説明

生きたプロバイオティクスを含む乾燥食物製品

本開示は、スナック食物として消費できるかまたは食物製品に添加できるプロバイオティック送達系に関する。特に、本開示は、糖と、タンパク質と、多糖との真空乾燥混合物中に保存された生存可能なプロバイオティック微生物を含むパリパリしたおいしいトリートを記載する。このプロバイオティクスは、追加の湿分バリアコーティングを必要とせずに、長時間トリート内で生存可能なままである。このプロバイオティクスは動物の胃腸管内でも生存可能なままである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、一般的にプロバイオティクスおよび食物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの生体物質、例えばタンパク質、酵素および微生物細胞の活性および長期安定性は、多くの環境因子、例えば、温度、pH、水および酸素または酸化剤もしくは還元剤の存在によって影響を受け得る。一般的に、他の食料成分との混合前または混合中に生体物質を乾燥させなければならない。乾燥プロセスは、多くの場合、その乾燥プロセスによって引き起こされる機械的、化学的、および浸透圧ストレスから、活性の有意な損失をもたらし得る。活性の損失は、初期製造中の乾燥、原料調製(高温および高圧)、輸送および長期貯蔵(温度および湿度曝露)、ならびに胃腸(GI)管内(低pH、タンパク質分解酵素および胆汁酸塩への曝露)における消費および通過後を含む多くの異なる段階で起こる。プロバイオティクスは乾燥プロセスならびに食料の温度および湿分条件に非常に敏感なので、生きた細胞生物またはプロバイオティクスを含む食物または飼料を製造することは特に困難である。別の関心事は、胃内の酸性環境におけるプロバイオティクスの耐性および腸のその良好なコロニー形成である。
【0003】
プロバイオティック微生物(プロバイオティクス)は、ある数を摂取すると、基本栄養を超えた健康利益を及ぼす、生きている微生物である。プロバイオティクスが誘発し得る有利な効果は非常に多い。いくつかの例は、ラクトース不耐性の減少、病原細菌および寄生虫の阻害、下痢の減少、ヘリコバクター・ピロリに対する活性、大腸癌の予防、便秘の改善または予防、ビタミンのインサイチュ生成、血中脂質の調節、および宿主免疫機能の調節である。家畜および水生動物では、プロバイオティクスは、成長、生存ならびに疾患および好ましくない培養条件に伴うストレス抵抗性を改善することもできる。したがって、プロバイオティクスをヒト用食料および動物飼料(feed)に含めることに相当の関心がある。
【0004】
多くのプロバイオティクスは、その有利な効果を主にそれらが生きているときに示す。したがって、プロバイオティクスは、食物の製造プロセスおよび保存期間を生き延びる必要があり、食物が消費されたら、プロバイオティクスはそのコロニー形成の場所に到達する前に胃腸管を通過する必要がある。多くの市販のプロバイオティック製品は動物およびヒトの消費用に利用できるが、その多くが製造プロセス、輸送、貯蔵中および動物のGI管内でその生存能力を失っている(Hughes and Hillier 1990; Shah 2000によるいくつかのプロバイオティック製品の生存能力の研究を参照されたい)。このような損失を補償するため、一部が生き延びてその目標に達することを期待して、過剰量のプロバイオティクスを製品に含める。これらの製品の問題である保存期間の生存能力に加え、このような実施は確実に費用効率が高くない。あるいは、プロバイオティック微生物を保護微環境内にカプセル化することができる。一般に、現在のマイクロカプセル化および腸溶コーティング技術は、通常、糖またはタンパク質を含む液体を乾燥プロバイオティクス上に噴霧することによって、皮膜形成物質を適用することを含む(Ko and Ping WO 02/058735)。しかし、マイクロカプセル化したプロバイオティクスを湿分保護層でコーティングすることは高価なプロセスであり、通常、数層加えてマイクロカプセルに水が入るのを回避しなければならない。さらに、対応して保存期間を減らすことなく、コーティング物質に添加された液体を除去するのは極端に困難である。
【0005】
当技術分野では、種々の保護剤が使用されており、その成功の程度は異なる。これらは、タンパク質、特定のポリマー、スキムミルク、グリセロール、多糖、オリゴ糖および二糖を含む。スクロースおよびトレハロース等の二糖は、植物および微生物細胞が乾燥期間中に一時的な活動停止の状態を維持するのを実際に助けるので、特に魅力的な抗凍結物質である。トレハロースは、周囲空気乾燥および凍結乾燥の両方で種々の生体物質に有効な防御物質であることが分かっている(Crowe et al. 1998)。しかしながら、単独の抗凍結物質としての糖の使用に関連したいくつかの欠点がある。例えば、乾燥プロセス中に大量の糖(多くの場合、60重量%超)を使用して、生体物質を保護しなければならない。これは費用がかかる。糖の使用に伴うさらに重大な問題として、該物質をその凝固点未満で乾燥させるときの結晶を形成するその迅速さ、ならびに高温および/または高湿度環境内で、保存された生体物質の不安定性をもたらす低いガラス転移温度が挙げられる。さらに、高濃度の糖は、その系内の他の溶質の溶解度を低減すると同時に系を極端に乾燥しにくくする。
【0006】
したがって、非常に薄い層内での泡形成によって糖ベースプロバイオティック系を乾燥させること(Bronshtein WO2005117962)、または糖と、アルギン酸塩、キトサン、カルボキシメチルセルロースもしくはカルボキシエチルセルロース等の高分子ゲル化物質との組合せを使用することが提案されている。Cavadiniら(EP0862863)は、コーティングまたは充填物を含むゼラチン化デンプンマトリックスを含むシリアル製品を提供している。プロバイオティクスはコーティングと共に含ませる。その方法によれば、噴霧乾燥したプロバイオティクスを、水、脂肪またはタンパク質消化物であってもよい担体物質と混合する。次に、混合物をシリアル製品上に噴霧して製品全体を再び乾燥させる。既に乾燥した細菌の再水和および追加のコーティング/乾燥プロセスは費用がかかり、細菌に損傷を与える。
【0007】
KennethおよびLiegh(US6900173)は、ヒトでの同化作用状態を促進するためのマルチビタミンタンパク質およびプロバイオティックバーの製造を記載している。乾燥したプロバイオティック細菌を糖シロップといくつかの他成分内でブレンドしてから、結果として生じた混合物を押し出し、切断してバーにする。しかし、この文書は、栄養バー内でプロバイオティクスの生存能力または長期安定性を改善するいずれのプロセスも組成物も開示しておらず、このプロセスを細菌がさらに生き延びるという示唆もない。
【0008】
Ubbinkら(US2005/0153018)は、湿潤食物内での乳酸菌の保存を開示している。噴霧乾燥した細菌を、脂肪、発酵粉乳およびサッカライドを含む組成物に加える。次に、当該組成物を菓子製品の充填物として使用する。当該文書に記載の対象は、プロバイオティクスを脂肪または油に富むマトリックス内に埋め込むことによって、水の有害作用を回避する。しかし、脂肪ベースコーティングおよび保護物質は高湿度条件への長期曝露に耐えない。
【0009】
