生活習慣病改善剤
【課題】5’−AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化する能力を有し、生活習慣病(II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、および心臓病)に有用な植物エキスを有効成分とする生活習慣病改善剤の提供。
【解決手段】植物エキスとして、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つを有効成分とする生活習慣病改善剤。
【解決手段】植物エキスとして、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つを有効成分とする生活習慣病改善剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスより成る群から選ばれるエキスを有効成分として含有する生活習慣病改善剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本人の死因の第一位は、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患である。心血管疾患の主要な原因は、肥満、糖尿病、高脂血症、および高血圧を重複するメタボリックシンドロームであると考えられる。したがって、メタボリックシンドロームの予防方法や治療方法の確立は極めて重要な課題である。
メタボリックシンドロームは、心血管疾患予防を第一義の目的としてハイリスクグループを絞り込むために定義された疾患概念である。具体的には、内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性(耐糖能異常)、動脈硬化惹起性リポ蛋白異常、血圧高値を合併する病態である。
WHOおよびNECP(米国)は、2002年、健康対策としてメタボリックシンドロームを重視する方針を打ち出し、メタボリックシンドロームの診断基準を発表している。その診断基準には、複数のリスクファクターが含まれている。日本人においても、これらのリスクファクターを3個以上合併した群では、対象群と比較して、心血管疾患危険率が30倍以上に達することが報告されている。
メタボリックシンドロームは、従来、シンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群などといわれてきた。しかし、2005年、日本内科学会および関連7学会により、『内臓脂肪の蓄積と、それを基盤にしたインスリン抵抗性および糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧を複数合併するマルチプルリスクファクター症候群で、動脈硬化になりやすい病態』と定義された。
【0003】
飽食と運動不足による過栄養とを原因として内臓脂肪(腹腔内脂肪)が蓄積すると、脂肪細胞は、様々な生理活性物質や、アディポサイトカインの分泌異常をきたす。その結果、糖・脂質代謝異常、高血圧、さらには心血管疾患を惹起する。
アディポサイトカインとは、脂肪細胞において産生・分泌される生理活性物質の総称である。脂肪細胞からは種々のアディポサイトカインが産生・分泌される。それらアディポサイトカインは、病態を改善させる善玉アディポサイトカインと、反対に病態を悪化させる悪玉アディポサイトカインとに大別される。
【0004】
アディポネクチン(別名Acrp30)は、抗糖尿病および抗動脈硬化作用を有する善玉アディポサイトカインである。アディポネクチンは、脂肪組織特異的に発現する遺伝子apM1(adipose most abundant gene transcript 1)の産物で、224アミノ酸からなる分泌タンパク質である。
アディポネクチンは分泌タンパク質に共通して見られるシグナル配列に続き、N末端部はコラーゲン様線維状ドメイン、C末端部は補体C1q様球状ドメインからなる。血漿中でアディポネクチンはコラーゲン様ドメインを中心に多量体を形成する。また、全長アディポネクチンからは、C末端部の補体C1q様球状ドメインのみの球状アディポネクチンが生成され、微量でも全長アディポネクチンよりも高い活性を示すことが報告されている。また、非特許文献1には、血中アディポネクチン量は、肥満、インスリン抵抗性、およびII型糖尿病によって低下するが、マウスを用いた実験において、アディポネクチンの投与によって血糖値が低下し、インスリン抵抗性が改善されることが記載されている。また、アディポネクチンが体重制御のための薬剤となりうることが示唆されている。
非特許文献2には、アディポネチンが結合するアディポネクチン受容体(AdipoR)が存在し、該AdipoRが、アディポネチンによる生物のエネルギー状態、脂肪酸酸化、およびグルコース輸送の調節を媒介していることが記載されている。また、AdipoRアゴニストは、抗糖尿病薬や、抗アテローム効果症薬となりうることが示唆されている。
また、非特許文献3には、骨格筋モデル細胞であるC2C12を用いた検討により、アディポネクチンはAdipoRを介し、5’−AMP活性化プロテインキナーゼ(以下、「AMPK」ともいう)をリン酸化させることで種々の生理作用を示すことが記載されている。
【0005】
AMPKは、細胞内ATPレベルが低下するような状況下において活性化され、脂質や糖質代謝を促進してATP合成を促す“metabolic sensor”として機能することが知られている。さらに最近の研究によって、AMPKは、単に上記のような細胞内のエネルギーレベルにより調節されるだけではなく、さらに筋肉運動の他、レプチン(非特許文献4)、アディポネクチンのような脂肪細胞由来ホルモン(非特許文献2)、糖尿病治療薬であるメトフォルミン(非特許文献5)の物質等によっても活性化され、それらによって惹起される脂肪酸酸化やグルコース利用促進作用の細胞内メディエーターであると考えられている。
【0006】
ここで、AMPKは、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)をリン酸化(Ser79)することにより、ACCの活性を抑制し、ACCの産生物であるマロニルCoA量を低下させることができる。その結果、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT−1)がマロニルCoAによる強い阻害を受けず、CPT−1の活性が亢進し、ミトコンドリア内に長鎖脂肪酸が取り込まれ、脂肪酸酸化を促進されると考えられている。
【0007】
従って、AMPKの活性化は、脂質代謝促進、糖質代謝及び脂肪蓄積抑制等エネルギー代謝活性化、肥満や糖尿病等の生活習慣病の予防・改善に寄与すると考えられる。
【0008】
AMPKは上述のとおり、生体内の代謝レベルを反映しており、定常状態ではそのリン酸化レベルは低く保たれている。AMPKのリン酸化レベルは、例えばアディポネクチンのようなAMPK活性化物質の存在下で定常状態に比べて増強されることから、AMPKのリン酸化レベルの検出は、AMPK活性化能の指標として有用である。
【非特許文献1】Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98,2005−2010,2001.
【非特許文献2】Nature 423,762−769,2003.
【非特許文献3】Nature Med. 8,1288−1295,2002.
【非特許文献4】Nature 415,339−343,2002.
【非特許文献5】J.Clin.Invest. 108,1167−1174,2001.
【特許文献1】特願2007−114795
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、AMPKを活性化する物質はメタボリックシンドロームの予防および治療に有効であると考えられる。本発明の目的は、代謝異常に起因する各種疾患を予防・改善に寄与する生活習慣病改善剤、並びにそれを含む組成物を提供することである。
【0010】
ニンニク、西洋カボチャ、ゴボウ、キウイは、いずれも食経験が豊富で安全性が高く、入手が容易で加工性にも優れ、現実的にヒトへの利用が可能な天然物素材である。
ニンニクは滋養強壮の効果があるといわれ、醗酵黒ニンニクは黒ニンニクを微生物醗酵あるいは所定の温度・湿度の下で熟成させたもので、ニンニク特有の臭気を緩和されているとされる。
西洋カボチャはアンデス山脈高地の冷涼な土地で栽培化された種で、現在日本で広く栽培されている。西洋カボチャはビタミンAを豊富に含み、その種子は、前立腺肥大症における排尿障害や過敏膀胱の改善に効果があるとされている。
ゴボウは、日本には薬草として中国から伝来したもので、薬草としては発汗利尿作用のある根、浮腫、咽頭痛、解毒に効果のある種子が用いられる。繊維質が多く、便秘予防に効果があるとされる。
キウイはビタミンC含量が高く、食用として利用される他、その種子は化粧品用のオイルの原料としても用いられている。
従来、AMPK活性化効果を有する物質として、アディポネクチン、オスモチン、メトホルミン、AICARが知られているが、しかしながら、これまでに、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、西洋カボチャ種子エキスがAMPKを活性化しうるという報告はない。
また、本願発明者らは、ゴボウエキスまたはキウイエキスを、オスモチンを含む組成物と併用することで、優れた生活習慣病改善効果を発揮しうることを特許文献1において報告しているが、ゴボウエキスあるいはキウイ種子エキスそのものが、AMPKを活性化しうるという報告はなされていない。
【0011】
カッコン、チンピ、オウバク、オウゴンは古くから生薬として用いられ、近年ではサプリメントとしても活用されている。
カッコンは、マメ科のクズの周皮を除いた根であり、発汗、解熱、緩解の作用があり、漢方では、感冒などの熱性病や肩のこりを伴う疾患に用いる。
チンピは、ミカン科のウンシュウミカンの成熟した果皮であり、健胃、駆風、去痰、鎮咳作用があり、食欲不振や嘔吐、疼痛、咳嗽などに用いる。
オウバクは、ミカン科のキハダまたはPhellodendron chinense Schneiderの周皮を除いた樹皮で、板状で味はきわめて苦く、粘液性がある。漢方では、消炎性収れん剤として、下半身の炎症や充血、黄疸、下痢などの症状に用いられる。
オウゴンは、シソ科のコガネバナの周皮を除いた根であり、消炎、解熱薬として、黄疸、呼吸器感染症、胃炎、腸炎などに用いられる。
上記のように、これらの植物由来のエキスはさまざまな効能が知られており、また、本願発明者らは、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキスを、オスモチンを含む組成物と併用することで、優れた生活習慣病改善効果を発揮しうることを特許文献1において報告している。
しかしながら、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキスそれ自体がAMPKを活性化しうるという報告は、これまでにない。
【0012】
アガリクスはブラジル原産のキノコであるヒメマツタケの俗称で、免疫の働きを活発にする可能性がある。結果として癌の発生予防や増殖抑制が期待され、また癌治療に伴う副作用の軽減、免疫賦活作用により薬剤治療の効果の向上が望めると言われる場合があり、サプリメントとして広く服用されている。しかしながら、これまでにアガリクスエキスがAMPKを活性化しうるという報告はない。
【0013】
ギャバは、別名γ―アミノ酪酸と呼ばれ、動植物界に広く分布しているアミノ酸の一種である。動物の脳髄に存在し、神経の主要な抑制性伝達物質として、脳の血流を活発にし、脳への酸素供給量を増加させることで脳細胞の代謝機能を促進すると言われている。ギャバを含む食品としては、米胚芽や米糠などが知られており、近年では食品から抽出したギャバあるいはギャバエキスをサプリメントとして摂取することも行われている。しかしながら、これまでに、ギャバエキスがAMPKを活性化しうるという報告はない。
【0014】
ガラナは、アマゾン川流域が原産のつる植物で、その種子にはカフェインやタンニンが豊富に含まれており、ここからアルコール抽出したエキスは疲労回復や滋養強壮として用いられている。ガラナの効能については、未解明の部分が多いが、これまでにガラナエキスがAMPKを活性化しうるという報告はない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
鋭意検討の結果、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスによりAMPKを活性化しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスを有効成分とする生活習慣病改善剤。
(2)5’−AMP活性化プロテインキナーゼを活性化する能力を有することを特徴とする(1)に記載の生活習慣病改善剤。
(3)(1)または(2)に記載の生活習慣病改善剤を含有することを特徴とする組成物。
(4)生活習慣病は、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、および心臓病からなる群より選択される少なくとも1つの疾患であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の生活習慣病改善剤または組成物。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる生活習慣病改善剤は、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスを含有する。それゆえ、本発明の生活習慣病改善剤は継続的に摂取することで、生体においてAMPKを活性化させ、代謝異常に起因する各種疾患を予防・改善するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態について説明すると、以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
<I.エキス>
本発明にかかるエキスは、ニンニク、醗酵黒ニンニク、ゴボウ、西洋カボチャ種子、キウイ種子、カッコン、チンピ、オウバク、オウゴン、アガリクス、ガラナよりなる群から選択される天然物素材から容易に分離・抽出することが可能であり、5’−AMP活性化プロテインキナーゼ(以下、「AMPK」ともいう)をリン酸化する活性(以下、「AMPKリン酸化活性」ともいう)を有するものである。
本発明にかかるギャバエキスは、米胚芽、米糠、茶、野菜類などから分離・抽出することが可能であり、また、グルタミン酸を含む食品素材に微生物を利用した酵素反応でギャバを産生させたものから分離・抽出してもよい。
【0018】
本明細書において、「タンパク質のAMPKリン酸化活性」とは、該タンパク質をAMPKに作用させた時の全AMPK(以下、「total−AMPK」または「t−AMPK」ともいう)中、リン酸化を受けたAMPK(以下、「p−AMPK」ともいう)の割合が意図される。つまり、t−AMPK中、p−AMPKの割合が高いほど、該タンパク質のAMPKリン酸化活性が高いことを示す。なお、AMPKリン酸化活性は、本明細書に記載されている方法により測定することができる。
【0019】
エキスの製造方法としては、水や熱水、有機溶剤等を用いた一般的な溶剤抽出の他、蒸留、圧搾法が挙げられ、これに遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等による分離・精製方法を適宜組み合わせることができるが特に限定されない。有機溶剤としては、メタノールやエタノール等のアルコール系有機溶剤が好ましく、特にエタノールが好ましく、適宜水を加えて20〜95%(V/V)エタノール水としてもよい。
【0020】
上記抽出により得られるエキスは、前記抽出等方法及び/又は分離・精製方法により医薬品上、化粧品上又は飲食品上許容し得る規格に適合し、本発明の効果を発揮するものであれば、粗精製物であってもよい。
【0021】
本発明にかかるエキスの製造に供する天然物素材は、医薬品上、化粧品上又は飲食品上許容し得る規格に適合し、本発明の効果を発揮するものであればよく、特に限定されない。また、天然物素材は天然より採取したまま用いてもよく、あるいは醗酵・熟成等の加工を施してからエキスの製造に供してもよい。
【0022】
醗酵・熟成の方法としては、微生物等の添加剤を介在させる方法や、所定の温度と湿度の下で熟成させる方法があるが、特に限定されない。
【0023】
本発明にかかるエキスは乾燥した粉末、あるいは減圧濃縮等によって濃縮したペーストであってもよく、形状は特に限定されない。
【0024】
また、本発明にかかるエキスは1種を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることが可能であり、特に限定されない。
【0025】
<II.エキスを含む組成物>
本発明にかかる組成物は、上述した本発明のエキスを含有する。本発明にかかるエキスはAMPK活性化作用を有する。それゆえ、本発明にかかる組成物は、代謝異常に起因する疾患の予防・改善に用いることができる。
【0026】
前記疾患としては、生活習慣病を挙げることができる。より具体的には、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、および心臓病を挙げることができる。本発明にかかる組成物は、上記疾患を単独で発症している患者に対して適用してもよいし、複数の疾患を併発している患者に対して適用してもよい。
