説明

用紙処理機の紙受装置

【課題】紙受台が不用意に下降することを、防止することのできる用紙処理機の紙受装置を提供する。
【解決手段】天板30を開放したときに積載用紙を取り出す場合においては、用紙の積載された紙受台100が、昇降手段40によって下限位置まで自動的に下降するものの、手動下降スイッチの継続的なON状態が検出されなければ、下限位置にある紙受台100が、着地位置に下降することを不可にするように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙受装置に関し、詳細には、用紙処理機から排出された用紙を揃える紙受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
孔版印刷機や複写機等の画像形成機や裁断機等の用紙処理機には、用紙処理機から排出された用紙を揃える紙受装置が搭載されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
特許文献1に開示された孔版印刷機の紙受装置では、孔版印刷機本体と紙受装置とが横一列に並んで配置されている。用紙は、孔版印刷機本体から紙受装置に向けて横方向に順次搬送される。
【0004】
例えば、大容量の用紙を積載することのできる大容量積載タイプの紙受装置は、孔版印刷機本体から排出された用紙を紙受台上に案内する用紙ガイド手段を天板上に有するとともに、用紙の積載される紙受台を上下に昇降させる昇降装置を有する。
【0005】
天板が孔版印刷機本体の排紙部側の側面で回動可能に軸支された構造であって、天板の回動軸が排紙方向と直交する方向に延在している構造であるので、天板は排紙方向と並行であって且つ上下方向に開閉する。
【0006】
昇降装置は、孔版印刷機本体の排紙部側の側面に設けられている。つまり、昇降装置は、排紙方向の後方に設けられている。昇降装置が邪魔するために、排紙方向の後方からは、排出された用紙を取出すことができない。一方、排紙方向の前方には遮るものがないので、排出された用紙は、排紙方向の前方から取出される。
【0007】
このように、従来の紙受装置では、紙受装置に積載された用紙が排紙方向の前方側から取出されるために、排紙方向の前方側には、積載された用紙を取出すための用紙取出し作業空間を必要とする。
【0008】
孔版印刷機本体と紙受装置とが横長に配置されている上に、取出し作業スペースが排紙方向の前方に必要であることから、孔版印刷機は、全体として、非常に横長の設置スペースを必要とする。
【0009】
孔版印刷機本体の排紙部で、紙詰まりが起こることがある。しかしながら、昇降装置が排紙部近傍に設けられているので、詰まった用紙の排出作業(いわゆるジャム処理作業)を行う作業スペースが制限されて、ジャム処理作業がしずらいという問題もある。
【特許文献1】特開2000−143070号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、設置スペースを必要最小限にすることができ、ジャム処理作業のしやすい用紙処理機の紙受装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的課題を解決するために、本発明に係る用紙処理機の紙受装置は、用紙処理機本体と紙受装置とが、排紙方向に沿って配置された用紙処理機であって、背後側で回動自在に支持された天板が正面側から持ち上げられると、天板は、紙受台上に積載された用紙と接触することなく開かれることを基本的特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、紙受装置の天板が紙受装置の背後側で回動自在に支持されており、天板が持ち上げられたときに、天板が紙受台上に積載された用紙と接触することなく開かれるように構成されている。つまり、積載用紙は正面側から取出可能になっている。用紙処理機の操作パネル等は、一般に、正面側に配置されていることから、用紙処理機の各種操作部(つまり、操作パネルや紙受装置の取出部)が正面側に集中的に配置されている。したがって、用紙処理機の作業者は、用紙を取出すときに、側面側や背後側に回り込むことなく、正面側にいるだけで、操作パネルの設定入力・状態確認や用紙の取出等の各種作業を行うことができる。その結果、作業者の作業効率が大幅にアップする。また、紙受装置の排紙方向の前方側(すなわち、用紙処理機本体の側方側)には作業スペースが不要となるので、用紙処理機を小さな設置スペースで設置することができる。
【0013】
本発明に係る用紙処理機の紙受装置は、用紙処理機の排紙方向に沿って用紙処理機本体に隣接配置されて、上記紙受装置は、排出された用紙が積載される紙受台と、紙受台の直上に配置され且つ用紙幅方向の背後側で開閉自在に支持された天板と、紙受台を上下に移動させる昇降手段とを備え、天板は、排紙方向と直交する用紙幅方向に関して、排出された用紙の側縁を位置決めする左右の側方ガイド手段と、排紙方向前方に設けられて、排出された用紙の前縁を受け止める前方ガイド手段とを有する一方、用紙処理機の排紙方向前方には、用紙処理機本体から排出された用紙の後縁を位置決めする後方ガイド手段が設けられており、所定枚数の用紙が排出されて紙受台上に積載されると、積載用紙が側方ガイド手段、前方ガイド手段及び後方ガイド手段のいずれに対しても接触しない位置まで、紙受台を下降させた後に、天板が用紙幅方向の正面側から開放されて、積載された用紙が紙受台から取出されることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、紙受装置の天板が用紙幅方向の背後側で開閉自在に支持されており、天板が持ち上げられて開放されたときに、紙受台上の積載用紙が、側方ガイド手段、前方ガイド手段及び後方ガイド手段のいずれに対しても接触しない位置まで、紙受台が下降されるように構成されている。したがって、この状態で、天板が用紙幅方向の正面側から開かれると、積載用紙が正面側から取出される。
