説明

環境試験装置

【課題】本発明は、空気置換手段と冷却手段を併用した場合であっても、省エネルギーを図りつつ、高い試験精度を確保することができる環境試験装置することを目的とした。
【解決手段】環境試験装置1は、発熱する発熱試料体Wが配置される試料配置部2と、送風機12と、加熱手段13と、加熱された空気を外部の空気と置換可能な空気置換手段21と、少なくとも1つの冷却手段とを有している。そして、試料配置部2の温度を降下させる際には、空気置換手段を用いた空気置換温度制御と、冷却手段を用いた冷却温度制御との双方が実行される同時制御期間を経てから、冷却温度制御に移行する。これにより、試料配置部の温度の降下状態を安定させて高い試験精度を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の庫内や室内を目標とする温度に調節可能な環境試験装置に関するもので、特に電子機器等を試料体とするバーンイン試験を目的とした環境試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製品や素材等の性能や耐久性を試験する装置として環境試験装置がある。この種の環境試験装置は、試験対象の試料体が載置される試料配置部を備え、この試料配置部の温度や湿度を所望の試験環境に調整するものである。
ところで、環境試験の内容は、試料体によって様々であり、試料体を低温環境に置く場合もあれば、高温環境に晒す場合もある。また、低温環境から高温環境に変化させたり、逆に高温環境から低温環境に変化させる場合もある。
【0003】
そのため、環境試験装置に備えられる空調装置は、低温領域から高温領域に渡って広く温度調整できることが必要である。
このような理由から、環境試験装置は、低温環境を作るための冷凍機と、高温環境を作るためのヒータが内蔵されている場合が多い。例えば、この技術は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−22214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、環境試験装置の中には、試料体たる半導体デバイス等の電子機器をバーンイン試験して不良品を見分けるためのバーンイン試験装置がある。ここで、バーンイン試験とは、半導体デバイス等の電子機器に対して、所定の温度に晒した状態で、通常の使用電圧よりも高い電圧を掛けて、不良品を見分ける検査である。
【0006】
近年、半導体デバイスの高機能・高性能化に伴い、その個々の容量が増大しているため、半導体デバイスに対する通電量が増加し、その発熱量も年々増加の傾向を辿っている。そのため、環境試験装置たるバーンイン試験装置においては、試料体たる半導体デバイスの発熱により、半導体デバイスを通過する前後で温度差が拡大し、全体の温度分布が不均一となる場合があった。これにより、試料配置部内に配置された複数の半導体デバイスに対して、同じ温度環境を与えることが困難となり、試験精度が低下する問題があった。
【0007】
その対策として、モータ容量が大きい強力な送風機を用いて試料配置部内を強く攪拌することで、試料配置部内の温度差を小さくして温度分布の均一化を図る方策がある。しかしながら、この方策により、バーンイン試験装置全体の発熱量(ヒータ、発熱試料体、送風機の合計発熱量)が増加するため、試料配置部内を高温側から低温側に制御する場合に特に電力が消費される。
【0008】
そこで、試料配置部の温度雰囲気を、高温状態から低温状態に変化させる場合に、一定温度までは、試料配置部内の高温空気を、外部の常温空気(摂氏5〜25度程度)と置換(空気置換手段)して試料配置部内の温度を降下し、さらに低温領域に冷却する場合は、冷凍機等(冷却手段)を運転する方策が勘案される。
ところが、空気置換手段によって温度降下させる場合と、冷却手段によって冷却する場合は、試料配置部の温度を低下させる冷却効率が異なるため、例えば空気置換手段による制御から冷却手段による制御に瞬間的に移行すると、試料配置部の温度降下に乱れが生じる場合がある。これにより、空気置換手段と冷却手段を併用した場合、試験精度が著しく低下する不満があった。即ち、一定の降下勾配に維持しようと制御しても、空気置換手段から冷却手段に瞬間的に移行すると、その降下勾配がぬるくなったり、逆に早くなったりする場合があった。
【0009】
そこで、本発明では、上記した従来技術の問題に鑑み、空気置換手段と冷却手段を併用した場合であっても、省エネルギーを図りつつ、高い試験精度を確保することができる環境試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、発熱する発熱試料体が配置される試料配置部と、試料配置部において空気を流動させることが可能な送風手段と、試料配置部の温度を上昇させることが可能な加熱手段と、加熱された空気を外部の空気と置換して試料配置部の温度を降下させることが可能な空気置換手段と、試料配置部を冷却可能な少なくとも1つの冷却手段とを有し、試料配置部の温度を高温側設定値から低温側設定値に下げることが可能な環境試験装置であって、空気置換温度制御から冷却温度制御に移行する場合、空気置換温度制御と冷却温度制御の双方が実行される同時制御期間を経てから冷却温度制御に移行されることを特徴とする環境試験装置である。