【0027】
本発明にかかる組成物を、臨床適用のための治療薬剤として用いる場合、その投与条件は、治療対象となる疾患を発症するモデル動物系を用いて決定することができる。すなわち、上記モデル動物を用いて投与量、投与間隔、投与ルートを含む投与条件を検討し、適切な予防または治療効果を得られる条件を決定することができる。
【0028】
また、本発明にかかる組成物は、薬学的に許容できる所望の担体と組み合わせることができる。上記担体としては、例えば滅菌水、生理食塩水、緩衝剤、植物油、乳化剤、懸濁剤、塩、安定剤、保存剤、界面活性剤、徐放剤、他のタンパク質(BSAなど)、トランスフェクション試薬(リポフェクション試薬、リポソーム等を含む)等が挙げられる。さらに、使用可能な担体としては、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンのり、マグネシウムトリシリケート、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイドシリカ、ばれいしょデンプン、尿素などが挙げられる。また、本発明にかかる組成物には、上記例示した担体以外にも、薬学的に許容される範囲であれば、いかなる物質を含んでいてもよい。
【0029】
上記において、本発明にかかるエキスの含有量や、該エキス以外の成分については特に限定されるものではない。使用用途、投与方法等に応じて設定されればよい。
【0030】
また、本発明にかかる組成物を製剤化する場合、その剤型は特に限定されない。例えば、溶液(注射剤)、粉体、マイクロカプセル、錠剤などであってよい。また、本発明にかかる組成物を投与対象に投与する方法は、特に限定されるものではなく、全身または局所的に投与することができる。具体的には、例えば、経皮的、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、腹腔内、静脈内、関節内、皮下、脊髄腔内、脳室内、または経口的に投与することができる。中でも、静脈内投与または経口投与することが好ましく、経口投与がより好ましい。また、全身投与による副作用や、効果の低下がある場合には、局所投与することが好ましい。例えば本発明にかかる組成物を徐放剤と組み合わせ、疾患部位を標的とするドラッグデリバリーにより効果的に治療を行うことが可能と考えられる。投与量、投与方法は、治療薬剤の有効成分の組織移行性、治療目的、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
【0031】
また、本発明にかかる組成物において、本発明にかかるエキスの含有量は特に限定されるものではく、使用用途、投与方法等に応じて設定されればよい。一般的に、本発明にかかるエキスの含有量は、総組成物の0.1〜90重量%であることが好ましい。また、本発明にかかる組成物の投与対象への投与量も特に限定されるものではないが、一般的に、非経口投与では、1日当たり体重1kg当たり、0.0001mg〜1000mg、好ましくは0.001mg〜300mg、より好ましくは0.01mg〜100mgである。
【0032】
特にギャバエキスを含有する組成物において、過剰投与はかえって効果を減ずる可能性があることから、その投与量は含有するギャバ量に換算して、1日当たり体重1kg当たり、0.005〜500mg、好ましくは0.05〜50mgである。
【0033】
しかし、疾患状態、体重、及び治療に対する患者の個々の反応、投与される組成物の種類、および投与形態、病気の経過の段階または投与の間隔に依存して、これら投与量は適宜調整することが好ましい。つまり、上述した最小投与量より少ない投与量としてもよいし、治療効果を得るために上述した最大投与量を越えて投与してもよい。投与は1回〜数回に分けて行うことができ、1日あたり1〜5回投与することができる。
【0034】
また、本発明にかかる組成物を投与する対象は、特に限定されるものではない。例えば、ヒト、およびマウス、ラット、ウサギ、サルなどの非ヒト哺乳動物、およびその他の脊椎動物等が挙げられる。非ヒト哺乳動物への適用は、代謝異常に起因する疾患に対する予防法または治療法を開発するためのモデルとする上でも有用である。これにより、例えば生活習慣病を予防する新たな治療プロトコルを開発することができる。
【0035】
また、本発明にかかる組成物は、医薬品として用いることができるだけではなく、機能性食品素材や、機能性食品として用いることもできる。このような機能性食品素材や、機能性食品としての利用は、代謝異常に起因する疾患、例えば、生活習慣病の予防効果を奏する。
【0036】
さらに、本発明にかかる組成物は、AMPK活性化を介して、代謝を改善することから、化粧品素材や、化粧品として用いることで、代謝異常が一因である老化の予防・改善にも利用可能である。
【0037】
また、本発明にかかる組成物は1種を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることが可能であり、特に限定されない。
【0038】
<III.本発明にかかる組成物を含有する食品組成物>
本発明にかかる組成物を含有する食品組成物の形態は特に制限されない。したがって、本発明の食品は、前述の組成物のまま、又はこれに食品に通常用いられている賦形剤または添加剤を配合して、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、粉剤、カプセル剤、水和剤、乳剤、液剤、エキス剤、またはエリキシル剤等の剤型に、公知の手法にて製剤化することもできる。好ましい剤型は錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、粉剤およびカプセル剤などの固形投与形態であり、より好ましくは顆粒剤、または錠剤や丸剤等の圧縮成型された剤型である。
【0039】
食品に通常用いられる賦形剤としては、例えば、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ショ糖、乳糖、粉末還元麦芽糖、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドンなど)、滑沢剤(例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ポリエチレングリコール)、崩壊剤(例えば、ジャガイモ澱粉)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、固結防止剤(例えばシリカ)等を挙げることができる。添加剤としては、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などを例示することができる。
【0040】
なお、本発明が対象とする食品には、上記製剤形態を有するサプリメント〔保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)および栄養補助食品などのいわゆる健康食品も含まれる〕に加えて、前記抗酸化剤を、飲食物の製造原料の一つとして用いて調製される食品〔一般食品(健康食品を含む)のほか、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)も含まれる〕も含まれる。
【0041】
ここで食品の種類は特に制限されず、飲料(乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果実飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、スポーツ飲料、サプリメント飲料、紅茶飲料、緑茶、ゼリー入り飲料、ブレンド茶等の茶飲料等)、菓子類〔カスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;ミルクアイスクリーム、果汁入りアイスクリーム及びソフトクリーム、アイスキャンディー等の冷菓類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ハードキャンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフィ等のキャラメル類;ハードビスケット、クッキー、おかき、煎餅等の焼き菓子類〕、パン類、スープ類(コンソメスープ、ポタージュスープ等)、魚肉加工品(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコンなど)、畜肉加工品(ハム、ソーセージ、焼き豚等の)、麺類(うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等)、ソース類(セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソース)、総菜などを例示することができる。中でも継続的に摂取するという観点から、より好ましくは飲料である。
【0042】
本発明の食品組成物は、その有効成分であるニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスのAMPK活性化作用により、代謝異常に起因する各種疾患、例えば、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、動脈硬化や心臓病などの予防または改善に有効に使用することができる。
【0043】
このため本発明の食品には、一般食品のほか、AMPK活性化作用を効能とし、その特定の保健用途で使用される食品が含まれる。かかる食品として特定保健用食品またはこれに準じる健康食品を挙げることができる。なお、特定保健用食品(条件付き特定保健用食品を含む)は、その包装容器などに、日本国厚生労働省が承認または認可した機能表示または保健用途の表示をすることが可能な食品である。本発明において特定の保健の目的は、AMPK活性化、具体的にはAMPKを介する経路の活性化または阻害に起因する疾患の治療および改善であり、表示の一例として、「抗メタボリックシンドローム作用」を挙げることができる。特定保健用食品は、こうした機能表示ができる点で、機能表示ができない一般食品と差別化を図ることができるため、本発明でいう食品の好適な一態様である。
【0044】
<IV.本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物>
本発明の生活習慣病改善剤または組成物として、以下のような化粧品組成物が例示できる。
本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物の形態は特に制限されない。したがって、固体、液体、ペースト、ゼリー、粉末などのいずれの状態をとるものであってもよい。このような状態を形成するために、例えばゲル化剤を用いて固化したり、液体を用いて分散状態にしたりすることができる。また、溶媒を添加して溶液にしたり、噴霧乾燥して粉末状にしたりすることもできる。
【0045】
また、本発明に係る本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物の剤形は限定されず、アンプル、カプセル、粉末、顆粒、丸剤、錠剤、固形剤、液剤、ゲル、気泡、乳液、クリーム、軟膏、シート、ムース、浴用剤など多様なものとすることができる。
【0046】
本発明に係る本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物はヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が期待できる限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0047】
本発明の本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物には、使用目的に応じて美白剤、保湿剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、及びそれら以外のさまざまな成分をさらに添加させておくことができる。以下に、一例を示す。
【0048】
(美白剤)
美白剤が、メラニン生成抑制剤および/またはチロシナーゼ活性阻害剤であってもよい。
【0049】
例えば、美白剤として、L−アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン及びその誘導体、ルシノール、エデト酸及びその誘導体、並びに胎盤抽出物、t−AMCHA、アセロラエキス、エイジツエキス、エラグ酸またはその誘導体、火辣エキス、カミツレエキス,カミツレ花エキス・(尿素)、グルタチオン、トコトリエノール、フェルラ酸、ラズベリーケトン、ルシノール、ウワウルシエキス、ジパルミチン酸ピリドキシン、イオウ、コウジ酸またはその誘導体、グルコサミンまたはその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸またはその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物またはその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス等が例示される。
【0050】
これらの美白剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
(抗老化剤)
抗老化剤が、抗炎症剤及び/または抗酸化剤であっても良い。
【0052】
例えば、抗老化剤として抗炎症剤と抗酸化剤が用いられ、抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、イソプロピルアミノカプロン酸及びその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、サリチル酸メチル、γ−オリザノール、抗酸化剤としては、αカロチン、βカロチン、γカロチン、リコピン、クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、イソゼアキサンチン、ロドキサンチン、カプサンチン、クロセチン等のカロチノイド;1,4−ジアザシクロオクタン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、dトコフェロール、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、アラニン又はそのアルキルエステル;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート等のタンニン類、ルチン等のフラボノイド、その他没食子酸プロピル、アスタキサンチン、カロチン、トコフエロール、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エリソルビン酸、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、ジビチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、メチルシラノールジオレイルトコフェロール・無水ケイ酸混合物、ニコチン酸ベンジル、感光素401号、アスパラギン酸、アデノシン三リン酸2Na 、アミノ酪酸、ウイキョウエキス、オランダカラシエキス、カフェイン、クロレラエキス、サフランエキス、ショウキョウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、葉酸、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシトール、ウコンエキス、オリザノール、カロチン、カロットエキス、コムギ胚牙エキス、センキュウエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキ根エキス、ドダミエキス、トコフエロール、ニコチン酸トコフエロール、ボタンエキス、エルゴカルシフェロール、ジカプリル酸ピリドキシン、バチルアルコール、ステアリン酸グリチルレチニル、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、塩酸ジフェンヒドラミン、塩化リゾチーム、アミノカプロン酸、レイシエキス、ヨクイニン、メリロートエキス、ボタンエキス、トウキエキス、トウキ根エキス、センキュウエキス、ゲンノショコエキス、アラントイン、アルニカエキス、アルニカ花エキス、オウゴンエキス、オウレンエキス、オドリコソウエキス、ガマ穂エキス、カミツレエキス、カラミン、カワラヨモギエキス、甘草エキス、グアイアズレン、クチナシエキス、クマザサエキス、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コンフリーエキス、コンフリー葉エキス、酢酸トコフエロール、サリチル酸メチル、酸化亜鉛、シコンエキス,ムラサキ根エキス、シソエキス、シソ葉エキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、スイカズラエキス、セージエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、トウキンセンカエキス、ピリドキシンHCl、ビワ葉エキス、フユボダイジュエキス、モモ葉・果実エキス、ヤグルマギクエキス、ユキノシタエキス、ヨモギエキス、レタスエキス、ローマカミツレエキス、ワレモコウエキス及びカカロール、ポリアミン等が例示される。