【0015】
上述したのと同様に、用紙処理機の操作パネル等は、一般に、正面側に配置されていることから、用紙処理機の各種操作部(つまり、操作パネルや紙受装置の取出部)が正面側に集中的に配置されている。したがって、用紙処理機の作業者は、用紙を取出すときに、側面側や背後側に回り込むことなく、正面側にいるだけで、操作パネルの設定入力・状態確認や用紙の取出等の各種作業を行うことができる。その結果、作業者の作業効率が大幅にアップする。また、紙受装置の排紙方向前方側(すなわち、用紙処理機の側方側)には作業スペースが不要となるので、用紙処理機を小さな設置スペースで設置することができる。
【0016】
本発明に係る用紙処理機の紙受装置は、用紙処理機の排紙方向に沿って用紙処理機本体に隣接配置されて、上記紙受装置は、排出された用紙が積載される紙受台と、紙受台の直上に配置され且つ用紙幅方向の背後側で開閉自在に支持された天板と、紙受台を上下に移動させる昇降手段とを備え、天板は、排紙方向と直交する用紙幅方向に関して、排出された用紙の側縁を位置決めする左右の側方ガイド手段と、排紙方向前方に設けられて、排出された用紙の前縁を受け止める前方ガイド手段とを有する一方、用紙処理機の排紙方向前方には、用紙処理機本体から排出された用紙の後縁を位置決めする後方ガイド手段が設けられており、所定枚数の用紙が排出されて紙受台上に積載されると、天板が開放されたときに、少なくとも側方ガイド手段が積載用紙に対して接触しない退避位置まで、側方ガイド手段を退避させた後に、天板が用紙幅方向の正面側から開放されて、積載された用紙が紙受台から取出されることを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、紙受装置の天板が用紙幅方向の背後側で開閉自在に支持されており、天板が持ち上げられて開放されたときに、少なくとも側方ガイド手段が積載用紙に対して接触しない退避位置まで、側方ガイド手段を退避させた後に、天板が用紙幅方向の正面側から開放されて、積載された用紙が正面側から紙受台から取出される
【0018】
上述したのと同様に、用紙処理機の操作パネル等は、一般に、正面側に配置されていることから、用紙処理機の各種操作部(つまり、操作パネルや紙受装置の取出部)が正面側に集中的に配置されている。したがって、用紙処理機の作業者は、用紙を取出すときに、側面側や背後側に回り込むことなく、正面側にいるだけで、操作パネルの設定入力・状態確認や用紙の取出等の各種作業を行うことができる。その結果、作業者の作業効率が大幅にアップする。また、紙受装置の排紙方向前方側(すなわち、用紙処理機の側方側)には作業スペースが不要となるので、用紙処理機を小さな設置スペースで設置することができる。さらに、紙受台が紙受位置という上方位置に位置するので、作業者は腰をかがめて用紙を取出さずに済むので、取出し作業が楽になる。
【0019】
紙受台は、さらに、紙受台を移動可能に支持する運搬手段を有し、用紙の積載された紙受台を最下位置の着地位置に下降させたあと、紙受台が用紙幅方向の正面側から引き出される。
【0020】
上記構成によれば、紙受台が運搬可能になっている。多量の用紙が積載された場合に、紙受台を最下位置の着地位置に下降させたあと、用紙の積載された紙受台を正面側から取出すことができる。したがって、一度に、大量の印刷済み用紙を運ぶことが容易になる。
【0021】
紙受台を最下位置に着地させるときに、ガイド手段によってきちんと揃えられて積載された用紙が用紙処理機本体の側壁等に接触してしまうと、揃えられて積載された用紙の山が崩れて位置がずれてしまう。したがって、紙受台は、さらに、積載用紙が用紙処理機本体に対して接触することを防止するように構成されている。
【0022】
積載用紙が用紙処理機本体に対して接触することを防止するために、昇降手段は、用紙幅方向に延在して紙受台の底部を支持するアームを有し、上記アームが排紙方向前方側に傾いたアーム傾斜面を有する一方、紙受台の底部には、アーム傾斜面に係合する傾斜当接面が設けられているととに、傾斜当接面より下側に運搬手段が設けられており、傾斜当接面がアーム傾斜面に係合しながら、紙受台がアームで支持されている。
【0023】
上記構成によれば、アーム傾斜面が排紙方向前方側に傾いた状態で、傾斜当接面とアーム傾斜面とが係合している。用紙の積載された紙受台が着地した後、昇降手段のアームがさらに下がるにつれて、用紙の積載された紙受台が排紙方向前方側にスライド移動して退避する。用紙が紙受台上できれいに揃えられた状態で、紙受台は紙受装置から引き出され、別の場所に運搬される。
【0024】
同様に、着地した紙受台を紙受装置から引き出し、別の場所に運搬する際に、積載用紙が用紙処理機に対して接触することを防止するために、後方ガイド手段は、大略、前方ガイド手段と同じ高さかまたはそれより上の位置に存するように構成することができる。
【0025】
積載用紙が各ガイド手段に接触しない位置まで用紙の積載された紙受台を下降させたあと、積載用紙が取り出される。
