説明

産業廃棄物の有害物質不溶固定化方法

【課題】 有害物質を含有する産業廃棄物の、有害物質の不溶固定化を可能となす産業廃棄物の有害物質不溶固定化方法の提供。
【解決手段】 有害物質を含有する産業廃棄物を、閉鎖系の塗着空間内に移送しシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を、加温低粘度化したうえ移送重量に対し3乃至10重量%割合で微噴霧状に加圧噴霧して渦流状に転動せしめて均等に塗着させる塗着処理と、この塗着処理された産業廃棄物を700乃至900℃の温度に保持された加熱空間内に移送し、高温バーナーの対向炎射で加熱転動と加熱滞留時間を調整し、シロキサン結合の促進による有害物質の結合内への取込みとガラス層の包着膜の強固な固着とにより不溶固定化をなす加熱処理と、この加熱処理された産業廃棄物を冷却部で徐冷する冷却処理とからなる構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は産業廃棄物の再利用化において重金属類や有害化学物質或いは揮発性有害ガス等を含む解体分別物の重金属類、有害物質或いは揮発性有害ガス等を確実に不溶固定化する方法に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物は従来より重金属類や有害化学物質或いは揮発性有害ガス等が含有混在されてなるため、これらの溶出により土壌や地下水が汚染されぬように一旦粉体状に粉砕したうえキレート剤による不溶化とコンクリート等による固化等がなされ、而もその埋設廃棄に際しては土壌はもとより地下水への滲出を防止するうえからも強靱性と防水性を保持するシート材を、予め所要の容積に掘削した埋設廃棄場所に敷設した所謂ヤードに埋設廃棄がなされている。
【0003】
しかしながらキレート剤による不溶化は、今日の如く多種多様な化学物質の拡散と且雨水の酸性化とも相俟って短期にキレート作用が減失され再溶出の危険が随所で指摘され、更にはコンクリート等による固化手段も酸性雨の下では短期にコンクリートの劣化や亀裂が惹起されて漏出危険が発生する等、長期に亘る不溶固定化には大きな問題を孕んでいる。
加えて埋設廃棄場所即ちヤードに敷設されるシート材には膨大重量の埋没廃棄がなされるため、時間経過とともに不等沈下や地盤の移動や滑り等も発生し、これによりシート材が容易に破損裂損し各地で不溶固定化が滅失された埋没廃棄物中の重金属や有害化学物質或いは揮発性有害ガス等の漏出による地下水汚染事故が発生している。
【0004】
ところで発明者等は今日の環境汚染の主要原因をなす合成樹脂化学品並びに合成樹脂製品に代わる無機化学並びに無機化学製品の開発に取り組み、既に発明者等のグループにおいては原料素材としてシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を用い耐火不燃性と軽量性や高断熱性及び廃棄性をも具備する建築用内断熱板材を開発し、更には他のグループにおいては汚染土壌の重金属類や有害化学物質或いは揮発性有害ガス等の不溶固定化方法についても開発し、既に先願においてその内容を開示している。
【0005】
このシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液は、シロキサン[HSiO(HSiO)nSiH]とシラノール塩(HSiOH)とを、その分子量換算で略4000程度の錯化合物状となし、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至50重量%と水分50乃至55重量%で且常温における粘度が略8000乃至15000センチポイズ程度の性状を示すものである。
そして該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液は、その水分蒸散に伴う無機結合としては最強力な分子結合たるシロキサン結合の促進と、とりわけ100℃以上の加熱により水分の急速な蒸散と加熱融着性の創出とに伴って連続気泡構造が生成され略20倍にも昇る発泡度合の酸化珪素態からなる無機質で耐火不燃性と軽量で高断熱性成形物が形成され、更には加熱温度を500乃至700℃を以って加熱することにより酸化珪素態がメノウ態に、且加熱温度を700℃以上に加熱することにより酸化珪素態がガラス態に変化する性状を示すものである。
【0006】
これがため、かかるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の強力なシロキサン結合の促進に伴う重金属類や有害化学物質或いは揮発性有害ガス等の結合内への取り込みと、高温度によるガラス態の包着膜を固着形成させることにより長期に亘る不溶固定化の可能性も想定されるに至った。
