説明

環状ヌクレオチドの細胞内濃度を決定する試験方法

本発明は、環状ヌクレオチドcGMPおよびcAMPの細胞内濃度の光学的定量解析の方法であって、ある種のCNGチャンネル、カルシウム感受性発光タンパク質、および調節物質を発見しようとする別の標的タンパク質を組み合わせて組換え手法により発現する細胞株を使用する方法、に関する。このように改変された細胞株は、ハイスループットスクリーニング(HTSおよびuHTS)に適し、環状ヌクレオチドcGMPおよびcAMPの合成および分解に関与する受容体または酵素の活性に影響する医薬を同定するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、環状グアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)または環状アデノシン3’,5’−一リン酸(cAMP)の細胞内濃度の光学的定量解析の方法に関する。これらの方法は、環状ヌクレオチドcGMPおよびcAMPの合成および分解に関与する受容体または酵素の活性に影響する被験物質の薬理学的性質を特定し評価するのに有用でありうる。その結果、本方法は、例えば可溶性および膜結合性グアニル酸シクラーゼ、ホスホジエステラーゼ(PDE)、NO合成酵素、およびGタンパク質共役受容体(GPCR)の調節物質の発見に適する。
【0002】
本発明は、組換え細胞株を用いてcGMPまたはcAMPの細胞内濃度を測定する方法について述べる。これら細胞株は、環状ヌクレオチドにより活性化される特定のイオンチャンネル(CNGチャンネル)、カルシウム感受性発光タンパク質、および調節物質を発見しようとする受容体または酵素を組み合わせて組換え手法により発現する。本方法は、自動化、および調節物質のためのハイスループットスクリーニング(HTS)並びにウルトラ・ハイスループットスクリーニング(uHTS)に適する。
【0003】
現在のcGMPまたはcAMPの細胞内濃度の測定方法は、放射活性を利用するため非常に高価であり、たとえ自動化可能であっても部分的にすぎず、かつ非常に複雑であるという欠点を有する。
【0004】
cGMPおよびcAMPを決定するための市販の常套的システムは、ラジオイムノアッセイ(RIA;例えば、IBL, Hamburg, Germanyより)、シンチレーション近接解析(Scintillation Proximity Assay)(SPA; Amersham Bioscience, UK)のような放射性技術、および非放射性の酵素免疫吸着測定法(ELISA;例えば、Amersham Bioscience, UKより)である。
【0005】
上記方法は、生細胞における細胞内cGMPおよびcAMP濃度を「in situ」で測定するためには使用できない。測定を行うには、細胞を壊し、次いでその環状ヌクレオチドを抽出する必要がある。
【0006】
細胞内cAMPを測定する別の方法は、誘導性プロモーターシステム(「cAMPレスポンスエレメント」、CRE)およびルシフェラーゼ酵素を用いる測定である(Goetz et al., J. Biomol. Screen. (2000) 5 377-384)。しかしながらこの方法は、シグナルの形成に転写と翻訳の両方が起こる必要があり、測定が数時間かかるという欠点を有する。このように、この方法は細胞における実際のcAMP濃度を迅速に測定するのには適さない。
【0007】
本発明の目的は、cGMPおよびcAMPの細胞内濃度を測定するための、非放射性改良方法を発見することである。ここで意図するのは、その測定を極めて迅速に、かつ高感度に行えるようにすることである。本方法は、自動化可能であり、かつサンプルまたは被験化合物のハイスループットスクリーニング(HTSまたはuHTS)に適さなければならない。
【0008】
本発明における被験化合物は、好ましくは、分子量が100から500または100から1000またはそれ以上である化学的小分子化合物である。これら化合物は、本発明の方法において個々に、または混合物として使用することができる。本発明における被験化合物はまた、抗体、天然物質、天然物質の抽出物、ペプチド、タンパク質、および核酸を包含する。このリストは単なる例示であり、限定的でないと理解されるべきものである。
【0009】
