説明

生物学的分析媒体の表面および内部の生体分子標的の高速定量的測定のための方法およびデバイス

本発明は、生物学的分析用の平坦な媒体の表面または本体内の生物分子標的の高速定量的測定のためのデバイスおよび方法に関する。本発明による方法は、a)少なくとも2つのレーザービーム(F’’)の同時交差によってこれらのビームを前記媒体の各測定点に集束させ重ね合わせて、標的に存在する測定される化学元素およびこの媒体に既知の量存在する標的の外部の別の化学元素を含む含有ホットプラズマ(P)を引き出すステップ、b)定量される元素および外部元素に対応する各プラズマの発光光線を、各測定点に対して検出および分析すると共に、これらの光線の輝度を測定するステップ、次いで、c)定量される元素の各測定点の濃度を、定量される元素の光線の事前較正によって決定して、前記元素に特有の光線の輝度と、定量される元素と外部元素の既知の割合の混合物中の前記元素の濃度との間の相関性を決定するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦な生物学的分析用支持体の表面および本体内の生体分子標的の高速定量的測定のための方法、およびこの方法を実施するためのデバイスに関する。本発明は、限定されるものではないが、例えば、プローブのアレイ、転写膜、電気泳動ゲルもしくはクロマトグラフィーゲル、またはガラスもしくはポリイミド(例えば、Kapton(登録商標))から形成された支持体を含むバイオチップなどの好ましくは平坦な生物学的分析用支持体の表面または本体内で分離された非標識核酸またはタンパク質の定量的測定に特に適用される。
【背景技術】
【0002】
レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)は、物質の表面の元素組成を決定するための非常に強力な方法である。この組成は、レーザービームによって物質の表面で誘起される過渡プラズマを構成する原子またはイオンからの輝線を測定することによって得られ、この表面の元素分析は、この物質の表面をマッピングするために、規則的な格子に従って連続的にレーザーショットを行うレーザー源によって前記表面をスキャニングすることによって得ることができる。各レーザーショットで、検査する化学元素の発光スペクトルが、物質の表面でのビームの集束のための座標として記録される。次いで、所定の化学元素に対応する選択された波長で物質の表面の点ごとの画像を再構築することが可能である。較正方法が行われれば、マッピングによって得られた画像の強度のばらつきが、物質の表面におけるこの元素の存在度を示す。
【0003】
しかし、この技術の大きな欠点は、高分解能(300nm〜1μmの分解能)の表面のマッピングを行うために必要な回数が非常に多く、分析する表面積が2、3平方ミリメートルを超えると、分析に数時間または数日間もかかることを示唆していることである。この画像取得の遅さにより、LIBSは、生物学、特にゲノムおよびプロテオミクスにおける多数の適用例の分析方法として利用できない。
【0004】
ゲノムの分野では、バイオチップは、過去10年の分子生物学技術における大きな革命である。数百または数千もの遺伝子の発現レベルの同時研究を可能にすることにより、バイオチップは、個体の完全なゲノムのレベルでの疾患またはストレス(例えば、放射線、汚染、または薬剤の摂取によりもたらされる)の影響を知ることを可能にする。したがって、これらの技術は、現代の生物学でますます使用されるようになってきている。
【0005】
バイオチップは、マイクロ流体チップおよびプローブアレイチップを含む2つの大きな系統に分けられる。後者は、「スポット」、すなわち測定点のアレイに配列され、これらは、一般的には、例えば、DNA、タンパク質、または抗体などの生体高分子から形成された分子プローブを、受動支持体上の正確な座標に堆積または合成することによって得られる。これらのプローブアレイバイオチップは、生物学的試料に存在する標的がプローブの各「スポット」に特異的にハイブリダイズしたときに、これらの標的を同定することを可能にする。
【0006】
全ゲノム(pan−genomic)研究用の高複雑度バイオチップ(5,000スポットを超える)が存在する一方で、他方、所定の目的(例えば、治療試験、生物学的検出器)に専用の低複雑度および中複雑度バイオチップも存在する。
【0007】
現行のプローブアレイバイオチップ技術には、いくつかの大きな欠点、特に、
・プローブと標的との間の識別を散発的に変更し、これにより多数の測定アーチファクトがもたらされ、実験の再現性を低下させる蛍光標識の高い立体障害、
・2つの異なる標的間の発現レベルの比較を禁止する定量的測定の欠如、および
・生産および実施の両面でのこの現行の技術の高コストが挙げられる。
【0008】
近年、この技術のいくつかの代替技術が開発された理由は、特に、
・実施が単純で検出が改善された、最大386の異なる標的を並列に増幅することを可能にするが、標的間の実際の比較のための定量的測定の欠如、分析する標的の数の制限(低複雑度バイオチップよりもはるかに少ない)、および高い実施コストの問題がある、マイクロ流体カードでの「RT−PCR」法(「逆転写ポリメラーゼ連鎖反応」、すなわちリボ核酸の相補的なDNAへの逆転写後のポリメラーゼによる連鎖増幅)、
・同様に実施が単純で検出が改善されているが、定量的測定の欠如、大量の反応量の必要性(低濃度の試料の分析を制限する)、および非常に高い生産コストと実施コストの問題がある、大容量での標的のハイブリダイゼーションおよび化学発光標識に基づいた「ナイロン」膜上のバイオチップ、ならびに
・特に、David Fら、Bioscience Bioelectron.2005、Li C.M.ら、Front Biosci.2005、またはMacanovic A.ら、Nucleic Acid Research 2004に記載された、インピーダンスの測定または表面プラズモン共鳴(SPR)による標的の検出に基づいているが、標的の数を定量することが不可能であり、高密度チップの作製の問題があり、インピーダンス測定技術およびSPR技術の両方で、標的の様々なサイズおよび構造による測定アーチファクトを含む、標識を用いないバイオチップの新しい概念からである。
【0009】
また、例えば、核酸のPNA(ペプチド核酸)バイオチップへのハイブリダイゼーションの程度などを推定するために、この核酸に含まれるリンをアッセイすることを可能にする、ICP(誘導結合プラズマ)質量分析法も開発された。これについては、Inchul Yangら、Analytical Biochemistry (2004)、335巻、150〜161頁またはHeinrich F. Arlinghausら、Analytical Chemistry (1997)、69巻、18号、3747〜3753頁を参照されたい。
【0010】
しかし、バイオチップの表面で生成されるプラズマを用いてリンをアッセイする質量分析法は遅い方法であり(典型的には、バイオチップ1cm当たり数時間かかる)、この方法を実施するのに必要な器具が高価であることが明らかである。加えて、このICP質量分析法は、生体分子のサイズと数との間の区別をすることができず、ハイブリダイズしたヌクレオチドのおおよその数量しか提供しないため、定量的ではないことにも留意されたい。
【0011】
米国特許出願公開第2006/010534号は、特に、アレイの表面での励起レーザービームの放射およびこの励起ビームに応答したハイブリダイズした標的からの光の放射の測定を含む、標識核酸から形成された、プローブアレイバイオチップの表面に結合した複数の標的のリアルタイム定量の方法を示している。
【0012】
この方法の大きな欠点は、この方法も上記した意味の範囲内で定量的ではなく、さらに標的分子に結合した標識分子の存在を必要とすることである。
【0013】
プロテオミクスの分野では、発生する問題はさらに複雑である。これは、細胞抽出物中での、存在するタンパク質の同定およびそれらの濃度の決定に加えて、それらの翻訳後修飾を同定する必要があるためである。なぜなら、タンパク質の活性は、その翻訳後修飾によって決定される場合が多いためである。可能な修飾の中で、リン酸化が、間違いなく最も生物学的に重要である。
【0014】
二次元(2D)電気泳動法は、タンパク質の混合物を分析するために最も一般的に使用されている平行分析法である。これらの方法では、様々な物理化学基準(例えば、クロマトグラフィーまたは電気泳動法)に応じて2つの直行方向にタンパク質の混合物をゲル中で連続的に移動させる。次いで、タンパク質を、溶媒に対するそれらの親和性、それらの電荷、それらの質量、それらの形状、それらの修飾などによって分離し、必要に応じて蛍光の色素で着色してから、それらのタンパク質を、基準ゲルで得られた移動に対する2Dゲル上のそれらの位置およびスポットによって同定した。翻訳後修飾、特にリン酸化を実証するために、ゲルの各スポットを分析する必要がある。例えば、質量分析法、NMR、免疫標識、またはICP法などの様々な分析方法が可能である。
【0015】
翻訳後修飾の実証は、現時点では、実施するのが困難である。
【0016】
ここ2、3年で、タンパク質抽出物を分析するための抗体バイオチップが、市販されるようになった。これらのバイオチップは、望ましいタンパク質に特異的な抗体が存在すれば、それらのタンパク質の形態での数百の遺伝子の発現を平行分析することを可能にする。しかし、この技術は、タンパク質を標識する必要があるため限定されている。残念ながら、標識化に使用される発色団は、タンパク質のそれらの抗体に対する親和性をランダムに変更する。さらに、標識化もランダムであるため、結果は、解釈が困難であり、様々な実験間での比較が困難である。この技術によって、例えば、2つの条件間または2つの細胞型間での所定のタンパク質の翻訳後修飾の程度を評価するためには、タンパク質のそれぞれの形態を排他的に認識する2つの抗体を有する必要がある。高価であるのに加えて、これは、得るのが技術的に非常に困難である。
【0017】
LIBS法は、事前の標識化なしに、生物学的分析に使用される主な種類であるすべての種類の支持体(例えば、膜、ゲル、Kapton(登録商標)支持体などのプラスチック支持体、シリコン支持体)上で分離される生体分子の分析のための代替法である。LIBSによって生物学的産物を分析するための方法では、クロマトグラフィー支持体、電気泳動支持体、膜、またはバイオチップ上で予め単離、分離、または精製された標的生体分子を構成する化学元素をアッセイする。
