生ゴミ処理機
【課題】コスト高になることなく、安全にバイオ基材を排出する。
【解決手段】処理槽22を有する処理機本体10と、処理槽22の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌部材27とを備えた生ゴミ処理機において、処理槽22の側壁の下部に設けたバイオ基材の排出口23と、処理機本体10における排出口23と対応する位置に設けた開口部15と、開口部15を覆うように処理機本体10に着脱可能に装着され、開口部15を露出させるカバー71を有する基材廃棄用具と、カバー71の装着により撹拌部材27を動作させる一方、未装着により撹拌部材27の動作を不可能とする安全装置(スイッチ16)と設けた構成とする。
【解決手段】処理槽22を有する処理機本体10と、処理槽22の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌部材27とを備えた生ゴミ処理機において、処理槽22の側壁の下部に設けたバイオ基材の排出口23と、処理機本体10における排出口23と対応する位置に設けた開口部15と、開口部15を覆うように処理機本体10に着脱可能に装着され、開口部15を露出させるカバー71を有する基材廃棄用具と、カバー71の装着により撹拌部材27を動作させる一方、未装着により撹拌部材27の動作を不可能とする安全装置(スイッチ16)と設けた構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭で使用するバイオ方式の生ゴミ処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の生ゴミ処理機は、好気性のバイオ菌を基材に担持させたバイオ基材によって生ゴミを発酵させて分解するもので、処理機本体の処理槽内に、回動可能な撹拌手段が配設されるとともに、前記処理槽の外部に、内部を加熱するための加熱手段が配設されている。そして、前記加熱手段によって処理槽の内部を所定温度範囲内に維持しながら、投入した生ゴミを前記撹拌手段によってバイオ基材と撹拌することによって処理を行うものである。
【0003】
本発明の生ゴミ処理機に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−1282号公報
【特許文献2】特開2003−305431号公報
【0005】
特許文献1では、撹拌手段を構成する撹拌羽根の一端に、正転方向に回転されるとバイオ基材を撹拌するように作用し、逆転方向に回転させるとバイオ基材を掻き出し口に運搬するように作用する掻き出し羽根を設け、バイオ基材の取り出しを容易に行うことができるようにした生ゴミ処理機が提供されている。また、この生ゴミ処理機では、前記掻き出し口に排出管が接続されるとともに、該排出管にカートリッジ式の収容箱が接続され、定期的に前記撹拌羽根を逆転することにより、バイオ基材を収容箱に自動排出し、該収容箱が満量になると交換する構成としている。
【0006】
しかしながら、この特許文献1の生ゴミ処理機では、バイオ基材を排出するには専用の収容箱を使用する必要があり、ユーザは定期的にその収容箱を購入する必要があるため、コスト高になるという問題がある。
【0007】
特許文献2では、例えば餅つき器のように、着脱可能とした収容容器を設け、該収容容器内に撹拌羽根を着脱可能に取り付けるようにした生ゴミ処理機が提供されている。
【0008】
この特許文献2の生ゴミ処理機では、バイオ基材を排出するには収容容器を取り出して希望の袋などに廃棄できるため、コスト高になることはない。しかし、廃棄するバイオ基材から撹拌羽根を取り出す必要があるため、その作業が面倒であるうえ清潔性に欠けるという問題がある。しかも、金属製の撹拌羽根を取り出す作業は、手に怪我を生じさせる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明では、コスト高になることなく、安全にバイオ基材を排出することが可能な生ゴミ処理機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の生ゴミ処理機は、好気性のバイオ菌を基材に担持させたバイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段とを備えた生ゴミ処理機において、前記処理槽の側壁の下部に設けた前記バイオ基材の排出口と、前記処理機本体における前記排出口と対応する位置に設けた開口部と、前記開口部を覆うように前記処理機本体に着脱可能に装着され、前記開口部を露出させるカバーを有する基材廃棄用具と、前記カバーの装着により前記撹拌手段を動作させる一方、未装着により前記撹拌手段の動作を不可能とする安全装置と設けた構成としている。
【0011】
前記生ゴミ処理機によれば、側壁の下部にバイオ基材の排出口を設けているため、バイオ基材を交換する際には、その排出口を開放するだけで、バイオ基材を流動排出することが可能である。また、バイオ基材が含有した水分が多い場合には、流動による排出は不可能であるため、排出口から手や掻き出し用の部材を挿入する必要性がある。この場合、排出口を覆うように装着する基材廃棄用具のカバーを未装着状態として行う必要があり、この状態では安全装置により撹拌手段は動作不可能であるため、ユーザの手に怪我をさせる可能性はなく、安全性を確保することができる。
【0012】
この生ゴミ処理機では、前記基材廃棄用具は、前記開口部の下部に着脱可能に装着する容器と、前記開口部を覆うように前記容器の上端開口の少なくとも一部を閉塞する前記カバーとからなることが好ましい。このようにすれば、コスト高になることなく、廃棄に係る利便性を向上できる。
【0013】
この場合、前記容器に、排出したバイオ基材の容量を計量する目盛りを設けることが好ましい。ここで、バイオ方式の生ゴミ処理機では、全量ではなく所定量のみを交換する必要があるため、このようにすれば、廃棄に係る利便性を更に向上できる。
【0014】
また、前記基材廃棄用具は、前記開口部を囲繞するように着脱可能に装着され、該排出口を露出させる開口を設けるとともに、廃棄用の袋を装着可能としたダクトと、前記ダクトの開口を閉塞する前記カバーとからなる構成としてもよい。このようにすれば、ユーザは、廃棄するバイオ基材を袋のまま処分できるため、専用容器が不要になるだけでなく、基材廃棄後に専用容器を洗浄する必要もないため、廃棄に係る利便性を更に向上できる。
【0015】
さらに、前記撹拌手段は、垂直方向に延びる回転軸と、前記回転軸の正転方向前側に向けて下向きに傾斜した第1傾斜板、および、該第1傾斜板の外側縁から上向きに突設した第1側板を有し、正転時に前記バイオ基材を押し上げるように撹拌する一方、逆転時に前記バイオ基材を押し下げながら外向きに押し出すように撹拌する第1羽根部と、前記回転軸の正転方向前側に向けて上向きに傾斜した第2傾斜板、および、該第2傾斜板の外側縁から下向きに突設した第2側壁を有し、正転時に前記バイオ基材を押し下げるように撹拌する一方、逆転時に前記バイオ基材を押し上げながら外向きに押し出すように撹拌する第2羽根部とを備え、前記カバーが装着されると、前記撹拌手段が逆転されることが好ましい。即ち、ユーザが排出口から手などを挿入できないようにした状態で、撹拌手段を逆転させるため、安全性を確保し、効率的にバイオ基材を排出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の生ゴミ処理機では、側壁の下部にバイオ基材の排出口を設けているため、バイオ基材を交換する際には、その排出口を開放するだけで、バイオ基材を排出することが可能である。しかも、排出口から手や掻き出し用の部材を挿入する場合には、排出口を覆うカバーを未装着状態として行う必要があり、この状態では安全装置により撹拌手段は動作不可能であるため、ユーザの手に怪我をさせる可能性を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、内部の処理槽22に好気性の酵母菌からなるバイオ菌をおがくずなどの基材に担持させたバイオ基材を収容し、投入した生ゴミをバイオ基材と撹拌することによって処理を行うバイオ方式であり、大略、処理機本体10と、該処理機本体10の上部を開閉可能に閉塞する蓋体50とからなり、処理槽22内に収容したバイオ基材を廃棄するために専用の基材廃棄用具を設けたものである。
【0019】
前記処理機本体10は、その外装体11の内部に処理槽22を配設することにより、該処理槽22内の処理部と処理槽22外の部品配設部とに区画したものである。
【0020】
前記外装体11は、略四角筒状をなす枠体12の底に底板13が配設されるとともに、上部に蓋枠14が配設されたものである。前記枠体12の後面(図1中右側)には、図3に示すように、後述する処理槽22の排出口23から突出した筒部24を露出させる矩形状の開口部15が設けられている。また、この開口部15の一方(左)側部には、安全装置を構成するスイッチ16をオン、オフするための挿通孔17が設けられている。そして、この枠体12の前面(図1中左側)と前記開口部15が設けられた後面には、前カバー18と後カバー19とが着脱可能に配設されている。そのうち、前記後カバー19には、前記挿通孔17内にされて前記安全装置を構成するスイッチ16をオンするための押圧部(図示せず)が設けられている。前記蓋枠14には、その前部に生ゴミの投入口14aが設けられ、その開口縁には下向きに突出するリブが設けられている。また、枠体12の内部には、処理槽22の上端に位置するように仕切板20が配設されている。この仕切板20は、処理槽22の上端前部に位置するように開口部20aが設けられ、該開口部20aと前記蓋枠14の投入口14aとの間にはダクト部材21が配設されている。なお、前記仕切板20と蓋枠14との間の空間は、蓋体50のロック手段および撹拌部材27の駆動手段であるモータ28などを配設する配設部を構成する。
【0021】
前記処理槽22は、図2に示すように、その前面22aの上側を前向き傾斜させた上端開口のものである。言い換えれば、この処理槽22は、その前面22aの上端が枠体12の前面に近づくように傾斜するように構成したものである。この処理槽22の側壁である背面には、外部に連通する排出口23が設けられ、その開口縁には外向きに突出するとともに、先端が前記枠体12の開口部15内に配置される筒部24が突設されている。この筒部24は、図1および図3に示すように、前記開口部15より小さい正方形状をなし、その先端にはネジ締めにより蓋25が着脱可能に取り付けられている。なお、この筒部24と開口部15との間には所定の隙間が形成され、この隙間に後述する容器66を装着する構成としている。さらに、処理槽22の底面には、下向きに窪んだ受部26が設けられ、この受部26に撹拌手段を構成する撹拌部材27の下端が回転可能に取り付けられる。
【0022】
