説明

申込書の登録方法

【課題】Web上で配信する電子フォームによる申込情報入力画面で申込情報を入力し、プリントして署名,捺印して送付することによりイメージ情報とキー情報を一度に登録できる申込書の登録方法を提供する。
【解決手段】少なくとも、申込み先のサーバが、インターネットで申込情報入力画面を配信するステップと、申込み側の通信端末が申込情報入力画面を表示部に表示し、申込情報を入力し、二次元コードを表示した申込書を入出力端末に接続されたプリンタによってプリントするステップと、申込書に署名し、お届印で捺印し、署名,捺印された申込書を申込み先に送付するステップと、申込み先の光学読取装置で申込書を読み取り、二次元コードから読取られた申込情報を申込情報ファイルに格納し、キー情報をキー情報ファイルに格納し、イメージ情報をイメージ情報ファイルに格納するステップとからなる申込書の登録方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、申込書の登録方法に関し、Web上で配信する電子フォームによる申込情報入力画面で申込情報を入力し、プリントして送付することによりイメージ情報とキー情報を一度に登録できる申込書の登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージファイリングシステムを使って申込書などの情報を登録する場合、イメージスキャナ等で申込書を読取り、記載情報を画像データ化した後に、その画像情報を検索するためのキー情報、例えば、「申込番号」,「顧客番号」,「登録日付」,「申込日付」,「申込人氏名」,「申込サービス区分」,「申込人電話番号」等を手入力している。
また、Web上で申込みを受け付ける申込画面を提供している場合でも、申込書に署名,捺印が必要なため、入力後に画面をプリントアウトし、プリントされた申込書に署名,捺印を行っているが、申し込み手続きはWeb上だけでは完結しない。
【0003】
そこで、これらの課題を解決するための発明(特許文献1〜8参照)が提案されているがそれぞれに課題がある。
例えば、特許文献1の「ファイリングデータの登録、検索システムとファイリングデータの登録システムとファイリングデータの検索システム」は、イメージに含まれる文字画像をOCR認識することによりキー情報を取得する方式であるため、OCR認識中に読取エラーや誤読が発生する可能性がある。
また、特許文献2の「電子ファイリングシステム、イメージ登録方法及び記録媒体」は、イメージに含まれる文字画像をOCR認識することによりキー情報を取得する方式に関するものであり、OCR認識中に読取エラーや、誤読が発生する可能性がある。
また、特許文献3の「文書ファイリング装置、及び文書ファイリング方法」は、効率的に検索する手段に関するもので、キー情報についてはあらかじめ用意しておく必要がある。
また、特許文献4の「電子ファイリングシステム」は、あらかじめ用意したキー情報ファイルを読取ったイメージとマッチングし、登録する方法に関するものであり、キー情報については予め用意しておく必要がある。
また、特許文献5の「電子ファイリングシステムおよび同システムにおけるイメージデータ管理方法」は、本などのページ数の多い書類をイメージファイリングする際に章毎のタイトル情報などを予め用意しておき、章毎に管理する方法に関するものであり、やはりキー情報は予め用意しておく必要がある。
また、特許文献6の「タイトル登録が容易なファイリングシステム」は、過去の情報を再利用することにより登録を楽にするもので、過去のファイリングのキー情報がデータベース化されていることが必要である。
また、特許文献7の「電子ファイリング装置の文書登録方法」は、イメージスキャナにファイリングする文書を読取らせる際に、ヘッダー用紙も一緒に読取らせ、その用紙に記載されている情報を元にキー情報を取得している。このため、ヘッダー用紙に予めキー情報を記入する必要があり、OCR認識するための誤読、読取エラーによる修正作業が必要となる。
また、特許文献8の「イメージファイリングシステムにおけるインデックス作成方式」は、予めファイリングする文書に蛍光ペンで印(マーク)を付けておき、それをイメージOCRで読取ってキー情報とする技術である。このため、読取らせる前に全ての文書に蛍光ペンで印をつけておく必要がある。また、文書にない情報(例えば作業者の情報)をキー情報としたい場合には別途個別に入力する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−295830号公報
【特許文献2】特開2001−134698号公報
【特許文献3】特開2000−057149号公報
【特許文献4】特開平10−208015号公報
【特許文献5】特開平10−187941号公報
【特許文献6】特開平08−101840号公報
【特許文献7】特開平06−060162号公報
