説明

甘酒の製造方法

【課題】アルカリイオン水を利用して漢方薬抽出液を準備して、前記漢方薬抽出液を利用して麦芽浸出液及び蒸熟した穀類を製造した後、これを混合、糖化することで、甘酒の摂取だけで漢方薬の有効成分を採ることができるようにした甘酒の製造方法を提供する。
【解決手段】漢方薬を精製水または蒸留水に浸漬する段階と、前記浸漬された漢方薬にアルカリイオン水を加えた後、80〜95℃の温度で抽出して、漢方薬抽出液を製造する段階と、粉末化された麦芽を前記製造された漢方薬抽出液に浸漬させる段階と、前記浸漬された麦芽と該麦芽を浸漬するために使用された漢方薬抽出液を共に粉砕及び濾過して麦芽浸出液を製造する段階と、穀類を前記製造された漢方薬抽出液に浸漬させる段階と、前記浸漬された穀類を蒸熟する段階と、前記麦芽浸出液と蒸熟した穀類を混合した後、60〜70℃で糖化する段階と、を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、甘酒の製造方法に関するものであり、より詳細には、アルカリイオン水を利用して漢方薬抽出液を準備し、前記漢方薬抽出液を利用して、麦芽浸出液及び蒸熟した穀類を製造した後、これらを混合、糖化し、甘酒の摂取だけで漢方薬の有効成分を採ることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
甘酒は、韓国の伝統的な飲み物として、次のような方法で製造される。
【0003】
先ず、米で飯を炊くか、または蒸熟した後、麦芽を飲み水に浸出する。そして、前記浸出水と米で炊いたご飯を共に60〜70℃で5〜7時間糖化した後、食感を良くするために砂糖を加えるか、または生姜を加えて沸かすことで甘酒の製造を完了する。
【0004】
しかし、このような甘酒製造方法は、麦芽を飲み水に浸出してなる浸出水、すなわち糖化酵素のみを抽出して利用することで、元々の麦芽中に含有されていたミネラル、食餌繊維素、ビタミンなどを十分に採ることができない問題点があった。併せて、前記浸出水と共に米のみを混合して糖化したものであり、多様な栄養素の摂取が難しい問題点があった。
【0005】
また、先行技術として挙げた特許文献1は、癌予防機能性漢方薬甘酒製造方法に関するものであり、ハルニレの皮と梔子粉末、葛根粉末、桑の葉粉末及び麦芽と共に熱抽出して甘酒ご飯を糖化するものである。
【0006】
特許文献2は、きのこ甘酒を製造する方法に関するものであり、きのこ菌を甘酒に接種して沸かして服用するものである。特許文献3は砂糖無し甘酒製造でヤーコン汁を砂糖代わりに使ったものである。特許文献4は、桑黄きのこ甘酒製造に関するものである。特許文献5は、機能化させた米で炊飯したご飯と五味子を主題にしたスポーツ飲料用甘酒製造法である。
【0007】
特許文献6は、甘露甘酒製造方法に関するものであり、茶の葉を沸かした水を甘酒製造に使ったものである。特許文献7は蓮根甘酒の製造方法として、蓮根を沸かしてその水で甘酒を製造したものである。特許文献8は深層数を利用して甘酒を製造したものである。
【0008】
特許文献9は、桑黄きのこ抽出液を利用したものである。特許文献10は、甘酒濃縮液製造方法で麦芽抽出物を濃縮して甘酒を製造したものである。特許文献11は乳酸菌と酵母菌株を利用した甘酒製造に関するものである。特許文献12は、乳酸菌甘酒及びその製造方法を提示したものである。
【0009】
また、特許文献13は、甘酒製造後高麗人参、カボチャ、トックリイチゴを加えて煮って使用するものである。特許文献14は、機能性甘酒製造方法で甘酒に緑茶、五加皮を加えて沸かした後プロポリスを加えたものである。特許文献15は甘草とトウキ含有甘酒製造である。特許文献16は、五加皮を利用した甘酒製造である。特許文献17は、砂糖無しの高麗人参甘酒製造である。
【0010】
