説明

環状オレフィン系樹脂フィルム

【課題】靱性が高く、成形性に優れた環状オレフィン系樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】環状オレフィン系樹脂で構成され、かつトラウザー引裂試験における変移量に対する引裂荷重(N)の振幅(絶対値)を0.5以下のフィルムを調製する。このフィルムは、二軸延伸され、かつ延伸倍率が1.2〜2.5倍であってもよい。前記環状オレフィン系樹脂は、例えば、エチレンなどの鎖状オレフィン類と、ノルボルネンなどのノルボルネン類とを重合成分とするランダム共重合体であってもよい。本発明のフィルムは、環状オレフィン系樹脂が、ノルボルネン類の単位が連なった二連子部位及び三連子部位を含み、前記二連子部位の立体配置において、メソ型とラセモ型との割合が、前者/後者(モル比)≧0.2を充足し、かつ前記三連子部位を、前記共重合体中の全ノルボルネン類の単位に対し、1〜30モル%の割合で含む光学用フィルムであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い靱性を有し、光学用途などに有用な環状オレフィン系樹脂フィルム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環状オレフィン系樹脂は、透明性、耐薬品性、防湿性、機械的特性などに優れるため、光学用途や、医薬又は医療機器用途などの材料として用いられている。例えば、射出成形やブロー成形、押出成形などの各種成形方法によって、レンズや光記録材料などの光学部品、コネクターやコンデンサなどの電気又は電子用部品、薬品用容器や注射器などの医薬又は医療機器用品、ビーカーや光学用セルなどの実験器具などが成形されている。また、環状オレフィン系樹脂は、溶融加工性や流動性にも優れ、フィルム状又はシート状成形品や、ブリスターパッケージなどの包装材料などにも利用されている。なかでも、近年、その優れた透明性が着目され、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などのフラットパネルディスプレイ(FPD)を構成する光学フィルム、例えば、位相差フィルム、偏光フィルム及びそれを構成する偏光素子と偏光板保護フィルム、視野角拡大(補償)フィルムなどへの使用が検討されている。しかし、他の汎用樹脂に比べて、環状オレフィン系樹脂は、靱性などの機械的特性が低く、成形性が充分でない。
【0003】
例えば、環状オレフィン系樹脂の成形性を向上する方法として、特開2005−305941号公報(特許文献1)及び特開2006−130886号公報(特許文献2)には、環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体からなる熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いて物品を溶融成形する方法において、剪断力を受けない状態で加熱することによりゲル発生温度領域の上限Tuより高い温度に昇温させた前記樹脂を混練溶融する物品の成形方法が提案されている。これらの方法では、押出成形などの溶融成形において、樹脂の混練温度を制御することにより、フィッシュアイ(架橋ゲル状物の粒子の発生)を抑制させて、主として成形品の外観を向上させている。
【0004】
しかし、これらの文献には、靱性に関する認識はなく、特に、靱性の低下による成形性の問題、例えば、二次成形における加工性、打ち抜き成形における粉塵の発生などを改善することについて何ら開示も示唆もされていない。
【特許文献1】特開2005−305941号公報(請求項1及び3、段落[0002][0016]、実施例)
【特許文献2】特開2006−130886号公報(請求項1及び3、段落[0002][0016]、実施例)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、靱性が高く、成形性に優れた環状オレフィン系樹脂フィルム及びその製造方法、並びに環状オレフィン系樹脂フィルムの靱性を改善する方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、靱性及び複屈折が高く、光学用途に適した環状オレフィン系樹脂フィルム及びその製造方法、並びに環状オレフィン系樹脂フィルムの靱性を改善する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、トラウザー引裂試験における変移量に対する引裂荷重の振幅が小さい環状オレフィン系樹脂フィルムが、靱性が高く、成形性に優れることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明のフィルムは、環状オレフィン系樹脂で構成され、かつJIS K7128−1に準じたトラウザー引裂試験における変移量(mm)に対する引裂荷重(N)の振幅の最大値(絶対値)が0.5以下である。このフィルムは、二軸延伸され、かつ延伸倍率が、それぞれ1.2〜2.5倍であってもよい。前記環状オレフィン系樹脂は、例えば、エチレンなどの鎖状オレフィン類と、ノルボルネンなどのノルボルネン類とを重合成分とするランダム共重合体であってもよい。本発明のフィルムは、光学用フィルムであってもよく、その場合、環状オレフィン系樹脂は、ノルボルネン類の単位が連なった二連子部位及び三連子部位を含み、前記二連子部位の立体配置において、メソ型とラセモ型との割合が、前者/後者(モル比)≧0.2を充足し、かつ前記三連子部位を、前記共重合体中の全ノルボルネン類の単位に対し、1〜30モル%の割合で含んでいてもよい。
