説明

生産ライン不良対応評価システム及びプログラム

【課題】ライン停止対応とライン不停止対応とのいずれを取るべきかを適切に判断することの支援を行うこと。
【解決手段】生産ラインが不良発生により実際にライン停止された場合における実際のライン停止時間を格納する不良実績DB21と、生産ラインが不良発生にも関わらずライン停止されなかったと仮定した場合における予想上の手直し時間を算定するためのライン不停止予想情報を格納するライン不停止予想DBと、ライン停止に起因する実際の稼働ロス時間を算定する実績稼働ロス時間算定部31と、不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定する予想手直し時間算定部32と、実績稼働ロス時間と予想手直し時間に基づいてライン停止の良否を評価するライン停止評価部35を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種工場の生産ラインにおいて不良が発生した際の対応を評価するためのシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種工場の生産ラインにおいて不良が発生した際の対応は、1)生産ラインを一時的に停止し、不良発生要因を解消した後に、生産を再開する対応(以下「ライン停止対応」)と、2)生産ラインを一時的に停止せず、不良品はそのまま流して生産を継続し、当該不良品についてはオフラインで手直しした後に、不良発生工程以降の工程に製品を流して良品を完成させる対応や、オフラインで手直しした後で、そのままオフラインにて対応して良品を完成させる対応(以下「ライン不停止対応」)とに大別できる。
【0003】
一般には、「ライン停止対応」を取ることで不良発生要因を解消し、その後の不良発生を無くすことが推奨されている。このため、従来から、生産ラインにおける不良の発生状況を自動的に検知し、不良の発生時には生産ラインを停止させるシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、生産ラインに投入される部品に貼付されたバーコードを読み取ることによって、当該部品が正しい部品であるか否かを判定し、正しい部品ではないと判定した場合には、当該部品が使用される工程に関連する生産ラインを自動的に停止するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−254537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実際には、生産ラインにおける不良の発生状況を自動的に検出することが困難な場合が多く、例えば、自動車の塗装工程において塗装にムラがあるか否かをセンサのみで完全に識別することは困難である。したがって、現実的には、不良が発生したか否かの最終的な判断や、不良が発生した場合に「ライン停止対応」と「ライン不停止対応」のいずれを取るのかは、製造現場の作業者に委ねられることが多い。
【0006】
しかしながら、製造現場の作業者は、生産ラインの稼働率が低下することを懸念して、「ライン停止対応」を取ることに抵抗感があり、その判断を誤ることや、対応が遅れることがあった。このように適切に「ライン停止対応」が取られなかった場合には、不良発生リスクが継続して残ることに加えて、製造現場での作業事故に至る危険性を増加させることがあるため、「ライン停止対応」を取るべきか否かを製造現場で適切に判断することは重要である。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不良発生時に、「ライン停止対応」と「ライン不停止対応」とのいずれを取るべきかを適切に判断することの支援を行うことができる、生産ライン不良対応評価システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の生産ライン不良対応評価システムは、生産ラインが不良発生により実際にライン停止された場合における、実際のライン停止時間を格納するライン停止実績情報格納手段、前記生産ラインが不良発生にも関わらずライン停止されなかったと仮定した場合における、不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定するためのライン不停止予想情報を格納するライン不停止予想情報格納手段、前記ライン停止実績情報格納手段に格納されたライン停止時間に基づいて、前記ライン停止に起因する実際の稼働ロス時間を算定する実績稼働ロス時間算定手段、前記ライン不停止予想情報格納手段に格納されたライン不停止予想情報に基づいて、前記不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定する予想手直し時間算定手段、及び、前記実績稼働ロス時間算定手段にて算定された実際の稼働ロス時間と、前記予想手直し時間算定手段にて算定された予想上の手直し時間に基づいて、ライン停止の良否を評価するライン停止評価手段を備え、あるいは、生産ラインが不良発生によりライン停止されたと仮定した場合における、ライン停止に起因する予想上の稼働ロス時間を算定するためのライン停止予想情報を格納するライン停止予想情報格納手段、前記生産ラインが不良発生にも関わらず実際にはライン停止されなかった場合における、実際の不良品の手直し時間を格納するライン不停止実績情報格納手段、前記ライン停止予想情報格納手段に格納されたライン停止予想情報に基づいて、前記ライン停止に起因する予想上の稼働ロス時間を算定する予想稼働ロス時間算定手段、前記ライン不停止実績情報格納手段に格納された手直し時間に基づいて、前記不良品の手直しに起因する実際の手直し時間を算定する実績手直し時間算定手段、及び前記予想稼働ロス時間算定手段にて算定された予想上の稼働ロス時間と、前記実績手直し時間算定手段にて算定された実際の手直し時間に基づいて、ライン不停止の良否を評価するライン不停止評価手段とを備える。
【0009】
また、請求項2に記載の生産ライン不良対応評価システムは、請求項1に記載の生産ライン不良対応評価システムにおいて、前記ライン不停止予想情報格納手段は、前記生産ラインで製品を生産するためのサイクルタイムを格納する生産実績情報格納手段と、前記生産ラインで製品を生産するために必要な工程の編成を特定するための工程編成情報を格納する工程編成情報格納手段とを含み、前記実績稼働ロス時間算定手段は、前記ライン停止実績情報格納手段に格納されたライン停止時間に対して、前記工程編成情報格納手段に格納された工程編成情報から得られる前記生産ラインにおける工程数を乗じることにより、前記実際の稼働ロス時間を算定し、前記予想手直し時間算定手段は、前記生産実績情報格納手段に格納されたサイクルタイムに対して、前記工程編成情報格納手段に格納された工程編成情報から得られる前記生産ラインにおける不良発生工程後の残工程数を乗じることにより、不良発生工程後の工程で不良品を見送った分のロス時間を算定し、当該ロス時間の2倍の時間に対して、前記ライン停止実績情報格納手段に格納されたライン停止時間を加算することにより、前記予想上の手直し時間を算定する。
【0010】
