説明

生分解性樹脂成形品の製造法。

【課題】 柔軟性、耐熱性、感温性が良好な生分解性樹脂のシート等を生産性よく製造する方法の提供。
【解決手段】 ポリ乳酸樹脂と、可塑剤と、結晶核剤とを含有する樹脂組成物から、シート又はフィルムを成形する生分解性樹脂成形品の製造法であって、押出成形法により、ダイから押し出されたシート又はフィルムを、表面温度60〜100℃の2つ以上の金属ロールに接触させ、及び/又はさらに60〜100℃の恒温層を通して熱処理する工程を含む方法によって、相対結晶化度30%以上に結晶化させてシート又はフィルムを得る、生分解性樹脂成形品の製造法、並びにこの製造法により得られる生分解性樹脂成形品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性樹脂成形品の製造法及びその製造法により得られる生分解性樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
生分解性樹脂の中でもポリ乳酸樹脂は、トウモロコシ、芋などからとれる糖分から、発酵法によりL−乳酸が大量に作られ安価になってきたこと、原料が自然農作物なので総酸化炭素排出量が極めて少ない、また得られた樹脂の性能として剛性が強く透明性が良いという特徴があるので、現在その利用が期待されている。しかしポリ乳酸樹脂の場合、脆く、硬く、可撓性に欠ける特性のためにいずれも硬質成形品分野に限られ、フィルムなどに成形した場合は、柔軟性が不足したり、折り曲げたとき白化などの問題があり、軟質又は半硬質分野に使用されていないのが現状である。また、ポリ乳酸樹脂は結晶化速度が遅く、延伸などの機械的工程を行わない限りは成形後は非晶状態である。しかし、ポリ乳酸のガラス転移温度(Tg)は60℃と低く耐熱性に劣るため、温度が55℃以上となる環境下では使用できない問題があった。
【0003】
ポリ乳酸樹脂を軟質、半硬質分野に応用する技術として、可塑剤を添加する方法や、あるいは耐熱性を向上させるため結晶核剤を添加して結晶化させる方法が種々提案されており、例えば、特許文献1には、融点が40〜300℃の脂肪族カルボン酸アミドなどの透明核剤を含有する脂肪族ポリエステル組成物を成形し、成形時又は成形後に熱処理をすることを特徴とする、透明性及び結晶性を併有する脂肪族ポリエステル成形体の製造方法が開示されている。更に、特許文献2には、特定の構造を有するアミド系化合物、可塑剤、乳酸系ポリマーを含有する乳酸系ポリマー組成物及びその成形体の製造方法が開示されている。
【0004】
ポリオレフィン等の汎用樹脂は、結晶化速度が高く、良好な加工性を有するので、押出成形が可能であるが、ポリ乳酸などの生分解性樹脂は、結晶化速度が遅い為に、押出成形ができていないのが現状である。
特許文献1及び2に記載の樹脂組成物を押出機によってシート又はフィルムに成形する際に結晶化させる場合、結晶化には樹脂組成物のガラス転移点以上に加熱することが必要であるが、これら特許文献記載の樹脂組成物では結晶化速度は遅いため、ロール表面で結晶化できずに非晶状態のままであるためにロールに粘着を起して剥離せず、張力をかけて無理に剥離させようとするとコシがないために簡単にシートやフィルムが変形してしまう問題があり、押出成形による結晶化シート又はフィルムの連続的な製造はできなかった。
【特許文献1】特許第3411168号公報
【特許文献2】国際公開2003/042302号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、柔軟性、耐熱性、感温性が良好な、生分解性樹脂のシート及びフィルムを、押出成形法により生産性良く製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ポリ乳酸樹脂と、可塑剤と、結晶核剤とを含有する樹脂組成物から、シート又はフィルムを成形する生分解性樹脂成形品の製造法であって、押出成形法により、ダイから押し出されたシート又はフィルムを、表面温度60〜100℃の2つ以上の金属ロールに接触させ、及び/又はさらに60〜100℃の恒温層を通して熱処理する工程を含む方法によって、相対結晶化度30%以上に結晶化させてシート又はフィルムを得る、生分解性樹脂成形品の製造法、並びにこの製造法により得られる生分解性樹脂成形品を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の生分解性樹脂成形品の製造法によって、相対結晶化度30%以上の柔軟性、感温性及び耐熱性に優れた生分解性樹脂のシート及びフィルムを、生産性良く製造することができ、さらに透明生分解性樹脂に応用した場合は優れた透明性を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
[ポリ乳酸樹脂]
