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生細胞における反応の検出
説明

生細胞における反応の検出

生細胞内で生じる化学反応を、試験対象の反応又は細胞の生存能力に影響させないように、測定する。一態様では、1つ以上のセンサを、細胞内に導入し且つ/又は外側の細胞膜に共有結合させる。センサは、化学反応に関連したパラメータ値、例えば反応生成物の濃度を示す観察可能な信号を発する。細胞の生存能力は損なわれないので、試験対象の反応に影響が及ぼされるように、細胞が刺激される(例えばアゴニスト又はアンタゴニスト、病原、医薬化合物又は潜在的毒物に曝すことによる)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年9月16日出願の「Optical Biosensor Array and Related Systems, Methods and Devices」と題する米国特許仮出願第60/718255号の利益を主張するものであり、その開示全体が、後述のように参照によって本願に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本発明は、生細胞内で起こる化学反応をモニタすることに関し、より詳細には、細胞の生存能力を損なうことなく、そのような反応を測定するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
生細胞内で起こる重要な化学反応の程度及び時間プロファイルをモニタするために、多数の技術が存在する。そのような多くの技術は、細胞質中で起こる反応の進行を反映する細胞外の反応生成物に関するアッセイを含む、間接的なものである。このようなアッセイの欠点は、細胞の環境中の反応生成物の擬似的存在による影響に弱いことである。
【0004】
細胞内技術も開発されてきた。このような技術には、例えば、対象となる化合物の存在下で蛍光する遺伝子組換え細胞、放射線結合アッセイ(radioactive binding assay)及び比色分析アッセイを含む。しかし、これらの技術は、細胞の潜在的に破壊的な修飾又は細胞への侵入が伴う。
【0005】
細胞内及び細胞外アッセイを用いて、結合を利用した反応生成物の量の測定によって酵素活性を追跡することが多い。酵素結合は、対象となる定量化不能な酵素反応を、この対象となる酵素反応の生成物と相互作用する光学的に(分光光度計によって)測定可能な酵素反応にリンクさせる複雑な手法である。繰り返すが、従来の手法は、多数の欠陥を抱えている。例えば、共役反応は、対象となる酵素活性に無関係な(共役する)少なくとも1つの化学反応を必然的に含み、これは、誤差の潜在的な原因となる。酵素反応は、入念に制御された反応条件(適切な温度、pH、塩濃度等)を必要とし、そのため、急速な環境の変化又は反応物、例えば酵素反応の成分(特に酵素自体)の分解は、モニタ作業に影響を及ぼし得る。
【0006】
したがって、対象となる生成物を迅速に、直接的に且つ正確に測定する装置及び方法が必要とされている。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、生細胞内で起こる化学反応を測定することによって、細胞の生存能力及び試験対象の反応に著しい影響を与えることなく従来技術の欠点を解決する。「著しい」という語は、細胞個体に関してはそれらが殺傷されないこと、細胞数に関しては少なくとも大半が生存し続けること、反応に関しては試験対象の変数が、精度の規定されたしきい値を超えて影響を受けないことを意味する。例えば、イオンの濃度を0.1モル/L以内であるようモニタする必要がある場合、イオン濃度が±0.05モル/Lを超えてシフトしないのであれば、反応は著しい影響を受けていない。
【0008】
一態様によれば、1つ以上のセンサが、細胞内に導入され且つ/又は外側の細胞膜に共有結合している。センサは、化学反応と関連するパラメータ、例えば反応生成物の濃度の値を示す観察可能な信号を生成する。細胞の生存能力が損なわれないので、試験対象の反応に影響を与えるように細胞を刺激する(例えば、作用剤若しくは拮抗剤、病原体、医薬化合物又は潜在的な毒物に曝すことによって)ことができる。「観察可能な」という語は、設備を使用して可視化可能又は測定可能であることを意味する。
【0009】
いくつかの態様では、センサを使用して、細胞膜を貫通するイオンチャネルの活性をモニタする。そのような場合、センサを細胞内に導入するか若しくは外側細胞膜に付着させるか、又はその両方であってよい。例えば、外部のセンサを、イオンチャネルに対して特異的な抗体(典型的にはタンパク質を含む)を介して細胞のイオンチャネルの近傍の細胞膜に付着させることができる。センサは、イオンセンサであってよく、細胞の内部及び外部のセンサが、異なるイオンをモニタしてもよい。
【0010】
いくつかの態様では、センサは、イオン選択性のオプトード(optode)を含む。反応によって、このオプトードにより隔離されたイオン性の生成物が生成され得るか、又はオプトードを使用したモニタが簡単になるようにイオン化された非イオン性の生成物が生成され得る。このようにして、本発明は、小分子を含む多数の医薬学的用途で使用することができる。
【0011】
いくつかの態様では、オプトードは、イオン選択性のイオノフォア、トリガーイオン源及びそのトリガーイオンに応答する信号発生剤を含む。典型的には、イオノフォアは、イオン反応生成物に対して選択的であり、反応生成物のイオンが結合する際、トリガーイオンが放出されて信号発生剤と相互作用し、これにより信号が生成する。異なるイオンにそれぞれ応答し且つ区別可能な信号を生成する異なるセンサを、モニタされる反応に応じて使用することができる。さらに、信号は、トリガーイオンによって直接的に又は間接的に生成されてよい(例えば、トリガーイオンが、観察可能な信号をもたらす反応カスケードを開始し得る)。
【0012】
