説明

現金貸付返済システム

【課題】 手間をかけずに簡単に現金を入手することができ、かつ安全性を向上させる。
【解決手段】 消費者金融会社により管理されている管理センタ装置30は、携帯電話機10から受信したユーザIDおよびパスワードの組合せが、管理センタ装置30に予め記憶されているユーザ情報に含まれるユーザIDおよびパスワードの組合せに一致する場合に、ユーザ情報および貸付額を格納した二次元コードを生成して携帯電話機10に送信する。コンビニエンスストアに設置されている貸付返済仲介端末20は、携帯電話機10から読み込んだ二次元コードに含まれるパスワードと、パスワードの入力要求に応じてユーザによって入力されたパスワードとが一致する場合に、貸付額を表示した貸付書を発行する。ユーザは貸付書をコンビニの店員に提示して貸付金を受け取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金貸付返済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ユーザが金融機関のATM(現金自動預払機・現金自動貸付返済機)やCD(現金自動支払機・現金自動貸付機)を操作しながら決済処理や貸付処理を行うための決済処理システムが開示されている。この決済処理システムにおいて決済処理が実行された場合には、ユーザの決済口座から購入代金が引き落とされる。また、貸付処理が実行された場合には、ユーザの貸付口座に貸付金が振り込まれる。また、最近では、ATMやCDが無人店舗に設置されている。
【特許文献1】特開2002−56197号公報(段落番号0030〜0032参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した特許文献1に記載された決済処理システムでは、貸付処理が実行されると、貸付金が貸付口座に振り込まれる。したがって、ユーザが現金を手に入れるためには、再度、貸付口座から現金を引き出さなければならず、手間がかかってしまう。また、ATMやCDには現金が格納されているため、無人店舗にATMやCDを設置する場合には、強盗等に狙われる危険性が増大する。
【0004】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、手間をかけずに簡単に現金を入手することができ、かつ安全性を向上させることができる現金貸付返済システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の現金貸付返済システムは、移動通信端末と、当該金融機関を利用するユーザに関するユーザ情報を管理する管理装置と、有人店舗に設置され、移動通信端末を所有するユーザが所望する貸付額または返済額の貸付返済処理を仲介する貸付返済仲介端末とを備える現金貸付返済システムであって、管理装置が、金融機関を利用するユーザを一意に識別するユーザID、当該ユーザIDに対応するパスワード、および貸付額または返済額を移動通信端末から受信する受信手段と、受信手段により受信されたユーザIDおよびパスワードの組合せが、予め記憶されているユーザ情報に含まれるユーザIDおよびパスワードの組合せに一致する場合に、受信されたユーザIDに対応するユーザ情報および受信された貸付額または返済額に基づいて二次元コードを生成する二次元コード生成手段と、二次元コード生成手段により生成された二次元コードを移動通信端末に送信する送信手段とを備え、貸付返済仲介端末が、二次元コードを移動通信端末から読み込む読込手段と、パスワードを入力するように要求するパスワード入力要求手段と、パスワードの入力要求に応じて入力されたパスワードを受信するパスワード受信手段と、パスワード受信手段により受信されたパスワードと前記読込手段により読み込まれた二次元コードに含まれるパスワードとが一致する場合に、少なくとも読込手段により読み込まれた二次元コードに含まれる貸付額または返済額を表示した書面を発行する書面発行手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、管理装置は、移動通信端末から受信したユーザIDおよびパスワードの組合せが、管理装置に予め記憶されているユーザ情報に含まれるユーザIDおよびパスワードの組合せに一致する場合に、ユーザ情報および貸付額または返済額を格納した二次元コードを生成して移動通信端末に送信することができる。したがって、ユーザは、自分の都合が良いときに、移動通信端末を操作して金融機関により管理されている管理装置にアクセスし、ユーザIDとパスワードを管理装置に送信することで、貸付処理または返済処理に必要な情報が格納された二次元コードを管理装置から取得することができる。