説明

生体情報読取装置、生体情報読取方法および生体情報読取プログラム

【課題】 微小時間内での急激な相対位置変化時における間引き過ぎを抑制することができる生体情報読取装置を提供する。
【解決手段】 生体情報読取装置は、生体情報の部分画像を順次採取する画像採取手段と、複数の部分画像の各々から画像特徴およびその位置を抽出する画像特徴抽出手段と、連続した2つの部分画像の重複領域の画像特徴に基づいて連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出手段と、少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し1組の部分画像のいずれかと相対位置がしきい値以内にあると相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し1組の部分画像のいずれかと相対位置がしきい値以内にないと相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報読取装置、生体情報読取方法および生体情報読取プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被認証者から指紋画像を採取する一般的な指紋センサは、指の大きさよりも大きいセンサ面を有している。近年、指紋センサを携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)といった小型情報機器に搭載するために、センサ面の大きさが指の大きさよりも小さく設定されている。この場合、センサ面を通じて連続的に採取された複数の部分画像が統合され、指紋全体の画像が得られる。
【0003】
特許文献1〜3は、このような指紋センサとして、スウィープ型の指紋センサを開示している。このようなスウィープ型指紋センサにおいては、指表皮と指紋センサの採取面との間に摩擦が生じる。それにより、指が指紋センサの採取面にひっかかり止まり、ひっかかりから解放されて相対的に移動する場合がある。
【0004】
特許文献4〜6は、このような動作に起因して生じる画像の歪みを補正する技術を開示している。また、特許文献7は、撮像デバイスの走査方式に依存した検出遅延によって歪んだ部分画像を、部分画像相互の相対位置と時刻情報とを用いて補正する技術を開示している。
【0005】
【特許文献1】特開平10−091769号公報
【特許文献2】特開平11−253428号公報
【特許文献3】特許第3902473号公報
【特許文献4】特開2003−271964号公報
【特許文献5】特許第3709344号公報
【特許文献6】特開2006−260359号公報
【特許文献7】特許第3859673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの従来技術においては、微小時間内での相対位置変化を無視できることを前提にしている。間引き処理を指紋センサデバイス側で実現する場合、ノイズ等の影響により間引きもれがないように、僅かな誤差を許容している。ここで、間引き処理とは、連続する複数の部分画像のうち一部の出力を停止して、データ量を抑制する処理である。
【0007】
しかしながら、従来技術で開示されている単純な間引き処理には問題が生じる場合がある。上述したように、指表皮と指紋センサの採取面との間に摩擦が生じることによって、指が指紋センサの採取面にひっかかり止まり、ひっかかりから解放されて相対的に移動する場合がある。このような断続した相対移動動作となる場合、採取面上の指表皮との相対速度は微小時間内に急激に変化する。したがって、間引いたことによって指紋の情報が欠落する場合がある。この状態を以下、間引き過ぎと呼ぶことにする。
【0008】
間引き過ぎが生じた場合に、部分画像同士が重なり合うべき領域で、類似領域が検出されないことがある。この場合、本人拒否率および他人受入率が高まるという問題が生じる。また、部分画像が間引かれすぎることによる情報欠落によって、微小時間内で生じる相対位置変化を精度良く検出することができなくなるという問題が同時に発生する。
【0009】
上述のごとく微小時間内の急激な変化に対しては、部分画像面内でも歪みの度合いが異なっている。つまり、微小時間内で相対位置変化が生じることに起因して、部分画像面内の歪みが不均一となる。歪みが不均一な場合、類似領域が検出されないことによって、本人拒否率および他人受入率が高まるという問題が生じる。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、微小時間内での急激な相対位置変化時における間引き過ぎを抑制することができる生体情報読取装置、生体情報読取方法および生体情報読取プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、明細書開示の生体情報読取装置は、生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取手段と、複数の部分画像の各々から画像特徴および画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出手段と、複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の画像特徴に基づいて、連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出手段と、少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、1組の部分画像後の部分画像であって1組の部分画像のいずれかと相対位置がしきい値以内にあると相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、1組の部分画像後の部分画像であって1組の部分画像のいずれかと相対位置がしきい値以内にないと相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定手段と、を備えるものである。
【0012】
また、明細書開示の生体情報読取方法は、生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取ステップと、複数の部分画像の各々から画像特徴および画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出ステップと、複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の画像特徴に基づいて連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出ステップと、少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、1組の部分画像後の部分画像であって1組の部分画像のいずれかと相対位置がしきい値以内にあると相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、1組の部分画像後の部分画像であって1組の部分画像のいずれかと相対位置がしきい値以内にないと相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定ステップと、を含むものである。
【0013】
また、明細書開示の生体情報読取プログラムは、コンピュータに、生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取ステップと、複数の部分画像の各々から画像特徴および画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出ステップと、複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の画像特徴に基づいて連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出ステップと、少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、1組の部分画像後の部分画像であって1組の部分画像のいずれかと相対位置がしきい値以内にあると相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、1組の部分画像後の部分画像であって1組の部分画像のいずれかと相対位置がしきい値以内にないと相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定ステップと、を実行させるものである。
【0014】