好ましい態様では、上記信号は、例えば蛍光又は吸収を伴う光学的な性質を有するものである。光信号は、例えば分光光度計、蛍光光度計又は吸収を測定するための検出器を使用してモニタすることができる。しかし、信号は、別態様では、可視でなくてもよいし、電磁放射の別の形態を含んでいてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の前述及び他の特徴及び利点は、以下の説明、図面及び特許請求の範囲によってより明確となるであろう。
【0014】
本発明の利点は、付随する説明に関連させた図面を参照することで、より理解されるであろう。
【0015】
図面においては、同じ参照番号は、違う図面を通じて相応する部分を概ね指している。図面は必ずしも寸法通りではなく、重点は本発明の原則及び概念に置かれている。
【0016】
本発明の態様は、細胞のバイオマーカーを測定するためのシステム、方法及び装置を提供する。例示的な態様では、光学活性ポリマーセンサを、細胞の内部及び外部に配置させる。蛍光又は吸収の変化が、細胞からのイオン濃度及び流束(fluxes)を指示する。対象の化合物に応答した蛍光又は吸収の変化全体によって、化合物の「フィンガープリント(例えばスペクトル)」が得られる。
【0017】
図1は、本発明の例示的な態様による細胞アッセイシステム100の概略図である。細胞アッセイシステム100は、光学イオンセンサ支持体102、生物試料ホルダ104、励起光源106、光源108及び計算装置111を備えている。
【0018】
光学イオンセンサ支持体102は、生物試料ホルダ104内に配置するための光学イオンセンサ112を支持している。様々な実施で、光学イオンセンサ112は、溶剤、例えばテトラヒドロフラン(THF)のような極性有機溶媒中に溶解若しくは分散させた光学イオンセンサマトリクスの溶液での堆積によって、光学イオンセンサ支持体102に接着させる。このような実施では、センサ支持体102は、好ましくは、溶剤に対して耐性のある材料から形成されている。THFに対して耐性のある材料は、非限定的に、304ステンレス鋼、316ステンレス鋼、アセタールポリマー(E. I. du Pont de Nemours and CompanyよりDELRINとして販売)、青銅、炭素グラファイト、炭素鋼、セラミックスAl、パーフルオロエラストマー化合物、例えばGreene, Tweedより販売されているCHEMRAZ、エポキシ、HOSTELRY Calloy(Haynes International, Inc.より販売)、KALESエラストマー(Dupont Performance Elastomersより販売)、ポリクロロトリフルオロエチレン、NYLON(E. I. du Pont de Nemours and Companyより販売)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド及びPTFEを含む。
【0019】
光学イオンセンサ112は、光学イオンセンサマトリクスの懸濁液を有するフィルムを含む。光学イオンセンサマトリックスは、一般に、例えばポリ塩化ビニル(PVC)のポリマー相中に懸濁されたイオノフォア、添加剤及びクロモイノフォアを含む。ポリマー相は、セバシン酸ジオクチル(DOS)のような可塑剤も含む。イオノフォアは、標的のイオンを膜を横切らせて又は膜内に移動させることのできる物質である。好ましくは、イオノフォアは、脂溶性であるよう選択される。さらに、イオノフォアは、好ましくは、標的イオンと錯体を形成する電気的に中性の化合物である。イオノフォアは、可視スペクトルにおいては光学的に不活性であり、その錯体の状態に応じて吸収又は蛍光を変化さることはない。
【0020】
クロモイオノフォアは、錯体の状態によってその可視スペクトルの光学特性が変化するイオノフォアである。クロモイオノフォアは、好ましくは、水素錯体形成(プロトン化)の度合いによって吸収(及び多くの場合蛍光)が変化するプロトン感応性の染料である。クロモイオノフォアは、好ましくは、高い親油性を有し、よって、光学イオンセンサマトリクスからの浸出が防止される。適切なクロモイオノフォアは、クロモイオノフォアII及びクロモイオノフォアIIIを含む。クロモイオノフォアIIは、520nm及び660nmで光吸収ピークを、660nmで蛍光発光ピークを示す。クロモイオノフォアIIIは、500nm及び650nmで光吸収ピークを、570nm及び670nmで蛍光発光ピークを示す。
【0021】
イオノフォアによって放出されたトリガーイオンは、上述のように直接的に又は間接的に観察することができる。例えば、蛍光信号の強度は、細胞内のイベントカスケード(event cascade)のためのトリガーとなり得る。高いカルシウム電流は、例えば、センサを明るく蛍光させるが、低いカルシウム電流はそうではない。続いて蛍光は、反応性酸素種(ROS)を容易に生じる粒子中の第2の染料を励起させる。ROSは、細胞を攻撃し、壊死(細胞死)を効率的に促す。別態様では、粒子内の第2の成分の代わりに、別の粒子を添加することができる。この追加の粒子は、光分解性のポリマーを含んでいてよい。第1のセンサが蛍光すると、発せられた光は第2の粒子を分解し、その内容物が放出する。内容物は、例えば、治療的又は抗ガン性の(アポトーシスを促す)薬剤であってよい。
【0022】
カチオンを標的とする光学イオンセンサの場合、添加剤は、付随する負の電荷を持つ、不活性で且つ親油性の任意の成分であってよい。アニオンを標的とする光学イオンセンサの場合、添加剤は正に帯電している。添加剤の目的は、ポリマー相内に電荷サイトを埋め込み、光学イオンセンサ112内での電荷の中性化を促進することである。添加剤によって、ポリマー相が、添加剤と同量の帯電粒子を担持できるようになる。添加剤のクロモイオノフォアに対する濃度比は、好ましくは1:1であり、これにより、クロモイオノフォアを完全にプロトン化又は脱プロトン化することができる。負イオンを標的とした光学イオンセンサのための適切な添加剤の1つは、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ酸カリウム(KTFPB)である。親油性のアニオン成分TFPB分子は、ポリマー相で保持され、カリウムイオンは、イオノフォアによって錯体形成されるか又は拡散によって試料溶液内に放出される。1つの特定の実施では、光学イオンセンサ膜は、DOS約60mg、PVC30mg並びに約5mgまでの添加剤、イオノフォア及びクロモイオノフォアから製造された懸濁液からなっている。