【特許文献8】特開平05−233705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記、開示されている発明にも見られるように、イメージファイリングシステムを使って申込書などの情報を登録する場合、イメージスキャナ等で申込書を読取り、記載情報を画像データ化した後に、その画像情報を検索するためのキー情報、例えば、「申込番号」,「顧客番号」,「登録日付」,「申込日付」,「申込人氏名」,「申込サービス区分」,「申込人電話番号」等を手入力している。この場合、ファイリングする文書を一件一件確認しながらキー情報を入力するため、確実ではあるが、ファイリングの対象枚数が多い場合には作業時間も膨大になる。
また、前述のように、Web上で申込みを受け付ける申込画面を提供している場合でも、申込書に署名,捺印が必要なため、入力後に画面をプリントアウトし、プリントされた申込書に署名,捺印を行っているために、申し込みは、Web上だけでは完結しない。その結果、金融系の申込みでは署名,捺印が必要な場合が多く、原本をファイリング化する場合には通常の印刷物で申し込みを受け付けた場合と同様の作業を行う必要がある。
【0006】
前記課題に対して、Web上の入力画面を使った申込みに関し、申込書などの紙文書をイメージファイリングする際に必要となるキー情報の登録作業を効率化し、同時にイメージファイリングのデータが出来上がるようにし、二次元コードを使用することにより、読取途中で発生する読取エラーや誤読などを防ぎ、修正作業の手間を省く申込書の登録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の申込書の登録方法の請求項1に記載の発明は、ネット経由で配信された電子フォームによる申込情報入力画面に申込情報を入力し、入力画面をプリントして申込書を作成し、署名,捺印して送付し、申込情報を登録する申込書の登録方法であって、少なくとも、申込み先のサーバが、インターネットで申込情報入力画面を配信するステップと、申込み側の通信端末が申込情報入力画面を表示部に表示し、入力手段によって申込情報入力画面に申込情報を入力するステップと、申込情報入力画面の少なくとも一部の情報と入力情報の一部を格納した二次元コードを入出力端末に接続されたプリンタによって申込書としてプリントするステップと、申込書に署名し、お届印で捺印し、署名,捺印された申込書を申込み先に送付するステップと、申込み先の光学読取装置で申込書を読み取るステップと、二次元コードから読取られた申込情報を申込情報ファイルに格納するステップと、キー情報をキー情報ファイルに格納するステップと、イメージ情報をイメージ情報ファイルに格納するステップと、からなることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、申込情報は申込み先から与えられた情報を含む申し込みに必要な情報で、キー情報は、申込番号、顧客番号、登録日付、申込日付、申込人氏名、申込サービス区分、申込人電話番号の少なくとも一つを含む情報で、イメージ情報は、署名および捺印情報を少なくとも一つ含む情報であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の申込書の登録方法により、従来まで申込情報登録の際に行っていたキー情報のパンチ入力、OCR読取によるエラーの訂正作業、キー情報登録用ヘッダー用紙の準備等が不要になり、イメージの登録と同時にキー情報も同時に登録することができる。
さらに申込情報全てをデータ化することにより、業務システムで必要となる情報も同時にデータ化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の申込書の登録方法について説明する。
以下の説明では、本発明の申込書の登録方法について、証券総合取引申込書の登録方法の例で説明する。
図1は、本発明の申込書の登録方法を実行するための装置構成および申込書について説明するための模式図,図2は、入力画面に表示される申込書の一例について説明するための図,図3は、本発明の申込書の登録方法の手順について説明するための図である。
【0011】
図1を参照して、本発明の申込書の登録方法を実行するための装置構成および申込書について説明する。
証券会社、または、関連する会社(以下、申込先という。)のWebサーバ(以下、サーバという。)11から証券総合取引申込書(以下、単に申込書という。)の申込情報入力画面を配信する。
サーバ11には、申込書を含む各種の入力画面の入力フォーマットや、プログラムが格納された記憶装置が接続されている。
【0012】
また、申込先の受付部署では、送付された申込書が正しくプリントされ、日付,署名,捺印が指定どおりに記載されているか、記載内容を確認し、修正が必要な場合は、修正する。
正しく記載された申込書は、光学読取装置(以下、スキャナという。)12でイメージ読み取りされる。
【0013】
スキャナ12には、各種の記憶装置が接続されている。
先ず、申込書の二次元コードから読取られた申込情報は、申込情報F(以下、Fをファイルという。)13に、キー情報はキー情報ファイル14に、イメージ情報はイメージ情報ファイル15にそれぞれ分割されて格納される。
