説明

生体細胞におけるタンパク質相互作用の直接的可視化のための蛍光二重ハイブリッド(F2H)アッセイ

本発明は、タンパク質間相互作用を検出するための生体外の方法に関し、(a)(i)細胞において発現する時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する、または細胞の核において別個の部位で蓄積されるタンパク質性または非タンパク質性構造と相互作用する(ポリ)ペプチド、および(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドを含む第1の融合タンパク質を真核細胞において発現させるステップと、(b)同一細胞において、(i)GFPと(ii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む第2の融合タンパク質を発現させるステップと、(c)(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長の蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)プレイ(ポリ)ペプチドとを含む第3の融合タンパク質を同一細胞において発現させるステップと、(d)励起時に、細胞における第2および第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光発光の共局在は、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を示す。本発明は、タンパク質間相互作用を検出するための生体外の方法にも関し、(a)(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)細胞で発現する時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(iii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む第1の融合タンパク質を真核細胞で発現させるステップと、(b)(i)該第1の融合タンパク質に含まれる蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起/発光波長の蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)プレイ(ポリ)ペプチドとを含む第2の融合タンパク質を同一細胞において発現させるステップと、(c)励起時に、細胞において第1および第2の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光発光の共局在は、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を示す。さらに、本発明は、2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を調節する化合物を同定するための方法、および2つのタンパク質の第3のタンパク質との相互作用の相対強度を判断するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質間相互作用を検出するための生体外の方法に関し、(a)(i)細胞において発現する時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドとを含む第1の融合タンパク質を真核細胞において発現させるステップと、(b)(i)GFPと(ii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む第2の融合タンパク質を同一細胞において発現させるステップと、(c)(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長の蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)プレイ(ポリ)ペプチドとを含む第3の融合タンパク質を同一細胞において発現させるステップと、(d)励起時に、細胞における第2および第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光発光の共局在は、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を示す。本発明は、タンパク質間相互作用を検出するための生体外の方法にも関し、(a)(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)細胞で発現する時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(iii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む第1の融合タンパク質を真核細胞で発現させるステップと、(b)(i)該第1の融合タンパク質に含まれる蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起/発光波長の蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)プレイ(ポリ)ペプチドとを含む第2の融合タンパク質を同一細胞において発現されるステップと、(c)励起時に、細胞において第1および第2の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光発光の共局在は、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を示す。さらに、本発明は、2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を調節する化合物を同定するための方法、および2つのタンパク質の第3のタンパク質との相互作用の相対強度を判断するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、特許出願および製造業者のマニュアルを含む多くの文献を引用する。本発明の特許性に関係すると見なされないが、これらの文献の開示は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。より具体的には、全ての参考文献は、個々の文献のそれぞれが、参照により組み込まれることを具体的に、かつ個別に示されるかのように同様の範囲で参照により組み込まれる。
【0003】
ヒトゲノムの配列決定後の次の課題は、今や、細胞機能の根底にある複雑なタンパク質ネットワークの分析である。過去10年間で、生化学から遺伝または細胞ベースのアプローチに及ぶ、タンパク質間相互作用を研究するための広範な様々の方法が開発されてきた。親和性精製法または共免疫沈降法(Co−IP)等の生化学的方法は、生体外のタンパク質複合体の検出を可能にする。酵母二重ハイブリッド(Y2H)システム等の遺伝学的方法は、細胞環境内の相互作用の効果的な高スループットスクリーニングを可能にする。しかしながら、酵母における哺乳類タンパク質間相互作用の分析は、例えば、翻訳後修飾を通した、タンパク質間相互作用を調節する細胞因子の欠損または不十分な保護に見舞われ得る(Parrish et al.,2006)。さらに、本方法は、煩雑で、誤りが生じやすい。
【0004】
近年、タンパク質間相互作用の細胞内可視化のための新規蛍光ベースの方法が導入された。蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)(Miyawaki,2003; Sekar and Periasamy,2003)および2分子蛍光相補性(BiFC)(Kerppola,2006)の2つの確立された技術は、蛍光標識タンパク質またはその断片の発現に基づく。しかしながら、BiFCが、非可逆的相補性、およびタンパク質間相互作用のリアルタイム検出ができないフルオロフォアの緩慢な成熟に基づく一方で、FRETは、高価な機器および高度な技術専門知識を必要とする(Kerppola,2006)。
【0005】
これら全ての方法には、固有の弱点があり、典型的には、より信頼性のある結果を得るために組み合わせられる。
【0006】
したがって、タンパク質間相互作用を検出するための改善された方法が必要である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Parrish, J.R., K.D. Gulyas, and R.L. Finley, Jr. 2006. Yeast two−hybrid contributions to interactome mapping. Curr Opin Biotechnol. 17:387−93
【非特許文献2】Miyawaki, A. 2003. Visualization of the spatial and temporal dynamics of intracellular signaling. Dev Cell. 4:295−305
【非特許文献3】Sekar, R.B., and A. Periasamy. 2003. Fluorescence resonance energy transfer (FRET) microscopy imaging of live cell protein localizations. J Cell Biol. 160:629−33.
【非特許文献4】Kerppola, T.K. 2006. Visualization of molecular interactions by fluorescence complementation. Nat Rev Mol Cell Biol. 7:449−56
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術上の問題への解決策は、特許請求の範囲で特徴付けられる実施形態を提供することにより達成される。
【0009】
したがって、本発明の第1の態様は、タンパク質間相互作用を検出するための生体外の方法に関し、(a)(i)細胞において発現する時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドとを含む第1の融合タンパク質を真核細胞において発現させるステップと、(b)(i)GFPと(ii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む第2の融合タンパク質を同一細胞において発現させるステップと、(c)(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長の蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)プレイ(ポリ)ペプチドとを含む第3の融合タンパク質を同一細胞において発現させるステップと、(d)励起時に、細胞における第2および第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光発光の共局在は、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】蛍光二重ハイブリッド(F2H)アッセイの概略を示す。
【図2】DNAリガーゼIIIのXRCC1の特異的な相互作用を示す。
【図3】細胞周期の独立したDnmt1のPCNAとの相互作用のF2H分析を示す。
【図4】F2Hによるハンチントン病関連の相互作用の分析を示す。
【図5】ミトコンドリアタンパク質間相互作用の分析、および難聴−ジストニア−視神経萎縮症候群に付随する変異の作用を示す。
【図6】XRCC1を伴うDNAリガーゼIIIのBRCT媒介相互作用を示す。
【図7】XRCC1のPCNA、PARP−1およびPARP−2との相互作用を示す。
【図8】PBD媒介された、DNAリガーゼIのPCNAとの相互作用を示す。
【図9】様々な複製および修復タンパク質のPCNAとの相互作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「タンパク質間相互作用」という用語は、2つ以上のタンパク質性化合物、すなわち、ポリ(ペプチド)またはタンパク質の特異的相互作用を指す。特異的相互作用は、最小結合強度または親和性により特徴付けられる。特異的相互作用の結合親和性は、概して、pMからmMの範囲に達し、例えば、pH値、イオン強度、共因子の存在等の化学環境にも大きく依存する。本発明に照らして、該用語は、具体的には、生理学的条件下、すなわち、細胞において生じるタンパク質間相互作用を指す。
【0012】
「真核細胞において発現」という用語は、選択された細胞において機能する適切な発現制御要素を使用する、本発明の融合タンパク質の転写および翻訳を指す。このように、個々の融合タンパク質の結合特性は、細胞発現系において試験されてもよい。このために、融合タンパク質をコードする核酸分子が、概して、発現系に依存する組成物である、適切な発現ベクターにクローン化されてもよい。本発明に関して、発現系は、真核生物、好ましくは、哺乳類である。典型的な哺乳類の発現ベクターは、mRNAの転写の開始、タンパク質コード配列、および転写の中止および転写物のポリアデニル化に必要なシグナルを媒介するプロモータ要素を含む。追加要素は、エンハンサー、コザック配列、ならびにRNAスプライシングのためのドナーおよびアクセプター部位が両端にある介在配列を含んでもよい。極めて効率的な転写は、SV40からの初期および後期プロモータ、例えば、RSV、HTLVI、HIVI等のレトロウイルスからの長い末端反復配列(LTR)、ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモータを用いて達成され得る。しかしながら、細胞要素もまた使用され得る(例えば、ヒトアクチンプロモータ)。転写の開始を確実にする調節要素の可能な例には、サイトメガロウイルス(CMV)プロモータ、RSVプロモータ(ラウス肉腫ウイルス)、lacZプロモータ、gal10プロモータ、ヒト延長因子1aプロモータ、CMVエンハンサー、CaMキナーゼプロモータ、オートグラファ・カルフォルニカ核多角体病ウイルス(AcMNPV)多角体プロモータ、またはSV40エンハンサーが含まれる。転写終結シグナルの例は、SV40−ポリ−A部位もしくはtk−ポリ−A部位、またはSV40、lacZ、およびポリヌクレオチドの下流である、AcMNPV多角体ポリアデニル化シグナルである。さらに、複製の開始点、薬剤耐性遺伝子、制御因子(誘導性プロモータの一部として)、または内部リボソーム進入部位(IRES)等の要素も含まれてもよい。