【0011】
本発明の環境試験装置は、試料配置部を冷却可能な冷却手段に加えて、加熱された空気を外部の空気と置換して試料配置部の温度を降下させることが可能な空気置換手段を備えているため、例えば、試料配置部の温度環境が高温(例えば常温以上)である場合に、空気置換手段を使用して空気置換温度制御を実行することで消費電力を低減しつつ、試料配置部の温度を降下させることが可能となる。即ち、本発明の環境試験装置によれば、従来に比べて発熱量が増加した発熱試料体を試験する場合で、試験装置全体の発熱量が増加した場合であっても、試料配置部内を高温側から低温側に制御する場合の消費電力が減縮される。
【0012】
ここで、空気置換手段は、加熱された空気を外部の空気と置換するものであるから、例えば外部と連通した開口及びダンパ等が挙げられる。また、ダンパであれば、空気が流通する流路の開度を調整するだけで、試料配置部の温度を降下させることができるため、作動する際に要する電力量は僅かである。また、ダンパによって空気流路の開度を大きくすると、試料配置部の高温空気の大半が外部の低温空気(試料配置部の温度に対する低温)と短時間で置換されるため、一定の温度(例えば、摂氏60度程度)までであれば、冷却装置を用いることなく試料配置部内の温度を下げることができる。これにより、従来に比べて発熱量が増加した発熱試料体の環境試験を行う場合であっても、一定の温度までは空気置換手段により試料配置部の温度を下げることができるため、試験時における消費電力を確実に低減できる。そして、冷却手段を運転して冷却温度制御に移行することで、さらに低温領域まで試料配置部の温度を下げることができる。
【0013】
また、先にも説明したように、空気置換温度制御から冷却温度制御に移行する場合、冷却効率の違いから、瞬間的に制御を移行した時に、試料配置部内の温度が乱れる場合がある。
そこで、本発明では、空気置換温度制御から冷却温度制御に移行する場合、双方が同時に実行される同時制御期間を経てから冷却温度制御に移行することとした。これにより、制御移行時に生じる冷却効率の違いが緩和されるため、試料配置部内の温度の乱れが殆どなくなる。従って、試験中に試料配置部内の温度が不安定となることが抑制される。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記空気置換手段は、試料配置部を通過した空気の一部又は全部が排気される排気部と、外部の空気を給気する給気部と、当該排気部と給気部を通過する空気の通過量を調整可能な開閉手段とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置である。
【0015】
かかる構成によれば、開閉手段により排気部と給気部の流路開度を調整して、試料配置部内の置換空気量を変更できるため、空気置換温度制御においては電力を殆ど消費しない。例えば、開閉手段には、ダンパ等が挙げられる。
【0016】
ここで、環境試験装置に、ダンパ等の開閉手段を設けた場合、その箇所の断熱性能が低下するため、開閉手段を閉状態としている場合であっても、試料配置部の温度が高温側で、外部と装置内の温度差が著しく大きくなる場合は、装置内部では、開閉手段近傍において絶対湿度が維持された状態で外部雰囲気により冷却されるため、装置内部における相対湿度が上昇して露点に達し、開閉手段に結露する場合がある。
そこで、請求項3に記載の発明では、空気置換手段には、開閉手段が閉状態の場合に、前記排気部又は前記給気部を密閉できる断熱機能を有する密閉手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の環境試験装置とした。
【0017】
かかる構成によれば、空気置換手段に断熱機能を有する密閉手段が設けられているため、開閉手段が閉状態の時に、開閉手段に発生する結露を防止できる。さらに、密閉手段により、開閉手段が閉状態の時に、外部の冷気が内部に流入することが防止されるため、試験中に冷却手段に着霜して、冷却能力が低下することが阻止される。これにより、本発明によれば、省エネルギーを図ることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記密閉手段は、冷却温度制御時に通電する結露防止ヒータを有していることを特徴とする請求項3に記載の環境試験装置である。
【0019】
かかる構成によれば、環境試験装置内部の温度が外部より著しく低温となって、環境試験装置外部側で結露が発生することを防止できる。即ち、本発明によれば、冷却温度制御を実行する場合には、結露防止ヒータに通電されて、開閉手段を境界とした内外の温度差が大きくなることが阻止される。これにより、環境試験装置外部において結露した水滴が、環境試験装置内部に流入することを防止できる。即ち、結露した水滴が環境試験装置内部において、流動する空気に吹き飛ばされて、試料体に付着することが防止される。従って、例えば、半導体デバイス等の電子機器を試料体としてバーンイン試験を行う場合に、飛散する水滴等が試料体に付着して、試料体がショートして故障することがなくなるため、本来正常であった筈の試料体が不良品として扱われることが阻止される。
