説明

環式カルバマート及び/又は環式尿素を用いて吸水性ポリマーを後架橋する方法

本発明は、ポリマーを少なくとも1種の後架橋剤で処理し、前記処理の間又は前記処理の後に温度上昇によって後架橋及び乾燥させ、その際、少なくとも1種の後架橋剤は、アミノアルコールもしくはジアミンと環式カルボナートとの反応により得られる環式カルバマート又は環式尿素であることにより吸水性ポリマーを後架橋する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環式カルバマート及び/又は環式尿素を用いて吸水性ポリマーを後架橋する方法に関する。
【0002】
吸水性ポリマーは、殊に(共)重合された親水性モノマーからのポリマー、適当なグラフト主鎖上の1種以上の親水性モノマーのグラフト(共)重合体、架橋されたセルロースエーテル又はデンプンエーテル、架橋されたカルボキシメチルセルロース、部分的に架橋されたポリアルキレンオキシド又は水性液体中で膨潤可能な天然製品、例えばグアール誘導体である。このようなヒドロゲルは、おむつ、タンポン、生理帯及びその他の衛生用品を製造するための、水性溶液を吸収する製品として使用されているが、しかし、農業園芸における保水剤としても使用されている。
【0003】
適用特性、例えばおむつ中での液体通過性(SFC)及び圧力下での吸収量(AUL)を改善するために、吸水性ポリマーを一般に表面後架橋又はゲル後架橋する。この後架橋は有利には水性のゲル相中で、又は粉砕及び分級したポリマー粒子の後架橋として行われる。
【0004】
このために適切な架橋剤は、親水性ポリマーのカルボキシラト基と共有結合を形成することができる少なくとも2の基を有する化合物である。適切な化合物は例えばジグリシジル化合物又はポリグリシジル化合物、例えばホスホン酸ジグリシジルエステル、アルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン又はポリアミドアミンであり、その際、前記の化合物は相互の混合物として使用することもできる(例えばEP-A-0 083 022、EP-A-0 543303及びEP-A-0 530 438を参照)。架橋剤として適したポリアミドアミンは特にEP-A-0 349 935に記載されている。
【0005】
この架橋剤の本質的な欠点は、その高い反応性である、それというのも不所望な副作用を回避するために、生産操業において特別な保護対策を必要とするためである。同様に、前記の架橋剤は皮膚刺激特性を有し、衛生製品中に使用した場合に問題が生じる。
【0006】
架橋剤として多官能性アルコールもまた公知である。例えばUS-4,666,983ならびにUS-5,385,983は親水性ポリアルコールの使用もしくはポリヒドロキシ界面活性剤の使用を教示している。反応はその後、120〜250℃の高温で実施する。この方法は、架橋のための行われるエステル化反応自体がこの温度では緩慢に進行するにすぎないという欠点を有する。
【0007】
さらに架橋剤としてDE-A-198 07 502にはオキサゾリジン−2−オン及びその誘導体が、WO-A-03/031482にはモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が、DE-A-198 54 573には2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE-A-198 54 574にはN−アシルオキサゾリジン−2−オンが、及びDE-A-198 07 992にはビス−及びポリオキサゾリジン−2−オンが適切な架橋剤として記載されている。これらは、衛生製品中での使用に関する要求は満たしているが、化合物として市場で入手できず、純粋な形で製造することは比較的困難である。
【0008】
Tetrahedron Letters, Jahrgang 1974, 第2899-2900頁には、N−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンが、元素のセレンの存在でジエタノールアミンの酸化カルボニル化により得られることが記載されている。衛生分野における使用のために、この種の材料はセレンの毒性に基づき適していない。Journal of Organic Chemistry, Jahrgang 1961, 第3495-3498頁は、ジエタノールアミンを92%の収率で、トリクロロ酢酸エチルエステルと反応させることによりN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンに変換できることを教示している。この変法は、材料コスト及び併産品として塩素型の発生に基づき経済的ではない。
【0009】
US-2,437,390は、エタノールアミンとジアルキルカルボナートとの反応によるオキサゾリジン−2−オンの製造を開示している。このジアルキルカルボナートは過剰量で使用される。有利に、遊離されたアルコールは連続的に留去される。このオキサゾリジン−2−オンは蒸留又は再結晶される。この方法の場合の欠点は、高価なジアルキルカルボナートの使用である。US-4,933,462はUS-2,437,390に基づき、ジメチルカルボナートの使用を記載している。
【0010】
EP-A-0 900 825は架橋剤としてオキサゾリジン−2−オンの使用を記載し、その際、オキサゾリジン−2−オンはエタノールアミンとシアン酸カリウムとの反応により製造される。
【0011】
US-2,755,286はN−(ヒドロキシアルキル)−ヒドロキシアルキルカルバマートの環化反応によるオキサゾリジン−2−オンの製造を教示している。この反応生成物は連続的に留去され、オキサゾリジン−2−オンが留出液中で晶出するオキサリジン−2−オンの蒸留のために、1.2Torrの圧力での煩雑な蒸留が必要であり、この蒸留は工業的に極めて高コストで達成できるにすぎない。比較的高い温度を伴う比較的高い圧力での蒸留は、Nippon Kagaku Kaishi, Jahrgang 1974, 第8巻, 第1592〜1594頁に記載のように、高分子の副生成物を生じさせる。このN−(ヒドロキシアルキル)−ヒドロキシアルキルカルバマートは、2−ヒドロキシアルキルアミンと環式カルボナートとの反応により得ることができる。
【0012】
特開昭61−7260号公報は、減圧でエタノールアミンと環式カルボナートとの反応させることによりオキサゾリジン−2−オンを製造し、その際、生じたグリコールを蒸留により除去できることを開示している。
【0013】
特開昭60−97967号公報及び特開昭60−152476号公報は、エタノールアミンと環式カルボナートとを反応させ、その際、反応生成物を酸性イオン交換体で精製することを記載している。
【0014】
特開2002−105064号公報は、アルカリ金属アルコキシドの存在で、ジアルキルカルボナートとエタノールアミンとの反応を記載している。
【0015】
従って、本発明の課題は、産業衛生上懸念のないが同時に十分な反応性を有し並びに簡単に製造することができる後架橋剤を使用して、吸水性ポリマーの後架橋のための方法を提供することである。特に、前記後架橋剤は製造時に例えば後架橋剤の蒸留又は晶析により粗製生成物の精製を行わなくてもよい形で生じるのが好ましい。
【0016】
更なる課題は、高い貯蔵安定性を有する後架橋剤混合物を提供することであった。
【0017】
この後架橋剤は最終生成物中では、例えば副生成物又は分解生成物により、変色又は臭いを生じさせてはならない。
【0018】