前記、申込情報やイメージ情報にはキー情報、例えば、申込番号等によって読み出すことができるように関連付けされて格納される。
業務部署では、申込情報ファイル13に格納された申込情報の内容審査を行う。
また、少なくともイメージ情報ファイル15に格納されたイメージ情報は、手書きによる署名情報や、印鑑の印影等であるために暗号化されて厳重に管理される。
【0014】
一方、申込側には、入力手段、表示手段、および、送受信手段を有する通信端末21がネット上に接続されている。
通信端末21の表示部に申込情報入力画面を表示し、入力画面の入力枠に入力情報を入力する。
また、通信端末21にはプリンタ22が接続されており、申込情報が入力された申込情報入力済み画面のプリントを指示すると、文字情報により表示された申込情報と、二次元コード情報に変換され同一画面に表示されている申込情報が申込書1がプリントされる。
プリントされた申込書1は、通信端末の表示画面に表示された申込情報入力画面と同一状態になっている。
【0015】
プリンタ22は、フレキシブルディスクなどの記録媒体を読み取って記録内容をプリントするスタンドアロン型のプリンタであってもよい。
【0016】
申込者は、プリントされた申込書の署名欄に手書きで署名を行い、署名した日付情報を記入し、お届印欄に申込先に登録するお届印で捺印する。
捺印された申込書1は、申込先に送付される。多くの場合、コピーによる控えが手元に残される。
【0017】
図2を参照して、入力画面に表示される申込書の一例について説明する。
以下この項では、申込書の入力画面について証券会社で取り扱う証券総合取引申込書の例で説明する。
また、二次元コード100は、入力画面上に表示しなくてもよいが、表示画面情報と同一の状態がプリントされたほうが説明し易いために、以下の説明では、申込書に印刷される二次元コード100は、入力画面が立ち上げられる段階から表示され、新しい情報が入力されるたびに二次元コードの内容が変更されるものとして説明する。
【0018】
申込書の入力画面が立ち上げられた時点で、申込書1の「申込番号」表示欄104の「申込番号0000001」や、二次元コード100が自動的に生成されて表示される。 「申込日」入力枠105は、自動的に生成されて表示するよう設定されても、入力者に入力されるように設定されてもよいが、本実施形態では入力者によって入力されるようになっている。
また、申込者の個人情報を入力するための「個人情報入力枠」106が設けられている。「個人情報入力枠」106のそれぞれの入力項目には独立したコードが付され、項目別入力情報に付されて保存されるようになっている。
【0019】
お申込内容記載項目の最初に特定口座の申込欄がある。
特定口座の開設を申し込む場合は「チェック欄」にチェックマークを記載し、申し込んだ時点における住所と、年が明けた時点での住所が異なる場合は、第2の住所入力枠103に年が明けた時点での住所情報を入力する。
お申込内容記載項目の4項目目に振込先口座指定欄が設けてある。
情報を入力する前に、銀行口座にするか、郵便口座にするか選択し、チェックマーク記載欄にチェックマークを記載する。
次に、「金融機関情報入力枠」107の金融機関名,支店名,銀行コード,支店コード,口座番号のそれぞれの入力枠に申込者の金融機関情報を入力する。
【0020】
申込情報入力画面は電子フォーム形式の入力画面になっており、チェックマーク記載欄や、「申込日入力枠」105,「個人情報入力枠」106,「第2の住所入力枠」103,「金融機関情報入力枠」107には、それぞれに編集プログラムが組み込まれ、入力情報の流れ方(使途)が指定される。
例えば、前記「申込日入力枠」,「個人情報入力枠」,「第2の住所入力枠」,「金融機関情報入力枠」に入力された入力情報は、申込情報入力画面に表示された二次元コードに変換され、送信の際に暗号化され、入力された情報は全てテキストデータに変換されるというような共通の要素を含んだ「入力枠」コードが貼付される。
または、前記それぞれの「入力枠」コードは、二次元コード化プログラム,送信プログラム,テキストデータ変換プログラムの対称に登録される状態で組み込まれる。また、プリンタで印刷される段階では、印刷される書体、大きさまで指定される。
【0021】
お申込内容記載項目の5項目目に「ご確認欄」が設けてある。
この欄は、申込書情報を入力した者の署名、捺印欄である。
署名欄102、捺印欄101は、入力画面による入力項目から外されている。
【0022】
入力画面の二次元コードには、チェックマーク欄を含め、入力された申込情報は全て格納された状態になっており、プリンタで印刷された状態でもそのまま再現される。
この申込書が申込先に送付されてスキャナで読み込まれたときに、申込情報としてファイルされる項目、キー情報としてファイルされる項目に指定されて二次元コード化されている。
【0023】
ここで、二次元コードについて説明する。
二次元コードは、水平,垂直方向に情報を有し、可視光や赤外光による光学読取装置,デジタルカメラなどによって読み取られる。