細胞内cAMPまたはcGMPレベルに影響する酵素および受容体のためのスクリーニングシステムを構築するため、環状ヌクレオチドにより活性化される様々なイオンチャンネル(CNGチャンネル)が、単独で、または各種組み合わされ、更にカルシウム感受性発光タンパク質を組換え手法により発現する細胞にトランスフェクトされる。ハイスループットスクリーニングに対する細胞の適性を試験するため、これらの細胞には続いて様々な酵素または受容体がトランスフェクトされる。可溶性グアニル酸シクラーゼは刺激後に細胞内cGMPを産生することができるので、これには例えば可溶性グアニル酸シクラーゼの使用が含まれる。使用可能な受容体の一例は、活性化後に細胞内cAMP濃度の上昇を誘発するβ−アドレナリン受容体である。
【0010】
CNGチャンネルは、環状ヌクレオチドcGMPおよびcAMPによって開口する膜内在性タンパク質である。このイオンチャンネルファミリーは、ナトリウム、カリウム、およびカルシウムイオンを透過可能な非選択的カチオンチャンネルである。機能的チャンネルは、同じ、または相異なる4つのサブユニットより構成される(ホモ−またはヘテロテトラマー)。cGMPおよびcAMPに対する感受性は、様々なサブユニットを組み合わせることにより操作することができる(Biel et al. TCM (1996) 6, 274-280; Kaupp and Seifert, Physiol. Rev. (2002) 82, 769-824)。チャンネルサブユニットのCNG1-CNG6(より最近の命名によればCNGA1-CNB3とも呼ばれる)が、単離され公開されている (Bradley et al., Science (2001) 294, 2095-2096)。また、例えばCNG4.3のようなスプライスバリアントも存在する (Sauter et al., PNAS (1998) 95, 4696-4701)。
【0011】
細胞内cGMPまたはcAMP濃度が上昇すると、CNGチャンネルが開口し、それによりカルシウムイオンが流入する。流入したカルシウムはその後、FURA、Fluo-3等のようなカルシウム感受性発光インジケーター、またはエクオリンまたはオベリンのようなカルシウム感受性発光タンパク質により検出することができる。
【0012】
クラゲのエクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)由来の発光タンパク質であるエクオリンは、細胞における高感度なカルシウムインジケーターである。エクオリン複合体は、アポエクオリンタンパク質、分子酸素、および発光基質のセレンテラジンより構成される。この複合体は、カルシウム(Ca2+イオン)の存在下青色光を放射し、その最大発光は466 nmである (Jones et al., Trends Biotechnol. (1999) 17, 477-481)。
【0013】
別の発光タンパク質は、例えば、オベリア・ロンギッシマ(Obelia longissima)のような各種ヒドロ虫類から単離されているオベリンである。それは、アポオベリン、O2、および発光基質のセレンテラジンより構成される。同様に、カルシウムの存在下青色光が放射される (Illarionov et al., Methods Enzymol. (2000) 305, 223-49)。
【0014】
グアニル酸シクラーゼは、GTPからcGMPを産生するのに関与する。可溶性および膜結合性グアニル酸シクラーゼが区別される。可溶性グアニル酸シクラーゼは、α1サブユニットとβ1サブユニットより構成されるヘテロダイマーである。それは、内皮性NO合成酵素によって産生される一酸化窒素(NO)の天然受容体であり、よってSIN-1のようなNO放出物質によって薬理学的に活性化することもできる。グアニル酸シクラーゼにより産生されたcGMPは血管の弛緩を誘発するので、この酵素は非常に興味深い薬理学的ターゲットである (Hobbs AJ., TIPS (1997) 18, 484-491)。膜結合性グアニル酸シクラーゼは、膜貫通部分を有し、ANP、BNP、CNPまたはグアニリンのような様々なアゴニストにより活性化される (Wedel and Garbers, Annual Rev. Physiol. (2001) 63, 215-233).
