説明

球体を利用した変位測定装置

【課題】支持体が支持部の上部側に移動したときに支持体との摩擦力によって振り子運動が停止してしまうことを防止できて、支持体と支持部とがスムーズに相対変位できる変位測定装置を提供する
【解決手段】構造物に固定され凹状の湾曲面が形成された支持部2と、湾曲面に沿って振り子運動可能に支持された支持体3および球体4と、構造物又は支持部2と、支持体3との相対変位量を測定し、構造物の絶対変位量を算出する絶対変位算出部5とを備える。支持体3は、球体4を支持可能な開口部31aが形成された支持板部31と、該支持板部31に設けられ湾曲面に当接された車輪(移動輪)32と、を備える。開口部31aに球体4を配置したときに、球体4は開口部31a内を移動可能に構成されているとともに、球体4は湾曲面に当接されており、球体4と湾曲面との間の摩擦係数は、移動輪32と湾曲面との間の摩擦係数よりも小さくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の変位量を測定するための球体を利用した変位測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物など構造物の変位量を測定する種々の変位測定装置が利用されている。
例えば、特許文献1には、構造物に取り付けられた支持部と、該支持部に水平方向へ移動可能に支持された支持体と、支持体と構造物又は支持部に設けられ構造物の水平方向の絶対変位量を算出する絶対変位算出部と、を備える変位測定装置が開示されている。
この変位測定装置では、構造物が地震などで水平方向へ振動すると、支持部も構造物とともに水平方向へ振動する。このとき、支持体は、支持部に水平方向へ移動可能に支持されていて、支持部の水平方向の振動がほとんど伝達されないため、水平方向へ移動せずに一点に留まることになる。
そして、支持部と支持体との相対変位量を測定することで、構造物の絶対変位量を算出することができる。
【0003】
また、特許文献1には、支持部に下方に湾曲するレールなどを用いて、支持体がこのレール上を移動する変位測定装置も開示されている。
この変位測定装置では、支持体がレール上を振り子運動可能であるため、支持部と支持体とがスムーズに相対変位でき、構造物の絶対変位量を高精度に算出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−19748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レールなどの湾曲面に沿って振り子運動をする支持体は、支持部の下部側から上部側へ移動するに従って減速されるため、支持部の上部側に移動したときに支持体との摩擦力によって振り子運動が停止してしまうことがある。そして、支持部の振り子運動が停止してしまうと、支持体は支持部とともに移動してしまうため、構造物の絶対変位量を算出できないという問題がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、支持体が支持部の上部側に移動したときに支持体との摩擦力によって振り子運動が停止してしまうことを防止できて、支持体と支持部とがスムーズに相対変位できる球体を利用した変位測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、本発明に係る球体を利用した変位測定装置は、構造物に設けられて、該構造物の変位量を測定する変位測定装置であって、前記構造物に固定され凹状の湾曲面が形成された支持部と、前記湾曲面に沿って振り子運動可能に支持された支持体および球体と、前記構造物又は前記支持部と、前記支持体との相対変位量を測定し、前記構造物の絶対変位量を算出する絶対変位算出部とを備え、前記支持体は、前記球体を支持可能な開口部が形成された支持板部と、該支持板部に設けられ前記湾曲面に当接された移動輪と、を備え、前記開口部に前記球体を配置したときに、前記球体は前記開口部内を移動可能に構成されているとともに、前記球体は前記湾曲面に当接されており、前記球体と前記湾曲面との間の摩擦係数は、前記移動輪と前記湾曲面との間の摩擦係数よりも小さいことを特徴とする。
【0008】
本発明では、支持体は、球体を支持可能な開口部が形成された支持板部と、該支持板部に設けられ湾曲面に当接された移動輪と、を備え、開口部に球体を配置したときに、球体は開口部内を移動可能に構成されているとともに、球体は湾曲面に当接されており、球体と湾曲面との間の摩擦係数は、移動輪と湾曲面との間の摩擦係数よりも小さいことにより、支持体が湾曲面の下部側から上部側へ移動して、移動輪と湾曲面との間の摩擦によって停止した場合にも、球体は停止せずに湾曲面上を振り子運動し、支持体の開口部内を移動しての支持体と当接して支持体を押すため、支持体の振り子運動を再開させることができる。