【0018】
上記したように、LIBSによる分析の主な技術的な障害は、生物学におけるこの技術の使用を大きく制限するこの方法の遅さである。これは、生物学における分析用支持体が数平方センチメートルの表面積を有する場合が多いためである。したがって、例えば、1cmの分析用支持体の10μmの分解能での画像は、1つの位置に1回のショット率で1,000,000回の連続的なレーザーショットを行う必要がある。もちろん、分析すべき分子が、例えば、電気泳動ゲルで生じるように支持体の本体内にある場合は、この回数は、1つの位置に対して行われるショットの回数で乗じなければならない。
【0019】
1秒でこの分析を行うためには、各ショットで支持体上にプラズマを励起するのに十分なエネルギーを持つメガヘルツUVレーザーを有する必要がある(エネルギーは、典型的には、1パルス当たり60マイクロジュールを超える)。1分でこの分析を行うためには、600kHzに等しい周波数および各ショットで支持体上にプラズマを励起するのに十分なエネルギーを持つUVレーザーを有する必要がある(同様に、1パルス当たり60マイクロジュールを超える)。この問題は、非連続的なショットを行うことによって最小にすることができるが、代わりに分解能が低下する。しかし、たとえひどく劣化した画像でも、周波数は高いままである。
【0020】
例えば、約532nmの長い波長のレーザーは、一般に高周波数および高エネルギーを有するという事実から、使用することが可能である。しかし、遠紫外線(266nm)から離れると、分析可能なプラズマを得るために必要なエネルギーが増加し、例えば、十分なエネルギーの532nmのレーザーは、遠紫外線範囲と同じ問題を引き起こす遠紫外線レーザーの近傍の周波数を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/010534号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、上述のすべての欠点を改善した、生物学的分析用支持体の表面または内部に存在する生体分子標的、特に、タンパク質の高速定量的測定の方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
これを達成するために、本発明による測定方法は、
a)少なくとも2つのレーザービームの同時交差によってこれらのビームを支持体の各測定点に移動させ、集束させ、重ね合わせて、前記標的に存在する定量すべき少なくとも1つの化学元素、および支持体の表面または内部に既知の量存在する、これらの標的の外部の少なくとも1つの他の化学元素を含む含有ホットプラズマをこれらのビームから引き出すことによって支持体の測定点をスキャンするステップ、
b)定量すべき前記または各元素および前記または各外部元素に対応する各プラズマからの発光輝線を、これらの輝線のそれぞれの強度を測定することによって、これらの測定点のそれぞれに対して検出および分析するステップ、次いで
c)定量すべき前記もしくは各元素またはこれら標的内にこの元素を含む基の各測定点の濃度を、定量すべき前記または各元素の前記輝線の事前較正によって決定して、定量すべきこの元素に特有の輝線の強度と、定量すべき前記または各元素および前記または各外部元素の既知の割合の混合物中のこの元素の濃度との間の相関性を確立するステップを含む。
【0024】
したがって、本発明による方法により、外部元素に対応する内部基準の存在によって、レーザーの出力の調整および取得ごとの検出感度のばらつきに関係ないのと同時に、バイオチップのすべての測定点を迅速かつ効率的に「スキャン」(すなわち、一挙に分析)することができ、上述のステップc)から各測定点で調べる元素の原子数を推定して、すべてが平均すると読み取り点当たり1/1000秒未満(読み取り時間=読み取りの数/取得時間)で観察した座標における標的の数をそれから推定することができる。
【0025】
ステップa)で行うように、いくつかのレーザービームを支持体の同じ点でこのように集束させることにより、それらの各エネルギーを加えて、スペクトル分析可能なプラズマを生成することが可能になることに留意されたい。
【0026】
また、ステップc)で用いる、外部元素または定量すべき元素の輝線強度yと濃度xとの間の相関性が、有利に線形タイプ(すなわち、式y=ax+bに従った、1つの親和定数の範囲内の比例関係)であることも留意されたい。
【0027】
本発明の別の特徴によると、前記生体分子標的は、ステップa)の前に、生物学的分析用基板の表面または本体内に固定され、この生物学的分析用基板は、好ましくは、実質的に平坦であり、バイオチップ、転写膜、シリコン基板、ポリイミド基板(例えば、Kapton(登録商標)基板)およびガラス基板、ならびに電気泳動ゲルおよびクロマトグラフィーゲルからなる群から選択される。
【0028】
有利に、この支持体は、前記標的によってハイブリダイズまたは複合体化された天然のプローブのアレイを表面に備えたバイオチップから形成され、このアレイは、それぞれが複数の前記プローブを有する多数の前記測定点を備え、定量すべき前記または各化学元素が、これらの標的内、および必要に応じてこれらのプローブ内にも存在する。
【0029】
定量すべき元素がプローブおよび標的の両方に存在する場合、前記外部元素により、プローブからの信号の量および標的からの信号の量を推定することが可能になることに留意されたい。この外部元素により、装置の調整により信号が減衰しても、較正曲線に対する信号の再調整を可能にする内部較正を提供する。
【0030】
本発明の別の特徴によると、この測定方法は、定量すべき前記もしくは各元素または前記もしくは各外部元素の濃度を表す1つ以上の画像を得る続くステップであって、この画像内の各ピクセルまたは前記各ピクセルの3色R、G、Bのそれぞれの強度が、観察された対応する元素の輝線の強度を表す、ステップも含む。
【0031】
したがって、得られる画像により、定量すべき前記もしくは各元素または分析用支持体の表面または内部の外部元素の存在度をマッピングすることが可能である。分析用支持体の本体のマッピングは、同じ位置での連続的なショットによって得られ、得られる信号は、平均して、またはスライスで、支持体のZ軸に沿ってマッピングを行うために個々に蓄積または分析する。連続的なショットの数は、特に、望ましい分析深度および支持体の材料の物理化学特性に依存する。
【0032】
プローブアレイバイオチップの上述のケースでは、ステップa)の前の標的分子の固定は、支持体を構成する材料との相互作用または支持体の分子メッシュ内への保持によって直接的に行うか、または支持体の表面または内部に取り付けられたリガンド(プローブ)との相互作用によって間接的に行う。このようなプローブ/標的の相互作用として、例えば、
・標的と核酸のタイプまたは類似物(例えば、PNA、LNA)のプローブとの間のハイブリダイゼーション、
・例えば、リガンド/受容体、抗体/結合抗原などの標的とタンパク質のタイプのプローブとの間のタンパク質/タンパク質の相互作用、
・核酸または類似物/混合タンパク質の相互作用、
・核酸/金属、イオン、または任意の他の自由分子のタイプの相互作用、または
・タンパク質/イオンまたは任意の他の自由分子のタイプの相互作用
を挙げることができる。
【0033】
好ましくは、ステップa)で用いる各レーザービームは、寿命が1フェムト秒から100ナノ秒、600Hzから1GHzの周波数、および0.05mWから1kWのエネルギーのパルスによって赤外−可視−紫外の範囲で放射する。
【0034】
さらに好ましくは、各レーザービームは、例えば、Nd:YAGレーザー(ネオジウム−ドープイットリウムアルミニウムガーネットレーザー)高周波を用いて、266nmまたは193nmの波長の紫外線の範囲で、10ナノ秒未満、好ましくは5ナノ秒に等しい期間のパルスによって放射する。
【0035】
変形として、ステップa)で用いられるレーザービームは、異なる波長、例えば、266nmの波長の紫外線範囲、および532nmの可視光線範囲で、常に、10ナノ秒未満、好ましくは5ナノ秒に等しい期間のパルスによって放射することができる。
【0036】
本発明の別の特徴によると、前記ビームは、
・これらのビームが、少なくとも1つの反射ステージを備えた偏向ピラミッドを出射する際に共線ビームが得られるように、このピラミッドに対して接線方向に反射され、
・これらの共線ビームが、これらのビームのそれぞれの直径およびこれらのビームを互いに分離する距離を縮小するビーム縮小テレスコープなどのアフォーカル光学系を通過し、次いで、
・これらの縮小された共線ビームが続いて、スキャニングヘッドの出口に配置された平面、放物面、または楕円面ミラーによって各測定点に集束し交差されるように、
ステップa)で、前記スキャニングヘッドで有利に生成することができる。
【0037】
有利に、前記縮小された共線ビームは、これらの共線ビームを水平方向および垂直方向のそれぞれに偏向するミラーを備えた2つの光学回転ディスク、好ましくはこれらのディスクに結合された偏向ペリスコープによって前記支持体の各測定点に集束させ交差させることができる。
【0038】
ステップa)のレーザービームの交差による重ね合わせにより、寿命が約2マイクロ秒のホットプラズマを気化によって得るために有利に0.5GW.cm−2を超える出力密度を各測定点で生成することに留意されたい。
【0039】
有利に、2つのレーザービームの単一交差を用いて、1μmから10,000μmの表面積を有する各測定点を溶発することができる。固定されたステップによるすべての測定点のスキャニングは、分析すべき表面にビームを移動させ、集束させ、交差させるミラー、好ましくは楕円面ミラーを用いて行うことができる。
【0040】
好ましくは、アルゴン、ヘリウム、窒素、またはこれらの気体の混合物などのプラズマ生成ガスから生成される少なくとも1つの活性化剤を各含有プラズマに添加する。
【0041】
本発明の第1の好ましい実施形態によると、引き出されたプラズマはそれぞれ、対応するプラズマによって放射された光の統合のためにチャンバーの中に光学的に閉じ込められ、この各チャンバーは、反射側壁を有し、各プラズマが分析すべき他の測定点を妨害しないように、このチャンバーの中に蓄積された光の取得のための少なくとも1つの光ファイバーが設けられている。
【0042】