また、貸付返済仲介端末は、移動通信端末から読み込んだ二次元コードに含まれるパスワードと、パスワードの入力要求に応じてユーザによって入力されたパスワードとが一致する場合に、貸付額または返済額を表示した書面を発行することができる。したがって、ユーザは、自分の都合が良いときに、二次元コードを格納した移動通信端末を、貸付返済仲介端末が設置されている有人店舗に持参して、貸付返済仲介端末に二次元コードを読み込ませることによって、貸付額または返済額が表示された書面を受け取ることができる。これにより、貸付返済仲介端末が設置されている有人店舗でこの書面を提示すれば、書面に表示されている貸付額分または返済額分の現金を有人店舗から受け取ることや有人店舗に支払うことが可能となる。すなわち、自分の都合が良いときに二次元コードを取得して、自分の都合が良いときに有人店舗に出向くことによって、自分が所望する貸付額を入手することや、返済額を返金することができる。したがって、ユーザは手間をかけずに簡単に現金を入手または返金することができる。また、現金は有人店舗において管理されるため、貸付返済仲介端末に現金を格納する必要がない。したがって、貸付返済仲介端末が強盗等に狙われる危険性が低減するため、安全性を向上させることができる。
【0007】
また、本発明の現金貸付返済システムにおいて、上記貸付返済仲介端末が、書面発行手段により書面が発行された場合に、管理装置に対して、少なくとも書面に表示された貸付額または返済額、および当該貸付額または当該返済額に対応するユーザIDを通知する通知手段をさらに備えることが好ましい。このようにすれば、ユーザが、貸付返済仲介端末が設置されている有人店舗から受け取った貸付金や、有人店舗に支払った返済金を、管理装置を管理する金融機関側で把握することができる。したがって、有人店舗と金融機関との間で決済処理を行うことが可能となる。これにより、有人店舗側は、ユーザに支払った貸付金を金融機関側から回収することができるとともに、金融機関側は、ユーザに貸し出した貸付金を有人店舗を介して回収することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る現金貸付返済システムによれば、手間をかけずに簡単に現金を入手することができ、かつ安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る現金貸付返済システムの実施形態を図面に基づき説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0010】
図1は、実施形態における現金貸付返済システム1の構成を例示する図である。図1に示すように、現金貸付返済システム1は、携帯電話機10(移動通信端末)と貸付返済仲介端末20と管理センタ装置30(管理装置)とを有する。携帯電話機10または貸付返済仲介端末20と管理センタ装置30とは、移動体通信網を含む通信回線40を介して接続されている。
【0011】
なお、本実施形態における現金貸付返済システム1では、移動通信端末の具体例として携帯電話機10を用いて説明しているが、移動通信端末の具体例はこれに限られず、例えば、簡易型携帯電話機(PHS)や通信機能を有する携帯型情報端末(PDA)等の移動通信端末であってもよい。
【0012】
次に、図1に示された各装置について説明する。
【0013】
携帯電話機10は、自機が在圏する無線エリアをカバーする基地局(不図示)と無線通信を行い、通話サービスあるいはパケット通信サービスを受ける移動通信端末である。携帯電話機10は、カメラ機能やテレビ電話機能を搭載している。
【0014】
貸付返済仲介端末20は、例えば、コンビニエンスストア等の有人店舗のレジ付近に設置、またはレジに取り付け可能な端末装置である。貸付返済仲介端末20は、二次元コードリーダを備えている。なお、本実施形態においては、貸付返済仲介端末20が、コンビニエンスストアのレジ付近に設置されている場合について説明する。
【0015】
管理センタ装置30は、例えば、消費者金融会社や銀行等の金融機関により管理されているサーバ装置またはホスト端末である。管理センタ装置30は、各金融機関を利用するユーザに関するユーザ情報を管理する。このユーザ情報については後述する。なお、本実施形態においては、管理センタ装置30が、消費者金融会社によって管理されている場合について説明する。
【0016】