前記課題は、ポリマーを少なくとも1種の後架橋剤で処理し、その際、少なくとも1種の後架橋剤は環式カルバマート又は環式尿素であることにより吸水性ポリマーを後架橋する方法において、前記環式カルバマート又は環式尿素がアミノアルコールもしくはジアミンと環式カルボナートとの反応により得られることを特徴とする吸水性ポリマーを後架橋する方法の提供により解決される。
【0019】
有利に、前記吸水性ポリマーは、少なくとも1種の後架橋剤での処理の間又は処理後に、温度上昇により後架橋及び/又は乾燥される。
【0020】
特に有利に、前記吸水性ポリマーは、少なくとも1種の後架橋剤での処理の間又は処理後に、温度上昇により乾燥及び後架橋される。
【0021】
環式カルバマートを使用するのが有利である。適当な環式カルバマートは、例えば次の一般式Iの化合物である:
【化1】

【0022】
[式中、
Rは、水素、C1〜C12−アルキル、C2〜C12−アルケニル、C2〜C12−アシル又はC2〜C12−ヒドロキシアルキルを表し、その際、C3〜C12−アルケニル、C3〜C12−アシル又はC3〜C12−ヒドロキシアルキルは分枝又は非分枝であり、かつC1〜C12−アルキル、C2〜C12−アルケニル、C2〜C12−アシル又はC2〜C12−ヒドロキシアルキルはハロゲン置換されていてもよく、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素を表し、かつ
Aは、C2〜C12−アルキレンを表し、その際、C3〜C12−アルキレンは分枝又は非分枝であり、かつC2〜C12−アルキレンはハロゲン置換されていてもよく、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素を表す。
【0023】
基Rの例は、水素、メチル、エチル、プロピル、プロプ−2−イル(イソプロピル)、ブチル、ブト−2−イル(イソブチル)、ペンチル、ペント−2−イル、ペント−3−イル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、3−メチルペント−2−イル、2,2−ジメチルプロピル、トリフルオロメチル、エテニル、プロペン−2−イル、ブテン−2−イル、アセチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル及び3−ヒドロキシ−2−メチルプロピルである。
【0024】
基Aの例は、次の式である:
【化2】

【0025】
式中、*は結合位置を表している。
【0026】
一般式Iの環式カルバマートが有利であり、その際、Rは水素、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アシル又はC2〜C6−ヒドロキシアルキルを表し、その際、C3〜C6−アルキル、C3〜C6−アルキニル、C3〜C6−アシル又はC3〜C6−ヒドロキシアルキルは分枝又は非分枝であり、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アシル又はC2〜C6−ヒドロキシアルキルはハロゲン置換されていてもよく、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素を表し、AはC2〜C6−アルキレンを表し、その際、C3〜C6−アルキレンは分枝又は非分枝であり、C2〜C6−アルキレンはハロゲン置換されていてもよく、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素及び/又はヨウ素を表す。
【0027】
Rが水素、C2〜C6−ヒドロキシアルキルを表し、その際、C3〜C6−ヒドロキシアルキルは分枝又は非分枝であってもよく、かつAはC2〜C6−アルキレンを表し、その際、C3〜C6−アルキレンは分枝又は非分枝であってもよい一般式Iの環式カルバマートが特に有利である。
【0028】
Rが水素、C2〜C3−ヒドロキシアルキルを表し、その際、C3−ヒドロキシアルキルは分枝又は非分枝であってもよく、かつAはC2〜C3−アルキレンを表し、その際、C3−アルキレンは分枝又は非分枝であってもよい一般式Iの環式カルバマートが特に有利である。
特に有利な基Rは、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル及び3−ヒドロキシプロピルである。
【0029】
一般式Iの化合物は、有利に5員環又は6員環である。
【0030】
有利な環式カルバマートは、オキサゾリジン−2−オン、2−ヒドロキシエチルオキサゾリジン−2−オン、3−ヒドロキシエチルオキサゾリジン−2−オン、2−ヒドロキシプロピルオキサゾリジン−2−オン及び2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジンである。
【0031】
前記環式カルバマートは、アミノアルコールと環式カルボナートとの熱的反応によって製造される。適当な環式カルボナートは、例えば1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン及び1,3−ジオキセパン−2−オンである。適当なアミノアルコールは、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン及びN−ヒドロキシエチルプロパノールアミンである。反応温度は、通常では80〜200℃、有利に100〜150℃、特に有利に110〜130℃である。この反応は、減圧、過圧又は大気圧で実施することができ、大気圧が特に有利である。有利に、反応時に環式カルボナートから遊離されるジオールは反応の間に留去しない。
【0032】
反応時に遊離されるジオールを、有利に所望の反応温度に相応する圧力で、連続的に留去することにより、前記反応はもちろん促進させることができる。
【0033】
塩基性触媒、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムカルボナート及びカリウムカルボナートを使用するのが有利である。それにより、低い反応温度でも十分に高い反応速度を達成し、かつ生成物の着色は最小限にされる。塩基性触媒の使用の際に、前記反応温度は、通常では60〜180℃、有利に70〜140℃、特に有利に90〜110℃である。
【0034】
ジアルカノールアミン(この場合、アルカノール基は同じ又は異なることができる)はほとんど定量的に反応し、従って使用材料として有利である。適当なジアルカノールアミンは、N,N−ジ−(2−エタノール)−アミン、N,N−ジ−(2−プロパノール)−アミン、N,N−ジ−(3−プロパノール)−アミン、N,N−ジ−(2−ブタノール)−アミン、N,N−ジ−(3−ブタノール)−アミン、N−エタノール−N−(2−プロパノール)−アミン、N−(2−エタノール)−N−(2−ブタノール)−アミン及びN−(2−プロパノール)−N−(2−ブタノール)−アミンである。N,N−ジ−(2−エタノール)−アミン又はジエタノールアミンが有利である。
【0035】
この反応時に生じる粗製生成物は無色であり、臭いのある副生成物又は分解生成物を有しておらず、従って後架橋のために直接使用できる。
【0036】
この反応時に環式カルボナートから遊離されたジオールがグリコール(ビシナルなジオール)である場合には、前記ジオールは有利に反応が完了した後、十分に、つまり少なくとも70%、有利に少なくとも80%、特に有利に少なくとも90%留去される。
【0037】
この反応時に環式カルボナートから遊離されるジオールがn,m−ジオール(その際m>nでありかつm−n>1である)である場合には、前記ジオールは有利に反応が完了した後、本質的に留去されない、つまり高くても40%まで、有利に高くても20%まで、特に有利に高くても10%まで留去される。