GiffardおよびKendall(US2005/0079244)は、プロバイオティクス、プレバイオティクスおよび初乳のコーティングの組合せを含む、乾燥または半湿潤のすぐに食べられる粗挽き穀物または粉末ミックスの形態の食料を開示している。この食料に混合する前に、標準的なカプセル化技術を用いて、プロバイオティクスを多糖、脂肪、デンプン、タンパク質または糖マトリックスでコーティングまたはカプセル化する。上記開示と同様に、脂肪または油に富むマトリックス内にプロバイオティクスを埋め込むことによって、水の負の効果を回避した。
【0010】
FarberおよびFarber(WO03/088755)は、マトリックス内に均一に分散させた機能性成分用の経口送達系を記載している。マトリックス成分は、糖、炭水化物、ハイドロコロイド、多価アルコールおよび一価または二価カチオン源を含む。この送達系は、15重量%〜30重量%の含水率の最終形状に押し出するまたは型に入れて作る。このタイプのマトリックスは、冷却条件下ではほとんど、非常にわずかの保護しかプロバイオティクスに与えない。製造中または室温での長期貯蔵のためにどのようにプロバイオティック細菌を安定化するかについては何ら説明も指針も提供されなかった。
【0011】
Porubcan(US2004/0175389)は、胃を通過中にプロバイオティック細菌を保護しながら、腸内でのその放出を可能にする製剤を開示している。この製剤は、低い水分活性および対応する長い保存期間を有する。カプセルは、プロバイオティック細菌と一価アルギン酸塩との無水混合物及び腸溶コーティング(例えば、ゼラチンまたはセルロースカプセル化)を含む。酸性環境に接すると、カプセルの外殻がゲルに変わり、カプセル核中へのプロトン流入に対する保護バリアを与える。しかし、この組成物は、非常に低い水分活性の貯蔵条件を受けやすいタブレットやカプセルなどの大きい粒子にのみ有用であり、さらに窒素を流すかまたは真空シールした容器内に貯蔵する必要がある。
【0012】
McGrathおよびMchale(EP1382241)は、動物に微生物を送達する方法を記載している。架橋したアルギン酸塩と抗凍結物質(トレハロースもしくはラクトース、または両者の組合せ)のマトリックスに微生物を懸濁させる。次に、マトリックスを凍結または真空乾燥させて、冷却条件下のみであるが最大6カ月の保存期間安定性を有する生きたプロバイオティクスを含有する乾燥ビーズを形成する。この場合もやはり、製造中または室温および高湿度条件での長期貯蔵のためにどうやってプロバイオティック細菌を安定化するかについては何ら説明も指針も提供されなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記組成物はいずれも、乾燥プロセスと、高温および異なる程度の湿度における長期貯蔵の両方でプロバイオティクスを有効に保護できる混合物を与えない。したがって、製造中、高温かつ高湿度での長期貯蔵および胃腸通過時に有効にプロバイオティク細菌を保護できるような組成物に対する緊急の要望がある。対費用効果が高く、保護混合物内にプロバイオティクスを封入して安定化することができ、全操作の最後に生存能力の損失が最小である乾燥プロセスに対する要望もある。動物の胃内における保護を与えながら、腸管に沿ったプロバイオティクスの放出を可能にする保護混合物に対する要望がある。一般的に安全とみなされる(GRAS)承認成分のみを含み、現在使用されているものより費用がかからない保護混合物に対する要望もある。
【0014】
本明細書で述べる対象はこれらの要望を克服し、高温および異なる程度の湿度においてさえ長期間安定なプロバイオティック細菌を与える組成物および該組成物の製造方法を提供する。
【0015】
特に、本開示の目的は、室温および高湿度条件で実質的に安定であり、そのため冷凍または真空もしくは無酸素環境下での貯蔵の必要を排除する生存可能なプロバイオティクス培養を記載することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
予想外なことに、一定の保護混合物中で保存されると、プロバイオティック細菌は高温かつ高湿度条件下で長期間保護されることを見出した。保護混合物のさらなる特質は、速くて、対費用効果の高い乾燥プロセスおよび胃の保護である。混合物は、(a)少なくとも1種の糖化合物(混合物中の糖化合物の総量は、混合物の約10重量%〜約60重量%である)と、(b)タンパク質(媒体中のタンパク質の総量は、混合物の約2重量%〜約20重量%である)と、(c)多糖(媒体中の多糖の総量は、混合物の約0.5重量%〜約5重量%である)とを含む。この水性保護混合物を、凍結、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、または周囲空気乾燥を含む多様な保存プロセスで使用して、プロバイオティクスの安定かつ保存された組成物を提供することができる。このプロバイオティック物質は、周囲より高い温度および/または相対湿度で長期間安定である。さらに、プロバイオティクスを含有する水性保護混合物を所望の形状または形態に型に入れて作り、真空乾燥させて、食料に添加するかまたはそれ自体をヒトまたは動物が消費できるパリパリしたおいしいプロバイオティックトリート(treat)を製造することができる。
【0017】
したがって、本開示は、上記保護混合物を含有する保存されたプロバイオティック物質の調製方法をも記載する。
【0018】
好ましくは、プロバイオティック物質を実質的に水分のない乾燥形態で提供する。プロバイオティック物質は、凍結乾燥、真空乾燥もしくは空気乾燥させてよく、または当技術分野で既知の別の方法で乾燥させてよい。したがって、プロバイオティック物質は、好ましくは、プロバイオティック微生物の生存能力を周囲温度および湿度条件で長期間維持できる保護混合物を含む。
【0019】
好ましくは、保護混合物中の糖は、二糖、最も好ましくはトレハロースもしくはスクロースもしくはラクトースまたはそれらの組合せである。保護混合物は、好ましくは20%w/v〜60%w/v、好ましくは20%、30%または40%でトレハロースを含む。
【0020】
好ましくは、本明細書で述べる対象の保護混合物中のタンパク質は、卵白または大豆タンパク質単離物(isolate)もしくは加水分解物およびそれらの混合物である。保護混合物は、好ましくは2%w/v〜20%w/v、好ましくは5%、10%または20%でタンパク質を含む。
【0021】
好ましくは、本明細書で述べる保護混合物中の多糖は、混合物中の他成分と、堅いゲルまたは粘性溶液を形成し得、最も好ましくは異なる粘度のアルギン酸塩の組合せ、アガロース、ペクチンまたはキトサンである。保護混合物は、好ましくは0.5%w/v〜10%w/v、好ましくは1%、2%または4%でアルギン酸塩を含む。
【0022】
本明細書で述べる対象によれば、本明細書で述べるプロバイオティック物質の、ヒト、家畜、水生動物およびペットが消費するためのプロバイオティック製品またはプロバイオティック食物製品または飼料製品の製造のための使用が提供される。
【0023】
30%のトレハロース(w/v)と、10%の大豆タンパク質単離物(w/v)と、2%のアルギン酸ナトリウムとを含む混合物をプロバイオティック細菌濃縮物に添加し、粘性溶液またはヒドロゲルを形成し、それを該混合物の凝固点より高い温度で真空乾燥させることによって、非常に優れたプロセス回収、周囲条件内での貯蔵時間に及ぶ長期安定性および胃内保護が得られることが分かった。
【0024】