【0009】
本発明には、環状オレフィン系樹脂を押出成形する工程を含む前記フィルムを製造する方法も含まれる。この製造方法は、押出成形したフィルムを、一方向の延伸倍率が1.2〜2.5倍で二軸延伸する工程を含んでいてもよい。
【0010】
さらに、本発明には、環状オレフィン系樹脂で構成されたフィルムにおいて、JIS K7128−1に準じたトラウザー引裂試験における変移量(mm)に対する荷重(N)の振幅の最大値(絶対値)を0.5以下に調整して、フィルムの靱性を改善する方法も含まれる。
【0011】
なお、本明細書において、「ノルボルネン類」を単に「ノルボルネン」と称する場合がある。また、「ノルボルネン類の単位」とは、ノルボルネン類の1又は複数の連鎖(連子)単位を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、トラウザー引裂試験における変移量に対する引裂荷重の振幅が小さい環状オレフィン系樹脂フィルムを用いるため、靱性又は耐折性が高く、成形性に優れている。例えば、本発明のフィルムは、二次成形における加工性が優れ、また打ち抜き成形に供しても、粉塵の発生を抑制できる。さらに、本発明のフィルムは、靱性が高く、かつ複屈折も高いため、光学用途にも適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(環状オレフィン系樹脂)
本発明のフィルムは、環状オレフィン系樹脂で構成されている。本発明では、環状オレフィン系樹脂は、成形性などの点から、鎖状オレフィン類とノルボルネン類とを重合成分とするランダム共重合体が好ましく使用される。
【0014】
鎖状オレフィン類は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。鎖状オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの鎖状オレフィン(α−C2−12鎖状オレフィンなど)などが挙げられる。これらの鎖状オレフィン類は単独で又は二種以上組み合わせてもよい。好ましい鎖状オレフィン類は、α−C2−6鎖状オレフィンであり、さらに好ましくはα−C2−4鎖状オレフィン(特に、エチレン)である。
【0015】
ノルボルネン類には、ノルボルネン及びこの誘導体が含まれる。前記誘導体は、ノルボルネンが1又は複数の置換基で置換された置換体であってもよい。前記置換基としては、例えば、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基などのC1−10アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基などのC5−10シクロアルキル基)、アリール基(例えば、フェニル基などのC6−10アリール基)、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基などのC1−10アルコキシ基など)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基などのC1−10アルコキシカルボニル基)、アシル基(例えば、アセチル基などのC2−5アシル基など)、アミノ基、置換アミノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基(=O)、複素環基(ピリジル基などの窒素原子含有複素環基など)などが挙げられる。好ましい置換基はアルキル基、アルコキシカルボニル基などであり、さらに好ましい置換基は、メチル基などのC1−4アルキル基(特にメチル基)である。置換位置は、特に制限されないが、通常、2−ノルボルネンにおいて、5又は6位に置換される場合が多い。置換基の数は、1〜6、好ましくは1〜4、通常、1又は2であってもよい。
【0016】