【0020】
請求項5に記載の発明は、前記冷却手段は、熱交換器を有し、前記熱交換器は、試料配置部の空気の吹き出し側の断面積とほぼ同じ大きさの範囲に広がっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境試験装置である。
【0021】
かかる構成によれば、冷却手段の熱交換器は、試料配置部における空気の吹き出し側の断面積とほぼ同じ大きさの範囲に広がっているため、試料配置部を通過して発熱試料体により加熱されたほとんどの空気を冷却することができる。
【0022】
本発明の環境試験装置は、前記冷却手段は、相変化する冷媒が循環する熱交換器又は冷水が循環する熱交換器であることが望ましい。(請求項6)
【0023】
請求項7に記載の発明は、前記冷却手段は2つ設けられ、一方は冷水が循環する熱交換器で、他方は相変化する冷媒が循環する熱交換器であって、冷却温度制御は、冷水が循環する熱交換器によって試料配置部の温度を調整する第1冷却温度制御と、相変化する冷媒が循環する熱交換器によって試料配置部の温度を調整する第2冷却温度制御があることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の環境試験装置である。
【0024】
かかる構成によれば、冷却温度制御を実行する場合であっても、さらに温度状況に応じた制御が可能であるため、より消費電力を低減することができる。即ち、本発明の環境試験装置は、例えば、空気置換温度制御から一定の温度以下に制御する場合は第1冷却温度制御に移行し、第1冷却温度制御からさらに低温領域に制御する場合は第2冷却温度制御に移行することで、より省エネルギーを図ることが可能となる。なお、2つの冷却手段として、例えば、第1冷却温度制御に使用される冷水を冷却媒体とする冷却塔(クーリングタワー)や、第2冷却温度制御に使用される相変化する冷媒を冷却媒体とする冷凍機などを用いたものが挙げられる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の環境試験装置は、冷却手段で温度の調整を行う冷却温度制御に加えて、試料配置部の空気を外部の空気と置換できる空気置換手段で温度調整を行う空気置換温度制御を備えているため、従来技術より省エネルギーを図ることができる。また、空気置換温度制御から冷却温度制御に制御を移行する場合に、双方を同時に制御する同時制御期間を経てから冷却温度制御に移行するため、試料配置部の温度の降下状態を安定させて高い試験精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る環境試験装置を概念的に示す断面図である。
【図2】図1の環境試験装置において、試料配置部に発熱試料体を載置してバーンイン試験を行った場合の動作を示すフローチャートである。(高温側設定温度まで昇温)
【図3】図1の環境試験装置において、試料配置部に発熱試料体を載置してバーンイン試験を行った場合の動作を示すフローチャートである。(高温側設定温度から低温側設定温度まで降下)
【図4】上段は、図2及び3の動作が実行された際の試料配置室の温度の推移を示すグラフで、下段は、試料配置部の温度推移に基づいたダンパ部と第1冷却装置と第2冷却装置の制御のタイミングを示すタイムチャートである。
【図5】本発明の別の実施形態に係る環境試験装置を概念的に示す断面図である。(冷却手段が冷却塔)
【図6】本発明のさらに別の実施形態に係る環境試験装置を概念的に示す断面図である。(冷却手段が冷凍機)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る環境試験装置1について説明する。
なお、本実施形態の環境試験装置1は、バーンイン試験を行うバーンイン試験装置として説明する。ここで、バーンイン試験は、先にも説明したように、通電すると発熱する発熱試料体Wに対して、所定の温度に晒した状態で、通常の使用電圧よりも高い電圧を掛けて、不良品を見分ける検査である。
【0028】
環境試験装置1は、図1に示すように、外部の温度変化の影響を受けないように外枠が断熱壁3で形成されており、図示しない扉を閉じることによって、内部を密閉状態とすることができる。また、前記扉を開くことによって、発熱試料体Wたる半導体デバイス等の出し入れを行うことができる。なお、環境試験装置1の外部には、外部の温度を検知できる外部温度センサ45が設けられており、図示しない制御部において内部の温度と比較される。
また、環境試験装置1の内部は、発熱試料体Wを配置する試料配置部2と、空気が流れる通路部5とに分けられた構成である。
【0029】
試料配置部2は、図1に示すように、環境試験装置1のほぼ中央に位置し、空気の流れ方向上流側と下流側に通路部5が隣接している。また、試料配置部2は、バーンインボードと称される試料載置棚6が鉛直方向に複数並べられ、さらに各試料載置棚6には発熱試料体Wに通電するための図示しない端子が設けられて構成されている。即ち、試料配置部2を通過する空気は、試料載置棚6に沿ってほぼ平行に流れる。より具体的には、試料配置部2を通過する空気は、試料載置棚6によって大まかに5槽に分かれて並行に流れる。即ち、図1に示すように、a層からe層に分かれて流れることとなる。