【0013】
ショウジョウバエに好適な発現ベクターは、ショウジョウバエメタロチオネイン(MT)プロモータを使用する、pMT DES系(Invitrogen)(Bunch et al.,1988)、またはショウジョウバエアクチン5Cプロモータを使用する、pAC5.1に属するものである。GAL4誘導性USAプロモータを使用するベクターは、pUASTである。酵母ベクターは、pYEpベクター(Gal10プロモータを使用)、pYX142(単一コピーベクター)、またはpYX232(TPIトリオースリン酸イソメラーゼプロモータを使用する2μプラスミド(双方ともNovagen)である。
【0014】
使用され得る哺乳類の宿主細胞としては、限定されないが、ヒトHela、293、H9、SH−EP1、およびジャーカット細胞、マウスNIH3T3およびC2C12細胞、Cos1、Cos7およびCV1、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞、シリアンゴールデンベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が挙げられる。代替的に、融合タンパク質は、染色体に組み込まれる遺伝子構築物を含む安定した細胞株で発現され得る。Dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマイシン等の選択性マーカを用いた同時形質移入は、形質移入された細胞の同定および単離を可能にする。形質移入された核酸分子は、また、多量のコードされた融合タンパク質を発現するように、細胞で増幅され得る。dhfr(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカは、数百または数千の関心対象の遺伝子のコピーを保有する細胞株を発生させるために有用である。別の有用な選択マーカは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Bebbington et al.,1992;Murphy et al.,1991)。これらのマーカを使用して、哺乳類細胞を、選択培地で増殖され、高抵抗性を有する細胞を選択する。上述の宿主細胞に適した培地および条件は、当該技術分野で既知である。
【0015】
「融合タンパク質」という用語は、少なくとも2つの異なるタンパク質または(ポリ)ペプチドに由来する配列から成る、キメラタンパク質を指す。本発明の教示に従って、例示的な融合タンパク質において、ベイト(ポリ)ペプチドは、細胞で発現する時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する、蛍光(ポリ)ペプチドおよび(ポリ)ペプチドに融合される。代替的に、プレイ(ポリ)ペプチドは、蛍光(ポリ)ペプチドに融合される。融合は、本発明の融合タンパク質の構成要素をコードする核酸分子のフレーム融合をもたらす限り、当業者に既知の任意の技術によって実施されてもよい。構成要素の融合は、任意の順番で達成されてもよい。従来、2つ以上の個別の(ポリ)ペプチドまたはドメインからの融合タンパク質の生成は、(Horton et al.,1989)に記述される「重複拡張による両側スプライシング」に基づく。単一(ポリ)ペプチドに対してコードする断片は、2つの個別の一次PCR反応において生成される。一次PCR反応における内部プライマーは、二次PCRにおいて、2つのドメイン断片の融合を可能にする、有意な約20bpの相補的領域を含む。代替的に、コード領域は、自然に発生するか、または組み換えDNA技術により導入されるかのいずれかであってもよい、制限部位を利用することにより融合されてもよい。
【0016】
本明細書で使用される際、「(ポリ)ペプチド」という用語は、最大30のアミノ酸からなるペプチド群、ならびに30以上のアミノ酸からなるポリペプチド群を含む、分子群を説明する。また、定義に沿って、「(ポリ)ペプチド」という用語は、タンパク質の断片を説明する。(ポリ)ペプチドは、2量体、3量体、および高オリゴマーをさらに形成してもよい、すなわち、1つ以上の(ポリ)ペプチド分子からなってもよい。このような2量体、3量体等を形成する(ポリ)ペプチド分子は、同一、または異なってもよい。したがって、対応する高次構造は、ホモまたはヘテロ2量体、ホモまたはヘテロ3量体等と呼ばれる。「(ポリ)ペプチド」および「タンパク質」という用語は、また、自然に修飾された(ポリ)ペプチド/タンパク質を指し、該修飾は、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化等により達成される。このような修飾は、当該技術分野において公知である。
【0017】
「蛍光(ポリ)ペプチド」または「蛍光タンパク質」という用語は、特定の波長での励起時に、蛍光光線を発光する(ポリ)ペプチドを指す。様々な蛍光タンパク質が本発明で使用され得る。このような蛍光タンパク質の一群としては、発光オワンクラゲから単離された緑色蛍光タンパク質(GFP)、ならびにシアン蛍光タンパク質、青色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質等の数多くのGFP変種が挙げられる(Zhang et al.,2002;Zimmer,2002)。典型的には、これらの変種は、それぞれ、配列番号1のアミノ酸配列または配列番号2の核酸配列と約80%またはそれ以上の配列同一性を共有する。色移動GFP変異体は、青から黄緑の発光色の、増大した輝度、および光安定性を有する。(Tsien,1998)。増強型黄色蛍光タンパク質と呼ばれるこのようなGFP変異体の1つは、529nmで発光極大を示す。修飾された励起および発光スペクトル(Tsien et al.,米国特許出願第200201231 13A1号)、増強型蛍光強度および熱抵抗(Thastrup et al.,米国特許出願第20020107362A1号;Bjorn et al.,米国特許出願第20020177189A1号)、および減少された酸素レベル下の発色団形成(Fisher,米国特許出願第6,414,119号)を有する追加のGFPベース変異体も説明される。
【0018】
別の蛍光タンパク質群としては、これに限定されないが、例えば、それぞれ、配列番号3のアミノ酸配列、または配列番号4の核酸配列等、サンゴイソギンチャクモドキから単離された赤色蛍光タンパク質DsRed(Matz et al.,1999)を含む、花虫綱から単離された蛍光タンパク質が挙げられる(例えば、受け入れ番号AF168419を参照)。DsRedおよび他の花虫綱蛍光タンパク質は、オワンクラゲの野生型GFPに約26〜30%のみのアミノ酸配列同一を共有するが、GFPの11鎖βバレル構造特性の形成を示す、全ての重要なモチーフは保存される。DsRedの結晶構造も解明され、GFPの11鎖βバレル構造特性の保存を示す(MMDB Id:5742)。
【0019】
多くの長波長赤色蛍光タンパク質DsRedの変異体も説明され、同様に、蛍光(ポリ)ペプチドを含む本発明の融合タンパク質の生成に使用されてもよい。例えば、近年説明される、さらに赤色に移動される発光スペクトルを伴うDsRed変異体は、本発明の実施で使用されてもよい(Baird et al.,2000;Terskikh et al.,2000;Wiehler et al.,2001)。
【0020】
DsRedのモノマー派生形は、例えば、mRFP(例えば、配列番号5のアミノ酸配列、または配列番号6の核酸配列を有する)、mRFP1(Campbell et al.,2002)、mCherry、mOrangeもしくはmPlum(Shaner et al.,2004)、またはTagRFP(Merzlyak et al.,2007)である。
【0021】
つい最近、花虫綱のウミシイタケおよびレニラ・コレキリ由来のGFPが説明された(Ward et al.,米国特許出願第20030013849号)。
【0022】
多くの海洋生命由来のますます多くの他の蛍光タンパク質が、最近、説明され、タンパク質データバンクは、現在、多くのGFPおよびGFP変異体結晶構造、ならびに様々なGFP類似体の結晶構造を一覧に記載している。サンゴ、ウミエラ、ホヤ、およびイソギンチャク由来のGFPに類似すると推測される関連蛍光タンパク質が説明され、蛍光(ポリ)ペプチドを含む本発明の融合タンパク質の生成に使用されてもよい(概要については(Zhang et al.,2002;Zimmer,2002)を参照のこと)。
【0023】
アネモニア・マジャノ、スナギンチャク、ディスクコーラル、およびツツウミヅタ由来の蛍光タンパク質も報告されている(Matz et al.,1999)
。イシサンゴであるヒユサンゴからクローン化された蛍光タンパク質は、緑色、黄色、および赤色光を発光すること、およびUV線に曝露されると、緑色光から赤色光発光に変換することが報告されている(Ando et al.,2002)。近年説明されるイソギンチャク由来の蛍光タンパク質は、ヘビイソギンチャクからクローン化された緑色およびオレンジ色蛍光タンパク質(Wiedenmann et al.,2000)、センジュイソギンチャクの触手からクローン化された自然増強型緑色蛍光タンパク質(Tu et al.,2003)、ヘビイソギンチャクからクローン化された弱い赤色蛍光を表す、一般的な非蛍光紫色素タンパク質、および遠赤色移動発光スペクトル(595nm)を示すその変異体(Lukyanov et al.,2000)を含む。
【0024】
加えて、発色団および蛍光特性を有するGFP関連タンパク質の別のクラスが説明される。サンゴ派生タンパク質のこのような群の1つであるポシロポリン(pocilloporin)は、広範のスペクトルおよび蛍光特徴を示す(Dove and Hoegh−Guldberg,1999,PCT出願第WO00146233号;(Dove et al.,2001))。近年、造礁サンゴであるシモコモンサンゴ由来のポシロポリン(pocilloporin)Rtms5の精製および結晶化が説明されている(Beddoe et al.,2003)。Rtms5は、色は藍色であるが、蛍光は弱い。しかしながら、Rtms5ならびにRtms5に相同の配列を有する他の色素タンパク質は、単一アミノ酸置換基を介して遠赤色蛍光タンパク質に相互変換され得ることが報告されている(Beddoe et al.,2003;Bulina et al.,2002;Lukyanov et al.,2000)。
【0025】
ポシロポリン(pocilloporin)に密接に関係する様々な他のサンゴ派生色素タンパク質も既知である(例えば、Gurskaya et al.,2001;Lukyanov et al.,2000を参照のこと)。蛍光タンパク質のさらなる例は、ウミシイタケ由来のGFP、ヒラタクサビライシ由来のmKO、アザイサンゴ由来のアザミクリーン、またはハナキンチャク由来のcOFPである。蛍光もしくは発光団タンパク質、またはその蛍光もしくは発光団断片のうちのいずれかが、本発明の教示に従い、使用されてもよい。蛍光または発光団タンパク質の断片は、好ましくは、機能断片である。
【0026】
細胞の核における別個の部位での(ポリ)ペプチドの蓄積は、細胞の核における別個の部位で既に蓄積されたタンパク質性または非タンパク質性構造と相互作用する(ポリ)ペプチドによって、または(ポリ)ペプチドの蓄積に適した環境を提供する別個の部位での蓄積によって、好ましくは、該部位への直接的または間接的結合によって引き起こされてもよい。
【0027】
「核における蛍光発光の共局在」は、細胞核での2つの異なる蛍光の共局在を指す。共局在は、2つのタンパク質が互いに相互作用するとすぐに検出される。共局在は、核における2つの異なる蛍光(ポリ)ペプチドからの蛍光発光の一部または完全な空間重複として検出される。検出は、実験者により、または当業者に既知の特殊なソフトウエアにより達成され得る(例えば、ImageJ co−localization plug−ins,http://rsb.info.nih.gov/ij/)。
【0028】
本発明は、生体真核細胞におけるタンパク質間相互作用の直接的可視化のための新規蛍光二重ハイブリッド(F2H)アッセイの開発に依存する。(F2H)アッセイの簡単な光学読出しは、リアルタイムでのタンパク質間相互作用の観察を可能にし、高スループットスクリーニングのために利用されてもよい。本発明の方法は、明確な核構造で蛍光標識されたベイト(ポリ)ペプチドの固定化に基づき、本所定構造で別々に標識されたプレイ(ポリ)ペプチドの共局在として、タンパク質間相互作用の検出を可能にする。本発明のF2Hアッセイは、関心対象の蛍光標識された(ポリ)ペプチド(ベイト(ポリ)ペプチド)に融合されるlacリプレッサを固定化するために、lacオペレータアレイの安定した組み込みを備えた細胞株の例で試験された。容易に使用可能な細胞株は、ヒト、マウス、ハムスター、およびショウジョウバエにおいて既に説明されている(Dietzel et al.,2004;Janicki et al.,2004;Robinett et al.,1996;Tsukamoto et al.,2000;Tumbar et al.,1999;Vazquez et al.,2001)。特異的な遺伝子導入細胞株から独立するために、本アッセイは、ベイト(ポリ)ペプチドを局所的に固定化するためのアンカー構造として、ラミナまたはセントロソームのような様々な細胞構造を使用することにより修正され得る。
【0029】
他の遺伝子二重ハイブリッド法のように、本発明のF2Hアッセイも、調整される必要のある、偽陽性または偽陰性結果を生じる場合がある。ベイト(ポリ)ペプチドの不在下でlacオペレータ配列に結合するプレイ(ポリ)ペプチドは、初期スクリーニングによって同定され得る。そのために、核内のプレイ(ポリ)ペプチドの局在化が、各ベイトタンパク質の不在下で、蛍光顕微鏡によって判断される。次いで、lacオペレータアレイでの蛍光プレイタンパク質のランダム蓄積が、本構造でのクラスター化蛍光によって判断され得る。本方法で同定された(ポリ)ペプチドは、偽陽性結果を避けるために、ベイト(ポリ)ペプチドとしてのみ使用され得る。異なる細胞内区画からの20以上のタンパク質間相互作用が、本発明のF2Hアッセイを用いて分析され、他の遺伝子または生化学法を用いた前述と同一の結果が得られた。自身をlacオペレータアレイ(例えば、実施例において記載されたSUMO3等)に結合すると考えられるタンパク質は、ベイト(ポリ)ペプチドとしてのみ使用され得る。実施例で開示された結果は、本発明のF2Hアッセイが、タンパク質間相互作用の研究に信頼のある、広範囲に適用可能な方法であることを示す。
