説明

生体適合材料

本発明によって、トリブロックコポリマー、および、それを含む生体安定性粘弾性フォームが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンおよびポリ尿素ポリマーは本技術分野において周知であり、何十年にわたって使用されている。可能な化学構造や特性が幅広いため、これらのポリマーには多岐にわたる分野での用途が見出されている。近年では、ポリウレタンはその生体適合性によって生体医学用途で活発に用いられている。
【0003】
ポリウレタンポリマーの構造は一般に、ソフトセグメント(軟質部)とハードセグメント(硬質部)を有するコポリマーとして説明される。ハードセグメントは一般にソフトセグメントよりも固い結合を有しており、それによってガラス転移温度(Tg)が高くなる。ハードセグメントの剛度は、ウレタン/尿素基またはオリゴマーの存在に起因することがある。ハードセグメントとソフトセグメントとの分子量比は、各セグメントの化学的性質のように、最終的なポリマーの機械的特性に大きな影響を与える。
【0004】
従来、ポリウレタンポリマーの製造において、化学者は、ソフトセグメントとしてポリエーテルをその鎖の可動性(mobiliy)に基づいて使用してきた。典型的なポリエーテルポリマーは、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)またはその高級同族体である。
【0005】
PEO、程度は大分小さいがPPOは、セグメント間の付加的な水素結合を容易にするため、機械的特性を改善する。ソフトセグメントがハードセグメントと水素結合する能力が低下すると、一般に引張強度が低下する。
【0006】
ポリエーテルも、ポリウレタンに大きく親水性を付与するが、ポリエーテル同族体が高級になるとその効果は低下する。これらの材料の加水分解、酸化的分解および酵素的分解の傾向は、親水性によって増大する。
【0007】
さらに近年、他のポリマーがソフトセグメントとして使用されてポリウレタンの生体安定性が改善されているが、その機械的特性には制約がある。
ポリウレタンポリマーのハードセグメントは、ジイソシアネート分子の反応で形成されたウレタン結合または尿素結合が豊富な領域である。ウレタン結合または尿素結合は単一であってもよく、ウレタン結合または尿素結合を介して共有結合した複数の繰り返し単位であってもよい。
【0008】
ジイソシアネートは、芳香族タイプと脂肪族タイプに分類することができる。芳香族タイプが好ましい分子である。芳香族ジイソシアネートによって生じる結合によってローテーションが制限されるため、その嵩高い性質によって可動性が低くなる。このような芳香族系によって剛度のある鎖が得られ、ハードセグメントとして機能し、ポリマーが機械的に補強され、ポリマーの引張強度が大きく改善される。
【0009】
脂肪族ジイソシアネートは、一方で、より可動性の大きな結合を形成するため、最終的なポリマーの機械的特性にそれほど寄与しないハードセグメントが得られる。
近年、生体安定性を有するポリウレタンが大きな注目を受けており、現在、体内にインプラントするために設計されたこの種の市販品が幾つか存在する。これらの製品は、硬さの異なる固体エラストマーである傾向がある。
【0010】
生体安定性を改善するため、従来の化学的に不安定なポリエーテルソフトセグメントを種々の比率でより堅牢な分子に置換されている。改良されたソフトセグメント分子の例としては、ポリオレフィン、ポリカーボネートおよびポリシロキサンが挙げられる。
【0011】
しかし、そのような代替的なソフトセグメントをポリウレタン処方に組み入れると、ソフトセグメントが近傍の鎖と水素結合ないし他の分子間結合を形成する能力が低下する。これにより、最終材料の伸びおよび引張特性が制限される。さらに、新しい生体安定性ソフトセグメントの多くが疎水性であるため、水性試薬との相溶性が低下する。ポリウレタン反応におけるフォーム形成では水で反応(水発泡)させるため、疎水性のソフトセグメントとの反応は現在のところ信頼性に欠ける。
【0012】
つまり、従来にないソフトセグメントを利用したより生体適合性に優れた商用のポリウレタンに対するトレンドが生じている。しかし、新たな材料はすべてエラストマーであり、フォームはない。さらに、より新しいソフトセグメント材料はあまり水素結合しないため、特定の用途で望まれる機械的特性に欠けることになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある態様によれば、式Iのトリブロックコポリマーが提供される:
【0014】
【化1】

【0015】
[式中、
コポリマーが、ウレタン結合および/または尿素結合の間に化学的に組み込まれ(結合し)ており、X、Y、m、n、p、L、L、R、R、R、R、RおよびRのそれぞれは本明細書に定義ないし記載される通りである]。
【0016】
ある態様において、本発明によって、本明細書に定義ないし記載される式Iのトリブロックコポリマーを含んでなるウレタン/尿素フォームが提供される。
本発明のある態様によって、ポリウレタン/尿素フォーム用の予備成形されたソフトセグメントが提供され、このソフトセグメントは、本明細書に定義ないし記載される式Iである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】尿素およびウレタン結合がホモポリマー軟質部の間に組み込まれる先行技術の図である。
【図2】尿素およびウレタン結合がトリブロックコポリマー軟質部に組み込まれる本発明によるポリウレタン/尿素発泡体の図である。
【図3】異なる形のシロキサンおよびポリプロピレンオキシド系トリブロックコポリマーの図である。
【図4】ホモ(VF130309)およびトリブロックコポリマー(VF230209A)軟質部の比較機械特性のグラフである。
【図5】ホモ(VF190309)およびトリブロックコポリマー(VF090309A)軟質部の比較機械特性のグラフである。
【図6】シミュレートされた胃液における加速エージング中のトリブロックコポリマー軟質部対ホモポリマー軟質部の機械性能を示すグラフである。
【図7】実施例10で利用された胃の降伏圧力試験装置を示す図である。
【図8A】本発明の粘弾性発泡体から製造された弁の加速安定性の結果を示す図である。
【図8B】本発明の粘弾性発泡体から製造された弁の加速安定性の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.概要
ポリウレタン発泡体における軟質部分としてポリエーテルを使用すると、水素結合の動的強化効果により、軟質の弾性および粘弾性材料が得られることが知られている。逆に、非水素結合の疎水性軟質部分を使用すると、より硬く、より低弾性の材料が得られる。ウレタン/尿素結合を介する図1に示される当該疎水性および親水性軟質部分のブレンドは、特定の用途に適する機械特性を達成することが当該技術分野で既知である。
【0019】
ポリウレタン材料内のウレタン結合において、酸に触媒された加水分解劣化が生じる。したがって、これらのウレタン/尿素結合は、ポリウレタン材料の「弱いリンク」である。ポリウレタン材料の固有の親水性は、吸水量の調節を介して加水分解の速度に影響を与えることがわかる。したがって、当該材料は、胃環境(強酸性水性環境)での使用に適さない。
【0020】
したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、胃環境において生体模倣的および加水分解安定的なマルチブロックコポリマーを提供する。当該マルチブロックコポリマーは、式Iを有する。
【0021】
【化2】