本発明で使用されるポリ乳酸樹脂とは、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーである。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられ、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が好ましい。好ましいポリ乳酸の分子構造は、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位20〜100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0〜20モル%からなるものである。また、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位85〜100モル%とヒドロキシカルボン酸単位0〜15モル%からなるものである。これらのポリ乳酸樹脂は、L−乳酸、D−乳酸及びヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド及びカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド及びD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。但し、主原料は、D−ラクチド又はL−ラクチドが好ましい。
【0009】
市販されているポリ乳酸樹脂としては、例えば、三井化学(株)製、商品名レイシアシリーズ;ネイチャーワークス社製、商品名Nature worksシリーズ;トヨタ自動車(株)製、U’zシリーズ等が挙げられる。
【0010】
これらのポリ乳酸樹脂の中でも結晶化速度、物性の観点からL−乳酸高純度品である結晶グレードのもの、特に三井化学(株)製、LACEA H−400、LACEA H−100、LACEA H−440が好ましく、L−乳酸純度95%以上のポリ乳酸樹脂、特に三井化学(株)製、LACEA H−400、LACEA H−100がさらに好ましい。
【0011】
[可塑剤]
本発明に用いられる可塑剤としては、特に限定されず、一般の生分解性樹脂に用いられる可塑剤が挙げられるが、分子中に2個以上のエステル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜9、特に3〜9の化合物が好ましい。このような化合物としては、多価カルボン酸とポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとのエステル、多価アルコールのアルキルエーテルエステル等が挙げられる。
【0012】
本発明に用いられる可塑剤の平均分子量は耐ブリード性及び耐揮発性の観点から、好ましくは250〜700であり、より好ましくは300〜600であり、更に好ましくは350〜550であり、特に好ましくは400〜500である。尚、平均分子量は、JIS K0070に記載の方法で鹸化価を求め、次式より計算で求めることができる。
【0013】
平均分子量=56108×(エステル基の数)/鹸化価
【0014】
このような可塑剤の中では、生分解性樹脂成形品の成形性、耐衝撃性に優れる観点から、コハク酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜4のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、アジピン酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜3のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜3のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル等の多価カルボン酸とポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル;酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3〜9モル付加物とのエステル、酢酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が4〜9のポリエチレングリコールとのエステル等の多価アルコールのアルキルエーテルエステルがより好ましい。生分解性樹脂成形品の成形性、耐衝撃性及び可塑剤の耐ブリード性に優れる観点から、コハク酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜3のポリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、アジピン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸とジエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3〜6モル付加物とのエステル、酢酸とエチレンオキサイドの平均付加モル数が4〜6のポリエチレングリコールとのエステルがさらに好ましい。生分解性樹脂成形品の成形性、耐衝撃性及び可塑剤の耐ブリード性、耐揮発性及び耐刺激臭の観点から、コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのエステル、酢酸とグリセリンのエチレンオキサイド平均3〜6モル付加物とのエステルが特に好ましい。これらの可塑剤は単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0015】