この第1の実施形態によると、生物学的分析用支持体は、ステップa)で、光学的閉じ込めチャンバーに対して相対運動させると同時に、前記レーザービームを交差させ、次いで、これらのチャンバーが、好ましくは、固定されたままの前記支持体の上に案内される。変形として、これらのチャンバーの前記支持体に対する相対運動を用いずに、前記支持体の分析すべき全表面を覆うように、取得光ファイバーを前記支持体の上に交互の列に配置することによって、取得光ファイバーのそれぞれの光学開口の相互重複を使用することが可能である。
【0043】
本発明の第2の実施形態によると、引き出されたプラズマの前記光学的閉じ込めチャンバーは、それら自体が、閉じたエンクロージャー内に収容され、このエンクロージャーは、支持体を含み、プラズマ生成ガスで満たされ、このエンクロージャーの少なくとも上面は、レーザービームの前記または各励起波長およびこのプラズマによって生成される光の取得のための波長に対して透明である。この第2の実施形態によると、前記レーザービームを前記支持体に対して同時に運動させることが可能であることに留意されたい。
【0044】
本発明の別の特徴によると、レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)が、ステップa)からc)を行うために有利に使用され、レーザー誘起蛍光法(LIF)が、好ましくは、これらの同じステップで並列に使用される。
【0045】
本発明の別の特徴によると、プラズマは、平行光線X線放射によって生成することができ、この平行光線の光源は、好ましくは、5Hzから数kHzのスキャン周波数のフェムト秒またはナノ秒のX線レーザーである。X線放射の収束は、クロム層とスカンジウム層が交互にコーティングされたシリコンプレートからなるミラーなどのX線を反射できるミラー(放物面、楕円面、曲面)によって得られる。この放射の入射は、相当な反射を可能にするために、好ましくは、ミラーの表面でのかすめ入射である(すなわち、その表面にほぼ平行な放射である)。
【0046】
プラズマの分析に加えて、このようなX線の光源を備えたデバイスにより、生物学的分析用支持体の表面または本体内で分離された試料の蛍光X線分析が可能となる。これは、これらのX線によって、試料中に含まれている物質、特にリンが、特にX線および他のタイプの電磁放射線の形態のエネルギーを再放射するためであり、この再放射は、蛍光X線またはX線の二次放射である。
【0047】
この蛍光X線または放射線のこれらの他の形態の分析およびマッピングにより、支持体の表面の試料を迅速かつ半定量的にマッピングすることが可能となる。この迅速分析により、例えば、LIBS法によってより細かく分析すべきゾーンを明確にすることが可能となる。蛍光X線の取得は、X線感受性ドープポリマーから形成された光ファイバーをデバイス内で用いて行うことができる。使用するドープ剤は、X線下で発光性であり、光ファイバー内に導入されると、蛍光X線をファイバーが伝送できる放射線に変換する化合物とすることができる。
【0048】
この同じ原理を、化学発光、蛍光などのドープ元素を取得光ファイバー内に導入することによってプラズマ中の標的元素の輝線の選択的な取得のために用いることができ、このドープ元素は、標的輝線の波長でのみ励起可能であり、プラズマのスペクトルに存在しない一方、他方で対象のファイバーによって十分に伝送される波長で再発光する。
【0049】
有利に、前記生体分子標的は、非標識核酸、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、DNAなどのポリヌクレオチド、および糖からなる群から選択される。その構造に固有のこのような元素によって特徴付けることができるか、またはこのような元素に強力に結合する任意の他の生物学的化合物を、一般に、標的として用いることができることに留意されたい。
【0050】
プローブアレイバイオチップ型の支持体の好ましいケースでは、これらのプローブは、核酸、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、リボ核エーテル(ribonucleic ether)(ERN)、抗体、半抗体、核酸が結合した半抗体、およびタンパク質受容体からなる群から選択される。標的に特異的に結合でき、かつ分析用支持体に固定することができる任意の他の生物学的化合物を、一般に、プローブとして用いることができることに留意されたい。
【0051】
有利に、前記または各外部元素(すなわち、標的の構造中に存在しない)は、プローブと共に分析用支持体に既知の量、均一または特異的に堆積されている。外部元素がプローブと共に堆積されたら、これらの外部元素は、既知の割合でプローブと共に支持体に接合される化合物中に含められるか、または原子置換もしくは強力な相互作用によって各プローブの構造内に直接埋め込まれる。さらに有利な実施形態では、外部元素は、プラズマの生成を容易にする分子マトリックス(すなわち、励起波長に対して高い光吸収性および低い溶発エネルギーを持つ物質)内に含めることができ、このマトリックスは、生物学的分析用支持体の表面に均一に堆積されている。
【0052】
特に、標的の濃度が非常に低い場合、PNAプローブを使用すると有利であろう。これは、核酸に対するPNAの非常に高い親和性により、分析すべき媒体中に存在するオリゴヌクレオチドタイプの標的のすべてを捕捉することが可能であるためである。
【0053】
さらに、PNAが、それらのCOOHまたはNH末端によって金表面に自然に結合できるため、これらのPNA分子は、数ミクロンの厚みの金の層でコーティングされたバイオチップ(例えば、Kapton(登録商標)ポリイミド製)のプラスチック支持体上へのプローブの堆積に特に有利である。
【0054】
PNAが、リン、より一般的には253nm、194nm、または203nmで特定の輝線を有する原子を含まないという事実により、プローブの信号を完全に排除することによって検出感度を向上させることが可能となる。
【0055】
本発明の別の特徴によると、定量すべき前記または各化学元素は、リン、硫黄、ヨウ素、窒素、酸素、および炭素からなる群から選択することができる。
【0056】
有利に、標的として核酸またはリン酸化タンパク質を使用し、ステップb)でのプラズマ中のリンの原子およびイオン輝線の検出のために、これらの標的に存在するリンを定量すべき元素として使用する。この場合、ステップb)で、リン輝線を、138±3nm、148±3nm、154±3nm、167±3nm、177±3nm、190±3nm、193±3nm、203±3nm、213±3nm、および253±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは203±3nmの波長で検出する。
【0057】
また、有利に、標的およびプローブとして核酸またはタンパク質を使用し、ステップb)でのプラズマ中の硫黄およびヨウ素の原子およびイオン輝線の検出のために、前記標的および前記プローブ中の硫黄およびヨウ素をそれぞれ定量すべき元素として使用する。これら2つの場合、ステップb)で、硫黄輝線を、167±3nm、181±3nm、190±3nm、199±3nm、415±3nm、458±3nm、922±3nm、942±3nm、および968±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは415±3nmの波長で検出し、ヨウ素輝線を、150±3nm、161±3nm、170±3nm、178±3nm、183±3nm、511±3nm、661±3nm、740±3nm、746±3nm、804±3nm、839±3nm、902±3nm、905±3nm、911±3nm、および973±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは、511±3nmの波長で検出する。
【0058】
また、後者の2つのケースでは、前記プローブおよび前記標的の両方によって生成される信号の予測できない性質を引き出すために、ステップb)でのプラズマ中の硫黄およびヨウ素それぞれの原子およびイオン輝線の検出で、塩素または臭素を、これらの標的またはこれらのプローブの外部元素として有利に使用する。次いで、ステップb)で、
35±3nm、386±3nm、413±3nm、479±3nm、490±3nm、499±3nm、507±3nm、521±3nm、539±3nm、542±3nm、774±3nm、725±3nm、741±3nm、754±3nm、822±3nm、833±3nm、837±3nm、842±3nm、858±3nm、868±3nm、894±3nm、912±3nm、919±3nm、928±3nm、945±3nm、および959±3nmからなる群から選択される値を有する波長での塩素輝線、または
154±3nm、158±3nm、163±3nm、614±3nm、635±3nm、655±3nm、663±3nm、751±3nm、780±3nm、793±3nm、798±3nm、813±3nm、827±3nm、844±3nm、889±3nm、916±3nm、および926±3nmからなる群から選択される値を有する波長での臭素輝線
を検出する。
【0059】
DNAを前記標的として使用し、ステップb)でのプラズマ中のリンの原子およびイオン輝線の検出のために、これらの標的に結合した、ナトリウム、マグネシウム、およびカリウムからなる群から選択される陽イオンを定量すべき元素として使用する。この場合、ステップb)で、
268±3nm、285±3nm、291±3nm、292±3nm、298±3nm、314±3nm、321±3nm、325±3nm、330±3nm、353±3nm、363±3nm、449±3nm、466±3nm、497±3nm、569±3nm、589±3nm、616±3nm、および819±3nmからなる群から選択される値を有する波長でのナトリウム輝線、または
285±3nm、880±3nm、309±3nm、333±3nm、383±3nm、457±3nm、473±3nm、518±3nm、552±3nm、571±3nm、925±3nm、964±3nm、および941±3nmからなる群から選択される値を有する波長でのマグネシウム輝線、または
404±3nm、535±3nm、580±3nm、693±3nm、766±3nm、769±3nm、825±3nm、850±3nm、890±3nm、および959±3nmからなる群から選択される値を有する波長でのカリウム輝線
を検出する。
【0060】