【0023】
上記の成分をポリマー相内に溶解させて光学イオンセンサ112を形成し、試料溶液に曝すと、光学イオンセンサ112は活性となる。光学イオンセンサは、次に、試料溶液内のイオン活性に応じて、連続的に検体カチオンを抽出させる若しくは放出させる(システムはアニオンによってもイオン共抽出を利用しても機能できる)。1:1の添加剤−クロモイオノフォア比で、試料溶液中に標的イオンがゼロである場合、光学イオンセンサ112は、電荷中性が得られるように完全にプロトン化されたままとなっている。標的イオン濃度が増大するにつれ、光学イオンセンサ112中のイオノフォアが、標的イオンを光学イオンセンサ112内へと抽出する若しくは取り込む。光学イオンセンサ112の電荷中性を保つために、水素(ヒドロニウム)イオンが、光学イオンセンサ1123内のクロモイオノフォアから剥ぎ取られ、試料溶液中へと放出される。この水素イオンの放出、光学イオンセンサ112のpHを変化させ、これにより、その蛍光特性を変化させる。検体アニオン(例えば塩化物イオン又は亜硝酸イオン)を検出するためには、光学イオンセンサは、プロトン放出とは対照的に、イオン共抽出を利用する。中性の検体を検出するためには、標的検体と相互作用してイオンを生じることが知られている追加の薬剤を、生物試料ホルダ104に添加する。そして、得られたイオンが検出されるようにイオノフォアが選択される。
【0024】
以下に、光学イオンセンサで用いるのに適した標的イオン/イオノフォアのペアを非限定的に且つ例示的に記載する。カリウム/カリウムイオノフォアIII(BME−44)、ナトリウム/ナトリウムイオノフォアIV、ナトリウム/ナトリウムイオノフォアV、ナトリウム/ナトリウムイオノフォアVI、カルシウム/カルシウムイオノフォアIII及びカルシウム/カルシウムイオノフォアIV。標的アニオンでは、例示的な標的イオン/イオノフォアのペアは、塩化物/塩化物イオノフォアIII及び亜硝酸塩/亜硝酸イオノフォアIを含む。
【0025】
光学イオンセンサの膜は、様々な手法で製造することができる。1つの実施形態では、上述のように、光学イオンセンサ懸濁液(つまり、ポリマー相、イオノフォア、添加剤及びクロモイオノフォアの組合せ)の規定量を、THFのような溶剤に溶解させる。そして、この溶液を表面に堆積させるか、噴霧するか又はスピン塗布する。溶剤を蒸発させると、光学イオンセンサ膜が表面上に残る。
【0026】
別の実施形態では、膜は、光学イオンセンサマイクロ球体の堆積から形成される。マイクロ球体を製造するために、光学イオンセンサエマルジョンを、THF(例えばTHF16mL/PVC100mg)中に溶解させた光学イオンセンサ懸濁液をpH緩衝溶液中へ噴射させることによって形成する。光学イオンセンサ懸濁液は、DOS約60mg、PVC約30mg、約5mgまでのクロモイオノフォア、添加剤及びイオノフォアを含む。次いで、このエマルジョンを、超音波ウォーターバス内に浸ける。通常、光学イオンセンサ懸濁液/THF溶液50μLを、緩衝溶液1000〜1500μL中へ噴射させる。得られたエマルジョンは、球状の、200nm〜20μmの粒径範囲を有する光学イオンセンサ粒子の混合物を含む。得られたエマルジョンを、任意の表面にスピン塗布、噴霧又は蒸着させ、これにより、多孔質の光オンセンサ膜が形成される。マイクロ球体から形成された膜は、与えられた試料に対して、光学イオンセンサをより大きな表面積で曝すようになり、これにより、改善された性能特性が得られる。
【0027】
生物試料ホルダ104は、細胞アッセイシステム100による分析のための生物試料を保持する。生物試料は、例えば単層中の生物試料ホルダ104の壁部に接着させた細胞又は液体バッファ中に懸濁させた細胞を含んでいていよい。生物試料ホルダ104は、好ましくは透明であるか、又は少なくとも、それを介して光学イオンセンサ112が励起され且つそのような励起の結果をモニタできる透明領域を含む。
【0028】
光学イオンセンサ112は、光源106によって照射され、その中に懸濁されているクロモイオノフォアが励起される。光源は、好ましくは、光学イオンセンサ112で使用される特定のクロモイオノフォアを励起させるように選択される、規定の波長以上の光、望ましくは、電磁スペクトルの可視部分の光を生成するようになっていてよい。別態様では、光源は、広いスペクトル光を生じさせる。1つの実施形態では、光源106は、光学イオンセンサ支持体102に結合されている。
【0029】
光学イオンセンサ112の蛍光は、光センサ108によって検出される。光センサ108は、電荷結合素子、蛍光光度計、光電子倍増管又は蛍光を測定するための別の適切な装置を含んでいてよい。1つの実施形態では、光源106及び光センサ108の両役割を満足させるために、分光蛍光光度計が使用される。光源108は、光学イオンセンサ支持体102に結合されていてもよい。
【0030】
光学イオンセンサ支持体102は、薬剤導入手段118を備えている。薬剤導入手段118は、ピペット又は電気機械的供給装置、例えばソレノイド又は静電気駆動式プランジャ若しくはシリンジを含んでいてよい。
【0031】