前記撹拌部材27は金属製であり、その回転軸29の下端を前記受部26に配置するとともに仕切板20を貫通させた上端にモータ28を接続した縦型のもので、前記処理槽22内において後面側に位置し、生ゴミを投入するためのダクト部材21からは上面視で殆ど見えないように構成されている。具体的には、この撹拌部材27は、図4に示すように、垂直方向に延びる回転軸29の中間部分に3個の中間羽根部材30A,30B,30Cを固着するとともに、処理槽22の底に位置するように回転軸29の下部に下羽根部材40を固着したものである。本実施形態では、前記モータ28は、正転(図中反時計回り)および逆転(図中時計回り)が可能なものを使用している。
【0023】
前記中間羽根部材30A,30B,30Cは、前記回転軸29に固着するための略円環状をなす連結部31に対して、略180度の位置に第1羽根部32と第2羽根部36とを対向配置したものである。
【0024】
前記第1羽根部32は、正転時にバイオ基材を押し上げながら回転軸29に向けて掻き込むように撹拌する一方、逆転時にバイオ基材を押し下げながら外向きに押し出すように撹拌するもので、第1連結板33と、第1傾斜板34a,34bと、第1側板35とからなる。前記第1連結板33は、前記連結部31と連続するもので、本実施形態では、該連結部31に対するなす角が約30度となるように回転軸29から外側縁に向けて上向きに傾斜するように屈曲されている。前記第1傾斜板34a,34bは、モータ28による正転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第1連結板33に対して約135度の角度で屈曲されている。前記第1側板35は、正転時に後側に位置する前記第1傾斜板34aおよび第1連結板33の外側縁から上向きに突出するように、これら第1傾斜板34aおよび第1連結板33に対して約90度の角度で直交するように第1連結板33に対して屈曲されている。
【0025】
前記第2羽根部36は、正転時にバイオ基材を押し下げながら回転軸29に向けて掻き込むように撹拌する一方、逆転時にバイオ基材を押し上げながら外向きに押し出すように撹拌するもので、第1羽根部32と同様に、第2連結板37と、第2傾斜板38a,38bと、第2側板39とからなる。前記第2連結板37は、前記連結部31と連続するもので、本実施形態では、前記第1連結板33とは逆に、前記連結部31に対するなす角が約30度となるように回転軸29から外側縁に向けて下向きに傾斜するように屈曲されている。前記第2傾斜板38a,38bは、モータ28による正転方向前側に向けて上向きに傾斜するように、前記第2連結板37に対して約135度の角度で屈曲されている。前記第2側板39は、正転時に後側に位置する前記第2傾斜板38aおよび第2連結板37の外側縁から下向きに突出するように、これら第2傾斜板38aおよび第2連結板37に対して約90度の角度で直交するように第2連結板37に対して屈曲されている。
【0026】
前記下羽根部材40は、前記受部26の上端縁に載置される円板部41aと受部26内に回転可能に内嵌される突出部41bとを備え、回転軸29の下端に固着される装着部41に対して、略180度の位置に一対の第3羽根部42を対向配置したものである。
【0027】
前記第3羽根部42は、正転方向および逆転方向のいずれに回転してもバイオ基材を押し上げるように撹拌するもので、第3連結板43と、第3傾斜板44と、第4傾斜板45と、第3側板46a,46b,46cとからなる。前記第3連結板43は、前記装着部41と連続するもので、本実施形態では該装着部41に対して面一に径方向外向きに突出するように構成されている。前記第3傾斜板44は、モータ28による正転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第3連結板43に対して約135度の角度で屈曲されている。前記第4傾斜板45は、モータ28による逆転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第3連結板43に対して約135度の角度で屈曲されている。前記第3側板46a,46b,46cは、前記第3連結板43、第3傾斜板44および第4傾斜板45の外側縁から上向きに突出するように、これらに対して約90度の角度で交差するように屈曲されている。
【0028】
前記中間羽根部材30A,30B,30Cと下羽根部材40とは、回転軸29に対して所定間隔をもって位置するように固着される。また、上下段に位置する中間羽根部材30A,30B,30Cおよび下羽根部材40は、各羽根部32,36,42が略90度の間隔で周方向に回転した位置に配置されるように固着される。
【0029】
前記処理槽22の下部外周面には、処理槽22内のバイオ基材を所定温度範囲内に維持するための加熱手段として、ヒータ47が配設されている。また、外装体11を構成する枠体12の前面と処理槽22との間には、蓋体50を自動開放するために進入物である人体の足の進入を検出する検出手段である測距センサ48と、該測距センサ48を床面から所定高さに配置するためのケース49とが配設されるとともに、後述する制御基板73が配設されている。
【0030】
前記蓋体50は、図2に示すように、前記処理機本体10を構成する蓋枠14の上面に回動可能に取り付けられるとともに、付勢手段であるヒンジスプリング51により開放方向に付勢されたものである。この蓋体50の前部には、図5に示すように、下向きに突出した係止受部52が設けられ、この係止受部52がロック手段によってロックおよびアンロックされる。
【0031】
前記ロック手段は、前記蓋枠14に回動可能に取り付けられ、前記係止受部52に係止する爪部55aを設けたロック部材53からなる。具体的には、このロック部材53は、蓋体50に軸着する軸受部54より上方に突出するように先端に爪部55aを設けた係止部55が設けられている。また、軸受部54には、略L字形状に突出して下向きに延びる作用部56が設けられている。この作用部56には、前記測距センサ48による人体の検出により蓋体50を自動開放させる蓋体開放手段を構成するソレノイド57のロッド57aがリンク部材58を介して連結されている。また、作用部56の前部に位置するように蓋枠14には、手動式のロック解除操作部59がスプリングによって外向きに付勢された状態で配設されている。さらに、作用部56は、スプリング60によって常にロック部材53によりロック位置である上向きに付勢されている。なお、符号61は、蓋体50を自動および手動のいずれでも開放不可能とする強制ロック部材である。また、符号62は、蓋体50が閉塞されたことを検出するためのスイッチである。このスイッチ62は、蓋体50に突設された円弧状の押圧部材50aによりオン、オフされることにより、蓋体50の開放および閉塞を検出できる。
【0032】
このように構成された生ゴミ処理機には、図6に示すように、前記処理槽22内に収容されたバイオ基材によって生ゴミを分解する処理機能の状態を検出するための基材状態検出手段として、処理槽22内の温度、バイオ基材の温度、および、外気の温度を検出する3個の温度センサ63,64,65が配設されている。処理槽用温度センサ63は、処理槽22内におけるバイオ基材の上部の空間温度に配設されている。基材用温度センサ64は、処理槽22内における底に配設されている。外気用温度センサ65は、処理機本体10の外装体11に配設されている。
【0033】
前記バイオ基材を廃棄するための第1実施形態の基材廃棄用具は、図1、図3および図7に示すように、容器66とカバー71とからなる。
【0034】
前記容器66は、処理機本体10を設置する床面に載置した状態で、前記処理槽22の排出口23を露出させる開口部15の下端縁と略同一高さとなる上端開口の箱からなる。この容器66の上端開口は、開口部15の幅より大きい略正方形状をなし、その内部には後述するカバー71を載置するための段部67が形成されている。また、この容器66の上端には、その一辺に前記開口部15と筒部24との間の隙間に挿入して装着するための略U字形状をなす挿入係止部68が外向きに突出するように設けられている。さらに、この挿入係止部68を設けた面の一方隅部には、内向きに窪む凹部69が設けられている。本実施形態では、この容器66は外部から内部を透視可能な樹脂からなり、その外周部の所定位置には容量に応じた目盛り70が設けられている。
【0035】
前記カバー71は、前記容器66を装着した状態で露出した処理槽22の排出口23を含む前記開口部15を覆うもので、その前面および下面を開口したものである。このカバー71の下端縁は略コ字形状をなし、その大きさは前記容器66の上端開口において、一部の段部67上に係合するように載置される。このカバー71の一側下端には、前記挿通孔17内に挿通されることにより安全装置を構成するスイッチ16をオンするための押圧部72が設けられている。本実施形態では、このカバー71は容器66と同様に外部から内部を透視可能な樹脂からなり、処理槽22からの排出状況を目視で確認できるように構成している。なお、このカバー71は、容器66の上端開口全体を閉塞する形状としてもよい。
【0036】
前記構成の生ゴミ処理機は、制御基板73に実装された制御手段であるマイコン74により、記憶手段75に予め記憶されたプログラムに従って動作される。具体的には、このマイコン74は、商用電源からの電力が電源回路部76により直流電圧に変換され、この直流電圧が印加されることにより動作する。そして、蓋体開放制御手段の役割をなし、前記安全装置のスイッチ16がオン状態で、かつ、前記測距センサ48により人体を含む物体が近づいたことを検出すると、前記ソレノイド57を動作させ、係止部55による係止受部52の係止を解除することにより、ヒンジスプリング51の付勢力によって蓋体50を自動開放させる。また、スイッチ62により蓋体50が閉塞されたことを検出すると、その閉塞時を制御の開始点として前記ヒータ47のオン、オフ、および、撹拌部材27の回転の周期的な制御を開始する。さらに、所定時間毎に基材状態検出手段である前記温度センサ63〜65による検出値に基づいてバイオ基材の処理機能の状態を判断する基材状態判断手段の役割をなし、判断結果に基づいて前記ヒータ47のオン、オフ、および、1周期で撹拌部材27を動作させる時間を変更するとともに、操作パネル77の表示部にバイオ基材の処理機能の状態を表示する。
【0037】
撹拌制御手段としてのマイコン74は、撹拌手段制御処理では、図8に示すように、第1撹拌動作と第2撹拌動作とを予め設定したサイクルで繰り返し実行させる。具体的には、この撹拌制御は、予め設定した動作時間(Tb+Tc+TdまたはTe)撹拌部材27を動作させた後、予め設定した停止時間(Ta)撹拌部材27を停止させる周期を繰り返すように制御する。そして、所定数(3つ)の周期を1つの撹拌サイクルとして纏め、この撹拌サイクルを繰り返して制御する。また、この撹拌サイクルを構成する周期のうち、1つの周期を第1撹拌動作で実行し、他の周期を第2撹拌動作で実行する。前記第1撹拌動作は、動作時間のうち一部の時間Tbは前記撹拌部材27を逆転させ、所定の停止時間Tcを経て、他の時間Tdは正転させて動作させるものである。第2撹拌動作は、撹拌部材27を全ての時間Teを正転させて動作させるものである。
