説明

生体内画像化装置

【課題】 結腸の中を通して物体、特に画像化装置を移動させる現在の方法には、高価な、かつ患者に使用するには不都合な内視鏡、典型的には結腸鏡の使用が含まれるが、盲腸および右結腸などの結腸の末端部に常に到達可能となるわけではない。
【解決手段】 生体内センシング装置は、約1の比重、または本質的にこの装置を浮揚させることのできる体積対重量比を有する。一実施例では、生体内センシング装置(10)は、画像センサシステム(12)および浮揚体(14)を含む。浮揚体は、センサシステムに取付けられるか、またはセンサシステムのうち1つ以上の要素(16,18)を随意に収容することができ、体内腔液中にセンサシステムを本質的に浮揚させるよう維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、生体内センシングの分野に関する。特に、この発明は、液体によって運ぶことのできる浮揚可能な生体内センシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
生体内センサは、さまざまな身体系の診断において用いられる非侵襲性器具である。たとえば、経口摂取可能な装置が、胃腸(GI)管における温度、pHまたは圧力などの生体内の状態を検知するために用いられ得る。経口摂取可能な画像化装置は、胃腸管を画像化するために用いることができる。たとえば、画像センサなどのセンサを含むカプセルが摂取され得、小腸を画像化しつつ、そうでない場合は検知しつつ、蠕動によって小腸の中を受動的に移動し得る。しかしながら、大腸などのより大きな体内腔を通る物体の受動的な移動は、より遅く、かつ予測できない可能性がある。大腸または結腸は、その主な機能が便から大半の水分を除去し、便を溜めることであり、小さな袋状の膨出である盲腸から始まり、上行結腸に続き、右鼠径部における虫垂から肝臓における湾曲部、横行結腸、肝臓から脾臓、下行結腸、脾臓から左鼠径部、次いでS状(S字形の)結腸から正中線および肛門へと戻る。結腸は3つの縦走筋の帯を有し、それらの活動が、結腸の中を通る移動を助ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
結腸筋の自然な活動に依存せずに、結腸の中を通して物体を移動させることがしばしば有利である。たとえば、結腸における特定の部位への薬剤の送達は時間依存性である可能性があり、結腸における自然な移動に依拠することができない。同様に、結腸を画像化するための装置は、結腸を効率的に観察するために結腸の中を能動的に移動することにより恩恵を受け得る。
結腸の中を通して物体、特に画像化装置を移動させる現在の方法には、高価な、かつ患者に使用するには不都合な内視鏡、典型的には結腸鏡の使用が含まれるが、盲腸および右結腸などの結腸の末端部に常に到達可能となるわけではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
この発明の一実施例は、液体によって運ぶことのできる実質的に浮揚可能なセンシング装置を提供する。この発明の一実施例に従ったセンシング装置は、大量の液体を含有するかまたは含有可能である内腔を、画像化などにより検知するのに有用である。このような内腔の一例には大腸がある。この発明の本質的に浮揚可能なセンシング装置は、液体によって運ばれるので、大量の液体とともに内腔の中を移動させることができる。
この発明の一実施例に従って、生体内センシング装置は、約1.0の比重(SG)、またはこの装置を本質的に浮揚させることを可能にする体積対重量比を有する。
【0005】
一実施例では、生体内センシング装置は、センサシステムおよび浮揚体を含む。センサシステムの1つ以上の要素を随意に収容することのできる浮揚体は、ほぼ浮揚する程度である約1.0の比重、または体内腔液で本質的に浮揚させることを可能にする体積対重量比を有し得る。この発明の別の実施例では、浮揚体は、センサシステムに取付けられたブイであり、センサシステムが体内腔液で本質的に浮揚するよう維持する。
【0006】
センサシステムは、pH、温度、伝導性、剪断応力、圧力などの生体内環境パラメータを検知するのに好適ないずれのセンサをも含み得る。センサシステムは、当該技術において公知の生体内センシングに必要なすべての要素を含み得る。一実施例では、センサは画像センサである。
【0007】
この発明のさらに他の実施例に従って、胃または大腸などの体内腔を検知するための方法が提供される。典型的には、この方法は、体内腔の中を通して生体内センサを移動させるステップを含む。この方法は、この発明の一実施例に従って、本質的に浮揚性のあるセンサシステムを与えるステップと、体内腔を検知するステップとを含む。好ましくは、体内腔は大量の液体を含有する。この発明の一実施例では、この方法は、患者の大腸を検知するのに用いられ、たとえば標準的な緩下剤および準備溶液を用いることにより大腸からその内容物を除去するステップと、大腸を液体で満たすステップとを含み得る。