特許文献18は、漢方薬抽出液、果物及びカボチャを利用したものである。特許文献19は、即席甘酒粉末とその製造方法で米を蒸熟して粉末化して、麦芽に乾燥アイスを加えて冷凍して粉末化した後、澱粉粉と麦芽粉に精製酵素を加えて水を加えて60℃で糖化したものである。
【0011】
しかし、前記した先行技術としての特許文献はすべて麦芽から糖化酵素のみを抽出して使ったものであり、すなわち、麦芽浸出水のみを使ったものであり、麦芽の有効成分を十分に活用することができなかった問題点があることは勿論、粉末甘酒としての製造が難しくて流通に困難があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2004−0075643号
【特許文献2】韓国公開特許第10−2001−0089859号
【特許文献3】韓国登録特許第10−0801574号
【特許文献4】韓国公開特許第10−2004−0061940号
【特許文献5】韓国公開特許第10−2004−0077070号
【特許文献6】韓国公開特許第10−2006−0001130号
【特許文献7】韓国公開特許第10−2005−0060432号
【特許文献8】韓国公開特許第10−2009−0053272号
【特許文献9】韓国公開特許第10−2006−0122380号
【特許文献10】韓国登録特許第10−0431078号
【特許文献11】韓国公開特許第10−2003−0010356号
【特許文献12】韓国公開特許第10−2002−0089213号
【特許文献13】韓国公開特許第10−2009−0065427号
【特許文献14】韓国公開特許第10−2009−0005690号
【特許文献15】韓国公開特許第10−2008−0107798号
【特許文献16】韓国登録特許第10−0722514号
【特許文献17】韓国公開特許第10−2006−0034317号
【特許文献18】韓国公開特許第10−2003−0016195号
【特許文献19】韓国公開特許第10−2003−0046526号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、前記した従来技術の問題点を解消し、麦芽を粉末化して利用することで麦芽内の有効成分(ジアスターゼ、インベルターゼ(invertase)、ビタミンB、脂肪、燐脂質、デキストリン、マルトース、グルコース等)をそのまま採ることができるようにすることである。
【0014】
また、甘酒を粉末として製造することで、流通が容易で有効期間を延ばせるようにすることである。
【0015】
さらに、甘酒に漢方薬抽出液の有効成分が含まれることで、甘酒の摂取だけで漢方薬の有効成分を同時に採ることができる効果を有するようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記した目的を達成するための本発明の甘酒製造方法は、漢方薬を精製水または蒸留水に浸漬する段階と、前記浸漬された漢方薬にアルカリイオン水を加えた後、80〜95℃の温度で抽出して漢方薬抽出液を製造する段階と、粉末化された麦芽を前記製造された漢方薬抽出液に浸漬させる段階と、前記浸漬された麦芽と前記麦芽を浸漬するために使用された漢方薬抽出液を共に粉砕及び濾過して麦芽浸出液を製造する段階と、穀類を前記製造された漢方薬抽出液に浸漬させる段階と、前記浸漬された穀類を蒸熟する段階と、前記麦芽浸出液と蒸熟した穀類を混合した後、60〜70℃で糖化する段階と、を含んでなることを特徴とする。
【0017】
そして、前記麦芽浸出液と蒸熟した穀類を混合する段階時に、これに前記浸漬された漢方薬にアルカリイオン水を加えた後、80〜95℃の温度で抽出して漢方薬抽出液を製造する段階を通じて製造された漢方薬抽出液をさらに混合することを特徴とする。
【0018】