このように構成される現金貸付返済システム1では、以下のような処理が行われる。(1)携帯電話機10が管理センタ装置30にアクセスすることにより行われる消費者金融の貸借契約処理。(2)携帯電話機10が貸付処理または返済処理の申請を管理センタ装置30に対して行い、管理センタ装置30から二次元コードを取得し、この二次元コードを貸付返済仲介端末20に読み込ませることにより行われる貸付処理および返済処理。
【0017】
上記貸借契約処理および二次元コードの取得については、ユーザが所持する携帯電話機10を操作することにより行われるため、ユーザの都合の良いときにいつでもどこでも処理することが可能である。また、上記貸付処理および返済処理については、ユーザが身近に利用しているコンビニエンスストアで行われる。したがって、消費者金融を利用するユーザは、携帯電話機10を所持していれば、消費者金融会社が設置したATMにわざわざ出向くことなく、ユーザにとって身近な存在であるコンビニエンスストアに出向くことにより消費者金融を利用することができる。以下においては、このような特徴を有する現金貸付返済システム1に備えられる管理センタ装置30および貸付返済仲介端末20の機能構成について詳細に説明する。
【0018】
まず、図2を参照して管理センタ装置30の機能構成について説明する。図2に示すように、管理センタ装置30は、ユーザID発行部31と、与信審査部32と、確認画面生成部33と、パスワード登録部34と、開始要求受信部35(受信手段)と、二次元コード生成部36(二次元コード生成手段)と、メール送信部37(送信手段)と、二次元コード送信部38(送信手段)と、処理結果通知受信部39とを備えている。
【0019】
また、管理センタ装置30は、ユーザ情報データベース3Aを備えている。ユーザ情報データベース3Aは、消費者金融を利用するユーザに関する情報を格納する。ここで、図3を参照して、ユーザ情報データベース3Aのデータ構成について説明する。ユーザ情報データベース3Aは、データ項目として、例えば、ユーザID、パスワード、個人情報を有する。ユーザIDには、例えば“00001”のように、ユーザを一意に識別するためのIDが格納される。パスワードには、例えば、“abcd”のように、ユーザの正当性を確認する際に用いる暗証コードが格納される。また、個人情報には、例えば、ユーザの氏名、住所、電話番号、貸付限度額等が格納される。
【0020】
図2に示すユーザID発行部31は、携帯電話機10から消費者金融の貸借契約処理の開始要求を受信した場合に、ユーザIDを発行する。ユーザID発行部31は、発行したユーザIDを携帯電話機10に送信する。
【0021】
与信審査部32は、携帯電話機10を操作するユーザによって入力された与信審査に関する内容や、管理センタ装置30を操作するオペレータによって入力された与信審査に関する内容に基づいて与信審査処理を実行し、貸借契約の可否を決定する。
【0022】
確認画面生成部33は、与信審査部32により決定された貸借契約の可否を表示した確認画面を生成する。
【0023】
パスワード登録部34は、携帯電話機10から受信したパスワードをユーザ情報データベース3Aに登録する。具体的に説明すると、パスワード登録部34は、携帯電話機10から受信したパスワードを、この携帯電話機10に対応するユーザIDを含むユーザ情報のパスワードに格納して登録する。
【0024】
開始要求受信部35は、携帯電話機10から送信される貸付処理の開始要求や、返済処理の開始要求を受信する。貸付処理の開始要求には、ユーザID、パスワードおよび貸付額が含まれ、返済処理の開始要求には、ユーザIDおよび返済額が含まれる。
【0025】
二次元コード生成部36は、開始要求受信部35により貸付処理の開始要求が受信された場合には、この開始要求に含まれるユーザIDおよびパスワードに基づいて、携帯電話機10を所有するユーザの認証を行う。具体的に説明すると、二次元コード生成部36は、受信されたユーザIDとパスワードとに基づいて、ユーザ情報データベース3Aを検索する。二次元コード生成部36は、検索の結果、このユーザIDとパスワードの組合せに一致する組合せがユーザ情報から検出された場合には、ユーザが正当なユーザであると判断し、検出されなかった場合には、ユーザが不当なユーザであると判断する。
【0026】
また、二次元コード生成部36は、開始要求受信部35により返済処理の開始要求が受信された場合には、この開始要求に含まれるユーザIDに基づいて、携帯電話機10を所有するユーザがシステムに登録されているか否かの確認を行う。具体的に説明すると、二次元コード生成部36は、受信されたユーザIDに基づいて、ユーザ情報データベース3Aを検索する。二次元コード生成部36は、検索の結果、このユーザIDがユーザ情報から検出された場合には、ユーザがシステムに登録されているユーザであると判断し、検出されなかった場合には、ユーザがシステムに登録されていないユーザであると判断する。