そして、試料配置部2を通過する空気は、通電されて発熱した発熱試料体Wと熱交換する。
【0030】
通路部5は、図1に示すように、試料配置部2を囲繞するように位置している。具体的には、通路部5は、断熱壁3と試料配置部2との間にあり、試料配置部2における空気の流れ方向上流側(右側)と隣接した送風通路10と、試料配置部2における空気の流れ方向下流側(左側)と隣接した2つの冷却手段16,17が配される排気通路11と、送風通路10と排気通路11とに挟まれ送風機12及びヒータ(加熱手段)13が配される循環通路15とにより構成されている。なお、試料配置部2と、送風通路10及び排気通路11との間には仕切りはなく、試料配置部2と循環通路15との間にのみ仕切板29が設けられている。
【0031】
また、通路部5には、排気通路11を通過した空気の一部又は全部が外部に排気される排気部22と、外部から循環通路15に空気を給気する給気部23と、排気部22と給気部23を通過する空気の通過流量を調整可能な開閉板(開閉手段)24とが設けられ、ダンパ部21が形成されている。具体的には、排気部22は、排気通路11における空気の流れ方向下流側に位置し、給気部23は、循環通路15における空気の流れ方向上流側に位置している。排気部22は、排気ダクト34と接続されている。
【0032】
ダンパ部21は、開閉板24が、図示しないモータによって開度調整され、当該開閉板24によって排気部22と給気部23を通過する空気の通過流量を同時に調整することができる。より具体的には、開閉板24は、排気部22と給気部23を同時に覆うことができる程度の大きさを備えた1枚の金属板である。また、開閉板24には、排気部22と給気部23の間にヒンジ25が配されている。即ち、開閉板24は、ヒンジ25を基準に回動させることで、排気部22と給気部23の開度を同時に調整することができる。即ち、ダンパ部21の開度調整は、図示しない制御部から生成される信号に基づいて、前記モータが駆動されてヒンジ25を基準に開閉板24が回動して行われる。
従って、ダンパ部21は、排気部22と給気部23との開度を調整することで、環境試験装置1内部の加熱された空気を排気しつつ、外部の低温空気を給気できるため、試料配置部2の温度を降下させることができる(空気置換手段)。即ち、ダンパ部21により、環境試験装置1内部の空気を外気と置換させることができる。なお、上記開閉板24は、所謂バタフライ式であるが、ゲート式でもよい。
【0033】
さらに、本実施形態に採用されたダンパ部21は、開閉板24の開閉速度が制御可能な構成である。これにより、試料配置部2の温度調整をより円滑に行うことが可能となる。なお、この開閉板24の開閉速度制御は、本発明に直接的に関わらないため、簡単に説明する。即ち、試料配置部2の温度を急激に下げたい場合には開閉板24の開速度を増加し、試料配置部2の温度を急激に上げたい場合には開閉板24の閉速度を増加する。
【0034】
また、本実施形態の環境試験装置1は、給気部23における環境試験装置1の外側に、断熱機能を備えた密閉蓋(密閉手段)14が設けられ、開閉板24における排気部22の外側に断熱機能を備えた密閉部材(密閉手段)31が設けられている。
密閉蓋14は、給気部23に対して開閉可能な配置であり、開閉板24の開閉制御に追従する制御が実行される。具体的には、密閉蓋14に対しては、前記した開閉板24に送信される開信号と同時又は開閉板24に送信される開信号より若干早く開信号が送信され、開閉板24に送信される閉信号と同時又は開閉板24に送信される閉信号より若干遅く閉信号が送信される。
密閉部材31は、開閉板24が閉状態とされると、排気部22を完全に密閉状態にできる構造を備えたものである。
【0035】
従って、開閉板24が閉状態である時に密閉蓋14も閉状態とされるため、密閉蓋14及び密閉部材31により、環境試験装置1内部に流出入し得る空気を遮断できると共に、環境試験装置1内外の温度差により発生し得る結露を抑制できるものである。なお、密閉蓋14は、図示しない制御部から発信される信号により図示しないモータを駆動して開閉される。
【0036】
また、密閉蓋14及び密閉部材31には、結露防止ヒータ18が設けられている。本実施形態における結露防止ヒータ18は、公知のヒータであり、後述する冷却手段を制御する際に通電されるものである。
【0037】
送風通路10は、鉛直方向に延びた通路で、空気の流れ方向上流側に室内温度検知センサ20が配されている。即ち、室内温度検知センサ20の検知温度に基づいて、試料配置部2の温度が調整されている。また、送風通路10には、空気を一定方向に円滑に流すことができる規制板36が鉛直方向に4つ並べられている。
【0038】