【0030】
一部の例において、タンパク質は、核内中心で蓄積する場合があり、したがって、F2H分析を複雑にする。本問題を回避するために、lacオペレータアレイは可視化され、CFP−LacIのような第3の蛍光融合タンパク質を用いて同定され得る。
【0031】
本発明は、細胞で発現する時に、細胞の核における別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドを含む最小構造または融合タンパク質、およびGFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドが、タンパク質相互作用の迅速で効率的な高スループットスクリーニングに役立ち得ることをさらに特徴とする。GFPおよびベイト(ポリ)ペプチドを含む第2の融合タンパク質の共局在時に、GFPの細胞の核において別個の部位で蓄積される(ポリ)ペプチドに結合されるGFP結合(ポリ)ペプチドとの相互作用が確立され、したがって、ベイト複合体を構成する。蛍光(ポリ)ペプチドおよびプレイ(ポリ)ペプチドを含む、さらなる第3の融合タンパク質の共局在時に、双方の蛍光(ポリ)ペプチドは、そこに融合されるベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用時に共局在する。
【0032】
GFPに融合されるタンパク質および後者をコードする核酸のライブラリが、今までに設計および確立され(Newman et al.,2006)、これは、タンパク質の相互作用パートナーの高スループットスクリーニングを非常に容易にする。
【0033】
国際特許出願第WO2007/068313号において、本発明者は、ラクダVHHドメイン派生のGFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドを開示する。したがって、GFPに特異的に結合するタンパク質は、配列番号7もしくは9に示されるアミノ酸配列、または配列番号8もしくは10に示される配列を含む核酸分子によってコードされるアミノ酸配列を含む。
【0034】
要約すると、本新規F2Hアッセイは、タンパク質間相互作用の直接的な可視化を可能にし、生体細胞において、リアルタイムで、細胞周期または分化依存変化を調査するのに理想的には適しているはずである。他の細胞ベース技法に対するF2Hアッセイの優れた利点は、高価な機器または優れた専門知識のいずれも必要としない、その簡潔さである。F2Hアッセイの簡潔な光学読出しは、生細胞におけるタンパク質相互作用を系統的に分析するように、自動高スループットスクリーニングにおいて、本アッセイの使用可能性をさらに提供する。
【0035】
細胞質でランダムに蓄積し、不規則で予見不能な構造を形成するウイルス構造に依存する、(Miller et al.,2007)に記載される方法と比較すると、本発明で使用される核構造は、定義された、同定可能なスポットを形成する。反対に、Millerらの方法は、意図的に過剰発現された融合タンパク質または細胞質小胞でしばしば認められる、非特異的な集合体から識別するのが困難な、多くのはっきり定義されていない大きな細胞質集合体に焦点を定め、それが得られる。lacオペレータ等の不活性構造を使用して、例えば、細胞における様々な数の集合体の存在下で、蛍光(ポリ)ペプチドの非特異的な集合体の検出を即時に可能にする。本発明の方法において、細胞の倍数性により、1〜2つのスポットは、検出可能である。
【0036】
第2の態様において、本発明は、2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を調節する化合物を同定するための生体外の方法に関し、(a)真核細胞で、(i)細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドとを含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、(b)同一細胞で、(i)GFPと、(ii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、(c)同一細胞で、(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)ベイト(ポリ)ペプチドと相互作用することが既知である、または推測されるプレイ(ポリ)ペプチドとを含む、第3の融合タンパク質を発現するステップと、(d)細胞を試験化合物と接触させるステップと、(e)励起時に、細胞で、前記第2および前記第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップとを含み、試験化合物と接触させない参照細胞の核において認められるそれと比較した、細胞核における第2および第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光の共局在の程度の変化は、該化合物がベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を調節できることを示す。
【0037】
「2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を調節する」とは、2つの(ポリ)ペプチドまたはタンパク質の相互作用に影響する特定の化合物の機能を指す。相互作用は、その完全な抑止まで強化され得るか、または弱化され得るかのいずれかである。弱化の形での調節は、例えば、同一結合部位への試験化合物の相互作用タンパク質との競合によって、または1つのタンパク質への結合によって行われ得、したがって、その3次元構造を変化させるため、2つのタンパク質間の相互作用は、該タンパク質での構造変化により、もはや不可能になる。一方、後者は、同様の理由で、タンパク質への結合親和性の増加につながり得る。
【0038】
試験化合物は、これに限定されないが、例えば、核酸、(ポリ)ペプチド、ペプチドアプタマー、核酸ベースアプタマー、小分子、またはその断片に属する化合物であり得る。試験化合物は、任意の化学化合物であり得る。
【0039】
核酸は、DNA、RNA、またはリボザイムであり得る。核酸は、化学的に合成されるか、または生体外もしくは生体内ででも生物学的発現によってプロモータと併用して生成され得る。
【0040】
核酸は、適切な保護リボヌクレオシドホスホラミダイトおよび従来のDNA/RNA合成器を使用して、化学的に合成され得る。RNA合成試薬の供給元は、Proligo(Hamburg,Germany)、Dharmacon Research(Lafayette,CO,USA)、Pierce Chemical(part of Perbio Science,Rockford,IL ,USA)、Glen Research(Sterling,VA,USA)、ChemGenes(Ashland,MA,USA)、およびCruachem(Glasgow,UK)である。
【0041】
リボザイム(リボ核酸酵素から、RNA酵素または触媒RNAとも呼ばれる)は、化学反応を触媒するRNA分子である。多くの天然リボザイムは、自己切断または一方のRNAの切断のいずれかを触媒するが、リボソームのアミノトランスフェラーゼ活性を触媒することも判明している。
【0042】
明確な特徴をもつ、小型自己切断RNAの例は、ハンマーヘッド型、ヘアピン型、D型肝炎ウイルス、および生体外選択リード依存型リボザイムである。これらの小型触媒の組織は、第I群イントロン等の大型リボザイムのそれと対照的である。
【0043】
アプタマーは、特定の標的分子を結合する、オリゴ核酸またはペプチド分子である。アプタマーは、通常、大きなランダム配列プールからアプタマーを選択することによって生成されるが、天然アプタマーもリボスイッチに存在する。アプタマーは、高分子薬剤として、基礎研究および臨床目的の双方に使用され得る。アプタマーは、リボザイムと混合され得、それらの標的分子の存在下で自己切断する。これらの化合物分子には、追加研究、工業および臨床用途がある。より具体的には、アプタマーは、DNAまたはRNAアプタマー、もしくはペプチドアプタマーとして分類され得る。前者はオリゴヌクレオチドの(通常短)鎖から成るが、後者は、足場タンパク質の両端に付着する、短鎖可変ペプチドドメインから成る。
【0044】
核酸アプタマーは、小型分子、タンパク質、核酸、さらには細胞、組織または生物等の様々な分子標的に結合するように、反復された多数の生体外選択、または同等にSELEX(指数的濃縮によるリガンドの系統的進化)を通して操作された核酸種である。
【0045】
ペプチドアプタマーは、細胞内の他のタンパク質相互作用と相互作用するように設計される(ポリ)ペプチドである。これらは、足場タンパク質の両端に付着される、可変ペプチドループから成る。本二重構造拘束は、抗体のそれ(ナノモル範囲)に相当するレベルに、ペプチドアプタマーの結合親和性を大幅に増加する。可変ループの長さは、典型的には、10〜20のアミノ酸から成り、足場は、良好な溶解特性を有する、任意のタンパク質であってもよい。
【0046】
現在、細菌タンパク質のチオレドキシンAは、最も頻繁に使用される足場タンパク質であり、可変ループは、野生型タンパク質において−Cys−Gly−Pro−Cys−ループである、還元された活性部位内に挿入され、2つのシステイン側鎖は、ジスルフィド架橋を形成することが可能である。ペプチドアプタマー選択は、異なるシステムを使用して行われることが可能であるが、最も頻繁に使用されるシステムは、現在、酵母二重ハイブリッドシステムである。
【0047】
抗体は、例えば、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得る。「抗体」という用語は、さらに結合特異性を保持する、その誘導体または断片も含む。抗体の生成技法は、当該技術分野では既知であり、例えば、Harlow and Lane "An
tibodies,A Laboratory Manual",Cold Spri
ng Harbor Laboratory Press,1988およびHarlow and Lane“Using Antibodies:A Laboratory Manual”Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999に記載されている。
【0048】
抗体は、キメラ単鎖およびヒト化抗体、ならびに具体的には、Fab断片のような抗体断片も含む。抗体断片または誘導体は、F(ab')2、FvまたはscFv断片を
さらに含む。例えば、Harlow and Lane(1988)および(1999),loc.citを参照のこと。
【0049】
本発明に従う小型分子は、有機または無機であり得、最大2000ダルトン、好ましくは、1000ダルトンを超えない、最も好ましくは、800ダルトンを超えない分子量を有する。
【0050】
本発明の本態様の好ましい実施形態において、試験化合物は、2つの(ポリ)ペプチドを弱化することができ、試験化合物と接触させない参照細胞の核において認められるそれと比較した、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光部の共局在の減少は、化合物がベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドを弱化することができることを示す。
【0051】
本発明の内容において、「2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を弱化することができる」とは、最初に、別の(ポリ)ペプチドへの(ポリ)ペプチドの結合親和性に対する化合物の影響が、相互作用または結合親和性の弱化または完全な破壊/抑止につながることを意味する。上述のように、これは、化合物の結合時に、1つの(ポリ)ペプチドに誘発された構造変化により行われてもよい。第2に、化合物は、他の(ポリ)ペプチドの結合部位に隣接する同一の、または異なる結合部位に対して、相互作用(ポリ)ペプチドと直接的に競合してもよい。相互作用の弱化または完全な抑止は、双方の蛍光シグナルの共局在の減少または完全に不在になると検出可能である。
【0052】
本発明の内容における参照細胞は、試験化合物と接触させなかった細胞を指す。したがって、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用挙動に対する化合物の影響は、直接的に比較され得る。
【0053】
本発明の本態様の別の好適な実施形態において、試験化合物は、2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を誘発または強化することができ、試験化合物と接触させない参照細胞の核において認められるものと比較した、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光部の共局在の増加は、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を誘発または強化することができることを示す。
【0054】
「2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を誘発することができる」とは、別の(ポリ)ペプチドへの(ポリ)ペプチドの結合親和性に対する化合物の影響が、結合親和性の増加につながることを意味する。例えば、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの蛍光シグナルの共局在が、参照細胞において全くまたは少ししか検出されなかった場合、共局在における増加は、相互作用の強化を示す。
【0055】
