生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラム及び記憶媒体
【課題】現在の生産のペースから、今後予想される生産の遅れを考慮し、全計画達成の予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出する。
【解決手段】実タクトタイム算出手段11は、実タクトタイム算出条件を取得し、条件に基づいて算出に利用する実績を取得し、取得した実績と休憩時間を用いて実際のタクトタイムを算出する。傾き率算出手段12は、基準タクトタイムと実際のタクトタイムから計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する。必要時間算出手段13は、基準タクトタイムと傾き率と生産計画数と生産実績数から全計画達成までに必要な時間を算出する。達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14は、現在時刻と必要時間と生産終了予定時間と休憩時間から達成予測時刻と延長予想時間を算出する。
【解決手段】実タクトタイム算出手段11は、実タクトタイム算出条件を取得し、条件に基づいて算出に利用する実績を取得し、取得した実績と休憩時間を用いて実際のタクトタイムを算出する。傾き率算出手段12は、基準タクトタイムと実際のタクトタイムから計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する。必要時間算出手段13は、基準タクトタイムと傾き率と生産計画数と生産実績数から全計画達成までに必要な時間を算出する。達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14は、現在時刻と必要時間と生産終了予定時間と休憩時間から達成予測時刻と延長予想時間を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
製品を加工する生産工程または生産ラインにおいて、計画通りに生産を進めるためには、各生産工程または生産ラインの生産の進捗状況をリアルタイムに監視し、現在の遅れ状況を把握した上で、計画達成に必要な延長時間を予測し、遅れに対して対策を練る必要がある。
【0003】
そこで、複数の生産工程または生産ラインにおいて生産の進捗状況をリアルタイムに監視し、現在の遅れ時間を算出し、この遅れ時間を、生産計画達成に必要な延長予想時間として作業担当者に示す生産管理装置の表示方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載の生産管理装置の表示方法は、生産ライン上の加工機等の機械設備より得られる信号を演算し、生産の進捗状況を生産管理モニターに表示すると共に、生産計画に対する現在の遅れ時間を算出し、規定時間に対する延長予想時間を一覧表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−286770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1記載の方法は、延長予想時間を算出する際に、現時点の遅れ時間のみを算出し、それを延長予想時間としているので、同一生産工程または生産ラインで複数製品の生産が計画された場合に、現在生産中の製品以降に計画されている製品の遅れまでを予測した全計画達成のための延長予想時間を算出することができないといった問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、現在の生産のペースから、今後予想される生産の遅れを考慮し、全計画達成の予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出して表示することのできる生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラム及び記憶媒体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置は、複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全製品の生産計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する装置であって、前記生産工程または生産ラインの通過時刻を含む製品の生産実績情報を取得する生産実績情報取得手段と、前記生産実績情報を記憶する生産実績情報記憶手段と、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を記憶する実タクトタイム算出条件情報記憶手段と、勤務形態及び曜日毎に生産開始時刻と生産終了時刻と休憩時間とを記憶する就業時間情報記憶手段と、製品毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムを記憶する基準タクトタイム情報記憶手段と、日毎に生産が計画されている製品名と計画台数と生産の順番と機種切替時間を記憶する生産計画情報記憶手段と、前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段の通過実績件数に基づいて、前記生産実績情報記憶手段から算出に利用する生産実績情報を取得し、取得した生産実績情報と前記就業時間情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する実タクトタイム算出手段と、前記基準タクトタイムと前記実際のタクトタイムとに基づいて計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する傾き率算出手段と、前記基準タクトタイムと前記傾き率と前記生産計画情報及び前記生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて全計画達成までに必要な時間を算出する必要時間算出手段と、現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する達成予測時刻及び延長予想時間算出手段と、前記達成予測時刻及び延長予想時間を表示する達成予測時刻及び延長予想時間表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
すなわち、実タクトタイム算出手段は、実タクトタイム算出条件情報記憶手段の通過実績件数(例えば、50件)に基づいて、生産実績情報記憶手段から算出に利用する生産実績情報(より具体的には、1件目の通過時刻と最後の通過時刻)を取得し、取得した各通過時刻と就業時間情報の中の休憩時間の情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する。具体的には、1件目の通過時刻から最後である50件目の通過時刻までの時間から休憩時間を引いた稼働時間を、通過実績件数である50から1を引いた値(49)で割ることによって、実タクトタイムを算出する。
【0010】
傾き率算出手段は、基準タクトタイムと実際のタクトタイムとに基づき、計画に対する現在のペースを表す傾き率を、実際のタクトタイムを基準タクトタイムで割ることによって算出する。
【0011】
必要時間算出手段は、基準タクトタイムと傾き率と生産計画情報及び生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて、全計画達成までに必要な時間を算出する。具体的には、基準タクトタイムと傾き率と残り計画数とを掛け合わせ、必要な時間を算出し、これに必要に応じて機種切替時間を合計することで、最終的な必要時間を算出する。
【0012】
達成予測時刻及び延長予想時間算出手段は、現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する。具体的には、現在時刻に必要時間を足し、足して出た時刻と現在時刻との間に含まれる休憩時間を足すことで、全計画の達成が予想される時刻を算出する。また、算出した達成予測時刻から、就業時間情報記憶手段から取得した生産終了時刻を引き、生産終了予定時刻に対する延長予想時間を算出する。
【0013】
達成予測時刻及び延長予想時間表示手段は、このようにして算出した達成予測時刻及び延長予想時間を表示する。
【0014】
すなわち、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置によれば、同一生産工程または同一生産ラインで複数製品の生産が計画される場合であっても、現在生産中の製品の遅れだけでなく、現在生産中の製品以降に計画されている全ての製品の遅れも予測した全計画の達成予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出することが可能となるものである。
【0015】
また、本発明は、上記構成において、前記基準タクトタイム情報記憶手段に記憶されていない製品の基準タクトタイムを算出する基準タクトタイム算出手段をさらに備え、前記生産計画情報記憶手段には、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力が記憶されており、前記基準タクトタイム算出手段は、前記基準タクトタイム情報記憶手段に記憶されていない製品の品目の生産能力を前記生産計画情報記憶手段から取得し、取得した生産能力と前記就業時間情報記憶手段に記憶されている就業時間とに基づいて前記品目の基準タクトタイムを算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力を生産計画情報記憶手段に追加したので、基準タクトタイムが登録されていない品目であっても、生産能力と就業時間情報とから基準タクトタイムを算出し、達成予測時刻及び延長予想時間を算出することが可能となる。
【0016】
また、本発明は、上記構成において、前記生産工程または生産ラインの残業予定時間を記憶する残業時間情報記憶手段をさらに備え、前記達成予測時刻及び延長予想時間算出手段は、現在時刻と前記必要時間算出手段にて算出した必要時間と前記就業時間情報記憶手段に記憶されている就業時間と前記残業時間情報記憶手段に記憶されている残業予定時間とに基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、残業のような予め想定している延長時間を考慮することで、それを除く延長時間の算出が可能となる。
【0017】
また、本発明は、上記構成において、前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する前記通過実績の利用時間帯が記憶されており、前記実タクトタイム算出手段は、前記通過実績の利用時間帯情報に基づいて前記生産実績情報記憶手段から算出に利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムと前記就業時間情報とを用いて稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出するように構成してもよい。
【0018】
より具体的に説明すると、実タクトタイム算出手段は、前記通過実績の利用時間帯情報(例えば、8:35:00から12:00:00の間の通過実績情報が利用可能)に基づいて、生産実績情報記憶手段から算出に利用するタクトタイムを選定する。そして、選定したタクトタイムの生産実績情報(各通過時刻)と就業時間情報の休憩時間の情報とを用い、選定したタクトタイムの合計からそれに含まれる休憩時間を引くことで稼働時間を算出し、稼働時間を利用時間帯内に含まれるタクトタイムの件数で割り、実際のタクトタイムを算出する。このような構成とすれば、生産のペースのばらつきが大きいなどの理由により実タクトタイム算出に利用したくない時間帯の通過実績を実タクトタイム算出から省くことが可能となり、より正確に実タクトタイムを算出することができる。
【0019】
また、本発明は、上記構成において、前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用できるタクトタイムの上限値が記憶されており、前記実タクトタイム算出手段は、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値に基づいて前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶手段から算出したタクトタイムの中で利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムから稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出するように構成してもよい。
【0020】
より具体的に説明すると、実タクトタイム算出手段は、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値(例えば、60秒)に基づいて、前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶手段から算出したタクトタイムの中で上限値(60秒)以下のタクトタイムを利用するタクトタイムとして選定する。そして、選定したタクトタイムの合計を稼働時間とし、稼働時間を選定したタクトタイムの件数で割ることで、実タクトタイムを算出する。このような構成とすれば、タクトタイムとして長すぎる外れ値を実タクトタイム算出から省くことができるので、より正確に実タクトタイムを算出することができる。
【0021】
また、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法は、複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する方法であって、前記生産工程または生産ラインの通過時刻を含む製品の生産実績情報を記憶する生産実績情報記憶部と、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を記憶する実タクトタイム算出条件情報記憶部と、勤務形態及び曜日毎に生産開始時間と生産終了時間と休憩時間を記憶する就業時間情報記憶部と、製品毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムを記憶する基準タクトタイム情報記憶部と、日毎に生産が計画されている製品名と計画台数と生産の順番と機種切替時間を記憶する生産計画情報記憶部とを用い、前記実タクトタイム算出条件情報記憶部の通過実績件数に基づいて、前記生産実績情報記憶部から算出に利用する生産実績情報を取得し、取得した生産実績情報と前記就業時間情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する実タクトタイム算出ステップと、前記基準タクトタイムと前記実際のタクトタイムとに基づいて計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する傾き率算出ステップと、前記基準タクトタイムと前記傾き率と前記生産計画情報及び前記生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて全計画達成までに必要な時間を算出する必要時間算出ステップと、現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する達成予測時刻及び延長予想時間算出ステップと、前記達成予測時刻及び延長予想時間を表示する達成予測時刻及び延長予想時間表示ステップとを備えたことを特徴としている。
【0022】
すなわち、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法によれば、同一生産工程または同一生産ラインで複数製品の生産が計画される場合であっても、現在生産中の製品の遅れだけでなく、現在生産中の製品以降に計画されている全ての製品の遅れも予測した全計画の達成予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出することが可能となるものである。
【0023】
また、本発明は、上記方法において、前記基準タクトタイム情報記憶部に記憶されていない製品の基準タクトタイムを算出する基準タクトタイム算出ステップをさらに備え、前記生産計画情報記憶部には、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力が記憶されており、前記基準タクトタイム算出ステップは、前記基準タクトタイム情報記憶部に記憶されていない製品の品目の生産能力を前記生産計画情報記憶部から取得し、取得した生産能力と前記就業時間情報記憶部に記憶されている就業時間とに基づいて前記品目の基準タクトタイムを算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力を追加したので、基準タクトタイムが登録されていない品目であっても、生産能力と就業時間情報とから基準タクトタイムを算出し、達成予測時刻及び延長予想時間を算出することが可能となる。
【0024】
また、本発明は、上記方法において、前記生産工程または生産ラインの残業予定時間を記憶する残業時間情報記憶部をさらに用い、前記達成予測時刻及び延長予想時間算出ステップは、現在時刻と前記必要時間算出部にて算出した必要時間と前記就業時間情報記憶部に記憶されている就業時間と前記残業時間情報記憶部に記憶されている残業予定時間とに基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、残業のような予め想定している延長時間を考慮することで、それを除く延長時間の算出が可能となる。