排気通路11は、通路の延伸方向が送風通路10と同じであり、排気通路11の中途に2つの冷却手段16,17が隣り合うように配されている。具体的には、排気通路11における空気の流れ方向上流側に第1熱交換器16が配され、その第1熱交換器16より下流側に隣接するように第2熱交換器(蒸発器)17が配され、試料配置部2における空気の流れ方向下流側の断面投影領域とほぼ同じ大きさの範囲に広がっている。また、排気通路11における鉛直方向下部側には、前記した規制板36が1つ配されている。
【0039】
本実施形態で採用する第1熱交換器16は、第1冷却装置8の一部であり、その第1冷却装置8は、冷却塔26と第1熱交換器16とポンプ37によって構成されている。なお、冷却塔26は、公知のクーリングタワーであり、冷却塔26に導入された水が空気と熱交換して冷却される。
【0040】
第1熱交換器16は、冷水が流れる受熱管41と、フィン42とを有するもので、環境試験装置1内部の空気を冷水と熱交換させて冷却するものである。また、第1熱交換器16は、フィン42が空気の流れを妨げないような配置である。即ち、第1熱交換器16においては、フィン42が図1の奥行き方向に並列に配されており、受熱管41はそのフィン42に直交するように配されている。
【0041】
そして、第1熱交換器16は、冷水の導入側の接続口がポンプ37の吐出側と接続され、熱交換後の水の吐出側の接続口が冷却塔26の導入側と接続されている。さらに、ポンプ37の導入側が冷却塔26の吐出側と接続されて、一連の循環回路が形成されている。即ち、このような一連の循環回路により、第1冷却装置8が形成され、第1熱交換器16に冷水が流れるため、環境試験装置1内を冷却することができる。
【0042】
また、第2熱交換器17は、相変化する冷媒が流れて、環境試験装置1内部を冷却するものであって、図示しない圧縮機、凝縮器、膨張弁を備えた冷凍サイクルを実行する第2冷却装置9(冷凍機)の一部である。この第2熱交換器17も、第1熱交換器16と同様、フィン43が図1の奥行き方向に並列に配されており、受熱管44はそのフィン43に直交するように配されている。
従って、第2冷却装置9の図示しない圧縮機を起動すると、冷媒ガスが圧縮され、図示しない凝縮器で液化される。そして、その液化された冷媒が、図示しない膨張弁を経て蒸発器たる第2熱交換器17で気化することで、環境試験装置1内を冷却することが可能となる。
【0043】
循環通路15は、試料配置部2の上部側に位置し、送風通路10及び排気通路11に対してほぼ直交する方向に延びた通路である。即ち、循環通路15は、空気の流れ方向上流側に排気通路11が隣接しており、空気の流れ方向下流側に送風通路10が隣接している。即ち、循環通路15においては、排気通路11を通過した一部の空気及び給気部23から給気された外部の空気が通過するか、排気通路11を通過した全部の空気が通過する。また、循環通路15には、送風機12とヒータ13が配されており、送風機12がヒータ13よりも空気の流れ方向下流側に位置している。即ち、ヒータ13で加熱された空気が、送風機12によって送風通路10に送り出される。
【0044】
本実施形態では、ヒータ13は6つ設けられており、その内の1つは常時作動する常時ヒータ13aで、残りの5つは短時間に急激な温度上昇を行う必要がある場合に作動する臨時ヒータ13b〜13fである。
【0045】
送風機12は、公知の遠心ファンである。なお、本実施形態の環境試験装置1では、従来の環境試験装置に用いられる送風機よりもモータの容量が大きいものが採用されている。これは、高発熱化された近年の発熱試料体Wに対応するためである。具体的には、本実施形態に採用される送風機12のモータの容量としては、9kw(4.5kw程度のモータが2つ)程度のものである。
【0046】
次に、本実施形態の環境試験装置1の機能について説明する。
【0047】
本実施形態の環境試験装置1では、試料配置部2の試料載置棚6に発熱試料体Wを載置し、熱風によって試料配置部2を加熱すると共に発熱試料体Wに通電して発熱試料体Wを試験したり、逆に発熱試料体Wに通電した状態で試料配置部2を冷却して試験する。そのため、試料配置部2の設定温度は例えば摂氏125度といった高温(高温側設定値)と、摂氏マイナス55度といった低温(低温側設定値)がある。
【0048】
本実施形態の環境試験装置1では、試料配置部2の温度を昇温させる場合には、室内温度検知センサ20の検知温度を基準に、ヒータ13の入力が調整される。
試料配置部2を加熱する場合には、ダンパ部21は試料配置部2の実際の温度に基づいて開閉される。具体的には、室内温度検知センサ20が検知する温度が低い場合(設定温度の8〜9割程度の温度、設定温度が摂氏125度であるならば摂氏100度から110度程度)は、ダンパ部21の開度を閉状態にしつつ、ヒータ13を作動する。一方、室内温度センサ20が検知する温度が高い場合(設定温度の9割を超える温度、設定温度が摂氏125度であれば摂氏113度以上)は、ダンパ部21の開度を開状態にする。
【0049】