異なる態様において、本発明は、2つのペプチドの相互作用の相対強度を判断するための生体外の方法に関し、(a)真核細胞で、(i)細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドとを含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、(b)同一細胞で、(i)GFPと、(ii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、(c)同一細胞で、(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)第1のプレイ(ポリ)ペプチドとを含む、第3の融合タンパク質を発現するステップと、(d)同一細胞で、(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)第2のプレイ(ポリ)ペプチドとを含む、第4の融合タンパク質を発現するステップと、(e)励起時に、細胞で、前記第2および前記第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップとを含み、細胞核における第2および第4の融合タンパク質のそれと比較すると異なる、第2および第3の融合タンパク質の蛍光発光の共局在の程度は、ベイト(ポリ)ペプチドに対する第1および第2のプレイ(ポリ)ペプチドの異なる結合強度を示す。
【0056】
本発明の本態様および以下の2つの態様は、2つの基礎構築物である、プレイおよびベイト構築物に依存し、GFPを含む核酸コードタンパク質のライブラリが利用不可能な場合に適用され得る。構築物は、2つの個別のベクターまたは1つのベクターに含まれてもよい。
【0057】
さらなる態様において、本発明は、タンパク質間相互作用を検出するための生体外の方法に関し、(a)真核細胞で、(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(iii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、(b)同一細胞で、(i)該第1の融合タンパク質に含まれる蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)プレイ(ポリ)ペプチドとを含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、(c)励起時に、細胞で、第1および第2の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップとを含み、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光発光の共局在は、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を示す。
【0058】
異なる態様において、本発明は、2つのペプチドの相互作用を調節する化合物を同定するための生体外の方法に関し、(a)真核細胞で、(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(iii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む第1の融合タンパク質を発現するステップと、(b)同一細胞で、(i)該第1の融合タンパク質に含まれる蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)ベイト(ポリ)ペプチドと相互作用することが既知である、または推測されるプレイ(ポリ)ペプチドとを含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、(c)細胞を試験化合物と接触させるステップと、(d)励起時に、細胞で、第1および第2の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップとを含み、試験化合物と接触させない参照細胞の核において認められるそれと比較した、細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光の共局在の程度の変化は、化合物がベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの前記相互作用を調節できることを示す。
【0059】
さらなる態様において、本発明は、第3のタンパク質(または(ポリ)ペプチド)と2つのタンパク質(互換的に使用される用語「(ポリ)ペプチド」)の相互作用の相対強度を判断するための方法に関し、(a)真核細胞で、(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(iii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、(b)同一細胞で、(i)該第1の融合タンパク質に含まれる蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)第1のプレイ(ポリ)ペプチドとを含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、(c)同一細胞で、(i)該第1および該第2の融合タンパク質に含まれる蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)第2のプレイ(ポリ)ペプチドとを含む、第3の融合タンパク質を発現するステップと、(d)励起時に、細胞で、第1、第2および第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップとを含み、細胞核における第1および第3の融合タンパク質のそれと比較すると異なる、第1および第2の融合タンパク質の蛍光発光の共局在の程度は、ベイト(ポリ)ペプチドに対する第1および第2のプレイタンパク質の異なる結合強度を示す。
【0060】
タンパク質間相互作用を検出するための方法に関する、本発明の態様の好適な実施形態において、検出は、細胞プロセスにおけるタンパク質間相互作用の依存性を調査するために採用され、該方法は、(d1)細胞における1つ以上のプロセスの過程で、細胞における第1および第2の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を監視するステップをさらに含み、細胞における双方の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光の共局在の程度の変化は、1つ以上の細胞プロセスでの相互作用の依存性を示す。
【0061】
「細胞プロセスにおける依存性」とは、ベイトまたはプレイ(ポリ)ペプチド、もしくは双方が、細胞周期等の細胞プロセスの過程における修飾のため、それらの相互作用挙動を変更する可能性を意味する。細胞周期にかかわるタンパク質は、他のタンパク質への結合親和性を変更する場合がある、リン酸化または脱リン酸化等の様々な修飾を受ける。この修飾が達成される細胞プロセス中の時間点または期間によって、(ポリ)ペプチドは、1つ以上の他の(ポリ)ペプチドへの結合親和性を緩和する、または増大する場合がある。
【0062】
より好適な実施形態において、細胞プロセスは、細胞周期、分泌、転位、またはシグナル伝達である。
【0063】
別の好適な実施形態において、検出は、タンパク質間相互作用の強度を判断するために採用され、該方法は、(d2)双方の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光の共局在が検出された場合、該第2の融合タンパク質の蛍光の選択的減光、および経時的に双方の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光の共局在の回復を監視するステップをさらに含み、共局在を確立するために必要な時間は、タンパク質間相互作用の強度を示す。
【0064】
一部において、本発明の本実施形態は、定評のあるFRAP(蛍光退色後回復)法を利用する。本方法は、蛍光標識されたプローブの拡散および移動性を定量化できる光学技法を意味する。本技法は、タンパク質結合の生物学的研究において多大な有用性を提供し、一般的に、研究されるタンパク質が蛍光タンパク質(FP)と融合されるFPと併用して使用される。特定の光波長(典型的にはレーザビーム)によって励起される時に、タンパク質は蛍光を発する。研究されるタンパク質がFPで生成される時に、蛍光が追跡される。(典型的には、強い/激しいレーザパルスを有する)FPの光破壊後、退色領域における蛍光回復の速度は、退色または退色されないFPの交換を阻害する、または低下させる、タンパク質相互作用の強度、細胞器官連続性、およびタンパク質輸送の情報を提供する。本観察は、タンパク質結合を調査するために、最近、利用されている。
【0065】
本発明の別の好適な実施形態において、該第1の融合タンパク質の構成要素(i)、(ii)および/もしくは(iii)、ならびに/または該第2の融合タンパク質の構成要素(i)および(ii)、ならびに/または該第3の融合タンパク質の構成要素(i)および(ii)は、リンカーを介して連結される。
【0066】
「リンカー」という用語は、本発明の融合タンパク質の構成要素間の連結を指す。リンカーは、任意の順序で、融合タンパク質の構成要素間に配置されてもよい、少なくとも1つのアミノ酸残基を含むペプチド結合またはアミノ酸の伸長であり得る。このようなリンカーは、一部の例において、例えば、個々のドメインの個別の折り畳み構造を改善するために、または融合タンパク質の安定性を調整するために有用である場合がある。さらに、このようなリンカー残基は、輸送のためのシグナル、プロテアーゼ認識配列、または二次修飾のシグナルを含む場合がある。リンカーを形成するアミノ酸残基は、構造化または非構造化されてもよい。好ましくは、リンカーは、1つのアミノ酸残基ほど短い、または最大2、3、4、5、10、20もしくは50の残基であってもよい。特定の例において、リンカーは、さらに、最大100または150残基を含んでもよい。
【0067】
本発明の別の好適な実施形態において、細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドは、細胞の核において別個の部位で蓄積される、タンパク質性または非タンパク質性構造と直接的に相互作用する。
【0068】
本発明の異なる好適な実施形態において、細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドは、細胞の核において別個の部位で蓄積される、タンパク質性または非タンパク質性構造と間接的に相互作用する。
【0069】
間接的な相互作用は、(ポリ)ペプチドまたは核酸等のタンパク質性または非タンパク質性分子を介して、再度、生じ得る。
【0070】
異なる好適な実施形態において、プレイ(ポリ)ペプチドのうちのいずれかは、核局在化シグナルを含む。
【0071】
核局在化シグナル(NLS)は、細胞核に対する発現生成物を標的とする。NLSの例は、非相同タンパク質を核内に指示することができる、SV40大型T抗原のペプチド配列PKKKRKVである(Kalderon et al.,1984)。さらに、NLSは、例えば、偏在性二分シグナルの原型としてのヌクレオプラスミンのNLSであるKR[PAATKKAGQA]KKKK、または酵母転写リプレッサMatα2のNLSであるKIPIKである。核局在化シグナルの多くの他の配列は、当業者に既知であり、文献に記載されている。
【0072】
蛍光(ポリ)ペプチドに融合するプレイ(ポリ)ペプチドが、それ自体、核に転位できない場合、NLSが存在する必要がある。概して、最大60kDaの大きさの(ポリ)ペプチドは、核に転位されてもよい。さらに、(ポリ)ペプチドのアミノ酸組成が影響を与える、すなわち、(ポリ)ペプチドにおける連続した塩基性アミノ酸は、(ポリ)ペプチドの核内への転位を促進してもよい。プレイ(ポリ)ペプチドが、核に転位され、蓄積されるのを確実にするために、NLSが存在することが望ましい。核の別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドに対して、同じことが言えるが、NLSが存在する場合にのみ、核へ転位される。このような(ポリ)ペプチドの例は、それ自体はNLSを含まない、lacリプレッサである。
【0073】
異なる好適な実施形態において、真核細胞における発現は、1つ以上のベクターにおいて、該第1および第2の融合タンパク質をコードする核酸分子を形質移入することにより達成される。
【0074】
形質移入は、核酸分子の真核細胞への導入である。一般的に使用される方法は、これらに限定されないが、塩化カルシウム、JetPEI(登録商標)(PolyPlus)、またはリポフェクチン(登録商標)(Invitrogen)を使用する形質移入を含む。
【0075】
該第1および/もしくは第2および/もしくは第3および/もしくは第4の融合タンパク質をコードする核酸分子を含むベクターは、真核発現ベクター、好ましくは、哺乳類発現ベクターである。核酸分子のベクターへの取り込みは、核酸分子を効果的に細胞内、好ましくは、宿主細胞のDNAに導入する可能性を提供する。宿主細胞は、細胞株からの細胞等、単一細胞であってもよい。このような基準は、発現ベクターが選択される場合、宿主細胞においてそれぞれの核酸分子を発現する可能性を与える。したがって、核酸分子の発現ベクターへの取り込みは、細胞または宿主細胞の選択された細胞のサブセットのうちのいずれかにおいて、コードされた(ポリ)ペプチドまたはタンパク質のレベルが持続的に上昇する方法を導く。
【0076】
別の好適な実施形態において、細胞の核の別個の部位で蓄積される(ポリ)ペプチドは、細胞内に導入された。異なる好適な実施形態において、該(ポリ)ペプチドが、核において別個の部位で蓄積されるタンパク質性または非タンパク質性構造と相互作用する場合、該タンパク質性または非タンパク質性構造は、細胞内に導入され得る。
【0077】
本発明の融合タンパク質をコードする核酸分子を含むベクターと同様に、タンパク質性、または非タンパク質性構造をコードする核酸分子も、ベクターに導入され得る。核酸分子は、好ましくは、細胞の染色体内に、安定して組み込まれ、安定した細胞株の生成をもたらす。
【0078】
異なる好適な実施形態において、細胞の別個の部位は、不活性構造を形成する。
【0079】
より好適な実施形態において、不活性構造は、核ラミナまたは核スペックルである。
【0080】
異なる好適な実施形態において、細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドは、PML体(前骨髄球性白血病、PML核内小体またはPML NBとも呼ばれる)と相互作用する。