【0009】
また、本発明に係る球体を利用した変位測定装置では、前記支持部は、筒状に形成されていて、内部に前記支持体、前記球体および前記絶対変位算出部が配されていてもよい。
このように、支持部は、筒状に形成されていて、内部に支持体、球体および絶対変位算出部が配されていることにより、支持部から支持体、球体および絶対変位算出部が外れることを防止することができるとともに、支持体、球体および絶対変位算出部などに異物がぶつかったり埃などがかかったりすることを防止することができる。これにより、構造物の変位を高精度に測定することができるとともに変位測定装置のメンテナンスを容易にすることができる。
【0010】
また、本発明に係る球体を利用した変位測定装置では、前記支持部は、塩化ビニル管で構成されていてもよい。
このように、支持部は、塩化ビニル管で構成されていることにより、塩化ビニル管は、加工が容易であるとともに材料コストを抑えることができるため、変位測定装置の製造にかかるコストを削減させることができる。
【0011】
また、本発明に係る球体を利用した変位測定装置では、前記支持体は、前記支持部の内部上面と所定の間隔をあけるように設けられたローラを備えていてもよい。
このように、支持体は、支持部の内部上面と所定の間隔をあけるように設けられたローラを備えていることにより、支持部の内部において、支持体が上方へ変位した場合にも、ローラと支持部の内部上面とが当接するため、支持体が支持部内で大きく跳ね上がることを防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る球体を利用した変位測定装置では、前記湾曲面は、下方に湾曲する部分球面状に形成されていてもよい。
このように、湾曲面は、下方に湾曲する部分球面状に形成されていることにより、支持体は湾曲面に沿って多方向へ移動することができるため、構造物の変位を高精度に測定することができる。
【0013】
また、本発明に係る球体を利用した変位測定装置では、前記支持体は、前記球体が当接することで前記絶対変位算出部を駆動させるスイッチを備えていてもよい。
このように、支持体は、球体が当接することで絶対変位算出部を駆動させるスイッチを備えていることにより、構造物が振動したときに絶対変位算出部を駆動させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、支持体が湾曲面の下部側から上部側へ移動して、移動輪と湾曲面との間の摩擦によって停止した場合にも、球体は停止せずに湾曲面上を振り子運動し、支持体の開口部内を移動しての支持体と当接して支持体を押して支持体の振り子運動を再開させることができるため、高精度に構造物の変位を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態による変位測定装置の建物に取り付けられている様子の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態による変位測定装置の一例を示す斜視図である。
【図3】(a)は図2のA方向矢視図、(b)は図2のB方向矢視図である。
【図4】建物の天井面に取り付けられている変位測定装置を示す図である。
【図5】(a)は本発明の第1実施形態による変位測定装置の支持体と球体を説明する斜視図、(b)は(a)の上面図である。
【図6】(a)は本発明の第2実施形態による変位測定装置を示す図、(b)は(a)の支持体および球体を説明する図である。
【図7】第1実施形態による変位測定装置の変形例を示す図である。
【図8】第1実施形態による変位測定装置の他の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による球体を利用した変位測定装置について、図1乃至図6に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による変位測定装置(球体を利用した変位測定装置)1は、建物(構造物)Kに複数取り付けられて、地震や風などによって生じる建物Kの変位量をそれぞれ測定するものである。本実施形態では、変位測定装置1は、建物KのスラブS下およびグランドレベル(GL)に取り付けられている。
図2および図3に示すように、変位測定装置1は、円筒状に形成され建物K(図1参照)に固定された支持部2と、該支持部2の内部に配されて該支持部2の軸方向(図4の矢Cの方向)へ移動可能な支持体3および球体4と、支持部2と支持体3との水平方向の相対変位量を測定し建物Kの水平方向の絶対変位を算出する絶対変位算出部5と、支持部2と支持体3との相対変位を検出する動作検出部(スイッチ)6(図3(a)参照)と、該動作検出部6と接続されて絶対変位算出部5の駆動を制御する制御部(不図示)と、を備えている。
