説明

産業用ロボット

【課題】 アームを駆動するモータ、減速機の負荷を軽減するためのバランサ装置のストロークが長くアーム強度を確保しながら、フレームとの干渉を避け、アーム回動範囲を大きくできるコンパクトな産業用ロボット10を提供
【解決手段】アーム2をフレーム1の水平回動軸aに片持ち状態で回動自在に支持される基部2cと基部側に開口部2aを有し基部側からアーム先端に向かって形成される筒状ケース部2bとアーム先端部2dとで構成する。バランサ装置3はロッド3bと、ロッドが出入りするシリンダ3aを備え、ロッド先端係合部4をフレームの一対の第一の支点c部間、シリンダの後端5を筒状ケース部内の一対の第二の支点部b間で回動自在に支持し、アームの水平回動軸の両側を含む回動範囲で筒状ケースとバランサ装置とが干渉しないようにする。バランサ装置をロッドの引き込み又は引き出しに従って反力が大きくなる方向に圧縮性流体6を封入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アームを駆動するモータ、減速機に働く負荷を軽減するためのバランサ装置を有する産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
アームの質量およびロボット先端に取り付けられたエンドエフェクタの質量をモータのパワーのみで保持するためには大きな容量のモータ、減速機が必要となる。とりわけ根元の軸に行くほど重力によるモーメント荷重が増加するため、大きな容量のモータ、減速機が必要となるといった問題がある。
【0003】
そこで、特許文献1では、スプリング式バランサ装置をアーム側面に取り付け、一端をアーム回動軸の上側に他端をアーム側で支持している。また、特許文献2の[図4] [図5]にはアーム後方に取り付けられたスプリング式バランサ装置が開示されている。また、特許文献3には、油圧シリンダと気体圧縮チャンバ(アキュームレータ)によるバランサ装置が開示されている。さらに特許文献4には、流体作動型アクチュエータを使用したバランサ装置が、特許文献2および特許文献5には電動駆動式のバランサ装置が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1、2のものでは、大きな発生力を得るためにはスプリングケースが太く、長くなるといった問題があり、バランサ装置をアーム側面に取り付けるとロボットの幅寸法が大きくなり、バランサ装置をアーム後方に取り付けるとロボット後方の旋回干渉半径が大きくなるといった問題がある。また、複数のスプリングを使用するだけでなく部品も多くなるため、バランサ装置が重くなるだけでなく、組立に時間がかかる、またはコストが高くなるといった問題がある。さらに、バランサ装置のストロークが伸びるほど発生力が大きくなるように、スプリングを圧縮側で使用する方が構造は簡単になるが、そのためには、アームの回転軸芯に対して、バランサ装置の両端の支点部を同一側に配置する必要がある。そのため、バランサ装置が長くなり、結果としてアームが長くなる、あるいはロボット後方の旋回干渉半径がさらに大きくなるといった問題がある。
【0005】
また、特許文献3のものは、圧縮空気を用いるので、スプリング式バランサ装置と比べてシリンダ部の径が小さく、かつ全長が短くなるというメリットがあるが、気体圧縮チャンバが別途必要なため、バランサ装置全体としては大きくなってしまう。また、スプリング式バランサ装置と同様にストロークが伸びるほど発生力が大きくなるように使用しているため、シリンダのロッド側にオイルを充填することになり、同じ圧力で同じ発生力を得るためには、反ロッド側に充填するよりもシリンダ径が大きくなってしまう。
【0006】
さらに、特許文献1乃至4のものは、一端をアーム回動軸の上側に他端をアーム側で支持している。また、特許文献5のものは後方への飛び出しが大きく場所をとるので、バランサ装置の長さ又はストロークを大きくとれない。そこで、特許文献6においては、一対の部材からなるアーム間に、バランサ装置を配置し、バランサ装置のロッド先端をフレーム前下方に設けられた一対の第一の支点部間に回動自在に支持し、シリンダの後端を一対のアーム間に設けられた一対の第二の支点部間で回動自在に支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−28690号公報