【0038】
この環式カルバマートは、特に副生成物として生じるジオールが後架橋に悪影響を与えず、臭いの問題も生じさせない場合には、通常ではさらに精製されず、つまり、蒸留又は再結晶されない。
【0039】
この環式カルバマートと同様に、環式尿素も製造しかつ使用することができる。
【0040】
前記環式カルバマートは、有利に不活性溶剤中に溶かして使用される。不活性溶剤として、水並びに水とアルコールとの混合物が有利である。しかしながら、水と無制限に混合可能で、プロセス条件下でも反応性でない全ての有機溶剤を使用することができる。アルコール/水混合物を使用する場合に、この溶液のアルコール含有量は、例えば10〜90質量%、有利に15〜70質量%、特に20〜60質量%である。水と無制限に混合可能な全てのアルコール、並びに複数のアルコールの混合物(例えばメタノール+イソプロパノール+水)を使用することができる。このアルコール混合物は、アルコールを任意の混合比で含有することができる。しかしながら、水溶液の形で次のアルコールを使用するのが特に有利である:メタノール、エタノール、n−プロパノール、20EO単位までのポリエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール及び特に有利にイソプロパノール。
【0041】
もちろん後架橋剤は非水溶液を使用することもできる。この場合に、乾燥したヒドロゲルを、後架橋剤溶液の吹き付けの前、吹き付けの間又は吹き付けの後に水で湿らせる。
【0042】
本発明による方法の場合に、環式カルバマートは単独で又は他の後架橋剤と組み合わせて使用することができる、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、エチレンジアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、ソルビトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン。
【0043】
有利に、更に多価カチオンの塩も後架橋の際に使用することができる。多価カチオンは例えば二価のカチオン、例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バリウム及びストロンチウムのカチオン、三価のカチオン、例えばアルミニウム、鉄、クロム、希土類及びマンガンのカチオン、四価のカチオン、例えばチタン及びジルコニウムのカチオンである。対イオンとして塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン及びカルボン酸イオン、例えば酢酸イオン及び乳酸イオンが可能である。硫酸アルミニウムが有利である。更に有利に、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム及び硫酸バリウムの分散液が有利である。
【0044】
有利な実施態様の場合に、環式カルバマートはジオールと一緒に使用される。適当なジオールは、C2〜C12−ジオールであり、その際、C3〜C12−ジオールは分枝又は非分枝であることができる。有利に、環式カルバマートの製造の際に環式カルボナートから遊離されたジオールは少なくとも部分的に粗製生成物中に残留させ、次いで有利に直接、更に精製せずに使用することができる。
【0045】
有利なジオールは、C2〜C6−ジオールであり、その際、C3〜C6−ジオールは分枝又は非分枝であることができる。
【0046】
グリコール(ビシナルなジオール)ではないジオール、例えばプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール及びブタン−1,4−ジオールが特に有利である。
【0047】
グリコールは、後架橋の条件下で少なくとも部分的に臭いのある分解生成物に反応し、例えばプロピレングリコールから160℃でアセトンが生じ、これは超吸収体の濡れの際に遊離し、不快な臭いを生じる。
【0048】
特に有利な実施態様の場合に、環式カルバマートは有機カルボナート、有利に環式カルボナートと一緒に使用される。適当な環式カルボナートは、例えば1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン及び1,3−ジオキセパン−2−オンである。有利に、環式カルバマートの製造時に、過剰量の環式カルボナートが使用され、これは少なくとも部分的に、有利にほとんど完全に組成生成物中に残留する。ほとんど完全にとは、粗製生成物中の環式カルボナートの含有量は、環式カルバマートの製造時に遊離されるジオールの少なくとも70%、有利に少なくとも80%、特に有利に少なくとも90%を留去するために不可避である程度に低下するだけであることを意味する。若干の環式カルボナートは、ジオール蒸留の際に飛沫同伴される。
【0049】
後架橋溶液の適用は、有利に前記ポリマーに適当なスプレーミキサー中で吹き付けることにより行われる。吹き付けに引続き、ポリマー粉末は、熱的に乾燥され、その際、架橋反応は、乾燥前ならびに乾燥中に行うことができる。有利には、反応混合機又は混合及び乾燥機中、たとえばLoedige混合機、BEPEX(登録商標)混合機、NAUTA(登録商標)混合機、SCHUGGI(登録商標)混合機又はPROCESSALL(登録商標)中での架橋剤の溶液の吹き付けである。さらに、流動床乾燥機も使用することができる。この場合、後架橋及び乾燥のために、30〜210℃、特に80〜195℃、特に有利には120〜185℃の温度範囲が有利である。
【0050】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の吹き込みによって行なうことができる。後方接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉又は加熱可能なスクリューは、同様に適切である。しかし、例えば共沸蒸留を乾燥方法として利用することもできる。反応ミキサー又は乾燥器中のこの温度での有利な滞留時間は120分未満、特に有利には90分未満、最も有利には60分未満である。
【0051】
前記環式カルバマートは、この場合、使用されたポリマーに対して0.01〜5質量%、有利に0.01〜1.0質量%、有利に0.05〜0.5質量%の量で使用される。
【0052】
前記の多価カチオンは、使用されたポリマーに対して0〜0.5質量%、有利に0.005〜0.1質量%、特に有利に0.03〜0.08質量%の量で使用される。
【0053】
環式カルバマートをジオールと一緒に使用する場合、ジオール対カルバマートのモル比は、通常では1:50〜2:1、有利に1:10〜1.5:1、特に有利に1:2.5〜1.1:1である。
【0054】
環式カルバマートを有機カルボナートと一緒に使用する場合、カルバマート対カルボナートのモル比は、通常では1000:1〜2:1、有利に200:1〜5:1、特に有利に40:1〜10:1である。
【0055】
特に有利な実施態様の場合には、後架橋剤溶液が使用され、つまり前記後架橋剤溶液は環式カルバマートの他に、全ての他の成分、例えば溶剤、他の後架橋剤、多価カチオン、ジオール、界面活性剤、例えばソルビタンモノラウラート、分散可能な無機粉末、例えばヒュームドシリカ及びリン酸カルシウム、及び/又は有機カルボナートを含有する。
【0056】
有機カルボナートは、特に後架橋剤溶液の貯蔵安定性を高める。
【0057】
本発明の更に有利な実施態様の場合には、後架橋剤溶液はポリマーの質量に対して0.5〜20質量%の割合で使用される。ポリマーに対して1〜10質量%の溶剤量が特に有利である。