具体的なノルボルネン類としては、例えば、2−ノルボルネン;5−メチル−2−ノルボルネンなどのC1−4アルキル−2−ノルボルネン;5,5又は5,6−ジメチル−2−ノルボルネンなどのジC1−4アルキル−2−ノルボルネン;5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネンなどのC1−4アルコキシカルボニル−2−ノルボルネン;5,5又は5,6−ジメトキシカルボニル−2−ノルボルネンなどのジC1−4アルコキシカルボニル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。前記ノルボルネン類は、単独で又は2種以上組み合わせて重合成分としてもよい。好ましいノルボルネン類は、2−ノルボルネン、5−C1−4アルキル−2−ノルボルネン又は5,6−ジC1−4アルキル−2−ノルボルネンであり、特に、2−ノルボルネン又は5−メチル−2−ノルボルネンが好ましい。
【0017】
鎖状オレフィン類とノルボルネン類との割合は、前者/後者(モル比)=90/10〜20/80、好ましくは85/15〜25/75、さらに好ましくは80/20〜30/70(特に75/25〜35/65)程度であってもよい。特に、靱性を向上させる点から、鎖状オレフィン類の割合が多くてもよく、例えば、鎖状オレフィン類/ノルボルネン類(モル比)=90/10〜50/50、好ましくは80/20〜55/45、さらに好ましくは75/25〜60/40程度であってもよい。
【0018】
前記オレフィン−ノルボルネン系共重合体の結合形態は、ランダム共重合である。ランダム共重合においては、通常、単量体が連鎖していない部位(又は非連鎖部位、交互配列部位)と、単量体が連鎖している部位(又は連子部位、ブロック配列部位)とが混在する。例えば、エチレン−ノルボルネン共重合体では、式(1)で表されるように、ノルボルネンが連鎖していない部位と複数連鎖している部位とが存在する。本願明細書では、例えば、前記共重合体中、同一の又は異なるノルボルネン類が2単位連鎖している部位を「ノルボルネン類の単位が連なった二連子部位(二連鎖部位)、ノルボルネン類の二連子部位又はNN−ダイアド」と称し、同一の又は異なるノルボルネン類が3単位連鎖している部位を「ノルボルネン類の単位が連なった三連子部位(三連鎖部位)、ノルボルネン類の三連子部位又はNNN−トリアド」と称する場合がある。なお、前記二連子部位とは、前記三連子部位中に含まれるノルボルネン類が2単位連鎖している部位は含まない意味で用いる。
【0019】
【化1】

【0020】
ノルボルネン類の単位が連なった二連子部位は、共重合体中の全ノルボルネン類の単位に対し、例えば、10〜70モル%、好ましくは12〜60モル%、さらに好ましくは15〜55モル%(特に20〜50モル%)程度であってもよい。
【0021】
また、ノルボルネン類の単位が連なった二連子部位(ノルボルネン類の二連子部位)の立体配置について、共重合体中二連子部位の二組の不斉炭素が同じ立体配置である場合をメソ型(下記式(2))、立体配置が互いに異なる場合をラセモ型(又は、ラセミ型)(下記式(3))と称する。
【0022】
【化2】

【0023】
本発明では、前記共重合体中に含まれるノルボルネン類の二連子部位について、メソ型とラセモ型との割合は、例えば、前者/後者(モル比)が0.2以上(例えば、0.2〜200程度)、好ましくは1以上(例えば、1〜150程度)、さらに好ましくは2以上(例えば、2〜130程度)、特に2.5以上(例えば、3〜120程度)であってもよい。メソ型とラセモ型との割合は、目的又は用途に応じて適宜選択できるが、位相差フィルムなど、複屈折が高い光学フィルムとして使用する場合は、0.5〜20、好ましくは1〜18、さらに好ましくは1.5〜17程度であってもよい。メソ型とラセモ型との割合が前記割合である共重合体は、優れた複屈折、成形性(特に、薄膜成形性)を有する。
【0024】
ノルボルネン類の単位が連なった三連子部位は、光学用途に使用する場合など、固有複屈折の点から、共重合体中の全ノルボルネン類の単位に対し、例えば、1〜30モル%、好ましくは2〜30モル%、さらに好ましくは2.5〜28モル%、特に3〜26モル%(例えば、3.5〜25モル%)程度であってもよい。このような割合で前記三連子部位を含む共重合体は、優れた複屈折、成形性(特に、薄膜成形性)を有する。さらに、前記三連子部位の割合に応じ、位相差の大きさ(特に、厚み方向の位相差の大きさ)を調整することができる。
【0025】
また、ノルボルネン類の単位が連なった三連子部位(ノルボルネン類の三連子部位)の立体配置については、前記と同様に、三連子部位中、ノルボルネン類が2単位連鎖している部位の立体配置を組み合わせて表すことができ、具体的には、メソ−メソ型、メソ−ラセモ型、ラセモ−ラセモ型として表される。光学用途に使用する場合は、固有複屈折の点から、メソ−メソ型を多く有していることが好ましい。
【0026】
ノルボルネン類の単位が連なった二連子部位と三連子部位との割合は、例えば、前者/後者(モル比)が1以上(例えば、1〜30)、好ましくは1.5〜28、さらに好ましくは2〜25、特に2.5〜20(例えば、3〜15)程度であってもよい。また、前記二連子部位と前記三連子部位との合計は、共重合体中の全ノルボルネン類の単位に対し、例えば、10〜90モル%、好ましくは15〜88モル%、さらに好ましくは20〜85モル%(例えば、25〜83モル%)程度であってもよい。