【0022】
[式中、
【0023】
【化3】

【0024】
はそれぞれ、ウレタン結合または尿素結合に対する結合点を表し;
XおよびYはそれぞれ、独立して、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートまたはフルオロポリマーの1種または複数種から形成されたポリマー鎖またはコポリマー鎖であり;
、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、R、OR、−COR、フッ化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフルオロポリマーの1種または複数種から独立して選択され;
Rはそれぞれ、独立して、水素、場合によって置換されたC1−20脂肪族基、またはフェニル、8〜10員二環式アリール、窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜8員単環式飽和または部分不飽和複素環式環、あるいは窒素、酸素または硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式または8〜10員二環式ヘテロアリール基から選択される場合によって置換された基であり;
m、nおよびpはそれぞれ、独立して、2から100であり;
およびLはそれぞれ、独立して、炭化水素鎖の1〜4個のメチレン単位が、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO、−OC(O)−、−C(O)Oあるいは二価のシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロシクレンまたはヘテロアリーレンによって独立して置換されていてもよい二価のC1−20炭化水素鎖であり、但し、LもLも尿素またはウレタン部分を含まない]。
【0025】
2.定義
本発明の化合物は、以上に概ね記載されているものを含み、本明細書に開示されているクラス、サブクラスおよび種によってさらに例示される。本明細書に使用されているように、他に指定する場合を除いて、以下の定義が適用されることになる。本発明の目的のために、化学元素は、元素周期律表、CASバージョン、化学・物理ハンドブック、第75版に従って特定される。また、有機化学の一般原理は、それらの開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれている「有機化学」、Thomas Sorrell University Science Books,Sausalito:1999、および「マーチ有機化学(March’s Advanced Organic Chemistry)」、第5版、編集:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載されている。
【0026】
本明細書に記載されているように、本発明の化合物は、以上に概ね例示されている、または本発明の特定のクラス、サブクラスおよび種によって例示されている1つまたは複数の置換基で場合によって置換されていてよい。「場合によって置換された」という表現は、「置換または非置換の」という表現と区別なく使用されることが理解される。概して、「置換された」という用語は、その前に「場合によって」という用語があるか否かにかかわらず、所定の構造の水素基が指定の置換基の基で置き換えられていることを指す。他に指定される場合を除いて、場合によって置換された基は、基の各置換可能位置に置換基を有することができ、所定の構造における1つを超える位置が、特定の基から選択される1つを超える置換基で置換され得るときは、置換基は、あらゆる位置において同一であっても異なっていてもよい。本発明により考えられる置換基の組合せは、好ましくは、安定化合物または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。「安定な」という用語は、本明細書に使用されているように、それらの製造、検出、好ましくはそれらの回収、精製、および本明細書に開示されている1つまたは複数の目的のための使用を可能にする条件に曝露されても実質的に変化しない化合物を指す。いくつかの実施形態において、安定化合物または化学的に実現可能な化合物は、少なくとも1週間にわたって水分または他の化学反応条件の不在下で40℃以下の温度に維持されても実質的に変化しない化合物を指す。
【0027】
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書に使用されているように、直鎖(すなわち非分枝状)、分枝状または環式(縮合、架橋およびスピロ縮合多環式を含む)であってよく、完全飽和であるか、または1つまたは複数の不飽和単位を含むことができるが、芳香族でない炭化水素部分を表す。他に指定する場合を除いて、脂肪族基は、1〜20個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1〜10個の炭素原子を含む。他の実施形態において、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含む。さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含み、さらに他の実施形態において、脂肪族基は1〜4個の炭素原子を含む。好適な脂肪族基としては、直鎖状または分枝状のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基、ならびに(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルなどのそれらの混成体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0028】
「低級アルキル」という用語は、C1−4の直鎖状または分枝状アルキル基を指す。例示的な低級アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルである。
【0029】
「低級ハロアルキル」という用語は、1個または複数個のハロゲン原子で置換されたC1−4の直鎖状または分枝状アルキル基を指す。
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素の1種または複数種を指す(窒素、硫黄、リンまたはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;または複素環式環の置換可能窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルなどの)、NH(ピロリジニルなどの)、またはNR(N置換ピロリジニルなどの)を含む)。
【0030】
「不飽和」という用語は、本明細書に使用されているように、部分が1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。
本明細書に使用されているように、「二価のC1−8[またはC1−6]飽和または不飽和直鎖状または分枝状炭化水素鎖」という用語は、本明細書に定義されているように直鎖状または分枝状である二価のアルキレン鎖、アルケニレン鎖およびアルキニレン鎖を指す。
【0031】
「アルキレン」という用語は、二価アルキル基を指す。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち−(CH)n−[nは、正の整数、好ましくは1から6、1から4、1から3、1から2、または2から3である。]である。置換アルキレン鎖は、1つまたは複数のメチレン水素原子が置換基で置換されたポリメチレン基である。好適な置換基としては、置換脂肪族基について以下に記載されているものが挙げられる。
【0032】
「アルケニレン」は、二価アルケニル基を指す。置換アルケニレン鎖は、1個または複数個の水素原子が置換基で置換された少なくとも1つの二重結合を含むポリメチレン基である。好適な置換基としては、置換脂肪族基について以下に記載されているものが挙げられる。
【0033】
「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrまたはIを指す。
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」などのより大きい部分の一部として使用される「アリール」という用語は、系における少なくとも1つの環が芳香族であり、系における各環が3から7個の環員を含む、計5から14個の環員を有する単環式または二環式環系を指す。「アリール」という用語を「アリール環」という用語と区別なく使用することができる。
【0034】
本明細書に記載されているように、本発明の化合物は、「場合によって置換された」部分を含むことができる。概して、「置換された」という用語は、その前に「場合によって」という用語があるか否かにかかわらず、指定部分の1つまたは複数の水素が好適な置換基で置換されていることを意味する。他に指定される場合を除いて、「場合によって置換された」基は、基の各置換可能位置に置換基を有することができ、所定の構造における1つを超える位置が、特定の基から選択される1つを超える置換基で置換され得るときは、置換基は、あらゆる位置において同一であっても異なっていてもよい。本発明により考えられる置換基の組合せは、好ましくは、安定化合物または化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。「安定な」という用語は、本明細書に使用されているように、それらの製造、検出、一部の実施形態ではそれらの回収、精製、および本明細書に開示されている1つまたは複数の目的のための使用を可能にする条件に曝露されても実質的に変化しない化合物を指す。
【0035】
「場合によって置換された」基の置換可能炭素原子上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン;−(CH0−4;−(CH0−4OR;−O−(CH0−4C(O)OR;−(CH0−4CH(OR;−(CH0−4SR;Rで置換されていてよい−(CH0−4Ph;Rで置換されていてよい−(CH0−4O(CH0−1Ph;Rで置換されていてよい−CH=CHPh;−NO;−CN;−N;−(CH0−4N(R;−(CH0−4N(R)C(O)R;−N(R)C(S)R;−(CH0−4N(R)C(O)NR;−N(R)C(S)NR;−(CH0−4N(R)C(O)OR;−N(R)N(R)C(O)R;−N(R)N(R)C(O)NR;−N(R)N(R)C(O)OR;−(CH0−4C(O)R;−C(S)R;−(CH0−4C(O)OR;−(CH0−4C(O)SR;−(CH0−4C(O)OSiR;−(CH0−4OC(O)R;−OC(O)(CH0−4SR−、SC(S)SR;−(CH0−4SC(O)R;−(CH0−4C(O)NR;−C(S)NR;−C(S)SR;−SC(S)SR;−(CH0−4OC(O)NR;−C(O)N(OR)R;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−C(NOR)R;−(CH0−4SSR;−(CH0−4S(O);−(CH0−4S(O)OR;−(CH0−4OS(O);−S(O)NR;−(CH0−4S(O)R;−N(R)S(O)NR;−N(R)S(O);−N(OR)R;−C(NH)NR;−P(O);−P(O)R;−OP(O)R;−OP(O)(OR;SiR;−(C1−4直鎖状または分枝状アルキレン)O−N(R;または−(C1−4直鎖状または分枝状アルキレン)C(O)O−N(Rであり、Rはそれぞれ、以下に定義されるように置換されていてよく、独立して、水素、C1−6脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環であり、あるいは上記定義にかかわらず、2つの独立したR基は、それらの介在原子と一緒になって、以下に定義されるように置換されていてよい、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分不飽和もしくはアリール単環式もしくは二環式環を形成する。
【0036】
(2つの独立したR基をそれらの介在原子と一緒にすることによって形成された環)上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン、−(CH0−2、−(ハロR)、−(CH0−2OH、−(CH0−2OR、−(CH0−2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0−2C(O)R、−(CH0−2C(O)OH、−(CH0−2C(O)OR、−(CH0−2SR、−(CH0−2SH、−(CH0−2NH、−(CH0−2NHR、−(CH0−2NR、−NO、−SiR、−OSiR、−C(O)SR、−(C1−4直鎖状または分枝状アルキレン)C(O)OR、または−SSRであり、Rはそれぞれ、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合は、1つまたは複数のハロゲンのみで置換されており、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環から独立して選択される。Rの飽和炭素原子上の好適な二価置換基は、=Oおよび=Sを含む。
【0037】
「場合によって置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基は、=O、=S、=NNR、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R))2−3O−または−S(C(R))2−3S−を含み、それぞれの独立したR基は、水素、以下に定義されているように置換されていてよいC1−6脂肪族、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環を含む。「場合によって置換された」基の近隣の置換可能炭素に結合する好適な二価置換基は、−O(CR2−3O−を含み、それぞれの独立したR基は、水素、以下に定義されているように置換されていてよいC1−6脂肪族、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環から選択される。
【0038】
の脂肪族基上の好適な置換基は、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NRまたは−NOを含み、Rはそれぞれ、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合は、1つまたは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。
【0039】
「場合によって置換された」基の置換可能窒素上の好適な置換基は、−R、−NR、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR、−C(S)NR、−C(NH)NRまたは−N(R)S(O)を含み、Rはそれぞれ、独立して、水素、以下に定義されているように置換されていてよいC1−6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環であるか、あるいは上記定義にかかわらず、2つの独立したR基は、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の3〜12員の飽和、部分不飽和もしくはアリール単環式もしくは二環式環を形成する。
【0040】
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NRまたは−NOであり、Rはそれぞれ、非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合は、1つまたは複数のハロゲンのみで置換されており、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。
【0041】
3.例示的実施形態の説明
A.マルチブロックコポリマー
以上に概ね定義されているように、本発明の一実施形態は、式I:
【0042】
【化4】

【0043】
のトリブロックコポリマーであって、該コポリマーは、ウレタン結合および/または尿素結合の間で(すなわち、
【0044】
【化5】

【0045】
で示される結合で)化学的に組み込まれ(結合し)ており、X、Y、m、n、p、L、L
、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、本明細書に定義および記載されている通りであるトリブロックコポリマーを提供する。
【0046】
以上に概ね定義されているように、式IのX基およびY基はそれぞれ、独立して、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートおよびフルオロポリマーの1種または複数種から形成されたポリマー鎖またはコポリマー鎖である。
【0047】
Xおよび/またはYによって表されるポリマー鎖またはコポリマー鎖の例としては、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)およびそれらのコポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジエチルシロキサン)および高級アルキルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、ポリ(ジフェニルシロキサン)、ポリ(メチルジ−フルオロエチルシロキサン)、ポリ(メチルトリフルオロエチルシロキサン)、ポリ(フェニルジフルオロエチルシロキサン)、ポリ(フェニルトリフルオロエチルシロキサン)およびそれらのコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンテレフタレートアイオノマー)(PETI)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(メチレンナフタレート)(PTN)、ポリ(ブチレンテラファレート)(PBT)、ポリ(ブチレンナフタレート)(PBN)、ポリカーボネートが挙げられる。一部の実施形態において、本発明は、ポリウレタン/尿素発泡体の予備形成軟質部を提供する。
【0048】
いくつかの実施形態において、Xはポリエーテルであり、Yはポリエーテルである。より具体的には、1つの実例において、XおよびYは、ともにポリ(プロピレンオキシド)である。
【0049】
一部の実施形態において、mおよびpは、それぞれ独立して2から50であり、nは2から20である。いくつかの実施形態において、mおよびpは、それぞれ独立して2から30であり、nは2から20である。
【0050】
以上に概ね定義されているように、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、R、OR、−COR、フッ化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフルオロポリマーの1種または複数種から独立して選択される。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は−CORである。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は−CORであり、Rはそれぞれ、独立して、場合によって置換されたC1−6脂肪族基である。一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は−CORであり、Rはそれぞれ、独立して、非置換C1−6アルキル基である。例示的な当該基は、メタン酸またはエタン酸、ならびにメタクリル酸および他のアクリル酸を含む。
【0051】
一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、独立してRである。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、場合によって置換されたC1−6脂肪族基である。一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、場合によって置換されたC1−6アルキルである。他の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、フェニル、8〜10員の二環式アリール、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜8員の単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、あるいは窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式または8〜10員の二環式ヘテロアリール基から選択される場合によって置換された基である。例示的な当該R、R、R、R、RおよびR基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、シクロブチル、フェニル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、イミダゾリルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0052】
一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、独立して−ORである。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、独立して−ORであり、Rは、場合によって置換されたC1−6脂肪族基である。一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、−ORであり、RはC1−6アルキルである。他の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、−ORであり、Rは、フェニル、8〜10員の二環式アリール、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜8員の単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、あるいは窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式または8〜10員の二環式ヘテロアリール基から選択される場合によって置換された基である。例示的な当該R、R、R、R、RおよびR基としては、−Oメチル、−Oエチル、−Oプロピル、−Oイソプロピル、−Oシクロプロピル、−Oブチル、−Oイソブチル、−Oシクロブチル、−Oフェニル、−Oピリジル、−Oモルホリニル、−Oピロリジニル、−Oイミダゾリルおよび−Oシクロヘキシルが挙げられる。
【0053】
一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、独立してRであり、Rはそれぞれ、1つまたは複数のハロゲンで置換されたC1−6脂肪族基である。いくつかの実施形態において、Rはそれぞれ、1つ、2つまたは3つのハロゲンで置換されたC1−6脂肪族置換基である。他の実施形態において、Rはそれぞれ、ペルフルオロC1−6脂肪族基である。R、R、R、R、RおよびRによって表されるフッ化炭化水素の例としては、モノ、ジ、トリまたは過フッ化メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニルが挙げられる。いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルまたはトリフルオロプロピルである。
【0054】
一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、独立してポリエーテルである。R、R、R、R、RおよびRによって表されるポリエーテルの例としては、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)およびそれらのコポリマーが挙げられる。
【0055】
一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、独立してポリエステルである。R、R、R、R、RおよびRによって表されるポリエステルの例としては、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンテレフタレートアイオノマー)(PETI)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(メチレンナフタレート)(PTN)、ポリ(ブチレンテラファレート)(PBT)、ポリ(ブチレンナフタレート)(PBN)、ポリカーボネートが挙げられる。
【0056】
一部の実施形態において、R、R、R、R、RおよびRの1種または複数種は、独立してフルオロポリマーである。R、R、R、R、RおよびRによって表されるフルオロポリマーの例としては、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(メチルジフルオリエチルシロキサン)、ポリ(メチルトリフルオロエチルシロキサン)、ポリ(フェニルジフルオロエチルシロキサン)が挙げられる。
【0057】
いくつかの実施形態において、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシル、メタン酸またはエタン酸などのカルボン酸、ならびにメタクリル酸および他のアクリル酸である。メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニルおよびそれらのエーテルなどのアルキルまたはアリール炭化水素。モノ、ジ、トリまたは過フッ化メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニルなどのフッ化炭化水素。ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルエチルオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)およびそれらのコポリマーなどのポリエーテル。ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンテレフタレートアイオノマー)(PETI)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(メチレンナフタレート)(PTN)、ポリ(ブチレンテラファレート)(PBT)、ポリ(ブチレンナフタレート)(PBN)、ポリカーボネートなどのポリエステル、ならびにポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(メチルジフルオロエチルシロキサン)、ポリ(メチルトリフルオロエチルシロキサン)、ポリ(フェニルジフルオロエチルシロキサン)などのフルオロポリマー。
【0058】
いくつかの実施形態において、mおよびpは、2から50であり、nは2から20である。いくつかの実施形態において、mおよびoは、2から30であり、nは、2から20である。
【0059】
以上に概ね定義されているように、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−20炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1〜4個のメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−、または二価シクロアルキレン、アリーレン、ヘテロシクレンもしくはヘテロアリーレンによって場合によって、かつ独立して置換されており、LもLも尿素またはウレタン部分を含まない。いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して二価のC1−20アルキレン鎖である。一部の実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−10アルキレン鎖である。一部の実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−6アルキレン鎖である。一部の実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−4アルキレン鎖である。例示的な当該LおよびL基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンまたはより高次の二価アルカンが挙げられる。
【0060】
いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−20アルキレン鎖であり、鎖の1つのメチレン単位が−O−によって置換されている。いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−10アルキレン鎖であり、鎖の1つのメチレン単位が−O−によって置換されている。いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−6アルキレン鎖であり、鎖の1つのメチレン単位が−O−によって置換されている。いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−4アルキレン鎖であり、鎖の1つのメチレン単位が−O−によって置換されている。例示的な当該LおよびL基としては、−OCH−、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−OCHCHCHCH−またはより高次の二価アルキレンエーテルが挙げられる。
【0061】
いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−20アルキレン鎖であり、鎖の少なくとも1つのメチレン単位が−O−によって置換されており、鎖の少なくとも1つのメチレン単位が二価アリーレンによって置換されている。いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−10アルキレン鎖であり、鎖の少なくとも1つのメチレン単位が−O−によって置換されており、鎖の少なくとも1つのメチレン単位が二価アリーレンによって置換されている。いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−6アルキレン鎖であり、鎖の少なくとも1つのメチレン単位が−O−によって置換されており、鎖の少なくとも1つのメチレン単位が二価アリーレンによって置換されている。いくつかの実施形態において、LおよびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−4アルキレン鎖であり、鎖の少なくとも1つのメチレン単位が−O−によって置換されており、鎖の少なくとも1つのメチレン単位が二価アリーレンによって置換されている。例示的な当該LおよびL基としては、−OCH−フェニレン、−OCHCH−フェニレン、−OCHCH−フェニレン−CH−および−OCHCHCHCH−フェニレン等が挙げられる。
【0062】
当業者は、ポリウレタンがジイソシアネートとヒドロキシル基の反応から得られることを理解するであろう。同様に、ポリ尿素は、ジイソシアネとアミンの反応から得られることを理解するであろう。これらの反応をそれぞれ以下に示す。
【0063】
【化6】