【0008】
この発明のさらに別の実施例に従って、造影剤などの高浸透圧組成物を利用して、結腸の中を通る物体の移動を助ける。
この発明は、添付の図面に関連して、以下の詳細な説明からより十分に理解および認識される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の一実施例に従った浮揚可能なセンシング装置の概略図である。
【図2A】この発明の別の実施例に従った浮揚可能なセンシング装置の概略図である。
【図2B】この発明の一実施例に従った、パッケージングされたブイを備えた浮揚可能なセンシング装置の概略図である。
【図3A】この発明のさらに他の実施例に従った浮揚可能なセンシング装置の概略図である。
【図3B】この発明のさらに他の実施例に従った浮揚可能なセンシング装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
この発明の一実施例に従って、センシング装置が図1に概略的に示される。センシング装置10は独立したカプセル型の装置であり、このため、小腸の中を容易に移動させることができる。しかしながら、この発明の別の実施例に従った独立したセンシング装置は、胃腸管、生殖器系、血管などの体内腔への挿入および体内腔の中を通る移動に好適ないずれの形状または設計をも有し得ることが理解されるべきである。
【0011】
装置10は、センサシステム12および浮揚体14を含む。一実施例では、この浮揚体14は、本質的にはセンサシステム12の一部である。センサシステム12は、当該技術において公知のpHセンシングシステム、当該技術において公知の画像センサ、または他の公知の生体内センシングシステム、たとえば、生体内温度測定システム、圧力センサ、剪断応力センサ、電気伝導率のセンサおよび他の公知の生体内センサであり得る。他の実施例では、センサの組合せを用いてもよい。この発明の一実施例では、センサシステム12は、たとえば、少なくとも1つの画像センサ(たとえば画像センサ16)と、1つ以上の照明源(図示せず)と、外部の受信システム(図示せず)に画像信号を伝送するための1つ以上の送信機とを含む画像化装置であり得る。この発明で利用することのできる生体内画像化システムは、たとえば、添付の図2Aに関連して、またはWO01/65995もしくは米国特許第5,604,531号に記載される。別の実施例では、センサシステム12は温度測定システムを含む。この発明の一実施例に従った温度測定システムは、積算ユニット(図示せず)と通信する画像センシングモジュールを備えた画像センサ16を
含み得、画像センサ画像センシングモジュールの暗電流を検出し、そして画像センサの温度を算出するようにし得る。積算ユニットは、さらに、この積算ユニットからのデータに基づき、この積算ユニットと通信する別個のユニットにより、環境の温度または算出され得る環境の温度を算出する。この発明の一実施例に従って利用し得る温度測定システムは、たとえば、WO01/10291に記載される。
【0012】
典型的には、センサシステム12は電池18によって電力が供給されるが、他の実施例も可能であり、たとえば、センサシステムは、外部の電磁界により誘導されて電力が供給されてもよい。
【0013】
浮揚体14は、体積対重量比または比重を装置10に与えて、液体が満ちた内腔においてこの装置10を浮揚させることを可能にする。
SG(比重)は、(最大体積に達した際に)装置10によって押し退けられる量における重量[gr.]/水分の重量であるか、または密封された物体に対しては、SGは重量[gr.]/体積[立方 cm]である。典型的には、浮揚体14は、体内腔液よりも軽い、気体
のCO2、O2または空気などの物質で満たすことができる。
【0014】
図2Aに概略的に示されるこの発明の別の実施例では、センサシステムは画像センサシステム22であり、浮揚体は膨張可能なブイ24である。このブイ24は、パッケージングされている間は浮揚性がなくなるようにパッケージングされ得る。しかしながら、そのパッケージングからブイを開放することにより、センサシステムに浮力が与えられる。所望の位置または時点でブイをそのパッケージングから開放し得るので、センサシステム22は特定の要件に従って浮力を得ることができる。たとえば、この発明の一実施例に従った浮揚可能なセンシング装置は、そのブイがパッケージングされたまま、摂取され得、蠕動によって小腸の中を通って移動され得る。装置が大腸に入ると、ブイはそのパッケージングから開放され、次いで装置は、大腸における大量の液体中で浮揚し得、この大量の液体によって大腸のすべての領域に運ばれ得る。こうして、装置は大腸の中を通って移動し、内腔を効果的に検知する。そのパッケージングからブイを開放する機構は、外部からの制御または自動制御が可能であり、これについては後にさらに記載される。