【0025】
また、本発明は、上記方法において、前記実タクトタイム算出条件情報記憶部には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する前記通過実績の利用時間帯が記憶されており、前記実タクトタイム算出ステップは、前記通過実績の利用時間帯情報に基づいて前記生産実績情報記憶部から算出に利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムと前記就業時間情報とを用いて稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、生産のペースのばらつきが大きいなどの理由により実タクトタイム算出に利用したくない時間帯の通過実績を実タクトタイム算出から省くことが可能となり、より正確に実タクトタイムを算出することができる。
【0026】
また、本発明は、上記方法において、前記実タクトタイム算出条件情報記憶部には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用できるタクトタイムの上限値が記憶されており、前記実タクトタイム算出ステップは、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値に基づいて前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶部から算出したタクトタイムの中で利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムから稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、タクトタイムとして長すぎる外れ値を実タクトタイム算出から省くことができるので、より正確に実タクトタイムを算出することができる。
【0027】
また、本発明によれば、上記構成の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法の各ステップをコンピュータに実行させるための生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラムとして提供することができ、またこの生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上記のように構成したので、同一生産工程または同一生産ラインで複数製品の生産が計画される場合であっても、現在生産中の製品の遅れだけでなく、現在生産中の製品以降に計画されている全ての製品の遅れも予測した全計画の達成予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態1に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示したブロック図である。
【図2】生産実績情報記憶部に記憶された生産実績情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図3】実タクトタイム算出条件情報記憶部に記憶された実タクトタイム算出条件情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図4】就業時間情報記憶部に記憶された就業時間情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図5】基準タクトタイム情報記憶部に記憶された基準タクトタイム情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る生産計画情報記憶部に記憶された生産計画情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の全体の動作を示したフローチャートである。
【図8】実タクトタイム算出手段の動作を示すフローチャートである。
【図9】必要時間算出手段の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態2に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の実施形態2に係る生産計画情報記憶部に記憶された生産計画情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図12】本発明の実施形態2に係る基準タクトタイムの算出動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態3に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示したブロック図である。
【図14】本発明の実施形態3に係る残業時間情報記憶部に記憶された残業時間情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図15】本発明の実施形態4に係る実タクトタイム算出条件情報記憶部に記憶された実タクトタイム算出条件情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図16】本発明の実施形態4に係る基準タクトタイム算出手段の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態5に係る実タクトタイム算出条件情報記憶部に記憶された実タクトタイム算出条件情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図18】本発明の実施形態5に係る実タクトタイムの算出動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態6に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示したブロック図である。
【図20】本発明の実施形態6に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間表示装置の表示例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0031】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係わる生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示すブロック図である。
【0032】
本実施形態1の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置は、生産実績情報を受信し、全計画の達成予測時間と延長予想時間を算出するまでの機能を有するコンピュータ1と、バーコードリーダ等の生産実績情報取得手段2と、ディスプレイ3とで構成されており、コンピュータ1と生産実績情報取得手段2とは、それぞれLANにより接続されている。本発明では、生産実績情報取得手段2は、生産ライン中の最終工程出口に一つ配置されている。ただし、このような配置位置及び配置台数はこれに限定されるものではない。
【0033】
コンピュータ1には、システム上必要とされるキーボードやディスプレイ、CPU等のハードウエアや、OS、通信制御やその他の各種プログラム等のソフトウエアが備えられているとともに、時計機能も備えられている。
【0034】
より具体的に説明すると、コンピュータ1は、実タクトタイム算出手段11、傾き率算出手段12、必要時間算出手段13、達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14、及び図示しないハードディスク等によるメモリを備えており、このメモリは、生産実績情報記憶部21、実タクトタイム算出条件情報記憶部22、就業時間情報記憶部23、基準タクトタイム情報記憶部24、及び生産計画情報記憶部25を備えている。
【0035】
生産実績情報記憶部21には、図2に示すように、製品ID毎に品目名、ライン名、最終工程の出口を通過した時刻が記憶されている。また、実タクトタイム算出条件情報記憶部22には、図3に示すように、ライン毎に実際のタクトタイムを算出する際に利用する直近の過去の通過実績の件数(すなわち、タクトタイム算出時点からさかのぼって何件分の通過実績を利用するのかを規定した利用件数)が記憶されている。また、就業時間情報記憶部23には、図4に示すように、作業者の勤務形態毎、かつ、曜日別に、生産開始時刻、生産終了時刻、各休憩の開始時刻、終了時刻が記憶されている。また、基準タクトタイム情報記憶部24には、図5に示すように、品目毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムが記憶されている。また、生産計画情報記憶部25には、図6に示すように、日毎に、各ラインで生産が計画されている品目名、生産の順番、計画台数、機種切替時間が記憶されている。
【0036】
なお、ここでいう製品IDは、製品一つ一つを特定するための製品固有のIDであって、品目は、この製品の種類や機種を表している。
【0037】
実タクトタイム算出手段11、傾き率算出手段12、必要時間算出手段13、達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14は、図7に示すフローチャートに従って動作する。つまり、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出の実行が指示されると、その日の生産が終了するまで、図7に示すフローチャートに従って各手段の動作が実行される。
【0038】
すなわち、ステップS1では、生産実績取得手段2がラインを流れる製品の生産実績情報を取得する。
【0039】
ステップS2では、取得した生産実績情報を生産実績情報記憶部21に記憶する。
【0040】
ステップS3では、現在生産中の品目の実際のタクトタイムを算出する。
【0041】
ここで、ステップS3の実タクトタイムの算出動作について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。実タクトタイム算出手段11は、この図8に示すフローチャートに従って動作する。
【0042】
すなわち、実タクトタイム算出条件情報記憶部22より、算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を取得し(ステップS3−1)、最新の通過実績からステップS3−1で取得した件数分過去の通過実績を取得し(ステップS3−2)、取得した通過実績の中で最新の通過時刻から最古の通過時刻を引き、最新の通過時刻と最古の通過時刻の間に含まれる休憩時間を引くことで稼働時間を算出し(ステップS3−3)、算出した稼働時間を通過実績取得件数から1を引いた値で割ることで、現在生産中の実際のタクトタイムを算出する(ステップS3−4)。
【0043】
以下、曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB100の生産実績が取得されて、ステップS3の処理が開始された場合を例に挙げて上記ステップS3−1〜ステップS3−4の処理をより具体例に説明する。
【0044】
ステップS3−1では、図3に示す実タクトタイム算出条件情報記憶部22に記憶されている通過実績件数の中で、生産ライン2の利用件数として記憶されている50件を取得する。
【0045】
ステップS3−2では、図2に示す生産実績情報記憶部21から、算出に利用する生産実績情報、ここでは上記50件に対応して最新の通過時刻とBBB100から50件前の通過時刻とを取得する。すなわち、図2に示す製品ID:BBB100(最新)の通過時刻(9:56:31)と、製品ID:BBB050(50件前)の通過時刻(9:14:03)とを取得する。なお、生産実績情報記憶部21に記憶された通過実績の数が、実タクトタイム算出条件情報記憶部22より取得した件数(50件)に満たない場合は、その時点で取得できる全ての実績を取得し、この取得した生産実績情報を以後の処理に適用する。
【0046】
ステップS3−3では、取得した通過時刻の中で最新の通過時刻と最古の通過時刻と、図4に示す就業時間情報の中の休憩時間の情報とを用いて稼働時間を算出する。ただし、この例では、最新の通過時刻が(9:56:31)であり、最初の休息時間(休息1)の10時前であるので、休息時間の情報は考慮されない。従って、この場合には、50件前の通過時刻(9:14:03)から最新の通過時刻(9:56:31)までの時間(42分28秒)を稼働時間として算出する。
【0047】
ステップS3−4では、この算出した稼働時間(42分28秒=2548秒)を、通過実績件数である50から1を引いた値(49)で割る(=2548÷49)ことによって、生産ライン2で現在生産中の製品(品目BBB)の実タクトタイム(52秒)を算出する。
【0048】
図7に戻って、ステップS4では、基準タクトタイム情報記憶部24から現在生産中の品目(品目BBB)及び現在生産中の品目以降に生産が計画されている品目(品目DDD、品目JJJ)の基準タクトタイムを取得する。すなわち、品目BBBについては50秒、品目DDDについては55秒、品目JJJについては30秒を取得する。
【0049】
ステップS5では、傾き率算出手段12が、ステップS3で算出した実際のタクトタイム(52秒)を、ステップS4で取得した現在生産中の品目(品目BBB)の基準タクトタイム(50秒)で割ることで、計画に対する現在の生産のペースを表す傾き率(52/50)を算出する。
【0050】
ステップS6では、現時点から残りの計画数を達成するまでに必要な時間を算出する。
【0051】
ここで、ステップS6の必要時間算出動作について、図9に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。必要時間算出手段13は、図9に示すフローチャートに従って動作する。
【0052】
すなわち、現在生産中の品目の基準タクトタイムに、ステップS5で算出した傾き率を掛け、さらに生産実績情報と生産計画情報から算出した現在生産中の品目の残り計画台数を掛けることで、現在生産中の残り計画台数を生産するのに必要な時間を算出する(ステップS6−1)。次に、現在生産している品目以降に生産が計画されている各品目に対して、計画台数を生産計画情報記憶部25から取得し、ステップS4で取得した基準タクトタイムとステップS5で算出した傾き率と計画台数とを掛け合わせて、現在生産している品目以降に生産が計画されている各品目の生産に必要な時間を算出する(ステップ6−2)。次に、現在生産中の品目の生産完了以降に発生する機種切替時間を生産計画情報記憶部25から取得し、その合計を算出する(ステップ6−3)。そして、ステップ6−1からステップ6−3のそれぞれで算出した時間を合計することで、現時点から残りの計画台数を達成するまでに必要な時間を算出する(ステップS6−4)。
【0053】
以下、上記ステップS3の処理に引き続き、曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB100の生産実績が取得されて、ステップS6の処理が開始された場合を例に挙げて上記ステップS6−1〜ステップS6−4の処理をより具体例に説明する。
【0054】
ステップS6−1では、現在生産中の品目BBBの基準タクトタイム(50秒)に、ステップS5で算出した傾き率(52/50)を掛け、さらに、図2に示す生産実績情報と、図6に示す生産計画情報から算出した現在生産中の品目の残り計画台数を掛けることで、現在生産中の残り計画台数を生産するのに必要な時間を算出する。すなわち、図2に示す生産実績情報の品目BBBの製品を現時点で100台生産しており、図6に示す生産計画情報から品目BBBの計画台数は250台であるので、現在生産中の品目BBBの残り計画台数として150(250−100)を得る。従って、現在生産中の残り計画台数を生産するのに必要な時間は、50×(52/50)×150=7800(秒)=130分=2時間10分となる。
【0055】
ステップS6−2では、現在生産している品目BBB以降に生産が計画されている各品目(品目DDD、品目JJJ)の計画台数を図6に示す生産計画情報から取得する。すなわち、品目DDDの計画台数は150(台)である。そして、この取得した計画台数(150)に、ステップS4で取得した品目DDDの基準タクトタイム(55)と、ステップS5で算出した傾き率(52/50)とを掛け合わせて、現在生産している品目BBB以降に生産が計画されている品目DDDの生産に必要な時間を算出する。すなわち、品目DDDの必要時間=150×55×(52/50)=8580(秒)=143(分)=2時間23分となる。また、品目JJJの計画台数は350(台)である。そして、この取得した計画台数(350)に、ステップS4で取得した品目JJJの基準タクトタイム(30)と、ステップS5で算出した傾き率(52/50)とを掛け合わせて、現在生産している品目BBB以降に生産が計画されている品目JJJの生産に必要な時間を算出する。すなわち、品目JJJの必要時間=350×30×(52/50)=10920(秒)=182(分)=3時間02分となる。
【0056】
ステップS6−3では、現在生産中の品目BBBの生産完了以降に発生する機種切替時間を生産計画情報記憶部25から取得する。この場合、図6に示す生産計画情報から、品目DDDの機種切替時間(10分)を取得する。なお、品目JJJにも機種切替時間がある場合には、これも取得して足すことになるが、図6に示す通り、品目DDDから品目JJJへの機種切替時間が0分である。