尚、本発明のエステルは、可塑剤としての機能を十分発揮させる観点から、全てエステル化された飽和エステルであることが好ましい。
【0016】
[結晶核剤]
本発明に用いられる結晶核剤は、結晶化速度と耐熱性、感温性、さらには透明性の観点から、結晶核剤分子中にエステル基、水酸基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種の基を2つ以上有する脂肪族化合物が好ましく、水酸基を1つ以上有し、エステル基又はアミド基を1つ以上有する脂肪族化合物がより好ましく、水酸基を2つ以上有し、エステル基又はアミド基を1つ以上有する脂肪族化合物が更に好ましく、水酸基を2つ以上有し、エステル基又はアミド基を2つ以上有する脂肪族化合物が特に好ましい。
結晶核剤の融点は、65℃以上が好ましく、70℃〜220℃が好ましく、80〜190℃がより好ましい。
【0017】
上記脂肪族化合物によって、本発明の効果がより向上する理由は定かではないが、上記の官能基を2つ以上有すると、ポリ乳酸樹脂との相互作用が良好となり、相溶性が向上する結果、樹脂中で微分散することによるものと考えられ、恐らく、水酸基を1つ以上、好ましくは2つ以上有することによりポリ乳酸樹脂への分散性が良好となり、エステル基又はアミド基を1つ以上、好ましくは2つ以上有することによりポリ乳酸樹脂への相溶性が良好となるものと考えられる。結晶核剤の融点は、熱処理温度より高く、樹脂組成物の混練温度以下であると、混練時に結晶核剤が溶解することによってその分散性が向上し、熱処理温度より高いと結晶核生成の安定化や熱処理温度が上げられるため、結晶化速度向上の観点でも好ましい。また、上記好ましい結晶核剤は、樹脂溶融状態から冷却過程で速やかに微細な結晶を多数析出するものと考えられ、透明性、結晶化速度向上の観点でも好ましい。
【0018】
本発明に用いられる結晶核剤としては、脂肪族エステル、脂肪族アミド等が挙げられ、脂肪族エステルとしては、ステアリン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド等の脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド等のヒドロキシ脂肪酸エステル;脂肪族アミドとしては12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド等のヒドロキシ脂肪酸モノアミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド等の脂肪族ビスアミド、メチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のヒドロキシ脂肪酸ビスアミドなどが挙げられる。生分解性樹脂成形品の成形性、耐熱性、耐衝撃性及び結晶核剤の耐ブルーム性の観点から、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、ベヘニン酸モノグリセライド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミドが好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、エチレビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸モノエタノールアミドがより好ましく、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミドがさらに好ましく、エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミドが特に好ましい。
【0019】
本発明の結晶核剤を透明生分解性樹脂に添加する場合、優れた透明性を維持することができる。
【0020】
[生分解性樹脂組成物]
本発明の生分解性樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂、可塑剤、及び結晶核剤を含有するものである。
【0021】