これらによれば、出力される部分画像に1枚以上の部分画像を付加することによって、相対位置同一検出手段の検出誤差によって生じる間引き過ぎを抑制することができる。それにより、微小時間内での急激な相対位置変化の際における間引き過ぎを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
明細書開示の生体情報読取装置、生体情報読取方法および生体情報読取プログラムによれば、微小時間内での急激な相対位置変化時における間引き過ぎを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1に係る生体情報読取装置100の機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、生体情報読取装置100は、画像採取手段10、時刻情報付与手段20、画像特徴抽出手段30、相対位置同一検出手段40および部分画像出力判定手段50を備える。
【0018】
画像採取手段10は、生体の画像を採取するセンサである。本実施例においては、画像採取手段10として、静電容量式スウィープ型指紋センサを用いる。ただし、本発明の開示技術は、読取方式に依存しないので、静電容量式スウィープ型指紋センサに限定されるものではなく、弱電界式スウィープ型指紋センサ、感熱式スウィープ型指紋センサ、光学式スウィープ型指紋センサ等の種々の読取方式のスウィープ型指紋センサを用いることができる。
【0019】
生体情報読取装置100は、CPU(Central Processing Unit)と、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリによって構成されるメモリ部と、を備える。CPUが生体情報読取方法を実行するための生体情報読取プログラムを実行することによって、時刻情報付与手段20、画像特徴抽出手段30、相対位置同一検出手段40および部分画像出力判定手段50が実現される。なお、時刻情報付与手段20、画像特徴抽出手段30、相対位置同一検出手段40および部分画像出力判定手段50は、それぞれ専用のハードウェアによって実現されてもよく、コンピュータによって実現されてもよい。
【0020】
画像採取手段10は、被認証者の生体情報を映像化しその生体情報についての複数の部分画像を連続的に採取する。より具体的には、図2(a)に示すように、画像採取手段10は、被認証者の指をセンサ面11に対し相対的に接触移動させながら、その指の指紋の部分画像を連続的に採取するものである。
【0021】
図2(b)に示すように、指紋は、被認証者の外皮上に形成されており、センサ面11に接触しうる隆線とセンサ面11に接触しない谷線とから構成される紋様である。画像採取手段10は、センサ面11に接触する隆線部分とセンサ面11に接触しない谷線部分とで検知感度が異なることを利用して、指紋の部分画像を多値画像として採取する。多値画像では、センサからの距離に応じて輝度が異なっている。通常、センサとの距離が近い隆線部分が低輝度で表示され、センサとの距離が比較的遠い谷線部分高輝度で表示される。
【0022】
指紋による認証時に、被認証者は、センサ面11上を指で触れながら、指の根元側から指先側、指先側から指の根元側、指の右側から左側など任意の方向に指を移動させる。ただし、画像採取手段10側を指に対して移動させる機構を備えた場合、被認証者は指を移動させる必要はない。以降、本実施例においては、被認証者が指を根元側から指先側に向けてスウィープする場合について説明する。
【0023】
時刻情報付与手段20は、画像採取手段10によって連続的に採取される各部分画像にタイムスタンプを付与するために用いられる。メモリ部は、画像採取手段10によって連続的に採取される部分画像、CPUの機能によって得られた特徴、相対位置等を記憶する
画像特徴抽出手段30は、画像採取手段10によって採取される複数の部分画像のそれぞれから、各部分画像における特徴およびその特徴の位置を抽出するものである。画像特徴抽出手段30は、各部分画像中の前景およびその前景のエッジの両方を特徴として抽出してもよく、各部分画像中の前景を細線化して得られるパターンにおける端点および分岐点を特徴として抽出してもよい。
【0024】
相対位置同一検出手段40は、複数の部分画像のうち連続する2つの部分画像の相対位置が同一であるか否かを判定する。相対位置同一検出手段40は、まず、連続する2つの部分画像が相互に重なり合う領域に存在する特徴に基づいて、これら2つの部分画像相互の相対移動量を求める。この相対移動量がしきい値以下であれば、相対位置同一検出手段40は、これら2つの部分画像の相対位置が同一であると判定する。部分画像出力判定手段50は、連続する複数の部分画像のうちどの部分画像の出力を停止して間引くか判定する。詳細は、後述する。
【0025】
図3は、生体情報読取の際のフローチャートの一例を示す図である。図3に示すように、時刻情報付与手段20、画像特徴抽出手段30、相対位置同一検出手段40および部分画像出力判定手段50は、初期化する(ステップS1)。
【0026】
次に、時刻情報付与手段20は、時刻情報として、メモリ部に読取開始時刻を記録する(ステップS2)。次いで、画像採取手段10は、部分画像を読み取る(ステップS3)。次に、時刻情報付与手段20は、時刻情報として、メモリ部に読取終了時刻を記録する(ステップS4)。次いで、画像特徴抽出手段30は、画像特徴を抽出する(ステップS5)。
【0027】
次に、相対位置同一検出手段40は、各部分画像に対して、連続する2つの部分画像の相対位置が同一であるか否かを判定する(ステップS6)。次に、部分画像出力判定手段50は、後述する部分画像出力判定を行う(ステップS7)。次いで、部分画像出力判定手段50は、部分画像出力判定手段50は、部分画像の出力が可であるか否かを判定する(ステップS8)。
【0028】
ステップS8において部分画像の出力が可であると判定されなかった場合、ステップS2が再度実行される。ステップS8において部分画像の出力が可であると判定された場合、部分画像出力判定手段50は、ペイロードを生成する(ステップS9)。図4に、ペイロードの一例を示す。
【0029】
次に、部分画像出力判定手段50は、終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10において終了条件を満たすと判定された場合、フローチャートの実行が終了する。ステップS10において終了条件を満たすと判定されなかった場合、ステップS2が再度実行される。
【0030】
続いて、図3のステップS7の部分画像出力判定について説明する。冗長な部分画像を間引く処理を実現するには、2枚の部分画像を重ね合わせた場合の各相対位置が同一である場合に、部分画像を出力せずに破棄すればよい。しかしながら、種々の要因に起因して部分画像同士は完全に一致しない。したがって、相対位置が同一であるとみなすには、ある程度の誤差を許容する必要がある。誤差の発生要因としては、部分画像に混入するノイズ、生体情報自体の歪み、僅かな相対位置のずれ等がある。
【0031】
実際に指と画像採取手段10との間に相対移動があるとしても、誤差を許容したことで相対位置がゼロとみなされる場合がある。その場合、部分画像を破棄することで情報が欠落することがある。例えば、指と画像採取手段10との間の相対位置が急激に変化し始めた瞬間に入力された部分画像が破棄される場合が該当する。
【0032】
具体的には、n枚目に入力された部分画像をPnと表すと、PとPn+1との相対位置が同一であるとみなされたときにPn+1が破棄される。ところが、Pn+1とPn+2との間の相対位置が検出可能であったとしても、PとPn+2との間の相対位置が検出できない場合は、Pn+1を破棄すると生体情報が欠落したことになる。
【0033】
そこで、連続して入力された部分画像T(少なくとも2以上)枚を一組として出力するようにする。このようにすることにより、急激に相対位置が変化し始めたPn+1の破棄を防止することができる。それにより、微小時間内での急激な相対位置変化時における間引き過ぎを抑制することができる。
【0034】
図5は、部分画像出力判定の一例を示すフローチャートを示す図である。図5に示すように、部分画像出力判定手段50は、相対位置同一検出手段40の検出結果に基づいて、基準画像Pnと入力画像Pn+kとの相対位置が同一であるか否かを判定する(ステップS11)。ここで、Pnとは、n枚目に入力された部分画像である。kは、初期値を1とするカウンタである。Pn+kは、n+k枚目に入力された部分画像である。
【0035】