【0027】
なお、前記共重合体は、本発明の特性を損なわない限り、重合成分として他の共重合性単量体を含んでいてもよい。他の共重合性単量体としては、例えば、他の環状オレフィン系単量体(例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのC3−10シクロアルケン、又はこれらの誘導体(アルキル置換体など));ビニルエステル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど);ジエン系単量体(例えば、ブタジエン、イソプレンなど);(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、又はこれらの誘導体((メタ)アクリル酸エステルなど)など)などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。他の共重合性単量体の割合は、全単量体に対し、例えば、0〜50モル%程度の範囲から選択でき、好ましくは1〜40モル%、さらに好ましくは3〜30モル%(特に5〜20モル%)程度であってもよい。
【0028】
前記共重合体のガラス転移温度(Tg)は、60〜190℃程度であり、好ましくは70〜180℃、さらに好ましくは75〜175℃程度である。このような共重合体は、耐熱性、靱性、透明性などに優れている。
【0029】
前記共重合体の数平均分子量は、5000〜300000程度の範囲から選択できるが、通常、10000を超えており、例えば、15000〜200000、好ましくは20000〜100000、さらに好ましくは30000〜80000(特に40000〜70000)程度である。
【0030】
前記オレフィン−ノルボルネン系共重合体を調製する方法は、慣用の方法であってもよく、例えば、重合成分(又は単量体)を付加重合して調製する方法であってもよい。より具体的に、チーグラー触媒又はメタロセン触媒を用いる付加重合により調製してもよい。なお、用いる触媒に応じて、ノルボルネン類の複数の連鎖(連子)部位の立体規則性、すなわち、前記連鎖(連子)部位におけるメソ型とラセモ型との割合を制御してもよい。例えば、メタロセン触媒としてのエチレン−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリドを用い、特開2007−9010号公報(参考例1)記載の方法に準じて、前記連鎖(連子)部位がほぼメソ型である前記共重合体を調製してもよい。また、メタロセン触媒としてのイソプロピリデン−(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを用い、特開2006−83266号公報(実施例1)記載の方法に準じて、前記連鎖(連子)部位がほぼラセモ型(メソ型とラセモ型との割合(前者/後者)が0.06程度)である前記共重合体を調製してもよい。
【0031】
前記の通り、ノルボルネン類の単位が連なった二連子部位及び三連子部位において、前記二連子部位の立体規則性が制御され、かつ前記三連子部位を特定の割合で含有する共重合体で構成されるフィルムは、靱性を向上できる。さらに、高い複屈折、特に、フィルムの面方向より厚み方向に大きな位相差を示すため、位相差フィルムなどの光学フィルムとしても利用できる。
【0032】
(滑剤)
本発明では、前記環状オレフィン系樹脂に滑剤を加えることにより、環状オレフィン系樹脂の流動性を高め、フィルムの成形性を向上できる。滑剤には、低分子量の炭化水素骨格を有する化合物、例えば、ワックス類、脂質類、石油樹脂などが含まれる。
【0033】
ワックス類としては、例えば、脂肪族炭化水素系ワックス(ポリエチレンワックス、エチレン共重合体ワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリC2−4オレフィン系ワックス、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックスなど)、植物性又は動物性ワックス(カルナウバワックス、ミツロウ、セラックワックス、モンタンワックスなど)などが挙げられる。これらのワックス類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0034】
脂質類としては、例えば、高級脂肪酸(例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などのC8−35飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸などのC10−35不飽和脂肪酸など)、高級脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどのC8−35脂肪酸金属塩など)、高級脂肪酸エステル(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどのC8−35脂肪酸エステルなど)、高級脂肪酸アミド(例えば、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなどのC8−35脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなどのアルキレンビス脂肪酸アミドなど)などが挙げられる。