【0038】
本実施形態では、撹拌部材27による撹拌サイクルは、蓋体50の閉塞を検出すると、一番目に実行する周期は、その動作時間Tb+Tc+Tdを第1撹拌動作で行った後、停止時間Taの間は撹拌動作を停止した状態で待機する。その後、二番目に実行する周期は、その動作時間Teを第2撹拌動作で行った後、停止時間Taが経過するまで待機し、停止時間Taが経過すると、三番目に実行する周期は、再び動作時間Teを第2撹拌動作で行った後、停止時間Taが経過するまで待機する。このように、3つの周期を1つの撹拌サイクルとし、一番目の周期は第1撹拌動作を実行し、他の周期は第2撹拌動作を実行する構成としている。
【0039】
また、本実施形態では、後カバー19が取り外されると、安全装置を構成するスイッチ16がオフ状態になることにより、撹拌部材27を回動不可能とする。この状態で、蓋体50が閉塞され、カバー71が装着されることによりスイッチ16がオン状態になると、前記撹拌部材27による撹拌動作を開始する。即ち、本実施形態では、カバー71が装着されると、前記撹拌部材27が逆転されるように構成している。
【0040】
次に、マイコン74による制御について具体的に説明する。
【0041】
電源が投入されると、マイコン74は、図9に示すように、まず、ステップS1で、内蔵した時間計時タイマ78をリセットしてスタートさせた後、ステップS2で、設定時間が経過(カウントアップ)したか否かを検出する。そして、設定時間が経過した場合にはステップS3に進み、設定時間が経過していない場合にはステップS5に進む。
【0042】
ステップS3では、電源の投入後に所定時間が経過していることを示すフラグfaに1を入力した後、ステップS4で、時間計時タイマ78をストップしてステップS5に進む。
【0043】
ステップS5では、後述する生ゴミ処理制御工程を実行してステップS6に進む。このステップS6では、フラグfaに1が入力されているか否かを検出する。そして、faが1である場合にはステップS5に進み、faが1でない(fa=0)場合にはステップS2に戻る。即ち、電源が投入された後、予め設定した時間が経過した後は、ステップS5の生ゴミ処理制御工程のみが行われる。ここで、前記設定時間は、新規に生ゴミ処理機を購入した場合や、内部のバイオ基材を交換した場合など、ユーザの使用状況を判断したり、バイオ基材を活性化させるために必要な時間である。
【0044】
次に、ステップS5の生ゴミ処理制御工程について具体的に説明する。
【0045】
この生ゴミ処理制御工程では、マイコン74は、図10に示すように、まず、ステップS10で、後カバー19が取り外されることにより安全装置のスイッチ16がオフ状態になったか否かを検出する。そして、スイッチ16がオフ状態になった場合にはステップS11に進み、オフ状態でない(オン状態)場合にはステップS14に進む。
【0046】
ステップS11では、撹拌部材27を停止した後、ステップS12で、スイッチ62を介して蓋体50が閉塞されたことを検出するまで待機する。そして、蓋体50が閉塞されると、ステップS13で、カバー71が装着されることにより安全装置のスイッチ16がオン状態になるまで待機する。そして、スイッチ16がオン状態になるとステップS17に進む。
【0047】
一方、安全装置のスイッチ16のオフ状態を検出しない場合には、ステップS14で、スイッチ62を介して蓋体50が開放されたか否かを検出する。そして、蓋体50の開放を検出した場合にはステップS15に進み、蓋体50の開放を検出しない場合にはステップS19に進む。
【0048】
ステップS15では、撹拌部材27を停止した後、ステップS16で、スイッチ62を介して蓋体50が閉塞されたことを検出するまで待機する。そして、蓋体50の閉塞を検出すると、ステップS17で、バイオ基材の処理機能の状態を検出する周期である2時間タイマをリセットしてスタートさせた後、ステップS18で、後述する撹拌手段制御処理で撹拌部材27を動作させる撹拌サイクルのデータを記憶手段75から読み込む。具体的には、1つの撹拌サイクルとして纏める周期数(n)、そのうちの何番目に第1撹拌動作を実行させるかを示す周期(m)を読み込む。
【0049】
ステップS19では、2時間タイマがカウントアップしたか否かを検出し、カウントアップした場合にはステップS20に進み、カウントアップしていない場合にはステップS24に進む。
【0050】
ステップS20では、次にバイオ基材の処理機能の状態を検出するために2時間タイマをリセットしてスタートさせた後、ステップS21で、基材状態検出手段である3個の温度センサ63〜65により処理槽22内の温度、バイオ基材の温度、および、外気の温度を検出する。
【0051】
ついで、ステップS22で、検出した3カ所の温度に基づいてバイオ基材の状態を判断する基材状態判断処理を実行した後、ステップS23で、判断したバイオ基材の処理機能の状態に基づいて操作パネル77の表示部の変更処理を行ってステップS24に進む。
【0052】
ステップS24では、モータ28および撹拌部材27からなる撹拌手段の制御処理、および、ヒータ47による加熱手段制御処理からなるバイオ基材調整処理を実行してリターンする。なお、加熱手段制御処理は、ステップS22で判断したバイオ基材の処理機能の状態に基づいてヒータ47による加熱時間を変更するものである。
【0053】
次に、前記撹拌手段制御処理について具体的に説明する。
【0054】
この撹拌手段制御処理では、マイコン74は、図11に示すように、まず、ステップS30で、撹拌部材27を停止する時間である停止タイマ(Ta)がカウントアップしているか否かを検出する。そして、停止タイマ(Ta)がカウントアップしている場合にはステップS31に進み、カウントアップしていない場合にはリターンする。なお、カバー71が装着されることにより安全装置のスイッチ16がオン(ステップS13)した直後、および、スイッチ16のオフを検出することなく蓋体50が閉塞(ステップS16)された直後には、停止タイマはカウントアップした状態であり、必ずステップS31に進む。
【0055】
ステップS31では、撹拌動作の周期(m)が1であるか否かを検出する。そして、mが1である場合にはステップS32に進み、逆転動作を有する第1撹拌動作実行処理を行ってステップS34に進む。一方、mが1でない場合にはステップS33に進み、逆転動作を有していない第2撹拌動作実行処理を行ってステップS34に進む。
【0056】
ステップS34では、撹拌動作の周期(m)に1を加算(m=m+1)する。そして、ステップS35で、周期(m)が撹拌サイクルの周期数(n)以上(m≧n)になったか否かを検出する。そして、周期(m)が周期数(n)回以上である場合にはステップS36に進み、周期(m)をリセット(1)してステップS37に進み、周期(m)が周期数(n)回未満である場合にはそのままステップS37に進む。ステップS37では、停止タイマ(Ta)をリセットしてスタートさせてリターンする。
【0057】
次に、前記撹拌部材27を正転方向に回転させた場合の撹拌作用について具体的に説明する。
【0058】
前記モータ28により撹拌部材27を正転方向に回転させると、まず、第1羽根部32では、第1傾斜板34a,34bにより、生ゴミを含むバイオ基材が押し上げられる。また、第1連結板33の傾斜によって先端が回転軸29に向けて傾斜された第1側板35により、回転軸29に向けて内側に掻き込むように押圧される。第2羽根部36では、第2傾斜板38a,38bにより、生ゴミを含むバイオ基材が押し下げられる。また、第2連結板37の傾斜によって先端が回転軸29に向けて傾斜された第2側板39により、回転軸29に向けて内側に掻き込むように押圧される。第3羽根部42では、第3傾斜板44により生ゴミを含むバイオ基材が押し上げられる。また、第3側板46a,46b,46cにより外向きへの流動が抑制される。
【0059】
その結果、撹拌部材27の周囲では、バイオ基材が上向きに移動される流動部分、下向きに移動される流動部分が形成される。そのため、これらの流動部分の作用により、処理槽22内の全体にわたってバイオ基材と生ゴミとの分布を均一に撹拌することができ、好気性のバイオ菌を担持させたバイオ基材により生ゴミの分解効率を向上することができる。
【0060】
次に、前記撹拌部材27を逆転方向に回転させた場合の撹拌作用について具体的に説明する。
【0061】
前記モータ28により撹拌部材27を逆転方向に回転させると、正転の場合とは逆に、まず、第1羽根部32では、第1傾斜板34a,34bにより生ゴミを含むバイオ基材が押し下げられる。また、第1連結板33の傾斜によって先端が回転軸29に向けて傾斜された第1側板35により、径方向外向きに押し出される。第2羽根部36では、第2傾斜板38a,38bにより、生ゴミを含むバイオ基材が押し上げられる。また、第2連結板37の傾斜によって先端が回転軸29に向けて傾斜された第2側板39により、径方向外向きに押し出される。第3羽根部42では、第4傾斜板45により生ゴミを含むバイオ基材が押し上げられる。また、第3側板46a,46b,46cにより外向きへの流動が抑制される。
【0062】
これにより、撹拌部材27の周囲では、バイオ基材が上向きに移動される流動部分、下向きに移動される流動部分に加え、強い力で外向きに移動される流動部分が形成される。そのため、これらの流動部分の作用により、処理槽22内の全体にわたってバイオ基材と生ゴミとの分布を均一に撹拌することができ、好気性のバイオ菌を担持させたバイオ基材により生ゴミの分解効率を向上することができる。
【0063】
次に、処理槽22内のバイオ基材を廃棄する方法の一例について具体的に説明する。
【0064】
バイオ基材の一部を廃棄して新たなバイオ基材を補充する場合には、図12に示すように、後カバー19を取り外す。これにより、安全装置のスイッチ16がオフ状態(ステップS10)となり、撹拌部材27は回動不可能な状態になる。そして、容器66の挿入係止部68を開口部15の下端縁から挿入して係止させる。
【0065】
ついで、図13に示すように、露出した開口部15から処理槽22の筒部24に装着した蓋25のネジを取り外して該蓋25を取り外す。これにより、バイオ基材が含んだ水分が少なく、乾燥状態である場合には、排出口23から自然に容器66に排出される。また、バイオ基材が含有した水分が多い場合には、自然に排出はされない。
【0066】
そのため、この場合には、排出口23から手や掻き出し用の部材を挿入して排出する必要がある。そして、本実施形態では、この状態では、安全装置を構成するスイッチ16はオフ状態となっているため、ユーザが排出口23から手や他の部材を挿入しても撹拌部材27が回動することはなく、ユーザの手に怪我をさせることを防止し、安全性を確保できる。
【0067】