そこで重金属類や有害化学物質或いは揮発性有害ガス等で汚染されてなる汚染土壌の粒度を揃えたうえ、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液をその汚染度合に合わせて重量比で3.0乃至10.0重量%割合で混合し且混練させて汚染土壌外表面に均等に塗着せしめたうえ800℃のロータリーキルンで加熱することにより、有害物質等の結合内への強力な取り込みと且ガラス態による強固な包着膜の形成とにより、確実に且長期に亘って不溶固定化が実現されることも究明している。
【0007】
然るに汚染土壌の如く粒度を揃えることが容易なものでは、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を所要重量割合で混合し混練することで全体に均等に塗着することが可能であるが、産業廃棄物の再利用に伴う解体分別され且有害物質を含むブラウン管やコンデンサー、トランジェスタ、ダイオード、IC基板、LED或いは配線基板等は破砕や断裁されたものでも複雑多形で微細空隙を多数含み、而もシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液も比較的高粘度のものであるから単に混合混練させても複雑多形な産業廃棄物全面に若しくは微細空隙内にまで均等な塗着は至難であり、確実な不溶固定化も図れない。
【0008】
そこで発明者は更なる研究を重ねた結果、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液は100℃以下の温度では加温によっても発泡生成することなく著しく低粘度下できること、及びこの低粘度化されたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を微細孔隙より加圧噴霧させることで、産業廃棄物を転勤させながら塗着させることにより複雑多形で且微細空隙内にも均等に塗着がなしえることを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は解体分別され複雑多形で微細空隙を有し、且有害物質を含有する産業廃棄物の不溶固定化を確実且簡便安価になしえる産業廃棄物の有害物質不溶固定化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【00010】
上述の課題を解決する手段として、解体分別され所要の大きさに破砕断裁され複雑多形で微細空隙を有し且有害物質を含有する産業廃棄物、閉鎖系の塗着空間内に移送したうえシロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至50重量%と水分50乃至55重量%割合からなり、且分子量換算で略4000程度に多分子量化された錯化合物状で、常温の粘度が略8000乃至15000センチポアズのシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を、40乃至90℃に加温しその粘度を略700乃至1500センチポアズ程度に低粘度化させたうえ、塗着空間内面に配備させた微細孔より移送供給される産業廃棄物に対し3乃至10重量%割合で微噴霧状に加圧噴霧し、渦流状に転勤させて全体に均等に塗着させる塗着処理と、該塗着処理された産業廃棄物を700乃至900℃の温度に保持された加熱空間内に移送させ、高温バーナーで対向炎射してその炎射圧力により加熱転動させ且所要時間に加熱滞留させてシロキサン結合の促進による結合内への有害物質の取り込みと、ガラス層による包着膜の強固な固着による不溶固定化をなす加熱処理と、この加熱処理により不溶固定化された産業廃棄物を冷却部内に排出させて徐冷をなす冷却処理とからなる構成。
【発明の効果】
【0011】
上述の構成により解体分別され破砕断裁されて複雑多形で微網空隙が多く且有害物質を含有する産業廃棄物を閉鎖系の塗着空間内に移送供給させるのみで、塗着空間の内面に沿って配設された噴霧孔よりシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を40乃至90℃に加温し、その粘度を700乃至1500センチポアズに低粘度化したうえ移送供給量に対し3乃至10重量%割合を以って微噴状に加圧噴霧させるため、渦流状に転動され離散分散されながら低粘度で微噴状に塗着されるため、複雑多形で微細空隙を有する産業廃棄物でも全体に亘って均等に塗着と内部進入がなされる。更にかかる塗着処理における塗着空間は閉鎖系であるため産業廃棄物が転動されても有害物質の外部飛散や漏出も防止され、且塗着とともに有害物質の滲出や溶出も阻止される。
【0012】