【0035】
これらの滑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの滑剤のうち、脂質類、特に、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などのC8−35飽和脂肪酸、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸マグネシウムなどのC8−35飽和脂肪酸金属塩、ペンタエリスリトールステアリン酸エステルなどのペンタエリスリトールC8−35飽和脂肪酸エステル、エチレンビスステアリン酸アミドやエチレンビスヒドロキシステアリン酸アミドなどのアルキレンビス脂肪酸アミドなどが好ましい。
【0036】
滑剤の割合は、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、例えば、0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜3重量部、さらに好ましくは0.03〜2重量部(特に0.05〜1重量部)程度である。
【0037】
(他の熱可塑性樹脂)
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン系樹脂の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、例えば、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などと組み合わせてもよい。これら他の熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これら他の熱可塑性樹脂のうち、環状オレフィン系樹脂との相溶性などの点から、オレフィン系樹脂が好ましい。
【0038】
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂[例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体など]、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有80重量%以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリ(メチルペンテン−1)樹脂などが挙げられる。オレフィン類以外の他の共重合性単量体との共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなどが例示できる。前記共重合体(オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと共重合性単量体との共重合体)には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。
【0039】
これらのオレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。本発明では、これらのオレフィン系樹脂のうち、低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン系樹脂、特に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。
【0040】
他の熱可塑性樹脂の割合は、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、例えば、100重量部以下であり、好ましくは50重量部以下(例えば、0.1〜50重量部)、さらに好ましくは10重量部以下(例えば、1〜10重量部)程度である。
【0041】
(他の添加剤)
環状オレフィン系樹脂には、必要に応じて、慣用の添加剤、例えば、可塑剤、軟化剤、着色剤、分散剤、離型剤、安定化剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、結晶核成長剤、充填剤(シリカやタルクなどの粒状充填剤や、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維状充填剤など)などを添加してもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0042】