【特許文献2】特開2009−262297号公報
【特許文献3】特開平10−138189号公報
【特許文献4】特開平5−329792号公報
【特許文献5】特開2009−50951号公報
【特許文献6】実公平6−41824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献6のものは、一対のアーム本体間にバランサ装置を配置するので、アーム回転軸と干渉するため、前方への回動しかできないという問題があった。そこで、特許文献1のような片持ちアームとすればよいが、この場合はアーム強度が低下してしまう。また、ロッド先端がフレームより下方に配置されているのでフレームとも干渉するという問題があった。
【0009】
本発明の課題は、かかる問題点に鑑みて、バランサ装置のストロークを長くとれ、アーム強度を確保しながら、フレームとの干渉を避け、アーム回動範囲を大きくでき、コンパクトな産業用ロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては、フレーム上に設けられた水平回動軸まわりに回動自在に支持されたアームと、前記アームの負荷を軽減するためのバランサ装置を有する産業用ロボットにおいて、前記アームは前記水平回動軸に片持ち状態で回動自在に支持される基部と、前記基部側が開口し前記基部側から前記アーム先端に向かって形成される筒状ケース部と、アーム先端部と、を有し、前記バランサ装置は先端に係合部を有するロッドと、前記ロッドが出入りするシリンダとを備え、前記ロッド先端係合部は前記水平回動軸より下側の前記フレーム上に設けられた一対の第一の支点部間に回動自在に支持され、前記シリンダの反ロッド側後端が前記筒状ケース部内部に設けられた一対の第二の支点部間で回動自在に支持されており、前記アームの前記水平回動軸の両側を含む回動範囲で前記筒状ケースと前記バランサ装置とが干渉しないようにされた産業用ロボットを提供することにより前述した課題を解決した。
【0011】
即ち、アームを片持ちとするに当たって、アーム両端に基部と先端部を設け回転軸周りの強度を確保する。これは従来と同様でよい。さらに、アーム両端間を基部側が開口しアーム先端に向かって形成される筒状ケース部、即ち、筒状の一体形状、より好ましくは、モノコック(殻)構造とした筒状ケース部を設けることにより、強度を確保する。さらに、バランサ装置のシリンダ側をこの筒状ケース部内部に設けられた一対の第二の支点部間で回動自在に支持し、バランサ装置の支持強度を確保する。また、バランサ装置のロッド先端係合部を水平回動軸より下側のフレーム上に設けられた一対の第一の支点部間に回動自在に支持し、さらに、水平回動軸の両側を含むアーム回動範囲で筒状ケースとバランサ装置とが干渉しないようにして、アームを水平回動軸の両側に回動可能にした。開口部は基部側が末広がりになるようにされる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明においては、バランサ装置はロッドの引き込みに従って反力が大きくなる方向に圧縮性流体を封入するようにした。これにより、圧縮方向でアームの負荷を軽減する。一方、請求項3に記載の発明においては、バランサ装置はロッドの引き出しに従って反力が大きくなる方向に圧縮性流体が封入され、請求項1記載の産業用ロボッの上下が逆になるように設置する。これにより、フレームを天井に固定し、下側向きの作業を可能とできる。
【0013】
さらに、請求項4に記載の発明においては、アームが起立した位置で、第一の支点部の回動中心と、水平回動軸と、第二の支点部の回動中心と、アーム重心とが一直線となる関係を有するようにした。これにより、アーム負荷が軽い位置でバランサ装置長さが最長となり、アームの回動により負荷が増大するに従ってバランサ装置の長さが短くなり反力が増すようにされる。
【発明の効果】
【0014】