また、請求項3に記載の生産ライン不良対応評価システムは、請求項1又は2に記載の生産ライン不良対応評価システムにおいて、前記生産ラインで製品を生産するためのサイクルタイムを格納する生産実績情報格納手段を備え、前記ライン停止予想情報格納手段は、生産ラインが不良発生により実際にライン停止された場合における、実際のライン停止時間を格納するライン停止実績情報格納手段と、前記生産ラインにおける生産に必要な部品の調達時間を格納する部品調達時間格納手段と、前記生産ラインの設備不良の保全作業時間を格納する保全作業時間格納手段と、前記生産ラインで製品を生産するために必要な工程の編成を特定するための工程編成情報を格納する工程編成情報格納手段とを含み、前記予想稼働ロス時間算定手段は、仮定するライン停止の要因が作業ミスである場合には前記ライン停止実績情報格納手段から前記ライン停止時間を取得し、仮定するライン停止の要因が部品不良である場合には前記部品調達時間格納手段から前記調達時間を取得し、あるいは、仮定するライン停止の要因が設備不良である場合には前記保全作業時間格納手段から前記保全作業時間を取得し、当該取得したライン停止時間、調達時間、あるいは、保全作業時間に対して、前記工程編成情報格納手段に格納された工程編成情報から得られる前記生産ラインにおける工程数を乗じることにより、前記予想上の稼働ロス時間を算定し、前記実績手直し時間算定手段は、前記生産実績情報格納手段に格納されたサイクルタイムに対して、前記工程編成情報格納手段に格納された工程編成情報から得られる前記生産ラインにおける不良発生工程後の残工程数を乗じることにより、不良発生工程後の工程で不良品を見送った分のロス時間を算定し、当該ロス時間の2倍の時間に対して、前記ライン不停止実績情報格納手段に格納された手直し時間を加算することにより、前記実際の手直し時間を算定する。
【0011】
また、請求項4に記載の生産ライン不良対応評価システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の生産ライン不良対応評価システムにおいて、前記ライン停止評価手段による評価結果、又は、前記ライン不停止評価手段による評価結果を格納する評価結果格納手段と、前記ライン停止評価手段による評価結果、又は、前記ライン不停止評価手段による評価結果を、前記評価結果格納手段に記録する評価結果記録手段とを備える。
【0012】
また、請求項5に記載の生産ライン不良対応評価プログラムは、生産ラインが不良発生により実際にライン停止された場合における、実際のライン停止時間を格納するライン停止実績情報格納手段と、前記生産ラインが不良発生にも関わらずライン停止されなかったと仮定した場合における、不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定するためのライン不停止予想情報を格納するライン不停止予想情報格納手段とを備えたコンピュータを、前記ライン停止実績情報格納手段に格納されたライン停止時間に基づいて、前記ライン停止に起因する実際の稼働ロス時間を算定する実績稼働ロス時間算定手段、前記ライン不停止予想情報格納手段に格納されたライン不停止予想情報に基づいて、前記不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定する予想手直し時間算定手段、及び、前記実績稼働ロス時間算定手段にて算定された実際の稼働ロス時間と、前記予想手直し時間算定手段にて算定された予想上の手直し時間に基づいて、ライン停止の良否を評価するライン停止評価手段として機能させ、あるいは、生産ラインが不良発生によりライン停止されたと仮定した場合における、ライン停止に起因する予想上の稼働ロス時間を算定するためのライン停止予想情報を格納するライン停止予想情報格納手段と、前記生産ラインが不良発生にも関わらず実際にはライン停止されなかった場合における、実際の不良品の手直し時間を格納するライン不停止実績情報格納手段とを備えたコンピュータを、前記ライン停止予想情報格納手段に格納されたライン停止予想情報に基づいて、前記ライン停止に起因する予想上の稼働ロス時間を算定する予想稼働ロス時間算定手段、前記ライン不停止実績情報格納手段に格納された手直し時間に基づいて、前記不良品の手直しに起因する実際の手直し時間を算定する実績手直し時間算定手段、及び前記予想稼働ロス時間算定手段にて算定された予想上の稼働ロス時間と、前記実績手直し時間算定手段にて算定された実際の手直し時間に基づいて、ライン不停止の良否を評価するライン不停止評価手段として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1又は請求項5に記載の本発明によれば、不良発生時に実際にライン停止対応を行った場合には、ライン停止対応に起因する実際の稼働ロス時間と、ライン不停止対応を行なったと仮定した場合における予想上の手直し時間に基づいて、ライン停止対応の良否が評価されるので、実際にライン停止対応を行ったことの良否を把握することができる。あるいは、不良発生時に実際にライン不停止対応を行なった場合には、ライン停止対応を行なったと仮定した場合における予想上の稼働ロス時間と、ライン不停止対応に起因する実際の手直し時間に基づいて、ライン不停止対応の良否が評価されるので、実際にライン不停止対応を行なったことの良否を把握することができる。従って、いずれの場合においても、不良発生時に作業者が取った対応に対する客観的な評価を提示することができ、不良発生時に「ライン停止対応」と「ライン不停止対応」とのいずれを取るべきかを適切に判断することの支援を行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の本発明によれば、実際にライン停止対応を行った場合であっても、サイクルタイムや残工程数等に基づいて、ライン不停止対応を行なったと仮定した場合における予想上の手直し時間を算定することが可能となる。特に、不良が発生した工程以降の工程で作業を見送った分のロス時間を2倍することで、不良品をオフラインで手直しした後に不良発生工程以降の工程により製品を完成させるために要するロス時間を、予想上の手直し時間に含めることができ、予想上の手直し時間を限られたデータに基づいて一層正確に予想することができる。
【0015】
請求項3に記載の本発明によれば、実際にライン不停止対応を行った場合であっても、ライン停止時間、部品調達時間、あるいは保全作業時間等に基づいて、ライン停止対応を行なったと仮定した場合における予想上の稼働ロス時間を算定することが可能となる。特に、不良発生要因に応じて、ライン停止時間、部品調達時間、あるいは保全作業時間のいずれかを選定することで、不良発生要因に合致した予想上の稼働ロス時間を算定することができる。また、実際の手直し時間の算定においては、不良が発生した工程以降の工程で作業を見送った分のロス時間を2倍することで、不良品をオフラインで手直しした後に不良発生工程以降の工程により製品を完成させるために要するロス時間を、実際の手直し時間に含めることができ、実際の手直し時間を限られたデータに基づいて一層正確に予想することができる。
【0016】
請求項4に記載の本発明によれば、評価結果を記録することで、これまでに取ったライン停止対応やライン不停止対応の良否を担当者等が容易に確認することが可能となるため、次回の対応時の参考にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る生産ライン不良対応評価システムを機能概念的に示す概念図である。
【図2】(a)は不良実績DBの不良実績情報の構成例を示す図、(b)は生産実績DBの生産実績情報の構成例を示す図である。
【図3】手直し実績DBの手直し実績情報の構成例を示す図である。
【図4】工程編成DBの工程編成情報の構成例を示す図である。
【図5】部品情報DBの部品情報の構成例を示す図である。
【図6】保全実績DBの保全実績情報の構成例を示す図である。
【図7】「実際ライン停止対応」と「仮定ライン不停止対応」を対比して評価を行う場合の概念図である。