【0026】
積載用紙があまり多くない場合には、積載用紙の重量がそれほど重くないために、必ずしも着地位置まで下げる必要はなく、紙受位置から着地位置までの途中の中間的な位置であって積載用紙が各ガイド手段に接触しない位置において、積載用紙が取出される。
【0027】
用紙処理機の操作パネルは、一般に、用紙処理機本体の正面側に配置されている。天板は、正面側において、紙受装置に関する表示又は操作を行うための表示操作部を有することが好ましい。紙受装置専用の表示操作部を設けることにより、紙受装置の操作性が向上する。用紙処理機の操作パネルや紙受装置の表示操作部が正面側に横一列に配置されているので、作業者の操作性や視認性が向上する。
【0028】
紙受動作中の紙受台の最下位置が着地位置であるように構成されていれば、紙受動作しながら自動的に下降する紙受台によって、作業者の足が誤って挟まれてしまう可能性がある。紙受台の最大用紙積載位置は、紙受台の着地位置より上に位置することが好ましい。このように構成すれば、通常の紙受動作では、紙受台が最大用紙積載位置より下に下降することがないので、紙受台で足が挟まれることが防止される。なお、紙受台を最大用紙積載位置より下の着地位置に下降させるためには、マニュアル下降スイッチ等を手動で押し続けるような構成にすることで、紙受台が不用意に下降することが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、本発明の一実施形態に係る紙受装置を備える孔版印刷機10について、図1〜図8を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
まず、孔版印刷機10の全体構成の概要を説明する。印刷機10は、図1に示すように、印刷機本体12の一方の側(図1の左側の排紙方向90の後方)に給紙部14を有し、その他方の側(図1の右側の排紙方向90の前方)に紙受装置16を有する。
【0031】
給紙部14は、印刷機本体12の一方(図1において左側の排紙方向90の後方)に設けられ、大量の用紙(たとえば3000枚)を載置できる給紙台60を有する。給紙台60は、昇降装置70によって昇降するようになっている。昇降装置70は、後述する紙受部16の昇降装置40と大略同様に構成され、モータと、チェーンと、スプロケットと、ばねと、上限センサと、下限スイッチと、用紙有無センサと、マニュアル下降スイッチとを備える。給紙台60は、用紙18の消費にともなって自動的に上昇し、積載された用紙18の一番上の用紙が給紙リングに常に接するようになっている。
【0032】
印刷機本体12の正面側すなわち作業者側の上部には、操作パネル8等が設けられている。印刷機本体12の内部には、外周面に孔版原紙を取り付ける版胴20が設けられ、版胴20の内部にはインクが供給されるようになっている。また、用紙18を版胴20側に押し付けるプレスローラ22が設けられ、版胴20および孔版原紙を透過したインクを用紙18に付着させて印刷するようになっている。
【0033】
印刷された用紙18は、印刷機本体12の排出部から排出され、図1において右側の排紙方向90の前方の紙受装置16で受け止められ、順に積み重ねられるようになっている。排紙部の下方には、後方ガイド板28が設けられている。後方ガイド板28は、排出部から排出された用紙18が前方ガイド板34に当たってはね返った用紙18の後端の位置を決めるものである。後方ガイド板28は前方ガイド板34や幅ガイド板31の下端と大略同じ高さまであれば十分であり、逆に、脚部17の近くの下部にまで延在すれば、取出しの邪魔になるので下方まで延在させることは不要である。後方ガイド板28は、用紙積載時には排紙方向90の前方側に突出して用紙18の後端の位置を決める一方で、用紙取出し時には排紙方向90の後方側に退避させるように構成してもよい。排出部の周囲には、昇降装置40等の大型の駆動機構が配置されていないので、大きな空間があいている。したがって、排出部からの用紙18が詰まって、いわゆるジャム状態になったときでも、あいた空間を作業空間として利用して、あいた空間に手を突っ込んで詰まった用紙18を取出すことが容易である。
【0034】
紙受装置16は、印刷機本体12から排出された印刷済み用紙18を上方から覆う天板30と、天板30の直下に配置される紙受台100と、紙受台100を昇降させる昇降装置40とを有する。また、図4に示すように、脚フレーム99の底面に運搬手段としてのキャスタを有するので、取手35を水平に引き出して、印刷機本体12から分離して紙受装置16だけを移動させることができる。
【0035】
図4において、天板30は、用紙幅方向の背後側に設けられた回動軸29によって、紙受装置16に回動自在に軸支され、一点鎖線で示したように、背後側に向けて持ち上げることができ、紙受台100の上方の正面側(すなわち作業者側)が開放され、正面側から、紙受台100に載置された印刷済み用紙18が取り出される。したがって、用紙18の取出しが容易なように構成されている。
【0036】
天板30は、略水平方向に延在し、天板30の下面から下方に延在する前方止め板34および一対の幅ガイド板31と、天板30内に設けられた公知のガイド板往復駆動機構とを有する。
【0037】