【0027】
さらに、二次元コード生成部36は、ユーザが正当なユーザまたはシステムに登録されているユーザであると判断した場合に、開始要求受信部35により受信されたユーザIDに対応するユーザ情報および開始要求受信部35により受信された貸付額または返済額に基づいて二次元コードを生成する。二次元コードに格納される情報としては、例えば、ユーザID,パスワード、ユーザ氏名、住所、電話番号等のユーザ情報や、貸付額または返済額が該当する。
【0028】
メール送信部37は、二次元コード生成部36により生成された二次元コードの格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)が表示されたメールを携帯電話機10に送信する。
【0029】
二次元コード送信部38は、二次元コードの格納場所を示すURLに基づいてアクセスしてきた携帯電話機10に対して、このURLに対応する格納場所に格納されている二次元コードを送信する。
【0030】
処理結果通知受信部39は、貸付処理または返済処理の結果を知らせる通知を貸付返済仲介端末20から受信する。
【0031】
次に、図4を参照して貸付返済仲介端末20の機能構成について説明する。図4に示すように、貸付返済仲介端末20は、二次元コード読込部21(読込手段)と、パスワード入力要求部22(パスワード入力要求手段)と、パスワード受信部23(パスワード受信手段)と、書面発行部24(書面発行手段)と、処理結果通知部25(通知手段)とを備えている。
【0032】
二次元コード読込部21は、携帯電話機10の表示画面上に表示されている二次元コードを読み込む。
【0033】
パスワード入力要求部22は、携帯電話機10の表示画面上にパスワード入力画面を表示させることにより、携帯電話機10のユーザに対してパスワードを入力するように促す。
【0034】
パスワード受信部23は、パスワード入力要求部22によるパスワードの入力要求に応じて入力されたパスワードを受信する。
【0035】
書面発行部24は、パスワード受信部23により受信されたパスワードと、二次元コード読込部21により読み込まれた二次元コードに含まれるパスワードとが一致するか否かにより、携帯電話機10を所有するユーザの本人確認を行う。具体的に説明すると、書面発行部24は、パスワード受信部23により受信されたパスワードと、二次元コード読込部21により読み込まれた二次元コードとが一致する場合には、ユーザが正当なユーザであると判断し、一致しなかった場合には、ユーザが不当なユーザであると判断する。
【0036】
また、書面発行部24は、少なくとも二次元コード読込部21により読み込まれた二次元コードに含まれる貸付額または返済額を表示した貸付書または返済書を発行する。なお、貸付書や返済書には、貸付額や返済額の他に、必要に応じて、ユーザID、ユーザの氏名、住所、電話番号等のユーザ情報が表示されることとしてもよい。
【0037】
処理結果通知部25は、貸付処理または返済処理の結果を管理センタ装置30に送信する。具体的に説明すると、例えば、貸付処理の場合には、貸付をしたユーザのユーザID、氏名、貸付額等が通知され、返済処理の場合には、返済をしたユーザのユーザID、氏名、返済額等が通知される。
【0038】
次に、図5から図7を参照して本実施形態における現金貸付返済システム1の動作について説明する。現金貸付返済システム1において実行される処理は、(1)貸借契約処理、(2−1)貸付処理、(2−2)返済処理に大別される。したがって、以下においては、上記各処理にわけて現金貸付返済システム1の動作を説明することとする。
【0039】
まず、図5を参照して(1)貸借契約処理における現金貸付返済システム1の動作について説明する。図5に示すように、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって管理センタ装置30に格納されている貸借契約申請画面にアクセスし、貸借契約処理の開始を要求する(ステップS1)。
【0040】
次に、管理センタ装置30のユーザID発行部31は、携帯電話機10から貸借契約処理の開始要求を受信すると、当該携帯電話機10に対してユーザIDを発行するとともに、発行したユーザIDを携帯電話機10に送信する(ステップS2)。
【0041】