任意選択で、プロバイオティック物質を湿分バリア成分でコーティングすることができる。基本的には、撥水または防水性を有する任意の食品グレード物質を選択することができる。好適な湿分バリアは、例えば、油ベース物質の混合物でよい。
【0025】
したがって、第1の態様では、本明細書で述べる対象は、上記混合物の乾燥マイクロマトリックス粒子を含むプロバイオティック製品であって、マイクロマトリックス粒子が生存可能な微生物を含み、10〜2000ミクロンの大きさを有する、製品を含む。
【0026】
第2の態様では、本明細書で述べる対象は、プロバイオティックフレークまたはトリートを含有する食物製品であって、フレークまたはトリートが、所望の形状と2〜50ミリメートルの大きさを有することを特徴とする本明細書で述べるプロバイオティック物質である、食物製品を含む。
【0027】
第3の態様では、本明細書で述べる対象は、食物製品を生存可能な微生物で補足するためのマイクロマトリックス粒子を得る方法を含む。この方法は、微生物濃縮物とさらなる保護成分を混合する工程、粘性溶液またはヒドロゲルを形成する工程、混合物を凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、または周囲空気乾燥で乾燥させる工程を含み、必要な場合、乾燥材料を粉砕して、50〜2000ミクロンの大きさを構成するマイクロマトリックス粒子を得る工程を含む。
【0028】
第4の態様では、本明細書で述べる対象は、生存可能な微生物を用いて栄養補助食品または独立型食物製品としてフレークまたはトリートを得る方法を含む。この方法は、微生物濃縮物とさらなる保護成分を混合する工程、所望の形状と大きさのヒドロゲルを形成する工程および真空乾燥によって乾燥させて、2〜50ミリメートルの大きさを構成するパリパリしたおいしいフレークまたはトリートを得る工程を含む。
【0029】
本明細書で述べる対象の主な利点の1つは、糖ベース物質の他の乾燥方法ならびに半乾燥および/または湿潤粒状食料中における安定したプロバイオティック微生物の製造方法よりも有意な改善をもたらすことである。
【0030】
本明細書で述べる対象の別の利点は、乾燥プロセスをアップスケールし易く、かつ追加のコーティングまたは数回の乾燥段階が必要なくて簡単なことである。
【0031】
本明細書で述べる対象のさらに別の利点は、プロバイオティック物質が胃内保護およびその作用部位における腸管に沿ったプロバイオティクスの放出メカニズムをもたらすことである。
【0032】
本明細書で述べる対象のさらに別の利点は、さらなる機能性成分、特に非消化性の糖、天然タンパク質およびプレバイオティック繊維に適した送達ビヒクルを提供し、これが本明細書で述べるように、プロバイオティック物質の物理化学的性質を改善し得ることである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施例1に記載のマイクロマトリックス製品中のラクトバシラス・ラムノサス(L. rhamnosus)プロバイオティクスの真空乾燥後の乾燥損失を示す表である。
【図2】40℃と33%の相対湿度で貯蔵した乾燥ラクトバシラス・ラムノサスプロバイオティック物質の貯蔵安定性(回収されたcfu/g{1グラム当たりのコロニー形成単位} 対 貯蔵時間)を示すグラフである。
【図3】人工(simulated)胃液(pH=1.2)内で37℃にて2時間インキュベートしたプロバイオティック物質の胃内安定性(回収されたcfu/g)を示す棒グラフである。
【図4】本明細書で述べる通りに製造したプロバイオティック「チップス」の例を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示はプロバイオティック成分を含む食物製品に関する。
【0035】
本開示は、生存可能な微生物を含む食物製品または飼料製品、高温、高湿度および低pHに対してプロバイオティクスを保護する混合物、食物製品中でのプロバイオティック物質の使用およびプロバイオティック物質を得て、食物製品または飼料製品を補足する方法に関する。本開示は、さらにプロバイオティック物質を含む食物製品に関する。
【0036】
本明細書で述べる対象は、一般的にプロバイオティック微生物の保存用の組成物、ならびに該物質の製造および乾燥方法に関する。さらに詳細には、本明細書で述べる対象は、高温かつ高湿度条件下で長期の保存期間を有する乾燥プロバイオティック物質を含む。
【0037】
定義
本明細書で使用する場合、以下の各用語は、このセクションでそれと関連する意味を有する。
【0038】
用語「食物製品」は、炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどの栄養素体を含む、植物もしくは動物起源または合成起源の任意の消費物質を包含するものとする。製品は、ヒトまたは動物、例えばウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどの家畜、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、マウス、ラット、鳥類(例えばニワトリまたはオウム)、爬虫類および魚類(例えばサケ、テラピアまたはキンギョ)、などのペットならびに甲殻類(例えばシュリンプ)による消費用を意図している。好ましくは、本明細書で述べる対象は、標準的な食物製品、ペレット飼料、およびペットフード(例えばスナックバー、クランキートリート、シリアルバー、スナック、ビスケット、ペットチュー(pet chew)、ペットフード、および水生動物用のペレットまたはフレーク飼料)を含む。
【0039】
語「プロバイオティクス」は、その消費者に及ぼし得る任意の有益な作用のために消費できる任意の微生物を指すものとする。
【0040】
用語「プロバイオティック物質」は、プロバイオティクスを含む任意の形状または形態の消費できる乾燥物質でもある。さらに詳細には、プロバイオティック物質は、糖、タンパク質および多糖のマトリックス内に埋め込まれた生きたプロバイオティクスを含む。したがって、プロバイオティック物質は、それ自体で食物製品であり得る。
【0041】
用語「マイクロマトリックス」粒子は、プロバイオティック物質の任意の乾燥粉末形態を考慮し得る。マイクロマトリックス粒子は、プロバイオティクスの担体として役に立ち、10ミクロンから2000ミクロンまでの大きさを構成し得る。
【0042】
用語「フレークまたはトリート」は、プロバイオティック物質の特定の形態または形状を指す意図ではない。フレークまたはトリートは、ヒドロゲルを型取って成形するかまたはスライスすることによって得られる任意の形態を想定し得る。例えば、フレークまたはトリートは、少なくとも2ミリメートルの大きさを構成する球状、立方体、角錐、タブレット、シリアルの形態または任意の複雑な三次元形態を有し得る。例えば、ペットフードのプロバイオティック送達系としてトリートを使用する場合、トリートは、骨、棒、輪または他の粗挽き穀物の形態を有し得る。
【0043】
用語「ヒドロゲル」は、固体または粘性ゲルの特性を有する任意の湿潤食品グレード物質を意味し得る。アニオン性またはカチオン性のいずれのヒドロゲルも、微生物をその中に入れる1種または複数種の親水性ポリマー、多糖、ガム、樹脂、または加水分解したタンパク質によって単独でまたは併用して形成することができる。好ましくは、ヒドロゲル化合物として、アガロース、アルギン酸塩、キトサン、または好ましくは固体ゲルの特徴を呈し得る他の任意の化合物が挙げられる。
【0044】
詳細な説明