計算装置111は、細胞アッセイシステム100の様々な構成要素を制御する。この計算装置111は、細胞アッセイシステムを制御するために使用される様々な機能を提供する単一の計算装置又は複数の計算装置であってよい。その様々な機能は、励起制御モジュール126、薬剤導入モジュール130及び分析モジュール134によって得られる。励起制御モジュール126は光源108を制御し、1つ以上の波長の励起光を放出する。薬剤導入モジュール130は、薬剤導入手段118を介しての生物試料ホルダ104内への薬剤の導入を制御する。分析モジュール134は、例えば、薬剤を生物試料ホルダ104内に導入させる前後で光センサ108の出力を分析し、生物試料ホルダ104内の、薬剤の細胞に対する作用を判定する。分析モジュール134は、計算装置内の他のモジュール、つまり、励起制御モジュール126及び薬剤導入モジュール130も制御することができ、これにより、アッセイプロトコルが調整される。1つ又は複数の計算装置111は、様々なユーザインターフェース要素、例えばキーボード、マウス、トラックボール、プリンタ及びディスプレイも含むことができる。
【0032】
モジュールは、カスタムVLSI回路又はゲートアレイ、既製の半導体、例えばロジックチップ、トランジスタ又は他の別個の要素を備えているハードウェア回路として実施することができる。モジュールは、プログラム可能なハードウェアデバイス、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイ論理、プログラマブル論理デバイス又はこれらに類するもので、実施することもできる。
【0033】
モジュールは、様々な種類のプロセッサによって実行されるソフトウェアで実施することもできる。実行可能コードの特定のモジュールは、例えば、物体、手順又は機能等として構成されていてよいコンピュータ命令の1つ以上の物理又は論理ブロックを含むことができる。しかし、特定のモジュールの実行コードは、物理的に一緒に配置されている必要はなく、論理的に結合されている場合にはモジュールを含み且つモジュールのための上記目的を達成する、異なる場所に格納された異種の命令を含んでいてよい。実行コードのモジュールは、単一若しくは多数の命令であってよく、いくつかの異なるコードセグメントにわたり、異なるプログラム間で又はいくつかのメモリデバイスを介して分配されていてもよい。
【0034】
様々なモジュールは、そのモジュールが制御する又はモジュールにデータを与える様々なデバイスと通信している。その場合、ローカルエリアネットワークにわたって、無線方式で、バスにわたって又は計算デバイスを周辺機器に接続させるためのコンピュータインターフェースの技術で知られている典型的なケーブルにわたって接続されていてよい。
【0035】
図2A〜2Dに、図1の細胞アッセイシステム100の様々な実施での使用に適している様々な光学イオンセンサユニットを示す。図2Aには、光学イオンセンサ支持体202及び生物試料ホルダ204を含む第1の光学イオンセンサユニットを示す。生物試料ホルダ204は、生物試料ホルダ204に接着させた細胞206の単層を含む。別態様では、生物試料ホルダ204は、バッファ内に懸濁させた細胞を保持している。光学イオンセンサ支持体202及び生物試料ホルダ204は、図1の光学イオンセンサ支持体102及び生物試料ホルダ104に対応している。光学イオンセンサフィルム210は、光学イオンセンサ支持体202の遠位の端部に結合している。
【0036】
図2Bに、生物試料ホルダ254を含む別態様の光学センサユニット250を示す。この生物試料ホルダ254は、生物試料ホルダ254の表面に接着させた細胞256又はバッファ中に懸濁された細胞の単層を含むものを示す。支持体に接着させた光学イオンセンサフィルムを構成する代わりに、光学イオンセンサユニット250は、生物試料ホルダ254に接着させた細胞256内に導入された光学イオンセンサ粒子258を利用する。
【0037】
光学イオンセンサを細胞内に導入するために、光学イオンセンサを粒子258として製造する。光学イオンセンサ粒子258は、上述のように光学イオンセンサフィルム112に類似の形式で製造される。そのような粒子258、つまり、光学イオンセンサナノ球体は、以下の手順に従って製造される。まず、光学イオンセンサ懸濁液を、THF500μL中に溶解させる。懸濁液は、好ましくは、DOS60mg、PVC30mg並びに5mgまでのクロモイオノフォア、イオノフォア及び添加剤を含み、これにより、オプトード溶液が得られる。CHCl500μLを添加し、全体積を1mLとする。次に、PEG脂質溶液(DSPE−PEG550又はDSPE−PEG(2000)葉酸)を、このPEG脂質を水、塩及びバッファの溶液5mlに溶解させることによって調製する。PEG脂質には、TATペプチドをアミン架橋によって添加することができ、これにより、得られたナノ球体の細胞内への導入が助成される。別態様では、PEGではない分子、例えばセラミドに結合させたガングリオシドを使用することができる。
【0038】
ナノ球体は、オプトード溶液100μlを、PEG脂質溶液5mlへと滴下により添加することによって形成され、その際、溶液は、プローブチップ超音波破砕器によって超音波破砕される。さらに、約2〜3分間、追加的な超音波破砕を行う。得られたナノ球体溶液を窒素供給銃によってビーカー内に数回噴霧し、過剰の溶剤を除去する。所望であれば、ナノ球体溶液を0.22μmフィルタに押し通し、より大きな球体を得る。
【0039】
光学イオンセンサ粒子258は、任意の適切な方式で細胞256内に導入される。1つの方法では、粒子258を、生物試料ホルダ254内に堆積させたバッファ液内に導入する。そして、電圧源によって、細胞256を電気めっきするのに十分に強い電圧を発生させ、これにより、光学イオンセンサ粒子258を細胞内に直接的に導入することができる。別の手法では、光学イオンセンサ粒子258の表面を、まず、粒子258が細胞膜を通過することを助成する物質、例えばトランスフェリン又は葉酸でコーティングする。光学イオンセンサ粒子258を、生物試料ホルダ254内のバッファ中に導入すると、細胞256は、粒子258を、飲食作用、飲作用若しくは食作用又は同様の生物プロセスによって小胞内部に取り入れる。光学イオンセンサ粒子258に塗布された物質は、小胞膜を破壊し、光学イオンセンサ粒子258を細胞質内に解き放つ。さらに別の手法では、粒子258は、ガラス針を使用して又は弾道衝撃(高速の打込み、ballistic bombardment)によって細胞256内に導入することができる。