ここで、携帯電話機10を所持するユーザは、管理センタ装置30から送信される貸借契約処理画面に表示される処理手順にしたがって順次入力操作を行うことにより貸借契約処理を進行させる。次に、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、携帯電話機10に搭載されているカメラで運転免許証を撮影する(ステップS3)。次に、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、撮影した運転免許証の画像を添付したメールを管理センタ装置30宛に送信する(ステップS4)。
【0042】
次に、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、携帯電話機10に搭載されているテレビ電話機能により管理センタ装置30に映像を送信する(ステップS5)。次に、管理センタ装置30を操作するオペレータは、携帯電話機10から送信されるユーザの顔が映し出された画像と、メールに添付されていた運転免許証の画像とを比較して、携帯電話機10を用いて貸借契約処理を行っているユーザの本人確認を行う。次に、管理センタ装置30の与信審査部32は、携帯電話機10を操作するユーザにより入力されたユーザ情報や、オペレータにより入力された本人確認の結果等に基づいて、与信審査処理を実行し、貸借契約の可否を決定する(ステップS6)。
【0043】
次に、管理センタ装置30の確認画面生成部33は、与信審査部32により決定された貸借契約の可否を表示した確認画面を生成する(ステップS7)。
【0044】
次に、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、管理センタ装置30に格納されている確認画面にアクセスし、表示画面上に確認画面を表示させる(ステップS8)。ここで、貸借契約が不可能である旨が確認画面に表示されている場合には、携帯電話機10は以下に説明するステップS9以降の各処理に進むことはできない。
【0045】
次に、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、管理センタ装置30に格納されている契約書取得画面にアクセスし、表示画面上に貸借契約書を表示させる(ステップS9)。
【0046】
次に、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、電子署名を利用して貸借契約書を管理センタ装置30に送信する(ステップS10)。これにより、携帯電話機10を所有するユーザと、消費者金融会社との間で取り交わされる貸借契約が締結する。
【0047】
次に、携帯電話機10は、後述する貸付処理や返済処理において本人確認をする際に用いられるパスワードを管理センタ装置30に送信する(ステップS11)。これにより、管理センタ装置30のユーザ情報データベース3Aにパスワードが登録される。
【0048】
次に、図6を参照して(2−1)貸付処理における現金貸付返済システム1の動作について説明する。図6に示すように、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、管理センタ装置30に格納されている貸付申請画面にアクセスし、貸付処理の開始を要求する(ステップS21)。
【0049】
次に、管理センタ装置30の開始要求受信部35が、貸付処理の開始要求を携帯電話機10から受信すると、二次元コード生成部36は、貸付処理の開始要求に含まれるユーザIDおよびパスワードに基づいて、携帯電話機10を所有するユーザの認証を行う(ステップS22)。
【0050】
次に、管理センタ装置30の二次元コード生成部36は、ユーザが正当なユーザであると判断した場合に、貸付処理の開始要求に含まれるユーザIDおよびパスワードに対応するユーザ情報および貸付処理の開始要求に含まれる貸付額に基づいて二次元コードを生成する(ステップS23)。
【0051】
次に、管理センタ装置30のメール送信部37は、二次元コード生成部36により生成された二次元コードの格納場所を示すURLが表示されたメールを生成し、この生成したメールを携帯電話機10のユーザ宛に送信する(ステップS24)。
【0052】
次に、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、表示画面上のメール本文に表示されたURLが選択されると(ステップS25)、選択されたURLに対応する二次元コードの格納場所にアクセスして、二次元コードを要求する。
【0053】