また、試料配置部2の温度を降下させる場合には、本発明の特徴的動作が実行される。即ち、室内温度検知センサ20が検知する実際の温度に基づいて、ダンパ部21、第1冷却装置8又は第2冷却装置9が制御される。具体的には、室内温度センサ20が検知する温度が、外部温度センサ45が検知する温度より所定値(摂氏25〜30度)以上の温度領域であれば(置換温度領域)、ダンパ部21による空気置換温度制御を行い、室内温度センサ20が検知する温度が、冷却準備温度(外部温度センサ45が検知する温度+摂氏35度)以下である場合には、ダンパ部21に加えて又は替えて第1熱交換器16、あるいは、第2熱交換器17による冷却温度制御が行われる。
【0050】
また、本実施形態の特有の動作として、試料配置部2の温度を降下させる場合であって、室内温度検知センサ20が検知する温度が所定の温度領域(外部温度検知センサ45が検知する温度+摂氏25度〜外部温度検知センサ45が検知する温度+摂氏35度)に存在する時には、空気置換温度制御と冷却温度制御が並行して実行される(同時制御期間)。これにより、空気置換温度制御から冷却温度制御に制御が移行される際に、瞬間的に制御が切り替わることが防止されるため、制御移行時であっても、試料配置部2の温度降下に乱れが生じることが抑制される。
なお、送風機12は、環境試験装置1が運転されている間は、試料配置部2の温度分布を均一にするために、常時送風動作を行っている。また、試料配置部2を冷却している場合においては、外部温度検知センサ45が検知する温度が所定値以下(本実施形態では、摂氏25度)になれば開閉板24が閉状態とされる。
【0051】
以下に、バーンイン試験を行った場合における、本実施形態の環境試験装置1の動作について、図面を用いて具体的に説明する。
なお、以下に説明するバーンイン試験は、試料配置部2の温度を一旦摂氏125度の高温側設定値まで昇温させて、その温度状態を一定時間維持した後に、摂氏マイナス55度の低温側設定値まで降下させてから発熱試料体Wの不良品評価を行う検査とする。
また、外部の温度は、摂氏25度として説明する。
【0052】
即ち、環境試験装置1が運転されると、運転開始から一定時間が経過するまでの初期動作時においては、試料配置部2の温度を効率的に高温側設定温度(摂氏125度)に向けて昇温させるため、図2のSTEP1に示すように、全てのヒータ13を作動すると共にダンパ部21の開閉板24及び密閉蓋14を閉鎖状態に制御する(図4)。また、このとき、発熱試料体Wは通電されており、それ自身が発熱しているが、初期動作時の間は、試料配置部2を流動する空気の温度より発熱試料体Wの温度が低いため、室内温度検知センサ20が検知する温度は殆ど上昇しない(図4)。
なお、送風機12は、環境試験装置1の運転が開始されてから停止されるまで、一定の送風量で制御される。
【0053】
そして、初期動作を終え、図4のグラフに示すように、試料配置部2を通過した空気が、昇温し始めて、室内温度検知センサ20が検知する温度が高温側設定値(摂氏125度)の9割を超える程度(摂氏113度程度)にまで達すると(図2のSTEP2)、試料配置部2の温度が急激に上昇して、試料配置部2の温度が高温となり過ぎないように、臨時ヒータ13b〜13fが停止されると共に、ダンパ部21の開度が適度に調整される(図2のSTEP3)。即ち、ヒータ13は、常時ヒータ13aのみが作動する。またこのとき、ダンパ部21の制御とほぼ同時又は若干早いタイミングで密閉蓋14が開状態に制御される(図2のSTEP3)。これにより、試料配置部2の一部の空気が外部の空気と置換されるため、試料配置部2の温度は適度な上昇率で昇温する。
そして、試料配置部2の温度が高温側設定値(摂氏125度)まで達すると(STEP4)、STEP5に移行して、試料配置部2の温度を、設定温度に維持するようにダンパ部21の開度が調整される。
【0054】
そして、発熱試料体Wが、摂氏125度の温度環境に晒されて、その状態が所定時間(4〜24時間)経過すると(図2のSTEP6)、高温状態における試験が終了し、図示しない制御部から試料配置部2の温度を低温側設定値(摂氏マイナス55度)まで降下する信号が発信される。即ち、試料配置部2の温度が、高温側から低温側に制御される。
【0055】
このとき、試料配置部2の温度は、高温側設定値(摂氏125度)であり、一定温度(外部の温度(摂氏25度)より摂氏35度高い温度)以上高温であるため、まずダンパ部21の開度を全開とする空気置換温度制御が実行される(図3のSTEP1)。これにより、試料配置部2の高温の空気の大半が外部に排気されると共に、外部の低温(摂氏25度)の空気が試料配置部2に給気されるため、試料配置部2の高温空気が外部の低温空気に置換されて温度が著しく低下する。
ここで、本実施形態では、前記したように、高い発熱量の発熱試料体Wと、容量が大きいモータを備えた送風機12を有しているため、空気置換温度制御は外部温度に摂氏35度を加えた温度まで低下できるものとしている。
【0056】
即ち、図3のSTEP2においては、室内温度検知センサ20が検知する温度が、外部温度に摂氏35度を加えた温度に達したか否かが、図示しない制御部によって確認される。そして、試料配置部2の空気が外部の空気と十分に置換されて、室内温度検知センサ20が検知する温度が、図4に示すように、外部温度に摂氏35度を加えた温度以下となれば、第1熱交換器16に冷水を流す(第1冷却温度制御)。具体的には、室内温度検知センサ20が検知する温度が、外部温度に摂氏35度を加えた温度以下となれば、ダンパ部21の開状態を維持しつつ、第1熱交換器16に空気冷却された冷水を流す(図3のSTEP3、同時制御期間開始)。即ち、同時制御期間においては、空気置換温度制御と冷却温度制御を同時に実行して、冷却温度制御の準備期間とすることができる。