【0053】
これらの抗老化剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
(保湿剤)
保湿剤としては、親水性保湿剤および/または親油性保湿剤であればよく、親水性保湿剤として、アミノ酸,ペプチド,蛋白質,高級アルコール及びこれらの誘導体,親油性保湿剤として、リン脂質 ,糖 脂質 ,ステロイド類を用いてもよい。
【0055】
保湿剤として、ピリドンカルボン酸ナトリウム、グリコール、グリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元アルコール、ソルビトール、多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、その他セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸またはそのエステル類、エイコサペンタエン酸またはそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物またはその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、ピロリドンカルボン酸、トマトエキス、ツバキ油、大豆リン脂質、ヒアルロン酸、トレオニン、グリコール酸アンモニウム、アルギン酸メチルシラノール、ヨクイニン、トウキエキス、トウキ根エキス、ダイズエキス、アスパラガスエキス、DNA−Na、PCA−Na、RNA−Na、アシタバエキス、アスパラギン酸、アマチヤエキス、アラニン、アルギニン、アルギン酸Na、アルテアエキス、アロエベラエキスー、オイスタエキス、オオムギバクガエキス、カキ葉、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解コンキオリン、加水分解卵殻膜、加水分解卵白、加水分解シルク、加水分解ダイズタンパク、褐藻エキス、カリンエキス、キイチゴエキス、キシリトール、キトサン、キュウリエキス、キュウリ果実エキス、グアバ菓エキス、クインスシードエキス、グリシン、グリセリン、グルコース、グレープフルーツエキス、グレープフルーツ果実エキス、クレマティスエキス、コメ発酵液、コンドロイチン硫酸Na、魚コラ一ゲノ、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、グリセリン、シスチン、システイン、スギナエキス、ゼニアオイエキス、セリン、ソルビトール、ダイズタンパク、トマトエキス、乳酸Na、乳酸桿菌、ダイズ醗酵エキス、尿素仰/ノバラエキス・アーモンド浬、コーン油、ハチミツ、ヒアルロン酸Na、フクノエキス、ベタイン、ヘチマエキス、マルチトール、マルトース、マンニトール、ユリエキス、ラクトフェリン、リシン、リンゴエキス、レンゲソウエキス、ローヤルゼリー、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール1000、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソブチル、ヘキシルデカノール、乳酸ミリスチル、ラノリン脂肪酸、トリカプリルグリセリル、オレイルアルコール、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、還元ラノリン、オクチルドデカノール、アーモンド油、アボカド油、オリーブ油、オレイン酸、オレンジラフイー油、カカオ脂、カロットエキス、ゴマ油、サザンカ油、サフラワー油、ジヒドロコレステロール、スクワラン、ステアリン酸コレステリル、セラミド2、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、セフニド3、ヒマワリ種子油ハイブリッドヒマワリ油、フィトスフィンゴシン、ブドウ種子油、ホホバ油、ホホバ種子油、ミネラルオイル、ミンク油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ユーリ油、ユーカリ葉油、ラノリン、リノール酸、ローズヒップ油、ワセリン及びポリグルタミン酸等が例示される。
【0056】
これらの保湿剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤 としては、安息香酸系紫外線吸収剤 、アントラニル酸系紫外線吸収剤 、サリチル酸系紫外線吸収剤 、ケイ皮酸系紫外線吸収剤 、トリアジン系紫外線吸収剤 、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などを使用しても良い。
【0058】
例えば紫外線吸収剤 として、紫外線吸収剤が安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸およびその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルフォン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2、4、6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1、3、5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸エチル、トプチルメトキシジペンゾイルメタン、オキシベンゾン−1、グアイアズレンスルホン酸エチル、酸化亜鉛、シノキサート、アントラニル酸系紫外線吸収剤 としては、例えば、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレートなどが例示される。
【0059】
これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
(抗菌剤)
抗菌剤が、有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であってもよい。
【0061】
例えば抗菌剤として、ハロカルバン、クロロフェネシン、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、チオキソロン、サリチル酸およびそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、チアントール、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウイキョウエキス、サンショウエキス、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及びウンデシレン酸誘導体などが例示される。
【0062】
これらの抗菌剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物において、界面活性剤を含有していたも良い。例えば、界面活性剤としては、アニオン界面活性剤(カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アミン塩、四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤(カルボン酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤)、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤などが挙げられる。
【0064】
本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物において、非イオン性の界面活性剤や低級アルコール、多価アルコール、あるいはオリーブ油、スクワラン、脂肪酸などの天然油脂に溶解して用いてもよい。
【0065】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0066】
POE系の親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0067】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0068】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0069】
油類としては、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油およびその硬化油。流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンがある。
【0070】
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などがある。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ホホバアルコール、ラノリンアルコール、バチルアルコール、2−デシルテトラテセシノール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等がある。合成エステルとしては、例えば、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等がある。シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、シリコーン樹脂等の三次元網目構造のもの等がある。
なお本発明は、以上例示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術範囲に含まれる。
【実施例】
【0071】
本発明について、実施例および図1〜図24に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
【0072】
〔実施例1:ニンニクエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0073】
(2)ニンニクエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したニンニクエキス(アスク薬品)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0074】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図1に示す。
【0075】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図1参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図2に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、ニンニクエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0076】
〔実施例2:醗酵黒ニンニクエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0077】
(2)醗酵黒ニンニクエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解した醗酵黒ニンニク抽出物(アスク薬品)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0078】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図3に示す。
【0079】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図3参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図4に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、醗酵黒ニンニクエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0080】
〔実施例3:ゴボウエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0081】
(2)ゴボウエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したゴボウ乾燥エキス(アスク薬品)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0082】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図5に示す。
【0083】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図5参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図6に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、ゴボウエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0084】
〔実施例4:西洋カボチャ種子エキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0085】
(2)西洋カボチャ種子エキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解した西洋カボチャ種子乾燥エキス(アスク薬品)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0086】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図7に示す。
【0087】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図7参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図8に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、西洋カボチャ種子エキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0088】
〔実施例5:キウイ種子エキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0089】
(2)キウイ種子エキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したキウイ種子エキス−P(オリザ油化)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0090】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図9に示す。
【0091】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図9参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図10に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、キウイ種子エキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0092】
〔実施例6:ギャバエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0093】
(2)ギャバエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したオリザギャバエキス−C(オリザ油化)およびオリザギャバ−Cよりも高濃度のギャバを含有するオリザギャバエキス−HC5(オリザ油化)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0094】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図11に示す。
【0095】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図11参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図12に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、ギャバエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0096】
〔実施例7:カッコンエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0097】
(2)カッコンエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したカッコンエキスパウダーW(感光社)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0098】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図13に示す。