また、本実施形態では、前記排出口23を覆うように装着するカバー71に安全装置のスイッチ16をオン状態とする押圧部72を設けている。そのため、図1に示すように、開口部15にカバー71を装着すると、スイッチ16がオン状態(ステップS14)となる。
【0068】
そうすると、マイコン74は、ステップS17,S18を経てステップS24に移行するため、撹拌部材27を動作させることになり、その動作は最初の動作時間Tbを逆転させる第1撹拌動作である。即ち、カバー71を装着することにより、安全装置のスイッチ16がオン状態になると、撹拌部材27は逆転される。
【0069】
そして、撹拌部材27を逆転させた場合には、前述のように強い圧力で外向きに移動される流動部分が形成される。その結果、処理槽22内に充填されたバイオ基材は、排出口23を通して外部に自動的に強制排出される。そして、この排出されたバイオ基材は、排出口23を含む開口部15を覆ったカバー71の壁面に衝突し、容器66の段部67に載置した下端から容器66内に排出される。なお、この状態では、カバー71により排出口23を含む開口部15が覆われているため、ユーザは、排出口23から処理槽22内には手などを挿入することはできない。
【0070】
このように、本発明の生ゴミ処理機では、ユーザが排出口23から手などを挿入できないようにした状態で、撹拌部材27を逆転させるため、安全性を確保し、効率的にバイオ基材を排出することができる。しかも、本実施形態の容器66は、内部を透視可能な配色で、かつ、容量に応じた目盛り70を設けて計量できるように構成しているため、所定量のみのバイオ基材を交換(廃棄)する際の利便性を向上できる。また、その容器66は、専用のものであるが、所謂使い捨て商品ではなく、何度も使用するものであるため、コスト高になることを防止できる。
【0071】
なお、本実施形態の撹拌サイクルは、図8に示すように、1周期の一部分のみを逆転させるものであるため、その逆転動作時間Tbだけでは希望量のバイオ基材を排出できない場合がある。しかし、撹拌部材27が正転により動作(Td)しても、バイオ基材は若干外向きに押し出されるように作用するため、強制排出は可能である。但し、本実施形態の撹拌部材27の場合、やはり逆転時の方がバイオ基材を外向きに流動させる作用は強いため、もう一度逆転させたい場合には、カバー71の押圧部72によるスイッチ16の押圧を解除することにより、スイッチ16を一旦オフ状態とし、再び押圧してオン状態とすることにより、撹拌部材27を再び逆転させることができる。
【0072】
図14から図18は第2実施形態の生ゴミ処理機を示す。この第2実施形態では、基材廃棄用具の構成を変更した点で第1実施形態と相違している。具体的には、第2実施形態の基材廃棄用具は、図14、図15および図16に示すように、廃棄用の袋を装着可能としたダクト79と、該ダクト79の開口を閉塞するカバー86とからなる。
【0073】
前記ダクト79は、前記処理機本体10の開口部15を囲繞するように着脱可能に装着されるもので、略四角錐筒形状をなすものである。このダクト79の前端には、開口部15を囲繞するように枠体12の後面に当接されるフランジ部80が外向きに突設されている。このフランジ部80の内周縁には、上部を除く位置から略U字形状に突出する挿入係止部81が突設されている。この挿入係止部81の側板部分には、開口部15の縁に係合する係合突起82が設けられている。また、フランジ部80の上端縁中央には、後述するカバー86を位置決めする略L字形状位置決め部83が前向きに突設されている。さらに、このダクト79の上面には、前記排出口23を露出させるための開口79aが設けられている。さらにまた、この開口79aの後側には、四角筒形状をなし、その後端に外向きに膨出した抜止部84aを設けた袋装着部84が形成されている。なお、図中符号85a,85bは補強リブである。
【0074】
前記カバー86は、前記ダクト79の開口79aを閉塞するもので、その前面および下面を開口した側面視三角形状ものである。このカバー86の前端縁には、ダクト79と同様に、枠単の後面に当接されるフランジ部87が下端を除く周縁から外向きに突設されている。このフランジ部87には、前記ダクト79のフランジ部80が嵌合される凹部88が設けられている。また、フランジ部87の一側下端には、挿通孔17内に挿通されることにより安全装置を構成するスイッチ16をオンするための押圧部89が設けられている。なお、第2実施形態の挿通孔17および安全装置を構成するスイッチ16の位置は、前記押圧部89に対応するように調整されている。
【0075】
この第2実施形態の生ゴミ処理機は、マイコン74により第1実施形態と同様に制御される。
【0076】
そして、バイオ基材の一部を廃棄して新たなバイオ基材を補充する場合には、前記ダクト79の袋装着部84に家庭内にある希望の袋を被せ、紐などによって結び付ける。これにより、抜止部84aにより袋を離脱することなく取り付けることができる。
【0077】
ついで、図17に示すように、後カバー19を取り外し、安全装置のスイッチ16をオフ状態(ステップS10)として、撹拌部材27を回動不可能な状態とする。そして、ダクト79の挿入係止部81を開口部15の下端縁から挿入して係止させる。
【0078】
ついで、図18に示すように、ダクト79の開口79aから処理槽22の筒部24に装着した蓋25のネジを取り外して該蓋25を取り外す。これにより、第1実施形態と同様に、バイオ基材が含んだ水分が少なく、乾燥状態である場合には、排出口23から自然にダクト79に装着した袋に排出される。また、バイオ基材が含有した水分が多い場合には、自然に排出はされない。そのため、この場合には、排出口23から手や掻き出し用の部材を挿入して排出する。この際には、第1実施形態と同様に、安全装置を構成するスイッチ16はオフ状態となっているため撹拌部材27が回動することはない。
【0079】
また、撹拌部材27を逆転させてバイオ基材を強制排出する場合には、図14に示すように、ダクト79にカバー86を装着することにより、押圧部89により安全装置のスイッチ16をオン状態(ステップS14)とする。これにより、マイコン74は、撹拌部材27を逆転させる。
【0080】
そうすると、第1実施形態と同様に、バイオ基材は、強い圧力で外向きに移動され、排出口23を通して外部の袋に自動的に強制排出される。なお、この状態では、ダクト79およびカバー86により排出口23を含む開口部15が完全に覆われているため、ユーザは、排出口から処理槽22内には手などを挿入することはできない。
【0081】
これにより、第2実施形態の生ゴミ処理機では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができるうえ、バイオ基材が廃棄用の袋に直接排出されるため、ユーザは廃棄するバイオ基材を袋のまま処分できるため、専用容器が不要になるだけでなく、基材廃棄後に専用容器を洗浄する必要もない。しかも、廃棄用の袋は専用のものではないため、コスト高になることはないうえ、廃棄に係る利便性を更に向上できる。
【0082】
なお、本発明の生ゴミ処理機は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態に係る生ゴミ処理機に基材廃棄用具を装着した状態を示す断面図である。
【図2】生ゴミ処理機の全体を示す断面図である。
【図3】生ゴミ処理機の排出口に対応する開口部の構成を示す背面図である。
【図4】撹拌部材の構成を示す斜視図である。
【図5】図2の要部拡大断面図である。
【図6】生ゴミ処理機の構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態の基材廃棄用具を示す分解斜視図である。
【図8】撹拌サイクルを示すタイムチャートである。
【図9】マイコンによる制御を示すフローチャートである。
【図10】図9の生ゴミ処理制御工程を示すフローチャートである。
【図11】図10のバイオ基材調整処理の1つである撹拌手段制御処理を示すフローチャートである。
【図12】処理機本体に基材廃棄用具を取り付ける一工程を示す断面図である。
【図13】処理機本体に基材廃棄用具を取り付ける他の一工程を示す断面図である。
【図14】第2実施形態の基材廃棄用具を取り付けた生ゴミ処理機を示す断面図である。
【図15】第2実施形態の生ゴミ処理機の排出口に対応する開口部の構成を示す背面図である。
【図16】第2実施形態の基材廃棄用具を示す分解斜視図である。
【図17】処理機本体に第2実施形態の基材廃棄用具を取り付ける一工程を示す断面図である。
【図18】処理機本体に第2実施形態の基材廃棄用具を取り付ける他の一工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0084】
10…処理機本体
14a…投入口
16…スイッチ(安全装置)
22…処理槽
23…排出口
24…筒部
25…蓋
27…撹拌部材(撹拌手段)
47…ヒータ(加熱手段)
50…蓋体
66…容器(基材廃棄用具)
70…目盛り
71…カバー
72…押圧部
74…マイコン(制御手段)
79…ダクト(基材廃棄用具)
79a…開口
84…袋装着部
86…カバー
89…押圧部
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭で使用するバイオ方式の生ゴミ処理機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の生ゴミ処理機は、好気性のバイオ菌を基材に担持させたバイオ基材によって生ゴミを発酵させて分解するもので、処理機本体の処理槽内に、回動可能な撹拌手段が配設されるとともに、前記処理槽の外部に、内部を加熱するための加熱手段が配設されている。そして、前記加熱手段によって処理槽の内部を所定温度範囲内に維持しながら、投入した生ゴミを前記撹拌手段によってバイオ基材と撹拌することによって処理を行うものである。
【0003】
本発明の生ゴミ処理機に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0004】
【特許文献1】特開2002−1282号公報
【特許文献2】特開2003−305431号公報
【0005】
特許文献1では、撹拌手段を構成する撹拌羽根の一端に、正転方向に回転されるとバイオ基材を撹拌するように作用し、逆転方向に回転させるとバイオ基材を掻き出し口に運搬するように作用する掻き出し羽根を設け、バイオ基材の取り出しを容易に行うことができるようにした生ゴミ処理機が提供されている。また、この生ゴミ処理機では、前記掻き出し口に排出管が接続されるとともに、該排出管にカートリッジ式の収容箱が接続され、定期的に前記撹拌羽根を逆転することにより、バイオ基材を収容箱に自動排出し、該収容箱が満量になると交換する構成としている。
【0006】
しかしながら、この特許文献1の生ゴミ処理機では、バイオ基材を排出するには専用の収容箱を使用する必要があり、ユーザは定期的にその収容箱を購入する必要があるため、コスト高になるという問題がある。
【0007】