本発明の1つの変形によると、炭素、窒素、および酸素のいずれも含んでいない前記支持体上の標的およびプローブの量を評価するために、ステップb)でのプラズマ中の窒素および/または炭素および/または酸素の原子輝線の検出で、定量すべき元素(複数可)として前記標的および前記プローブに存在する窒素および/または炭素および/または酸素を有利に使用する。この場合、ステップb)で、
174±3nm、575±3nm、744±3nm、821±3nm、859±3nm、865±3nm、871±3nm、938±3nm、および870±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは575±3nmの波長での窒素輝線、
156±3nm、165±3nm、175±3nm、193±3nm、247±3nm、538±3nm、600±3nm、711±3nm、833±3nm、908±3nm、911±3nm、965±3nm、および940±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは600±3nmの波長での炭素輝線、および/または、
615±3nm、645±3nm、700±3nm、725±3nm、777±3nm、822±3nm、844±3nm、および926±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは615±3nmの波長での酸素輝線
を検出する。
【0061】
ステップb)でのプラズマ中のこれらの元素の原子輝線の検出のための、定量すべき元素(複数可)としてのすべての生物学的標的およびプローブに存在する窒素および/または炭素および/または酸素により、支持体が炭素、窒素、および酸素のいずれも含まない上述の条件で、支持体に存在するすべての物質(すなわち、プローブ+標的)の量を評価することが可能であることに留意されたい。
【0062】
検出限界を向上させるために、有利に、
(i)二重パルスLIBSタイプの二重レーザーパルスを実施することによってLIBS法を実施すること、および/または
(ii)LIF法と並列でこのLIBS法を使用すること(すなわち、LIBS−LIF併用)、および/または
(iii)含有プラズマおよび/または物質の表面を、生体分子で表される極性分子を加熱できるマイクロ波照射することが可能である。
【0063】
これらの3つの好ましい方法(i)、(ii)、および(iii)により、特に、各プラズマのより容易な励起ならびに標的元素の原子輝線の強度および寿命の向上が達成され、これにより良好なS/N比を得ること、および定量すべき前記元素、したがってこの元素が由来する標的の検出閾値を少なくとも10分の1に減少させることが可能となる。
【0064】
特にこの二重レーザーパルス法(i)に関しては、第1のパルスと同じ性質の第2のパルス(出力、周波数、波長)の2つの他の交差ビームを用いて行うことができる。これは、プラズマの寿命が約2マイクロ秒とすると、プラズマは、その生成(黒体放射が終了して求める原子およびイオン線が出現)の約100ナノ秒後から光学的に分析可能であるためである。
【0065】
この第2のレーザーパルスは、その消滅の直前に、プラズマの寿命を延長し、放射される発光を増幅することを可能にする。標的原子(複数可)が強い吸収または発光を有する元素に特徴的な波長を有利に選択する。したがって、イオンおよび/または標的原子(この場合はリン)からの発光を、この第2のレーザーパルスでそれら自体の特定の蛍光を励起することによって増加させることが可能である。
【0066】
本発明による方法の別の特徴によると、生物学的分析用支持体の表面での物質の溶発とプラズマの生成を分離することができる。この場合は、第1のUVレーザーパルスが、バイオチップの表面の一部を溶発してバイオチップの上に放出させ、次いで、周波数が600Hzから1GHzのフェムト秒タイプのレーザーを有利に用いる第2のパルスがプラズマを生成し、その成分の特徴的な発光を生成する。次いで、必要に応じて、標的化合物の蛍光を励起するために第3のパルスを用いることができる。
【0067】
したがって、本発明による方法により、特に、プラズマの放射後に核酸分子を構成している原子の蛍光に基づいて、生体分子標的を標識せずに生体分子標的を効率的かつ迅速に検出することが可能となる。これらの核酸分子の正確な定量的測定を得るためには、標的の上述の較正を、それらの各サイズの標準化によって行う必要がある。
【0068】
上述の定量的測定のための方法を実施するための本発明によるデバイスは、
・好ましくは実質的に平坦であり、例えば、プローブアレイバイオチップなどのバイオチップ、転写膜、または電気泳動ゲルもしくはクロマトグラフィーゲルなどの生物学的分析用支持体と、
・この支持体上での少なくとも2つのレーザービームの同時交差によってこれらのビームを各測定点に集束させ重ね合わせて、標的に存在するリンなどの定量すべき少なくとも1つの化学元素を含有するホットプラズマからこれらのビームを引き出す手段を備えるプラズマ生成ユニットであって、ビームを集束させ重ね合わせるためのこれらの手段は、共線的にビームを生成できるスキャニングヘッド、および支持体の測定点をスキャンするために支持体に向かってビームを偏向するべくミラーを備えた光学回転ディスクと協働する、このヘッドの出口に配置されたミラーの系を備える、プラズマ生成ユニットと、
・この支持体の上に配置された、このプラズマ生成ユニットによって引き出される各プラズマの光学的閉じ込め手段と、
・これらの閉じ込め手段内に延びた取得光ファイバーによって前記閉じ込め手段に連結された分光ユニットであって、定量すべき前記元素(複数可)の各側定点での濃度を、各測定点に対して引き出されるプラズマからの発光輝線の1つの強度および較正曲線を基準で決定するように、これらの輝線の検出および分析に適した、分光ユニットと、を備える。
【0069】
本発明の別の特徴によると、ビームを集束させ重ね合わせるための前記手段は、
・前記スキャニングヘッドであって、
いくつかのレーザー光源によって放射される入射ビームを接線方向に偏向させて、反射逆ピラミッドを出射する際にこれらのビームを共線にするように設計された少なくとも1つのステージを備えるこの反射逆ピラミッド、および
これらの共線ビームを受け取ると共に、これらの共線ビームの直径およびこれらの共線ビームを互いに分離する距離を縮小するように設計された、好ましくはビーム縮小テレスコープである、このピラミッドの先端部の下に配置されたアフォーカル光学系を有する、前記スキャニングヘッドと、
・ビームを水平方向および垂直方向に偏向するミラーを備えた前記光学回転ディスクと協働し、好ましくは、このアフォーカル系によって縮小された共線ビームが各測定点に集束し交差されるようにこれらのディスクに結合された偏向ペリスコープとも協働する、平面、放物面、または楕円面ミラーの前記系と、を備える。
【0070】
本発明の上述の第1の実施形態によると、前記閉じ込め手段は、引き出された各プラズマを光学的に閉じ込めることができ、それぞれが前記支持体に対して垂直に配置された側壁によって画定された複数の開いたチャンバーを備え、この側壁の内面は、このチャンバーに蓄積された光、特に、定量すべき前記化学元素からの輝線の波長を反射させることができ、前記取得光ファイバーの少なくとも1つがこの側壁を通過している。
【0071】
本発明のこの第1の実施形態の第1の例によると、各プラズマの前記光学的閉じ込め手段は、このプラズマによって放射される光の統合のための複数の近接するリングを備え、前記側壁は、実質的に円形の断面を有し、いくつかの前記取得ファイバーの自由端が、前記側壁に形成された開口を介して、各リングによって形成されたチャンバーの中に延在している。
【0072】
本発明のこの第1の実施形態の第2の例によると、各プラズマの前記光学的閉じ込め手段は、このプラズマによって放射される光の統合のために複数のチャンバーを備えることができ、各チャンバーの前記側壁は、実質的に正三角形の形態の断面を有し、これらのチャンバーは、それらの側面の1つによって連続した対であり、それらの3つの頂点のそれぞれに前記取得ファイバーが設けられている。
【0073】
これらの第1および第2の例によると、電磁石を備えたチャンバーをスライドさせるためのレールなどの、前記チャンバーの支持体に対する相対運動のための手段が、分析すべき支持体の全表面を覆うように有利に設けられている。
【0074】
本発明のこの第1の実施形態の第3の例によると、各プラズマの前記光学的閉じ込め手段は、このプラズマによって放射される光の統合のために複数のチャンバーを備え、これらのチャンバーは、交互の列に配置された少なくとも2連の取得ファイバーを備え、取得ファイバーのそれぞれの光学開口が、分析すべき前記支持体の全表面を相互重複によって覆うことができる。
【0075】
この第3の例では、本発明によるデバイスは、光学的閉じ込めチャンバーの分析用支持体に対する相対運動を使用しない。
【0076】
本発明の上述の第2の実施形態によると、引き出されたプラズマの前記光学的閉じ込めチャンバーはそれら自体が、閉じたエンクロージャー内に収容され、このエンクロージャーは、支持体を含み、アルゴン、ヘリウム、窒素、またはこれらの気体の混合物などのプラズマ生成ガスで満たされ、このエンクロージャーの少なくとも上面が、レーザービームの前記または各励起波長およびこのプラズマによって生成される光の取得の波長に対して透明であり、このエンクロージャーは、プラズマ生成ガスで満たすための弁および空気を排出するための弁を備えている。
【0077】
上記したように、本発明によるデバイスに関連して使用する生物学的分析用支持体は、好ましくは、前記標的によってハイブリダイズまたは複合体化された天然のプローブのアレイを表面に備えたバイオチップから形成され、このアレイは、それぞれが複数の前記プローブを有する多数の前記測定点を備え、定量すべき前記または各化学元素が、これらの標的内、および必要に応じてこれらのプローブ内にも存在する。
【0078】
本発明の別の特徴によると、前記分光ユニットは、光電子増倍管型の少なくとも1つの分光器を含み、望ましい波長のみに対して透明な光学フィルターを、各取得光ファイバーと前記分光器との間に配置することができる。
【0079】
本発明の別の好ましい特徴によると、分光ユニットは、光電子増倍管型の少なくとも1つの検出器を含む。しかし、CCD(電荷結合素子)カメラもしくは増倍型CCDカメラまたはマイクロチャネルの「ウエハ」を、プラズマ輝線の検出に用いることもできることに留意されたい。
【0080】
