説明

田植機

【課題】筋引きマーカを姿勢変更させる機構をコンパクト化できる構造でありながら、植付け軌跡を形成する適正な高さに筋引きマーカを確実に支持することができる田植機の実現を目的とする。
【解決手段】圃場面に次工程の植付け軌跡を形成する左右の筋引きマーカ72と、筋引きマーカ72を圃場の圃場面から地上に上昇させるアクチュエータ79とを備え、筋引きマーカ72を、前記圃場面に着地させた作業姿勢または前記圃場面から地上に持上げた収納姿勢に移動可能に構成した田植機において、筋引きマーカ72を前記作業姿勢に姿勢変更したときに当接する規制体103aを設け、規制体103aによって、圃場面に植付け軌跡を形成する高さに筋引きマーカ72を支持するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗載台及び植付爪などを有する苗植付装置を備えて、連続的に苗植作業を行う田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
機体の走行に伴って圃場に苗を植付ける田植機では、圃場の未植田面に次工程の植付け作業の基準線となる植付け軌跡を形成するための筋引きマーカを備える構造が知られている(特許文献1及び2)。走行機体の左右に筋引きマーカが設けられていて、左右いずれか一方の筋引きマーカを圃場の未植田面に着地させた作業姿勢と、筋引きマーカを未植田面から地上に持上げた収納姿勢(非作業姿勢)とに、筋引きマーカが移動可能に構成されている。
【0003】
特許文献1には、筋引きマーカを持上げるためのアクチュエータとして油圧シリンダを備える構造が開示されている。特許文献1では、筋引きマーカを支持するマーカアームの基端部(回動プレート、ベースフレーム)を、油圧シリンダのピストンの先端に連動可能に連結し、ピストンの進退動作によってマーカアームを揺動させて、筋引きマーカを姿勢変更させるようにしている。そして、ピストンが進出または退入したときに、ピストンが進出位置または退入位置で進出リミットスイッチまたは退入リミットスイッチに当接することによって、ピストンの進出動作または退入動作を停止させ、これにより筋引きマーカを作業姿勢又は収納姿勢に支持している。
【0004】
特許文献2では、筋引きマーカを持上げるためのアクチュエータとして電動モータを備える構造が開示されている。筋引きマーカを支持するマーカアームの基端部と、電動モータによって回転駆動される作動部材が、機体の左右方向に離間した位置に配置され、マーカアームの基端部と作動部材とが、連係部材(ねじりバネ)で連動可能に連結されている。そして、電動モータの正逆回転で、連係部材を機体の左右方向へ移動させることで、連係部材に連結されたマーカアームを揺動させ、これにより、筋引きマーカを作業姿勢又は収納姿勢に移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−174806号公報
【特許文献2】特開2008−79578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、油圧シリンダのピストンが進出位置または退入位置にあることを、進出リミットスイッチまたは退入リミットスイッチに当接することによって、ピストンの進出動作または退入動作を停止させ、これにより筋引きマーカを作業姿勢又は収納姿勢に支持している。従って、リミットスイッチの取付位置のばらつきが、ピストンの停止位置、ひいては筋引きマーカの作業姿勢(高さ位置)に大きく影響する。
【0007】
また、特許文献2では、電動モータで連結部材を動作させて、姿勢変更を行っているから、電動モータの回転精度や、連係部材であるねじりバネの弾性力の劣化(経時変化)によって、筋引きマーカの作業姿勢(高さ位置)が変化する虞がある。作業姿勢での筋引きマーカの高さ位置が変化すると、筋引きマーカの土中への挿入量が変化するから、次工程の植付の基準となる軌跡がずれて形成されたり、明瞭に表れなかったりするという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するものであり、筋引きマーカを姿勢変更させる機構をコンパクト化できる構造でありながら、植付け軌跡を形成する適正な高さに筋引きマーカを確実に支持することができる田植機の実現を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明における田植機は、苗載台と複数の植付爪とを備える苗植付装置と、圃場面に次工程の植付け軌跡を形成する左右の筋引きマーカと、前記筋引きマーカを圃場の圃場面から地上に上昇させるアクチュエータとを備え、前記筋引きマーカを、前記圃場面に着地させた作業姿勢または前記圃場面から地上に持上げた収納姿勢に移動可能に構成した田植機において、前記筋引きマーカを前記作業姿勢に姿勢変更したときに当接する規制体を設け、前記規制体によって、圃場面に植付け軌跡を形成する高さに前記筋引きマーカを支持するように構成したことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の田植機において、前記筋引きマーカを前記作業姿勢または前記収納姿勢に移動可能に軸支させるマーカ回動支点軸を備え、前記回動支点軸と前記アクチュエータとしての電動モータとを配置するマーカ支持体に、前記規制体を設け、前記苗植付装置の植付フレームに、前記マーカ支持体を着脱可能に配置したことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の田植機において、前記筋引きマーカを前記作業姿勢または前記収納姿勢に移動可能に軸支させるマーカ回動支点軸を備え、前記筋引きマーカを昇降可能に支持するマーカ支持体として、前記マーカ回動支点軸が配置される支持プレートと、上面側に前記規制体が形成された支持ブラケットとを備え、前記支持プレートを前記支持ブラケットに着脱可能に固定するように構成したことを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の田植機において、前前記支持ブラケットには前記支持プレートが挿入される挟持用スリットが形成され、前記挟持用スリットに挿入された前記支持プレートを、前記支持ブラケットによって挟持固定するように構成していること特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、規制体との当接によって、筋引きマーカが作業姿勢からさらに下降することを阻止して、植付け軌跡を形成する高さ位置に筋引きマーカを支持しているから、低コストな構造でありながら、筋引きマーカの適正な高さを安定して維持することができ、圃場面に確実に軌跡を形成することができる。アクチュエータの駆動によって、筋引きマーカの作業姿勢を規定する場合に比べて、アクチュエータを高い精度で制御する必要がないから、アクチュエータのコストを低減できる。バネ等を介在させて作業姿勢を維持する場合に比べると、弾性力の経時変化等によって位置ズレが生じる虞もない。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、苗植付装置の植付フレームは高剛性に形成されているから、規制体を設けたマーカ支持体を、植付フレームに強固に取付けることができる。従って、規制体が、走行機体や苗植付装置の振動等で位置ずれする虞を低減でき、筋引きマーカの作業姿勢の安定性が向上できる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、筋引きマーカのマーカ回動支点軸が配置される支持プレートが、支持ブラケットに固定され、支持ブラケットの上面部で前記規制体を構成しているから、マーカ回動支点軸と規制体との位置合わせを、支持ブラケットを基準にして簡単に行うことができ、組立作業性を向上できる。例えば、作業姿勢又は収納姿勢に移動可能に前記筋引きマーカが支持されるマーカアーム支持フレームを、支持プレートに取り付けてユニット構造に構成できるから、前記筋引きマーカ仕組みの組立作業性を向上できる。前記筋引きマーカ仕組みの製造コストを低減できる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、支持ブラケットの挟持用スリットに支持プレートを挿入して挟持固定することによって、支持プレートを支持ブラケットに対して強固に固定できる。例えば、作業姿勢又は収納姿勢に移動可能に前記筋引きマーカが支持されるマーカアーム支持フレームを、支持プレートに取り付けてユニット構造に構成したときに、マーカアーム支持フレームの取付け安定性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】田植機の左側面図である。
【図2】田植機の平面図である。
【図3】田植機の部分拡大側面図である。
【図4】苗植付装置の前面図である。
【図5】苗植付装置の側面図である。
【図6】サイドマーカが作業姿勢のときの前面図である。
【図7】サイドマーカが作業姿勢のときの上面図である。
【図8】サイドマーカが作業姿勢のときの要部前面図である。
【図9】サイドマーカが作業姿勢のときの前方斜視図である。
【図10】サイドマーカが作業姿勢のときの後方斜視図である。
【図11】サイドマーカが収納姿勢のときの前面図である。
【図12】サイドマーカが収納姿勢のときの前方斜視図である。
【図13】サイドマーカが収納姿勢のときの後方斜視図である。
【図14】サイドマーカが格納姿勢のときの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態である田植機について、図1〜図14を用いて説明する。なお、以下の説明では、田植機(走行機体1)の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。図1及び図2に示す如く、田植機は、走行機体1と、走行機体1の後部に昇降可能に連結された苗植付装置2とを有する。走行機体1には、左右一対の前輪3と左右一対の後輪4と、運転者が座乗する運転座席5と、その前方に配置された操縦ハンドル6と、操縦ハンドル6の下端側を覆うボンネット7が設けられている。走行機体1の左右幅中央に配置された操縦ハンドル6の下端側には、前輪3を方向転換させる操舵用の操縦機構部8が配置されている。また、ボンネット7の左右両側方の走行機体1には、複数枚のマット状の予備苗を多段に載置させる左右の予備苗台9が設けられている。運転座席5の後方には、田面に植付けられた苗の側方の泥土中に粒状肥料を埋める施肥装置10が設けられている。
