの信号を受信可能な複数の受信機のうち、前記信号を受信した受信機に予め割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定する現在地特定方法であって、
前記信号を受信した受信機の識別情報を受信情報DBに格納するステップと、
前記信号を2以上の前記受信機が受信した場合、1以上の条件に従い、前記2以上の受信機にそれぞれ割り当てられている区画のうちの1つを、前記対象の現在地として特定するステップと
を含み、前記1以上の条件は、所定の期間内に前記受信情報DBに識別情報が最も多く記録された受信機に割り当てられている区画を、前記対象の現在地として特定するという第1の条件を含むことを特徴とする現在地特定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法を情報処理装置に実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−91433(P2010−91433A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262163(P2008−262163)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(393013250)株式会社DTS (4)
【Fターム(参考)】