【0081】
PML体は、転写、DNA修復、ウイルス防御、ストレス、細胞周期制御、タンパク質分解、およびアポトーシスを含む、多くの核機能に関連している。平均的な哺乳類細胞は、10〜30のPML核内小体を含む。PML体は、最初に、急性前骨髄球性白血病(APL)に関連する、染色体転位t(15,17)におけるレチノイン酸受容体へのその融合によって同定される(Borden,2002;Maul et al.,2000;Moller et al.,2003)、PMLタンパク質の存在によって定義される。PMLタンパク質は、PML NBの形成に不可欠であり、それが不在の場合、またはそのRING(構造モチーフとしてC3HC4亜鉛フィンガーを含む)フィンガーが変異した場合、PML体は破壊される。
【0082】
異なる好適な実施形態において、核の別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチド、または細胞の別個の部位で蓄積されるタンパク質性もしくは非タンパク質性構造は、非相同である。
【0083】
本発明で使用される際、「非相同」とは、発現する細胞のそれとは異なるタンパク質性または非タンパク質性構造の起源、すなわち、異なる種を意味する。
【0084】
別の好適な実施形態において、細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドは、DNAと相互作用する。
【0085】
より好適な実施形態において、DNAは、lacオペレータである。
【0086】
さらにより好適な実施形態において、lacオペレータは、核に多コピー存在する。コピー数は、個々の実験、すなわち、使用される宿主細胞、またはベイト(ポリ)ペプチドおよび/もしくはプレイ(ポリ)ペプチドの種類に依存する。一般に適用されるコピー数は、256コピーのlacオペレータ(すなわち、38400コピーのlacオペレータ)を含む、少なくとも150コピーのプラスミドから約2000コピーの該プラスミド(すなわち、512000コピーのlacオペレータ)に達する。高感度が必要な場合、コピー数はさらに多くなり、最大3000コピーに達し得る。代替的に、異なるコピー数を含む任意の種類のプラスミドが、所望のlacオペレータのコピー数を得るために利用され得る。lacオペレータは、各要素を分離する、核酸長を伴う、または伴わないタンデム型に配列され得る。要素は、ヘッド−テイルまたはテイル−ヘッドに配列され得る。核に安定して組み込まれるlacオペレータの多コピーを有する細胞株は、当該技術分野において既知である(Janicki et al.,2004;Tsukamoto et al.,2000)。
【0087】
別の好適な実施形態において、該第1の融合タンパク質は、LacIを含む。
【0088】
lacリプレッサLacIは、同一サブユニットの4量体である。各サブユニットは、DNAに結合可能なヘリックス・ターン・ヘリックス(HTH)モチーフを含む。リプレッサが結合するオペレータ部位は、逆方向反復対称のがDNA配列である。オペレータの2つのDNA半部位は、4量体リプレッサの2つのサブユニットに結合する。
【0089】
lacオペレータおよびLacIの双方は、細菌のラクトース代謝の制御ユニットである、細菌lacオペロンの一部を形成する。ラクトースが増殖培地から欠けている場合、リプレッサは、プロモータの下流に位置するlacオペレータに非常に強固に結合する。
【0090】
本発明は、本発明の方法が好都合に実施され得る核において、非タンパク質性アンカー構造を形成するために、LacIとlacオペレータとの間の相互作用を利用する。概して、LacIのlacオペレータとの相互作用は、核において1つ別個の部位で検出される。
【0091】
既知の方法、具体的に、(Miller et al.,2007)の方法と比較した、本発明の本実施形態の重要な利点は、lacオペレータアレイを形成するlacオペレータのコピー数が、システムをベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチド双方の発現レベルに適応するために、変更され得ることである。例えば、1つの、または双方の(ポリ)ペプチドの発現が細胞において非常に高いことが分かり、したがって、例えば、細胞プロセスに干渉する、または蛍光シグナルを妨害する場合、低いlacオペレータのコピー数を有する別の細胞が選択され、したがって、相互作用の検出の滴定を可能にする。
【0092】
より好適な実施形態において、該第2の融合タンパク質はGFPを含む。
【0093】
別の好適な実施形態において、検出は、蛍光顕微鏡を使用して実施される。
【0094】
蛍光顕微鏡は、反射および吸収の代わりに、またはそれに加えて、蛍光およびリン光の現象を使用して、有機物または無機物の特性を研究するために使用される光学顕微鏡である。検体が、フルオロフォラによって吸収される特定の波長(または複数の波長)の光で照射されることによって、検体に(吸収された光と異なる色の)より長い光波長を発光させる。光の照射は、発光フィルタの使用を通して、非常に弱い発光された蛍光から単離される。蛍光顕微鏡の典型的な構成要素は、光源(キセノンまたは水銀アーク放電ランプ)、励起フィルタ、二色性ミラー(または二色性ビームスプリッタ)、および発光フィルタである。フィルタおよび二色性ミラーは、検体を標識するために使用される、スペクトル励起およびフルオロフォラの発光特性に一致するように選択される。使用される多くの蛍光顕微鏡は、落射蛍光顕微鏡である(すなわち、蛍光の励起および観察は、検体の上(epi)からである)。これらの顕微鏡は、生物学の分野において重要な部分となり、共焦点レーザ走査顕微鏡(CLSM)および全反射照明蛍光顕微鏡(TIRF)等の、より高度な顕微鏡設計へのドアを開いた。これらの技術は、当業者に既知である。
【0095】
別の好適な実施形態において、真核細胞は、生細胞である。
【0096】
別の好適な実施形態において、本発明の方法は、細胞において、ベイトおよび/またはプレイ(ポリ)ペプチドを局在化させるステップをさらに含む。
【0097】
本実施形態は、共局在が核において効率的に行われることを確実にし、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの非特異的な相互作用を排除する働きをする。局在化は、実験者、または異なる細胞内区画を区別でき、当業者に既知の特殊なソフトウエアのいずれかにより検出される(例えば、ImageJ(バージョン1.38,http://rsb.info.nih.gov/ij/)。
【0098】
異なる態様において、本発明は、融合タンパク質をコードする核酸分子に関し、(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(iii)ベイト(ポリ)ペプチドとを含む。
【0099】
別の態様において、本発明は、融合タンパク質をコードする核酸分子に関し、(i)lacオペレータに結合する(ポリ)ペプチドと、(ii)該核酸と該核酸によってコードされるタンパク質とを含むベクターである、GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドとを含む。
【0100】
本発明の本態様に従う「核酸分子」は、双方ともセンスまたはアンチセンス鎖である、cDNAまたはゲノムDNA等のDNA、およびRNAを含む。さらに、DNAまたはRNAの合成または半合成誘導体、および混合重合体等、当該技術分野に既知の核酸模倣分子を含む。本発明に従う、このような核酸模倣分子または核酸誘導体は、ホスホロチオエート核酸、ホスホロアミド核酸、2’−O−メトキシエチルリボ核酸、モルフォリノ核酸、ヘキシトール核酸(HNA)、およびロックド核酸を含む(例えば、(Braasch and Corey,2001)を参照のこと)。LNAは、リボース環が2’−酸素と4’−炭素との間のメチレン結合によって拘束されるRNA誘導体である。当業者には容易に理解されるように、これらは、追加の非天然または誘導ヌクレオチド塩基を含む場合がある。
【0101】
本発明の本態様の好適な実施形態において、融合タンパク質は、LacIを含む。
【0102】
別の態様において、本発明は、本発明の核酸分子によってコードされるタンパク質に関する。タンパク質または(ポリ)ペプチドの特徴は、本明細書の別項で定義される。
【0103】
好適な実施形態において、本発明のタンパク質は、LacIを含む。
【0104】
代替的態様において、本発明は、本発明の核酸分子を含むベクターに関する。ベクターの特性は、本明細書の別項において説明される。既に説明された特徴に加え、本発明のベクターは、原核性ベクターであり得る。原核性ベクターおよびその特性は、当該技術分野において既知である。好ましくは、ベクターは、プラスミド、コスミド、ウイルス、バクテリオファージ、または例えば、遺伝子組み換えで慣習的に使用される別のベクターである。
【0105】
核酸分子は、いくつかの商業的に入手可能なベクターに挿入されてもよい。非制限的な例としては、pREP(Invitrogen)、pcDNA3(Invitrogen)、pCEP4(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)、pXT1(Stratagene)、pSG5(Stratagene)、EBO−pSV2neo、pBPV−1、pdBPVMMTneo、pRSVgpt、pRSVneo、pSV2−dhfr、pIZD35、pLXIN、pSIR(Clontech)、pIRES−EGFP(Clontech)、pEAK−10(Edge Biosystems)pTriEx−Hygro(Novagen)、pCINeo(Promega)、Okayama−Berg cDNA発現ベクターpcDV1(Pharmacia)、pRc/CMV、pcDNA1、pSPORT1(GIBCO BRL)、pGEMHE(Promega)またはpSVLおよびpMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)等の哺乳類細胞における発現と適合性のあるベクターが挙げられる。
【0106】
ベクター修飾技法については、Sambrook and Russell(Molecular Cloning:A Laboratory Manual; Cold Spring Harbor,2001)を参照のこと。概して、ベクターは、クローン化または発現のための1つ以上の複写元(ori)および遺伝体系、例えば、抗生物質抵抗性等の宿主における選択のための1つ以上のマーカ、および1つ以上の発現カセットを含み得る。
【0107】
ベクターに挿入される核酸分子は、例えば、標準的な方法によって合成され得る、または自然源から単離され得る。コードされた配列の転写制御要素および/または配列をコードする他のアミノ酸への連結は、確立された方法を使用して実施され得る。
【0108】
本発明の本態様の好適な実施形態において、ベクターは、(i)本発明の核酸分子によってコードされるタンパク質に含まれる蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)プレイ(ポリ)ペプチドとを含む、融合タンパク質をコードする核酸分子をさらに含む。
【0109】
異なる態様において、本発明は、本発明のベクターで形質移入される真核細胞に関する。
【0110】
真核細胞は、哺乳類細胞であることが好ましい。
【0111】
本発明の本態様の好適な実施形態において、真核細胞は、本発明の核酸分子を含むベクターと、(i)本発明のタンパク質に含まれる蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、(ii)プレイ(ポリ)ペプチドとを含む、融合タンパク質をコードする核酸分子を含むベクターとで、形質移入される。
【0112】
本発明のプレイおよびベイト構築物は、発現レベルの比較を容易にする場合がある1つのベクターにのみ含まれ得る。
【0113】
別の態様において、本発明は、そのDNAに安定して組み込まれるlacオペレータの多コピーを有し、本発明のタンパク質を安定して発現する、真核細胞に関する。
【0114】
別の態様において、本発明は、そのDNAに安定して組み込まれるlacオペレータの多コピーを有し、(i)lacオペレータに結合する(ポリ)ペプチドと、(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドとを含むタンパク質を安定して発現する、真核細胞に関する。
【0115】
好適な実施形態において、GFPに特異的に結合する該(ポリ)ペプチドは、配列番号7もしくは9のアミノ酸配列を有する、または配列番号8もしくは10の核酸配列によってコードされる(ポリ)ペプチドを含む。
【0116】
本発明は、(i)細胞で発現される時に、細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチド、ならびに該核酸分子と、該核酸分子を含むベクターで形質移入される真核細胞とを含むベクターである、該核酸分子によってコードされるタンパク質を含む、融合タンパク質をコードする核酸分子にも関する。ベイトおよび少なくとも1つのプレイ構築物を含むF2Hシステムに関する本発明の態様において説明されるように、好適な実施形態および定義は、GFPに特異的な(ポリ)ペプチドを利用する本発明の上述の態様に同様に適用される。本発明の最初の3つの態様の第1、第2、または第3の融合タンパク質に関する全ての実施形態は、GFPに特異的な(ポリ)ペプチドを利用する本発明の態様の第4の融合タンパク質に、同様に適用される。
【0117】
図の説明
図1
蛍光二重ハイブリッド(F2H)アッセイの概略である。(a)F2Hアッセイに使用される蛍光標識されたプレイおよびベイトタンパク質をコードするpF2HプレイおよびpF2Hベイト発現ベクターの概要。(b)ベイトタンパク質のLacIドメインは、形質移入された細胞の核において蛍光スポットとして可視であり、染色体性に組み込まれたlacオペレータアレイへの結合を媒介する。差次的に標識されたプレイがベイトを相互作用する場合、同一スポットで濃縮されて、lacオペレータ(オーバーレイ画像で黄色いスポットとして可視となる)で蛍光シグナルの共局在を生じる。(c)プレイがベイトタンパク質と相互作用しない場合、核で分散されたままであり、lacオペレータアレイは、ベイトタンパク質(赤色のスポット)によって可視化されるだけである。FP1およびFP2は、2つの区別可能な蛍光タンパク質、例えば、GFPまたはYFP、およびmCherryまたはmRFPを指す。