また、好ましくは、所望の波長のみに透明な光学フィルターは、各取得光ファイバーと分光器との間に配置することができる。
【0081】
好ましい一実施形態では、光学的閉じ込め手段(すなわち、各「マザー」ファイバー)からの取得光ファイバーのそれぞれを、観察すべき元素の波長と同じ数のファイバーに分ける。各「マザー」ファイバーは、光電子増倍管(PMと略す)、Channel Tron、マイクロチャネルの「ウエハ」などの感光性セルとすることができる検出器と反対のビームに配置する。望ましい波長のみを選択する光学フィルターは、光を検出器に入れるために、各取得光ファイバーと検出器との間に挿入することができる。加えて、適切なレンズを、各光ファイバーの出力に取り付けることができる。
【0082】
一般に、これらのフィルターは、回折格子が有利に取って代わることができることに留意されたい。
【0083】
本発明の上述の特徴および他の特徴も、添付の図面を用いた、限定目的ではない例示である、本発明のいくつかの例示的な実施形態の以下の説明を読めば、より明確に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】定量すべき生体分子標的を含む生物学的分析用支持体を用いて例示する、本発明による定量的測定のためのデバイスに含まれるプラズマ生成ユニットの略側面図である。
【図2】図1のプラズマ生成ユニットのレーザースキャニングヘッドに含まれる光偏向ピラミッドの部分断面略斜視図である。
【図3】図2による偏向ピラミッドの簡易型の略斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の例による、様々な測定点でそれぞれ生成されるプラズマの光学的閉じ込め手段が上に配置されている図1の分析用支持体の上方からの部分略図である。
【図5】これらの閉じ込め手段の1つの、図4の切断面V−Vによる垂直断面略図である。
【図6】分析用支持体の上に配置されたこれらの光学的閉じ込め手段の1つの、図5の変形による垂直略断面図である。
【図7】このような光学的閉じ込め手段の、図5の別の変形による垂直略断面図である。
【図8】このような光学的閉じ込め手段の、図5の別の変形による垂直略断面図である。
【図9】本発明のこの第1の実施形態の別の例による、プラズマの光学的閉じ込め手段が上に配置されている図1の分析用支持体の上方からの部分略図である。
【図10】本発明のこの第1の実施形態の別の例による、プラズマの光学的閉じ込め手段が上に配置されている図1の分析用支持体の上方からの部分略図である。
【図11】図9の例による、光学的閉じ込め手段が上に配置されている図1の分析用支持体の上方からの部分略図であり、これらの閉じ込め手段をこの支持体に対して所定の方向に移動させる制御部材も例示している。
【図12】別の動作位置にある閉じ込め手段を移動させるこれらの制御部材を示す図11に類似の図である。
【図13】前記エンクロージャーが近接したプラズマ生成ユニットの一部と共に例示されている、本発明の第2の実施形態によるプラズマの閉じ込め手段内に収容された図1の分析用支持体の略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0085】
本発明による、生体分子標的の定量的測定のためのデバイス1は、
・例えば、プローブアレイバイオチップなどのバイオチップ、転写膜、または電気泳動ゲルもしくはクロマトグラフィーゲルのような、好ましくは実質的に平坦である生物学的分析用支持体2と、
・少なくとも2つのレーザービームのこの支持体2への同時交差によってこれらのレーザービームを各測定点に集束させ重ね合わせて、これらの標的に存在する定量すべき少なくとも1つの化学元素を含むホットプラズマP(図5および図13に示す)をこれらのレーザービームから引き出す手段4を含むプラズマ生成ユニット3(図1を参照)と、
・支持体2の上に配置された、このユニット3によって引き出される各プラズマPを閉じ込める手段5(図4および続く図を参照)と、
・これらの閉じ込め手段5、5’、5’’の中に延びた取得光ファイバー6、6’、6’’(図4および続く図に示す)によってこれらの閉じ込め手段5、5’、5’’に連結され、定量すべき元素の各測定点での濃度が各測定点で引き出されるプラズマPからの輝線の強度の1つおよび較正曲線に基づいて決定されるように、これらの輝線を検出および分析するのに適した分光ユニット(不図示)と、を含む。
【0086】
図1を参照すると、各測定点にレーザービームFを集束させる手段4は、
・共線となるようにこれらのレーザービームFを生成できるスキャニングヘッド7であって、
高品質アルミニウムミラー8bによって、いくつかのレーザー光源9によって放射される入射ビームFを接線方向に反射させて、偏向逆ピラミッド8を出射する際に、これらのビームを共線とするように設計された少なくとも1つのステージ8aを含む偏向逆ピラミッド8、および
これらの共線ビームF’のそれぞれの直径およびこれらを互いに分離する距離を縮小することによってこれらの共線ビームF’を受け取るように設計された、好ましくはビーム縮小テレスコープである、このピラミッド8の先端部の下側に配置されたアフォーカル光学系10を備える、スキャニングヘッド7と、
・共線ビームF’を水平方向および垂直方向に偏向するミラー12aおよび13aを備えた光学回転ディスク12および13と協働し、好ましくは、このアフォーカル系10によって縮小された共線ビームF’が各測定点に集束され交差されるようにこれらのディスク12および13に結合された偏向テレスコープ(deviation periscope)14と協働する、スキャニングヘッド7の出口に配置された平面、放物面、または楕円面ミラー11の系と、を本質的に含む。
【0087】
このスキャニングヘッド7は以下の通り使用される。
【0088】
様々なレーザービームF(図1の例では2つ存在する)は、これらのビームFの入射のどの角度(好ましくは、この角度は90度に等しい)の方向でもこれらのビームFを共線にする偏向ピラミッド8の高品質ミラー8bで接線方向に反射される。
【0089】
図2および図3に例示されているように、偏向ピラミッド8、8’は、例えば、4つの異なるレーザー光源9を用いる単一のステージ8a(図3)、または、この場合、例えば、並列で最大100のレーザー光源9を使用する、典型的には最大5つ(図2)とすることができるいくつかのステージ8aを有することができる。
【0090】
光源9の数の増加により、特に、スキャニングゾーン上のビームによって広い空間がカバーされてスキャニング分解能を高めることが可能であることに留意されたい。
【0091】
ピラミッド8を出射すると、共線ビームF’は、これらの共線ビームF’の直径およびこれらを互いに分離する距離を縮小する複数の重ねられたレンズの系からなるビーム縮小テレスコープ10を通過する。例えば、直径が2mmで2.5mm分離された、ピラミッド8を出射するビームF’は、テレスコープ10を出射する際には、直径が500μm、分離が500μmに縮小される。
【0092】
縮小されると、これらの共線ビームF’は、次にビームの水平偏向および垂直偏向のそれぞれを行うミラー12aおよび13aを備えた2つの水平光学回転ディスク(ORD)12および垂直光学回転ディスク13ならびに偏向ペリスコープ14によって分析用支持体2をスキャンする。これらの光学ディスク12および13は、必要に応じて、光源9の数、障害物、分解能などによって単一経路または複数の経路(すなわち、1つまたは複数の同心列のミラーを備える)とすることができる。本発明による測定のためのデバイス1は、これらの光学ディスク12および13の回転速度を管理し、正確に制御するための電子制御システム(不図示)も備えている。
【0093】
テレスコープ10によるレーザービームF’の光学ユニットの縮小により、支持体2の表面の同一点に向かってレーザービームF’を収束させるために、すべてのこれらのビームF’を水平回転ディスク12の単一ミラー12aおよび垂直回転ディスク13の単一ミラー13aで反射させることが可能であることに留意されたい。各ミラー12a、13aは、実際、様々なビームF’’を支持体2の明確に限局されたゾーンに向かって収束させるために、傾斜の角度の点で回転ディスク12および13に対してユニークに配置されている。
【0094】
妨害の理由から、2つの回転ディスク12および13の間の距離は、好ましくは、ビームの経路に2つの追加の反射を加える偏向ペリスコープ14の追加によって短縮される。
【0095】
支持体2への様々なビームF’’の集束は、特に光学素子の離隔距離を調節するアフォーカル系10によって、スキャニングヘッド7の出口に配置された垂直光学回転ディスク13に配置された放物面ミラーによって、交差しようとするビームF’を僅かに非共線にするためにピラミッドのミラーの傾斜を調節する、スキャニングヘッド7の出口の集束レンズおよび/またはミラーから構成された補助系によって行うことができる。
【0096】
特定の実施形態では、少なくとも2つのビームの群を用いる構成では、支持体2で交差しようとする各群のビームのみが、各群の共線ビームのみが支持体2の同じ点に収束するように共線にされる。
【0097】
このスキャニングヘッド7の出口で、各レーザービームF’’が、ヘッド7のミラーによって支持体2の分析する表面に集束され、これらのビームが、この表面の少なくとも1つの測定点で交差する。各ビームの交差は、0.5GW.cm−2よりも大きく、一般に、単位表面積当たりの閾値出力が支持体の材料の溶発の閾値よりも大きい、寿命が約2μ秒のホットプラズマPを気化によって得るのに十分である、各測定点の表面における出力または光輝密度を提供する。
【0098】
これらの非常に高いエネルギー密度において、各測定点の材料の一部が、実際、気化によって分析する表面から放出され、これにより、非常に明るく寿命が非常に短いこのホットプラズマPが生成される。プラズマPの形態のこの溶発された材料は、様々な原子成分とイオン成分に解離し、各レーザーパルスの終了後、このプラズマPが急速に冷える。この期間中に、励起された原子およびイオンは、これらが低いエネルギーレベルに戻るため、これらに特徴的な光放射を放出する。
【0099】
図4〜図12は、ビームの各交差に対応するプラズマPからの輝線の同時検出の前に、分析する他の測定点を妨害しないように、生成される各プラズマPの光学的閉じ込め手段5、5’、5’’に用いることができる構造の例を例示している。上記したように、生物学的分析用支持体2の表面で点ごとに生成されるプラズマPの光学分析により、分析する元素の原子の量の画像を各測定点で再構築することが可能となり、この画像から、標的の分子式の元素の存在度によって標的の数を推定することが可能となる。