ステップS11において相対位置が同一であると判定された場合、部分画像出力判定手段50は、k<Tであるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12においてk<Tであると判定された場合、部分画像出力判定手段50は、k>1であるか否かを判定する(ステップS13)。
【0036】
ステップS13においてk>1であると判定された場合、部分画像出力判定手段50は、入力画像Pn+k−1を破棄する(ステップS14)。次に、部分画像出力判定手段50は、kにk+1を代入する(ステップS15)。その後、フローチャートの実行が終了する。ステップS13においてk>1であると判定されなかった場合、部分画像出力判定手段50は、ステップS14を実行せずにステップS15を実行する。
【0037】
ステップS11において相対位置が同一であると判定されなかった場合、部分画像出力判定手段50は、k>1であるか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16においてk>1であると判定された場合、部分画像出力判定手段50は、入力画像Pn+k−1を出力すると判定する(ステップS17)。次に、部分画像出力判定手段50は、入力画像Pn+kを出力すると判定する(ステップS18)。ステップS16においてk>1であると判定されなかった場合、部分画像出力判定手段50は、ステップS17を実行せずにステップS18を実行する。
【0038】
次いで、部分画像出力判定手段50は、基準画像Pを破棄する(ステップS19)。次に、部分画像出力判定手段50は、入力画像Pn+kを基準画像に設定する(ステップS20)。次いで、部分画像出力判定手段50は、nにn+kを代入する(ステップS21)。次に、部分画像出力判定手段50は、カウンタkを1に戻す(ステップS22)。その後、フローチャートの実行が終了する。なお、ステップS12においてk<Tと判定されなかった場合、部分画像出力判定手段50は、ステップS19を実行する。
【0039】
図5のフローチャートに従えば、基準画像Pに対して入力画像Pn+kの相対位置が同一でない場合、入力画像Pn+kだけでなく入力画像Pn+k−1も出力し、少なくとも2枚以上が1組となるように部分画像を出力することができる。
【0040】
さらに、出力された部分画像群から相対位置を検出するとき、上述の入力画像Pn+k−1を用いて歪み量を正しく検出することが可能となる。部分画像を間引くことによって、歪み量の検出精度が劣化するためである。
【0041】
具体的には、歪み量は部分画像が採取される瞬間の生体と生体情報採取手段との相対速度で決定される。間引かれた部分画像の前後において間引かれずに出力された部分画像から算出される相対速度は平均的な値になる。それにより、図6に示すように、瞬時速度と平均速度との間に差が生じる。その結果、歪み量の検出精度が劣化する。図7に示すように、出力される部分画像Pn+kと、その直前の部分画像Pn+k−1を対として出力することによって瞬時の相対速度を算出することが可能となる。したがって、図7に示すように、部分画像を間引きながらも、間引きによる精度劣化を確実に抑制することができる。
【0042】
なお、図5のフローチャートは部分画像を連続して2枚出力するときのフローを示しているが、部分画像Pn+k−1、Pn+k、Pn+k+1のように3枚連続して出力してもよい。この場合、瞬時速度として部分画像Pn+k−1、Pn+kから検出される相対位置と、部分画像Pn+k、Pn+k+1から検出される相対位置のいずれかまたは両方を用いることができる。
【0043】
部分画像を走査線毎に順次読み取る際に遅延がある場合、部分画像1枚を読み取っている間に瞬時速度が変化する。前述のように瞬時速度として部分画像Pn+k−1、Pn+kから検出される相対位置と、部分画像Pn+k、Pn+k+1から検出される相対位置の両方を用いることによって、局所的な瞬時速度を予測することができる。最も単純化するためには、部分画像Pの瞬時速度に対して2つの瞬時速度の大きい方を適用すればよい。
【0044】
一方、図5のフローチャートでは、相対位置が同一と判定された場合に、入力画像Pn+1を直ちに基準画像Pに設定するのではなく、T枚以上据え置かれる。Tを1とすれば据え置きがないことを表す。据え置きがない場合、生体と生体情報採取手段との間に僅かな相対移動があっても連続して入力されるPとPn+1との間では相対位置が同一とみなされる。したがって、出力されるべき部分画像が誤って破棄される可能性がある。Tを2以上にすることで、出力されるべき部分画像が誤って破棄されることを抑制することができる。
【0045】
例えば、基準画像Pと入力画像Pn+1との間で相対位置が同一とみなされ、基準画像をPn+1として入力画像Pn+1とPn+2との間でも相対位置が同一とみなされる場合について考える。この場合、基準画像Pと入力画像Pn+2との間では相対位置に差が検出される場合もある。Tを1に設定すれば、入力画像Pn+1、Pn+2は間引かれる対象となるが、Tを2に設定すれば、入力画像Pn+1は間引かれる対象とならない。したがって、間引くことによる情報の欠落を抑制することができる。
【0046】
採取された部分画像のうち、間引きによって連続して出力されない部分画像の数に上限を設けてもよい。例えば、採取する生体情報が指紋であるとき、部分的には単調な縦縞状のパターンとなっている部位が部分画像として入力される場合がある。相対位置が同一とみなされると、生体の異なる部位の部分画像でも間引きの対象となり得る。このように、部分画像を間引くことによって誤って情報を欠落させてしまうリスクがある。
【0047】
部分画像が複数枚連続して間引かれることを許容すると、前述のように誤って情報欠落させてしまうリスクが高まる。そこで、部分画像を連続して間引く処理に制限を加えることによって、誤って情報を欠落させてしまうリスクを低減することができる。この場合、データ量を抑制しつつ、生体情報の広い範囲を欠落無く読み取ることができる。それにより、個人認証時に高品質な特徴情報による照合が可能となる。その結果、生体情報を利用した個人認証の信頼性向上を図ることができる。
【0048】
図8は、この場合のフローチャートを示す図である。図8のフローチャートが図5のフローチャートと異なる点は、ステップS11とステップS12との間にステップS23およびステップS24が実行される点である。
【0049】
ステップS11において相対位置が同一であると判定された場合、部分画像出力判定手段50は、カウンタjにj+1を代入する(ステップS23)。ここで、カウンタjの初期値は1である。次に、部分画像出力判定手段50は、j<Sであるか否かを判定する(ステップS24)。ここで、Sは、連続間引き数の上限値である。ステップS24においてj<Sであると判定された場合、ステップS12が実行される。ステップS24においてj<Sであると判定されなかった場合、ステップS16が実行される。
【0050】
このフローチャートに従えば、連続して間引かれる部分画像に上限が設定される。それにより、情報欠落を抑制することができる。
【実施例2】
【0051】
図9は、実施例2に係る生体情報読取装置100aの機能構成を示すブロック図である。生体情報読取装置100aが図1の生体情報読取装置100と異なる点は、歪み量算出手段61および相対位置検出手段62がさらに備わっている点である。CPUが実施例2に係る生体情報読取方法を実行するための生体情報読取プログラムを実行することによって、歪み量算出手段61および相対位置検出手段62が実現される。なお、歪み量算出手段61および相対位置検出手段62は、それぞれ専用のハードウェアによって実現されてもよく、コンピュータによって実現されてもよい。
【0052】
本実施例においては、相対位置を用いて、冗長な部分画像をさらに間引く。図10に、その原理を示す。図10に示すように、Sy画素の高さの部分画像に対して、重複領域の高さがOy画素以上のときに相対位置が検出可能である場合を想定する。n枚目に入力された部分画像Pに対してPn+m枚目に入力された部分画像の相対位置がSy−Oy以下の範囲にある場合について考える。この場合、Pn+1からPn+m−1を冗長な情報とみなして間引くと、出力する部分画像を少なくすることができる。また、出力後の部分画像を扱うときのメモリ量、処理時間等を削減可能となる。
【0053】
このとき、Pとの相対位置がSy−Oy以下となる部分画像Pn+mを検出するには部分画像Pn+1以降に入力される部分画像の相対位置の検出結果を用いる。具体的には、PとPn+kとの相対位置がSy−Oy以下の場合には、Pn+k−1を間引く。また、PとPn+kとの相対位置がSy−Oy以上あるいは相対位置が検出されない場合には、Pn+k−1を間引かずに出力する。
【0054】