【0057】
ステップS6−4では、ステップ6−1で算出した品目BBBの必要時間(2時間10分)と、ステップS6−2で算出した品目DDDの必要時間(2時間23分)及び品目JJJの必要時間(3時間02分)と、ステップ6−3算出した機種切替合計時間(10分)とを合計することで、現時点から残りの計画台数を達成するまでに必要な時間を算出する。すなわち、生産ライン2での必要時間=2時間53分20秒+2時間23分+3時間02分+10分=7時間45分となる。
【0058】
図7に戻って、ステップS7では、達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14が、現在時刻に、ステップS6で算出した必要時間を足し、足して出た時刻と現在時刻との間に含まれる休憩時間を足すことで、全計画の達成が予想される時刻を算出する。すなわち、生産ライン2で品目BBBの製品を100個生産完了した時刻は、図2に示す生産実績情報から9時56分31秒であり、ステップS6で算出した必要時間は7時間45分であるので、この段階での品目JJJの生産達成予想時刻は、現在時刻である(9:56:31)から7時間45分経過した、(17:41:31)となる。そして、この生産達成予想時刻と現在時刻との間には、図4に示す就業時間情報から、休息1の時間(5分)と休息2の時間(45分)と休息3の時間(5分)とが含まれることから、生産ライン2の最終的な生産達成予想時刻は、上記生産達成予想時刻(17:41:31)に、休息1の5分と休息2の45分と休息3の5分とを足した、(18:36:31)秒となる。
【0059】
ステップS8では、達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14が、ステップS7で算出した達成予測時刻から、就業時間情報記憶部23から取得した生産終了時刻(17:00:00)を引いて、生産終了予定時刻に対する延長予想時間を算出する。すなわち、ステップS7で算出した達成予測時刻(18:36:31)から、生産終了時刻(17:00:00)を引くと、延長予想時間は、1時間36分31秒となる。
【0060】
ステップS9では、ステップS7及びステップS8で算出した達成予測時刻(18:36:31)と延長予想時間(1時間36分31秒)をディスプレイ3に表示する。
【0061】
ステップS10では、その日の生産の終了が指示されたかどうかを検知して、生産の終了が指示されたならば、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出処理を停止し、指示されていなければ、ステップS1に戻って処理を継続する。
【0062】
<実施形態2>
図10は、本発明の実施形態2に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示すブロック図である。上記実施形態1の図1に示す生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置と本実施形態2の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置との違いは、本実施形態2の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置が、図1に示す生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置に基準タクトタイム算出手段15を追加し、生産計画情報記憶部25に、図11に示すように、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力を追加することで、基準タクトタイムが登録されていない品目であっても、生産能力と就業時間情報から基準タクトタイムを算出し、達成予測時刻及び延長予想時間を算出可能にした点である。その他の構成は、図1に示した各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0063】
本実施形態2の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置も、図7に示したフローチャートに従って動作するが、ステップS4に対応する動作のみが上記実施形態1の場合とは異なっている。従って、ここでは図12に示すフローチャートを参照して、ステップS4に対応する動作のみを説明する。基準タクトタイム算出手段15は、図12に示すフローチャートに従って動作する。
【0064】
すなわち、現在生産中の品目及び現在生産中の品目以降に生産が計画されている品目の中で基準タクトタイム未取得または未算出の品目をひとつ選択し(ステップS4−1)、選択した品目の基準タクトタイムが基準タクトタイム情報記憶部24に記憶されていれば、ステップS4−3に処理を進め、記憶されていなければステップS4−4に処理を進める。そして、基準タクトタイムが記憶されていれば、基準タクトタイム情報記憶部24から選択した品目の基準タクトタイムを取得する(ステップS4−3)。一方、基準タクトタクトタイムが記憶されていなければ、就業時間情報記憶部23からその日の生産開始時刻と生産終了時刻と各休憩開始時刻及び休憩終了時刻を取得し、生産終了時刻から生産開始時刻を引き、各休憩時間を引くことで、その日の稼働時間を算出し(ステップS4−4)、生産計画情報記憶部25から選択した品目の生産能力を取得し(ステップS4−5)、ステップS4−4で取得した稼働時間をステップS4−5で取得した生産能力で割り、基準タクトタイムを算出する(ステップS4−6)。選択した品目に関して、基準タクトタイムの取得または算出が終わると、基準タクトタイムの取得または算出対象となる品目全ての基準タクトタイムの取得または算出が完了したかどうかを判断する(ステップS4−7)。取得または算出が完了していれば、図7のステップS5に処理を進め、完了していなければ、ステップS4−1に戻って処理を継続する。
【0065】
以下、曜日が火曜日、勤務形態が昼、生産ラインが3の生産において、製品IDがCCC015の生産実績が取得されて、ステップS4の処理が開始された場合を例に挙げて上記ステップS4−1〜ステップS4−7の処理をより具体例に説明する。
【0066】
ステップS4−1では、現在生産中の品目(ここでは品目CCC)及び現在生産中の品目以降に生産が計画されている品目(品目EEE、品目FFF)の中で、基準タクトタイム未取得または未算出の品目をひとつ選択する。
【0067】
ステップS4−2では、選択した品目の基準タクトタイムが基準タクトタイム情報記憶部24に記憶されているか否かを判断する。すなわち、図5に示す基準タクトタイム情報を参照して、選択した品目に基準タクトタイムが記憶されているかどうかを判断する。その結果、選択した品目が品目CCC及び品目FFFである場合には、基準タクトタイムが記憶されているので、ステップS4−2からステップS4−3に処理を進め、基準タクトタイム情報記憶部24から選択した品目の基準タクトタイムを取得することになる。一方、選択した品目が品目EEEである場合には、基準タクトタイムが記憶されていないので、ステップS4−2からステップS4−4に処理を進めることになる。
【0068】
ステップS4−4では、就業時間情報記憶部23からその日の生産開始時刻と生産終了時刻と各休憩開始時刻及び休憩終了時刻を取得し、生産終了時刻から生産開始時刻を引き、各休憩時間を引くことで、その日の稼働時間を算出する。すなわち、この例は火曜日であるので、図4に示す就業時間情報の火曜日の欄を参照して、生産開始時刻(8:30:00)と生産終了時刻(17:00:00)と各休憩開始時刻(10:00:00、12:00:00、15:00:00)及び休憩終了時刻(10:05:00、12:45:00、15:05:00)を取得する。そして、生産終了時刻(17:00:00)から生産開始時刻(8:30:00)を引いて、8時間30分を算出し、これからさらに、第1休憩時間の5分と第2休憩時間の45分と第3休憩時間の5分の合計55分を引いて、その日の稼働時間(7時間35分)を算出する。
【0069】
ステップS4−5では、図11に示す生産計画情報記憶部25の生産計画情報から、選択した品目EEEの生産能力(300)を取得する。
【0070】
ステップS4−6では、ステップS4−4で取得した稼働時間(7時間35分=27300秒)を、ステップS4−5で取得した生産能力(300)で割ることにより、基準タクトタイムを算出する。すなわち、27300÷300=91(秒)となる。
【0071】
ステップS4−7では、対象品目全ての基準タクトタイムの取得または算出が完了したかどうかを判断し、算出処理を完了していれば、図7のステップS5へと処理を進め、完了していなければ、ステップS4−1に戻って処理を継続する。
【0072】
<実施形態3>
図13は、本発明の実施形態3に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示すブロック図である。上記実施形態1の図1に示す生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置と本実施形態3の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置との違いは、本実施形態3の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置が、図1に示す生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置に各生産ラインの残業予定時間を記憶した残業時間情報記憶部26を追加し、残業のような予め想定している延長時間を考慮した上で、それを除く延長時間の算出を可能にした点である。その他の構成は、図1に示した各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。なお、本実施形態3は、上記実施形態1,2の双方に対して適用可能である。
【0073】
本実施形態3の場合、コンピュータ1のメモリには、新たに残業時間情報記憶部26が追加され、残業時間情報記憶部26には、図14に示すように、日付、ライン、勤務形態及び残業時間が記憶されている。
【0074】
本実施形態3の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置も、図7に示したフローチャートに従って動作するが、ステップS8に対応する動作のみが上記実施形態1の場合とは異なっている。従って、ここではステップS8に対応する動作のみを説明する。
【0075】
本実施形態3では、ステップS8は、就業時間情報記憶部23からその日の生産終了時間を取得すると共に、残業時間情報記憶部26からその日の残業予定時間を取得し、生産終了時刻に残業時間を足した時刻を、ステップS7で算出した達成予測時刻から引き、延長予想時間を算出する。
【0076】
以下、具体例を挙げてステップS8に対応する処理動作を説明するが、ここでは上記実施形態1で説明した曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB100の生産実績が取得されて、ステップS8の処理が開始された場合を例に挙げてより具体的に説明する。
【0077】
すなわち、就業時間情報記憶部23からその日の生産終了時刻(17:00:00)を取得すると共に、図14に示す残業時間情報記憶部26の残業時間情報から、その日の残業予定時間(1H)を取得する。そして、生産終了時刻(17:00:00)に残業時間(1H)を足した時刻(18:00:00)を、ステップS7で算出した達成予測時刻(18:36:31)から引くことによって、延長予想時間(36分31秒)を算出する。
【0078】
<実施形態4>
本実施形態4と上記実施形態1〜3との違いは、実タクトタイム算出条件情報記憶部22に記憶される実タクトタイム算出条件情報を、図15に示すように、勤務形態及びライン毎に、実際のタクトタイムを算出する際に利用する利用件数(直近の過去の通過実績件数)と、実際のタクトタイムの算出に利用できる通過実績の利用時間帯とし、生産のペースのばらつきが大きいなどの理由により実タクトタイム算出に利用したくない時間帯の通過実績を、実タクトタイム算出から省くことを可能にした点である。その他の構成は、図1に示した各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0079】
本実施形態4の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置も、図7に示したフローチャートに従って動作するが、ステップS3−3及びS3−4に対応する動作のみが上記実施形態1の場合と多少異なっている。従って、ここではステップS3−3及び3−4に対応する実タクトタイムの算出動作のみを、曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB050の生産実績が取得されて、ステップS3−3の処理が開始された場合を例に挙げて、図16に示すフローチャートを参照してより具体例に説明する。
【0080】
ステップS3−11では、図15に示す実タクトタイム算出条件情報の勤務形態が昼で生産ラインが2に対応する利用時間帯の利用開始1の時刻(8:35:00)と利用終了1の時刻(12:00:00)を取得する。
【0081】
ステップS3−12では、ステップS3−2で取得した通過実績の中で最新の通過実績を選択する。この例では、製品IDがBBB050の通過時刻9:14:03を取得する。
【0082】
ステップS3−13では、現在選択中の通過時刻と、ステップS3−12で取得した利用時間帯の時刻とを比較し、各製品の通過時刻が利用時間帯内(すなわち、利用開始1の時刻後、かつ、利用終了時刻1の時刻前)であるか否かを判断する。具体的には、まず最新の通過時刻(9:14:03)が利用開始1の時刻(8:35:00)と利用終了1(12:00:00)の間にあるか判断する。この場合には、現在選択中の通過時刻が利用開始1の時刻後、かつ、利用終了時刻1の時刻前(すなわち、利用可能時間帯内)であるので、ステップS3−13での判断がYESとなり、ステップS3−14へと処理を進める。
【0083】
ステップS3−14では、現在選択中の通過時刻(9:14:03)と1件前(1件過去)の通過時刻(9:13:14)の差(49秒)を算出する。
【0084】
ステップS3−15では、ステップS3−14で算出した差(49秒)を稼働時間へ計上する。すなわち、今回が最初の計上であるため、この時点で稼働時間は49秒となる。
【0085】
ステップS3−16では、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻(9:13:14)に変更する。
【0086】
ステップS3−17では、現在通過時刻が選択されているかまたは現在選択中の通過時刻がS3−2で取得した最古の通過時刻より古い通過時刻であるかを判断する。すなわち、この例では、現在、通過時刻9:13:14が選択されており、現在選択中の通過時刻(9:13:14)がステップS3−2で取得した最古の通過時刻(8:31:35)より古い通過時刻でないので、ステップS3−13に戻って処理を継続する。
【0087】
このような処理を繰り返し、現在選択中の通過時刻として8:32:21が選択されたときの処理を説明すると、ステップS3−13において、現在選択中の通過時刻(8:32:21)が利用開始1の時刻(8:35:00)より前(すなわち、利用可能時間帯外)にあるので、ステップS3−13での判断がNoとなり、ステップS3−16へと処理を進め、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻(8:31:35)に変更する。ステップS3−17では、現在、通過時刻8:31:35が選択されており、現在選択中の通過時刻(8:31:35)がステップS3−2で取得した最古の通過時刻(8:31:35)より古い通過時刻ではないので、ステップS3−13に戻って処理を継続する。
【0088】
次に、現在選択中の通過時刻(8:31:35)が利用開始1の時刻(8:35:00)より前(すなわち、利用可能時間帯外)にあるので、ステップS3−13での判断がNoとなり、ステップS3−16へと処理を進め、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻に変更しようとするが、生産ライン2において、8:31:35がその日の最初の生産であるため、通過時刻には何も選択されない。ステップS3−17では、現在通過時刻が選択されていないため、処理をステップS3−18へと進める。
【0089】
ステップS3−18では、このステップまでにステップS3−15で計上されてきた稼働時間から、ステップS3−2で取得した通過実績の中で利用時間帯内に含まれる最新の通過時刻と最古より1件前(1件過去)の通過時刻の間の休憩時間を引き、実タクトタイム算出に使用する稼働時間を算出する。この例では、S3−15で計上されてきた稼働時間(39分53秒)からステップS3−2で取得した通過実績の中で利用時間帯内に含まれる最新の通過時刻(9:14:03)と最古より1件前(1件過去)の通過時刻(8:34:10)の間の休憩時間(この例の場合、休憩時間なし)を引き、実タクトタイム算出に使用する稼働時間(39分53秒)を算出する。
【0090】