【0058】
本発明による方法で使用される吸水性ポリマーは、殊に架橋(共)重合された親水性モノマーからのポリマー、ポリアスパラギン酸、適当なグラフト主鎖上の1種以上の親水性モノマーのグラフト(共)重合体、架橋されたセルロースエーテル又はデンプンエーテル又は水性液体中で膨潤可能な天然製品、例えばグアール誘導体である。有利には、架橋すべきポリマーは、アクリル酸又はそのエステルから誘導されるか、又はアクリル酸もしくはアクリル酸エステルを水溶性ポリマーマトリックス上にグラフト共重合させることによって得られた構造単位を含有するポリマーである。前記のヒドロゲルは、当業者に公知であり、例えばUS-4 286 082, DE-C-27 06 135, US-A-4 340 706, DE-C-37 13 601, DE-C-28 40 010, DE-A-43 44 548, DE-A-40 20 780, DE-A-40 15 085, DE-A-39 17 846, DE-A-38 07 289, DE-A-35 33 337, DE-A-35 03 458, DE-A-42 44 548, DE-A-42 19 607, DE-A-40 21 847, DE-A-38 31 261, DE-A-35 11 086, DE-A-31 18 172, DE-A-30 28 043, DE-A-44 18 881, EP-A-0 801 483, EP-A-0 455 985, EP-A-0 467 073, EP-A-0 312 952, EP-A-0 205 874, EP-A-0 499 774, DE-A 26 12 846, DE-A-40 20 780, EP-A-0 205 674, US-A-5 145 906, EP-A-0 530 438, EP-A-0 670 073, US-A-4 057 521, US-A-4 062 817, US-A-4 525 527, US-A-4 295 987, US-A-5 011 892, US-A-4 076 663又はUS-A-4 931 497に記載されている。
【0059】
前記の吸水性ポリマーの製造に適した親水性モノマーは、例えば重合能を有する酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、無水マレイン酸を含めたマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸ならびにそのアミド、ヒドロキシアルキルエステル及びアミノ基含有エステル又はアンモニウム基含有エステル及びアミドならびに酸基を含有するモノマーのアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩である。更に、水溶性N−ビニルアミド、例えばN−ビニルホルムアミドが適当であるか又はジアリルジメチルアンモニウムクロリドも適当である。好ましい親水性モノマーは、一般式IIの化合物である。
【0060】
【化3】

【0061】
[式中、
1は、水素、メチル、エチル又はカルボキシル、
2は−COOR4、ヒドロキシスルホニル又はホスホニル、C1〜C4−アルカノールでエステル化されたホスホニル基又は式IIIの基を表わし、
【化4】

【0062】
3は、水素、メチル又はエチル、
4は、水素、C1〜C4−アミノアルキル、C1〜C4−ヒドロキシアルキル、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを表し、かつ
5は、スルホニル基、ホスホニル基又はカルボキシル基、又はそのつどこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を表わす]。
【0063】
1〜C4−アルカノールの例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール又はn−ブタノールである。
【0064】
特に好ましい親水性モノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸、ならびにこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、例えばナトリウムアクリラート、カリウムアクリラート又はアンモニウムアクリラートである。
【0065】
グラフト共重合によってオレフィン系不飽和酸又はそのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を得ることができる吸水性ポリマーに適したグラフト主鎖は、天然又は合成に由来していてもよい。例は、デンプン、セルロース又はセルロース誘導体ならびにその他の多糖類及びオリゴ糖類、ポリアルキレンオキシド、殊にポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドならびに親水性ポリエステルである。
【0066】
適切なポリアルキレンオキシドは、たとえば式IVを有する。
【0067】
【化5】

[式中、
6、R7は、相互に無関係に水素、アルキル、アルケニル又はアリール、
8は、水素又はメチル、及び
pは、1〜500の整数を表わす。
【0068】
6及びR7は、有利に水素、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル又はフェニルを表わす。
【0069】
有利な吸水性ポリマーは、特にポリアクリラート、ポリメタクリラートならびにUS-4,931,497, US-5,011,892及びUS-5,041,496中に記載されたグラフトポリマーである。
【0070】
前記の吸水性ポリマーは、有利に架橋されている、つまり、この吸水性ポリマーは、ポリマー網状組織中に重合により組み込まれている、少なくとも2個の二重結合を有する化合物を含有する。適切な架橋剤は、特にN,N′−メチレンビスアクリルアミド及びN,N′−メチレンビスメタクリルアミド、不飽和モノカルボン酸又はポリカルボン酸とポリオールとのエステル、たとえばジアクリラート又はトリアクリラート、たとえばブタンジオールジアクリラート又はエチレンジアクリラート、又はブタンジオールジメタクリラート又はエチレングリコールジメタクリラートならびにトリメチロールプロパントリアクリラート及びアリル化合物、たとえばアリル(メタ)アクリラート、トリアリルシアヌラート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステルならびにたとえば、EP-A-0 343 427中に記載されているようなビニルホスホン酸誘導体である。本発明による方法の場合に、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリラートも使用可能であり、その際、使用されたポリエチレングリコールは300〜1000の分子量を有する。更に、複数箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパン又はトリメチロールエタンのジ−及び/又はトリ(メタ)アクリラートが適している。5〜30箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパン又はトリメチロールエタンのトリ(メタ)アクリラートが特に適している。10〜20箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパン又はトリメチロールエタンのトリ(メタ)アクリラートが更に特に適している。13〜18箇所エトキシル化されたトリメチロールプロパン又はトリメチロールエタンのトリアクリラートが最も適している。