これらの添加剤の割合は、種類に応じて選択すればよく、特に限定されないが、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、例えば、0.01〜100重量部程度の範囲から選択でき、例えば、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部程度である。
【0043】
(フィルム特性)
本発明のフィルムは、JIS K7128−1に準じたトラウザー引裂試験における変移量(mm)に対する引裂荷重(N)の振幅の最大値(絶対値)が0.5以下であり、好ましくは0.4以下、さらに好ましくは0.3以下である。本発明のフィルムは、このような小さい振幅を有することにより、靱性及び耐折性を向上できるため、二次成形における加工性を高め、打ち抜き成形における粉塵の発生を抑制できる。なお、トラウザー振幅が小さいと、変移量に対する引裂荷重で表されるトラウザー波形データのグラフの形状が、スムースな形状を示す。
【0044】
本発明のフィルムの前記トラウザー引裂試験におけるトラウザー強度(引裂荷重)は、特に限定されないが、例えば、0.5〜10N、好ましくは1〜8N、さらに好ましくは1.5〜6N(特に2〜5N)程度である。
【0045】
本発明のフィルムは、透明性も高く、ヘイズ(全ヘイズ)は、例えば、0.01〜30%、好ましくは0.05〜20%、さらに好ましくは0.1〜15%(特に、0.2〜10%)程度である。
【0046】
フィルムの厚みは、例えば、1〜500μm程度の範囲から用途に応じて選択でき、例えば、1〜250μm、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜150μm(例えば、15〜120μm)程度であってもよい。延伸フィルムの場合には、例えば、5〜50μm、好ましくは10〜40μm程度であってもよい。
【0047】
(フィルムの製造方法)
このようなフィルムは、慣用の方法で成膜でき、例えば、溶液流延法、溶融押出法(例えば、Tダイ法、インフレーション法など)、カレンダー法などの成膜法を利用して製造してもよい。通常、溶融押出法を用いて製造される。
【0048】
本発明では、成形されたフィルムは、未延伸であってもよいが、フィルム中での環状オレフィン系樹脂を配向させて、靱性や耐衝撃性などの機械的強度をさらに向上させるとともに、複屈折や透明性などの光学特性も向上させるため、延伸(又は延伸処理)するのが好ましい。
【0049】
延伸は、一軸延伸(例えば、縦延伸又は横延伸)又は二軸延伸(例えば、等延伸又は偏延伸)のいずれであってもよいが、靱性を向上できる点から、二軸延伸(特に縦と横の延伸倍率が同程度の等延伸)が好ましい。
【0050】
延伸倍率は、例えば、一軸延伸及び二軸延伸において各方向(又は一方向)にそれぞれ1.1〜10倍程度の範囲から選択できるが、好ましくは1.2〜2.5倍、さらに好ましくは1.3〜2.3倍(特に1.5〜2倍)程度である。延伸倍率が高すぎると(例えば、3倍以上であると)、延伸の温度制御が困難であり、延伸速度も制限される。延伸温度は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)以上であればよく、例えば、Tg〜Tg+40℃、好ましくはTg+2〜Tg+30℃、さらに好ましくはTg+3〜Tg+20℃(特にTg+5〜Tg+15℃)程度である。
【0051】
延伸処理を施すと、環状オレフィン系樹脂の配向により、フィルムの靱性を向上でき、かつフィルムにさらに大きな位相差を付与できるだけでなく、簡便に薄膜化が可能となる。特に、前記延伸倍率で二軸延伸すると、光学特性と靱性とのバランスが良くなる。本発明では、環状オレフィン系樹脂の種類によっては、延伸前はトラウザー波形の振幅が大きく、靱性の低いフィルムであっても、延伸によって、トラウザーの波形の振幅が小さくなり、本発明のフィルムを調製することも可能である。得られたフィルムは、さらに、熱成形などの二次成形に供してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のフィルムは、環状オレフィン系樹脂で構成され、透明性、耐薬品性、防湿性、機械的特性などに優れるため、電気又は電子用部品(コネクター、フィルム状コンデンサ、絶縁部材(絶縁層)、半導体用備品又は包装材料など)、医薬又は医療機器用品(薬品用容器など)、容器又は包装材料(食品や薬品などのブリスターパッケージ、シュリンクフィルム、飲料用タンク、化粧品容器用キャップなど)などとして利用できる。
【0053】