また、上記したように、本実施形態においては、この冷却温度制御の準備期間は、室内温度検知センサ20が検知する温度が、外部温度に摂氏35度を加えた温度から外部温度に摂氏25度を加えた温度(所定の温度領域)に到達するまでの期間とされている。
【0057】
即ち、図3のSTEP4に進み、試料配置部2がさらに冷却されて、室内温度検知センサ20の検知温度が外部温度に摂氏25度加えた温度以下となれば、STEP5に移行する。そして、STEP5において、ダンパ部21が閉状態とされると共に密閉蓋14が閉状態とされる(STEP5、同時制御期間終了)。なお、同時制御期間においてダンパ部21は、第1熱交換器16に冷水を流し始めてからSTEP5に進むまで、徐々に閉状態とされる。また、密閉蓋14は、ダンパ部21が完全に閉状態とされると同時又はそれより遅いタイミングで閉状態とされる。
【0058】
そして、第1熱交換器16に流された冷水によって、試料配置部2内がさらに冷却される(第1冷却温度制御)。
ここで、上記したように、本実施形態における第1熱交換器16は、冷却塔26により空気冷却された冷水が流通するものであるため、冷却効率の観点から、室内温度検知センサ20の検知温度が、外部温度に摂氏25度を加えた温度から摂氏25度に到達するまでの期間を、第1冷却温度制御を実行する期間とした。
【0059】
即ち、室内温度検知センサ20の検知温度が摂氏25度に達すると(図3のSTEP6)、STEP7に移行して、第1熱交換器16を流れる冷水の流れが停止されると同時に、第2熱交換器17に相変化する冷媒を流す。これにより、試料配置部2は、第1熱交換器16による制御から、第2熱交換器17による制御に移行する。即ち、環境試験装置1内は、第1熱交換器16に冷水を流して試料配置部2を冷却する第1冷却温度制御から、第2熱交換器17に相変化する冷媒を流して試料配置部2を冷却する第2冷却温度制御に移行する。
【0060】
そして、第2冷却温度制御によって、試料配置部2が摂氏マイナス55度に到達するまで冷却される。即ち、室内温度検知センサ20が低温側設定値(摂氏マイナス55度)を検知するまで、第2冷却温度制御によって冷却される。そして、図3のSTEP8で室内温度センサ20の検知温度が摂氏マイナス55度に達したことが確認されると、その状態が所定時間継続されたか否かが確認される(STEP9)。そして、STEP9で所定時間の経過が確認されると、低温状態における試験が終了し、環境試験装置1の運転を停止する。即ち、STEP10に移行して、第2熱交換器17を通過する冷媒を停止すると共に、常時ヒータ13aの作動を停止する(STEP9)。そして、送風機12の作動が停止されて(STEP9)、環境試験装置1の運転が停止される。
【0061】
従って、本実施形態の環境試験装置1によれば、高温側設定値から低温側設定値まで試料配置部2の温度を下げる場合において、試料配置部2の温度が外部温度に摂氏35度を加えた温度以上であれば、空気置換温度制御により試料配置部2の温度を降下させ、試料配置部2の温度が外部温度に摂氏25度を加えた温度以下であれば、第1冷却温度制御又は第2冷却温度制御により試料配置部2の温度を冷却する。これにより、試料配置部2内の温度を、一定温度までは外部の空気と置換することで降下させることができるため、従来の制御と比べると消費電力を低減することができる。
【0062】
また、試料配置部2の温度を低温側設定値に制御する場合においては、試料配置部2の温度が外部温度に摂氏25度加えた温度から外部温度に摂氏35度加えた温度の領域で、空気置換温度制御と第1冷却温度制御を同時に制御する同時制御期間が実行されて、徐々に空気置換温度制御から第1冷却温度制御に制御が移行されるため、冷却効率の違いから生じ得る試料配置部2内の雰囲気温度の乱れが抑制される。これにより、試験時の温度環境が乱れないため、高い試験精度を維持することができる。
【0063】
さらに、第1冷却温度制御に制御が移行されてから試料配置部2の温度が摂氏25度に達すると、冷媒による冷却を行う第2冷却温度制御が実行されると共に、第1冷却温度制御が停止される。これにより、試料配置部2の温度を、効率的に氷点下の領域まで冷却することが可能となる。これにより、短時間で低温側設定温度に到達させることができる。
即ち、本実施形態によれば、冷却効率を低下させることなく、さらなる省エネルギーを図った環境試験を行うことができる。
【0064】
上記実施形態では、冷却手段たる第1熱交換器16及び第2熱交換器17とを備えた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、図5,6に示すように、冷却手段として第1熱交換器16と第2熱交換器17のいずれか一方を備えた構成であっても構わない。いずれの場合であっても、試料配置部2の温度を下げる際には、空気置換温度制御と冷却温度制御が同時に実行される同時制御期間を経てから制御を移行する必要がある。