【0015】
他の薬理学的に興味深いタンパク質ファミリーは、「Gタンパク質共役受容体」(GPCR)である。これらは、細胞外ホルモンの作用を細胞内部へ伝達することができる膜内在性タンパク質である。cAMPまたはカルシウムの細胞内レベルは、これら受容体の各種Gタンパク質とのカップリングの影響を受ける。「Gq共役受容体」が活性化されると、内部貯留からカルシウムが放出され、細胞内カルシウム濃度が上昇する。「Gs共役受容体」が活性化されると結果としてcAMP濃度が上昇するが、一方「Gi共役受容体」が活性化されると細胞内cAMP量が減少する (Gurrath M., Curr. Med. Chem. (2001) 8, 1605-1548)。Gs共役受容体の例は、イソプレナリンのようなアゴニストにより刺激できる「β−アドレナリン受容体」である (Dzimiri N., Pharmakol. Rev. (1999) 51, 465-501)。
【0016】
グアニル酸シクラーゼおよびGPCRによりそれぞれ産生される環状ヌクレオチドcGMPおよびcAMPは、「ホスホジエステラーゼ」(PDE)によって加水分解され、それぞれGMPおよびAMPを生じる。ホスホジエステラーゼは、メンバーが基質特異性、調節および体内での発現パターンの点で明確に異なる酵素ファミリーである (Francis et al., Prog. Nucleic Acid Res. Mol. Biol. (2001) 65, 1-52)。PDEは、細胞内cAMPおよびcGMPレベルの調節の重要な部分を担い、それゆえ同様に薬理学的処置の重要なターゲットである。
【0017】
驚くべきことに、CNG3チャンネル(配列番号:5、アクセションNo. X 89600)、または特にCNG2チャンネル(配列番号:1、アクセションNo. X55010)を発光タンパク質と組み合わせると、細胞内cGMP濃度の変化を検出するのに特に適することがわかった(図1)。
【0018】
同様に驚くべきは、細胞内cAMP濃度の変化の検出に非常に適することがわかった、CNG2/CNG4.3/CNG5(配列番号:1/配列番号:2、アクセションNo. AJ000515/配列番号:3、アクセションNo. U12623)および発光タンパク質の組み合わせである(図3)。CNG2(T537A)/CNG4.3/CNG5(配列番号:4/配列番号:2/配列番号:3)と発光タンパク質との組み合わせは、cAMP測定に特に適することがわかった。CNG2変異体であるCNG2(T537A)(配列番号:4)は、537番目のアミノ酸のスレオニンがアラニンと置換されている(Altenhofen et al., PNAS (1991) 88, 9868-9872)。
【0019】
組換え細胞株は、pcDNA1.1 Amp または pcDNA3 (Invitrogen Life Technologies)のような一般的ベクターを用いて調製することができる。一般的トランスフェクション試薬、例えばリポフェクタミン(Invitrogen Life Technologies)が、対応のプラスミド構築物をトランスフェクトするために使用することができる。
【0020】
測定のため、細胞は、384ウェルマイクロタイタープレート(MTP)に各ウェル1500細胞で、および1536ウェルMTPに各ウェル250細胞で播種する。37℃、5%CO2環境下で1-2日成長させた後、細胞培養培地(10%ウシ胎児血清含有DMEM/F12)を除去し、37℃、5%CO2環境下、カルシウム不含タイロード液(Tyrode’s)中でその細胞に3時間セレンテラジン (0.8 μg/ml)を負荷する。続いて、被験物質および適当な対照物質(例えば、SIN-1またはイソプレナリン)をカルシウム不含タイロード液中で添加し、細胞上で5-10分インキュベートする。実際の測定は、電荷結合素子カメラを用いて、遮光箱内でカルシウム含有タイロード液を櫛状物で添加することにより行う(最終カルシウム濃度:3 mM)。
【0021】
物質の作用を直接測定するには、カルシウム含有タイロード液中で細胞にセレンテラジンを負荷する。そしてその物質を遮光箱内で添加し、物質の添加とともにすぐに測定を開始する(図5)。
【0022】
この方法の利点は、測定の高感度性、測定点ごとの低コスト性、およびHTSおよびuHTSへの適性である。本方法は、シグナル−ノイズ比に優れ、50-150の刺激因子を得ることができる。更に、シグナルが数秒後には観察できることから(図5)、被験物質の適用を非常に短時間とすることが可能である。このことは、使用する細胞に対する被験物質の非特異的作用(例えば、細胞傷害活性によるもの)が最小限になるという利点を有する。本方法は更に、cAMPレベルの変化(Gs共役およびGi共役)と細胞内カルシウム濃度の変化(Gq共役)の両方を発光または蛍光測定により観察することが可能なため、「オーファン受容体」(天然リガンドが知られていない受容体)を特徴決定するのに適する。