本明細書で述べるようにプロバイオティック物質を調製するため、単独またはいくつかの微生物の混合物を選択することができる。プロバイオティック微生物として、任意の微生物を選択することができる。好ましくは、ヒトまたは動物の健康および福祉に有益な作用を及ぼす微生物を使用する。
【0045】
好適なプロバイオティック微生物の例として、酵母、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cereviseae)、カビ、例えばアスペルギルス(Aspergillus)、リゾプス(Rhizopus)、ムコール(Mucor)、およびペニシリウム(Penicillium)、細菌、例えばビフィドバクテリウム属、クロストリジウム属、バシラス属およびラクトバシラス属が挙げられる。好適なプロバイオティック微生物の具体例は以下の通りである:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼ(A. oryzae)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・レンタス(B. lentus)、バシラス・リシェニフォルミス(B. licheniformis)、バシラス・メセンテリカス(B. mesentericus)、バシラス・プミラス(B. pumilus)、バシラス・サブティリス(B. subtilis)、納豆菌(B. natto)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(B. animalis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B. breve)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(B. bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B. infantis)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(B. lactis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム(B. pseudolongum)、ビフィドバクテリウム・サーモフィルム(B. thermophilum)、カンジダ・ピントルエペシ(Candida pintolepesii)、酪酸菌(Clostridium butyricum)、エンテロコッカス・クレモリス(Enterococcus cremoris)、エンテロコッカス・ジアセチラクティス(E. diacetylactis)、エンテロコッカス・フェシウム(E faecium)、エンテロコッカス・インテルメジウス(E. intermedius)、エンテロコッカス・ラクティス(E. lactis)、エンテロコッカス・ムンジ(E. muntdi)、エンテロコッカス・サーモフィラス(E. thermophilus)、ラクトバシラス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシラス・アリメンタリウス(L. alimentarius)、ラクトバシラス・アミロボラス(L. amylovorus)、ラクトバシラス・クリスパータス(L. crispatus)、ラクトバシラス・ブレビス(L. brevis)、ラクトバシラス・カゼイ(L. case)、ラクトバシラス・カルバタス(L. curvatus)、ラクトバシラス・セロビオサス(L. cellobiosus)、ラクトバシラス・デルブリュッキ亜種ブルガリカス(L. delbrueckii ss. bulgaricus)、ラクトバシラス・ファルシミニス(L farciminis)、ラクトバシラス・ファーメンタム(L. fermentum)、ラクトバシラス・ガセリ(L. gasseri)、ラクトバシラス・ヘルベティカス(L. helveticus)、ラクトバシラス・ラクティス(L. lactis)、ラクトバシラス・プランタルム(L. plantarum)、ラクトバシラス・ジョンソニ(L. johnsonii)、ラクトバシラス・ロイテリ(L. reuteri)、ラクトバシラス・ラムノサス(L. rhamnosus)、ラクトバシラス・サケイ(L. sakei)、およびラクトバシラス・サリバリウス(L. salivarius)。
【0046】
プロバイオティック微生物を他の保護物質と、好ましくは濃縮湿潤ペースト形態または凍結ペースト形態(例えばプロバイオティックペースト>10%超の固体)で混合する。微生物を発酵直後に本明細書で述べる保護成分と混合し、その後にヒドロゲル形成および乾燥プロセスを行ってもよい。例えば、サッカライド、例えばトレハロース、スクロース、ラクトースまたはマルトデキストリン、タンパク質、例えば卵白、大豆タンパク質単離物もしくは加水分解物(単独または組み合わせて)および多糖、例えば、アガロース、アルギン酸塩またはキトサン(単独または組み合わせて)などの保護材料とプロバイオティック微生物を混合する。次に所望の形状と大きさでヒドロゲルを形成するかまたは当業者に既知の確立された手順でゲルを硬化させた後にスライスする。マイクロマトリックス粒子が必要な場合には、ヒドロゲルをスライスするかまたは押し出してから、種々の乾燥技術、例えば流動床乾燥、凍結乾燥、空気乾燥、従来型オーブン乾燥または別の適当な乾燥プロセスを用いて乾燥させることができる。次に、乾燥プロバイオティック物質を好ましい大きさに粉砕またはふるい分けする。フレークまたはトリートが必要な場合には、好ましくは、型に入れて作ったかまたは別のやり方で予成形したかまたはスライスしたヒドロゲルをヒドロゲルの凝固点より高い温度で真空乾燥機または凍結乾燥機内で乾燥させる。その結果、予成形した乾燥フレークまたはトリートは単独または他の食物製品と組み合わせた包装の準備ができている。
【0047】
好ましくは、プロバイオティック物質は、中に微生物が埋め込まれた有意な量の保護組成物を含む。好ましくは、プロバイオティック物質は、保護組成物中に、全乾物の重量パーセントで、1〜50%、好ましくは5〜25%、さらに好ましくは10〜20%のプロバイオティック微生物を含む。
【0048】
一実施形態では、本明細書で述べるプロバイオティック物質は、乾燥重量1グラム当たり10〜1012の生存可能な微生物(cfu)を含む。好ましくは、プロバイオティック物質は、乾燥重量1グラム当たり10〜1011cfuを含む。
【0049】
別の実施形態では、乾燥プロバイオティック物質は、0.2未満の水分活性(water activity)を特徴とする。好ましくは、水分活性は0.1未満、例えば、水分活性は0.01〜0.09の範囲である。
【0050】
好ましい実施形態によるプロバイオティック物質は、糖、タンパク質および多糖を含む。ここで、タンパク質は、卵白、アルギニン/リシンポリペプチド、コラーゲンおよび加水分解したコラーゲン、ゼラチンおよび加水分解したゼラチン、糖タンパク質、乳タンパク質、カゼイン、ホエータンパク質、血清アルブミン、肉、魚、海産食物、家禽、卵タンパク質、絹、大豆、トウモロコシ、ピーナッツ、綿実、ヒマワリ、エンドウ、小麦タンパク質、小麦胚芽タンパク質、グルテンタンパク質、ゼインおよび任意の植物性タンパク質の任意の単離物または加水分解したものなどを含む天然タンパク質から選択される。
【0051】