【0099】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図13参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図14に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、カッコンエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0100】
〔実施例8:チンピエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0101】
(2)チンピエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したチンピエキスパウダーW(感光社)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0102】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図15に示す。
【0103】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図15参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図16に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、チンピエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0104】
〔実施例9:オウバクエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0105】
(2)オウバクエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したオウバクエキスパウダーW(感光社)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0106】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図17に示す。
【0107】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図17参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図18に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、オウバクエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0108】
〔実施例10:オウゴンエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0109】
(2)オウゴンエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したオウゴンエキスパウダーW(感光社)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0110】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図19に示す。
【0111】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図19参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図20に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、オウゴンエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0112】
〔実施例11:アガリクスエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0113】
(2)アガリクスエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したアガリクスエキスパウダーMF(丸善製薬)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0114】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図21に示す。
【0115】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図21参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図22に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、アガリクスエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0116】
〔実施例12:ガラナエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0117】
(2)ガラナエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したガラナ抽出物(Guarana Extrato Seco Sol.Min.22%:Grupo Centroflora)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0118】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図23に示す。
【0119】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図23参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図24に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、ガラナエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0120】
以上のように、本発明はニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスを有効成分とする生活習慣病改善剤、並びにこれを含む組成物を提供する。本発明は、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスのAMPK活性化作用を利用する分野、具体的には、医薬品分野や、医療分野、食品分野、化粧品分野等に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、実施例にかかるニンニクエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図2】図2は、実施例にかかるニンニクエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図3】図3は、実施例にかかる醗酵黒ニンニクエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図4】図4は、実施例にかかる醗酵黒ニンニクエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図5】図5は、実施例にかかるゴボウエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図6】図6は、実施例にかかるゴボウエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図7】図7は、実施例にかかる西洋カボチャ種子エキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図8】図8は、実施例にかかる西洋カボチャ種子エキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図9】図9は、実施例にかかるキウイ種子エキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図10】図10は、実施例にかかるキウイ種子エキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図11】図11は、実施例にかかるギャバエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図12】図12は、実施例にかかるギャバエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図13】図13は、実施例にかかるカッコンエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図14】図14は、実施例にかかるカッコンエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図15】図15は、実施例にかかるチンピエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図16】図16は、実施例にかかるチンピエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図17】図17は、実施例にかかるオウバクエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図18】図18は、実施例にかかるオウバクエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図19】図19は、実施例にかかるオウゴンエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図20】図20は、実施例にかかるオウゴンエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図21】図21は、実施例にかかるアガリクスエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図22】図22は、実施例にかかるアガリクスエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図23】図23は、実施例にかかるガラナエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図24】図24は、実施例にかかるガラナエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスより成る群から選ばれるエキスを有効成分として含有する生活習慣病改善剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本人の死因の第一位は、心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患である。心血管疾患の主要な原因は、肥満、糖尿病、高脂血症、および高血圧を重複するメタボリックシンドロームであると考えられる。したがって、メタボリックシンドロームの予防方法や治療方法の確立は極めて重要な課題である。
メタボリックシンドロームは、心血管疾患予防を第一義の目的としてハイリスクグループを絞り込むために定義された疾患概念である。具体的には、内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性(耐糖能異常)、動脈硬化惹起性リポ蛋白異常、血圧高値を合併する病態である。
WHOおよびNECP(米国)は、2002年、健康対策としてメタボリックシンドロームを重視する方針を打ち出し、メタボリックシンドロームの診断基準を発表している。その診断基準には、複数のリスクファクターが含まれている。日本人においても、これらのリスクファクターを3個以上合併した群では、対象群と比較して、心血管疾患危険率が30倍以上に達することが報告されている。
メタボリックシンドロームは、従来、シンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群などといわれてきた。しかし、2005年、日本内科学会および関連7学会により、『内臓脂肪の蓄積と、それを基盤にしたインスリン抵抗性および糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧を複数合併するマルチプルリスクファクター症候群で、動脈硬化になりやすい病態』と定義された。
【0003】
飽食と運動不足による過栄養とを原因として内臓脂肪(腹腔内脂肪)が蓄積すると、脂肪細胞は、様々な生理活性物質や、アディポサイトカインの分泌異常をきたす。その結果、糖・脂質代謝異常、高血圧、さらには心血管疾患を惹起する。
アディポサイトカインとは、脂肪細胞において産生・分泌される生理活性物質の総称である。脂肪細胞からは種々のアディポサイトカインが産生・分泌される。それらアディポサイトカインは、病態を改善させる善玉アディポサイトカインと、反対に病態を悪化させる悪玉アディポサイトカインとに大別される。
【0004】
アディポネクチン(別名Acrp30)は、抗糖尿病および抗動脈硬化作用を有する善玉アディポサイトカインである。アディポネクチンは、脂肪組織特異的に発現する遺伝子apM1(adipose most abundant gene transcript 1)の産物で、224アミノ酸からなる分泌タンパク質である。
アディポネクチンは分泌タンパク質に共通して見られるシグナル配列に続き、N末端部はコラーゲン様線維状ドメイン、C末端部は補体C1q様球状ドメインからなる。血漿中でアディポネクチンはコラーゲン様ドメインを中心に多量体を形成する。また、全長アディポネクチンからは、C末端部の補体C1q様球状ドメインのみの球状アディポネクチンが生成され、微量でも全長アディポネクチンよりも高い活性を示すことが報告されている。また、非特許文献1には、血中アディポネクチン量は、肥満、インスリン抵抗性、およびII型糖尿病によって低下するが、マウスを用いた実験において、アディポネクチンの投与によって血糖値が低下し、インスリン抵抗性が改善されることが記載されている。また、アディポネクチンが体重制御のための薬剤となりうることが示唆されている。
非特許文献2には、アディポネチンが結合するアディポネクチン受容体(AdipoR)が存在し、該AdipoRが、アディポネチンによる生物のエネルギー状態、脂肪酸酸化、およびグルコース輸送の調節を媒介していることが記載されている。また、AdipoRアゴニストは、抗糖尿病薬や、抗アテローム効果症薬となりうることが示唆されている。
また、非特許文献3には、骨格筋モデル細胞であるC2C12を用いた検討により、アディポネクチンはAdipoRを介し、5’−AMP活性化プロテインキナーゼ(以下、「AMPK」ともいう)をリン酸化させることで種々の生理作用を示すことが記載されている。
【0005】
AMPKは、細胞内ATPレベルが低下するような状況下において活性化され、脂質や糖質代謝を促進してATP合成を促す“metabolic sensor”として機能することが知られている。さらに最近の研究によって、AMPKは、単に上記のような細胞内のエネルギーレベルにより調節されるだけではなく、さらに筋肉運動の他、レプチン(非特許文献4)、アディポネクチンのような脂肪細胞由来ホルモン(非特許文献2)、糖尿病治療薬であるメトフォルミン(非特許文献5)の物質等によっても活性化され、それらによって惹起される脂肪酸酸化やグルコース利用促進作用の細胞内メディエーターであると考えられている。
【0006】
ここで、AMPKは、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)をリン酸化(Ser79)することにより、ACCの活性を抑制し、ACCの産生物であるマロニルCoA量を低下させることができる。その結果、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT−1)がマロニルCoAによる強い阻害を受けず、CPT−1の活性が亢進し、ミトコンドリア内に長鎖脂肪酸が取り込まれ、脂肪酸酸化を促進されると考えられている。
【0007】
従って、AMPKの活性化は、脂質代謝促進、糖質代謝及び脂肪蓄積抑制等エネルギー代謝活性化、肥満や糖尿病等の生活習慣病の予防・改善に寄与すると考えられる。
【0008】
AMPKは上述のとおり、生体内の代謝レベルを反映しており、定常状態ではそのリン酸化レベルは低く保たれている。AMPKのリン酸化レベルは、例えばアディポネクチンのようなAMPK活性化物質の存在下で定常状態に比べて増強されることから、AMPKのリン酸化レベルの検出は、AMPK活性化能の指標として有用である。
【非特許文献1】Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.98,2005−2010,2001.