【0023】
本発明は、CNGチャンネルを発光タンパク質とともに発現する細胞を調製して使用し、そして環状ヌクレオチドの細胞内濃度を発光タンパク質の発光シグナルにより決定することを特徴とする、環状ヌクレオチドの細胞内濃度を決定する方法に関する。
【0024】
本発明は同様に、CNGチャンネルがCNG2またはCNG3チャンネルである前記方法に関する。
【0025】
本発明は、環状ヌクレオチドがcGMPである前記方法を包含する。
【0026】
本発明は同様に、環状ヌクレオチドがcAMPであり、かつCNG2/CNG4.3/CNG5チャンネルの組み合わせを発現する細胞を調製して使用する、前記方法に関する。
【0027】
本発明はまた、環状ヌクレオチドがcAMPであり、CNG2(T537A)/CNG4.3/CNG5チャンネルの組み合わせを発現する細胞を調製して使用する、前記方法に関する。
【0028】
本発明は、発光タンパク質がエクオリンである前記方法に関する。
【0029】
本発明はまた、発光タンパク質がオベリンである前記方法に関する。
【0030】
本発明は、受容体リガンドを同定するために被験化合物をスクリーニングする方法であって、前記方法のいずれかを使用し、ここで前記受容体を発現し、かつ測定可能な前記イオンチャンネルを介するイオン流の変化を受容体−リガンド結合が引き起こすことを可能とする細胞内伝達系を有する細胞を用い、前記細胞を被験物質とインキュベートし、それらのうち発光を変化させるものを選択する方法、に関する。
【0031】
本発明はまた、受容体がGタンパク質共役受容体である本タイプの方法に関する。
【0032】
本発明はまた、受容体がオーファン受容体である対応の方法に関する。
【0033】
本発明は更に、ホスホジエステラーゼの調節物質を同定するために被験化合物をスクリーニングする方法であって、前記方法のいずれかを使用し、ここでホスホジエステラーゼを発現する細胞を用い、前記細胞を被験物質とインキュベートし、それらのうち発光を変化させるものを選択する方法に関する。
【0034】
本発明は同様に、グアニル酸シクラーゼの調節物質を同定するために被験化合物をスクリーニングする方法であって、前記方法のいずれかを使用し、ここでグアニル酸シクラーゼを発現する細胞を用い、前記細胞を被験物質とインキュベートし、それらのうち発光を変化させるものを選択する方法に関する。
【0035】
本発明はまた、NO合成酵素の調節物質を同定するために被験化合物をスクリーニングする方法であって、前記方法のいずれかを使用し、ここでNO合成酵素および可溶性グアニル酸シクラーゼを発現する細胞を用い、前記細胞を被験物質とインキュベートし、それらのうち発光を変化させるものを選択する方法を包含する。
【0036】
本発明はまた、NO合成酵素と可溶性グアニル酸シクラーゼが異なる細胞で発現する対応の方法に関する。
【0037】
本発明はまた、前記方法のいずれかによって調製された細胞に関する。
【実施例】
【0038】
例えば、cGMP測定系としてCNG2チャンネル(配列番号:1)をカルシウム感受性発光タンパク質と共に発現する細胞株に可溶性グアニル酸シクラーゼを更に発現させると、グアニル酸シクラーゼ刺激物質であるSIN-1によって用量依存的に細胞内cGMP濃度を上昇させることができ、増強された発光シグナルを検出することができる(図2)。
【0039】
例えば、cAMP測定系としてCNGチャンネルサブユニットCNG2(T537A)/CNG4.3/CNG5(配列番号:4/配列番号:2/配列番号:3)をカルシウム感受性発光タンパク質と共に発現する細胞にβ−アドレナリン受容体を更に発現させると、イソプレナリンによるこの受容体の活性化によって用量依存的にcAMP濃度が上昇し、発光が増強される(図4)。カルシウム含有タイロード液中で細胞にセレンテラジンを負荷する場合、アゴニストのイソプレナリンもまた遮光箱内で直接細胞に添加すればよい。発光シグナルは、その後数秒以内に観察されるであろう(図5)。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】細胞内cGMP濃度を決定するための方法の略図。
【図2】SIN-1による可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化後の発光の測定。「相対的光ユニット」(RLU)は、1分間測定した。この間に表示のSIN-1濃度で測定した光量を示す。
【図3】細胞内cAMP濃度を決定するための方法の略図。