【0015】
画像センサシステム22は、たとえば電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサである画像センサ26と、照明源23と、体内腔がそこを通じて照らされかつ画像化される光学窓21ならびに平行光に対するレンズおよび/または鏡(図示せず)を含む光学系と、外部の受信システム(図示せず)に画像信号を伝送するための送信機25と、画像センサシステム22の要素に電力を供給するための電池27とを含む。
【0016】
膨張可能なブイ24は、空気を含む典型的な弾性の区画であり、画像センサシステム22に取付けられる。この膨張可能なブイ24が画像センサシステム22に浮力を与えるので、この画像センサシステム22は、体内腔を満たす液体内で実質的に浮揚することができ、したがって体内腔の中を移動することができ、体内腔の実質的にすべての部分の画像が得られる。
【0017】
図2Bに概略的に示されるこの発明の別の実施例では、上述の画像センサシステム22は膨張可能なブイ24′を含む。この膨張可能なブイ24′は、巻かれ、小さな寸法にパッケージングされる。そのパッケージングされた形状では、膨張可能なブイ24′は、典型的には、画像センサシステム22に浮力を与えない。膨張可能なブイ24′は、手動または自動の制御機構により、生体内における所望の位置で、そのパッケージングから開放され得る。たとえば、膨張可能なブイ24′は、気体を放出する、結晶性の重炭酸ナトリウムなどの顆粒、米国、ニューヨーク州のEZEMによるE−Z GasIIの発泡性の
顆粒、または酸素を放出する類似の顆粒を含み得る。典型的には、これらの顆粒は、液体に触れると(CO2または酸素などの)気体を放出する。この発明の一実施例では、膨張
可能なブイ24′は2つの区画(図示せず)を含み、一方の区画は気体を放出する顆粒(たとえば、100mgの顆粒)を含み、他方の区画は微量の液体(たとえば、0.1ccの水または食塩水)を含む。これら区画は、膨張可能なブイ24′がパッケージングされた形状である間は分けられたままである。パッケージングが開かれると、2つの区画が一体化され、微量の液体が、気体を放出する顆粒に触れる。現在パッケージから出されているブイに気体が放出されて、ブイを膨張させ、浮力を高める。
【0018】
パッケージングは、当該技術において公知である温度または電位勾配などの制御可能な条件に従って構成を変更し得るバイモルフ材料機構などの手動の制御機構によって達成され得る。代替的には、このパッケージング機構は、時間依存性であり得るか、またはpHもしくは酵素活性などの生体内の状態に依存し得る。たとえば、画像センサシステム22および膨張可能なブイ24′を包み込み、この膨張可能なブイ24′をパッケージングされた形状で保持するゼラチンカプセルなどの炭化水素によって、パッケージングを行なうことができる。一実施例に従って、ゼラチンカプセルは、胃に存在する液体内でゆっくりと溶解し、これにより、膨張可能なブイを開放する。カプスゲル USA(Capsugel USA
)によって提供されるゼラチンカプセルなどのゼラチンカプセルは、徐放性の機序の分野において公知であるように、GI管に沿った特定の位置で溶解するように作ることができる。したがって、画像センサシステム22および膨張可能なブイ24′を含む装置は、患者のGI管の或る部分を通って移動する間は炭化水素のカプセルに包み込まれ、GI管の他の部分ではカプセルに包まれないようにすることが可能である。カプセルに包まれていないとき、膨張可能なブイ24′が膨張し、装置は、GI管液中で本質的に浮揚可能となる。別の実施例では、当該技術において公知の分解性縫合糸によってパッケージングを行うことができ、このため、膨張可能なブイ24′のパッケージングは、この縫合糸が分解すると開放される。
【0019】
この発明の別の実施例が図3Aおよび図3Bに概略的に示され、たとえば上述の画像化センサシステムまたは他のセンシングシステムなどのセンサシステム32は、ブイ34に取付けられ、このブイ34は、典型的には、たとえばイソプラスト(isoplast)などのプラスチックでできた軽い容器であり、体内腔液よりも軽い物質で満たされる。この発明の或る実施例では、ブイ34は、追加の電池31などの付属の構成要素または材料を含んでもよい。
【0020】
センサシステム32およびブイ34は、可撓性のあるスリーブ33(図3A)によって取付けることができ、体内腔液よりも軽い物質で満たされる場合、センサシステム32の浮力を高めるのにも役立ち得る。代替的には、センサシステム32およびブイ34は、ワイヤ35によって取付けることができる(図3B)。このワイヤ35は、たとえば、センサシステム32により追加の電池31を利用するために電気的結合が必要とされる場合、センサシステム32とブイ34とを結合することができる。
