生体接合されたナノ構造、前記を製造する方法、及び前記を使用する方法
ナノ構造、ナノ構造を準備する方法、被検体内の標的を検出する方法、及び被検体内の疾病を治療する方法が開示される。ナノ構造の実施形態は、とりわけ、量子ドット及び疎水性保護構造を含む。疎水性保護構造はキャッピング配位子と両親媒性共重合体を含み、疎水性保護構造は量子ドットをカプセル化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2003年12月22日出願の「生体接合されたナノ構造、前記を製造する方法、及び前記を使用する方法」と題する米国仮特許出願シリアル番号60/532,028に基づく優先権を主張し、前記出願の全体は参照により本出願に包含される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、一般にナノ構造に関し、特に、生体接合されたナノ構造に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
最近の進歩は、ナノメートルサイズの半導体粒子が、蛍光プローブとしての用途のためにペプチド、抗体、核酸、又は小分子配位子のような生体認識分子と共有結合され得ることを示した。有機蛍光プローブと比較すると、前記の量子が閉じ込められた粒子又は量子ドット(QD)は、サイズ及び組成が調節可能な可視光から赤外線までの波長の蛍光発光、幅広いスペクトル範囲を横切る大きな吸収係数、及び非常に高いレベルの輝度及び光安定性のような、固有の光学的及び電子的特性を示す。これらの広い励起プロファイル及び狭い/対称の発光スペクトルにより、高品質QDもまた光学的多重化に良く適しており、高品質QDにおいて多数の色及び強度が組み合わされることにより、遺伝子、蛋白質及び小分子ライブラリが符号化される。
【0004】
それゆえに、有機染料及び蛍光蛋白質の内在的制約を超える高感知性及び高選択性プローブの開発は、分子及び細胞生物学から分子撮像及び医療診断までの範囲に亘る多数の研究領域において考慮すべき関心を有するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
簡潔に述べれば、本発明の実施形態は、とりわけ、ナノ構造、ナノ構造を準備する方法、被検体内の目標を検出する方法、及び被検体内の疾病を治療する方法を含む。ナノ構造の実施形態は、とりわけ、量子ドットと疎水性保護構造を含む。疎水性保護構造は、キャッピング配位子と両親媒性共重合体を含み、そこにおいて疎水性保護構造は量子ドットをカプセル化する。
【0006】
ナノ構造の別の実施形態は、少なくとも一つのナノ種と疎水性保護構造を含む。疎水性保護構造は、キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びその組み合わせから選択された一つの化合物を含み、そこにおいて疎水性保護構造はナノ種をカプセル化する。
【0007】
一つのナノ構造を準備する方法の実施形態は、とりわけ、ナノ種を設けることと、キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びその組み合わせから選択された少なくとも一つの化合物を含むナノ種の周囲に疎水性保護構造を形成することを含む。
【0008】
被検体内において目標を検出する方法の実施形態は、とりわけ、疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物を有する上述のナノ構造と疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された少なくとも一つのプローブ(第一のプローブは目標への親和力を有する)のうちの一つを設けることと、前記ナノ構造を被検体に導入することと、ナノ種を検出することによりプローブに対応する被検体内の目標の存在を決定することを含む。
【0009】
被検体内の疾病を治療する方法の実施形態は、とりわけ、疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物を有する上述のナノ構造と疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された少なくとも一つのプローブ(第一のプローブは目標への親和力を有する)のうちの一つを設けることと、前記ナノ構造を疾病の治療を必要とする被検体に導入することを含む。
【0010】
本発明のさらなる局面は、後述されるその種々の実施形態の詳細な説明を検討すれば、添付の図面との関係において解釈されたとき、より容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(詳細な説明)
本明細書において実施され広く説明されるように、本発明の目的によれば、本発明の実施形態は、一つの局面において、生体接合されたナノ構造(以下、本明細書において「ナノ構造」とする)と、前記ナノ構造を製造する方法と、前記ナノ構造を使用する方法に関する。ナノ構造は区別可能であり、独立して検出され得る。この点において、ナノ構造が特定の標的分子と相互作用するように、ナノ構造は変形され得る。前記ナノ構造は、(例えば生体内の)標的分子の検出を可能にし、これにより例えば標的分子が位置する領域を決定する。
【0012】
ナノ構造は、生体分子配列システム、バイオセンシング、生体ラベル付け、遺伝子発現研究、蛋白質研究、医療診断、診断ライブラリ、マイクロ流体システム、運搬手段、化粧品、洗剤、及びナノ粒子重合体配列(例えば自己集合、リソグラフィー及びパターン形成)のような、しかしこれらに限られない、多数の領域において使用され得る。具体的には、ナノ構造は疾病及び/又は状態の標的化及び/又は撮像(例えば、実施例1において詳細に述べられるように、疾病のタイプを識別し、疾病の近接する位置を発見し、疾病を有する細胞(例えば癌細胞)に薬剤を伝達する)のような、しかしこれらに限られない、生体内診断及び/または治療的用途において使用され得る。スペクトル撮像と組み合わされたナノ構造は、単一の生存細胞において、遺伝子、蛋白質等の多重化された撮像及び検出のために使用され得る。
【0013】
ナノ構造の実施形態は、ナノ種(例えば量子ドット、金属粒子及び金属酸化物粒子)並びにナノ種をカプセル化する疎水性保護構造を含むが、これらに限られない。加えて、ナノ構造は、生体親和性化合物(例えばポリエチレングリコール(重量平均分子量500〜50,000及び1,000〜10,000)、デキストラン並びにアミノデキストラン、カルボキシデキストラン及び多糖類のような誘導体)、並びにプローブ(例えばポリヌクレオチド、ポリペプチド、治療薬及び/又は薬剤)を含み得るが、これらに限られない。生体親和性化合物及び/又はプローブは、疎水性保護構造上に実質的に配置される(例えば疎水性保護構造の表面に付加され、及び/又は疎水性保護構造内に付加される)。疎水性保護構造は、キャッピング配位子及び/又は両親媒性共重合体(例えば両親媒性ブロック共重合体、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体及びこれらの組み合わせ)を含む。
【0014】
別の実施形態において、ナノ構造は二以上のナノ種又は二以上のナノ種のタイプを含み得る。加えて、ナノ構造は二以上の共重合体(例えば二以上のブロック共重合体)を有する疎水性保護構造を含み得る。さらに、ナノ構造は多数のナノ種及び多数の共重合体(例えばブロック共重合体)を含み得る。加えて、ナノ構造は異なる機能を有する二以上の異なるタイプのプローブを含み得る。さらにその上、ナノ種及び共重合体(例えばブロック共重合体)は、マイクロ構造及びマクロ構造に整理され得る。
【0015】
さらに別の実施形態においては、ナノ構造はメソ多孔性材料(約1〜100ナノメートル(nm)の孔径)、マクロ多孔性材料(約100nmより大きい孔径)、及び混合メソ多孔性/マクロ多孔性材料のような、しかしこれらに限られない多孔性材料に含まれ得る。多孔性材料は、重合体、共重合体、金属、シリカ金属、セルロース、セラミック、ゼオライト及びこれらの組み合わせのような、しかしこれらに限られない材料から作られ得る。好適な多孔性材料はシリカ材料及びポリスチレン並びにポリスチレン共重合体(例えばジビニルベンゼン、メタクリル(methacylic)酸及びマレイン酸)である。多孔性材料の形状は、球状、立方体、モノリス(すなわちバルク材料)、二次元及び三次元配列であり得るが、これらに限られない。好適な多孔性材料の形状は球状(例えばシリカビーズ及び重合体ビーズ(例えばクロマトグラフビーズ)、セラミック並びに分子篩)である。
【0016】
図1は、ナノ構造100の例示的な実施形態を示す。ナノ構造は、ナノ種102をカプセル化する疎水性保護構造104を有するナノ種102を含むが、これに限られない。加えて、ナノ構造100は生体親和性化合物112及びプローブ114を含み得るが、これに限られない。疎水性保護構造104は、キャッピング配位子層106及び/または共重合体層108(例えば両親媒性ブロック共重合体)を含む。以下に図示する例は両親媒性ブロック共重合体を使用するが、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体、及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない他の共重合体が、独立して、あるいは任意の組み合わせにより、ブロック共重合体と組み合わせて使用され得る。加えて、「両親媒性ブロック共重合体」の語は、以下本明細書において「ブロック共重合体」と呼ばれる。
【0017】
一般に、ナノ構造100は図2A〜2Dにおいて説明される方法により形成され得る。図2Aはナノ種102を図示する一方、図2Bはナノ種102上に配置されたキャッピング配位子106を図示する。図2Cは、疎水性保護構造104を形成するためにキャッピング配位子層106上に配置されたブロック共重合体を図示する。図2Dは、疎水性保護構造104への生体親和性化合物112及びプローブ114の追加を図示する。
【0018】
上述したように、ナノ構造は、半導体、金属、金属酸化物ナノ粒子(例えば金、銀、銅、チタン、ニッケル、白金、パラジウム、前記の酸化物(例えばCr2O3、Co3O4、NiO、MnO、CoFe2O4及びMnFeO4)及び前記の合金)、准金属、准金属酸化物ナノ粒子、ランタニド系列金属ナノ粒子及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない多数のタイプのナノ種を含み得る。具体的には、半導体量子ドットは以下並びに米国特許第6,468,808号及び国際特許出願WO03/003015においてより詳細に説明され、これらは参考文献として本明細書に包含される。さらにその上、磁気ナノ粒子(例えば磁気及び常磁性特性を有するもの)は、鉄ナノ粒子及び鉄合成物ナノ粒子(例えばFe2O3、Fe3O4、FePt、FeCo、FeAl、FeCoAl、CoFe2O4及びMnFeO4)を含み得るが、これに限られない。
【0019】
上記に示したように、ナノ構造は蛍光半導体量子ドットのような、しかしこれに限られない量子ドットを含み得る。一般に、量子ドットは核及びキャップを含むが、キャップを有しない量子ドットもまた使用され得る。「核」は、ナノメートルサイズの半導体である。IIA−VIA、IIIA−VA又はIVA−IVA、IVA−VIA半導体の任意の核が本発明の状況において使用され得るが、核はキャップと組み合わされると、蛍光量子ドットを生じるようなものでなくてはならない。IIA−VIA半導体は、周期表のIIB族からの少なくとも一つの元素とVIA族からの少なくとも一つの元素を含む化合物であり、その他も同様である。核は、二以上の元素を含み得る。一つの実施形態において、核は約1nmから約20nmの範囲のサイズであるIIA−VIA、IIIA−VA又はIVA−IVA半導体である。別の実施形態において、核はより好適にはIIA−VIA半導体であって約2nmから約10nmの範囲のサイズである。例えば、核はCdS、CdSe、CdTe、ZnSe、ZnS、PbS,PbSe又は合金であり得る。
【0020】
「キャップ」は、核の半導体とは異なる半導体であり、核に縛られ、これにより核上に表面層を形成する。キャップは、所与の半導体核と組み合わされると、蛍光量子ドットを生じさせるようなものであり得る。キャップは核より高いバンドギャップを有することにより、核を不動態化すべきである。一つの実施形態において、キャップは高いバンドギャップのIIA−VIA半導体である。例えば、キャップはZnS又はCdSであり得る。核及びキャップの組み合わせは、核がCdSe又はCdSのときにキャップがZnSである場合、及び核がCdSeのときにキャップがCdSである場合を含み得るが、これらに限られない。他の例示的な量子ドットは、CdS、ZnSe、CdSe、CdTe、CdSexTe1−x、InAs、InP、PbTe、PbSe、PbS、HgS、HgSe、HgTe、CdHgTe及びGaAsを含むが、これらに限られない。
【0021】
量子ドットにより発光される波長(すなわち色)は、ナノ結晶のサイズ及び材料のような当該量子ドットの物理的特性に従って選択され得る。量子ドットは、約300ナノメートル(nm)から1700nm(例えば紫外線、近赤外線及び赤外線)までの光を発光すると知られている。量子ドットの色は、赤、青、緑及び前記の組み合わせを含むが、これらに限られない。色又は蛍光発光波長は、連続的に調整され得る。量子ドットにより発光される光の波長帯域は、核及びキャップを構成する物質に依存して、核のサイズ、又は核とキャップのサイズのいずれかにより決定される。発光波長帯域は、QDの組成及びサイズを変化させることにより、並びに/又は同心円の殻の形状により核の周囲の一以上のキャップを加えることにより調整され得る。
【0022】
量子ドットの色の強度は調整され得る。各色について、10個の強度レベル(0,1,2,...9)の使用は、レベル「0」が背景から区別され得ないため、9つの固有のコード(101−1)を与える。コードの数は、使用される各強度及び各色について指数関数的に増加する。例えば、3つの色と10個の強度方式は999(103−1)個のコードを生み出し、6つの色と10個の強度方式は理論上約100万(106−1)個のコード生成能力を有する。一般に、m個の色を有するn個の強度レベルは(nm−1)個の固有のコードを生成する。量子ドットの強度の使用は、複数の異なるタイプの量子ドットを含むナノ構造における用途を有し、多孔性材料に含まれる異なる強度レベルを有する複数の異なるタイプの量子ドットにおける用途をも有する。量子ドットは、例えば(広い又は狭い帯域幅の)電磁気放射源からのエネルギーを吸収することが可能であり、励起されたときに狭い波長において検出可能な電磁気放射を放つことが可能である。量子ドットは、約40nm以下の狭い波長帯域(FWHM、最大の半分における完全幅)内において放射を放つことができ、これによりスペクトル重複がほとんど又は全くなく複数の異なる色が付けられた量子ドットの使用を可能にする。
【0023】
量子ドットの合成は良く知られており、米国特許第5,906,670号、第5,888,885号、第5,229,320号、第5,482,890号、第6,468,808号、第6,306,736号、第6,225,198号等、国際特許出願WO03/003015(前記の全ては参照により本明細書に包含される)及び多くの研究論文において説明されている。量子ドットにより発光される波長並びに他の物理的及び化学的特性は、米国特許第6,468,808号及び国際特許出願WO03/003015において説明されており、いかなる詳細についてもさらに説明されない。加えて、量子ドットの準備の方法は、米国特許第6,468,808号及び国際特許出願WO03/003015において説明されており、いかなる詳細についてもさらに説明されない。
【0024】
上述したように、疎水性保護構造は、キャッピング配位子及び/又はブロック共重合体を含む。具体的には、ナノ種が量子ドットであるとき疎水性保護層はキャッピング配位子とブロック共重合体を含み、疎水性保護層においてキャッピング配位子とブロック共重合体は互いに相互作用することにより疎水性保護構造を形成する。このように、キャッピング配位子とブロック共重合体は適切な疎水性保護構造を形成するように選択される。例えば、ブロック共重合体とナノ種は、ナノ種の表面被覆及び重合体の分子構造に依存して、疎水性相互作用、親水性相互作用、π積層等のような、しかしこれらに限られない相互作用を通じて相互に作用する。
【0025】
キャッピング配位子は、ナノ種(例えば量子ドット)をキャッピングし、ナノ種上に層を形成する。前記層は、その後ブロック共重合体と接着することにより疎水性保護構造を形成する。キャッピング配位子は、O=PR3化合物、O=PHR2化合物、O=PHR1化合物、H2NR化合物、HNR2化合物、NR3化合物、HSR化合物、SR2化合物及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない化合物を含み得る。「R」は、直鎖炭化水素、分枝炭化水素、環状炭化水素、置換炭化水素(例えばハロゲン化)、飽和炭化水素、不飽和炭化水素及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られないC1〜C18の炭化水素であり得る。好適には、前記炭化水素はC4〜C18の飽和直鎖炭化水素、C6〜C18の飽和直鎖炭化水素、及びC18の飽和直鎖炭化水素である。R基の組み合わせは、P、N又はSに付加され得る。具体的には、化学物質はトリオクチルホスフェンオキシド、ステアリン酸及びオクチルデシルアミンから選択され得る。
【0026】
上述したように、前記共重合体は、制限されないが、両親媒性ブロック共重合体、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体及びこれらの組み合わせを含む。両親媒性ランダム共重合体は、ランダム共重合体ポリ(メチルアクリレート‐コ(co)‐アクリル酸)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐n‐ブチルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐ヒドロキシプロピルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐p‐カルボキシルクロロスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ヒドロキシスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ビニル安息香酸)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ビニルピリジン)、(及びこれらの組み合わせに制限されないが含み得る。両親媒性交互共重合体は、ポリ(無水マレイン酸‐alt‐1‐オクタデセン)、ポリ(無水マレイン酸‐alt‐1‐テトラデセン)、交互共重合体ポリ(カルボtert‐ブトキシα‐メチルスチレン‐alt‐無水マレイン酸)、及び交互共重合体ポリ(カルボtert‐ブトキシノルボルネン‐alt‐無水マレイン酸)及びこれらの組み合わせに制限されないが含み得る。
【0027】
前記ブロック共重合体は、両親媒性2及び/又は3ブロック共重合体を含む。加えて、前記共重合体は、制限されないが、1‐18‐炭素脂肪族側鎖、1‐18‐炭素アルキル側鎖、及びこれらの組み合わせのような炭化水素側鎖を含み得る。さらにそのうえ、2又は3ブロック共重合体は、少なくとも一つの疎水性ブロック及び少なくとも一つの親水性ブロックを有する。
【0028】
下記の事項は、両親媒性ランダム及び交互共重合体の典型的なリストである。ランダム共重合体ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、ランダム共重合体ポリ(メチルアクリレート‐コ‐アクリル酸)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐n‐ブチルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐t‐ブチルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐ヒドロキシプロピルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(テトラヒドロフラニルメタクリレート‐コ‐エチルメタクリレート)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ブロモスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐ブタジエン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐ジフェニルエチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐t‐ブチルメタクリレート)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐t‐ブチル‐4‐ビニル安息香酸)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐p‐カルボキシルクロロスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐p‐クロロメチルスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐メチルメタクリレート)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ヒドロキシスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ビニル安息香酸)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ビニルピリジン)、交互共重合体ポリ(カルボtert‐ブトキシα‐メチルスチレン‐alt‐無水マレイン酸)、交互共重合体ポリ(カルボtert‐ブトキシノルボルネン‐alt‐無水マレイン酸)、交互共重合体ポリ(α‐メチルスチレン‐alt‐メチルメタクリレート)、及び交互共重合体ポリ(スチレン‐alt‐メチルメタクリレート)。
【0029】
両親媒性共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリアクリル酸(ポリメタクリル酸)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(アクリル酸‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐アクリル酸ナトリウム)、ポリ(アクリル酸ナトリウム‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸‐b‐ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(ネオペンチルメタクリル酸‐b‐メタクリル酸)、ポリ(t‐ブチルメタクリレート‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐ナトリウムメタクリレート)、及びポリ(メチルメタクリレート‐b‐N、N‐ジメチルアクリルアミド))、ポリジエン及び水素化ポリジエンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐メチルアクリル酸、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐アクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐エチレンオキシド)‐ヒドロキシ安息香酸エステル末端基、4‐メトキシベンジオルエステル(benzyolester)末端ポリ(ブタジエン‐b‐エチレンオキシド)2ブロック共重合体、ポリ(ブタジエン‐b‐N‐メチル4‐ビニルピリジニウムヨウ化物)、ポリ(イソプレーン‐b‐N‐メチル2‐ビニルピリジニウムヨウ化物)、ポリ(イソプレーン‐b‐エチレンオキシド)(1,4追加)、ポリ(イソプレーン‐b‐エチレンオキシド)(1,2及び3,4追加)、ポリ(プロピレン‐エチレン‐b‐エチレンオキシド)及び水素化ポリ(イソプレーン‐b‐エチレンオキシド)(1,2追加))、水素化ジエンを基礎とする共重合体(例えばポリ(エチレン‐b‐エチレンオキシド)及びポリ(イソプレーン‐b‐エチレンオキシド))、ポリ(エチレンオキシド)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(エチレンオキシド‐b‐アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐6‐(4’‐シアノビフェニル‐4‐イルオキシ)ヘキシルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(‐メチルメタクリレート‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐メタクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐2‐メチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐酸化プロピレン)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐テトラヒドロフルフリルメタクリレート)、及びポリ(エチレンオキシド‐b‐N,N‐ジメチルエチルメタクリレート)、ポリイソブチレンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(イソブチレン‐b‐エチレンオキシド))、ポリスチレンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(スチレン‐b‐アクリル酸)、ポリ(スチレン‐b‐アクリル酸ナトリウム)、ポリ(スチレン‐b‐アクリルアミド)、ポリ(p‐クロロメチルスチレン‐b‐アクリルアミド)、ポリ(スチレン‐コ‐p‐クロロメチルスチレン‐b‐アクリルアミド)、ポリ(スチレン‐コ‐p‐クロロメチルスチレン‐b‐アクリル酸)、ポリ(スチレン‐b‐セシウムアクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(4‐スチレンスルホン酸‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(スチレン‐b‐メタクリル酸)、ポリ(スチレン‐b‐ナトリウムメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐N‐メチル2‐ビニルピリジニウムヨウ化物)、及びポリ(スチレン‐b‐N‐メチル‐4‐ビニルピリジニウムヨウ化物))、ポリシロキサンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐アクリル酸))、ポリ(2‐ビニルナフタレン)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐アクリル酸))、ポリ(ビニルピリジン及びN‐メチルビニルピリジニウムヨウ化物)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(N‐メチル2‐ビニルピリジニウムヨウ化物‐b‐エチレンオキシド)、及びポリ(N‐メチル4‐ビニルピリジニウムヨウ化物‐b‐メチルメタクリレート))。
【0030】
両親媒性2ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリアクリレート(ポリメタクリレート)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(n‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(n‐ブチルアクリレート‐b‐ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリ(2‐エチルヘキシルアクリレート‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリ(t‐ブチルメタクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン)、ポリ(2‐ヒドロキシルエチルアクリレート‐b‐ネオペンチルアクリレート)、ポリ(2‐ヒドロキシルエチルメタクリレート‐b‐ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(2‐ヒドロキシルエチルメタクリレート‐b‐n‐ブチルメタクリレート)、ポリ(2‐ヒドロキシルエチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐アクリロニトリル)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(アイソタクチックメチルメタクリレート‐b‐シンジオタクチックメチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐トリフルロエチル(trifluroethyl)メタクリレート)、ポリ(クロロギ酸コレステリルを備えたメチルメタクリレート‐b‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐分散レッド1アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐ネオペンチルアクリレート)、及びポリ(メタクリレート‐b‐2‐ピラノキシ(pyranoxy)エチルメタクリレート))、ポリジエンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐i‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐s‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐ジメチルシロキサン)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐メチルメタクリレート)(シンジオタクチック)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリ(イソプレン(1,4追加)‐b‐メチルメタクリレート(シンジオタクチック))、ポリ(イソプレン(1,4追加))‐b‐2‐ビニルピリジン、ポリ(イソプレン(1,2追加)‐b‐4‐ビニルピリジン)、及びポリ(イソプレン(1,4追加)‐b‐4‐ビニルピリジン))、ポリイソブチレンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(イソブチレン‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチレン‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(イソブチレン‐b‐ジメチルシロキサン)、ポリ(イソブチレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(イソブチレン‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリスチレンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(スチレン‐b‐n‐ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、広い区分のポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐分散レッド1アクリレート)、ポリ(p‐クロロメチルスチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン‐b‐n‐ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐シクロへキシルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐2‐コレステリルオキシカーボンイルオキシ(cholesteryloxycarbonyloxy)エチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐エチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐n‐プロピルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,4追加))、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,2追加))、ポリ(スチレン‐b‐イソプレン(1,4追加))、ポリ(スチレン‐b‐イソプレン(1,2追加又は3,4追加))、水素化ポリ(スチレン‐b‐イソプレン(1,4追加))、テーパーブロック共重合体ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン)、テーパーブロック共重合体ポリ(スチレン‐b‐エチレン)、ポリ(スチレン‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(スチレン‐b‐1‐ラクチド)、トリメチルシラン末端基、ポリ(スチレン‐b‐ジメチルシロキサン)、シラノール末端基、ポリ(スチレン‐b‐メチルフェニルシロキサン)、ポリ(スチレン‐b‐フェロセンジメチルシラン)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルスチレン)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブトキシスチレン)、ポリ(スチレン‐b‐4‐ヒドロキシルスチレン)、ポリ(4‐アミノベンジル‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン)、ポリ(スチレン‐b‐4‐ビニルピリジン)、及びポリ(α‐メチルスチレン‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリ(ビニルナフタレン)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐n‐ブチルアクリレート)、ポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐メチルメタクリレート)、及びポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐ジメチルシロキサン))、ポリ(ビニルピリジン)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐メチルメタクリレート)、及びポリ(4‐ビニルピリジン‐b‐メチルメタクリレート))、ポリ(酸化プロピレン‐b‐ε‐カプロラクトン)(例えば、ポリ(酸化プロピレン‐b‐ε‐カプロラクトン))、ポリシロキサンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐n‐ブチルアクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐6‐(4’‐シアノビフェニル‐4‐イルオキシ)へキシルメタクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐1‐エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐ヒドロキシエチルアクリレート)、及びポリ(ジメチルシロキサン‐b‐メチルメタクリレート))、無水アジピン(adipic)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(エチレンオキシド‐b‐無水アジピン)、ポリ(プロピレンオキシド‐b‐無水アジピン)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐無水アジピン)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐無水アジピン)、及びポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐無水アジピン))。
【0031】