【0019】
また、図1〜図3に示す如く、走行機体1には、車体フレーム12と、エンジン21が設けられている。運転座席5の下方において、車体フレーム12にエンジン21が取付けられている。油圧無段変速機又は変速ギヤ群等を設けるミッションケース22がエンジン21の前方に配置されている。エンジン21は走行機体1の前後方向中心線に沿った位置に配置されている。即ち、走行機体1の左右幅中央部に配置されている。
【0020】
図3に示すように、エンジン21は、クランク軸23が左右方向に延びる横向き姿勢で配置されている。クランク軸23の左端部にプーリ24が取付けられ、プーリ24に巻き掛けられたベルト25を介して、エンジン21の動力が、ミッションケース22に伝達される。ミッションケース22における後部の左側面にはHST(静油圧式無断変速機)26が取り付けられている。エンジン21からの動力がHST26の入力軸27にプーリ27aを介してベルト25で伝達される。ベルト25にはテンションプーリ28が当接している。
【0021】
ミッションケース22の前部の左右側面には、左右のフロントアクスルケース30が取り付けられている。左右のフロントアクスルケース30に設けられた左右の前輪車軸31に、左右の前輪3が回転自在に且つ操舵可能にそれぞれ支持されている。ミッションケース22からは、走行ドライブ軸32が後向きに延びている。ミッションケース22から出力される後輪4の駆動力は、走行ドライブ軸32を介してリヤアクスルケース33の内部に伝達される。
【0022】
リヤアクスルケース33は、エンジン21の後側の斜め下方に配置されている。リヤアクスルケース33から左右に後輪車軸34を突出している。左右の後輪車軸34に左右の後輪4を相対回転不能にそれぞれ軸支している。リヤアクスルケース33は、車体フレーム12に2本の左右リヤ支柱16で連結されている。リヤ支柱16は側面視において鉛直線に対してやや前傾した姿勢に上下方向に延長されている。
【0023】
リヤアクスルケース33の下端部には、図1に示すように、整地ロータ35を駆動するための整地駆動軸36が後向きに突出されている。整地駆動軸36に整地ロータ35が自在継手軸によって連結されている。整地ロータ35は、縦方向に延長したパイプ状の左右の縦フレーム35aの下端側に配置されている。縦フレーム35aは、上リンク35bと下リンク35cを介して、苗植付装置2(後述するサイドフレーム52、植付フレーム51)に連結されている。
【0024】
エンジン21、ミッションケース22等の上面側は、作業者が搭乗する車体カバー37で覆われている。車体カバー37は一体構造で、左右の前輪3等を目視可能に多数のスリットが形成されている。運転座席5は、車体カバー37の上面に設けられ、走行機体1のほぼ左右中央部の位置でかつ側面視では概ねサイドフレーム12における傾斜部12aの前半部の上方に位置している。
【0025】
図2に示すように、ミッションケース22の上方の走行機体1の右側寄りの箇所、換言するとボンネット7の右側の車体カバー37上であって、左側にプレーキペダル38が、右側にアクセルペダル39がそれぞれ配置されている。また、走行機体1のボンネット7周辺等には、各種のレバー類(主変速レバー、アクセルレバー、植付昇降レバー等)、スイッチ類、ダイアル類を備えている。ボンネット7上のフロントパネル(図示せず)には、計器やディスプレイ等を設けている。この実施形態では、ボンネット7上に配置した植付昇降レバー113のスイッチ切換操作によって、後述する左右のサイドマーカ71を昇降動させるように構成している。
【0026】
運転座席5の後側には施肥装置10が配置されている。施肥装置10は、粒状肥料を入れるホッパ40を備えており、施肥装置10の肥料繰出部を介して定量送出されるホッパ40内の粒状肥料は、送風機41の送風搬送作用により、フレキシブル型のホース42を介して、苗植付装置2によって植付けられた苗に隣接する田面の泥土中に投下される。
【0027】
苗植付装置2は、ミッションケース22を介してエンジン21からの動力を伝える植付入力ケース43(図4参照)と、植付入力ケース43からの動力で駆動される6条分の植付爪機構45と、6条用の苗載台46と、各植付伝動ケース44の下面側に設置した田面均平用のフロート47とを備えている。
【0028】
図1〜図4に示す如く、苗載台46は、前高後低に傾斜した姿勢に設けられている。上部ガイドレール48と下部レール49を介して、植付機体50のうち、植付フレーム51及び左右のサイドフレーム52に、苗載台46が左右往復動可能に支持されている。植付機体50は、苗載台46の前側下部に配置された左右に長い角筒状の植付フレーム51と、植付フレーム51の左右両端側から立設された左右のサイドフレーム52と、左右のサイドフレーム52の上端側を連結する上連結フレーム53と、左右のサイドフレーム52の上下中間部を連結する中連結フレーム54とを備えている。
【0029】