好ましくは、プロバイオティック物質の多糖成分は、固体ゲルの形成が可能なように選択される。一般に、多糖を架橋することによって(例えば二価カチオンをアルギン酸塩と混合するかまたはゲル(例えばアガロース)を冷却することによって)、これを達成することができる。
【0052】
本明細書で述べるプロバイオティック物質にさらなる利益を与えるために追加の機能性成分を選択することができる。例えばフルクト−オリゴ糖(FOS)およびポリフルクトース、例えば、イヌリン、ペクチン、6−グルカン、難消化性デンプン、例えば高アミロースデンプン、デキストラン、アカシアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、寒天、カラギーナン、キサンタンおよびマルトデキストリン、ならびにそれらの混合物。追加の機能性成分は、微量元素、ミネラル、ビタミン、抗酸化物質、ステロール、抗酸化物質および/または他の機能性分子を含んでもよい。しかし、プロバイオティック物質の保護特性に及ぼす任意の追加成分の作用を最初に評価すべきである。ビタミンおよび/または抗酸化物質の例は、カロテノイド、例えばリコピン、β−カロテン、ルテイン、キサントフィル、ビタミンA、トコフェロール、ビタミンC、およびそれらの混合物である。
【0053】
本明細書で述べる組成物および方法の目的の1つはプロバイオティック物質を食物製品に添加することであるため、プロバイオティック物質が所望の食物製品に似た形をしていると有利である。例えば、プロバイオティック物質をペットフードに添加すべき場合、プロバイオティック物質はペレット、粗挽き穀物または骨に似た形でよい。したがって、プロバイオティック物質を朝食用シリアルに添加する場合、それはシリアルに似た形でよい。あるいは、プロバイオティック物質をチップスとしてスナックに添加することができる。さらに、プロバイオティック物質を食物製品を調製するために使用する調味料と共に添加してもよい。
【0054】
一実施形態では、プロバイオティック物質を湿分バリア成分でコーティングすることができる。原則として、撥水または防水特性を有する任意の食品グレードの物質を選択し得る。好適な湿分バリアは、例えば、ろう(パラフィンろう、蜜ろう、カルナウバろう、キャンデリラろう、微結晶性ろう、米糠ろう、シェラック、ラノリン、水素化ヒマシ油、ホホバ油)、脂肪酸(例えば、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸)、モノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリド(例えば、MCT油、ココナツ/パーム核油に基づくトリグリセリド)、植物油脂(例えば、菜種、ゴマ、トウモロコシ種子、ナッツ、綿実、ピーナッツ、ヒマワリ、亜麻仁、オリーブ、大豆、ココアバター)、水素化または硬化植物油脂、動物起源の油脂(例えば、牛肉、家禽、豚肉、例えば、牛脂、ラードおよび魚油)、動物起源の水素化または硬化油脂、乳製品の脂肪(例えば、乳脂肪、バター脂肪)、タンパク質(例えば、グルテン、ゼイン、カゼイン酸ナトリウムおよびカゼイン酸カルシウム)、リン脂質(例えば、レシチン)、炭水化物、例えば、セルロースおよびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、カラギーナン、ソルビタンエステル(例えば、モノオレエート、モノパルミテート、モノステアレート、トリオレエート)ならびに鉱物油脂(例えば、パラフィン)でよい。
【0055】
プロバイオティック微生物と保護マトリックスのさらなる成分の選択後のプロバイオティック物質の調製は、任意の好適な方法で達成される。プロバイオティック物質の調製のいくつかの基本工程は通常以下の工程、発酵槽からのプロバイオティック産物を少なくとも10%の固形分および少なくとも5×10cfu/gペーストのcfu数に濃縮する工程、このプロバイオティック濃縮物と他の保護成分の湿式混合工程、所望形状のヒドロゲル形成工程、乾燥工程および包装工程を含む。プロバイオティックマイクロマトリックス粒子が必要な場合には、粉砕およびふるい分け工程を加える。追加の湿分バリアコーティングが必要な場合には、乾燥工程の完了直後に乾燥プロバイオティック物質をコーティングする。
【0056】
これらの工程、例えば「湿式混合工程」および「乾燥工程」の多くを細分することができ、例えば「数成分だけ混合し、それらをある乾燥方法で乾燥させ、混合物に他の成分を添加し、混合し、再び同一もしくは異なる乾燥方法で乾燥させる」。
【0057】
例えば、水中で全ての成分を混合することによって、微生物とさらなる成分の湿潤混合物を調製してから、このスラリーを所望形状の型中に注ぎ、架橋化学物質を加えるかまたはスラリーを冷却することによって硬化させ、あるいはゲルスラリーをまず硬化させてから、そのヒドロゲルを所望形状にスライス、チョップまたは成形する。次に、型に入れて作ってチョップしたか、または成形したヒドロゲルを0.2未満、好ましくは0.1未満の水分活性(A)まで乾燥させてよい。可能な乾燥プロセスとして、例を挙げるだけでも、空気乾燥機または従来型オーブン、ベルト乾燥機、真空乾燥機、流動床乾燥機、回転式乾燥機などが挙げられる。あるいは、全ての成分を、さらに水を加えることなく、湿潤プロバイオティック濃縮物に添加することができる。例えば、まずプロバイオティック濃縮物(約10〜20%の固体を含む)にトレハロースを混合してから卵白または大豆タンパク質単離物および多糖を加える。さらなる量のタンパク質を添加して半乾燥粉末を得、さらに顆粒化し、乾燥させ、特定範囲の大きさのプロバイオティック顆粒化マトリックス粒子にふるい分けることができる。
【0058】
パリパリしたフレークまたはトリートの形状のプロバイオティック物質の調製は、製品温度をプロバイオティック物質の凝固温度より高く設定する真空乾燥プロセスを含む。一般に、2工程で真空乾燥を行う。第1工程は、適度な減圧(約5000mTOR(700Pa))と高い棚温度(約5〜50℃)を伴うが、第2工程は、より高い棚温度(約50℃まで)を維持しながら、より低い圧力(例えば、100mTOR(10Pa)以下のようなより高い真空)を伴う。
【0059】
減圧および製品温度のプログラム可能制御システムを用いてこのプロセスを達成することができる。乾燥機の大きさ、熱伝達容量、および製品装填量によって経験的に第1乾燥工程の真空および温度条件を調整するが、目標は水の蒸発速度を最大にしながら、製品の凝固温度より高い温度で製品を維持することである。一実施形態では、材料からほとんどの遊離水が蒸発するまで、最初に約6時間温度を約40℃で維持した後、約5000mTOR(700Pa)の初期設定から100mTOR(10Pa)まで徐々に真空を高めてから、プロバイオティック物質の水分活性が十分低くなるまで(上記値を参照されたい)これらの乾燥条件を維持する。このプロトコルに従うと、プロバイオティクスの生存能力を実質的に低下させることなく、乾燥手順は24時間以内で完了する。成形、スライスまたはチョップしたヒドロゲルの大きい表面積は、他の開示で示されているように薄い層内で製品を「煮沸」または発泡させる必要なく、蒸発速度を大いに高めるので、調和しない乾燥条件および真空チャンバー内における発泡製品溶液の飛び散りが排除される。さらに、開示した組成物および乾燥方法は、高い糖含量の材料の他の乾燥方法(すなわち、泡形成)に比べて、真空または凍結乾燥機内の製品のより高い装填容量を可能にする。
【0060】