【非特許文献2】Nature 423,762−769,2003.
【非特許文献3】Nature Med. 8,1288−1295,2002.
【非特許文献4】Nature 415,339−343,2002.
【非特許文献5】J.Clin.Invest. 108,1167−1174,2001.
【特許文献1】特願2007−114795
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、AMPKを活性化する物質はメタボリックシンドロームの予防および治療に有効であると考えられる。本発明の目的は、代謝異常に起因する各種疾患を予防・改善に寄与する生活習慣病改善剤、並びにそれを含む組成物を提供することである。
【0010】
ニンニク、西洋カボチャ、ゴボウ、キウイは、いずれも食経験が豊富で安全性が高く、入手が容易で加工性にも優れ、現実的にヒトへの利用が可能な天然物素材である。
ニンニクは滋養強壮の効果があるといわれ、醗酵黒ニンニクは黒ニンニクを微生物醗酵あるいは所定の温度・湿度の下で熟成させたもので、ニンニク特有の臭気を緩和されているとされる。
西洋カボチャはアンデス山脈高地の冷涼な土地で栽培化された種で、現在日本で広く栽培されている。西洋カボチャはビタミンAを豊富に含み、その種子は、前立腺肥大症における排尿障害や過敏膀胱の改善に効果があるとされている。
ゴボウは、日本には薬草として中国から伝来したもので、薬草としては発汗利尿作用のある根、浮腫、咽頭痛、解毒に効果のある種子が用いられる。繊維質が多く、便秘予防に効果があるとされる。
キウイはビタミンC含量が高く、食用として利用される他、その種子は化粧品用のオイルの原料としても用いられている。
従来、AMPK活性化効果を有する物質として、アディポネクチン、オスモチン、メトホルミン、AICARが知られているが、しかしながら、これまでに、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、西洋カボチャ種子エキスがAMPKを活性化しうるという報告はない。
また、本願発明者らは、ゴボウエキスまたはキウイエキスを、オスモチンを含む組成物と併用することで、優れた生活習慣病改善効果を発揮しうることを特許文献1において報告しているが、ゴボウエキスあるいはキウイ種子エキスそのものが、AMPKを活性化しうるという報告はなされていない。
【0011】
カッコン、チンピ、オウバク、オウゴンは古くから生薬として用いられ、近年ではサプリメントとしても活用されている。
カッコンは、マメ科のクズの周皮を除いた根であり、発汗、解熱、緩解の作用があり、漢方では、感冒などの熱性病や肩のこりを伴う疾患に用いる。
チンピは、ミカン科のウンシュウミカンの成熟した果皮であり、健胃、駆風、去痰、鎮咳作用があり、食欲不振や嘔吐、疼痛、咳嗽などに用いる。
オウバクは、ミカン科のキハダまたはPhellodendron chinense Schneiderの周皮を除いた樹皮で、板状で味はきわめて苦く、粘液性がある。漢方では、消炎性収れん剤として、下半身の炎症や充血、黄疸、下痢などの症状に用いられる。
オウゴンは、シソ科のコガネバナの周皮を除いた根であり、消炎、解熱薬として、黄疸、呼吸器感染症、胃炎、腸炎などに用いられる。
上記のように、これらの植物由来のエキスはさまざまな効能が知られており、また、本願発明者らは、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキスを、オスモチンを含む組成物と併用することで、優れた生活習慣病改善効果を発揮しうることを特許文献1において報告している。
しかしながら、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキスそれ自体がAMPKを活性化しうるという報告は、これまでにない。
【0012】
アガリクスはブラジル原産のキノコであるヒメマツタケの俗称で、免疫の働きを活発にする可能性がある。結果として癌の発生予防や増殖抑制が期待され、また癌治療に伴う副作用の軽減、免疫賦活作用により薬剤治療の効果の向上が望めると言われる場合があり、サプリメントとして広く服用されている。しかしながら、これまでにアガリクスエキスがAMPKを活性化しうるという報告はない。
【0013】
ギャバは、別名γ―アミノ酪酸と呼ばれ、動植物界に広く分布しているアミノ酸の一種である。動物の脳髄に存在し、神経の主要な抑制性伝達物質として、脳の血流を活発にし、脳への酸素供給量を増加させることで脳細胞の代謝機能を促進すると言われている。ギャバを含む食品としては、米胚芽や米糠などが知られており、近年では食品から抽出したギャバあるいはギャバエキスをサプリメントとして摂取することも行われている。しかしながら、これまでに、ギャバエキスがAMPKを活性化しうるという報告はない。
【0014】
ガラナは、アマゾン川流域が原産のつる植物で、その種子にはカフェインやタンニンが豊富に含まれており、ここからアルコール抽出したエキスは疲労回復や滋養強壮として用いられている。ガラナの効能については、未解明の部分が多いが、これまでにガラナエキスがAMPKを活性化しうるという報告はない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
鋭意検討の結果、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスによりAMPKを活性化しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスを有効成分とする生活習慣病改善剤。
(2)5’−AMP活性化プロテインキナーゼを活性化する能力を有することを特徴とする(1)に記載の生活習慣病改善剤。
(3)(1)または(2)に記載の生活習慣病改善剤を含有することを特徴とする組成物。
(4)生活習慣病は、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、および心臓病からなる群より選択される少なくとも1つの疾患であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の生活習慣病改善剤または組成物。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる生活習慣病改善剤は、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスを含有する。それゆえ、本発明の生活習慣病改善剤は継続的に摂取することで、生体においてAMPKを活性化させ、代謝異常に起因する各種疾患を予防・改善するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態について説明すると、以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
<I.エキス>
本発明にかかるエキスは、ニンニク、醗酵黒ニンニク、ゴボウ、西洋カボチャ種子、キウイ種子、カッコン、チンピ、オウバク、オウゴン、アガリクス、ガラナよりなる群から選択される天然物素材から容易に分離・抽出することが可能であり、5’−AMP活性化プロテインキナーゼ(以下、「AMPK」ともいう)をリン酸化する活性(以下、「AMPKリン酸化活性」ともいう)を有するものである。
本発明にかかるギャバエキスは、米胚芽、米糠、茶、野菜類などから分離・抽出することが可能であり、また、グルタミン酸を含む食品素材に微生物を利用した酵素反応でギャバを産生させたものから分離・抽出してもよい。
【0018】
本明細書において、「タンパク質のAMPKリン酸化活性」とは、該タンパク質をAMPKに作用させた時の全AMPK(以下、「total−AMPK」または「t−AMPK」ともいう)中、リン酸化を受けたAMPK(以下、「p−AMPK」ともいう)の割合が意図される。つまり、t−AMPK中、p−AMPKの割合が高いほど、該タンパク質のAMPKリン酸化活性が高いことを示す。なお、AMPKリン酸化活性は、本明細書に記載されている方法により測定することができる。
【0019】
エキスの製造方法としては、水や熱水、有機溶剤等を用いた一般的な溶剤抽出の他、蒸留、圧搾法が挙げられ、これに遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等による分離・精製方法を適宜組み合わせることができるが特に限定されない。有機溶剤としては、メタノールやエタノール等のアルコール系有機溶剤が好ましく、特にエタノールが好ましく、適宜水を加えて20〜95%(V/V)エタノール水としてもよい。
【0020】
上記抽出により得られるエキスは、前記抽出等方法及び/又は分離・精製方法により医薬品上、化粧品上又は飲食品上許容し得る規格に適合し、本発明の効果を発揮するものであれば、粗精製物であってもよい。
【0021】
本発明にかかるエキスの製造に供する天然物素材は、医薬品上、化粧品上又は飲食品上許容し得る規格に適合し、本発明の効果を発揮するものであればよく、特に限定されない。また、天然物素材は天然より採取したまま用いてもよく、あるいは醗酵・熟成等の加工を施してからエキスの製造に供してもよい。
【0022】
醗酵・熟成の方法としては、微生物等の添加剤を介在させる方法や、所定の温度と湿度の下で熟成させる方法があるが、特に限定されない。
【0023】
本発明にかかるエキスは乾燥した粉末、あるいは減圧濃縮等によって濃縮したペーストであってもよく、形状は特に限定されない。
【0024】
また、本発明にかかるエキスは1種を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることが可能であり、特に限定されない。
【0025】
<II.エキスを含む組成物>
本発明にかかる組成物は、上述した本発明のエキスを含有する。本発明にかかるエキスはAMPK活性化作用を有する。それゆえ、本発明にかかる組成物は、代謝異常に起因する疾患の予防・改善に用いることができる。
【0026】
前記疾患としては、生活習慣病を挙げることができる。より具体的には、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、および心臓病を挙げることができる。本発明にかかる組成物は、上記疾患を単独で発症している患者に対して適用してもよいし、複数の疾患を併発している患者に対して適用してもよい。
【0027】
本発明にかかる組成物を、臨床適用のための治療薬剤として用いる場合、その投与条件は、治療対象となる疾患を発症するモデル動物系を用いて決定することができる。すなわち、上記モデル動物を用いて投与量、投与間隔、投与ルートを含む投与条件を検討し、適切な予防または治療効果を得られる条件を決定することができる。
【0028】
また、本発明にかかる組成物は、薬学的に許容できる所望の担体と組み合わせることができる。上記担体としては、例えば滅菌水、生理食塩水、緩衝剤、植物油、乳化剤、懸濁剤、塩、安定剤、保存剤、界面活性剤、徐放剤、他のタンパク質(BSAなど)、トランスフェクション試薬(リポフェクション試薬、リポソーム等を含む)等が挙げられる。さらに、使用可能な担体としては、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンのり、マグネシウムトリシリケート、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイドシリカ、ばれいしょデンプン、尿素などが挙げられる。また、本発明にかかる組成物には、上記例示した担体以外にも、薬学的に許容される範囲であれば、いかなる物質を含んでいてもよい。
【0029】
上記において、本発明にかかるエキスの含有量や、該エキス以外の成分については特に限定されるものではない。使用用途、投与方法等に応じて設定されればよい。
【0030】
また、本発明にかかる組成物を製剤化する場合、その剤型は特に限定されない。例えば、溶液(注射剤)、粉体、マイクロカプセル、錠剤などであってよい。また、本発明にかかる組成物を投与対象に投与する方法は、特に限定されるものではなく、全身または局所的に投与することができる。具体的には、例えば、経皮的、鼻腔内的、経気管支的、筋内的、腹腔内、静脈内、関節内、皮下、脊髄腔内、脳室内、または経口的に投与することができる。中でも、静脈内投与または経口投与することが好ましく、経口投与がより好ましい。また、全身投与による副作用や、効果の低下がある場合には、局所投与することが好ましい。例えば本発明にかかる組成物を徐放剤と組み合わせ、疾患部位を標的とするドラッグデリバリーにより効果的に治療を行うことが可能と考えられる。投与量、投与方法は、治療薬剤の有効成分の組織移行性、治療目的、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
【0031】
また、本発明にかかる組成物において、本発明にかかるエキスの含有量は特に限定されるものではく、使用用途、投与方法等に応じて設定されればよい。一般的に、本発明にかかるエキスの含有量は、総組成物の0.1〜90重量%であることが好ましい。また、本発明にかかる組成物の投与対象への投与量も特に限定されるものではないが、一般的に、非経口投与では、1日当たり体重1kg当たり、0.0001mg〜1000mg、好ましくは0.001mg〜300mg、より好ましくは0.01mg〜100mgである。
【0032】
特にギャバエキスを含有する組成物において、過剰投与はかえって効果を減ずる可能性があることから、その投与量は含有するギャバ量に換算して、1日当たり体重1kg当たり、0.005〜500mg、好ましくは0.05〜50mgである。
【0033】
しかし、疾患状態、体重、及び治療に対する患者の個々の反応、投与される組成物の種類、および投与形態、病気の経過の段階または投与の間隔に依存して、これら投与量は適宜調整することが好ましい。つまり、上述した最小投与量より少ない投与量としてもよいし、治療効果を得るために上述した最大投与量を越えて投与してもよい。投与は1回〜数回に分けて行うことができ、1日あたり1〜5回投与することができる。
【0034】
また、本発明にかかる組成物を投与する対象は、特に限定されるものではない。例えば、ヒト、およびマウス、ラット、ウサギ、サルなどの非ヒト哺乳動物、およびその他の脊椎動物等が挙げられる。非ヒト哺乳動物への適用は、代謝異常に起因する疾患に対する予防法または治療法を開発するためのモデルとする上でも有用である。これにより、例えば生活習慣病を予防する新たな治療プロトコルを開発することができる。
【0035】
また、本発明にかかる組成物は、医薬品として用いることができるだけではなく、機能性食品素材や、機能性食品として用いることもできる。このような機能性食品素材や、機能性食品としての利用は、代謝異常に起因する疾患、例えば、生活習慣病の予防効果を奏する。
【0036】
さらに、本発明にかかる組成物は、AMPK活性化を介して、代謝を改善することから、化粧品素材や、化粧品として用いることで、代謝異常が一因である老化の予防・改善にも利用可能である。
【0037】
また、本発明にかかる組成物は1種を単独で、もしくは2種以上を組み合わせて用いることが可能であり、特に限定されない。
【0038】
<III.本発明にかかる組成物を含有する食品組成物>