【0100】
図4に例示されているように、各測定点で生成されるプラズマPからの輝線は、例えば、このプラズマPを光学的に分離するように設計された、いくつかの取得光ファイバー6(少なくとも3本の光ファイバー6)によって捕捉することができ、取得光ファイバー6のそれぞれの自由端は、高さが低い、直径が1〜20cmの円形リング5に均等に配置されている。このリング5の側壁5a、5b、5cの内面は、目的の元素の輝線の波長を反射して、放射光統合リング(emitted light integration ring)を形成できるのであれば、凹面(図5および図6を参照)、多面(図7を参照)、平面(図8)、楕円面、または放物面とすることができるミラーを構成する。ミラーの曲率または傾斜は、好ましくは、リング5の反対側の内面に向かって光を収束させることができるように設計される。
【0101】
リング5は、取得光ファイバー6を受け取るように、その側壁5a、5b、5c(例えば、図5の例では円柱)に規則的な間隔で開口5dが穿孔されている。その開口数によって、各取得ファイバー6は、プラズマPによって放射される放射線を分光ユニット内に正確に導入するためにファイバーコリメータなどの適切なレンズのセットで覆うことができ、したがって、ファイバー6によって観察されるそれぞれの視野が、円(または円の内側に配置された多角形)、すなわち光学円16に相当する表面を形成するように相互に重なった補正レンズまたは光学開口で覆われる。各プラズマPは、プラズマPからファイバー6への光の蓄積光学経路が、この光学円16におけるプラズマPの位置に関係なく一定であるようにこの光学円16で生成される。
【0102】
図9の変形では、プラズマPの光学的閉じ込めチャンバー5’はそれぞれ、正三角形の形状を有し、かつ上述のリング5と同じ種類の側壁5a’の内面を有する。対応するプラズマPから直接光を捕捉し、この光が三角形5’の側壁で反射されるように、各三角形5’の3つの頂点に、1つ1つが60度以上の光学開口を備えた3つの取得光ファイバー6’が存在する。一連のこのような正三角形5’を、支持体2の全表面を取り囲む平行四辺形を形成するように有利に配置することができる。
【0103】
したがって、上述のミラーによって交差、収束、および変位されるレーザービームが、望ましいステップで、各点で、すべての関連する取得ファイバー6、6’によって光が捕捉されるプラズマPを生成する、図4による各光学円16または図9による各光学三角形5’の全体をスキャンする。各光学円16のファイバー6または各光学三角形5’のファイバー6’によって捕捉される蓄積光は、この光学円16または光学三角形5’のそれぞれにおけるプラズマPの位置に依存しない強度を有することに留意されたい。
【0104】
この方法により、各レーザーパルスで溶発されるゾーンに対応する、例えば、10μmのステップで、交差レーザービームによって分析する全表面のスキャニングが可能となり、光学的閉じ込めチャンバー5、5’により、いくつかのプラズマPの同時取得が可能となる。
【0105】
これらの光学的閉じ込めチャンバー5、5’の側壁5a、5b、5c、または5a’の底部の表面の分析を可能にするために、これらのチャンバー5,5’に対して生物学的分析用支持体2を相対運動させる必要があり、この相対運動は、好ましくは、固定されたままの分析用支持体2に対してこれらのチャンバー5,5’を移動させることによって行う。
【0106】
図11および図12に例示されているように、これらの光学的閉じ込めチャンバー5’(この例では、三角形のチャンバー)は、支持体2の外部の両側に配置された、2つの電磁石18の2つの金属ストッパー17bと協働してこれらのチャンバー5、5’のそれぞれを交互に引き寄せる2つの電磁石18の制御下で、分析用支持体2の両側に配置されたガイドまたはレール17の支持部材17aによってガイドまたはレール17に沿ってスライドすることができる。
【0107】
図10の変形では、支持体2の表面の分析は、支持体2の両側に横方向に交互した列に取得光ファイバー6’’を配置することによって、支持体2に対する光学的閉じ込めチャンバー5’’の相対運動なしで行われる。この配置によって、取得ファイバー6’’のそれぞれの光学開口が全体として、支持体2の全表面を網羅する。したがって、支持体2の両側の横方向の光ファイバー6’’の光学開口の僅かな重複19により、これらの光学開口の底部端に位置する表面の分析が可能となる。
【0108】
図13に例示されている本発明の別の実施形態によると、分析する支持体2、さらに上述の光学的閉じ込め手段5、5’(この例では、リング5からなる)も、閉じたエンクロージャー20内にすべて配置され、エンクロージャー20の少なくとも上面21が、レーザービームの励起波長およびこのプラズマPによって生成される光の取得波長に対して透明である。このチャンバー5の中の空気は、空気を排出するための弁22によって除去され、次いで、このチャンバーは、充填弁23によってプラズマ生成ガス(例えば、アルゴン/窒素、ヘリウム)で充填される。これらの弁22および23は、エンクロージャー20の支持体24の下面に取り付けられている。
【0109】
結論として、支持体2の表面の点ごとに生成されるプラズマPの光学分析により、各測定点で求める元素の原子の量の画像を再構築することが可能となることに留意されたい。
【0110】
3つ以上のレーザーを用いることにより、分析する生物学的支持体2にいくつかのプラズマPを同時生成することも可能となる。これらの条件下では、生成されるプラズマ1つに1つの光学的閉じ込めユニットが設けられる。このユニットで隠れた支持体2のゾーンは、例えば、上述の光学円5または光学三角形5’などの光学的閉じ込めユニット内のこれらのゾーンの相対移動の後に分析することができる。
【0111】
生物学的分析用支持体のLIBSマッピングに関して説明した形状を、分析する非生物学的(無機または有機)支持体を含む比較的平坦な表面のLIBSマッピングにも利用できることに留意されたい。
【符号の説明】
【0112】
1 デバイス
2 支持体
3 プラズマ生成ユニット
4 集束手段
5、5’、5’’ 光学的閉じ込め手段、光学的閉じ込めチャンバー、円形リング、光学三角形
5a、5b、5c、5a’ 側壁
5d 開口
6、6’、6’’ 取得光ファイバー
7 スキャニングヘッド
8、8’ 偏向逆ピラミッド
8a ステージ
8b 高品質アルミニウムミラー
9 レーザー光源
10 アフォーカル光学系、ビーム縮小テレスコープ
11 楕円面ミラー
12、13 光学回転ディスク
12a、13a ミラー
14 偏向ペリスコープ
16 光学円
17 レール
17a 支持部材
17b 金属ストッパー
18 電磁石
19 相互重複
20 エンクロージャー
21 上面
22、23 弁
24 支持体
F、F’’ レーザービーム
F’ 共線ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的分析用支持体(2)の表面または内部に存在する生体分子標的、特にタンパク質の高速定量的測定のための方法において、
a)少なくとも2つのレーザービーム(F’’)の同時交差によってこれらのビームを支持体の各測定点に移動させ、集束させ、重ね合わせて、前記標的に存在する定量すべき少なくとも1つの化学元素、およびこの基板の表面または内部に既知の量存在する、これらの標的の外部の少なくとも1つの他の化学元素を含む含有ホットプラズマ(P)をこれらのビームから引き出すことによって、支持体の測定点をスキャンするステップ、
b)定量すべき前記または各元素および前記または各外部元素に対応する各プラズマからの発光輝線を、これらの輝線のそれぞれの強度を測定することによって、これらの測定点のそれぞれに対して検出および分析するステップ、次いで
c)定量すべき前記もしくは各元素またはこれら標的内にこの元素を含む基の各測定点の濃度を、定量すべき前記または各元素の前記輝線の事前較正によって決定して、定量すべきこの元素に特有の前記輝線の強度と、定量すべき前記または各元素および前記または各外部元素の既知の割合の混合物中のこの元素の濃度との間の相関性を確立するステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
定量すべき前記もしくは各元素または前記もしくは各外部元素の濃度を表す画像を得る続くステップであって、この画像内の各ピクセルまたは前記各ピクセルの3色のそれぞれの強度が、観察された対応する元素からの輝線の強度を表す、ステップも含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)で用いられる前記レーザービーム(F)のそれぞれは、1フェムト秒から100ナノ秒の期間、600Hzから1GHzの周波数、および0.05mWから1kWのエネルギーのパルスによって赤外線−可視光線−紫外線範囲で放射することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザービーム(F)は、例えば、266nmもしくは193nmの波長の紫外線範囲または266nmの紫外線範囲、および532nmの可視光線範囲で、10ナノ秒未満の期間、好ましくは5ナノ秒に等しい期間のパルスによって放射することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ビーム(F’’)は、
これらのビームが、少なくとも1つの反射ステージ(8a)を備えた偏向ピラミッド(8)を出射する際に共線ビーム(F’)が得られるように、このピラミッドに対して接線方向に反射され、
これらの共線ビームが、これらのビームのそれぞれの直径およびこれらのビームを互いに分離する距離を縮小するビーム縮小テレスコープなどのアフォーカル光学系(10)を通過し、次いで、
これらの縮小された共線ビームが続いて、前記スキャニングヘッドの出口に配置された平面、放物面、または楕円面ミラー(11)によって各測定点に集束し交差されるように、