【0017】
図4に示すように、支持部2は、中心軸が円弧状に湾曲していて、軸方向の両端部2a,2aが軸方向の中央部2bよりも上方となる向きで、建物KのスラブSの下面に固定されている。本実施形態では、支持部2に塩化ビニル管を使用し、支持部2の軸方向の両端部2a,2aをスラブSの下面にそれぞれ固定具21で固定するとともに、軸方向の中央部2bとスラブSとの間にスペーサ22を設けて、支持部2を下側へ湾曲させている。

支持部2は下方に湾曲しているため、建物Kが振動していない通常時には、支持部2内に配された支持体3(図2参照)は、支持部2の軸方向の中央部2bに位置している。
この支持部2の内部下面2aが本発明の湾曲面に相当している。
【0018】
図2および図3に示すように、支持体3は、絶対変位算出部5の後述するセンサー5a(図3(a)参照)が取り付けられる支持板部31と、支持板部31に設置されて支持部2の内部下面2cに沿って支持部2の軸方向へ走行可能な複数の車輪(移動輪)32と、支持板部31の上方に固定された保持板部33に回転可能に保持されたローラ34と、を備えている。
【0019】
支持板部31は、板状の部材で、支持体3が支持部2の軸方向の中央部2b(図4参照)に位置しているときに、その面方向が略水平となるように設置されている。そして、支持板部31は、走行方向の中央部にセンサー5aが取り付けられていて、走行方向の両端部側に球体4が挿通される開口部31a,31aが形成されている。図5(a)、(b)に示すように、開口部31aは、挿通された球体4の表面との間に隙間d1ができる大きさに形成されている。
【0020】
図2および図3に示すように、車輪32は、支持板部31の走行方向の両側部にそれぞれ2つずつ取り付けられている。図3(b)に示すように、車輪32は、支持部2の内部下面2cに沿って転動可能に構成されている。本実施形態では、支持部2が円筒状に形成されているため、車輪32は、円弧面状の支持部2の内部下面2cに沿って転動可能となるように、支持板部31に対して傾斜して取り付けられている。
なお、車輪32の個数は上記以外の数でもよく、車輪32に代わってベアリングなどを取り付けてもよい。
図3に示すように、ローラ34は、その上端部と支持部2の内部上面2dとの間に所定の間隔d2があくように保持板部33に取り付けられている。そして、支持体3が支持部2の内部で上方へ変位したときに、ローラ34は支持部2の内部上面2dと当接し、支持部2の内部上面2dに沿って支持部2の軸方向へ移動可能に構成されている。
【0021】
球体4は、例えば鉄球などで、開口部31aに挿通された状態で支持部2の内部下面2cに沿って支持部2の軸方向へ転がることが可能に構成されている。
また、開口部31aが挿通された球体4の表面との間に隙間dができる大きさに形成されているため、球体4は、開口部31aの内部でこの隙間dの範囲で移動することができる。
また、球体4は、支持部2の内部下面2cとの間の摩擦係数が、支持体3の車輪32と支持部2の内部下面2cとの間の摩擦係数よりも小さくなるように構成されている。
【0022】
絶対変位算出部5は、支持体3と支持部2との相対変位を測定するセンサー5aと、支持部2と支持体3との相対変位から建物K(図1参照)の絶対変位量を算出する算出部(不図示)と、を備えている。算出部から算出された建物Kの絶対変位量のデータは、通信部(不図示)を介して外部機器に出力されている。
センサー5aとしては、例えば、アノトペンを採用し、支持部2にアノトパターンが印刷された基準板(不図示)を設けて、アノトペンがアノトパターンのドットを読み取ることで、支持部2と支持体3との相対変位が測定される構成としてもよい。また、センサー5aに、バーコードリーダーや光の透過・反射を利用した光学式の読取部、光学式マウス、差動トランスを用いた変位量の検出方法などを採用してもよい。
【0023】
図3(a)および図5に示すように、動作検出部6は、例えば、機械式スイッチなどからなり、支持部2と支持体3とが支持部2の軸方向へ相対変位したときに、球体4が支持体3の開口部31aの内周面と当接すると、スイッチがオン状態となり、駆動信号を制御部(不図示)に出力するように構成されている。
本実施形態では、開口部31aの内周面に板状の部材が取り付けられていて、この板状の部材に球体4が当接するとスイッチがオン状態となるように構成されている。