アームを片持ちとし、アーム両端間を基部側が開口しアーム先端に向かって形成される筒状ケース部を設け、バランサ装置のシリンダ側を筒状ケース部内部の第二の支点部間で回動自在に支持し、バランサ装置のロッド先端係合部を水平回動軸より下側のフレーム上の第一の支点部間に回動自在に支持し、水平回動軸の両側を含むアーム回動範囲で筒状ケースとバランサ装置とが干渉しないようにして、アームを水平回動軸の両側に回動可能にしたので、バランサ装置のストロークを長くとれ、アーム強度を確保しながら、フレームとの干渉を避け、アーム回動範囲を大きくできる産業用ロボットとなった。
【0015】
さらに、アームの全体の厚みを大きくすることなくバランサ装置のシリンダ部分をアーム内に内蔵することが可能となり、ロボット前方及び後方の旋回干渉半径が小さくなるだけでなく、ロボットの幅寸法も大きくならないコンパクトな産業用ロボットを提供することが可能となった。また、フレーム側の第一の支点部はフレームの上面となるので、構造も簡単で組立分解等の作業も容易である。なお、筒状ケースの開口部の反回動軸側下方に延出する基部カバー部を設け、ロッド部を含みバランサ装置全体をカバーし、美感を増したり、保護カバーとしたり、ケース強度を増すようにしてもよい。
【0016】
また、請求項2に記載の発明においては、バランサ装置をロッドの引き込みで反力が大きくなるようにし、圧縮方向でアームの負荷を軽減し、バランサ装置を“押し”で使用することが可能となったので、圧縮性流体を使用できる。そこで、反ロッド側に圧縮性流体を封入すれば、シリンダ径を小さくすることができ、さらに、アームの厚みを少なくできる。また、フレーム側の第一の支点部には押付方向に荷重が加わるため、引張方向に荷重が加わる場合と比べて支点部をコンパクトにすることができる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明においては、バランサ装置がロッドの引き出しで反力が大きくなるように引き方向に圧縮性流体を封入し、下側向きの作業を可能としたので、バランサ装置をロッド側に圧縮性流体を封入した“引き”タイプに交換するだけで、ロボットを天地逆に据え付けた天吊型ロボットのアームの負荷軽減装置として使用できる。
【0018】
さらに、請求項4に記載の発明においては、アームが起立した位置で、第一の支点部の回動中心、水平回動軸、第二の支点部の回動中心、アーム重心が一直線となる位置でバランサ装置長さが最長となるようにしたので、バランサ装置の長さを長くでき、支点間距離が最も短くなった場合でも、シリンダ内に圧縮性流体の空間容積を確保できる。さらには、補助タンクなどを設けなくても急激な圧力上昇を抑えることが可能になる。この場合は、圧縮性流体の漏れを防ぐことができるだけでなく、シール・パッキンの寿命向上をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(b)は本発明の実施の形態を示す産業用ロボットの部分外観図、(a)は(b)のY矢視図である。
【図2】図1(a)のX−X線断面を示す部分断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す産業用ロボットのアームとバランサ装置の動作を表す動作図であり、(a)はアームが前方端に回動している状態、(b)はアーム後退端に回動している状態を示す動作図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す天吊型ロボット用バランサ装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1(b)は本発明の実施の形態を示す産業用ロボットの部分外観図、(a)は(b)のY矢視図、図2は図1(a)のX−X線断面を示す部分断面図である。図1、2に示すように、本発明の産業用ロボット10は、基台21の旋回軸21a周りに回転可能にされたフレーム1と、フレーム上に水平に設けられた水平回動軸aまわりに回動(傾動)自在に支持されたアーム2と、アームの負荷を軽減するためのバランサ装置3を有している。アーム2には、さらに図示しない第2アームや手首が設けられ、多関節産業ロボットを構成しているが、従来と同様であるので説明を省略する。
【0021】