前述のように、歪み量は瞬時速度で決まる。そこで、Pn+k−1を出力するとともに、Pn+k−2を出力させてもよい。ここで、瞬時速度と平均速度との間に差がない場合には、必ずしも部分画像を2枚以上連続して出力する必要はない。さらに効率的に部分画像を間引くために、瞬時速度から算出される歪み量と平均速度から算出される歪み量との間に差がある場合のみ部分画像を2枚以上連続して出力するように構成してもよい。
【0055】
図11は、相対位置を用いて冗長な部分画像を間引く場合のフローチャートの一例を示す図である。図11のフローチャートが図3のフローチャートと異なる点は、ステップS6とステップS7との間にステップS31およびステップS32が挿入されている点である。
【0056】
ステップS6の実行後、相対位置検出手段62は、各部分画像の相対位置を検出する(ステップS31)。次に、歪み量算出手段61は、各部分画像の歪み量を算出する(ステップS32)。この場合、連続する2つの部分画像の瞬時速度から歪み量を算出することができる。なお、本実施例においては、ステップS7において、図10で説明した原理に従って、部分画像の出力判定を行う。その後、ステップS8が実行される。
【0057】
このフローチャートに従えば、相対位置から算出された歪み量を用いて間引く対象となる部分画像を決定することができる。なお、本実施例で用いることができる歪みは、幾何歪みであれば特に限定されるものではないが、スキュー歪み、伸縮歪み等であってもよい。スキュー歪み量は、生体の移動方向に対する主走査方向成分を用いて算出することができる。伸縮歪み量は、生体の移動方向に対する副走査方向成分を用いて算出することができる。
【実施例3】
【0058】
図12は、実施例3に係る生体情報読取装置100bの機能構成を示すブロック図である。生体情報読取装置100bが図1の生体情報読取装置100と異なる点は、相対位置検出手段62、局所領域相対位置推定手段71および歪み補正手段72を備える点である。
【0059】
CPUが実施例3に係る生体情報読取方法を実行するための生体情報読取プログラムを実行することによって、相対位置検出手段62、局所領域相対位置推定手段71および歪み補正手段72が実現される。なお、相対位置検出手段62、局所領域相対位置推定手段71および歪み補正手段72は、それぞれ専用のハードウェアによって実現されてもよく、コンピュータによって実現されてもよい。
【0060】
局所領域相対位置推定手段71は、部分画像全体から検出される相対位置と連続する隣接局所領域の相対位置とを用いて局所領域ごとの相対位置を推定する手段である。なお、局所領域とは、部分画像の面内の一部の領域のことである。したがって、部分画像は、複数の局所領域によって構成される。歪み補正手段72は、各部分画像の走査線に基づいて構成される局所領域ごとに歪み補正を行う手段である。
【0061】
部分画像を走査線毎に順次読み取る際に遅延がある場合、部分画像1枚を読み取っている間に瞬時速度が変化する。瞬時速度としてPn+k−1、Pn+kから検出される相対位置およびPn+k、Pn+k−1から検出される相対位置の両方を用いることにより、局所的な瞬時速度を予測することができる。最初に読み取られる部分では、Pn+k−1、Pn+kから検出される相対位置に基づいて算出される瞬時速度を用いる。また、最後に読み取られる部分では、Pn+k、Pn+k−1から検出される相対位置から算出される瞬時速度を用いる。両瞬時速度の中間は、両瞬時速度から線形補間して求めることができる。局所領域は、生体情報採取手段における走査線を単位とする。
【0062】
図13は、局所領域の歪み量を補正する場合のフローチャートの一例を示す図である。図13に示すように、相対位置検出手段62は、各部分画像の相対位置を検出する(ステップS41)。次に、相対位置検出手段62は、部分画像全体から相対速度を算出する(ステップS42)。次いで、歪み補正手段72は、部分画像全体に対して歪み補正を行う(ステップS43)。
【0063】
次に、局所領域相対位置推定手段71は、局所領域相対位置を推定する(ステップS44)。次いで、歪み補正手段72は、局所領域歪みを補正する(ステップS45)。次に、歪み補正手段72は、全ての局所領域が処理されたか否かを判定する(ステップS46)。
【0064】
ステップS46において全ての局所領域が処理されたと判定されなかった場合、ステップS44が再度実行される。ステップS46において全ての局所領域が処理されたと判定された場合、歪み補正手段72は、画像を再構成する(ステップS47)。
【0065】
その後、部分画像出力判定手段50は、全ての部分画像が処理されたか否かを判定する(ステップS48)。ステップS48において全ての部分画像が処理されたと判定された場合、フローチャートの実行が終了する。ステップS48において全ての部分画像が処理されたと判定されなかった場合、ステップS41から再度実行される。
【0066】
このフローチャートに従えば、画像採取手段10の遅延特性に起因する幾何歪みに対して補正を行うことができる。したがって、相対移動量が小さく部分画像が重なる範囲が存在していても重複領域とみなされなくなる場合等に、間引き過ぎを抑制することができる。その結果、情報欠落を軽減することができる。
【0067】
また、局所領域の相対位置を推定することによって、局所的な処理で生じる処理時間を軽減することができる。具体的には、相対位置を検出する際の重複領域を探索する範囲を、より狭い範囲に限定することができる。それにより、相対位置検出にかかる時間を短縮することができる。
【実施例4】
【0068】
図14は、実施例4に係る生体情報読取装置100cの機能構成を示すブロック図である。生体情報読取装置100cが図12の生体情報読取装置100bと異なる点は、局所領域相対位置検出手段73をさらに備える点である。CPUが実施例4に係る生体情報読取方法を実行するための生体情報読取プログラムを実行することによって、局所領域相対位置検出手段73が実現される。なお、局所領域相対位置検出手段73は、専用のハードウェアによって実現されてもよく、コンピュータによって実現されてもよい。
【0069】
局所領域相対位置検出手段73は、局所領域相対位置推定手段71によって推定された相対位置と、局所領域に付与された時刻情報とに基づいて、歪み補正された局所領域を用いて局所領域相対位置を検出する。
【0070】
図15は、局所領域の歪み量を補正する場合のフローチャートの一例を示す図である。図15に示すように、相対位置検出手段62は、各部分画像の相対位置を検出する(ステップS51)。次に、相対位置検出手段62は、部分画像全体から相対速度を算出する(ステップS52)。次いで、歪み補正手段72は、部分画像全体に対して歪み補正を行う(ステップS53)。
【0071】
次に、局所領域相対位置推定手段71は、局所領域相対位置を推定する(ステップS54)。次いで、局所領域相対位置検出手段73は、歪み補正された局所領域を用いて局所領域相対位置を検出する(ステップS55)。次に、歪み補正手段72は、局所領域歪みを補正する(ステップS56)。次に、歪み補正手段72は、全ての局所領域が処理されたか否かを判定する(ステップS57)。
【0072】
ステップS57において全ての局所領域が処理されたと判定されなかった場合、ステップS54が再度実行される。ステップS57において全ての局所領域が処理されたと判定された場合、部分画像出力判定手段50は、全ての部分画像が処理されたか否かを判定する(ステップS58)。ステップS58において全ての部分画像が処理されたと判定された場合、フローチャートの実行が終了する。ステップS58において全ての部分画像が処理されたと判定されなかった場合、ステップS51から再度実行される。
【実施例5】
【0073】
図16は、実施例5に係る生体情報読取装置100dの機能構成を示すブロック図である。生体情報読取装置100dが図14の生体情報読取装置100cと異なる点は、局所領域合成手段74をさらに備える点である。CPUが実施例5に係る生体情報読取方法を実行するための生体情報読取プログラムを実行することによって、局所領域合成手段74が実現される。なお、局所領域合成手段74は、専用のハードウェアによって実現されてもよく、コンピュータによって実現されてもよい。
【0074】
局所領域合成手段74は、局所領域相対位置検出手段73によって検出された局所領域相対位置と局所領域に付与された時刻情報とに基づいて、歪み補正された局所領域を用いて2枚以上の部分画像内の局所領域が相互に重なり合う位置で画像を合成する。
【0075】