【0040】
いくつかの態様では、センサは、細胞の内部に導入されるのではなく、外部に付着させる。例えば、イオンチャネルの活性を調べる場合、センサは、イオンチャネルの近傍の細胞に付着させることができる。このことは、例えば、イオンチャネルのタンパク質に対する抗体を生じさせ、従来の化学技術を使用して、1つ以上の前記抗体をセンサ粒子に共有結合させることによって達成できる。抗体を点在させた(antibody-studded)この粒子を、細胞懸濁液中に解き放ち、イオンチャネルと優先的に結合させる。この手法は、イオン特異的なセンサを、表面上に抗体を集めることのできる細胞膜の外部で任意の機能部分に結合させるために使用することができる。別態様では、センサは、別の適切な結合化学手段、例えば、ビオチン(ストレプト)アビジンの錯体形成又は多糖類の結合によって細胞膜に付着させることができる。Massachusetts Institute of Technologyの、Daniel I. Harjesによる論文「High Throughput Optical Sensor Arrays for Drug Screening」(2006)を参照されたい。この文献は、参照により本願に組み込まれる。
【0041】
図2Cに、光学イオンセンサ支持体272及び生物試料ホルダ274を含む、第2の別の光学イオンセンサユニット270を示す。光学イオンセンサフィルム276は、光学イオンセンサ支持体272の遠位端部に結合している。細胞の単層278は、生物試料ホルダ274の表面に接着している。別態様では、細胞は、バッファ中に懸濁している。さらに、光学イオンセンサ粒子280が、細胞の単層278の細胞中に導入されている。好ましくは、光学イオンセンサフィルム276で使用されるクロモイオノフォアは、光学イオンセンサ粒子280で使用されるクロモイオノフォアとは異なっている。詳細には、これらの異なるクロモイオノフォアは、望ましくは、区別可能な蛍光特性を有しており、この場合、光学イオンセンサユニット270をモニタして光源の出力を分析する分析モジュールは、光学イオンセンサフィルム272の出力と光学イオンセンサ粒子280の出力とを識別することができる。その結果、分析モジュールは、細胞内の標的イオン濃度と細胞外の標的イオン濃度とを識別することができる。さらに、光学イオンセンサフィルム272は、光学イオンセンサ粒子280に含まれるものと異なるイオノフォアを含んでいてよい。よって、光学イオンセンサユニット270は、2つの異なる標的イオンの濃度をモニタすることができる。
【0042】
図2Dに、電極支持体292及び生物試料ホルダ294を含む、第3の別の光学イオンセンサユニット290を示す。生物試料ホルダ294は、細胞単層296又はバッファ中に懸濁している細胞の他に、取外し可能な光学イオンセンサフィルム298を含む。この取外し可能な光学イオンセンサフィルム298は、例えば、ガラスカバースリップ又は他の光学イオンセンサフィルムで被覆された透明の表面であってよい。
【0043】
さらに別の態様では、生物試料ホルダの内表面が、光学イオンセンサフィルムによって被覆されている。さらに別の手法では、アッセイでよく使用される96ウェルプレートフォーマットを収容するために、本発明の一態様が、モニタすべき細胞に沿ってイオン交換オプトード材料で被覆された円形のガラスカバースリップを利用する。この態様では、各ウェルが、対象の特定種を追跡するための単一のセンサ種を含む。また、様々なセンサ種で、使用されるイオノフォアのみを相違させ、同じ又は同様のクロモイオノフォアを利用してもよい。次いで、対象の化合物をウェルに直接的に添加する。そして、96ウェルプレートを、標準のプレートリーダ型の蛍光光度計内に配置し、蛍光の強さを時間ごとにモニタする。
【0044】
典型的な実施形態では、生物試料を保持する複数の生物試料ホルダが設けられている。ホルダ内に導入された生物試料は、バッファ溶液中に懸濁された細胞を含んでいてよいが、別態様では、細胞は、生物試料ホルダの壁部に接着していてよい。次いで、光学イオンセンサを、図2A及び2Cに示す生物試料ホルダ内に導入し且つ/又は細胞自体内に導入する。別態様では、光学イオンセンサは、生物試料ホルダの壁部を被覆していてよい。上述のように、光学イオンセンサ粒子は、生物試料ホルダ内に配置された電極によって細胞を電気めっきするか又は光学イオンセンサ粒子に塗布された化学物質によって細胞内の小胞膜を破壊することによって導入することができる。同様に、光学イオンセンサは、当分野で公知の、ピコ注射(pico injection)、ビーズ担持(bead loading)、遺伝子銃又はリポソーム供給技術(liposomal delivery techniques)を利用して細胞を導入することができる。上述のように光学イオンセンサは、規定のイオンと選択的に結合する少なくとも1つのイオノフォアを含む。これにより、いくつかの態様では、光学イオンセンサのpH及び光学イオンセンサを取り囲む流体中のイオンの濃度を光学的に示すpH感応性クロモイオノフォアが変化する。イオン濃度は、言い換えれば、光学イオンセンサのpH及び結果として得られるクロモイオノフォアの蛍光によって示される。
【0045】
薬剤、例えば、医薬性、毒性、生物性の巨大分子(例えば、核酸、抗体、タンパク質又はその部分、例えばペプチド)、小分子(2000amu以下、1000amu以下又は500amu以下)、タンパク質、ウィルス、細菌類、化学化合物、化学化合物の混合物、或いは細菌類、植物、菌類又は動物(特にほ乳生物)の細胞若しくは組織といった生体物質から得られた抽出物、或いはその他の生物学的活性薬剤を、1つ以上の生物試料ホルダ内に導入することができる。生物試料ホルダのアレイを使用した1つの特定の実施形態では、生物試料ホルダの第1の列には薬剤を導入せずに、対照を保存する。第1の薬剤は、生物試料ホルダの第2の列に導入する。追加の薬剤は、生物試料ホルダのアレイのさらなる列に添加する。