さらに、本発明のフィルムは、特に光学的特性に優れるため、種々の光学フィルム[例えば、位相差フィルム、偏光フィルム及びそれを構成する偏光素子、偏光板保護フィルム、視野角拡大(補償)フィルム、拡散板(フィルム)、配向膜(配向フィルム)、輝度向上フィルム、反射フィルムなど]として利用でき、特に、高い複屈折を有する薄膜フィルムであるため、位相差フィルムとして用いるのに有効である。また、本発明の光学フィルムは、光学部材に用いるフィルムとして有用である。このような本発明のフィルムを備えた光学部材としては、具体的には、パーソナル・コンピュータのモニタ、テレビジョン、携帯電話、カー・ナビゲーション、タッチパネルなどのFPD装置(例えば、LCD、PDPなど)、カメラ、ビデオなどの光学部品(例えば、レンズ、記録材料など)などが挙げられる。
【実施例】
【0054】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例における物性測定方法は以下の通りである。
【0055】
[ノルボルネン類の単位の含量]
ノルボルネン類の単位の含量は、共重合体を13C−NMR測定して算出した。13C−NMR測定は、NMR装置(ブルカー(BRUKER)社製、AVANCE600MHz)を用いて行った。溶媒として、1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2及びヘキサメチルジシラン(HMDS)の混合溶媒(体積比3:1)を用い、温度108℃で測定した。
【0056】
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツル(株)製、EXSTAR6000DSCを用いて行った。20℃/分の昇温速度で測定した。
【0057】
[耐折性]
MIT耐折試験機((株)東洋製作所製、MID−D)で、回転速度:175cpm、測定荷重:25N(250gf)、屈曲角度:135°の条件でフィルムの折り曲げを繰り返し、折れる間での回数を測定した。
【0058】
[折り曲げ特性]
フィルムを2つ折りにして折り目をつけたとき、割れたフィルムについては「×」の評価とし、割れなかったフィルムについては「○」の評価とした。
【0059】
[トラウザー試験]
JIS K7128−1準じて、トラウザー引裂試験を行い、引裂荷重(N)を測定するとともに、引裂速度50mm/分での引裂における変移量(mm)に対する引裂荷重(N)の振幅で表されたトラウザー波形データを得た。この波形データから、引裂荷重(N)の振幅の最大値(絶対値)を算出するとともに、波形の形状を以下の基準で評価した。
【0060】
○:波形の振幅が小さく、形状もスムース(smooth)である
△:波形の振幅がやや大きく、形状は波が滑らかに上下(smoother swing)している
×:波形の振幅が非常に大きく、形状は波が激しく上下(rough swing)している。
【0061】
[使用した材料]
環状オレフィン系樹脂A:エチレン−ノルボルネン共重合体、Topas Advanced Polymers GmbH社製、商品名「TOPAS8007F04」、数平均分子量51000、ガラス転移温度80℃
環状オレフィン系樹脂B:エチレン−ノルボルネン共重合体、Topas Advanced Polymers GmbH社製、商品名「TOPAS6013S04」、数平均分子量39000、ガラス転移温度138℃
環状オレフィン系樹脂C及びD:以下の方法で調製した。
【0062】
コオーディネーション・ケミストリー・レビューズ(Coordination Chemistry Reviews),Vol.250,p212(2006)及びこの文献に記載されている文献の記載に従い、エチレン−ノルボルネン共重合体である環状オレフィン系樹脂C及び環状オレフィン系樹脂Dを合成した。環状オレフィン系樹脂Cの合成には前記文献に記載されている触媒II−2を用い、環状オレフィン系樹脂Dの合成には前記文献に記載されている触媒VI−1を用いた。
【0063】
滑剤:エチレンビスステアリン酸アミド。
【0064】
実施例1
環状オレフィン系樹脂Aについて13C−NMR測定を行い、エチレンとノルボルネンとの割合(エチレン/ノルボルネン(モル比))、共重合体中の全ノルボルネンの単位に対するノルボルネンの二連子部位の割合(NN−ダイアド(モル%))及び三連子部位の割合(NNN−トリアド(モル%))、ノルボルネンの二連子部位と三連子部位との割合(NN−ダイアド/NNN−トリアド(モル比))、ノルボルネンの二連子部位におけるメソ型とラセモ型との割合(メソ型/ラセモ型(モル比))を求めた。結果を表1に示す。この環状オレフィン系樹脂A100重量部に対し、滑剤を0.1重量部添加したブレンド物を単軸押出機(シリンダー径40mmφ、L/D=30、圧縮比1.7)にTダイ(幅420mm、スリット間隔1.5mm、コートハンガータイプ)を取り付けたフィルム成形装置を使用し、押出温度230℃で、温度60℃に設定した冷却ロール上に押し出して、厚さ約100μmのフィルムを得た。得られたフィルムについての評価結果を表2に示す。
【0065】
比較例1