【図8】「仮定ライン停止対応」と「実際ライン不停止対応」を対比して評価を行う場合の概念図である。
【図9】生産ライン不良対応評価処理のフローチャートである。
【図10】評価レポートの出力例を示す図である。
【図11】他の評価レポートの出力例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る生産ライン不良対応評価システム(以下「本システム」)及び生産ライン不良対応評価プログラム(以下「本プログラム」)の実施の形態を詳細に説明する。まず、本実施の形態の構成について説明した後、本実施の形態の処理について説明し、最後に、本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(構成)
最初に、本システムの構成について説明する。本システムは、各種工場の生産ラインにおいて不良が発生した際の対応を評価するためのシステムである。ここで、生産ラインで生産される製品の具体的内容は任意であり、例えば自動車の如き輸送機器や、家電製品の如き電気機器を含む。「生産ライン」は複数の「工程」を含む概念であり、これら複数の「工程」を所定順序で実行することで製品が製造される。なお、以下では、「生産ラインA」に「工程a〜工程e」が含まれる場合について説明する。以下では「生産ラインA」のみについて説明するが、複数の生産ラインを有する工場においても、各生産ラインの各々についても同様に評価を行うことが可能である。
【0020】
(構成−本システム)
図1は、本システム1を機能概念的に示す概念図である。本システム1は、生産ラインを管理する管理端末2に対してネットワーク3を介して通信可能に接続されており、機能概念的に、入出力インターフェース(以下「入出力IF」)10、記憶部20、及び制御部30をバスにて通信可能に接続して構成されている。なお、本システム1は、特記する場合を除き、公知のサーバシステムやデータベースシステムを用いて構成することができる。
【0021】
入出力IF10は、本システム1の処理に必要な情報の入力を当該本システム1に対して行うための入力手段であると共に、本システム1からの出力を外部に行うための出力手段であり、例えば公知のネットワークボードとして構成されている。
【0022】
記憶部20は、本システム1の処理に必要な各種の情報を記憶する記憶手段であり、例えばハードディスクやその他の記録媒体によって構成されるもので、不良実績データベース(以下、データベースを「DB」と称する)21、生産実績DB22、手直し実績DB23、工程編成DB24、部品情報DB25、及び保全実績DB26を記憶する。これら各DBの構成例については後述する。また図示は省略するが、記憶部20には、本プログラムがインストールされている。本プログラムは、CD−ROMやDVDを含む任意の記録媒体から本システム1の図示しない読み取り装置によって読み取られ、あるいはネットワーク3を介した通信によって送信され、記憶部20にインストールされることで、後述する制御部30の各部を実質的に構成する。
【0023】
制御部30は、本システム1の各部を制御する制御手段であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、このCPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの制御プログラムや、各種の処理手順などを規定したプログラム、及び本プログラム)、及び所要プログラムや所要データを格納するための内部メモリを備えて構成される。この制御部30は、機能概念的に、実績稼働ロス時間算定手段である実績稼働ロス時間算定部31、予想手直し時間算定手段である予想手直し時間算定部32、予想稼働ロス時間算定手段である予想稼働ロス時間算定部33、実績手直し時間算定手段である実績手直し時間算定部34、ライン停止評価手段であるライン停止評価部35、ライン不停止評価手段であるライン不停止評価部36、評価結果記憶手段である評価結果記録部37、及び出力手段である出力部38を備える。これら各部の具体的処理内容については後述する。
【0024】
(構成−管理端末)
管理端末2は、生産ラインを構成する各機器を管理するための情報端末であり、生産ラインを構成する各機器や本システム1との間における情報の入出力を行う。この管理端末2の具体的構成は任意であるが、例えば、公知のパーソナルコンピュータと同様に構成することができ、少なくともキーボードやマウスの如き図示しない入力手段と、モニタの如き表示手段又はプリンタの如き図示しない印刷手段を備える。
【0025】
(構成−ネットワーク)
ネットワーク3は、本システム1と管理端末2を通信可能に接続する接続回線である。このネットワーク3の具体的構成は任意であるが、例えばLAN(Local Area Network)である。ただし、本システム1を生産ラインの遠隔地に配置するような場合には、ネットワーク3として、インターネットを含む広域ネットワークや、あるいはこれらLANやインターネットをバックボーンとして利用したVPN(Virtual Private Network)として構成することもできる。
【0026】
(構成−本システムのDBの構成例)
次に、上述した本システム1の記憶部20に記憶される各DBの構成例について説明する。ただし、以下の内容はあくまで例示であり、以下に示す情報以外の情報を含むことができ、あるいは、以下に示す情報の一部を除外することもできる。
【0027】
図1の不良実績DB21は、生産ラインで実際に発生した不良に関する情報(以下「不良実績情報」)を格納する不良実績情報格納手段である。この不良実績情報は、図2(a)の構成例に示すように、項目「ラインID」、項目「製品ID」、項目「日付」、項目「工程ID」、項目「発生時刻」、項目「復旧時刻」、項目「ライン停止時間」、項目「不良発生要因」、項目「部品ID」、項目「設備ID」、及び項目「対応評価」と、これら各項目に対応する情報を、相互に対応付けて構成されている。項目「ラインID」に対応する情報は、生産ラインを一意に識別するための生産ライン識別情報であり、ここでは「ラインA」のように生産ラインの名称が格納されている。項目「製品ID」に格納される情報は、生産ラインにて製造される製品を一意に識別するための製品識別情報であり、ここでは「製品A」のように製品の名称が格納されている。項目「日付」に対応する情報は、不良が発生した日付である。項目「工程ID」に対応する情報は、不良が発生した工程を一意に識別するための不良発生工程識別情報であり、ここでは「工程a」のように工程の名称が格納されている。項目「発生時刻」に対応する情報は、不良が発生した時刻である。項目「復旧時刻」に対応する情報は、不良発生時にライン停止が行われた場合において、当該ライン停止の要因が解消されて生産ラインが復旧された時刻である。項目「ライン停止時間」に対応する情報は、発生時刻から復旧時刻までの時間である。ただし、不良が発生してもラインを停止しなかった場合には、「発生時刻」=「復旧時刻」となり、「ライン停止時間」には「00:00:00」が格納される。項目「不良発生要因」に対応する情報は、不良発生要因を一意に識別するための不良発生要因識別情報である。ここでは、不良発生要因として、「作業ミス」、「部品不良」、及び「設備不良」の3種類を想定しており、いずれかを示すテキストデータが格納される。「作業ミス」とは、各工程を担当する作業者の人為的なミスが要因であることを意味する。「部品不良」とは、各工程において扱われた部品が不良品であったことが要因であることを意味する。