両親媒性a‐b‐a3ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリ(アクリレート(メタクリレート))を基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(n‐ブチルアクリレート‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐n‐ブチルアクリレート)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(アクリル酸‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐アクリル酸)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐ブタジエン(1,4追加)‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐n‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルメタクリレート酸‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐メタクリル酸‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐ジメチルシロキサン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐スチレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(トリメチルアモニウム(trimethylamonium)ヨウ化物エチルメタクリレート‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐トリメチルアモニウム(trimethylamonium)ヨウ化物エチルメタクリレート)、ポリ(N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート‐b‐9,9‐di‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)、及びポリ(N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート‐b‐酸化プロピレン‐b‐N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート))、ポリブタジエンを基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐スチレン‐b‐ブタジエン(1,4追加)))、ポリ(オキシラン)を基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(エチレンオキシド‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐酸化プロピレン‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐スチレン‐b‐エチレンオキシド)、及びポリ(酸化プロピレン‐b‐ジメチルシロキサン‐b‐酸化プロピレン))、ポリラクトン及びポリラクチド2ブロック共重合体(例えば、ポリ(ラクチド‐b‐エチレンオキシド‐b‐ラクチド)、ポリ(カプロラクトン‐b‐エチレンオキシド‐b‐カプロラクトン)、及びアルファ、−ωジアクリルオニル(diacrylonyl)末端ポリ(ラクチド‐b‐エチレンオキシド‐b‐ラクチド))、ポリオキサゾリンを基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(2‐メチルオキサゾリン‐b‐ジメチルシロキサン‐b‐2‐メチルオキサゾリン)))、ポリスチレンを基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(スチレン‐b‐アクリル酸‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,4追加‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,2追加‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐ブチレン‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐n‐ブチルアクリレート‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐9,9‐di‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐エチルアクリレート‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐イソプレーン‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐エチレンオキシド‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐4‐ビニルピリジン‐b‐スチレン)、及びポリ(スチレン‐b‐ジメチルシロキサン‐b‐スチレン))、ポリ(ビニルピリジン)を基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐ブタジエン(1,2追加)‐b‐2‐ビニルピリジン)、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン)、及びポリ(4‐ビニルピリジン‐b‐スチレン‐b‐4‐ビニルピリジン)。
【0032】
両親媒性a‐b‐c3ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン‐b‐メチルメタクリレート)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン‐b‐メチルメタクリレート))、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン‐b‐2‐ビニルピリジン)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン‐b‐2‐ビニルピリジン))、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート))、ポリ(スチレン‐b‐イソプレン‐b‐グリシジルメタクリレート)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐イソプレン‐b‐グリシジルメタクリレート))、ポリ(スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン‐b‐エチレンオキシド)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン‐b‐エチレンオキシド))、ポリ(スチレン‐b‐アントラセンメチルメタクリレート‐b‐メチルメタクリレート)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐アントラセンメチルメタクリレート‐b‐メチルメタクリレート))、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン))、及びポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルメタクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルメタクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン))。
【0033】
両親媒性官能基化(funtionalized)2ブロック及び3ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。アミノ末端ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐ジフェニルシロキサン)、アミノ末端ポリ(スチレン‐b‐イソプレン)、アミノ末端ポリ(エチレンオキシド‐b‐ラクトン)、ヒドロキシ末端ポリ(スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン)、ヒドロキシ末端ポリスチレン‐b‐ポリ(メチルメタクリレート)、α‐ヒドロキシ末端ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,2‐追加)、4‐メトキシベンジオルエステル(benzyolester)末端ポリ(ブタジエン‐b‐エチレンオキシド)2ブロック共重合体、コハク酸末端ポリ(ブタジエン‐b‐エチレンオキシド)2ブロック共重合体、α,ω‐ジスクシンイミジル(disuccinimidyl)コハク酸エステル末端ポリ(エチレンオキシド酸化プロピレンエチレンオキシド)、ポリの接合点におけるキャビノル(cabinol)(スチレン‐b‐イソプレン(1,4追加))、及びポリの接合点におけるシラン(スチレン‐b‐2ビニルピリジン)。
【0034】
加えて、両親媒性ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリ(1‐ビニルピロリドン‐コ‐ビニルアセテート)、ポリ(エチレン‐コ‐プロピレン‐コ‐5‐メチレン‐2‐ノルボルネン)、ポリ(スチレン‐コ‐アクリロニトリル)、ポリ(2‐ビニルピリジン‐コ‐スチレン)、ポリ(エチレン‐コ‐メタクリル酸)ナトリウム塩、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン‐コ‐スチレン)、ポリ(ビニルクロライド‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐マレイン酸)、ポリ(エチレン‐コ‐ビニルアセテート)、ポリ(エチレン‐コ‐エチルアクリレート)、ポリ(4‐ビニルピリジン‐コ‐スチレン)、ポリ(ビニルブチラール‐コ‐ビニルアルコール‐コ‐ビニルアセテート)、ポリ(メチルメタクリレートCO‐メタクリル酸)、ポリ‐(ビニルクロライド‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐ヒドロキシプロピルアクリレート)、Luviquat(登録商標)HM552、ポリ(ビニルクロライド‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐ビニルアルコール)、ポリ(スチレン‐コ‐ジビニルベンゼン)、ポリ(DL‐ラクチド‐コ‐グリコリド)、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐メチルアクリレート)、ポリ[(ビニルクロライド‐コ‐(1‐メチル‐4‐ビニルピペラジン)]、ポリ(2‐イソプロペニル‐2‐オキサゾリン‐コ‐メチルメタクリレート)、エトキシル化したα,ω‐ジオールのポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐メタクリロニトリル)、ポリ(エチレン‐コ‐1‐ブテン)、ポリ(フッ化ビニリデンCO‐ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン‐コ‐1‐オクテン)、ポリ(エチレン‐コ‐メチルアクリレート)、アミン末端ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン)、ポリ(ペルフルオロプロピレンオキシド‐コ‐ペルフルオロホルムアルデヒド)、ポリ(ブチルメタクリレート‐コ‐イソブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)、クメン末端部分的イソオクチルエステル、ジカルボキシ末端ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン‐コ‐アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール‐コ‐エチレン)、ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐メチルフェニルシロキサン)、ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)、ポリ(ビスフェノールA‐コ‐エピクロルヒドリン)、ポリ(スチレン‐コ‐ブタジエン)、ポリ[(R)‐3‐ヒドロキシ酪酸‐コ‐(R)‐3‐ヒドロキシバレリアン酸]、ポリ(ビニルアルコール‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐イタコン酸)、水素化ポリ(メチルスチレン‐コ‐インデン)、ポリ(4‐ビニルフェノール‐コ‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、クメン末端ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)、ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐エチレングリコールジメタクリレート)、ポリ(エチレン‐コ‐プロピレン)、部分的イソブチル/メチル混合エステルポリ(スチレン‐コ‐マレイン酸)、グリシジル末端をキャッピングされたポリ(ビスフェノールA‐コ‐エピクロルヒドリン)、ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐メタクリル酸)、ポリ(2‐アクリルアミド‐2‐メチル‐1‐プロパンスルホン酸‐コ‐アクリロニトリル)、ポリ(プロピレン‐コ‐テトラフルオロエチレン)、ポリ(ブチルメタクリレート‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐アルキルメチルシロキサン)、ポリ(アクリル酸‐コ‐アクリルアミド)カリウム塩、ポリ(オキシメチレン‐コ‐1,3‐ジオキセパン(dioxepane))、ポリ(クロロトリフルオロエチレン‐コ‐フッ化ビニルデン)、アクリレーテッド(acrelated)溶液ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ(ペンタフルオロスチレン‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(2,2,3,4,4,4‐ヘキサフルオロブチルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロピルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[(プロピルメタクリルヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐(n‐ブチルメタクリレート)]、アミド酸溶液ポリ(ピロメリト酸二無水物‐コ‐4,4´‐オキシジアニリン)、ポリ(tert‐ブチルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[(プロピルメタクリルヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐ヒドロキシエチルメタクリレート]、ポリ[(m‐フェニレンビニレン)‐コ‐(2,5‐ジオクトキシ(dioctoxy)‐p‐フェニレンビニレン)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(9‐アントラセニルメチル(anthracenylmethyl)メタクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(2‐ナフチルアクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(7‐(4‐トリフルオロメチル)クマリンメタクリルアミド)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(9‐アントラセニルメチル(anthracenylmethyl)アクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(9H‐カルバゾール‐9‐エチルメタクリレート)]、ポリ[(プロピルメタクリル‐ヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐(メチルメタクリレート)]、ポリ[(イソブチレン‐alt‐マレイン酸)、アンモニウム塩)‐コ‐(イソブチレン‐alt‐無水マレイン酸)]、ポリ(エチレンカルボニル‐コ‐プロピレンカルボニル)、ポリ[4,5‐ジフルオロ‐2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐1,3‐ジオキソル(dioxole)‐コ‐テトラフルオロエチレン]、トリメチルシリル末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、トリメチルシリル末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐メチルヒドロシロキサン)、ジビニル末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、ポリ(スチレン‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐コ‐α‐メチルスチレン)、ポリ(1,4‐シクロヘキサンジメチレンテレフタラート‐コ‐エチレンテレフタラート)、Amberjet(登録商標)4200、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレングリコール)[3‐(トリメチルアンモニオ)プロピルクロリド]エーテル溶液、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレン/プロピレングリコール)、ポリ(エチレン‐コ‐ブチルアクリレート)、ポリ(エチレン‐コ‐エチルアクリレート‐コ‐無水マレイン酸)、ポリ(エチルメタクリレート‐コ‐メチルアクリレート)、ポリ(エチレン‐コ‐1‐ブテン‐コ‐1‐ヘキセン)、イソブチル化溶液ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ[ビスフェノールA炭酸塩‐コ‐4,4’‐(3,3,5‐トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール炭酸塩]、ポリ(アクリルアミド‐コ‐アクリル酸)、部分的sec−ブチル/メチル混合エステルポリ(スチレン‐コ‐マレイン酸)、ポリ(4‐ヒドロキシ安息香酸‐コ‐6‐ヒドロキシ‐2‐ナフトエ酸)、ポリ[ブチレンテレフタラート‐コ‐ポリ(アルキレングリコール)テレフタラート]、ポリ(エチレン‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐マレイン酸)、メチル化ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、ジカルボキシ末端ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン)、ポリ(ビニルクロリド‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐2‐ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)α、ω‐ジオール、ブチル化溶液ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)‐コ‐ホルムアルデヒド]、ポリ(アクリルアミド‐コ‐ジアリルジメチル塩化アンモニウム)溶液、ポリ(テトラフルオロエチレン‐コ‐ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル))、ポリ(4‐ビニルピリジン‐コ‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ダイマー酸‐コ‐アルキルポリアミン)、ポリ(1‐ビニルピロリドン‐コ‐2‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)四級化溶液、ポリ(メチルメタクリラート‐コ‐エチルアクリレート)、Luviquat(登録商標)550、ポリ(ビニルトルエン‐コ‐α‐メチルスチレン)、ポリ(エピクロルヒドリン‐コ‐エチレンオキシド‐コ‐アリルグリシジルエーテル)、ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐メチルヒドロシロキサン)、ポリブタジエン‐グラフト‐ポリ(メチルアクリレート‐コ‐アクリロニトリル)、ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)部分的2‐ブトキシエチルエステルクメン末端、ポリ(ジメチルアミン‐コ‐エピクロルヒドリン)溶液、ポリ(エチレン‐コ‐アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド‐コ‐アクリル酸)部分的ナトリウム塩、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)モノアルキルアミド、ポリ(1‐ビニルピロリドン‐コ‐2‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)溶液、ポリ(アクリル酸‐コ‐マレイン酸)ナトリウム塩、ポリ(エチレン‐コ‐アクリル酸、亜鉛塩)、ポリ(エチレン‐コ‐テトラフルオロエチレン)、ポリ(2,2,2‐トリフルオロエチルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(ペンタブロモフェニル(pentabromophenyl)アクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(2,2,3,3,4,4,4‐ヘプタフルオロブチルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(分散イエロー7メタクリレート)]、ポリ(2,2,3,3‐テトラフルオロプロピルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(ペンタブロモフェニル(pentabromophenyl)メタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(分散オレンジ3メタクリルアミド)]、ポリ[((S)‐()‐1‐(4‐ニトロフェニル)‐2‐ピロリジンメチル)アクリレート‐コ‐メチルメタクリレート]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(分散レッド13メタクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(分散レッド13アクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(N‐(1‐ナフチル)‐N‐フェニルアクリルアミド)]、ポリ[(プロピルメタクリル‐ヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐スチレン]、ポリ(ピロメリト酸二無水物‐コ‐チオニン(thionin))、重合体に結合したポリ(エチレングリコール)‐コ‐4‐ベンジルオキシベンジルアルコール、ポリ[(イソブチレン‐alt‐マレイミド)‐コ‐(イソブチレン‐alt‐無水マレイン酸)]、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐(3‐アミノプロピル)メチルシロキサン]、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐[3‐(2‐(2‐ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピル)メチルシロキサン]、ポリ(ビニリデンクロリド‐コ‐アクリロニトリル‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(エチレン‐コ‐1,2‐ブチレン)ジオール、ポリ(DL‐ラクチド‐コ‐カプロラクトン)(40:60)、ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐ブチルメタクリレート)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)α,ω‐ジオールビス(2,3‐ジヒドロキシプロピルエーテル)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐(2‐(3,4‐エポキシシクロへキシル)エチル)メチルシロキサン]、ポリ(ビニルクロリド‐コ‐イソブチルビニルエーテル)、ポリ(インデン‐コ‐クマロン)、ポリ(スチレン‐コ‐4‐ブロモスチレン‐コ‐ジビニルベンゼン)、ポリ(エチレン‐コ‐ブチルアクリレート‐コ‐一酸化炭素)、ポリ(ビニルアセテート‐コ‐ブチルマレイン酸エステル‐コ‐イソボルニルアクリレート)溶液、ポリ(3,3’,4,4’‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物‐コ‐4,4’‐オキシジアニリン/1,3‐フェニレンジアミン)アミド酸(溶液)、ポリ(テトラ
フルオロエチレン‐コ‐フッ化ビニリデン‐コ‐プロピレン)、ポリ(エチレン‐コ‐メタクリル酸)リチウム塩、ポリ(スチレン‐コ‐ブタジエン‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンクロリド‐コ‐ビニルクロリド)、ポリ(スチレン‐コ‐マレイン酸)部分的イソブチルエステル、ポリ[4,4’‐メチレンビス(フェニルイソシアネート)‐alt‐1,4‐ブタンジオール/ポリ(エチレングリコール‐コ‐プロピレングリコール/ポリカプロラクトン]、ポリ(エチレン‐コ‐メタクリル酸)、ポリ(イソブチレン‐コ‐マレイン酸)ナトリウム塩、ポリ(エチレン‐コ‐メタクリル酸)亜鉛塩、ポリ(4‐スチレンスルホン酸‐コ‐マレイン酸)ナトリウム塩、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン‐コ‐アクリル酸)グリシジルメタクリレートジエステル、ポリ(尿素‐コ‐ホルムアルデヒド)ブチル化溶液、ポリ(エチレン‐コ‐メチルアクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)‐コ‐ジシクロペンタジエン]、ポリ[(o‐クレシルグリシジルエーテル)‐コ‐ホルムアルデヒド]、メチル化ポリ(尿素‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ(アクリル酸‐コ‐マレイン酸)溶液、ポリ(3‐ヒドロキシ酪酸‐コ‐3‐ヒドロキシバレリアン酸)、ポリ(p‐トルエンスルホンアミド‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ(スチレン‐コ‐アリルアルコール)、ポリ(2‐アクリルアミド‐2‐メチル‐1‐プロパンスルホン酸‐コ‐スチレン)、ポリ(アクリルニトリル‐コ‐ブタジエン)、ポリ(4‐ビニルフェノール‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレン‐ran‐プロピレングリコール)メチルエーテル、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)モノアミドシラン、ポリ(ジメチルアミン‐コ‐エピクロルヒドリン‐コ‐エチレンジアミン)溶液、ポリ(エチレン‐コ‐ブチルアクリレート‐コ‐無水マレイン酸)、ポリ(無水トリメリット酸クロリド‐コ‐4,4’‐メチレンジアニリン)、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(分散オレンジ3アクリルアミド)]、ポリ[((S)‐()‐1‐(4‐ニトロフェニル)‐2‐ピロリジンメチル)メタクリレート‐コ‐メチルメタクリレート]、ポリ[(プロピルメタクリル‐ヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐(t‐ブチルメタクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(2‐ナフチルメタクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(フルオレセインO‐アクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(フルオレセインO‐メタクリレート)]、ポリ{[2‐2’,5’‐ビス(2’’‐エチルへキシルオキシ)フェニル]‐1,4‐フェニレンビニレン]‐コ‐[2‐メトキシ‐5‐(2’‐エチルへキシルオキシ)‐1,4‐フェニレンビニレン]}、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(分散レッド1アクリレート)]、ポリ(4‐ヒドロキシ安息香酸‐コ‐エチレンテレフタラート)、ポリ(ビニリデンクロリド‐コ‐アクリロニトリル)、ジヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、1,6‐ジイソシアナートヘキサンとともに拡張されたポリ(1,4アジピン酸ブチレン‐コ‐1,4‐コハク酸ブチレン)、ポリ(ジシクロペンタジエン‐コ‐p‐クレゾール)、ポリ[エチルアクリレート‐コ‐メタクリル酸‐コ‐3‐(1‐イソシアナート‐1‐メチルエチル)‐α‐メチルスチレン]エトキシレート化ノニルフェノール溶液付加化合物、ポリ(エピクロルヒドリン‐コ‐エチレンオキシド)、ポリ(ビスフェノールA‐コ‐4‐無水ニトロフタル酸‐コ‐1,3‐フェニレンジアミン)、ポリ(エチレン‐コ‐メチルアクリレート‐コ‐アクリル酸)、ポリ(プロピレン‐コ‐1‐ブテン)、ナイロン6/66、ポリ(エチレン‐コ‐アクリル酸)ナトリウム塩、ポリ(エチレン‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐一酸化炭素)、ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、メチル化/ブチル化(55/45)、ポリ(マレイン酸‐コ‐オレフィン)ナトリウム塩溶液、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)α,ω‐ジイソシアネート、ポリ(ラウリルメタクリレート‐コ‐エチレングリコールジメタクリレート)、ポリ[(フェニルイソシアネート)‐コ‐ホルムアルデヒド]、ポリ[2,6‐ビス(ヒドロキシメチル)‐4‐メチルフェノール‐コ‐4‐ヒドロキシ安息香酸)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)α,ω‐ジカルボキシル酸、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(分散イエロー7アクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(9H‐カルバゾール‐9‐エチルアクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(N‐(1‐ナフチル)‐N‐フェニルメタクリルアミド)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(分散レッド1メタクリレート)]、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐カプロラクトン‐コ‐グリコリド)、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(7‐(4‐トリフルオロメチル)クマリンアクリルアミド)]、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3,3,3‐トリフルオロプロピル)シロキサン]、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(ステアリン酸イルオキシアルキル)シロキサン]、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)アルコール、エトキシ化フォスフェイト、ポリ(エチレン‐コ‐1,2‐ブチレン)モノ‐オル(mono-ol)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐テトラキス(1,2‐ブチレングリコール)、ポリ(1,4‐アジピン酸ブチレン‐コ‐ポリカプロラクタム)、ポリ(ビニルアセテート‐コ‐クロトン酸)、ポリ(tertブチルアクリレート‐コ‐エチルアクリレート‐コ‐メタクリル酸)、ポリ(1‐ビニルピロリドン‐コ‐スチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)‐α,ω‐ビス(メチルカルボキシレート)、ポリ(ビニリデンクロリド‐コ‐メチルアクリレート)、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ビニリデンクロリド‐コ‐メチルメタクリレート)、クメン末端ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)部分的シクロへキシル/イソプロピルエステル、ポリ(4‐エチルスチレン‐コ‐ジビニルベンゼン)、ビス(ペルフルオロドデシル)末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ダイマー酸)、部分的プロピルエステルクメン末端ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)、水素化ポリ(ダイマー酸‐コ‐エチレングリコール)、ポリ(エチレン‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレングリコール)3‐アミノプロピルエーテル、水素化ポリ(ダイマー酸‐コ‐1,6‐ヘキサンジオール‐コ‐アジピン酸)、ポリ(3,3’,4,4’‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物‐コ‐1,4‐フェニレンジアミン)、及びアミド酸溶液、及びポリ[N,N’‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニル)‐1,6‐ヘキサンジアミン‐コ‐2,4‐ジクロロ‐6‐モルホリノ‐1,3,5‐トリアジン]。
【0035】
特に、前記ブロック共重合体は、例えばポリ‐ブチルアクリレート部分、ポリ‐エチルアクリレート部分、及びポリ‐メタクリル酸部分を有するABC3ブロック構造を含み得る。ブロック共重合体は、2又はそれ以上の異なるポリ‐脂肪族‐アクリレート部分を有する2ブロック及び/又は3ブロック共重合体を含み得る。加えて、前記ブロック共重合体は、2またはそれ以上のポリ‐アルキル‐アクリレート部分を有する2ブロック及び/又は3ブロック共重合体を含み得る。
【0036】
加えて、ブロック共重合体は、合成洗剤及び/又は脂質で使用され得るか又はいくつかの具体例に置き換えられ得る。例えば、合成洗剤は、制限されないが、AOT、brij族、lgepal族、triton族、SDS、及びそれらの派生物を含み得る。具体的には、洗剤は、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩、ポリエチレングリコールドデシルエーテル、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェニルポリエチレングリコール、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールtert−オクチルフェニルエーテル、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニルポリエチレングリコール、ドデシル硫酸ナトリウム塩、及びグリコール酸エトキシレートオクチルエーテルを含み得る。さらに、ブロック共重合体は脂質、脂質ポリエチレングリコール、天然脂質、合成脂質、スフィンゴ脂質及びこれらの誘導体を含み得る。
【0037】
ナノ構造は、プローブ分子に付加され得る。プローブ分子は、リンカーを介して直接的又は間接的にナノ構造に結び付けられることが可能である任意の分子であり得る。プローブ分子は、ナノ構造への任意の安定した物理的又は化学的結合により、任意の適切な手段により直接的又は間接的に付加され得る。
【0038】
一つの実施形態において、プローブ分子は検出(例えばその存在及び/又は容器(身体)内の近接する位置を決定すること)が所望される一以上の標的分子(例えば癌細胞)についての親和力を有する。例えば、標的分子が核酸配列である場合、標的とプローブの混成が起こるように、プローブ分子は標的分子配列に実質的に補完的になるように選択されるべきである。「実質的に補完的」の語は、選択された反応条件下において混成するために、プローブ分子が目標配列に対して十分に補完的であることを意味する。
【0039】
プローブ分子と標的分子は、ポリペプチド(例えば抗体(単クローン性又は多クローン性)のような、しかしこれに限られない蛋白質)、核酸(単量体及びオリゴメリックの両方)、多糖類、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、薬剤(例えば小分子薬剤)、配位子又は前記の組み合わせを含み得るが、これらに限られない。
【0040】
「ポリペプチド」又は「蛋白質」の語句の使用により、自然界から単離されたもの、ウィルス性、細菌性、植物若しくは動物(例えば人間のような哺乳類)由来のもの、又は合成物及び前記の断片を問わず、蛋白質、糖蛋白質、ポリペプチド、ペプチド等を包含することが意図される。好適な蛋白質又はその断片は、抗原、抗原のエピトープ、抗体、又は抗体の抗原的反応断片を含むが、これらに限られない。
【0041】
「核酸」の語句の使用により、自然界から単離されたもの、ウィルス性、細菌性、植物若しくは動物(例えば人間のような哺乳類)由来のもの、合成物、一本鎖、二本鎖、自然的若しくは非自然的に発生したヌクレオチドを含むもの、又は化学的に変更されたものを問わず、DNA及びRNAを包含することが意図される。
【0042】
加えて、プローブは、標的分子及び/又は関連する疾病並びに関心のある状態を治療するために使用され得る薬剤、治療薬、放射線剤、小分子薬剤及び前記の組み合わせを含み得るが、これらに限られない。薬剤、治療薬及び放射線剤は、治療されるべき状態及び/又は疾病と共に意図された治療に基づいて選択され得る。実施形態において、ナノ構造は状態及び/又は疾病を治療するために使用される二以上のプローブを含み得る。
【0043】
以下は、使用され得るプローブの非制限的な例示的リストである。Proleukin(商標)、 Campath (商標)、 Panretin(商標)、Zyloprim(商標)、Hexalen(商標)、Ethyol(商標)、Arimidex(商標)、Trisenox(商標)、Elspar(商標)、TICE BCG(商標)、Targretin(商標)、Blenoxane(商標)、Busulfex(商標)、Myleran(商標)、Methosarb(商標)、Xeloda(商標)、Paraplatin(商標)、BCNU、BiCNU(商標)、Gliadel Wafer(商標)、Celebrex(商標)、Leukeran(商標)、Platinol(商標)、Leustatin-2-CdA(商標)、Cytoxan、Neosar(商標)、Cytoxan Injection(商標)、Cytoxan Tablet(商標)、Cytosar-U(商標)、DepoCyt(商標)、DTIC-Dome(商標)、Cosmegen(商標)、Aranesp(商標)、DanuoXome(商標)、Daunorubicin(商標)、Cerubidine(商標)、Ontak(商標)、Zinecard(商標)、Taxotere(商標)、Adriamycin、Rubex(商標)、Adriamycin PFS Injectionintravenous Injection(商標)、Doxil(商標)、Dromostanolone(商標)、Masterone(商標)、Elliott's B Solution(商標)、Ellence(商標)、epogen(商標)、Emcyt(商標)、Etopophos(商標)、Vepesid(商標)、Aromasin(商標)、Neupogen(商標)、FUDR(商標)、Fludara(商標)、Adrucil(商標)、Faslodex(商標)、Gemzar(商標)、Mylotarg(商標)、Zoladex Implant(商標)、Zoladrex(商標)、Hydrea(商標)、Zevalin(商標)、Idamycin(商標)、IFEX(商標)、Gleevec(商標)、Roferon-A(商標)、Intron A(商標)、Camptosar(商標)、Femara(商標)、Wellcovorin、Leucovorin(商標)、Leucovorin(商標)、Ergamisol(商標)、CeeBU(商標)、Mustargen(商標)、Megace(商標)、Alkeran(商標)、Purinethol(商標)、Mesnex(商標)、Methotrexate(商標)、Uvadex(商標)、Mutamycin(商標)、Mitozytrex(商標)、Lysodren(商標)、Novatrone(商標)、Durabolin-50(商標)、Verluma(商標)、Neumega(商標)、Eloxatin(商標)、Paxene(商標)、Taxol(商標)、Aredia(商標)、Adagen (Pegademase Bovine)(商標)、Oncaspar(商標)、Neulasta(商標)、Nipent(商標)、Vercyte(商標)、Mithracin(商標)、Photofrin(商標)、Matulane(商標)、Atabrine(商標)、Elitek(商標)、Rituxan(商標)、Prokine(商標)、Zanosar(商標)、Sclerosol(商標)、Nolvadex(商標)、Temodar(商標)、Vumon(商標)、Teslac(商標)、Thioguanine(商標)、Thioplex(商標)、Hycamtin(商標)、Fareston(商標)、Bexxar(商標)、Herceptin(商標)、Vesanoid(商標)、Uracil Mustard Capsules(商標)、Valstar(商標)、Velban(商標)、Oncovin(商標)、Navalbine(商標)及びZometa(商標)。
【0044】
ある実施形態において、ナノ構造は少なくとも二つの異なるタイプのプローブを含み得る。一つはある状態及び/又は疾病に関連した特定の細胞又は化合物を標的化する標的化プローブであり、一方第二のプローブは当該疾病を治療するために使用される薬剤である。この方法において、ナノ構造は検出成分、関心のある細胞への伝達成分、及び治療薬のための伝達成分として作用する。ナノ種の検出は、意図された目標へのナノ構造の伝達と共に、目標に伝達されるナノ構造の量を確実にするために使用され得る。
【0045】
本発明は、ナノ構造を製造する方法を提供する。Current Opinion in Biotechnology 2002年13号40〜46頁、Nature Biotechnology 2004年22号969〜976頁参照。前記の両方は、参考文献として本明細書に組み込まれる。例示的な方法は、下記実施例1において説明される。
【0046】
本発明は、試料又は被検体(例えば哺乳類、ヒト、ネコ、イヌ、ウマ等)内において一以上の標的分子を検出する方法を提供し、具体的には、標的分子を生体内において検出する。例えば、実施例1においてより詳細に説明されるように、ナノ構造はナノ構造を使用して動物内の腫瘍の存在を検出するために使用され得る。
【0047】
ナノ種及びブロック共重合体は、疎水性相互作用、親水性相互作用、電荷交互作用(charge-charge interaction)、πスタッキング相互作用及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない相互作用を介して、二次元又は三次元のマイクロ構造に自己組織化し得ることに留意されるべきである。自己組織化は溶液若しくは乳濁液において、又は基板上において実行され得る。マイクロ構造は、順序立った構造又はランダムな構造であり得る。マイクロ構造は、少なくとも一つのナノ粒子と一つのブロック共重合体から構成され、又は多数のナノ種及び多数のブロック共重合体から構成される。
【0048】
予備成形されたマイクロ構造は、一以上のタイプのナノ構造によりドーピングされ得ることにも留意されるべきである。具体的には、ブロック共重合体により準備された予備成形されたマイクロ構造(例えば多数の形状(例えば球状)のうちの一つの多孔性マイクロ構造)は、ナノ構造の表面コーティングとブロック共重合体の化学的組成に依存して、疎水性相互作用、親水性相互作用、電荷交互作用及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない相互作用を介して、ナノ構造によりドーピングされ得る。
【0049】
上述したように、ナノ構造は治療の一部(例えば薬剤伝達)として、一以上の標的(例えば癌)への伝達を示すものとして、及び前記の組み合わせとして、癌、腫瘍、腫瘍性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、代謝性疾患、神経系及び神経変性疾患、ウィルス性疾患、皮膚疾患、心臓血管疾患、伝染性疾患及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない状態及び疾病の検出のために使用され得ることにも留意されるべきである。
【0050】
一つの実施形態において、ブロック共重合体により被覆された単一のナノ種、又は一以上のナノ種を包含するナノ粒子重合体合成物は、原発腫瘍の検出のためのプローブ又は造影試薬として被検体(例えばヒト、家畜化された動物及びウシ)に注射され得る。これらのナノ構造は、長期循環「受動標的化」試薬のための生体親和性化合物(例えばPEG(ポリエチレングリコール)及びデキストラン)に結合され、及び/又は原発腫瘍の「能動」標的化のための生体親和力プローブ(例えば抗体、抗原、ペプチド、オリゴヌクレオチド、小分子配位子及び薬剤)に結合され得る。
【0051】
細胞は、(例えば生体外及び生体内において)ナノ構造及び/又はマイクロ構造により予めラベリングされ得ることに留意されるべきである。例えば、細胞は生体外において免疫染色法、吸収、顕微注入法、細胞取り込み等を通じて、ナノ種ブロック共重合体マイクロ構造によりラベリングされ得る。その後、細胞は生体外において監視され、又は生体内においてトレーサーとしてのナノ粒子、蛍光発光、磁気、前記の組み合わせ等により追跡される。
【0052】
ナノ構造及び/又はマイクロ構造が、生体内造影試薬として血液プール、肝臓、脾臓、心臓、肺等において使用され得ることにも留意されるべきである。例えば、ナノ粒子ブロック共重合体マイクロ構造は、動物に注射され得て、サイズ及び/又は表面コーティングのようなその構造的特性を変化させることにより、そのマイクロ構造は特定の器官内に選択的に局所化され又は造影試薬として血流内に留まる。
【0053】
ブロック共重合体が、ナノ種の分解を調整するために使用され得ることにも留意されるべきである。例えば、ブロック共重合体は、特に生体内用途について生物学的条件における分解からナノ種を保護し(生体親和性にする)、又はブロック共重合体の分子構造を変化させることによりナノ構造の分解率/分解度を調整するいずれかのために使用され得る。
【0054】
本明細書において使用されるように、癌はその通常の意味を与え、異常な細胞が制御なしに分裂する疾病についての一般用語である。癌細胞は近接する組織に侵入し得て、血流及びリンパ系を通じて身体の他の部分に広がり得る。
【0055】
いくつかの主要な癌のタイプが存在し、例えば、癌腫は内臓を線引きし又は覆う皮膚又は組織において始まる癌である。肉腫は、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管又は他の結合若しくは支持組織において始まる癌である。白血病は、骨髄のような血液を形成する組織において始まる癌であり、多数の異常血液細胞が生成されて血流に入ることを引き起こす。リンパ腫は、免疫系の細胞において始まる癌である。
【0056】
正常細胞が特定され、制御され、かつ調整された構成単位として振る舞う自己の能力を失うとき、腫瘍が形成される。一般に、充実性腫瘍は、通常には嚢胞又は液体領域を含まない組織の異常な塊である(いくつかの脳腫瘍は、嚢胞及び液体により満たされた中枢神経領域を確かに有する)。単一の腫瘍は、失敗した過程を異にすることにより、腫瘍内に異なる細胞の集団さえ有し得る。充実性腫瘍は、良性(非癌性)又は悪性(癌性)であり得る。異なるタイプの充実性腫瘍は、腫瘍を形成する細胞のタイプについて名付けられる。充実性腫瘍の例は、癌腫、肉腫及びリンパ腫である。白血病(血液の癌)は、一般に充実性腫瘍を形成しない。
【0057】
代表的な癌は、とりわけ、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、頭部及び頸部癌、白血病、肺がん、リンパ腫、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、子宮癌、子宮頸癌、甲状腺癌、胃癌、脳幹神経膠腫、小脳性星状細胞腫、脳星状細胞腫、膠芽細胞腫、上衣腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、胚細胞腫瘍、頭蓋外腫瘍、ホジキン病、白血病、急性リンパ性白血病、急性脊髄性白血病、肝癌、髄芽細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍一般、非ホジキンリンパ腫、骨肉腫、悪性骨線維性組織球腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、軟部組織肉腫一般、テント上原始神経外胚葉及び松果体腫瘍、視覚路及び視床下部神経膠腫、ウィルムス腫瘍、急性リンパ球性白血病、成人急性骨髄性白血病、成人非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、食道癌、有毛細胞白血病、腎臓癌、多発性骨髄腫、口腔癌、膵癌、原発性中枢神経系リンパ腫、皮膚癌、小細胞肺癌を含むが、これらに限られない。
【0058】
腫瘍は、悪性又は良性に分類され得る。両方の場合において、細胞の異常な凝集及び増殖が存在する。悪性腫瘍の場合、これらの細胞は増加した侵入性の特性を得て、より攻撃的に振る舞う。最終的には、腫瘍細胞は自己が発生した微視的環境から離脱する能力を得て、身体の別の領域(非常に異なる環境を有する、通常には腫瘍細胞の成長に繋がらない)に広がり、この新たな位置においてその急速な成長及び分裂を継続する能力さえ取得し得る。このことは転移と呼ばれる。悪性細胞が転移すると、治療を達成することはより難しい。
【0059】
良性腫瘍はより小さい侵入の傾向を有し、転移する可能性がより小さい。脳腫瘍は脳内において広範囲に広がるが、通常には脳の外部に転移しない。グリオーマは、実際に制御されていない方法により分裂するが、脳の内部において非常に侵襲的であり、脳半球を交差しさえする。グリオーマの位置に依存して、グリオーマは悪性病変と同じくらい命に係わるものであり得る。グリオーマの例は脳内の良性腫瘍であり、頭蓋内において成長して空間を占有し、脳への増加した圧力に導き得る。
【0060】
本明細書において使用されるように、心臓血管疾患は、その通常の意味を与え、高血圧、糖尿病、冠状動脈病、心臓弁膜症、先天性心臓病、不整脈、心筋症、慢性心不全、粥状動脈硬化、炎症性又は不安定プラーク関連症状、再狭窄、梗塞、血栓症、術後凝固性疾患及び脳卒中を含むが、これらに限られない。
【0061】
本明細書において使用されるように、炎症性疾患は、その通常の意味を与え、関節炎、慢性関節リューマチ、多発性硬化症、全身エリテマトーデスのような自己免疫疾患、喘息、乾癬、炎症性腸症候群のような他の疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、血管性認知症のような神経病学的変性疾患、並びに癲癇、片頭痛、脳卒中及び精神的外傷のような他の病的状態を含むが、これらに限られない。
【0062】
本明細書において使用されるように、自己免疫疾患は、その通常の意味を与え、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫アジソン病、無形成性貧血、自己免疫溶血性貧血、自己免疫肝炎、ベーチェット病、胆汁肝硬変、類天疱瘡、カナバン病、心筋症、セリアック病皮膚炎、慢性疲労免疫性機能障害症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕類天疱瘡、クレスト症候群、寒冷凝集素症、クローン病、皮膚筋炎、シルダー汎発性脳硬化症、円板状狼瘡、本態性混合クリオグロブリン血症、線維筋痛‐線維筋炎、フックス虹彩毛様体炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少紫斑病(ITP)、IgA腎症、インシュリン依存性糖尿病、中間部ブドウ膜炎、若年性関節炎、扁平苔癬、狼瘡、メニエール病、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、ネフローゼ症候群、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発性動脈炎、多発性軟骨炎、多腺性症候群、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎及び皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、慢性関節リウマチ、類肉腫症、強皮症、シェーグレン症候群、全身強直性症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞動脈炎、潰瘍性大腸炎、脈管炎、白斑、VKH(フォークト‐コヤナギ‐ハラダ)病、ヴェゲナー肉芽腫症、抗リン脂質抗体症候群(ループス性抗凝固因子)、チャーグ・ストラウス症候群(アレルギー性肉芽腫症)、皮膚筋炎/多発性筋炎、グッドパスチャー症候群、関節炎を伴う間質性肉芽腫皮膚炎、紅斑性狼瘡(SLE、DLE、SCLE)、混合性結合組織病、再発性多発軟骨炎、強直性脊椎炎を含むHLA−B27関連症状、乾癬、潰瘍性大腸炎、ライター症候群及びブドウ膜疾患を含むが、これらに限られない。
【0063】
本明細書において使用されるように、ウィルス性疾患は、その通常の意味を与え、パラミクソ、ピコルナ、ライノ、コクサッキー、インフルエンザ、ヘルペス、アデノ、パラインフルエンザ、呼吸器合胞体、エコー、コロナ、エプスタイン・バー、サイトメガロ、水痘帯状疱疹、肝炎(例えばC型肝炎ウィルス(HCV)、A型肝炎ウィルス(HAV)、B型肝炎ウィルス(HBV)、D型肝炎ウィルス(HDV)、E型肝炎ウィルス(HEV)、F型肝炎ウィルス(HFV)、G型肝炎ウィルス(HGV)、ヒト免疫不全症を含む変異体) のような、しかしこれらに限られない標的ウィルスを含む。
【0064】
本明細書において使用されるように、神経学的状態は、その通常の意味を与え、一般に虚血性又は低酸素症機構を有する疾患、神経変性疾患(Adamsら著「Principles of Neurology」1997年、第6版、ニューヨーク、1048頁参照)、及び神経性細胞死に関連した神経学的及び精神医学的疾患の三つの種類に分類され得る。
【0065】
虚血性又は低酸素症機構を有する疾患は、さらに一般的疾病及び脳虚血に細分類され得る。そのような虚血性又は低酸素症機構を伴う一般的疾病の例は、心筋梗塞、心不全、心臓麻痺、鬱血性心不全、心筋炎、心膜炎、心膜心筋炎、冠状動脈性心臓病(冠状動脈狭窄)、狭心症、先天性心臓病、ショック、四肢虚血、腎動脈狭窄、糖尿病性網膜症、マラリアに伴う血栓症、人工心臓弁、貧血症、脾臓過動(hypersplenic)症候群、気腫、肺線維症及び肺水腫を含む。脳虚血疾患の例は、脳卒中(出血性脳卒中も同様)、脳微小血管障害(小血管病)、分娩中(intrapartal)脳虚血、心停止又は心臓蘇生法中/後脳虚血、手術中問題による脳虚血、頸動脈手術中脳虚血、脳への血液供給動脈の狭窄による慢性脳虚血、脳静脈の副鼻洞血栓症又は血栓症、脳船奇形及び糖尿病性網膜症を含む。
【0066】
神経変性疾患は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ウィルソン病、多系統萎縮症、アルツハイマー病、ピック病、レビー小体病、ハレルフォルデン・スパッツ病、ねじれ失調症、遺伝性運動感覚性ニューロパチー(HMSN)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、マチャド・ジョセフ病、フリートライヒ運動失調、非フリートライヒ運動失調、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、家族性振戦、オリーブ橋小脳変性症、腫瘍随伴脳症候群、遺伝強直性対麻痺、遺伝視覚神経障害(レーバー)、網膜色素変性症、シュタルガルト病及びキーンズ・セイアー症候群を含み得るが、これらに限られない。
【0067】
神経性細胞死に関連した神経学的及び精神医学的疾患の例は、感染性ショック、脳出血、クモ膜下出血、脳血管性痴呆、炎症性疾患(例えば脈管炎、多発性硬化症及びギラン・バー症候群)、神経外傷(例えば脊髄損傷及び脳損傷)、末梢性神経障害、多発神経障害、てんかん、精神分裂症、代謝性脳症及び中枢神経系感染症(ウィルス性、細菌性、真菌性)を含む。
【実施例1】
【0068】
一般的に記述されたナノ構造を有する以上は、実施例1はナノ構造のいくつかの具体例及びその使用を記述する。下記の事項は、本発明の具体例の制限されない説明に役立つ実施例である。つまり、参照することにより本書に組み込まれるGaoら著「Nature Biotechnology」22,8,(2004)においてさらに詳細に記述される。本実施例は、本開示の任意の実施例の範囲で制限することを意図されず、むしろ明確な実験条件及び結果を提供することが意図される。それゆえ、当業者は多くの実験条件が修正され得ることを理解し得るが、それはこれらの修正が本開示の実施例の範囲内であることを意図される。
【0069】
半導体量子ドット(QD)を基礎とする多機能ナノ粒子プローブは、生存動物において癌を対象とすること及び撮像することについて発展している。構造設計は、ABC3ブロック共重合体を持った発光性のQDをカプセル化し、腫瘍を対象としている配位子及び薬物送達官能基へ両親媒性高分子を結びつけることを含む。ヌードマウスにおいて成長する人間の前立腺癌の生体の対象としている研究は、QDプローブが促進された浸透と保有の両方、及び癌特異細胞表面バイオメーカーへ結合する抗体によって腫瘍部位へ伝達され得る。QDとタグ付けされた癌細胞の皮下注射と、多機能QDプローブの全身注射の両方の使用が、生体の条件の下で、癌細胞を撮像する感度のいい多色の蛍光を生じた。本実施例は、効率的な背景除去及び弱いスペクトルの形跡の正確な描写のための波長分解スペクトル撮像を備えた全身マクロ照射システムの統一も報告する。前記結果は、生体の分子標的の超高感知かつ多重化された撮像のための新しい可能性を提起する。
【0070】
(結果)
プローブ設計:生体の癌を対象とすること及び撮像することに関して、バイオ接合した(bioconjugated)QDプローブは、薬物伝達を使用すること及び原理を対象とすることによって設計された。(図3A)において概略的に示されているので、コアシェルCdSe−ZnS量子ドットは、調和的である配位子(TOPO(トリ−n−オクチルホスフェンオキシド))と両親媒性高分子被覆の両方によって保護される。TOPOと炭化水素高分子の間の強い疎水性相互作用が原因で、前記二つの層がお互いに「結合」し、生体の条件の合成物の下で、加水分解及び酵素分解ですら対抗する疎水性保護構造を形成する。簡単な高分子と両親媒性脂質が以前の研究で使用したことと対照的に、本明細書に記述された方法は、複雑なABC3ブロック構造を持った高分子量(MW=約100kD)共重合体及びグラフト八炭素(C‐8)アルキル側鎖(図3B)を使用する。この3ブロック高分子は、ポリアクリル酸ブチル(polybutylacrylate)部分(疎水性)、ポリアクリル酸エチル(polyethylacrylate)部分(疎水性)、ポリメタクリル酸部分(親水性)、及び疎水性炭化水素側鎖を含む。鍵の発見は、この高分子が自発的な自己集合法を介して、単一TOPOがかぶさったQDを分散及びカプセル化し得る。結果として、前記QDは、それらの光学的性質(例えば吸収スペクトル、発光スペクトル、及び蛍光量子収率)が幅広いpH(1から14まで)及び塩の状態(0.01から1Mまで)又は1.0M塩酸(PEGに連関したQD)を備えた厳しい処置の後において変化しなかったという程度まで保護される。
【0071】
動的光散乱(DLS)測定は、組み立てられたQDプローブが約10から15nmまで(付属された配位子に依存する)の流体力学半径を有することを表す。この値は、5nmのQD核(半径2.5nm)、1nmのTOPOキャップ、2nmの厚い高分子層、4−5nmのPEG/抗体層で構成する小型のプローブ構造と一致する。QDの流体力学半径は、それらのTEM「乾燥した」半径よりかなり大きくなり得るが、報告されたTEM値は有機体で覆われたQDの真実の物理的な大きさを表していないことを意味している。その理由は、有機物質(例えばTOPO、高分子、及び接合した生体分子など)がナノメートル規模でTEM視覚化にとって十分に電子密度が高くないことである。QDが外部環境と接触することから厳重に保護されているので、流体力学的挙動が主に表面被覆層によって制御される。そのようなものとして、高分子被覆量子ドットが、標準高分子ミセル又はナノ粒子のように類似して機能するべきであり、被覆されたQDが巨大分子及びナノ粒子と比較して特異な流体力学特性を有するための基礎的な理由は存在しない。
【0072】
幾何学的な/大きさの制約及び配位子結合効率性(約40〜50%、蛍光標識配位子を使用することによって実験的に決定される)に基づいて、各々のドットは約200のTOPO分子、約4乃至5の3ブロック共重合体分子、約5乃至6のPEG分子、及び約5乃至6の抗体分子を含むことが予測されている。高感知性蛍光撮像は、QD生体接合(bioconjugate)がガラスの表面上で拡張される時、「点滅」信号が示される。この点滅動作は、単一色素分子及び単一QDのような単一量子系の特徴があり、3ブロック共重合体が単一粒子の中へ量子を効率的に分散させる。予備試験TEMの結果は、さらにQDプローブが単一の粒子を構成し、有るか無しかの集合体と一致させることをも明らかにした。しかしながら、腫瘍細胞がQDの大集団(膨大な数に至るまで)とともに標識化されるので、QD点滅が生体内の腫瘍撮像に関して逆の意味を有しないことは何の意味もないもので、単一量子型からは程遠い。
【0073】
PEG接合の現在の水準において、ポジティブ細胞染色法により確認されたように、PEG接合は抗体結合に干渉しない。ペグ化されたリポソームについて以前に報告されたように、より高いPEG密度又はより長い鎖において、配位子結合への重大な干渉が起こり得る。干渉を削減するために、標的配位子はPEGの遠位末端に付加され得る。しかし、完全に曝される配位子は、非特異性の細胞取り込み又は免疫反応を発現させ、これにより生体内におけるプローブの生体親和性及び循環の継続期間を削減する。
【0074】
腫瘍標的化:生体内条件下において、QDプローブは受動標的化機構と能動標的化機構の両者によって腫瘍に伝達され得る(図3C)。受動形態において、高分子とナノメートルサイズの粒子は、向上した浸透性及び保持力(EPR)効果を通じて腫瘍位置に選択的に蓄積される。前記効果は、(a)腫瘍に関連した新生血管系を過剰浸透化させ(hyperpermeabilize)、循環高分子及び小粒子の漏出を引き起こす脈管内皮細胞増殖因子(VEGF)を生成する脈管内皮腫瘍、及び(b)後続の高分子又はナノ粒子の蓄積を導く有効なリンパ排液系を欠く腫瘍の二つの要因から生じると確信されている。能動的腫瘍標的化のために、抗体に接合された量子ドットは、前立腺特有の細胞表面抗原であるPSMA(前立腺特異的膜抗原)を標的化するために使用された。以前の研究により、PSMAは前立腺上皮細胞及び新生血管内皮細胞の両方についての細胞表面マーカーとして識別された。PSMAは、前立腺癌の撮像及び治療的診療の両者について、魅力的な標的として選択された。腫瘍成長の位置におけるPSMA抗体の蓄積及び滞留は、放射線免疫シンチグラフィ(radioimmunoscintigraphic)スキャン(例えばプロスタシント(ProstaScint)スキャン)及びヒト前立腺癌転移のための標的化治療の基礎である。
【0075】
PSMAの細胞外ドメインを認識する、PSMA単クローン性抗体J591に接合されたQDプローブは、最初に前立腺癌細胞株におけるPSMAへの結合について評価された。免疫細胞化学的データは、PSMA抗体J591接合QDプローブのヒト前立腺癌細胞株C4−2への強い特定の結合を確認した。ヒト前立腺癌細胞株C4−2は、細胞表面上においてPSMAを発現すると知られている(図4の上段パネル)。QD−PEG(抗体なし)を使用した抑制研究は、低いレベルのC4−2細胞への非特異性の細胞結合だけを示した(図4の中段パネル)。PC−3細胞、PSMA陰性ヒト前立腺癌細胞株を使用した追加の抑制研究もまた、QD結合の不存在を示した(図4の下段パネル)。前記結果は、PSMA抗体−QD結合がそのPSMA結合活性及び選択性を保持することを確立する。
【0076】
生存動物内におけるQD−PSMA抗体接合プローブの挙動を調査するために、本研究においては、それら特有の吸収及び滞留、背景又は非特異性の吸収、血中クリアランス、器官分布と共に、これらのQD表面変形との関係が調査された。図5A及び5Bは、QD−PSMA抗体接合の単独尾静脈投与後にヌードマウスから得られた腫瘍異種移植片(図5B)及び6つの正常宿主器官(図5A)の比較組織学的データを示す。量子ドットの特徴的な赤橙色蛍光から分かるように、非特異性QD吸収及び滞留は主に肝臓及び脾臓において起こり、脳、心臓、腎臓及び肺においてはQD蓄積がほとんど又は全くない。この生体内器官吸収及び分布のパターンは、デキストランによりコーティングされた酸化鉄磁性体ナノ粒子の生体内器官吸収及び分布のパターンに類似している。過剰なCOOH基を有する重合体によりカプセル化されたQDについて、腫瘍標的化は全く観察されず、非特異性の器官吸収及び速い血中クリアランスを示した。表面PEG基を有する重合体によりカプセル化されたQDについて、器官吸収の割合は削減されて血液循環の長さは改善され、これにより、腫瘍内のナノ粒子の遅い蓄積に導いた。PEGによりカプセル化されPSMA抗体により生体接合されたQDについては、ナノ粒子は腫瘍移植片によって伝達及び維持されたが、非特異性肝臓及び脾臓吸収は依然明らかであった。
【0077】
受動的腫瘍標的化は、QD−PEG接合の増加した投与量(6nモルの注射に加えてプローブ循環の24時間の潜伏期間)と共にのみ観察された。対照的に、QD−COOH接合の同一の投与量は、無胸腺宿主における同一の長さの循環に続く受動的標的化による腫瘍内の蓄積をほとんど有しないことが発見された。このQD吸収及び滞留の低い効率性は、プローブ表面(重合体コーティング上の遊離型カルボン酸)上の過剰な負電荷による可能性が高い。前記負電荷は、プローブの管外遊出率及び後続の腫瘍移植片へのプローブの蓄積を削減することが知られている。
【0078】
生体内癌撮像:図6A〜6Dは、腫瘍保持マウス及び対照マウス(腫瘍なし)の尾静脈に注射されたPSMA抗体QDプローブから得られたスペクトル画像結果を示す。元の画像(図6A)は、自己蛍光背景(マウス皮膚)の間の一つの腫瘍位置におけるQD信号を示す。スペクトル非混合アルゴリズムを使用して、蛍光背景信号(図6B)がQD信号(図6C)から分離され得る。合成画像(図6D)は、全体の動物及び腫瘍位置を明確に示す。下部右の画像内の向上されたコントラストは、QDプローブがマウス自己蛍光からの干渉をほとんど又は全く有さずに、本質的に黒い背景に対して視覚化され得ることを示す。生体外において励起された量子ドットを使用した個々の試験からの結果は、スペクトル撮像技術がピーク位置において僅か5nmしか違わない多数の蛍光信号を分離する(unmix)ために使用され得ることを示す(結果は示されない)。このように、自己蛍光からの干渉を除外する能力及び多数の同時に存在するラベルを解決する能力は、スペクトル撮像が量子ドットに基づくラベリング方法と組み合わされたときに相当な有用性を有するであろうことを示唆する。
【0079】
本研究はさらに、QDプローブ表面上の官能基がどのように生体内における撮像結果に影響を与えるかについて調査した。図7は、三つのタイプの表面変形であるCOOH基、PEG基、及びPEGに加えたPSMA抗体からの生体内撮像結果を比較する。組織学的調査に一致して、腫瘍信号はCOOHプローブと共には全く検出されなかった。弱い腫瘍信号のみが、PEGプローブ(受動的標的化)と共に観察された。非常に強い信号が、PEG−PSMA抗体接合プローブ(能動的標的化)において検出された。この比較は、腫瘍特有の配位子を使用することによる能動的腫瘍標的化が、腫瘍浸透、吸収及び滞留に基づく受動的標的化よりも非常に高速であり、かつ非常に効率的であることのさらなる証拠を提供する。
【0080】
プローブ輝度及びGFP(緑色蛍光タンパク質)とのスペクトル比較:GFPのような遺伝子的に符号化された蛍光蛋白質は、生体内癌撮像のために細胞をタグ付けするために使用されたため、GFP及びQDプローブの検出感受性及びスペクトル特性を比較することは重要である。この目的のために、QDは最初に転位ペプチド(HIV Tat(ヒト免疫不全ウイルスの転写活性化タンパク質)又はポリアルギニンのような)に結合され、生存癌細胞に伝達された。類似のペプチドが、生体内における細胞転移及び集積を監視するために、生存細胞に磁性ナノ粒子を伝達するために使用された。蛍光強度測定は、三百万個ものQDが各癌細胞に伝達され得ることを示す。驚くべきことに、このレベルのQDローディング(loading)は、QDによりタグ付けされた癌細胞の転移が動物モデルにおいて通常の腫瘍成長に導かなかったため、細胞生存率及び成長に影響を与えなかった。
【0081】
図8Aは、宿主マウスの各側面に注射された同一の数(約1000個)のQDによりタグ付けされた細胞及びGFP安定感染細胞についての生体内撮像データを示す。QDによりタグ付けされた細胞及びGFP安定感染細胞は、細胞培養内において同様に発光したが(右側の二つの画像)、QD信号のみが生体内において観察された(右側の橙色の光)。注射位置においてGFP信号は全く識別され得なかった(左側の円)。いくつかの要因(光学密度及び組織散乱のような)は正規化又は標準化することが困難であるため、前記結果はGFPとQDの間における絶対的な強度比較を提供しない。むしろ、前記結果はQDの発光スペクトルが自己発光から離れて移動させられ得ることを証明する質的なスペクトル比較であり、低い信号強度における分光学的検出を可能にする。対照的に、有機染料及び蛍光蛋白質は小さなストークスシフトを生じさせ、結果として同一のスペクトル領域におけるGFP発光及び背景蛍光を生じさせる。QDの輝度及びスペクトル移動の利点は、図9A、9B、10A及び10Bにおいてさらに示される。
【0082】
別の重要な特徴はQDの大きな吸収係数であり、これは光子が限られた生体内の条件(そこでは光強度は散乱及び吸収によって大幅に減衰される)下においてQDをより明るいプローブにする。この特徴を評価するために、量子ドット及び有機染料の光物理過程が比較され得る。理論的に、単一の量子ドットについての寿命が限られた発光率は、単一の有機染料のより長い励起状態寿命(20〜50ns)により、単一の有機染料の発光率より5〜10倍低い。しかし、実際には、蛍光撮像は通常には吸収が限られた条件下において行われ、そこでは吸収率が蛍光発光の主要な制限要因である。QDのモル吸光係数(0.5〜2×106M−1cm−1)が有機染料のモル吸光係数(5〜10×104M−1cm−1)より10〜50倍大きいため、同一の励起光子流束においてQD吸収率は有機染料の吸収率より10〜50倍高速である。前記の増加した光照射率により、単一のQDは有機染料より10〜20倍明るく現れ、結果は現行の文献により実験的に確認された。
【0083】
本研究は、QD符号化されたマイクロビーズによる多色生体内撮像をさらに調査した。この目的のために、それぞれ緑色、黄色又は赤色のQDによりドーピングされた0.5μmの重合体ビーズの三つの試料が、以前の細胞差別化及び追跡研究のための蛍光ビーズを使用した報告と同様に、三つの異なる位置においてマウスモデルに注射された。QDの通常に大きいストークスシフト及び幅広い励起プロファイルにより、三つの色の全てが同一のマウス内において、かつ単一の光源により同時に観察された(図8B)。
【0084】
(議論)
本研究の前に、いくつかのグループが高感度生物学的検定及び細胞撮像のためのQDの使用を報告したが、生存動物への量子ドットの投与について、重大な蛍光の損失が記載された。この信号損失の正確な起源は依然明確ではないが、最近の研究は表面配位子及びコーティングが体液内において遅く劣化し、表面損傷及び蛍光消光に導くことを示唆する。この作用は、表面損傷が連続的レーザー励起によってアニールされ得るとの観察によって支持され、QD蛍光の損失は部分的に回復され得る(表面構造変化を含む)。前記研究において報告されたQDプローブは、生体内劣化に対して高い安定性を有するため、重大な改善を表す。重要な特徴は高分子量三ブロック共重合体であり、高分子量三ブロック共重合体はTOPO−QDを完全にカプセル化して単独のQDの周囲に安定した疎水性保護層を形成する。
【0085】
上記重合体層の疎水性表面上には多数の官能基(例えば400〜500個のカルボシキル酸基)が存在し、前記官能基は診断薬及び治療薬の両方の付加を可能にする。合成有機分子のような小分子配位子により、短鎖ヌクレオチド及びペプチド、同一の配位子の多数の複製が単独のドットに結合され得て、多価のQD標的化結合に導く。以前の研究は、適切に設計された多価の配位子が10桁(order of magnitude)結合親和力を増加させ得ることを示した。高い表面密度においてオリゴ糖(oligos)に結合されたコロイド金粒子を使用して、DNAハイブリダイゼーションの配列選択性が100〜1000倍(より鋭い融解曲線)改善され得ることが証明された。研究は、最も可能性が高いものとしては腫瘍血管系の表面上に分布する標的蛋白質への多価ペプチド結合により、QDペプチド接合が優れた結合選択性を示すことをも示した。この新規な特徴は、有機染料及び蛍光蛋白質により利用可能でないものであり、細胞表面上のバイオマーカーの密度及び分布に基づいた標的癌細胞に対する多価QDプローブの設計を可能にし得た。真に独特な癌バイオマーカーがしばしば利用可能でなく、又は極めて低い濃度において存在するため、前記のことは癌分子診断及び治療のための新たな戦略を提供し得る。
【0086】