環状オレフィン系樹脂Bについての特性を実施例1と同様に求め、結果を表1に示す。環状オレフィン系樹脂B100重量部に対し、滑剤を0.1重量部添加したブレンド物を単軸押出機(シリンダー径40mmφ、L/D=30、圧縮比1.7)にTダイを取り付けたフィルム成形装置を使用し、押出温度270℃で、温度120℃に設定した冷却ロール上に押し出して、厚さ約100μmのフィルムを得た。得られたフィルムについての評価結果を表2に示す。
【0066】
比較例2
環状オレフィン系樹脂Bの代わりに環状オレフィン系樹脂Cを用いる以外は比較例1と同様にしてフィルムを得た。結果を表1及び2に示す。
【0067】
実施例2
環状オレフィン系樹脂Bの代わりに環状オレフィン系樹脂Dを用いる以外は比較例1と同様にしてフィルムを得た。結果を表1及び2に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
実施例3
実施例1で得られたフィルムを120mm角にカットし、岩本製作所(株)製の卓上二軸延伸機にクリップ間距離100mm角でセットして、100℃で3分間予熱した後、延伸温度100℃、延伸速度5mm/秒で延伸倍率が1.8倍になるようにMD方向に延伸した後、続けて、延伸温度100℃、延伸速度5mm/秒で延伸倍率が1.8倍になるようにTD方向に逐次二軸延伸を行い、50℃に冷却した後に取り出して、厚さ30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
【0070】
実施例4
比較例1で得られたフィルムを120mm角にカットし、岩本製作所(株)製の卓上二軸延伸機にクリップ間距離100mm角でセットして、160℃で3分間予熱した後、延伸温度160℃、延伸速度5mm/秒で延伸倍率が1.8倍になるようにMD方向に延伸した後、続けて、延伸温度160℃、延伸速度5mm/秒で延伸倍率が1.8倍になるようにTD方向に逐次二軸延伸を行い、50℃に冷却した後に取り出して、厚さ30μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
【0071】
実施例5
比較例1で得られたフィルムの代わりに、比較例2で得られたフィルムを用いる以外は実施例4と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
【0072】
実施例6
比較例1で得られたフィルムの代わりに、実施例2で得られたフィルムを用いる以外は実施例4と同様にして、二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
【0073】
【表2】

【0074】
表2から明らかなように、トラウザー振幅の小さい実施例のフィルムは、耐折性、折り曲げ性が高く、靱性に優れているのに対して、トラウザー振幅の大きい比較例のフィルムは、耐折性、折り曲げ性が低く、靱性も劣る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状オレフィン系樹脂で構成され、かつJIS K7128−1に準じたトラウザー引裂試験における変移量(mm)に対する引裂荷重(N)の振幅の最大値(絶対値)が0.5以下であるフィルム。
【請求項2】
二軸延伸され、かつ延伸倍率が、それぞれ1.2〜2.5倍である請求項1記載のフィルム。
【請求項3】
環状オレフィン系樹脂が、鎖状オレフィン類とノルボルネン類とを重合成分とするランダム共重合体である請求項1又は2記載のフィルム。
【請求項4】
鎖状オレフィン類がエチレンであり、ノルボルネン類がノルボルネンである請求項3記載のフィルム。
【請求項5】
光学用フィルムであり、かつ環状オレフィン系樹脂が、ノルボルネン類の単位が連なった二連子部位及び三連子部位を含み、前記二連子部位の立体配置において、メソ型とラセモ型との割合が、前者/後者(モル比)≧0.2を充足し、かつ前記三連子部位を、前記共重合体中の全ノルボルネン類の単位に対し、1〜30モル%の割合で含む請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム。
【請求項6】
環状オレフィン系樹脂を押出成形する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムを製造する方法。
【請求項7】
押出成形したフィルムを、一方向の延伸倍率が1.2〜2.5倍で二軸延伸する工程を含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
環状オレフィン系樹脂で構成されたフィルムにおいて、JIS K7128−1に準じたトラウザー引裂試験における変移量(mm)に対する引裂荷重(N)の振幅の最大値(絶対値)を0.5以下に調整して、フィルムの靱性を改善する方法。

【公開番号】特開2009−51922(P2009−51922A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219334(P2007−219334)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】