「設備不良」とは、各工程の設備の不良が要因であることを意味する。項目「部品ID」に対応する情報は、各部品を一意に識別するための部品識別情報であり、ここでは、不良発生要因が部品不良である場合における当該不良であった部品の部品識別情報であって、例えば「部品a」のように部品の名称が格納されている。項目「設備ID」に対応する情報は、各設備を一意に識別するための設備識別情報であり、ここでは、不良発生要因が設備不良である場合における当該不良であった設備の設備識別情報であって、例えば「設備A」のように設備の名称が格納されている。項目「対応評価」に対応する情報は、不良発生に対して実際に取られた対応に対する本システム1の評価結果を示す情報である。ここでは、評価結果としては、「OK」と「NG」の2種類を想定しており、いずれかを示すテキストデータが格納される。「OK」とは対応が良かった旨を示し、「NG」とは対応が悪かった旨を示す。この不良実績情報は、例えば生産ラインの各機器から管理端末2に自動的に入力された情報や、生産ラインの担当者によって管理端末2に手動で入力された情報が、当該管理端末2から本システム1に所定タイミング(例えば各日の生産終了後の空き時間)に送信されることで、本システム1に蓄積される(後述する生産実績、手直し実績情報、工場編成情報、部品情報、及び保全実績情報も同様)。ただし、項目「停止評価」に対応する情報は、評価結果記録部37により記憶される。
【0028】
図1の生産実績DB22は、生産ラインにおける製品の生産実績に関する情報(以下「生産実績情報」)を格納する生産実績情報格納手段である。この生産実績情報は、図2(b)の構成例に示すように、項目「ラインID」、項目「製品ID」、項目「日付」、項目「サイクルタイム(図では「CT」として示す)(単位=分(m))」、項目「出来高」、項目「直行数」、及び項目「直行率(単位=%)」と、これら各項目に対応する情報を、相互に対応付けて構成されている。項目「ラインID」及び項目「製品ID」に対応する情報は、図2(a)の不良実績情報における同一項目に対応する情報と同じである。項目「日付」に対応する情報は、生産が行われた日付である。項目「サイクルタイム」に対応する情報は、生産ラインにおいて1個の製品を生産するための所要時間である。項目「出来高」に対応する情報は、生産された製品の数量(良品の数量+不良品の数量)である。項目「直行数」に対応する情報は、生産された製品の中の良品の数量である。項目「直行率」に対応する情報は、出来高に対する直行数の割合であり、(直行数×100)/出来高として算定される。
【0029】
図1の手直し実績DB23は、生産ラインで生産された不良品に対する手直しの実績に関する情報(以下「手直し実績情報」)を格納する手直し実績情報格納手段である。この手直し実績情報は、図3の構成例に示すように、項目「ラインID」、項目「製品ID」、項目「日付」、項目「開始時刻」、及び項目「終了時刻」と、これら各項目に対応する情報を、相互に対応付けて構成されている。項目「ラインID」及び項目「製品ID」に対応する情報は、図2(a)の不良実績情報における同一項目に対応する情報と同じである。項目「日付」に対応する情報は、不良品の手直しを行った日付である。項目「開始時刻」に対応する情報は、不良品の手直しを開始した時刻である。項目「終了時刻」に対応する情報は、不良品の手直しを終了した時刻である。
【0030】
図1の工程編成DB24は、生産ラインの各工程の編成を特定するための情報(以下「工程編成情報」)を格納する工程編成情報格納手段である。この工程編成情報は、図4の構成例に示すように、項目「ラインID」、項目「製品ID」、項目「日付」、項目「工程順序」、及び項目「工程ID」と、これら各項目に対応する情報を、相互に対応付けて構成されている。項目「ラインID」、項目「製品ID」、及び項目「工程ID」に対応する情報は、図2(a)の不良実績情報における同一項目に対応する情報と同じである。項目「日付」に対応する情報は、通常の工程編成とは異なる工程編成で生産を行った場合における当該生産の日付であり、通常の工程編成にて生産を行った場合には空欄(図4では「*」として示す)とされる。項目「工程順序」に対応する情報は、同一生産ライン内における各工程の相対的な実施順序を特定する情報であり、図4の例では、「工程a」、「工程b」、「工程c」、「工程d」、「工程e」、「工程f」の順に、各工程が実施させることを示している。
【0031】
図1の部品情報DB25は、生産ラインにおいて製品を生産するために使用される部品に関する情報(以下「部品情報」)を格納する部品情報格納手段である。この部品情報は、図5の構成例に示すように、項目「部品ID」、項目「サプライヤID」、項目「部品調達LT(リードタイム)(単位=時間(h))」、及び項目「単価(単位=円)」と、これら各項目に対応する情報を、相互に対応付けて構成されている。項目「部品ID」に対応する情報は、図2(a)の不良実績情報における同一項目に対応する情報と同じである。項目「サプライヤID」に対応する情報は、各部品の供給元(サプライヤ)を一意に識別するための供給元識別情報であり、ここでは「サプライヤA」のようにサプライヤの名称が格納されている。項目「部品調達LT」に対応する情報は、各部品の調達に要する時間であり、例えば発注から実際に工場に届けられるまでの時間である。ただし、工場内に確実に在庫があるような場合には、当該工場内における在庫の調達時間としてもよい。項目「単価」に対応する情報は、各部品の単価である。
【0032】
図1の保全実績情報DB26は、生産ラインの各設備の保全作業の実績情報(以下「保全実績情報」)を格納する保全実績情報格納手段である。この保全実績情報は、図6の構成例に示すように、項目「ラインID」、項目「設備ID」、項目「日付」、項目「開始時刻」、項目「終了時刻」、及び項目「作業内容」と、これら各項目に対応する情報を、相互に対応付けて構成されている。項目「ラインID」及び項目「設備ID」に対応する情報は、図2(a)の不良実績情報における同一項目に対応する情報と同じである。項目「日付」に対応する情報は、保全作業の実施日である。項目「開始時刻」に対応する情報は、保全作業を開始した時刻である。項目「終了時刻」に対応する情報は、保全作業を終了した時刻である。項目「作業内容」に対応する情報は、保全作業の内容を特定する情報であり、ここでは「点検」や「部品交換」のように、保全作業の内容を示すテキストデータが格納されている。
【0033】
なお、上記各DBと、特許請求の範囲に記載された各格納手段とは、以下のように対応する。すなわち、ライン停止実績情報格納手段は不良実績DB21を含む。また、ライン不停止予想情報格納手段に含まれる格納手段の中で、生産実績情報格納手段は生産実績DB22を含み、工程編成情報格納手段は工程編成DB24を含む。また、ライン停止予想情報格納手段に含まれる格納手段の中で、ライン停止実績情報格納手段は不良実績DB21を含み、部品調達時間格納手段は部品情報DB25を含み、保全作業時間格納手段は保全実績DB26を含み、工程編成情報格納手段は工程編成DB24を含む。また、ライン不停止実績情報格納手段は手直し実績DB23を含み、評価結果格納手段は不良実績DB21を含む。
【0034】
(処理)
次に、図1の本システム1にて本プログラムを実行することによって行われる生産ライン不良対応評価処理について説明する。
【0035】
この処理の具体的内容について説明する前に、この処理で行われる評価を概念的に説明する。この評価は、生産ラインで不良が発生した際に実際に取られた対応(以下「実際対応」)を、当該対応以外に取り得た仮定上の他の対応(以下「仮定対応」)と比較することで、実際対応を取ったことの良否(仮定対応を取らなかったことの良否)を評価するものである。