ステップS3−19では、ステップS3−18で算出した稼働時間(39分53秒)を、利用時間帯内に含まれる通過実績数(BBB001〜BBB004を除く46件)で割ることで、実タクトタイム(約52秒)を算出する。
【0091】
<実施形態5>
本実施形態5と上記実施形態1〜4との違いは、実タクトタイム算出条件情報記憶部22に記憶される実タクトタイム算出条件情報を、図17に示すように、品目毎に、実際のタクトタイムを算出する際に利用する直近の過去の通過実績の件数と、実際のタクトタイムの算出に利用できるタクトタイムの長さの上限値(利用上限)とし、タクトタイムとして長すぎる外れ値を実タクトタイム算出から省くことを可能にした点である。その他の構成は、図1に示した各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0092】
本実施形態5の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置も、図7に示したフローチャートに従って動作するが、ステップステップS3−3及びS3−4に対応する動作のみが上記実施形態1〜4の場合と異なっている。従って、ここではステップステップS3−3及びS3−4に対応する実タクトタイム算出動作のみを、曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB050の生産実績が取得されて、ステップS3−3の処理が開始された場合を例に挙げて、図18に示すフローチャートを参照してより具体例に説明する。
【0093】
ステップS3−21では、生産ライン2で生産中の品目BBBのタクトタイムの利用上限(75秒)を、図17に示す実タクトタイム算出条件情報の中から取得する。
【0094】
ステップS3−22では、ステップS3−2で取得した通過実績の中で最新の通過実績を選択する。この例では、製品IDがBBB050の通過時刻9:14:03を取得する。
【0095】
ステップS3−23では、現在選択中の通過時刻(9:14:03)と1件前(1件過去)の通過時刻(9:13:14)の差(49秒)を算出し、その間(9:14:03と9:13:14の間)に含まれる休憩時間(休憩時間なし)を引く。この例では、49秒が求められる。
【0096】
ステップS3−24では、ステップS3−23で求めた値と、ステップS3−21で取得した利用上限とを比較し、ステップS3−23で求めた値が利用上限内であるか否かを判断する。この例では、S3−23で求めた値が49秒、ステップS3−21で取得した利用上限が75秒であり、49秒<75秒(ステップS3−23で求めた値<利用上限)であるため、ステップS3−24ではYesと判断され、ステップS3−25に処理を進める。
【0097】
ステップS3−25では、ステップS3−23で算出した差(49秒)を稼働時間へ計上する。すなわち、今回が最初の計上であるため、この時点で稼働時間は49秒となる。
【0098】
ステップS3−26では、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻(9:13:14)に変更する。
【0099】
ステップS3−27では、現在通過時刻が選択されているかまたは現在選択中の通過時刻がステップS3−2で取得した最古の通過時刻より古い通過時刻であるかを判断する。すなわち、この例では、現在、通過時刻9:13:14が選択されており、現在選択中の通過時刻(9:13:14)がステップS3−2で取得した最古の通過時刻(8:31:35)より古い通過時刻でないので、ステップS3−23に戻って処理を継続する。
【0100】
このような処理を繰り返し、現在選択中の通過時間として、ステップS3−2で取得した中で最古の通過時刻8:31:35が選択されている場合の処理を具体的に説明すると、S3−23では現在選択中の通過時刻(8:31:35)と1件前(1件過去)の通過時刻(この例の場合、生産開始時間8:30:00)の差(95秒)を算出し、その間(8:31:35と8:30:00の間)に含まれる休憩時間(休憩時間なし)を引く。この例では、95秒が求められる。
【0101】
ステップS3−24では、95秒<75秒(ステップS3−23で求めた値>利用上限)であるため、ステップS3−24でNoと判断され、ステップS3−26に処理を進める。
【0102】
ステップS3−26では、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻に変更しようとするが、生産ライン2において、8:31:35がその日の最初の生産であるため、通過時刻には何も選択されない。
【0103】
ステップS3−27では、現在通過時刻が選択されていないため、処理をステップS3−28へと進める。
【0104】
ステップS3−28では、このステップまでに計上されてきた稼働時間(例えば、40分24秒)をステップS3−23で稼働時間に計上した件数(例えば、45件)で割ることで、実タクトタイム(約53.8秒)を算出する。
【0105】
<実施形態6>
図19は、本発明の実施形態6に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示すブロック図である。本実施形態6と実施形態1〜5との違いは、本実施形態6の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置が、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間表示手段に生産計画達成予測時刻及び延長予想時間のみを表示するのに対し、各記憶部21〜25に記憶されている情報もグラフまたは表で表示することを可能にした点である。その他の構成は、図1に示した
各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0106】
また、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置が表示する表示例として、実施形態6に係る表示の一例を図20に示す。
【0107】
なお、上記した図7〜図9、図12、図16、図18に示す処理フローを実施するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されている。本実施形態ではこのプログラムは図示しないメモリに格納されているが、このような記録媒体の一例としては、マスクROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリといった半導体記憶素子、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO(magneto−optic)ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、IC(Integrated Circuit)カード、磁気テープ等を挙げることができる。また、プログラムそのものを通信により伝送して記録媒体に記録する形態であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置は、同一生産工程または同一生産ラインで複数の製品の生産が計画される場合において、全ての製品の遅れを予測した全計画の達成予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出するのに好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 コンピュータ
2 生産実績情報取得手段
3 ディスプレイ
11 実タクトタイム算出手段
12 傾き率算出手段
13 必要時間算出時間
14 達成予測時刻及び延長予想時間算出手段
15 基準タクトタイム算出手段
21 生産実績情報記憶部
22 実タクトタイム算出条件情報記憶部
23 就業時間情報記憶部
24 基準タクトタイム情報記憶部
25 生産計画情報記憶部
26 残業時間情報記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
製品を加工する生産工程または生産ラインにおいて、計画通りに生産を進めるためには、各生産工程または生産ラインの生産の進捗状況をリアルタイムに監視し、現在の遅れ状況を把握した上で、計画達成に必要な延長時間を予測し、遅れに対して対策を練る必要がある。
【0003】
そこで、複数の生産工程または生産ラインにおいて生産の進捗状況をリアルタイムに監視し、現在の遅れ時間を算出し、この遅れ時間を、生産計画達成に必要な延長予想時間として作業担当者に示す生産管理装置の表示方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載の生産管理装置の表示方法は、生産ライン上の加工機等の機械設備より得られる信号を演算し、生産の進捗状況を生産管理モニターに表示すると共に、生産計画に対する現在の遅れ時間を算出し、規定時間に対する延長予想時間を一覧表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−286770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1記載の方法は、延長予想時間を算出する際に、現時点の遅れ時間のみを算出し、それを延長予想時間としているので、同一生産工程または生産ラインで複数製品の生産が計画された場合に、現在生産中の製品以降に計画されている製品の遅れまでを予測した全計画達成のための延長予想時間を算出することができないといった問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、現在の生産のペースから、今後予想される生産の遅れを考慮し、全計画達成の予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出して表示することのできる生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラム及び記憶媒体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置は、複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全製品の生産計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する装置であって、前記生産工程または生産ラインの通過時刻を含む製品の生産実績情報を取得する生産実績情報取得手段と、前記生産実績情報を記憶する生産実績情報記憶手段と、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を記憶する実タクトタイム算出条件情報記憶手段と、勤務形態及び曜日毎に生産開始時刻と生産終了時刻と休憩時間とを記憶する就業時間情報記憶手段と、製品毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムを記憶する基準タクトタイム情報記憶手段と、日毎に生産が計画されている製品名と計画台数と生産の順番と機種切替時間を記憶する生産計画情報記憶手段と、前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段の通過実績件数に基づいて、前記生産実績情報記憶手段から算出に利用する生産実績情報を取得し、取得した生産実績情報と前記就業時間情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する実タクトタイム算出手段と、前記基準タクトタイムと前記実際のタクトタイムとに基づいて計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する傾き率算出手段と、前記基準タクトタイムと前記傾き率と前記生産計画情報及び前記生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて全計画達成までに必要な時間を算出する必要時間算出手段と、現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する達成予測時刻及び延長予想時間算出手段と、前記達成予測時刻及び延長予想時間を表示する達成予測時刻及び延長予想時間表示手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
すなわち、実タクトタイム算出手段は、実タクトタイム算出条件情報記憶手段の通過実績件数(例えば、50件)に基づいて、生産実績情報記憶手段から算出に利用する生産実績情報(より具体的には、1件目の通過時刻と最後の通過時刻)を取得し、取得した各通過時刻と就業時間情報の中の休憩時間の情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する。具体的には、1件目の通過時刻から最後である50件目の通過時刻までの時間から休憩時間を引いた稼働時間を、通過実績件数である50から1を引いた値(49)で割ることによって、実タクトタイムを算出する。
【0010】
傾き率算出手段は、基準タクトタイムと実際のタクトタイムとに基づき、計画に対する現在のペースを表す傾き率を、実際のタクトタイムを基準タクトタイムで割ることによって算出する。
【0011】
必要時間算出手段は、基準タクトタイムと傾き率と生産計画情報及び生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて、全計画達成までに必要な時間を算出する。具体的には、基準タクトタイムと傾き率と残り計画数とを掛け合わせ、必要な時間を算出し、これに必要に応じて機種切替時間を合計することで、最終的な必要時間を算出する。
【0012】
達成予測時刻及び延長予想時間算出手段は、現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する。具体的には、現在時刻に必要時間を足し、足して出た時刻と現在時刻との間に含まれる休憩時間を足すことで、全計画の達成が予想される時刻を算出する。また、算出した達成予測時刻から、就業時間情報記憶手段から取得した生産終了時刻を引き、生産終了予定時刻に対する延長予想時間を算出する。
【0013】
達成予測時刻及び延長予想時間表示手段は、このようにして算出した達成予測時刻及び延長予想時間を表示する。
【0014】
すなわち、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置によれば、同一生産工程または同一生産ラインで複数製品の生産が計画される場合であっても、現在生産中の製品の遅れだけでなく、現在生産中の製品以降に計画されている全ての製品の遅れも予測した全計画の達成予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出することが可能となるものである。
【0015】
また、本発明は、上記構成において、前記基準タクトタイム情報記憶手段に記憶されていない製品の基準タクトタイムを算出する基準タクトタイム算出手段をさらに備え、前記生産計画情報記憶手段には、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力が記憶されており、前記基準タクトタイム算出手段は、前記基準タクトタイム情報記憶手段に記憶されていない製品の品目の生産能力を前記生産計画情報記憶手段から取得し、取得した生産能力と前記就業時間情報記憶手段に記憶されている就業時間とに基づいて前記品目の基準タクトタイムを算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力を生産計画情報記憶手段に追加したので、基準タクトタイムが登録されていない品目であっても、生産能力と就業時間情報とから基準タクトタイムを算出し、達成予測時刻及び延長予想時間を算出することが可能となる。
【0016】
また、本発明は、上記構成において、前記生産工程または生産ラインの残業予定時間を記憶する残業時間情報記憶手段をさらに備え、前記達成予測時刻及び延長予想時間算出手段は、現在時刻と前記必要時間算出手段にて算出した必要時間と前記就業時間情報記憶手段に記憶されている就業時間と前記残業時間情報記憶手段に記憶されている残業予定時間とに基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、残業のような予め想定している延長時間を考慮することで、それを除く延長時間の算出が可能となる。
【0017】
また、本発明は、上記構成において、前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する前記通過実績の利用時間帯が記憶されており、前記実タクトタイム算出手段は、前記通過実績の利用時間帯情報に基づいて前記生産実績情報記憶手段から算出に利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムと前記就業時間情報とを用いて稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出するように構成してもよい。
【0018】