アーム2は水平回動軸aに片持ち状態で回動自在に支持される基部2cと、基部に続く筒状ケース部2bと、筒状ケース部の底部(反開口端)2eにアーム先端部2dが接続され、図示しない第二アームの回動軸が設けられている。水平回動軸aにはフレーム1の反アーム側に設けられた減速機付きモータ22が取付けられ、アーム2が回動可能にされている。筒状ケース部2bは図で見て上側が閉じた薄肉の筒状を形成し、基部2c及び先端部2dを含むアーム全体が鋳物一体構造とされており、アーム2としての強度を有するようにされている。筒状ケース部2bの図で見て下方の基部側に開口部2aが設けられ、下側が開口している。なお、開口部2aの反フレーム側にカバー部を延出させてロッド部のカバーとしてもよい。
【0022】
アーム2とフレーム1とを結ぶバランサ装置3は先端に係合部5を有するロッド3bと、ピストン3cを介してロッドが出入りするシリンダ3aとを備えている。ロッド先端係合部5は水平回動軸aより下側のフレーム上に設けられた一対の第一の支点部c,c間に回動自在に支持されている。シリンダの3a反ロッド側後端4は筒状ケース部2b内部に設けられた一対の第二の支点部b,b間で回動自在に支持されている。図に示すように、アーム2が起立した位置で、第一の支点部の回動中心と、水平回動軸と、第二の支点部の回動中心と、アーム重心とが一直線となるようにされている。なお、一直線となる位置は、必ずしも起立時でなくてもよい。
【0023】
ロッド3bに設けられたピストン3cは、シリンダ3a内を摺動可能にされ、ピストンとシリンダの反ロッド側の間の空間に圧縮性流体6を封入されている。また、筒状ケース部の開口部2a側は水平回動軸aの軸方向からみて、末広がり状となっており、アームの水平回動軸の両側を含む回動範囲で筒状ケース部2bとバランサ装置3とが干渉しないようにされている。さらに、シリンダ3aはアーム2の動作姿勢に関係なく常に筒状ケース部2bの内部に収納されるようにバランサ装置3が取付けられている。
【0024】
第一の支点部cと第二の支点部bには、それぞれ図示しない自動調心ころ軸受が取付けられ、バランサ装置3は第一、第二の支点でもある回転軸芯b、cに対して直交する軸芯まわりに揺動可能にされる。アーム2には、バランサ装置3の圧力の点検や圧縮性流体の補充のための窓2fが設けられていて、メンテナンス性を良くしている。
【0025】
図3はロボットのアームとバランサ装置の動作を表す動作図であり、(a)はアームが前方端に回動している状態、(b)はアーム後退端に回動している状態を示す動作図である。図3(a)、(b)に示すように、アーム2の姿勢が変化しても常にシリンダ3aはアーム2の内部に収納されているため、バランサ装置3はロボットの周辺装置と干渉する恐れがない。また、後方や前方に突出部がなくコンパクトである。バランサ装置3は、第一の支点部cと第二の支点部bの支点間距離が短くなるほど圧縮性流体6は圧縮されて大きな反発力を発生する。図3(a)に示す、アーム前傾時のバランサ装置の反力をFb1とし、水平回動軸aと第二の支点部(軸)bの距離L、第二の支点部(軸)を中心として水平回動軸aと第一の支点部(軸)との開き角をθ1とすると、反力による回転モーメントMb1は、
Mb1=Fb1×sinθ1×L となり、
θ1が大きくなる程反発力も大きくなる。
【0026】
また、図3(b)に示すように、アーム後傾時のバランサ装置の反力をFb2とし、水平回動軸aと第二の支点部(軸)bの距離L、第二の支点部(軸)を中心として水平回動軸aと第一の支点部(軸)との開き角をθ2とすると、反力による回転モーメントMb2は、
Mb2=Fb2×sinθ2×L となる。
θ1=θ2=0の場合は反力による回転モーメントもゼロとなる。
【0027】
かかる実施の形態においては、アーム2の強度を確保しながら、バランサ装置3の長さを大きくすることができ、さらに、シリンダ3aはアーム2の動作に伴うピストン3cに必要なストロークよりも十分に広い空間3eを長手方向に有している。このため、第一の支点部cと第二の支点部bが最も短くなった場合でも体積が極端に小さくなることによる急激な圧力上昇を防止することができる。また、アーム2の回動範囲を大きくできる。さらに、“押し”で使用するため、ロッド部のシール・パッキンが不要となるだけでなく、ロッドへのごみなどの付着によるシール・パッキンにキズを付けるといった危険性が解消される。
【0028】