【0036】
ここで、生産ラインで不良が発生した際に取り得る対応の種類としては、上述した「ライン停止対応」と「ライン不停止対応」の2種類のみを想定するものとする。従って、「実際対応」が「ライン停止対応」であった場合には、「仮定対応」は「ライン不停止対応」となり、「実際対応」が「ライン不停止対応」であった場合には、「仮定対応」は「ライン停止対応」となる。以下では、「実際対応」としての「ライン停止対応」を「実際ライン停止対応」、「仮定対応」としての「ライン不停止対応」を「仮定ライン不停止対応」、「実際対応」としての「ライン不停止対応」を「実際ライン不停止対応」、「仮定対応」としての「ライン停止対応」を「仮定ライン停止対応」とそれぞれ称する。
【0037】
また、ここでは、各対応を相対的に評価するための評価基準として、不良発生に起因して必要となった時間を用いる。この時間として、「実際ライン停止対応」に要した実際の時間を「実績稼働ロス時間」、「仮定ライン不停止対応」に要したと予想される時間を「予想手直し時間」、「実際ライン不停止対応」に要した実際の時間を「実績手直し時間」、「仮定ライン停止対応」に要したと予想される時間を「予想稼働ロス時間」と称する。
【0038】
なお、評価を行う前提として、生産ラインのいずれかの工程で不良が発生し、ライン停止を行った場合には、当該不良が解消させるまで、当該生産ライン全体を停止させるものと想定する。また、生産ラインのいずれかの工程で不良が発生し、ライン停止を行わなかった場合において、不良発生工程以降の工程では、当該不良品に対する作業を見送る(作業を行わずに不良品を流す)ものと想定する。ただし、この不良品に対しては、オフラインで手直しを行った後、不良発生工程以降の工程に流すことで、製品を完成させるものとする。
【0039】
図7は、「実際ライン停止対応」と「仮定ライン不停止対応」を対比して評価を行う場合の概念図である。「実際ライン停止対応」に対応する「実績稼働ロス時間」は、「ライン停止時間」に「工程数」を乗じることで算定する。「ライン停止時間」は、図2(a)の不良実績情報における「ライン停止時間」と同じである。「工程数」とは、ライン停止が行われた生産ラインにおける全工程の数である。
【0040】
一方、「仮定ライン不停止対応」に対応する「予想手直し時間」は、「サイクルタイム」に「残工程数」を乗じ、この乗算結果の2倍の時間に対して、さらに「ライン停止時間」を加算することで算定する。「サイクルタイム」とは、図2(b)の生産実績情報における「サイクルタイム(CT)」と同じである。「残工程数」とは、生産ラインにおいて不良が発生した工程以降の全工程の数である。ここで、「サイクルタイム」と「残工程数」の乗算結果を2倍するのは、「不良が発生した工程以降の工程で作業を見送った分のロス時間」と、「不良品をオフラインで手直しした後に、不良発生工程以降の工程により製品を完成させるために要するロス時間」とが、相互にほぼ同じ時間であり、いずれも「サイクルタイム」×「残工程数」により算定できると考えられるためである(後述する実績手直し時間の算定においても同じ)。「ライン停止時間」は、図2(a)の不良実績情報における「ライン停止時間」と同じである。この「ライン停止時間」を加算しているのは、このライン停止時間が、「不良品をオフラインで手直しするために要するロス時間」とほぼ同じ時間であると考えられるためである。
【0041】
図8は、「仮定ライン停止対応」と「実際ライン不停止対応」を対比して評価を行う場合の概念図である。「仮定ライン停止対応」に対応する「予想稼働ロス時間」は、「平均停止時間」、「平均部品調達LT」、又は「保全作業平均時間」のいずれか一つに、「工程数」を乗じることで算定される。「平均停止時間」、「平均部品調達LT」、又は「保全作業平均時間」のいずれか一つを選択するのは、不良解消に要する時間が不良発生要因に応じて異なると予想されるためであり、不良発生要因が「作業ミス」である場合には「平均停止時間」、不良発生要因が「部品不良」である場合には「平均部品調達LT」、不良発生要因が「設備不良」である場合には「保全作業平均時間」が選択される。「工程数」とは、生産ラインの全工程の数である。
【0042】
一方、「実際ライン不停止対応」に対応する「実績手直し時間」は、「サイクルタイム」に「残工程数」を乗じ、この乗算結果の2倍の時間に対して、さらに「手直し実績時間」を加算することで算定する。「手直し実績時間」とは、不良品の手直しに実際に要した時間である。
【0043】
次に、生産ライン不良対応評価処理の具体的内容について説明する。図9は生産ライン不良対応評価処理のフローチャートである。なお、以下の説明においては、生産ラインAの対応を評価するものとする。また、以下の説明においては、特記するタイミングを除いて任意のタイミングにて各処理が行われ、特記する主体を除いて制御部30にて処理が行われ、情報の取得元や取得経路を特記しない場合については、公知のタイミング及び公知の方法にて、本システム1に管理端末2やその他の任意の手段を介して入力されるものとする。また、「ステップ」を「S」と略記する。
【0044】
最初に、制御部30は、不良実績DB21から不良実績情報を取得し(SA1)、当該取得した不良実績情報の各レコードの項目「ライン停止時間」に対応する情報に基づいて、不良発生に対して実際に取られた対応が「ライン停止対応」と「ライン不停止対応」のいずれであったのかを判定する(SA2)。すなわち、「ライン停止時間」=「00:00:00」の場合には「ライン不停止対応」が取られたと判定し、それ以外の場合には「ライン停止対応」が取られたと判定する。なお、以下では、このように判定対象となっている対応を「対象対応」と称する。
【0045】
対象対応が「ライン停止対応(つまり、実際ライン停止対応)」であった場合(SA2、Yes)、実績稼働ロス時間算定部31は、実績稼働ロス時間を算定する(SA3)。具体的には、不良実績DB21から対象対応に対応する「ライン停止時間」を取得する。また、不良実績DB21から対象対応に対応する「ラインID」、「製品ID」、及び「日付」を取得し、これらの組み合わせに対応する全ての「工程ID」を工程編成DB24から取得し、当該取得した「工程ID」の総数を算定することで、対象対応に対応する「工程数」を取得する。ただし、不良実績DB21から取得した「日付」に対応する「日付」が工程編成DB24に格納されていない場合には、工程編成DB24の「*」に対応するものとする(以下の処理において同じ)。例えば、不良実績DB21から取得された情報が「ラインID=ラインA」、「製品ID=製品A」、及び「日付=2008/12/14」であった場合、工程編成DB24から「工程ID=工程a〜工程f」が取得され、「工程数=6」が取得される。そして、図7に示したように、実績稼働ロス時間算定部31は、「ライン停止時間」×「工程数」により、「実績稼働ロス時間」を算定する。
【0046】