本発明の生分解性樹脂組成物中の、ポリ乳酸樹脂の含有量は、本発明の目的を達成する観点から、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上である。
本発明の生分解性樹脂組成物における可塑剤の含有量は、十分な結晶化速度と耐衝撃性を得る観点から、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、5〜70重量部が好ましく、7〜50重量部がより好ましく、10〜40重量部がさらに好ましい。
本発明の生分解性樹脂組成物における結晶核剤の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜4重量部が更に好ましく、0.3〜3重量部が特に好ましい。
【0022】
本発明の樹脂組成物は、上記の成分以外に、タルク、スメクタイト、カオリン、マイカ、モンモリロナイト等のケイ酸塩、シリカ、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物を含有することができる。これら無機化合物の平均粒径は、分散性の観点から0.1〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。これらの無機化合物の中でも、生分解性樹脂成形品の成形性及び耐熱性の観点からケイ酸塩が好ましく、タルクがより好ましい。
これら無機化合物の含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、0.1〜2重量部が好ましく、0.3〜2重量部が更に好ましく、0.5〜1.5重量部が特に好ましい。
【0023】
本発明の生分解性樹脂組成物は、結晶核剤、可塑剤以外に、更に、加水分解抑制剤を含有することができる。加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物やモノカルボジイミド化合物等のカルボジイミド化合物が挙げられ、生分解性樹脂成形品の成形性の観点からポリカルボジイミド化合物が好ましい。
【0024】
ポリカルボジイミド化合物としてはポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン及び1,5−ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド等が挙げられ、モノカルボジイミド化合物としては、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等が挙げられる。
【0025】
上記カルボジイミド化合物は、生分解性樹脂成形品の成形性、耐熱性、耐衝撃性及び結晶核剤の耐ブルーム性を満たすために、単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)はカルボジライトLA−1(日清紡績(株)製)を、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミド及びポリ(1,3,5−トリイソプロピルベンゼン及び1,5−ジイソプロピルベンゼン)ポリカルボジイミドはスタバクゾールP及びスタバクゾールP−100(Rhein Chemie社製)を、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドはスタバクゾールI(Rhein Chemie社製)をそれぞれ購入して使用することができる。
本発明の生分解性樹脂組成物における加水分解抑制剤の含有量は、生分解性樹脂成形品の成形性の観点から、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましい。
【0026】
本発明の生分解性樹脂組成物は、上記以外に、更にヒンダードフェノール又はフォスファイト系の酸化防止剤、又は炭化水素系ワックス類やアニオン型界面活性剤である滑剤等の他の成分を含有することができる。酸化防止剤、滑剤のそれぞれの含有量は、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましい。
【0027】
本発明の生分解性樹脂組成物は、上記以外の他の成分として、ポリ乳酸樹脂以外の生分解性樹脂、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤等を、本発明の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
【0028】
[生分解性樹脂成形品の製造法]
本発明の生分解性樹脂成形品の製造法は、本発明に係わる生分解性樹脂組成物を、押出成形法により、ダイから押し出されたシート又はフィルムを、表面温度60〜100℃の2つ以上の金属ロールに接触させ、及び/又はさらに60〜100℃の恒温層を通して熱処理する工程を含む方法によって、相対結晶化度30%以上に結晶化させてシート又はフィルムを得る方法である。
【0029】