また、ロッドが下向きになるため、摺動部であるピストン3cの上に潤滑油6が堆積した状態となるため、ピストン3c部のシール・パッキン3dには絶えず潤滑油6が供給される。摺動するピストンの上部に潤滑油6が堆積することになり、ピストン部のシール・パッキンに絶えず潤滑油が供給されるため、シール・パッキンの寿命低下を防ぐことができる。このように、バランサ装置をアーム内に内蔵したコンパクトで低コストの産業用ロボットを提供することが可能となった。
【0029】
次に、本発明の他の実施の形態について図を参照して説明する。図4は本発明の他の実施の形態を示す天吊型ロボット10′用バランサ装置の部分断面図である。図4に示すように、 バランサ装置3の代わりに、ロッドの引き出しに従って反力が大きくなる方向に圧縮性流体6を封入するようにした。ロッド33b側のシリンダ33aとピストン33cの間の空間33eに圧縮性流体6を封入したバランサ装置33を取り付ければ、ロボットを天地逆にぶら下げて設置した場合に、アーム2の負荷を軽減する方向に圧縮性流体6の反発力が発生する。なお、その他の部分については、前述したと同様なので、同符号を付し説明を省略する。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、前記バランサ装置3およびバランサ装置33において、圧縮性流体の代わりに圧縮性流体と同じ側にスプリングを用いてもアームの負荷を軽減できることは言うまでもない。また、熱の発生源となるアーム駆動用モータ、減速機から離れた場所にバランサ装置の両端が位置するため、ロッドやシリンダから熱が伝わってシリンダ内の圧縮性流体が暖められることによる圧力上昇を防ぐことができる。また、スプリング式バランサ装置を搭載したロボットと比べて質量を軽くすることができる。さらに、圧力容器であるバランサ装置をアーム内に内蔵することで、安全性を高めることができる等の効果を有する。
【符号の説明】
【0031】
1 フレーム
2 アーム
2a 開口部
2b 筒状ケース部
2c 基部
2d アーム先端部
3 バランサ装置
3a シリンダ
3b ロッド
4 ロッド先端係合部
5 シリンダの反ロッド側後端
6 圧縮性流体
10、10′ 産業用ロボット
a 水平回動軸
b 第二の支点部
c 第一の支点部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム上に設けられた水平回動軸まわりに回動自在に支持されたアームと、前記アームの負荷を軽減するためのバランサ装置を有する産業用ロボットにおいて、前記アームは前記水平回動軸に片持ち状態で回動自在に支持される基部と、前記基部側が開口し前記基部側から前記アーム先端に向かって形成される筒状ケース部と、アーム先端部と、を有し、前記バランサ装置は先端に係合部を有するロッドと、前記ロッドが出入りするシリンダとを備え、前記ロッド先端係合部は前記水平回動軸より下側の前記フレーム上に設けられた一対の第一の支点部間に回動自在に支持され、前記シリンダの反ロッド側後端が前記筒状ケース部内部に設けられた一対の第二の支点部間で回動自在に支持されており、前記アームの前記水平回動軸の両側を含む回動範囲で前記筒状ケースと前記バランサ装置とが干渉しないようにされていることを特徴とする産業用ロボット。
【請求項2】
前記バランサ装置は前記ロッドの引き込みに従って反力が大きくなる方向に圧縮性流体が封入されていることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項3】
前記バランサ装置は前記ロッドの引き出しに従って反力が大きくなる方向に圧縮性流体が封入され、請求項1記載の産業用ロボットの上下が逆になるように設置されていることを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット。
【請求項4】
前記アームが起立した位置で、前記第一の支点部の回動中心と、前記水平回動軸と、前記第二の支点部の回動中心と、前記アーム重心と、が一直線となる関係を有することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の産業用ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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