加えて塗着処理された産業廃棄物は、その温度が700乃至900℃に保持された加熱空間内に移送されたうえ高温バーナーで対向炎射されるため、その炎射圧力で加熱転動され且所要の時間の加熱滞留がなされることから極めて短時間内に均質に加熱がなされてシロキサン結合が促進され、有害物質も該シロキサン結合内に取り込まれるとともにシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液がガラス層化し包着膜が強固に固着され不溶固定化が図られる。而もこの包着膜の形成には加熱転動状態でなされるため産業廃棄物相互が固着したりブロックかすることも防止されるとともに埋設廃棄がなされ酸性雨に晒されても長期に亘って有害物質の溶出が確実に防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
解体分別され破砕断裁により複雑多形で微細空隙を有し、有害物質を含有する産業廃棄物を閉鎖系の塗着空間内に移送し、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を加温低粘度化したうえ産業廃棄物に対し3乃至10重量%の割合で微噴状に加圧噴霧し渦流状に転動させて均等に塗着させる塗着処理をなし、而して700乃至900℃に保持された加熱空間内で対向炎射若しくは対向放射で加熱転動及び加熱滞留時間の調整をなし、シロキサン結合の促進により有害物質の結合内取り込みと、ガラス層による包着膜を強固に固着させて不溶固定化を図る加熱処理を施したうえ、冷却部内に排出させて徐冷する冷却処理を施す。
【実施例1】
【0014】
以下に本発明実施例を図に従い説明すれば、図1は産業廃棄物の再利用のために解体分別され所要の大きさに破砕断裁され複雑多形で微細空隙を有し且重金属類、有害化学物質或いは揮発性有害ガス等の有害物質を含有する産業廃棄物の見取図であって、具体的には極めて多種多様に亘り電気機器のブラウン管やコンデンサー、ダイオード、LED、IC或いは配線基板等が挙げられるもであって、図1はブラウン管の破砕物が示されている。
【0015】
この有害物質を含む産業廃棄物1は、閉鎖系の塗着空間30内においてシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2を、その全面に亘って均等に塗着させるための塗着処理3が施される。この均等な塗着には有害物質を含む産業廃棄物1は複雑多形で微細空隙も多数混在するため、この複雑多形に沿って且微細空隙内にも侵入塗着させることにあり、これがためにはシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2を低粘度化し且微噴霧状で加圧噴霧させて、渦流状に転動させつつ塗着させることが望まれる。
【0016】
而してシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2は、シロキサン及びシラノール塩をその分子量換算で略4000程度に多分子量化させた錯化合物状で、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が略45乃至50重量%に水分が50乃至55重量%割合の組成からなり且常温の粘度が略8000乃至15000センチポアズ程度の高粘度状で、水分の蒸散に伴いシロキサン結合が促進され且200乃至500℃の加熱によっては酸化珪素態に、700乃至900℃の加熱ではガラス態となり、而も40乃至90℃の加温により略700乃至1500センチポアズ程度にまで低粘度化する性状を有するものである。
【0017】
これがため塗着処理3の具体例としては図2に例示するように、所要の収納容量を有する開閉自在なホッパー20の下方に有害物質を含有する産業廃棄物1を塗着空間30内に移送供給する移送供給管21が連接されてなり、該移送供給管21の内部には移送スクリュー22が回転自在に設けられており、ホッパー20内に収納された有害物質を含有する産業廃棄物1は、移送供給管21内の移送スクリュー22の回転に従い前方へと移送される。そして該移送供給管21の先端21Aは、所要の径と長さの塗着空間30の上端30Aと連結されてなるため、移送される有害物質を含む産業廃棄物1は塗着空間30内に移送供給される。
【0018】