本発明において、押出成形法としては、本発明の生分解性樹脂組成物を、2軸押出機や加圧型ニーダー等で混合してペレット等の形状に整え、それを乾燥後に押出機でシート又はフィルムに成形するか、押出機で混合後、直接シート又はフィルムに成形する方法が挙げられる。
【0030】
本発明において、生分解性樹脂組成物の混合は、通常の方法によって行う事ができ、例えば、押出し機等を用いてポリ乳酸樹脂を溶融させながら、結晶核剤及び可塑剤を混合する方法等が挙げられる。混合する際の温度は、結晶核剤、可塑剤の分散性の観点から、ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)以上が好ましく、より好ましくはTm〜Tm+100℃の範囲であり、更に好ましくはTm〜Tm+50℃の範囲である。具体的には、好ましくは170〜240℃であり、より好ましくは170〜220℃である。
【0031】
尚、ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)は、JIS−K7121に基づく示差走査熱量測定(DSC)の昇温法による結晶融解吸熱ピーク温度より求められる値である。
【0032】
本発明の方法において、ダイから押し出されたシート又はフィルムが最初に接触する金属ロール群を第1ロールと呼ぶ。第1ロールの役割を担う金属ロールは、1つまたは2つ以上でも良い。本発明の方法は、第1ロールの表面温度を60〜100℃に制御してシート形状を維持しロール剥離性が良好になる程度まで結晶化させた後に、それ以降の金属ロール(熱処理ロール)の表面温度又は恒温槽の温度を60〜100℃にして、相対結晶化度30%以上に結晶化させる方法である。
【0033】
本発明の方法においては、結晶化速度や生産性の観点から、第1ロールの表面温度が60〜90℃、熱処理ロールの表面温度又は恒温槽の温度が70〜90℃がより好ましく、第1ロールの表面温度が65〜85℃、熱処理ロールの表面温度又は恒温槽の温度が70〜90℃がさらに好ましく、第1ロールの表面温度が70〜80℃、熱処理ロールの表面温度又は恒温槽の温度が75〜85℃が特に好ましい。また、熱処理ロールは1つ又は2つ以上でも良く、シート及びフィルムが第1ロールと熱処理ロールに接触している時間の合計が5〜60秒が好ましく、8〜45秒が更に好ましく、10〜30秒が特に好ましい。
本発明の方法において、さらに透明性の観点から第1ロールと熱処理ロールの表面温度の関係は次式の関係にあることが好ましい。
【0034】
(熱処理ロール表面温度−20℃)≦(第1ロール表面温度)≦(熱処理ロール表面温度)
【0035】
さらに好ましくは(熱処理ロール表面温度−15℃)≦(第1ロール表面温度)≦(熱処理ロール表面温度−5℃)、特に好ましくは(熱処理ロール表面温度−10℃)≦(第1ロール表面温度)≦(熱処理ロール表面温度−5℃)の範囲である。具体的には、熱処理ロール表面温度70℃〜90℃で、第1ロール表面温度が60〜90℃が好ましく、65〜85℃がさらに好ましく、70〜85℃が特に好ましい。
【0036】
本発明の製造法は、上記のような方法によって、耐ブロッキング性および耐熱性の観点から成形体の相対結晶化度が30%以上であり、好ましくは45%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上に結晶化させた成形体を得ることができる。
【0037】
尚、本発明において、相対結晶化度とは以下の式で表される結晶化度を言う。下記式中、70℃×60時間処理とは、成形直後のシートを70℃で管理した恒温室に60時間放置した後、室温(好ましくは25℃)で放冷する処理を示す。
【0038】
相対結晶化度(%)=(成形直後の結晶化度(%))/(さらに70℃×60時間処理後の結晶化度(%))×100
【0039】
以上のように成形後の結晶化度を規定する理由は、本発明の効果が、ベース樹脂が結晶化することによって発揮されるものであり、耐熱性、感温性、耐ブロッキング性、耐溶剤性等の向上も結晶化による効果であるためである。また、可塑剤による柔軟性向上(弾性率の低下と破断点伸度の向上)や耐衝撃性の向上も、結晶化することによって十分に効果を発揮することができる。
【0040】
本発明の製造方法は、本発明の樹脂組成物から延伸工程のない通常のT−ダイ押出成形機で生産性よく結晶化シートを成形することを可能とする。具体的にここでの生産性とは、成形速度が高く、金属ロールへの粘着、偏肉、シワ等のトラブルも極めて少なく、かつシート成形後に別の設備でのアニーリング処理(後熱処理工程)も必要のないインラインでの成形が可能であることを指す。
【0041】
[生分解性樹脂成形品]