【0064】
したがって、提供された式Iの化合物を、ウレタンおよび/または尿素結合を形成するのに好適な末端基で官能化できることは容易に明らかとなる。一部の実施形態において、本発明は、式IIの化合物を提供する:
【0065】
【化7】

【0066】
[式中、
およびRはそれぞれ、独立して、−OH、−NH、保護ヒドロキシルまたは保護アミンであり;
XおよびYはそれぞれ、独立して、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートおよびフルオロポリマーの1種または複数種から形成されたポリマー鎖またはコポリマー鎖であり;
、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、R、OR、−COR、フッ化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフルオロポリマーの1種または複数種から独立して選択され;
Rはそれぞれ、独立して、水素、場合によって置換されたC1−20脂肪族基、あるいはフェニル、8〜10員の二環式アリール、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜8員の単環式飽和もしくは部分不飽和複素環式環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1から4個のヘテロ原子を有する5〜6員の単環式または8〜10員の二環式ヘテロアリール基から選択される、場合によって置換された基であり;
m、nおよびpはそれぞれ、独立して、2から100であり;
およびLはそれぞれ、独立して、二価のC1−20炭化水素鎖であり、炭化水素鎖の1〜4個のメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−、または二価シクロアルキレン、アリーレン、ヘテロシクレンもしくはヘテロアリーレンによって場合によって、かつ独立して置換されており、但し、LもLも尿素またはウレタン部分を含まない]。
【0067】
いくつかの実施形態において、X、Y、m、n、p、L、L、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、本明細書に定義および記載されている通りである。
以上に概ね定義されているように、RおよびRはそれぞれ、独立して、−OH、−NH、保護ヒドロキシルまたは保護アミンである。いくつかの実施形態において、RおよびRの両方が−OHである。他の実施形態において、RおよびRの両方が−NHである。いくつかの実施形態において、RおよびRの一方が−OHであり、他方が−NHである。
【0068】
いくつかの実施形態において、RおよびRはそれぞれ、独立して、保護ヒドロキシルまたは保護アミンである。当該保護ヒドロキシル基および保護アミン基は、当業者に周知であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれているProtecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Green and
P.G.M.Wuts、第3版、John Wiley & Sons、1999に詳述されているものを含む。例示的な保護アミンとしては、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチル、カルバミン酸9−フルオレニルメチル(Fmoc)、カルバミン酸9−(2−スルホ)フルオレニルメチル、カルバミン酸9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチル、カルバミン酸2,7−ジ−tブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチル(DBD−Tmoc)、カルバミン酸4−メトキシフェナシル(Phenoc)、カルバミン酸2,2,2−トリクロロエチル(Troc)、カルバミン酸2−トリメチルシリルエチル(Teoc)、カルバミン酸2−フェニルエチル(hZ)、カルバミン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル(Adpoc)、カルバミン酸1,1−ジメチル−2−ハロエチル、カルバミン酸1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチル(DB−t−BOC)、カルバミン酸1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチル(TCBOC)、カルバミン酸1−メチル−1−(4−ビフェニル)エチル(Bpoc)、カルバミン酸1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチル(t−Bumeoc)、カルバミン酸2−(2’−および4’−ピリジル)エチル(Pyoc)、カルバミン酸2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチル、カルバミン酸t−ブチル(BOC)、カルバミン酸1−アダマンチル(Adoc)、カルバミン酸ビニル(Voc)、カルバミン酸アリル(Alloc)、カルバミン酸1−イソプロピルアリル(Ipaoc)、カルバミン酸シナミル(Coc)、カルバミン酸4−ニトロシナミル(Noc)、カルバミン酸8−キノリル、カルバミン酸N−ヒドロキシピペリジニル、カルバミン酸アルキルジチオ、カルバミン酸ベンジル(Cbz)、カルバミン酸p−メトキシベンジル(Moz)、カルバミン酸p−ニトベ
ンジル、カルバミン酸p−ブロモベンジル、カルバミン酸p−クロロベンジル、カルバミン酸2,4−ジクロロベンジル、カルバミン酸4−メチルスルフィニルベンジル(Msz)、カルバミン酸9−アントリルメチル、カルバミン酸ジフェニルメチル、カルバミン酸2−メチルチオエチル、カルバミン酸2−メチルスルホニルエチル、カルバミン酸2−(p−トルエンスルホニル)エチル、カルバミン酸[2−(1,3−ジチアニル)]メチル(Dmoc)、カルバミン酸4−メチルチオフェニル(Mtpc)、カルバミン酸2,4−ジメチルチオフェニル(Bmpc)、カルバミン酸2−ホスホニオエチル(Peoc)、カルバミン酸2−トリフェニルホスホニオイソプロピル(Ppoc)、カルバミン酸1,1−ジメチル−2−シアノエチル、カルバミン酸m−クロロ−p−アシルオキシベンジル、カルバミン酸p−(ジヒドロキシボリル)ベンジル、カルバミン酸5−ベンズイソキサゾリルメチル、カルバミン酸2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチル(Tcroc)、カルバミン酸m−ニトロフェニル、カルバミン酸3,5−ジメトキシベンジル、カルバミン酸o−ニトロベンジル、カルバミン酸3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジル、カルバミン酸フェニル(o−ニトロフェニル)メチル、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、カルビン酸t−アミル、チオカルバミン酸S−ベンジル、カルバミン酸p−シアノベンジル、カルバミン酸シクロブチル、カルバミン酸シクロヘキシル、カルバミン酸シクロペンチル、カルバミン酸シクロプロピルメチル、カルバミン酸p−デシルオキシベンジル、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバミン酸、カルバミン酸o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジル、カルバミン酸1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピル、カルバミン酸1,1−ジメチルプロピニル、カルバミン酸ジ(2−ピリジル)メチル、カルバミン酸2−フラニルメチル、カルバミン酸2−ヨードエチル、カルビン酸イソボリニル、カルビン酸イソブチル、カルバミン酸イソニコチニル、カルバミン酸p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジル、カルバミン酸メチルシクロブチル、カルバミン酸−1−メチルシクロヘキシル、カルバミン酸1−メチル−1−シクロプロピルメチル、カルバミン酸1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチル、カルバミン酸1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチル、カルバミン酸1−メチル−1−フェニルエチル、カルバミン酸1−メチル−1−(4−ピリジル)エチル、カルバミン酸フェニル、カルバミン酸p−(フェニルアゾ)ベンジル、カルバミン酸2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル、カルバミン酸4−(トリメチルアンモニウム)ベンジル、カルバミン酸2,4,6−トリメチルベンジル、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフ
ェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキシル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルホウ酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロミウム−もしくはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミダート、ジベンジルホスホルアミダート、ジフェニルホスホルアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドおよびフェナシルスルホンアミドが挙げられる。
【0069】
例示的なヒドロキシル保護基としては、メチル、メトキシメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコルメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート、アルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフトチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシカルボニル)ベンゾエート、α−ナフトエート、ニトレート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts)が挙げられる。1,2−または1,3−ジオールを保護するために、保護基としては、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデ
ンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリデンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環式カーボネート、環式ボロネート、エチルボロネートおよびフェニルボロネートが挙げられる。
【0070】
ヒドロキシルおよびアミン保護基を、(例えば、両保護基が酸不安定または塩基不安定であるときに)これらの保護基が同時に除去されるように選択できることを当業者なら理解するであろう。あるいは、当該基を段階的に除去することができる(例えば、第1に一方の保護基を1つの除去条件群によって除去し、第2に他方の保護基を異なる除去条件群によって除去する場合)。当該方法は、当業者に容易に理解される。
【0071】
一部の実施形態において、本発明は、式II−a、II−b、II−cおよびII−dのいずれかの化合物を提供する:
【0072】
【化8】