本発明にかかる組成物を含有する食品組成物の形態は特に制限されない。したがって、本発明の食品は、前述の組成物のまま、又はこれに食品に通常用いられている賦形剤または添加剤を配合して、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、粉剤、カプセル剤、水和剤、乳剤、液剤、エキス剤、またはエリキシル剤等の剤型に、公知の手法にて製剤化することもできる。好ましい剤型は錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、粉剤およびカプセル剤などの固形投与形態であり、より好ましくは顆粒剤、または錠剤や丸剤等の圧縮成型された剤型である。
【0039】
食品に通常用いられる賦形剤としては、例えば、結合剤(例えば、シロップ、アラビアゴム、ショ糖、乳糖、粉末還元麦芽糖、セルロース糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デンプン類、ゼラチン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドンなど)、滑沢剤(例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ポリエチレングリコール)、崩壊剤(例えば、ジャガイモ澱粉)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、固結防止剤(例えばシリカ)等を挙げることができる。添加剤としては、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などを例示することができる。
【0040】
なお、本発明が対象とする食品には、上記製剤形態を有するサプリメント〔保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)および栄養補助食品などのいわゆる健康食品も含まれる〕に加えて、前記抗酸化剤を、飲食物の製造原料の一つとして用いて調製される食品〔一般食品(健康食品を含む)のほか、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)も含まれる〕も含まれる。
【0041】
ここで食品の種類は特に制限されず、飲料(乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、野菜飲料、野菜・果実飲料、アルコール飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、スポーツ飲料、サプリメント飲料、紅茶飲料、緑茶、ゼリー入り飲料、ブレンド茶等の茶飲料等)、菓子類〔カスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;ミルクアイスクリーム、果汁入りアイスクリーム及びソフトクリーム、アイスキャンディー等の冷菓類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ハードキャンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフィ等のキャラメル類;ハードビスケット、クッキー、おかき、煎餅等の焼き菓子類〕、パン類、スープ類(コンソメスープ、ポタージュスープ等)、魚肉加工品(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコンなど)、畜肉加工品(ハム、ソーセージ、焼き豚等の)、麺類(うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等)、ソース類(セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソース)、総菜などを例示することができる。中でも継続的に摂取するという観点から、より好ましくは飲料である。
【0042】
本発明の食品組成物は、その有効成分であるニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスのAMPK活性化作用により、代謝異常に起因する各種疾患、例えば、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、動脈硬化や心臓病などの予防または改善に有効に使用することができる。
【0043】
このため本発明の食品には、一般食品のほか、AMPK活性化作用を効能とし、その特定の保健用途で使用される食品が含まれる。かかる食品として特定保健用食品またはこれに準じる健康食品を挙げることができる。なお、特定保健用食品(条件付き特定保健用食品を含む)は、その包装容器などに、日本国厚生労働省が承認または認可した機能表示または保健用途の表示をすることが可能な食品である。本発明において特定の保健の目的は、AMPK活性化、具体的にはAMPKを介する経路の活性化または阻害に起因する疾患の治療および改善であり、表示の一例として、「抗メタボリックシンドローム作用」を挙げることができる。特定保健用食品は、こうした機能表示ができる点で、機能表示ができない一般食品と差別化を図ることができるため、本発明でいう食品の好適な一態様である。
【0044】
<IV.本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物>
本発明の生活習慣病改善剤または組成物として、以下のような化粧品組成物が例示できる。
本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物の形態は特に制限されない。したがって、固体、液体、ペースト、ゼリー、粉末などのいずれの状態をとるものであってもよい。このような状態を形成するために、例えばゲル化剤を用いて固化したり、液体を用いて分散状態にしたりすることができる。また、溶媒を添加して溶液にしたり、噴霧乾燥して粉末状にしたりすることもできる。
【0045】
また、本発明に係る本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物の剤形は限定されず、アンプル、カプセル、粉末、顆粒、丸剤、錠剤、固形剤、液剤、ゲル、気泡、乳液、クリーム、軟膏、シート、ムース、浴用剤など多様なものとすることができる。
【0046】
本発明に係る本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物はヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が期待できる限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【0047】
本発明の本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物には、使用目的に応じて美白剤、保湿剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、及びそれら以外のさまざまな成分をさらに添加させておくことができる。以下に、一例を示す。
【0048】
(美白剤)
美白剤が、メラニン生成抑制剤および/またはチロシナーゼ活性阻害剤であってもよい。
【0049】
例えば、美白剤として、L−アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン及びその誘導体、ルシノール、エデト酸及びその誘導体、並びに胎盤抽出物、t−AMCHA、アセロラエキス、エイジツエキス、エラグ酸またはその誘導体、火辣エキス、カミツレエキス,カミツレ花エキス・(尿素)、グルタチオン、トコトリエノール、フェルラ酸、ラズベリーケトン、ルシノール、ウワウルシエキス、ジパルミチン酸ピリドキシン、イオウ、コウジ酸またはその誘導体、グルコサミンまたはその誘導体、ヒドロキシケイヒ酸またはその誘導体、グルタチオン、アルニカエキス、ソウハクヒエキス、サイコエキス、ボウフウエキス、マンネンタケ菌糸体培養物またはその抽出物、シナノキエキス、モモ葉エキス、エイジツエキス、クジンエキス、ジユエキス、トウキエキス、ヨクイニンエキス、カキ葉エキス、ダイオウエキス、ボタンピエキス、ハマメリスエキス、マロニエエキス、オトギリソウエキス、油溶性カンゾウエキス等が例示される。
【0050】
これらの美白剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
(抗老化剤)
抗老化剤が、抗炎症剤及び/または抗酸化剤であっても良い。
【0052】
例えば、抗老化剤として抗炎症剤と抗酸化剤が用いられ、抗炎症剤としては、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、イソプロピルアミノカプロン酸及びその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、サリチル酸メチル、γ−オリザノール、抗酸化剤としては、αカロチン、βカロチン、γカロチン、リコピン、クリプトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、イソゼアキサンチン、ロドキサンチン、カプサンチン、クロセチン等のカロチノイド;1,4−ジアザシクロオクタン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、αトコフェロール、βトコフェロール、γトコフェロール、dトコフェロール、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、アラニン又はそのアルキルエステル;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート等のタンニン類、ルチン等のフラボノイド、その他没食子酸プロピル、アスタキサンチン、カロチン、トコフエロール、アスコルビン酸、エデト酸四ナトリウム、エリソルビン酸、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、ジビチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、メチルシラノールジオレイルトコフェロール・無水ケイ酸混合物、ニコチン酸ベンジル、感光素401号、アスパラギン酸、アデノシン三リン酸2Na 、アミノ酪酸、ウイキョウエキス、オランダカラシエキス、カフェイン、クロレラエキス、サフランエキス、ショウキョウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、葉酸、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシトール、ウコンエキス、オリザノール、カロチン、カロットエキス、コムギ胚牙エキス、センキュウエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキ根エキス、ドダミエキス、トコフエロール、ニコチン酸トコフエロール、ボタンエキス、エルゴカルシフェロール、ジカプリル酸ピリドキシン、バチルアルコール、ステアリン酸グリチルレチニル、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、塩酸ジフェンヒドラミン、塩化リゾチーム、アミノカプロン酸、レイシエキス、ヨクイニン、メリロートエキス、ボタンエキス、トウキエキス、トウキ根エキス、センキュウエキス、ゲンノショコエキス、アラントイン、アルニカエキス、アルニカ花エキス、オウゴンエキス、オウレンエキス、オドリコソウエキス、ガマ穂エキス、カミツレエキス、カラミン、カワラヨモギエキス、甘草エキス、グアイアズレン、クチナシエキス、クマザサエキス、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、コンフリーエキス、コンフリー葉エキス、酢酸トコフエロール、サリチル酸メチル、酸化亜鉛、シコンエキス,ムラサキ根エキス、シソエキス、シソ葉エキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、スイカズラエキス、セージエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、トウキンセンカエキス、ピリドキシンHCl、ビワ葉エキス、フユボダイジュエキス、モモ葉・果実エキス、ヤグルマギクエキス、ユキノシタエキス、ヨモギエキス、レタスエキス、ローマカミツレエキス、ワレモコウエキス及びカカロール、ポリアミン等が例示される。
【0053】
これらの抗老化剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
(保湿剤)
保湿剤としては、親水性保湿剤および/または親油性保湿剤であればよく、親水性保湿剤として、アミノ酸,ペプチド,蛋白質,高級アルコール及びこれらの誘導体,親油性保湿剤として、リン脂質 ,糖 脂質 ,ステロイド類を用いてもよい。
【0055】
保湿剤として、ピリドンカルボン酸ナトリウム、グリコール、グリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元アルコール、ソルビトール、多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、その他セリン、グリシン、スレオニン、アラニン、コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヒドロネクチン、フィブロネクチン、ケラチン、エラスチン、ローヤルゼリー、コンドロイチン硫酸ヘパリン、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、リノール酸またはそのエステル類、エイコサペンタエン酸またはそのエステル類、ペクチン、ビフィズス菌発酵物、乳酸発酵物、酵母抽出物、レイシ菌糸体培養物またはその抽出物、小麦胚芽油、アボガド油、米胚芽油、ホホバ油、ダイズリン脂質、γ−オリザノール、ビロウドアオイエキス、ヨクイニンエキス、ジオウエキス、タイソウエキス、カイソウエキス、キダチアロエエキス、マンネンロウエキス、アルニカエキス、小麦フスマ、ピロリドンカルボン酸、トマトエキス、ツバキ油、大豆リン脂質、ヒアルロン酸、トレオニン、グリコール酸アンモニウム、アルギン酸メチルシラノール、ヨクイニン、トウキエキス、トウキ根エキス、ダイズエキス、アスパラガスエキス、DNA−Na、PCA−Na、RNA−Na、アシタバエキス、アスパラギン酸、アマチヤエキス、アラニン、アルギニン、アルギン酸Na、アルテアエキス、アロエベラエキスー、オイスタエキス、オオムギバクガエキス、カキ葉、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解コンキオリン、加水分解卵殻膜、加水分解卵白、加水分解シルク、加水分解ダイズタンパク、褐藻エキス、カリンエキス、キイチゴエキス、キシリトール、キトサン、キュウリエキス、キュウリ果実エキス、グアバ菓エキス、クインスシードエキス、グリシン、グリセリン、グルコース、グレープフルーツエキス、グレープフルーツ果実エキス、クレマティスエキス、コメ発酵液、コンドロイチン硫酸Na、魚コラ一ゲノ、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、グリセリン、シスチン、システイン、スギナエキス、ゼニアオイエキス、セリン、ソルビトール、ダイズタンパク、トマトエキス、乳酸Na、乳酸桿菌、ダイズ醗酵エキス、尿素仰/ノバラエキス・アーモンド浬、コーン油、ハチミツ、ヒアルロン酸Na、フクノエキス、ベタイン、ヘチマエキス、マルチトール、マルトース、マンニトール、ユリエキス、ラクトフェリン、リシン、リンゴエキス、レンゲソウエキス、ローヤルゼリー、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール1000、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソブチル、ヘキシルデカノール、乳酸ミリスチル、ラノリン脂肪酸、トリカプリルグリセリル、オレイルアルコール、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、還元ラノリン、オクチルドデカノール、アーモンド油、アボカド油、オリーブ油、オレイン酸、オレンジラフイー油、カカオ脂、カロットエキス、ゴマ油、サザンカ油、サフラワー油、ジヒドロコレステロール、スクワラン、ステアリン酸コレステリル、セラミド2、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、セフニド3、ヒマワリ種子油ハイブリッドヒマワリ油、フィトスフィンゴシン、ブドウ種子油、ホホバ油、ホホバ種子油、ミネラルオイル、ミンク油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ユーリ油、ユーカリ葉油、ラノリン、リノール酸、ローズヒップ油、ワセリン及びポリグルタミン酸等が例示される。