そして、前記糖化する段階後、前記糖化された糖化液に葡萄糖、大豆蛋白、乳酸カルシウム、オリゴ糖、黒砂糖、難消化性デキストリン、低分子アルギン酸ナトリウム及び生姜抽出物でなされた群のうちから選択された1種または2種以上を加えて90〜100℃で加熱して甘酒を製造する段階をさらに含んでなることを特徴とする。
【0019】
そして、前記製造された甘酒を粉末化することを特徴とする。
【0020】
そして、前記製造された甘酒にコーヒーまたは天然カカオポリフェノールをさらに混合することを特徴とする。
【0021】
そして、前記漢方薬抽出液を準備する段階後、前記用意した漢方薬抽出液を減圧濃縮する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0022】
そして、前記漢方薬は甘草、桔梗、水参、乾参、紅参、拘杞子、五味子、蛇床子、兎糸子、蓮根、山薬、韭菜、鹿茸、トックリイチゴ、何首烏、山茱萸、黄精、桑椹子、金銀花、銀杏、韭菜子、韭菜根、たまねぎ、決明子、南瓜仁、ノニ、トウキ、オウギ、センキュウ、麦門冬、天門冬、地骨皮、桂皮、乾薑、熟地黄、乾地黄、生地黄、生姜、沙參、陳皮、蒲公英、楡根皮、杜沖、梅、木瓜、丁香、茴香、小葉、桑葉及び桑白皮からなる群のうちから選択された1種または2種以上のものであることを特徴とする。
【0023】
そして、前記穀類は、米、もち米、麦、小麦、粟、とうもろこし及びモロコシキビのうちから選択された1種または2種以上のものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、甘酒の摂取だけで多様な漢方薬の有効成分を採る効果を有するようになって、従来の麦芽使用量を1/2程度に減らすことができて材料が節約される。
【0025】
また、漢方薬を種々の効能別に選別して製品化することができて、消費者らの必要によって多様な漢方薬の有効物質が含まれた甘酒を選択することができるようになるし、粉末甘酒への製造が可能で即席甘酒としての活用が可能で甘酒の流通期限を延ばすことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を詳しく説明すれば次のようである。
【0027】
先ず、本発明で使用される漢方薬抽出液を次のような方法で準備する。
【0028】
漢方薬を厳選した後、厳選された漢方薬を精製水または蒸留水に浸漬して不純物を除去する。この時、前記浸漬時間は2〜5時間が望ましいところ、これは漢方薬表面に付着された不純物と残留農薬及び有害重金属類を十分に除去するためである。ここで、前記精製水または蒸留水の量は限定されず、漢方薬が精製水または蒸留水に十分に浸漬されることができる程度なら十分である。
【0029】
浸漬が完了すれば、前記浸漬された漢方薬を精製水できれいに洗浄するのに、3〜5回程度繰り返し洗浄して不純物をきれいに除去する。
【0030】
洗浄が完了すれば、前記浸漬、洗浄完了された漢方薬にアルカリイオン水を加えた後、80〜95℃の温度で3〜5時間抽出して漢方薬抽出液を準備する。この時、前記抽出温度が80℃未満では漢方薬の有効物質が十分に抽出されることができず、抽出温度が95℃を超過すれば過度なエネルギーが必要となって経済的ではなく、抽出時間も3時間未満では有効物質の十分な抽出が難しく、5時間を超えてもそれ以上の有効物質の抽出が難しいからである。
【0031】
一方、前記浸漬された漢方薬にアルカリイオン水を加える時、前記アルカリイオン水のみを加えることもできるが、アルカリイオン水に少しの葡萄糖などの糖類を混合した後、前記糖類が混合されたアルカリイオン水を漢方薬に加えることもできる。この時、その葡萄糖の混合比はアルカリイオン水100重量部を基準で、糖類5〜30重量部になるようにする。
【0032】