加えて、重合体によりカプセル化されたQDプローブは、生体内腫瘍目標化のために優れたサイズ範囲にある。小さなペプチド−染料結合により、高速な管外遊出がプローブの一分未満の血中クリアランスをしばしば導く。循環又は滞留時間は、小さなプローブを高分子又はナノ粒子に付加することにより改善され得る。この戦略は、薬剤伝達研究において広く使用される。実際に、記述された研究はPEGにより保護されたQDが、約5〜8時間の半減期にて、約48〜72時間もの間に亘り血液中を循環することが可能であることを示す。同時に、これらのプローブはセル表面受容体への効率的な結合、エンドサイトーシス又はペプチド転位を通じた内在化、及び(核局所化ペプチドを使用して)核孔を通じて細胞核に入るための通過のために十分に小さい(図8Aの右上)。しかし、QDの充実性腫瘍への貫通深度は、少なくとも部分的にはQDのナノメートルサイズにより制限されるであろう。
【0087】
QDの固有の光学的特性は、多色撮像及び多重化のための新たな機会をも提供する。例えば、多色撮像は強度配分、空間共局在化、及び転移性腫瘍位置における定量的標的測定を可能にするであろう。光学的符号化方法もまた、多数の色及び多数の強度レベルの使用に基づいて可能である。この組み合わせによるアプローチは、多数の遺伝子、蛋白質及び小分子ライブラリのタグ付けについて実証された。波長及び強度に加えて、寿命蛍光撮像は新たな次元を表現する。QDの励起状態寿命(約20〜50ns)がほぼ1桁だけ有機染料の励起状態寿命(約2〜5ns)より長いため、QDプローブは細胞、組織標本及び生存動物の蛍光寿命撮像(FLIM)のために適切であるはずである。
【0088】
橙色/赤色発光量子ドットの現在の使用は、組織貫通又は撮像感知性について最適化されていない。組織光学における広範囲な研究は、深組織撮像(ミリメートルからセンチメートル)が、650〜900nmのスペクトル範囲の遠赤外線及び近赤外線光の使用を必要とすることを示した。前記波長範囲は、血液及び水の主要な吸光ピークから分離されているため、生体内光学的撮像のための「明確な」窓を提供する。組織光学計算に基づいて、近赤外線発光量子ドットの使用が少なくとも10倍(10-fold)腫瘍撮像感知性を改善し、10〜100個の癌細胞の高感度検出を可能にするであろうことが予測される。この目標に向かって、最近の研究は、調整可能な蛍光発光が最大850nmで量子収率が最大60%のテルル化カドミウム・セレンから構成された合金の半導体量子ドットの新しい種類を準備した。核−シェルCdTeCdSeタイプII物質と共に、近赤外線発光QDの使用は組織貫通深度及び細胞検出感知性において大きな改善をもたらすはずである。
【0089】
残る問題は、QDの生体内における毒性及び代謝である。最近の研究は、CdSeのQDが長時間の紫外線照射下において細胞に対して高い毒性を有することを示す。このことは、紫外線照射がしばしば半導体粒子を分解して、有毒なカドミウムイオンを溶媒中に解放することから理解することができる。紫外線照射が存在しない場合、本研究は安定した重合体コーティングを有するQDが本質的に細胞に対して毒性を有しない(細胞分裂又はATP生成について影響がない)ことを示す。現在の文献は、生体内研究もまた安定して保護されるQDの非毒性の特性を確認したことを示す。このことは、QD核が外部環境に曝されないであろうほど重合体保護層が安定していることから、おそらく驚くべきことではない。この結論と一貫して、以前の研究はデキストランにより保護された酸化鉄ナノ粒子の吸収(最大一細胞当たり1000万粒子)が細胞生存率を大きく削減せず、ミセル保護されたQDの注射(最大一胚細胞当たり2億個)がカエルの胚発生に影響を与えないことを示した。前記研究において、単一の癌細胞中の最大300万個のQDは、認め得るほどに生存率又は成長を削減しなかった。
【0090】
しかし、現時点において生存動物内に注射されたQDプローブの代謝の作用又はクリアランスについてはほとんど知られていない。重合体によりカプセル化されたQDについては、化学的又は酵素による半導体コアの劣化が起こりにくい。しかし、ポリマーにより保護されたQDは、腎臓を通じた遅い濾過作用及び排泄により身体から除去され得る。
【0091】
結論としては、本研究は、生体内における癌標的化及び撮像のための重合体によりカプセル化され接合されたQDプローブの新しい種類の開発を包含する。前記プローブは明るく、安定しており、追加の診断薬及び治療薬への接合に良く適した多用途の3ブロック共重合体構造を有する。生体内撮像結果は、QDプローブが受動的及び能動的作用の両方を通じて腫瘍位置に標的化され得ることを示すが、受動的標的化は能動的標的化より非常に遅く効率的でない。波長分解撮像と組み合わされたとき、QDプローブは生存動物内の癌細胞の高感度の多色撮像を可能にする。近赤外線発光量子ドットの使用は、組織貫通深度及び撮像感知度の両方を向上させるはずである。記述した研究によれば、量子ドットは癌、心臓血管プラーク及び神経変性疾患の非侵襲性撮像、診断及び治療のための「高性能の」ナノ構造を開発するための標的化、撮像及び治療薬と一体化され得た。
【0092】
方法:動物使用手順はエモリー大学(Emory University)の組織的動物養護及び使用委員会により検討され承認された。
【0093】
物質:別途記載したものを除き、全ての化学物質及び生化学物質は、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス)から購入され、さらなる精製なしに使用された。前立腺特異的膜抗原(PSMA)に対する単クローン性抗体(J591)は、ミレニアム・ファーマシューティカルズ(Millenium Parmaceuticals、マサチューセッツ州ケンブリッジ)からの親切な贈り物であった。膜転位ペプチド(ストレプトアビジン(Strepavidin)QDへの接合のためのC末端ビオチンを有する転写活性化タンパク質及びポリアルギニン)は、インヴィトロゲン(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)により合成され精製された。核−シェル量子ドット(ZnSによりキャッピングされたCdSe)は、文献の手順に従って合成された。高温配位性溶媒であるトリ−n−オクチルホスフェンオキシド(TOPO)は合成のために使用され、TOPO分子の単分子層によりキャッピングされた高品質QDに導いた。前記ドットは高度に蛍光発光し(約60%の量子収量)、単分散(約5%のサイズ変化)であった。QD符号化されたマイクロービーズは、ブタノール中の0.5μmメソ多孔性マイクロビーズを使用して準備され、以前に報告されたように単離されて精製された。
【0094】
ポリブチルアクリレート部分、ポリエチルアクリレート部分及びポリメタクリル酸部分から構成された三ブロック共重合体は、シグマ(Sigma、ミズーリ州セントルイス)から購入された。約100,000ドルトンの分子量において、前記重合体は1000個より多い合計モノマー単位を含み、23%のメタクリル酸と77%の結合されたブチル・エチルアクリレートを有する。カプセル化QDについて、約25%の遊離カルボキシル酸基が、オクチルアミン(疎水性側鎖)により誘導体化された。そのため、ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解した元の重合体は、エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDAC、n−オクチルアミンの3倍過剰)を架橋結合試薬として使用して、n−オクチルアミンと1:40の重合体/オクチルアミンモル比において反応した。DMFにおける高いEDAC結合効率により、生成物収量は一般に90%より大きかった(薄い層クロマトグラフィにおける遊離オクチルアミン帯の変化により決定される)。反応混合物は、ラトヴァップ(ratovap、Rotavapor R-3000、Buchi Analytical Inc.、デラウェア)により乾燥された。結果として生じた油状の液体は水により沈殿させられ、過剰なEDAC及び他の副産物を除去するために水により5回洗浄された。真空乾燥後、オクチルアミンが移植された重合体は、エタノール/クロロホルム混合物中において再懸濁され、使用のために格納された。
【0095】
表面変形及び生体接合:3:1(体積比(v/v))のクロロホルム/エタノール溶媒混合物を使用して、TOPOによりキャッピングされた量子ドットが、両親媒性三ブロック共重合体によりカプセル化された。分子幾何配置計算は1つの量子ドットを完全にカプセル化するために少なくとも4つの重合体分子が必要であろうことを示したため、5〜10の重合体対QDの比率が使用された。実際に、安定したカプセル化(例えば凝集なし)は、4:1より小さい重合体/ドット比率において達成されなかった。真空乾燥後、カプセル化されたドットは極性溶媒(水性緩衝液又はエタノール)中にて懸濁され、ゲル濾過により精製された。次に、標準的手順が、遊離カルボキシル酸基(各重合体分子について約100個)をアミノPEG(Sunbio、韓国)、ペプチド及び抗体のようなアミンを含む配位子と架橋結合するために使用された。簡潔には、重合体によりコーティングされたドットは、1mMのEDACによりpH6において30分間活性化された。精製後、活性化されたドットは、1:50のQD/PEGモル比においてpH8にて2時間アミノPEGと反応させられ、PEG結合されたプローブを生成した。あるいは、活性化されたドットは、1:6の削減されたQD/PEG比率によりpH8にて20分間PEGと反応させられ、その後1:15のQD/抗体モル比において2時間腫瘍標的化抗体と反応させられた。最終的なQD生体接合物はカラム濾過又は超遠心分離法により100,000gにおいて30分間精製された。PBS(リン酸緩衝生理食塩水)緩衝液(pH7)中における再懸濁後、凝集した粒子は6000gにおいて10分間遠心分離により除去された。
【0096】
QDストレプトアビジンは、QD抗体接合と同一の実験的条件(1:15のQD/ストレプトアビジンモル比、pH8、室温及び2時間)下において、同一の架橋接合試薬(1mMのEDAC)を使用することにより準備された。カラム濾過による精製後、QDストレプトアビジンは1:20のQD/ペプチドモル比によりビオチニル化転写活性化タンパク質(又はポリアルギニン)と混合され、室温においてPBS緩衝液(pH7)中にて30分間超音波処理によりインキュベートされた。生成物は、濾過カラムクロマトグラフィーにより精製された。転写活性化タンパク質又はポリアルギニンのQDへの接合は、二重にラベリングされたペプチド(一端におけるビオチン、及び他端におけるQD蛍光から分離された有機染料)により確認された。ペプチド−QD接合は最終濃度20nMまで細胞培養培地に加えられ、37°Cにおいて1〜24時間インキュベートされた。
【0097】
蛍光撮像:生体内蛍光撮像は、特に小動物研究用に設計された大規模照明システム(Lightools Research、カリフォルニア州エンシニタス)を使用することにより達成された。トゥルーカラー蛍光画像は、誘電長域通過フィルタ(Chroma Tech、バーモント州Brottleboro)、デジタルカラーカメラ(Optronics、Magnafire SP、Olympus America、ニューヨーク州Melville)を使用して得られた。波長分解スペクトル撮像は、画像取得・分析ソフトウェアと共に液晶調整可能フィルタ(LCTF、20nmの帯域幅及び400〜720nmの走査波長範囲を有する)、光学カプラー及び冷却科学グレードモノクロCCDカメラを含む光学ヘッドを備えたスペクトル撮像システム(CRI, Inc.、マサチューセッツ州Woburn)を使用することにより実行された。調整可能なフィルタは580〜700nmまで10nmの増分により自動的にステップ変化した一方、カメラは一定の露出により各波長において画像を捕捉した。全体の取得時間は約10秒であった。13個の結果TIFF画像はメモリ内の単一のデータ構造にロードされ、各画素におけるスペクトルによりスペクトルスタックを形成した。スペクトル撮像ソフトウェアにより、小さいが有意義なスペクトル差分が高速に検出及び分析され得た。
【0098】
自己蛍光スペクトル及び量子ドットスペクトルは、適切な領域を選択するためのコンピュータマウスを使用してスペクトル画像から手動により選択される。スペクトル分解アルゴリズム(CRI, Inc、マサチューセッツ州Woburnから利用可能である)は、「純粋な」自己蛍光及び「純粋な」量子ドット信号の分解画像を作成するために適用され、これは典型的なパーソナルコンピュータ上において約1秒掛かる手順であった。自己蛍光画像は適切に精製されたとき、量子ドット信号の存在又は不存在に関係なく強度において均一であるはずである(図6A〜6Dにおける場合のように)。スペクトルはスペクトルライブラリに保存され得て追加のスペクトルスタック上において再使用されるため、分解目的のための有効なスペクトルの識別は最初にのみ実行される必要がある。
【0099】
細胞及び組織断片は、デジタルカラーカメラ(ニコン(Nikon)D1)、広帯域紫外線(330〜385nm)光源(100W水銀灯)及び長域通過干渉フィルタ(DM 400、Chroma Tech、バーモント州Brottleboro)を装備したオリンパス(Olympus)倒立顕微鏡を使用することにより検査された。波長分解スペクトルは、単一段階分光計(SpectraPro 150、Roper Scientific、ニュージャージー州トレントン)を使用して得られた。
【0100】
細胞、組織及び動物全体の研究:ヒト乳癌細胞(MDA−MB−231)及びPSMA陽性ヒト前立腺癌細胞(C4−2)は、免疫無防備状態のBalb/cヌードマウスへの移植のために使用された。前記二つの細胞株は、それぞれ10%ウシ胎仔血清を有するRPMI及びT培地において維持された。従来の免疫組織化学手順は、PSMA抗体−QD接合のC4−2前立腺癌細胞への結合を決定するために使用され、消極的制御としてPEG−QD(抗体なし)とPC−3細胞(PSMA抗原なし)の両方を利用した。癌細胞の予備タグ付けのために、上述したようにQDはHIV Tat又はポリアルギニンのような変換ペプチドに結合され、37°Cにおけるインキュベーションにより生存癌細胞に伝達された。1時間のインキュベーション後、各細胞は100万個より多いQDを含むことが発見され、一晩のインキュベーションにより本質的に全てのQDが細胞核内に局所化された。
【0101】
エモリー大学の組織的動物養護及び使用委員会により承認された手順を使用して、約100万個の腫瘍細胞が6〜8週齢のヌードマウスに皮下注射された(Charles River、マサチューセッツ州ウィルミントン)。腫瘍成長は、受け入れ可能なサイズに到達するまで毎日監視された。マウスは、受動的及び能動的標的化研究のために2つのグループに分けられた。QD生体接合体は、能動的標的化のために0.4nモル、又は受動的標的化のために6.0nモル(約15倍多い)尾静脈に注射された。マウスは、それぞれ95mg/kg及び5mg/kgの投与量のケタミン及びキシラジン混合物の腹腔内への注射により、麻酔状態下に置かれた。暗箱内において、照明は光ファイバー照明により提供され、長域通過フィルタが散乱した励起光をカットしてストークスシフトされたQD蛍光を通過させるために使用された。蛍光画像は科学グレードのCCDにより記録された。全身の撮像後、マウスはCO2の過量摂取により殺処分された。腫瘍及び主要組織は、組織学的QD吸収及び分布研究のために取り除かれて冷凍された。組織収集物は、5〜10μmの厚さの切片に凍結切片化され、0°Cにおいてアセトンにより凝固させ、エピ蛍光顕微鏡(Olympus Axiovert、ニューヨーク州Melville)により検査された。
【0102】
本開示の上述の実施形態は単なる可能な実施の例であり、単に本発明の原理の明確な理解のために述べられたことが強調されるべきである。多くの変形及び変更は、本発明の精神及び原理から実質的に離れることなしに、本開示の上述の実施形態についてなされ得る。そのような全ての変形及び変更は、本開示の範囲内において本明細書に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0103】
従って、少なくとも添付の特許請求の範囲について権利が請求される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】ナノ構造の例示的な実施形態を示す。
【図2A】図1に示されたナノ構造を形成する例示的な方法を示す。
【図2B】図1に示されたナノ構造を形成する例示的な方法を示す。
【図2C】図1に示されたナノ構造を形成する例示的な方法を示す。
【図2D】図1に示されたナノ構造を形成する例示的な方法を示す。
【図3A】生体内の癌の標的化及び撮像のための生体接合された量子ドットの概略図を示す。
【図3B】八炭素側鎖を有する三ブロック共重合体の化学的変形を示す。
【図3C】漏れやすい腫瘍血管系を介したQDプローブの浸透及び滞留(受動標的化)及び腫瘍抗原へのQD抗体の接合の高親和力結合(能動標的化)を示す。
【図4】培養された前立腺癌細胞におけるQD−PSMA抗体(Ab)の結合活性の免疫細胞化学的研究を示す。最上のパネルは、細胞表面上のQD−PSMA−Ab錯体の存在によって明らかにされた通りの、PSMA活性C4−2細胞について得られた明視野及び蛍光画像を示す。中段のパネルは、PSMA Abの不存在の場合にQD−PEGに曝されたC4−2において検出されたネガティブ染色(negative staining)を示す。最下のパネルは、PSMA発現を欠くPC−3細胞において記録されたネガティブ染色を示す。
【図5A】無胸腺ヌードマウスにおいて維持される六つの異なる正常宿主器官異種移植片におけるQD吸収、滞留及び分布の組織学的検査を示す。QD吸収及び滞留は、左欄、中欄及び右欄により表示されるように、三つの表面変更を使用して評価された。左欄において、QDは表面のカルボン酸基により覆われる(6.0nモル及び6時間循環)。中欄において、QDはPEG基により表面が覆われる(6.0nモル及び24時間循環)。右欄において、QDはPEGにより表面が変更され、PSMA抗体と生体接合される(0.4nモル及び2時間循環)。左欄及び中欄は、QD注射の量が全て0.4nモルに削減され循環が2時間に削減されたことを除いて同一である。全ての画像は、5〜10μmの薄い組織断片から表面蛍光顕微鏡上において得られた。全ての腫瘍は、長軸に沿って約0.5〜1cmと測定される類似のサイズを有した。QDはその特性である赤橙色蛍光により検出され、他の全ての信号は背景自己蛍光により検出された。
【図5B】無胸腺ヌードマウスにおいて維持されるC4−2腫瘍異種移植片におけるQD吸収、滞留及び分布の組織学的検査を示す。QD吸収及び滞留は、左欄、中欄及び右欄により表示されるように、三つの表面変更を使用して評価された。左欄において、QDは表面のカルボン酸基により覆われる(6.0nモル及び6時間循環)。中欄において、QDはPEG基により表面が覆われる(6.0nモル及び24時間循環)。右欄において、QDはPEGにより表面が変更され、PSMA抗体と生体接合される(0.4nモル及び2時間循環)。左欄及び中欄は、QD注射の量が全て0.4nモルに削減され循環が2時間に削減されたことを除いて同一である。全ての画像は、5〜10μmの薄い組織断片から表面蛍光顕微鏡上において得られた。全ての腫瘍は、長軸に沿って約0.5〜1cmと測定される類似のサイズを有した。QDはその特性である赤橙色蛍光により検出され、他の全ての信号は背景自己蛍光により検出された。
【図6A】C4−2腫瘍移植片により寄生された生存動物中のQD−PSMA Ab接合のスペクトル撮像を示す元の画像である。健康なマウス(腫瘍なし)と同一の量のQD注射を使用した抑制研究は、局所化された蛍光信号を示さなかった。生体内の撮像後、組織学的及び免疫細胞化学的試験により、QD信号が内在する腫瘍から来ることが確認された。
【図6B】C4−2腫瘍移植片により寄生された生存動物中のQD−PSMA Ab接合のスペクトル撮像を示す、混合されていない自己蛍光画像である。赤橙色蛍光信号は、生存マウス中において成長する前立腺腫瘍を示す。生体内の撮像後、組織学的及び免疫細胞化学的試験により、QD信号が内在する腫瘍から来ることが確認された。
【図6C】C4−2腫瘍移植片により寄生された生存動物中のQD−PSMA Ab接合のスペクトル撮像を示す、混合されていないQD画像である。健康なマウス(腫瘍なし)と同一の量のQD注射を使用した抑制研究は、局所化された蛍光信号を示さなかった。生体内の撮像後、組織学的及び免疫細胞化学的試験により、QD信号が内在する腫瘍から来ることが確認された。
【図6D】C4−2腫瘍移植片により寄生された生存動物中のQD−PSMA Ab接合のスペクトル撮像を示す、重ね合わされた画像である。赤橙色蛍光信号は、生存マウス中において成長する前立腺腫瘍を示す。生体内の撮像後、組織学的及び免疫細胞化学的試験により、QD信号が内在する腫瘍から来ることが確認された。
【図7】カルボン酸基(左)、PEG基(中)及びPEG−PSMA Ab接合(右)の三つの異なる表面変更を有するQDプローブを使用した腫瘍保持マウスの生体内蛍光画像を示す。各表面変更について、色画像(上段)、QD及び動物皮膚からの二つの蛍光スペクトル(中段)、及びスペクトル分解された画像(下段)が、類似のサイズ(直径0.5〜1.0cm)のC4−2ヒト前立腺腫瘍を保持する生存マウスモデルから得られた。注射されたQDの量及び循環の長さは、COOHプローブについて6nモル及び6時間、PEGプローブについて6nモル及び24時間、PSMAプローブについて0.4nモル及び2時間であった(図4と同一)。QD注射の位置は、マウスの尾の赤い点として観察された。約700nm(QD曲線、中段パネル)におけるスペクトル特性は、元のQDスペクトルの数学的適合により引き起こされる不自然な結果であり、これは背景除去においてほとんど又は全く影響を有しなかった。
【図8A】QDタグ付けされた癌細胞とGFPトランスフェクト癌細胞の間における感知性及びスペクトル比較を示す。右側の画像は、QDタグ付けされた癌細胞(上方)とGFPラベル付けされた細胞(下方)を示す。
【図8B】多色QD符号化マイクロビーズの同時生体内撮像を示す。右側の画像は、QDタグ付けされた癌細胞(上方)とGFPラベル付けされた細胞(下方)を示す。
【図9A】生体内光学的撮像のための赤色発光QDと赤色有機染料の比較を示す、470nm及び515nm長波長通過発光における青色励起により得られた画像である。癌細胞(MDA−MB−231)は、細胞培養中にTat−QD又はTat−ナノビーズ(埋め込まれた有機染料を有する250nm粒子、λex=575nm、λem=615nm、シグマ‐アルドリッチ(Sigma-Aldrich)、セントルイス、ミズーリ州)によりラベル付けされる。注射の前には、QD及び染料によりラベル付けされた細胞は、表面蛍光顕微鏡により検査される時に同様に光った。約1000個の細胞が、生体内撮像のために二つの近接した位置において生存マウスに皮下注射された。
【図9B】生体内光学的撮像のための赤色発光QDと赤色有機染料の比較を示す、570nm及び600nm長波長通過発光における黄色励起により得られた画像である。癌細胞(MDA−MB−231)は、細胞培養中にTat−QD又はTat−ナノビーズ(埋め込まれた有機染料を有する250nm粒子、λex=575nm、λem=615nm、シグマ‐アルドリッチ(Sigma-Aldrich)、セントルイス、ミズーリ州)によりラベル付けされる。注射の前には、QD及び染料によりラベル付けされた細胞は、表面蛍光顕微鏡により検査される時に同様に光った。約1000個の細胞が、生体内撮像のために二つの近接した位置において生存マウスに皮下注射された。
【図10A】四つの励起波長(λ=350、480、535及び560nm)において得られたヌードマウス皮膚標本の自己蛍光スペクトルを示すグラフである。800〜850nmまでの重要な自己蛍光と約670nmにおける背景ピークの存在に留意されたい。
【図10B】同一の励起条件下において得られたマウス皮膚とQD発光スペクトル の比較を示し、QD信号が自己蛍光が削減されるスペクトル領域に移動させられ得ることを証明する。
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2003年12月22日出願の「生体接合されたナノ構造、前記を製造する方法、及び前記を使用する方法」と題する米国仮特許出願シリアル番号60/532,028に基づく優先権を主張し、前記出願の全体は参照により本出願に包含される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、一般にナノ構造に関し、特に、生体接合されたナノ構造に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
最近の進歩は、ナノメートルサイズの半導体粒子が、蛍光プローブとしての用途のためにペプチド、抗体、核酸、又は小分子配位子のような生体認識分子と共有結合され得ることを示した。有機蛍光プローブと比較すると、前記の量子が閉じ込められた粒子又は量子ドット(QD)は、サイズ及び組成が調節可能な可視光から赤外線までの波長の蛍光発光、幅広いスペクトル範囲を横切る大きな吸収係数、及び非常に高いレベルの輝度及び光安定性のような、固有の光学的及び電子的特性を示す。これらの広い励起プロファイル及び狭い/対称の発光スペクトルにより、高品質QDもまた光学的多重化に良く適しており、高品質QDにおいて多数の色及び強度が組み合わされることにより、遺伝子、蛋白質及び小分子ライブラリが符号化される。
【0004】
それゆえに、有機染料及び蛍光蛋白質の内在的制約を超える高感知性及び高選択性プローブの開発は、分子及び細胞生物学から分子撮像及び医療診断までの範囲に亘る多数の研究領域において考慮すべき関心を有するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
簡潔に述べれば、本発明の実施形態は、とりわけ、ナノ構造、ナノ構造を準備する方法、被検体内の目標を検出する方法、及び被検体内の疾病を治療する方法を含む。ナノ構造の実施形態は、とりわけ、量子ドットと疎水性保護構造を含む。疎水性保護構造は、キャッピング配位子と両親媒性共重合体を含み、そこにおいて疎水性保護構造は量子ドットをカプセル化する。
【0006】
ナノ構造の別の実施形態は、少なくとも一つのナノ種と疎水性保護構造を含む。疎水性保護構造は、キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びその組み合わせから選択された一つの化合物を含み、そこにおいて疎水性保護構造はナノ種をカプセル化する。
【0007】
一つのナノ構造を準備する方法の実施形態は、とりわけ、ナノ種を設けることと、キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びその組み合わせから選択された少なくとも一つの化合物を含むナノ種の周囲に疎水性保護構造を形成することを含む。
【0008】
被検体内において目標を検出する方法の実施形態は、とりわけ、疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物を有する上述のナノ構造と疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された少なくとも一つのプローブ(第一のプローブは目標への親和力を有する)のうちの一つを設けることと、前記ナノ構造を被検体に導入することと、ナノ種を検出することによりプローブに対応する被検体内の目標の存在を決定することを含む。
【0009】
被検体内の疾病を治療する方法の実施形態は、とりわけ、疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物を有する上述のナノ構造と疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された少なくとも一つのプローブ(第一のプローブは目標への親和力を有する)のうちの一つを設けることと、前記ナノ構造を疾病の治療を必要とする被検体に導入することを含む。
【0010】
本発明のさらなる局面は、後述されるその種々の実施形態の詳細な説明を検討すれば、添付の図面との関係において解釈されたとき、より容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(詳細な説明)
本明細書において実施され広く説明されるように、本発明の目的によれば、本発明の実施形態は、一つの局面において、生体接合されたナノ構造(以下、本明細書において「ナノ構造」とする)と、前記ナノ構造を製造する方法と、前記ナノ構造を使用する方法に関する。ナノ構造は区別可能であり、独立して検出され得る。この点において、ナノ構造が特定の標的分子と相互作用するように、ナノ構造は変形され得る。前記ナノ構造は、(例えば生体内の)標的分子の検出を可能にし、これにより例えば標的分子が位置する領域を決定する。
【0012】
ナノ構造は、生体分子配列システム、バイオセンシング、生体ラベル付け、遺伝子発現研究、蛋白質研究、医療診断、診断ライブラリ、マイクロ流体システム、運搬手段、化粧品、洗剤、及びナノ粒子重合体配列(例えば自己集合、リソグラフィー及びパターン形成)のような、しかしこれらに限られない、多数の領域において使用され得る。具体的には、ナノ構造は疾病及び/又は状態の標的化及び/又は撮像(例えば、実施例1において詳細に述べられるように、疾病のタイプを識別し、疾病の近接する位置を発見し、疾病を有する細胞(例えば癌細胞)に薬剤を伝達する)のような、しかしこれらに限られない、生体内診断及び/または治療的用途において使用され得る。スペクトル撮像と組み合わされたナノ構造は、単一の生存細胞において、遺伝子、蛋白質等の多重化された撮像及び検出のために使用され得る。
【0013】
ナノ構造の実施形態は、ナノ種(例えば量子ドット、金属粒子及び金属酸化物粒子)並びにナノ種をカプセル化する疎水性保護構造を含むが、これらに限られない。加えて、ナノ構造は、生体親和性化合物(例えばポリエチレングリコール(重量平均分子量500〜50,000及び1,000〜10,000)、デキストラン並びにアミノデキストラン、カルボキシデキストラン及び多糖類のような誘導体)、並びにプローブ(例えばポリヌクレオチド、ポリペプチド、治療薬及び/又は薬剤)を含み得るが、これらに限られない。生体親和性化合物及び/又はプローブは、疎水性保護構造上に実質的に配置される(例えば疎水性保護構造の表面に付加され、及び/又は疎水性保護構造内に付加される)。疎水性保護構造は、キャッピング配位子及び/又は両親媒性共重合体(例えば両親媒性ブロック共重合体、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体及びこれらの組み合わせ)を含む。
【0014】
別の実施形態において、ナノ構造は二以上のナノ種又は二以上のナノ種のタイプを含み得る。加えて、ナノ構造は二以上の共重合体(例えば二以上のブロック共重合体)を有する疎水性保護構造を含み得る。さらに、ナノ構造は多数のナノ種及び多数の共重合体(例えばブロック共重合体)を含み得る。加えて、ナノ構造は異なる機能を有する二以上の異なるタイプのプローブを含み得る。さらにその上、ナノ種及び共重合体(例えばブロック共重合体)は、マイクロ構造及びマクロ構造に整理され得る。
【0015】
さらに別の実施形態においては、ナノ構造はメソ多孔性材料(約1〜100ナノメートル(nm)の孔径)、マクロ多孔性材料(約100nmより大きい孔径)、及び混合メソ多孔性/マクロ多孔性材料のような、しかしこれらに限られない多孔性材料に含まれ得る。多孔性材料は、重合体、共重合体、金属、シリカ金属、セルロース、セラミック、ゼオライト及びこれらの組み合わせのような、しかしこれらに限られない材料から作られ得る。好適な多孔性材料はシリカ材料及びポリスチレン並びにポリスチレン共重合体(例えばジビニルベンゼン、メタクリル(methacylic)酸及びマレイン酸)である。多孔性材料の形状は、球状、立方体、モノリス(すなわちバルク材料)、二次元及び三次元配列であり得るが、これらに限られない。好適な多孔性材料の形状は球状(例えばシリカビーズ及び重合体ビーズ(例えばクロマトグラフビーズ)、セラミック並びに分子篩)である。
【0016】
図1は、ナノ構造100の例示的な実施形態を示す。ナノ構造は、ナノ種102をカプセル化する疎水性保護構造104を有するナノ種102を含むが、これに限られない。加えて、ナノ構造100は生体親和性化合物112及びプローブ114を含み得るが、これに限られない。疎水性保護構造104は、キャッピング配位子層106及び/または共重合体層108(例えば両親媒性ブロック共重合体)を含む。以下に図示する例は両親媒性ブロック共重合体を使用するが、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体、及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない他の共重合体が、独立して、あるいは任意の組み合わせにより、ブロック共重合体と組み合わせて使用され得る。加えて、「両親媒性ブロック共重合体」の語は、以下本明細書において「ブロック共重合体」と呼ばれる。
【0017】
一般に、ナノ構造100は図2A〜2Dにおいて説明される方法により形成され得る。図2Aはナノ種102を図示する一方、図2Bはナノ種102上に配置されたキャッピング配位子106を図示する。図2Cは、疎水性保護構造104を形成するためにキャッピング配位子層106上に配置されたブロック共重合体を図示する。図2Dは、疎水性保護構造104への生体親和性化合物112及びプローブ114の追加を図示する。
【0018】
上述したように、ナノ構造は、半導体、金属、金属酸化物ナノ粒子(例えば金、銀、銅、チタン、ニッケル、白金、パラジウム、前記の酸化物(例えばCr2O3、Co3O4、NiO、MnO、CoFe2O4及びMnFeO4)及び前記の合金)、准金属、准金属酸化物ナノ粒子、ランタニド系列金属ナノ粒子及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない多数のタイプのナノ種を含み得る。具体的には、半導体量子ドットは以下並びに米国特許第6,468,808号及び国際特許出願WO03/003015においてより詳細に説明され、これらは参考文献として本明細書に包含される。さらにその上、磁気ナノ粒子(例えば磁気及び常磁性特性を有するもの)は、鉄ナノ粒子及び鉄合成物ナノ粒子(例えばFe2O3、Fe3O4、FePt、FeCo、FeAl、FeCoAl、CoFe2O4及びMnFeO4)を含み得るが、これに限られない。
【0019】
上記に示したように、ナノ構造は蛍光半導体量子ドットのような、しかしこれに限られない量子ドットを含み得る。一般に、量子ドットは核及びキャップを含むが、キャップを有しない量子ドットもまた使用され得る。「核」は、ナノメートルサイズの半導体である。IIA−VIA、IIIA−VA又はIVA−IVA、IVA−VIA半導体の任意の核が本発明の状況において使用され得るが、核はキャップと組み合わされると、蛍光量子ドットを生じるようなものでなくてはならない。IIA−VIA半導体は、周期表のIIB族からの少なくとも一つの元素とVIA族からの少なくとも一つの元素を含む化合物であり、その他も同様である。核は、二以上の元素を含み得る。一つの実施形態において、核は約1nmから約20nmの範囲のサイズであるIIA−VIA、IIIA−VA又はIVA−IVA半導体である。別の実施形態において、核はより好適にはIIA−VIA半導体であって約2nmから約10nmの範囲のサイズである。例えば、核はCdS、CdSe、CdTe、ZnSe、ZnS、PbS,PbSe又は合金であり得る。
【0020】
「キャップ」は、核の半導体とは異なる半導体であり、核に縛られ、これにより核上に表面層を形成する。キャップは、所与の半導体核と組み合わされると、蛍光量子ドットを生じさせるようなものであり得る。キャップは核より高いバンドギャップを有することにより、核を不動態化すべきである。一つの実施形態において、キャップは高いバンドギャップのIIA−VIA半導体である。例えば、キャップはZnS又はCdSであり得る。核及びキャップの組み合わせは、核がCdSe又はCdSのときにキャップがZnSである場合、及び核がCdSeのときにキャップがCdSである場合を含み得るが、これらに限られない。他の例示的な量子ドットは、CdS、ZnSe、CdSe、CdTe、CdSexTe1−x、InAs、InP、PbTe、PbSe、PbS、HgS、HgSe、HgTe、CdHgTe及びGaAsを含むが、これらに限られない。
【0021】
量子ドットにより発光される波長(すなわち色)は、ナノ結晶のサイズ及び材料のような当該量子ドットの物理的特性に従って選択され得る。量子ドットは、約300ナノメートル(nm)から1700nm(例えば紫外線、近赤外線及び赤外線)までの光を発光すると知られている。量子ドットの色は、赤、青、緑及び前記の組み合わせを含むが、これらに限られない。色又は蛍光発光波長は、連続的に調整され得る。量子ドットにより発光される光の波長帯域は、核及びキャップを構成する物質に依存して、核のサイズ、又は核とキャップのサイズのいずれかにより決定される。発光波長帯域は、QDの組成及びサイズを変化させることにより、並びに/又は同心円の殻の形状により核の周囲の一以上のキャップを加えることにより調整され得る。
【0022】