【0118】
図2
DNAリガーゼIIIのXRCC1の特異的な相互作用が、F2Hによって明らかにされた。(a)染色体lacオペレータアレイを含む遺伝子導入BHK細胞が、XRCC1−LacI−RFPおよびGFP−タグ付けされたDNAリガーゼIII、またはDNAリガーゼI構築物と同時導入された。XRCC1−LacI−RFP融合タンパク質のlacリプレッサ部分は、lacオペレータアレイ(赤色スポットとして蛍光顕微鏡によって可視となる)への結合を媒介する。DNAリガーゼIIIは、XRCC1との相互作用を通して、lacオペレータアレイへ補充される。高度に相同的なDNAリガーゼIは、lacオペレータアレイで蓄積せず、XRCC1と相互作用しないことを示すことに留意されたい。スケールバー5μm。(b)F2H結果と共免疫沈降(Co−IP)実験との比較。Co−IPは、それぞれ、RFP−XRCC1およびGFPリガーゼIII、またはGFPリガーゼIを同時発現するHEK293T細胞で実施された。相互作用の位置付けのために、GFPタグ付けされたDNAリガーゼIIIのBRCTドメインと、BRCTドメインが欠損する欠失構築物とが使用された。免疫沈降法が、GFPナノトラップで実施された(Rothbauer et al.,2007)(前に示す通り(Mortusewicz et al., 2006))。沈殿した融合タンパク質は、次いで、ウエスタンブロット上のRFPおよびGFPに対する特定の抗体で検出された。RFP−XRCC1は、GFPリガーゼIIIで共沈殿されたが、GFPリガーゼIでは共沈殿されなかった。RFP−XRCC1も、GFPリガーゼIII BRCTで共沈殿されたが、GFP−NリガーゼIIIDBRCTでは共沈殿されなかった。F2H結果の比較において、Co−IPからのインプット(左)および結合(右)バンドは、F2Hアッセイからの対応するシグナルとアライメントされた。赤色で示されるXRCC1−LacI−RFPベイト構築物のLacIスポットおよび結合分画は、GFPタグ付けされたプレイ構築物のそれぞれのシグナルとアライメントされた。それぞれのF2Hの全細胞画像を(a)および図6に示す。
【0119】
図3
細胞周期の独立したDnmt1のPCNAとの相互作用のF2H分析。(a)完全長マウスDnmt1および融合タンパク質の概略。PBD、PCNA結合ドメイン;NLS、核局在化配列;TS、標的配列;ZnF、Zn2+結合領域;BAH1および2、2つのブロモ隣接相同ドメイン。(b)lacオペレータ(lac op)アレイで、および複製フォークでの融合タンパク質の結合可能性の概要。(c)染色体lacオペレータアレイを含む遺伝子導入BHK細胞が、PBD−LacI−YFPおよびRFP−PCNA構築物と同時導入された。RFP−PCNAは、独特な細胞周期の依存分布を示す(非S相細胞(上段)での分散、およびS相(下段)での焦点パターン)。PBD−LacI−YFP融合タンパク質のlacリプレッサ部分は、lacオペレータアレイへの結合を媒介し(緑色のスポットとして可視であり、矢印で強調される)、PBDは、複製部位でPCNAへの結合を媒介する(S相での焦点パターン)。RFP−PCNAは、Sおよび非S相細胞においてlacオペレータアレイで局在化され、これは、細胞周期および複製機構の独立を通して、Dnmt1のPBDのPCNAへの相互作用を示すことに留意されたい。(d)BHK細胞は、DPBD−LacI−YFPおよびRFP−PCNAの発現ベクターで形質移入された。上述の通り、RFP−PCNAは、非S相(上段)での分散分布、S相(下段)での複製部位の再分布を示す。DPBD−LacI−YFP融合タンパク質は、lacオペレータアレイ(矢印で印される緑色のスポット)に結合するが、PBDを欠損するため、S相において複製部位に結合しない。重要な点は、これらの細胞において、RFP−PCNA(プレイ)は、lacオペレータアレイ(矢印で印される)で局在化されず、結合がDPBD−LacI−YFP(ベイト)において不在であるPBDの存在に依存することを示す。スケールバー5μm。
【0120】
図4
F2Hによるハンチントン病関連の相互作用の分析。F2Hによって認められた(a)SUMO3とHZFH、および(b)HZFHとビメンチンとの間の報告された相互作用。(c)F2H分析は、上述の通り、SUMO3とビメンチンとの間で相互作用がないことを示す(Goehler et al.,2004)。(b)では、核は点線で輪郭を描かれ、(c)では、lacオペレータアレイが示される(矢印)。スケールバー5μm。
【0121】
図5
ミトコンドリアタンパク質間相互作用の分析、および難聴−ジストニア−視神経萎縮症候群に付随する変異の作用。(a)ミトコンドリアの内膜部分(IMS)における6量体DDP1−TIMM13複合体の概略。(b+c)GFP−DDP1(b)または機能欠失変異体GFP−DDP1C66W(c)のいずれかと共にベイトタンパク質mCherry−LacI−TIMM13を発現するBHK細胞。機能的野生型融合GFP−DDP1は、lacオペレータアレイで蛍光シグナルの共局在によって認められたTIMM13との相互作用を示す(b)一方、GFP−DDP1C66W変異体は、核にわたって分散して分布しており、相互作用を示さない(c)。スケールバー5μm。
【0122】
図6
XRCC1を伴うDNAリガーゼIIIのBRCT媒介相互作用が、F2Hアッセイによって明らかにされた。lacオペレータアレイを含む遺伝子導入BHKは、XRCC1−LacI−RFPおよび様々なGFPタグ付けされたDNAリガーゼIII変異体と同時導入された。XRCC1−LacI−RFP融合タンパク質のlacリプレッサ部分は、lacオペレータアレイ(赤色スポットとして可視)への結合を媒介する。BRCTドメインは、XRCC1との相互作用を通して、DNAリガーゼIIIのlacオペレータアレイへの標的のために必要かつ十分である。極めて相同なDNAリガーゼIは、lacオペレータアレイで蓄積せず、これは、XRCC1と相互作用しないことを示すことに留意されたい。スケールバー5μm。
【0123】
図7
F2Hアッセイは、XRCC1のPCNA、PARP−1およびPARP−2との相互作用を明らかにする。lacオペレータアレイを含むBHK細胞は、XRCC1−LacI−RFP、およびGFP−PARP−1、GFP−PARP−2、またはGFP−PCNAのいずれかの発現ベクターで形質移入された。XRCC1−LacI−RFP融合タンパク質のlacリプレッサ部分は、lacオペレータアレイ(赤色スポットとして可視)への結合を媒介する。GFP−PARP−1、GFP−PARP−2およびGFP−PCNAは、lacオペレータアレイを標的としており、XRCC1との相互作用を示す。スケールバー5μm。
【0124】
図8
F2Hアッセイは、PBD媒介された、DNAリガーゼIのPCNAとの相互作用を明らかにする。lacオペレータアレイを含む遺伝子導入U2OS細胞は、NLS−PCNA−LacI−RFPおよび様々なGFPタグ付けされたDNAリガーゼI構築物と同時導入された。NLS−PCNA−LacI−RFP融合タンパク質のlacリプレッサ部分は、lacオペレータアレイ(赤色スポットとして可視)への結合を媒介する。PBDは、PCNAとの相互作用を通して、DNAリガーゼIのlacオペレータアレイへの標的のために必要かつ十分である。スケールバー5μm。
【0125】
図9
様々な複製および修復タンパク質のPCNAとの相互作用が、F2Hによって明らかにされた。lacオペレータアレイを含む遺伝子導入BHK細胞は、NLS−PCNA−LacI−RFPおよび様々なGFPタグ付けされた複製および修復タンパク質を発現する。試験された全てのタンパク質は、PCNAと相互作用する。スケールバー5μm。
【実施例】
【0126】
実施例1:材料および方法
発現構築物
LacIコード配列は、以下のプライマーを使用したp3’SS EGFP−Lac発現ベクターから増幅されたPCRである(Robinett et al.,1996):順方向プライマー5’−TCT AGA AAG CTT TCC ATG GTG AAA CCA GTA−3’および逆方向プライマー5’−CCA TGC CCG GGA CAG GCT GCT TCG GGA AAC−3’(制限部位はイタリック(下線)で示す)。本PCR断片は、HindIIIおよびXmaIで消化され、2つのDnmt1−YFP発現ベクター(MTNY.2およびPBHD−YFP)の同一部位にクローン化され(Easwaran et al.,2004)、PBD−LacI−YFPおよびDPBD−LacI−YFPを生成した。NLS−PCNA−LacI−RFPおよびXRCC1−LacI−RFP構築物は、以下のプライマーを使用して、PCNAおよびXRCC1 cDNAのPCR増幅によって生成された(制限部位はイタリックで示す)。
【0127】
【表1】

【0128】
その後、PCR断片は、NLS−PCNA−LacI−RFPにはXhoI/HindIII部位を、そしてXRCC1−LacI−RFP発現ベクターにはBglII/EcoRI部位を使用して、LacI−RFP発現ベクター内にクローン化された。
【0129】
全ての他のF2H構築物は、cDNAおよび後続の連結を図1aに説明されるベイトおよびプレイ発現ベクター内にコードするPCR増幅によって生成された。以下のプライマーが使用され、制限部位はイタリックで示される。
【0130】
【表2】

【0131】
ヒトDNMT1、DNAリガーゼI、DNAリガーゼIII、p21、FEN I、ポリメラーゼδp66サブユニット、PARP−1、PARP−2、およびPCNAの翻訳融合をコードする哺乳類発現構築物は、前述される(Cazzalini et al.,2003;Maeda et al.,2006;Meder et al.,2005;Mortusewicz et al.,2005;Schermelleh et al.,2005;Sporbert et al.,2005)。DNAリガーゼIおよびIIIの欠失構築物および単離ドメインは、Mortusewicz et al(Mortusewicz et al.,2006)で説明される。免疫沈降法は、前述の通り(Mortusewicz et al.,2006)、GFPナノトラップ(Rothbauer et al.,2007)で実施された。全ての融合構築物は、正しい発現および局在化に関して試験した。
【0132】
細胞培養および形質移入
lacオペレータ反復を含む遺伝子導入BHK細胞(クローン#2)およびU2OS細胞(クローン2−6−3)は、(Janicki et al.,2004;Tsukamoto et al.,2000)に説明される通り、10%のウシ胎仔血清および150μg/mlのハイグロマイシンB(PAA Laboratories)で補われたDMEMにおいて、選択された条件下で培養された。顕微鏡において、細胞は、18×18ガラスカバースリップ上、またはμスライド(ibidi,Munich,Germany)のいずれかで、50〜70%のコンフルエンスに増殖され、次いで、製造業者の説明書に従い、ポリプラス形質移入試薬jetPEI(登録商標)(BIOMOL GmbH,Hamburg,Germany)を使用して、示される発現構築物を同時導入した。6〜10時間後、形質移入培地を新しい培養培地に交換し、次いで、細胞を、生体細胞顕微鏡、または室温で10分間、PBS中の3.7%のホルムアルデヒドでの固定前に、さらに12〜24時間、インキュベートした。固定された細胞を、3分間、PBS中の0.2%のトリトンX−100で透過処理し、DAPIで対比染色し、Vectashield(Vector Laboratories,CA,USA)に載置した。
【0133】
顕微鏡
蛍光タンパク質を発現する生細胞または固定細胞は、63x/1.4NA Plan−Apochromat油浸対物レンズ装備のLeica TCS SP2 AOBS共焦点顕微鏡を使用して分析された。フルオロフォアは、405nmダイオードレーザ、488nmおよび514nmアルゴンレーザ、ならびに561nmダイオード励起個体(DPSS)レーザで励起された。生細胞または固定細胞の共焦点画像スタックは、典型的に、512x512ピクセルのフレームサイズ、50〜100nmのピクセルサイズ、250nmのzステップサイズ、および1エアリー単位に設定されたピンホールで記録された。いくつかの中間z断面の最大強度投影は、ImageJで生成した(バージョン1.38,http://rsb.info.nih.gov/ij/)。
【0134】
実施例2:タンパク質の相互作用を検出するための方法
リアルタイムで生細胞のタンパク質間相互作用を可視化するために、我々は、蛍光二重ハイブリッド(F2H)アッセイを開発した。F2Hアッセイの原理は、他の細胞構成要素との相互作用が特定の構造でタンパク質を固定化しなければ、タンパク質が細胞に自由に移動するという事実に基づく(Phair and Misteli,2000)。
【0135】
我々は、双方が256コピーのlacオペレータ配列を有する、約200〜1000コピーのプラスミドの安定した相互作用を持つ、上述のBHKおよびU2OS細胞株を使用した(Janicki et al.,2004;Tsukamoto et al.,2000)。我々は、三重融合タンパク質FP−LacI−X(図1a)またはX−LacI−FPを生じる相互作用(ベイト)において試験される、蛍光タンパク質(FP)、lacリプレッサ(LacI)、およびタンパク質Xから成る蛍光ベイトタンパク質をコードする発現構築物を生成した。本融合タンパク質は、次いでFPシグナルの焦点強化のため可視になる、オペレータアレイに結合する。第2の、異なって標識された融合タンパク質(FP−Y、プレイ)は、ベイトタンパク質と相互作用して、FPシグナル(図1b)の共局在をもたらすか、または相互作用せず、プレイ蛍光(図1c)の分散された分布を生じるかのいずれかであり得る。
【0136】
実施例3:DNA修復タンパク質間の相互作用の可視化