次いで、図9において、予想手直し時間算定部32は、予想手直し時間を算定する(SA4)。具体的には、不良実績DB21から対象対応に対応する「ラインID」、「製品ID」、及び「日付」を取得し、これらの組み合わせに対応する「サイクルタイム(CT)」を生産実績DB22から取得する。また、不良実績DB21から対象対応に対応する「ラインID」、「製品ID」、「日付」、及び「工程ID」を取得し、「ラインID」、「製品ID」、及び「日付」の組み合わせに対応する全ての「工程ID」と、「ラインID」、「製品ID」、「日付」、及び「工程ID」の組み合わせに対応する「工程順序」とを工程編成DB24から取得し、全ての「工程ID」から算定した「全行程数」から「工程順序」を減算することで、対象対応に対応する「残工程数」を特定する。例えば、不良実績DB21から取得された情報が「ラインID=ラインA」、「製品ID=製品A」、「日付=2008/12/14」、及び「工程ID=工程c」であった場合、工程編成DB24から「工程ID=工程a〜工程f」と「工程順序=3」が取得されるので、「工程ID=工程a〜工程f」から「全行程数=6」を算定し、この「全行程数=6」から「工程順序=3」を減算することで、「残工程数=3」を取得する。さらに、SA3と同様に、対象対応に対応する「ライン停止時間」を取得する。そして、図7に示したように、予想手直し時間算定部32は、「サイクルタイム」×「残工程数」×2+「ライン停止時間」として、「予想手直し時間」を算定する。
【0047】
その後、図9において、ライン停止評価部35は、SA3で算定された「実績稼働ロス時間」とSA4で算定された「予想手直し時間」を比較することで、対象対応を評価する(SA5)。具体的には、「実績稼働ロス時間」が「予想手直し時間」以下であった場合には(SA5、Yes)、ライン停止対応の方がライン不停止対応より良かったと考えられるので、「対応評価=OK」と評価する(SA6)。一方、「実績稼働ロス時間」が「予想手直し時間」以下でなかった場合には(SA5、No)、ライン停止対応の方がライン不停止対応より悪かった(ライン不停止対応を取るべきであった)と考えられるので、「対応評価=NG」と評価する(SA7)。
【0048】
次に、SA2において、対象対応が「ライン不停止対応」であった判定された場合(SA2、No)の処理について説明する。この場合には、予想稼働ロス時間算定部33は、予想稼働ロス時間を算定する(SA8)。具体的には、不良実績DB21から対象対応に対応する「不良発生要因」を取得することで不良発生要因を特定する。そして、「不良発生要因=作業ミス」である場合には、対象対応に対応する「ラインID」、「製品ID」、及び「工程ID」を不良実績DB21から取得し、当該取得した「ラインID」、「製品ID」、及び「工程ID」の組み合わせに対応する全ての「ライン停止時間」を不良実績DB21から取得し、当該取得した「ライン停止時間」の平均値を算定することで、「平均停止時間」を取得する。また、「不良発生要因=部品不良」である場合には、対象対応に対応する「部品ID」を不良実績DB21から取得し、当該取得した「部品ID」に対応する全ての「部品調達LT」を部品情報DB25から取得し、当該取得した全ての「部品調達LT」の平均値を算定することで、「平均部品調達LT」を取得する。あるいは、「不良発生要因=設備不良」である場合には、対象対応に対応する「設備ID」を不良実績DB21から取得し、当該取得した「設備ID」に対応する全ての「開始時刻」及び「終了時刻」の組み合わせを保全実績DB26から取得し、当該取得した各組み合わせの「開始時刻」及び「終了時刻」により各保全時間を算定し、各保全時間の平均値を算定することで、「保全作業平均時間」を取得する。また、SA3と同様に、対象対応に対応する「工程数」を特定する。そして、図8に示したように、予想稼働ロス時間算定部33は、(「平均停止時間」、「平均部品調達LT」、又は「保全作業平均時間」のいずれか一つ)×「工程数」により、「予想稼働ロス時間」を算定する。
【0049】
次いで、図9において、実績手直し時間算定部34は、実績手直し時間を算定する(SA9)。具体的には、SA4と同様に、対象対応に対応する「サイクルタイム」と「残工程数」を特定する。また、対象対応に対応する「ラインID」及び「製品ID」を不良実績DB21から取得し、当該取得した「ラインID」及び「製品ID」の組み合わせに対応する「開始時刻」及び「終了時刻」を手直し実績DB23から取得し、これら「開始時刻」と「終了時刻」との差分の時間を算定することで、「手直し実績時間」を取得する。そして、図8に示したように、実績手直し時間算定部34は、「サイクルタイム」×「残工程数」×2+「手直し実績時間」として、「実績手直し時間」を算定する。
【0050】
その後、図9において、ライン不停止評価部36は、SA8で算定された「予想稼働ロス時間」とSA9で算定された「実績手直し時間」を比較することで、対象対応を評価する(SA10)。具体的には、「実績手直し時間」が「予想稼働ロス時間」以下であった場合には(SA10、Yes)、ライン不停止対応の方がライン停止対応より良かったと考えられるので、「対応評価=OK」と評価する(SA11)。一方、「実績手直し時間」が「予想稼働ロス時間」を超えている場合には(SA10、No)、ライン不停止対応の方がライン停止対応より悪かった(ライン停止対応を取るべきであった)と考えられるので、「対応評価=NG」と評価する(SA12)。
【0051】
このようにSA6、SA7、SA11、あるいはSA12における評価結果は、評価結果記録部37により、記憶部20の不良実績DB21の項目「対応評価」に対応する情報として、各対象対応のレコードに格納される(SA13)。このようなSA1からSA13までの各処理を、不良実績DB21から取得した不良実績情報の各対象対応に対して行った後、SA14に移行する。
【0052】
このSA14において、出力部38は、SA6、SA7、SA11、あるいはSA12における評価結果に基づいて、所定のレポート形式(帳票形式)による評価レポートを生成し、この評価レポートを管理端末2に対して出力する(SA14)。このような評価レポートの出力例を図10、11に示す。図10の例は、生産ライン毎における各日毎の不良発生状況を示すレポートの例である。不良発生状況としては、不良実績DB21から取得した不良実績情報に加えて、上記評価結果が示されている。また、不良実績DB21の「ライン停止時間」を各日毎に総計することで算定された「総ライン停止停止時間」も付加されている。図11の例は、生産ライン毎における「直行率」と「総ライン停止時間」を各日毎にグラフ化して示すレポートの例である。ここでは、「直行率」を棒グラフ(図示左側の縦軸を基準とする)として示すと共に、「総ライン停止時間」を折れ線グラフ(図示右側の縦軸を基準とする)として示している。このような評価レポートは、管理端末2のモニタに出力されたり、あるいは管理端末2のプリンタから印刷され、これを生産ラインの担当者等が見ることで、生産ライン毎及び各日毎に、これまでに取ったライン停止対応やライン不停止対応の良否を確認し、次回の対応時の参考にすることが可能となる。これにて生産ライン不良対応評価処理が終了する。
【0053】
(効果)
このように本実施の形態によれば、実績稼働ロス時間と予想手直し時間に基づいてライン停止対応の良否が評価されるので、実際にライン停止対応を行ったことの良否を把握することができる。あるいは、予想稼働ロス時間と実績手直し時間に基づいてライン不停止対応の良否が評価されるので、実際にライン不停止対応を行なったことの良否を把握することができる。従って、いずれの場合においても、不良発生時に作業者が取った対応に対する客観的な評価を提示することができ、不良発生時に「ライン停止対応」と「ライン不停止対応」とのいずれを取るべきかを適切に判断することの支援を行うことができる。
【0054】
また、不良が発生した工程以降の工程で作業を見送った分のロス時間を2倍することで、不良品をオフラインで手直しした後に不良発生工程以降の工程により製品を完成させるために要するロス時間を、予想手直し時間に含めることができ、予想手直し時間を限られたデータに基づいて一層正確に予想することができる。