ステップa)で、前記スキャニングヘッド(7)で生成することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記縮小された共線ビーム(F’)は、これらの共線ビームを水平方向および垂直方向のそれぞれに偏向するミラー(12aおよび13a)を備えた2つの光学回転ディスク(12および13)によって、好ましくはこれらのディスクに結合された偏向ペリスコープ(14)によって前記支持体(2)の各測定点に集束し交差させることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップa)で行う前記レーザービーム(F’’)の交差による重ね合わせにより、寿命が約2マイクロ秒の各ホットプラズマ(P)を気化によって得るために0.5GW.cm−2を超える出力密度を各測定点で生成することを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素、またはこれらの気体の混合物などのプラズマ生成ガスから生成される少なくとも1つの活性化剤を各含有プラズマ(P)に添加することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記引き出されたプラズマ(P)はそれぞれ、対応するプラズマによって放射された光の統合のためにチャンバー(5、5’、5’’)の中に光学的に閉じ込められ、前記各チャンバーは、反射側壁(5a、5b、5c、5a’)を有し、各プラズマが分析すべき他の測定点を妨害しないように、このチャンバーの中に蓄積された光の取得のための少なくとも1本の光ファイバー(6、6’、6’’)が設けられていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記生物学的分析用支持体(2)は、ステップa)で、好ましくは、固定されたままの前記支持体の上に案内される前記光学的閉じ込めチャンバー(5、5’)に対して相対運動させると同時に、前記レーザービーム(F’’)を交差させることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
これらのチャンバー(5’’)の前記支持体(2)に対する相対運動を用いずに、分析すべき前記支持体の全表面を覆うように、前記ファイバー(6’’)を前記支持体の上に交互の列に配置することによって、前記取得光ファイバーのそれぞれの光学開口の相互重複(19)を使用することができることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
引き出されたプラズマ(P)の前記光学的閉じ込めチャンバー(5’)は、それら自体が、閉じたエンクロージャー(20)内に収容され、前記エンクロージャーは、前記支持体(2)を含み、前記プラズマ生成ガスで満たされ、前記エンクロージャーの少なくとも上面(21)は、前記レーザービームの前記または各励起波長およびこのプラズマによって生成される光の取得波長に対して透明であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)を、ステップa)からc)を行うために、好ましくはレーザー誘起蛍光法(LIF)と共に並列に使用することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記生体分子標的は、非標識核酸、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、DNAなどのポリヌクレオチド、および糖からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記生体分子標的は、ステップa)の前に、前記支持体(2)の表面または本体内に固定され、前記支持体は、実質的に平坦であり、バイオチップ、転写膜、シリコン基板、ポリイミド基板およびガラス基板、ならびに電気泳動ゲルおよびクロマトグラフィーゲルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記生物学的分析用支持体(2)は、前記標的によってハイブリダイズまたは複合体化された天然のプローブのアレイを表面に備えたバイオチップから形成され、このアレイは、それぞれが複数の前記プローブを有する多数の前記測定点を備え、定量すべき前記または各化学元素が、前記標的内、および必要に応じて前記プローブ内にも存在することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プローブは、核酸、ペプチド核酸(PNA)、ロックされた核酸(LNA)、リボ核エーテル(ERN)、抗体、半抗体、核酸が結合した半抗体、およびタンパク質受容体からなる群から選択されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記生体分子標的は、ステップa)の前に、プローブ/標的の相互作用、すなわち
共にタンパク質に基づいた、リガンド/受容体または抗体/結合抗原の相互作用、または
核酸または同等物/混合タンパク質の相互作用、または
核酸/金属、イオン、または任意の他の自由分子のタイプの相互作用、あるいは
タンパク質/イオン、または任意の他の自由分子のタイプの相互作用
によって固定されることを特徴とする、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記または各外部元素は、前記分析用支持体(2)に均一に既知の量、堆積されていることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記または各外部元素は、特に前記プローブと共に前記分析用支持体(2)に均一に既知の量、堆積され、この外部元素は、既知の割合で前記プローブと共にこの支持体に接合される化合物中に含められるか、または原子置換もしくは強力な相互作用によって各プローブの構造内に直接埋め込まれることを特徴とする、請求項16から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
定量すべき前記または各化学元素は、リン、硫黄、ヨウ素、窒素、酸素、および炭素からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
標的として核酸またはリン酸化タンパク質を使用し、ステップb)でのプラズマ中のリンの原子およびイオン輝線の検出のために、これらの標的中に存在するリンを定量すべき元素として使用することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ステップb)で、リン輝線を、138±3nm、148±3nm、154±3nm、167±3nm、177±3nm、190±3nm、193±3nm、203±3nm、213±3nm、および253±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは203±3nmの波長で検出することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
標的およびプローブとして、例えば、硫黄もしくはヨウ素で標識した核酸またはタンパク質を使用し、ステップb)でのプラズマ(P)中の硫黄およびヨウ素の原子およびイオン輝線の検出のために、前記標的および前記プローブ中の硫黄およびヨウ素をそれぞれ定量すべき元素として使用することを特徴とする、請求項16から18のいずれか一項および請求項21から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
ステップb)で、硫黄輝線を、167±3nm、181±3nm、190±3nm、199±3nm、415±3nm、458±3nm、922±3nm、942±3nm、および968±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは415±3nmの波長で検出し、ヨウ素輝線を、150±3nm、161±3nm、170±3nm、178±3nm、183±3nm、511±3nm、661±3nm、740±3nm、746±3nm、804±3nm、839±3nm、902±3nm、905±3nm、911±3nm、および973±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは、511±3nmの波長で検出することを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記プローブおよび前記標的の両方によって生成される信号の予測できない性質を引き出すために、ステップb)でのプラズマ(P)中の硫黄およびヨウ素それぞれの原子およびイオン輝線の検出で、塩素または臭素を、これらの標的およびこれらのプローブの外部元素として使用することを特徴とする、請求項24または25に記載の方法。
【請求項27】
ステップb)で、
35±3nm、386±3nm、413±3nm、479±3nm、490±3nm、499±3nm、507±3nm、521±3nm、539±3nm、542±3nm、774±3nm、725±3nm、741±3nm、754±3nm、822±3nm、833±3nm、837±3nm、842±3nm、858±3nm、868±3nm、894±3nm、912±3nm、919±3nm、928±3nm、945±3nm、および959±3nmからなる群から選択される値を有する波長での塩素輝線、または
154±3nm、158±3nm、163±3nm、614±3nm、635±3nm、655±3nm、663±3nm、751±3nm、780±3nm、793±3nm、798±3nm、813±3nm、827±3nm、844±3nm、889±3nm、916±3nm、および926±3nmからなる群から選択される値を有する波長での臭素輝線
を検出することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
DNAを前記標的として使用し、ステップb)でのプラズマ中のリンの原子およびイオン輝線の検出のために、これらの標的に結合した、ナトリウム、マグネシウム、およびカリウムからなる群から選択される陽イオンを定量すべき元素として使用することを特徴とする、請求項14および22または23に記載の方法。
【請求項29】
ステップb)で、
268±3nm、285±3nm、291±3nm、292±3nm、298±3nm、314±3nm、321±3nm、325±3nm、330±3nm、353±3nm、363±3nm、449±3nm、466±3nm、497±3nm、569±3nm、589±3nm、616±3nm、および819±3nmからなる群から選択される値を有する波長でのナトリウム輝線、または