なお、動作検出部6は、上述した構成に限られることはなく、支持部2と支持体3とが支持部2の軸方向へ相対変位すると、スイッチがオン状態となり、駆動信号を制御部(不図示)に出力するように構成されていればよい。
制御部は、絶対変位算出部5および動作検出部6に接続されていて、動作検出部6から出力された駆動信号を受けて、絶対変位算出部5のセンサー5aおよび算出部を駆動させている。
なお、本実施の形態では制御部を設けているが、制御部を設けずに、動作検出部6から出力された駆動信号が直接絶対変位算出部5に伝達される構成としてもよい。
【0024】
次に、上述した実施形態の変位測定装置1の動作について説明する。
地震などにより、建物Kに振動が生じると、支持部2は建物Kに固定されているため建物Kと同様に振動する。これに対し、支持体3は、支持部2の軸方向へ支持部2と相対移動可能に構成され、この方向の振動が支持部2からほとんど伝達されないため、ほとんど振動せずに一点に留まることになる。
このとき、支持体3は、その車輪32が支持部2の振動にあわせて支持部2の内部下面2cに沿って転動している。
また、球体4も支持部2の軸方向へ支持部2と相対移動可能に構成されているため、支持部2の振動にあわせて転がり、一点に留まることになる。
【0025】
そして、支持部2と支持体3とが相対変位することから、この相対変位を動作検出部6が検出して制御部へ伝達する。これにより制御部から絶対変位算出部5の駆動信号が出力され、センサー5aが駆動する。
そして、センサー5aは、支持部2と支持体3との相対変位量を測定する。そして、基準板52の変位量をもとに、算出部によって建物Kの絶対変位量が算出される。この算出部から算出されたのデータは、通信部(不図示)を介して外部機器に出力される。
【0026】
このとき、支持体3および球体4は、支持部2を基準とすると、湾曲した支持部2の内部下面2cに沿って支持部2の軸方向の振り子運動することになる。
ここで、支持体3が支持部2内で振り子運動する場合、支持体3が振り上がって支持部2の端部側へ移動すると、支持体3の変位速度が減速し、支持体3の車輪32と支持部2との間の摩擦によって、支持体3が停まってしまうことがある。
【0027】
本実施形態では、球体4が支持体3とともに支持部2内で振り子運動しており、球体4と支持部2との間の摩擦係数が支持体3の車輪32と支持部2との間の摩擦係数よりも小さいため、支持体3が停止した場合でも球体4は振り子運動することになる。
そして、支持体3が停止しているときに球体4が変位すると、球体4は、支持体3の支持板部31に形成された開口部31a内で変位するため、開口部31aの内周面に当接して支持板部31を押すことになる。これにより支持体3は動き出し振り子運度が再開される。
【0028】
また、建物Kの振動が治まると、支持体3は支持部2の中央部2bへ向かって変位し、支持部2の中央部2bで停止する。すなわち、建物Kに振動が生じていない場合、支持体3は、常に支持部2の中央部2bに自重により保持される。
また、支持体3には上方にローラ34が設けられていることにより、支持部2が上下方向へ移動した場合には、支持体3のローラ34と支持部2の内部上面2dとが当接するため、支持体3が大きく飛び上がることがなく、支持部2内をその軸方向へスムーズに移動することができる。
【0029】
次に、上述した変位測定装置1の効果について図面を用いて説明する。
本実施形態による変位測定装置1によれば、球体4を備えていることにより、支持部2内における支持体3の振り子運動が停止することがなく、支持体3と支持部2とは効率よく相対変位することができるため、支持体3自体を、一点に留めることができ、建物Kの変位を高精度に測定することができる。
【0030】
また、建物Kに振動が生じていない場合に、支持体3を自重により支持部2の中央部2bの位置に保持させることができるため、振動の後に支持体3の位置を戻す作業を不要とすることができる。
また、支持部2がスラブSの下面に取り付けられるようになっていることから、建物K内の人間の生活空間や仕事空間などに影響されない位置に変位測定装置1を取り付けることができる。そのため、変位測定装置1を各階に複数設置することができ、測定精度をさらに向上させることができる。
【0031】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図6に示すように、第2実施形態による変位測定装置51は、支持部52が下方に湾曲する部分球面状に形成されている。支持体53は、支持部52上を移動可能に構成されている。
本実施形態では、3つの球体54が設けられていて、平面視における支持体53の図心を中心に、等間隔に配設されている。そして、支持体53には、この球体54が挿通される3つの開口部53aが形成されている。