量子ドットの色の強度は調整され得る。各色について、10個の強度レベル(0,1,2,...9)の使用は、レベル「0」が背景から区別され得ないため、9つの固有のコード(101−1)を与える。コードの数は、使用される各強度及び各色について指数関数的に増加する。例えば、3つの色と10個の強度方式は999(103−1)個のコードを生み出し、6つの色と10個の強度方式は理論上約100万(106−1)個のコード生成能力を有する。一般に、m個の色を有するn個の強度レベルは(nm−1)個の固有のコードを生成する。量子ドットの強度の使用は、複数の異なるタイプの量子ドットを含むナノ構造における用途を有し、多孔性材料に含まれる異なる強度レベルを有する複数の異なるタイプの量子ドットにおける用途をも有する。量子ドットは、例えば(広い又は狭い帯域幅の)電磁気放射源からのエネルギーを吸収することが可能であり、励起されたときに狭い波長において検出可能な電磁気放射を放つことが可能である。量子ドットは、約40nm以下の狭い波長帯域(FWHM、最大の半分における完全幅)内において放射を放つことができ、これによりスペクトル重複がほとんど又は全くなく複数の異なる色が付けられた量子ドットの使用を可能にする。
【0023】
量子ドットの合成は良く知られており、米国特許第5,906,670号、第5,888,885号、第5,229,320号、第5,482,890号、第6,468,808号、第6,306,736号、第6,225,198号等、国際特許出願WO03/003015(前記の全ては参照により本明細書に包含される)及び多くの研究論文において説明されている。量子ドットにより発光される波長並びに他の物理的及び化学的特性は、米国特許第6,468,808号及び国際特許出願WO03/003015において説明されており、いかなる詳細についてもさらに説明されない。加えて、量子ドットの準備の方法は、米国特許第6,468,808号及び国際特許出願WO03/003015において説明されており、いかなる詳細についてもさらに説明されない。
【0024】
上述したように、疎水性保護構造は、キャッピング配位子及び/又はブロック共重合体を含む。具体的には、ナノ種が量子ドットであるとき疎水性保護層はキャッピング配位子とブロック共重合体を含み、疎水性保護層においてキャッピング配位子とブロック共重合体は互いに相互作用することにより疎水性保護構造を形成する。このように、キャッピング配位子とブロック共重合体は適切な疎水性保護構造を形成するように選択される。例えば、ブロック共重合体とナノ種は、ナノ種の表面被覆及び重合体の分子構造に依存して、疎水性相互作用、親水性相互作用、π積層等のような、しかしこれらに限られない相互作用を通じて相互に作用する。
【0025】
キャッピング配位子は、ナノ種(例えば量子ドット)をキャッピングし、ナノ種上に層を形成する。前記層は、その後ブロック共重合体と接着することにより疎水性保護構造を形成する。キャッピング配位子は、O=PR3化合物、O=PHR2化合物、O=PHR1化合物、H2NR化合物、HNR2化合物、NR3化合物、HSR化合物、SR2化合物及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない化合物を含み得る。「R」は、直鎖炭化水素、分枝炭化水素、環状炭化水素、置換炭化水素(例えばハロゲン化)、飽和炭化水素、不飽和炭化水素及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られないC1〜C18の炭化水素であり得る。好適には、前記炭化水素はC4〜C18の飽和直鎖炭化水素、C6〜C18の飽和直鎖炭化水素、及びC18の飽和直鎖炭化水素である。R基の組み合わせは、P、N又はSに付加され得る。具体的には、化学物質はトリオクチルホスフェンオキシド、ステアリン酸及びオクチルデシルアミンから選択され得る。
【0026】
上述したように、前記共重合体は、制限されないが、両親媒性ブロック共重合体、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体及びこれらの組み合わせを含む。両親媒性ランダム共重合体は、ランダム共重合体ポリ(メチルアクリレート‐コ(co)‐アクリル酸)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐n‐ブチルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐ヒドロキシプロピルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐p‐カルボキシルクロロスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ヒドロキシスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ビニル安息香酸)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ビニルピリジン)、(及びこれらの組み合わせに制限されないが含み得る。両親媒性交互共重合体は、ポリ(無水マレイン酸‐alt‐1‐オクタデセン)、ポリ(無水マレイン酸‐alt‐1‐テトラデセン)、交互共重合体ポリ(カルボtert‐ブトキシα‐メチルスチレン‐alt‐無水マレイン酸)、及び交互共重合体ポリ(カルボtert‐ブトキシノルボルネン‐alt‐無水マレイン酸)及びこれらの組み合わせに制限されないが含み得る。
【0027】
前記ブロック共重合体は、両親媒性2及び/又は3ブロック共重合体を含む。加えて、前記共重合体は、制限されないが、1‐18‐炭素脂肪族側鎖、1‐18‐炭素アルキル側鎖、及びこれらの組み合わせのような炭化水素側鎖を含み得る。さらにそのうえ、2又は3ブロック共重合体は、少なくとも一つの疎水性ブロック及び少なくとも一つの親水性ブロックを有する。
【0028】
下記の事項は、両親媒性ランダム及び交互共重合体の典型的なリストである。ランダム共重合体ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、ランダム共重合体ポリ(メチルアクリレート‐コ‐アクリル酸)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐n‐ブチルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐t‐ブチルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐ヒドロキシプロピルアクリレート)、ランダム共重合体ポリ(テトラヒドロフラニルメタクリレート‐コ‐エチルメタクリレート)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ブロモスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐ブタジエン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐ジフェニルエチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐t‐ブチルメタクリレート)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐t‐ブチル‐4‐ビニル安息香酸)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐p‐カルボキシルクロロスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐p‐クロロメチルスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐メチルメタクリレート)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ヒドロキシスチレン)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ビニル安息香酸)、ランダム共重合体ポリ(スチレン‐コ‐4‐ビニルピリジン)、交互共重合体ポリ(カルボtert‐ブトキシα‐メチルスチレン‐alt‐無水マレイン酸)、交互共重合体ポリ(カルボtert‐ブトキシノルボルネン‐alt‐無水マレイン酸)、交互共重合体ポリ(α‐メチルスチレン‐alt‐メチルメタクリレート)、及び交互共重合体ポリ(スチレン‐alt‐メチルメタクリレート)。
【0029】
両親媒性共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリアクリル酸(ポリメタクリル酸)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(アクリル酸‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐アクリル酸ナトリウム)、ポリ(アクリル酸ナトリウム‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸‐b‐ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(ネオペンチルメタクリル酸‐b‐メタクリル酸)、ポリ(t‐ブチルメタクリレート‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐ナトリウムメタクリレート)、及びポリ(メチルメタクリレート‐b‐N、N‐ジメチルアクリルアミド))、ポリジエン及び水素化ポリジエンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐メチルアクリル酸、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐アクリル酸ナトリウム)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐エチレンオキシド)‐ヒドロキシ安息香酸エステル末端基、4‐メトキシベンジオルエステル(benzyolester)末端ポリ(ブタジエン‐b‐エチレンオキシド)2ブロック共重合体、ポリ(ブタジエン‐b‐N‐メチル4‐ビニルピリジニウムヨウ化物)、ポリ(イソプレーン‐b‐N‐メチル2‐ビニルピリジニウムヨウ化物)、ポリ(イソプレーン‐b‐エチレンオキシド)(1,4追加)、ポリ(イソプレーン‐b‐エチレンオキシド)(1,2及び3,4追加)、ポリ(プロピレン‐エチレン‐b‐エチレンオキシド)及び水素化ポリ(イソプレーン‐b‐エチレンオキシド)(1,2追加))、水素化ジエンを基礎とする共重合体(例えばポリ(エチレン‐b‐エチレンオキシド)及びポリ(イソプレーン‐b‐エチレンオキシド))、ポリ(エチレンオキシド)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(エチレンオキシド‐b‐アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐6‐(4’‐シアノビフェニル‐4‐イルオキシ)ヘキシルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(‐メチルメタクリレート‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐メタクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐2‐メチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐酸化プロピレン)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐テトラヒドロフルフリルメタクリレート)、及びポリ(エチレンオキシド‐b‐N,N‐ジメチルエチルメタクリレート)、ポリイソブチレンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(イソブチレン‐b‐エチレンオキシド))、ポリスチレンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(スチレン‐b‐アクリル酸)、ポリ(スチレン‐b‐アクリル酸ナトリウム)、ポリ(スチレン‐b‐アクリルアミド)、ポリ(p‐クロロメチルスチレン‐b‐アクリルアミド)、ポリ(スチレン‐コ‐p‐クロロメチルスチレン‐b‐アクリルアミド)、ポリ(スチレン‐コ‐p‐クロロメチルスチレン‐b‐アクリル酸)、ポリ(スチレン‐b‐セシウムアクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(4‐スチレンスルホン酸‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(スチレン‐b‐メタクリル酸)、ポリ(スチレン‐b‐ナトリウムメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐N‐メチル2‐ビニルピリジニウムヨウ化物)、及びポリ(スチレン‐b‐N‐メチル‐4‐ビニルピリジニウムヨウ化物))、ポリシロキサンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐アクリル酸))、ポリ(2‐ビニルナフタレン)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐アクリル酸))、ポリ(ビニルピリジン及びN‐メチルビニルピリジニウムヨウ化物)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(N‐メチル2‐ビニルピリジニウムヨウ化物‐b‐エチレンオキシド)、及びポリ(N‐メチル4‐ビニルピリジニウムヨウ化物‐b‐メチルメタクリレート))。
【0030】
両親媒性2ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリアクリレート(ポリメタクリレート)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(n‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(n‐ブチルアクリレート‐b‐ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリ(2‐エチルヘキシルアクリレート‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリ(t‐ブチルメタクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン)、ポリ(2‐ヒドロキシルエチルアクリレート‐b‐ネオペンチルアクリレート)、ポリ(2‐ヒドロキシルエチルメタクリレート‐b‐ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(2‐ヒドロキシルエチルメタクリレート‐b‐n‐ブチルメタクリレート)、ポリ(2‐ヒドロキシルエチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐アクリロニトリル)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(アイソタクチックメチルメタクリレート‐b‐シンジオタクチックメチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐トリフルロエチル(trifluroethyl)メタクリレート)、ポリ(クロロギ酸コレステリルを備えたメチルメタクリレート‐b‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐分散レッド1アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐ネオペンチルアクリレート)、及びポリ(メタクリレート‐b‐2‐ピラノキシ(pyranoxy)エチルメタクリレート))、ポリジエンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐i‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐s‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐ジメチルシロキサン)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐メチルメタクリレート)(シンジオタクチック)、ポリ(ブタジエン(1,2追加)‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリ(イソプレン(1,4追加)‐b‐メチルメタクリレート(シンジオタクチック))、ポリ(イソプレン(1,4追加))‐b‐2‐ビニルピリジン、ポリ(イソプレン(1,2追加)‐b‐4‐ビニルピリジン)、及びポリ(イソプレン(1,4追加)‐b‐4‐ビニルピリジン))、ポリイソブチレンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(イソブチレン‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチレン‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(イソブチレン‐b‐ジメチルシロキサン)、ポリ(イソブチレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(イソブチレン‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリスチレンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(スチレン‐b‐n‐ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、広い区分のポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐分散レッド1アクリレート)、ポリ(p‐クロロメチルスチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン‐b‐n‐ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐シクロへキシルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐2‐コレステリルオキシカーボンイルオキシ(cholesteryloxycarbonyloxy)エチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐エチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐n‐プロピルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,4追加))、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,2追加))、ポリ(スチレン‐b‐イソプレン(1,4追加))、ポリ(スチレン‐b‐イソプレン(1,2追加又は3,4追加))、水素化ポリ(スチレン‐b‐イソプレン(1,4追加))、テーパーブロック共重合体ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン)、テーパーブロック共重合体ポリ(スチレン‐b‐エチレン)、ポリ(スチレン‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(スチレン‐b‐1‐ラクチド)、トリメチルシラン末端基、ポリ(スチレン‐b‐ジメチルシロキサン)、シラノール末端基、ポリ(スチレン‐b‐メチルフェニルシロキサン)、ポリ(スチレン‐b‐フェロセンジメチルシラン)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルスチレン)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブトキシスチレン)、ポリ(スチレン‐b‐4‐ヒドロキシルスチレン)、ポリ(4‐アミノベンジル‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン)、ポリ(スチレン‐b‐4‐ビニルピリジン)、及びポリ(α‐メチルスチレン‐b‐4‐ビニルピリジン)、ポリ(ビニルナフタレン)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐n‐ブチルアクリレート)、ポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐メチルメタクリレート)、及びポリ(2‐ビニルナフタレン‐b‐ジメチルシロキサン))、ポリ(ビニルピリジン)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐メチルメタクリレート)、及びポリ(4‐ビニルピリジン‐b‐メチルメタクリレート))、ポリ(酸化プロピレン‐b‐ε‐カプロラクトン)(例えば、ポリ(酸化プロピレン‐b‐ε‐カプロラクトン))、ポリシロキサンを基礎とする共重合体(例えば、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐n‐ブチルアクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐t‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐ε‐カプロラクトン)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐6‐(4’‐シアノビフェニル‐4‐イルオキシ)へキシルメタクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐1‐エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐ヒドロキシエチルアクリレート)、及びポリ(ジメチルシロキサン‐b‐メチルメタクリレート))、無水アジピン(adipic)を基礎とする共重合体(例えば、ポリ(エチレンオキシド‐b‐無水アジピン)、ポリ(プロピレンオキシド‐b‐無水アジピン)、ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐無水アジピン)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐無水アジピン)、及びポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐無水アジピン))。
【0031】
両親媒性a‐b‐a3ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリ(アクリレート(メタクリレート))を基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(n‐ブチルアクリレート‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐n‐ブチルアクリレート)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(アクリル酸‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐アクリル酸)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(t‐ブチルアクリレート‐b‐スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐ブタジエン(1,4追加)‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐n‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐t‐ブチルメタクリレート酸‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐メタクリル酸‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐ジメチルシロキサン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート‐b‐スチレン‐b‐メチルメタクリレート)、ポリ(トリメチルアモニウム(trimethylamonium)ヨウ化物エチルメタクリレート‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐トリメチルアモニウム(trimethylamonium)ヨウ化物エチルメタクリレート)、ポリ(N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート‐b‐9,9‐di‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)、及びポリ(N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート‐b‐酸化プロピレン‐b‐N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート))、ポリブタジエンを基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(ブタジエン(1,4追加)‐b‐スチレン‐b‐ブタジエン(1,4追加)))、ポリ(オキシラン)を基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(エチレンオキシド‐b‐9,9‐ジ‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐酸化プロピレン‐b‐エチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド‐b‐スチレン‐b‐エチレンオキシド)、及びポリ(酸化プロピレン‐b‐ジメチルシロキサン‐b‐酸化プロピレン))、ポリラクトン及びポリラクチド2ブロック共重合体(例えば、ポリ(ラクチド‐b‐エチレンオキシド‐b‐ラクチド)、ポリ(カプロラクトン‐b‐エチレンオキシド‐b‐カプロラクトン)、及びアルファ、−ωジアクリルオニル(diacrylonyl)末端ポリ(ラクチド‐b‐エチレンオキシド‐b‐ラクチド))、ポリオキサゾリンを基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(2‐メチルオキサゾリン‐b‐ジメチルシロキサン‐b‐2‐メチルオキサゾリン)))、ポリスチレンを基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(スチレン‐b‐アクリル酸‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,4追加‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,2追加‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐ブチレン‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐n‐ブチルアクリレート‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐9,9‐di‐n‐へキシル‐2,7‐フルオレン‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐エチルアクリレート‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐イソプレーン‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐エチレンオキシド‐b‐スチレン)、ポリ(スチレン‐b‐4‐ビニルピリジン‐b‐スチレン)、及びポリ(スチレン‐b‐ジメチルシロキサン‐b‐スチレン))、ポリ(ビニルピリジン)を基礎とする3ブロック共重合体(例えば、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐ブタジエン(1,2追加)‐b‐2‐ビニルピリジン)、ポリ(2‐ビニルピリジン‐b‐スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン)、及びポリ(4‐ビニルピリジン‐b‐スチレン‐b‐4‐ビニルピリジン)。
【0032】
両親媒性a‐b‐c3ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン‐b‐メチルメタクリレート)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン‐b‐メチルメタクリレート))、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン‐b‐2‐ビニルピリジン)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン‐b‐2‐ビニルピリジン))、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐メチルメタクリレート))、ポリ(スチレン‐b‐イソプレン‐b‐グリシジルメタクリレート)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐イソプレン‐b‐グリシジルメタクリレート))、ポリ(スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン‐b‐エチレンオキシド)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン‐b‐エチレンオキシド))、ポリ(スチレン‐b‐アントラセンメチルメタクリレート‐b‐メチルメタクリレート)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐アントラセンメチルメタクリレート‐b‐メチルメタクリレート))、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルアクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン))、及びポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルメタクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン)(例えば、ポリ(スチレン‐b‐t‐ブチルメタクリレート‐b‐2‐ビニルピリジン))。
【0033】
両親媒性官能基化(funtionalized)2ブロック及び3ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。アミノ末端ポリ(ジメチルシロキサン‐b‐ジフェニルシロキサン)、アミノ末端ポリ(スチレン‐b‐イソプレン)、アミノ末端ポリ(エチレンオキシド‐b‐ラクトン)、ヒドロキシ末端ポリ(スチレン‐b‐2‐ビニルピリジン)、ヒドロキシ末端ポリスチレン‐b‐ポリ(メチルメタクリレート)、α‐ヒドロキシ末端ポリ(スチレン‐b‐ブタジエン(1,2‐追加)、4‐メトキシベンジオルエステル(benzyolester)末端ポリ(ブタジエン‐b‐エチレンオキシド)2ブロック共重合体、コハク酸末端ポリ(ブタジエン‐b‐エチレンオキシド)2ブロック共重合体、α,ω‐ジスクシンイミジル(disuccinimidyl)コハク酸エステル末端ポリ(エチレンオキシド酸化プロピレンエチレンオキシド)、ポリの接合点におけるキャビノル(cabinol)(スチレン‐b‐イソプレン(1,4追加))、及びポリの接合点におけるシラン(スチレン‐b‐2ビニルピリジン)。
【0034】