285±3nm、880±3nm、309±3nm、333±3nm、383±3nm、457±3nm、473±3nm、518±3nm、552±3nm、571±3nm、925±3nm、964±3nm、および941±3nmからなる群から選択される値を有する波長でのマグネシウム輝線、または
404±3nm、535±3nm、580±3nm、693±3nm、766±3nm、769±3nm、825±3nm、850±3nm、890±3nm、および959±3nmからなる群から選択される値を有する波長でのカリウム輝線
を検出することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
炭素、窒素、および酸素のいずれも含んでいない前記支持体(2)上の標的およびプローブの量を評価するために、ステップb)でのプラズマ(P)中の窒素および/または炭素および/または酸素の原子輝線の検出で、定量すべき元素(複数可)として前記標的および前記プローブに存在する窒素および/または炭素および/または酸素を使用することを特徴とする請求項16から18および21から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
ステップb)で、
174±3nm、575±3nm、744±3nm、821±3nm、859±3nm、865±3nm、871±3nm、938±3nm、および870±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは575±3nmの波長での窒素輝線、
156±3nm、165±3nm、175±3nm、193±3nm、247±3nm、538±3nm、600±3nm、711±3nm、833±3nm、908±3nm、911±3nm、965±3nm、および940±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは600±3nmの波長での炭素輝線、および/または、
615±3nm、645±3nm、700±3nm、725±3nm、777±3nm、822±3nm、844±3nm、および926±3nmからなる群から選択される値を有する波長、好ましくは615±3nmの波長での酸素輝線
を検出することを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
請求項1から31のいずれか一項に記載の定量的測定のための方法を行うためのデバイス(1)において、
好ましくは実質的に平坦であり、例えば、プローブアレイバイオチップなどのバイオチップ、転写膜、または電気泳動ゲルもしくはクロマトグラフィーゲルなどの生物学的分析用支持体(2)と、
前記支持体上での少なくとも2つのレーザービーム(F’’)の同時交差によってこれらのビームを各測定点に集束させ重ね合わせて、前記標的に存在するリンなどの定量すべき少なくとも1つの化学元素を含有するホットプラズマ(P)をこれらのビームから引き出す手段(4)を備えるプラズマ生成ユニット(3)であって、前記ビームを集束させ重ね合わせるためのこれらの手段は、共線的に前記レーザービームを生成できるスキャニングヘッド(7)、および前記支持体の前記測定点をスキャンするために前記支持体に向かって前記ビームを偏向するべくミラー(12aおよび13a)を備えた光学回転ディスク(12および13)と協働する、このヘッドの出口に配置されたミラー(11)の系を備える、プラズマ生成ユニット(3)と、
この支持体の上に配置された、このプラズマ生成ユニットによって引き出される各プラズマの光学的閉じ込め手段(5、5’、5’’)と、
これらの閉じ込め手段内に延びた取得光ファイバー(6、6’、6’’)によって前記閉じ込め手段に連結された分光ユニットであって、定量すべき前記元素(複数可)の濃度を、各測定点に対して引き出されるプラズマからの発光輝線の1つの強度および較正曲線を基準に各側定点で決定するように、これらの輝線の検出および分析に適した、分光ユニットと、を備えることを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項33】
前記支持体(2)上での交差によってレーザービーム(F’’)を各測定点で集束させ重ね合わせるための前記手段(4)は、
前記スキャニングヘッド(7)であって、
いくつかのレーザー光源(9)によって放射される入射ビーム(F)を接線方向に偏向させて、反射逆ピラミッド(8)を出射する際にこれらのビームを共線にするように設計された少なくとも1つのステージ(8a)を備えるこの反射逆ピラミッド(8)、および
これらの共線ビーム(F’)を受け取ると共に、これらの共線ビームのそれぞれの直径およびこれらの共線ビームを互いに分離する距離を縮小するように設計された、好ましくはビーム縮小テレスコープである、このピラミッドの先端部の下に配置されたアフォーカル光学系(10)を有する、前記スキャニングヘッド(7)と、
前記ビームを水平方向および垂直方向に偏向するミラー(12aおよび13a)を備えた前記光学回転ディスク(12および13)と協働し、好ましくは、このアフォーカル系によって縮小された共線ビームが各測定点に集束し交差されるようにこれらのディスクに結合された偏向ペリスコープ(14)とも協働する、平面、放物面、または楕円面ミラー(11)の前記系と、を備えることを特徴とする、請求項32に記載のデバイス(1)。
【請求項34】
前記光学的閉じ込め手段(5、5’、5’’)は、引き出された各プラズマ(P)を光学的に閉じ込めることができ、それぞれが前記支持体(2)に対して垂直に配置された側壁(5a、5b、5c、5a’)によって画定された複数の開いたチャンバーを備え、この側壁の内面は、このチャンバーに蓄積された光、特に、定量すべき前記化学元素からの輝線の波長を反射させることができ、前記取得光ファイバー(6、6’、6’’)の少なくとも1つがこの側壁を通過していることを特徴とする、請求項32または33に記載のデバイス(1)。
【請求項35】
各プラズマ(P)の前記光学的閉じ込め手段は、このプラズマによって放射される光の統合のための複数の近接するリング(5)を備え、前記側壁(5a、5b、5c)は、断面が実質的に円形であり、いくつかの前記取得ファイバー(6)の自由端が、前記側壁に形成された開口(5d)を介して、前記各リングによって形成された前記チャンバーの中に延在し、電磁石(18)を備えた前記チャンバーをスライドさせるためのレール(17)などの、これらのチャンバーの前記支持体(2)に対する相対運動のための手段が、分析すべき前記支持体の全表面を覆うように設けられていることを特徴とする、請求項34に記載のデバイス(1)。
【請求項36】
各プラズマ(P)の前記光学的閉じ込め手段は、このプラズマによって放射される光の統合のために複数のチャンバー(5’)を備え、前記各チャンバーの前記側壁(5a’)は、実質的に正三角形の形態の断面を有し、これらのチャンバーは、それらの側面の1つによって連続した対であると共に、それらの3つの頂点のそれぞれに前記取得ファイバー(6’)が設けられており、電磁石(18)を備えた前記チャンバーをスライドさせるためのレール(17)などの、前記チャンバーの前記支持体(2)に対する相対運動のための手段が、分析すべき前記支持体の全表面を覆うように設けられていることを特徴とする、請求項34に記載のデバイス(1)。
【請求項37】
各プラズマ(P)の前記光学的閉じ込め手段は、このプラズマによって放射される光の統合のために複数のチャンバー(5’’)を備え、前記複数のチャンバーは、交互の列に配置された少なくとも2連の取得ファイバー(6’’)を備え、前記取得ファイバーのそれぞれの光学開口が、これらのチャンバーの前記支持体に対する相対運動を用いずに、分析すべき前記支持体(2)の全表面を相互重複(19)によって覆うことができることを特徴とする、請求項34に記載のデバイス(1)。
【請求項38】
引き出されたプラズマ(P)の前記光学的閉じ込めチャンバー(5’)は、それら自体が、閉じたエンクロージャー(20)内に収容され、前記エンクロージャーは、前記支持体(2)を含み、アルゴン、ヘリウム、窒素、またはこれらの気体の混合物などのプラズマ生成ガスで満たされ、このエンクロージャーの少なくとも上面(21)が、前記レーザービームの前記または各励起波長およびこのプラズマによって生成される光の取得波長に対して透明であり、このエンクロージャーは、プラズマ生成ガスで満たすための弁(23)および空気を排出するための弁(22)を備えることを特徴とする、請求項32から36のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項39】
前記分光ユニットは、感光性セル型の少なくとも1つの分光器を含み、回折格子または望ましい波長に対してのみ透明な少なくとも1つの光学フィルターが、前記各取得光ファイバー(6、6’、6’’)と前記分光器との間に配置されていることを特徴とする、請求項32から38のいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項40】
前記生物学的分析用支持体(2)は、前記標的によってハイブリダイズまたは複合体化された天然のプローブのアレイを表面に備えたバイオチップから形成され、このアレイは、それぞれが複数の前記プローブを有する多数の前記測定点を備え、定量すべき前記または各化学元素が、前記標的内、および必要に応じて前記プローブ内にも存在することを特徴とする、請求項32から39のいずれか一項に記載のデバイス(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−517936(P2011−517936A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500260(P2011−500260)
【出願日】平成21年3月20日(2009.3.20)
【国際出願番号】PCT/FR2009/000300
【国際公開番号】WO2009/122047
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(506423291)コミサリア ア レネルジィ アトミーク エ オ ゼネ ルジイ アルテアナティーフ (85)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【Fターム(参考)】