【0056】
これらの保湿剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤 としては、安息香酸系紫外線吸収剤 、アントラニル酸系紫外線吸収剤 、サリチル酸系紫外線吸収剤 、ケイ皮酸系紫外線吸収剤 、トリアジン系紫外線吸収剤 、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などを使用しても良い。
【0058】
例えば紫外線吸収剤 として、紫外線吸収剤が安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸およびその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルフォン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン、2、4、6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1、3、5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸エチル、トプチルメトキシジペンゾイルメタン、オキシベンゾン−1、グアイアズレンスルホン酸エチル、酸化亜鉛、シノキサート、アントラニル酸系紫外線吸収剤 としては、例えば、ホモメンチル−N− アセチルアントラニレートなどが例示される。
【0059】
これらの紫外線吸収剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
(抗菌剤)
抗菌剤が、有機系抗菌剤および/または無機系抗菌剤であってもよい。
【0061】
例えば抗菌剤として、ハロカルバン、クロロフェネシン、塩化リゾチーム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、ヘキサクロロフェン、ベルベリン、チオキソロン、サリチル酸およびそれらの誘導体、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ヘキサクロロフェン、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、チアントール、ヒノキチオール、トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジングルコン酸塩、フェノキシエタノール、レゾルシン、アズレン、サリチル酸、ジンクピリチオン、モノニトログアヤコールナトリウム、ウイキョウエキス、サンショウエキス、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム及びウンデシレン酸誘導体などが例示される。
【0062】
これらの抗菌剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物において、界面活性剤を含有していたも良い。例えば、界面活性剤としては、アニオン界面活性剤(カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アミン塩、四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤(カルボン酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤)、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤などが挙げられる。
【0064】
本発明にかかる組成物を含有する化粧品組成物において、非イオン性の界面活性剤や低級アルコール、多価アルコール、あるいはオリーブ油、スクワラン、脂肪酸などの天然油脂に溶解して用いてもよい。
【0065】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0066】
POE系の親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0067】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0068】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0069】
油類としては、アボカド油、オリーブ油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、タートル油、マカデミアンナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、ナタネ油、卵黄油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、キリ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂、豚脂、ラノリン、鯨ロウ、ミツロウ、カルナウバロウ、モクロウ、キャンデリラロウ、スクワラン等の動植物油およびその硬化油。流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリパルミチン酸グリセリン等の合成トリグリセリンがある。
【0070】
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ウンデシン酸、トール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などがある。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、ホホバアルコール、ラノリンアルコール、バチルアルコール、2−デシルテトラテセシノール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等がある。合成エステルとしては、例えば、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、オレンイ酸デシル、ジメチルオクタン酸、乳酸セチル、乳酸ミリスチル等がある。シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、シリコーン樹脂等の三次元網目構造のもの等がある。
なお本発明は、以上例示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術範囲に含まれる。
【実施例】
【0071】
本発明について、実施例および図1〜図24に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
【0072】
〔実施例1:ニンニクエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0073】
(2)ニンニクエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したニンニクエキス(アスク薬品)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0074】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図1に示す。
【0075】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図1参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図2に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、ニンニクエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0076】
〔実施例2:醗酵黒ニンニクエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0077】
(2)醗酵黒ニンニクエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解した醗酵黒ニンニク抽出物(アスク薬品)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0078】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図3に示す。
【0079】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図3参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図4に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、醗酵黒ニンニクエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0080】
〔実施例3:ゴボウエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0081】
(2)ゴボウエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したゴボウ乾燥エキス(アスク薬品)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0082】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図5に示す。
【0083】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図5参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図6に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、ゴボウエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0084】
〔実施例4:西洋カボチャ種子エキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0085】
(2)西洋カボチャ種子エキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解した西洋カボチャ種子乾燥エキス(アスク薬品)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0086】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図7に示す。
【0087】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図7参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図8に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、西洋カボチャ種子エキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0088】
〔実施例5:キウイ種子エキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0089】
(2)キウイ種子エキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したキウイ種子エキス−P(オリザ油化)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0090】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図9に示す。
【0091】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図9参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図10に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、キウイ種子エキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0092】
〔実施例6:ギャバエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0093】
(2)ギャバエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したオリザギャバエキス−C(オリザ油化)およびオリザギャバ−Cよりも高濃度のギャバを含有するオリザギャバエキス−HC5(オリザ油化)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0094】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図11に示す。
【0095】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図11参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図12に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、ギャバエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0096】
〔実施例7:カッコンエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0097】
