説明

生産管理システム

【課題】生産管理システムの構成を見直し、安価な構成の生産管理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】機械設備に取り付けられて機械設備からの入力信号を検出する生産管理モニター子機と、複数の生産管理モニター子機からの入力信号を集計して記録するメモリ機能を持った生産管理モニター親機と、生産管理モニター親機と通信するデータ解析装置より構成する生産管理システムにおいて、生産管理モニター子機は、機械の動作状況のデータ収集と通信機能を持ち、生産管理モニター親機が各生産管理モニター子機のデータを集計・記憶し、データ解析装置がそれぞれの機械の進捗情報を解析・判定・表示するとともに、異常がある機械の情報をデータ解析装置が異常を表示することを特徴とする生産管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産ラインにおいて加工機等の機械設備に装着した生産管理モニターからの情報を、前もって入力されている基準値と比較表示を行う生産管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産ラインの機械設備において、機械設備の稼働状況を知る手段として、各機械設備に生産管理モニターを設置し、それぞれの機械の動作状況を把握してデータ解析装置により稼働率などの進捗状況を集計する生産管理システムが用いられている。
【0003】
生産管理モニターは、それぞれの機械の動作状況を検出し、そのデータを記憶・解析・判定してデータ解析装置に生産状況を伝達するとともに、判定結果に問題があった場合、作業者に異常を伝達して問題点を対処するためのものである。
【0004】
データ解析装置は、各生産管理モニターより送られてくる機械の稼働状態を時間データ及び解析結果とともに記録し、生産ラインや工場の生産稼働状態を管理者に表示して進捗状況を生産計画と比較し、管理する。
【0005】
しかし生産管理モニターは各機械に取り付けられるが、データの検出、解析、判定、記憶、通信、表示などの各機能を備えており、生産ラインのように多くの機械を管理する生産管理システムではデータの量も多く、生産管理モニターの価格も高くなるため、生産管理モニターを多数搭載した生産管理システムも高価なものになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−92850号公報
【0007】
【特許文献2】特開2005−115736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、生産管理システムの構成を見直し、安価な構成の生産管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記した課題を解決する手段として、各機械設備に取り付けられて機械設備からの入力信号を検出する生産管理モニター子機と、複数の生産管理モニター子機からの入力信号を集計して記録するメモリ機能を持った生産管理モニター親機と、生産管理モニター親機と通信するデータ解析装置より構成する生産管理システムを構築する。
【0010】
生産管理モニター子機は、機械の動作状況のデータ収集と通信機能を持ち、生産管理モニター親機が各生産管理モニター子機のデータを集計・記憶し、データ解析装置がそれぞれの機械の進捗情報を解析・判定・表示するとともに、異常がある機械の情報をデータ解析装置が異常を表示することにより、作業者に異常を伝達する。
【0011】
また、生産管理モニター子機は、機械の動作状況のデータ収集と通信機能を持ち、生産管理モニター親機が各生産管理モニター子機のデータを集計・記憶し、データ解析装置がそれぞれの機械の進捗情報を解析・判定・表示するとともに生産管理モニター親機との通信により、異常がある機械の情報を生産管理モニター親機に送信し、データ解析装置及び生産管理モニター親機が異常を表示することにより、作業者に異常を伝達する。
【0012】
さらに、生産管理モニター子機に取り付けた異常表示灯を点灯又は点滅させることにより、機械の異常を作業者に伝達する。
【発明の効果】
【0013】
生産管理モニター子機は、データの検出、集計、解析、判定、記憶、通信、表示などの各機能の内、機械の動作状況のデータ検出と通信機能に限定し、生産管理モニター親機が各生産管理モニター子機のデータを集計・記憶し、データ解析装置がそれぞれの機械の進捗情報を解析・判定・表示するように機能を分割したため、数の多い生産管理モニターは集計、解析、判定、記憶などの機能を必要としなくなり、安価に構成することができる。
【0014】
また、生産管理モニター親機が特定ラインの子機データをまとめて集計し、データ解析装置に送信するため、限られたデータ解析装置のチャンネルを有効に活用することができるとともに通信時間を短くすることができる。
【0015】
さらに、データ解析装置及び生産管理モニター親機に機械の異常を表示することで、管理者及び作業者は「どのラインのどの機械に異常があるか」がわかり、異常の対処をすることができる。また、各生産管理モニター子機に取り付けた異常表示灯を点灯又は点滅させることにより、生産管理モニター親機が近くになくても機械の異常を近くの作業者が認識することができ、対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来の生産管理システムのシステム構成を示した説明図である。
【図2】実施例1の生産管理システムのシステム構成を示した説明図である。
【図3】実施例2の生産管理システムのシステム構成を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の生産管理システムは図2に示すように複数台の生産管理モニター子機と生産管理モニター親機が有線又は無線で通信を行い、各生産管理モニター子機の検出したデータを生産管理モニター親機で集計してメモリに記録し、生産管理モニター親機の集計したデータをデータ解析装置が解析・判定・表示して生産予定に対する遅れや機械の異常などを作業者に知らせる。