【0073】
[式中、X、Y、m、n、p、L、L、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、本明細書に定義および記載されている通りである]。
本発明の例示的なトリブロックコポリマーを以下に示す:
【0074】
【化9】

【0075】
[式中、m、nおよびpはそれぞれ、本明細書に定義および記載されている通りである]。
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)式I:
【0076】
【化10】

【0077】
[式中、X、Y、m、n、p、L、L、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、本明細書に定義および記載されている通りである]の1つまたは複数のトリブロックコポリマーを含み、
(b)該コポリマーがウレタンおよび/または尿素結合ウレタン結合の間で(すなわち、
【0078】
【化11】

【0079】
で示される結合で)化学的に組み込まれ(結合し)ているポリマー発泡体を提供する。
本発明は、以上に定義されている式Iの予備形成軟質部をさらに提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、式Iの軟質部トリブロックコポリマーを含むポリウレタン/尿素発泡体を提供する。
【0080】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a)式I:
【0081】
【化12】

【0082】
[式中、X、Y、m、n、p、L、L、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ、本明細書に定義および記載されている通りである]の1つまたは複数のトリブロックコポリマーを含み、
(b)該コポリマーがウレタンおよび/または尿素結合ウレタン結合の間で(すなわち、
【0083】
【化13】

【0084】
で示される結合で)化学的に組み込まれ(結合し)ている粘弾性の生物学的安定性水ブロー発泡体を提供する。
意外にも、本発明のトリブロックコポリマーを含むポリウレタンおよび/またはポリ尿素は、胃液に対して安定であることが判明した。本発明のトリブロックコポリマーを使用して製造された当該ポリウレタンおよびポリ尿素は、粘弾性であり、胃液に対して安定である。いくつかの実施形態において、提供された粘弾性材料は発泡体である。
【0085】
一部の実施形態において、提供された生物学的安定性発泡体は、胃液に対して安定である。いくつかの実施形態において、提供された生物学的安定性発泡体は、少なくとも1年間にわたって胃液に対して安定である。いくつかの実施形態において、提供された生物学的安定性発泡体は、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも7ヶ月間、少なくとも8ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも10ヶ月間、少なくとも11ヶ月間または少なくとも1年間にわたって胃液に対して安定である。シミュレートされた胃液を利用して、提供された生物学的安定性発泡体の安定性を測定するための方法は、当該技術分野で既知であり、以下の例に詳述されているものを含む。
【0086】
いくつかの実施形態において、本発明のトリブロックコポリマーを含む、提供された粘弾性発泡体は、発泡体が平衡状態で約30重量%未満の水を吸収することを特徴とする。一部の実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、平衡状態で、約5重量%未満、約10重量%未満、約15重量%未満、約20重量%未満、約25重量%未満または約30重量%未満の水を吸収する。当該化学的安定性(すなわち、胃液内であるため非常に低いpHにおける化学的安定性)および疎水性(すなわち、約30重量%未満の吸水量)は、例えばコンタクトレンズの製造に利用される既知のシロキサンポリマーと大きく異なる特性であることを当業者なら理解するであろう。例えば、コンタクトレンズの製造などに利用されるシロキサンポリマーは、50〜120%の吸水量を必要とする。
【0087】
上記のように、本発明は、本発明のトリブロックコポリマーを含む粘弾性発泡体を提供する。意外にも、提供された発泡体は、高度な伸長力(elongation capacity)、および伸長後非常に緩慢に回復する能力を有することが判明した。実際、提供された粘弾性発泡体は、約200〜1200%の伸長力を有することが判明した。いくつかの実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、約500%の伸長力を有する。
【0088】
いくつかの実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、約0.1から約1.0MPaの引張強度を有する。一部の実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、約0.25から約0.5MPaの引張強度を有する。
【0089】
いくつかの実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、約0.1から約0.6MPaのヤング率を有する。一部の実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、約0.1から約0.5MPaのヤング率を有する。
【0090】
提供された発泡体の特定の使用に必要な物理特性に応じて、密度の異なる発泡体を製造できることを当業者なら理解するであろう。例えば、各弁が類似の物理特性(例えば、引張強度等)を有するように、より薄い壁を有する弁は、より厚い壁を有する類似の弁より高い密度を有する発泡体を必要とする。したがって、一部の実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、0.1から1.5g/cmの密度を有する。一部の実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、0.3から1.2g/cmの密度を有する。一部の実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、0.8から0.9g/cmの密度を有する。一部の実施形態において、提供された粘弾性発泡体は、0.5から0.6g/cmの密度を有する。
【0091】
一部の実施形態において、本発明は、図2および図3に示されているように、弱結合の数が極めて少ないポリエーテル−シロキサンおよびポリエーテル−フルオロシロキサンポリウレタン材料を提供する。これは、ポリウレタン反応の前に軟質部を予備形成することによって達成される。以下の実施例において、ポリジメチルシロキサンおよびポリプロピレンオキシドに基づくトリブロックコポリマーを使用したが、ポリシロキサンおよびポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(トリフ
ルオロメチルエチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ジフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(トリフルオロメチルプロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、ポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)およびそのコポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジエチルシロキサン)およびより高次のアルキルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、ポリ(ジフェニルシロキサン)、ポリ(メチルジフルオロエチルシロキサン)、ポリ(メチルトリフルオロエチルシロキサン)、ポリ(フェニルジフルオロエチルシロキサン)、ポリ(フェニルトリフルオロエチルシロキサン)およびそのコポリマー、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(エチレンテレフタレートアイオノマー)(PETI)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)、ポリ(メチレンナフタレート)(PTN)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(ブチレンナフタレート)(PBN)およびポリカーボネートから形成される他のトリブロックコポリマーが使用され得ることが理解される。
【0092】
図2を参照すると、ABA、ABCおよびBAB型のコポリマーを、ウレタン/尿素より安定な結合を使用して共有結合されたポリシロキサンおよびポリプロピレンオキシドのホモポリマーから製造した。当該ホモポリマーの分子量および化学特性を調整して、適切なバランスの親水性/疎水性を有する予備軟質部を達成した。特定の理論に束縛することを望まないが、軟質部として構成ホモポリマーの代わりに非ウレタン結合トリブロックコポリマーを使用することによって、得られる材料の機械特性および加水分解安定性が実質的に向上すると考えられる。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明のコポリマーを含む発泡体を提供する。当該発泡体は、特に胃腸装置用途について、固体エラストマーに比べて特定の利点を提供する。これらの利点としては、胃環境における生物学的安定性の向上、圧縮性、粘弾性、および高い「表面積対容量比」が挙げられる。本発明の発泡体配合物は、天然の胃腸組織の機械特性を模倣することができる。
【0094】
生物学的安定性水ブロー発泡体を異種の試薬から製造した。
先行技術には、高分子量の固体材料をもたらすポリマー鎖同士の逐次反応によって製造されるポリウレタン発泡体が記載されている。いずれの場合も、先行技術に記載されているポリマー前駆体は、図1に示されるウレタン/尿素結合によって互いに結合されている。しかし、各ウレタン/尿素結合は、分解の可能性のある部位である。
【0095】
本発明において、我々は、図2に示されるコポリマー前駆体を使用することによって、はるかに少ない「弱結合」を有する生物学的安定性ポリウレタン/尿素発泡体を製造した。
【0096】
ポリウレタン反応は、処理が容易であることから、伝統的に単相で実施されてきた。しかし、我々は、物理的に異種の反応前駆体を組み合わせて、安定な二相分散体(「油中水」)を形成し、次いでそれを反応させて発泡体を形成することによって新規の材料を製造した。
【実施例】
【0097】
2つの具体的な実施例において、XおよびYは、いずれもポリエーテル、すなわちポリ(プロピレンオキシド)(PPO)である。これらを配合して、以下の式に示されるように、それぞれポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)とポリ(トリフルオロプロピルメチルシロキサン)の比率が異なるコポリマーとした。
【0098】
【化14】