【0032】
第1実施形態と同様に、開口部53aは、挿通された球体54との間に隙間d1があくように形成されている。また、球体54は、支持部52との間の摩擦係数が、支持体53の車輪32と支持部52との間の摩擦係数よりも小さくなるように構成されている。
このため、第2実施形態による変位測定装置51は、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、第2実施形態による変位測定装置51によれば、支持体53が部分球面状の支持部52上を移動することができるため、水平方向全ての変位を測定することができる。
【0033】
以上、本発明による変位測定装置1,51の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した第1実施形態による変位測定装置1は、2つの球体4を備えているが、球体4は、支持体3に対して1つ以上設けられていればよい。球体4は、例えば、図7に示すように1つ設けられていてもよいし、図8に示すように6つ設けられていてもよい。
【0034】
また、上述した実施形態では、変位測定装置1,51がスラブSの下面に設けられるとしたが、スラブSの上面に設けてもよい。
また、上述した第1実施形態では、支持部2は、円筒状に形成されているが、角筒状に形成されていてもよい。また、支持部2は、筒状でなくてもよく、下方へ湾曲するレールとし、このレールの上部に支持体3を設置してもよい。
また、上述した実施形態では、支持体3にローラ34が設けられているが、支持体3にローラ34が設けられていなくてもよく、ローラ34に代わってストッパーなどが設けられていてもよい。
【0035】
また、上述した実施形態では、動作検出部6が機械式スイッチからなるものとしたが、これに限ることはなく、電磁気式スイッチや光学式スイッチなどのように適宜変更可能である。
また、上述した実施形態では、動作検出部6の駆動信号によりセンサー5aを駆動するものとしたが、これに限ることはなく、センサー5aを常時駆動しておいてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1,51 変位測定装置(球体を利用した変位測定装置)
2,52 支持部
3,53 支持体
4,54 球体
6 動作検出部(スイッチ)
31 支持板部
31a 開口部
32 車輪(移動輪)
34 ローラ
K 建物(構造物)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に設けられて、該構造物の変位量を測定する変位測定装置であって、
前記構造物に固定され凹状の湾曲面が形成された支持部と、
前記湾曲面に沿って振り子運動可能に支持された支持体および球体と、
前記構造物又は前記支持部と、前記支持体との相対変位量を測定し、前記構造物の絶対変位量を算出する絶対変位算出部とを備え、
前記支持体は、前記球体を支持可能な開口部が形成された支持板部と、該支持板部に設けられ前記湾曲面に当接された移動輪と、を備え、
前記開口部に前記球体を配置したときに、前記球体は前記開口部内を移動可能に構成されているとともに、前記球体は前記湾曲面に当接されており、
前記球体と前記湾曲面との間の摩擦係数は、前記移動輪と前記湾曲面との間の摩擦係数よりも小さいことを特徴とする球体を利用した変位測定装置。
【請求項2】
前記支持部は、筒状に形成されていて、内部に前記支持体、前記球体および前記絶対変位算出部が配されていることを特徴とする請求項1に記載の球体を利用した変位測定装置。
【請求項3】
前記支持部は、塩化ビニル管で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の球体を利用した変位測定装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記支持部の内部上面と所定の間隔をあけるように設けられたローラを備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の球体を利用した変位測定装置。
【請求項5】
前記湾曲面は、下方に湾曲する部分球面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の球体を利用した変位測定装置。
【請求項6】
前記支持体は、前記球体が当接することで前記絶対変位算出部を駆動させるスイッチを備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の球体を利用した変位測定装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate