説明

生体内検査のための装置、システム、及び方法

【課題】医療手技、特に、胃腸管の検査に対して被験者を準備する方法を提供する。
【解決手段】生体内検査のための装置、システム、及び方法。生体内検査の方法は、被験者の大腸の内容物を実質的に空にする段階、及び自律的生体内撮像装置を被験者の胃腸管に挿入する段階を含む。生体内検査キットは、自律的生体内撮像装置、無線受信機、アンテナセット、下剤、及び、任意的に刺激剤及び使用説明書を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療手技の分野に関する。より詳細には、本発明は、胃腸管の検査に対して被験者を準備する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大腸の内視鏡検査(大腸内視鏡検査)は、大腸の癌の初期徴候を探すのに用いることができる。これは、更に、用便習慣の説明のつかない変化の原因を診断するのに用いることができる。大腸内視鏡検査により、医師は、炎症組織、異常増殖、ポリープ、癌潰瘍、及び出血のような大腸の病状を見ることができる。
大腸内視鏡検査は、患者の直腸を通して長くて可撓性の点灯管を挿入する段階と、それを大腸内に案内する段階とを伴う。大腸内部の画像が得られ、従って、医師は、大腸の内面を検査することができる。通常は、大腸に空気を吹き込んで大腸を膨らませ、医師が見るのを助ける。
【0003】
大腸の出血及び穿刺は、可能な大腸内視鏡検査の合併症であり、通常は、患者に鎮痛剤及び鎮静剤を与え、大腸内視鏡検査中に快適でリラックスした状態にしておくことが必要である。更に、この手技では、患者の大腸を空にすべきである。一般的に、患者は、検査前1〜3日は流動食にし、手技の前夜には下剤を服用する。これは、不快な準備手順であり、このために、患者が検査を受ける気がなくなる場合がある。
【0004】
胃腸(GI)管、特に大腸を検査するための別の公知の手順は、「仮想大腸内視鏡検査(VC)」である。この方法は、X線及びコンピュータを用いて大腸の2次元及び3次元の画像を生成し、それをスクリーン上に表示する。VCは、「コンピュータ断層撮影法(CT)」又は「核磁気共鳴画像法(MRI)」を用いて行うことができる。一般的に、VCの準備には、手順の前日に下剤又は他の経口薬剤を摂取し、大腸から大便を除去する段階が含まれる。VCには、他の公知の内視鏡的手技の危険及び不快感が伴わないであろうが、VC手技のコンピュータ生成画像は、内視鏡的撮像装置により得られる詳細が欠落することがある。
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第09/800,470号
【特許文献2】米国特許出願公開第2001/0035902号
【特許文献3】米国特許第5,604,531号
【特許文献4】米国特許出願第10/046,541号
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0109774号
【特許文献6】米国特許公開番号US−2003−001828
【発明の開示】
【0006】
本発明の一部の実施形態は、ヒトのGI管を清掃し、清浄にし、洗浄し、及び/又は実質的に空にする方法を提供する。一部の実施形態により、大腸を実質的に空にする方法が提供される。
本発明の一部の実施形態は、GI管の生体内検査に対して患者を準備するための手技を提供する。一部の実施形態により、大腸(結腸)の検査のための手技が提供される。一部の実施形態は、大腸洗浄のための有効なタイミング及び/又は生体内撮像装置を大腸及び大腸内に進めるための有効なタイミングを可能にすることができる。
【0007】
本発明の一部の実施形態による手技は、一般的に従来の手技よりも短時間とすることができ、病院環境以外(例えば、患者の自宅)で行うことができ、及び/又は患者が遵守することを容易にすることができる。例えば、一部の実施形態による手技には、比較的短時間の絶食期間を含むことができ、患者が眠っている間の夜間にGI管の検査を行うことができる。
一部の実施形態によれば、手技は、嚥下可能で一般的に自律的な生体内撮像装置により、GI管の検査と共に又はその前に行うことができる。他の実施形態によれば、手技は、内視鏡検査(例えば、大腸内視鏡検査)及び他の適切な撮像法又は他の検査法のような他のGI検査方法と共に又はその前に行うことができる。
【0008】
一部の実施形態は、例えば、下剤、刺激剤、腸管洗浄液、嚥下可能生体内撮像装置又はカプセル、受信アンテナの装着型セット、及び生体内撮像装置により送信される画像を受信して記録するための受信機/記録計ユニットを含むことができるキットを提供する。
一部の実施形態では、例えば、生体内検査の方法は、被験者の大腸の内容物を実質的に空にする段階と、自律的生体内撮像装置を被験者の胃腸管に挿入する段階とを含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、被験者の大腸を実質的に空にする段階は、下剤を投与する段階と、所定の期間待機する段階と、刺激剤及び/又は運動促進剤を投与する段階とを含むことができる。
【0009】
一部の実施形態では、例えば、下剤は、ポリエチレングリコールベースの下剤とすることができる。
一部の実施形態では、例えば、下剤は、ポリエチレングリコール(PEG)及び/又はリン酸ナトリウムを含む物質とすることができる。一部の実施形態によれば、下剤は、Soffodex(登録商標)、Fleet製Phospho−soda(R)、Meroken、GoLYTELY(R)、NuLYTELY(R)、ポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール3350から成る群から選択することができる。
【0010】
一部の実施形態では、例えば、刺激剤は、ビサコジル、センナ、及びヒマシ油から成る群から選択される物質とすることができる。
一部の実施形態では、例えば、運動促進剤は、テガセロド、ドンペリドン、及びメトクロプラミドから成る群から選択される物質とすることができる。
一部の実施形態では、例えば、下剤を投与する段階は、下剤の第1の部分を投与する段階と、所定の期間待機する段階と、下剤の第2の部分を投与する段階とを含むことができる。
【0011】
一部の実施形態では、例えば、自律的生体内撮像装置を挿入する段階は、自律的生体内撮像装置を夜間に、かつ刺激剤投与後少なくとも30分たって挿入する段階を含むことができる。一部の実施形態では、例えば、本方法は、更に、自律的生体内撮像装置を挿入した後少なくとも5時間たって食事及びブースタ下剤を投与する段階を含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、自律的生体内撮像装置を挿入する段階は、朝の時間に、かつ刺激剤を投与した後少なくとも4時間たって自律的生体内撮像装置を挿入する段階を含むことができる。一部の実施形態では、例えば、本方法は、更に、自律的生体内撮像装置を挿入した後少なくとも1時間たって食事及び付加的な用量の下剤を投与する段階を含むことができる。
【0012】
一部の実施形態では、例えば、本方法は、更に、自律的生体内撮像装置が胃を出た後だけに付加的な投与量の下剤を投与する段階を含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、自律的生体内撮像装置を挿入する段階は、嚥下可能な生体内撮像装置を嚥下する段階を含むことができる。
本発明の一実施形態によれば、生体内撮像装置の容積対重量比は、大腸液中にそれを本質的に浮かすことを可能にするものである。
本発明の一実施形態によれば、生体内撮像装置の比重(SG)は、大腸液中で約0.7〜0.98である。
【0013】
一部の実施形態では、例えば、方法は、更に、自律的生体内撮像装置から生体内画像を受信する段階、画像を記憶する段階、画像を処理する段階、及び/又は画像を表示する段階を含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、被験者の大腸を実質的に空にする段階は、生体内検査の前日の正午から絶食する段階と、下剤を投与する段階とを含むことができる。一部の実施形態では、例えば、自律的生体内撮像装置を挿入する段階は、絶食開始からほぼ12時間後に自律的生体内撮像装置を挿入する段階を含むことができる。一部の実施形態では、例えば、下剤を投与する段階は、絶食開始からほぼ2時間後に下剤の第1の部分を投与する段階と、絶食開始からほぼ8時間後に下剤の第2の部分を投与する段階とを含むことができる。一部の実施形態では、例えば、本方法は、更に、自律的生体内撮像装置を挿入するほぼ1時間前に刺激剤を投与する段階を含むことができる。
【0014】
一部の実施形態では、例えば、生体内検査キットは、自律的生体内撮像装置、無線受信機、アンテナセット、及び下剤を含むことができる。一部の実施形態によれば、受信機は、例えば、GI管をオンラインで見るためのモニタを含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、下剤は、ポリエチレングリコールベースの下剤とすることができる。一部の実施形態では、例えば、下剤は、Soffodex(登録商標)、Phospho−soda(R)、Meroken、GoLYTELY(R)、NuLYTELY(R)、ポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール3350から成る群から選択される物質とすることができる。一部の実施形態では、例えば、下剤は、1回目に摂取するように意図した下剤の第1の部分と、2回目に摂取するように意図した下剤の第2の部分とを含むことができる。
【0015】
一部の実施形態では、例えば、生体内検査キットは、刺激剤、例えば、ビサコジル、センナ、及び/又はヒマシ油を含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、下剤及び/又は刺激剤、又はその1つ又はそれよりも多くの部分は、色分けすることができる。
一部の実施形態では、例えば、生体内検査キットは、下剤を摂取し、4時間よりも長い所定の期間待機し、刺激剤を摂取する指示が載っている使用説明物品を含むことができる。
【0016】
一部の実施形態では、例えば、生体内検査キットは、夜間に、かつ刺激剤を投与して少なくとも30分後に自律的生体内撮像装置を挿入する指示と、任意的に、自律的生体内撮像装置を挿入して少なくとも5時間後に食事及びブースタ下剤を摂取する指示とが載っている使用説明書を含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、生体内検査キットは、朝の時間に、かつ刺激剤を投与して少なくとも4時間後に自律的生体内撮像装置を挿入する指示と、任意的に、自律的生体内撮像装置を挿入して少なくとも1時間後に食事及びブースタ下剤を摂取する指示とが載っている使用説明書を含むことができる。
【0017】
一部の実施形態では、例えば、生体内検査キットは、自律的生体内撮像装置と、無線受信機と、アンテナセットと、下剤とを封入するパッケージを含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、自律的生体内撮像装置は、撮像装置と、照明光源と、送信機とを含むことができる。
本発明であると考える主題を特に本明細書の詳細説明に指摘して明確に主張する。しかし、本発明は、添付の図面と共に読む時に以下の詳細説明を参照することによって最も良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下の説明では、本発明の様々な態様を説明する。説明のために及び本発明の理解のために、特定の構造及び詳細を説明して本発明が完全に理解されるようにする。しかし、本発明は、本明細書に示す特定の詳細を用いずに実施することができることは当業者には明らかであろう。更に、本発明が曖昧にならないように、公知の特徴を省略又は簡略化する場合がある。本発明の一部の実施形態は、一般的に嚥下可能な生体内感知装置、例えば、一般的に嚥下可能な生体内撮像装置に関する。本発明の実施形態による装置は、2001年3月8日に出願され、「生体内撮像のための装置及びシステム」という名称の米国特許出願第09/800,470号であり、かつ米国特許出願公開第2001/0035902号として2001年11月1日に公開されたもの、及び/又はIddan他に付与された「生体内ビデオカメラシステム」という名称の米国特許第5,604,531号、及び/又は2002年1月16日出願の米国特許出願第10/046,541号であり、かつ2002年8月15日に米国特許出願公開第2002/0109774号として公開されたものに記載の実施形態と同様とすることができ、これらの全ては、本明細書において参照により組み込まれている。上の公告に説明するワークステーションにあるような外部受信ユニット及びプロセッサは、本発明の実施形態に適切とすることができる。本明細書に説明するような装置及びシステムは、他の構成及び/又は他の構成要素の組を有することができる。例えば、本発明は、内視鏡、針、ステント、カテーテルなどを用いて実施することができる。一部の生体内装置は、カプセル形とすることができ、他の形状、例えば、ピーナツ形又は管状、球状、円錐形、又は他の適切な形状とすることができる。本明細書に説明するような装置及びシステムは、他の構成及び他の構成要素の組を有することができる。
【0019】
図1は、本発明の一部の実施形態により、身体管腔、例えば、大腸を検査する方法を概略的に示している。一部の実施形態によれば、被験者の大腸は、内容物を実質的に空にすることができる(ボックス101)。被験者は、GI管を撮像して画像を外部受信ユニットに送信することができる無線の典型的に自律的な生体内撮像装置をGI管内に嚥下するか又は他の方法で挿入することができる(ボックス102)。GI管からの生体内画像は、例えば、被験者の身体上に取り付けるか又はそれに近接させることができる外部受信ユニットにより生体内撮像装置から受信することができる(ボックス103)。例えば、画像データは、専門家及び/又はコンピュータプラットフォームにより記録、表示、処理、及び/又は分析することができる。
【0020】
一部の実施形態によれば、自律的生体内撮像装置は、身体管腔(例えば、大腸)の液体の移動と共にそれらの管空を通って運ばれるように浮揚性とすることができる。
一部の実施形態によれば、嚥下可能な生体内撮像装置は、pH、温度、伝導性、せん断、及び圧力などのような遅延機構を含むことができ、又はある一定の環境又はある一定量の時間の後に活性化又は完全に活性化されるか又はトリガされて作動することができる。すなわち、例えば、生体内装置は、身体管腔を通過する間の電力を節約するか又は電力消費を低減することができ、かつ検査するように意図した関連の領域でのみ活性化又は完全に活性化することができる。
【0021】
一部の実施形態によれば、被験者の大腸を空にする作業は、例えば、下剤、運動促進剤、及び/又は他の刺激剤を摂取する段階を含むことができる。刺激剤及び/又は下剤は、例えば、腸壁に作用することにより、例えば、糞便塊と共に動く筋肉収縮を増大させることによって便通を促すことができる。
別の実施形態では、腹部を外部マッサージし、管腔を通る運動性を促進するための装置(例えば、Freelax(登録商標))も提供される。
【0022】
一部の実施形態により用いることができる刺激剤及び/又は下剤は、例えば、ビサコジル、センナ、及び/又はヒマシ油を含むことができる。他の適切な刺激剤、下剤、薬物、医薬品、化学物質、薬剤、及び/又は物質を用いることもできる。任意的に、一部の実施形態によれば、被験者は、例えば、下剤を用いることに加えて、例えば、検査前1日又は2日間にわたって比較的低残留性の食事を続けることが必要である場合がある。
【0023】
任意的に、被験者は、例えば、手技を容易にし、及び/又は改善するために手技のどの段階でも1つ又はそれよりも多くの液体(例えば、水、「Diet Sprite(R)」、「Diet 7−Up(R)」、リンゴジュース、クランベリージュース、グレープジュース等)を摂取することが必要であることもある。
一部の実施形態によれば、被験者のGI管の内容物を実質的に空にする段階は、管腔から典型的に透明な液体を空にする段階を含まない場合があり、又は管腔に典型的に透明な液体を維持する段階を含む場合がある。例えば、被験者の大腸は、糞便及び/又は他の実質的な内容物を実質的に除去することができるが、依然として管腔内液又は他の液体、例えば、典型的に透明な液体を含むことができる。
【0024】
一部の実施形態によれば、生体内装置は、例えば、1つ又はそれよりも多くの照明光源、1つ又はそれよりも多くの撮像装置、及び任意的に光学システムを含むことができ、これは、光窓の背部に位置決めすることができ、かつ単一のハウジング又はシェル内に収容され、及び/又は封入することができる。生体内装置は、同じハウジング内に外部受信ユニットに画像を送信するための送信機及び電源(例えば、1つ又はそれよりも多くのバッテリ)を更に含み、例えば封入することができる。
【0025】
一部の実施形態では、自然な蠕動運動により生体内(例えば、嚥下可能)撮像装置をGI管を通して押し込むことができる。一部の実施形態によれば、生体内撮像装置は、浮力のあるものとすることができ、管腔内の液体により管腔を通して運ぶことができる。一部の実施形態では、嚥下されるか又は他の方法で挿入された後、生体内装置は、食道、胃、十二指腸、数メートルの小腸、盲腸を通過し、大腸の上行性、横断性、及び下行性部分に到達することができる。従って、生体内撮像装置は、大腸又はGI管の別の遠隔部分を実際に撮像する数時間前に嚥下するか又は別の方法でGI管内に挿入することができる。一部の実施形態では、大腸を空にする作業は、例えば、生体内装置を挿入する前又は後、例えば、生体内装置がGI管を通って移動する間に行うことができる。
【0026】
一部の実施形態によれば、生体内撮像装置は、直腸を通して大腸内に挿入することができる。例えば、生体内撮像装置は、患者の直腸を通して挿入された内視鏡により盲腸に配置することができる。一部の実施形態では、生体内撮像装置は、直腸に挿入することができ、例えば、上述のものと実質的に反対方向に大腸を通って移動することができる。GI管内の生体内装置の他の動きが可能であることもある。
【0027】
一部の実施形態によれば、有線又は非無線生体内装置(例えば、内視鏡又は大腸鏡)を用いてGI管を検査することができる。一部の実施形態では、内視鏡は、嚥下可能な生体内装置よりも比較的正確な時間に大腸に至らせることができ、従って、その時点で大腸を空にする作業が実質的に完了しており、及び/又は大腸を空にする作業を内視鏡を挿入する作業よりも先に行う必要がある場合がある。様々な適切な時系列を用いるか、又はそれを本発明の様々な実施形態に適合させるように調節することができる。
【0028】
図2A1、図2A2、及び図2Bは、本発明の一部の実施形態による手技のための例示的な時系列をいくつか示している。図2A1及び図2A2は、「昼間手技」に対応し、図2Bは、「夜間手技」に対応するであろう。図2A1は、本発明の一部の実施形態による昼間手技に対応すると考えられる時系列を示している。例えば、被験者は、検査の2日前に低残留性食事を開始することができる。検査の前日には、被験者は、午前中又は正午に最後の食事を取ることができ、下剤は、例えば、最後の食事の2時間後及び8時間後に飲むことができる。他の実施形態によれば、例えば、被験者は、ほぼ3又は4リットルのポリエチレングリコール(PEG)を例えば最後の食事からほぼ8時間後に摂取することができる。一部の実施形態では、刺激剤は、生体内撮像装置を嚥下するか又は他の方法で体内に挿入するほぼ6又は7時間前に飲むことができる。一部の実施形態では、空にする手技の殆どは、検査前の夜間に完了することができ、かつ検査自体(例えば、GI管の画像を得る段階)は、昼間に行うことができる。
【0029】
一部の実施形態では、生体内撮像装置をGI管に挿入してほぼ2〜4時間後に、付加的な用量の腸管洗浄液、例えば、PEG(例えば、ほぼ1リットルのPEG)及び/又は下剤(例えば、ほぼ30ミリリットルのリン酸ナトリウム)を摂取することによって手技を促進することができる。一部の実施形態では、被験者は、生体内撮像装置を挿入してほぼ6時間後に再び食べることができる。一部の実施形態では、検査は、生体内撮像装置を摂取してほぼ8〜10時間後に完了することができる。
【0030】
一部の実施形態では、ブースタ、例えばPEGは、生体内撮像装置が胃を出た後にだけ飲むことができる。
図2A2に説明した実施形態では、患者は、撮像装置摂取の前日には流動食を処方され、その日の終わり及び次の日の午前中の最初に下剤(例えば、リン酸ナトリウム)が与えられる。その日の午前中の遅い時間に運動促進剤(例えば、テガセロド(登録商標))を投与することができ、その後、嚥下可能な撮像装置が摂取される。患者は、撮像装置を摂取してほぼ2時間後にもう1回分の投与量の運動促進剤が与えられ、その後、食べることができる。その日の終わりに刺激剤(例えば、ビサコジル(登録商標))が患者に与えられる。
【0031】
本発明の実施形態による大腸洗浄手技は、大腸洗浄レベルを維持し、撮像装置(例えば、カプセル)を効率的に進ませるように設計される。一部の実施形態による手技は、カプセル摂取のほぼ1時間前及び/又は摂取後数時間たって飲む運動促進剤;カプセル摂取後〜2時間で、かつ一般的にカプセルが胃を出た後に飲む付加的な下剤投与量(ブースト);運動促進剤の利用;タイミング食事摂取及び刺激剤摂取(例えば、坐薬刺激剤の利用)を含むことができる。
一部の実施形態では、例えば、図2Aを参照して説明したような昼間の手技により、絶食期間の殆どが夜間になるという利点を得ることができる。他の利点及び利益も可能であろう。
【0032】
図2Bは、本発明の一部の実施形態による夜間の手技に対応すると考えられる時系列を示している。被験者は、例えば、検査の2日前に低残留性食事を開始する。検査の前日には、被験者は、午前中に最後の食事をすることができる。その後、例えば、2回分の投与量の下剤を例えば14:00及び20:00に飲むことができる。刺激剤又は運動促進剤は、生体内撮像装置を挿入するほぼ1時間前に摂取することができる。その後、生体内装置は、摂取するか又は他の方法でGI管に挿入することができる。一部の実施形態によれば、検査は、夜間に行うことができる。被験者は、翌日はほぼ午前5時又は6時に起きることができる。任意的に、手技は、付加的な用量の腸管洗浄液、例えば、PEG(例えば、ほぼ1リットルのPEG)及び/又は下剤(例えば、ほぼ30ミリリットルのリン酸ナトリウム)を摂取することによって促進することができ、その後、被験者は、朝食を食べることができる。手技は、ほぼ昼までには完了することができる。
【0033】
一部の実施形態では、夜間の手技により、例えば、絶食期間を短くて容易にし(例えば、被験者が眠っている間)、及び/又は大腸活動のピークを良好又は最適に利用するという利点を得ることができる。例えば、夜間の手技は、例えば、朝の目覚め及び/又は食物摂取に対する大腸の自然反射を利用することができる。更に、夜間の手技により、被験者は、手技の大部分を居心地の良い環境、例えば、家庭で受けることができる。夜間に手技を行うことによる別の可能な利点には、例えば、被験者が横になる姿勢が含まれ、それにより、そうでなければ見るのが困難な区域、例えば盲腸を良好に又はより良好に見ることができる。一部の実施形態では、検査の結果は、午前中の検査直後に得ることができ、それによって必要に応じてその同じ日にフォローアップ検査が可能になる。他の利益又は利点も可能であろう。
【0034】
図3は、本発明の一部の実施形態によるキット300を概略的に示している。キット300は、例えば、下剤302、腸管洗浄液303、刺激剤又は運動促進剤304、自律的生体内撮像装置306(例えば、嚥下可能な生体内撮像カプセル)、1組の受信アンテナ308(例えば、携帯用又は着用可能なセット)、及び生体内撮像装置から送信される画像を受信及び/又は記録することができる受信機/記録計310を含むことができる。一部の実施形態では、キット300は、任意的に、例えば、被験者が適時に手技を受けるのを助けるためのタイマ351及び/又は時系列352を含むことができる。キット300の構成要素は、例えば、パッケージ350、例えば、箱、容器、ケース、袋、携帯用バッグ、ポーチ、財布、スーツケース又は小型スーツケース、又は他の封入物内に入れるか又は封入することができる。
【0035】
一部の実施形態では、下剤302は、例えば、全てが<www.Dexxon.co.il>に説明されているイスラエルの会社である、「Dexcel Ltd.」、「Dexxon Ltd.」、及び/又は「Dexcel Pharma Technologies Ltd.」から入手可能な例えばSoffodex(登録商標)を含むことができ、これは、例えば、リン酸1水素2ナトリウム(例えば、ほぼ0.9グラム又は5ミリリットル)及びリン酸2水素ナトリウム(例えば、ほぼ2.4グラム又は5ミリリットル)を有する溶液である。一部の実施形態では、下剤302は、例えば、<www.PhosphoSoda.com>に説明されているFleet(R)から入手可能な「Phospho−Soda(R)経口生理食塩水下剤」を含むことができる。他の適切な下剤を用いることもできる。
【0036】
一部の実施形態では、下剤302は、PEGベースの製品、例えば、Meroken又は「Meroken New」(イスラエルのTaroから入手可能<www.Taro.co.il>、例えば、315.000グラムのポリエチレングリコール、4.2840グラムの重炭酸ナトリウム、8.4240グラムの塩化ナトリウム、及び1.1175グラムの塩化カリウムを有するビン入り粉末);GoLYTELY(R)(マサチューセッツ州ブレーントリー所在の「BrainTree Laboratories Inc.」から入手可能<www.NyLYTELY.com>、例えば、236グラムのポリエチレングリコール3350、22.74グラムの硫酸ナトリウム(無水物)、6.74グラムの重炭酸ナトリウム、5.86グラムの塩化ナトリウム、及び2.97グラムの塩化カリウムを有する粉末);NuLYTELY(R)(マサチューセッツ州ブレーントリー所在の「BrainTree Laboratories Inc.」から入手可能<www.NyLYTELY.com>、例えば、420グラムのポリエチレングリコール3350、5.72グラムの重炭酸ナトリウム、11.2グラムの塩化ナトリウム、1.48グラムの塩化カリウム、及び任意的に2.0グラムの香味物質を有する粉末);又は他の適切な下剤又はその組合せを含むことができる。
【0037】
キット300は、下剤、洗浄液、又は他の溶液の1つ又はそれよりも多くの部分を含むことができる。部分は、例えば、ほぼ30〜45ミリリットルのリン酸ナトリウム、下剤又はほぼ1リットルのPEG、又は他の適切な分量及び/又は物質を含むことができる。複数の部分は、単一のビン又は容器に保存又は混合することができ、又は別々のビン又は他の容器に保存することができる。
一部の実施形態では、刺激剤304は、例えば、ビサコジル、センナ、ヒマシ油、又は他の適切な物質を含むことができる。キット300は、刺激剤304の1つ又はそれよりも多くの部分を含むことができる。
【0038】
一部の実施形態では、自律的生体内撮像装置306は、例えば、嚥下可能にすることができ、ブリスタ又は他の適切なパッケージ355に入れて供給することができる。一部の実施形態では、パッケージ355は、磁石を含むことができ、これは、装置306の近くに存在する場合は装置306を非活性化することができ、例えば、パッケージ355から装置306を取り出すと、装置306を活性化し、及び/又は作動可能にすることができる。他の適切な活性化方法を用いることができる。一部の実施形態では、装置306は、例えば、コップの水と共に被験者が嚥下することができる。装置306を挿入する他の適切な方法を用いることができる。
【0039】
一部の実施形態では、装置306を嚥下する前に、被験者は、1つ又はそれよりも多くのアンテナ360、例えば、8つのアンテナを有する受信アンテナ308のセットを装着することができる。アンテナ360は、上着、ベルト、又は他の衣類又は衣類物品の一部として実施することができ、これが被験者の解剖学的構造を覆って配置される時に、被験者の体内の装置306から送信された画像データを受け取るためのアンテナ360を位置決めすることができる。
【0040】
一部の実施形態では、アンテナ360は、アンテナ360を被験者の身体に直接取り付けるための接着手段、例えば、にかわ又は結合材料などを備えることができる。一部の実施形態では、例えば、アンテナ360を被験者の身体に確実に正確に位置決めするために、使用説明書361を提供することができる。使用説明物品361は、例えば、使用説明シート、指導書、小冊子、地図、線図、流れ図、表、検査リスト、図面、文章説明、図式説明、音声説明、ビデオ説明、使用説明が保存された物品(例えば、メモリ、オーディオカセット、ビデオカセット、コンパクトディスク、CD−ROM、DVD等)などを用いて実施することができる。
【0041】
一部の実施形態では、受信機/記録計310は、受信アンテナ308の組に取り付けることができる。受信機/記録計310は、例えば、アンテナ308を通して画像データを受信することができ、ハードディスク又は他の適切なメモリ装置、例えば、着脱式メモリユニット、フラッシュメモリ等にデータを記録することができる。受信機/記録計310に保存された画像データは、例えば、専門家用ワークステーションのデータプロセッサに送信することができる。例えば、受信機/記録計310は、検査後に被験者の身体から取り外して医師のところに持っていくことができ、この医師は、適切なデータリンク、例えば、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、USBインタフェース、又は他の有線又は無線インタフェースを通じて受信機/記録計をパーソナルコンピュータ又はワークステーション(例えば、データプロセッサ、記憶ユニット、及び表示ユニットを有するもの)に接続することができる。一部の実施形態では、受信機/記録計310は、例えば、処理機能及び/又は画像データを表示するディスプレイ(例えば、LCDディスプレイ)を含むことができる。
【0042】
一部の実施形態では、キット300は、例えば、作業をユーザフレンドリにするための構成要素の色分けを含むことができる。例えば、装置306を嚥下する前に飲むことが意図される下剤302又は他の物質は、第1の色を用いて印をつけることができ、装置306を嚥下した後に飲むことが意図されている下剤302又は他の物質は、第2の異なる色を用いて印をつけることができる。例えば、被験者がキット300の構成要素を容易に利用することができるように他の適切な色分けの案を用いることができる。
【0043】
図4は、本発明の一部の実施形態による生体内システムの概略図を示している。システムの1つ又はそれよりも多くの構成要素は、装置及び/又は上述の構成要素、又は本発明の実施形態による他の生体内装置と共に用いることができ、それと作動的に関連させることができる。
一部の実施形態では、システムは、センサ、例えば撮像装置146、1つ又はそれよりも多くの照明光源142、電源145、及び送信機141を有する装置140を含むことができる。一部の実施形態では、装置140は、嚥下可能なカプセルを用いて実施することができるが、他の種類の装置又は適切な実施例を用いることができる。患者の身体の外側には、例えば、外部受信機/記録計112(例えば、アンテナ又はアンテナのアレイを含むか又はそれと作動的に関連させた)、記憶ユニット119、プロセッサ114、及びモニタ118を存在させることができる。一部の実施形態では、例えば、プロセッサ114、記憶ユニット119、及び/又はモニタ118は、ワークステーション117、例えば、コンピュータ又はコンピュータプラットフォームとして実施することができる。
【0044】
送信機141は、電波を用いて作動させることができる。しかし、装置140が内視鏡であるか又はそれに含まれるような一部の実施形態では、送信機141は、例えば、電線、光ファイバ、及び/又は他の適切な方法を通じてデータを送信/受信することができる。他の公知の無線送信方法を用いることもできる。送信機141は、例えば、送信機モジュール又はサブユニット及び受信機モジュール又はサブユニット、又は一体型送受信機又は送信機−受信機を含むことができる。
【0045】
装置140は、一般的に、自律的な嚥下可能カプセルであるか又はそれを含むことができるが、装置140は、他の形状とすることができ、かつ嚥下可能又は自律的でなくてもよい。装置140の実施形態は、典型的に自律的であり、かつ典型的に内蔵型である。例えば、装置140は、カプセル又は他のユニットとすることができ、この場合、構成要素の全てが実質的に容器又はシェルに含まれ、装置140は、例えば、電力を受け取り又は情報を送信するために電線又はケーブルを何ら必要としない。一部の実施形態では、装置140は、自律的で非遠隔制御可能にすることができ、別の実施形態では、装置140は、部分的に又は完全に遠隔制御可能にすることができる。
【0046】
一部の実施形態では、装置140は、外部受信及び表示システム(例えば、ワークステーション117又はモニタ118)と通信して、データ、制御、又は他の機能を表示することができる。例えば、電力は、内部バッテリ、内部電源、又は電力を受け取ることができる無線システムを用いて装置140に供給することができる。他の実施形態は、他の構成及び機能を有することができる。例えば、構成要素は、複数の設置先又はユニットに分配することができ、又は制御情報又は他の情報は、外部供給源から受信することもできる。
【0047】
一部の実施形態では、装置140は、生体内ビデオカメラ、例えば撮像装置146を含むことができ、これは、例えば、装置140がGI管腔を通過する間にGI管の画像を捕捉して送信することができる。装置140により他の管腔及び/又は体腔を撮像及び/又は感知することができる。一部の実施形態では、撮像装置146には、例えば、電荷結合素子(CCD)カメラ又は撮像装置、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)カメラ又は撮像装置、デジタルカメラ、スチールカメラ、ビデオカメラ、又は他の適切な撮像装置、カメラ、又は画像取得構成要素を含むことができる。
【0048】
一部の実施形態では、装置140の撮像装置146は、送信機141と作動的に接続することができる。送信機141は、例えば、外部送受信機又は受信機/記録計112に画像を送信することができ(例えば、1つ又はそれよりも多くのアンテナを通す)、これが、プロセッサ114及び/又は記憶ユニット119にデータを送信することができる。更に、送信機141は、制御機能を有することができるが、制御機能は、別々の構成要素、例えばプロセッサ147に含めることができる。送信機141は、画像データ、他の感知したデータ、及び/又は他のデータ(例えば、制御データ)を受信装置に送信することができるあらゆる適切な送信機を含むことができる。送信機141は、例えば、外部送受信機から信号/命令を受信することができる。例えば、一部の実施形態では、送信機141は、場合によってはチップスケールパッケージ(CSP)で供給される超低出力高周波(RF)高帯域送信機を含むことができる。
【0049】
一部の実施形態では、送信機141は、アンテナ148を通じて送信/受信することができる。送信機141及び/又は装置140内の別のユニット、例えば、コントローラ又はプロセッサ147は、装置140を制御するために、作動モード又は装置140の設定を制御するために、及び/又は装置140内で制御作動又は処理作動を行うために制御機能、例えば、1つ又はそれよりも多くの制御モジュール、処理モジュール、回路構成、及び/又は機能性を含むことができる。一部の実施形態によれば、送信機141は、例えば、アンテナ148を通すか又は異なるアンテナ又は受信要素を通して信号(例えば、患者の身体の外部からのもの)を受信することができる受信機を含むことができる。一部の実施形態によれば、信号又はデータは、装置140の別の受信装置により受信することができる。
【0050】
電源145は、1つ又はそれよりも多くのバッテリ又はパワーセルを含むことができる。例えば、電源145は、酸化銀バッテリ、リチウムバッテリ、又は高エネルギ密度を有する他の適切な電気化学セルなどを含むことができる。他の適切な電源を用いることもできる。例えば、電源145は、電力又はエネルギを生体内装置140に送信するのに用いることができる外部電源(例えば、電磁場発生装置)から電力又はエネルギを受け取ることができる。
【0051】
一部の実施形態では、電源145は、装置140の内部に存在することができ、及び/又は例えば電力を受け取るのに外部電源に連結することが必要でないこともある。電源145は、装置140の1つ又はそれよりも多くの構成要素に連続的に、実質的に連続的に、又は非個別的方式又はタイミングで、又は周期的方式で、間欠的方式で、又は他の不連続方式で電力を供給することができる。一部の実施形態では、電源145は、例えば、必ずしも要求時ではない場合に、又は必ずしもトリガイベント発生時又は外部活性化又は外部励起時ではない場合に、装置140の1つ又はそれよりも多くの構成要素に電力を供給することができる。
【0052】
任意的に、一部の実施形態では、送信機141は、例えば、撮像装置146により生じる信号及び/又はデータを処理するための処理ユニット又はプロセッサ又はコントローラを含むことができる。別の実施形態では、処理ユニットは、装置140内の別の構成要素、例えば、コントローラ又はプロセッサ147を用いて実施することができ、撮像装置146、送信機141、又は他の構成要素の一体化部分として実施することができ、又を必要としない場合もある。処理ユニットは、例えば、「中央演算処理装置(CPU)」、「デジタル信号プロセッサ(DSP)」、マイクロプロセッサ、コントローラ、チップ、マイクロチップ、回路構成、「集積回路(IC)」、「特定用途集積回路(ASIC)」、又はあらゆる他の適切な多目的又は特定のプロセッサ、コントローラ、回路構成、又は回路を含むことができる。一部の実施形態では、例えば、処理ユニット又はコントローラは、送信機141内に埋め込むか又は一体化することができ、かつ例えばASICを用いて実施することができる。
【0053】
一部の実施形態では、撮像装置146は、連続的に、実質的に連続的に、又は非個別的方式で、例えば、必ずしも要求時ではない場合、又は必ずしもトリガイベント発生時又は外部活性化又は外部励起時ではない場合に、又は周期的方式で、間欠的方式で、又は他の不連続方式で生体内画像を取得することができる。
一部の実施形態では、送信機141は、連続的に、又は実質的に連続的に、例えば、必ずしも要求時ではない場合、又は必ずしもトリガイベント発生時又は外部活性化又は外部励起時ではない場合に、又は周期的方式で、間欠的方式で、又は他の不連続方式で、画像データを送信することができる。
【0054】
一部の実施形態では、装置140は、1つ又はそれよりも多くの照明光源142、例えば、1つ又はそれよりも多くの「発光ダイオード(LED)」、「白色LED」、又は他の適切な光源を含むことができる。照明光源142は、例えば、撮像及び/又は感知されている身体管腔又は空洞を照明することができる。任意的な光学システム150には、例えば、1つ又はそれよりも多くのレンズ又は複合レンズアセンブリ、1つ又はそれよりも多くの適切な光学フィルタ、又はあらゆる他の適切な光学要素のような1つ又はそれよりも多くの光学要素が含まれ、これは、任意的に、装置140に含めることができ、かつ反射光を撮像装置146に集束させ、照明光を集束させ、及び/又は他の光処理作動を行うのを助けることができる。
【0055】
一部の実施形態では、照明光源142は、連続的に、又は実質的に連続的に、例えば、必ずしも要求時ではない場合、又は必ずしもトリガイベント発生時又は外部活性化又は外部励起時ではない場合に照明することができる。一部の実施形態では、例えば、照明光源142は、所定の数の回数/秒(例えば、2回又は4回)、実質的に連続的に、例えば、2時間、4時間、8時間など、又は周期的な方式で、間欠的な方式で、又は他の不連続方式で照明することができる。
【0056】
一部の実施形態では、装置140の構成要素は、例えば、カプセル形、卵形、又は他の適切な形状のハウジング又はシェルに封入することができる。一部の実施形態では、ハウジング又はシェルは、実質的に透明又は半透明なとすることができ、及び/又は実質的に透明又は半透明とすることができる1つ又はそれよりも多くの部分、窓、又はドームを含むことができる。一部の実施形態では、例えば、装置140内の1つ又はそれよりも多くの照明光源142は、透明又は半透明な部分、窓、又はドームを通して身体管腔を照明することができ、身体管腔から反射された光は、例えば、同じ透明又は半透明な部分、窓、又はドームを通して、又は任意的に別の透明又は半透明な部分、窓、又はドームを通して装置140に入射することができ、かつ光学システム150及び/又は撮像装置146により受け取ることができる。一部の実施形態では、例えば、光学システム150及び/又は撮像装置146は、照明光源142がそれを通して身体管腔を照明する同じ窓又はドームを通して身体管腔から反射された光を受け取ることができる。
【0057】
データプロセッサ114は、装置140から外部の受信機/記録計112を通じて受け取ったデータを分析することができ、かつ記憶ユニット119と通信し、例えば、フレームデータを記憶ユニット119に及びそこから転送することができる。データプロセッサ114は、分析データをモニタ118に供給することができ、そこで、使用者(例えば、医師)が見るか又は他の方法でデータを用いることができる。一部の実施形態では、データプロセッサ114は、実時間処理及び/又は後処理を行い、及び/又は後に見るように構成することができる。制御機能(例えば、遅延、タイミング等)が装置140の外部にある場合には、適切な外部装置(例えば、送信機又は送受信機を有するデータプロセッサ114又は外部受信機/記録計112等)は、1つ又はそれよりも多くの制御信号を装置140に送信することができる。