【0046】
生物試料ホルダ内に導入された光学イオンセンサの蛍光をモニタする。モニタは、好ましくは、薬剤の導入前に開始し、その後さらに続ける。次いで、導入された薬剤によってもたらされるイオン濃度の変化を判定する。薬剤添加後のイオン濃度の変化を比較することによって、試験される細胞への薬剤の作用を判定することができる。
【0047】
図3及び4に、本発明によるセンサの別の態様300を示す。センサは、ウェル310及びそこから連続的に枝分かれしている概括的に315で示されたマイクロチャネルを備えている。細胞をウェル310に置き、異なる特異性を有するセンサ材料を各チャネル315に線状に並べ、溶液を、ウェル310からチャネル315を通して流す。チャネル315からの蛍光を画像化すると、強度の変化によって形成されたパターンを、図4に示すように、溶液中で感知された様々な材料の存在の有無を示す光学的なバーコードとして視覚化することができる。
【0048】
応用例:HERG適合性
本発明のセンサは、多くの様々な種類のアッセイに若しくは化合物の検出に適している。1つの応用例では、モデル細胞系を使用して、HERG適合性をスクリーニングする。HERG(human ether-a-go-go)チャネルは、QT延長症候群に関連する心臓リズムの異常に関係している。多くの化合物が、このようなチャネルをブロックし、心臓の鼓動のサイクルの延長を引き起こし得ると考えられている。この異常なリズムは、不整脈を引き起こすことがあり、死に至る場合もある。したがって、医薬学的標的であるかないかに関わらず、全ての薬剤をHERG適合性のためにスクリーニングすることが重要である。
【0049】
図5を参照すると、使用するモデル細胞系はSaccharomyces cerevisiaeであり、それは、ヒトHERGに類似の天然のERG2遺伝子を含むためである。公知のHERG阻害剤は、酵母菌中のERG2の機能も妨げる。酵母菌については遺伝学的に多くのことが知られており、遺伝子ノックアウト(gene knock-outs)も市販されており、これにより、2種の酵母、つまり,ERG2を含む野生種(WT)とERG2遺伝子を変異させノックアウトさせたものとのスクリーニングが可能である。
【0050】
図6では、公知のHERG阻害剤であるハロペリドール(精神病治療剤)によって刺激された前記両酵母菌を含む本発明によるカリウム及びナトリウムセンサを使用して、ハロペリドールによる細胞の刺激の際の、ナトリウム及びカリウムの変化を観察する。ERG2ノックアウトの方は、応答はなかった。この例は、2つの細胞種及び2種のセンサを利用して4つの異なるデータ信号を提供するが、この手法は、任意の数のセンサ及び細胞種に拡張することができる。同様に、培地の代わりに組織を使用することもできる。
【0051】
応用例:アンモニアスクリーニング
上述のように、pHの変化を利用して、対象の中性反応生成物を、イオン交換オプトードの使用によって測定可能にすることができる。生体反応におけるアンモニア生成(例えば、トランスグルタミナーゼ(TGase)のような酵素が関わる)をモニタするために開発されたセンサでは、例えば、pHが低いことによって、アンモニアがアンモニウムにイオン化され、これを、ノナクチンイオノフォアによって抽出することができる。この手法は、測定可能な化学種の範囲を大きく拡大するものである。
【0052】
図7を参照すると、アンモニアセンサは、5mmのガラス製ディスクを、PVC、可塑剤、THF、テトラキス(p−クロロフェニル)ホウ酸カリウム(KTpClPB)、クロモイオノフォアIII及びノナクチンを含有するアンモニウム/アンモニア選択性混合物で被覆することによって製作される。任意に、被覆されたディスクに5%TEFLONの第2の薄層を塗布し、酵素反応で必要とされる高塩濃度の環境からアンモニウム混合物を保護する。このようなディスクを、96ウェルプレートの個々のウェルの底部に配置し、酵素反応がウェル内で起こるように準備し、ディスクを沈める。反応のリアルタイムのモニタ(光学センサの蛍光の変化を測定することによる)を実施する。これらのオプトードは比較的大きく、TEFLONで被覆されているが、それでも、その応答時間は約2分間である。
【0053】
データのモニタリングを利用して、酵素反応が存在する場合のセンサの蛍光の変化を追跡するために、対象のイオンの公知の濃度の蛍光の測定値の較正曲線をまず構築する。図8を参照すると、曲線は典型的にはシグモイドであり、この曲線の直線部分は、センサの最も正確な範囲と一致している。図示のように、TGase反応の場合には、測定に耐え得るアンモニアの濃度は、10−4〜10−3Mであるが、10−5〜10−3Mの範囲で感応性が予想される。
【0054】
図9及び10に、TGase反応のモニタの結果を示す。TGase反応の酵素及び基質の濃度の変動によって、光学センサの作動が明示される。詳細には、これらの結果は、反応での酵素濃度が高くなる程又は基質濃度が高くなる程、アンモニアがより迅速に生成されることを示している。
【0055】
さらなる応用
上述のように、特定のイオンの存在を直接的に検知するために、本発明の様々な態様を構築することができる。下表1に示すように、当分野では、特定の疾患が細胞中の特定のイオンチャネルに影響を与えることが知られている。したがって、本発明を利用したそのようなイオンに対するアッセイは、特定の疾患の存在を判定するための診断ツールを提供できる。したがって、本発明の範囲は、下表に示すイオンを測定するために上述の対象物を応用すること、並びに下表に記載の関連する疾患の存在を診断するために応用することを含む。
【0056】
【表1】

