説明

生ゴミ堆肥化容器及び同容器を用いた生ゴミ堆肥化方法

【課題】生ゴミの堆肥化に要する労力やコストを低減し、生ゴミの堆肥化を社会に普及させること。
【解決手段】内部に生ゴミと発酵基材とを収容する生ゴミ収容室7を形成し、生ゴミ収容室7で生ゴミを発酵させて堆肥化させる生ゴミ堆肥化容器1において、生ゴミ収容室7に連通する通気口19を設けるとともに、通気口19と生ゴミ収容室7との間に複数の多孔体13,14を間隔をあけて介設することにした。また、生ゴミから堆肥を製造する生ゴミ堆肥化方法において、生ゴミの発生した場所で上記生ゴミ堆肥化容器1を用いて生ゴミを所定期間発酵処理し、その後、発酵処理後の生ゴミを回収し、その後、回収した発酵処理後の生ゴミから異物を除去した後に完熟させて堆肥を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ゴミを発酵基材とともに収容して生ゴミから堆肥を製造するための生ゴミ堆肥化容器及び同容器を用いた生ゴミ堆肥化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場や飲食店や一般家庭などにおいて大量に排出される生ゴミは、埋立てや海洋投棄による環境汚染を防止するために、堆肥化することで有効利用を図ることが提案されている。
【0003】
この生ゴミの堆肥化にあたっては、各発生場所から回収した生ゴミを一括して堆肥化させる生ゴミ処理システム(たとえば、特許文献1参照。)や、各発生場所で機械的に生ゴミを堆肥化させる生ゴミ処理装置(たとえば、特許文献2参照。)や、各発生場所で人為的に生ゴミを堆肥化させる生ゴミ処理容器(たとえば、特許文献3参照。)などが処理する生ゴミの規模に応じて用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−172457号公報
【特許文献2】特開2005−342627号公報
【特許文献3】特開2009−125676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記生ゴミ処理システムを用いた生ゴミの堆肥化においては、各発生場所から生ゴミを回収する必要があるために、生ゴミの回収に多大なコストを要し、また、回収した生ゴミにプラスチックや金属などの異物が含まれているために、異物の除去に多大な労力と時間を要するとともに、異物の混入による堆肥の品質低下を招いていた。
【0006】
また、上記生ゴミ処理装置を用いた生ゴミの堆肥化においては、通気や撹拌や加熱などのために電力を用いており、多大なランニングコストを要していた。
【0007】
さらに、上記生ゴミ処理容器を用いた生ゴミの堆肥化においては、通気不足によって発酵処理に時間を要するとともに悪臭が発生したり、害虫の産卵によって害虫が発生してしまい、そのための対応処理が必要となっていた。
【0008】
そのため、従来においては、生ゴミの堆肥化が社会的に普及しておらず、生ゴミを堆肥化させて有効に利用することが十分にはなされていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、請求項1に係る本発明では、内部に生ゴミと発酵基材とを収容する生ゴミ収容室を形成し、生ゴミ収容室で生ゴミを発酵させて堆肥化させる生ゴミ堆肥化容器において、生ゴミ収容室に連通する通気口を設けるとともに、通気口と生ゴミ収容室との間に複数の多孔体を間隔をあけて介設することにした。
【0010】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記複数の多孔体を間隔をあけて一体形成した多孔体ユニットを通気口と生ゴミ収容室との間に着脱可能に装着することにした。
【0011】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項1又は請求項2に係る本発明において、前記生ゴミ収容室に、生ゴミ堆肥化容器を回転させることで内部に収容した生ゴミと発酵基材とを撹拌するための撹拌翼を形成することにした。
【0012】
また、請求項4に係る本発明では、生ゴミから堆肥を製造する生ゴミ堆肥化方法において、生ゴミの発生した場所で前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の生ゴミ堆肥化容器を用いて生ゴミを所定期間発酵処理し、その後、発酵処理後の生ゴミを回収し、その後、回収した発酵処理後の生ゴミから異物を除去した後に完熟させて堆肥を製造することにした。
【発明の効果】
【0013】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0014】