図1に示すように、植付フレーム51の左右幅中央位置に、図示しないローリング支点軸を介して、ヒッチブラケット62を連結している。トップリンク63及びロワーリンク64を含む昇降リンク機構65を介して、ヒッチブラケット62を車体フレーム12(走行機体1)後側に連結している。車体フレーム12に取付けた油圧式の昇降シリンダ66がロワーリンク64に連結されている。昇降シリンダ66の駆動時に、昇降リンク機構65を介して、苗植付装置2が昇降する。なお、苗植付装置2は、前記ローリング支点軸回りに回動して左右方向の傾斜姿勢が変更される。
【0030】
また、植付フレーム51の左右中央に、前記植付入力ケース43が取付けられている。植付入力ケース43から前側方に向けて植付入力軸60を突出させ、ミッションケース22から後側方に向けてPTO軸2aを突出させている。植付入力軸60に、PTO軸2aからの駆動力が、自在継手軸61(図1参照)を介して伝達される。植付入力軸60に伝達された駆動力によって、苗載台46の左右方向の横送り動作と、苗載台46上のマット状苗の縦送り動作とを行わせる。また、植付入力軸60から植付入力ケース43に伝達された駆動力によって、植付爪機構45の回転駆動を行うように構成している。
【0031】
植付爪機構45として、植付フレーム51の後部に、ロータリケース55を支持する植付伝動ケース44が、後向き片持ち状に連結されている。植付フレーム51の左右側端部と中央部の計3箇所に植付伝動ケース44がそれぞれ取付けられている。植付伝動ケース44には、一方向に等速回転させる2条分のロータリケース55が軸支されている。ロータリケース55の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース56を配設している。各爪ケース56に植付爪57を取付けている。すなわち、苗植付装置2の下降時には、左右に往復摺動させる苗載台46から、ロータリケース55の1回転で、2本の植付爪57によって1株分の苗がそれぞれ取出され、フロート47によって整地された田面に2本の植付爪57の各苗が植付けられ、連続的に苗植え作業を行うように構成されている。
【0032】
植付フレーム51の下側には、左右方向に延びる植付深さ調節用の支点軸67を回動自在に取付けられている。図4及び図5に示すように、各フロート47の上面に取付けたブラケット68が、調節リンク69を介して、支点軸67に連結されている。支点軸67に基端を固設する植深調節レバー67aを操作して、苗の基準植付深さの調節が行われる。なお、中央位置のフロート47に連結された図示しない昇降リンクによって、フロート47の傾斜角度の変化を検出して、苗の植付け深さ自動制御を可能にしている。
【0033】
次に、図6〜図14を参照して、サイドマーカ71と、サイドマーカ71を作業姿勢又は収納姿勢に移動可能に支持するマーカアーム支持フレーム70について説明する。苗植付装置2の左右に設けられた左右のサイドマーカ71は、未植田面に次行程の植付け軌跡を形成する筋引きマーカとしてのマーカ輪体72と、マーカ輪体72を先端側に回転自在に軸支した棒状のマーカアーム73と、ベースフレーム77を有する。マーカアーム73(ベースフレーム77)は、マーカアーム支持フレーム70に配置されたマーカ回動支点軸74回りに回動可能に設けられている。
【0034】
即ち、マーカアーム73がマーカ回動支点軸74回りに、矢印A方向に回動することによって、未植田面から地上に持上げた収納姿勢から、未植田面に着地させた作業姿勢に、マーカ輪体72が移動する一方、矢印B方向に回動することによって、未植田面に着地させた作業姿勢から、未植田面から地上に持上げた収納姿勢(非作業姿勢)にマーカ輪体72が移動するように構成している。
【0035】
左右のマーカアーム支持フレーム70を支持する左右のマーカ支持体75が、植付フレーム51の左右両端部にそれぞれ設けられている。マーカ支持体75は、角筒状の植付フレーム51の上面と側面に上方から被嵌可能な形状、具体的には下向き開口形のC型チャンネル鋼によって形成されている。
【0036】
マーカ支持体75は、植付フレーム51にボルト105で固定されたベースプレート101と、ベースプレート101の上面に外側方に突出するように溶接固着された支持パイプ102と、支持パイプ102の上方に溶接固着された支持ブラケット103と、ボルト106によって支持ブラケット103に締結された支持プレート104とを有する。鋳造加工によって形成された支持プレート104の前面及び後面には、複数のボスが一体的に突出形成されている。支持プレート104の後面に突出するボス部104aに、マーカ回動支点軸74が挿入されている。
【0037】
ベースプレート101の上面の内側方には、整地ロータ35用のロータ支持ブラケット107が溶接固着されている。左右内方側に突出するロータ支持軸108がロータ支持ブラケット107に溶接固着されている。整地ロータ35の縦フレーム35aに下リンク35cの一端側が連結されている。下リンク35cの他端側がロータ支持軸108に回動可能に軸支されている。また、サイドバンパを兼用するスタンド109を備え、スタンド支持ブラケット110にスタンド109が支持されている(図6参照)。支持パイプ102の下面側にスタンド支持ブラケット110が溶接固着されている。
【0038】