加えて、両親媒性ブロック共重合体の典型的なリスト中の以下のもの。ポリ(1‐ビニルピロリドン‐コ‐ビニルアセテート)、ポリ(エチレン‐コ‐プロピレン‐コ‐5‐メチレン‐2‐ノルボルネン)、ポリ(スチレン‐コ‐アクリロニトリル)、ポリ(2‐ビニルピリジン‐コ‐スチレン)、ポリ(エチレン‐コ‐メタクリル酸)ナトリウム塩、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン‐コ‐スチレン)、ポリ(ビニルクロライド‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐マレイン酸)、ポリ(エチレン‐コ‐ビニルアセテート)、ポリ(エチレン‐コ‐エチルアクリレート)、ポリ(4‐ビニルピリジン‐コ‐スチレン)、ポリ(ビニルブチラール‐コ‐ビニルアルコール‐コ‐ビニルアセテート)、ポリ(メチルメタクリレートCO‐メタクリル酸)、ポリ‐(ビニルクロライド‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐ヒドロキシプロピルアクリレート)、Luviquat(登録商標)HM552、ポリ(ビニルクロライド‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐ビニルアルコール)、ポリ(スチレン‐コ‐ジビニルベンゼン)、ポリ(DL‐ラクチド‐コ‐グリコリド)、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐メチルアクリレート)、ポリ[(ビニルクロライド‐コ‐(1‐メチル‐4‐ビニルピペラジン)]、ポリ(2‐イソプロペニル‐2‐オキサゾリン‐コ‐メチルメタクリレート)、エトキシル化したα,ω‐ジオールのポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐メタクリロニトリル)、ポリ(エチレン‐コ‐1‐ブテン)、ポリ(フッ化ビニリデンCO‐ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン‐コ‐1‐オクテン)、ポリ(エチレン‐コ‐メチルアクリレート)、アミン末端ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン)、ポリ(ペルフルオロプロピレンオキシド‐コ‐ペルフルオロホルムアルデヒド)、ポリ(ブチルメタクリレート‐コ‐イソブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)、クメン末端部分的イソオクチルエステル、ジカルボキシ末端ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン‐コ‐アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール‐コ‐エチレン)、ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐メチルフェニルシロキサン)、ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)、ポリ(ビスフェノールA‐コ‐エピクロルヒドリン)、ポリ(スチレン‐コ‐ブタジエン)、ポリ[(R)‐3‐ヒドロキシ酪酸‐コ‐(R)‐3‐ヒドロキシバレリアン酸]、ポリ(ビニルアルコール‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐イタコン酸)、水素化ポリ(メチルスチレン‐コ‐インデン)、ポリ(4‐ビニルフェノール‐コ‐2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)、クメン末端ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)、ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐エチレングリコールジメタクリレート)、ポリ(エチレン‐コ‐プロピレン)、部分的イソブチル/メチル混合エステルポリ(スチレン‐コ‐マレイン酸)、グリシジル末端をキャッピングされたポリ(ビスフェノールA‐コ‐エピクロルヒドリン)、ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐メタクリル酸)、ポリ(2‐アクリルアミド‐2‐メチル‐1‐プロパンスルホン酸‐コ‐アクリロニトリル)、ポリ(プロピレン‐コ‐テトラフルオロエチレン)、ポリ(ブチルメタクリレート‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐アルキルメチルシロキサン)、ポリ(アクリル酸‐コ‐アクリルアミド)カリウム塩、ポリ(オキシメチレン‐コ‐1,3‐ジオキセパン(dioxepane))、ポリ(クロロトリフルオロエチレン‐コ‐フッ化ビニルデン)、アクリレーテッド(acrelated)溶液ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ(ペンタフルオロスチレン‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(1,1,1,3,3,3‐ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(2,2,3,4,4,4‐ヘキサフルオロブチルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(2,2,3,3,3‐ペンタフルオロプロピルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[(プロピルメタクリルヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐(n‐ブチルメタクリレート)]、アミド酸溶液ポリ(ピロメリト酸二無水物‐コ‐4,4´‐オキシジアニリン)、ポリ(tert‐ブチルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[(プロピルメタクリルヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐ヒドロキシエチルメタクリレート]、ポリ[(m‐フェニレンビニレン)‐コ‐(2,5‐ジオクトキシ(dioctoxy)‐p‐フェニレンビニレン)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(9‐アントラセニルメチル(anthracenylmethyl)メタクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(2‐ナフチルアクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(7‐(4‐トリフルオロメチル)クマリンメタクリルアミド)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(9‐アントラセニルメチル(anthracenylmethyl)アクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(9H‐カルバゾール‐9‐エチルメタクリレート)]、ポリ[(プロピルメタクリル‐ヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐(メチルメタクリレート)]、ポリ[(イソブチレン‐alt‐マレイン酸)、アンモニウム塩)‐コ‐(イソブチレン‐alt‐無水マレイン酸)]、ポリ(エチレンカルボニル‐コ‐プロピレンカルボニル)、ポリ[4,5‐ジフルオロ‐2,2‐ビス(トリフルオロメチル)‐1,3‐ジオキソル(dioxole)‐コ‐テトラフルオロエチレン]、トリメチルシリル末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、トリメチルシリル末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐メチルヒドロシロキサン)、ジビニル末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、ポリ(スチレン‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン‐コ‐α‐メチルスチレン)、ポリ(1,4‐シクロヘキサンジメチレンテレフタラート‐コ‐エチレンテレフタラート)、Amberjet(登録商標)4200、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレングリコール)[3‐(トリメチルアンモニオ)プロピルクロリド]エーテル溶液、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレン/プロピレングリコール)、ポリ(エチレン‐コ‐ブチルアクリレート)、ポリ(エチレン‐コ‐エチルアクリレート‐コ‐無水マレイン酸)、ポリ(エチルメタクリレート‐コ‐メチルアクリレート)、ポリ(エチレン‐コ‐1‐ブテン‐コ‐1‐ヘキセン)、イソブチル化溶液ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ[ビスフェノールA炭酸塩‐コ‐4,4’‐(3,3,5‐トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール炭酸塩]、ポリ(アクリルアミド‐コ‐アクリル酸)、部分的sec−ブチル/メチル混合エステルポリ(スチレン‐コ‐マレイン酸)、ポリ(4‐ヒドロキシ安息香酸‐コ‐6‐ヒドロキシ‐2‐ナフトエ酸)、ポリ[ブチレンテレフタラート‐コ‐ポリ(アルキレングリコール)テレフタラート]、ポリ(エチレン‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐マレイン酸)、メチル化ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、ジカルボキシ末端ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン)、ポリ(ビニルクロリド‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐2‐ヒドロキシプロピルアクリレート)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)α、ω‐ジオール、ブチル化溶液ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)‐コ‐ホルムアルデヒド]、ポリ(アクリルアミド‐コ‐ジアリルジメチル塩化アンモニウム)溶液、ポリ(テトラフルオロエチレン‐コ‐ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル))、ポリ(4‐ビニルピリジン‐コ‐ブチルメタクリレート)、ポリ(ダイマー酸‐コ‐アルキルポリアミン)、ポリ(1‐ビニルピロリドン‐コ‐2‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)四級化溶液、ポリ(メチルメタクリラート‐コ‐エチルアクリレート)、Luviquat(登録商標)550、ポリ(ビニルトルエン‐コ‐α‐メチルスチレン)、ポリ(エピクロルヒドリン‐コ‐エチレンオキシド‐コ‐アリルグリシジルエーテル)、ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐メチルヒドロシロキサン)、ポリブタジエン‐グラフト‐ポリ(メチルアクリレート‐コ‐アクリロニトリル)、ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)部分的2‐ブトキシエチルエステルクメン末端、ポリ(ジメチルアミン‐コ‐エピクロルヒドリン)溶液、ポリ(エチレン‐コ‐アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド‐コ‐アクリル酸)部分的ナトリウム塩、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)モノアルキルアミド、ポリ(1‐ビニルピロリドン‐コ‐2‐ジメチルアミノエチルメタクリレート)溶液、ポリ(アクリル酸‐コ‐マレイン酸)ナトリウム塩、ポリ(エチレン‐コ‐アクリル酸、亜鉛塩)、ポリ(エチレン‐コ‐テトラフルオロエチレン)、ポリ(2,2,2‐トリフルオロエチルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(ペンタブロモフェニル(pentabromophenyl)アクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(2,2,3,3,4,4,4‐ヘプタフルオロブチルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(分散イエロー7メタクリレート)]、ポリ(2,2,3,3‐テトラフルオロプロピルメタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ(ペンタブロモフェニル(pentabromophenyl)メタクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(分散オレンジ3メタクリルアミド)]、ポリ[((S)‐()‐1‐(4‐ニトロフェニル)‐2‐ピロリジンメチル)アクリレート‐コ‐メチルメタクリレート]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(分散レッド13メタクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(分散レッド13アクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(N‐(1‐ナフチル)‐N‐フェニルアクリルアミド)]、ポリ[(プロピルメタクリル‐ヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐スチレン]、ポリ(ピロメリト酸二無水物‐コ‐チオニン(thionin))、重合体に結合したポリ(エチレングリコール)‐コ‐4‐ベンジルオキシベンジルアルコール、ポリ[(イソブチレン‐alt‐マレイミド)‐コ‐(イソブチレン‐alt‐無水マレイン酸)]、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐(3‐アミノプロピル)メチルシロキサン]、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐[3‐(2‐(2‐ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピル)メチルシロキサン]、ポリ(ビニリデンクロリド‐コ‐アクリロニトリル‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(エチレン‐コ‐1,2‐ブチレン)ジオール、ポリ(DL‐ラクチド‐コ‐カプロラクトン)(40:60)、ポリ(メチルメタクリレート‐コ‐ブチルメタクリレート)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)α,ω‐ジオールビス(2,3‐ジヒドロキシプロピルエーテル)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐(2‐(3,4‐エポキシシクロへキシル)エチル)メチルシロキサン]、ポリ(ビニルクロリド‐コ‐イソブチルビニルエーテル)、ポリ(インデン‐コ‐クマロン)、ポリ(スチレン‐コ‐4‐ブロモスチレン‐コ‐ジビニルベンゼン)、ポリ(エチレン‐コ‐ブチルアクリレート‐コ‐一酸化炭素)、ポリ(ビニルアセテート‐コ‐ブチルマレイン酸エステル‐コ‐イソボルニルアクリレート)溶液、ポリ(3,3’,4,4’‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物‐コ‐4,4’‐オキシジアニリン/1,3‐フェニレンジアミン)アミド酸(溶液)、ポリ(テトラ
フルオロエチレン‐コ‐フッ化ビニリデン‐コ‐プロピレン)、ポリ(エチレン‐コ‐メタクリル酸)リチウム塩、ポリ(スチレン‐コ‐ブタジエン‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ(ビニリデンクロリド‐コ‐ビニルクロリド)、ポリ(スチレン‐コ‐マレイン酸)部分的イソブチルエステル、ポリ[4,4’‐メチレンビス(フェニルイソシアネート)‐alt‐1,4‐ブタンジオール/ポリ(エチレングリコール‐コ‐プロピレングリコール/ポリカプロラクトン]、ポリ(エチレン‐コ‐メタクリル酸)、ポリ(イソブチレン‐コ‐マレイン酸)ナトリウム塩、ポリ(エチレン‐コ‐メタクリル酸)亜鉛塩、ポリ(4‐スチレンスルホン酸‐コ‐マレイン酸)ナトリウム塩、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ブタジエン‐コ‐アクリル酸)グリシジルメタクリレートジエステル、ポリ(尿素‐コ‐ホルムアルデヒド)ブチル化溶液、ポリ(エチレン‐コ‐メチルアクリレート‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[(フェニルグリシジルエーテル)‐コ‐ジシクロペンタジエン]、ポリ[(o‐クレシルグリシジルエーテル)‐コ‐ホルムアルデヒド]、メチル化ポリ(尿素‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ(アクリル酸‐コ‐マレイン酸)溶液、ポリ(3‐ヒドロキシ酪酸‐コ‐3‐ヒドロキシバレリアン酸)、ポリ(p‐トルエンスルホンアミド‐コ‐ホルムアルデヒド)、ポリ(スチレン‐コ‐アリルアルコール)、ポリ(2‐アクリルアミド‐2‐メチル‐1‐プロパンスルホン酸‐コ‐スチレン)、ポリ(アクリルニトリル‐コ‐ブタジエン)、ポリ(4‐ビニルフェノール‐コ‐メチルメタクリレート)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレン‐ran‐プロピレングリコール)メチルエーテル、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)モノアミドシラン、ポリ(ジメチルアミン‐コ‐エピクロルヒドリン‐コ‐エチレンジアミン)溶液、ポリ(エチレン‐コ‐ブチルアクリレート‐コ‐無水マレイン酸)、ポリ(無水トリメリット酸クロリド‐コ‐4,4’‐メチレンジアニリン)、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(分散オレンジ3アクリルアミド)]、ポリ[((S)‐()‐1‐(4‐ニトロフェニル)‐2‐ピロリジンメチル)メタクリレート‐コ‐メチルメタクリレート]、ポリ[(プロピルメタクリル‐ヘプタイソブチル‐PSS)‐コ‐(t‐ブチルメタクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(2‐ナフチルメタクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(フルオレセインO‐アクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(フルオレセインO‐メタクリレート)]、ポリ{[2‐2’,5’‐ビス(2’’‐エチルへキシルオキシ)フェニル]‐1,4‐フェニレンビニレン]‐コ‐[2‐メトキシ‐5‐(2’‐エチルへキシルオキシ)‐1,4‐フェニレンビニレン]}、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(分散レッド1アクリレート)]、ポリ(4‐ヒドロキシ安息香酸‐コ‐エチレンテレフタラート)、ポリ(ビニリデンクロリド‐コ‐アクリロニトリル)、ジヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ジフェニルシロキサン)、1,6‐ジイソシアナートヘキサンとともに拡張されたポリ(1,4アジピン酸ブチレン‐コ‐1,4‐コハク酸ブチレン)、ポリ(ジシクロペンタジエン‐コ‐p‐クレゾール)、ポリ[エチルアクリレート‐コ‐メタクリル酸‐コ‐3‐(1‐イソシアナート‐1‐メチルエチル)‐α‐メチルスチレン]エトキシレート化ノニルフェノール溶液付加化合物、ポリ(エピクロルヒドリン‐コ‐エチレンオキシド)、ポリ(ビスフェノールA‐コ‐4‐無水ニトロフタル酸‐コ‐1,3‐フェニレンジアミン)、ポリ(エチレン‐コ‐メチルアクリレート‐コ‐アクリル酸)、ポリ(プロピレン‐コ‐1‐ブテン)、ナイロン6/66、ポリ(エチレン‐コ‐アクリル酸)ナトリウム塩、ポリ(エチレン‐コ‐ビニルアセテート‐コ‐一酸化炭素)、ポリ(メラミン‐コ‐ホルムアルデヒド)、メチル化/ブチル化(55/45)、ポリ(マレイン酸‐コ‐オレフィン)ナトリウム塩溶液、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)α,ω‐ジイソシアネート、ポリ(ラウリルメタクリレート‐コ‐エチレングリコールジメタクリレート)、ポリ[(フェニルイソシアネート)‐コ‐ホルムアルデヒド]、ポリ[2,6‐ビス(ヒドロキシメチル)‐4‐メチルフェノール‐コ‐4‐ヒドロキシ安息香酸)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)α,ω‐ジカルボキシル酸、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(分散イエロー7アクリレート)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(9H‐カルバゾール‐9‐エチルアクリレート)]、ポリ[メチルメタクリレート‐コ‐(N‐(1‐ナフチル)‐N‐フェニルメタクリルアミド)]、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(分散レッド1メタクリレート)]、ポリ(L‐ラクチド‐コ‐カプロラクトン‐コ‐グリコリド)、ポリ[(メチルメタクリレート)‐コ‐(7‐(4‐トリフルオロメチル)クマリンアクリルアミド)]、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3,3,3‐トリフルオロプロピル)シロキサン]、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(ステアリン酸イルオキシアルキル)シロキサン]、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)アルコール、エトキシ化フォスフェイト、ポリ(エチレン‐コ‐1,2‐ブチレン)モノ‐オル(mono-ol)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐テトラキス(1,2‐ブチレングリコール)、ポリ(1,4‐アジピン酸ブチレン‐コ‐ポリカプロラクタム)、ポリ(ビニルアセテート‐コ‐クロトン酸)、ポリ(tertブチルアクリレート‐コ‐エチルアクリレート‐コ‐メタクリル酸)、ポリ(1‐ビニルピロリドン‐コ‐スチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド‐コ‐ジフルオロメチレンオキシド)‐α,ω‐ビス(メチルカルボキシレート)、ポリ(ビニリデンクロリド‐コ‐メチルアクリレート)、ポリ(アクリロニトリル‐コ‐ビニリデンクロリド‐コ‐メチルメタクリレート)、クメン末端ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)部分的シクロへキシル/イソプロピルエステル、ポリ(4‐エチルスチレン‐コ‐ジビニルベンゼン)、ビス(ペルフルオロドデシル)末端ポリ(ジメチルシロキサン‐コ‐ダイマー酸)、部分的プロピルエステルクメン末端ポリ(スチレン‐コ‐無水マレイン酸)、水素化ポリ(ダイマー酸‐コ‐エチレングリコール)、ポリ(エチレン‐コ‐グリシジルメタクリレート)、ポリ[ジメチルシロキサン‐コ‐メチル(3‐ヒドロキシプロピル)シロキサン]‐グラフト‐ポリ(エチレングリコール)3‐アミノプロピルエーテル、水素化ポリ(ダイマー酸‐コ‐1,6‐ヘキサンジオール‐コ‐アジピン酸)、ポリ(3,3’,4,4’‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物‐コ‐1,4‐フェニレンジアミン)、及びアミド酸溶液、及びポリ[N,N’‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニル)‐1,6‐ヘキサンジアミン‐コ‐2,4‐ジクロロ‐6‐モルホリノ‐1,3,5‐トリアジン]。
【0035】
特に、前記ブロック共重合体は、例えばポリ‐ブチルアクリレート部分、ポリ‐エチルアクリレート部分、及びポリ‐メタクリル酸部分を有するABC3ブロック構造を含み得る。ブロック共重合体は、2又はそれ以上の異なるポリ‐脂肪族‐アクリレート部分を有する2ブロック及び/又は3ブロック共重合体を含み得る。加えて、前記ブロック共重合体は、2またはそれ以上のポリ‐アルキル‐アクリレート部分を有する2ブロック及び/又は3ブロック共重合体を含み得る。
【0036】
加えて、ブロック共重合体は、合成洗剤及び/又は脂質で使用され得るか又はいくつかの具体例に置き換えられ得る。例えば、合成洗剤は、制限されないが、AOT、brij族、lgepal族、triton族、SDS、及びそれらの派生物を含み得る。具体的には、洗剤は、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩、ポリエチレングリコールドデシルエーテル、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェニルポリエチレングリコール、t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールtert−オクチルフェニルエーテル、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニルポリエチレングリコール、ドデシル硫酸ナトリウム塩、及びグリコール酸エトキシレートオクチルエーテルを含み得る。さらに、ブロック共重合体は脂質、脂質ポリエチレングリコール、天然脂質、合成脂質、スフィンゴ脂質及びこれらの誘導体を含み得る。
【0037】
ナノ構造は、プローブ分子に付加され得る。プローブ分子は、リンカーを介して直接的又は間接的にナノ構造に結び付けられることが可能である任意の分子であり得る。プローブ分子は、ナノ構造への任意の安定した物理的又は化学的結合により、任意の適切な手段により直接的又は間接的に付加され得る。
【0038】
一つの実施形態において、プローブ分子は検出(例えばその存在及び/又は容器(身体)内の近接する位置を決定すること)が所望される一以上の標的分子(例えば癌細胞)についての親和力を有する。例えば、標的分子が核酸配列である場合、標的とプローブの混成が起こるように、プローブ分子は標的分子配列に実質的に補完的になるように選択されるべきである。「実質的に補完的」の語は、選択された反応条件下において混成するために、プローブ分子が目標配列に対して十分に補完的であることを意味する。
【0039】
プローブ分子と標的分子は、ポリペプチド(例えば抗体(単クローン性又は多クローン性)のような、しかしこれに限られない蛋白質)、核酸(単量体及びオリゴメリックの両方)、多糖類、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、薬剤(例えば小分子薬剤)、配位子又は前記の組み合わせを含み得るが、これらに限られない。
【0040】
「ポリペプチド」又は「蛋白質」の語句の使用により、自然界から単離されたもの、ウィルス性、細菌性、植物若しくは動物(例えば人間のような哺乳類)由来のもの、又は合成物及び前記の断片を問わず、蛋白質、糖蛋白質、ポリペプチド、ペプチド等を包含することが意図される。好適な蛋白質又はその断片は、抗原、抗原のエピトープ、抗体、又は抗体の抗原的反応断片を含むが、これらに限られない。
【0041】
「核酸」の語句の使用により、自然界から単離されたもの、ウィルス性、細菌性、植物若しくは動物(例えば人間のような哺乳類)由来のもの、合成物、一本鎖、二本鎖、自然的若しくは非自然的に発生したヌクレオチドを含むもの、又は化学的に変更されたものを問わず、DNA及びRNAを包含することが意図される。
【0042】
加えて、プローブは、標的分子及び/又は関連する疾病並びに関心のある状態を治療するために使用され得る薬剤、治療薬、放射線剤、小分子薬剤及び前記の組み合わせを含み得るが、これらに限られない。薬剤、治療薬及び放射線剤は、治療されるべき状態及び/又は疾病と共に意図された治療に基づいて選択され得る。実施形態において、ナノ構造は状態及び/又は疾病を治療するために使用される二以上のプローブを含み得る。
【0043】
以下は、使用され得るプローブの非制限的な例示的リストである。Proleukin(商標)、 Campath (商標)、 Panretin(商標)、Zyloprim(商標)、Hexalen(商標)、Ethyol(商標)、Arimidex(商標)、Trisenox(商標)、Elspar(商標)、TICE BCG(商標)、Targretin(商標)、Blenoxane(商標)、Busulfex(商標)、Myleran(商標)、Methosarb(商標)、Xeloda(商標)、Paraplatin(商標)、BCNU、BiCNU(商標)、Gliadel Wafer(商標)、Celebrex(商標)、Leukeran(商標)、Platinol(商標)、Leustatin-2-CdA(商標)、Cytoxan、Neosar(商標)、Cytoxan Injection(商標)、Cytoxan Tablet(商標)、Cytosar-U(商標)、DepoCyt(商標)、DTIC-Dome(商標)、Cosmegen(商標)、Aranesp(商標)、DanuoXome(商標)、Daunorubicin(商標)、Cerubidine(商標)、Ontak(商標)、Zinecard(商標)、Taxotere(商標)、Adriamycin、Rubex(商標)、Adriamycin PFS Injectionintravenous Injection(商標)、Doxil(商標)、Dromostanolone(商標)、Masterone(商標)、Elliott's B Solution(商標)、Ellence(商標)、epogen(商標)、Emcyt(商標)、Etopophos(商標)、Vepesid(商標)、Aromasin(商標)、Neupogen(商標)、FUDR(商標)、Fludara(商標)、Adrucil(商標)、Faslodex(商標)、Gemzar(商標)、Mylotarg(商標)、Zoladex Implant(商標)、Zoladrex(商標)、Hydrea(商標)、Zevalin(商標)、Idamycin(商標)、IFEX(商標)、Gleevec(商標)、Roferon-A(商標)、Intron A(商標)、Camptosar(商標)、Femara(商標)、Wellcovorin、Leucovorin(商標)、Leucovorin(商標)、Ergamisol(商標)、CeeBU(商標)、Mustargen(商標)、Megace(商標)、Alkeran(商標)、Purinethol(商標)、Mesnex(商標)、Methotrexate(商標)、Uvadex(商標)、Mutamycin(商標)、Mitozytrex(商標)、Lysodren(商標)、Novatrone(商標)、Durabolin-50(商標)、Verluma(商標)、Neumega(商標)、Eloxatin(商標)、Paxene(商標)、Taxol(商標)、Aredia(商標)、Adagen (Pegademase Bovine)(商標)、Oncaspar(商標)、Neulasta(商標)、Nipent(商標)、Vercyte(商標)、Mithracin(商標)、Photofrin(商標)、Matulane(商標)、Atabrine(商標)、Elitek(商標)、Rituxan(商標)、Prokine(商標)、Zanosar(商標)、Sclerosol(商標)、Nolvadex(商標)、Temodar(商標)、Vumon(商標)、Teslac(商標)、Thioguanine(商標)、Thioplex(商標)、Hycamtin(商標)、Fareston(商標)、Bexxar(商標)、Herceptin(商標)、Vesanoid(商標)、Uracil Mustard Capsules(商標)、Valstar(商標)、Velban(商標)、Oncovin(商標)、Navalbine(商標)及びZometa(商標)。
【0044】
ある実施形態において、ナノ構造は少なくとも二つの異なるタイプのプローブを含み得る。一つはある状態及び/又は疾病に関連した特定の細胞又は化合物を標的化する標的化プローブであり、一方第二のプローブは当該疾病を治療するために使用される薬剤である。この方法において、ナノ構造は検出成分、関心のある細胞への伝達成分、及び治療薬のための伝達成分として作用する。ナノ種の検出は、意図された目標へのナノ構造の伝達と共に、目標に伝達されるナノ構造の量を確実にするために使用され得る。
【0045】
本発明は、ナノ構造を製造する方法を提供する。Current Opinion in Biotechnology 2002年13号40〜46頁、Nature Biotechnology 2004年22号969〜976頁参照。前記の両方は、参考文献として本明細書に組み込まれる。例示的な方法は、下記実施例1において説明される。
【0046】
本発明は、試料又は被検体(例えば哺乳類、ヒト、ネコ、イヌ、ウマ等)内において一以上の標的分子を検出する方法を提供し、具体的には、標的分子を生体内において検出する。例えば、実施例1においてより詳細に説明されるように、ナノ構造はナノ構造を使用して動物内の腫瘍の存在を検出するために使用され得る。
【0047】
ナノ種及びブロック共重合体は、疎水性相互作用、親水性相互作用、電荷交互作用(charge-charge interaction)、πスタッキング相互作用及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない相互作用を介して、二次元又は三次元のマイクロ構造に自己組織化し得ることに留意されるべきである。自己組織化は溶液若しくは乳濁液において、又は基板上において実行され得る。マイクロ構造は、順序立った構造又はランダムな構造であり得る。マイクロ構造は、少なくとも一つのナノ粒子と一つのブロック共重合体から構成され、又は多数のナノ種及び多数のブロック共重合体から構成される。
【0048】
予備成形されたマイクロ構造は、一以上のタイプのナノ構造によりドーピングされ得ることにも留意されるべきである。具体的には、ブロック共重合体により準備された予備成形されたマイクロ構造(例えば多数の形状(例えば球状)のうちの一つの多孔性マイクロ構造)は、ナノ構造の表面コーティングとブロック共重合体の化学的組成に依存して、疎水性相互作用、親水性相互作用、電荷交互作用及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない相互作用を介して、ナノ構造によりドーピングされ得る。
【0049】
上述したように、ナノ構造は治療の一部(例えば薬剤伝達)として、一以上の標的(例えば癌)への伝達を示すものとして、及び前記の組み合わせとして、癌、腫瘍、腫瘍性疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患、代謝性疾患、神経系及び神経変性疾患、ウィルス性疾患、皮膚疾患、心臓血管疾患、伝染性疾患及び前記の組み合わせのような、しかしこれらに限られない状態及び疾病の検出のために使用され得ることにも留意されるべきである。
【0050】
一つの実施形態において、ブロック共重合体により被覆された単一のナノ種、又は一以上のナノ種を包含するナノ粒子重合体合成物は、原発腫瘍の検出のためのプローブ又は造影試薬として被検体(例えばヒト、家畜化された動物及びウシ)に注射され得る。これらのナノ構造は、長期循環「受動標的化」試薬のための生体親和性化合物(例えばPEG(ポリエチレングリコール)及びデキストラン)に結合され、及び/又は原発腫瘍の「能動」標的化のための生体親和力プローブ(例えば抗体、抗原、ペプチド、オリゴヌクレオチド、小分子配位子及び薬剤)に結合され得る。
【0051】
細胞は、(例えば生体外及び生体内において)ナノ構造及び/又はマイクロ構造により予めラベリングされ得ることに留意されるべきである。例えば、細胞は生体外において免疫染色法、吸収、顕微注入法、細胞取り込み等を通じて、ナノ種ブロック共重合体マイクロ構造によりラベリングされ得る。その後、細胞は生体外において監視され、又は生体内においてトレーサーとしてのナノ粒子、蛍光発光、磁気、前記の組み合わせ等により追跡される。
【0052】
ナノ構造及び/又はマイクロ構造が、生体内造影試薬として血液プール、肝臓、脾臓、心臓、肺等において使用され得ることにも留意されるべきである。例えば、ナノ粒子ブロック共重合体マイクロ構造は、動物に注射され得て、サイズ及び/又は表面コーティングのようなその構造的特性を変化させることにより、そのマイクロ構造は特定の器官内に選択的に局所化され又は造影試薬として血流内に留まる。
【0053】
ブロック共重合体が、ナノ種の分解を調整するために使用され得ることにも留意されるべきである。例えば、ブロック共重合体は、特に生体内用途について生物学的条件における分解からナノ種を保護し(生体親和性にする)、又はブロック共重合体の分子構造を変化させることによりナノ構造の分解率/分解度を調整するいずれかのために使用され得る。
【0054】
本明細書において使用されるように、癌はその通常の意味を与え、異常な細胞が制御なしに分裂する疾病についての一般用語である。癌細胞は近接する組織に侵入し得て、血流及びリンパ系を通じて身体の他の部分に広がり得る。
【0055】
いくつかの主要な癌のタイプが存在し、例えば、癌腫は内臓を線引きし又は覆う皮膚又は組織において始まる癌である。肉腫は、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管又は他の結合若しくは支持組織において始まる癌である。白血病は、骨髄のような血液を形成する組織において始まる癌であり、多数の異常血液細胞が生成されて血流に入ることを引き起こす。リンパ腫は、免疫系の細胞において始まる癌である。
【0056】
正常細胞が特定され、制御され、かつ調整された構成単位として振る舞う自己の能力を失うとき、腫瘍が形成される。一般に、充実性腫瘍は、通常には嚢胞又は液体領域を含まない組織の異常な塊である(いくつかの脳腫瘍は、嚢胞及び液体により満たされた中枢神経領域を確かに有する)。単一の腫瘍は、失敗した過程を異にすることにより、腫瘍内に異なる細胞の集団さえ有し得る。充実性腫瘍は、良性(非癌性)又は悪性(癌性)であり得る。異なるタイプの充実性腫瘍は、腫瘍を形成する細胞のタイプについて名付けられる。充実性腫瘍の例は、癌腫、肉腫及びリンパ腫である。白血病(血液の癌)は、一般に充実性腫瘍を形成しない。
【0057】
代表的な癌は、とりわけ、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、頭部及び頸部癌、白血病、肺がん、リンパ腫、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、子宮癌、子宮頸癌、甲状腺癌、胃癌、脳幹神経膠腫、小脳性星状細胞腫、脳星状細胞腫、膠芽細胞腫、上衣腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、胚細胞腫瘍、頭蓋外腫瘍、ホジキン病、白血病、急性リンパ性白血病、急性脊髄性白血病、肝癌、髄芽細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍一般、非ホジキンリンパ腫、骨肉腫、悪性骨線維性組織球腫、網膜芽腫、横紋筋肉腫、軟部組織肉腫一般、テント上原始神経外胚葉及び松果体腫瘍、視覚路及び視床下部神経膠腫、ウィルムス腫瘍、急性リンパ球性白血病、成人急性骨髄性白血病、成人非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、食道癌、有毛細胞白血病、腎臓癌、多発性骨髄腫、口腔癌、膵癌、原発性中枢神経系リンパ腫、皮膚癌、小細胞肺癌を含むが、これらに限られない。
【0058】
腫瘍は、悪性又は良性に分類され得る。両方の場合において、細胞の異常な凝集及び増殖が存在する。悪性腫瘍の場合、これらの細胞は増加した侵入性の特性を得て、より攻撃的に振る舞う。最終的には、腫瘍細胞は自己が発生した微視的環境から離脱する能力を得て、身体の別の領域(非常に異なる環境を有する、通常には腫瘍細胞の成長に繋がらない)に広がり、この新たな位置においてその急速な成長及び分裂を継続する能力さえ取得し得る。このことは転移と呼ばれる。悪性細胞が転移すると、治療を達成することはより難しい。
【0059】
良性腫瘍はより小さい侵入の傾向を有し、転移する可能性がより小さい。脳腫瘍は脳内において広範囲に広がるが、通常には脳の外部に転移しない。グリオーマは、実際に制御されていない方法により分裂するが、脳の内部において非常に侵襲的であり、脳半球を交差しさえする。グリオーマの位置に依存して、グリオーマは悪性病変と同じくらい命に係わるものであり得る。グリオーマの例は脳内の良性腫瘍であり、頭蓋内において成長して空間を占有し、脳への増加した圧力に導き得る。
【0060】
本明細書において使用されるように、心臓血管疾患は、その通常の意味を与え、高血圧、糖尿病、冠状動脈病、心臓弁膜症、先天性心臓病、不整脈、心筋症、慢性心不全、粥状動脈硬化、炎症性又は不安定プラーク関連症状、再狭窄、梗塞、血栓症、術後凝固性疾患及び脳卒中を含むが、これらに限られない。
【0061】
本明細書において使用されるように、炎症性疾患は、その通常の意味を与え、関節炎、慢性関節リューマチ、多発性硬化症、全身エリテマトーデスのような自己免疫疾患、喘息、乾癬、炎症性腸症候群のような他の疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、血管性認知症のような神経病学的変性疾患、並びに癲癇、片頭痛、脳卒中及び精神的外傷のような他の病的状態を含むが、これらに限られない。
【0062】