前記糖類を混合する理由は、溶質と溶媒関係で浸透圧現象を利用することで、抽出が容易になされるようにするためである。すなわち、抽出対象物である漢方薬を溶質として設定し、糖類を含んだアルカリイオン水を溶媒として設定して、二つの物質の間に濃度差を生じさせることで浸透圧現象を利用した抽出方法を提示するものである。
【0033】
この時、前記使用される糖類としては、天然甘味料及び糖アルコール類を利用することができる。前記天然甘味料としては、オリゴ糖、葡萄糖、イソマルト、キシリトール、マルトース、果糖、蜂蜜、パラチノース(palatinose)、羅漢果抽出物、飴、砂糖、ステビオサイド、酵素処理ステビアのうちから選択された1種または2種以上のものを使用することができる。また、糖アルコール類としてエリスリトル、イソマルトを使用することができる。前記浸透圧現象に対しては下記で再び説明するようにする。
【0034】
ここで前記糖類の混合であると表現したが、前記糖類がアルカリイオン水に十分に溶解された状態を言うことは当然である。
【0035】
一方、本発明でアルカリイオン水を使用する理由は、アルカリイオン水の湧出力が優秀で還元力が強くて熱伝導効果も良くて、水溶液のうちにはイオン化された人体に必要なミネラルカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)が多く含有されているためであり、その量は漢方薬と1:1〜2重量比程度になるように投入すれば十分である。
【0036】
そして、前記のように用意した漢方薬抽出液は、そのまま使用することもできるが、これを濾過して減圧濃縮(bp20、40〜60℃)して使用することが望ましいところ、40〜50ブリックス(Brix)にエキス化することで、漢方薬抽出液の準備を完了するものである。
【0037】
前記漢方薬抽出液は、後工程で前記麦芽と穀類を浸漬するために使用されることは勿論、麦芽浸出水と蒸熟した穀類の混合時にもさらに混合されるので、十分に準備するようにする。
【0038】
ここで、前記漢方薬としては、甘草、桔梗、水参、乾参、紅参、拘杞子、五味子、蛇床子、兎糸子、蓮根、山薬、韭菜、鹿茸、トックリイチゴ、何首烏、山茱萸、黄精、桑椹子、金銀花、銀杏、韭菜子、韭菜根、たまねぎ、決明子、南瓜仁、ノニ、トウキ、オウギ、センキュウ、麦門冬、天門冬、地骨皮、桂皮、乾薑、熟地黄、乾地黄、生地黄、生姜、沙參、陳皮、蒲公英、楡根皮、杜沖、梅、木瓜、丁香、茴香、小葉、桑葉及び桑白皮からなる群のうちから選択された1種または2種のものを使用することができる。
【0039】
この時、前記漢方薬を2種以上使用時、すなわち、複合方としては治療概念よりは免疫機能強化と滋養強壮などに汎用される双和湯、四物湯、聰明湯、晟玉膏、鹿茸大補湯、十全大補湯、生脈散八物湯、益壽永眞膏、六味地黄湯などを使用するようにする。
【0040】
前記のように漢方薬抽出液が製造されれば、麦芽を前記製造された漢方薬抽出液に4〜5時間浸漬させる。この時、前記麦芽はそのまま使用するものではなく、100〜150メッシュ程度に粉末化して浸漬させるものである。
【0041】
この時、前記粉末化された麦芽と漢方薬抽出液は、1:4〜6重量比程度にすることが望ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0042】
本発明では麦芽をそのまま使わないで粉末化して使用するために、麦芽内に含有された各種ミネラル類、食餌纎維素、ビタミン類、微量のGABA(ギャバ)も共に採ることができるものであり、在来式方法に比べて麦芽の使用量を1/2のみを使用しても十分な糖化が可能になる。
【0043】
そして、前記のように浸漬が完了すれば、浸漬された麦芽と該麦芽を浸漬するために使用された漢方薬抽出液を共に粉砕機で粉砕して、100〜150メッシュで濾過することで、自然纎維素と糖化酵素が含有された麦芽浸出液を製造する。