すなわち、本発明では、生ゴミと発酵基材とを収容する生ゴミ収容室に通気口を設けることで、生ゴミ収容室の通気を良好なものとして、生ゴミの発酵を促進させるとともに、悪臭の発生を防止することができる。
【0015】
しかも、本発明では、通気口と生ゴミ収容室との間に複数の多孔体を間隔をあけて介設することで、害虫の混入だけでなく卵管の挿入による産卵をも防止することができ、害虫の発生を防止することができる。
【0016】
そのため、本発明では、生ゴミの発生場所において、労力や時間やコストをかけることなく容易に生ゴミを発酵処理することができる。
【0017】
さらに、本発明では、各発生場所において所定期間発酵処理した生ゴミを回収することで、回収物の体積や重量を大幅に低減することができ、生ゴミの回収に要するコストを激減させることができ、しかも、生ゴミに異物が混入していても、発酵処理後に篩選別等で異物を容易に除去することができ、堆肥の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施例としての生ゴミ堆肥化容器を示す側面断面図。
【図2】第1実施例としての生ゴミ堆肥化容器の内部を示す平面図。
【図3】第1実施例としての生ゴミ堆肥化容器を示す側面断面図。
【図4】第2実施例としての生ゴミ堆肥化容器を示す側面断面図。
【図5】第2実施例としての生ゴミ堆肥化容器を示す平面図。
【図6】第2実施例としての生ゴミ堆肥化容器の使用状態を示す側面図。
【図7】第2実施例としての生ゴミ堆肥化容器の使用状態を示す平面図。
【図8】第3実施例としての生ゴミ堆肥化方法を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る生ゴミ堆肥化容器及び同生ゴミ堆肥化容器を用いた生ゴミ堆肥化方法の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0020】
[第1実施例]
第1実施例としての生ゴミ堆肥化容器1は、図1〜図3に示すように、容器本体2と内蓋3と外蓋4とから構成している。
【0021】
容器本体2は、円板状の底壁5と円筒状の周壁6とで構成し、上部を開口した有底中空円筒形状となっており、内部に生ゴミを収容するための生ゴミ収容室7を形成している。容器本体2は、断熱性を確保するために底壁5及び周壁6を断熱素材で形成してもよく、また、底壁5及び周壁6の内部に断熱材を充填した構造としてもよい。なお、容器本体2は、底壁5の内側周縁隅部を円弧状に形成することで、断熱性を向上させるとともに生ゴミ収容室7の内部を容易に清掃できるようにしている。
【0022】
また、容器本体2は、開口部周縁に内蓋3を載置するための載置部8を形成するとともに、載置部8の周縁に円周状の溝9を形成している。これにより、生ゴミ堆肥化容器1は、内蓋3の周縁に産卵された害虫の卵が容器本体2の開口から生ゴミ収容室7に落下してしまうのを防止するようにしている。
【0023】
内蓋3は、ドーナツ型の蓋板10の中央部に円形状の貫通孔11を形成するとともに、貫通孔11の周縁下部に円筒状の筒部12を形成し、筒部12の上部及び下部に円板状の多孔体13,14を上下に間隔をあけて取付けている。なお、多孔体13,14は、多数の連通孔が形成されたものであればよく、多孔質素材からなる不織布や多孔質状に形成した金網などでよい。
【0024】
また、内蓋3は、蓋板10の周縁上部に外蓋4を載置するための載置部15を形成している。この載置部15は、円周方向に60度間隔で高さを3段階に異ならせており、最も低い第1載置部15a,15aを蓋板10と同一面上に対向させた位置に形成し、その隣に第1載置部15a,15aよりも高く第2載置部15b,15bを形成し、さらにその隣に第2載置部15b,15bよりも高く容器本体2の周壁6よりも低い第3載置部15c,15cを形成している。
【0025】
外蓋4は、円板状の蓋板16の中央上部にツマミ17を形成している。なお、外蓋4は、蓋板16を容器本体2の周壁6よりも一回り大きなサイズにして、生ゴミ収容室7への雨水の浸入を防止している。
【0026】
また、外蓋4は、蓋板16の周縁下部に円周方向に向けて60度の幅を有する脚体18,18を対向させた位置に形成している。
【0027】
そして、外蓋4は、脚体18,18を内蓋3の載置部15の第1〜第3載置部15a〜15cのいずれかに載置される。このときに、図1に示すように外蓋4の脚体18が第3載置部15cに載置された場合には、容器本体2の周壁6の上端部と外蓋4の蓋板16の外周下端部との間に外部から容器本体2の内部の生ゴミ収容室7へと連通する通気口19が形成される。この通気口19は、図3の右側に示したように外蓋4の脚体18を第2載置部15bに載置することでサイズを小さく(通気量を少なく)することができ、さらに、図3の左側に示したように外蓋4の脚体18を第1載置部15aに載置することで閉塞することもできる。このように、生ゴミ堆肥化容器1は、高さが段階的に異なる載置部15を形成することで通気口19の通気量を変更することができるようにしている。
【0028】
生ゴミ堆肥化容器1は、以上に説明したように構成しており、生ゴミ収容室7の内部に微生物を含有する大鋸屑や籾殻などの発酵基材とともに生ゴミを投入し、そのまま所定期間放置(適宜撹拌してもよい。)することで、生ゴミ収容室7の内部で生ゴミを発酵処理して堆肥化させることができる。
【0029】
そして、上記生ゴミ堆肥化容器1では、生ゴミ収容室7に通気口19を設けているために、生ゴミ収容室7の通気を良好なものとして、生ゴミの発酵を促進させるとともに、悪臭の発生を防止することができる。
【0030】
しかも、上記生ゴミ堆肥化容器1では、通気口19と生ゴミ収容室7との間に複数(ここでは、2枚)の多孔体13,14を間隔をあけて介設しているために、害虫の混入だけでなく卵管の挿入による産卵をも防止することができ、害虫の発生を防止することができる。
【0031】
そのため、上記生ゴミ堆肥化容器1を用いることによって、生ゴミの発生場所において、労力や時間やコストをかけることなく容易に生ゴミを発酵処理することができる。
【0032】
特に、上記生ゴミ堆肥化容器1では、内蓋3が、複数(ここでは、2枚)の多孔体13,14を間隔をあけて一体的に形成した多孔体ユニット20として機能しており、この多孔体ユニット20(内蓋3)を通気口19と生ゴミ収容室7との間に着脱できるように装着している。そのため、上記生ゴミ堆肥化容器1では、多孔体ユニット20(内蓋3)を容易に洗浄したり交換することができ、衛生的な使用が可能となる。
【0033】
[第2実施例]
第2実施例としての生ゴミ堆肥化容器21は、図4及び図5に示すように、容器本体22と下蓋23と上蓋24とから構成している。
【0034】
容器本体22は、中空円筒状の周壁25の上端部及び下端部に上蓋24又は下蓋23を装着するための装着部26,27を形成している。この装着部26,27は、同一形状となっており、上蓋24又は下蓋23のいずれでも装着できるようになっている。
【0035】
下蓋23は、椀状の蓋板28の周縁に装着部29を形成し、この装着部29を容器本体22の上下いずれかの装着部26,27に装着することで、有底中空円筒形状となって内部に生ゴミを収容するための生ゴミ収容室30を形成するようにしている。容器本体22及び下蓋23は、断熱性を確保するために断熱素材で形成してもよく、また、内部に断熱材を充填した構造としてもよい。なお、下蓋23は、蓋板28の内側周縁隅部を円弧状に形成することで、断熱性を向上させるとともに生ゴミ収容室30の内部を容易に清掃できるようにしている。
【0036】
容器本体22及び下蓋23は、内側に形成した生ゴミ収容室30の外周部に上下方向及び円周方向に向けて傾斜させた4枚の撹拌翼31を円周方向に90度間隔で形成している。なお、各撹拌翼31は、容器本体22に形成した翼体31aと下蓋23に形成した翼体31bとで構成している。
【0037】
上蓋24は、椀状の蓋板32の周縁に装着部33を形成している。この装着部33は、下蓋23の装着部29と同一形状となっており、容器本体22の上下いずれの装着部26,27にも装着できるようになっている。
【0038】
そして、生ゴミ堆肥化容器21は、予備の下蓋23を1枚用意しておき、上蓋24を外して予備の下蓋23を容器本体22の上側の装着部26に装着し、上下逆さまにし、その後、上側になった下蓋23と先の上蓋24を交換する。これにより、生ゴミ堆肥化容器21を上下反転させることができ、生ゴミ収容室30の底部に水分が偏在してしまうのを防止することができる。
【0039】
また、上蓋24は、蓋板32の中央部に貫通孔34を形成するとともに、この貫通孔34に開閉蓋35をヒンジ36を介して開閉可能に装着している。
【0040】
開閉蓋35は、上面に外部から生ゴミ収容室30へと連通する一対の扇型状の通気口37,37を形成するとともに、下面に一対の扇型状の調節板38,38を回転可能に取付けており、この調節板38,38をツマミ39を用いて回転させることで通気口37,37の開口面積(通気量)を変更できるようにしている。
【0041】
また、開閉蓋35は、周縁下部に円筒状の筒部40を形成するとともに、この筒部40の内側に多孔体ユニット41を着脱できるように装着している。
【0042】
この多孔体ユニット41は、円筒状の筒体42の上部及び下部に円板状の多孔体43,44を上下に間隔をあけて一体的に取付けている。なお、多孔体43,44は、多数の連通孔が形成されたものであればよく、多孔質素材からなる不織布や多孔質状に形成した金網などでよい。
【0043】