幅ガイド板31,前方止め板34は、公知のガイド板往復駆動機構によって、用紙18が排出されるタイミングに同期して、ジョガー動作を行う。すなわち、幅ガイド板31,前方止め板34は、用紙18に当接する当接位置から当接位置の外側の退避位置に所定距離だけ離れたあと、すぐに元の当接位置に戻るという接離動作を繰り返して、用紙18の端をきれいに揃えるようになっている。
【0038】
天板30の上面には、前方止め板34の排紙方向位置を設定するガイド止めねじと、幅ガイド板31の用紙幅方向(排紙方向90に対して直角方向)位置を設定するガイド止めねじとを設けて、これらのガイド止めねじを緩めて移動した後に締めることによって、前方止め板34および幅ガイド板31の位置を適宜に設定し、異なる用紙サイズに対応するマニュアル調整できるような構成とすることもできる。
【0039】
前方止め板34は、印刷済み用紙18の用紙幅方向に延在し、排出された印刷済み用紙18の前端が当接するようになっている。一対の幅ガイド板31は、印刷機本体12と前方止め板34との間において、排紙経路の両側に排紙方向90に略平行に延在し、排出された印刷済み用紙18の両側に当接するようになっている。幅ガイド板31,前方止め板34の下端には、それぞれ、突起36,37が設けられている。
【0040】
一対の幅ガイド板31の大略中央部には、それぞれ、開口32が設けられている。開口32に隣接して、用紙高さ検出手段としてのレベルセンサ33が取り付けられている。レベルセンサ33は、前方止め板34および幅ガイド板31の下端より上方において紙受台100に積載された用紙18を挟んで対向する位置に配置された発光部および受光部を有する遮光センサである。レベルセンサ33によって、一方の幅ガイド板31に取付けられた発光部から発せられた光は、開口32を通って、対向する他方の幅ガイド板31に取付けられた受光部で受光される。
【0041】
紙受台100は、図3に示すように、紙受装置16の本体から完全に切り離すことができるように構成されている。
【0042】
紙受台100は、大略板形状であって、正面側(作業者側)の側面に取手114が設けられ、運搬手段としてのキャスター112が紙受台100の底部110の中央部近傍の四隅に設けられ、紙受台100を単体で容易に移動させることができるようになっている。底部の周辺部には、昇降装置40のリフトアーム41によって支持されるアーム受部118と、紙受装置16の脚部17と係合する脚受部119とが設けられている。用紙積載面130には、用紙幅方向に延在するガイド溝116と、排紙方向90に延在するガイド溝117とが形成されている。各ガイド溝116,117は、幅ガイド板31,前方止め板34の各突起36,37をそれぞれ受け入れるようになっている。すなわち、紙受台100が、上限位置130sにあるときに、溝116,117に幅ガイド板31,前方止め板34の突起36,37がそれぞれ係合するので、天板30と紙受台100との間の隙間から印刷済み用紙18がはみ出ることなく、紙受台100上に揃えて積載される。
【0043】
支持部120の両側のアーム受部118には、後述する昇降装置40のフォーク状のリフトアーム41が挿入され、紙受台100が、図4において実線で示した最下位置すなわち着地位置から、下限位置130t(一点鎖線で図示)を経て上限位置130s(一点鎖線で図示)まで、リフトアーム41で持ち上げられるようになっている。下限位置130tと上限位置130sとの間は自動的に昇降し、着地位置と下限位置130tとの間は手動で昇降するように構成されている。すなわち、図5に示したマニュアル下降スイッチ205を押し続けることによって、昇降装置40のリフトアーム41が手動で下降する。リフトアーム41には、台形状の突起41aが上向きに固定され、紙受台100のアーム受部118には、この突起41aに嵌合する略長方形の嵌合溝(図示せず)が形成されていて、紙受台100がリフトアーム41で持ち上げられたときに、紙受台100の嵌合溝にリフトアーム41の突起41aが嵌合し、紙受台100がリフトアーム41に対して位置ずれしないようになっている。印刷用紙18の積載可能範囲は、紙受台100が上限位置130s(いわゆるホームポジション)から下限位置130t(いわゆるスタッカーフルポジション)までの間である。
【0044】
紙受台100を昇降させる昇降装置40は、公知の昇降機構が使用されて、図4に示すように、フォーク状のリフトアーム41と、モータと、チェーンと、スプロケットと、ばねとを備える。リフトアーム41は、垂直方向に平行移動自在に支持されている。チェーンは、一端がリフトアーム41に固定され、リフトアーム41から上方に延在し、紙受台100の上限位置130sより上方に設けた案内スプロケットに噛み合って下方に延在し、下部に設けられ減速ギヤを介してモータによって回転される駆動スプロケットに噛み合い、他端が装置本体に固定されたばねによって常に引っ張られるようになっている。駆動スプロケットが回転するとチェーンが上または下に移動し、リフトアーム41が昇降するようになっている。
【0045】
昇降装置40は、さらに、リフトアーム41の上限位置130s、下限位置130t、および最下位置(着地位置)をそれぞれ検出する上限スイッチ50、下限スイッチ52、および最下スイッチ53とを備え、後述するように、それらの信号に基づいて動作が制御されるようになっている。
【0046】