【0099】
配合物は、以下の成分を含むいくつかの他の成分を含んでいた。
分岐剤−DEOA
【0100】
【化15】

【0101】
ジエタノールアミン(DEOA)は、分岐剤として使用されるが、架橋剤として知られることもある。DEOAの分子量は、105.14g/molである。DEOAの効果は、最終ポリマーの軟度および弾性に影響を与えることである。
【0102】
ゲル化触媒−ネオデカン酸ビスマス(BICAT)
【0103】
【化16】

【0104】
ネオデカン酸ビスマスは、BiCat8108MとしてShepherdから供給される。それは、分子量が722.75g/molである。この触媒は、イソシアネートとヒドロイルまたはアミン官能基との完全反応を容易にするために使用される。
【0105】
発泡触媒−DABCO33−Iv
【0106】
【化17】

【0107】
DABCOは、NCOとHOとの反応のための一般的な発泡触媒である。それは、112.17g/molの分子量を有する。この触媒は、HOと一緒になって、発泡特性を操作する効果を有する。
【実施例1】
【0108】
脂肪族結合フルオロシロキサン系トリブロックコポリマー予備軟質部の合成
これは、2工程プロセスである。第1の工程において、シラノール末端ポリ(トリフルオロプロピルメチルシロキサン)をその二水素化物に変換する。次の工程において、この二水素化物誘導体とアリル末端ポリ(プロピレングリコール)とを反応させる。
【0109】
合成手順は、以下の通りである。
【0110】
【化18】

【0111】
機械的攪拌機を装備した四口セパラブルフラスコに、40gのシラノール末端ポリ(トリフルオロプロピルメチルシロキサン)(Gelest Inc.のFMS−9922)を加え、これを50mlのトルエンと混合し、連続的な窒素流を供給した。反応混合物に7.57gのジメチルクロロシラン(Sigma AldrichのDMCS)を、該混合物の温度を30℃に維持しながら、約20分間にわたって徐々に添加した。ジメチルクロロシランを添加する毎に、混合物が濁ったが、短時間で透明になった。ジメチルクロロシランの添加が完了すると、混合物を3時間にわたって90℃まで加熱した。次いで、反応物を過剰の水で数回洗浄して、混合物の酸性度を低下させた。得られた混合物をシリカゲルで乾燥させ、濾過し、減圧して、終夜65℃で溶媒および微量の水を除去した。次いで、赤外分光分析(IR)において2130cm−1に反応を裏づける非常に強いSi−Hバンドを有する透明の液体が得られた。GPC分析は、分子量が1200g/molであることを示した。
【0112】
【化19】

【0113】
機械的攪拌機を装備した四口セパラブルフラスコ内の90mlの試薬級トルエンに対して、46.67gのアリル末端ポリ(プロピレングリコール)(MW=700g/mol、Jiangsu GPRO Group Co.)を添加し、次いで加熱して還流させ
た。次いで、40gの水素化物末端FMS−9922を50mlの試薬級トルエンに溶解させ、約90℃まで昇温させた。次いで、反応混合物に対して、2滴のイソプロパノール(Merck)中ヘキサクロロ白金(IV)酸(Sigmaの0.01MのHPtCl)溶液を添加した。この触媒溶液を添加した後、混合物を1時間還流させ、最終生成物を得るために溶媒を蒸留除去した。反応をH−NMRによって確認し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、最終分子量が2700g/molであることを確認した。
【0114】
【表1】

【実施例2】
【0115】
脂肪族結合ジメチルシロキサン系トリブロックコポリマー予備形成部の合成
機械的攪拌機を装備したセパラブルフラスコ内の130mlの試薬級トルエンに対して、64gのアリル末端ポリ(プロピレングリコール)(MW=700g/mol、Jiangsu GPRO Group Co.)を添加し、両者を混合し、加熱して還流させた。次いで、40gの水素化物末端ポリ(ジメチルシロキサン)(Siltech Corp.のSilmer H Di 10)を50mlの試薬級トルエンに溶解させ、約90℃まで昇温させた。この反応混合物に対して、2滴のイソプロパノール中ヘキサクロロ白金(IV)酸(Sigmaの0.01MのHPtCl)溶液を添加した。この触媒溶液を添加した後、混合物を1時間還流させ、次いで最終生成物を得るために溶媒を蒸留除去した。反応をH−NMRによって確認し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、生成物の最終分子量が2300g/molであることを確認した。
【0116】
【化20】

【0117】
【表2】

【実施例3】
【0118】
芳香族結合シロキサン系トリブロックコポリマー予備軟質部の合成
【0119】
【化21】

【0120】
機械的攪拌機を装備した100mlのセパラブルフラスコに、15gのヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン(Gelest Inc.のDMS−S14)を5.36gのジクロロp−キシレン(Sigma)および0.0089gのアセチルアセトン酸銅(II)(SigmaのCu(Acac))とともに加えた。反応混合物を110℃で5時間還流させた。この時点で、19.77gのヒドロキシ末端ポリ(プロピレングリコール)(Sigma)を滴加し、次いで反応混合物をさらに15時間還流させた。反応の進行をH−NMRによって確認し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した最終分子量は3000g/molであった。
【0121】
H−NMR分析:H−NMR分析に使用した溶媒は、CDClである。
芳香族H=7.25〜7.45ppm、−CH=4.5〜4.6ppm、(PPOの)−CH=1〜1.4ppm、(PPOの)−CH=3.2〜3.8ppm、(PPOの)−−−OH=3.8〜4ppm、−CH(シラノール)=0.5〜0.8ppm。
【0122】
【表3】

【実施例4】
【0123】
芳香族結合フルオロシロキサン系トリブロックコポリマー予備軟質部の合成
【0124】
【化22】

【0125】
機械的攪拌機を装備した100mlのセパラブルフラスコに対して、15gのヒドロキシ末端ポリトリフルオロメチルシロキサン(FMS−9922、Gelest Inc.)を5.9gのジクロロp−キシレンおよび0.0098gのアセチルアセトン酸銅(II)(SigmaのCu(Acac))とともに加えた。反応混合物を110℃で5時間還流させた。この時点で、21.75gのヒドロキシ末端ポリ(プロピレングリコール)(Sigma)を反応混合物に滴加した。反応物をさらに15時間還流させた。反応の進行をH−NMR分析によって確認し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した分子量は3100g/molであった。
【0126】
H−NMR分析:H−NMR分析に使用した溶媒は、CDClである。
芳香族H=7.25〜7.45ppm、−CH=4.5〜4.6ppm、(PPOの)−CH=1〜1.4ppm、(PPOの)−CH=3.2〜3.8ppm、(PPOの)−−−OH=3.8〜4ppm、−CH(シラノール)=0.5〜0.8ppm。
【0127】
【表4】

【実施例5】
【0128】
水ブロー発泡体の調製
調製した予備軟質部を、構成成分PO/SiO/POについてそれぞれ文字m、nおよびoによって数字的に表されるポリマーブロック比を有すると記載することができる。特定のm、n、o比を用いて実施例1および2で調製したトリブロックコポリマーを配合して、表7によって示されるポリウレタン/尿素発泡体とした。
【0129】
発泡体を調製するための方法は、2工程の手順であった。表7における第1の製造物の製造方法を以下に記載する。同じ手順を使用して、表8に記載される他の発泡体を調製した。
【0130】
工程1)最初に、プラスチックの平底容器において、0.041gのDABCO LV−33(Airproducts)、0.120gのネオデカン酸ビスマス(Shepherd chemicalsのBicat 8108M)、0.467gのジエタノールアミン(SigmaのDEOA)、7.917gの合成ブロックコポリマー、0.200gの水および0.1gの界面活性剤(AirproductsのNiax L−618)を用いて混合物を製造した。次いで、これを、均質の混合物が得られるまで30秒間にわたって手動で十分に混合した。
【0131】
工程2)上記混合物に対して、15gのジイソシアネートプレポリマー(PPT 95A Airproducts)を添加した。次いで、これを機械的攪拌機によって約5秒間にわたって十分に混合した。次いで、該材料を成形し、70℃で2.5時間硬化させ、50℃でさらに3時間後硬化させた。
【0132】
【表5】