生ゴミ堆肥化容器21は、以上に説明したように構成しており、生ゴミ収容室30の内部に微生物を含有する大鋸屑や籾殻などの発酵基材とともに生ゴミを投入し、そのまま所定期間放置(適宜撹拌してもよい。)することで、生ゴミ収容室30の内部で生ゴミを発酵処理して堆肥化させることができる。
【0044】
そして、上記生ゴミ堆肥化容器21では、生ゴミ収容室30に通気口37を設けているために、生ゴミ収容室30の通気を良好なものとして、生ゴミの発酵を促進させるとともに、悪臭の発生を防止することができる。
【0045】
しかも、上記生ゴミ堆肥化容器21では、通気口37と生ゴミ収容室30との間に複数(ここでは、2枚)の多孔体43,44を間隔をあけて介設しているために、害虫の混入だけでなく卵管の挿入による産卵をも防止することができ、害虫の発生を防止することができる。
【0046】
そのため、上記生ゴミ堆肥化容器21を用いることによって、生ゴミの発生場所において、労力や時間やコストをかけることなく容易に生ゴミを発酵処理することができる。
【0047】
また、上記生ゴミ堆肥化容器21では、複数(ここでは、2枚)の多孔体43,44を間隔をあけて一体形成した多孔体ユニット41を通気口37と生ゴミ収容室30との間に着脱できるように装着しているため、多孔体ユニット41を容易に洗浄したり交換することができ、衛生的な使用が可能となる。
【0048】
特に、上記生ゴミ堆肥化容器21では、生ゴミ収容室30の内部に撹拌翼31を形成しているために、生ゴミ堆肥化容器21を全体的に回転させることで生ゴミ収容室30の内部に収容した生ゴミと発酵基材とを良好に撹拌することができ、生ゴミ収容室30で生ゴミを均等に発酵させることができるので、生ゴミの発酵処理に要する期間を短縮することができる。
【0049】
この生ゴミ堆肥化容器21は、図6及び図7に示す回転台45に載置することで、容易に回転させることができる。
【0050】
この回転台45は、座体46の後端部に支持体47の後端部を上下回動可能に取付けた構成となっている。
【0051】
座体46は、U字状の座体フレーム48の後端部間に回転軸49を架設し、この回転軸49を支持体47の後端部に挿通させている。
【0052】
また、座体46は、座体フレーム48の中途部間に3本の係止桿50を前後に間隔をあけて架設している。
【0053】
支持体47は、I字状の中央部フレーム51の中途部に円筒状のローラ52を回動自在に取付けるとともに、中央部フレーム51の前後端部間に左右一対の円弧状に湾曲させたコ字状の側部フレーム53,54を取付け、各側部フレーム53,54の中途部に円筒状のローラ55,56を回動自在に取付けている。
【0054】
また、支持体47は、中央部フレーム51の後部を上方に向けて直角に折曲し、後端部前側に半球状の支持部57を形成している。
【0055】
さらに、支持体47は、中央部フレーム51の中途部に左右一対の係入桿58,58を前後回動自在に取付けている。
【0056】
そして、回転台45は、支持体47の係入桿58,58を座体46のいずれかの係止桿50に係入することで、支持体47の傾斜角度を調節できるようにしている。
【0057】
この回転台45は、支持体47に生ゴミ堆肥化容器21を載置し、生ゴミ堆肥化容器21の側部を支持体47のローラ52,55,56で支持するとともに、生ゴミ堆肥化容器21の底部を支持体47の支持部57で支持することによって、生ゴミ堆肥化容器21を動力源を設けることなく手動で容易に回転させることができる。なお、生ゴミ堆肥化容器21には、上蓋24に回転操作用のハンドル59を形成している。また、回転台45には、第1実施例としての生ゴミ堆肥化容器1を載置して使用することもできる。
【0058】
[第3実施例]
上記第1実施例及び第2実施例で示した生ゴミ堆肥化容器1,21は、内部の生ゴミ収容室7,30に生ゴミと発酵基材(微生物を含有する大鋸屑や籾殻など)とを投入することで、発酵基材によって生ゴミを発酵処理し、生ゴミを堆肥化させることができるものである。
【0059】
そのため、生ゴミの発生した場所において、発生した生ゴミを直ちに生ゴミ堆肥化容器1,21に投入することで、生ゴミから堆肥を製造することができ、製造した堆肥を肥料として利用することができる。
【0060】
ここで、生ゴミは恒常的に排出されてしまうのに対して、生ゴミの排出者が堆肥を常に必要としているとは限られず、その一方で、農産物の生産者のように常に堆肥を必要としている者もいる。
【0061】
そこで、社会的なシステムとして、生ゴミから堆肥を製造する生ゴミ堆肥化方法が必要となる。
【0062】
この生ゴミ堆肥化方法としては、図8に模式的に示すように、まず、生ゴミの発生した場所(生ゴミ発生場所60,61,62)において、発生した生ゴミと発酵基材とを上記第1実施例又は第2実施例で示した生ゴミ堆肥化容器1,21に投入し、所定期間(たとえば、1カ月間)生ゴミの発酵処理を行う。