紙受台100の上部130は、図4に示したように、一点鎖線で示した上限位置130sと一点鎖線で示した下限位置130tとの間で、紙受台100に重ねられた印刷済み用紙18の上部が幅ガイド板31,前方止め板34の下端よりも上になり、天板30と重ねられた印刷済み用紙18の上部とが常に噛み合うように下げられる。すなわち、印刷済み用紙18が基準高さまで積み重ねられたことをレベルセンサ33が検知すると、昇降装置40は、リフトアーム41、すなわち紙受台100を所定距離下降させる。これにより、印刷機本体12から排出された印刷済み用紙18の落下距離は大略一定に保たれる。また、紙受台100の下降ストロークは給紙台30の上昇ストロークと略等しくなっている。したがって、大量に印刷したときにでも、印刷動作を中断することなく、印刷した全ての用紙18を紙受台100に順に揃えて積み重ねることができる。
【0047】
印刷機10は、図8のブロック図に示すように、I/Oポートを介して昇降装置40,70の機器類がCPUに接続され、CPUによって制御されるようになっている。CPUには、ROM、RAM、EEPROM、操作パネル8のスイッチ類、印刷機本体12の機構部、排紙センサ、ステッピングモータ、紙受装置の安全装置も接続されている。
【0048】
印刷機10の正面側すなわち作業者側には、図2に示すように、印刷機10の本体側操作パネル8が設けられている。本体側操作パネル8は、紙受装置16を含む印刷機10の全体的な動作状態を表示したり設定入力を行ったりするためのものである。紙受装置16の天板30の正面側すなわち作業者側には、図5に示すような、紙受装置専用の操作パネル38が設けられている。したがって、本体側操作パネル8及び紙受装置用操作パネル38が、正面側すなわち作業者側に集中的に配置されている。
【0049】
紙受装置用操作パネル38は、例えば、左から順に、非常停止ボタン201、前方止め板調整ボタン202と幅ガイド板調整ボタン203、及びマニュアル下降ボタン205と電源ランプ207とスタンバイランプ208と天板ロックランプ209が配置されている。
【0050】
ここで、非常停止ボタン201は、紙受動作を緊急に停止させるものである。前方止め板調整ボタン202及び幅ガイド板調整ボタン203は、それぞれ、前方止め板34及び幅ガイド板31の位置を調整するためのものである。マニュアル下降ボタン205は、作業者が下限位置130tにある紙受台100を着地位置まで足元の安全を確認しながら、手動で下げるためのものである。電源ランプ207は紙受装置16の電源のオン・オフ状態を示すものである。スタンバイランプ208は、紙受装置16の使用可能状態か否かを示すものである。天板ロックランプ209は、天板30が不図示の天板ロック機構によってロックされているか否かを示すものである。
【0051】
紙受装置16には、各種安全機構が設けられている。
【0052】
まず、上述したように、作業者がマニュアル下降スイッチ205を押し続けないと、下限位置130tから着地位置まで紙受台100が下降しないという手動運転操作になっている。
【0053】
図2に示すように、紙受装置16の脚部17の正面側すなわち作業者側には、障害物検知センサ92が設けられている。左右の脚部17の内側にはそれぞれ対向する穴91が形成されている。障害物検知センサ92は、各穴91を挟んで対向する位置に配置された発光部および受光部を有する遮光センサである。障害物検知センサ92によって、一方の脚部17に設けられた発光部から発せられた光は、穴92を通って、対向する他方の脚部17に設けられた受光部で受光される。したがって、下限位置130tから着地位置まで紙受台100を下降させる際に、作業者の足等の障害物で障害物検知センサ92の光が遮られていることが検知されたならば、下降する紙受台100で作業者の足が挟まれないように、紙受台100の下降動作が停止される。
【0054】
図6及び7に示すように、紙受装置16の左右の脚部17の上面側には、安全スイッチ97が設けられている。安全スイッチ97は、脚フレーム99に対してヒンジ94で回動自在に支持された脚カバー93と、脚カバー93を上向きに付勢する弾性支持体95と、脚カバー93から下向きに延在するプッシャー96と、マイクロスイッチ97とから構成される。なお、紙受台100が着地位置にあるときには、紙受台100の脚受部119で脚カバー93が押圧されて、スイッチ97がオン状態にならないように、すなわち非接触状態になるように、脚受部119と脚カバー93との間には、所定の間隔が設けられている。
【0055】
作業者の足や周囲に置いてある物で、紙受装置16の左右の脚部17の少なくとも一方が踏まれたときには、足等で踏まれた脚カバー93が押し下げられる。このとき、プッシャー96が下動することで、マイクロスイッチ97が押されて、スイッチ97がオン状態になる。スイッチ97がオン状態になると、下降する紙受台100で作業者の足等が挟まれないように、紙受台100の下降動作が緊急停止される。
【0056】
次に、紙受台100を昇降させる昇降装置40の動作について説明する。
【0057】
昇降装置40のリフトアーム41が最下位置の着地位置にあるとき、リフトアーム41の間に紙受台100を装着し、操作パネル8の印刷開始キーを押すと、リフトアーム41は紙受台100を持ち上げ、印刷可能となる。一方、マニュアル下降スイッチ205が押し続けられると、リフトアーム41が最下の着地位置まで下降し、紙受台100を昇降装置40から取り外すことが可能な状態となる。
【0058】
まず、操作パネル8の印刷開始キーが押されたか否かが判別される。
【0059】