フレークまたはトリートは上述した形状を有してよく、任意の好適な、妥当な、または所望の形態のものでよい。例えば、フレークまたはトリートは球状、立方体、角錐、タブレット、長管の形態または任意の複雑な三次元形態でよい。さらにフレークまたはトリートは、それらを添加する食物製品に対応する形態を有してよい。例えば、トリートをイヌ用ペットフードに添加する場合、トリートは骨、動物、ネコの形態またはその食物製品と適合する他の形態を有し得る。
【0061】
さらに別の実施形態では、乾燥プロバイオティック物質をコーティングして、食物製品の保存期間中に起こる後の水の吸収の有害作用から微生物をさらに保護することができる。例を挙げるだけでも、例えば、噴霧、溶融または溶媒コーティング装置、流動床コーター、ドラムコーターまたはパンコーターなどの任意の好適なコーティング技術によってコーティングを行うことができる。
【0062】
コーティングの量は、プロバイオティック物質の大きさと形態によって決まる。一般に、コーティング化合物の量は、粒径が小さいほど多い。したがって、プロバイオティックマイクロマトリックスまたは顆粒化マトリックス粒子のコーティング化合物の量は、コーティングされたプロバイオティック粒子の総重量の10〜50%、さらに好ましくは20〜40%である。フレークまたはトリート形状プロバイオティック物質のコーティング化合物の量は、コーティングされたプロバイオティックトリートの総重量の5〜30%、さらに好ましくは10〜20%である。本明細書で述べる目的のため、コーティングプロセスの結果、1種の化合物もしくは化合物の混合物の単層または1種もしくは複数の化合物の多層となり得ることも分かる。
【0063】
さらなる実施形態では、プロバイオティック物質がプロバイオティック微生物に胃内保護を与える。動物の胃液に接すると即座に保護マトリックス中の糖成分が溶解するが、この酸性環境内で多糖タンパク質マトリックスはその形態のままであることによって、埋め込まれた微生物を消化性侵入から保護する。しかし、マトリックスは腸のアルカリ−リン酸塩環境内でゆっくり分解するので、無傷のプロバイオティック微生物を遊離させて動物の腸にコロニー形成させる。
【0064】
さらなる実施形態では、プロバイオティック製品を完全な食物製品として、例えばトリートまたは栄養補助食品として排他的に使用することができ、あるいは添加して食物製品と混合してよく、あるいはその粉末形態で使用して、現存する食物製品をコーティングすることができ、例えばペレット飼料または押し出し飼料をトップコーティングすることができる。
【0065】
以下の実施例は例としてのみ与えられ、決して本出願の対象を限定するものと解釈すべきでない。
【実施例】
【0066】
実施例
ここで、以下の実施例を参照して本開示の対象を説明する。これらの実施例は、例示目的のためだけに提供され、対象はこれらの実施例に限定されることなく、本明細書で提供する教示の結果として明白な全ての変形を包含する。
【0067】
(実施例1)
乾燥した安定なプロバイオティック物質の調製
基本処方
300gのトレハロース(Cargill Minneapolis, MN)を1000mlの水に加えて完全に溶解させた。標準的な家庭用ブレンダーを用いて激しく混合しながら大豆タンパク質単離物(100g、Fearn Natural Foods, Mequon, WI)および大豆加水分解物(20g、Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)を加えた。次に、該スラリーにアルギン酸ナトリウム(20g)を混合し、室温に冷却した。次いで、滑らかで均一な濃厚ゲルが得られるまで、激しく混合中のスラリーにラクトバシラス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)(発酵収穫物から直接得た100gの凍結濃縮物)を添加した。このヒドロゲルの組成を表1に示す。
【0068】
【表1】

【0069】
プロバイオティックフレークの製造
5gのリン酸水素カルシウムを基本配合物(formula)に混合した後、5gのグルコノラクトンを混合し、次の4時間かけて室温でスラリーを硬化させた(固体ヒドロゲル)。この堅いゲルをチーズグラインダーで薄くて長いリーフ(leaf)にスライスした。薄いリーフをトレイ(13×10インチ(33×25cm))上に載せて凍結乾燥機(Virtis Advantage, Virtis, Gardiner, NY)内に置いた。凝縮器を−70℃に設定し、棚温度を+40℃に設定した。次に真空を開始し、外部の真空コントローラー(Thyr-Cont, Electronic, GmbH)を用いて約5000mTOR(約700Pa)で制御した。湿潤製品温度が下がり、約−5℃〜0℃で安定化した。製品温度が暖かくなり始めたとき(湿潤物質に接続された1対の温度センサーで測定)、100mTOR(13Pa)のフル減圧が確立されるまでチャンバーの大気圧を徐々に下げた。真空を高めるこの時間の始めから終わりまで、製品温度を慎重に−5℃〜+5℃に維持した。フル減圧を確立した24時間後に、乾燥製品を凍結乾燥機から取り出した。この乾燥プロトコル後のプロバイオティック物質の水分活性(Aw)は0.05だった(HygroPalm Awl, Rotonic Huntington, NYで測定した)。
【0070】
プロバイオティックトリートの製造
小さいハートまたは星形の形を有するマフィンプレート中に上記基本処方スラリーを注ぎ、次の4時間かけて室温で硬化させた(固体ヒドロゲル)。この成形ヒドロゲルを含むプレートを凍結乾燥機内に置いて上述したように乾燥させた。
【0071】
プロバイオティックマイクロマトリックス粒子の製造
5gのCaClと300gのトレハロースを含む1000mlの浴(0〜5℃で維持)内に18G針を備えた注射器を用いて上記基本配合物を押し出し、または滴下した。スラリーを注入しながら、CaCl浴を穏やかに撹拌した。マトリックスのストリングまたは液滴を30分間架橋させてから収集し、ペーパータオル上に吸い取らせた。ストリングまたは液滴をまず該物質の水分活性が0.5に下がるまで、従来型オーブン内で35℃にて乾燥させてから、約24時間の最終乾燥のため凍結乾燥機に物質を移した。次に、標準的なコーヒーグラインダーを用いて乾燥液滴またはストリング(Aw=0.06)を微細粉末に粉砕し、50〜250ミクロンのふるいに通してふるい分けした。
【0072】
あるいは、上述したように既に乾燥したプロバイオティックフレークまたはトリートを粉砕し、ふるい分けしてプロバイオティックマイクロマトリックス粒子を得ることができる。
【0073】
プロバイオティック顆粒化マトリックス粒子の製造
ラクトバシラス・アシドフィラス(発酵収穫物から直接得た20%の固体濃縮物)の濃縮ペースト1200mlに600gのトレハロース(Cargill Minneapolis, MN)を加えて完全に溶解させた。標準的な家庭用ミキサーを用いて激しく撹拌しながら、大豆タンパク質単離物(200g、Fearn Natural Foods, Mequon, WI)と大豆加水分解物(20g、Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)を加えた。次に、アルギン酸ナトリウム(40g)をスラリーに混ぜ合わせて室温に冷ました。滑らかな濃厚かつ均一なゲルを得た後、5gの炭酸カルシウムを加えた。直後に、半湿潤フリー流動粉末が得られるまで激しく混合しながら、1000gの卵白(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)をゆっくり添加した。この顆粒化プロバイオティック粉末を従来型オーブン内で40℃にて2時間乾燥させた後、24時間真空乾燥させて乾燥(Aw<0.06)顆粒化マトリックス粒子を得た。50〜500ミクロンの一連のふるいに通して顆粒化粒子を特定の大きさの範囲にふるい分けすることができる。このプロバイオティック顆粒化マトリックス粒子の組成を表2に示す。