【0063】
その後、各生ゴミ発生場所60,61,62から発酵処理させた後の生ゴミを処理場63に回収する。このときに、発酵基材と生ゴミとを交換して回収するようにしてもよい。
【0064】
ここで回収される生ゴミは、既に所定期間発酵処理が行われているために、水分が乾燥し完熟までいかずとも概ね熟成されており、発生直後の生ゴミに比べると回収物の体積や重量を大幅に低減することができ、これにより、生ゴミの回収に要するコストを激減させることができる。
【0065】
その後、回収した発酵処理後の生ゴミを篩選別等の処理を行うことで、生ゴミに混入する異物を除去する。
【0066】
ここでも、異物除去する生ゴミは、乾燥した状態であるために、篩選別等の簡易な装置で容易に除去することができ、製造される堆肥の品質を向上させることができる。
【0067】
その後、異物除去後の生ゴミを完全に熟すまで熟成させて、堆肥を製造する。
【0068】
ここでも、完熟させる生ゴミは、発生直後の生ゴミに比べて大幅に体積が低減しているために、小規模な装置を利用することができ、これにより、生ゴミから堆肥を製造するために要するコストを低減させることができ、また、悪臭や害虫などの発生を防止することができる。
【0069】
以上に説明したように、上記生ゴミ堆肥化方法では、生ゴミ発生場所60,61,62で一次的に処理した後に、所定の処理場63で最終的な処理を行って生ゴミから堆肥を製造するようにしているために、生ゴミの堆肥化に要する労力やコストを低減することができ、生ゴミの堆肥化を社会に普及させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 生ゴミ堆肥化容器 2 容器本体
3 内蓋 4 外蓋
5 底壁 6 周壁
7 生ゴミ収容室 8 載置部
9 溝 10 蓋板
11 貫通孔 12 筒部
13,14 多孔体 15,15a,15b,15c 載置部
16 蓋板 17 ツマミ
18 脚体 19 通気口
20 多孔体ユニット 21 生ゴミ堆肥化容器
22 容器本体 23 下蓋
24 上蓋 25 周壁
26,27 装着部 28 蓋板
29 装着部 30 生ゴミ収容室
31 撹拌翼 31a,31b 翼体
32 蓋板 33 装着部
34 貫通孔 35 開閉蓋
36 ヒンジ 37 通気口
38 調節板 39 ツマミ
40 筒部 41 多孔体ユニット
42 筒体 43,44 多孔体
45 回転台 46 座体
47 支持体 48 座体フレーム
49 回転軸 50 係止桿
51 中央部フレーム 52 ローラ
53,54 側部フレーム 55,56 ローラ
57 支持部 58 係入桿
59 ハンドル 60,61,62 生ゴミ発生場所
63 処理場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に生ゴミと発酵基材とを収容する生ゴミ収容室を形成し、生ゴミ収容室で生ゴミを発酵させて堆肥化させる生ゴミ堆肥化容器において、
生ゴミ収容室に連通する通気口を設けるとともに、通気口と生ゴミ収容室との間に複数の多孔体を間隔をあけて介設したことを特徴とする生ゴミ堆肥化容器。
【請求項2】
前記複数の多孔体を間隔をあけて一体形成した多孔体ユニットを通気口と生ゴミ収容室との間に着脱可能に装着したことを特徴とする請求項1に記載の生ゴミ堆肥化容器。
【請求項3】
前記生ゴミ収容室に、生ゴミ堆肥化容器を回転させることで内部に収容した生ゴミと発酵基材とを撹拌するための撹拌翼を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生ゴミ堆肥化容器。
【請求項4】
生ゴミから堆肥を製造する生ゴミ堆肥化方法において、
生ゴミの発生した場所で前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の生ゴミ堆肥化容器を用いて生ゴミを所定期間発酵処理し、その後、発酵処理後の生ゴミを回収し、その後、回収した発酵処理後の生ゴミから異物を除去した後に完熟させて堆肥を製造することを特徴とする生ゴミ堆肥化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−144079(P2011−144079A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6654(P2010−6654)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(510014825)
【出願人】(510014836)
【出願人】(510015235)
【出願人】(510016210)
【出願人】(510016221)
【出願人】(510015246)
【Fターム(参考)】