【0044】
一方、前記麦芽浸出液を製造すると共に、穀類も前記製造された漢方薬抽出液に10〜15時間浸漬させる。この時、前記穀類と前記製造された漢方薬抽出液の混合比も限定されないが、望ましくは穀類と漢方薬抽出液が1:2〜3重量比になるようにする。
【0045】
そして、前記浸漬が完了すれば、前記浸漬された穀類のみを採って、これを蒸熟する。この時、前記蒸熟は蒸熟機を利用して1〜2時間の間になされるが、蒸留水を利用することもできるし、アルカリイオン水を利用することもできる。また、別途の蒸熟ではないご飯を炊いて利用することもできるものである。
【0046】
ここで前記穀類としては、米、もち米、麦、小麦、粟、とうもろこし及びモロコシキビのうちから選択された1種または2種以上のものを使用することができる。
【0047】
前記蒸熟が完了すれば、前記麦芽浸出液と蒸熟した穀類を混合した後、60〜70℃で5〜7時間糖化する。この時、前記麦芽浸出液と蒸熟した穀類の混合比は、麦芽浸出液100重量部を基準に蒸熟した穀類20〜50重量部程度にすることが望ましい。
【0048】
そして、前記糖化は一般的に利用する保温釜を活用することもでき、別途の保温器を利用することもでき、その方法は限定されない。この時、前記蒸熟された穀類の粒子が麦芽浸出液の表面で浮び上がれば糖化が完了したことがわかる。
【0049】
また前記麦芽浸出液と蒸熟した穀類の混合時、漢方薬抽出液をさらに混合することが望ましいところ、前記漢方薬抽出液の混合比は、麦芽浸出液100重量部を基準で80〜120重量部程度に飲用者の趣向によって混合されるようにする。
【0050】
前記のように糖化が完了すれば、これをそのまま甘酒として採ることもできるが、さらに、ここに葡萄糖、大豆蛋白、乳酸カルシウム、オリゴ糖、黒砂糖、難消化性デキストリン、低分子アルギン酸ナトリウム及び生姜抽出物のうちで1種または2種以上の物を加えて、90〜100℃で20〜30分間加熱することができる。そして、前記追加加熱工程を通じて糖化が中止されるものである。
【0051】
この時、前記大豆タンパク質を添加すれば、血清コレステロールの吸収を抑制することができるし、オリゴ糖を添加すれば腸内ビフィズス菌が増殖されて有害菌の生成が抑制されることで、整腸効果と快便を誘導することができるようになるし、乳酸カルシウムを添加すればカルシウム補充剤としての役割もできて、難消化性デキストリンは糖吸収を抑制して低分子アルギン酸ナトリウムはコレステロール吸収を遅延して整腸作用を助ける役割をする。
【0052】
また、葡萄糖と黒砂糖を添加すれば人体のエネルギー源を提供して甘口を加えて甘酒の食感を良くすることができるし、生姜抽出物も生姜固有の風味を甘酒に提供することができて食感が優秀になるものである。
【0053】
前記葡萄糖、大豆蛋白、乳酸カルシウム、オリゴ糖、黒砂糖、難消化性デキストリン、低分子アルギン酸ナトリウム及び生姜抽出物の配合比は制限しないが、望ましくは前記糖化された糖化液、すなわち甘酒100重量比を基準で葡萄糖2〜10重量部、大豆蛋白4〜10重量部、乳酸カルシウム0.5〜2重量部、オリゴ糖2〜10重量部、黒砂糖2〜10重量部、難消化性デキストリン4〜6重量部、低分子アルギン酸ナトリウム2〜4重量部及び生姜抽出物1〜4重量部の範囲内で1種または2種以上選択して混合する。
【0054】
併せて、前記のように製造された甘酒は粉末化すれば、流通が容易であるだけでなく、流通期限が延長されて保存が容易になるところ、その粉末化方法としては、冷凍乾燥、熱風乾燥または噴霧乾燥するものである。併せて、前記粉末化された甘酒粉末は窒素充填して包装すれば封切り前に最小10〜20ヶ月間は保管が可能になる。
【0055】
そして、前記甘酒粉末は冷・温水に懸濁服用が可能なものであり、嗜好によって水100mlに20〜30g程度の粉末甘酒を混合服用すれば良いものである。また、前記粉末化しない甘酒は液状で利用するものである。