印刷開始キーが押されたと判定されたときには、スタッカーすなわち紙受台100に印刷済み用紙18が満杯であるか否かが判別され、満杯(スタッカーフル)状態、すなわち、レベルセンサ33および下限スイッチ52がオンであれば、印刷開始に戻る。満杯でなければ、エレベータ処理の完了フラグをリセットする。次に、印刷済み用紙18を受けるのに適した位置まで紙受台100を昇降させるイニシャライズ処理を実行する。
【0060】
紙受台検知センサ55がオンであるか否かが判定される。紙受台検知センサ55がオンでなければ、紙受台100がリフトアーム41の間にないので、操作パネル8の表示部に「キャリーナシ」のエラー表示を表示してイニシャライズ処理に戻る。
【0061】
紙受台検知センサ55がオンであれば、操作パネル8の表示部の「キャリーナシ」のエラー表示をクリアし、次に、リフトアーム41がホームポジションすなわち上限位置130sであるか否かが、上限スイッチ50の出力に基づいて判別される。
【0062】
ホームポジションであれば、レベルセンサ33が用紙18を検知したか否かが判別される。用紙18を検知しないときには、昇降装置40を停止する。用紙18を検知したときには、レベルセンサ33が用紙18を検知しなくなるまで、リフトアーム41、すなわち紙受台100を下降させる。
【0063】
ホームポジションでなければ、リフトアーム41を上昇させ、レベルセンサ33が用紙18を検知したか否かが判別される。用紙18を検知しないときには、「キャリーナシ」のエラー表示のクリアに戻る。用紙18を検知したときには、レベルセンサ33が用紙18を検知しなくなるまで、リフトアーム41を下降させる。
【0064】
つまり、紙受台100上に重ねられた用紙18の一番上がレベルセンサ33のすぐ下となるように、紙受台100を昇降させる。
【0065】
イニシャライズ処理の実行後、印刷を開始し、印刷された用紙18の高さに応じて紙受台100を下降させるエレベーターポジション制御処理を実行する。
【0066】
詳しくは、レベルセンサ33のオン、すなわち用紙18の検知が所定時間(たとえば、0.2秒)以上継続すれば、リフトアーム41を用紙18の検知がなくなるまで下降させる。これは、印刷された用紙が紙受台100上に積み重ねられる前にレベルセンサ33を通過し、レベルセンサ33を断続的に遮光する場合と、紙受台100に積み重ねられた用紙18がレベルセンサ33よりも高くなってレベルセンサ33を連続的に遮光する場合とを区別するためである。なお、下限スイッチ52がオンになれば、昇降装置40は停止する。
【0067】
次に、紙受部17(スタッカー)が満杯(スタッカーフル)であるか否かが判別され、満杯のとき(いわゆる通常スタッカーフル状態のとき)には、印刷を停止して、スタートに戻る。紙受部17(スタッカー)が満杯でなければ、印刷機本体12からの停止指令の有無が判別され、設定枚数の印刷が完了した結果等により、停止指令があるとき(設定枚数印刷完了等の途中停止状態のとき)には、印刷を停止して、スタートに戻る。停止指令がなければ印刷開始に戻る。
【0068】
なお、印刷中における幅ガイド板31,前方止め板34は、用紙18の排出サイクルに合わせて、当接位置と退避位置との間を往復運動して公知のジョガー動作を行う。したがって、幅ガイド板31,前方止め板34は、所定位置からずれて紙受台100に着地した用紙18を所定位置まで押し戻すので、紙受台100上の用紙18をきれいに揃えることができる。
【0069】
通常スタッカーフル位置や設定枚数印刷完了等の途中停止位置から最下の着地位置まで紙受台100を下降させるときには、リフトアーム41が各位置から連続的に下降して作業者の足等が挟まれてしまうという危険性を回避するために、リフトアーム41の連続的な下降動作が行われないように構成されている。
【0070】
現在、紙受台100が途中停止位置すなわち上限位置130sから下限位置130tまでの間で停止しているとして、以下、マニュアル下降スイッチ205を押し続けることにより、紙受台100を最下の着地位置まで下降させる動作について説明する。
【0071】
印刷開始キーが押されていないときには、マニュアル下降スイッチ205が押されている間だけリフトアーム41が下降して、スタートに戻る。
【0072】
第1エレベータ処理(上限位置130sから下限位置130tまでのエレベータ下降処理)が完了しているか否かが、完了フラグに基づいて判定される。
【0073】
第1エレベータ処理が完了していなければ、マニュアル下降スイッチ205がオンであるか否かが判別される。オンでなければ、昇降装置40を停止する。
【0074】
オンであれば、下限スイッチ52がオンであるか否かが判別される。下限スイッチ52がオンでなければ、昇降装置40を駆動し、リフトアーム41を下げる。
【0075】
下限スイッチ52がオンであれば、昇降装置40が停止し、マニュアル下降スイッチ205がオフになるのを待ち、オフになれば、エレベータ処理の完了フラグをセットする。つまり、マニュアル下降スイッチ205を押しつづけることによって、下限位置130tまでリフトアーム41を下降した後、一旦、マニュアル下降スイッチ205をオフにしなければ、次の処理を行わないようになっている。
【0076】
第1エレベータ処理が完了していれば、第2エレベータ処理(下限位置130tから最下位置までのエレベータ下降処理)を実行する。
【0077】
すなわち、マニュアル下降スイッチ205がオンであるか否かが判別される。マニュアル下降スイッチ205がオンでなければ、昇降装置40を停止する。
【0078】