【0057】

【0058】
3番目の列では、チャネルタンパク質を、α、β及びγサブユニットに分類している。αサブユニットは、常に孔形成に直接的に関与し、βサブユニットには、例えばSCN1B及びバーチンのように補助サブユニットにすぎない(つまり、孔を形成しない)ものもある。その他のもの(例えばENaC及びGABAレセプタ)は、孔形成に関与する。リガンドゲート型チャネルでは、リガンドが施与される。GABA及びグリシンは細胞の外側から作用するのに対し、cGMPは細胞内メッセンジャであることに留意されたい。

【0059】

【0060】

【0061】

【0062】

【0063】

【0064】

【0065】

【0066】

【0067】

【0068】

【0069】
よって、様々な特徴によれば、本発明のシステム、方法及び装置は、非限定的に、創薬及び酵素反応のモニタを含む測定においてオプトード及び細胞を使用する新規の手法と、塩の妨害を防ぐためのTEFLONによるイオン選択性PVC混合物の被覆と、96ウェルプレートフォーマットにおける細胞外測定のため並びにHERG及びアンモニアのスクリーニングのためにオプトードを使用する手法とを提供する。本発明は、オプトードと細胞測定とを組み合せるためのマイクロデバイス、ウェルプレート(例えばPVC被覆されたガラス製ディスク)のためのセンサインサート、並びにオプトードに対する生体適合性を有する被覆を提供するものでもある。本発明の商業的な用途には、非限定的に、創薬、臨床モニタ、毒物検査、化学的及び生物学的検出並びにこれらに類するものが含まれる。
【0070】
イオンチャネル活性を分析するためのさらなる用途及びプロトコルは、米国特許第6,969,449号明細書に記載されており、その内容全体は参照により本願に組み込まれる。このようなプロトコルは、光学イオンセンサ及び前記文献に記載の細胞アッセイシステムを用いた用途に簡単に適合させることができる。
【0071】
よって、上述したものは、光学バイオセンサアレイを使用した測定における極めて有利な手法を代表することが理解されるであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、説明のための語として使用されており、限定的なものではなく、また、図示され説明されている特徴の任意の同等物又は一部を排除する意図はなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内での様々な変形が可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の例示的な態様による細胞アッセイシステムの概略図である。
【図2A】図1の細胞アッセイシステムの様々な実施での使用に適する様々な光学イオンセンサの1つの構成の断面図である。
【図2B】図1の細胞アッセイシステムの様々な実施での使用に適する様々な光学イオンセンサの1つの構成の断面図である。
【図2C】図1の細胞アッセイシステムの様々な実施での使用に適する様々な光学イオンセンサの1つの構成の断面図である。
【図2D】図1の細胞アッセイシステムの様々な実施での使用に適する様々な光学イオンセンサの1つの構成の断面図である。
【図3】本発明によるマイクロ流体装置の別の態様を示す。
【図4】図3の態様を画像化された経路からの蛍光により示したものである。
【図5】刺激(ハロペリドール)に対する酵母細胞の仮定的な応答を示す。
【図6】本発明によるセンサを使用して酵母細胞のハロペリドールに対する反応をモニタする例示的な研究から得られたデータを示す。左はナトリウム、右はカリウムに関する。
【図7】アンモニアセンサとして使用される本発明の態様を示す。
【図8】図7の態様に関する較正曲線を示す。
【図9】本発明の一態様によるセンサを利用したTGase反応のリアルタイムでのモニタから得られたデータを示す。12.5mM基質(Z-Gln-Gly)及び1.00、0.20及び0.02単位/mlのトランスグルタミナーゼを30℃で使用している。
【図10】本発明の別の態様によるセンサを利用したTgase反応のリアルタイムでのモニタから得られたデータを示す。様々な濃度の基質(Z-Gln-Gly)及び0.4単位/mlのトランスグルタミナーゼを30℃で使用している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生細胞内で起こる化学反応を測定する方法であって、
(a)前記反応に関連するパラメータ値を表す観察可能な信号を提供する少なくとも1つのセンサを、前記細胞の生存能力を損なうことなく、前記細胞内に導入し、
(b)前記信号を使用して、前記パラメータ値を確定する
ことを含む、方法。
【請求項2】
前記パラメータ値が、前記反応の生成物の濃度に対応している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応に影響を及ぼすように前記細胞を刺激するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞を、化合物、病原体、医薬化合物又は潜在的な毒物の少なくとも1つによって刺激する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサを前記細胞に近接して配置させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの近接するセンサを、前記細胞の外側膜に共有結合により付着させる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの近接するセンサを、前記細胞のイオンチャネルに近接する細胞膜に付着させる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの近接するセンサを、前記イオンチャネルに対して特異的な抗体を介して前記細胞膜に付着させる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサが、イオン選択性オプトードを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記反応が、イオン性生成物を生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記反応が非イオン性生成物を生成し、該方法が、前記オプトードを使用したモニタを容易化するために前記生成物をイオン化するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
(i)前記オプトードが、イオン選択性イオノフォア、トリガーイオンの源及び該トリガーイオンに応答する信号発生剤を含み、(ii)前記イオノフォアが、イオン性反応生成物に対して選択的であり、(iii)反応生成物イオンが結合する際に、前記トリガーイオンが、放出されて、前記信号発生剤と相互作用し、これにより、前記信号を生成する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記信号が、トリガーイオンの濃度を表す強度を有し、該トリガーイオンの濃度自体が、イオン性反応生成物の濃度を指示する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記信号をモニタすることが、前記少なくとも1つのセンサの光学活性を観察することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記信号が蛍光を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記応答をモニタすることが、蛍光を使用した前記少なくとも1つのセンサの前記光学活性を観察することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記センサの第1及び第2のセンサがそれぞれ、異なるイオンに応答する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