【0021】
この発明のさらに他の実施例に従って、胃または大腸などの体内腔を検知するための方法が提供される。この発明の一実施例では、上述の装置などの浮揚可能なセンシング装置が生体内に挿入される。このセンシング装置は、センサシステムおよび浮揚体を含み得る。この浮揚体は、生体内に挿入される前に膨張し得るか、または、上述のように患者の体内にある間に特定の位置もしくは時点で膨張し得る。好ましくは、センサシステムおよび浮揚体は、大量の液体を含有する体内腔に配置される。より好ましくは、体内腔を通る液体の流れが存在し、これによってセンサシステムが体内腔の中を運ばれる。こうして、この方法は、一実施例では、患者の大腸を画像化するために、そうでない場合は検知するために用いることができる。一実施例では、たとえば、緩下剤または浣腸剤を投与して排便
を促すことにより、最初に患者の大腸からその内容物が除去される。さらに、たとえば、より長期間大腸内に液体を保持する高浸透圧液を飲むことにより、患者の大腸が液体で満たされる。典型的には、液体が溜め込まれた腸によって、および/またはセンサシステムが大腸中にある間に投与される追加の緩下剤によって排便が促され、大腸内で大量の液体の流れが引起こされる。この引起こされた流れにより、大腸の中を通るセンサシステムの移動が向上し、これにより、内腔のほとんどの領域を検知することが容易になる。
【0022】
この発明の一実施例に従って、GI管を画像化するための画像化装置は、たとえば、腸によって本質的には吸収されない高浸透圧組成物を利用することにより、大腸の中を移動させることができる。他の実施例に従って、画像化装置以外の物体、たとえば、結腸への薬剤の徐放のための装置は、腸によって本質的には吸収されない高浸透圧組成物を利用することにより、大腸の中を移動させることができる。この発明の一実施例に従った、高浸透圧組成物を利用して大腸の中を移動させる物体は、浮揚可能であっても、または浮揚可能でなくてもよい。
【0023】
上述のセンサシステムなどの無線の生体内画像化装置、またはGI管から物質を収集するかもしくはGI管へと物質を分配するための区画を含み、WO00/22975に記載されるような装置は、診断用および/または治療用に用いることができるように、この発明の一実施例に従って、大腸の中を通して移動させることができる。
【0024】
一実施例では、生体内画像化装置は、結腸鏡を利用することによりGI管に挿入される。別の実施例では、生体内画像化装置は、患者によって摂取され、自然の蠕動によって押し進められて小腸を通り抜ける。この装置は、盲腸に達すると、典型的には長期間盲腸に留まり得る。この発明の一実施例に従って、腸によって本質的には吸収されない、造影剤などの高浸透圧組成物が患者に投与され得る。高浸透圧組成物は、典型的には、小腸の中を通って進み盲腸に達する。この組成物は、通常、腸において装置よりも速く進み、進みながら装置を押し進めて結腸の異なる部分を通らせる。この発明の一実施例に従って用い得る高浸透圧組成物の例には、硫酸バリウムまたはガストログラフィンがある。ガストログラフィンの浸透圧は37℃では55.1Atmであり、その重量オスモル濃度は2.15(osm/kg H2O)である。
【0025】
上述の無線の経口摂取可能な画像化カプセルは、ヘルシンキ委員会のガイドラインをもとに、標準的なやり方で通常の健康なボランティアに与えられた。ボランティアには、処置の前夜および処置の朝に、24時間の流動食および4オンスのフリート・ホスフォソーダ(Fleet phosphasoda)を含む標準的な結腸鏡検査の準備が課された。ボランティアは
、カプセルの摂取前後に大量の液体を飲まされた。カプセルの通路はオンラインで監視された。ボランティアは、標準の身体CT検査の場合[5%]と同様に希釈された8オンスのガストログラフィンを、カプセルの摂取後2.5時間から始めて15分ごとに、合計2リットルまで与えられた。ボランティアは、カプセルの摂取後4時間で、通常の食事をとることが許された。
【0026】
結果:一例では、胃内容排出時間は42分であり、カプセルは4時間16分後に盲腸に達した。カプセルは、摂取後22時間で結腸から排出された。結腸のさまざまな部分の画像が、3時間を超える時間にわたって得られた。第2の例では、胃内容排出が8分後に起こり、カプセルは8時間後に盲腸に達した。結腸のすべての部分の画像が、25時間にわたって得られた。カプセルは10.5時間後に排出されたが、依然として作動していた。結果:第1の例における右結腸と第2の例における結腸全体とを通る、新規な技術を用いる機能画像化カプセルの第1の成功した通路が記載される。ガストログラフィンは、CTなどのGI放射線処置における臨床的観察に基づいて使用された。この薬剤は、結腸の中を通る画像化カプセルの移動に重要な役割を果たし得る。