マニュアル下降スイッチ205がオンであれば、最下スイッチ53がオンであるか否かが判別される。最下スイッチ53がオンでなければ、昇降装置40を駆動してリフトアーム41を下げる。最下スイッチ53がオンであれば、昇降装置40を停止する。この最下の着地位置において、紙受台100が取出し可能である。
【0079】
以上説明したように、孔版印刷機10は、大量の印刷済み用紙18を積載した紙受台100を紙受装置16のリフトアーム41から分離して、紙受台100に用紙18を載せたまま、紙受台100を移動させることができる。
【0080】
このとき、紙受装置16の天板30が背後側で回動軸29で支持されており、天板30が持ち上げられたときに、天板30が紙受台100上に積載された用紙18と接触することなく正面側から開かれるように構成されているので、積載用紙18は正面側から引き出されて取出される。孔版印刷機10の本体側操作パネル8と紙受装置16の操作パネル38も、正面側に集中的に配置されている。したがって、孔版印刷機10の作業者は、側面側や背後側に回り込むことなく、正面側にいるだけで、操作パネル8,38の設定条件の入力や動作状態の確認及び用紙の取出等の各種作業を行うことができる。その結果、作業者の作業効率が大幅にアップする。また、紙受装置16の排紙方向90の前方側(すなわち、孔版印刷機10の側方側)には作業スペースが不要となるので、孔版印刷機10を小さな設置スペースで設置することができる。
【0081】
また、紙受台100を複数台用意しておけば、印刷中に紙受台100の用紙積載量が満杯になっても、紙受台100を交換するだけで、作業中断時間を最小にして印刷作業を継続でき、作業性が向上する。したがって、大量の印刷済み用紙18を容易に運ぶことができる。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【0083】
たとえば、印刷枚数が少量である場合、必ずしも、紙受台100を着地位置までわざわざ下げる必要はない。紙受位置から着地位置までの途中の中間的な位置であって積載用紙18が幅ガイド板31、前方止め板34及び後方止め板28に接触しない位置に紙受台100を停止させておき、その状態で、積載用紙18を取出すことができる。
【0084】
図9に示すように、昇降装置40のリフトアーム41及びアーム受部118の相互の係合形状を利用して、用紙18の積載された紙受台100の搬出時の用紙18の山の崩れを防止することができる。リフトアーム41の側面が排紙方向90の前方側に傾いたアーム傾斜面43を有する一方、紙受台100のアーム受部118には、アーム傾斜面43に係合する傾斜当接面120が設けられている。リフトアーム41が昇降するための昇降スペースが、アーム受部118の上面と着地面との間に確保されている。
【0085】
上記構成によれば、図9の(A)に示すように、用紙18の積載された紙受台100は、アーム傾斜面43と傾斜当接面120とが係合した状態で、着地位置まで下げられる。紙受台100が着地した後、昇降装置40のリフトアーム41がさらに下げられる。それに伴って、図9の(B)に示すように、用紙18の積載された紙受台100が排紙方向90の前方側にスライド移動して、印刷機本体12と接触することが退避される。したがって、用紙18が紙受台100の上で揃えられた状態で、紙受台100は紙受装置16から正面側に引き出されたあと、別の場所に運搬される。
【0086】
また、紙受台100は、上下に着脱自在に分割可能な構造とすることもできる。上部分はリフトアーム41で昇降されるようにし、キャスタ112を有する下部分は着地したままとする。紙受台100の上部分だけを昇降させるだけでよいので、被昇降物(紙受台)の重量が軽くなり、昇降装置40の昇降機構を簡素化できる。また、下部分が、常時、着地位置にあるので、下降してきた紙受台100で作業者の足が挟まれることも防止される。
【0087】
また、昇降装置40の昇降機構は、上記実施形態では用紙幅方向の背後側に配設されているが、天板30内に配設するようにしてもよい。この場合、例えば、天板30から延在するクレーン機構によって、紙受台100が吊るされるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の一実施形態に係る紙受装置を備える印刷機を模式的に示す正面図である。
【図2】図1の印刷機を正面から見た斜視図である。
【図3】図1の印刷機の紙受台が下降したときを正面から見た斜視図である。
【図4】紙受装置の天板の開閉を示す側面図である。
【図5】紙受装置の操作パネルを示す図である。
【図6】紙受装置の安全装置の要部斜視図である。
【図7】図6の安全装置の断面図である。
【図8】図1の印刷機のブロック図である。
【図9】紙受台の着地時の動きを説明する図である。(A)は着地したときを表し、(B)は昇降手段のリフトアームがさらに下降していることを表している。
【符号の説明】
【0089】
8:本体側操作パネル
10:印刷機(用紙処理機)
12:本体
14:給紙部
16:紙受装置(紙受部)
18:用紙
17:脚部
20:版胴
22:プレスローラ
28:後方ガイド板(後方ガイド手段)
29:回動軸
30:天板
31:幅ガイド板(側方ガイド手段)
32:開口
33:レベルセンサ(用紙高さ検出手段)
34:前方止め板(前方ガイド手段)
35:取手
36:突起
37:突起
38:紙受装置用操作パネル
40:昇降装置(エレベータ手段)
41:リフトアーム
41a:突起
42:支持部
43:傾斜面