支持ブラケット103は、上面部と前後側面部と機外方側面部とを有している。後述する規制体103aを形成する支持ブラケット103には、支持プレート104がボルト106で締結されている。支持プレート104は、支持ブラケット103の前後の側面部に挟持されている。支持プレート104は、苗植付装置2の左右方向の中央寄りに上端側が傾斜した姿勢に、支持ブラケット103を介して支持パイプ102に取付けられている。
【0039】
支持ブラケット103の上面には、支持プレート104が挿入される挟持用スリット103aが形成されている。挟持用スリット103aに支持プレートの下端側を挿入して、ボルト106で締結することによって、支持プラケット103の前後側面部によって支持プレート104が挟持され固定される。これにより、支持ブラケット103に対する支持プレート104の取付け強度を向上させることができる。
【0040】
マーカアーム73の基端部は、L字状に折り曲げ形成された中間支持片76の内隅部に溶接されている。中間支持片76の外側面の一面が、細長いプレート状のベースフレーム77の一側にボルト77aで締結されている。マーカ回動支点軸74は、ベースフレーム77に挿通されている。マーカ輪体72を支持するマーカアーム73と、中間支持片76と、ベースフレーム77とが、マーカ回動支点軸74回りに、一体的に回動するように構成されている。
【0041】
図7に示すように、ベースフレーム77は支持プレート104の前面側に配置されている。支持プレート104とベースフレーム77との間には、マーカ上昇ギヤとしてのセクタギヤ78が配置されている。そして、ベースフレーム77、セクタギヤ78、支持プレート104を貫通するように、マーカ回動支点軸74を前後方向に延長している。
【0042】
ボス部104aから後方側に突出しているマーカ回動支点軸74の後端部74aは、連結フレーム86の一端部に溶接固着されている。連結フレーム86は、平面視で段違い状にプレートを曲げ加工して形成されている。連結フレーム86の他端部は、ベースフレーム77の後面にボルト86aにて締結されている。連結フレーム86及びベースフレーム77は、マーカ回動支点軸74と一体的に回転する。マーカ回動支点軸74は、セクタギヤ78と支持プレート104に対して遊転するように取付けられている。
【0043】
マーカ回動支点軸74が挿入されている支持プレート104のボス部104aの外周には、ねじりコイルバネ形状の筋引きバネ85が巻装されている。即ち、マーカ回動支点軸74上に筋引きバネ85が配置されている。連結フレーム86とベースプレート77の間に、マーカ回動支点軸74を支持する支持プレート104と、筋引きバネ85が配置されている。
【0044】
筋引きバネ85の一端部は、連結フレーム86に係止されている。筋引きバネ85の他端部は支持プレート104に係止されている。筋引きバネ85の弾性圧力によって、マーカアーム73は矢印A方向(作業姿勢側)に弾圧されている。つまり、サイドマーカ71を作業姿勢に維持する筋引きバネ85構造を、マーカ回動支点軸74を中心にその周辺に配置することで、筋引きバネ85等をコンパクトに組付けることができる。
【0045】
セクタギヤ78は、マーカ昇降用アクチュエータである電動モータ79の正逆回転により回転するピニオンギヤ80と噛合していて、マーカ回動支点軸74を中心にして回動する。ピニオンギヤ80が矢印C方向に回転すると、セクタギヤ78は矢印A方向に回転し、ピニオンギヤ80が矢印D方向に回転すると、セクタギヤ78は矢印B方向に回転する。電動モータ79とピニオンギヤ80とはカバー内に一体的に収納されていて、支持プレート104にボルト81で締結されている(図10参照)。
【0046】
セクタギヤ78を貫通する軸状の係止体83が配置されている。支持プレート104にガイド溝82が開設されている。ガイド溝82は、マーカ回動支点軸74を中心とした円周方向に延びる円弧形状に形成されている。係止体83のうちセクタギヤ78の後側に突出した係止後部83bが、ガイド溝82内に移動可能に挿入されている。この係止後部83bが、ガイド溝82に沿って上下することで、後述する上下のリミットスイッチ87、88を作動させるように構成されている。
【0047】
係止体83のうちセクタギヤ78の前側に突出した係止前部83aは、ベースフレーム77に形成された係合ノッチ84に当接可能に設けられている。係合ノッチ84は、ベースフレーム77のうち、マーカアーム73が固定された側とマーカ回動支点軸74を挟んで反対側の端部のうちの1つの角隅部、詳細には収納姿勢時には内方側、作業姿勢時には上方側に位置する角隅部を段状に切り欠いて形成されている。つまり、セクタギヤ78に貫通させて取付けた1本の係止体83で、係合ノッチ84と当接する部材と、上下のリミットスイッチ87、88を作動させる部材とを兼用させている。
【0048】
なお、前記実施形態では、係止体83がセクタギヤ78に溶接固着されているが、セクタギヤ78に係止体83を螺着させると、例えば、セクタギヤ78から係止体83を抜取ることによって、電動モータ79を駆動させることなく、サイドマーカ71を回動させてメンテナンス作業等を行うことができる。
【0049】