生細胞内で起こる化学反応を測定する方法であって、
(a)前記細胞の外側膜に、前記反応に関連するパラメータ値を表す観察可能な信号を生成する少なくとも1つのセンサを、前記細胞の生存能力を損なうことなく又はモニタされる化学反応に著しい影響を与えることなく、共有結合により付着させ、
(b)前記信号を使用して、前記パラメータ値を確定する
ことを含む、方法。
【請求項19】
前記パラメータ値が、前記反応の生成物の濃度に対応している、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記反応に影響を及ぼすために前記細胞を刺激するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記細胞を、化合物、病原体、医薬化合物又は潜在的な毒物の少なくとも1つによって刺激する、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのセンサを、前記細胞のイオンチャネルに近接する前記細胞膜に付着させる、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのセンサを、前記イオンチャネルに対して特異的な抗体を介して前記細胞膜に付着させる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのセンサが、イオン選択性のオプトードを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記反応が、イオン性生成物を生成する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記反応が、非イオン性生成物を生成し、当該方法が、前記オプトードを使用したモニタを容易化にするために前記生成物をイオン化するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
(i)前記オプトードが、イオン選択性のイオノフォア、トリガーイオンの源及び該トリガーイオンに応答する信号発生剤を含み、(ii)前記イオノフォアが、前記イオン性反応生成物に対して選択的であり、(iii)反応生成物イオンが結合する際に、トリガーイオンが放出されて、前記信号発生剤と相互作用し、これにより、前記信号が生成される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記信号が、前記トリガーイオンの濃度を表す強度を有し、該トリガーイオンの濃度自体が、イオン性反応生成物の濃度を指示する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記信号をモニタすることが、前記少なくとも1つのセンサの光学活性を観察することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記信号が蛍光を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記応答をモニタすることが、蛍光光度計を利用して少なくとも1つのセンサの光学活性を観察することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記センサの第1及び第2のセンサがそれぞれ、異なるイオンに応答する、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記細胞内に、前記反応に関連するパラメータ値を表す観察可能な信号を発する少なくとも1つのセンサを、当該細胞の生存能力を損なうことなく導入するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
生細胞内で起こる化学反応を測定する装置であって、
(a)前記細胞の生存能力を損なうことなく前記細胞内に導入されるように構成されたセンサであって、少なくとも1つのセンサが、前記反応に関連するパラメータ値を表す観察可能な信号を生成する、センサ、及び
(b)前記パラメータ値を確定するための前記信号を使用するための回路
を備えている、装置。
【請求項35】
生細胞内で起こる化学反応をモニタするためのオプトードであって、
該オプトードが、イオン選択性のイオノフォア、トリガーイオンの源及び該トリガーイオンに応答する信号発生剤を含み、
(i)前記イオノフォアが、前記イオン性反応生成物に対して選択的であり、(iii)前記トリガーイオンの源が、前記イオノフォアとコミュニケートしており、反応生成物イオンの前記イオノフォアへの結合によって、トリガーイオン源が、観察可能な信号を生成する信号発生剤と相互作用するトリガーイオンを放出する、装置。
【請求項36】
前記オプトードが、前記細胞の生存能力を損なわずに、前記細胞内に導入されるように構成されている、請求項35に記載のオプトード。
【請求項37】
前記オプトードの、前記細胞の外側膜への共有結合による付着を容易にする手段をさらに含む、請求項35に記載のオプトード。
【請求項38】
前記付着を容易化させる手段が、抗体を含む、請求項35に記載のオプトード。
【請求項39】
可塑化ポリマーをさらに含み、前記信号発生剤が、該ポリマー中のクロモイオノフォアを含む、請求項35に記載のオプトード。
【請求項40】
前記ポリマーが、セバシン酸ジオクチルを含むポリ塩化ビニルを含む、請求項39に記載のオプトード。
【請求項41】
前記クロモイオノフォアが、吸収ベースのpHインジケータ又は蛍光ベースのpHインジケータからなる群の1つ以上である、請求項39に記載のオプトード。
【請求項42】
前記イオノフォアが、非蛍光イオン結合体である、請求項39に記載のオプトード。
【請求項43】
ガラス製基板をさらに含む、請求項39に記載のオプトード。
【請求項44】
前記ポリマーに塗布された絶縁層をさらに含む、請求項39に記載のオプトード。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−508534(P2009−508534A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545580(P2008−545580)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/036040
【国際公開番号】WO2008/063151
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(591044474)ザ・チャールズ・スターク・ドレイパー・ラボラトリー・インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】