【0058】
モニタ118は、例えば、1つ又はそれよりも多くの画面、モニタ、又は適切な表示ユニットを含むことができる。モニタ118は、例えば、装置140により捕捉され、及び/又は送信される1つ又はそれよりも多くの画像又は連続画像、例えば、GI管又は他の撮像した身体管腔又は空洞の画像を表示することができる。追加的に又は代替的に、モニタ118は、例えば、制御データ、部位又は位置データ(例えば、装置140の部位又は相対部位を説明するか又は示すデータ)、方向データ、及び様々な他の適切なデータを表示することができる。一部の実施形態では、例えば、画像及びその位置(例えば、撮像される身体管腔に対するもの)又は部位の両方は、モニタ118を用いて示すことができ、及び/又は記憶ユニット119を用いて記憶することができる。収集した画像データ及び/又は他のデータを記憶及び/又は表示する他のシステム及び方法を用いることもできる。
【0059】
一般的に、装置140は、不連続な部分の画像情報を送信することができる。各部分は、典型的に画像又はフレームに対応することができ、他の適切な送信方法を用いることもできる。例えば、一部の実施形態では、装置140は、画像を0.5秒毎に捕捉及び/又は取得することができ、画像データを外部の受信機/記録計112に送信することができる。他の一定及び/又は変動捕捉速度及び/又は送信速度を用いることができる。
【0060】
一般的に、記録されて送信された画像データは、デジタルカラー画像データを含むことができ、別の実施形態では、他の画像フォーマット(例えば、白黒画像データ)を用いることができる。一部の実施形態では、画像データの各フレームは、256行を含むことができ、各行は、256ピクセルを含むことができ、各ピクセルは、公知の方法による色及び輝度のデータを含むことができる。例えば、「バイエル」カラーフィルタを適用することができる。他の適切なデータフォーマットを用いることができ、かつ他の適切な数又は種類の行、列、アレイ、ピクセル、サブピクセル、ボックス、スーパーピクセル、及び/又は色を用いることができる。
【0061】
任意的に、装置140は、撮像装置146のようなセンサの代わりに又はそれに加えて、1つ又はそれよりも多くのセンサ143を含むことができる。センサ143は、例えば、装置140の環境の特性又は特徴の1つ又はそれよりも多くの値を感知、検出、判断、及び/又は測定することができる。例えば、センサ143は、pHセンサ、温度センサ、導電率センサ、圧力センサ、又はあらゆる他の公知の適切な生体内センサを含むことができる。
【0062】
一部の実施形態では、1つ又はそれよりも多くの物質、溶液、下剤、刺激剤、又は他の材料199は、任意的に装置140内部に保存することができ、かつ装置140がその身体管腔又は領域に到達すると身体管腔(例えば、GI管又は大腸)又は所定の領域内に放出することができる。
本発明の一実施形態によれば、生体内撮像装置は、それを本質的に浮遊させることを可能にするあらゆる容積対重量比を有する。
本発明の一実施形態によれば、生体内撮像装置の比重(SG)は、大腸液中で約0.7〜0.98である。本発明の一実施形態では、装置の本体は、気体CO2、O2、又は空気のような身体管腔液よりも軽い物質で充填することができる。
【0063】
本発明の実施形態では、管腔内液体の比重に対して、カプセルの重量/容積比を調節する方法が提供される。
本発明の実施形態では、管腔液体には、高分子量物質を豊富にすることができる。
本発明の別の実施形態では、管腔液体には、低分子量物質を豊富にすることができる。
【0064】
本発明の別の実施形態では、生体内撮像装置は、浮遊体を有し、この浮遊体は、米国特許公開番号US−2003−001828に説明されているような膨張式ブイである。ブイは、それがパッケージ内にある時に浮遊しないように包装することができる。しかし、ブイがパッケージから放出されると、生体内撮像装置に浮遊性を与える。ブイは、生体内撮像装置が、特定の要件に従って浮遊性を獲得することができるように、望ましい部位又は時点でパッケージから放出される。例えば、本発明の実施形態による浮遊可能生体内撮像装置は、そのブイが包装された状態の間に摂取されて蠕動によって小腸を通って移動することができる。装置が大腸に入ると、ブイは、そのパッケージから放出され、次に、装置は、大腸内の大部分の液体に浮くことができ、かつ大部分の液体により大腸の全ての部位に運ぶことができる。従って、装置は、大腸を通って移動され、有効に管腔を撮像する。
【0065】
一実施形態では、患者の大腸は、例えば、下剤又は浣腸剤を投与して便通を促すことによって最初にその内容物が除去される。更に、患者の大腸は、例えば、液体を大腸内に長時間維持する高浸透圧液体を飲むことによって液体で満たされる。一般的に、腸に液体を負荷すること及び/又は生体内撮像装置が大腸にある間に付加的な下剤を投与することにより、便通を促し、大腸内の大部分の液体が流れるようにする。流れが誘発されることにより、大腸を通るセンサシステムの移動を高めることになり、従って、管腔の殆どの区域を感知することが容易になる。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、GI管を撮像するための撮像装置は、例えば、腸に本質的に吸収されない高浸透圧組成物を用いることによって大腸を通って移動することができる。他の実施形態によれば、撮像装置以外の物体、例えば、実質的に医薬品を大腸に放出するための装置は、腸に本質的に吸収されない高浸透圧組成物を用いることによって大腸を通って移動することができる。本発明の実施形態により高浸透圧組成物を用いて大腸を通って移動する物体は、浮遊性であってもなくてもよい。
【0067】
この装置は、患者が摂取し、小腸を移動し、自然蠕動により押される。装置10が盲腸に到達すると、それは、一般的に長時間盲腸に留まる。
本質的に腸から吸収されない高浸透圧組成物を患者に投与し、小腸を通して進ませ、盲腸に到達させる。例えば、37℃でのガストログラフィンの浸透圧は、55.1気圧であり、その重量オスモル濃度は、2.15(osm/kgH2O)である。
大腸筋肉の自然な作用に委ねる場合、装置10は、大腸を通ってゆっくりと不規則に移動することになり、場合によっては、大腸を効率的にモニタして診断するほど十分な数の画像を得ることができないうちに装置電力が消耗するであろう。従って、本発明により、以前は容易に達成されなかった大腸を無線撮像することが可能になる。
【0068】
本明細書に開示した様々な実施形態の様々な態様は、本明細書に開示した他の実施形態と組合せ可能である。