(2)カッコンエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したカッコンエキスパウダーW(感光社)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0098】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図13に示す。
【0099】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図13参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図14に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、カッコンエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0100】
〔実施例8:チンピエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0101】
(2)チンピエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したチンピエキスパウダーW(感光社)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0102】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図15に示す。
【0103】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図15参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図16に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、チンピエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0104】
〔実施例9:オウバクエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0105】
(2)オウバクエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したオウバクエキスパウダーW(感光社)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0106】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図17に示す。
【0107】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図17参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図18に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、オウバクエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0108】
〔実施例10:オウゴンエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0109】
(2)オウゴンエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したオウゴンエキスパウダーW(感光社)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0110】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図19に示す。
【0111】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図19参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図20に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、オウゴンエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0112】
〔実施例11:アガリクスエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0113】
(2)アガリクスエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したアガリクスエキスパウダーMF(丸善製薬)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0114】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図21に示す。
【0115】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図21参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図22に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、アガリクスエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
【0116】
〔実施例12:ガラナエキスのAMPKリン酸化活性測定〕
(1)C2C12細胞の分化誘導
マウス骨格筋細胞であるC2C12細胞を12穴プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を含むDMEM培地にて100%コンフルエントになるまで培養した後、2.5%ウマ血清を含むDMEM培地に交換して7日間培養し、分化誘導した。
【0117】
(2)ガラナエキスの添加
上記の分化誘導させたC2C12細胞を無血清培地に交換して、37℃で7時間培養した後、培地中に2mM/wellとなるように、AICAR(1−b−D−ribofuranoside:TRC)を加え、さらに37℃で30分間培養した。AICAR添加の1時間後にPBSに溶解したガラナ抽出物(Guarana Extrato Seco Sol.Min.22%:Grupo Centroflora)をAICAR同様に培地中に添加して、37℃で7分間培養した後、C2C12細胞を回収した。回収した細胞は液体窒素で凍結し、測定まで−80℃にて保存した。
【0118】
(3)ウェスタンブロッティング
上記にて回収したC2C12細胞に細胞溶解バッファー(50mM HEPES、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMピロリン酸、10mMフッ化ナトリウム、2mM EDTA、2mM EGTA、1mM PMSF)を各ウェル100μl添加して細胞を回収し、超音波処理後、10,000×gにて15分間遠心し、上清を回収した。回収した上清は還元レムリ処理を行い、1サンプルあたり10μgずつ用いて7.5%アクリルアミドゲルにてSDS−PAGEを行い、SDS−PAGE終了後、定法に従ってPVDF膜に転写した。
上記にてタンパクが転写されたPVDF膜は5%スキムミルク溶液を用いて、室温にて1時間のブロッキング反応を行った。ブロッキング終了後、抗αAMPKポリクローナル抗体(1/1000 Total AMPK:Cell Signalling)およびリン酸化AMPKモノクローナル抗体(1/1000 p−AMPK:Cell Signalling)を用いて、室温にて1時間の一次抗体反応を行った。一次抗体反応終了後、HRP−Goat Anti−Rabbit IgG(ZYMED)を用いて室温にて45分間の二次抗体反応を行った。二次抗体反応終了後、ECL Detection Reagent(GEヘルスケア)にて検出した。その結果を図23に示す。
【0119】
(4)活性評価
上記のウェスタンブロッティングにて検出されたバンド(図23参照)をScion Imagesにて画像解析し、Total AMPKに対するp−AMPKの割合を算出した。その結果、図24に示すように、無血清培地のみを添加したブランクと比較して、ガラナエキスの添加により、AMPKがリン酸化されている割合が増加することが確認できた。
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0120】
以上のように、本発明はニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスを有効成分とする生活習慣病改善剤、並びにこれを含む組成物を提供する。本発明は、ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスのAMPK活性化作用を利用する分野、具体的には、医薬品分野や、医療分野、食品分野、化粧品分野等に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、実施例にかかるニンニクエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図2】図2は、実施例にかかるニンニクエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図3】図3は、実施例にかかる醗酵黒ニンニクエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図4】図4は、実施例にかかる醗酵黒ニンニクエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図5】図5は、実施例にかかるゴボウエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図6】図6は、実施例にかかるゴボウエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図7】図7は、実施例にかかる西洋カボチャ種子エキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図8】図8は、実施例にかかる西洋カボチャ種子エキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図9】図9は、実施例にかかるキウイ種子エキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図10】図10は、実施例にかかるキウイ種子エキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図11】図11は、実施例にかかるギャバエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図12】図12は、実施例にかかるギャバエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図13】図13は、実施例にかかるカッコンエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図14】図14は、実施例にかかるカッコンエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図15】図15は、実施例にかかるチンピエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図16】図16は、実施例にかかるチンピエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図17】図17は、実施例にかかるオウバクエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図18】図18は、実施例にかかるオウバクエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図19】図19は、実施例にかかるオウゴンエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図20】図20は、実施例にかかるオウゴンエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図21】図21は、実施例にかかるアガリクスエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図22】図22は、実施例にかかるアガリクスエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【図23】図23は、実施例にかかるガラナエキスを添加したC2C12細胞のライセートを用いたウェスタンブロッティングの結果を示す図である。
【図24】図24は、実施例にかかるガラナエキスによるC2C12細胞のAMPKリン酸化活性測定の結果を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスを有効成分とする生活習慣病改善剤。
【請求項2】
5’−AMP活性化プロテインキナーゼを活性化する能力を有することを特徴とする請求項1に記載の生活習慣病改善剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生活習慣病改善剤を含有することを特徴とする組成物。
【請求項4】
生活習慣病は、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、および心臓病からなる群より選択される少なくとも1つの疾患であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生活習慣病改善剤または組成物。
【請求項1】
ニンニクエキス、醗酵黒ニンニクエキス、ゴボウエキス、西洋カボチャ種子エキス、キウイ種子エキス、ギャバエキス、カッコンエキス、チンピエキス、オウバクエキス、オウゴンエキス、アガリクスエキス、ガラナエキスよりなる群から選択される少なくとも1つのエキスを有効成分とする生活習慣病改善剤。
【請求項2】
5’−AMP活性化プロテインキナーゼを活性化する能力を有することを特徴とする請求項1に記載の生活習慣病改善剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生活習慣病改善剤を含有することを特徴とする組成物。
【請求項4】
生活習慣病は、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、および心臓病からなる群より選択される少なくとも1つの疾患であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生活習慣病改善剤または組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2009−298742(P2009−298742A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156729(P2008−156729)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]