全ての部分画像の相対位置を検出することによって、再構成画像全体のサイズを計算することができる。具体的には、条件にあった全ての部分画像の相対位置を基準位置に加算する。その最小値と最大値との差が再構成画像全体のサイズとなる。再構成画像初期化では、上述の最小値と最大値との差から再構成画像を格納するメモリ領域を獲得し、初期値で埋める処理を行う。初期値には、部分画像の背景色を用いる。背景色とは具体的には、生体情報がされない場合の値である。例えば、生体情報が検出されない場合に0を与える生体情報採取手段では、再構成画像を0で埋める。背景色が255を与える生体情報採取手段では、再構成画像を255で埋める。
【0076】
部分画像と再構成画像を合成する際には、再構成画像を基準とした部分画像の相対位置を算出し、再構成画像に部分画像を合成する。合成処理は、再構成画像と部分画像とが重なり合う画素同士の平均値もしくは、重み付き平均値を用いて再構成画像を更新する。具体的には、座標を(x,y)として再構成画像R(x,y)と部分画像Pn(x,y)とを表し、これら相対位置が(Δx,Δy)である場合、再構成画像の画素を以下のように更新する。
(x+Δx,y+nΔy)=c・Rn−1(x+Δx,y+Δy)+c・P(x,y)
+c=1
【0077】
ここで、c=0.5かつc=0.5とすると単純な平均値が得られる。生体が読み取られるとともに徐々に変化する場合に、部分画像が入力された順に再構成画像に部分画像を合成する場合はc<cとすることによって、あとから入力された部分画像と再構成画像との差が小さくなる。
【0078】
なお、PとPk−1との相対位置を(Δx,Δy)とすると、
Δx=ΣΔx
Δy=ΣΔy
の関係が得られる。
【0079】
再構成画像は、座標(0,0)を基準とするように表現すると、計算上都合がよい。部分画像数をnとすると、
Δx=ΣΔx−min(ΣΔx
Δy=ΣΔy−min(ΣΔy
の関係が得られる。
ここで、min(ΣΔx)およびmin(ΣΔy)が前述の基準位置であり、相対位置を加算したものの最小値である。
【0080】
図17は、再構成画像を更新しながら部分画像の相対位置および歪み補正を行う場合のフローチャートの一例を示す図である。図17に示すように、局所領域合成手段74は、再構成画像を初期化する(ステップS61)。次に、相対位置検出手段62は、各部分画像の相対位置を検出する(ステップS62)。次いで、相対位置検出手段62は、部分画像全体から相対速度を算出する(ステップS63)。次いで、歪み補正手段72は、部分画像全体に対して歪み補正を行う(ステップS64)。
【0081】
次に、局所領域相対位置推定手段71は、局所領域相対位置を推定する(ステップS65)。次いで、局所領域相対位置検出手段73は、歪み補正された局所領域を用いて局所領域相対位置を検出する(ステップS66)。次に、歪み補正手段72は、局所領域歪みを補正する(ステップS67)。次に、歪み補正手段72は、全ての局所領域が処理されたか否かを判定する(ステップS68)。
【0082】
ステップS68において全ての局所領域が処理されたと判定されなかった場合、ステップS65が再度実行される。ステップS68において全ての局所領域が処理されたと判定された場合、相対位置検出手段62は、元の画像と再構成画像との相対位置を算出する(ステップS69)。次に、局所領域合成手段74は、部分画像および再構成画像を合成する(ステップS70)。
【0083】
次に、部分画像出力判定手段50は、全ての部分画像が処理されたか否かを判定する(ステップS71)。ステップS71において全ての部分画像が処理されたと判定された場合、フローチャートの実行が終了する。ステップS71において全ての部分画像が処理されたと判定されなかった場合、ステップS62から再度実行される。
【0084】
このフローチャートに従えば、処理済みの部分画像は不要になる。それにより、メモリに部分画像および再構成画像を全て保持するだけの余裕がない場合に、特に効果が得られる。
【0085】
図18は、すべての部分画像から相対位置算出および歪み補正を行った後に再構成画像を更新する場合のフローチャートの一例を示す図である。図18のフローチャートが図17のフローチャートと異なる点は、ステップS68とステップS69との間に、ステップS72〜S74が挿入されている点である。
【0086】
ステップS68において全ての局所領域が処理されたと判定された場合、相対位置検出手段62は、基準位置に全ての部分画像の相対位置を加算する(ステップS72)。相対位置検出手段62は、全ての部分画像を処理したか否かを判定する(ステップS73)。ステップS73において全ての部分画像が処理されたと判定されなかった場合、ステップS62から再度実行される。ステップS73において全ての部分画像が処理されたと判定された場合、局所領域合成手段74は、再構成画像を初期化する(ステップS74)。その後、ステップS69が実行される。
【実施例6】
【0087】
図19は、実施例6に係る生体認証装置200の機能構成を示すブロック図である。図19に示すように、生体認証装置200は、生体情報読取装置210、生体特徴抽出手段220、記憶手段230、一致度算出手段240および一致判定手段250を備える。生体情報読取装置210は、実施例5に係る生体情報読取装置100dである。
【0088】
生体認証装置200は、CPUを備える。CPUが生体認証方法を実行するための生体認証プログラムを実行することによって、生体特徴抽出手段220、一致度算出手段240および一致判定手段250が実現される。なお、生体特徴抽出手段220、一致度算出手段240および一致判定手段250は、それぞれ専用のハードウェアによって実現されてもよく、コンピュータによって実現されてもよい。
【0089】
生体特徴抽出手段220は、局所領域合成手段74によって合成された合成生体情報から、登録用あるいは照合用の生体情報の特徴を抽出する。記憶手段230は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリによって構成される。記憶手段230は、生体情報読取装置210によって読み取られた生体情報を所有する生体の部位または生体そのものに付与された識別子と、生体特徴抽出手段220によって抽出された特徴とを対応付けて登録用特徴として記憶する。
【0090】
一致度算出手段240は、記憶手段230に記憶された登録用特徴と、生体特徴抽出手段220によって照合用に抽出された特徴との一致度を算出する。一致判定手段250は、一致度算出手段240によって算出された一致度が所定のしきい値以上である場合に照合用特徴が登録用特徴に対応づけられたと判定する。さらに、一致判定手段250は、抽出された各生体特徴に対して、一致度算出手段240によって算出された複数の一致度群から最も高い一致度の登録用特徴に対応付けられた識別子を出力する。それにより、個人認証が行われる。
【0091】
図20は、個人認証時のフローチャートの一例を示す図である。図20のフローチャートは、図18のフローチャートのステップS71において全ての部分画像が処理されたと判定された場合に実行される。
【0092】
まず、図19で図示しない判定手段によって、照合処理か否かが判定される(ステップS81)。ステップS81において照合処理であると判定されなかった場合、生体特徴抽出手段220は、登録用に生体特徴を抽出する(ステップS84)。次に、記憶手段230は、ステップS83において抽出された生体特徴を登録用特徴として記憶する(ステップS85)。その後、フローチャートの実行が終了する。
【0093】
ステップS81において照合処理であると判定された場合、生体特徴抽出手段220は、照合用に生体特徴を抽出する(ステップS82)。次に、一致度算出手段240は、一致度を算出する(ステップS83)。次いで、一致度判定手段250によって一致判定がなされる。その後、フローチャートの実行が終了する。
【0094】
本実施例によれば、生体情報入力時の相対位置変化に起因する歪みによる影響を回避するこができる。この場合、入力された生体情報から抽出した照合用特徴と登録用特徴とから算出される一致度の再現性を高めることができる。それにより、同一の生体情報から算出した一致度を高い値で安定化することができる。その結果、一致度が一致判定するための設定した閾値を下回ることによって生じる本人拒否の頻度を低減することができる。また、生体情報を利用した個人認証の利便性向上を実現することができる。これと同時に、同一ではない生体情報から算出した一致度を低い値で安定化することができる。その結果、一致度が一致判定するための閾値を上回ることによって生じる他人受入の頻度を低減することができる。また、生体情報を利用した個人認証の信頼性向上を実現することができる。
【0095】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(付記)
(付記1)