塗着空間30内に移送された有害物質を含有する産業廃棄物1は複雑多形で微細空隙も多数混在し、且移送圧力の付加により絡合したりブロッキングも生ずる。そこでこの絡合やブロッキングを離散させ分散させることが均等な塗着に不可欠であるから、これがためには塗着空間30内で転動させて塗着処理3をなす必要がる。そこで図3に示す如く塗着空間30の上部内面にはその内曲面に沿って且対称的位置に多数の噴霧孔31Aを有する噴霧管31が設けられてなり、而も該噴霧管31には塗着されるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2が、所要の容量で貯留されるタンク32Aと供給管32で連結され且その中間には加圧噴霧されるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の粘度を、加温し略700乃至1500センチポアズ程度まで低粘度化させる加温器32Bと、この低粘度化されたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2を所要の圧力を以って加圧噴霧させる加圧ポンプ32Cが連結されている。
【0019】
加圧噴霧のための加圧は、供給される有害物質を含む産業廃棄物1の量や形状と空隙の多少及び塗着量等により異なるが、供給量が5.0kg/分で塗着量が5重量%割合の場合で略3.0乃至6.0kg/cm程度が目処となる。そして有害物質を含む産業廃棄物1が複雑多形で且微細空隙が多い場合には、微細噴霧による加圧噴霧が均等な塗着を可能とすることから噴霧孔31の孔径は0.1mm乃至0.2mm程度が好適であるが、一般的な場合では噴霧孔31の孔径としては0.3乃至1.0mm程度のもので使用可能である。そして加圧噴霧により塗着空間30内には強い渦流が発生し産業廃棄物1が転動し離散や分散がなされつつ塗着がなされる。
【0020】
シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の塗着重量割合は、有害物質を含有する産業廃棄物1に含有される有害物質の汚染度合によって異なるが汚染度合が低い場合には3.0乃至5.0重量%割合程度で、更に汚染度合が高い場合では7.0乃至10.0%重量割合での塗着により、環境基準値以下の不溶固定化が可能となるが、汚染度合が更に高い場合には適宜に塗着重量%割合を増加させることが望まれる。
かくして所要の重量%割合に且均等に塗着されて塗着処理3がなされたうえは、加熱空間40内に移送具33により移送され加熱処理4が施される。
【0021】
この加熱空間40では700乃至900℃の高温度で加熱処理4が施されるもので、この加熱処理4の時間は加熱容量が十分であれば、移送量よりも塗着された産業廃棄物1が細かく破砕断裁されたものでは略2乃至5分程度で、更に破砕断裁が粗く形成されたものでは概ね8乃至12分程度が目安となる。
かかる場合の加熱処理4は多様なものが提案されるが、図4は高温バーナーによる加熱処理4Aが示されてなり、加熱空間40は所要の径と長さを有する耐火耐熱素材により円筒形状に形成され、且その下端には高温バーナー40Cで加熱処理4Aがなされ、不溶固定化された産業廃棄物10を排出させる排出口40Aが設けられ、而も該加熱空間40の上端には移送具33で移送される塗着された産業廃棄物1を供給する供給口40Bが設けられている。
【0022】
そして該加熱空間40の内曲面には、図5に示すよう高温バーナー40Cが供給口40Bより供給される塗着された産業廃棄物1に対向炎射するように適宜数で配設されている。
この高温バーナー40Cは通常ガスバーナーが用いられるもので、当然に該ガスバーナーにはガス源41Aより加圧ポンプ41Bを介して、導通管41Cと連結されているもので、該高温バーナー40Cからは燃焼炎に代えて高温ガスを放射させることでも良い。
当然に高温バーナー40Cによる高温度で、移送具33で移送中の塗着された産業廃棄物1を高温化されぬよう冷却アダプタ40Fが移送具33の先端に設けられている。
更に高温バーナー40Cによる加熱処理4Aにおいては、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液2の水分蒸散に加え産業廃棄物1自体に含有されてなる油脂分や有機物等の燃焼ガスの処理のため、該加熱空間40の上部側縁に設けられた排気管40Dを介して、熱交換と浄化のための浄化器40Eを経由させ外部排気させるものである。
【0023】
加えて加熱空間40における加熱処理4Aの時間は、加熱空間40の加熱容量が十分であれば、塗着された産業廃棄物1の量よりもその細かさや粗さに関係し、細かいもので略3乃至5分、粗いもので略8乃至12分程度が目安となるもので、この加熱処理4Aの時間は供給落下する塗着された産業廃棄物1に対向して炎射される高温バーナー40Cの炎射圧力の調整により転動と加熱滞留の調整でなされる。そして該加熱処理4Aにより図6に示すようにシロキサン結合の促進による有害物質の結合内への取り込みと、且ガラス層による包着膜5の強固な固着形成とにより、不溶固定化された産業廃棄物10が形成される。
【0024】
かくして不溶固定化された産業廃棄物10は、高温度により加熱処理4Aがなされるため、再利用に際しては冷却部60において徐冷のため冷却処理6が施される。