また、熱交換器を排気通路11に1つだけ配した場合は、当該熱交換器の大きさは、試料配置部2における空気の流れ方向下流側の断面投影領域とほぼ同じ大きさとすることが望ましい。さらに、熱交換器においては、フィンが図5,6の奥行き方向に並列に配され、さらに受熱管がそのフィンに直交するように配されることが好ましい。
【0065】
上記実施形態では、空気置換温度制御や冷却温度制御の制御を行う際に、外部温度検知センサ45が検知する現在の温度を基準にする構成を示したが、本発明はこれに限定されず、予め設定された温度を基準に空気置換温度制御や冷却温度制御の制御を行う構成であっても構わない。この場合、給気される空気の温度が変化することを考慮して、少なくとも季節毎に制御の基準となる設定温度を変更することが望ましい。
【0066】
上記実施形態では、第1冷却温度制御から第2冷却温度制御に制御を移行する際に、瞬間的に切り替わる動作を示したが、本発明はこれに限定されず、第1冷却温度制御と第2冷却温度制御が同時に実行される同時制御期間を経てから、第2冷却温度制御に移行する制御であっても構わない。
【0067】
また、上記実施形態では、同時制御期間を経て冷却温度制御に移行する際に、ダンパ部21における開閉板24が徐々に閉状態となるように制御する動作を示したが、同時制御期間における特定の温度又は時間を基準に、開閉板24を瞬間的又は段階的に閉状態となる制御を行っても構わない。なお、このような制御を実行する場合、冷却手段たる第1冷却装置8内を循環する冷水の流量を調整、又は、第2冷却装置9の冷却能力を調整することで試料配置部2の温度の乱れを防止することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 環境試験装置
2 試料配置部
8 第1冷却装置
9 第2冷却装置
13 ヒータ
14 密閉蓋(密閉手段)
18 結露防止ヒータ
21 ダンパ部
22 排気部
23 給気部
24 開閉板(開閉手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱する発熱試料体が配置される試料配置部と、試料配置部において空気を流動させることが可能な送風手段と、試料配置部の温度を上昇させることが可能な加熱手段と、加熱された空気を外部の空気と置換して試料配置部の温度を降下させることが可能な空気置換手段と、試料配置部を冷却可能な少なくとも1つの冷却手段とを有し、試料配置部の温度を高温側設定値から低温側設定値に下げることが可能な環境試験装置であって、
空気置換温度制御から冷却温度制御に移行する場合、空気置換温度制御と冷却温度制御の双方が実行される同時制御期間を経てから冷却温度制御に移行されることを特徴とする環境試験装置。
【請求項2】
前記空気置換手段は、試料配置部を通過した空気の一部又は全部が排気される排気部と、外部の空気を給気する給気部と、当該排気部と給気部を通過する空気の通過量を調整可能な開閉手段とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
【請求項3】
空気置換手段には、開閉手段が閉状態の場合に、前記排気部又は前記給気部を密閉できる断熱機能を有する密閉手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の環境試験装置。
【請求項4】
前記密閉手段は、冷却温度制御時に通電する結露防止ヒータを有していることを特徴とする請求項3に記載の環境試験装置。
【請求項5】
前記冷却手段は、熱交換器を有し、
前記熱交換器は、試料配置部の空気の吹き出し側の断面積とほぼ同じ大きさの範囲に広がっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境試験装置。
【請求項6】
前記冷却手段は、相変化する冷媒が循環する熱交換器又は冷水が循環する熱交換器であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境試験装置。
【請求項7】
前記冷却手段は2つ設けられ、一方は冷水が循環する熱交換器で、他方は相変化する冷媒が循環する熱交換器であって、
冷却温度制御は、冷水が循環する熱交換器によって試料配置部の温度を調整する第1冷却温度制御と、相変化する冷媒が循環する熱交換器によって試料配置部の温度を調整する第2冷却温度制御があることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の環境試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−252717(P2011−252717A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124825(P2010−124825)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000108797)エスペック株式会社 (282)
【Fターム(参考)】