次に、管理センタ装置30の二次元コード送信部38は、URLに基づいてアクセスしてきた携帯電話機10に対して、このURLに対応する格納場所に格納されている二次元コードを送信する(ステップS26)。これにより、携帯電話機10を所有するユーザは、貸付処理に必要な情報が記録された二次元コードを携帯電話機10に格納することができる。したがって、ユーザは、貸付返済仲介端末20を備えているコンビニエンスストアに携帯電話機10を持参することにより、貸付額分の現金を借りることが可能となる。
【0054】
なお、本動作説明におけるこれ以降の説明は、ユーザが、貸付返済仲介端末20を備えたコンビニエンスストアに携帯電話機10を所持して出向いた場合のものである。
【0055】
まず、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、二次元コードを携帯電話機10の表示画面上に表示させる(ステップS27)。
【0056】
次に、貸付返済仲介端末20の二次元コード読込部21は、コンビニエンスストアの店員の操作指示にしたがって、携帯電話機10の表示画面上に表示された二次元コードを読み込む(ステップS28)。
【0057】
次に、貸付返済仲介端末20のパスワード入力要求部22は、携帯電話機10の表示画面上にパスワード入力画面を表示させることにより、携帯電話機10のユーザに対してパスワードを入力するように促す(ステップS29)。
【0058】
次に、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、パスワード入力画面に入力されたパスワードを貸付返済仲介端末20に送信する(ステップS30)。これにより、貸付返済仲介端末20のパスワード受信部23は、携帯電話機10から送信されたパスワードを受信する。
【0059】
次に、貸付返済仲介端末20の書面発行部24は、パスワード受信部23により受信されたパスワードと、二次元コード読込部21により読み込まれた二次元コードに含まれるパスワードとが一致するか否かにより、携帯電話機10を所有するユーザの本人確認を行う(ステップS31)。
【0060】
次に、書面発行部24は、パスワード受信部23により受信されたパスワードと、二次元コード読込部21により読み込まれた二次元コードに含まれるパスワードとが一致すると判断した場合に、二次元コード読込部21によって読み込まれた二次元コードに含まれる貸付額等を表示した貸付書を発行する(ステップS32)。これにより、ユーザは、貸付書をコンビニエンスストアの店員に提示することによって、貸付書に表示された貸付額分の現金をコンビニエンスストアで入手することができる。
【0061】
次に、貸付返済仲介端末20の処理結果通知部25は、ユーザID、氏名および貸付額等を含む貸付処理の結果を管理センタ装置30に送信する(ステップS33)。このようにすれば、ユーザが、貸付返済仲介端末20が設置されているコンビニエンスストアから受け取った貸付金を、管理センタ装置30を管理する消費者金融会社側で把握することができる。したがって、コンビニエンスストアと消費者金融会社との間で決済処理を行うことが可能となる。これにより、コンビニエンスストア側は、ユーザに支払った貸付金を消費者金融会社側から回収することができる。
【0062】
次に、図7を参照して(2−2)返済処理における現金貸付返済システム1の動作について説明する。この返済処理における動作は、上述した(2−1)貸付処理における動作とその一部を除いて同様の動作が行われるため、同様の動作については説明を省略することとする。したがって、以下においては、返済処理に特有の動作についてのみ説明する。
【0063】
まず、図7に示すように、携帯電話機10は、ユーザの操作指示にしたがって、管理センタ装置30に格納されている返済申請画面にアクセスし、返済処理の開始を要求する(ステップS41)。
【0064】
次に、管理センタ装置30の開始要求受信部35が、返済処理の開始要求を携帯電話機10から受信すると、二次元コード生成部36は、返済処理の開始要求に含まれるユーザIDに基づいて、携帯電話機10を所有するユーザがシステムに登録されているユーザであるか否かの確認を行う(ステップS42)。
【0065】
次に、管理センタ装置30の二次元コード生成部36は、ユーザがシステムに登録されているユーザであることを確認した場合に、返済処理の開始要求に含まれるユーザIDに対応するユーザ情報および返済処理の開始要求に含まれる返済額に基づいて二次元コードを生成する(ステップS43)。
【0066】
ここで、ステップS44〜S51の各ステップにおける処理は、上述した(2−1)貸付処理(図6参照)におけるステップS24〜S31の各ステップにおける処理と同様であるため、それらの説明を省略する。したがって、以下においては、図7に示すステップS52以降の処理について説明する。