F2Hアッセイを試験するために、前述の、2つのDNA修復タンパク質DNAリガーゼIIIとXRCC1との間の相互作用を分析し(Caldecott et al.,1994;Wei et al.,1995)、結果をプルダウンアッセイから得たデータと比較した。我々は、本相互作用が、DNA修復部位を標的とするDNAリガーゼIIIのBRCTドメインによって媒介されることを前に示した。我々は、XRCC1を含むベイト融合タンパク質、続いてLacIおよび低分子量赤色蛍光タンパク質RFP(mRFP)を生成した。予測通り、本融合タンパク質は、一過性に形質移入されたBHK細胞において、lacオペレータアレイで局在化された(図2a)。完全長のGFPタグ付けされたDNAリガーゼIIIならびに単離されたGFP標識BRCTドメインの双方は、lacオペレータアレイでXRCC1と共局在し、一方で、BRCTドメインを欠損する融合タンパク質は、分散された分布を示す。特に、DNAリガーゼIIIと同様の反応を触媒する、極めて相同なDNAリガーゼIは、XRCC1(図2aおよび図6)に結合しない。F2HデータのCo−IP実験から得たデータとの直接的な比較は、これら2つの方法で同様の結果を得たことを明らかにする(図2b)。加えて、我々は、最近説明された、XRCC1のPCNAとの相互作用(Fan et al.,2004)、および2つのDNA損傷依存性PARPのPARP−1およびPARP−2(Masson et al.,1998;Schreiber et al.,2002)も認めた(図7)。これらの結果は、F2Hアッセイが生細胞においてタンパク質間相互作用を研究するのに好適であることを実証する。
【0137】
実施例4:タンパク質間相互作用の細胞周期依存性の分析
タンパク質間相互作用の分析における課題は、例えば、細胞周期の進行または他の外部刺激によって生じる一過性の変化を監視することである。我々は、前述のDNAメチルトランスファーゼ1(Dnmt1)とPCNA結合ドメイン(PBD)によって媒介され、S相においてDnmt1のDNA複製の部位を標的とするPCNAとの間の相互作用を分析した(Chuang et al.,1997;Easwaran et al.,2004)。これらの見解は、本相互作用が、複製焦点でS相においてのみ生じるのか、または細胞周期を通してのみ生じるのかの疑問を提起した。我々は、LacIおよびYFPに融合するDnmt1の一部を含む、2つのベイトタンパク質を生成した。1つのベイト(PBD−LacI−YFP)は、PBDを含む118〜427のDnmt1を含み、一方、第2のベイト(ΔPBD−LacI−YFP)は、PBDを欠損し、629〜1089のDnmt1を含む(図3a)。プレイタンパク質のように、我々は、加えて、DNA複製の部位に印を付けてS相での細胞の同定を可能にする、RFP−PCNAを使用した(Easwaran et al.,2005;Sporbert et al.,2005)。lacオペレータアレイおよび複製フォークでの、これらの融合タンパク質の結合可能性は、図3bに要約される。
【0138】
非S相において、ベイトタンパク質のLacI部は、細胞の倍数性による、核の1つまたは2つの蛍光スポットとして可視となる、染色体性に組み込まれるlacオペレータアレイにのみ結合する。RFP−PCNAのベイトタンパク質のPBD部との相互作用は、lacオペレータアレイで蛍光シグナルの共局在を生じ(図3c上部パネル)、一方で、ベイトタンパク質におけるPBDの欠失は、非S相細胞においてRFP−PCNAの分散した分布をもたらす(図3d上部)。これは、Dnmt1のPCNAとのPBD依存性相互作用もS相の外側で生じることを明らかに例示する。
【0139】
S相細胞において、RFP−PCNAは、進行中のDNA複製の部位で局在化し、加えて、PBD−LacI−YFPベイトタンパク質によってlacオペレータアレイに補充される(図3c下部パネル)。逆に、RFP−PCNAが機能的PBD(ΔPBD−LacI−YFP)を欠損するベイトタンパク質と共に共発現される時、RFP−PCNAは、DNA複製部位で独占的に濃縮され、ΔPBD−LacI−YFPによって強調されるlacオペレータアレイでは濃縮されない(図3d下部パネル)。
【0140】
これらの結果は、lacオペレータアレイでのRFP−PCNA(プレイ)の局在化が、ベイト構築物におけるPBDの存在に依存し、本相互作用がS相に制限されないことを明らかに示す。
【0141】
次に、我々は、他のPBD含有タンパク質のPCNAとの相互作用を分析した。我々は、追加のNLSに融合するPCNAを含むベイト融合タンパク質、続いてLacIおよびRFP(NLS−PCNA−LacI−RFP)を生成した。GFPリガーゼIと共発現する時に、lacオペレータアレイに局在化される双方の融合タンパク質は、PCNAとDNAリガーゼIとの間の相互作用を示す。PBDの欠失は、DNAリガーゼIの分散分布をもたらし、一方、DNAリガーゼIのPBDは、単独で、lacオペレータアレイでPCNAに結合するのに十分である(図8)。これは、DNAリガーゼIのPBDがDNA複製および修復部位を標的とするのに必要かつ十分である以前の研究と一致する(Cardoso et al.,1997;Montecucco et al.,1995;Mortusewicz et al.,2006)。特に、F2Hアッセイを使用して、我々は、DNAリガーゼIならびに単離されたPBDがS相の外側でもPCNAに結合できることを実証することができた。同様に、我々は、S相細胞において、FEN1、p21およびポリメラーゼδサブユニットp66等の様々な追加の複製および修復タンパク質のPCNAへの結合を示すことができた(図9)。要約すると、我々は、複製タンパク質とPCNAとの間の相互作用は、S相に限定されないだけでなく、非S相細胞および複製機構の外側でも生じることを示すことができた。これは、F2Hアッセイが、生細胞におけるタンパク質間相互作用において細胞周期特異的変化を分析するための独特な可能性を提供することを例示する。
【0142】
実施例5:ハンチントン病に関連するタンパク質間相互作用の検出
F2Hアッセイが、他の細区画で起こるタンパク質間相互作用も検出するかどうかを調査するために、我々は、酵母二重ハイブリッド(Y2H)アッセイによって、ハンチントン病の背景で同定されるタンパク質相互作用を用いて、F2Hアッセイを試験した(Goehler et al.,2004)。我々は、1つの細胞質(ビメンチン)と2つの核(HZFHおよびSUMO3)タンパク質との相互作用を分析した。ビメンチンは、細胞骨格構成要素であるように表され、輸送プロセスに関与し、一方で、HZFHおよびSUMO3は、転写制御およびDNA維持に関与する(Goehler et al.,2004)。これらのタンパク質は、赤色蛍光mCherry−LacI−NLSまたはNLS−GFPのいずれかと融合して、一連のベイトおよびプレイタンパク質を生成した。lacオペレータアレイを有するBHK細胞は、全ての可能な組み合わせの発現構築物を形質移入され、顕微鏡分析を受けた。我々は、これらの2つのタンパク質がベイトまたはプレイであるかどうかとは関係なく、ビメンチンとHZFHとの相互作用を検出できた(図4、データ示さず)。我々は、前述の通り、ビメンチンおよびSUMO3が相互作用しない一方で、SUMO3とHZFHとの間の報告された相互作用も検出することができた(図4)(Goehler et al.,2004)。これらの結果は、核および細胞質タンパク質の相互作用がF2Hアッセイを用いて研究され得ることを示す。
【0143】
実施例6:ミトコンドリア性タンパク質間の相互作用の検出
次に、我々は、F2Hアッセイが他の細胞小器官において生じるタンパク質間相互作用を検出するのにも適しているかどうかを調査した。そのために、我々は、2つのミトコンドリア性タンパク質であるDDP1(難聴ジストニアペプチド1)およびTIMM13との間の相互作用を分析した。双方のタンパク質は、6量体複合体を形成するように核コードされ、ミトコンドリア性内膜腔(IMS)内に移入される(図5a)。IMS内で、DDP1−TIMM13複合体は、ミトコンドリア性移入機構の疎水性タンパク質のミトコンドリア性内膜への移入を容易にする(Rothbauer et al.,2001)。DDP1遺伝子の変異は、進行性神経変性疾患である難聴−ジストニア−視神経萎縮症候群に関係した(Tranebjaerg et al.,1995)。本C66Wミスセンス変異は、末期の表現型を引き起こし、DDP1の高度な保存Cys(4)モチーフに影響することが既知である。前の研究は、本アミノ酸交換がIMSにおけるDDP1およびTIMM13との間の相互作用を破壊することを示した(Hofmann et al.,2002)。
【0144】
LacI−NLS−TIMM13およびGFPタグ付けされた野生型(GFP−DDP1)または変異体DDP1(GFP−DDP1C66W)プレイタンパク質を含む赤色蛍光ベイト融合タンパク質を使用して、我々は、F2Hアッセイを用いて、本特異的ミトコンドリア性タンパク質相互作用を分析した。我々は、GFP−DDP1がlacオペレータアレイでTIMM13と共局在し(図5b)、一方で、GFP−DDP1C66Wが均一に分散されたことを発見した(図5c)。これらの結果は、F2Hアッセイが核の外側で生じるタンパク質間相互作用、およびこれらの相互作用を破壊する疾患関連点変異特徴付けの分析にも適していることを実証する。
【0145】
参考文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質間相互作用を検出するための生体外の方法であって、
(a)真核細胞で、
(i)細胞で発現される時に、前記細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、
(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドと、
を含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、
(b)同一細胞で、
(i)GFPと、
(ii)ベイト(ポリ)ペプチドと、
を含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、
(c)同一細胞で、
(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)プレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、第3の融合タンパク質を発現するステップと、
(d)励起時に、前記細胞で、前記第2および前記第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、
前記細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光発光の共局在は、ベイトおよびプレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を示す、方法。
【請求項2】
2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を調節する化合物を同定するための生体外の方法であって、
(a)真核細胞で、
(i)細胞で発現される時に、前記細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、
(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドと、
を含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、
(b)同一細胞で、
(i)GFPと、
(ii)ベイト(ポリ)ペプチドと、
を含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、
(c)同一細胞で、
(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)前記ベイト(ポリ)ペプチドと相互作用することが既知である、または推測されるプレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、第3の融合タンパク質を発現するステップと、
(d)前記細胞を試験化合物と接触させるステップと、
(e)励起時に、前記細胞で、前記第2および前記第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、
前記試験化合物と接触させない参照細胞の核において認められるそれと比較した、前記細胞核における前記第2および前記第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光の共局在の程度の変化は、前記化合物が前記ベイトおよび前記プレイ(ポリ)ペプチドの前記相互作用を調節できることを示す、方法。
【請求項3】
2つのタンパク質の第3のタンパク質との相互作用の相対強度を判断するための生体外の方法であって、
(a)真核細胞で、
(i)細胞で発現される時に、前記細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、
(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドと、
を含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、
(b)同一細胞で、
(i)GFPと、
(ii)ベイト(ポリ)ペプチドと、
を含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、
(c)同一細胞で、
(i)GFPのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)第1のプレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、第3の融合タンパク質を発現するステップと、
(d)同一細胞で、
(i)GFPのそれ、および前記第3の融合タンパク質の蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)第2のプレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、第4の融合タンパク質を発現するステップと、
(e)励起時に、前記細胞で、前記第2および前記第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、
前記細胞核における前記第2および前記第4の融合タンパク質のそれと比較すると異なる、前記第2および前記第3の融合タンパク質の蛍光発光の共局在の程度の変化は、前記ベイト(ポリ)ペプチドに対する前記第1および前記第2のプレイ(ポリ)ペプチドの異なる結合強度を示す、方法。