【0056】
一方、前記製造された甘酒にはコーヒーまたは天然カカオポリフェノールをさらに混合した包装することができるが、コーヒーをさらに混合するようにすれば眠気防止及び疲労回復効果を有するようになって、天然カカオポリフェノールをさらに混合する場合抗酸化機能を有することはもちろん、血中コレステロールを低めることができる効果を有するようになる。この時、前記コーヒーまたは天然カカオポリフェノールの混合比は限定されず、趣向または機能によって適切に混合すれば良い。
【実施例】
【0057】
白茯苓64g、遠志64g、石菖蒲64g、トウキ64g、紅参44g、陳皮44g、甘草を20gの蒸留水550ml中に4〜5時間浸漬させた後、漢方薬だけ採って10%の葡萄糖アルカリイオン水3500mlを加えて80〜90℃で4〜5時間抽出した。
【0058】
麦芽100gを微細粉末にした後前記漢方薬抽出液500mlで4〜5時間浸漬させた後、前記麦芽が漢方薬抽出液に浸漬された状態(麦芽と麦芽の浸漬時に使用された漢方薬抽出液を共に)で再び粉砕機内で粉碎して、150メッシュで濾過して、自然纎維素と糖化酵素が含有された麦芽浸出液を製造した。
【0059】
米200gを漢方薬抽出液500mlで10〜15時間浸漬後に蒸熟機内で2時間蒸熟して、前記麦芽浸出液500ml、漢方薬抽出液500ml及び蒸熟した米200gをよく混合した後、保温釜で60〜70℃で6時間糖化させた。
【0060】
そして、前記糖化された糖化液に葡萄糖40g、大豆蛋白50g、乳酸カルシウム10g、オリゴ糖40g、黒砂糖40g、難消化性デキストリン32g、低分子アルギン酸ナトリウム20g及び生姜抽出物15gを加えて90〜100℃で30分間加熱して糖化を止めた後、これを冷凍乾燥して粉末で製造した。
【0061】
以下、本発明で使用されるアルカリイオン水について説明すれば次のようである。
【0062】
本発明で使用されるアルカリイオン水は、ヒューマンウォーター(Hu−50)(韓国一同製薬製)を通過した水でPH8.2〜8.5の弱アルカリイオン水である。
【0063】
すなわち、電気分解して生成されたアルカリイオン水は、塩素のような有害物質がない水でミネラルが豊かで(カルシウム、マグネシウム、カリウム)、水味が良くて水クラスター(cruster、水分子の大きさ)が小さくて吸収が早くて、六角水が豊かで活性水素も多く、活性酸素をとり除いて成人病予防に良いものとして知られているものである。
【0064】
すなわち、前記アルカリイオン水は水分子が小さくて活動性が強いことにより、体内で老廃物を迅速に溶解して排泄が早いものである〔核磁気共鳴(NMR、Nucleo Magnetic Resonance)(測定数値が小さいほど水分子が小さくて活動性が強くて人体にバランスを維持してくれる活性化されたミネラルの吸収がよくできるものである)で測定した水の水クラスター比較分析によれば、アルカリイオン水(54Hz)、生水(94Hz)、地下水(105Hz)、蒸留水(118Hz)、水道水(120Hz)で測定される。〕。
【0065】
前記アルカリイオン水にとけている水素は、還元力が良くて活性酸素をとり除いてくれる還元力があるものとして酸化を抑制して予防するものである。また、アルカリイオン水は六角水が豊かなものであるが、6個の水分子でなされた一番安定的な形態でアルカリイオン水は、人体が好む六角水が豊かで各種疾病を予防するのに役に立つものである。
【0066】
水道水とアルカリイオン水の水素量を比べると水道水は2.3〜2.6PPbであり、アルカリイオン水は400〜1000PPbで水道水の約200〜500倍であるものである(PPb:10億分の1)。
【0067】