【0055】
また、不良発生要因に応じて、ライン停止時間、部品調達時間、あるいは保全作業時間のいずれかを選定することで、不良発生要因に合致した予想稼働ロス時間を算定することができる。また、実績手直し時間の算定においては、不良が発生した工程以降の工程で作業を見送った分のロス時間を2倍することで、不良品をオフラインで手直しした後に不良発生工程以降の工程により製品を完成させるために要するロス時間を、実績手直し時間に含めることができ、実績手直し時間を限られたデータに基づいて一層正確に予想することができる。
【0056】
また、評価結果を記録することで、この記録内容を生産ラインの担当者等に向けて出力することで、これまでに取ったライン停止対応やライン不停止対応の良否を担当者等が容易に確認することが可能となり、次回の対応時の参考にすることが可能となる。
【0057】
(変形例)
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0058】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0059】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、本システム1の不良実績DB21は管理端末2に持たせておき、必要に応じて当該管理端末2から不良実績情報を取得してもよい。あるいは、本システム1の全ての機能を管理端末2に持たせてスタンドアローンとして構成してもよい。
【0060】
(評価の前提について)
上記実施の形態では、評価の前提として、不良品に対しては、オフラインで手直しを行った後、不良発生工程以降の工程に流すことで、製品を完成させるものとしたが、オフラインで手直しした後で、そのままオフラインにて対応して良品を完成させてもよい。そして、このような前提の相違に応じて、上述した予想手直し時間や実際手直し時間の算定方法を変更してもよい。例えば、オフラインにて対応して良品を完成させる場合、予想手直し時間に関しては、「サイクルタイム」×「残工程数」+「ライン停止時間」×2のように算定してもよい。この算定方法では、不良品をオフラインで手直しするために要するロス時と、当該手直しした後にオフラインで製品を完成させるために要するロス時間とを、ほぼ同じ時間であると考え、ライン停止時間を2倍している。あるいは、実際手直し時間に関しては、「サイクルタイム」×「残工程数」+「手直し実績時間」+「オフライン実績時間」として算定してもよい。オフライン実績時間とは、手直しした後にオフラインで製品を完成させるために実際に要したロス時間であり、手直し実績時間と同様に、管理端末2等を介して取得して手直し実績DB23等に蓄積しておき、必要に応じて使用することができる。
【0061】
(評価対象について)
上記実施の形態では、「実際ライン停止対応」と「仮定ライン不停止対応」を対比して評価を行う場合と、「仮定ライン停止対応」と「実際ライン不停止対応」を対比して評価を行う場合を説明したが、いずれか一方の評価のみを行うように本システム1を構成してもよい。例えば、ライン停止対応のみを取ることを作業マニュアル等で義務付けている工場においては、前者の評価のみを行い、作業マニュアルの妥当性を検証してもよい。
【0062】
(情報の種類と算定方法について)
「実績稼働ロス時間」、「予想手直し時間」、「実績手直し時間」、あるいは「予想稼働ロス時間」の算定に使用するデータの種類や、これらの算定方法は、上記したものに限定されない。例えば、不良発生要因が、「作業ミス」、「部品不良」、あるいは「設備不良」以外にも考えられる場合には、その他の不良発生要因によるライン停止対応時の「予想稼働ロス時間」を、当該その他の不良発生要因に関連する追加データに基づいて算定してもよい。また、「予想稼働ロス時間」の算定において、「平均停止時間」、「平均部品調達LT」、又は「保全作業平均時間」を使用するものとして説明したが、これらは必ずしも「平均」でなくともよい。例えば、「平均部品調達LT」に代えて、不良部品の部品調達LTの中で最も長いLTである「最長部品調達LT」を用いてもよい。あるいは、不良部品のサプライヤが特定できる場合(例えば不良実績DB21に、不良部品のサプライヤを特定する情報が関連付けられている場合)には、当該サプライヤからの「部品調達LT」を「平均部品調達LT」に代えて適用してもよい。
【0063】
また、上記実施の形態では、予想手直し時間を算定するために、「サイクルタイム」に「残工程数」を乗じた結果を「2倍」しているが、この倍率については、作業場環境や担当作業員等の諸条件に合わせて、パラメータ化して変動させることができる。例えば、オフラインによる手直し作業を担当する担当作業員の当該作業に対する経験年数と、当該倍率とを、相互に対応付けて記憶部20に記憶させておく(経験年数が少ない程、手直し作業に時間を要すると予想されるので、倍率を大きくする等)。そして、生産日の勤務シフトに基づいて手直し作業の担当作業員を予想し、当該担当作業員の経験年数に対応する倍率を記憶部20から取得して、予想手直し時間の算定に使用してもよい。
【0064】
(評価結果の出力について)
上記実施の形態では、評価結果をレポートとして出力しているが、生産ラインにおける不良発生時の対応をより直接的に支援するようにしてもよい。例えば、生産ラインでの不良発生が発生した場合、当該不良が発生した事実と、ラインID、製品ID、不良発生要因、部品ID、及び設備IDを、各種センサや作業者からの入力等によって取得し、当該取得した情報に基づいて、本システム1により、図9のSA4と同様に予想手直し時間を算定すると共にSA8と同様に予想稼働ロス時間を算定し、これら予想手直し時間と予想稼働ロス時間を比較し、最も時間が少なくなる対応を特定することで、実際に取るべき対応を決定し、当該決定した対応を作業者等に管理端末2のモニタや生産ラインの近傍に設けたパイロットランプで表示したり、あるいは当該決定した対応に応じて生産ラインを自動的に停止又は不停止としてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 生産ライン不良対応評価システム
2 管理端末
3 ネットワーク
10 入出力IF
20 記憶部
21 不良実績DB
22 生産実績DB
23 手直し実績DB
24 工程編成DB
25 部品情報DB
26 保全実績DB
30 制御部
31 実績稼働ロス時間算定部
32 予想手直し時間算定部
33 予想稼働ロス時間算定部
34 実績手直し時間算定部
35 ライン停止評価部
36 ライン不停止評価部
37 評価結果記録部
38 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ラインが不良発生により実際にライン停止された場合における、実際のライン停止時間を格納するライン停止実績情報格納手段、
前記生産ラインが不良発生にも関わらずライン停止されなかったと仮定した場合における、不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定するためのライン不停止予想情報を格納するライン不停止予想情報格納手段、
前記ライン停止実績情報格納手段に格納されたライン停止時間に基づいて、前記ライン停止に起因する実際の稼働ロス時間を算定する実績稼働ロス時間算定手段、
前記ライン不停止予想情報格納手段に格納されたライン不停止予想情報に基づいて、前記不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定する予想手直し時間算定手段、及び、