【請求項4】
タンパク質間相互作用を検出するための生体外の方法であって、
(a)真核細胞で、
(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)細胞で発現される時に、前記細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、
(iii)ベイト(ポリ)ペプチドと、
を含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、
(b)同一細胞で、
(i)前記第1の融合タンパク質に含まれる前記蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)プレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、
(c)励起時に、前記細胞で、前記第1および前記第2の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、
前記細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光発光の共局在は、前記ベイトおよび前記プレイ(ポリ)ペプチドの相互作用を示す、方法。
【請求項5】
2つの(ポリ)ペプチドの相互作用を調節する化合物を同定するための生体外の方法であって、
(a)真核細胞で、
(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)細胞で発現される時に、前記細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、
(iii)ベイト(ポリ)ペプチドと、
を含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、
(b)同一細胞で、
(i)前記第1の融合タンパク質に含まれる前記蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)前記ベイト(ポリ)ペプチドと相互作用することが既知である、または推測されるプレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、
(c)前記細胞を試験化合物と接触させるステップと、
(d)励起時に、前記細胞で、前記第1および前記第2の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、
前記試験化合物と接触させない参照細胞の核において認められるそれと比較した、前記細胞核における双方の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光の共局在の程度の変化は、前記化合物が前記ベイトおよび前記プレイ(ポリ)ペプチドの前記相互作用を調節できることを示す、方法。
【請求項6】
2つのタンパク質の第3のタンパク質との相互作用の相対強度を判断するための生体外の方法であって、
(a)真核細胞で、
(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)細胞で発現される時に、前記細胞の核において別個の部位で蓄積する(ポリ)ペプチドと、
(iii)ベイト(ポリ)ペプチドと、
を含む、第1の融合タンパク質を発現するステップと、
(b)同一細胞で、
(i)前記第1の融合タンパク質に含まれる前記蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)第1のプレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、第2の融合タンパク質を発現するステップと、
(c)同一細胞で、
(i)前記第1および第2の融合タンパク質に含まれる前記蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長である、蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)第2のプレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、第3の融合タンパク質を発現するステップと、
(d)励起時に、前記細胞で、前記第1、前記第2および前記第3の融合タンパク質の蛍光部の蛍光発光を検出するステップと、を含み、
前記細胞核における前記第1および前記第3の融合タンパク質のそれと比較すると異なる、前記第1および前記第2の融合タンパク質の蛍光発光の共局在の程度は、前記ベイト(ポリ)ペプチドに対する前記第1および前記第2のプレイ(ポリ)ペプチドの異なる結合強度を示す、方法。
【請求項7】
前記試験化合物と接触されない参照細胞の核において認められるそれと比較した、前記細胞核における双方の融合タンパク質の前記蛍光部の共局在の減少は、前記化合物が前記ベイトおよび前記プレイ(ポリ)ペプチドの前記相互作用を弱化することができることを示す、請求項2または5に記載の方法。
【請求項8】
前記試験化合物と接触されない参照細胞の核において認められるそれと比較した、前記細胞核における双方の融合タンパク質の前記蛍光部の共局在の増加は、前記化合物が前記ベイトおよび前記プレイ(ポリ)ペプチドの前記相互作用を誘発または強化できることを示す、請求項2または5に記載の方法。
【請求項9】
前記検出は、細胞プロセスでのタンパク質間相互作用の依存性を調査するために採用され、前記方法は、(d1)前記細胞における1つ以上のプロセスの過程で、前記細胞における前記第1および前記第2の融合タンパク質の前記蛍光部の蛍光発光を監視するステップをさらに含み、前記細胞における双方の融合タンパク質の前記蛍光部の前記蛍光発光の共局在の程度の変化は、1つ以上の細胞プロセスでの前記相互作用の依存性を示す、請求項1または4に記載の方法。
【請求項10】
前記細胞プロセスは、細胞周期、分泌、転位、またはシグナル伝達である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記検出は、タンパク質間相互作用の強度を判断するために採用され、前記方法は、双方の融合タンパク質の前記蛍光部の前記蛍光発光の共局在が検出された場合(d2)、前記第2の融合タンパク質の前記蛍光の選択的減光、および経時的に双方の融合タンパク質の前記蛍光部の前記蛍光発光の共局在の回復を監視するステップをさらに含み、共局在を確立するために必要な時間は、前記タンパク質間相互作用の強度を示す、請求項1または4に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の融合タンパク質の構成要素(i)、(ii)および/もしくは(iii)、ならびに/または前記第2の融合タンパク質の構成要素(i)および(ii)、ならびに/または前記第3の融合タンパク質の構成要素(i)および(ii)は、リンカーを介して連結される、請求項4〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
細胞で発現する時に、前記細胞の前記核において別個の部位で蓄積する前記(ポリ)ペプチドは、前記細胞の前記核において別個の部位で蓄積されるタンパク質性または非タンパク質性構造と直接的に相互作用する、請求項4〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
細胞で発現する時に、前記細胞の前記核において別個の部位で蓄積する前記(ポリ)ペプチドは、前記細胞の前記核において別個の部位で蓄積されるタンパク質性または非タンパク質性構造と間接的に相互作用する、請求項4〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の融合タンパク質の構成要素(i)および(ii)、ならびに/または前記第2の融合タンパク質の構成要素(i)および(ii)、ならびに/または前記第3の融合タンパク質の構成要素(i)および(ii)、ならびに/または前記第4の融合タンパク質の構成要素(i)および(ii)は、リンカーを介して連結される、請求項1〜3および7〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記プレイ(ポリ)ペプチドのうちのいずれかは、核局在化シグナルを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2および/または第3および/または第4融合タンパク質は、核局在化シグナルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記真核細胞における発現は、1つ以上のベクターにおいて、前記第1および第2の融合タンパク質をコードする核酸分子を形質移入することにより達成される、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記細胞の前記核の別個の部位で蓄積される前記(ポリ)ペプチドは、前記細胞に導入される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記細胞の前記別個の部位は、不活性構造を形成する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記不活性構造は、核ラミナまたは核スペックルである、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
細胞で発現する時に、前記細胞の前記核における別個の部位で蓄積する前記(ポリ)ペプチドは、PML体と相互作用する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記核における別個の部位で蓄積される前記(ポリ)ペプチドは、前記細胞に対して非相同である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
細胞で発現する時に、前記細胞の前記核における別個の部位で蓄積する前記(ポリ)ペプチドは、DNAと相互作用する、請求項1〜8および21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記DNAは、lacオペレータである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記lacオペレータは、前記核に多コピー存在する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の融合タンパク質は、LacIを含む、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記検出は、蛍光顕微鏡を使用して実施される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記真核細胞は、生体細胞である、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記細胞における前記ベイトおよび/またはプレイ(ポリ)ペプチドを局在化させるステップをさらに含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
融合タンパク質をコードする核酸分子であって、
(i)蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)細胞で発現する時に、前記細胞の前記核における別個の部位で蓄積する前記(ポリ)ペプチドと、
(iii)ベイト(ポリ)ペプチドと、
を含む、核酸分子。
【請求項32】
前記融合タンパク質は、LacIを含む、請求項31に記載の核酸分子。
【請求項33】
請求項31または32に記載の核酸分子によりコードされるタンパク質。
【請求項34】
請求項31または32に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項35】
(i)請求項31に記載のタンパク質に含まれる前記蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長の蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)プレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、融合タンパク質をコードする核酸分子をさらに含む、請求項34に記載のベクター。
【請求項36】
請求項34または35のいずれか1項に記載のベクターで形質移入される真核細胞。
【請求項37】
請求項34に記載の前記ベクター、ならびに
(i)請求項33に記載のタンパク質に含まれる前記蛍光(ポリ)ペプチドのそれとは異なる励起および/または発光波長の蛍光(ポリ)ペプチドと、
(ii)プレイ(ポリ)ペプチドと、
を含む、融合タンパク質をコードする核酸分子を含むベクターで形質移入される、請求項36に記載の真核細胞。
【請求項38】
そのDNAに安定して組み込まれるlacオペレータの多コピーを有し、請求項33に記載のタンパク質を安定して発現する、真核細胞。
【請求項39】
そのDNAに安定して組み込まれるlacオペレータの多コピーを有し、(i)前記lacオペレータに結合する(ポリ)ペプチドと、(ii)GFPに特異的に結合する(ポリ)ペプチドと、を含むタンパク質を安定して発現する、真核細胞。
【請求項40】
GFPに特異的に結合する前記(ポリ)ペプチドは、配列番号7または9のアミノ酸配列を有する(ポリ)ペプチドを含む、請求項1〜3、7〜11、および13〜30のいずれか1項に記載の方法、または請求項39に記載の真核細胞。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−509655(P2011−509655A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541750(P2010−541750)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000067
【国際公開番号】WO2009/087097
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(510184704)
【Fターム(参考)】