【0071】
さらに、ポリアリルエーテルを架橋剤として使用しながら、かつアクリル酸を酸性単独重合させることによって製造されるヒドロゲルも本発明による方法において使用可能である。適切な架橋剤は、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル及びペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、モノエチレングリコールジアリルエーテル、グリセロールジアリルエーテル及びグリセロールトリアリルエーテル、ソルビトール系のポリアリルエーテルならびにそのエトキシル化されたバリエーションである。
【0072】
さらに特に有利な架橋剤は、例えば先願のドイツ連邦共和国特許出願番号第10319462.2に記載されているような、アクリル酸又はメタクリル酸でジアクリラート又はトリアクリラートにエステル化された、複数箇所エトキシル化された及び/又はプロポキシル化されたグリセリンである。3〜10箇所エトキシル化されたグリセリンのジ−及び/又はトリアクリラートが特に有利である。1〜5箇所エトキシル化及び/又はプロポキシル化されたグリセリンのジアクリラート又はトリアクリラートがさらに特に有利である。3〜5箇所エトキシル化又はプロポキシル化されたグリセリンのトリアクリラートが最も有利である。
【0073】
本発明による方法において使用可能なベースポリマーにとって好ましい製造方法は、"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F.L. Buchholz 及びA.T. Graham著, Wiley-VCH, 1998,第77〜84頁中に記載されている。特に好ましいのは、例えばWO-A-01/38402に記載されているような混練機中で製造されるか又は例えばEP-A-0 955 086に記載されているようなベルト型反応器上で製造されるベースポリマーである。
【0074】
吸水性ポリマーは、有利にポリマーのアクリル酸又はポリアクリラートである。この吸水性ポリマーの製造は、文献から公知の方法により行うことができる。好ましいのは、架橋コモノマーを0.001〜10mol%、特に0.01〜1mol%の量で含有するポリマーであるが、しかし、特に好ましいのは、ラジカル重合によって得ることができ、付加的になお少なくとも1個の遊離ヒドロキシル基を有する多官能性のエチレン系不飽和ラジカル架橋剤が使用されたポリマーである(例えば、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル又はトリメチロールプロパンジアリルエーテル)。
【0075】
前記吸水性ポリマーは、自体公知の重合法によって製造することができる。好ましいのは、いわゆるゲル重合法による水溶液中での重合である。この場合、例えば1種以上の親水性モノマー及び場合によっては適当なグラフト主鎖の15〜50質量%の水溶液を、ラジカル開始剤の存在下で、有利に機械的混合なしにトロムスドルフ−ノリッシュ効果(Trommsdorff-Norrish-Effekt)(Makromol. Chem. 1, 169 (1947))を利用しながら重合させる。この重合反応は、0〜150℃、特に10〜100℃の温度範囲内で常圧下ならびに高められた圧力下又は減圧下で実施することができる。通常のように重合は、保護ガス雰囲気中で、特に窒素の下で実施されてもよく、重合の開始のために、高エネルギーの電磁線又は通常の化学的重合開始剤、例えば有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、メチルエチル−ケトンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、アゾ化合物、例えばアゾジイソブチロニトリルならびに無機ペルオキソ化合物、例えば(NH4228、K228、Na228又はH22を用いることができる。前記の化学的重合開始剤は、場合によっては還元剤、例えば亜硫酸水素ナトリウム及び硫酸鉄(II)、又は還元性成分として脂肪族スルフィン酸及び芳香族スルフィン酸、例えばベンゼンスルフィン酸及びトルエンスルフィン酸又はこれらの酸の誘導体を含有する酸化還元系、例えばDE-A-13 01 566に記載されているようなスルフィン酸とアルデヒドとアミノ化合物とからなるマンニヒ付加物と組み合わせて使用することができる。ポリマーゲルを50〜130℃、特に70〜100℃の温度範囲内で数時間さらに加熱することによって、ポリマーの品質特性をさらに改善することができる。
【0076】
この得られたゲルは、例えば使用されたモノマーに対して0〜100mol%まで、有利に25〜100mol%まで、特に有利に50〜85mol%まで中和され、その際、通常の中和剤を使用することができ、有利にアルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属酸化物、特に有利に水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムである。
【0077】
通常、中和は、水溶液又は有利に固体としての中和剤を混合導入することによって達成される。このために、ゲルは、例えば肉挽き機を用いて機械的に微粉砕され、中和剤は、吹き付けられるか、散布されるか、又は注ぎ込まれ、次に注意深く混合される。そのために、得られたゲル材料は、なお数回均質化のために粉砕することができる。更に、中和されたゲル材料は、ベルト型乾燥機又はロール型乾燥機を用いて残留湿分含量が特に10質量%未満、殊に5質量%未満になるまで乾燥される。この後で、乾燥されたヒドロゲルを微粉砕し、篩別し、その際、微粉砕のために通常、ロールミル、ピンミル又はスイングミルを使用することができる。篩別されたポリマーの粒径は、特に45〜1000μmの範囲内、特に有利に45〜850μm、殊に有利に100〜800μm、更に有利には100〜700μmである。150〜600μmの直径を有する粒子を少なくとも97質量%まで含むヒドロゲルが更に有利である。150〜600μmの直径を有する粒子を少なくとも97質量%まで含み、その際、500〜600μmの直径を有する粒子の割合が10質量%より高くないヒドロゲルが特に有利である。
【0078】
本発明の更なる主題は、ポリマーを少なくとも1種の後架橋剤で処理し、その際、前記の少なくとも1種の後架橋剤が環式カルバマート又は環式尿素であることによる吸水性ポリマーの後架橋工程を有する、衛生製品、有利におむつの製造方法において、前記環式カルバマート又は環式尿素がアミノアルコールもしくはジアミンと環式カルボナートとの反応により得られることを特徴とする衛生製品の製造方法である。
【0079】
本発明の更なる主題は、n,m−ジオール(その際、m>nであり、m−n>1である)と環式カルバマートを含有し、その際、n,m−ジオールとカルバマートとのモル比は1.1:1〜1:2.5である混合物A、上記の方法によるその製造並びに吸水性ポリマーの後架橋のためのその使用である。
【0080】
本発明の更なる主題は、ジオール、環式カルバマート及び環式カルボナートを含有し、その際、前記環式カルバマートは窒素原子にヒドロキシアルキル基を有し、カルバマート対カルボナートのモル比は1000:1〜5:1、有利に200:1〜5:1、特に有利に40:1〜10:1である混合物B、上記の方法によるその製造並びに吸水性ポリマーの後架橋のためのその使用である。
【0081】
2つの上記の本発明による混合物は、溶剤を有利に50〜99質量%、有利に60〜98質量%、特に有利に70〜97質量%含有する。有利な溶剤は水である。