本明細書において使用されるように、自己免疫疾患は、その通常の意味を与え、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫アジソン病、無形成性貧血、自己免疫溶血性貧血、自己免疫肝炎、ベーチェット病、胆汁肝硬変、類天疱瘡、カナバン病、心筋症、セリアック病皮膚炎、慢性疲労免疫性機能障害症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発神経障害、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕類天疱瘡、クレスト症候群、寒冷凝集素症、クローン病、皮膚筋炎、シルダー汎発性脳硬化症、円板状狼瘡、本態性混合クリオグロブリン血症、線維筋痛‐線維筋炎、フックス虹彩毛様体炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少紫斑病(ITP)、IgA腎症、インシュリン依存性糖尿病、中間部ブドウ膜炎、若年性関節炎、扁平苔癬、狼瘡、メニエール病、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、ネフローゼ症候群、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発性動脈炎、多発性軟骨炎、多腺性症候群、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎及び皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、慢性関節リウマチ、類肉腫症、強皮症、シェーグレン症候群、全身強直性症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞動脈炎、潰瘍性大腸炎、脈管炎、白斑、VKH(フォークト‐コヤナギ‐ハラダ)病、ヴェゲナー肉芽腫症、抗リン脂質抗体症候群(ループス性抗凝固因子)、チャーグ・ストラウス症候群(アレルギー性肉芽腫症)、皮膚筋炎/多発性筋炎、グッドパスチャー症候群、関節炎を伴う間質性肉芽腫皮膚炎、紅斑性狼瘡(SLE、DLE、SCLE)、混合性結合組織病、再発性多発軟骨炎、強直性脊椎炎を含むHLA−B27関連症状、乾癬、潰瘍性大腸炎、ライター症候群及びブドウ膜疾患を含むが、これらに限られない。
【0063】
本明細書において使用されるように、ウィルス性疾患は、その通常の意味を与え、パラミクソ、ピコルナ、ライノ、コクサッキー、インフルエンザ、ヘルペス、アデノ、パラインフルエンザ、呼吸器合胞体、エコー、コロナ、エプスタイン・バー、サイトメガロ、水痘帯状疱疹、肝炎(例えばC型肝炎ウィルス(HCV)、A型肝炎ウィルス(HAV)、B型肝炎ウィルス(HBV)、D型肝炎ウィルス(HDV)、E型肝炎ウィルス(HEV)、F型肝炎ウィルス(HFV)、G型肝炎ウィルス(HGV)、ヒト免疫不全症を含む変異体) のような、しかしこれらに限られない標的ウィルスを含む。
【0064】
本明細書において使用されるように、神経学的状態は、その通常の意味を与え、一般に虚血性又は低酸素症機構を有する疾患、神経変性疾患(Adamsら著「Principles of Neurology」1997年、第6版、ニューヨーク、1048頁参照)、及び神経性細胞死に関連した神経学的及び精神医学的疾患の三つの種類に分類され得る。
【0065】
虚血性又は低酸素症機構を有する疾患は、さらに一般的疾病及び脳虚血に細分類され得る。そのような虚血性又は低酸素症機構を伴う一般的疾病の例は、心筋梗塞、心不全、心臓麻痺、鬱血性心不全、心筋炎、心膜炎、心膜心筋炎、冠状動脈性心臓病(冠状動脈狭窄)、狭心症、先天性心臓病、ショック、四肢虚血、腎動脈狭窄、糖尿病性網膜症、マラリアに伴う血栓症、人工心臓弁、貧血症、脾臓過動(hypersplenic)症候群、気腫、肺線維症及び肺水腫を含む。脳虚血疾患の例は、脳卒中(出血性脳卒中も同様)、脳微小血管障害(小血管病)、分娩中(intrapartal)脳虚血、心停止又は心臓蘇生法中/後脳虚血、手術中問題による脳虚血、頸動脈手術中脳虚血、脳への血液供給動脈の狭窄による慢性脳虚血、脳静脈の副鼻洞血栓症又は血栓症、脳船奇形及び糖尿病性網膜症を含む。
【0066】
神経変性疾患は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ウィルソン病、多系統萎縮症、アルツハイマー病、ピック病、レビー小体病、ハレルフォルデン・スパッツ病、ねじれ失調症、遺伝性運動感覚性ニューロパチー(HMSN)、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、マチャド・ジョセフ病、フリートライヒ運動失調、非フリートライヒ運動失調、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、家族性振戦、オリーブ橋小脳変性症、腫瘍随伴脳症候群、遺伝強直性対麻痺、遺伝視覚神経障害(レーバー)、網膜色素変性症、シュタルガルト病及びキーンズ・セイアー症候群を含み得るが、これらに限られない。
【0067】
神経性細胞死に関連した神経学的及び精神医学的疾患の例は、感染性ショック、脳出血、クモ膜下出血、脳血管性痴呆、炎症性疾患(例えば脈管炎、多発性硬化症及びギラン・バー症候群)、神経外傷(例えば脊髄損傷及び脳損傷)、末梢性神経障害、多発神経障害、てんかん、精神分裂症、代謝性脳症及び中枢神経系感染症(ウィルス性、細菌性、真菌性)を含む。
【実施例1】
【0068】
一般的に記述されたナノ構造を有する以上は、実施例1はナノ構造のいくつかの具体例及びその使用を記述する。下記の事項は、本発明の具体例の制限されない説明に役立つ実施例である。つまり、参照することにより本書に組み込まれるGaoら著「Nature Biotechnology」22,8,(2004)においてさらに詳細に記述される。本実施例は、本開示の任意の実施例の範囲で制限することを意図されず、むしろ明確な実験条件及び結果を提供することが意図される。それゆえ、当業者は多くの実験条件が修正され得ることを理解し得るが、それはこれらの修正が本開示の実施例の範囲内であることを意図される。
【0069】
半導体量子ドット(QD)を基礎とする多機能ナノ粒子プローブは、生存動物において癌を対象とすること及び撮像することについて発展している。構造設計は、ABC3ブロック共重合体を持った発光性のQDをカプセル化し、腫瘍を対象としている配位子及び薬物送達官能基へ両親媒性高分子を結びつけることを含む。ヌードマウスにおいて成長する人間の前立腺癌の生体の対象としている研究は、QDプローブが促進された浸透と保有の両方、及び癌特異細胞表面バイオメーカーへ結合する抗体によって腫瘍部位へ伝達され得る。QDとタグ付けされた癌細胞の皮下注射と、多機能QDプローブの全身注射の両方の使用が、生体の条件の下で、癌細胞を撮像する感度のいい多色の蛍光を生じた。本実施例は、効率的な背景除去及び弱いスペクトルの形跡の正確な描写のための波長分解スペクトル撮像を備えた全身マクロ照射システムの統一も報告する。前記結果は、生体の分子標的の超高感知かつ多重化された撮像のための新しい可能性を提起する。
【0070】
(結果)
プローブ設計:生体の癌を対象とすること及び撮像することに関して、バイオ接合した(bioconjugated)QDプローブは、薬物伝達を使用すること及び原理を対象とすることによって設計された。(図3A)において概略的に示されているので、コアシェルCdSe−ZnS量子ドットは、調和的である配位子(TOPO(トリ−n−オクチルホスフェンオキシド))と両親媒性高分子被覆の両方によって保護される。TOPOと炭化水素高分子の間の強い疎水性相互作用が原因で、前記二つの層がお互いに「結合」し、生体の条件の合成物の下で、加水分解及び酵素分解ですら対抗する疎水性保護構造を形成する。簡単な高分子と両親媒性脂質が以前の研究で使用したことと対照的に、本明細書に記述された方法は、複雑なABC3ブロック構造を持った高分子量(MW=約100kD)共重合体及びグラフト八炭素(C‐8)アルキル側鎖(図3B)を使用する。この3ブロック高分子は、ポリアクリル酸ブチル(polybutylacrylate)部分(疎水性)、ポリアクリル酸エチル(polyethylacrylate)部分(疎水性)、ポリメタクリル酸部分(親水性)、及び疎水性炭化水素側鎖を含む。鍵の発見は、この高分子が自発的な自己集合法を介して、単一TOPOがかぶさったQDを分散及びカプセル化し得る。結果として、前記QDは、それらの光学的性質(例えば吸収スペクトル、発光スペクトル、及び蛍光量子収率)が幅広いpH(1から14まで)及び塩の状態(0.01から1Mまで)又は1.0M塩酸(PEGに連関したQD)を備えた厳しい処置の後において変化しなかったという程度まで保護される。
【0071】
動的光散乱(DLS)測定は、組み立てられたQDプローブが約10から15nmまで(付属された配位子に依存する)の流体力学半径を有することを表す。この値は、5nmのQD核(半径2.5nm)、1nmのTOPOキャップ、2nmの厚い高分子層、4−5nmのPEG/抗体層で構成する小型のプローブ構造と一致する。QDの流体力学半径は、それらのTEM「乾燥した」半径よりかなり大きくなり得るが、報告されたTEM値は有機体で覆われたQDの真実の物理的な大きさを表していないことを意味している。その理由は、有機物質(例えばTOPO、高分子、及び接合した生体分子など)がナノメートル規模でTEM視覚化にとって十分に電子密度が高くないことである。QDが外部環境と接触することから厳重に保護されているので、流体力学的挙動が主に表面被覆層によって制御される。そのようなものとして、高分子被覆量子ドットが、標準高分子ミセル又はナノ粒子のように類似して機能するべきであり、被覆されたQDが巨大分子及びナノ粒子と比較して特異な流体力学特性を有するための基礎的な理由は存在しない。
【0072】
幾何学的な/大きさの制約及び配位子結合効率性(約40〜50%、蛍光標識配位子を使用することによって実験的に決定される)に基づいて、各々のドットは約200のTOPO分子、約4乃至5の3ブロック共重合体分子、約5乃至6のPEG分子、及び約5乃至6の抗体分子を含むことが予測されている。高感知性蛍光撮像は、QD生体接合(bioconjugate)がガラスの表面上で拡張される時、「点滅」信号が示される。この点滅動作は、単一色素分子及び単一QDのような単一量子系の特徴があり、3ブロック共重合体が単一粒子の中へ量子を効率的に分散させる。予備試験TEMの結果は、さらにQDプローブが単一の粒子を構成し、有るか無しかの集合体と一致させることをも明らかにした。しかしながら、腫瘍細胞がQDの大集団(膨大な数に至るまで)とともに標識化されるので、QD点滅が生体内の腫瘍撮像に関して逆の意味を有しないことは何の意味もないもので、単一量子型からは程遠い。
【0073】
PEG接合の現在の水準において、ポジティブ細胞染色法により確認されたように、PEG接合は抗体結合に干渉しない。ペグ化されたリポソームについて以前に報告されたように、より高いPEG密度又はより長い鎖において、配位子結合への重大な干渉が起こり得る。干渉を削減するために、標的配位子はPEGの遠位末端に付加され得る。しかし、完全に曝される配位子は、非特異性の細胞取り込み又は免疫反応を発現させ、これにより生体内におけるプローブの生体親和性及び循環の継続期間を削減する。
【0074】
腫瘍標的化:生体内条件下において、QDプローブは受動標的化機構と能動標的化機構の両者によって腫瘍に伝達され得る(図3C)。受動形態において、高分子とナノメートルサイズの粒子は、向上した浸透性及び保持力(EPR)効果を通じて腫瘍位置に選択的に蓄積される。前記効果は、(a)腫瘍に関連した新生血管系を過剰浸透化させ(hyperpermeabilize)、循環高分子及び小粒子の漏出を引き起こす脈管内皮細胞増殖因子(VEGF)を生成する脈管内皮腫瘍、及び(b)後続の高分子又はナノ粒子の蓄積を導く有効なリンパ排液系を欠く腫瘍の二つの要因から生じると確信されている。能動的腫瘍標的化のために、抗体に接合された量子ドットは、前立腺特有の細胞表面抗原であるPSMA(前立腺特異的膜抗原)を標的化するために使用された。以前の研究により、PSMAは前立腺上皮細胞及び新生血管内皮細胞の両方についての細胞表面マーカーとして識別された。PSMAは、前立腺癌の撮像及び治療的診療の両者について、魅力的な標的として選択された。腫瘍成長の位置におけるPSMA抗体の蓄積及び滞留は、放射線免疫シンチグラフィ(radioimmunoscintigraphic)スキャン(例えばプロスタシント(ProstaScint)スキャン)及びヒト前立腺癌転移のための標的化治療の基礎である。
【0075】
PSMAの細胞外ドメインを認識する、PSMA単クローン性抗体J591に接合されたQDプローブは、最初に前立腺癌細胞株におけるPSMAへの結合について評価された。免疫細胞化学的データは、PSMA抗体J591接合QDプローブのヒト前立腺癌細胞株C4−2への強い特定の結合を確認した。ヒト前立腺癌細胞株C4−2は、細胞表面上においてPSMAを発現すると知られている(図4の上段パネル)。QD−PEG(抗体なし)を使用した抑制研究は、低いレベルのC4−2細胞への非特異性の細胞結合だけを示した(図4の中段パネル)。PC−3細胞、PSMA陰性ヒト前立腺癌細胞株を使用した追加の抑制研究もまた、QD結合の不存在を示した(図4の下段パネル)。前記結果は、PSMA抗体−QD結合がそのPSMA結合活性及び選択性を保持することを確立する。
【0076】
生存動物内におけるQD−PSMA抗体接合プローブの挙動を調査するために、本研究においては、それら特有の吸収及び滞留、背景又は非特異性の吸収、血中クリアランス、器官分布と共に、これらのQD表面変形との関係が調査された。図5A及び5Bは、QD−PSMA抗体接合の単独尾静脈投与後にヌードマウスから得られた腫瘍異種移植片(図5B)及び6つの正常宿主器官(図5A)の比較組織学的データを示す。量子ドットの特徴的な赤橙色蛍光から分かるように、非特異性QD吸収及び滞留は主に肝臓及び脾臓において起こり、脳、心臓、腎臓及び肺においてはQD蓄積がほとんど又は全くない。この生体内器官吸収及び分布のパターンは、デキストランによりコーティングされた酸化鉄磁性体ナノ粒子の生体内器官吸収及び分布のパターンに類似している。過剰なCOOH基を有する重合体によりカプセル化されたQDについて、腫瘍標的化は全く観察されず、非特異性の器官吸収及び速い血中クリアランスを示した。表面PEG基を有する重合体によりカプセル化されたQDについて、器官吸収の割合は削減されて血液循環の長さは改善され、これにより、腫瘍内のナノ粒子の遅い蓄積に導いた。PEGによりカプセル化されPSMA抗体により生体接合されたQDについては、ナノ粒子は腫瘍移植片によって伝達及び維持されたが、非特異性肝臓及び脾臓吸収は依然明らかであった。
【0077】
受動的腫瘍標的化は、QD−PEG接合の増加した投与量(6nモルの注射に加えてプローブ循環の24時間の潜伏期間)と共にのみ観察された。対照的に、QD−COOH接合の同一の投与量は、無胸腺宿主における同一の長さの循環に続く受動的標的化による腫瘍内の蓄積をほとんど有しないことが発見された。このQD吸収及び滞留の低い効率性は、プローブ表面(重合体コーティング上の遊離型カルボン酸)上の過剰な負電荷による可能性が高い。前記負電荷は、プローブの管外遊出率及び後続の腫瘍移植片へのプローブの蓄積を削減することが知られている。
【0078】
生体内癌撮像:図6A〜6Dは、腫瘍保持マウス及び対照マウス(腫瘍なし)の尾静脈に注射されたPSMA抗体QDプローブから得られたスペクトル画像結果を示す。元の画像(図6A)は、自己蛍光背景(マウス皮膚)の間の一つの腫瘍位置におけるQD信号を示す。スペクトル非混合アルゴリズムを使用して、蛍光背景信号(図6B)がQD信号(図6C)から分離され得る。合成画像(図6D)は、全体の動物及び腫瘍位置を明確に示す。下部右の画像内の向上されたコントラストは、QDプローブがマウス自己蛍光からの干渉をほとんど又は全く有さずに、本質的に黒い背景に対して視覚化され得ることを示す。生体外において励起された量子ドットを使用した個々の試験からの結果は、スペクトル撮像技術がピーク位置において僅か5nmしか違わない多数の蛍光信号を分離する(unmix)ために使用され得ることを示す(結果は示されない)。このように、自己蛍光からの干渉を除外する能力及び多数の同時に存在するラベルを解決する能力は、スペクトル撮像が量子ドットに基づくラベリング方法と組み合わされたときに相当な有用性を有するであろうことを示唆する。
【0079】
本研究はさらに、QDプローブ表面上の官能基がどのように生体内における撮像結果に影響を与えるかについて調査した。図7は、三つのタイプの表面変形であるCOOH基、PEG基、及びPEGに加えたPSMA抗体からの生体内撮像結果を比較する。組織学的調査に一致して、腫瘍信号はCOOHプローブと共には全く検出されなかった。弱い腫瘍信号のみが、PEGプローブ(受動的標的化)と共に観察された。非常に強い信号が、PEG−PSMA抗体接合プローブ(能動的標的化)において検出された。この比較は、腫瘍特有の配位子を使用することによる能動的腫瘍標的化が、腫瘍浸透、吸収及び滞留に基づく受動的標的化よりも非常に高速であり、かつ非常に効率的であることのさらなる証拠を提供する。
【0080】
プローブ輝度及びGFP(緑色蛍光タンパク質)とのスペクトル比較:GFPのような遺伝子的に符号化された蛍光蛋白質は、生体内癌撮像のために細胞をタグ付けするために使用されたため、GFP及びQDプローブの検出感受性及びスペクトル特性を比較することは重要である。この目的のために、QDは最初に転位ペプチド(HIV Tat(ヒト免疫不全ウイルスの転写活性化タンパク質)又はポリアルギニンのような)に結合され、生存癌細胞に伝達された。類似のペプチドが、生体内における細胞転移及び集積を監視するために、生存細胞に磁性ナノ粒子を伝達するために使用された。蛍光強度測定は、三百万個ものQDが各癌細胞に伝達され得ることを示す。驚くべきことに、このレベルのQDローディング(loading)は、QDによりタグ付けされた癌細胞の転移が動物モデルにおいて通常の腫瘍成長に導かなかったため、細胞生存率及び成長に影響を与えなかった。
【0081】
図8Aは、宿主マウスの各側面に注射された同一の数(約1000個)のQDによりタグ付けされた細胞及びGFP安定感染細胞についての生体内撮像データを示す。QDによりタグ付けされた細胞及びGFP安定感染細胞は、細胞培養内において同様に発光したが(右側の二つの画像)、QD信号のみが生体内において観察された(右側の橙色の光)。注射位置においてGFP信号は全く識別され得なかった(左側の円)。いくつかの要因(光学密度及び組織散乱のような)は正規化又は標準化することが困難であるため、前記結果はGFPとQDの間における絶対的な強度比較を提供しない。むしろ、前記結果はQDの発光スペクトルが自己発光から離れて移動させられ得ることを証明する質的なスペクトル比較であり、低い信号強度における分光学的検出を可能にする。対照的に、有機染料及び蛍光蛋白質は小さなストークスシフトを生じさせ、結果として同一のスペクトル領域におけるGFP発光及び背景蛍光を生じさせる。QDの輝度及びスペクトル移動の利点は、図9A、9B、10A及び10Bにおいてさらに示される。
【0082】
別の重要な特徴はQDの大きな吸収係数であり、これは光子が限られた生体内の条件(そこでは光強度は散乱及び吸収によって大幅に減衰される)下においてQDをより明るいプローブにする。この特徴を評価するために、量子ドット及び有機染料の光物理過程が比較され得る。理論的に、単一の量子ドットについての寿命が限られた発光率は、単一の有機染料のより長い励起状態寿命(20〜50ns)により、単一の有機染料の発光率より5〜10倍低い。しかし、実際には、蛍光撮像は通常には吸収が限られた条件下において行われ、そこでは吸収率が蛍光発光の主要な制限要因である。QDのモル吸光係数(0.5〜2×106M−1cm−1)が有機染料のモル吸光係数(5〜10×104M−1cm−1)より10〜50倍大きいため、同一の励起光子流束においてQD吸収率は有機染料の吸収率より10〜50倍高速である。前記の増加した光照射率により、単一のQDは有機染料より10〜20倍明るく現れ、結果は現行の文献により実験的に確認された。
【0083】
本研究は、QD符号化されたマイクロビーズによる多色生体内撮像をさらに調査した。この目的のために、それぞれ緑色、黄色又は赤色のQDによりドーピングされた0.5μmの重合体ビーズの三つの試料が、以前の細胞差別化及び追跡研究のための蛍光ビーズを使用した報告と同様に、三つの異なる位置においてマウスモデルに注射された。QDの通常に大きいストークスシフト及び幅広い励起プロファイルにより、三つの色の全てが同一のマウス内において、かつ単一の光源により同時に観察された(図8B)。
【0084】
(議論)
本研究の前に、いくつかのグループが高感度生物学的検定及び細胞撮像のためのQDの使用を報告したが、生存動物への量子ドットの投与について、重大な蛍光の損失が記載された。この信号損失の正確な起源は依然明確ではないが、最近の研究は表面配位子及びコーティングが体液内において遅く劣化し、表面損傷及び蛍光消光に導くことを示唆する。この作用は、表面損傷が連続的レーザー励起によってアニールされ得るとの観察によって支持され、QD蛍光の損失は部分的に回復され得る(表面構造変化を含む)。前記研究において報告されたQDプローブは、生体内劣化に対して高い安定性を有するため、重大な改善を表す。重要な特徴は高分子量三ブロック共重合体であり、高分子量三ブロック共重合体はTOPO−QDを完全にカプセル化して単独のQDの周囲に安定した疎水性保護層を形成する。
【0085】
上記重合体層の疎水性表面上には多数の官能基(例えば400〜500個のカルボシキル酸基)が存在し、前記官能基は診断薬及び治療薬の両方の付加を可能にする。合成有機分子のような小分子配位子により、短鎖ヌクレオチド及びペプチド、同一の配位子の多数の複製が単独のドットに結合され得て、多価のQD標的化結合に導く。以前の研究は、適切に設計された多価の配位子が10桁(order of magnitude)結合親和力を増加させ得ることを示した。高い表面密度においてオリゴ糖(oligos)に結合されたコロイド金粒子を使用して、DNAハイブリダイゼーションの配列選択性が100〜1000倍(より鋭い融解曲線)改善され得ることが証明された。研究は、最も可能性が高いものとしては腫瘍血管系の表面上に分布する標的蛋白質への多価ペプチド結合により、QDペプチド接合が優れた結合選択性を示すことをも示した。この新規な特徴は、有機染料及び蛍光蛋白質により利用可能でないものであり、細胞表面上のバイオマーカーの密度及び分布に基づいた標的癌細胞に対する多価QDプローブの設計を可能にし得た。真に独特な癌バイオマーカーがしばしば利用可能でなく、又は極めて低い濃度において存在するため、前記のことは癌分子診断及び治療のための新たな戦略を提供し得る。
【0086】
加えて、重合体によりカプセル化されたQDプローブは、生体内腫瘍目標化のために優れたサイズ範囲にある。小さなペプチド−染料結合により、高速な管外遊出がプローブの一分未満の血中クリアランスをしばしば導く。循環又は滞留時間は、小さなプローブを高分子又はナノ粒子に付加することにより改善され得る。この戦略は、薬剤伝達研究において広く使用される。実際に、記述された研究はPEGにより保護されたQDが、約5〜8時間の半減期にて、約48〜72時間もの間に亘り血液中を循環することが可能であることを示す。同時に、これらのプローブはセル表面受容体への効率的な結合、エンドサイトーシス又はペプチド転位を通じた内在化、及び(核局所化ペプチドを使用して)核孔を通じて細胞核に入るための通過のために十分に小さい(図8Aの右上)。しかし、QDの充実性腫瘍への貫通深度は、少なくとも部分的にはQDのナノメートルサイズにより制限されるであろう。
【0087】
QDの固有の光学的特性は、多色撮像及び多重化のための新たな機会をも提供する。例えば、多色撮像は強度配分、空間共局在化、及び転移性腫瘍位置における定量的標的測定を可能にするであろう。光学的符号化方法もまた、多数の色及び多数の強度レベルの使用に基づいて可能である。この組み合わせによるアプローチは、多数の遺伝子、蛋白質及び小分子ライブラリのタグ付けについて実証された。波長及び強度に加えて、寿命蛍光撮像は新たな次元を表現する。QDの励起状態寿命(約20〜50ns)がほぼ1桁だけ有機染料の励起状態寿命(約2〜5ns)より長いため、QDプローブは細胞、組織標本及び生存動物の蛍光寿命撮像(FLIM)のために適切であるはずである。
【0088】
橙色/赤色発光量子ドットの現在の使用は、組織貫通又は撮像感知性について最適化されていない。組織光学における広範囲な研究は、深組織撮像(ミリメートルからセンチメートル)が、650〜900nmのスペクトル範囲の遠赤外線及び近赤外線光の使用を必要とすることを示した。前記波長範囲は、血液及び水の主要な吸光ピークから分離されているため、生体内光学的撮像のための「明確な」窓を提供する。組織光学計算に基づいて、近赤外線発光量子ドットの使用が少なくとも10倍(10-fold)腫瘍撮像感知性を改善し、10〜100個の癌細胞の高感度検出を可能にするであろうことが予測される。この目標に向かって、最近の研究は、調整可能な蛍光発光が最大850nmで量子収率が最大60%のテルル化カドミウム・セレンから構成された合金の半導体量子ドットの新しい種類を準備した。核−シェルCdTeCdSeタイプII物質と共に、近赤外線発光QDの使用は組織貫通深度及び細胞検出感知性において大きな改善をもたらすはずである。
【0089】
残る問題は、QDの生体内における毒性及び代謝である。最近の研究は、CdSeのQDが長時間の紫外線照射下において細胞に対して高い毒性を有することを示す。このことは、紫外線照射がしばしば半導体粒子を分解して、有毒なカドミウムイオンを溶媒中に解放することから理解することができる。紫外線照射が存在しない場合、本研究は安定した重合体コーティングを有するQDが本質的に細胞に対して毒性を有しない(細胞分裂又はATP生成について影響がない)ことを示す。現在の文献は、生体内研究もまた安定して保護されるQDの非毒性の特性を確認したことを示す。このことは、QD核が外部環境に曝されないであろうほど重合体保護層が安定していることから、おそらく驚くべきことではない。この結論と一貫して、以前の研究はデキストランにより保護された酸化鉄ナノ粒子の吸収(最大一細胞当たり1000万粒子)が細胞生存率を大きく削減せず、ミセル保護されたQDの注射(最大一胚細胞当たり2億個)がカエルの胚発生に影響を与えないことを示した。前記研究において、単一の癌細胞中の最大300万個のQDは、認め得るほどに生存率又は成長を削減しなかった。
【0090】
しかし、現時点において生存動物内に注射されたQDプローブの代謝の作用又はクリアランスについてはほとんど知られていない。重合体によりカプセル化されたQDについては、化学的又は酵素による半導体コアの劣化が起こりにくい。しかし、ポリマーにより保護されたQDは、腎臓を通じた遅い濾過作用及び排泄により身体から除去され得る。
【0091】
結論としては、本研究は、生体内における癌標的化及び撮像のための重合体によりカプセル化され接合されたQDプローブの新しい種類の開発を包含する。前記プローブは明るく、安定しており、追加の診断薬及び治療薬への接合に良く適した多用途の3ブロック共重合体構造を有する。生体内撮像結果は、QDプローブが受動的及び能動的作用の両方を通じて腫瘍位置に標的化され得ることを示すが、受動的標的化は能動的標的化より非常に遅く効率的でない。波長分解撮像と組み合わされたとき、QDプローブは生存動物内の癌細胞の高感度の多色撮像を可能にする。近赤外線発光量子ドットの使用は、組織貫通深度及び撮像感知度の両方を向上させるはずである。記述した研究によれば、量子ドットは癌、心臓血管プラーク及び神経変性疾患の非侵襲性撮像、診断及び治療のための「高性能の」ナノ構造を開発するための標的化、撮像及び治療薬と一体化され得た。
【0092】
方法:動物使用手順はエモリー大学(Emory University)の組織的動物養護及び使用委員会により検討され承認された。
【0093】
物質:別途記載したものを除き、全ての化学物質及び生化学物質は、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich、ミズーリ州セントルイス)から購入され、さらなる精製なしに使用された。前立腺特異的膜抗原(PSMA)に対する単クローン性抗体(J591)は、ミレニアム・ファーマシューティカルズ(Millenium Parmaceuticals、マサチューセッツ州ケンブリッジ)からの親切な贈り物であった。膜転位ペプチド(ストレプトアビジン(Strepavidin)QDへの接合のためのC末端ビオチンを有する転写活性化タンパク質及びポリアルギニン)は、インヴィトロゲン(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)により合成され精製された。核−シェル量子ドット(ZnSによりキャッピングされたCdSe)は、文献の手順に従って合成された。高温配位性溶媒であるトリ−n−オクチルホスフェンオキシド(TOPO)は合成のために使用され、TOPO分子の単分子層によりキャッピングされた高品質QDに導いた。前記ドットは高度に蛍光発光し(約60%の量子収量)、単分散(約5%のサイズ変化)であった。QD符号化されたマイクロービーズは、ブタノール中の0.5μmメソ多孔性マイクロビーズを使用して準備され、以前に報告されたように単離されて精製された。
【0094】
ポリブチルアクリレート部分、ポリエチルアクリレート部分及びポリメタクリル酸部分から構成された三ブロック共重合体は、シグマ(Sigma、ミズーリ州セントルイス)から購入された。約100,000ドルトンの分子量において、前記重合体は1000個より多い合計モノマー単位を含み、23%のメタクリル酸と77%の結合されたブチル・エチルアクリレートを有する。カプセル化QDについて、約25%の遊離カルボキシル酸基が、オクチルアミン(疎水性側鎖)により誘導体化された。そのため、ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶解した元の重合体は、エチル−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDAC、n−オクチルアミンの3倍過剰)を架橋結合試薬として使用して、n−オクチルアミンと1:40の重合体/オクチルアミンモル比において反応した。DMFにおける高いEDAC結合効率により、生成物収量は一般に90%より大きかった(薄い層クロマトグラフィにおける遊離オクチルアミン帯の変化により決定される)。反応混合物は、ラトヴァップ(ratovap、Rotavapor R-3000、Buchi Analytical Inc.、デラウェア)により乾燥された。結果として生じた油状の液体は水により沈殿させられ、過剰なEDAC及び他の副産物を除去するために水により5回洗浄された。真空乾燥後、オクチルアミンが移植された重合体は、エタノール/クロロホルム混合物中において再懸濁され、使用のために格納された。
【0095】
表面変形及び生体接合:3:1(体積比(v/v))のクロロホルム/エタノール溶媒混合物を使用して、TOPOによりキャッピングされた量子ドットが、両親媒性三ブロック共重合体によりカプセル化された。分子幾何配置計算は1つの量子ドットを完全にカプセル化するために少なくとも4つの重合体分子が必要であろうことを示したため、5〜10の重合体対QDの比率が使用された。実際に、安定したカプセル化(例えば凝集なし)は、4:1より小さい重合体/ドット比率において達成されなかった。真空乾燥後、カプセル化されたドットは極性溶媒(水性緩衝液又はエタノール)中にて懸濁され、ゲル濾過により精製された。次に、標準的手順が、遊離カルボキシル酸基(各重合体分子について約100個)をアミノPEG(Sunbio、韓国)、ペプチド及び抗体のようなアミンを含む配位子と架橋結合するために使用された。簡潔には、重合体によりコーティングされたドットは、1mMのEDACによりpH6において30分間活性化された。精製後、活性化されたドットは、1:50のQD/PEGモル比においてpH8にて2時間アミノPEGと反応させられ、PEG結合されたプローブを生成した。あるいは、活性化されたドットは、1:6の削減されたQD/PEG比率によりpH8にて20分間PEGと反応させられ、その後1:15のQD/抗体モル比において2時間腫瘍標的化抗体と反応させられた。最終的なQD生体接合物はカラム濾過又は超遠心分離法により100,000gにおいて30分間精製された。PBS(リン酸緩衝生理食塩水)緩衝液(pH7)中における再懸濁後、凝集した粒子は6000gにおいて10分間遠心分離により除去された。
【0096】
QDストレプトアビジンは、QD抗体接合と同一の実験的条件(1:15のQD/ストレプトアビジンモル比、pH8、室温及び2時間)下において、同一の架橋接合試薬(1mMのEDAC)を使用することにより準備された。カラム濾過による精製後、QDストレプトアビジンは1:20のQD/ペプチドモル比によりビオチニル化転写活性化タンパク質(又はポリアルギニン)と混合され、室温においてPBS緩衝液(pH7)中にて30分間超音波処理によりインキュベートされた。生成物は、濾過カラムクロマトグラフィーにより精製された。転写活性化タンパク質又はポリアルギニンのQDへの接合は、二重にラベリングされたペプチド(一端におけるビオチン、及び他端におけるQD蛍光から分離された有機染料)により確認された。ペプチド−QD接合は最終濃度20nMまで細胞培養培地に加えられ、37°Cにおいて1〜24時間インキュベートされた。
【0097】
蛍光撮像:生体内蛍光撮像は、特に小動物研究用に設計された大規模照明システム(Lightools Research、カリフォルニア州エンシニタス)を使用することにより達成された。トゥルーカラー蛍光画像は、誘電長域通過フィルタ(Chroma Tech、バーモント州Brottleboro)、デジタルカラーカメラ(Optronics、Magnafire SP、Olympus America、ニューヨーク州Melville)を使用して得られた。波長分解スペクトル撮像は、画像取得・分析ソフトウェアと共に液晶調整可能フィルタ(LCTF、20nmの帯域幅及び400〜720nmの走査波長範囲を有する)、光学カプラー及び冷却科学グレードモノクロCCDカメラを含む光学ヘッドを備えたスペクトル撮像システム(CRI, Inc.、マサチューセッツ州Woburn)を使用することにより実行された。調整可能なフィルタは580〜700nmまで10nmの増分により自動的にステップ変化した一方、カメラは一定の露出により各波長において画像を捕捉した。全体の取得時間は約10秒であった。13個の結果TIFF画像はメモリ内の単一のデータ構造にロードされ、各画素におけるスペクトルによりスペクトルスタックを形成した。スペクトル撮像ソフトウェアにより、小さいが有意義なスペクトル差分が高速に検出及び分析され得た。
【0098】
自己蛍光スペクトル及び量子ドットスペクトルは、適切な領域を選択するためのコンピュータマウスを使用してスペクトル画像から手動により選択される。スペクトル分解アルゴリズム(CRI, Inc、マサチューセッツ州Woburnから利用可能である)は、「純粋な」自己蛍光及び「純粋な」量子ドット信号の分解画像を作成するために適用され、これは典型的なパーソナルコンピュータ上において約1秒掛かる手順であった。自己蛍光画像は適切に精製されたとき、量子ドット信号の存在又は不存在に関係なく強度において均一であるはずである(図6A〜6Dにおける場合のように)。スペクトルはスペクトルライブラリに保存され得て追加のスペクトルスタック上において再使用されるため、分解目的のための有効なスペクトルの識別は最初にのみ実行される必要がある。
【0099】
細胞及び組織断片は、デジタルカラーカメラ(ニコン(Nikon)D1)、広帯域紫外線(330〜385nm)光源(100W水銀灯)及び長域通過干渉フィルタ(DM 400、Chroma Tech、バーモント州Brottleboro)を装備したオリンパス(Olympus)倒立顕微鏡を使用することにより検査された。波長分解スペクトルは、単一段階分光計(SpectraPro 150、Roper Scientific、ニュージャージー州トレントン)を使用して得られた。
【0100】
細胞、組織及び動物全体の研究:ヒト乳癌細胞(MDA−MB−231)及びPSMA陽性ヒト前立腺癌細胞(C4−2)は、免疫無防備状態のBalb/cヌードマウスへの移植のために使用された。前記二つの細胞株は、それぞれ10%ウシ胎仔血清を有するRPMI及びT培地において維持された。従来の免疫組織化学手順は、PSMA抗体−QD接合のC4−2前立腺癌細胞への結合を決定するために使用され、消極的制御としてPEG−QD(抗体なし)とPC−3細胞(PSMA抗原なし)の両方を利用した。癌細胞の予備タグ付けのために、上述したようにQDはHIV Tat又はポリアルギニンのような変換ペプチドに結合され、37°Cにおけるインキュベーションにより生存癌細胞に伝達された。1時間のインキュベーション後、各細胞は100万個より多いQDを含むことが発見され、一晩のインキュベーションにより本質的に全てのQDが細胞核内に局所化された。
【0101】