重要ミネラルが人体に対する作用は、カルシウムは体液の酸性化を阻み、歯牙と骨格の重要成分であり、カリウムは神経と筋肉の正常機能を維持し、マグネシウムは筋肉の緊張と興奮を抑制し、ナトリウムは血液と淋巴液の恒常性維持に助けになり、亜鉛は性機能と関連があって、不足すると発育不全と脱毛に関連があるものである。
【0068】
すなわち、人体内部はPH7.4の弱アルカリ性であり、肌はPH4.5〜5.6の弱酸性を維持する時に元気であって、アルカリイオン水は酸性食品を主とする食生活から来る体液の酸性化に多くの助けになるものである。
【0069】
併せて、アルカリイオン水は、活性酸素に弱い脳細胞を保護することができ、六角水の割合が高いために脳細胞周りの水の構造が緻密になって、神経細胞の損傷を阻むことができると言うものであり、電気分解して陰極から得られるアルカリイオン水は活性酸素を無くす能力は有しているということを日本の九州大学の白幡教授が発表している。(アルカリイオン水は、活性酸素をとり除いてDNAを酸化から保護する。1977国際生化学会。BBCC)。
【0070】
一方、細胞の浸透圧現象に対して説明すれば次のようである。
【0071】
植物細胞の外部細胞膜は、セルロース及びペクチン質で包まれている。前記細胞の細胞質は、比較的薄い層でなされて、前記細胞膜の内部に小さな袋状態になっている。前記小さな袋内で細胞液があって、液泡(Vacuole)を形成する。
【0072】
このような細胞内には塩類、糖類、酸類とさまざまな未知物質が溶解されて混合形成されているところ、その中、塩類が浸透作用を関与するものであり、さまざまな複合糖類と有機酸類がその次に関与するものである。
【0073】
このような糖類、塩類、酸類の三種類を合わせると、全浸透が87〜95%になって、植物細胞は内部から圧力をかければ、すこし緊張された状態を維持して、細胞内部構造溶液の溶媒である水には大体的に自由に通過されるものとして知られている。
【0074】
また、原形質分解が起きれば、細胞質の細胞層が落ちて行って細胞質自体縮小のような破壊的作用を受けて細胞侵害を受けるところ、糖のような他の物質の溶液では、長期間原形質が分離されて低温でも原形質の分離透過性を高めてくれるものである。
【0075】
併せて、植物生活現象で水分が入って来て出るには、内外の水の量によったものではなくて、温度が係るものであるところ、本発明は浸透圧作用を利用して漢方薬をアルカリイオン水に糖類を溶解した溶媒を抽出溶媒として使用するものである。
【0076】
すなわち、抽出溶媒として使用する溶媒には、糖類が溶解されていて漢方薬に蒸留水を吸着させたものよりは濃度が高い溶媒として作用するようになって、抽出しようとする漢方薬内に内在されているさまざまな成分が浸漬する時、吸収された水分によって細胞が膨潤状態になって、糖類を含んだ抽出溶媒との濃度差によって漢方薬は浸透圧現象を起こして湧出されるようになるものである。
【0077】
この時、その湧出速度は、加熱して温度を高めるものと糖の濃度に比例し、漢方薬中の成分は溶媒側に移動するようになるものである。一定の溶液で現われる浸透圧は、溶液の濃度と温度に比例するというゲイルサック説(Gay-Lussaac)が証明するが、漢方薬の細胞中に水分が吸収されたことが漢方薬のさまざまな成分と共に加熱によって糖を含む溶媒側に漢方薬成分が速かに移動されるものである。この時は、糖を含む溶媒の濃度が高いほど湧出効率が良い。
【0078】
このような抽出方法は、抽出した漢方薬と糖類が分子結合状態で一団となった簡便な方法で、経済的でありながらもその効率が優秀な抽出方法である。
【0079】
本発明の抽出方法は、糖類と漢方薬が分子結合状態(分子化合物)で一団となっているので食品での使用時、優秀な吸収率を有するようになるものとして期待される効果も優秀なものである。
【0080】