特許文献2では、例えば餅つき器のように、着脱可能とした収容容器を設け、該収容容器内に撹拌羽根を着脱可能に取り付けるようにした生ゴミ処理機が提供されている。
【0008】
この特許文献2の生ゴミ処理機では、バイオ基材を排出するには収容容器を取り出して希望の袋などに廃棄できるため、コスト高になることはない。しかし、廃棄するバイオ基材から撹拌羽根を取り出す必要があるため、その作業が面倒であるうえ清潔性に欠けるという問題がある。しかも、金属製の撹拌羽根を取り出す作業は、手に怪我を生じさせる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明では、コスト高になることなく、安全にバイオ基材を排出することが可能な生ゴミ処理機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明の生ゴミ処理機は、好気性のバイオ菌を基材に担持させたバイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段とを備えた生ゴミ処理機において、前記処理槽の側壁の下部に設けた前記バイオ基材の排出口と、前記処理機本体における前記排出口と対応する位置に設けた開口部と、前記開口部を覆うように前記処理機本体に着脱可能に装着され、前記開口部を露出させるカバーを有する基材廃棄用具と、前記カバーの装着により前記撹拌手段を動作させる一方、未装着により前記撹拌手段の動作を不可能とする安全装置と設けた構成としている。
【0011】
前記生ゴミ処理機によれば、側壁の下部にバイオ基材の排出口を設けているため、バイオ基材を交換する際には、その排出口を開放するだけで、バイオ基材を流動排出することが可能である。また、バイオ基材が含有した水分が多い場合には、流動による排出は不可能であるため、排出口から手や掻き出し用の部材を挿入する必要性がある。この場合、排出口を覆うように装着する基材廃棄用具のカバーを未装着状態として行う必要があり、この状態では安全装置により撹拌手段は動作不可能であるため、ユーザの手に怪我をさせる可能性はなく、安全性を確保することができる。
【0012】
この生ゴミ処理機では、前記基材廃棄用具は、前記開口部の下部に着脱可能に装着する容器と、前記開口部を覆うように前記容器の上端開口の少なくとも一部を閉塞する前記カバーとからなることが好ましい。このようにすれば、コスト高になることなく、廃棄に係る利便性を向上できる。
【0013】
この場合、前記容器に、排出したバイオ基材の容量を計量する目盛りを設けることが好ましい。ここで、バイオ方式の生ゴミ処理機では、全量ではなく所定量のみを交換する必要があるため、このようにすれば、廃棄に係る利便性を更に向上できる。
【0014】
また、前記基材廃棄用具は、前記開口部を囲繞するように着脱可能に装着され、該排出口を露出させる開口を設けるとともに、廃棄用の袋を装着可能としたダクトと、前記ダクトの開口を閉塞する前記カバーとからなる構成としてもよい。このようにすれば、ユーザは、廃棄するバイオ基材を袋のまま処分できるため、専用容器が不要になるだけでなく、基材廃棄後に専用容器を洗浄する必要もないため、廃棄に係る利便性を更に向上できる。
【0015】
さらに、前記撹拌手段は、垂直方向に延びる回転軸と、前記回転軸の正転方向前側に向けて下向きに傾斜した第1傾斜板、および、該第1傾斜板の外側縁から上向きに突設した第1側板を有し、正転時に前記バイオ基材を押し上げるように撹拌する一方、逆転時に前記バイオ基材を押し下げながら外向きに押し出すように撹拌する第1羽根部と、前記回転軸の正転方向前側に向けて上向きに傾斜した第2傾斜板、および、該第2傾斜板の外側縁から下向きに突設した第2側壁を有し、正転時に前記バイオ基材を押し下げるように撹拌する一方、逆転時に前記バイオ基材を押し上げながら外向きに押し出すように撹拌する第2羽根部とを備え、前記カバーが装着されると、前記撹拌手段が逆転されることが好ましい。即ち、ユーザが排出口から手などを挿入できないようにした状態で、撹拌手段を逆転させるため、安全性を確保し、効率的にバイオ基材を排出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の生ゴミ処理機では、側壁の下部にバイオ基材の排出口を設けているため、バイオ基材を交換する際には、その排出口を開放するだけで、バイオ基材を排出することが可能である。しかも、排出口から手や掻き出し用の部材を挿入する場合には、排出口を覆うカバーを未装着状態として行う必要があり、この状態では安全装置により撹拌手段は動作不可能であるため、ユーザの手に怪我をさせる可能性を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0018】
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る生ゴミ処理機を示す。この生ゴミ処理機は、内部の処理槽22に好気性の酵母菌からなるバイオ菌をおがくずなどの基材に担持させたバイオ基材を収容し、投入した生ゴミをバイオ基材と撹拌することによって処理を行うバイオ方式であり、大略、処理機本体10と、該処理機本体10の上部を開閉可能に閉塞する蓋体50とからなり、処理槽22内に収容したバイオ基材を廃棄するために専用の基材廃棄用具を設けたものである。
【0019】
前記処理機本体10は、その外装体11の内部に処理槽22を配設することにより、該処理槽22内の処理部と処理槽22外の部品配設部とに区画したものである。
【0020】
前記外装体11は、略四角筒状をなす枠体12の底に底板13が配設されるとともに、上部に蓋枠14が配設されたものである。前記枠体12の後面(図1中右側)には、図3に示すように、後述する処理槽22の排出口23から突出した筒部24を露出させる矩形状の開口部15が設けられている。また、この開口部15の一方(左)側部には、安全装置を構成するスイッチ16をオン、オフするための挿通孔17が設けられている。そして、この枠体12の前面(図1中左側)と前記開口部15が設けられた後面には、前カバー18と後カバー19とが着脱可能に配設されている。そのうち、前記後カバー19には、前記挿通孔17内にされて前記安全装置を構成するスイッチ16をオンするための押圧部(図示せず)が設けられている。前記蓋枠14には、その前部に生ゴミの投入口14aが設けられ、その開口縁には下向きに突出するリブが設けられている。また、枠体12の内部には、処理槽22の上端に位置するように仕切板20が配設されている。この仕切板20は、処理槽22の上端前部に位置するように開口部20aが設けられ、該開口部20aと前記蓋枠14の投入口14aとの間にはダクト部材21が配設されている。なお、前記仕切板20と蓋枠14との間の空間は、蓋体50のロック手段および撹拌部材27の駆動手段であるモータ28などを配設する配設部を構成する。
【0021】
前記処理槽22は、図2に示すように、その前面22aの上側を前向き傾斜させた上端開口のものである。言い換えれば、この処理槽22は、その前面22aの上端が枠体12の前面に近づくように傾斜するように構成したものである。この処理槽22の側壁である背面には、外部に連通する排出口23が設けられ、その開口縁には外向きに突出するとともに、先端が前記枠体12の開口部15内に配置される筒部24が突設されている。この筒部24は、図1および図3に示すように、前記開口部15より小さい正方形状をなし、その先端にはネジ締めにより蓋25が着脱可能に取り付けられている。なお、この筒部24と開口部15との間には所定の隙間が形成され、この隙間に後述する容器66を装着する構成としている。さらに、処理槽22の底面には、下向きに窪んだ受部26が設けられ、この受部26に撹拌手段を構成する撹拌部材27の下端が回転可能に取り付けられる。
【0022】
前記撹拌部材27は金属製であり、その回転軸29の下端を前記受部26に配置するとともに仕切板20を貫通させた上端にモータ28を接続した縦型のもので、前記処理槽22内において後面側に位置し、生ゴミを投入するためのダクト部材21からは上面視で殆ど見えないように構成されている。具体的には、この撹拌部材27は、図4に示すように、垂直方向に延びる回転軸29の中間部分に3個の中間羽根部材30A,30B,30Cを固着するとともに、処理槽22の底に位置するように回転軸29の下部に下羽根部材40を固着したものである。本実施形態では、前記モータ28は、正転(図中反時計回り)および逆転(図中時計回り)が可能なものを使用している。
【0023】
前記中間羽根部材30A,30B,30Cは、前記回転軸29に固着するための略円環状をなす連結部31に対して、略180度の位置に第1羽根部32と第2羽根部36とを対向配置したものである。
【0024】
前記第1羽根部32は、正転時にバイオ基材を押し上げながら回転軸29に向けて掻き込むように撹拌する一方、逆転時にバイオ基材を押し下げながら外向きに押し出すように撹拌するもので、第1連結板33と、第1傾斜板34a,34bと、第1側板35とからなる。前記第1連結板33は、前記連結部31と連続するもので、本実施形態では、該連結部31に対するなす角が約30度となるように回転軸29から外側縁に向けて上向きに傾斜するように屈曲されている。前記第1傾斜板34a,34bは、モータ28による正転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第1連結板33に対して約135度の角度で屈曲されている。前記第1側板35は、正転時に後側に位置する前記第1傾斜板34aおよび第1連結板33の外側縁から上向きに突出するように、これら第1傾斜板34aおよび第1連結板33に対して約90度の角度で直交するように第1連結板33に対して屈曲されている。
【0025】
前記第2羽根部36は、正転時にバイオ基材を押し下げながら回転軸29に向けて掻き込むように撹拌する一方、逆転時にバイオ基材を押し上げながら外向きに押し出すように撹拌するもので、第1羽根部32と同様に、第2連結板37と、第2傾斜板38a,38bと、第2側板39とからなる。前記第2連結板37は、前記連結部31と連続するもので、本実施形態では、前記第1連結板33とは逆に、前記連結部31に対するなす角が約30度となるように回転軸29から外側縁に向けて下向きに傾斜するように屈曲されている。前記第2傾斜板38a,38bは、モータ28による正転方向前側に向けて上向きに傾斜するように、前記第2連結板37に対して約135度の角度で屈曲されている。前記第2側板39は、正転時に後側に位置する前記第2傾斜板38aおよび第2連結板37の外側縁から下向きに突出するように、これら第2傾斜板38aおよび第2連結板37に対して約90度の角度で直交するように第2連結板37に対して屈曲されている。
【0026】
前記下羽根部材40は、前記受部26の上端縁に載置される円板部41aと受部26内に回転可能に内嵌される突出部41bとを備え、回転軸29の下端に固着される装着部41に対して、略180度の位置に一対の第3羽根部42を対向配置したものである。