前記実績稼働ロス時間算定手段にて算定された実際の稼働ロス時間と、前記予想手直し時間算定手段にて算定された予想上の手直し時間に基づいて、ライン停止の良否を評価するライン停止評価手段を備え、
あるいは、
生産ラインが不良発生によりライン停止されたと仮定した場合における、ライン停止に起因する予想上の稼働ロス時間を算定するためのライン停止予想情報を格納するライン停止予想情報格納手段、
前記生産ラインが不良発生にも関わらず実際にはライン停止されなかった場合における、実際の不良品の手直し時間を格納するライン不停止実績情報格納手段、
前記ライン停止予想情報格納手段に格納されたライン停止予想情報に基づいて、前記ライン停止に起因する予想上の稼働ロス時間を算定する予想稼働ロス時間算定手段、
前記ライン不停止実績情報格納手段に格納された手直し時間に基づいて、前記不良品の手直しに起因する実際の手直し時間を算定する実績手直し時間算定手段、及び
前記予想稼働ロス時間算定手段にて算定された予想上の稼働ロス時間と、前記実績手直し時間算定手段にて算定された実際の手直し時間に基づいて、ライン不停止の良否を評価するライン不停止評価手段とを備える、
生産ライン不良対応評価システム。
【請求項2】
前記ライン不停止予想情報格納手段は、前記生産ラインで製品を生産するためのサイクルタイムを格納する生産実績情報格納手段と、前記生産ラインで製品を生産するために必要な工程の編成を特定するための工程編成情報を格納する工程編成情報格納手段とを含み、
前記実績稼働ロス時間算定手段は、前記ライン停止実績情報格納手段に格納されたライン停止時間に対して、前記工程編成情報格納手段に格納された工程編成情報から得られる前記生産ラインにおける工程数を乗じることにより、前記実際の稼働ロス時間を算定し、
前記予想手直し時間算定手段は、前記生産実績情報格納手段に格納されたサイクルタイムに対して、前記工程編成情報格納手段に格納された工程編成情報から得られる前記生産ラインにおける不良発生工程後の残工程数を乗じることにより、不良発生工程後の工程で不良品を見送った分のロス時間を算定し、当該ロス時間の2倍の時間に対して、前記ライン停止実績情報格納手段に格納されたライン停止時間を加算することにより、前記予想上の手直し時間を算定する、
請求項1に記載の生産ライン不良対応評価システム。
【請求項3】
前記生産ラインで製品を生産するためのサイクルタイムを格納する生産実績情報格納手段を備え、
前記ライン停止予想情報格納手段は、生産ラインが不良発生により実際にライン停止された場合における、実際のライン停止時間を格納するライン停止実績情報格納手段と、前記生産ラインにおける生産に必要な部品の調達時間を格納する部品調達時間格納手段と、前記生産ラインの設備不良の保全作業時間を格納する保全作業時間格納手段と、前記生産ラインで製品を生産するために必要な工程の編成を特定するための工程編成情報を格納する工程編成情報格納手段とを含み、
前記予想稼働ロス時間算定手段は、仮定するライン停止の要因が作業ミスである場合には前記ライン停止実績情報格納手段から前記ライン停止時間を取得し、仮定するライン停止の要因が部品不良である場合には前記部品調達時間格納手段から前記調達時間を取得し、あるいは、仮定するライン停止の要因が設備不良である場合には前記保全作業時間格納手段から前記保全作業時間を取得し、当該取得したライン停止時間、調達時間、あるいは、保全作業時間に対して、前記工程編成情報格納手段に格納された工程編成情報から得られる前記生産ラインにおける工程数を乗じることにより、前記予想上の稼働ロス時間を算定し、
前記実績手直し時間算定手段は、前記生産実績情報格納手段に格納されたサイクルタイムに対して、前記工程編成情報格納手段に格納された工程編成情報から得られる前記生産ラインにおける不良発生工程後の残工程数を乗じることにより、不良発生工程後の工程で不良品を見送った分のロス時間を算定し、当該ロス時間の2倍の時間に対して、前記ライン不停止実績情報格納手段に格納された手直し時間を加算することにより、前記実際の手直し時間を算定する、
請求項1又は2に記載の生産ライン不良対応評価システム。
【請求項4】
前記ライン停止評価手段による評価結果、又は、前記ライン不停止評価手段による評価結果を格納する評価結果格納手段と、
前記ライン停止評価手段による評価結果、又は、前記ライン不停止評価手段による評価結果を、前記評価結果格納手段に記録する評価結果記録手段と、
を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の生産ライン不良対応評価システム。
【請求項5】
生産ラインが不良発生により実際にライン停止された場合における、実際のライン停止時間を格納するライン停止実績情報格納手段と、
前記生産ラインが不良発生にも関わらずライン停止されなかったと仮定した場合における、不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定するためのライン不停止予想情報を格納するライン不停止予想情報格納手段とを備えたコンピュータを、
前記ライン停止実績情報格納手段に格納されたライン停止時間に基づいて、前記ライン停止に起因する実際の稼働ロス時間を算定する実績稼働ロス時間算定手段、
前記ライン不停止予想情報格納手段に格納されたライン不停止予想情報に基づいて、前記不良品の手直しに起因する予想上の手直し時間を算定する予想手直し時間算定手段、及び、
前記実績稼働ロス時間算定手段にて算定された実際の稼働ロス時間と、前記予想手直し時間算定手段にて算定された予想上の手直し時間に基づいて、ライン停止の良否を評価するライン停止評価手段として機能させ、
あるいは、
生産ラインが不良発生によりライン停止されたと仮定した場合における、ライン停止に起因する予想上の稼働ロス時間を算定するためのライン停止予想情報を格納するライン停止予想情報格納手段と、
前記生産ラインが不良発生にも関わらず実際にはライン停止されなかった場合における、実際の不良品の手直し時間を格納するライン不停止実績情報格納手段とを備えたコンピュータを、
前記ライン停止予想情報格納手段に格納されたライン停止予想情報に基づいて、前記ライン停止に起因する予想上の稼働ロス時間を算定する予想稼働ロス時間算定手段、
前記ライン不停止実績情報格納手段に格納された手直し時間に基づいて、前記不良品の手直しに起因する実際の手直し時間を算定する実績手直し時間算定手段、及び
前記予想稼働ロス時間算定手段にて算定された予想上の稼働ロス時間と、前記実績手直し時間算定手段にて算定された実際の手直し時間に基づいて、ライン不停止の良否を評価するライン不停止評価手段として機能させる、
生産ライン不良対応評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−211495(P2010−211495A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56640(P2009−56640)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【特許番号】特許第4309964号(P4309964)
【特許公報発行日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(000131201)株式会社CSKホールディングス (53)
【出願人】(508022218)株式会社CSKシステムズ中部 (6)
【Fターム(参考)】