【実施例1】
【0018】
生産管理モニター子機は各機械に取り付けられており、ハード構成としては中央演算処理装置(以後CPUという)と、機械側からの稼働情報を検出及び出力する入出力装置(以後I/Oという)と、通信装置より成り立っている。ソフト構成としては、機械から検出した稼働状況のデータを生産管理モニター親機と通信する通信機能をCPUが制御し、入出力データとして管理されたデータを生産管理モニター親機と通信する機能を持つ。
【0019】
生産管理モニター親機は所定の生産ラインや所定の管理ブロックにそれぞれ配置されており、複数の生産管理モニター子機と通信を行う。ハード構成としては、CPUと、通信装置と、記憶装置(以後メモリという)より成り立っている。ソフト構成としては、生産管理モニター子機から送られてくるデータをチャンネルを切り替えることでそれぞれの生産管理モニター子機のデータを集計し、メモリに記憶させておく構成と、集計した稼働状況のデータをデータ解析装置または、生産管理モニター子機と通信する通信機能をCPUが制御し、データ解析装置及び生産管理モニター子機との通信機能を持つ。
【0020】
データ解析装置は、各生産管理モニター親機の集計したデータを解析し、前もって入力されている生産予定などのデータと照らし合わせて判定を行うとともに、管理者及び作業者に生産の進捗状況を表示して伝達する。また、機械に異常が発生したと判定された場合には異常の発生した機械を特定し、表示する。ハード構成としては、CPUと、通信装置と、メモリと、表示装置より成り立っている。ソフト構成としては、生産管理モニター親機から送られてくるデータをチャンネルを切り替えることでそれぞれの生産管理モニター子機のデータを集計し、メモリに記憶させておく構成と、集計した稼働状況のデータを決められた方法により解析・判定を行い、表示装置に表示する。
【0021】
また、判定結果に異常があった場合には、異常のある機械を特定し、対処するように指令を送る。
【0022】
従来は図1に示すように、各生産管理モニターにデータメモリ集計や解析・判定・メモリ機能がついており、単独の機械の生産管理については全ての機能がついているので使いやすいが、工場や生産ライン単位での管理を考えた場合、機械の数が多くなるためチャンネルを多く必要とする。また、通信量が多くなるという問題もあったが、生産管理モニターを親機と子機に分けることにより、チャンネル数の問題と通信量の問題が改善された。
【実施例2】
【0023】
図3の実施例は、生産管理モニター親機及び生産管理モニター子機に表示機能を持たせた例である。生産管理システムで生産の進捗状況を管理するためにはデータ解析装置の表示装置に表示される表や色により進捗の度合いを見る方法が一般的である。また、異常のある機械については特記事項として表示され、管理者及び作業者に注意を促す。
【0024】
しかし、データ解析装置の表示装置から離れた位置に作業者がいる場合は表示装置を見ることができないため、生産管理モニター親機又は生産管理モニター子機に異常を知らせる表示装置を取り付けた。表示装置はディスプレーのような画面やシグナルタワーのような色による表示灯を用い、作業者が判別しやすいようにする。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、加工機械のラインに用いられるが、組立ラインや梱包ラインのような生産管理システムを用いたところでも適用できる。
【符号の説明】
【0026】
1 データ解析装置
2 生産管理モニター親機
3 生産管理モニター子機
4 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械設備に取り付けられて機械設備からの入力信号を検出する生産管理モニター子機と、複数の生産管理モニター子機からの入力信号を集計して記録するメモリ機能を持った生産管理モニター親機と、生産管理モニター親機と通信するデータ解析装置より構成する生産管理システムにおいて、生産管理モニター子機は、機械の動作状況のデータ収集と通信機能を持ち、生産管理モニター親機が各生産管理モニター子機のデータを集計・記憶し、データ解析装置がそれぞれの機械の進捗情報を解析・判定・表示するとともに、異常がある機械の情報をデータ解析装置が異常を表示することを特徴とする生産管理システム。
【請求項2】
機械設備に取り付けられて機械設備からの入力信号を検出する生産管理モニター子機と、複数の生産管理モニター子機からの入力信号を集計して記録するメモリ機能を持った生産管理モニター親機と、生産管理モニター親機と通信するデータ解析装置より構成する生産管理システムにおいて、生産管理モニター子機は、機械の動作状況のデータ収集と通信機能を持ち、生産管理モニター親機が各生産管理モニター子機のデータを集計・記憶し、データ解析装置がそれぞれの機械の進捗情報を解析・判定・表示するとともに、異常がある機械の情報を生産管理モニター親機に送信し、データ解析装置及び生産管理モニター親機が異常を表示することを特徴とする請求項1の生産管理システム。
【請求項3】
機械設備に取り付けられて機械設備からの入力信号を検出する生産管理モニター子機と、複数の生産管理モニター子機からの入力信号を集計して記録するメモリ機能を持った生産管理モニター親機と、生産管理モニター親機と通信するデータ解析装置より構成する生産管理システムにおいて、生産管理モニター子機に取り付けた異常表示灯を点灯又は点滅させることにより、機械の異常を表示する事を特徴とする請求項1または請求項2の生産管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−231449(P2010−231449A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77567(P2009−77567)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(591113024)株式会社近藤製作所 (33)
【Fターム(参考)】