本発明の製造法によって成形した本発明のシートは、透明性を高度に維持した結晶化が可能であるため透明性に優れ、また結晶化によって耐溶剤性が飛躍的に向上する。また、本発明の生分解性樹脂成形品であるシートは、柔軟性と添加剤の効果によって未改質のポリ乳酸やポリエチレンテレフタレートシートに比べて耐傷性を顕著に向上させることができ、耐溶剤性の向上から、印刷インクに対してもほとんどの溶剤に対しても耐性があるため、適応性が拡大する。また本発明のシートは、ポリプロピレン製クリアホルダーでみられるような印刷直後の印刷物を接触させた際に起こるインクの溶剤が原因である反り(カーリング現象)なども起こらず、耐傷性、透明性も高いことから、クリアホルダーのベースシートとしても好適である。
【0042】
また、本発明の製造方法によって成形したシートは、結晶化速度が高いために真空成形、圧空成形等の2次加工で行う熱成形用シートとして好適であり、特に透明を生かした耐熱性の容器、ブリスターパック、トレイ等の製品に使用することができる。
【実施例】
【0043】
以下の実施例及び比較例で用いる生分解性樹脂組成物をまとめて表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
*1:ポリ乳酸樹脂(三井化学(株)製、LACEA H−400)
*2:グリセリンのエチレンオキサイド6モル付加物のトリ酢酸エステル
*3:エチレンビス12−ヒドロキシステアリン酸アミド(日本化成(株)製、スリパックス H)
*4:12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド(花王(株)製、カオーワックス85P)
*5:コハク酸とトリエチレングリコールモノメチルエーテルとのジエステル
*6:ポリカルボジイミド(日清紡績(株)製、カルボジライトLA−1)
*7:日本タルク(株)製 、Micro Ace P-6
*8:ステアリン酸モノアミド(花王(株)製、脂肪酸アマイドS)
*9:アセチルクエン酸トリブチル(田岡化学工業(株)製 ATBC)
【0046】
実施例1〜3、比較例1〜4
生分解性樹脂組成物として表1に示す本発明品(A〜B)及び比較品(E〜F)を、2軸押出機(ベルストルフ ZE40A)を使用して、シリンダーおよびダイの温度が190〜180℃の条件で溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0047】
得られたペレットは、70℃、減圧下で1日乾燥し、水分量を500ppm以下とした。
そのペレットをT−ダイ押出機(プラスチック工学研究所製 UT−32−T 200mmTダイ)で、表2に示す表面温度に制御した第1ロールに接触させ、表2に示す表面温度を有する熱処理ロールにより熱処理を行い、フィルムを得た(ロールユニットは第1ロールと熱処理ロール3本で構成され、それぞれ冷水又は温水によって温度制御が可能である。)。
【0048】
各樹脂組成物の成形性と、得られたフィルムについて下記の方法で測定した結晶化度、透明性、耐ブロッキング性の評価結果を表2に示す。
また、実施例3、及び比較例3、4で得られたフィルムの柔軟性・感温性・耐熱性、及び耐ブリード性を下記の方法で評価した。これらの結果を表3に示す。
【0049】
<結晶化度>
成形後のフィルムについて、広角X線回折測定装置(理学電機製 RINT2500VPC,光源CuKα,管電圧40kV,管電流120mA)を使用し、2θ=5〜30°の範囲の非晶及び結晶の
ピーク面積を解析して結晶化度を求めた。
【0050】
<透明性>
成形後のフィルムについて、JIS−K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(ヘイズメーター)を用い、ヘイズ値を測定した。数字の小さい方が透明性が良好であることを示す。
【0051】
<耐ブロッキング性>
成形後のフィルムを縦6cm×横6cmの大きさに切り取り、2枚のサンプルを貼り合わせて10cm×10cm×厚み5mmのガラス板2枚に挟み込み、ガラスの上から1kgの錘で荷重をかけ、80℃に管理したオーブンに入れて4時間処理し、室温で放冷した後に、サンプルの剥離試験を行い、下記の基準で評価した。
○:サンプル同士が粘着することなく、容易に剥離する。
×:サンプル同士が粘着してしまい、剥離できない。
【0052】
<柔軟性・感温性・耐熱性>
成形後のフィルムについて、JIS−K7198に基づいて、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御製 DVA-200)にて、周波数50Hz、昇温速度2℃/minにおいて−20℃から150℃の温度領域における貯蔵弾性率(E’)の温度依存性、ならびに0℃、25℃、60℃及び80℃における貯蔵弾性率(E’)を測定した。
柔軟性は25℃におけるE’の数値が低いほど柔軟性は高く、感温性は0℃〜80℃の温度範囲でE’の変化が小さいほど良好であり、耐熱性は60℃または80℃のE’の数値で判断した。
【0053】
<耐ブリード性>
成形後のフィルム(縦100mm×横100mm)について、70℃の恒温室に1週間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。