支持プレート104の後面のうち、ガイド溝82の上端部に対応する後面に、上リミットスイッチ87が取付けられる一方、ガイド溝82の下端部に対応する後面に、下リミットスイッチ88が取付けられている。上リミットスイッチ87は、係止体83(係止後部83b)がガイド溝82に沿って上方に移動したとき、即ちマーカ輪体72が作業姿勢に移動した後に作動する。下リミットスイッチ88は、係止後部83bがガイド溝82に沿って下方に移動したとき、即ちマーカ輪体72が収納姿勢に移動したときに作動する。
【0050】
上下のリミットスイッチ87、88のそれぞれの取付け位置を決定するために、支持プレート104の後面には、L字状突条形の第1突部104bと、略円形状突起形の第2突部104cとが突出形成されている。上リミットスイッチ87(下リミットスイッチ88)の1つの角隅部が第1突部104bに当接され、第1突部104bとは略対角線上の上リミットスイッチ87(下リミットスイッチ88)側面が第2突部104cに当接されている。また、上下のリミットスイッチ87、88は、ネジ111によって支持プレート104に螺着されている。その結果、ネジ111の螺着操作によって、ガイド溝82に対して上下のリミットスイッチ87、88を適正位置に簡単に配置することができる。
【0051】
一方、マーカ輪体72が未植田面に着地した作業姿勢に移動したときに、支持ブラケット103の上面の規制体103aに、サイドマーカ71のベースフレーム77の下端が当接するように設けられている。サイドマーカ71は規制体103aに当接することによって、マーカ輪体72が植付け軌跡を形成する高さ(所定地上高)に支持される。即ち、マーカ輪体72の作業姿勢高さが規制体103aによって決定される。
【0052】
支持ブラケット103の機外方側面部には、プレート状のガイド体89がボルト90で締結されている。ガイド体89には、上向きに開口したU字状の切欠溝91が開設されている。サイドマーカ71が規制体103aに当接したときに、切欠溝91内に、ベースフレーム77が入込むように構成している。即ち、作業姿勢のマーカ輪体72の支持位置が、走行抵抗や振動等によって前後方向に変更されるのを、ベースフレーム77とガイド体89との係合によって規制している。
【0053】
上述したように、マーカ回動支点軸74、電動モータ79、セクタギヤ78、ピニオンギヤ80、上リミットスイッチ87、下リミットスイッチ88、筋引きバネ85等がマーカアーム支持フレーム70に集中的に配置されている。マーカアーム支持フレーム70が支持プレート104にボルト106で着脱可能に取付けられている。また、支持プレート104を備えるマーカ支持体75は、ボルト105で植付フレーム51に着脱可能に取付けられている。つまり、複数の部材が集中的に配置されたマーカアーム支持フレーム70は、1つのユニット部品として取扱うことができる。従って、支持ブラケット103に支持プレート104を簡単に着脱できるから、マーカアーム支持フレーム70の組付け交換作業性を向上できる。
【0054】
また、規制体103aを形成する支持ブラケット103に、マーカアーム支持フレーム70が取付けられているから、マーカアーム支持フレーム70を取り付けるときには、支持プレート104を挟持用スリット103bに挿入して、支持ブラケット103にボルト106で締結するだけで、規制体103aとマーカ回動支点軸74とを適正な位置関係に配置できる。従って、マーカアーム支持フレーム70を着脱交換しても、マーカ輪体72を適正作業姿勢(高さ位置)に支持できる。
【0055】
また、サイドマーカ71の基端部側に配置された、支持プレート104、筋引きバネ85、セクタギヤ78、電動モータ79の下部側、ピニオンギヤ80、上下のリミットスイッチ87、88等の部材は、基端側カバー92で覆われている。従って、ピニオンギヤ80とセクタギヤ78の噛み合わせ部分、ガイド溝82、係止体83と係合ノッチ84との間、筋引きバネ85等に付着する泥土量を低減でき、付着した泥土によって発生する動作不良等を低減できる。
【0056】
上記の構成によると、サイドマーカ71が起立した収納姿勢では、図11〜図13に示すように、セクタギヤ78に取付けられた係止体83の係止前部83aが、ベースフレーム77の係合ノッチ84を下向きに押圧するため、マーカアーム73の先端側が上方に延びて、マーカ輪体72が地上に持ち上げられた収納位置に保持される。
【0057】
サイドマーカ71を収納姿勢から作業姿勢に姿勢変更させるときには、作業者が左右のサイドマーカ71のいずれかを選択するようにレバー操作等を行う。このレバー操作等により、対応する側のサイドマーカ71の電動モータ79が所定方向に回転(正回転とする)して、ピニオンギヤ80を矢印C方向に回転させる。このピニオンギヤ80の回転により、セクタギヤ78が矢印A方向に回動して、その結果、係止前部83a(係止体83)が係合ノッチ84から離れる方向(略上方向)に移動する。
【0058】
前記セクタギヤ78の回動により、係合ノッチ84(サイドマーカ71)に対する係止体83の押圧力、換言するとマーカ輪体72を地上に持上げた姿勢(収納姿勢)に保持する力が解除される。そのため、ベースフレーム77は、筋引きバネ85の付勢力によって、苗植付装置2の外側方に向けてマーカアーム73が移動する倒伏動作を開始する。苗植付装置2の外側方に向けて略水平方向にマーカアーム73が延び、マーカ輪体72が未植田面に着地したときに、ベースフレーム77が規制体103aに当接する。そして、規制体103aによって下降が阻止されたマーカ輪体72は、植付け軌跡を形成する作業姿勢の高さに支持される。