【図4】イソプレナリンによるβ−アドレナリン受容体活性化後の発光の測定。イソプレナリンとのインキュベーション時間は、カルシウム不含タイロード液中で10分、である。測定は、カルシウムの添加により開始する。相対的光ユニット(RLU)は、秒間隔で測定する。イソプレナリン 0 M(星)、10-7 M(四角)、および10-6 M (三角)との事前のインキュベーションおよびカルシウム添加の後の、発光シグナルのタイムコースを示す。
【図5】カルシウム含有タイロード液におけるイソプレナリンによるβ−アドレナリン受容体活性化後の発光シグナルの速度。測定は、遮光箱内でアゴニストであるイソプレナリン(10-6 M)を添加するとともに開始する。
【配列表】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を特徴とする、環状ヌクレオチドの細胞内濃度を決定する方法:
i)CNGチャンネルを発光タンパク質と共に発現する細胞を調製して使用する、および
ii)該発光タンパク質の発光シグナルによって環状ヌクレオチドの細胞内濃度を決定する。
【請求項2】
CNGチャンネルがCNG2またはCNG3チャンネルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
環状ヌクレオチドがcGMPである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
環状ヌクレオチドがcAMPであり、CNG2/CNG4.3/CNG5チャンネルの組み合わせを発現する細胞を調製して使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
環状ヌクレオチドがcAMPであり、CNG2(T537A)/CNG4.3/CNG5チャンネルの組み合わせを発現する細胞を調製して使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
発光タンパク質がエクオリンである、請求項1から5に記載の方法。
【請求項7】
発光タンパク質がオベリンである、請求項1から5に記載の方法。
【請求項8】
受容体リガンドを同定するために被験化合物をスクリーニングする方法であって、請求項1から7のいずれかに記載の方法を使用し、ここで該受容体を発現し、かつ測定可能な該イオンチャンネルを介するイオン流の変化を受容体−リガンド結合が引き起こすことを可能とする細胞内伝達系を有する細胞を用い、該細胞を被験物質とインキュベートし、それらのうち発光を変化させるものを選択する方法。
【請求項9】
受容体がGタンパク質共役受容体である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
Gタンパク質共役受容体がオーファン受容体である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ホスホジエステラーゼの調節物質を同定するために被験化合物をスクリーニングする方法であって、請求項1から7のいずれかに記載の方法を使用し、ここでホスホジエステラーゼを発現する細胞を用い、該細胞を被験物質とインキュベートし、それらのうち発光を変化させるものを選択する方法。
【請求項12】
グアニル酸シクラーゼの調節物質を同定するために被験化合物をスクリーニングする方法であって、請求項1から7のいずれかに記載の方法を使用し、ここでグアニル酸シクラーゼを発現する細胞を用い、該細胞を被験物質とインキュベートし、それらのうち発光を変化させるものを選択する方法。
【請求項13】
NO合成酵素の調節物質を同定するために被験化合物をスクリーニングする方法であって、請求項1から7のいずれかに記載の方法を使用し、ここでNO合成酵素および可溶性グアニル酸シクラーゼを発現する細胞を用い、該細胞を被験物質とインキュベートし、それらのうち発光を変化させるものを選択する方法。
【請求項14】
NO合成酵素と可溶性グアニル酸シクラーゼが異なる細胞で発現する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに従い調製された細胞。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−520203(P2006−520203A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504569(P2006−504569)
【出願日】平成16年3月6日(2004.3.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002317
【国際公開番号】WO2004/083803
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】