エモリー大学の組織的動物養護及び使用委員会により承認された手順を使用して、約100万個の腫瘍細胞が6〜8週齢のヌードマウスに皮下注射された(Charles River、マサチューセッツ州ウィルミントン)。腫瘍成長は、受け入れ可能なサイズに到達するまで毎日監視された。マウスは、受動的及び能動的標的化研究のために2つのグループに分けられた。QD生体接合体は、能動的標的化のために0.4nモル、又は受動的標的化のために6.0nモル(約15倍多い)尾静脈に注射された。マウスは、それぞれ95mg/kg及び5mg/kgの投与量のケタミン及びキシラジン混合物の腹腔内への注射により、麻酔状態下に置かれた。暗箱内において、照明は光ファイバー照明により提供され、長域通過フィルタが散乱した励起光をカットしてストークスシフトされたQD蛍光を通過させるために使用された。蛍光画像は科学グレードのCCDにより記録された。全身の撮像後、マウスはCO2の過量摂取により殺処分された。腫瘍及び主要組織は、組織学的QD吸収及び分布研究のために取り除かれて冷凍された。組織収集物は、5〜10μmの厚さの切片に凍結切片化され、0°Cにおいてアセトンにより凝固させ、エピ蛍光顕微鏡(Olympus Axiovert、ニューヨーク州Melville)により検査された。
【0102】
本開示の上述の実施形態は単なる可能な実施の例であり、単に本発明の原理の明確な理解のために述べられたことが強調されるべきである。多くの変形及び変更は、本発明の精神及び原理から実質的に離れることなしに、本開示の上述の実施形態についてなされ得る。そのような全ての変形及び変更は、本開示の範囲内において本明細書に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0103】
従って、少なくとも添付の特許請求の範囲について権利が請求される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】ナノ構造の例示的な実施形態を示す。
【図2A】図1に示されたナノ構造を形成する例示的な方法を示す。
【図2B】図1に示されたナノ構造を形成する例示的な方法を示す。
【図2C】図1に示されたナノ構造を形成する例示的な方法を示す。
【図2D】図1に示されたナノ構造を形成する例示的な方法を示す。
【図3A】生体内の癌の標的化及び撮像のための生体接合された量子ドットの概略図を示す。
【図3B】八炭素側鎖を有する三ブロック共重合体の化学的変形を示す。
【図3C】漏れやすい腫瘍血管系を介したQDプローブの浸透及び滞留(受動標的化)及び腫瘍抗原へのQD抗体の接合の高親和力結合(能動標的化)を示す。
【図4】培養された前立腺癌細胞におけるQD−PSMA抗体(Ab)の結合活性の免疫細胞化学的研究を示す。最上のパネルは、細胞表面上のQD−PSMA−Ab錯体の存在によって明らかにされた通りの、PSMA活性C4−2細胞について得られた明視野及び蛍光画像を示す。中段のパネルは、PSMA Abの不存在の場合にQD−PEGに曝されたC4−2において検出されたネガティブ染色(negative staining)を示す。最下のパネルは、PSMA発現を欠くPC−3細胞において記録されたネガティブ染色を示す。
【図5A】無胸腺ヌードマウスにおいて維持される六つの異なる正常宿主器官異種移植片におけるQD吸収、滞留及び分布の組織学的検査を示す。QD吸収及び滞留は、左欄、中欄及び右欄により表示されるように、三つの表面変更を使用して評価された。左欄において、QDは表面のカルボン酸基により覆われる(6.0nモル及び6時間循環)。中欄において、QDはPEG基により表面が覆われる(6.0nモル及び24時間循環)。右欄において、QDはPEGにより表面が変更され、PSMA抗体と生体接合される(0.4nモル及び2時間循環)。左欄及び中欄は、QD注射の量が全て0.4nモルに削減され循環が2時間に削減されたことを除いて同一である。全ての画像は、5〜10μmの薄い組織断片から表面蛍光顕微鏡上において得られた。全ての腫瘍は、長軸に沿って約0.5〜1cmと測定される類似のサイズを有した。QDはその特性である赤橙色蛍光により検出され、他の全ての信号は背景自己蛍光により検出された。
【図5B】無胸腺ヌードマウスにおいて維持されるC4−2腫瘍異種移植片におけるQD吸収、滞留及び分布の組織学的検査を示す。QD吸収及び滞留は、左欄、中欄及び右欄により表示されるように、三つの表面変更を使用して評価された。左欄において、QDは表面のカルボン酸基により覆われる(6.0nモル及び6時間循環)。中欄において、QDはPEG基により表面が覆われる(6.0nモル及び24時間循環)。右欄において、QDはPEGにより表面が変更され、PSMA抗体と生体接合される(0.4nモル及び2時間循環)。左欄及び中欄は、QD注射の量が全て0.4nモルに削減され循環が2時間に削減されたことを除いて同一である。全ての画像は、5〜10μmの薄い組織断片から表面蛍光顕微鏡上において得られた。全ての腫瘍は、長軸に沿って約0.5〜1cmと測定される類似のサイズを有した。QDはその特性である赤橙色蛍光により検出され、他の全ての信号は背景自己蛍光により検出された。
【図6A】C4−2腫瘍移植片により寄生された生存動物中のQD−PSMA Ab接合のスペクトル撮像を示す元の画像である。健康なマウス(腫瘍なし)と同一の量のQD注射を使用した抑制研究は、局所化された蛍光信号を示さなかった。生体内の撮像後、組織学的及び免疫細胞化学的試験により、QD信号が内在する腫瘍から来ることが確認された。
【図6B】C4−2腫瘍移植片により寄生された生存動物中のQD−PSMA Ab接合のスペクトル撮像を示す、混合されていない自己蛍光画像である。赤橙色蛍光信号は、生存マウス中において成長する前立腺腫瘍を示す。生体内の撮像後、組織学的及び免疫細胞化学的試験により、QD信号が内在する腫瘍から来ることが確認された。
【図6C】C4−2腫瘍移植片により寄生された生存動物中のQD−PSMA Ab接合のスペクトル撮像を示す、混合されていないQD画像である。健康なマウス(腫瘍なし)と同一の量のQD注射を使用した抑制研究は、局所化された蛍光信号を示さなかった。生体内の撮像後、組織学的及び免疫細胞化学的試験により、QD信号が内在する腫瘍から来ることが確認された。
【図6D】C4−2腫瘍移植片により寄生された生存動物中のQD−PSMA Ab接合のスペクトル撮像を示す、重ね合わされた画像である。赤橙色蛍光信号は、生存マウス中において成長する前立腺腫瘍を示す。生体内の撮像後、組織学的及び免疫細胞化学的試験により、QD信号が内在する腫瘍から来ることが確認された。
【図7】カルボン酸基(左)、PEG基(中)及びPEG−PSMA Ab接合(右)の三つの異なる表面変更を有するQDプローブを使用した腫瘍保持マウスの生体内蛍光画像を示す。各表面変更について、色画像(上段)、QD及び動物皮膚からの二つの蛍光スペクトル(中段)、及びスペクトル分解された画像(下段)が、類似のサイズ(直径0.5〜1.0cm)のC4−2ヒト前立腺腫瘍を保持する生存マウスモデルから得られた。注射されたQDの量及び循環の長さは、COOHプローブについて6nモル及び6時間、PEGプローブについて6nモル及び24時間、PSMAプローブについて0.4nモル及び2時間であった(図4と同一)。QD注射の位置は、マウスの尾の赤い点として観察された。約700nm(QD曲線、中段パネル)におけるスペクトル特性は、元のQDスペクトルの数学的適合により引き起こされる不自然な結果であり、これは背景除去においてほとんど又は全く影響を有しなかった。
【図8A】QDタグ付けされた癌細胞とGFPトランスフェクト癌細胞の間における感知性及びスペクトル比較を示す。右側の画像は、QDタグ付けされた癌細胞(上方)とGFPラベル付けされた細胞(下方)を示す。
【図8B】多色QD符号化マイクロビーズの同時生体内撮像を示す。右側の画像は、QDタグ付けされた癌細胞(上方)とGFPラベル付けされた細胞(下方)を示す。
【図9A】生体内光学的撮像のための赤色発光QDと赤色有機染料の比較を示す、470nm及び515nm長波長通過発光における青色励起により得られた画像である。癌細胞(MDA−MB−231)は、細胞培養中にTat−QD又はTat−ナノビーズ(埋め込まれた有機染料を有する250nm粒子、λex=575nm、λem=615nm、シグマ‐アルドリッチ(Sigma-Aldrich)、セントルイス、ミズーリ州)によりラベル付けされる。注射の前には、QD及び染料によりラベル付けされた細胞は、表面蛍光顕微鏡により検査される時に同様に光った。約1000個の細胞が、生体内撮像のために二つの近接した位置において生存マウスに皮下注射された。
【図9B】生体内光学的撮像のための赤色発光QDと赤色有機染料の比較を示す、570nm及び600nm長波長通過発光における黄色励起により得られた画像である。癌細胞(MDA−MB−231)は、細胞培養中にTat−QD又はTat−ナノビーズ(埋め込まれた有機染料を有する250nm粒子、λex=575nm、λem=615nm、シグマ‐アルドリッチ(Sigma-Aldrich)、セントルイス、ミズーリ州)によりラベル付けされる。注射の前には、QD及び染料によりラベル付けされた細胞は、表面蛍光顕微鏡により検査される時に同様に光った。約1000個の細胞が、生体内撮像のために二つの近接した位置において生存マウスに皮下注射された。
【図10A】四つの励起波長(λ=350、480、535及び560nm)において得られたヌードマウス皮膚標本の自己蛍光スペクトルを示すグラフである。800〜850nmまでの重要な自己蛍光と約670nmにおける背景ピークの存在に留意されたい。
【図10B】同一の励起条件下において得られたマウス皮膚とQD発光スペクトル の比較を示し、QD信号が自己蛍光が削減されるスペクトル領域に移動させられ得ることを証明する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子ドットと、
キャッピング配位子と両親媒性共重合体を含む疎水性保護構造
を含み、
前記疎水性保護構造が前記量子ドットをカプセル化する、ナノ構造。
【請求項2】
前記両親媒性共重合体が両親媒性ブロック共重合体、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項3】
前記両親媒性共重合体が、二ブロック共重合体、三ブロック共重合体及びこれらの組み合わせから選択されたブロック共重合体である、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項4】
前記両親媒性ブロック共重合体が、グラフト八炭素アルキル側鎖を有するABC三ブロック共重合体構造を含む、請求項3に記載のナノ構造。
【請求項5】
前記ABC三ブロック構造が、ポリブチルアクリレート部分と、ポリエチルアクリレート部分と、ポリメタクリル酸部分を含む、請求項4に記載のナノ構造。
【請求項6】
前記量子ドットが核とキャップを含み、前記量子ドットの前記核が、IIA‐VIA半導体、IIIA‐VA半導体、IVA‐IVA半導体、及びIVA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項7】
前記量子ドットの前記核がIIA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項6に記載のナノ構造。
【請求項8】
前記量子ドットの前記核がCdS、CdSe、CdTe、ZnSe、ZnS、PbS、PbSe及び合金から構成されるグループから選択される、請求項6に記載のナノ構造。
【請求項9】
前記量子ドットがCdTe/CdSeである、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項10】
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物をさらに含む、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項11】
前記生体親和性化合物が、約500〜50,000の分子量を有するポリエチレングリコール分子である、請求項10に記載のナノ構造。
【請求項12】
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置されたプローブをさらに含み、前記プローブが抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、薬剤分子、阻害化合物及びこれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載のナノ構造。
【請求項13】
前記疎水性保護構造上に配置されたプローブをさらに含み、前記プローブが抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、薬剤分子、阻害化合物及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項14】
キャッピング配位子がトリオクチルホスフィンオキシドを含む、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項15】
少なくとも一つのナノ種(nanospecies)と、
キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも一つの化合物を含む疎水性保護構造
を含み、
前記疎水性保護構造が前記ナノ種をカプセル化する、ナノ構造。
【請求項16】
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物をさらに含む、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項17】
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置されたプローブをさらに含む、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項18】
前記キャッピング配位子がトリオクチルホスフェンオキシドを含む、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項19】
前記両親媒性共重合体が両親媒性ランダム共重合体である、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項20】
前記両親媒性共重合体が両親媒性交互共重合体である、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項21】
前記両親媒性共重合体が両親媒性周期的共重合体である、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項22】
前記両親媒性共重合体が両親媒性ブロック共重合体、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体及びこれらの組み合わせから選択される、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項23】
前記両親媒性共重合体が、二ブロック共重合体及び三ブロック共重合体から選択されたブロック共重合体である、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項24】
前記両親媒性ブロック共重合体が、グラフト八炭素アルキル側鎖を有するABC三ブロック共重合体構造を含む、請求項23に記載のナノ構造。
【請求項25】
前記ABC三ブロック構造が、ポリブチルアクリレート部分と、ポリエチルアクリレート部分と、ポリメタクリル酸部分を含む、請求項24に記載のナノ構造。
【請求項26】
前記プローブが腫瘍目標配位子を含む、請求項17に記載のナノ構造。
【請求項27】
前記プローブが前立腺腫瘍目標配位子を含む、請求項17に記載のナノ構造。
【請求項28】
前記ナノ種が量子ドット、金属ナノ粒子及び金属酸化物ナノ粒子から選択される、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項29】
前記量子ドットが核とキャップを含む、請求項28に記載のナノ構造。
【請求項30】
前記量子ドットの前記核が、IIA‐VIA半導体、IIIA‐VA半導体、IVA‐IVA半導体、及びIVA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項31】
前記量子ドットの前記核がIIA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項32】
前記量子ドットの前記核がCdSeである、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項33】
前記キャップが高バンドギャップのIIA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項34】
前記キャップがZnSから選択される、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項35】
前記量子ドットがCdTe/CdSeである、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項36】
ナノ種を設けることと、
キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びこれらの組み合わせから選択された少なくとも一つの化合物を含む疎水性保護構造を前記ナノ種の周囲に形成すること
を含む、ナノ構造を準備する方法。
【請求項37】
前記疎水性保護構造に生体親和性化合物を付加することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記疎水性保護構造にプローブを付加することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記プローブが抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、薬剤分子、阻害化合物及びこれらの組み合わせから選択され、前記生体親和性化合物がポリエチレングリコール分子である、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記ナノ種が量子ドットであり、前記疎水性保護構造がキャッピング配位子と両親媒性共重合体を含み、前記両親媒性共重合体が二ブロック共重合体、三ブロック共重合体及びこれらの組み合わせから選択されるブロック共重合体である、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記キャッピング配位子がトリオクチルホスフェンオキシドを含み、前記両親媒性共重合体がポリブチルアクリレート部分と、ポリエチルアクリレート部分と、ポリメタクリル酸部分を含むABC三ブロック構造である、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
被検体内の目標を検出する方法であって、
少なくとも一つのナノ種と、
キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びこれらの組み合わせから選択された少なくとも一つの化合物を含み、前記ナノ種をカプセル化する疎水性保護構造と、
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物と、
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された少なくとも一つのプローブであって、第一のプローブが目標との親和力を有するプローブ
を有するナノ構造を提供することと、
前記ナノ構造を被検体内に導入することと、
前記ナノ構造を検出することにより、前記プローブに対応した前記被検体内の目標の存在を決定すること
を含む、方法。
【請求項43】
前記目標が癌性の疾病である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記癌性の疾病が腫瘍である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記腫瘍が前立腺癌である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記決定が生体内において行われる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第一のプローブが、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、抗原及びこれらの組み合わせから選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記導入が皮下注射及び全身注射から選択された方法により実行される、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記決定することが受動標的化過程と能動標的化過程から選択された標的化過程を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項50】
被検体内の疾病を治療する方法であって、
少なくとも一つのナノ種と、
キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びこれらの組み合わせから選択された少なくとも一つの化合物を含み、前記ナノ種をカプセル化する疎水性保護構造と、
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物と、
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された少なくとも一つのプローブであって、第一のプローブが疾病の治療に有効であるプローブ
を有するナノ構造を提供することと、
前記疾病を治療することと、
前記疾病の治療の必要により被検体内にナノ構造を導入すること
を含む、方法。
【請求項51】
前記ナノ種を検出することにより前記疾病の存在を決定することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ナノ種を検出することにより前記疾病に前記ナノ種が伝達されたことを決定することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記ナノ構造が薬剤分子である第一のプローブを含み、前記薬剤分子が前記疾病の治療に有効である、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記疾病が癌性の疾病である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ナノ構造が第二のプローブを含み、前記第二のプローブが前記疾病についての親和力を有し、前記第二のプローブがポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、抗原及びこれらの組み合わせから選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記ナノ種を検出することにより前記第二のプローブに対応する前記疾病の存在を決定することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項1】
量子ドットと、
キャッピング配位子と両親媒性共重合体を含む疎水性保護構造
を含み、
前記疎水性保護構造が前記量子ドットをカプセル化する、ナノ構造。
【請求項2】
前記両親媒性共重合体が両親媒性ブロック共重合体、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項3】
前記両親媒性共重合体が、二ブロック共重合体、三ブロック共重合体及びこれらの組み合わせから選択されたブロック共重合体である、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項4】
前記両親媒性ブロック共重合体が、グラフト八炭素アルキル側鎖を有するABC三ブロック共重合体構造を含む、請求項3に記載のナノ構造。
【請求項5】
前記ABC三ブロック構造が、ポリブチルアクリレート部分と、ポリエチルアクリレート部分と、ポリメタクリル酸部分を含む、請求項4に記載のナノ構造。
【請求項6】
前記量子ドットが核とキャップを含み、前記量子ドットの前記核が、IIA‐VIA半導体、IIIA‐VA半導体、IVA‐IVA半導体、及びIVA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項7】
前記量子ドットの前記核がIIA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項6に記載のナノ構造。
【請求項8】
前記量子ドットの前記核がCdS、CdSe、CdTe、ZnSe、ZnS、PbS、PbSe及び合金から構成されるグループから選択される、請求項6に記載のナノ構造。
【請求項9】
前記量子ドットがCdTe/CdSeである、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項10】
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物をさらに含む、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項11】
前記生体親和性化合物が、約500〜50,000の分子量を有するポリエチレングリコール分子である、請求項10に記載のナノ構造。
【請求項12】
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置されたプローブをさらに含み、前記プローブが抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、薬剤分子、阻害化合物及びこれらの組み合わせから選択される、請求項10に記載のナノ構造。
【請求項13】
前記疎水性保護構造上に配置されたプローブをさらに含み、前記プローブが抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、薬剤分子、阻害化合物及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項14】
キャッピング配位子がトリオクチルホスフィンオキシドを含む、請求項1に記載のナノ構造。
【請求項15】
少なくとも一つのナノ種(nanospecies)と、
キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも一つの化合物を含む疎水性保護構造
を含み、
前記疎水性保護構造が前記ナノ種をカプセル化する、ナノ構造。
【請求項16】
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物をさらに含む、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項17】
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置されたプローブをさらに含む、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項18】
前記キャッピング配位子がトリオクチルホスフェンオキシドを含む、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項19】
前記両親媒性共重合体が両親媒性ランダム共重合体である、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項20】
前記両親媒性共重合体が両親媒性交互共重合体である、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項21】
前記両親媒性共重合体が両親媒性周期的共重合体である、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項22】
前記両親媒性共重合体が両親媒性ブロック共重合体、両親媒性ランダム共重合体、両親媒性交互共重合体、両親媒性周期的共重合体及びこれらの組み合わせから選択される、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項23】
前記両親媒性共重合体が、二ブロック共重合体及び三ブロック共重合体から選択されたブロック共重合体である、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項24】
前記両親媒性ブロック共重合体が、グラフト八炭素アルキル側鎖を有するABC三ブロック共重合体構造を含む、請求項23に記載のナノ構造。
【請求項25】
前記ABC三ブロック構造が、ポリブチルアクリレート部分と、ポリエチルアクリレート部分と、ポリメタクリル酸部分を含む、請求項24に記載のナノ構造。
【請求項26】
前記プローブが腫瘍目標配位子を含む、請求項17に記載のナノ構造。
【請求項27】
前記プローブが前立腺腫瘍目標配位子を含む、請求項17に記載のナノ構造。
【請求項28】
前記ナノ種が量子ドット、金属ナノ粒子及び金属酸化物ナノ粒子から選択される、請求項15に記載のナノ構造。
【請求項29】
前記量子ドットが核とキャップを含む、請求項28に記載のナノ構造。
【請求項30】
前記量子ドットの前記核が、IIA‐VIA半導体、IIIA‐VA半導体、IVA‐IVA半導体、及びIVA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項31】
前記量子ドットの前記核がIIA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項32】
前記量子ドットの前記核がCdSeである、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項33】
前記キャップが高バンドギャップのIIA‐VIA半導体から構成されるグループから選択される、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項34】
前記キャップがZnSから選択される、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項35】
前記量子ドットがCdTe/CdSeである、請求項29に記載のナノ構造。
【請求項36】
ナノ種を設けることと、
キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びこれらの組み合わせから選択された少なくとも一つの化合物を含む疎水性保護構造を前記ナノ種の周囲に形成すること
を含む、ナノ構造を準備する方法。
【請求項37】
前記疎水性保護構造に生体親和性化合物を付加することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記疎水性保護構造にプローブを付加することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記プローブが抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、薬剤分子、阻害化合物及びこれらの組み合わせから選択され、前記生体親和性化合物がポリエチレングリコール分子である、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記ナノ種が量子ドットであり、前記疎水性保護構造がキャッピング配位子と両親媒性共重合体を含み、前記両親媒性共重合体が二ブロック共重合体、三ブロック共重合体及びこれらの組み合わせから選択されるブロック共重合体である、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記キャッピング配位子がトリオクチルホスフェンオキシドを含み、前記両親媒性共重合体がポリブチルアクリレート部分と、ポリエチルアクリレート部分と、ポリメタクリル酸部分を含むABC三ブロック構造である、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
被検体内の目標を検出する方法であって、
少なくとも一つのナノ種と、
キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びこれらの組み合わせから選択された少なくとも一つの化合物を含み、前記ナノ種をカプセル化する疎水性保護構造と、
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物と、
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された少なくとも一つのプローブであって、第一のプローブが目標との親和力を有するプローブ
を有するナノ構造を提供することと、
前記ナノ構造を被検体内に導入することと、
前記ナノ構造を検出することにより、前記プローブに対応した前記被検体内の目標の存在を決定すること
を含む、方法。
【請求項43】
前記目標が癌性の疾病である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記癌性の疾病が腫瘍である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記腫瘍が前立腺癌である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記決定が生体内において行われる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第一のプローブが、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、抗原及びこれらの組み合わせから選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記導入が皮下注射及び全身注射から選択された方法により実行される、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記決定することが受動標的化過程と能動標的化過程から選択された標的化過程を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項50】
被検体内の疾病を治療する方法であって、
少なくとも一つのナノ種と、
キャッピング配位子、両親媒性共重合体及びこれらの組み合わせから選択された少なくとも一つの化合物を含み、前記ナノ種をカプセル化する疎水性保護構造と、
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された生体親和性化合物と、
前記疎水性保護構造の表面上に実質的に配置された少なくとも一つのプローブであって、第一のプローブが疾病の治療に有効であるプローブ
を有するナノ構造を提供することと、
前記疾病を治療することと、
前記疾病の治療の必要により被検体内にナノ構造を導入すること
を含む、方法。
【請求項51】
前記ナノ種を検出することにより前記疾病の存在を決定することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ナノ種を検出することにより前記疾病に前記ナノ種が伝達されたことを決定することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記ナノ構造が薬剤分子である第一のプローブを含み、前記薬剤分子が前記疾病の治療に有効である、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記疾病が癌性の疾病である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ナノ構造が第二のプローブを含み、前記第二のプローブが前記疾病についての親和力を有し、前記第二のプローブがポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、抗原及びこれらの組み合わせから選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記ナノ種を検出することにより前記第二のプローブに対応する前記疾病の存在を決定することをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2007−524663(P2007−524663A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546997(P2006−546997)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/038062
【国際公開番号】WO2005/065081
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(503121619)エモリー ユニバーシティ (4)
【氏名又は名称原語表記】Emory University
【住所又は居所原語表記】1784 North Decatur Road, Suite 130, Atlanta GA 30322, United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/038062
【国際公開番号】WO2005/065081
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(503121619)エモリー ユニバーシティ (4)
【氏名又は名称原語表記】Emory University
【住所又は居所原語表記】1784 North Decatur Road, Suite 130, Atlanta GA 30322, United States of America
【Fターム(参考)】
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