二次元コードには、マトリックス型二次元コードとスタック型二次元コードがある。
マトリックス型二次元コードには、データコード,マキシコード,CPコード,QRコード等の種類があり、スタック型二次元コードには、PDF417,コード49,コード16K,コーダブロック等の種類がある。
図に示す二次元コードは、PDF417で、最大データ量として、英数字の場合は約2700文字、漢字の場合は約550文字を表現(格納)することができる。
【0024】
プリンタでプリントされた申込書の署名欄102に、日付情報(図示せず)と氏名を自筆で記載する。
さらに、捺印欄101に金融機関に届けてある印鑑で捺印する。
【0025】
図3を参照して本発明の申込書の登録方法の手順について説明する。
サーバ11は、インターネット上に申込情報入力画面を配信する(ステップ1:以下、S1という。)。
通信端末21は、通信端末21の表示部に申込情報入力画面を表示する(S2)。
通信端末21の入力手段によって、申込情報を入力する(S3)。
申込書をプリンタによってプリントする(S4)。
プリントされた申込書のプリント内容を確認し、手書きで署名し、捺印欄に登録印で捺印する(S5)。
申込先に申込書を送付する(S6)。
申込先では、送付された申込書を受け付け、プリントされた内容を確認し、記載ミスがあれば訂正して、光学読取り工程に回付する。
スキャナ12で申込書の二次元コード部を読取り、情報の一部を、例えば、キー情報「申し込み番号」を貼付して申込情報ファイルに格納する。また、「複数のキー情報」をキー情報ファイルに格納する(S7)。
申込書のイメージ情報(手書き署名,印影情報)を読取ってイメージ情報ファイルに格納する(S8)。
申込情報は、内容審査を経て顧客ファイルに収納され登録される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
インターネットで配信された入力画面に申込み情報を入力し、プリントされた申込書で申込みを行う申込業務、特に、署名,捺印を必要とする金融業界で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の申込書の登録方法を実行するための装置構成および申込書について説明するための模式図である。
【図2】入力画面に表示される申込書の一例について説明するための図である。
【図3】本発明の申込書の登録方法の手順について説明するための図である。
【符号の説明】
【0028】
1 申込書,証券総合取引申込書
11 サーバ,Webサーバ
12 スキャナ,光学読取装置
13 申込情報ファイル
14 キー情報ファイル
15 イメージ情報ファイル
16 業務部署,業務システム
17 イメージファイリングシステム
21 通信端末
22 プリンタ
100 二次元コード
101 捺印欄
102 署名欄
103 第2の住所入力枠
104 申込番号表示欄
105 申込日入力枠
106 個人情報入力枠
107 金融機関情報入力枠


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネット経由で配信された電子フォームによる申込情報入力画面に申込情報を入力し、入力画面をプリントして申込書を作成し、署名,捺印して送付し、申込情報を登録する申込書の登録方法であって、
少なくとも、申込み先のサーバがインターネットで申込情報入力画面を配信するステップと、
申込み側の入出力端末が申込情報入力画面を表示部に表示し、入力手段によって申込情報入力画面に申込情報を入力するステップと、申込情報入力画面の少なくとも一部の情報と入力情報の一部を格納した二次元コードを入出力端末に接続されたプリンタによって申込書としてプリントするステップと、
申込書に署名し、お届印で捺印し、署名,捺印された申込書を申込み先に送付するステップと、
申込み先の光学読取装置で申込書を読み取るステップと、二次元コードから読取られた申込情報を申込情報ファイルに格納するステップと、キー情報をキー情報ファイルに格納するステップと、イメージ情報をイメージ情報ファイルに格納するステップと、
からなることを特徴とする申込書の登録方法。
【請求項2】
請求項1に記載の申込書の登録方法において、
申込情報は申込み先から与えられた情報を含む申し込みに必要な情報で、
キー情報は、申込番号、顧客番号、登録日付、申込日付、申込人氏名、申込サービス区分、申込人電話番号の少なくとも一つを含む情報で、
イメージ情報は、署名および捺印情報を少なくとも一つ含む情報であることを特徴とする申込書の登録方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−260051(P2006−260051A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75503(P2005−75503)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】