生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取手段と、
前記複数の部分画像の各々から画像特徴および前記画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出手段と、
前記複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出手段と、
少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にあると前記相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にないと前記相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定手段と、を備えることを特徴とする生体情報読取装置。
(付記2)
前記部分画像出力判定手段は、連続して出力しないと判定する部分画像数に上限を設けることを特徴とする付記1記載の生体情報読取装置。
(付記3)
各部分画像に時刻情報を付与する時刻情報付与手段をさらに備え、
前記時刻情報は、前記画像採取手段によって部分画像の読み取りが開始された読取開始時刻を含み、前記画像採取手段による部分画像の読み取り開始から終了までの間に前記画像採取手段の特性に基づく遅延時間が発生する場合には、読み取り終了時刻または読み取り開始から終了までの読み取り時間を含むことを特徴とする付記1記載の生体情報読取装置。
(付記4)
前記画像採取手段によって採取される複数の部分画像のうち2枚以上の部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記2枚以上の部分画像相互の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
前記画像採取手段が部分画像を走査する際に生じる幾何歪みに対して、前記時刻情報および前記相対位置から求められる相対移動速度に基づいて歪み量を算出する歪み量算出手段と、をさらに備え、
前記部分画像出力判定手段は、前記歪み量がしきい値を超えた場合には前記部分画像を出力すると判定することを特徴とする付記3記載の生体情報読取装置。
(付記5)
前記画像採取手段によって採取される複数の部分画像のうち2枚以上の部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記2枚以上の部分画像相互の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
前記画像採取手段が部分画像を走査する際に生じる幾何歪みに対して、前記時刻情報および前記相対位置から求められる相対移動速度のうち、生体の移動方向に対して主走査方向成分を用いてスキュー歪みを補正し、副走査方向成分を用いて伸縮歪みを補正する歪み補正手段と、をさらに備えることを特徴とする付記3記載の生体情報読取装置。
(付記6)
前記歪み補正手段は、前記画像採取手段によって採取される部分画像の走査線に基づいて構成される局所領域ごとに歪みを補正することを特徴とする付記5記載の生体情報読取装置。
(付記7)
前記相対位置検出手段によって部分画像全体から算出される相対位置と、読み取り時刻が連続する隣接局所領域の相対位置と、を用いて、前記局所領域ごとの相対位置を推定する局所領域相対位置推定手段をさらに備えることを特徴とする付記6記載の生体情報読取装置。
(付記8)
前記局所領域相対位置推定手段によって推定される局所領域推定相対位置と、前記局所領域に対して前記時刻情報付与手段によって付与される時刻情報に基づいて算出される局所領域の読み取り開始時刻または読み取り終了時刻を用いて算出される局所領域時刻情報と、に基づいて、歪み補正された局所領域を用いて局所領域相対位置を検出する局所領域相対位置検出手段をさらに備えることを特徴とする付記7記載の生体情報読取装置。
(付記9)
前記局所領域相対位置検出手段によって検出された局所領域相対位置と前記局所領域時刻情報とに基づいて、歪み補正された歪み補正局所領域を用いて、前記2枚以上の部分画像内の前記局所領域が相互に重なり合う位置で画像を合成する局所領域合成手段をさらに備えることを特徴とする付記8記載の生体情報読取装置。
(付記10)
前記局所領域合成手段によって合成された合成生体情報から、生体情報の特徴を抽出する生体特徴抽出手段と、
前記生体特徴抽出手段によって登録用に抽出された生体情報を識別子と関連付けて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された登録用特徴と、前記生体特徴抽出手段によって照合用に抽出された生体特徴と、を照合して一致度を検出する一致度検出手段と、
前記一致度検出手段によって検出された一致度がしきい値以上の場合に、前記照合用特徴と前記登録用特徴とが対応付けられたと判定する一致判定手段と、をさらに備えることを特徴とする付記9記載の生体情報読取装置。
(付記11)
前記一致判定手段は、前記記憶手段によって記憶された複数の登録用特徴と前記生体特徴抽出手段によって識別用に抽出された生体情報とから、前記複数の登録用特徴のそれぞれに対して、一致度検出手段によって検出された少なくとも2以上の一致度群から、一致度が前記しきい値以上であり最も高い一致度の登録用特徴に対応付けられた前記識別子を出力することを特徴とする付記10記載の生体情報読取装置。
(付記12)
生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取ステップと、
前記複数の部分画像の各々から画像特徴および前記画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出ステップと、
前記複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出ステップと、
少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にあると前記相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にないと前記相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定ステップと、を含むことを特徴とする生体情報読取方法。
(付記13)
前記部分画像出力判定ステップにおいて、連続して出力しないと判定する部分画像数に上限が設けられることを特徴とする付記12記載の生体情報読取方法。
(付記14)
各部分画像に時刻情報を付与する時刻情報付与ステップをさらに備え、
前記時刻情報は、前記画像採取ステップにおいて部分画像の読み取りが開始された読取開始時刻を含み、前記画像採取ステップにおける部分画像の読み取り開始から終了までの間に画像採取手段の特性に基づく遅延時間が発生する場合には、読み取り終了時刻または読み取り開始から終了までの読み取り時間を含むことを特徴とする付記12記載の生体情報読取方法。
(付記15)
前記画像採取ステップにおいて採取される複数の部分画像のうち2枚以上の部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記2枚以上の部分画像相互の相対位置を検出する相対位置検出ステップと、
前記画像採取ステップにおいて部分画像を走査する際に生じる幾何歪みに対して、前記時刻情報および前記相対位置から求められる相対移動速度に基づいて歪み量を算出する歪み量算出ステップと、をさらに含み、
前記部分画像出力判定ステップは、前記歪み量がしきい値を超えた場合には前記部分画像を出力すると判定するステップであることを特徴とする付記14記載の生体情報読取方法。
(付記16)
前記画像採取ステップにおいて採取される複数の部分画像のうち2枚以上の部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記2枚以上の部分画像相互の相対位置を検出する相対位置検出ステップと、
前記画像採取ステップにおいて部分画像を走査する際に生じる幾何歪みに対して、前記時刻情報および前記相対位置から求められる相対移動速度のうち、生体の移動方向に対して主走査方向成分を用いてスキュー歪みを補正し、副走査方向成分を用いて伸縮歪みを補正する歪み補正ステップと、をさらに含むことを特徴とする付記15記載の生体情報読取方法。
(付記17)
前記歪み補正ステップは、前記画像採取ステップにおいて採取される部分画像の走査線に基づいて構成される局所領域ごとに歪みを補正するステップであることを特徴とする付記16記載の生体情報読取方法。
(付記18)