【0067】
ステップS51の本人確認において、書面発行部24は、パスワード受信部23により受信されたパスワードと、二次元コード読込部21により読み込まれた二次元コードに含まれるパスワードとが一致すると判断した場合に、二次元コード読込部21によって読み込まれた二次元コードに含まれる返済額等を表示した返済書を発行する(ステップS52)。これにより、ユーザは、返済書をコンビニエンスストアの店員に提示することによって、返済書に表示された返済額分の現金をコンビニエンスストアに支払うことができる。
【0068】
次に、貸付返済仲介端末20の処理結果通知部25は、ユーザID、氏名および返済額等を含む返済処理の結果を管理センタ装置30に送信する(ステップS53)。このようにすれば、ユーザが、貸付返済仲介端末20が設置されているコンビニエンスストアで支払った返済金を、管理センタ装置30を管理する消費者金融会社側で把握することができる。したがって、コンビニエンスストアと消費者金融会社との間で決済処理を行うことが可能となる。これにより、消費者金融会社側は、ユーザに貸し出した貸付金をコンビニエンスストアを介して回収することができる。
【0069】
以上のように、本実施形態における現金貸付返済システム1において、消費者金融会社により管理されている管理センタ装置30は、携帯電話機10から受信したユーザIDおよびパスワードの組合せが、管理センタ装置30に予め記憶されているユーザ情報に含まれるユーザIDおよびパスワードの組合せに一致する場合に、ユーザ情報および貸付額または返済額を格納した二次元コードを生成して携帯電話機10に送信している。したがって、ユーザは、自分の都合が良いときに、携帯電話機10を操作して管理センタ装置30にアクセスし、ユーザIDとパスワードを管理センタ装置30に送信することで、貸付処理または返済処理に必要な情報が格納された二次元コードを管理センタ装置30から取得することができる。
【0070】
また、コンビニエンスストアのレジ付近に設置されている貸付返済仲介端末20は、携帯電話機10から読み込んだ二次元コードに含まれるパスワードと、パスワードの入力要求に応じてユーザによって入力されたパスワードとが一致する場合に、貸付額または返済額を表示した貸付書または返済書を発行することができる。したがって、ユーザは、自分の都合が良いときに、二次元コードを格納した携帯電話機10を、貸付返済仲介端末20が設置されているコンビニエンスストアに持参して、貸付返済仲介端末20に二次元コードを読み込ませることによって、貸付額または返済額が表示された貸付書または返済書を受け取ることができる。これにより、貸付返済仲介端末20が設置されているコンビニエンスストアでこの貸付書または返済書を提示すれば、貸付書または返済書に表示されている貸付額分または返済額分の現金をコンビニエンスストアから受け取ることやコンビニエンスストアに支払うことが可能となる。
【0071】
すなわち、自分の都合が良いときに二次元コードを取得して、自分の都合が良いときにコンビニエンスストアに出向くことによって、自分が所望する貸付額を入手することや、返済額を返金することができる。したがって、ユーザは手間をかけずに簡単に現金を入手または返金することができる。
【0072】
また、現金はコンビニエンスストアにおいて管理されるため、貸付返済仲介端末20に現金を格納する必要がない。したがって、貸付返済仲介端末20が強盗等に狙われる危険性が低減するため、安全性を向上させることができる。
【0073】
なお、上述した実施形態における返済処理においては、携帯電話機10が管理センタ装置30に送信する返済処理の開始要求に、ユーザIDが含まれているが、貸付処理と同様に、ユーザIDのみならずパスワードを含めることとしてもよい。また、上述した実施形態における返済処理においては、二次元コードを生成する際には、パスワードを用いたユーザの認証を行っていないが、貸付処理と同様に、ユーザIDおよびパスワードの組合せによりユーザの認証を行うようにしてもよい。本実施形態においては、返済処理をする際には、パスワードによるユーザ認証を設けなくても、それにより実害が発生する可能性が極めて低いことから、返済処理の開始要求にパスワードを含めず、かつパスワードを用いたユーザ認証を省略している。これにより、ユーザがパスワードを入力する手間を省くことができる。
【0074】