より具体的に説明すると、実タクトタイム算出手段は、前記通過実績の利用時間帯情報(例えば、8:35:00から12:00:00の間の通過実績情報が利用可能)に基づいて、生産実績情報記憶手段から算出に利用するタクトタイムを選定する。そして、選定したタクトタイムの生産実績情報(各通過時刻)と就業時間情報の休憩時間の情報とを用い、選定したタクトタイムの合計からそれに含まれる休憩時間を引くことで稼働時間を算出し、稼働時間を利用時間帯内に含まれるタクトタイムの件数で割り、実際のタクトタイムを算出する。このような構成とすれば、生産のペースのばらつきが大きいなどの理由により実タクトタイム算出に利用したくない時間帯の通過実績を実タクトタイム算出から省くことが可能となり、より正確に実タクトタイムを算出することができる。
【0019】
また、本発明は、上記構成において、前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用できるタクトタイムの上限値が記憶されており、前記実タクトタイム算出手段は、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値に基づいて前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶手段から算出したタクトタイムの中で利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムから稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出するように構成してもよい。
【0020】
より具体的に説明すると、実タクトタイム算出手段は、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値(例えば、60秒)に基づいて、前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶手段から算出したタクトタイムの中で上限値(60秒)以下のタクトタイムを利用するタクトタイムとして選定する。そして、選定したタクトタイムの合計を稼働時間とし、稼働時間を選定したタクトタイムの件数で割ることで、実タクトタイムを算出する。このような構成とすれば、タクトタイムとして長すぎる外れ値を実タクトタイム算出から省くことができるので、より正確に実タクトタイムを算出することができる。
【0021】
また、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法は、複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する方法であって、前記生産工程または生産ラインの通過時刻を含む製品の生産実績情報を記憶する生産実績情報記憶部と、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を記憶する実タクトタイム算出条件情報記憶部と、勤務形態及び曜日毎に生産開始時間と生産終了時間と休憩時間を記憶する就業時間情報記憶部と、製品毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムを記憶する基準タクトタイム情報記憶部と、日毎に生産が計画されている製品名と計画台数と生産の順番と機種切替時間を記憶する生産計画情報記憶部とを用い、前記実タクトタイム算出条件情報記憶部の通過実績件数に基づいて、前記生産実績情報記憶部から算出に利用する生産実績情報を取得し、取得した生産実績情報と前記就業時間情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する実タクトタイム算出ステップと、前記基準タクトタイムと前記実際のタクトタイムとに基づいて計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する傾き率算出ステップと、前記基準タクトタイムと前記傾き率と前記生産計画情報及び前記生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて全計画達成までに必要な時間を算出する必要時間算出ステップと、現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する達成予測時刻及び延長予想時間算出ステップと、前記達成予測時刻及び延長予想時間を表示する達成予測時刻及び延長予想時間表示ステップとを備えたことを特徴としている。
【0022】
すなわち、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法によれば、同一生産工程または同一生産ラインで複数製品の生産が計画される場合であっても、現在生産中の製品の遅れだけでなく、現在生産中の製品以降に計画されている全ての製品の遅れも予測した全計画の達成予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出することが可能となるものである。
【0023】
また、本発明は、上記方法において、前記基準タクトタイム情報記憶部に記憶されていない製品の基準タクトタイムを算出する基準タクトタイム算出ステップをさらに備え、前記生産計画情報記憶部には、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力が記憶されており、前記基準タクトタイム算出ステップは、前記基準タクトタイム情報記憶部に記憶されていない製品の品目の生産能力を前記生産計画情報記憶部から取得し、取得した生産能力と前記就業時間情報記憶部に記憶されている就業時間とに基づいて前記品目の基準タクトタイムを算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力を追加したので、基準タクトタイムが登録されていない品目であっても、生産能力と就業時間情報とから基準タクトタイムを算出し、達成予測時刻及び延長予想時間を算出することが可能となる。
【0024】
また、本発明は、上記方法において、前記生産工程または生産ラインの残業予定時間を記憶する残業時間情報記憶部をさらに用い、前記達成予測時刻及び延長予想時間算出ステップは、現在時刻と前記必要時間算出部にて算出した必要時間と前記就業時間情報記憶部に記憶されている就業時間と前記残業時間情報記憶部に記憶されている残業予定時間とに基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、残業のような予め想定している延長時間を考慮することで、それを除く延長時間の算出が可能となる。
【0025】
また、本発明は、上記方法において、前記実タクトタイム算出条件情報記憶部には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する前記通過実績の利用時間帯が記憶されており、前記実タクトタイム算出ステップは、前記通過実績の利用時間帯情報に基づいて前記生産実績情報記憶部から算出に利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムと前記就業時間情報とを用いて稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、生産のペースのばらつきが大きいなどの理由により実タクトタイム算出に利用したくない時間帯の通過実績を実タクトタイム算出から省くことが可能となり、より正確に実タクトタイムを算出することができる。
【0026】
また、本発明は、上記方法において、前記実タクトタイム算出条件情報記憶部には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用できるタクトタイムの上限値が記憶されており、前記実タクトタイム算出ステップは、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値に基づいて前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶部から算出したタクトタイムの中で利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムから稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出するように構成してもよい。このような構成とすれば、タクトタイムとして長すぎる外れ値を実タクトタイム算出から省くことができるので、より正確に実タクトタイムを算出することができる。
【0027】
また、本発明によれば、上記構成の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法の各ステップをコンピュータに実行させるための生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラムとして提供することができ、またこの生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上記のように構成したので、同一生産工程または同一生産ラインで複数製品の生産が計画される場合であっても、現在生産中の製品の遅れだけでなく、現在生産中の製品以降に計画されている全ての製品の遅れも予測した全計画の達成予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態1に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示したブロック図である。
【図2】生産実績情報記憶部に記憶された生産実績情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図3】実タクトタイム算出条件情報記憶部に記憶された実タクトタイム算出条件情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図4】就業時間情報記憶部に記憶された就業時間情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図5】基準タクトタイム情報記憶部に記憶された基準タクトタイム情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る生産計画情報記憶部に記憶された生産計画情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の全体の動作を示したフローチャートである。
【図8】実タクトタイム算出手段の動作を示すフローチャートである。
【図9】必要時間算出手段の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態2に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の実施形態2に係る生産計画情報記憶部に記憶された生産計画情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図12】本発明の実施形態2に係る基準タクトタイムの算出動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態3に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示したブロック図である。
【図14】本発明の実施形態3に係る残業時間情報記憶部に記憶された残業時間情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図15】本発明の実施形態4に係る実タクトタイム算出条件情報記憶部に記憶された実タクトタイム算出条件情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図16】本発明の実施形態4に係る基準タクトタイム算出手段の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態5に係る実タクトタイム算出条件情報記憶部に記憶された実タクトタイム算出条件情報のテーブル構成例を示した説明図である。
【図18】本発明の実施形態5に係る実タクトタイムの算出動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の実施形態6に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示したブロック図である。
【図20】本発明の実施形態6に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間表示装置の表示例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0031】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係わる生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示すブロック図である。
【0032】
本実施形態1の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置は、生産実績情報を受信し、全計画の達成予測時間と延長予想時間を算出するまでの機能を有するコンピュータ1と、バーコードリーダ等の生産実績情報取得手段2と、ディスプレイ3とで構成されており、コンピュータ1と生産実績情報取得手段2とは、それぞれLANにより接続されている。本発明では、生産実績情報取得手段2は、生産ライン中の最終工程出口に一つ配置されている。ただし、このような配置位置及び配置台数はこれに限定されるものではない。
【0033】
コンピュータ1には、システム上必要とされるキーボードやディスプレイ、CPU等のハードウエアや、OS、通信制御やその他の各種プログラム等のソフトウエアが備えられているとともに、時計機能も備えられている。
【0034】
より具体的に説明すると、コンピュータ1は、実タクトタイム算出手段11、傾き率算出手段12、必要時間算出手段13、達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14、及び図示しないハードディスク等によるメモリを備えており、このメモリは、生産実績情報記憶部21、実タクトタイム算出条件情報記憶部22、就業時間情報記憶部23、基準タクトタイム情報記憶部24、及び生産計画情報記憶部25を備えている。
【0035】
生産実績情報記憶部21には、図2に示すように、製品ID毎に品目名、ライン名、最終工程の出口を通過した時刻が記憶されている。また、実タクトタイム算出条件情報記憶部22には、図3に示すように、ライン毎に実際のタクトタイムを算出する際に利用する直近の過去の通過実績の件数(すなわち、タクトタイム算出時点からさかのぼって何件分の通過実績を利用するのかを規定した利用件数)が記憶されている。また、就業時間情報記憶部23には、図4に示すように、作業者の勤務形態毎、かつ、曜日別に、生産開始時刻、生産終了時刻、各休憩の開始時刻、終了時刻が記憶されている。また、基準タクトタイム情報記憶部24には、図5に示すように、品目毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムが記憶されている。また、生産計画情報記憶部25には、図6に示すように、日毎に、各ラインで生産が計画されている品目名、生産の順番、計画台数、機種切替時間が記憶されている。
【0036】
なお、ここでいう製品IDは、製品一つ一つを特定するための製品固有のIDであって、品目は、この製品の種類や機種を表している。
【0037】
実タクトタイム算出手段11、傾き率算出手段12、必要時間算出手段13、達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14は、図7に示すフローチャートに従って動作する。つまり、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出の実行が指示されると、その日の生産が終了するまで、図7に示すフローチャートに従って各手段の動作が実行される。
【0038】
すなわち、ステップS1では、生産実績取得手段2がラインを流れる製品の生産実績情報を取得する。
【0039】
ステップS2では、取得した生産実績情報を生産実績情報記憶部21に記憶する。
【0040】
ステップS3では、現在生産中の品目の実際のタクトタイムを算出する。
【0041】
ここで、ステップS3の実タクトタイムの算出動作について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。実タクトタイム算出手段11は、この図8に示すフローチャートに従って動作する。
【0042】
すなわち、実タクトタイム算出条件情報記憶部22より、算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を取得し(ステップS3−1)、最新の通過実績からステップS3−1で取得した件数分過去の通過実績を取得し(ステップS3−2)、取得した通過実績の中で最新の通過時刻から最古の通過時刻を引き、最新の通過時刻と最古の通過時刻の間に含まれる休憩時間を引くことで稼働時間を算出し(ステップS3−3)、算出した稼働時間を通過実績取得件数から1を引いた値で割ることで、現在生産中の実際のタクトタイムを算出する(ステップS3−4)。
【0043】
以下、曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB100の生産実績が取得されて、ステップS3の処理が開始された場合を例に挙げて上記ステップS3−1〜ステップS3−4の処理をより具体例に説明する。
【0044】
ステップS3−1では、図3に示す実タクトタイム算出条件情報記憶部22に記憶されている通過実績件数の中で、生産ライン2の利用件数として記憶されている50件を取得する。