【0054】
【表2】

【0055】
表2のように本発明の樹脂組成物を、本発明の成形法でT−ダイ押出成形を行った結果、各金属ロールからのフィルムの剥離性も問題なく成形性が良好であり、実施例が示すように短い熱処理時間で相対結晶化度30%以上の結晶化フィルムが得られ、かつ透明性についても優れた透明性を維持したままの結晶化を達成できた。
【0056】
一方、比較例の樹脂組成物の場合、第1ロールで結晶化しないため、この時点でフィルムに粘着してしまい成形ができなかった。そこで本発明の製造方法に該当しない比較例3〜4の条件ではフィルム成形は可能であったが、非晶状態であった。
【0057】
また、巻物でフィルムを在庫した場合の保存安定性を想定した耐ブロッキング性の評価では、本発明の実施例はいずれも耐ブロッキング性良好であるが、比較例の非晶シートではブロッキングを起こしてしまった。
本発明の樹脂組成物であっても第1ロールや熱処理ロールが100℃を超えてしまうと非晶フィルムをロールに接触させた時点でフィルムの張力が著しく低下して接触にムラが生じて不均一になり、また熱処理ロールが60℃より低くなると結晶化速度が著しく低下するため結晶化が進行しないどころか、さらにTg以上60℃未満の場合は、熱処理ロールに粘着する問題が生じる場合がある。
【0058】
【表3】

【0059】
表3に示すように本発明の実施例に示すフィルムは、0℃および25℃の貯蔵弾性率E’は、可塑剤を含有しない比較例3に比べて低くなり、柔軟性が向上した。また、実施例のシートは0℃から80℃のE’の変化が小さく感温性、耐熱性に優れているのに対し、非晶状態である比較例3、4は、それぞれ60℃、80℃で急激にE’の低下が起こり、感温性、耐熱性に劣る結果となった。また、耐ブリード性を評価した結果、本発明の樹脂組成物は耐ブリード性に優れているのに対し、比較例4の樹脂組成物は熱処理による促進試験でブリード現象がみられ、耐ブリード性に劣る結果となった。
【0060】
実施例4〜9、比較例5〜8
生分解性樹脂組成物として表1に示す本発明品(C〜D)および比較品(E〜F)を、2軸押出機(ベルストルフ ZE40A)を使用して、シリンダーおよびダイの温度が190〜180℃の条件で溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。
【0061】
得られたペレットは、70℃、減圧下で1日乾燥し、水分量を500ppm以下とした。
そのペレットをT−ダイ押出機((株)創建製 250mmTダイ)で、表4に示す表面温度に制御した第1ロールに接触させ、表4に示す表面温度を有する熱処理ロールにより熱処理を行い、フィルムを得た(ロールユニットは第1ロールと熱処理ロール1本で構成され、それぞれオイルまたは温水によって温度制御が可能である。)。
【0062】
各樹脂組成物の成形性と、得られたシートについて結晶化度、透明性、耐ブロッキング性の評価を上記と同様の方法により行った。結果を表4に示す。
【0063】
また、実施例5、8、及び比較例7、8で得られたシートの柔軟性・感温性・耐熱性、及び耐ブリード性を上記と同様の方法で評価した。また、引張物性を下記の方法で測定した。これらの結果を表5に示す。
また、実施例5、8、及び比較例7、8で得られたシートおよびPETシート(ポリエチレンテレフタレート製シート、シート厚200μm)について、下記の方法で耐溶剤性を評価した。これらの結果を表6に示す。
また、実施例5、8、及び比較例7、8で得られたシートおよび上記PETシートについて、下記の方法で耐傷性を評価した。これらの結果を表7に示す。
【0064】
<引張物性>
各シートを3号ダンベルで打ち抜き、室温23℃、湿度60%の恒温室に24時間放置し、テンシロン引張速度50mm/minで引張試験を行い、引張弾性率及び破断点伸度を測定した。
【0065】
<耐溶剤性>
25℃に調整した表6に示す各溶剤に、各シートを30秒間浸漬し、取り出した後に自然乾燥を行い、各シートの状態を肉眼で観察し、下記基準で評価した。
○:光沢、透明性、表面状態に変化なし
△:光沢が低下し、表面が荒れる。
×:透明性が低下する。
××:溶解する。
【0066】
<耐傷性>
各シートを水平な台の上に固定し、JIS―K5600-5-4に基づいて、表7に示す種々の硬さの鉛筆の芯でシート表面を引っかき、下記基準で耐傷性を評価した。
○:傷が付かない
×:傷が付く
【0067】
<180°折曲白化性>
各シートを25℃に管理した恒温室に24時間静置した後、180°折り曲げて、シートの状態を肉眼で観察し、折曲白化性を下記基準で評価した。
○:白化しない。
△:わずかに白い筋が付く。
×:激しく白化する。
【0068】
【表4】

【0069】