以上のように本発明は、前記した実施例に限って説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
漢方薬を精製水または蒸留水に浸漬する段階と、
前記浸漬された漢方薬にアルカリイオン水を加えた後、80〜95℃の温度で抽出して漢方薬抽出液を製造する段階と、
粉末化された麦芽を前記製造された漢方薬抽出液に浸漬させる段階と、
前記浸漬された麦芽と該麦芽を浸漬するために使用された漢方薬抽出液を共に粉砕及び濾過して麦芽浸出液を製造する段階と、
穀類を前記製造された漢方薬抽出液に浸漬させる段階と、
前記浸漬された穀類を蒸熟する段階と、
前記麦芽浸出液と蒸熟した穀類を混合した後、60〜70℃で糖化する段階と、
を含み、
前記漢方薬は、甘草、桔梗、水参、乾参、紅参、拘杞子、五味子、蛇床子、兎糸子、蓮根、山薬、韭菜、鹿茸、トックリイチゴ、何首烏、山茱萸、黄精、桑椹子、金銀花、銀杏、韭菜子、韭菜根、たまねぎ、決明子、南瓜仁、ノニ、トウキ、オウギ、センキュウ、麦門冬、天門冬、地骨皮、桂皮、乾薑、熟地黄、乾地黄、生地黄、生姜、沙參、陳皮、蒲公英、楡根皮、杜沖、梅、木瓜、丁香、茴香、小葉、桑葉及び桑白皮からなる群のうちから選択された1種または2種以上のものであり、
前記穀類は、米、もち米、麦、小麦、粟、とうもろこし及びモロコシキビのうちから選択された1種または2種以上のものであることを特徴とする甘酒の製造方法。
【請求項2】
前記麦芽浸出液と蒸熟した穀類を混合する段階時、これに前記浸漬された漢方薬にアルカリイオン水を加えた後、80〜95℃の温度で抽出して漢方薬抽出液を製造する段階を通じて製造された漢方薬抽出液をさらに混合することを特徴とする請求項1に記載の甘酒の製造方法。
【請求項3】
前記糖化段階後、
前記糖化された糖化液に葡萄糖、大豆蛋白、乳酸カルシウム、オリゴ糖、黒砂糖、難消化性デキストリン、低分子アルギン酸ナトリウム及び生姜抽出物からなる群のうちから選択された1種または2種以上を加えて、90〜100℃で加熱して甘酒を製造する段階をさらに含んでなされることを特徴とする請求項2に記載の甘酒の製造方法。
【請求項4】
前記製造された甘酒を粉末化することを特徴とする請求項3に記載の甘酒の製造方法。
【請求項5】
前記浸漬された漢方薬にアルカリイオン水を加える時、
前記アルカリイオン水に糖類を混合した後、前記糖類が混合されたアルカリイオン水を漢方薬に加えるが、
前記糖類としては、オリゴ糖、葡萄糖、イソマルト、キシリトール、マルトース、果糖、蜂蜜、パラチノース、羅漢果抽出物、飴、砂糖、ステビオサイド、酵素処理ステビアのうちから選択された1種または2種以上のものが使用されることを特徴とする請求項3に記載の甘酒の製造方法。
【請求項6】
前記製造された甘酒にコーヒーまたは天然カカオポリフェノールをさらに混合することを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一つに記載の甘酒の製造方法。
【請求項7】
前記漢方薬抽出液を製造する段階後、
前記製造された漢方薬抽出液を減圧濃縮する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一つに記載の甘酒の製造方法。

【公開番号】特開2011−62199(P2011−62199A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208763(P2010−208763)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(510250766)株式会社キョンヒマネージメントカンパニー (1)
【出願人】(510250777)
【出願人】(510250788)
【出願人】(510250799)
【Fターム(参考)】