前記相対位置検出ステップにおいて部分画像全体から算出される相対位置と、読み取り時刻が連続する隣接局所領域の相対位置と、を用いて、前記局所領域ごとの相対位置を推定する局所領域相対位置推定ステップをさらに含むことを特徴とする付記17記載の生体情報読取方法。
(付記19)
前記局所領域相対位置推定ステップにおいて推定される局所領域推定相対位置と、前記局所領域に対して前記時刻情報付与ステップにおいて付与される時刻情報に基づいて算出される局所領域の読み取り開始時刻または読み取り終了時刻を用いて算出される局所領域時刻情報と、に基づいて、歪み補正された局所領域を用いて局所領域相対位置を検出する局所領域相対位置検出ステップをさらに含むことを特徴とする付記18記載の生体情報読取方法。
(付記20)
前記局所領域相対位置検出ステップにおいて検出された局所領域相対位置と前記局所領域時刻情報とに基づいて、歪み補正された歪み補正局所領域を用いて、前記2枚以上の部分画像内の前記局所領域が相互に重なり合う位置で画像を合成する局所領域合成ステップをさらに含むことを特徴とする付記19記載の生体情報読取方法。
(付記21)
前記局所領域合成ステップにおいて合成された合成生体情報から、生体情報の特徴を抽出する生体特徴抽出ステップと、
前記生体特徴抽出ステップにおいて登録用に抽出された生体情報を識別子と関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された登録用特徴と、前記生体特徴抽出ステップにおいて照合用に抽出された生体特徴と、を照合して一致度を検出する一致度検出ステップと、
前記一致度検出ステップにおいて検出された一致度がしきい値以上の場合に、前記照合用特徴と前記登録用特徴とが対応付けられたと判定する一致判定ステップと、をさらに含むことを特徴とする付記20記載の生体情報読取方法。
(付記22)
前記一致判定ステップは、前記記憶ステップにおいて記憶された複数の登録用特徴と前記生体特徴抽出ステップにおいて識別用に抽出された生体情報とから、前記登録用特徴のそれぞれに対して照合し、一致度検出ステップにおいて検出された少なくとも2以上の一致度群から、一致度が前記しきい値以上であり最も高い一致度の登録用特徴に対応付けられた前記識別子を出力するステップであることを特徴とする付記21記載の生体情報読取方法。
(付記23)
コンピュータに、
生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取ステップと、
前記複数の部分画像の各々から画像特徴および前記画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出ステップと、
前記複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出ステップと、
少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にあると前記相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にないと前記相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定ステップと、を実行させることを特徴とする生体情報読取プログラム。
(付記24)
前記部分画像出力判定ステップにおいて、連続して出力しないと判定する部分画像数に上限が設けられることを特徴とする付記23記載の生体情報読取プログラム。
(付記25)
前記コンピュータに、各部分画像に時刻情報を付与する時刻情報付与ステップをさらに実行させ、
前記時刻情報は、前記画像採取ステップにおいて部分画像の読み取りが開始された読取開始時刻を含み、前記画像採取ステップにおける部分画像の読み取り開始から終了までの間に画像採取手段の特性に基づく遅延時間が発生する場合には、読み取り終了時刻または読み取り開始から終了までの読み取り時間を含むことを特徴とする付記23記載の生体情報読取プログラム。
(付記26)
前記コンピュータに、
前記画像採取ステップにおいて採取される複数の部分画像のうち2枚以上の部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記2枚以上の部分画像相互の相対位置を検出する相対位置検出ステップと、
前記画像採取ステップにおいて部分画像を走査する際に生じる幾何歪みに対して、前記時刻情報および前記相対位置から求められる相対移動速度に基づいて歪み量を算出する歪み量算出ステップと、をさらに実行させ、
前記部分画像出力判定ステップは、前記歪み量がしきい値を超えた場合には前記部分画像を出力すると判定するステップであることを特徴とする付記25記載の生体情報読取プログラム。
(付記27)
前記コンピュータに、
前記画像採取ステップにおいて採取される複数の部分画像のうち2枚以上の部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記2枚以上の部分画像相互の相対位置を検出する相対位置検出ステップと、
前記画像採取ステップにおいて部分画像を走査する際に生じる幾何歪みに対して、前記時刻情報および前記相対位置から求められる相対移動速度のうち、生体の移動方向に対して主走査方向成分を用いてスキュー歪みを補正し、副走査方向成分を用いて伸縮歪みを補正する歪み補正ステップと、をさらに実行させることを特徴とする付記26記載の生体情報読取プログラム。
(付記28)
前記歪み補正ステップは、前記画像採取ステップにおいて採取される部分画像の走査線に基づいて構成される局所領域ごとに歪みを補正するステップであることを特徴とする付記27記載の生体情報読取プログラム。
(付記29)
前記コンピュータに。
前記相対位置検出ステップにおいて部分画像全体から算出される相対位置と、読み取り時刻が連続する隣接局所領域の相対位置と、を用いて、前記局所領域ごとの相対位置を推定する局所領域相対位置推定ステップをさらに実行させることを特徴とする付記28記載の生体情報読取プログラム。
(付記30)
前記コンピュータに、
前記局所領域相対位置推定ステップにおいて推定される局所領域推定相対位置と、前記局所領域に対して前記時刻情報付与ステップにおいて付与される時刻情報に基づいて算出される局所領域の読み取り開始時刻または読み取り終了時刻を用いて算出される局所領域時刻情報と、に基づいて、歪み補正された局所領域を用いて局所領域相対位置を検出する局所領域相対位置検出ステップをさらに実行させることを特徴とする付記29記載の生体情報読取プログラム。
(付記31)
前記コンピュータに、
前記局所領域相対位置検出ステップにおいて検出された局所領域相対位置と前記局所領域時刻情報とに基づいて、歪み補正された歪み補正局所領域を用いて、前記2枚以上の部分画像内の前記局所領域が相互に重なり合う位置で画像を合成する局所領域合成ステップをさらに実行させることを特徴とする付記30記載の生体情報読取プログラム。
(付記32)
前記コンピュータに、
前記局所領域合成ステップにおいて合成された合成生体情報から、生体情報の特徴を抽出する生体特徴抽出ステップと、
前記生体特徴抽出ステップにおいて登録用に抽出された生体情報を識別子と関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された登録用特徴と、前記生体特徴抽出ステップにおいて照合用に抽出された生体特徴と、を照合して一致度を検出する一致度検出ステップと、
前記一致度検出ステップにおいて検出された一致度がしきい値以上の場合に、前記照合用特徴と前記登録用特徴とが対応付けられたと判定する一致判定ステップと、をさらに実行させることを特徴とする付記31記載の生体情報読取プログラム。
(付記33)
前記一致判定ステップは、前記記憶ステップにおいて記憶された複数の登録用特徴と前記生体特徴抽出ステップにおいて識別用に抽出された生体情報とから、前記複数の登録用特徴のそれぞれに対して照合し、一致度検出ステップにおいて検出された少なくとも2以上の一致度群から、一致度が前記しきい値以上であり最も高い一致度の登録用特徴に対応付けられた前記識別子を出力するステップであることを特徴とする付記32記載の生体情報読取プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】実施例1に係る生体情報読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】画像採取手段について説明するための図である。
【図3】生体情報読取の際のフローチャートの一例を示す図である。
【図4】ペイロードの一例を示す図である。
【図5】部分画像出力判定の一例を示すフローチャートを示す図である。
【図6】瞬時速度および平均速度について説明するための図である。