【0059】
サイドマーカ71の作業姿勢への姿勢変更は、規制体103aとの当接によって終了するが、この時点では、上リミットスイッチ87を切換える位置に係止後部83bが到達しないように設定されている。従って、上リミットスイッチ87を切換える位置に係止後部83bが到達するまで、電動モータ79によるセクタギヤ78の回転が継続される。その後、係止後部83bによって上リミットスイッチ87が切換えられて、電動モータ79が停止し、セクタギヤ78も停止する。セクタギヤ78が停止したときには、係合ノッチ84から離間した上方位置に係止前部83aが支持される(図6、図8、図10参照)。
【0060】
つまり、上記構成では、サイドマーカ71の作業姿勢は、規制体103aによって位置決めされる。電動モータ79の回転量や、上リミットスイッチ87によって位置決めされない。従って、仮に、上リミットスイッチ87を組付けたときに、上リミットスイッチ87の取付位置が不均一になっても、サイドマーカ71の作業姿勢の位置決めに全く影響することがない。
【0061】
ところで、作業姿勢のマーカ輪体72が次行程の植付け軌跡を形成しているときに、未植田面中の石や硬い土塊等が接触して、マーカ輪体72を上方に突上げる力が作用する場合がある。そのような突上げ力が作用したときには、サイドマーカ71が筋引きバネ85に抗して矢印B方向に回動し、作業姿勢にあるマーカ輪体72が上方に回避作動する。即ち、マーカ輪体72が作業姿勢に支持されているときに、マーカ輪体72に過大な突上げ力が作用しても、係止体83に阻止されることなく、マーカアーム73が上方回動することによって、石や硬い土塊等からマーカ輪体72が容易に退避できるので、サイドマーカ71(マーカアーム73、マーカ輪体72)の損傷を防止できる。なお、係止前部83aと隙間をあけて位置している係合ノッチ84が、さらに係止前部83aと離間する方向へ移動するから、係合ノッチ84は係止体83とは衝突しない。
【0062】
田植作業中、圃場の枕地に到達して次行程の植付作業位置に方向転換するときに、苗植付装置2を非作業位置に上昇させる操作等によって、電動モータ79が逆回転して、作業姿勢のマーカ輪体72を収納姿勢に移動させる。電動モータ79の逆回転によってピニオンギヤ80が矢印D方向に回転する。このピニオンギヤ80の矢印D方向の回転により、セクタギヤ78が矢印B方向に回動して、係止体83の係止前部83aが係合ノッチ84と当接する。セクタギヤ78が矢印B方向にさらに回動されることによって、係止前部83aがベースフレーム77を押圧する。係止前部83aによってベースフレーム77が押圧されて、マーカアーム73の先端側が上向きに回動して、マーカ輪体72が田面から地上の所定高さ位置に持上げられる。
【0063】
係止体83の係止後部83bが下リミットスイッチ88を切換える位置まで、セクタギヤ78が回転すると(図11参照)、下リミットスイッチ88が切換わり、電動モータ79が停止する。マーカアーム73が略起立する位置までマーカ輪体72が持ち上げられる。係止前部83aが係合ノッチ84を介してベースフレーム77を押圧することによって、マーカ輪体72が収納姿勢に維持される(図11〜図13参照)。
【0064】
植付作業を行わないとき(左右いずれのマーカ輪体72も使用しないとき)には、苗載台46の左右側部に配置されているフック93に、マーカアーム73を引掛けて、マーカアーム73を確実に起立した姿勢に保持するようにしている(この姿勢を、収納姿勢と区別して格納姿勢と記載する)。収納姿勢から格納姿勢にサイドマーカ71を姿勢変更させるときには、図13に示すように、作業者が手作業で、係合ノッチ84が係止前部83aから離れる方向(矢印B方向)にベースフレーム77及びマーカアーム73を回動させればよい。
【0065】
サイドマーカ71が格納姿勢のときに、作業者が誤ってサイドマーカ71を作業姿勢に変更させるようにレバー操作して、電動モータ79が回転しても、係止前部83aが係合ノッチ84から離れる方向に(矢印A方向)にセクタギヤ78が回動するだけであるので、サイドマーカ71が損傷しない。
【0066】
以上のように、上記実施形態では、苗載台46と複数の植付爪57とを備える苗植付装置2と、圃場面に次工程の植付け軌跡を形成する左右のマーカ輪体72と、マーカ輪体72を圃場の圃場面から地上に上昇させる電動モータ79とを備え、マーカ輪体72を、前記圃場面に着地させた作業姿勢または前記圃場面から地上に持上げた収納姿勢に移動可能に構成した田植機において、マーカ輪体72を前記作業姿勢に姿勢変更したときに当接する規制体103aを設け、規制体103aによって、圃場面に植付け軌跡を形成する高さにマーカ輪体72を支持するように構成している。つまり、規制体103aとの当接によって、マーカ輪体72が作業姿勢からさらに下降することを阻止して、植付け軌跡を形成する高さ位置にマーカ輪体72を支持しているから、低コストな構造でありながら、マーカ輪体72を適正な高さを安定して維持することができ、圃場面に確実に軌跡を形成することができる。アクチュエータの駆動量によって、マーカ輪体72の作業姿勢を規定する場合に比べて、アクチュエータを高い精度で制御する必要がないから、アクチュエータのコストを低減できる。バネ等を介在させて作業姿勢を維持する場合に比べると、弾性力の経時変化等によって位置ズレが生じる虞もない。