【実施例6】
【0133】
トリブロックコポリマー予備軟質部および個々のホモポリマーからの水ブロー発泡体の配合物の比較例
実施例5のポリウレタン/尿素ポリマーを、化学量論当量のホモポリマー軟質部から製造された発泡体と比較した。図4に示されるホモポリマー系軟質部(VF130309およびVF190309)を有する発泡体を以下のように製造した(VF130309)。
【0134】
工程1)最初に、0.041gのDABCO LV−33(Airproducts)、0.120gのネオデカン酸ビスマス(Shepherd chemicalsのBicat 8108M)、0.467gのジエタノールアミン(SigmaのDEOA)、3.056gのポリ(ジメチルシロキサン)ジオール(DMS−s14 Gelest Inc.)、1.633gのポリプロピレンオキシド(Mw=700g/mol)、0.200gの水および0.1gの界面活性剤(AirproductsのNiax L−618)を用いて混合物を製造した。これらをプラスチックの平底容器に加え、均質の混合物が得られるまで30秒間にわたって手動で十分に混合した。
【0135】
工程2)上記混合物に対して、15gのジイソシアネートプレポリマー(PPT 95A Airproducts)を添加した。次いで、これを機械的攪拌機によって約5秒間にわたって十分に混合した。次いで、該材料を成形し、70℃で2.5時間硬化させ、50℃でさらに3時間後硬化させた。
【0136】
本実施例の発泡体を引張試験のためにダンベル形にした。図4および図5には、トリブロックコポリマー予備軟質部の弾性率の好適な低下を示す、比較材料の機械特性の差が示されている。
【実施例7】
【0137】
トリブロックコポリマー軟質部とホモポリマー軟質部との安定性比較
引張試験片を実施例4に使用した材料と同様にして調製し、(米国薬局方「USP」に従って)シミュレートされた胃液中で加速エージングさせた。予め合成されたトリブロックコポリマー軟質部を用いて製造した材料は、図6に示されるウレタン/尿素結合ホモポリマー同等物と比較して胃液中の機械安定性が実質的に向上していた。これは、消化環境、より具体的には胃環境での長時間にわたる当該材料の使用を容易にする。
【実施例8】
【0138】
水ブロー発泡体の調製
また、いくつかの水ブローポリウレタン/尿素を、異なるPO/EO/SiOポリマーブロック比を用いて製造した。上記の発泡体を調製するための方法を使用した。
【0139】
【表6】

【0140】
表6に記載されている配合物からの結果を表7に示す。
【0141】
【表7】

【実施例9】
【0142】
使用実施例
胃腸系に使用される装置は、伝統的に特殊設計された材料から製造されてきた。胃の腐食性環境での用途に使用される市販品は、生物学的安定性が限定されており、一般的に短時間でそれらの機能が低下する。
【0143】
本発明の発泡体は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれている我々の米国特許出願公開第2007−0198048号明細書に記載されているタイプの弁の製造に使用され得る。その弁は、開放位置および閉鎖位置を有する。その弁は、近端および遠端を有する。弁材料は、嚥下(液体または固体)の作用がオリフィスを周方向に100%から3000%延伸させると近方向から開放し得る。開放オリフィスは、長時間にわたって場合によって非弾性的に閉鎖することにより、体の自然の応答を模倣する。閉鎖にかかる持続時間は、2から15秒間であり得る。該材料は、気体、液体または固体が25cmHOから60cmHOの所定の力を超えると、該材料は、遠方向から100%〜300%まで延伸し得る。いくつかの実施形態において、該材料は、平衡状態でそれ自体の質量の15%未満の水を吸収する。いくつかの実施形態において、水またはアルコール中において平衡状態でそれ自体の質量の3%未満を失う(浸出する)。いくつかの実施形態において、該材料は、pH1.2のシミュレートされた胃液に30日間浸漬されるとその引張強度の10%未満を失う。いくつかの実施形態において、弁材料は、pH1.2のシミュレートされた胃液に30日間浸漬されるとその伸度(%)の25%未満を失う。
【実施例10】
【0144】
弁機能試験
健康な下部食道括約筋(LES)は、個体が、嚥下することで食物を順行方向に通すことによって筋肉の弛緩を誘発するまで閉鎖した状態を維持する。また、個体がおくびまたは嘔吐すると、それらは、胃において逆行方向に、弁を圧倒するのに十分な圧力を生成する。逆流防止弁は、体内に配置されるとこの機能を有効にしなければならないため、性能を評価するために簡単な機能性試験を実施する。
【0145】
胃底皺襞形成術後の患者は、22〜45mmHgの圧力を生成すること、および胃の降伏圧力が40mmHgを超える患者のほとんどがおくびの問題を経験していることが報告された(Yield pressure,anatomy of the cardia
and gastro−oesophageal reflux.Ismail,J.Bancewicz,J.Barow British Journal of Surgery.第82巻、1995、943〜947頁参照)。したがって、おくびを容易にし、逆流を防止するために、40mmHg(550mmHO)の絶対上限GYP値が合理的である。認識できる食道炎の患者は、いずれも15mmHg以下の胃降伏圧力値を有するため、15mmHgを超える最小の胃降伏圧力値を選択的に標的にするのが合理的であることが報告されている(前出の文献を参照)。適切な最小胃降伏圧力値は、15mmHg+25%の誤差マージンであるため、最小有効弁降伏圧力値が18.75mmHgまたは255mmHOになる。
【0146】
試験装置は、蠕動ポンプ、および試験すべき弁を収容するように設計された取付部品が接続された、図7に示される1mの高度垂直管からなる。
試験すべき弁を37℃の水浴に30分間配置して、その温度を平衡させる。弁の温度が平衡になると、弁の閉鎖遠端が試験装置の内側を向くようにそれを筐体に設置する。次いで、ポンプを800ml/分の速度でオンに切り換えて。垂直管の充填を開始する。上昇した水柱は、最初に弁を閉じる圧力を加える。柱の圧力が上昇すると、弁は、それが裏返って、水がそこを流れることを可能にする点に達する。次いで、降伏圧力として知られるこの点を記録し、試験を4回繰り返す。
【実施例11】
【0147】
材料の加速エージングの根拠
臨床条件のシミュレート
有害な副作用をもたらすことなく、正常な患者の下部食道を胃の酸性内容物に定期的に曝露することができる。しかし、逆流性食道炎の患者は、胃内容物への曝露の増大により、下部食道の粘膜が損傷する。酸性の胃内容物への下部食道の曝露は、専用のpH測定装置を使用して、臨床現場で日常的に測定される。典型的な手順は、24時間にわたってpHを測定することを含む。逆流性食道炎患者における酸曝露のレベルを以下の6つの臨床文献から表8に要約する。
【0148】
DeMeester TR、Johnson LF、Joseph GJら、Patterns of Gastroesophageal Reflux in Health and Disease Ann.Surg.、1976年10月、459〜469;
Pandolfino JE、Richter JE、Ours Tら、Ambulatory Esophageal pH Monitoring Using a Wireless System Am.J.Gastro 2003;98:4;
Mahmood Z、McMahon BP、Arfin Qら、Results of endoscopic gastroplasty for gastroesophageal reflux disease:a one year prospective follow−up Gut 2003;52:34〜9;
Park PO、Kjellin T、Appeyard MNら、Results of endoscopic gastroplasty suturing for treatment of GERD:a multicentre trial Gastrointest endosc 2001;53:AB115;
Filipi CJ、Lehman GA、Rothstein RIら、Transoral flexible endoscopic suturing for treatment of GERD:a multicenter trial Gastrointest endosc 2001;53 416〜22;および
Arts J、Slootmaekers S Sifrim Dら、Endoluminal gastroplication(Endocinch)in GERD patient‘s refractory to PPI therapy Gastroenterology 2002;122:A47参照)。
【0149】
【表8】