【0027】
前記第3羽根部42は、正転方向および逆転方向のいずれに回転してもバイオ基材を押し上げるように撹拌するもので、第3連結板43と、第3傾斜板44と、第4傾斜板45と、第3側板46a,46b,46cとからなる。前記第3連結板43は、前記装着部41と連続するもので、本実施形態では該装着部41に対して面一に径方向外向きに突出するように構成されている。前記第3傾斜板44は、モータ28による正転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第3連結板43に対して約135度の角度で屈曲されている。前記第4傾斜板45は、モータ28による逆転方向前側に向けて下向きに傾斜するように、前記第3連結板43に対して約135度の角度で屈曲されている。前記第3側板46a,46b,46cは、前記第3連結板43、第3傾斜板44および第4傾斜板45の外側縁から上向きに突出するように、これらに対して約90度の角度で交差するように屈曲されている。
【0028】
前記中間羽根部材30A,30B,30Cと下羽根部材40とは、回転軸29に対して所定間隔をもって位置するように固着される。また、上下段に位置する中間羽根部材30A,30B,30Cおよび下羽根部材40は、各羽根部32,36,42が略90度の間隔で周方向に回転した位置に配置されるように固着される。
【0029】
前記処理槽22の下部外周面には、処理槽22内のバイオ基材を所定温度範囲内に維持するための加熱手段として、ヒータ47が配設されている。また、外装体11を構成する枠体12の前面と処理槽22との間には、蓋体50を自動開放するために進入物である人体の足の進入を検出する検出手段である測距センサ48と、該測距センサ48を床面から所定高さに配置するためのケース49とが配設されるとともに、後述する制御基板73が配設されている。
【0030】
前記蓋体50は、図2に示すように、前記処理機本体10を構成する蓋枠14の上面に回動可能に取り付けられるとともに、付勢手段であるヒンジスプリング51により開放方向に付勢されたものである。この蓋体50の前部には、図5に示すように、下向きに突出した係止受部52が設けられ、この係止受部52がロック手段によってロックおよびアンロックされる。
【0031】
前記ロック手段は、前記蓋枠14に回動可能に取り付けられ、前記係止受部52に係止する爪部55aを設けたロック部材53からなる。具体的には、このロック部材53は、蓋体50に軸着する軸受部54より上方に突出するように先端に爪部55aを設けた係止部55が設けられている。また、軸受部54には、略L字形状に突出して下向きに延びる作用部56が設けられている。この作用部56には、前記測距センサ48による人体の検出により蓋体50を自動開放させる蓋体開放手段を構成するソレノイド57のロッド57aがリンク部材58を介して連結されている。また、作用部56の前部に位置するように蓋枠14には、手動式のロック解除操作部59がスプリングによって外向きに付勢された状態で配設されている。さらに、作用部56は、スプリング60によって常にロック部材53によりロック位置である上向きに付勢されている。なお、符号61は、蓋体50を自動および手動のいずれでも開放不可能とする強制ロック部材である。また、符号62は、蓋体50が閉塞されたことを検出するためのスイッチである。このスイッチ62は、蓋体50に突設された円弧状の押圧部材50aによりオン、オフされることにより、蓋体50の開放および閉塞を検出できる。
【0032】
このように構成された生ゴミ処理機には、図6に示すように、前記処理槽22内に収容されたバイオ基材によって生ゴミを分解する処理機能の状態を検出するための基材状態検出手段として、処理槽22内の温度、バイオ基材の温度、および、外気の温度を検出する3個の温度センサ63,64,65が配設されている。処理槽用温度センサ63は、処理槽22内におけるバイオ基材の上部の空間温度に配設されている。基材用温度センサ64は、処理槽22内における底に配設されている。外気用温度センサ65は、処理機本体10の外装体11に配設されている。
【0033】
前記バイオ基材を廃棄するための第1実施形態の基材廃棄用具は、図1、図3および図7に示すように、容器66とカバー71とからなる。
【0034】
前記容器66は、処理機本体10を設置する床面に載置した状態で、前記処理槽22の排出口23を露出させる開口部15の下端縁と略同一高さとなる上端開口の箱からなる。この容器66の上端開口は、開口部15の幅より大きい略正方形状をなし、その内部には後述するカバー71を載置するための段部67が形成されている。また、この容器66の上端には、その一辺に前記開口部15と筒部24との間の隙間に挿入して装着するための略U字形状をなす挿入係止部68が外向きに突出するように設けられている。さらに、この挿入係止部68を設けた面の一方隅部には、内向きに窪む凹部69が設けられている。本実施形態では、この容器66は外部から内部を透視可能な樹脂からなり、その外周部の所定位置には容量に応じた目盛り70が設けられている。
【0035】
前記カバー71は、前記容器66を装着した状態で露出した処理槽22の排出口23を含む前記開口部15を覆うもので、その前面および下面を開口したものである。このカバー71の下端縁は略コ字形状をなし、その大きさは前記容器66の上端開口において、一部の段部67上に係合するように載置される。このカバー71の一側下端には、前記挿通孔17内に挿通されることにより安全装置を構成するスイッチ16をオンするための押圧部72が設けられている。本実施形態では、このカバー71は容器66と同様に外部から内部を透視可能な樹脂からなり、処理槽22からの排出状況を目視で確認できるように構成している。なお、このカバー71は、容器66の上端開口全体を閉塞する形状としてもよい。
【0036】
前記構成の生ゴミ処理機は、制御基板73に実装された制御手段であるマイコン74により、記憶手段75に予め記憶されたプログラムに従って動作される。具体的には、このマイコン74は、商用電源からの電力が電源回路部76により直流電圧に変換され、この直流電圧が印加されることにより動作する。そして、蓋体開放制御手段の役割をなし、前記安全装置のスイッチ16がオン状態で、かつ、前記測距センサ48により人体を含む物体が近づいたことを検出すると、前記ソレノイド57を動作させ、係止部55による係止受部52の係止を解除することにより、ヒンジスプリング51の付勢力によって蓋体50を自動開放させる。また、スイッチ62により蓋体50が閉塞されたことを検出すると、その閉塞時を制御の開始点として前記ヒータ47のオン、オフ、および、撹拌部材27の回転の周期的な制御を開始する。さらに、所定時間毎に基材状態検出手段である前記温度センサ63〜65による検出値に基づいてバイオ基材の処理機能の状態を判断する基材状態判断手段の役割をなし、判断結果に基づいて前記ヒータ47のオン、オフ、および、1周期で撹拌部材27を動作させる時間を変更するとともに、操作パネル77の表示部にバイオ基材の処理機能の状態を表示する。
【0037】
撹拌制御手段としてのマイコン74は、撹拌手段制御処理では、図8に示すように、第1撹拌動作と第2撹拌動作とを予め設定したサイクルで繰り返し実行させる。具体的には、この撹拌制御は、予め設定した動作時間(Tb+Tc+TdまたはTe)撹拌部材27を動作させた後、予め設定した停止時間(Ta)撹拌部材27を停止させる周期を繰り返すように制御する。そして、所定数(3つ)の周期を1つの撹拌サイクルとして纏め、この撹拌サイクルを繰り返して制御する。また、この撹拌サイクルを構成する周期のうち、1つの周期を第1撹拌動作で実行し、他の周期を第2撹拌動作で実行する。前記第1撹拌動作は、動作時間のうち一部の時間Tbは前記撹拌部材27を逆転させ、所定の停止時間Tcを経て、他の時間Tdは正転させて動作させるものである。第2撹拌動作は、撹拌部材27を全ての時間Teを正転させて動作させるものである。
【0038】
本実施形態では、撹拌部材27による撹拌サイクルは、蓋体50の閉塞を検出すると、一番目に実行する周期は、その動作時間Tb+Tc+Tdを第1撹拌動作で行った後、停止時間Taの間は撹拌動作を停止した状態で待機する。その後、二番目に実行する周期は、その動作時間Teを第2撹拌動作で行った後、停止時間Taが経過するまで待機し、停止時間Taが経過すると、三番目に実行する周期は、再び動作時間Teを第2撹拌動作で行った後、停止時間Taが経過するまで待機する。このように、3つの周期を1つの撹拌サイクルとし、一番目の周期は第1撹拌動作を実行し、他の周期は第2撹拌動作を実行する構成としている。
【0039】
また、本実施形態では、後カバー19が取り外されると、安全装置を構成するスイッチ16がオフ状態になることにより、撹拌部材27を回動不可能とする。この状態で、蓋体50が閉塞され、カバー71が装着されることによりスイッチ16がオン状態になると、前記撹拌部材27による撹拌動作を開始する。即ち、本実施形態では、カバー71が装着されると、前記撹拌部材27が逆転されるように構成している。
【0040】
次に、マイコン74による制御について具体的に説明する。
【0041】
電源が投入されると、マイコン74は、図9に示すように、まず、ステップS1で、内蔵した時間計時タイマ78をリセットしてスタートさせた後、ステップS2で、設定時間が経過(カウントアップ)したか否かを検出する。そして、設定時間が経過した場合にはステップS3に進み、設定時間が経過していない場合にはステップS5に進む。
【0042】
ステップS3では、電源の投入後に所定時間が経過していることを示すフラグfaに1を入力した後、ステップS4で、時間計時タイマ78をストップしてステップS5に進む。
【0043】
ステップS5では、後述する生ゴミ処理制御工程を実行してステップS6に進む。このステップS6では、フラグfaに1が入力されているか否かを検出する。そして、faが1である場合にはステップS5に進み、faが1でない(fa=0)場合にはステップS2に戻る。即ち、電源が投入された後、予め設定した時間が経過した後は、ステップS5の生ゴミ処理制御工程のみが行われる。ここで、前記設定時間は、新規に生ゴミ処理機を購入した場合や、内部のバイオ基材を交換した場合など、ユーザの使用状況を判断したり、バイオ基材を活性化させるために必要な時間である。
【0044】
次に、ステップS5の生ゴミ処理制御工程について具体的に説明する。
【0045】
この生ゴミ処理制御工程では、マイコン74は、図10に示すように、まず、ステップS10で、後カバー19が取り外されることにより安全装置のスイッチ16がオフ状態になったか否かを検出する。そして、スイッチ16がオフ状態になった場合にはステップS11に進み、オフ状態でない(オン状態)場合にはステップS14に進む。
【0046】