【0045】
ステップS3−2では、図2に示す生産実績情報記憶部21から、算出に利用する生産実績情報、ここでは上記50件に対応して最新の通過時刻とBBB100から50件前の通過時刻とを取得する。すなわち、図2に示す製品ID:BBB100(最新)の通過時刻(9:56:31)と、製品ID:BBB050(50件前)の通過時刻(9:14:03)とを取得する。なお、生産実績情報記憶部21に記憶された通過実績の数が、実タクトタイム算出条件情報記憶部22より取得した件数(50件)に満たない場合は、その時点で取得できる全ての実績を取得し、この取得した生産実績情報を以後の処理に適用する。
【0046】
ステップS3−3では、取得した通過時刻の中で最新の通過時刻と最古の通過時刻と、図4に示す就業時間情報の中の休憩時間の情報とを用いて稼働時間を算出する。ただし、この例では、最新の通過時刻が(9:56:31)であり、最初の休息時間(休息1)の10時前であるので、休息時間の情報は考慮されない。従って、この場合には、50件前の通過時刻(9:14:03)から最新の通過時刻(9:56:31)までの時間(42分28秒)を稼働時間として算出する。
【0047】
ステップS3−4では、この算出した稼働時間(42分28秒=2548秒)を、通過実績件数である50から1を引いた値(49)で割る(=2548÷49)ことによって、生産ライン2で現在生産中の製品(品目BBB)の実タクトタイム(52秒)を算出する。
【0048】
図7に戻って、ステップS4では、基準タクトタイム情報記憶部24から現在生産中の品目(品目BBB)及び現在生産中の品目以降に生産が計画されている品目(品目DDD、品目JJJ)の基準タクトタイムを取得する。すなわち、品目BBBについては50秒、品目DDDについては55秒、品目JJJについては30秒を取得する。
【0049】
ステップS5では、傾き率算出手段12が、ステップS3で算出した実際のタクトタイム(52秒)を、ステップS4で取得した現在生産中の品目(品目BBB)の基準タクトタイム(50秒)で割ることで、計画に対する現在の生産のペースを表す傾き率(52/50)を算出する。
【0050】
ステップS6では、現時点から残りの計画数を達成するまでに必要な時間を算出する。
【0051】
ここで、ステップS6の必要時間算出動作について、図9に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。必要時間算出手段13は、図9に示すフローチャートに従って動作する。
【0052】
すなわち、現在生産中の品目の基準タクトタイムに、ステップS5で算出した傾き率を掛け、さらに生産実績情報と生産計画情報から算出した現在生産中の品目の残り計画台数を掛けることで、現在生産中の残り計画台数を生産するのに必要な時間を算出する(ステップS6−1)。次に、現在生産している品目以降に生産が計画されている各品目に対して、計画台数を生産計画情報記憶部25から取得し、ステップS4で取得した基準タクトタイムとステップS5で算出した傾き率と計画台数とを掛け合わせて、現在生産している品目以降に生産が計画されている各品目の生産に必要な時間を算出する(ステップ6−2)。次に、現在生産中の品目の生産完了以降に発生する機種切替時間を生産計画情報記憶部25から取得し、その合計を算出する(ステップ6−3)。そして、ステップ6−1からステップ6−3のそれぞれで算出した時間を合計することで、現時点から残りの計画台数を達成するまでに必要な時間を算出する(ステップS6−4)。
【0053】
以下、上記ステップS3の処理に引き続き、曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB100の生産実績が取得されて、ステップS6の処理が開始された場合を例に挙げて上記ステップS6−1〜ステップS6−4の処理をより具体例に説明する。
【0054】
ステップS6−1では、現在生産中の品目BBBの基準タクトタイム(50秒)に、ステップS5で算出した傾き率(52/50)を掛け、さらに、図2に示す生産実績情報と、図6に示す生産計画情報から算出した現在生産中の品目の残り計画台数を掛けることで、現在生産中の残り計画台数を生産するのに必要な時間を算出する。すなわち、図2に示す生産実績情報の品目BBBの製品を現時点で100台生産しており、図6に示す生産計画情報から品目BBBの計画台数は250台であるので、現在生産中の品目BBBの残り計画台数として150(250−100)を得る。従って、現在生産中の残り計画台数を生産するのに必要な時間は、50×(52/50)×150=7800(秒)=130分=2時間10分となる。
【0055】
ステップS6−2では、現在生産している品目BBB以降に生産が計画されている各品目(品目DDD、品目JJJ)の計画台数を図6に示す生産計画情報から取得する。すなわち、品目DDDの計画台数は150(台)である。そして、この取得した計画台数(150)に、ステップS4で取得した品目DDDの基準タクトタイム(55)と、ステップS5で算出した傾き率(52/50)とを掛け合わせて、現在生産している品目BBB以降に生産が計画されている品目DDDの生産に必要な時間を算出する。すなわち、品目DDDの必要時間=150×55×(52/50)=8580(秒)=143(分)=2時間23分となる。また、品目JJJの計画台数は350(台)である。そして、この取得した計画台数(350)に、ステップS4で取得した品目JJJの基準タクトタイム(30)と、ステップS5で算出した傾き率(52/50)とを掛け合わせて、現在生産している品目BBB以降に生産が計画されている品目JJJの生産に必要な時間を算出する。すなわち、品目JJJの必要時間=350×30×(52/50)=10920(秒)=182(分)=3時間02分となる。
【0056】
ステップS6−3では、現在生産中の品目BBBの生産完了以降に発生する機種切替時間を生産計画情報記憶部25から取得する。この場合、図6に示す生産計画情報から、品目DDDの機種切替時間(10分)を取得する。なお、品目JJJにも機種切替時間がある場合には、これも取得して足すことになるが、図6に示す通り、品目DDDから品目JJJへの機種切替時間が0分である。
【0057】
ステップS6−4では、ステップ6−1で算出した品目BBBの必要時間(2時間10分)と、ステップS6−2で算出した品目DDDの必要時間(2時間23分)及び品目JJJの必要時間(3時間02分)と、ステップ6−3算出した機種切替合計時間(10分)とを合計することで、現時点から残りの計画台数を達成するまでに必要な時間を算出する。すなわち、生産ライン2での必要時間=2時間53分20秒+2時間23分+3時間02分+10分=7時間45分となる。
【0058】
図7に戻って、ステップS7では、達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14が、現在時刻に、ステップS6で算出した必要時間を足し、足して出た時刻と現在時刻との間に含まれる休憩時間を足すことで、全計画の達成が予想される時刻を算出する。すなわち、生産ライン2で品目BBBの製品を100個生産完了した時刻は、図2に示す生産実績情報から9時56分31秒であり、ステップS6で算出した必要時間は7時間45分であるので、この段階での品目JJJの生産達成予想時刻は、現在時刻である(9:56:31)から7時間45分経過した、(17:41:31)となる。そして、この生産達成予想時刻と現在時刻との間には、図4に示す就業時間情報から、休息1の時間(5分)と休息2の時間(45分)と休息3の時間(5分)とが含まれることから、生産ライン2の最終的な生産達成予想時刻は、上記生産達成予想時刻(17:41:31)に、休息1の5分と休息2の45分と休息3の5分とを足した、(18:36:31)秒となる。
【0059】
ステップS8では、達成予測時刻及び延長予想時間算出手段14が、ステップS7で算出した達成予測時刻から、就業時間情報記憶部23から取得した生産終了時刻(17:00:00)を引いて、生産終了予定時刻に対する延長予想時間を算出する。すなわち、ステップS7で算出した達成予測時刻(18:36:31)から、生産終了時刻(17:00:00)を引くと、延長予想時間は、1時間36分31秒となる。
【0060】
ステップS9では、ステップS7及びステップS8で算出した達成予測時刻(18:36:31)と延長予想時間(1時間36分31秒)をディスプレイ3に表示する。
【0061】
ステップS10では、その日の生産の終了が指示されたかどうかを検知して、生産の終了が指示されたならば、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出処理を停止し、指示されていなければ、ステップS1に戻って処理を継続する。
【0062】
<実施形態2>
図10は、本発明の実施形態2に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示すブロック図である。上記実施形態1の図1に示す生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置と本実施形態2の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置との違いは、本実施形態2の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置が、図1に示す生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置に基準タクトタイム算出手段15を追加し、生産計画情報記憶部25に、図11に示すように、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力を追加することで、基準タクトタイムが登録されていない品目であっても、生産能力と就業時間情報から基準タクトタイムを算出し、達成予測時刻及び延長予想時間を算出可能にした点である。その他の構成は、図1に示した各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0063】
本実施形態2の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置も、図7に示したフローチャートに従って動作するが、ステップS4に対応する動作のみが上記実施形態1の場合とは異なっている。従って、ここでは図12に示すフローチャートを参照して、ステップS4に対応する動作のみを説明する。基準タクトタイム算出手段15は、図12に示すフローチャートに従って動作する。
【0064】
すなわち、現在生産中の品目及び現在生産中の品目以降に生産が計画されている品目の中で基準タクトタイム未取得または未算出の品目をひとつ選択し(ステップS4−1)、選択した品目の基準タクトタイムが基準タクトタイム情報記憶部24に記憶されていれば、ステップS4−3に処理を進め、記憶されていなければステップS4−4に処理を進める。そして、基準タクトタイムが記憶されていれば、基準タクトタイム情報記憶部24から選択した品目の基準タクトタイムを取得する(ステップS4−3)。一方、基準タクトタクトタイムが記憶されていなければ、就業時間情報記憶部23からその日の生産開始時刻と生産終了時刻と各休憩開始時刻及び休憩終了時刻を取得し、生産終了時刻から生産開始時刻を引き、各休憩時間を引くことで、その日の稼働時間を算出し(ステップS4−4)、生産計画情報記憶部25から選択した品目の生産能力を取得し(ステップS4−5)、ステップS4−4で取得した稼働時間をステップS4−5で取得した生産能力で割り、基準タクトタイムを算出する(ステップS4−6)。選択した品目に関して、基準タクトタイムの取得または算出が終わると、基準タクトタイムの取得または算出対象となる品目全ての基準タクトタイムの取得または算出が完了したかどうかを判断する(ステップS4−7)。取得または算出が完了していれば、図7のステップS5に処理を進め、完了していなければ、ステップS4−1に戻って処理を継続する。
【0065】
以下、曜日が火曜日、勤務形態が昼、生産ラインが3の生産において、製品IDがCCC015の生産実績が取得されて、ステップS4の処理が開始された場合を例に挙げて上記ステップS4−1〜ステップS4−7の処理をより具体例に説明する。
【0066】
ステップS4−1では、現在生産中の品目(ここでは品目CCC)及び現在生産中の品目以降に生産が計画されている品目(品目EEE、品目FFF)の中で、基準タクトタイム未取得または未算出の品目をひとつ選択する。
【0067】
ステップS4−2では、選択した品目の基準タクトタイムが基準タクトタイム情報記憶部24に記憶されているか否かを判断する。すなわち、図5に示す基準タクトタイム情報を参照して、選択した品目に基準タクトタイムが記憶されているかどうかを判断する。その結果、選択した品目が品目CCC及び品目FFFである場合には、基準タクトタイムが記憶されているので、ステップS4−2からステップS4−3に処理を進め、基準タクトタイム情報記憶部24から選択した品目の基準タクトタイムを取得することになる。一方、選択した品目が品目EEEである場合には、基準タクトタイムが記憶されていないので、ステップS4−2からステップS4−4に処理を進めることになる。
【0068】
ステップS4−4では、就業時間情報記憶部23からその日の生産開始時刻と生産終了時刻と各休憩開始時刻及び休憩終了時刻を取得し、生産終了時刻から生産開始時刻を引き、各休憩時間を引くことで、その日の稼働時間を算出する。すなわち、この例は火曜日であるので、図4に示す就業時間情報の火曜日の欄を参照して、生産開始時刻(8:30:00)と生産終了時刻(17:00:00)と各休憩開始時刻(10:00:00、12:00:00、15:00:00)及び休憩終了時刻(10:05:00、12:45:00、15:05:00)を取得する。そして、生産終了時刻(17:00:00)から生産開始時刻(8:30:00)を引いて、8時間30分を算出し、これからさらに、第1休憩時間の5分と第2休憩時間の45分と第3休憩時間の5分の合計55分を引いて、その日の稼働時間(7時間35分)を算出する。
【0069】
ステップS4−5では、図11に示す生産計画情報記憶部25の生産計画情報から、選択した品目EEEの生産能力(300)を取得する。
【0070】
ステップS4−6では、ステップS4−4で取得した稼働時間(7時間35分=27300秒)を、ステップS4−5で取得した生産能力(300)で割ることにより、基準タクトタイムを算出する。すなわち、27300÷300=91(秒)となる。
【0071】
ステップS4−7では、対象品目全ての基準タクトタイムの取得または算出が完了したかどうかを判断し、算出処理を完了していれば、図7のステップS5へと処理を進め、完了していなければ、ステップS4−1に戻って処理を継続する。
【0072】
<実施形態3>
図13は、本発明の実施形態3に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示すブロック図である。上記実施形態1の図1に示す生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置と本実施形態3の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置との違いは、本実施形態3の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置が、図1に示す生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置に各生産ラインの残業予定時間を記憶した残業時間情報記憶部26を追加し、残業のような予め想定している延長時間を考慮した上で、それを除く延長時間の算出を可能にした点である。その他の構成は、図1に示した各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。なお、本実施形態3は、上記実施形態1,2の双方に対して適用可能である。
【0073】
本実施形態3の場合、コンピュータ1のメモリには、新たに残業時間情報記憶部26が追加され、残業時間情報記憶部26には、図14に示すように、日付、ライン、勤務形態及び残業時間が記憶されている。
【0074】
本実施形態3の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置も、図7に示したフローチャートに従って動作するが、ステップS8に対応する動作のみが上記実施形態1の場合とは異なっている。従って、ここではステップS8に対応する動作のみを説明する。
【0075】
本実施形態3では、ステップS8は、就業時間情報記憶部23からその日の生産終了時間を取得すると共に、残業時間情報記憶部26からその日の残業予定時間を取得し、生産終了時刻に残業時間を足した時刻を、ステップS7で算出した達成予測時刻から引き、延長予想時間を算出する。
【0076】
以下、具体例を挙げてステップS8に対応する処理動作を説明するが、ここでは上記実施形態1で説明した曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB100の生産実績が取得されて、ステップS8の処理が開始された場合を例に挙げてより具体的に説明する。
【0077】