また、上述した実施形態においては、管理センタ装置30は、二次元コードを生成した後に、二次元コードの格納場所を示すURLを表示したメールを携帯電話機10のユーザ宛に送信しているが、必ずしもURLを表示したメールにより携帯電話機10に二次元コードを取得させる必要はない。例えば、管理センタ装置30が、二次元コードを添付したメールを携帯電話機10のユーザ宛に送信してもよいし、二次元コードを画像データとして携帯電話機10に直接ダウンロードさせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】実施形態における現金貸付返済システムのシステム構成を示す図である。
【図2】図1に示す管理センタ装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】ユーザ情報データベースのデータ構成を示す図である。
【図4】図1に示す貸付返済仲介端末の機能構成を示すブロック図である。
【図5】貸借契約処理の詳細動作を示すシーケンス図である。
【図6】貸付処理の詳細動作を示すシーケンス図である。
【図7】返済処理の詳細動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0076】
1・・・現金貸付返済システム、10・・・携帯電話機、20・・・貸付返済仲介端末、21・・・二次元コード読込部、22・・・パスワード入力要求部、23・・・パスワード受信部、24・・・書面発行部、25・・・処理結果通知部、30・・・管理センタ装置、31・・・ユーザID発行部、32・・・与信審査部、33・・・確認画面生成部、34・・・パスワード登録部、35・・・開始要求受信部、36・・・二次元コード生成部、37・・・メール送信部、38・・・二次元コード送信部、39・・・処理結果通知受信部、3A・・・ユーザ情報データベース、40・・・通信回線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末と、金融機関を利用するユーザに関するユーザ情報を管理する管理装置と、有人店舗に設置され、前記移動通信端末を所有するユーザが所望する貸付額または返済額の貸付返済処理を仲介する貸付返済仲介端末とを備える現金貸付返済システムであって、
前記管理装置が、
前記金融機関を利用するユーザを一意に識別するユーザID、当該ユーザIDに対応するパスワード、および前記貸付額または前記返済額を前記移動通信端末から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたユーザIDおよびパスワードの組合せが、予め記憶されている前記ユーザ情報に含まれるユーザIDおよびパスワードの組合せに一致する場合に、前記受信されたユーザIDに対応する前記ユーザ情報および前記受信された貸付額または返済額に基づいて二次元コードを生成する二次元コード生成手段と、
前記二次元コード生成手段により生成された二次元コードを前記移動通信端末に送信する送信手段と、を備え、
前記貸付返済仲介端末が、
前記二次元コードを前記移動通信端末から読み込む読込手段と、
パスワードを入力するように要求するパスワード入力要求手段と、
前記パスワードの入力要求に応じて入力されたパスワードを受信するパスワード受信手段と、
前記パスワード受信手段により受信されたパスワードと前記読込手段により読み込まれた二次元コードに含まれるパスワードとが一致する場合に、少なくとも前記読込手段により読み込まれた二次元コードに含まれる貸付額または返済額を表示した書面を発行する書面発行手段と、を備える
ことを特徴とする現金貸付返済システム。
【請求項2】
前記前記貸付返済仲介端末が、前記書面発行手段により前記書面が発行された場合に、前記管理装置に対して、少なくとも前記書面に表示された貸付額または返済額、および当該貸付額または当該返済額に対応する前記ユーザIDを通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の現金貸付返済システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−99655(P2006−99655A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287726(P2004−287726)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(593039144)ドコモエンジニアリング株式会社 (5)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【Fターム(参考)】