ステップS11では、撹拌部材27を停止した後、ステップS12で、スイッチ62を介して蓋体50が閉塞されたことを検出するまで待機する。そして、蓋体50が閉塞されると、ステップS13で、カバー71が装着されることにより安全装置のスイッチ16がオン状態になるまで待機する。そして、スイッチ16がオン状態になるとステップS17に進む。
【0047】
一方、安全装置のスイッチ16のオフ状態を検出しない場合には、ステップS14で、スイッチ62を介して蓋体50が開放されたか否かを検出する。そして、蓋体50の開放を検出した場合にはステップS15に進み、蓋体50の開放を検出しない場合にはステップS19に進む。
【0048】
ステップS15では、撹拌部材27を停止した後、ステップS16で、スイッチ62を介して蓋体50が閉塞されたことを検出するまで待機する。そして、蓋体50の閉塞を検出すると、ステップS17で、バイオ基材の処理機能の状態を検出する周期である2時間タイマをリセットしてスタートさせた後、ステップS18で、後述する撹拌手段制御処理で撹拌部材27を動作させる撹拌サイクルのデータを記憶手段75から読み込む。具体的には、1つの撹拌サイクルとして纏める周期数(n)、そのうちの何番目に第1撹拌動作を実行させるかを示す周期(m)を読み込む。
【0049】
ステップS19では、2時間タイマがカウントアップしたか否かを検出し、カウントアップした場合にはステップS20に進み、カウントアップしていない場合にはステップS24に進む。
【0050】
ステップS20では、次にバイオ基材の処理機能の状態を検出するために2時間タイマをリセットしてスタートさせた後、ステップS21で、基材状態検出手段である3個の温度センサ63〜65により処理槽22内の温度、バイオ基材の温度、および、外気の温度を検出する。
【0051】
ついで、ステップS22で、検出した3カ所の温度に基づいてバイオ基材の状態を判断する基材状態判断処理を実行した後、ステップS23で、判断したバイオ基材の処理機能の状態に基づいて操作パネル77の表示部の変更処理を行ってステップS24に進む。
【0052】
ステップS24では、モータ28および撹拌部材27からなる撹拌手段の制御処理、および、ヒータ47による加熱手段制御処理からなるバイオ基材調整処理を実行してリターンする。なお、加熱手段制御処理は、ステップS22で判断したバイオ基材の処理機能の状態に基づいてヒータ47による加熱時間を変更するものである。
【0053】
次に、前記撹拌手段制御処理について具体的に説明する。
【0054】
この撹拌手段制御処理では、マイコン74は、図11に示すように、まず、ステップS30で、撹拌部材27を停止する時間である停止タイマ(Ta)がカウントアップしているか否かを検出する。そして、停止タイマ(Ta)がカウントアップしている場合にはステップS31に進み、カウントアップしていない場合にはリターンする。なお、カバー71が装着されることにより安全装置のスイッチ16がオン(ステップS13)した直後、および、スイッチ16のオフを検出することなく蓋体50が閉塞(ステップS16)された直後には、停止タイマはカウントアップした状態であり、必ずステップS31に進む。
【0055】
ステップS31では、撹拌動作の周期(m)が1であるか否かを検出する。そして、mが1である場合にはステップS32に進み、逆転動作を有する第1撹拌動作実行処理を行ってステップS34に進む。一方、mが1でない場合にはステップS33に進み、逆転動作を有していない第2撹拌動作実行処理を行ってステップS34に進む。
【0056】
ステップS34では、撹拌動作の周期(m)に1を加算(m=m+1)する。そして、ステップS35で、周期(m)が撹拌サイクルの周期数(n)以上(m≧n)になったか否かを検出する。そして、周期(m)が周期数(n)回以上である場合にはステップS36に進み、周期(m)をリセット(1)してステップS37に進み、周期(m)が周期数(n)回未満である場合にはそのままステップS37に進む。ステップS37では、停止タイマ(Ta)をリセットしてスタートさせてリターンする。
【0057】
次に、前記撹拌部材27を正転方向に回転させた場合の撹拌作用について具体的に説明する。
【0058】
前記モータ28により撹拌部材27を正転方向に回転させると、まず、第1羽根部32では、第1傾斜板34a,34bにより、生ゴミを含むバイオ基材が押し上げられる。また、第1連結板33の傾斜によって先端が回転軸29に向けて傾斜された第1側板35により、回転軸29に向けて内側に掻き込むように押圧される。第2羽根部36では、第2傾斜板38a,38bにより、生ゴミを含むバイオ基材が押し下げられる。また、第2連結板37の傾斜によって先端が回転軸29に向けて傾斜された第2側板39により、回転軸29に向けて内側に掻き込むように押圧される。第3羽根部42では、第3傾斜板44により生ゴミを含むバイオ基材が押し上げられる。また、第3側板46a,46b,46cにより外向きへの流動が抑制される。
【0059】
その結果、撹拌部材27の周囲では、バイオ基材が上向きに移動される流動部分、下向きに移動される流動部分が形成される。そのため、これらの流動部分の作用により、処理槽22内の全体にわたってバイオ基材と生ゴミとの分布を均一に撹拌することができ、好気性のバイオ菌を担持させたバイオ基材により生ゴミの分解効率を向上することができる。
【0060】
次に、前記撹拌部材27を逆転方向に回転させた場合の撹拌作用について具体的に説明する。
【0061】
前記モータ28により撹拌部材27を逆転方向に回転させると、正転の場合とは逆に、まず、第1羽根部32では、第1傾斜板34a,34bにより生ゴミを含むバイオ基材が押し下げられる。また、第1連結板33の傾斜によって先端が回転軸29に向けて傾斜された第1側板35により、径方向外向きに押し出される。第2羽根部36では、第2傾斜板38a,38bにより、生ゴミを含むバイオ基材が押し上げられる。また、第2連結板37の傾斜によって先端が回転軸29に向けて傾斜された第2側板39により、径方向外向きに押し出される。第3羽根部42では、第4傾斜板45により生ゴミを含むバイオ基材が押し上げられる。また、第3側板46a,46b,46cにより外向きへの流動が抑制される。
【0062】
これにより、撹拌部材27の周囲では、バイオ基材が上向きに移動される流動部分、下向きに移動される流動部分に加え、強い力で外向きに移動される流動部分が形成される。そのため、これらの流動部分の作用により、処理槽22内の全体にわたってバイオ基材と生ゴミとの分布を均一に撹拌することができ、好気性のバイオ菌を担持させたバイオ基材により生ゴミの分解効率を向上することができる。
【0063】
次に、処理槽22内のバイオ基材を廃棄する方法の一例について具体的に説明する。
【0064】
バイオ基材の一部を廃棄して新たなバイオ基材を補充する場合には、図12に示すように、後カバー19を取り外す。これにより、安全装置のスイッチ16がオフ状態(ステップS10)となり、撹拌部材27は回動不可能な状態になる。そして、容器66の挿入係止部68を開口部15の下端縁から挿入して係止させる。
【0065】
ついで、図13に示すように、露出した開口部15から処理槽22の筒部24に装着した蓋25のネジを取り外して該蓋25を取り外す。これにより、バイオ基材が含んだ水分が少なく、乾燥状態である場合には、排出口23から自然に容器66に排出される。また、バイオ基材が含有した水分が多い場合には、自然に排出はされない。
【0066】
そのため、この場合には、排出口23から手や掻き出し用の部材を挿入して排出する必要がある。そして、本実施形態では、この状態では、安全装置を構成するスイッチ16はオフ状態となっているため、ユーザが排出口23から手や他の部材を挿入しても撹拌部材27が回動することはなく、ユーザの手に怪我をさせることを防止し、安全性を確保できる。
【0067】
また、本実施形態では、前記排出口23を覆うように装着するカバー71に安全装置のスイッチ16をオン状態とする押圧部72を設けている。そのため、図1に示すように、開口部15にカバー71を装着すると、スイッチ16がオン状態(ステップS14)となる。
【0068】
そうすると、マイコン74は、ステップS17,S18を経てステップS24に移行するため、撹拌部材27を動作させることになり、その動作は最初の動作時間Tbを逆転させる第1撹拌動作である。即ち、カバー71を装着することにより、安全装置のスイッチ16がオン状態になると、撹拌部材27は逆転される。
【0069】
そして、撹拌部材27を逆転させた場合には、前述のように強い圧力で外向きに移動される流動部分が形成される。その結果、処理槽22内に充填されたバイオ基材は、排出口23を通して外部に自動的に強制排出される。そして、この排出されたバイオ基材は、排出口23を含む開口部15を覆ったカバー71の壁面に衝突し、容器66の段部67に載置した下端から容器66内に排出される。なお、この状態では、カバー71により排出口23を含む開口部15が覆われているため、ユーザは、排出口23から処理槽22内には手などを挿入することはできない。
【0070】
このように、本発明の生ゴミ処理機では、ユーザが排出口23から手などを挿入できないようにした状態で、撹拌部材27を逆転させるため、安全性を確保し、効率的にバイオ基材を排出することができる。しかも、本実施形態の容器66は、内部を透視可能な配色で、かつ、容量に応じた目盛り70を設けて計量できるように構成しているため、所定量のみのバイオ基材を交換(廃棄)する際の利便性を向上できる。また、その容器66は、専用のものであるが、所謂使い捨て商品ではなく、何度も使用するものであるため、コスト高になることを防止できる。
【0071】
なお、本実施形態の撹拌サイクルは、図8に示すように、1周期の一部分のみを逆転させるものであるため、その逆転動作時間Tbだけでは希望量のバイオ基材を排出できない場合がある。しかし、撹拌部材27が正転により動作(Td)しても、バイオ基材は若干外向きに押し出されるように作用するため、強制排出は可能である。但し、本実施形態の撹拌部材27の場合、やはり逆転時の方がバイオ基材を外向きに流動させる作用は強いため、もう一度逆転させたい場合には、カバー71の押圧部72によるスイッチ16の押圧を解除することにより、スイッチ16を一旦オフ状態とし、再び押圧してオン状態とすることにより、撹拌部材27を再び逆転させることができる。
【0072】
図14から図18は第2実施形態の生ゴミ処理機を示す。この第2実施形態では、基材廃棄用具の構成を変更した点で第1実施形態と相違している。具体的には、第2実施形態の基材廃棄用具は、図14、図15および図16に示すように、廃棄用の袋を装着可能としたダクト79と、該ダクト79の開口を閉塞するカバー86とからなる。
【0073】