すなわち、就業時間情報記憶部23からその日の生産終了時刻(17:00:00)を取得すると共に、図14に示す残業時間情報記憶部26の残業時間情報から、その日の残業予定時間(1H)を取得する。そして、生産終了時刻(17:00:00)に残業時間(1H)を足した時刻(18:00:00)を、ステップS7で算出した達成予測時刻(18:36:31)から引くことによって、延長予想時間(36分31秒)を算出する。
【0078】
<実施形態4>
本実施形態4と上記実施形態1〜3との違いは、実タクトタイム算出条件情報記憶部22に記憶される実タクトタイム算出条件情報を、図15に示すように、勤務形態及びライン毎に、実際のタクトタイムを算出する際に利用する利用件数(直近の過去の通過実績件数)と、実際のタクトタイムの算出に利用できる通過実績の利用時間帯とし、生産のペースのばらつきが大きいなどの理由により実タクトタイム算出に利用したくない時間帯の通過実績を、実タクトタイム算出から省くことを可能にした点である。その他の構成は、図1に示した各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0079】
本実施形態4の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置も、図7に示したフローチャートに従って動作するが、ステップS3−3及びS3−4に対応する動作のみが上記実施形態1の場合と多少異なっている。従って、ここではステップS3−3及び3−4に対応する実タクトタイムの算出動作のみを、曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB050の生産実績が取得されて、ステップS3−3の処理が開始された場合を例に挙げて、図16に示すフローチャートを参照してより具体例に説明する。
【0080】
ステップS3−11では、図15に示す実タクトタイム算出条件情報の勤務形態が昼で生産ラインが2に対応する利用時間帯の利用開始1の時刻(8:35:00)と利用終了1の時刻(12:00:00)を取得する。
【0081】
ステップS3−12では、ステップS3−2で取得した通過実績の中で最新の通過実績を選択する。この例では、製品IDがBBB050の通過時刻9:14:03を取得する。
【0082】
ステップS3−13では、現在選択中の通過時刻と、ステップS3−12で取得した利用時間帯の時刻とを比較し、各製品の通過時刻が利用時間帯内(すなわち、利用開始1の時刻後、かつ、利用終了時刻1の時刻前)であるか否かを判断する。具体的には、まず最新の通過時刻(9:14:03)が利用開始1の時刻(8:35:00)と利用終了1(12:00:00)の間にあるか判断する。この場合には、現在選択中の通過時刻が利用開始1の時刻後、かつ、利用終了時刻1の時刻前(すなわち、利用可能時間帯内)であるので、ステップS3−13での判断がYESとなり、ステップS3−14へと処理を進める。
【0083】
ステップS3−14では、現在選択中の通過時刻(9:14:03)と1件前(1件過去)の通過時刻(9:13:14)の差(49秒)を算出する。
【0084】
ステップS3−15では、ステップS3−14で算出した差(49秒)を稼働時間へ計上する。すなわち、今回が最初の計上であるため、この時点で稼働時間は49秒となる。
【0085】
ステップS3−16では、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻(9:13:14)に変更する。
【0086】
ステップS3−17では、現在通過時刻が選択されているかまたは現在選択中の通過時刻がS3−2で取得した最古の通過時刻より古い通過時刻であるかを判断する。すなわち、この例では、現在、通過時刻9:13:14が選択されており、現在選択中の通過時刻(9:13:14)がステップS3−2で取得した最古の通過時刻(8:31:35)より古い通過時刻でないので、ステップS3−13に戻って処理を継続する。
【0087】
このような処理を繰り返し、現在選択中の通過時刻として8:32:21が選択されたときの処理を説明すると、ステップS3−13において、現在選択中の通過時刻(8:32:21)が利用開始1の時刻(8:35:00)より前(すなわち、利用可能時間帯外)にあるので、ステップS3−13での判断がNoとなり、ステップS3−16へと処理を進め、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻(8:31:35)に変更する。ステップS3−17では、現在、通過時刻8:31:35が選択されており、現在選択中の通過時刻(8:31:35)がステップS3−2で取得した最古の通過時刻(8:31:35)より古い通過時刻ではないので、ステップS3−13に戻って処理を継続する。
【0088】
次に、現在選択中の通過時刻(8:31:35)が利用開始1の時刻(8:35:00)より前(すなわち、利用可能時間帯外)にあるので、ステップS3−13での判断がNoとなり、ステップS3−16へと処理を進め、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻に変更しようとするが、生産ライン2において、8:31:35がその日の最初の生産であるため、通過時刻には何も選択されない。ステップS3−17では、現在通過時刻が選択されていないため、処理をステップS3−18へと進める。
【0089】
ステップS3−18では、このステップまでにステップS3−15で計上されてきた稼働時間から、ステップS3−2で取得した通過実績の中で利用時間帯内に含まれる最新の通過時刻と最古より1件前(1件過去)の通過時刻の間の休憩時間を引き、実タクトタイム算出に使用する稼働時間を算出する。この例では、S3−15で計上されてきた稼働時間(39分53秒)からステップS3−2で取得した通過実績の中で利用時間帯内に含まれる最新の通過時刻(9:14:03)と最古より1件前(1件過去)の通過時刻(8:34:10)の間の休憩時間(この例の場合、休憩時間なし)を引き、実タクトタイム算出に使用する稼働時間(39分53秒)を算出する。
【0090】
ステップS3−19では、ステップS3−18で算出した稼働時間(39分53秒)を、利用時間帯内に含まれる通過実績数(BBB001〜BBB004を除く46件)で割ることで、実タクトタイム(約52秒)を算出する。
【0091】
<実施形態5>
本実施形態5と上記実施形態1〜4との違いは、実タクトタイム算出条件情報記憶部22に記憶される実タクトタイム算出条件情報を、図17に示すように、品目毎に、実際のタクトタイムを算出する際に利用する直近の過去の通過実績の件数と、実際のタクトタイムの算出に利用できるタクトタイムの長さの上限値(利用上限)とし、タクトタイムとして長すぎる外れ値を実タクトタイム算出から省くことを可能にした点である。その他の構成は、図1に示した各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0092】
本実施形態5の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置も、図7に示したフローチャートに従って動作するが、ステップステップS3−3及びS3−4に対応する動作のみが上記実施形態1〜4の場合と異なっている。従って、ここではステップステップS3−3及びS3−4に対応する実タクトタイム算出動作のみを、曜日が月曜日、勤務形態が昼、生産ラインが2の生産において、製品IDがBBB050の生産実績が取得されて、ステップS3−3の処理が開始された場合を例に挙げて、図18に示すフローチャートを参照してより具体例に説明する。
【0093】
ステップS3−21では、生産ライン2で生産中の品目BBBのタクトタイムの利用上限(75秒)を、図17に示す実タクトタイム算出条件情報の中から取得する。
【0094】
ステップS3−22では、ステップS3−2で取得した通過実績の中で最新の通過実績を選択する。この例では、製品IDがBBB050の通過時刻9:14:03を取得する。
【0095】
ステップS3−23では、現在選択中の通過時刻(9:14:03)と1件前(1件過去)の通過時刻(9:13:14)の差(49秒)を算出し、その間(9:14:03と9:13:14の間)に含まれる休憩時間(休憩時間なし)を引く。この例では、49秒が求められる。
【0096】
ステップS3−24では、ステップS3−23で求めた値と、ステップS3−21で取得した利用上限とを比較し、ステップS3−23で求めた値が利用上限内であるか否かを判断する。この例では、S3−23で求めた値が49秒、ステップS3−21で取得した利用上限が75秒であり、49秒<75秒(ステップS3−23で求めた値<利用上限)であるため、ステップS3−24ではYesと判断され、ステップS3−25に処理を進める。
【0097】
ステップS3−25では、ステップS3−23で算出した差(49秒)を稼働時間へ計上する。すなわち、今回が最初の計上であるため、この時点で稼働時間は49秒となる。
【0098】
ステップS3−26では、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻(9:13:14)に変更する。
【0099】
ステップS3−27では、現在通過時刻が選択されているかまたは現在選択中の通過時刻がステップS3−2で取得した最古の通過時刻より古い通過時刻であるかを判断する。すなわち、この例では、現在、通過時刻9:13:14が選択されており、現在選択中の通過時刻(9:13:14)がステップS3−2で取得した最古の通過時刻(8:31:35)より古い通過時刻でないので、ステップS3−23に戻って処理を継続する。
【0100】
このような処理を繰り返し、現在選択中の通過時間として、ステップS3−2で取得した中で最古の通過時刻8:31:35が選択されている場合の処理を具体的に説明すると、S3−23では現在選択中の通過時刻(8:31:35)と1件前(1件過去)の通過時刻(この例の場合、生産開始時間8:30:00)の差(95秒)を算出し、その間(8:31:35と8:30:00の間)に含まれる休憩時間(休憩時間なし)を引く。この例では、95秒が求められる。
【0101】
ステップS3−24では、95秒<75秒(ステップS3−23で求めた値>利用上限)であるため、ステップS3−24でNoと判断され、ステップS3−26に処理を進める。
【0102】
ステップS3−26では、現在選択中の通過時刻を1件前(1件過去)の通過時刻に変更しようとするが、生産ライン2において、8:31:35がその日の最初の生産であるため、通過時刻には何も選択されない。
【0103】
ステップS3−27では、現在通過時刻が選択されていないため、処理をステップS3−28へと進める。
【0104】
ステップS3−28では、このステップまでに計上されてきた稼働時間(例えば、40分24秒)をステップS3−23で稼働時間に計上した件数(例えば、45件)で割ることで、実タクトタイム(約53.8秒)を算出する。
【0105】
<実施形態6>
図19は、本発明の実施形態6に係る生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置の構成を示すブロック図である。本実施形態6と実施形態1〜5との違いは、本実施形態6の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置が、生産計画達成予測時刻及び延長予想時間表示手段に生産計画達成予測時刻及び延長予想時間のみを表示するのに対し、各記憶部21〜25に記憶されている情報もグラフまたは表で表示することを可能にした点である。その他の構成は、図1に示した
各部及び各手段の構成と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0106】
また、本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置が表示する表示例として、実施形態6に係る表示の一例を図20に示す。
【0107】
なお、上記した図7〜図9、図12、図16、図18に示す処理フローを実施するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されている。本実施形態ではこのプログラムは図示しないメモリに格納されているが、このような記録媒体の一例としては、マスクROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリといった半導体記憶素子、ハードディスク、フレキシブルディスク、MO(magneto−optic)ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、IC(Integrated Circuit)カード、磁気テープ等を挙げることができる。また、プログラムそのものを通信により伝送して記録媒体に記録する形態であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置は、同一生産工程または同一生産ラインで複数の製品の生産が計画される場合において、全ての製品の遅れを予測した全計画の達成予測時刻と最終的に必要な延長予想時間を算出するのに好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 コンピュータ
2 生産実績情報取得手段
3 ディスプレイ
11 実タクトタイム算出手段
12 傾き率算出手段
13 必要時間算出時間
14 達成予測時刻及び延長予想時間算出手段
15 基準タクトタイム算出手段
21 生産実績情報記憶部
22 実タクトタイム算出条件情報記憶部
23 就業時間情報記憶部
24 基準タクトタイム情報記憶部
25 生産計画情報記憶部
26 残業時間情報記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全製品の生産計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する装置であって、
前記生産工程または生産ラインの通過時刻を含む製品の生産実績情報を取得する生産実績情報取得手段と、
前記生産実績情報を記憶する生産実績情報記憶手段と、
実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を記憶する実タクトタイム算出条件情報記憶手段と、
勤務形態及び曜日毎に生産開始時刻と生産終了時刻と休憩時間とを記憶する就業時間情報記憶手段と、
製品毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムを記憶する基準タクトタイム情報記憶手段と、
日毎に生産が計画されている製品名と計画台数と生産の順番と機種切替時間を記憶する生産計画情報記憶手段と、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段の通過実績件数に基づいて、前記生産実績情報記憶手段から算出に利用する生産実績情報を取得し、取得した生産実績情報と前記就業時間情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する実タクトタイム算出手段と、
前記基準タクトタイムと前記実際のタクトタイムとに基づいて計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する傾き率算出手段と、
前記基準タクトタイムと前記傾き率と前記生産計画情報及び前記生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて全計画達成までに必要な時間を算出する必要時間算出手段と、
現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する達成予測時刻及び延長予想時間算出手段と、
前記達成予測時刻及び延長予想時間を表示する達成予測時刻及び延長予想時間表示手段とを備えたことを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置において、
前記基準タクトタイム情報記憶手段に記憶されていない製品の基準タクトタイムを算出する基準タクトタイム算出手段をさらに備え、
前記生産計画情報記憶手段には、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力が記憶されており、
前記基準タクトタイム算出手段は、前記基準タクトタイム情報記憶手段に記憶されていない製品の品目の生産能力を前記生産計画情報記憶手段から取得し、取得した生産能力と前記就業時間情報記憶手段に記憶されている就業時間とに基づいて前記品目の基準タクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置において、
前記生産工程または生産ラインの残業予定時間を記憶する残業時間情報記憶手段をさらに備え、
前記達成予測時刻及び延長予想時間算出手段は、現在時刻と前記必要時間算出手段にて算出した必要時間と前記就業時間情報記憶手段に記憶されている就業時間と前記残業時間情報記憶手段に記憶されている残業予定時間とに基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置において、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する前記通過実績の利用時間帯が記憶されており、