【0074】
【表2】

【0075】
乾燥マイクロマトリックス粒子製造後のラクトバシラス・ラムノサスの回収
ラクトバシラス・ラムノサスマイクロマトリックス粒子を上述した通りに製造した。発酵槽から収穫して遠心分離した後の濃縮ラクトバシラス・ラムノサスのCFU数は5×1010/gペーストであり、固形分は24%だった。このプロバイオティクスを全ての保護成分と混合し、ヒドロゲルを形成し、ヒドロゲルを小糸にチョップし、凍結乾燥機内で24時間乾燥させ、粉砕し、50〜250ミクロンの粒径にふるい分けした後、CFU数は9.4×10/g乾燥マイクロマトリックスだった。これは、製造プロセス中のプロバイオティック活性の0.28対数損失に相当する(図1に示すように)。
【0076】
40℃で33%の相対湿度(RH)でのラクトバシラス・ラムノサスの安定性
上述した通りにラクトバシラス・ラムノサスプロバイオティックマイクロマトリックス粒子を調製して乾燥させた。乾燥マイクロマトリックス粒子を40℃および33%の相対湿度に設定した温度および湿度制御インキュベーター内に4週間置いた。10%のトレハロース溶液中でのみ、または本明細書で述べる保護混合物中で乾燥させた細菌の生存能力を1週間間隔で測定した。図2は、保護混合物がトレハロース単独で乾燥させた細菌の生存能力に有意な保護を与えたことを示す。
【0077】
人工胃液内でのラクトバシラス・ラムノサスマイクロマトリックス粒子の安定性
上述した通りにラクトバシラス・ラムノサス(LGG)、ラクトバシラス・アシドフィラス(LA5)またはラクトバシラス・パラカゼイ(LPC)を含有するマイクロマトリックス粒子(50〜250ミクロン)を調製して乾燥させた。次に、マイクロマトリックス粒子を人工胃液(充満した胃−12%の無脂肪スキムミルク、2%のグルコース、1%の酵母エキスおよび0.05%のシステイン;pH2;または空の胃−0.32%のペプシン、0.2%の塩化ナトリウム、pH1.2)に2時間曝露した。人工胃液への曝露前後に細菌の生存能力を記録した。図3は、人工胃液条件内のマイクロマトリックス物質中のプロバイオティック細菌の有意な保護を実証する。
【0078】
プロバイオティック物質のコーティング
ドラムタンブラー内で40℃の温度にて脂肪ベース湿分バリア(20%のホホバ油、70%のココアバターおよび10%の蜜ろうの混合物)でプロバイオティック物質をコーティングした。乾燥物質をドラムタンブラー内で撹拌しながら、噴霧ノズルを用いて湿分バリアを噴霧して均一なコーティングを保証した。コーティングの総量は、プロバイオティックフレークおよびトリートでは約20%(未コーティングプロバイオティック物質の)であり、プロバイオティックマイクロマトリックス粒子では40〜50%だった。
【0079】
(実施例2)
プロバイオティックペットフードの調製
市販のイヌ用ペットフードをまず従来型オーブン内で0.1の水分活性まで乾燥させてからドラムタンブラー内でプロバイオティックマイクロマトリックス粒子でコーティングした。ペレットをまず約5%の脂肪ベース湿分バリア(40%の鶏脂、40%のココアバターおよび20%の蜜ろうの混合物)を噴霧してからマイクロマトリックス粒子(通常、108CFU/gの用量を与える全ペットフードの0.1〜0.5%)と混合し、最後に脂肪ベース湿分バリアのさらなる被覆物を噴霧した。コーティングの総量は約15%(ペットフードの)だった。コーティング時間は約30分だった。
【0080】
(実施例3)
いくつかのプロバイオティック微生物を用いた魚飼料の調製
いくつかのプロバイオティクスの混合物を用いて魚用ペレット飼料を調製した。実施例1で述べた通りに、ラクトバシラス・ラムノサス、ラクトバシラス・アシドフィラスおよびビフィドバクテリウム・ラクティス(DSN20215)の混合物を含有するプロバイオティックマイクロマトリックス粒子を調製した。市販の魚飼料をまず従来型オーブン内で0.1の水分活性まで乾燥させてからドラムタンブラー内にてプロバイオティックマイクロマトリックス粒子でコーティングした。ペレットにまず約5%の脂肪ベース湿分バリア(40%の魚油、40%のココアバターおよび20%の蜜ろうの混合物)を噴霧してからマイクロマトリックス粒子(通常、107cfu/gの用量を与える全魚飼料の0.1〜0.5%)と混合し、最後に脂肪ベース湿分バリアのさらなる被覆物を噴霧した。コーティングの総量は(魚飼料の)約10%だった。
【0081】
(実施例4)
プロバイオティック「チップス」の調製(図4に示す通り)
実施例1で述べた通りに、ラクトバシラス・ラムノサスとラクトバシラス・アシドフィラスの混合物でプロバイオティックチップスを調製した。標準的な10〜20%の装填の代わりに約1〜2%のプロバイオティックペーストと共に基本配合物を加えた。5gのリン酸水素カルシウムを基本配合物に混合した後、5gのグルコノラクトンを混ぜ合わせ、このスラリーを1インチ(2.5cm)径の長いプラスチックチューブに流し込み、次の4時間かけて室温で硬化させた(固体ヒドロゲル)。堅い「ホットドッグ」形ゲルを薄円板にスライスし、トレイ(13×10インチ(33×25cm))上に載せて凍結乾燥機内に置き、実施例1で述べた通りに乾燥手順を施した。乾燥プロバイオティックチップス製品を凍結乾燥機から取り出し、1食当たり10CFUの有効用量を含むおいしいパリパリしたトリートを提供する小さいアルミニウム箔パックに窒素下で詰めた。図4は、本明細書で述べるラムノサスの1食当たり10CFUを含むプロバイオティックチップスの例を示す。
【0082】
(実施例5)
プロバイオティックシリアルの調製
市販の朝食用シリアルをまず従来型オーブン内で0.1の水分活性まで乾燥させた。標準的な10〜20%装填のプロバイオティクスを含むプロバイオティックチップスを製造し、さらに実施例1および4で述べた通りに湿分バリアでコーティングした。次に、シリアルを0.1〜0.5%のプロバイオティックチップスと混合した(108cfu/gの用量を与えるため)。
【0083】
(実施例6)
飲料の容器またはビンの蓋内のプロバイオティックマトリックス物質の代替送達形態
一般に、実施例1または実施例4の通りに製造したプロバイオティック物質の全ての形態が同様によく働き、この物質の利用と適用の高い汎用性を確証している。食用食品と共に小さいバッグまたは紙「スティック」包装で、あるいは任意の他の様式で、本明細書で述べた通りに製造したプロバイオティック物質を提供することができる。消費用液体食品と混合すべく、ヨーグルト容器または飲料のビンの蓋内で乾燥マイクロマトリックス粒子またはチップスを提供することもできる。
【0084】
参考文献
以下の参考文献を本明細書で引用する。
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Cavadini, C., Ballevre, O. and Gaier, H. (EP 0 862 863). Cereal product containing probiotics.