50:上限スイッチ
52:下限スイッチ
53:最下スイッチ
55:紙受台検知センサ
60:給紙台
70:昇降装置
90:排紙方向
92:障害物検知センサ
93:脚カバー
94:ヒンジ
95:弾性支持体
96:プッシャー
97:マイクロスイッチ
98:貫通穴
99:脚フレーム
100:紙受台
110:底部
112:キャスタ
114:取手
116:ガイド溝
117:ガイド溝
118:アーム受部
119:脚受部
120:傾斜面
130:用紙積載面
201:非常停止ボタン
202:前方止め板調整ボタン
203:幅ガイド板調整ボタン
205:マニュアル下降ボタン
207:電源ランプ
208:スタンバイランプ
209:天板ロックランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙処理機(10)の排紙方向(90)に沿って用紙処理機本体(12)に隣接配置された紙受装置(16)であって、当該紙受装置(16)は、
排出された用紙(18)が積載される紙受台(100)と、
排紙方向(90)と直交する用紙幅方向に関して、排出された用紙(18)の側縁を位置決めする左右の側方ガイド手段(31)と、
紙受台(100)の直上に配置され且つ用紙幅方向の背後側で開閉自在に支持された天板(30)であって、
排紙方向(90)と直交する用紙幅方向に関して、排出された用紙(18)の側縁を位置決めする左右の側方ガイド手段(31)と、
排紙方向(90)前方に設けられて、排出された用紙(18)の前縁を受け止める前方ガイド手段(34)と、
用紙処理機(10)の排紙方向(90)前方に設けられて、用紙処理機(10)から排出された用紙(18)の後縁を位置決めする後方ガイド手段(28)と、を有する天板(30)と、
紙受台(100)を上下に移動させる昇降手段(40)と、
作業者の継続的な手動の押圧動作により紙受台(100)を下降させるためのスイッチがONになる手動下降スイッチ(205)と、
上限位置と下限位置と着地位置とを検出すること、昇降手段(40)によって紙受台(100)を上限位置と下限位置との間で自動的に昇降させること、及び、手動下降スイッチ(205)の継続的なON状態を検出することを少なくとも制御する制御手段と、を備えてなり、
天板(30)を開放して積載用紙(18)を取り出す場合においては、用紙(18)の積載された紙受台(100)が昇降手段(40)によって下限位置まで自動的に下降するものの、手動下降スイッチ(205)の継続的なON状態が検出されなければ、下限位置にある紙受台(100)が着地位置に下降することを不可にするように構成されていることを特徴とする紙受装置。
【請求項2】
前記紙受台(100)は、さらに、紙受台(100)を移動可能に支持する運搬手段(112)を有し、
用紙(18)の積載された紙受台(100)を最下位置の着地位置に下降させたあと、紙受台(100)が用紙幅方向の正面側から引き出されることを特徴とする、請求項1記載の紙受装置。
【請求項3】
前記紙受台(100)は、さらに、積載用紙(18)が用紙処理機本体(12)に対して接触することを防止するように構成されていることを特徴とする、請求項1記載の紙受装置。
【請求項4】
前記昇降手段(40)は、用紙幅方向に延在して紙受台(100)の底部を支持するアーム(41)を有し、
前記アーム(41)が排紙方向(90)前方側に傾いたアーム傾斜面(120)を有する一方、
紙受台(100)の底部には、アーム傾斜面(120)に係合する傾斜当接面(43)が設けられているとともに、傾斜当接面(43)より下側に運搬手段が設けられており、
傾斜当接面(43)がアーム傾斜面(120)に係合しながら、紙受台(100)がアーム(41)で支持されていることを特徴とする、請求項1記載の紙受装置。
【請求項5】
前記後方ガイド手段(28)は、大略、前方ガイド手段(34)と同じ高さかまたはそれより上の位置に存することを特徴とする、請求項1記載の紙受装置。
【請求項6】
前記積載用紙(18)が各ガイド手段(31,34,28)に接触しない位置まで用紙(18)の積載された紙受台(100)を下降させたあと、積載用紙(18)が取り出されることを特徴とする、請求項1記載の紙受装置。
【請求項7】
前記天板(30)は、正面側において、紙受装置(16)に関する表示又は操作を行うための表示操作部(38)を有することを特徴とする、請求項1記載の紙受装置。
【請求項8】
前記紙受台(100)の最大用紙積載位置は、紙受台(100)の着地位置より上に位置することを特徴とする、請求項1記載の紙受装置。
【請求項9】
積載用紙検出手段は、いずれかのガイド手段の下端よりも上方位置に設けられて、紙受台(100)に積載された積載用紙(18)の積載高さを検出することを特徴とする、請求項1記載の紙受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−40609(P2009−40609A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−270840(P2008−270840)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【分割の表示】特願2003−29688(P2003−29688)の分割
【原出願日】平成15年2月6日(2003.2.6)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】