【0150】
主要臨床パラメータ
下部食道を、測定時間の平均11%に対応する曝露時間にわたって酸性pHに曝露されることを考慮すると、加速エージング手法を容易に想到することができる。試験材料を胃内容物(またはUSPシミュレート胃液−USP薬局方参照)にコンスタントに曝露すると、エージングの速度がほぼ10倍増大することになる。したがって、下部食道の胃内容物への1年間の曝露をシミュレートするのに必要な時間は、式Iによって表される。
【0151】
【数1】

【0152】
臨床的根拠
37℃で40.27日にわたってUSPシミュレート胃液に試験片を浸漬させることは、逆流性食道炎患者のシナリオにおける酸性の胃内容物に対する下部食道の1年間の曝露にほぼ匹敵する。
【0153】
【表9】

【0154】
本発明の粘弾性発泡体から調製された弁の加速安定性の結果を図8Aおよび8Bに示す。
本発明のいくつかの実施形態を記載したが、我々の基本的な実施例を変更して、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供できることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、例として示された具体的な実施形態でなく、添付の請求項によって定義されるべきであることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのトリブロックコポリマー:
【化1】

[式中、
【化2】

のそれぞれが、ウレタン結合または尿素結合に対する結合点を表し;
XとYのそれぞれが、独立して、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートおよびフッ素ポリマーの1種または複数種から形成されるポリマー鎖またはコポリマー鎖であり;
、R、R、R、RおよびRのそれぞれが、独立して、R、OR、−COR、フッ素化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフッ素ポリマーの1種または複数種から選択され;
Rのそれぞれが、独立して、水素、場合によって置換されたC1−20脂肪族基、または、場合によって置換された以下から選択される基であり:フェニル、8〜10員の2環式アリール、窒素、酸素あるいは硫黄から独立して選択される1〜2のヘテロ原子を有する4〜8員の単環式の飽和または部分不飽和の複素環式環、または、窒素、酸素あるいは硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有する、5〜6員の単環式あるいは8〜10員の2環式ヘテロアリール基;
m、nおよびpのそれぞれが、独立して、2〜100であり;
およびLのそれぞれが、独立して、2価のC1−20炭化水素鎖であり、この炭化水素鎖の1〜4のメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−または2価のシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロサイクレンまたはヘテロアリーレンによって独立して置換されていてもよいが、LとLのどちらも尿素またはウレタン部分を含まない]。
【請求項2】
XとYがいずれも同じである、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項3】
XとYがいずれもポリエーテルである、請求項2に記載のコポリマー。
【請求項4】
XとYがいずれもポリプロピレンオキサイドである、請求項3に記載のコポリマー。
【請求項5】
mおよびpがそれぞれ独立して2〜50であり、nが2〜20である、請求項1〜4のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項6】
mおよびpがそれぞれ独立して2〜30であり、nが2〜20である、請求項5に記載のコポリマー。
【請求項7】
m、nおよびpのそれぞれが8〜16である、請求項5に記載のコポリマー。
【請求項8】
、R、R、R、RおよびRの1種または複数種が、独立して、場合によって置換されたC1−6アルキルである、請求項1〜7のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項9】
、R、R、R、RおよびRのそれぞれが、独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチルまたはシクロブチルである、請求項8に記載のコポリマー。
【請求項10】
、R、R、R、RおよびRのそれぞれが、独立して、モノ、ジ、トリまたはすべてフッ化されたメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはフェニルである、請求項9に記載のコポリマー。
【請求項11】
、R、R、R、RおよびRのそれぞれが、独立して、メチル、エチル、プロピル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルまたはトリフルオロプロピルである、請求項8に記載のコポリマー。
【請求項12】
およびLのそれぞれが、独立して、2価のC1−20アルキレン鎖である、請求項1〜11のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項13】
およびLのそれぞれが、独立して、2価のC1−10アルキレン鎖である、請求項12に記載のコポリマー。
【請求項14】
およびLのそれぞれが、独立して、2価のメチレン鎖、エチレン鎖、プロピレン鎖またはブチレン鎖である、請求項13に記載のコポリマー。
【請求項15】
およびLのそれぞれが、独立して、−OCH−、−OCHCH−、−OCHCHCH−または−OCHCHCHCH−である、請求項1〜11のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項16】
およびLのそれぞれが、独立して、2価のC1−6アルキレン鎖であって、この鎖の少なくとも1つのメチレン単位が−O−で置換され、この鎖の少なくとも1つのメチレン単位が2価のアリーレンで置換されている、請求項1〜11のいずれかに記載のコポリマー。
【請求項17】
およびLのそれぞれが、独立して、−OCH−フェニレン−、−OCHCH−−フェニレン−、−OCHCH−フェニレン−CH−または−OCHCHCHCH−−フェニレン−である、請求項16に記載のコポリマー。
【請求項18】
式IIのトリブロックコポリマー:
【化3】

[式中、
およびRのそれぞれが、独立して、−OH、−NH、保護されたヒドロキシル基または保護されたアミンであり;
XとYのそれぞれが、独立して、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートおよびフッ素ポリマーの1種または複数種から形成されるポリマー鎖またはコポリマー鎖であり;
、R、R、R、RおよびRのそれぞれが、独立して、R、OR、−COR、フッ素化炭化水素、ポリエーテル、ポリエステルまたはフッ素ポリマーの1種または複数種から選択され;
Rのそれぞれが、独立して、水素、場合によって置換されたC1−20脂肪族基、または、場合によって置換された以下から選択される基であり:フェニル、8〜10員の2環式アリール、窒素、酸素あるいは硫黄から独立して選択される1〜2のヘテロ原子を有する4〜8員の単環式の飽和または部分不飽和の複素環式環、または、窒素、酸素あるいは硫黄から独立して選択される1〜4のヘテロ原子を有する、5〜6員の単環式あるいは8〜10員の2環式ヘテロアリール基;
m、nおよびpのそれぞれが、独立して、2〜100であり;
およびLのそれぞれが、独立して、2価のC1−20炭化水素鎖であり、この炭化水素鎖の1〜4のメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、-C(O)O−または2価のシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロサイクレンまたはヘテロアリーレンによって独立して置換されていてもよいが、LとLのどちらも尿素またはウレタン部分を含まない]。
【請求項19】
およびRがいずれも−OHである、請求項18に記載のコポリマー。
【請求項20】
式II−a、式II−b、式II−cおよび式II−d:
【化4】

のいずれかから選択される、請求項18に記載のコポリマー。
【請求項21】
以下:
【化5】

から選択される、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項22】
以下:
【化6】

から選択される、請求項20に記載のコポリマー。
【請求項23】
請求項1〜17のいずれかまたは請求項21に記載のトリブロックコポリマーを含んでなる生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項24】
請求項21に記載のトリブロックコポリマーを含んでなる、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項25】
3ヶ月間以上、4ヶ月間以上、5ヶ月間以上、6ヶ月間以上、7ヶ月間以上、8ヶ月間以上、9ヶ月間以上、10ヶ月間以上、11ヶ月間または1年以上、胃液に対して安定である、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項26】
平衡状態で、約5重量%未満、約10重量%未満、約15重量%未満、約20重量%未満、約25重量%未満または約30重量%未満の水を吸収する、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項27】
約200〜1200%の伸長力を有する、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項28】
約0.1〜約1.0MPaの引張強度を有する、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項29】
0.1〜1.5g/cmの密度を有する、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項30】
0.3〜1.2g/cmの密度を有する、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項31】
0.8〜0.9g/cmの密度を有する、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。
【請求項32】
0.5〜0.6g/cmの密度を有する、請求項23に記載の生体安定性粘弾性フォーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2011−524931(P2011−524931A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514192(P2011−514192)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/IE2009/000038
【国際公開番号】WO2009/153769
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(508188503)ヴィセラ・バイオメディカル・リミテッド (6)
【Fターム(参考)】