Crowe, J. H., Carpenter, J. F. and Crowe, L. M. (1998). "The role of vitrification in anhydrobiosis. Review." Annu Rev Physiol. 60: 73-103.
Farber, M. and Farber, J. (WO 03/088755). Delivery systems for functional ingredients (2003).
Giffard, C. J. and Kendall, P. (US 2005/0079244). Foodstuff (2005).
Hughes, V. L. and Hillier, S. L. (1990). "Microbiologic characteristics of Lactobacillus products used for colonization of the vagina." Obstet Gynecol. 75: 244-248.
Kenneth, A. M. and Liegh, B. T. (US 6900173). Perioperative multivitamin protein bar for use in preparing an individual for fast surgical recovery (2005).
Ko, S. T. and Ping, Y. A. T. (WO 02/058735). Methods of preparing biological materials and preparation produced using the same.
McGrath, S. and Whale, A. P. (EP 1382241). Storage and delivery of micro-organisms (2004).
Porubcan, R. S. (US 2004/0175389). Formulations to increase in vivo survival of probiotic bacteria and extend their shelf-life (2004).
Shah, N. P. (2000). "Probiotic bacteria: selective enumeration and survival in dairy foods." Journal of Dairy Science 83: 894-907.
Ubbink, J. B., Zammaretti, P. S. and Cavadini, C. (US 2005/0153018). Probiotic delivery system (2005).
【0085】
本明細書で引用したあらゆる特許、特許出願、および出版物の開示全体を参照によって本明細書に援用する。
【0086】
特定の実施形態を参照してこの対象を開示したが、本明細書で述べた対象の真の精神および範囲から逸脱することなく、当業者は他の実施形態および変形を案出できることは明白である。添付の特許請求の範囲は、このような実施形態および等価な変形を全て包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の糖と、少なくとも1種のタンパク質と、少なくとも1種の多糖との乾燥マトリックス中に保存された生存可能なプロバイオティック細菌を含むプロバイオティック物質。
【請求項2】
前記乾燥マトリックス中の前記糖が二糖である、請求項1に記載のプロバイオティック物質。
【請求項3】
前記二糖が、スクロースおよびトレハロースから成る群より選択される、請求項2に記載のプロバイオティック物質。
【請求項4】
前記乾燥マトリックス中の前記タンパク質が、卵白、大豆タンパク質単離物、大豆加水分解物またはそれらの組合せから成る群より選択される、請求項1に記載のプロバイオティック物質。
【請求項5】
前記多糖が、架橋性ゲルであり、最も好ましくは異なる粘度のアルギン酸塩の組合せ、アガロース、ペクチン、およびキトサンから成る群より選択される、請求項1に記載のプロバイオティック物質。
【請求項6】
前記乾燥マトリックスが、20%w/v〜60%w/vのトレハロース、2%w/v〜20%w/vの卵白または大豆タンパク質単離物および0.5%w/v〜10%w/vのアルギン酸塩を含む、請求項1に記載のプロバイオティック物質。
【請求項7】
前記プロバイオティック微生物が、乾燥物質1グラム当たり10〜1014個の生存可能な微生物を含む、請求項1に記載のプロバイオティック物質。
【請求項8】
追加の湿分バリアでコーティングされている、請求項1に記載のプロバイオティック物質。
【請求項9】
撥水または防水特性を有する任意の食品グレード物質を含む、請求項8に記載の湿分バリア。
【請求項10】
油ベース物質の混合物を含む、請求項8に記載の湿分バリア。
【請求項11】
前記プロバイオティック微生物が、製造後、高温かつ高湿度条件への長期曝露後、および胃内曝露後にその最初の生物活性の大部分を保持している、請求項1に記載のプロバイオティック物質。
【請求項12】
少なくとも1種の糖と、少なくとも1種のタンパク質と、少なくとも1種の多糖とを含む乾燥マトリックス中に保存された生存可能なプロバイオティック細菌を含む1種または数種のプロバイオティック物質を含む、ヒト用食物製品。
【請求項13】
湿潤、半湿潤、または半乾燥形態である、請求項12に記載のヒト用食物製品。
【請求項14】
粉末、粒状、ペレット、タブレット、カプセル、コロイド懸濁液または液体形態である、請求項12に記載のヒト用食物製品。
【請求項15】
バー、液体配合物、またはシリアルもしくは別の食物製品に添加される、請求項12に記載のヒト用食物製品。
【請求項16】
トリート、栄養補助食品添加物または医薬食品添加物の形態である、請求項12に記載のヒト用食物製品。
【請求項17】
少なくとも1種の糖と、少なくとも1種のタンパク質と、少なくとも1種の多糖とを含む乾燥マトリックス中に保存された生存可能なプロバイオティック細菌を含む1種または数種のプロバイオティック物質を含む、動物飼料製品。
【請求項18】
湿潤、半湿潤、または半乾燥形態である、請求項17に記載の動物飼料製品。
【請求項19】
粉末、粒状、ペレット、タブレット、カプセル、コロイド懸濁液または液体形態である、請求項17に記載の動物飼料製品。
【請求項20】
バー、液体配合物、またはシリアルもしくは別の飼料製品に添加される、請求項17に記載の動物飼料製品。
【請求項21】
トリート、栄養補助食品添加物または医薬飼料添加物の形態である、請求項17に記載の動物飼料製品。
【請求項22】
前記動物が、陸生または水生動物から選択される、請求項17に記載の動物飼料製品。
【請求項23】
プロバイオティック食物または飼料物質の製造方法であって、
a)プロバイオティック微生物の調製物を少なくとも1種の糖、少なくとも1種のタンパク質および少なくとも1種の多糖と混合して、所望の形状及び形態の滑らかで均一なゲルを得る工程;および
b)前記予め形成した固体ゲルを0.1未満の水分活性まで真空乾燥させる工程
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−512755(P2010−512755A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541634(P2009−541634)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/087771
【国際公開番号】WO2008/076975
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(504102530)アドバンスド バイオニュートリション コーポレーション (8)
【Fターム(参考)】