【0067】
また、上記実施形態では、マーカ輪体72を前記作業姿勢または前記収納姿勢に移動可能に軸支させるマーカ回動支点軸74を備え、マーカ回動支点軸74と電動モータ79とを配置するマーカ支持体75に、規制体103aを設け、苗植付装置2の植付フレーム51に、マーカ支持体75を着脱可能に配置している。苗植付装置2の植付フレーム51は高剛性に形成されているから、規制体103aを設けたマーカ支持体75を、植付フレーム51に強固に取付けることができる。従って、規制体103aが、走行機体1や苗植付装置2の振動等で位置ずれする虞を低減でき、マーカ輪体72の作業姿勢の安定性が向上できる。
【0068】
また、上記実施形態では、マーカ輪体72を前記作業姿勢または前記収納姿勢に移動可能に軸支させるマーカ回動支点軸74を備え、マーカ輪体72を昇降可能に支持するマーカ支持体73として、マーカ回動支点軸74が配置される支持プレート104と、上面側に規制体103aが形成された支持ブラケット103とを備え、支持プレート104を支持ブラケット103に着脱可能に固定するように構成している。マーカ回動支点軸74と規制体103aとの位置合わせを、支持ブラケット103を基準にして簡単に行うことができ、組立作業性を向上できる。作業姿勢又は収納姿勢に移動可能にマーカ輪体72が支持されるマーカアーム支持フレーム70を、支持プレート104に取り付けてユニット構造に構成できるから、サイドマーカ71仕組みの組立作業性を向上できる。サイドマーカ71仕組みの製造コストを低減できる。
【0069】
また、上記実施形態では、支持ブラケット103には支持プレート104が挿入される挟持用スリット103bが形成され、挟持用スリット103bに挿入された支持プレート104を、支持ブラケット103によって挟持固定するように構成しているから、支持プレート104を支持ブラケット103に対して強固に固定できる。作業姿勢又は収納姿勢に移動可能にマーカ輪体72が支持されるマーカアーム支持フレーム7−を、支持プレート104に取り付けてユニット構造に構成し、マーカアーム支持フレーム70の取付け安定性を向上できる。
【符号の説明】
【0070】
1 走行機体
2 苗植付装置
50 植付フレーム
51 横フレーム
70 マーカアーム支持フレーム
71 サイドマーカ
72 マーカ輪体
73 マーカアーム
74 マーカ回動支点軸
75 マーカ支持体
77 ベースフレーム
79 電動モータ
103a 規制体
103 支持ブラケット
104 支持プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗載台と複数の植付爪とを備える苗植付装置と、圃場面に次工程の植付け軌跡を形成する左右の筋引きマーカと、前記筋引きマーカを圃場の圃場面から地上に上昇させるアクチュエータとを備え、前記筋引きマーカを、前記圃場面に着地させた作業姿勢または前記圃場面から地上に持上げた収納姿勢に移動可能に構成した田植機において、
前記筋引きマーカを前記作業姿勢に姿勢変更したときに当接する規制体を設け、前記規制体によって、圃場面に植付け軌跡を形成する高さに前記筋引きマーカを支持するように構成したことを特徴とする田植機。
【請求項2】
前記筋引きマーカを前記作業姿勢または前記収納姿勢に移動可能に軸支させるマーカ回動支点軸を備え、前記回動支点軸と前記アクチュエータとしての電動モータとを配置するマーカ支持体に、前記規制体を設け、
前記苗植付装置の植付フレームに、前記マーカ支持体を着脱可能に配置したことを特徴とする請求項1に記載の田植機。
【請求項3】
前記筋引きマーカを前記作業姿勢または前記収納姿勢に移動可能に軸支させるマーカ回動支点軸を備え、前記筋引きマーカを昇降可能に支持するマーカ支持体として、前記マーカ回動支点軸が配置される支持プレートと、上面側に前記規制体が形成された支持ブラケットとを備え、前記支持プレートを前記支持ブラケットに着脱可能に固定するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の田植機。
【請求項4】
前記支持ブラケットには前記支持プレートが挿入される挟持用スリットが形成され、前記挟持用スリットに挿入された前記支持プレートを、前記支持ブラケットによって挟持固定するように構成していること特徴とする請求項3に記載の田植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−187581(P2010−187581A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34096(P2009−34096)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】