【0082】
前記混合物A及び/又はBは、少なくとも1種の多価カチオンを有利に0〜5質量%、有利に0.01〜2質量%、特に有利に0.1〜1.0質量%含有する。有利な多価カチオンは、Al3+である。
【0083】
前記混合物A及び/又はBは、少なくとも1種の界面活性剤を有利に0〜4質量%、有利に0.01〜2質量%、特に有利に0.1〜1質量%含有する。有利な界面活性剤は、ソルビタンモノラウラートである。
【0084】
前記混合物A及び/又はBは、少なくとも1種の一価アルコールを有利に0〜60質量%、有利に0〜40質量%、特に有利に20〜40質量%含有する。有利なアルコールは、イソプロパノールである。
【0085】
本発明の更なる主題は、混合物A及びBの製造、吸水性ポリマーの後架橋のためのその使用、並びにこうして得られた後架橋されたポリマーである。
【0086】
本発明により後架橋した吸水性ポリマーのCRC値[g/g]は、本願明細書中に記載されている方法により測定することができ、有利に15より大きく、特に20より大きく、特に有利に25より大きく、殊に30より大きく、殊に有利に35より大きい。
【0087】
本発明により後架橋した吸水性ポリマーのAUL−0.7psi−値[g/g]は本願明細書中に記載されている方法により測定することができ、有利には10より大きく、特に15より大きく、特に有利に20より大きく、殊に25より大きく、殊に有利に30より大きい。
【0088】
本発明により後架橋した吸水性ポリマーの抽出可能な割合の値[質量%]は本願明細書中に記載されている方法により測定することができ、有利に15より小さく、特に12より小さく、特に有利に10より小さく、殊に8より小さく、殊に有利に7より小さい。
【0089】
本発明により後架橋した吸水性ポリマーの反応されていないエチレン性不飽和モノマーについての値[質量ppm]は本願明細書中に記載されている方法により測定することができ、有利に500より小さく、特に400より小さく、特に有利に300より小さく、殊に200より小さく、殊に有利に100より小さい。
【0090】
本発明の更なる主題は、混合物A又はBで後架橋された、後架橋したポリマーの、衛生製品及び包装材料のための、特におむつのための使用並びに衛生製品自体である。例えば衛生製品は次のように構成することができる:
(A) 上側の液体透過性カバー
(B) 下側の液体不透過性層
(C) (A)と(B)との間に存在する、次の成分を有するコア
本発明による架橋した膨潤可能なヒドロゲル形成するポリマー10〜100質量%
親水性繊維材料0〜90質量%
有利に本発明による架橋された膨潤可能なヒドロゲル形成するポリマー30〜100質量%、親水性繊維材料0〜70質量%
特に有利に本発明による架橋された膨潤可能なヒドロゲル形成するポリマー50〜100質量%、親水性繊維材料0〜50質量%
殊に有利に本発明による架橋された膨潤可能なヒドロゲル形成するポリマー70〜100質量%、親水性繊維材料0〜30質量%
最も有利に本発明による架橋された膨潤可能なヒドロゲル形成するポリマー90〜100質量%、親水性繊維材料0〜10質量%
(D) 場合により、前記コア(C)の上側及び下側に直接存在する組織層及び
(E) 場合により(A)と(C)との間に存在する吸収層。
【0091】
衛生製品とは、この場合、例えば大人用の失禁ライナー及び失禁パンツ又は子供用のおむつであると解釈される。
【0092】
液体透過性カバー(A)は、直接皮膚に接触する層である。このための材料は、この場合、通常、ポリエステル、ポリオレフィン、レーヨンの合成又は半合成の繊維又はフィルム又は天然の繊維、例えば綿からなる。不織材料の場合に、前記繊維は一般に結合剤、例えばポリアクリラートにより結合することができる。有利な材料は、ポリエステル、レーヨン及びこれらのブレンド、ポリエチレン及びポリプロピレンである。液体透過性層の例は、WO 99/57355、EP-A-1 023 883に記載されている。
【0093】
液体不透過性層(B)は、一般にポリエチレン又はポリプロピレンからなるシートからなる。
【0094】
コア(C)は本発明による架橋した膨潤可能なヒドロゲル形成するポリマーの他に親水性繊維材料を含有する。親水性とは、水性液体が急速に前記繊維を介して分配されることであると解釈される。
【0095】
前記繊維材料は通常ではセルロース、変性セルロース、レーヨン、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタラートである。特に有利にセルロース繊維、例えばパルプである。前記繊維は、一般に1〜200μm、有利に10〜100μmの直径を有する。更に、前記繊維は1mmの最小長さを有する。
【0096】
おむつの構造及び形状は一般に公知であり、例えばWO 95/26209 第66頁、第34行〜第69頁、第11行, WO-A-03/104300, DE-A-196 04 601, EP-A-0 316 518及びEP-A-0 202 127に記載されている。
【0097】
表面後架橋の性能を測定するために、乾燥されたヒドロゲルを、以下に記載されている試験方法で試験する。
【0098】
方法:
遠心分離保持能力(CRC Centrifuge Retention Capacity)
この方法の場合には、ティーバッグ中での吸水性ポリマーの自由膨潤可能性が測定される。CRCの測定のために、乾燥したポリマー0.2000±0.0050gを、60×85mmの大きさのティーバッグ中に秤量し、引続きこのティーバッグを溶着する。ティーバッグは、30分間0.9質量%の食塩溶液の過剰量中に供給される(食塩溶液少なくとも0.83 l/ポリマー粉末1g)。引続き、このティーバッグは、3分間、250Gで遠心分離される。ヒドロゲルによって堅固に保持された液体量の測定は、遠心分離されたティーバッグの質量を正確に量ることによって行なわれる。
【0099】
また、遠心分離保持能力は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験方法No.441.2−02「遠心分離保持能力(Centrifuge retention capacity)」によっても測定することができる。
【0100】
圧力0.7psi(4830Pa)下での吸収量(AUL Absorbency Under Load)
AUL0.7psiを測定するための測定セルは、60mmの内径及び50mmの高さを有するプレキシガラス円筒体であり、この円筒体は、下面に36μmのメッシュ幅を有する接着された特殊鋼製篩板を有する。この測定セルにはさらに、59mmの直径を有するプラスチック板及びプラスチック板と一緒に測定セル中に設置させることができるおもりが属している。プラスチック板の質量及びおもりは全体で1344gである。AUL0.7psiの測定を実施するために、空のプレキシガラス円筒体及びプラスチック板の質量を測定し、W0として記録する。次いで、乾燥したポリマー0.900±0.005gをプレキシガラス円筒体中に秤量し、できるだけ均一に特殊鋼製篩板上に分配させる。引続き、プラスチック板を、注意深くプレキシガラス円筒体中に設置し、全てのユニットを計量する;この質量をWaとして記録する。次いで、おもりをプレキシガラス円筒体中のプラスチック板上に設置する。
【0101】