前記実タクトタイム算出手段は、前記通過実績の利用時間帯情報に基づいて前記生産実績情報記憶手段から算出に利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムと前記就業時間情報とを用いて稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置において、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用できるタクトタイムの上限値が記憶されており、
前記実タクトタイム算出手段は、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値に基づいて前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶手段から算出したタクトタイムの中で利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムから稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項6】
複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する方法であって、
前記生産工程または生産ラインの通過時刻を含む製品の生産実績情報を記憶する生産実績情報記憶部と、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を記憶する実タクトタイム算出条件情報記憶部と、勤務形態及び曜日毎に生産開始時間と生産終了時間と休憩時間を記憶する就業時間情報記憶部と、製品毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムを記憶する基準タクトタイム情報記憶部と、日毎に生産が計画されている製品名と計画台数と生産の順番と機種切替時間を記憶する生産計画情報記憶部とを用い、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶部の通過実績件数に基づいて、前記生産実績情報記憶部から算出に利用する生産実績情報を取得し、取得した生産実績情報と前記就業時間情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する実タクトタイム算出ステップと、
前記基準タクトタイムと前記実際のタクトタイムとに基づいて計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する傾き率算出ステップと、
前記基準タクトタイムと前記傾き率と前記生産計画情報及び前記生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて全計画達成までに必要な時間を算出する必要時間算出ステップと、
現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する達成予測時刻及び延長予想時間算出ステップと、
前記達成予測時刻及び延長予想時間を表示する達成予測時刻及び延長予想時間表示ステップとを備えたことを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項7】
請求項6に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法において、
前記基準タクトタイム情報記憶部に記憶されていない製品の基準タクトタイムを算出する基準タクトタイム算出ステップをさらに備え、
前記生産計画情報記憶部には、品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力が記憶されており、
前記基準タクトタイム算出ステップは、前記基準タクトタイム情報記憶部に記憶されていない製品の品目の生産能力を前記生産計画情報記憶部から取得し、取得した生産能力と前記就業時間情報記憶部に記憶されている就業時間とに基づいて前記品目の基準タクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項8】
請求項6に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法において、
前記生産工程または生産ラインの残業予定時間を記憶する残業時間情報記憶部をさらに用い、
前記達成予測時刻及び延長予想時間算出ステップは、現在時刻と前記必要時間算出部にて算出した必要時間と前記就業時間情報記憶部に記憶されている就業時間と前記残業時間情報記憶部に記憶されている残業予定時間とに基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項9】
請求項6に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法において、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶部には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する前記通過実績の利用時間帯が記憶されており、
前記実タクトタイム算出ステップは、前記通過実績の利用時間帯情報に基づいて前記生産実績情報記憶部から算出に利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムと前記就業時間情報とを用いて稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項10】
請求項6に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法において、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶部には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用できるタクトタイムの上限値が記憶されており、
前記実タクトタイム算出ステップは、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値に基づいて前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶部から算出したタクトタイムの中で利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムから稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項11】
請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法の各ステップをコンピュータに実行させるための生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全製品の生産計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する装置であって、
前記生産工程または生産ラインの通過時刻を含む製品の生産実績情報を取得する生産実績情報取得手段と、
前記生産実績情報を記憶する生産実績情報記憶手段と、
実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を記憶する実タクトタイム算出条件情報記憶手段と、
勤務形態及び曜日毎に生産開始時刻と生産終了時刻と休憩時間とを記憶する就業時間情報記憶手段と、
製品毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムを記憶する基準タクトタイム情報記憶手段と、
日毎に生産が計画されている製品名と計画台数と生産の順番と機種切替時間を記憶する生産計画情報記憶手段と、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段の通過実績件数に基づいて、前記生産実績情報記憶手段から算出に利用する生産実績情報を取得し、取得した生産実績情報と前記就業時間情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する実タクトタイム算出手段と、
前記基準タクトタイムと前記実際のタクトタイムとに基づいて計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する傾き率算出手段と、
前記基準タクトタイムと前記傾き率と前記生産計画情報及び前記生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて全計画達成までに必要な時間を算出する必要時間算出手段と、
現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する達成予測時刻及び延長予想時間算出手段と、
前記達成予測時刻及び延長予想時間を表示する達成予測時刻及び延長予想時間表示手段とを備えたことを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置において、
前記基準タクトタイム情報記憶手段に記憶されていない製品の基準タクトタイムを算出する基準タクトタイム算出手段をさらに備え、
前記生産計画情報記憶手段には、同じ品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力が記憶されており、
前記基準タクトタイム算出手段は、前記基準タクトタイム情報記憶手段に記憶されていない製品の品目の生産能力を前記生産計画情報記憶手段から取得し、取得した生産能力と前記就業時間情報記憶手段に記憶されている就業時間とに基づいて前記品目の基準タクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置において、
前記生産工程または生産ラインの残業予定時間を記憶する残業時間情報記憶手段をさらに備え、
前記達成予測時刻及び延長予想時間算出手段は、現在時刻と前記必要時間算出手段にて算出した必要時間と前記就業時間情報記憶手段に記憶されている就業時間と前記残業時間情報記憶手段に記憶されている残業予定時間とに基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置において、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する前記通過実績の利用時間帯が記憶されており、
前記実タクトタイム算出手段は、前記通過実績の利用時間帯情報に基づいて前記生産実績情報記憶手段から算出に利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムと前記就業時間情報とを用いて稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置において、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶手段には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用できるタクトタイムの上限値が記憶されており、
前記実タクトタイム算出手段は、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値に基づいて前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶手段から算出したタクトタイムの中で利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムから稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出装置。
【請求項6】
複数の製品を加工する生産工程または生産ラインにおける全計画の達成予測時刻及び延長予想時間を算出する方法であって、
前記生産工程または生産ラインの通過時刻を含む製品の生産実績情報を記憶する生産実績情報記憶部と、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する直近の過去の通過実績の件数を記憶する実タクトタイム算出条件情報記憶部と、勤務形態及び曜日毎に生産開始時間と生産終了時間と休憩時間を記憶する就業時間情報記憶部と、製品毎に生産のペースの基準となる基準タクトタイムを記憶する基準タクトタイム情報記憶部と、日毎に生産が計画されている製品名と計画台数と生産の順番と機種切替時間を記憶する生産計画情報記憶部とを用い、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶部の通過実績件数に基づいて、前記生産実績情報記憶部から算出に利用する生産実績情報を取得し、取得した生産実績情報と前記就業時間情報とを用いて実際のタクトタイムを算出する実タクトタイム算出ステップと、
前記基準タクトタイムと前記実際のタクトタイムとに基づいて計画に対する現在のペースを表す傾き率を算出する傾き率算出ステップと、
前記基準タクトタイムと前記傾き率と前記生産計画情報及び前記生産実績情報から求めた残り計画数とに基づいて全計画達成までに必要な時間を算出する必要時間算出ステップと、
現在時刻と前記必要時間と前記就業時間の各情報に基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出する達成予測時刻及び延長予想時間算出ステップと、
前記達成予測時刻及び延長予想時間を表示する達成予測時刻及び延長予想時間表示ステップとを備えたことを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項7】
請求項6に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法において、
前記基準タクトタイム情報記憶部に記憶されていない製品の基準タクトタイムを算出する基準タクトタイム算出ステップをさらに備え、
前記生産計画情報記憶部には、品目の製品を生産開始から生産終了まで連続して生産した場合に生産可能な台数である生産能力が記憶されており、
前記基準タクトタイム算出ステップは、前記基準タクトタイム情報記憶部に記憶されていない製品の品目の生産能力を前記生産計画情報記憶部から取得し、取得した生産能力と前記就業時間情報記憶部に記憶されている就業時間とに基づいて前記品目の基準タクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項8】
請求項6に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法において、
前記生産工程または生産ラインの残業予定時間を記憶する残業時間情報記憶部をさらに用い、
前記達成予測時刻及び延長予想時間算出ステップは、現在時刻と前記必要時間算出部にて算出した必要時間と前記就業時間情報記憶部に記憶されている就業時間と前記残業時間情報記憶部に記憶されている残業予定時間とに基づいて達成予測時刻と延長予想時間を算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項9】
請求項6に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法において、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶部には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用する前記通過実績の利用時間帯が記憶されており、
前記実タクトタイム算出ステップは、前記通過実績の利用時間帯情報に基づいて前記生産実績情報記憶部から算出に利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムと前記就業時間情報とを用いて稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項10】
請求項6に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法において、
前記実タクトタイム算出条件情報記憶部には、実際のタクトタイムを算出する際に算出に利用できるタクトタイムの上限値が記憶されており、
前記実タクトタイム算出ステップは、前記算出に利用できるタクトタイムの上限値に基づいて前記就業時間情報と前記生産実績情報記憶部から算出したタクトタイムの中で利用するタクトタイムを選定し、選定したタクトタイムから稼働時間を算出し、稼働時間と選定したタクトタイムの件数とを用いて実際のタクトタイムを算出することを特徴とする生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法。
【請求項11】
請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出方法の各ステップをコンピュータに実行させるための生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の生産計画達成予測時刻及び延長予想時間算出プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−170330(P2010−170330A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12212(P2009−12212)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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