この冷却処理6の具体例としては、図7に示すよう冷却ドラムを用いる方法が有利で、加熱空間40の下端に設けた排出口40Aから排出される不溶固定化された産業廃棄物10は、該冷却部60の供給部60Aより冷却ドラム60B内に供給される。そして冷却ドラム60Bは循環する冷却水60Cに浸漬された状態に配置されてなり、且この冷却ドラム60Bの端縁には冷却水60Cを遮断して排出部60Dが設けられ、而も冷却ドラム60Bで冷却された不溶固定化された産業廃棄物10は、冷却ドラム60B内に回転自在に設けられた排出スクリュー60Fにより排出部60Dより排出させる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
解体分別され所要の大きさに破砕断裁された複雑多形で微細空隙を有し且有害物質を含有する産業廃棄物を、閉鎖系の塗着空間内で低粘度化させたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を、3乃至10重量%割合で加圧噴霧させて転動させながら均等に塗着させたうえ、700乃至900℃の加熱空間内で加熱転動させて不溶固定化させたうえ冷却部で冷却させることで利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】 産業廃棄物の見取図である。
【図2】 塗着処理の例示図である。
【図3】 加圧噴霧の説明図である。
【図4】 高温バーナーによる加熱処理の例示図である。
【図5】 対向炎射の説明図である。
【図6】 不溶固定化された産業廃棄物の説明図である。
【図7】 冷却部の例示図である。
【符号の説明】
【0027】
1 有害物質を含む産業廃棄物
10 不溶固定化された産業廃棄物
2 シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液
20 ホッパー
21 移送供給管
21A 移送供給管の先端
22 移送スクリュー
3 塗着処理
30 塗着空間
31 噴霧管
31A 噴霧孔
32 供給管
32A タンク
32B 加温器
32C 加圧ポンプ
33 移送具
4 加熱処理
4A 高温バーナーによる加熱処理
40 加熱空間
40A 排出口
40B 供給口
40C 高温バーナー
40D 排気管
40E 浄化器
40F 冷却アダプタ
41A ガス源
41B 加圧ポンプ
41C 導通管
5 包着膜
6 冷却処理
60 冷却部
60A 供給部
60B 冷却ドラム
60C 冷却水
60D 排水部
60F 排出スクリュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
解体分別され所要の大きさに破砕断裁され、複雑多形で微細空隙を有し且有害物質を含有する産業廃棄物を、閉鎖系の塗着空間内に移送してその移送量に対し3乃至10重量%割合で且その温度を40乃至90℃に加温し低粘度化させたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を微噴霧状に加圧噴霧し渦流状に転動させて全体に均等に塗着させる塗着処理と、この塗着された産業廃棄物を700乃至900℃の温度に保持された加熱空間に移送させたうえ、高温バーナーで対向炎射させてその炎射圧力により加熱転動させ且加熱滞留時間の調整をなし、シロキサン結合の促進による有害物質の結合内取り込みとガラス層による包着膜の強固な固着により不溶固定化をなす加熱処理と、この加熱処理された産業廃棄物を冷却部に排出せしめて徐冷をなす冷却処理とにより構成される産業廃棄物の有害物質不溶固定化方法。
【請求項2】
加熱処理における高温バーナーから高温ガスが噴射され、加熱転動と加熱滞留時間の調整がなされる、請求項1記載の産業廃棄物の有害物質不溶固定化方法。
【請求項3】
シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液がシロキサン及びシラノール塩からなる固形分が45乃至50重量%に水分50乃至55重量%の組成で、且分子量換算で略4000程度に多分子量化された錯化合物状からなる、請求項1記載の産業廃棄物の有害物質不溶固定化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−136855(P2009−136855A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341637(P2007−341637)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(501021678)株式会社セラフト (17)
【Fターム(参考)】