200mmの直径及び30mmの高さを有するペトリ皿の中央部に120mmの直径及び10mmの高さ及び多孔度0を有するセラミック濾板が置かれ、液体表面が濾板表面で終わるような程度に0.9質量%の塩化ナトリウム溶液は注入され、この場合濾板の表面は、湿潤されることはない。引続き、90mmの直径及び20μm未満の孔径を有する円形の濾紙(S&S 589 Schleicher & Schuell社の黒色テープ)をセラミック板上に設置する。吸水性ポリマーを含有するプレキシガラス円筒体を、プラスチック板及びおもりと一緒に濾紙上に設置し、そこで60分間放置する。この時間の後、ペトリ皿からの完全なユニットを濾紙から取り除き、かつ引続きおもりをプレキシガラス円筒体から除去する。膨潤されたヒドロゲルを含有するプレキシガラス円筒体は、プラスチック板と一緒に質量を正確に量り、この質量をWbとして記録する。
【0102】
圧力下での吸収量(AUL)は、次のように計算される:
AUL0.7psi[g/g]=[Wb−Wa]/[Wa−W0
また、圧力下での吸収量は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験方法No.442.2−02「圧力下での吸収量(Abdorption under pressure)」によっても測定することができる。
【0103】
圧力0.3psi(2070Pa)下での吸収量(AUL Absorbency Under Load)
測定をAUL0.3psiと同様に実施する。プラスチック板及びおもりの質量は合わせて576gである。
【0104】
抽出可能な成分 16h
吸水性ポリマーの抽出可能な成分の含有率はEDANA(European Disposables and Nonwovens Association)によって推奨された試験方法No.470.2−02「電位差滴定による抽出可能なポリマーの含有率の測定(Determination of extractable polymer content by potentiometric titration)」により測定することができる。
【0105】
水性抽出物の表面張力
乾燥したポリマー0.50gを小さいガラスビーカーに秤量し、かつ0.9質量%の食塩溶液40mlを添加する。ガラスビーカー中の内容物を電磁撹拌棒を用いて500回転/分で3分間撹拌し、次いで2分間放置する。最後に上澄みの水相の表面張力をデジタル式張力計K10−ST又は白金プレートを有する比較可能な装置で測定する(Kruss社)。
【0106】
残留モノマー
吸水性ポリマー中の反応されないエチレン性不飽和モノマーの含有量は、EDANA(European Disposables and Nonwovens Association)により推奨された試験法(No. 410.2-02)「残留モノマー(Residual monomers)」により測定することができる
液体通過性(SFC食塩水の流れの誘導)
0.3psi(2070Pa)の圧力負荷下での膨潤されたゲル層の液体通過性は、EP−A−0640330中の記載と同様に、超吸収性のポリマーからなる膨潤したゲル層のゲル層透過性として測定され、この場合上記の特許出願明細書第19頁及び図8に記載の装置は、ガラスフリット(40)がもはや使用されず、プランジャー(39)が円筒体(37)と同様のプラスチック材料からなり、全載置面にわたって均一に分布するように21個の同じ大きさの孔を含むように十分に変更した。測定の方法及び評価は、EP-A-0 640 330に対して不変のままである。通過流量は、自動的に捕捉される。
【0107】
液体通過性(SFC)は、次のように計算される:
SFC[cm3s/g]=(Fg(t=0)×L0)/(d×A×WP)
上記式中、Fg(t=0)は、g/sでのNaCl溶液の流量であり、これは、流量測定のデータF(t)の線形の回帰分析に基づいてt=0に対する外挿法によって得られ、L0は、cmでのゲル層の厚さであり、dは、g/cm3でのNaCl溶液の密度であり、Aは、cm2でのゲル層の面積であり、かつWPは、dyn/cm2でのゲル層上の静水圧力である。
【0108】
色数
色数はASTM D 1209により測定することができる。
【0109】
嗅覚試験
膨潤し始めた吸水性ポリマーの臭いを評価するために、50mlのビーカーガラス中に乾燥ヒドロゲル2.0gを秤量した。次いで、0.9質量%の食塩水20gを23℃で添加した。膨潤する吸水性ポリマーを有する前記ビーカーガラスを気密に閉鎖し、3分間放置した。その後、閉鎖を解除し、臭いを評価した。試料ごとに、この場合少なくとも3人の試験官により試験し、その際、それぞれ別個の試料を製造した。
【0110】
実施例
実施例1:
プロピレングリコール中の溶液としてN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンを製造
窒素雰囲気下で、プロピレンカルボナート5.1molを23℃で装入した。30〜120分間に、ジエタノールアミン5molを撹拌しながら供給し、その際、反応混合物の温度は上昇した。添加の完了後に、この混合物を10〜120分間120℃に加熱し、この温度で12時間撹拌した。ジエタノールアミンは>98%まで反応し、得られた溶液はN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オン60〜63質量%を含んでいた。
【0111】
実施例2:
プロピレングリコール中の溶液としてN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンを製造、引き続き蒸留
窒素雰囲気下で、プロピレンカルボナート5.1molを23℃で装入した。30〜120分間に、ジエタノールアミン5molを撹拌しながら供給し、その際、反応混合物の温度は上昇した。添加の完了後に、この混合物を10〜120分間120℃に加熱し、この温度で2時間撹拌した。引き続き、10〜20mbarの真空にし、温度を120℃から160℃に高め、プロピレングリコールを留去した。蒸留されない塔底生成物としてほとんど定量的に得られたN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンは、有用生成物96〜98質量%を含有し、かつHazenによる色数0〜15を示した。
【0112】
実施例3:
NaOH触媒でプロピレングリコール中の溶液としてN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンを製造
窒素雰囲気下で、プロピレンカルボナート5.1molを23℃で装入した。30〜120分間に、ジエタノールアミン5molを撹拌しながら供給し、その際、反応混合物の温度は上昇した。添加の完了後に、前記混合物を10〜120分間100℃に加熱した。この温度でNaOH2.5mol%を固体の形で添加し、この温度で2時間撹拌した。ジエタノールアミンは>98%まで反応し、得られた溶液はN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オン60〜63質量%を含んでいた。前記有用生成物はHazenによる色数0〜5を示した。
【0113】
実施例4:
NaOH触媒でプロピレングリコール中の溶液としてN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンを製造、引き続き蒸留
窒素雰囲気下で、プロピレンカルボナート5.1molを23℃で装入した。30〜120分間に、ジエタノールアミン5molを撹拌しながら供給し、その際、反応混合物の温度は上昇した。添加の完了後に、前記混合物を10〜120分間100℃に加熱した。この温度でNaOH2.5mol%を固体の形で添加し、この温度で2時間撹拌した。引き続き、10〜20mbarの真空にし、温度を100℃から160℃に高め、プロピレングリコールを留去した。蒸留されない塔底生成物としてほとんど定量的に得られたN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンは、有用生成物96〜98質量%を含有し、かつHazenによる色数0〜25を示した。