表4のように本発明の樹脂組成物を、本発明の成形法でT−ダイ押出成形を行った結果、各金属ロールからのシートの剥離性も問題なく成形性が良好であり、実施例が示すように短い熱処理時間で相対結晶化度30%以上の結晶化シートが得られ、かつ透明性についても実施例4〜6で優れた透明性を維持したままの結晶化を達成できた。
【0070】
一方、比較例の樹脂組成物の場合、第1ロールで結晶化しないため、この時点でシートが粘着してしまい成形ができなかった。そこで本発明の製造方法に該当しない比較例7、8の条件ではシート成形は可能であったが、非晶状態であった。
【0071】
また、巻物でシートを在庫した場合の保存安定性を想定した耐ブロッキング性の評価では、本発明の実施例はいずれも耐ブロッキング性良好であるが、比較例7、8の非晶シートではブロッキングを起こしてしまった。
【0072】
本発明の樹脂組成物であっても第1ロールや熱処理ロールが100℃を超えてしまうと非晶シートをロールに接触させた時点でフィルムの張力が著しく低下して接触にムラが生じて不均一になり、また熱処理ロールが60℃より低くなると結晶化速度が著しく低下するため結晶化が進行しないどころか、さらにTg以上60℃未満の場合は、熱処理ロールに粘着する問題が生じる場合がある。
【0073】
【表5】

【0074】
表5に示すように本発明の実施例に示すシートは、0℃および25℃の貯蔵弾性率E’は、可塑剤を含有しない比較例7に比べて低くなり、柔軟性が向上した。また、実施例のシートは0℃から80℃のE’の変化が小さく感温性、耐熱性に優れているのに対し、非晶状態である比較例7、8は、それぞれ60℃、80℃で急激にE’の低下が起こり、感温性、耐熱性に劣る結果となった。
【0075】
また一般的に用いられる引張物性を測定すると、同じく可塑剤を含有する比較例8に対し、実施例のシートは弾性率が低く、かつ破断点伸度も著しく高く柔軟性に優れる結果となった。実施例のように結晶化することによって可塑剤の効果が十分に発揮されることがわかる。
一方、耐ブリード性を評価した結果、本発明の樹脂組成物は耐ブリード性に優れているのに対し、比較例8の樹脂組成物は熱処理による促進試験でブリード現象がみられ、耐ブリード性に劣る結果となった。
【0076】
【表6】

【0077】
表6が示すように比較例のポリ乳酸系シートは耐溶剤性が著しく劣る結果となった。これに対し、実施例のシートは耐溶剤性が顕著に優れ、PETシートに比べても良好な結果となった。この結果はポリ乳酸の結晶化によって耐溶剤性が向上した効果と考えられる。
【0078】
【表7】

【0079】
表7が示すように実施例のシートは比較例のシートに対して、耐傷性に顕著に優れる結果となった。この結果は、実施例のシートが柔軟性に優れていることが主たる原因であると考えられるが、ポリ乳酸の結晶化や結晶核剤がシート表面へ何らかの改質効果を発現させている可能性も考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ乳酸樹脂と、可塑剤と、結晶核剤とを含有する樹脂組成物から、シート又はフィルムを成形する生分解性樹脂成形品の製造法であって、押出成形法により、ダイから押し出されたシート又はフィルムを、表面温度60〜100℃の2つ以上の金属ロールに接触させ、及び/又はさらに60〜100℃の恒温層を通して熱処理する工程を含む方法によって、相対結晶化度30%以上に結晶化させてシート又はフィルムを得る、生分解性樹脂成形品の製造法。
【請求項2】
ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、可塑剤の含有量が5〜70重量部、結晶核剤の含有量が0.1〜5重量部である、請求項1記載の生分解性樹脂成形品の製造法。
【請求項3】
可塑剤が、分子中に2個以上のエステル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜9の化合物である請求項1又は2記載の生分解性樹脂成形品の製造法。
【請求項4】
結晶核剤が、分子中にエステル基、水酸基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種の基を2つ以上有する脂肪族化合物である請求項1〜3いずれか記載の生分解性樹脂成形品の製造法。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか記載の製造法により得られる生分解性樹脂成形品。

【公開番号】特開2008−230256(P2008−230256A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173160(P2008−173160)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【分割の表示】特願2005−326405(P2005−326405)の分割
【原出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】