【0027】
ガストログラフィンは、アミドトリゾ酸ナトリウムとアミドトリゾ酸メグルミンとの混合物を10対66の割合で含有する(アミドトリゾ酸またはジアトリゾ酸:3,5−ビス−アセトアミド−2,4,6−トリヨード安息香酸)。1mLのガストログラフィンは、100,00mgのアミドトリゾ酸ナトリウム、および660,00mgのアミドトリゾ酸メグルミン(ジアトリゾ酸ナトリウムおよびジアトリゾ酸メグルミン)を、着香剤および湿潤剤を加えた水溶液中に含有する。ガストログラフィンにおけるコントラストを与える物質は、X線吸収ヨウ素が安定した化学結合で存在するアミドトリゾ酸の塩である。経口投与の後、アミドトリゾ酸が約3%だけ、胃および腸によって吸収される。この部分は主に腎臓によって除去される。
【0028】
ガストログラフィンは、経口用または浣腸剤として用いることができる。ガストログラフィンは、典型的には、カプセルより速く結腸の中を移動し、透明な液体であるので、結腸を明瞭に観察することが可能となる。ガストログラフィンの別の利点は、X線に対する不透過性であり、これにより、X線透視検査で直接に観察することが可能となり、GI管の中を通るカプセルの通路を監視することが可能となる。
【0029】
この発明が上述に特に図示および記載してきたものに限定されないことを、当業者は理解するだろう。逆に、この発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内腔液において浮揚可能な体積対重量比を有する生体内センシング装置であって、前記生体内センシング装置は、
浮揚のために前記体内腔液よりも軽い物質を内部に有する本体(10)と;
体内腔を照らすために前記本体(10)に収容される照明源と;
前記体内腔を画像化するために前記本体(10)に収容される画像センサ(16)と
を有することを特徴とする、生体内センシング装置。
【請求項2】
前記生体内センシング装置の比重は1未満である、請求項1記載の生体内センシング装置。
【請求項3】
前記生体内センシング装置は更に、生体内センサを有する、請求項1記載の生体内センシング装
置。
【請求項4】
前記生体内センサは、pHメータ、温度センサ、圧力センサ、剪断応力センサ、電気伝導率センサ、またはこれらの組合せを含む群から選択される、請求項3記載の生体内センシング装置。
【請求項5】
前記生体内センシング装置は更に、生体外部の受信システムに画像データを伝送するための送信機を有する、請求項4記載の生体内センシング装置。
【請求項6】
前記生体内センシング装置は更に、センサシステム(12,22,32)と浮揚体(14,24,24’,34)を有する、請求項1記載の生体内センシング装置。
【請求項7】
前記浮揚体(14)は、前記センサシステム(12)を収容する、請求項6記載の生体内センシング装置。
【請求項8】
前記浮揚体(24,24’,34)は、前記センサシステム(22,32)に取付けられる、請求項6記載の生体内センシング装置。
【請求項9】
前記生体内センシング装置は更に、送信機を有する、請求項6記載の生体内センシング装置。
【請求項10】
前記浮揚体(14,24,24’,34)は、膨張可能である、請求項6記載の生体内センシング装置。
【請求項11】
前記浮揚体(14,24,24’,34)は、気体を放出する顆粒を有する、請求項10記載の生体内センシング装置。
【請求項12】
前記浮揚体(14,24,24’,34)は、前記顆粒を有する第1室と、液体を有する第2室とを有し、
前記第2室の液体が前記第1室の顆粒に混ぜ合わされると、前記顆粒は前記気体を放出する、請求項11記載の生体内センシング装置。
【請求項13】
前記生体内センシング装置は、生体腔に挿入された状態で使用される、請求項1記載の生体内センシング装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2010−5442(P2010−5442A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235357(P2009−235357)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【分割の表示】特願2002−591779(P2002−591779)の分割
【原出願日】平成14年5月20日(2002.5.20)
【出願人】(506203914)ギブン イメージング リミテッド (45)
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
【Fターム(参考)】