【0114】
実施例5:
プロパン−1,3−ジオール中の溶液としてN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンを製造
実施例1と同様に行うが、1,3−ジオキサン−2−オンをプロピレンカルボナートの代わりに使用した。ジエタノールアミンは>98%まで反応した。
【0115】
実施例6:
NaOH触媒でプロパン−1,3−ジオール中の溶液としてN−(2−ヒドロキシエチル)−オキサゾリジン−2−オンを製造
実施例3と同様に行うが、1,3−ジオキサン−2−オンをプロピレンカルボナートの代わりに使用した。ジエタノールアミンは>98%まで反応した。
【0116】
超吸収体の製造例:
実施例7:
ベースポリマーの製造
Loedige鋤刃ニーダー タイプVT 5R−MK(5リットル容量)中に、脱イオン水460g、アクリル酸213.9g、37.3質量%のアクリル酸ナトリウム溶液(100mol%中和された)1924.9g並びに架橋剤のグリセリン−3EO−トリアクリラート(全体で3箇所エトキシル化されたグリセリンのトリアクリラート)2.29gを装入し、窒素をバブリングさせながら20分間不活性化した。次いで、水12.12g中に溶かした過硫酸ナトリウム2.139g、水9.12g中に溶かしたアスコルビン酸0.046g、並びに水1.15g中に溶かした30質量%の過酸化水素0.127gの(希釈された水溶液の)添加により約20℃で開始させた。開始後に、加熱ジャケットの温度を、調節器を用いて反応器中で反応温度にもたらした。最終的に得られた砕けやすいゲルを160℃で約3時間空気循環乾燥庫中で乾燥させた。
【0117】
乾燥されたベースポリマーを粉砕し、150〜850μmに篩い分けした。
【0118】
このベースポリマーは次の特性を有していた:
CRC=34g/g
AUL0.3psi=13g/g
抽出可能な成分 16h=8.1質量%
残留湿分=1.9質量%
水性抽出物の表面張力=0.0715N/m
実施例8〜14:
実施例7からのベースポリマーの後架橋
実施例7からのポリマー(300〜850μmに篩い分け)20gを、Waring実験室ミキサー中に装入し、鈍角の混合刃を有するアタッチメントを装着した。中速の回転数で、次いで注射器を用いてゆっくりと、前記混合アタッチメントのカバー中にある孔を通して正確に0.80gの後架橋溶液をゆっくりと撹拌しながら添加し、ポリマーをできる限り均一に濡らした。
【0119】
この後架橋溶液は、表1に記載した組成を有していた。それぞれ製造例に記載された最終生成物を使用した。
【0120】
表1:後架橋溶液
【表1】

【0121】
*) 全ての量の数値は、使用したポリマーに対する質量%である。
【0122】
湿らされたポリマーをミキサー中で短時間撹拌することにより均質化し、次いで時計皿で空気循環乾燥庫中で60分間175℃で熱処理した。引き続き、850μmの篩いを通し、形成されたアグロメレートを除去した。
【0123】
後架橋されたポリマーの特性は表2に示されている。
【0124】
表2:後架橋されたポリマー
【表2】

【0125】
*) 全ての量の数値は、使用したポリマーに対する質量%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーを少なくとも1種の後架橋剤で処理し、前記処理の間又は前記処理の後に温度上昇によって後架橋及び乾燥させ、その際、少なくとも1種の後架橋剤は環式カルバマート又は環式尿素であることにより吸水性ポリマーを後架橋する方法において、前記環式カルバマート又は環式尿素がアミノアルコールもしくはジアミンと環式カルボナートとの反応により得られることを特徴とする吸水性ポリマーを後架橋する方法。
【請求項2】
少なくとも1種の後架橋剤で処理されたポリマーを、前記処理の間又は前記処理の後に温度上昇によって後架橋させることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1種の後架橋剤で処理されたポリマーを、前記処理の間又は前記処理の後に乾燥させることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
後架橋剤をジオールと一緒に使用し、前記ジオールは環式カルボナートから遊離されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
ジオールがn,m−ジオールであり、その際、m>nでありかつm−n>1であることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
環式カルバマート又は環式尿素は窒素原子の位置にヒドロキシアルキル基を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
環式カルバマート又は環式尿素を環式カルボナートと一緒に使用することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
アミノアルコールと環式カルボナートとの反応の際に、塩基性触媒を使用することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
塩基性触媒が水酸化ナトリウムであることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法による吸水性ポリマーの後架橋を含む、衛生製品の製造方法。
【請求項11】
n,m−ジオール(その際、m>nでありかつm−n>1である)と、環式カルバマートとを含有し、前記ジオール対カルバマートのモル比が1.1:1〜1:2.5である、混合物。
【請求項12】
ジオール、環式カルバマート及び環式カルボナートを含有し、前記環式カルバマートは窒素原子の位置にヒドロキシアルキル基を有する、混合物。
【請求項13】
アミノアルコールを環式カルボナートと反応させ、前記ジオールは環式カルボナートから遊離されることを特徴とする、請求項11又は12記載の混合物の製造。
【請求項14】
吸水性ポリマーの後架橋のための、請求項11又は12記載の混合物の使用。
【請求項15】
請求項11又は12記載の混合物で後架橋させることにより得られた、吸水性ポリマー。
【請求項16】
ポリマーは、少なくとも25g/gの遠心分離保持能力及び/又は4830Paの圧力で少なくとも20g/gの吸収量及び/又は10質量%より低い抽出可能な成分の含有量を有する、請求項15記載のポリマー。
【請求項17】
ポリマーは、500質量ppmより低い反応されないエチレン性不飽和モノマーを含有する、請求項15又は16記載のポリマー。
【請求項18】
衛生製品及び包装材料中での請求項15から17までのいずれか1項記載の吸水性ポリマーの使用。
【請求項19】
請求項15から17までのいずれか1項記載の吸水性ポリマーを含有する衛生製品。

【公表番号】特表2008−508407(P2008−508407A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−524238(P2007−524238)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008198
【国際公開番号】WO2006/015729
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】