前記ダクト79は、前記処理機本体10の開口部15を囲繞するように着脱可能に装着されるもので、略四角錐筒形状をなすものである。このダクト79の前端には、開口部15を囲繞するように枠体12の後面に当接されるフランジ部80が外向きに突設されている。このフランジ部80の内周縁には、上部を除く位置から略U字形状に突出する挿入係止部81が突設されている。この挿入係止部81の側板部分には、開口部15の縁に係合する係合突起82が設けられている。また、フランジ部80の上端縁中央には、後述するカバー86を位置決めする略L字形状位置決め部83が前向きに突設されている。さらに、このダクト79の上面には、前記排出口23を露出させるための開口79aが設けられている。さらにまた、この開口79aの後側には、四角筒形状をなし、その後端に外向きに膨出した抜止部84aを設けた袋装着部84が形成されている。なお、図中符号85a,85bは補強リブである。
【0074】
前記カバー86は、前記ダクト79の開口79aを閉塞するもので、その前面および下面を開口した側面視三角形状ものである。このカバー86の前端縁には、ダクト79と同様に、枠単の後面に当接されるフランジ部87が下端を除く周縁から外向きに突設されている。このフランジ部87には、前記ダクト79のフランジ部80が嵌合される凹部88が設けられている。また、フランジ部87の一側下端には、挿通孔17内に挿通されることにより安全装置を構成するスイッチ16をオンするための押圧部89が設けられている。なお、第2実施形態の挿通孔17および安全装置を構成するスイッチ16の位置は、前記押圧部89に対応するように調整されている。
【0075】
この第2実施形態の生ゴミ処理機は、マイコン74により第1実施形態と同様に制御される。
【0076】
そして、バイオ基材の一部を廃棄して新たなバイオ基材を補充する場合には、前記ダクト79の袋装着部84に家庭内にある希望の袋を被せ、紐などによって結び付ける。これにより、抜止部84aにより袋を離脱することなく取り付けることができる。
【0077】
ついで、図17に示すように、後カバー19を取り外し、安全装置のスイッチ16をオフ状態(ステップS10)として、撹拌部材27を回動不可能な状態とする。そして、ダクト79の挿入係止部81を開口部15の下端縁から挿入して係止させる。
【0078】
ついで、図18に示すように、ダクト79の開口79aから処理槽22の筒部24に装着した蓋25のネジを取り外して該蓋25を取り外す。これにより、第1実施形態と同様に、バイオ基材が含んだ水分が少なく、乾燥状態である場合には、排出口23から自然にダクト79に装着した袋に排出される。また、バイオ基材が含有した水分が多い場合には、自然に排出はされない。そのため、この場合には、排出口23から手や掻き出し用の部材を挿入して排出する。この際には、第1実施形態と同様に、安全装置を構成するスイッチ16はオフ状態となっているため撹拌部材27が回動することはない。
【0079】
また、撹拌部材27を逆転させてバイオ基材を強制排出する場合には、図14に示すように、ダクト79にカバー86を装着することにより、押圧部89により安全装置のスイッチ16をオン状態(ステップS14)とする。これにより、マイコン74は、撹拌部材27を逆転させる。
【0080】
そうすると、第1実施形態と同様に、バイオ基材は、強い圧力で外向きに移動され、排出口23を通して外部の袋に自動的に強制排出される。なお、この状態では、ダクト79およびカバー86により排出口23を含む開口部15が完全に覆われているため、ユーザは、排出口から処理槽22内には手などを挿入することはできない。
【0081】
これにより、第2実施形態の生ゴミ処理機では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができるうえ、バイオ基材が廃棄用の袋に直接排出されるため、ユーザは廃棄するバイオ基材を袋のまま処分できるため、専用容器が不要になるだけでなく、基材廃棄後に専用容器を洗浄する必要もない。しかも、廃棄用の袋は専用のものではないため、コスト高になることはないうえ、廃棄に係る利便性を更に向上できる。
【0082】
なお、本発明の生ゴミ処理機は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態に係る生ゴミ処理機に基材廃棄用具を装着した状態を示す断面図である。
【図2】生ゴミ処理機の全体を示す断面図である。
【図3】生ゴミ処理機の排出口に対応する開口部の構成を示す背面図である。
【図4】撹拌部材の構成を示す斜視図である。
【図5】図2の要部拡大断面図である。
【図6】生ゴミ処理機の構成を示すブロック図である。
【図7】第1実施形態の基材廃棄用具を示す分解斜視図である。
【図8】撹拌サイクルを示すタイムチャートである。
【図9】マイコンによる制御を示すフローチャートである。
【図10】図9の生ゴミ処理制御工程を示すフローチャートである。
【図11】図10のバイオ基材調整処理の1つである撹拌手段制御処理を示すフローチャートである。
【図12】処理機本体に基材廃棄用具を取り付ける一工程を示す断面図である。
【図13】処理機本体に基材廃棄用具を取り付ける他の一工程を示す断面図である。
【図14】第2実施形態の基材廃棄用具を取り付けた生ゴミ処理機を示す断面図である。
【図15】第2実施形態の生ゴミ処理機の排出口に対応する開口部の構成を示す背面図である。
【図16】第2実施形態の基材廃棄用具を示す分解斜視図である。
【図17】処理機本体に第2実施形態の基材廃棄用具を取り付ける一工程を示す断面図である。
【図18】処理機本体に第2実施形態の基材廃棄用具を取り付ける他の一工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0084】
10…処理機本体
14a…投入口
16…スイッチ(安全装置)
22…処理槽
23…排出口
24…筒部
25…蓋
27…撹拌部材(撹拌手段)
47…ヒータ(加熱手段)
50…蓋体
66…容器(基材廃棄用具)
70…目盛り
71…カバー
72…押圧部
74…マイコン(制御手段)
79…ダクト(基材廃棄用具)
79a…開口
84…袋装着部
86…カバー
89…押圧部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好気性のバイオ菌を基材に担持させたバイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段とを備えた生ゴミ処理機において、
前記処理槽の側壁の下部に設けた前記バイオ基材の排出口と、
前記処理機本体における前記排出口と対応する位置に設けた開口部と、
前記開口部を覆うように前記処理機本体に着脱可能に装着され、前記開口部を露出させるカバーを有する基材廃棄用具と、
前記カバーの装着により前記撹拌手段を動作させる一方、未装着により前記撹拌手段の動作を不可能とする安全装置と
設けたことを特徴とする生ゴミ処理機。
【請求項2】
前記基材廃棄用具は、
前記開口部の下部に着脱可能に装着する容器と、
前記開口部を覆うように前記容器の上端開口の少なくとも一部を閉塞する前記カバーとからなることを特徴とする請求項1に記載の生ゴミ処理機。
【請求項3】
前記容器に、排出したバイオ基材の容量を計量する目盛りを設けたことを特徴とする請求項2に記載の生ゴミ処理機。
【請求項4】
前記基材廃棄用具は、
前記開口部を囲繞するように着脱可能に装着され、該排出口を露出させる開口を設けるとともに、廃棄用の袋を装着可能としたダクトと、
前記ダクトの開口を閉塞する前記カバーとからなることを特徴とする請求項1に記載の生ゴミ処理機。
【請求項5】
前記撹拌手段は、
垂直方向に延びる回転軸と、
前記回転軸の正転方向前側に向けて下向きに傾斜した第1傾斜板、および、該第1傾斜板の外側縁から上向きに突設した第1側板を有し、正転時に前記バイオ基材を押し上げるように撹拌する一方、逆転時に前記バイオ基材を押し下げながら外向きに押し出すように撹拌する第1羽根部と、
前記回転軸の正転方向前側に向けて上向きに傾斜した第2傾斜板、および、該第2傾斜板の外側縁から下向きに突設した第2側壁を有し、正転時に前記バイオ基材を押し下げるように撹拌する一方、逆転時に前記バイオ基材を押し上げながら外向きに押し出すように撹拌する第2羽根部とを備え、
前記カバーが装着されると、前記撹拌手段が逆転されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
【請求項1】
好気性のバイオ菌を基材に担持させたバイオ基材を収容する処理槽を有する処理機本体と、前記処理槽の内部に収容した生ゴミとバイオ基材とを撹拌する撹拌手段とを備えた生ゴミ処理機において、
前記処理槽の側壁の下部に設けた前記バイオ基材の排出口と、
前記処理機本体における前記排出口と対応する位置に設けた開口部と、
前記開口部を覆うように前記処理機本体に着脱可能に装着され、前記開口部を露出させるカバーを有する基材廃棄用具と、
前記カバーの装着により前記撹拌手段を動作させる一方、未装着により前記撹拌手段の動作を不可能とする安全装置と
設けたことを特徴とする生ゴミ処理機。
【請求項2】
前記基材廃棄用具は、
前記開口部の下部に着脱可能に装着する容器と、
前記開口部を覆うように前記容器の上端開口の少なくとも一部を閉塞する前記カバーとからなることを特徴とする請求項1に記載の生ゴミ処理機。
【請求項3】
前記容器に、排出したバイオ基材の容量を計量する目盛りを設けたことを特徴とする請求項2に記載の生ゴミ処理機。
【請求項4】
前記基材廃棄用具は、
前記開口部を囲繞するように着脱可能に装着され、該排出口を露出させる開口を設けるとともに、廃棄用の袋を装着可能としたダクトと、
前記ダクトの開口を閉塞する前記カバーとからなることを特徴とする請求項1に記載の生ゴミ処理機。
【請求項5】
前記撹拌手段は、
垂直方向に延びる回転軸と、
前記回転軸の正転方向前側に向けて下向きに傾斜した第1傾斜板、および、該第1傾斜板の外側縁から上向きに突設した第1側板を有し、正転時に前記バイオ基材を押し上げるように撹拌する一方、逆転時に前記バイオ基材を押し下げながら外向きに押し出すように撹拌する第1羽根部と、
前記回転軸の正転方向前側に向けて上向きに傾斜した第2傾斜板、および、該第2傾斜板の外側縁から下向きに突設した第2側壁を有し、正転時に前記バイオ基材を押し下げるように撹拌する一方、逆転時に前記バイオ基材を押し上げながら外向きに押し出すように撹拌する第2羽根部とを備え、
前記カバーが装着されると、前記撹拌手段が逆転されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の生ゴミ処理機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−26580(P2006−26580A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211505(P2004−211505)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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