本明細書の説明の一部分は、撮像装置又は画像センサに関するが、本発明の実施形態は、これに関して限定されず、このような撮像装置又は画像センサは、例えば、検出装置、センサ、光ダイオード、蛍光装置、電気化学感知装置、磁場感知装置、分光光度計、画像センサ、「電荷結合素子(CCD)」カメラ又は撮像装置、「相補型金属酸化膜半導体(CMOS)」カメラ又は撮像装置、デジタルカメラ、スチールカメラ、ビデオカメラ、光センサ;1つ又はそれよりも多くの色、強度、色相、輝度、コントラスト、及び/又は他のパラメータ又は特徴を検出又は感知することができる装置;1つ又はそれよりも多くの色に感受性があるか又は1つ又はそれよりも多くの色を検出することができる装置;1つ又はそれよりも多くの色変化を検出することができる装置;又は色変化に感受性がある装置などを含むことができる。
【0069】
本発明の一部の実施形態による装置、システム、及び方法は、例えば、ヒトの体内に挿入することができる装置と共に用いることができる。しかし、本発明の範囲は、これに関して限定されない。例えば、本発明の一部の実施形態は、ヒト以外の身体又は動物の身体に挿入することができる装置と共に用いることができる。
本明細書では一部の例示的な実施形態を詳細に説明したが、本発明は、これに関して限定されず、他の広視野撮像装置の実施形態及び/又は実施例もまた本発明の範囲に含まれることに注意されたい。本明細書で本発明のある一定の特徴を示して説明したが、多くの修正、置換、変更、及び均等物が当業者には想起されるであろう。特許請求の範囲は、従って、全てのこのような修正及び変更が本発明の真の精神に含まれるものとして網羅されるように意図している。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一部の実施形態による大腸を検査する方法を説明する流れ図である。
【図2A1】本発明の実施形態による手技を説明する概略的な時系列の図である。
【図2A2】本発明の実施形態による手技を説明する概略的な時系列の図である。
【図2B】本発明の実施形態による手技を説明する概略的な時系列の図である。
【図3】本発明の一部の実施形態による生体内検査のためのキットの概略図である。
【図4】本発明の一部の実施形態による生体内システムの概略図である。
【符号の説明】
【0071】
112 外部受信機/記録計
140 装置
141 送信機
142 照明光源
145 電源
146 撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内検査の方法であって、
被験者の大腸の内容物を実質的に空にする段階と、
前記被験者に運動促進剤を投与する段階と、
無線撮像装置を前記被験者のGI管に挿入する段階と、
前記撮像装置から送信された画像を受信する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記受信した画像のデータを記録する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記録する段階は、着脱式メモリ装置上に行われることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記撮像装置から受信した画像を表示する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
被験者の大腸を空にする段階は、下剤及び刺激剤を摂取する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
無線撮像装置を挿入する段階は、該装置を嚥下することによることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
被験者の大腸の画像を自律的生体内撮像装置上に取得する段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
画像を受信する段階は、外部受信ユニットによることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
下剤と、
無線撮像カプセルと、
受信アンテナと、
記録装置と、
を含むことを特徴とする、生体内検査のためのキット。
【請求項10】
前記下剤は、PEG及び/又はリン酸ナトリウムを含むことを特徴とする請求項9に記載のキット。
【請求項11】
下剤の複数の部分を含むことを特徴とする請求項9に記載のキット。
【請求項12】
刺激剤を含むことを特徴とする請求項9に記載のキット。
【請求項13】
前記無線カプセルは、照明光源と、光学システムと、撮像装置と、送信機とを封入するハウジングを含むことを特徴とする請求項9に記載のキット。
【請求項14】
1〜8個の受信アンテナを含むことを特徴とする請求項9に記載のキット。
【請求項15】
前記下剤及び前記刺激剤の少なくとも一方は、色分けされていることを特徴とする請求項12に記載の生体内検査キット。
【請求項16】
運動促進剤を摂取し、所定の期間待機し、かつ撮像カプセルを挿入するための指示を有する使用説明シート、
を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の生体内検査キット。
【請求項17】
前記自律的生体内撮像装置を夜間に、かつ前記刺激剤を投与して少なくとも30分後に挿入するための指示を有する使用説明書、
を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の生体内検査キット。
【請求項18】
前記使用説明物品は、前記自律的生体内撮像装置を挿入して少なくとも5時間後に食事及びブースタ下剤を摂取するための指示を含むことを特徴とする請求項9に記載の生体内検査キット。
【請求項19】
前記無線撮像カプセル、受信アンテナ、及び記録装置と、前記下剤とを封入するパッケージ、
を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の生体内検査キット。
【請求項20】
前記無線撮像カプセルは、全てが単一ハウジングにカプセル封入された撮像装置、照明光源、及び無線送信機を含むことを特徴とする請求項17に記載の生体内検査キット。

【図1】
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【図2A1】
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【図2A2】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−526295(P2008−526295A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548968(P2007−548968)
【出願日】平成18年1月1日(2006.1.1)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000007
【国際公開番号】WO2006/070378
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(505200932)ギブン イメージング リミテッド (6)
【Fターム(参考)】