【図7】瞬時速度および平均速度について説明するための図である。
【図8】間引き処理に制限を加えた場合のフローチャートの一例を示す図である。
【図9】実施例2に係る生体情報読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図10】相対位置を用いた間引き処理について説明するための図である。
【図11】相対位置を用いて冗長な部分画像を間引く場合のフローチャートの一例を示す図である。
【図12】実施例3に係る生体情報読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図13】局所領域の歪み量を補正する場合のフローチャートの一例を示す図である。
【図14】実施例4に係る生体情報読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図15】局所領域の歪み量を補正する場合のフローチャートの一例を示す図である。
【図16】実施例5に係る生体情報読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図17】再構成画像を更新しながら部分画像の相対位置および歪み補正を行う場合のフローチャートの一例を示す図である。
【図18】すべての部分画像から相対位置算出および歪み補正を行った後に再構成画像を更新する場合のフローチャートの一例を示す図である。
【図19】実施例6に係る生体認証装置の機能構成を示すブロック図である。
【図20】個人認証時のフローチャートの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
10 画像採取手段
20 時刻情報付与手段
30 画像特徴抽出手段
40 相対位置同一検出手段
50 部分画像出力判定手段
61 歪み量算出手段
62 相対位置検出手段
71 局所領域相対位置推定手段
72 歪み補正手段
73 局所領域相対位置推定手段
74 局所領域合成手段
100 生体情報読取装置
200 生体認証装置
210 生体情報読取装置
220 生体特徴抽出手段
230 記憶手段
240 一致度算出手段
250 一致判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取手段と、
前記複数の部分画像の各々から画像特徴および前記画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出手段と、
前記複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出手段と、
少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にあると前記相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にないと前記相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定手段と、を備えることを特徴とする生体情報読取装置。
【請求項2】
前記部分画像出力判定手段は、連続して出力しないと判定する部分画像数に上限を設けることを特徴とする請求項1記載の生体情報読取装置。
【請求項3】
各部分画像に時刻情報を付与する時刻情報付与手段をさらに備え、
前記時刻情報は、前記画像採取手段によって部分画像の読み取りが開始された読取開始時刻を含み、前記画像採取手段による部分画像の読み取り開始から終了までの間に前記画像採取手段の特性に基づく遅延時間が発生する場合には、読み取り終了時刻または読み取り開始から終了までの読み取り時間を含むことを特徴とする請求項1記載の生体情報読取装置。
【請求項4】
前記画像採取手段によって採取される複数の部分画像のうち2枚以上の部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記2枚以上の部分画像相互の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
前記画像採取手段が部分画像を走査する際に生じる幾何歪みに対して、前記時刻情報および前記相対位置から求められる相対移動速度に基づいて歪み量を算出する歪み量算出手段と、をさらに備え、
前記部分画像出力判定手段は、前記歪み量がしきい値を超えた場合には前記部分画像を出力すると判定することを特徴とする請求項3記載の生体情報読取装置。
【請求項5】
前記画像採取手段によって採取される複数の部分画像のうち2枚以上の部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記2枚以上の部分画像相互の相対位置を検出する相対位置検出手段と、
前記画像採取手段が部分画像を走査する際に生じる幾何歪みに対して、前記時刻情報および前記相対位置から求められる相対移動速度のうち、生体の移動方向に対して主走査方向成分を用いてスキュー歪みを補正し、副走査方向成分を用いて伸縮歪みを補正する歪み補正手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の生体情報読取装置。
【請求項6】
前記歪み補正手段は、前記画像採取手段によって採取される部分画像の走査線に基づいて構成される局所領域ごとに歪みを補正することを特徴とする請求項5記載の生体情報読取装置。
【請求項7】
前記相対位置検出手段によって部分画像全体から算出される相対位置と、読み取り時刻が連続する隣接局所領域の相対位置と、を用いて、前記局所領域ごとの相対位置を推定する局所領域相対位置推定手段をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の生体情報読取装置。
【請求項8】
前記局所領域相対位置推定手段によって推定される局所領域推定相対位置と、前記局所領域に対して前記時刻情報付与手段によって付与される時刻情報に基づいて算出される局所領域の読み取り開始時刻または読み取り終了時刻を用いて算出される局所領域時刻情報と、に基づいて、歪み補正された局所領域を用いて局所領域相対位置を検出する局所領域相対位置検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項7記載の生体情報読取装置。
【請求項9】
生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取ステップと、
前記複数の部分画像の各々から画像特徴および前記画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出ステップと、
前記複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出ステップと、
少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にあると前記相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にないと前記相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定ステップと、を含むことを特徴とする生体情報読取方法。
【請求項10】
コンピュータに、
生体情報について複数の部分画像を順次採取する画像採取ステップと、
前記複数の部分画像の各々から画像特徴および前記画像特徴の位置を抽出する画像特徴抽出ステップと、
前記複数の部分画像のうち連続した2つの部分画像の重複領域の前記画像特徴に基づいて、前記連続した2つの部分画像相互の相対距離がしきい値以内であるか否かを判定する相対位置同一検出ステップと、
少なくとも2枚以上連続した部分画像を1組として出力すると判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にあると前記相対位置同一検出によって判定された部分画像を出力しないと判定し、前記1組の部分画像後の部分画像であって前記1組の部分画像のいずれかと相対位置が前記しきい値以内にないと前記相対位置同一検出手段によって判定された部分画像と連続して2枚以上の部分画像を1組として出力すると判定する、部分画像出力判定ステップと、を実行させることを特徴とする生体情報読取プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−15470(P2010−15470A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176371(P2008−176371)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】